(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】作業システム
(51)【国際特許分類】
H02J 50/20 20160101AFI20231129BHJP
H02J 50/40 20160101ALI20231129BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
H02J50/20
H02J50/40
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
(21)【出願番号】P 2022509837
(86)(22)【出願日】2020-03-24
(86)【国際出願番号】 JP2020013047
(87)【国際公開番号】W WO2021192044
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鷹巣 浩二郎
(72)【発明者】
【氏名】桑原 真人
(72)【発明者】
【氏名】萩原 正己
(72)【発明者】
【氏名】中島 雄介
【審査官】清水 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103580293(CN,A)
【文献】特開2018-166384(JP,A)
【文献】特開平08-130840(JP,A)
【文献】特開2019-154195(JP,A)
【文献】特開2017-041935(JP,A)
【文献】特開2014-010665(JP,A)
【文献】Framework of wireless power transmission application service,Y.4202,ITU-T,2019年02月,https://www.itu.int/rec/T-REC-Y.4202/en
【文献】Application of wireless power transmission via radio frequency beam,SM.2392-0,ITU-R,2016年08月,https://www.itu.int/pub/R-REP-SM.2392
【文献】ブロードバンドワイヤレスフォーラム(BWF)、ワイヤレス電力伝送WG(WPT-WG),「空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムの技術的条件」に関する提案,総務省 情報通信審議会 情報通信技術分科会 陸上無線通信委員会(第47回)配布資料,資料47-3-2,日本,総務省,2019年02月01日,https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/idou/lrcs_47th_data.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/00 - 50/90
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業部を有する複数の作業機と、前記複数の作業機に電力を供給する給電装置と、を備える作業システムであって、
前記複数の作業機は、前記作業部を駆動させるために必要な電力量が異なる複数種類の作業機を含み、
前記給電装置は、前記複数の作業機の作業エリアに対して電力を無線送電する第一の送電手段を備え、
前記複数の作業機は、それぞれ、前記作業エリアに対して無線送電される電力を受電する受電手段を備え
、
前記作業機は、自律式作業機である、
ことを特徴とする作業システム。
【請求項2】
作業機と、前記作業機に電力を供給する給電装置と、を備える作業システムであって、
前記給電装置は、前記作業機の作業エリアに対して電力を無線送電する第一の送電手段を備え、
前記第一の送電手段は該作業エリアの
送電区画の単位面積当たり一定容量の送電を行い、
前記作業機は、前記作業エリアに対して無線送電される電力を受電する受電手段を備
え、
前記作業機は、自律式作業機である、
ことを特徴とする作業システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の作業システムであって、
前記作業機は、地表に対し作業を行う作業部を有し、
前記給電装置は、前記作業エリアの外側に隣接して立設され、前記第一の送電手段を前記作業エリアよりも高い位置に支持する支持体を備え、
前記第一の送電手段は、放射型無線電力伝送を行う、
ことを特徴とする作業システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の作業システムであって、
前記給電装置は、複数の前記第一の送電手段と、各第一の送電手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、各第一の送電手段の送電区域の重複が無いように、各第一の送電手段を制御する、
ことを特徴とする作業システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の作業システムであって、
前記給電装置は、前記第一の送電手段の送電方向を変更可能な可動手段と、前記可動手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記作業機の移動に合わせて前記可動手段により前記第一の送電手段の送電方向を制御する、
ことを特徴とする作業システム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の作業システムであって、
前記作業機は、前記受電手段で受電した電力を蓄電する蓄電器を有する、
ことを特徴とする作業システム。
【請求項7】
請求項
5又は請求項
6に記載の作業システムであって、
前記作業エリアに隣接して、有人作業エリアが設けられる、
ことを特徴とする作業システム。
【請求項8】
請求項1乃至請求項
7のいずれか一項に記載の作業システムであって、
前記作業機は、
モータを駆動源とした走行手段と、
前記モータの回生電力を無線送電する第二の送電手段と、を備える、
ことを特徴とする作業システム。
【請求項9】
請求項
8に記載の作業システムであって、
前記第二の送電手段は、前記作業エリアに設けられた蓄電装置に前記回生電力を無線送電する、
ことを特徴とする作業システム。
【請求項10】
請求項
8又は請求項
9に記載の作業システムであって、
前記第二の送電手段は、前記作業エリアにて作業を行う他の作業機に前記回生電力を無線送電する、
ことを特徴とする作業システム。
【請求項11】
請求項
8乃至請求項
10のいずれか一項に記載の作業システムであって、
前記作業機は、ショベルカーあるいはダンプカーである、
ことを特徴とする作業システム。
【請求項12】
請求項1又は請求項2に記載の作業システムであって、
前記受電手段が受電した電力量を計測する計測手段と、
前記計測手段の計測結果に基づいて、課金情報を生成する課金情報生成手段と、を備える、
ことを特徴とする作業システム。
【請求項13】
請求項
8に記載の作業システムであって、
前記受電手段が受電した電力量を計測する第一の計測手段と、
前記第二の送電手段が送電した電力量を計測する第二の計測手段と、
前記第一の計測手段及び前記第二の計測手段の計測結果に基づいて、課金情報を生成する課金情報生成手段と、を備える、
ことを特徴とする作業システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は作業システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電気自動車のルーフ上に搭載した太陽電池に向けて光を照射し、太陽電池が発電する電力を、電気自動車が備える二次電池に給電する非接触給電技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
庭の芝刈りや雪かき、或いは、工事現場などでは作業機の電動化が進められている。作業機の充電頻度が多いと、作業が遅滞する。また、作業機の種類によって必要な電力が異なるため、比較的簡易にその調整が行えることが好ましい。
【0005】
本発明の目的は、作業中の作業機に電力を供給可能な作業システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、
作業部を有する複数の作業機と、前記複数の作業機に電力を供給する給電装置と、を備える作業システムであって、
前記複数の作業機は、前記作業部を駆動させるために必要な電力量が異なる複数種類の作業機を含み、
前記給電装置は、前記複数の作業機の作業エリアに対して電力を無線送電する第一の送電手段を備え、
前記複数の作業機は、それぞれ、前記作業エリアに対して無線送電される電力を受電する受電手段を備え、
前記作業機は、自律式作業機である、
ことを特徴とする作業システムが提供される。
【0007】
また、本発明によれば、
作業機と、前記作業機に電力を供給する給電装置と、を備える作業システムであって、
前記給電装置は、前記作業機の作業エリアに対して電力を無線送電する第一の送電手段を備え、
前記第一の送電手段は該作業エリアの送電区画の単位面積当たり一定容量の送電を行い、
前記作業機は、前記作業エリアに対して無線送電される電力を受電する受電手段を備え、
前記作業機は、自律式作業機である、
ことを特徴とする作業システムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、作業中の作業機に電力を供給可能な作業システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図5】可動ユニットを備えた給電装置の例を示す説明図。
【
図7】本発明の別実施形態に係る作業システムの適用例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
<第一実施形態>
<システムの概要>
図1は作業システム100の適用例を示す模式図である。作業システム100は、作業機1と、作業機1に電力を供給する給電装置20とを備える。作業機1は、家屋に隣接した作業エリア(芝地)WAの芝刈り作業を行う。本実施形態の作業機1は、刈り取った芝を回収する機能を有しておらず、刈り取った芝は作業エリアWA上に放置されて肥料とされる。なお、作業機1は刈り取った芝を回収する機能を有していてもよく、例えば、回収袋に刈り取った芝を送り出す機構を有していてもよい。
【0012】
給電装置20は、複数の送電部22を備え、作業エリアWAに対して電力を無線送電する。送電区画20aは各送電部22が電力を無線送電する範囲を模式的に示している。本実施形態の作業機1は自律式の電動芝刈り機であり、受電部8を有している。作業機1は、そのバッテリ残量が低下すると送電区画20aに移動して送電部22から電力の供給を受ける。送電区画20aは作業機1の充電区画ということもできる。送電区画20aは重複が無いように設定される。
【0013】
作業エリアWAには、その区画を示す複数のマーカ101が設けられている。マーカ101は例えば柱状の部材である。作業機1は撮影装置9を備えており、その撮影画像からマーカ101を認識する。そして作業機1は、その認識結果に基づき、作業エリアWAからはみ出ないように走行しつつ、芝刈り作業を行う。なお、作業エリアWAの区画は、作業エリアWAを囲むように敷設され、磁界を発するエリアワイヤで行ってもよく、作業機1はエリアワイヤを認識して走行及び芝刈り作業を行うものであってもよい。
【0014】
<作業機及び給電装置の概要>
図2は作業機1の構成及び給電装置20からの作業機1の受電態様を示す模式図(給電装置20の立面図)である。
【0015】
作業機1は、左右の前輪4B及び左右の後輪4Aを有する走行ユニット3を備えた四輪車である。左右の後輪4Aは駆動輪であり、作業機1を作業エリア上で移動させる。各後輪4には、モータ4aを駆動源とした駆動機構が設けられ、左右の後輪4Aは独立して回転制御が行われる。左右の後輪4Aを独立して回転制御することにより、作業機1の進行方向を制御することができる。左右の前輪4Bは自由回転自在に設けられている。
【0016】
作業機1は作業部5を備える。作業部5は作業エリアの芝刈り作業を行う機構である。作業部5は、回転カッタ5aと、モータ5cを駆動源として回転カッタ5aを略鉛直方向の軸5b回りに回転させる駆動機構とを含む。回転カッタ5aは、作業機1の前後方向で中央部(前輪4Bと後輪4Aとの間)において車体2の下方に配置されている。本実施形態の回転カッタ5aは、回転方向が正回転、逆回転いずれの場合も芝を切断できるようにブレード(刃)が設けられている。作業部5は回転カッタ5cの上下方向の位置を変化させる昇降機構を備えていてもよい。以上の構成により、前輪4B及び後輪4Aで作業機1を移動させつつ、作業部5により芝刈り作業を行うことができる。
【0017】
作業機1の車体2の前部には撮影装置9が設けられている。撮影装置9は、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像センサ、レンズ等の光学系を含むカメラである。本実施形態の場合、撮像装置9の撮影範囲9aは作業機1の前方である。しかし、撮影範囲9aはこれに限られず、撮影装置9として360度カメラを採用してもよい。
【0018】
作業機1は、その電源として蓄電器(バッテリ)6を備える。蓄電器6はモータ4a及びモータ5c、撮影装置9等、作業機1が備える電気負荷に電力を供給する。車体2の上部には、給電装置20から電力の供給を受ける受電部8が設けられている。蓄電器6は受電部8で受電した電力で充電可能である。作業機1の各構成の制御は、制御部10が行う。
【0019】
給電装置20は、送電部22毎に支持体21を備える。支持体21は、作業エリアWAの外側に作業エリアWAの境界に隣接して立設された塔体或いは柱体であり、送電部22を作業エリアWAの地表面よりも高い位置に支持する。送電部22は、作業エリアWAよりも高い位置から電波を放射し、受電部8へ電力を無線給電する。給電装置20は、また、制御部23を備える。制御部23は各送電部22を制御する。給電装置20には、例えば電力系統から電力が供給される。
【0020】
<システムの回路構成>
図3は、作業システム100の回路構成を示すブロック図である。給電装置20の制御部23は、処理部24と、RAM、ROM等の記憶部25と、外部デバイスと処理部24との信号の送受信を中継するインタフェース部(I/F部)26と、を含む。処理部24は、CPUに代表されるプロセッサであり、記憶部25に記憶されたプログラムを実行し、通信部27で受信した制御指示等に基づいて、各送電部22の稼働期間等の動作を制御する。
【0021】
本実施形態の送電部22は、放射型無線電力伝送を行う回路であり、例えば、マイクロ波を放射する複数の送電アンテナ22a、マイクロ波発信器、送電アンテナ毎の移相器及び増幅器等を含む。送電区域20aにおいて単位面積当たり一定容量の送電が行われるよう、複数の送電アンテナ22aの各送電方向及び移相が調整される。調整はシステムの運用前に行うことができる。
【0022】
通信部27は、通信ネットワーク200を介して、管理サーバ30と無線通信が可能である。管理サーバ30は給電装置20及び作業機1を管理するサーバである。給電装置20の稼働開始/終了を管理サーバ30が指示する形態であってもよい。
【0023】
作業機1の制御部10は、処理部11と、RAM、ROM等の記憶部12と、外部デバイスと処理部11との信号の送受信を中継するインタフェース部(I/F部)13と、を含む。処理部11は、CPUに代表されるプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行し、センサ7の検知結果や、通信部17で受信した制御指示等に基づいて、アクチュエータ18や撮影装置9を制御する。アクチュエータ18には、モータ4a及びモータ5cが含まれ、処理部11は駆動回路16を介してこれらのモータの駆動制御を行う。
【0024】
センサ7には位置センサ7aと電力センサ7bとが含まれる。位置センサ7aは作業機1の現在の位置を特定するためのセンサであり、例えば、左右の後輪4の回転量を検知するセンサ、GPSセンサのいずれか、或いは、双方を挙げることができる。左右の後輪4の回転量を検知するセンサは、例えばロータリエンコーダであり、後輪4の駆動軸の回転量を直接検知するものでもよいし、モータ4aの出力軸の回転量を検知するものであってもよい。
【0025】
また、作業機1の現在の位置は、この他に、作業エリアWA内に配置したマーカを撮像装置9で撮影し、その撮影画像から特定してもよいし、或いは、作業エリア内に配置したビーコンから無線通信により取得した情報から特定してもよい。
【0026】
電力センサ7bは、例えば、電流センサと電圧センサとを含み、充放電回路15と蓄電器6との間の充放電量を検知する。処理部11は電力センサ7bの計測結果に基づいて蓄電器6の残量を監視する。電力センサ7bによって受電部8から充電回路15を介して蓄電器6へ供給された電流、電圧を計測することが可能である。つまり、電力センサ7bは、受電部8が受電した電力量を計測するセンサとして機能する。処理部11は、充電時の電力センサ7bの計測結果から、受電部8で受電した電力量を演算することができる。
【0027】
制御部10は、また、撮影装置9が撮影した画像の内容を認識する画像認識部14を含む。画像認識部14は、例えば画像処理プロセッサであり、撮影画像を解析して撮影画像中に含まれる物体の種類を特定する。画像認識部14は、画像認識に特化して機械学習された人工知能として機能するものであってもよい。処理部11は、画像認識部14の認識結果に基づいて、障害物の回避走行や、作業エリアWAの境界での折り返し走行、或いは、芝の粗密による回転カッタ5aの回転制御等、作業機1の動作を制御する。
【0028】
制御部10は、蓄電器6を充電又は放電する充放電回路15を含む。充放電回路15は受電部8で受電した電力により蓄電器6を充電可能である。また、蓄電器6に蓄電されている電力を放電して駆動回路16等に供給する。制御部10は、また、通信部17を含む。通信部17は、通信ネットワーク200を介して、管理サーバ30と無線通信が可能である。管理サーバ30は作業機1を管理するサーバであり、例えば、複数の作業機1の情報を管理可能である。管理サーバ30は、通信ネットワーク200を介してスマートフォン等の携帯端末202と無線通信が可能である。
【0029】
携帯端末202は、例えば、システム100の管理者或いは作業機1の作業者の端末である。携帯端末202において、作業機1や給電装置20の情報を管理サーバ30から受信することができる。これにより、管理者は、作業機1や給電装置20から離れた場所でも作業機1や給電装置20を監視することができる。
【0030】
また、携帯端末202に対する操作入力が管理サーバ30を介して作業機1や給電装置20に制御指令として送信される形態であってもよい。これにより、携帯端末202によって作業者が給電装置20を遠隔操作することもできる。また、作業機1を自律的に動作させるだけでなく、携帯端末202によって作業者が作業機1を遠隔操作することもできる。作業者は、例えば、作業エリアWAの周辺から作業機1を遠隔操作して芝刈り作業を行うこともできる。なお、携帯端末202或いは専用の無線操縦器が、制御部10と直接無線通信を行い、作業機1を遠隔操作する形態であってもよい。
【0031】
受電部8は、送電部22から電波を受信する受電アンテナ8aと、受電アンテナ8aで受信した電波を電力に変換する変換回路等を含む。受電アンテナ8aと変換回路との組は、作業機1で必要とされる電力に応じて1又は複数設けられる。受電アンテナ8aと変換回路との組が多いほど、より多くの電力を受電でき、組の数によって受電能力を調整することができる。あるいは、作業機1で必要とされる電力に応じて受電アンテナ8aの受電面積を設定することによって受電能力を調整することができる。上記の通り、送電部22は、送電区域20aにおいて単位面積当たり一定容量の送電を行う。作業機1の受電能力を調整することで、作業機1に必要な電力を簡素に設定できる。
【0032】
管理サーバ30は、処理部31と、RAM、ROM、ハードディスク等の記憶部32と、通信部33とを含む。処理部31は、CPUに代表されるプロセッサであり、記憶部32に記憶されたプログラムを実行する。通信部33は通信ネットワーク200を介して、作業機1、給電装置20、携帯端末202と通信可能である。記憶部32には、作業システム100の各種の管理情報を蓄積したデータベース32aが構築される。
【0033】
<システムの動作例>
作業システム100の動作例について再び
図1を参照して説明する。作業機1は例えば管理サーバ30からの作業開始指示を受信することにより、作業エリアWAにおける芝刈り作業を開始する。作業機1は、自律的に動作し、作業エリアWA内で自走して芝刈り作業を行う。
【0034】
作業機1の制御部10が実行する制御内容としては、任意に作業エリアWAの芝刈り作業を行う自由制御や、予め定めた作業スケジュールに従って作業エリアWAの芝刈り作業を行うスケジュール制御を挙げることができる。自由制御は、作業機1を直進させつつ芝刈り作業を行い、作業エリアWAの境界において進行方向を順次切り替えていく制御である。進行方向はランダムに決定してもよいし、一定の規則に従って決定してもよい。
【0035】
スケジュール制御は、作業機1を基本的に予め定めた経路に従って移動させつつ芝刈り作業を行う制御である。この制御の場合、記憶部12に作業エリアWAの座標情報や作業計画情報が予め格納される。制御部10は位置センサ7aの検知結果に基づき作業機1の現在位置を確認しつつ、予め定めた経路を移動させて芝刈り作業を行う。
【0036】
また、作業機1を自律的に動作させる他、上記の通り、携帯端末202からの遠隔操作により、作業機1を動作させることも可能である。
【0037】
蓄電器6の残量が減少すると、制御部10は作業機1を送電区域20aに移動させ、受電装置20から電力の供給を受ける。管理サーバ30は送電区域20aの位置情報を制御部10に送信してもよく、制御部10は受信した位置情報に基づいて送電区域20aに作業機1を移動させてもよい。
【0038】
給電装置20は、作業機1の作業中、常時送電区域20aに電力を送電してもよいし、作業機1が送電区域20aに入っている間、又は、送電区域20aに近づいた後、離れるまでの間、電力を送電してもよい。管理サーバ30は、作業機1の制御部10から作業機1の現在位置情報を受信して給電装置20の送電開始、送電終了を制御してもよい。例えば、管理サーバ30は、作業機1が送電区域20aに対して一定の距離に近づいた場合に給電装置20の制御部23に対して送電開始を指示し、作業機1が送電区域20aから一定の距離外へ移動したら、給電装置20の制御部23に対して送電終了を指示する。
【0039】
このように本実施形態の作業システム100によれば、作業中の作業機1に電力を供給することが可能であり、作業の効率化を図れる。
【0040】
<管理情報の更新>
給電装置20及び作業機1をリースするサービス形態の場合、サービスを利用するユーザに対して、作業機1で消費された電力(つまり給電装置20から給電した電力)に比例したランニングコストを課金するビジネスを想定することができる。課金量を設定するため、管理サーバ30は作業機1の消費電力を監視し、リース先のユーザに関する課金情報を生成してもよい。
図4は管理サーバ30の処理部31が実行する処理例を示している。作業機1が送電区域20aにおいて給電装置20から電力の供給を受けた場合、制御部10は受電力量として電力センサ7bによる計測結果を保存し、作業機1の個体情報と共に管理サーバ30へ送信する。
【0041】
管理サーバ30は、制御部10から電力の計測結果を取得(受信)する(S1)。S2で、管理サーバ30はS1で取得した情報に基づき、課金量を示す課金情報を生成する。課金量は、例えば、電力量の大きさに比例して多くされる。S3で管理サーバ30はデータベース32aを更新する。ここでは、S1で受信した作業機1の個体情報に対応するユーザの情報をS2で生成した課金情報で更新する。データベース32aに記憶された課金情報は、その後、ユーザに課金量を請求する際に用いられる。
【0042】
<第二実施形態>
給電装置20は、送電部22の送電方向を変更可能な機構を有していてもよい。
図5はその一例を示す。同図の給電装置20は、支持体21にモータ等のアクチュエータを有する可動部28が設けられており、可動部28は送電部22を軸28aを回動中心として回動させる。制御部23は可動部28を駆動して送電部22の向きを変更することでその送電方向を変更する。
【0043】
図6は送電部22の送電方向を変更した制御例を示している。図示の状態ST1及び状態ST2は、作業機1が移動している態様を例示している。制御部23は作業機1の移動に合わせて可動部28によって送電部22の向きを変更し、これにより送電部22の送電方向を制御している。送電区域20aは作業機1の移動に合わせて移動している。送電区域20aの移動に合わせて、必要に応じて送電アンテナ22a毎に電波の放射条件(移相や振幅)を変更することで単位面積当たり一定容量の送電が行われるように送電を制御することができる。給電装置20の制御部23が作業機1の移動位置を認識するため、例えば、作業機1の制御部10が現在位置情報を常時管理サーバ30に提供し、管理サーバ30から給電装置20の制御部23に作業機1の現在位置情報を提供してもよい。
【0044】
作業機1の移動に合わせて送電部22の向きを変更することで、送電区域20aが小さくても、より多くの電力を作業機1に供給できる。また、作業エリアWA上の障害物の存在により、作業機1が送電区域20aに進入しづらい場合に、送電区域20aを移動することで、作業機1に電力をより確実に供給できる。また、作業機1に所定の作業を継続させた状態で、作業機1に電力を供給することで作業効率が向上できる。
【0045】
<第三実施形態>
第一実施形態では、作業機1として芝刈り機を例示したが、除雪機、耕運機、建機等、他の種類の作業機にも作業システム100を適用可能である。また、作業エリアWAには複数の作業機、或いは、複数種類の作業機が配置されていてもよい。
【0046】
図7は工事現場が作業エリアWAとして設定された例を示している。作業エリアWAの境界外側には、境界にそって支持体21及び送電部22の組が多数組、配置されており、作業エリアWAは多数の送電区画20aが略全域にわたって互いに重なることなく設定されている。したがって、作業機に対して作業エリアWAの任意の場所で電力供給が可能である。
【0047】
作業エリアWAには、作業機1A~1Cが配置されている。作業機1Aは電動ダンプカーであり、走行部40と作業部(荷台)41とを有する。作業部41には例えば土砂が積載され、作業エリアWAに土砂を搬入し、又は作業エリアWAから土砂を搬出する。作業機1Bは電動ショベルカーであり、走行部42と、作業部(ブーム、アーム及びバケット)43を備える。作業部43により作業エリアWAの掘削等を行う。作業機1Cは電動地固め機であり、作業部(打撃部)44を備える。作業部44の打撃により作業エリアWAの整地を行う。作業機1Cは走行部を有していない。
【0048】
本実施形態の作業機1A~1Cは、作業者が運転又は操作を行うことにより作動する作業機である。しかし、これらの作業機は第一実施形態の作業機1のように自律式の作業機や遠隔操作による作動する作業機であってもよい。作業機1A~1Cは、送電部22から電力の供給を受ける受電部8を有している他、作業機1A~1Cで生じた回生電力を外部に送電する送電部19も有している。
【0049】
作業エリアWAには、また、蓄電装置50が設置されている。蓄電装置50は受電部8と同様の受電部と、受電した電力を蓄電する蓄電器(バッテリ)を有し、作業機1A~1Cの各送電部19から送電される電力を受電して蓄電器を充電可能となっている。
【0050】
図8は本実施形態における作業システム100の回路構成を示すブロック図である。同図には、作業機1A~1Cのうち、作業機1Aの回路構成が示されている。第一実施形態の作業機1と異なる構成について説明する。
【0051】
アクチュエータ18は、走行部40を駆動するモータ、作業部41を駆動するモータ(荷台を傾けるためのモータ)を備える。駆動回路16はアクチュエータ18のモータを駆動する一方、モータが発生した回生電力を充放電回路15又は送電ユニット19に供給する。蓄電器6の充電量が低い場合、回生電力は充放電回路15を介して蓄電器6の充電に用いられる。蓄電器6の充電量が高い場合、回生電力は送電部19に供給され、送電部19から外部に送電される。
【0052】
作業機1Aは、送電部19を備える。送電部19は、給電装置20の送電部22と同様の構成であり、放射型無線電力伝送を行う回路である。送電部19は複数の送電アンテナ19a、マイクロ波発信器、送電アンテナ毎の移相器及び増幅器等を含む。
【0053】
センサ7には、電力センサ7cと操作量センサ7dが含まれる。電力センサ7cは送電部19に供給された回生電力の電力量を計測するセンサであり、例えば、電流と電圧を計測する。操作量センサ7dは、操作部7eに対する作業者の操作量を検知するセンサである。操作部7eには、作業機1Aの加速、減速、操向を指示する各操作子(例えばアクセルペダル、ブレーキペダル、ステアリングハンドル)、作業部41の動作を指示する操作子が含まれる。制御部10は、操作量センサ7dの検知結果に基づいてアクチュエータ18の駆動を制御し、作業機1Aを動作させる。
【0054】
作業機1Aは作業者が運転を行うものであるため、作業機1のように撮影装置9や画像認識部14は備えられていない。しかし、これらを備える構成であってもよい。作業機1Bの回路構成は作業機1Aと同様である。作業機1Bのアクチュエータ18には、走行部42を駆動するモータ、作業部43を駆動するモータが含まれる。作業機1Cの回路構成も作用機1Aと同様である。作業機1Aのアクチュエータ18としては作業部44を駆動するモータが含まれるが、作業機1Cは走行部を有していないため、走行部用のモータは備えていない。また、操作部7eには例えば作業部44の駆動、停止を指示する操作子が含まれるが、作業機1Cは走行部を有していないため、走行部用の操作子は備えていない。給電装置20、管理サーバ30、携帯端末202は第一実施形態と同様である。
【0055】
本実施形態の作業システム100の動作例について再び
図7を参照して説明する。作業機1A~1Cは作業者の操作により作動し、作業エリアWAでの工事作業が行われる。
【0056】
上記の通り、作業エリアWAは多数の送電区画20aが略全域にわたって互いに重なることなく設定されている。工事作業中、各送電部22を常時稼働すると、作業機1A~1Cには基本的に常時給電装置20から電力が供給される状況となり、蓄電器6の残量低下による作業中断を回避できる。
【0057】
無論、給電装置20は、作業機1A~1Cが送電区域20aに入っている間、又は、送電区域20aに近づいた後、離れるまでの間、電力を送電してもよい。この場合、第一実施形態で述べたように、管理サーバ30は、作業機1A~1Cの各制御部10から作業機1の現在位置情報を受信して給電装置20の送電開始、送電終了を制御してもよい。
【0058】
このように本実施形態の作業システム100によれば、作業中の作業機1A~1Cに電力を供給することが可能であり、作業の効率化を図れる。
【0059】
次に、回生電力の送電について説明する。
図9はその一例を示す説明図である。作業機1Aは、走行部40を有しており、作業エリアWA内の傾斜面を降坂している場合、走行部40の駆動源であるモータ18aが回生電力を生じ得る。モータ18aが生じた回生電力は、送電部19から外部に送電する。作業機1Aの周囲に存する別の作業機1Cにおいて送電部19から送電された電力を受電することで、作業機1Aにおいて余剰の電力を他の作業機1Cに分配することができる。
【0060】
送電の際、送電部19の送電方向は、電波の移相や振幅により調整して、他の作業機1Cに効率的に送電されるように制御してもよい。送電方向を調整する際、作業機1Aに対する作業機1Cの位置の情報があれば有益である。このため管理サーバ30が作業機1Cから現在位置情報を受信し、作業機1Aの制御部10に送信して提供してもよい。
【0061】
図10は回生電力の送電の別の例を示す説明図である。作業機1Aは、作業部41を有しており、作業部41の駆動源であるモータ18bが回生電力を生じ得る。状態ST11は、作業部41を初期位置から傾斜させた状態を示しており、このときモータ18bは駆動源として機能する。したがって電力を消費する状態にある。一方、状態ST12は傾斜した作業部41を傾斜させた位置から初期位置に戻す状態を示している。このときモータ18bは発電機として回生電力を生じる。モータ18aが生じた回生電力は、送電部19から外部に送電する。作業機1Aの周囲に存する蓄電装置50において送電部19から送電された電力を受電することで、作業機1Aにおいて余剰の電力を蓄電装置50に分配することができる。蓄電装置50は、各種の電動製品の電力源として利用することができる。
【0062】
図9及び
図10は、作業機1Aを例に挙げたが、作業機1Bも同様に走行部42や作業部43の各モータの回生電力を送電部19から外部に送電することができる。また、作業機1Cにおいても、作業部44のモータの回生電力を回生電力を送電部19から外部に送電することができる。
【0063】
次に、本実施形態における管理サーバ30による課金情報の生成例について説明する。本実施形態の場合、作業機1A~1Cは、給電装置20から電力の供給を受ける一方、回生電力を周囲に提供する場合がある。よって、電力消費と電力供給とのバランスをとって課金量を設定することもできる。
【0064】
図11は、本実施形態において管理サーバ30の処理部31が実行する処理例を示している。作業機1A~1Cが送電区域20aにおいて給電装置20から電力の供給を受けた場合、制御部10は受電力量として電力センサ7bによる計測結果を保存し、作業機1A~1Cの個体情報と共に管理サーバ30へ送信する。また、作業機1A~1Cが回生電力を外部に送電した場合、制御部10は送電力量として電力センサ7cによる計測結果を保存し、作業機1A~1Cの個体情報と共に管理サーバ30へ送信する
管理サーバ30は、制御部10から2種類の電力の計測結果を取得(受信)する(S11)。S12で、管理サーバ30はS11で取得した情報に基づき、課金量を示す課金情報を生成する。課金量は、例えば、受電力の大きさに比例して多くされ、送電力量の大きさに比例して少なくされる。S13で管理サーバ30はデータベース32aを更新する。ここでは、S11で受信した作業機1A~1Cの個体情報に対応するユーザの情報をS12で生成した課金情報で更新する。データベース32aに記憶された課金情報は、その後、ユーザに課金量を請求する際に用いられる。
【0065】
本実施形態では送電区域20aを作業エリアWAの略全域に亘って互いに重なることなく設定する構成を示したが、第一実施形態に示したように、作業エリアWA内の所定の区域にのみ送電区域20a(充電区域)を設けると共に、作業機1A~1Cが蓄電器6を有し、蓄電器6の残量が減少すると、制御部10は作業機1A~1Cを送電区域20aに移動させ、受電装置20から電力の供給を受ける構成としても良いし、第二実施形態に示したように、給電装置20は、送電部22の送電方向を変更可能な構成を有し、作業機1A~1Cの移動に合わせて送電部22の向き(送電区域20aの位置)を変更しても良い。
【0066】
<第四実施形態>
作業エリアWAに隣接して有人作業エリアを設けてもよい。
図12はその一例を示すレイアウト図である。有人作業エリアWBの周囲には、給電装置20は配置されず、送電のための電波が少ない作業領域とされている。作業エリアWAには、作業機1A、1Bが配置されているが、これらは例えば遠隔操作により動作し、或いは自律式の動作とされる。これにより、作業エリアWAを無人の作業エリアとすることができる。
【0067】
<実施形態のまとめ>
上記実施形態は以下の作業システムを少なくとも開示する。
【0068】
1.上記実施形態の作業システム(100)は、
作業部(5,41,43,44)を有する複数の作業機(1,1A-1C)と、前記作業機に電力を供給する給電装置(20)と、を備える作業システム(100)であって、
前記複数の作業機は、前記作業部を駆動させるために必要な電力量が異なる複数種類の作業機を含み、
前記給電装置は、前記作業機の作業エリア(WA)に対して電力を無線送電する第一の送電手段(22)を備え、
前記作業機は、前記作業エリアに対して無線送電される電力を受電する受電手段(8)を備える。
この実施形態によれば、作業エリアに対して電力を無線送電するとともに、作業機に受電手段を設けることで、作業エリアに対する作業を中断させることなく、且つ作業部を駆動させるために必要な電力量が異なる複数種類の作業機に対し効率的に電力を供給することができ、効率的な作業を実現できる。
【0069】
2.上記実施形態の作業システム(100)は、
作業機(1,1A-1C)と、前記作業機に電力を供給する給電装置(20)と、を備える作業システム(100)であって、
前記給電装置は、前記作業機の作業エリア(WA)に対して電力を無線送電する第一の送電手段(22)を備え、
前記第一の送電手段は該作業エリアの単位面積当たり一定容量の送電を行い、
前記作業機は、前記作業エリアに対して無線送電される電力を受電する受電手段(8)を備える。
この実施形態によれば、作業中の作業機に電力を供給可能な作業システムを提供することができる。作業エリアに対し、一定量の送電を行うことで、受電側の受電能力を調整することで、必要電力の異なる作業機の種類に応じて作業に必要な電力を調整することができる。
【0070】
3.上記実施形態では、
前記作業機は、地表に対し作業を行う作業部(5,43,44)を有し、
前記給電装置は、前記作業エリアの外側に隣接して立設され、前記第一の送電手段を前記作業エリアよりも高い位置に支持する支持体(21)を備え、
前記第一の送電手段は、放射型無線電力伝送を行う。
この実施形態によれば、作業機が地表に対し行う作業を中断することなく、作業機に対する給電を行うことができるため、作業効率を向上させることができる。
【0071】
4.上記実施形態では、
前記給電装置は、複数の前記第一の送電手段と、各第一の送電手段を制御する制御手段(23)と、を備え、
前記制御手段は、各第一の送電手段の送電区域(20a)の重複が無いように、各第一の送電手段を制御する。
この実施形態によれば、作業エリアに供給される電力の偏りを少なくし、作業機に対し過剰な電力供給が行われることを抑制できる。
【0072】
5.上記実施形態では、
前記給電装置は、前記第一の送電手段の送電方向を変更可能な可動手段(28)と、前記可動手段を制御する制御手段(23)と、を備え、
前記制御手段は、前記作業機の移動に合わせて前記可動手段により前記第一の送電手段の送電方向を制御する。
この実施形態によれば、送電方向が固定されている場合に比べて、例えば障害物が妨げとなって受電手段が受電できない状態が発生することを抑制できる。
【0073】
6.上記実施形態では、
前記作業機は、前記受電手段で受電した電力を蓄電する蓄電器(6)を有する。
この実施形態によれば、作業負荷(必要電力)の変動や、一時的な受電不良の場合においても、蓄電された電力を活用することで安定した作業を行うことができる。
【0074】
7.上記実施形態では、
前記作業機は、自律式作業機(1)である。
この実施形態によれば、作業エリアを無人とすることができる。
【0075】
8.上記実施形態では、
前記作業機は、前記作業エリアの外側からの制御指示を受信する受信手段(17)を備える。
この実施形態によれば、作業機の遠隔操作が可能となり、作業エリアを無人とすることができる。
【0076】
9.上記実施形態では、
前記作業エリア(WA)に隣接して、有人作業エリア(WB)が設けられる。
この実施形態によれば、電力が送電される作業エリアと、電力が送電されない有人作業エリアとを区画することができる。
【0077】
10.上記実施形態では、
前記作業機は、
モータを駆動源とした走行手段(40,42)と、
前記モータの回生電力を無線送電する第二の送電手段(19)と、を備える。
この実施形態によれば、余剰の回生電力を周囲へ無線送電することで当該電力を活用することができる。
【0078】
11.上記実施形態では、
前記第二の送電手段は、前記作業エリアに設けられた蓄電装置(50)に前記回生電力を無線送電する。
この実施形態によれば、余剰の回生電力を周囲へ無線送電することで当該電力を活用することができる。
【0079】
12.上記実施形態では、
前記第二の送電手段は、前記作業エリアにて作業を行う他の作業機(1C)に前記回生電力を無線送電する。
この実施形態によれば、余剰の回生電力を周囲へ無線送電することで当該電力を活用することができる。
【0080】
13.上記実施形態では、
前記他の作業機(1C)は、該他の作業機を走行させる走行手段を有さない。
この実施形態によれば、前記走行手段により回生可能な作業機から前記走行手段を有さない、回生が困難な作業機へ送電することで、必要電力を作業機間で充当することができる。
【0081】
14.上記実施形態では、
前記作業機は、ショベルカー(1B)あるいはダンプカー(1A)である。
この実施形態によれば、動作における負荷変動差が大きく、回生電力を多く得られる場合がある。
【0082】
15.上記実施形態では、
前記作業機は、地固め機(1C)である。
この実施形態によれば、振動時に回生電力を多く得られる場合がある。
【0083】
16.上記実施形態の作業システムは、
前記受電手段が受電した電力量を計測する計測手段(7b)と、
前記計測手段の計測結果に基づいて、課金情報を生成する課金情報生成手段(30)と、を備える。
この実施形態によれば、作業に供した電力量に基づき課金を行うことで、作業機を扱うユーザに対して的確な課金を行うことができる。
【0084】
17.上記実施形態の作業システムは、
前記受電手段が受電した電力量を計測する第一の計測手段(7b)と、
前記第二の送電手段が送電した電力量を計測する第二の計測手段(7c)と、
前記第一の計測手段及び前記第二の計測手段の計測結果に基づいて、課金情報を生成する課金情報生成手段(30)と、を備える。
この実施形態によれば、作業に供した電力量に基づき課金を行うことで、作業機を扱うユーザに対して的確な課金を行うことができる。
【0085】
以上、発明の実施形態について説明したが、発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。