(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】空気清浄機及びその洗浄方法
(51)【国際特許分類】
B03C 3/40 20060101AFI20231129BHJP
B03C 3/41 20060101ALI20231129BHJP
B03C 3/47 20060101ALI20231129BHJP
B03C 3/78 20060101ALI20231129BHJP
F24F 8/192 20210101ALI20231129BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20231129BHJP
【FI】
B03C3/40 B
B03C3/41 C
B03C3/47
B03C3/78
F24F8/192
F24F8/80 110
(21)【出願番号】P 2022537752
(86)(22)【出願日】2021-11-12
(86)【国際出願番号】 CN2021130306
(87)【国際公開番号】W WO2022183770
(87)【国際公開日】2022-09-09
【審査請求日】2022-06-17
(31)【優先権主張番号】202110237549.2
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520066924
【氏名又は名称】▲蘇▼州▲貝▼昂智能科技股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】冉 宏宇
(72)【発明者】
【氏名】章 燕
(72)【発明者】
【氏名】劉 義剛
(72)【発明者】
【氏名】路 尭遠
(72)【発明者】
【氏名】李 鴻強
(72)【発明者】
【氏名】張 啓東
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第112268345(CN,A)
【文献】実公昭56-048348(JP,Y2)
【文献】中国実用新案第212566168(CN,U)
【文献】中国実用新案第202683016(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第111167608(CN,A)
【文献】特開平05-200325(JP,A)
【文献】特開平09-290176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B03C3/00-11/00
F24F8/00-8/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気清浄機の洗浄方法であって、
前記空気清浄機は、
吸気口、排気口、及び取り外し可能なドアパネルが設けられるハウジングと、
前記ハウジングの内壁に取り外し可能に設けられるとともに、前記ドアパネルと対向し、前記吸気口と前記排気口の間に位置する保護カバーと、
放出ユニットと収集ユニットとを有する静電エレメントと、を備え、
前記放出ユニット及び前記収集ユニットはそれぞれ前記保護カバー内に取り外し可能に設けられ、前記放出ユニットは前記収集ユニットの、前記吸気口に近接する一側に位置することを特徴とし、
ドアパネルを取り外すステップと、
放出ユニット及び収集ユニットを保護カバー内から取り出し、前記保護カバーを前記ハウジング内から取り出すステップと、
前記保護カバー及び前記収集ユニットを洗浄するステップと、
前記放出ユニットを拭くステップと、
前記保護カバーを前記ハウジング内に配置し、前記放出ユニット及び前記収集ユニットを前記保護カバー内に配置するステップと、
前記ドアパネルを装着するステップと、を備える
ことを特徴とする洗浄方法。
【請求項2】
前記収集ユニットは、
前記保護カバー内に取り外し可能に設けられる反発極板組と、
前記反発極板組に取り外し可能に挿入される少なくとも1つの収集極板組と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の
洗浄方法。
【請求項3】
前記反発極板組はフレームと、前記フレーム内に配列分布される複数の反発極板と、を備え、前記保護カバーには、前記フレームに適する第1装着溝が設けられ、前記フレームは前記第1装着溝内に取り外し可能に設けられ、
前記収集極板組は配列分布される複数の収集極板を備え、前記複数の収集極板は前記フレーム内に取り外し可能に挿入されるとともに、複数の前記反発極板と交互に配列されることを特徴とする請求項2に記載の
洗浄方法。
【請求項4】
前記フレームは前記第1装着溝内に引き抜き可能に設けられ、
前記フレームにはハンドル、及び/又は装着方向を指示するための指示標識が設けられることを特徴とする請求項3に記載の
洗浄方法。
【請求項5】
前記保護カバーには第2装着溝が設けられ、前記放出ユニットは前記第2装着溝内に取り外し可能に設けられるとともに、間隔を空けて、前記収集ユニットと対向することを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の
洗浄方法。
【請求項6】
前記保護カバーは絶縁材質のゴムカバーであることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の
洗浄方法。
【請求項7】
前記ハウジング内に取り外し可能に設けられるとともに、前記放出ユニットの、前記吸気口に近接する一側に位置する一次フィルタ部材をさらに備えることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の
洗浄方法。
【請求項8】
前記ハウジング内に取り外し可能に設けられるとともに、前記収集ユニットの、前記排気口に近接する一側に位置する触媒エレメントをさらに備えることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の
洗浄方法。
【請求項9】
前記収集ユニットを洗浄するステップは、
収集極板組を反発極板組から取り出すステップと、
前記収集極板組を洗浄するステップと、
洗浄された収集極板組を前記反発極板組に配置するステップと、を備えることを特徴とする請求項
1に記載の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の交差援用>
本特許出願は2021年3月4日にて提出された中国特許出願2021102375492の優先権を主張し、これらの出願の全文は本出願に援用される。
本出願は空気浄化の技術分野に関し、具体的に、空気清浄機及びその洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人々の生活における空気の質に対する関心及び要求が高まるにつれて、室内の空気の質を改善するために空気清浄機を使用することがますます一般的になっている。静電集塵技術による空気清浄機は、吸気口と排気口の間に配置される静電エレメントを備える。空気は吸気口を介して空気清浄機に入ってから、静電エレメントを通過した後、排気口から排出され、浄化エレメントは空気中の汚染物質を吸着し、空気浄化の目的を実現する。空気清浄機を一定期間使用した後、ハウジングの内壁及び静電エレメントには汚染物質が堆積しやすい。従って、使用過程で、空気清浄機の静電エレメント及び内壁を定期的に洗浄する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術が提供する静電エレメントは、一般的に集積型であり、静電エレメント内の放出フィラメント、収集ブロック内の反発シート、及び収集ブロック内の収集シートは集積される。放出フィラメントは細くて、外力を受けて破断しやすいため、静電エレメントの洗浄は困難であり、且つ十分に洗浄しにくい。ハウジングの内壁での汚染物質はハウジングの内部に位置するため、洗浄しにくい。
【0004】
本出願の実施例は、空気清浄機を便利に洗浄し、且つ洗浄効果を向上させるための空気清浄機及びその洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様によれば、本出願の実施例は空気清浄機を提供し、
吸気口、排気口、及び取り外し可能なドアパネルが設けられるハウジングと、
前記ハウジングの内壁に取り外し可能に設けられるとともに、前記ドアパネルと対向し、前記吸気口と前記排気口の間に位置する保護カバーと、
放出ユニットと収集ユニットとを有する静電エレメントと、を備え、前記放出ユニット及び前記収集ユニットはそれぞれ前記保護カバー内に取り外し可能に設けられ、前記放出ユニットは前記収集ユニットの、前記吸気口に近接する一側に位置する。
【0006】
上記実現形態において、取り外し可能な保護カバーを配置することで、汚染物質はハウジングの内壁ではなく、保護カバーに堆積するため、洗浄しやすい一方、保護カバーはハウジングと静電エレメントの間に位置し、ハウジングの、電界での破壊又は絶縁減衰などを回避し、ハウジングに対して保護作用を実現する。保護カバー内に取り外し可能に装着される放出ユニット及び収集ユニットを配置することで、放出ユニット及び収集ユニットをそれぞれ洗浄でき、放出ユニット及び収集ユニットの特性、洗浄ニーズなどに応じて、対応する洗浄方式を採用し、洗浄効率及び洗浄効果を向上させる。
【0007】
さらに、前記収集ユニットは、
前記保護カバー内に取り外し可能に設けられる反発極板組と、
前記反発極板組に取り外し可能に挿入される少なくとも1つの収集極板組と、を備える。
【0008】
上記実現形態において、収集ユニットはさらに収集極板組及び反発極板組に分解され、汚染物質は収集極板組に集中し、収集極板組のみを洗浄すればよい。着脱後、洗浄が容易であり、洗浄効率及び洗浄効果を向上させる。
【0009】
さらに、前記反発極板組はフレームと、前記フレーム内に配列分布される複数の反発極板と、を備え、前記保護カバーには、前記フレームに適する第1装着溝が設けられ、前記フレームは前記第1装着溝内に取り外し可能に設けられ、
前記収集極板組は配列分布される複数の収集極板を備え、前記複数の収集極板は前記フレーム内に取り外し可能に挿入されるとともに、複数の前記反発極板と交互に配列される。
【0010】
上記実現形態において、フレームと保護カバー内の第1装着溝とは係合して、取り外し可能に配置され、反発極板はフレーム内に位置し、収集極板はフレーム内に取り外し可能に挿入され、収集ユニットをハウジング内から取り出し、及び再装着する過程は、ただフレームを移動すればよい。反発極板と収集極板とは交互に配列され、取り外し前の板間距離は、収集極板と隣接する反発極板の間のピッチであり、取り外し後の板間距離は、隣接する2つの収集極板の間の距離であり、取り外し後の板間距離がより大きく、洗浄がより容易になる。洗浄面がより大きく、洗浄効果を著しく向上させる。また、板間距離が大きくなり、換気効果を向上させ、洗浄後、乾燥時間が明らかに短くなる。
【0011】
さらに、前記フレームは前記第1装着溝内に引き抜き可能に設けられ、
前記フレームにはハンドル、及び/又は装着方向を指示するための指示標識が設けられる。
【0012】
上記実現形態において、フレームは引き抜き可能に配置されることで、装着及び取り出しを便利にする。ハンドルを配置することで、フレームの引き抜き過程で、付勢が容易になる。指示標識を配置することで、装着の際、装着方向を指示し、装着の困難さを低減させる。
【0013】
さらに、前記保護カバーには第2装着溝が設けられ、前記放出ユニットは前記第2装着溝内に取り外し可能に設けられるとともに、間隔を空けて、前記収集ユニットと対向する。
【0014】
上記実現形態において、保護カバーに第2装着溝を配置することで、放出ユニットの装着を便利にする。
【0015】
さらに、前記保護カバーは絶縁材質のゴムカバーである。
【0016】
上記実現形態において、ゴムカバーは耐高圧、耐汚染などの優れた性能を具備するとともに、洗浄しやすい。
【0017】
さらに、前記ハウジング内に取り外し可能に設けられるとともに、前記放出ユニットの、前記吸気口に近接する一側に位置する一次フィルタ部材をさらに備える。
【0018】
上記実現形態において、汚染物質含有空気は吸気口からハウジング内に入ってから、まず、一次フィルタ部材を介して予備濾過を行って、毛髪などのような大きな汚染物質を濾過し、濾過をより十分にして、洗浄効果を向上させる。大きな汚染物質が静電エレメントに入って、目詰まりなどを招致することを回避でき、使用期間を延長する。一次フィルタ部材は取り外し可能に配置されることで、容易に取り出して掃除でき、
さらに、前記ハウジング内に取り外し可能に設けられるとともに、前記収集ユニットの、前記排気口に近接する一側に位置する触媒エレメントをさらに備える。
【0019】
上記実現形態において、静電エレメントによって浄化された空気は触媒エレメントに入って、さらに濾過され、濾過をより十分にして、洗浄効果を向上させる。触媒エレメントは取り外し可能に配置されることで、容易に取り出して交換できる。
【0020】
第2態様によれば、本出願の実施例は上記の何れか1項に記載の空気清浄機の洗浄方法を提供し、
ドアパネルを取り外すステップと、
放出ユニット及び収集ユニットを保護カバー内から取り出し、前記保護カバーを前記ハウジング内から取り出すステップと、
前記保護カバー及び前記収集ユニットを洗浄するステップと、
前記放出ユニットを拭くステップと、
前記保護カバーを前記ハウジング内に配置し、前記放出ユニット及び前記収集ユニットを前記保護カバー内に配置するステップと、
前記ドアパネルを装着するステップと、を備える。
【0021】
上記実現形態において、取り外し可能な保護カバーを配置することで、汚染物質はハウジングの内壁ではなく、保護カバーに堆積するため、洗浄しやすい一方、保護カバーはハウジングと静電エレメントの間に位置し、ハウジングの、電界での破壊又は絶縁減衰などを回避し、ハウジングに対して保護作用を実現する。保護カバー内に取り外し可能に装着される放出ユニット及び収集ユニットを配置することで、放出ユニット及び収集ユニットをそれぞれ洗浄でき、放出ユニット及び収集ユニットの特性、洗浄ニーズなどに応じて、対応する洗浄方式を採用し、洗浄効率及び洗浄効果を向上させる。
【0022】
さらに、前記収集ユニットを洗浄するステップは、
収集極板組を反発極板組から取り出すステップと、
前記収集極板組を洗浄するステップと、
洗浄された収集極板組を前記反発極板組に配置するステップと、を備える。
【0023】
上記実現形態において、収集極板組及び反発極板組の分離型設計は、それぞれ洗浄するのに便利である。取り出された後、板間距離を大きくして、洗浄面が大きいため、洗浄しやすく、洗浄後、より迅速に乾かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本出願の実施例の技術的解決策をより明らかに説明するために、以下、本出願の実施例の必要な図を簡単に紹介する。ここで、以下の図は本出願のいくつかの実施例のみを示すため、範囲に対する限定としてみなされるべきではなく、当業者にとって、進歩性に値する労働をしないことを前提として、これらの図に基づき、他の関連図を取得できる。
【
図1】本出願の1実施例が提供する空気清浄機の構成全体模式図である。
【
図2】本出願の1実施例が提供する空気清浄機内部の各部品の分布の模式図である。
【
図3】本出願の1実施例が提供する空気清浄機における収集ユニットの構成模式図である。
【
図4】本出願の1実施例が提供する空気清浄機における保護カバーの構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本出願の実施例の図を結合し、本出願の実施例の技術的解決策をさらに記載する。
【0026】
ここで、類似の符号及び英文字は以下の図において類似の項目を表す。従って、ある一つの項目が一つの図において定義されれば、以降の図においてそれをさらに定義及び解釈する必要はない。また、本出願の記載において、「第1」、「第2」などの用語は、相対的な重要性を指示または暗示するものとしては理解できず、説明を区別するためのものに過ぎない。
【0027】
第1態様によれば、本出願の実施例は空気清浄機を提供し、
図1~4に示すように、吸気口、排気口、及び取り外し可能なドアパネルが設けられるハウジング1と、ハウジング1内に取り外し可能に設けられるとともに、ドアパネルと対向し、吸気口と排気口の間に位置する保護カバー2と、放出ユニット3と収集ユニット4とを有する静電エレメントとを備え、放出ユニット3及び収集ユニット4はそれぞれ保護カバー2内に取り外し可能に設けられ、放出ユニット3は収集ユニット4の、吸気口に近接する一側に位置する。
【0028】
本実施例が提供する空気清浄機を使用する際、汚染物質含有空気は吸気口からハウジング1内に入って、順に保護カバー2内の放出ユニット3及び収集ユニット4を流れ、排気口から排出される。収集ユニット4は空気中の汚染物質を吸着し、浄化過程を完成させる。浄化過程で、吸着機能を有するため、収集ユニット4には多くの汚染物質が残って、汚染物質が通過したため、保護カバー2の内壁及び放出ユニット3にも汚染物質が堆積する。従って、一定期間使用した後、空気清浄機を洗浄する必要がある。洗浄する際、ドアパネルを開けて、放出ユニット3及び収集ユニット4を保護カバー2内から取り出し、保護カバー2をハウジング1内から取り出す。この際、保護カバー2及び収集ユニット4をそれぞれ洗浄し、綿布などを利用して、放出ユニット3を拭く。洗浄が完成した後、保護カバー2をハウジング1内に配置し、放出ユニット3及び収集ユニット4を保護カバー2内に配置してから、ドアパネルを装着し、洗浄過程が終了する。
【0029】
このように、本実施例が提供する空気清浄機において、取り外し可能な保護カバー2を配置することで、汚染物質はハウジング1の内壁ではなく、保護カバー2に堆積し、洗浄しやすい一方、保護カバー2はハウジング1と静電エレメントの間に位置し、ハウジング1の、電界での破壊又は絶縁減衰などを回避し、ハウジング1に対して保護作用を実現する。保護カバー2内に取り外し可能に装着される放出ユニット3及び収集ユニット4を配置することで、放出ユニット3及び収集ユニット4をそれぞれ洗浄でき、放出ユニット3及び収集ユニット4の特性、洗浄ニーズなどに応じて、対応する洗浄方式を採用し、洗浄効率及び洗浄効果を向上させる。
【0030】
上記放出ユニット3は、静電エレメントにおいて高圧静電界を提供し、汚染物質粒子に電荷を付けさせるユニットを指す。放出ユニット3は空気の流れ方向に沿って、収集ユニット4の前に位置し、粒子を帯電させ、帯電粒子は収集ユニット4に入った後、異性が互いに引き付け合い、同性が互いに反発し合うという電荷性質のため、収集ユニット4において収集される。
【0031】
放出ユニット3には複数の放出フィラメントが設けられ、複数の放出フィラメントは配列分布され、均一な静電界を発生させ、放出ユニット3を通過する粒子を帯電させる。放出フィラメントの線径は0.03~0.2mm、例えば、0.03mm、0.1mm、0.2mmなどであってもよい。放出フィラメントの線径が小さいため、洗浄する際、放出ユニット3は大きな力を受けにくい。放出フィラメントはただ汚染物質粒子の通過箇所であるため、収集作用を具備しておらず、その上の汚染物質の数が少ない。従って、放出ユニット3を保護カバー2内から取り出した後、綿布、スポンジなどのような柔らかい材質を利用して拭くと、洗浄効果を実現できる。
【0032】
本実施例のいくつかの好適な実現形態において、
図3に示すように、収集ユニット4は、保護カバー2内に取り外し可能に設けられる反発極板組41と、反発極板組41に取り外し可能に挿入される少なくとも1つの収集極板組42と、を備える。このように配置することで、収集ユニット4はさらに収集極板組42及び反発極板組41に分解され、汚染物質が収集極板組42に集中し、収集極板組42のみを洗浄すればよい。着脱後、洗浄が容易であり、洗浄効率及び洗浄効果を向上させる。
【0033】
好ましくは、
図3に示すように、反発極板組41はフレーム411と、フレーム411内に配列分布される複数の反発極板412とを備え、保護カバー2には、フレーム411に適する第1装着溝21が設けられ、フレーム411は第1装着溝21内に取り外し可能に設けられ、収集極板組42は配列分布される複数の収集極板を備え、複数の収集極板はフレーム411内に取り外し可能に挿入されるとともに、複数の反発極板412と交互に配列される。
【0034】
このように配置することで、フレーム411と保護カバー2内の第1装着溝21とは係合して、取り外し可能に配置され、反発極板412はフレーム411内に位置し、収集極板はフレーム411内に取り外し可能に挿入され、収集ユニット4をハウジング1内から取り出し、及び再装着する過程は、ただフレーム411を移動すればよい。反発極板412と収集極板とは交互に配列され、取り外し前の板間距離は、収集極板と隣接する反発極板412の間のピッチであり、取り外し後の板間距離は隣接する2つの収集極板の間の距離であり、取り外し後の板間距離がより大きく、洗浄がより容易になる。使用者は手で任意の部位に直接的に接触でき、死角を残さずに洗浄し、有効洗浄面はほぼ100%であり、従来技術において表面しか洗浄できず、洗浄面は10%未満であることに対して、洗浄効果を著しく向上させる。また、板間距離が大きくなり、換気効果を向上させ、洗浄後、乾燥時間が明らかに短くなる。
【0035】
上記収集極板は帯電粒子の極性と反対であり、反発極板412は帯電粒子の極性と同様であり、反発極板412の反発力及び収集極板の吸引力の二重作用で、帯電粒子は収集極板に吸着され、吸着過程を完成させる。
【0036】
1つの例示として、収集極板組42はアレイ配列される1組の収集極板を備え、収集極板組42における収集極板の数と反発極板組41における反発極板412の数とは同様であり、交互に配列される際、隣接する2つの反発極板412の間には1つの収集極板が存在してもよい。収集極板は隣接する2つの反発極板412の間の空間を平分することを例として、収集極板組42及び反発極板組41を取り外した後、板間距離は元の2倍まで大きくなる。
【0037】
別の例示として、
図3に示すように、収集極板組42は第1収集極板組42及び第2収集極板組42を備え、第1収集極板組42はアレイ配列される複数の第1収集極板421を備え、第2収集極板組42はアレイ配列される複数の第2収集極板422を備え、第1収集極板421、第2収集極板422の数と、反発極板412の数とは同様であり、隣接する2つの反発極板412の間には1つの第1収集極板421及び1つの第2収集極板422が存在してもよい。第1収集極板421及び第2収集極板422は隣接する2つの反発極板412の間の空間を等分することを例として、収集極板組42及び反発極板組41を取り外した後、板間距離は元の4倍まで大きくなる。
【0038】
当該例示において、第1収集極板組42は第1接続板423及び第2接続板424を備え、複数の第1収集極板421の両端は第1接続板423及び第2接続板424にそれぞれ接続される。第2収集極板組42は第3接続板425及び第4接続板426を備え、複数の第2収集極板組42の両端は第3接続板425及び第4接続板426にそれぞれ接続される。このように配置することで、第1収集極板組42及び第2収集極板組42の全体移動に便利である。
【0039】
好ましくは、第3接続板425及び第4接続板426には第1スロットが開けられ、第1収集極板421の両端は第1スロット内に挿着されることで、第1収集極板組42と第2収集極板組42を所定のピッチに保持するように、第1収集極板組42を位置決めする。
【0040】
好ましくは、フレーム411の内壁には第2スロットが開けられることで、第2収集極板422又は第3接続板425及び第4接続板426を収容し、第2収集極板組42に対して位置決め及び位置制限の作用を実現する。フレーム411の内壁には、さらに第3スロットが開けられることで、第1収集極板421又は第1接続板423及び第2接続板424を収容し、第1収集極板組42に対して位置決め及び位置制限の作用を実現する。
【0041】
好ましくは、第1収集極板421及び第2収集極板422はT字状構成であってもよく、第1収集極板421の両端の突出部は、第2収集極板組42又はフレーム411にラップされ、第2収集極板422の両端の突出部は、フレーム411にラップされる。
【0042】
好ましくは、第1収集極板421及び第2収集極板422は反発極板組41に挿入された後、第1収集極板421及び第2収集極板422の最高箇所はフレーム411の高さを超えず、フレーム411の装着及び取り外しに便利である。
【0043】
本実施例のいくつかの好適な実現形態において、
図4に示すように、保護カバー2には第1装着溝21が設けられ、フレーム411は第1装着溝21内に引き抜き可能に設けられる。このように配置することで、フレーム411を引き抜くことで、収集ユニット4をハウジング1内から容易に取り出す。保護カバー2には、さらに第2装着溝22が設けられ、放出ユニット3は第2装着溝22内に引き抜き可能に設けられる。このように配置することで、放出ユニット3を引き抜くことで、放出ユニット3をハウジング1内から容易に取り出す。
【0044】
図4を参照し、保護カバー2の内壁には、内部に突出するボスが設けられ、保護カバー2内において、当該ボスは、ボスの上部に位置する第1装着溝21及びボスの下部に位置する第2装着溝22を仕切る。保護カバー2の先端には、内部に延在する突起が設けられ、ボスは当該突起と係合し、第1装着溝21が囲まれる。保護カバー2の底端には、内部に延在する突起が設けられ、ボスは当該突起と係合し、第2装着溝22が囲まれる。
【0045】
本実施例のいくつかの好適な実現形態において、
図3に示すように、フレーム411にはハンドルが設けられることで、フレーム411を便利に引き抜き、フレーム411の装着及び取り出し過程がより容易になる。好ましくは、フレーム411には、装着方向を指示するための指示標識が設けられることで、装着の際、フレーム411の裏表を決定する。
図3に示すように、フレーム411には、標識側が上方であると指示するための「TOP」標識が設けられる。
【0046】
好ましくは、フレーム411には位置決め部材又はバックル部材が設けられ、保護カバー2及び/又はハウジング1の内壁には、対応する位置決め部材又はバックル部材が設けられることで、フレーム411を配置する際の位置決め及び締付などに便利である。
【0047】
好ましくは、放出ユニット3には位置決め部材又はバックル部材が設けられ、保護カバー2及び/又はハウジング1の内壁には、対応する位置決め部材又はバックル部材が設けられることで、放出ユニット3を配置する際の位置決め及び締付などに便利である。
【0048】
1実施例において、保護カバー2は、開口を有する環状又は矩形構成であり、開口はドアパネルと整合するとともに、ドアパネルのサイズに対応し、ドアパネルを除いたハウジング1の内壁を保護する。この場合、ドアパネルには保護層が設けられることで、ドアパネルに対して保護作用を実現し、ドアパネルを取り外した後、保護層を容易に洗浄できる。
【0049】
例えば、ハウジング1は立方体構成であってもよく、ドアパネルはハウジング1の背板に設けられるとともに、その幅は背板の幅と同様であってもよく、この場合、
図4を参照し、保護カバー2は、3つ平面から囲まれたU字状の開口構成である。
【0050】
本実施例のいくつかの好適な実現形態において、保護カバー2は絶縁材質のゴムカバーである。そうすれば、ゴムカバーは耐高圧、耐汚染などの優れた性能を具備するとともに、洗浄しやすい。上記ゴムカバーはゴム、又は樹脂材質などであってもよい。
【0051】
また、保護カバー2の材料を変更し、例えば、樹脂材質又はエンジニアリングプラスチックに変換すれば、同じようにハウジング1から取り出すことができる。本発明特許の1つの派生のみであり、洗浄(こすり洗い)を便利にするために、本発明特許において軟質ゴム材質、即ち、絶縁ゴムは好適であるが、他の硬質材質、例えば、エンジニアリングプラスチックなどであってもよい。
【0052】
この場合、保護カバー2は一定の剛性を有し、ハウジング1内に配置される際、それ自体の形状を保持すればよい。放出ユニット3、採集ユニットは保護カバー2内の第1装着溝21及び第2装着溝22に位置する場合、その支持力はハウジング1によって提供される。
図4に示すように、保護カバー2の内壁には、内部に突出するボスが設けられ、その外壁には、ハウジング1の、内部に突出するボスを収容可能な対応する凹部が設けられ、採集ユニットの圧力はハウジング1の内壁のボスに作用する。
【0053】
好ましくは、保護カバー2はハウジング1の内壁に取り外し可能に設けられ、ハウジング1の内壁には、保護カバー2を装着するための第3装着溝が設けられる。当該第3装着溝はハウジング1の内壁に設けられる凹部領域であってもよく、保護カバー2を第3装着溝に配置した後、以降、放出ユニット3を装着すれば、第3装着溝の底端(即ち、ハウジング1)によって放出ユニット3を支持する。
【0054】
本実施例のいくつかの好適な実現形態において、
図1及び2に示すように、空気清浄機は、ハウジング1内に取り外し可能に設けられるとともに、静電エレメントの、吸気口に近接する一側に位置する一次フィルタ部材5をさらに備える。このように配置することで、汚染物質含有空気は吸気口からハウジング1内に入った後、まず、一次フィルタ部材5を介して予備濾過を行って、毛髪などのような大きな汚染物質を濾過し、濾過をより十分にして、洗浄効果を向上させる。大きな汚染物質が静電エレメントに入って、目詰まりなどを招致することを回避でき、使用期間を延長する。一次フィルタ部材5を取り外し可能に配置することで、容易に取り出して掃除できる。
【0055】
ハウジング1の内壁には第4装着溝が設けられ、一次フィルタ部材5は第4装着溝内に引き抜き可能に設けられることで、取り出し及び装着に便利である。一次フィルタ部材5には操作のためのハンドル、及び装着の際、決定方位を決定するための指示標識が設けられてもよい。
【0056】
好ましくは、一次フィルタ部材5は濾過網などであってもよく、濾過網は、配列分布される複数の濾過線から構成されてもよいし、複数の濾過線が互いに垂直して交互に配列されることで囲まれた格子状構成を有してもよく、濾過網の孔径に対して、当業者は濾過網の必要な濾過程度に応じて設置すればよい。例えば、一次フィルタ部材5が大きな不純物のみを濾過しようとすると、メッシュの直径を大きく設置し、この場合、一次フィルタ部材5の洗浄周期が長い。一次フィルタ部材5が小さな不純物を濾過しようとすると、メッシュの直径を小さく設置し、この場合、一次フィルタ部材5の洗浄周期が短い。
【0057】
好ましくは、一次フィルタ部材5の濾過効果を設置することで、一次フィルタ部材5の洗浄周期を静電エレメントの洗浄周期と一致させ、1回の洗浄過程で、一次フィルタ部材5及び静電エレメントを同時に洗浄でき、労働力消費を低減させ、洗浄効率を向上させる。
【0058】
好ましくは、一次フィルタ部材5には位置決め部材又はバックル部材が設けられ、ハウジング1の内壁には、対応する位置決め部材又はバックル部材が設けられることで、フレーム411を配置する際の位置決め及び締付などに便利である。
【0059】
本実施例のいくつかの好適な実現形態において、
図2に示すように、当該空気清浄機は、ハウジング1内に取り外し可能に設けられるとともに、静電エレメントの、排気口に近接する一側に位置する触媒エレメント6をさらに備える。このように配置することで、静電エレメントによって浄化された空気は触媒エレメント6に入って、さらに濾過され、濾過をより十分にして、洗浄効果を向上させる。触媒エレメント6を取り外し可能に配置することで、取り出し及び交換に便利である。
【0060】
ハウジング1の内壁には第5装着溝が設けられ、一次フィルタ部材5は第5装着溝内に引き抜き可能に設けられることで、取り出し及び装着に便利である。触媒エレメント6には操作のためのハンドル、及び装着の際、決定方位を決定するための指示標識が設けられてもよい。
【0061】
好ましくは、触媒エレメント6は複数の六角形孔を備え、複数の六角形孔は互いに緊密して接触し、空気と触媒エレメント6との接触面積を大きくして、浄化効果を向上させる。
【0062】
好ましくは、触媒エレメント6には位置決め部材又はバックル部材が設けられ、ハウジング1の内壁には、対応する位置決め部材又はバックル部材が設けられることで、フレーム411を配置する際の位置決め及び締付などに便利である。
【0063】
第2態様によれば、本出願の実施例は上記の何れか1項に記載の空気清浄機の洗浄方法を提供し、当該洗浄方法は以下のステップを備える。
【0064】
S101:ドアパネルを開ける。
【0065】
S102:放出ユニット3及び収集ユニット4を保護カバー2内から取り出し、保護カバー2をハウジング1内から取り出す。
当該ステップにおいて、放出ユニット3はそれぞれ採集ユニットに取り外し可能に接続され、保護カバー2はハウジング1に取り外し可能に接続され、各部品の間の着脱の困難さに応じて、放出ユニット3及び収集ユニット4を保護カバー2内から取り出してから、保護カバー2を取り出してもよい。放出ユニット3及び収集ユニット4を保護カバー2と一緒に、ハウジング1内から取り出してから、放出ユニット3及び収集ユニット4を保護カバー2と分離してもよい。
【0066】
S103:保護カバー2及び収集ユニット4を洗浄する。
当該ステップにおいて、保護カバー2を洗浄する際、直接的に洗剤を利用して洗浄してもよく、きれいに洗浄した後、水分がないように乾かすとよい。水洗い又は拭きなどの形態で、収集ユニット4を洗浄できる。
【0067】
S104:放出ユニット3を拭く。
当該ステップにおいて、綿布、スポンジなどのような柔らかい材質を利用して、放出ユニット3における放出フィラメントを拭いて、拭く際、放出フィラメントの破断、損壊などを回避するために、力を制御する。
【0068】
S105:保護カバー2をハウジング1内に配置し、放出ユニット3及び収集ユニット4を保護カバー2内に配置する。
当該ステップにおいて、各部品の間の装着の困難さに応じて、保護カバー2をハウジング1内に配置してから、放出ユニット3及び収集ユニット4を保護カバー2内に配置してもよい。放出ユニット3及び収集ユニット4を保護カバー2内に配置してから、放出ユニット3、収集ユニット4及び保護カバー2を全体的にハウジング1内に配置してもよい。
【0069】
S106:ドアパネルを装着する。
【0070】
本実施例が提供する空気清浄機の洗浄方法において、取り外し可能な保護カバー2を配置することで、汚染物質はハウジング1の内壁ではなく、保護カバー2に堆積する一方、保護カバー2はハウジング1と静電エレメントの間に位置し、ハウジング1の、電界での破壊又は絶縁減衰などを回避し、ハウジング1に対して保護作用を実現する。保護カバー2内に取り外し可能に装着される放出ユニット3及び収集ユニット4を配置することで、放出ユニット3及び収集ユニットを4それぞれ洗浄でき、放出ユニット3及び収集ユニット4の特性、洗浄ニーズなどに応じて、対応する洗浄方式を採用し、洗浄効率及び洗浄効果を向上させる。
【0071】
本実施例のいくつかの好適な実現形態において、上記収集ユニット4を洗浄するステップは、
収集極板組42を反発極板組41から取り出すステップと、
収集極板組42を洗浄するステップと、
洗浄された収集極板組42を反発極板組41に配置するステップと、をさらに備える。
【0072】
このように配置することで、収集極板組42及び反発極板組41の分離型設計は、それぞれ洗浄するのに便利である。取り出された後、板間距離を大きくして、洗浄面が大きいため、洗浄しやすく、洗浄後、より迅速に乾かすことができる。
【0073】
以上は本出願の保護範囲を限定しておらず、本出願の実施例のみであり、当業者にとって、本出願はいろんな変更及び変化を有してもよい。本出願の精神及び原則内で、完成した任意の補正、等価置換、改良などは何れも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。ここで、類似の符号及び英文字は以下の図において類似の項目を表す。従って、ある一つの項目が一つの図において定義されれば、以降の図においてそれをさらに定義及び解釈する必要はない。
【0074】
以上は本出願の具体的な実施形態のみであり、本出願の保護範囲はこれに限定されず、当業者であれば、本出願が開示した技術範囲内で、変化及び置換を容易に想到することができ、これらの変化及び置換はいずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。従って、本出願の保護範囲は請求項の保護範囲を基準とする。
【0075】
ここで、本明細書において、第1及び第2のような関係用語はただ1つのエンティティ又は操作を他のエンティティ又は操作と区別するためのものであり、これらのエンティティ又は操作同士の間にはこのような実際の関係又は順序があるように要求又は暗示するとは限らない。且つ、用語「含む」「包含」又はその任意の他の変形は非排他的な包含を含むように意図され、それにより、一連の要素を含む過程、方法、物品又は機器はそれらの要素を含むだけでなく、更に明確に列挙されていない他の要素を含み、或いは、このような過程、方法、物品又は設備の固有の要素をさらに含む。これ以上限定しない限り、語句「○○を含む」で限定された要素は、要素を含む過程、方法、物品又は設備にさらに他の同じ要素が存在することを排除しない。
【符号の説明】
【0076】
1 ハウジング、
2 保護カバー、
21 第1装着溝、
22 第2装着溝、
3 放出ユニット、
4 収集ユニット、
41 反発極板組、
411 フレーム、
412 反発極板、
42 収集極板組、
421 第1収集極板、
422 第2収集極板、
423 第1接続板、
424 第2接続板、
425 第3接続板、
426 第4接続板、
5 一次フィルタ部材、
6 触媒エレメント