IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジェイティー インターナショナル エス.エイ.の特許一覧

<>
  • 特許-電子蒸気吸入器 図1
  • 特許-電子蒸気吸入器 図1a
  • 特許-電子蒸気吸入器 図2
  • 特許-電子蒸気吸入器 図3
  • 特許-電子蒸気吸入器 図4a
  • 特許-電子蒸気吸入器 図4b
  • 特許-電子蒸気吸入器 図5
  • 特許-電子蒸気吸入器 図6
  • 特許-電子蒸気吸入器 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】電子蒸気吸入器
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/57 20200101AFI20231129BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20231129BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20231129BHJP
   A24F 40/51 20200101ALI20231129BHJP
【FI】
A24F40/57
A24F40/20
A24F40/465
A24F40/51
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023128083
(22)【出願日】2023-08-04
(62)【分割の表示】P 2023022994の分割
【原出願日】2015-11-03
(65)【公開番号】P2023153959
(43)【公開日】2023-10-18
【審査請求日】2023-08-04
(31)【優先権主張番号】1420045.5
(32)【優先日】2014-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】ギル、マーク
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンコ、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ブルヴィニク、ルボス
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/048745(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第103783668(CN,A)
【文献】国際公開第2014/023965(WO,A1)
【文献】特表平08-511175(JP,A)
【文献】特表2014-519850(JP,A)
【文献】国際公開第2014/060268(WO,A1)
【文献】中国実用新案第203762288(CN,U)
【文献】国際公開第2013/083634(WO,A1)
【文献】米国特許第05649554(US,A)
【文献】中国特許出願公開第103202540(CN,A)
【文献】特開平06-315366(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/57
A24F 40/20
A24F 40/465
A24F 40/51
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジを受け入れるように構成されたチャンバを含むハウジングであって、前記チャンバ内に空気が流入できる空気入口を含むハウジングと、
前記チャンバの周囲に延在するように配置される誘導コイルと、
前記チャンバの内部の温度を判定するように構成される温度センサであって、前記温度センサは、前記空気入口を通過して前記チャンバへと流入する気流の温度を測定し、前記測定された空気入口温度、前記カートリッジの特性、及び前記誘導コイルによって供給されるエネルギーの量の関数として前記チャンバの内部の温度を判定するように配置されている、温度センサと、
前記カートリッジを所定の温度に維持するために、前記温度センサによって判定された温度に基づいて前記誘導コイルの動作を制御するように構成された制御装置と、を備える、電子蒸気吸入器。
【請求項2】
請求項1に記載された電子蒸気吸入器において、
前記誘導コイルは、誘導加熱可能要素と前記チャンバ内の香味放出媒体を加熱し、それにより、ユーザが吸引して前記空気入口を通じて周囲空気を前記チャンバ内に引き込むときに前記チャンバ内の前記香味放出媒体を通過して流れる空気を加熱するように構成される、電子蒸気吸入器。
【請求項3】
請求項1に記載された電子蒸気吸入器において、
前記制御装置は、前記所定の温度を実質的に一定の温度に維持するように構成される、電子蒸気吸入器。
【請求項4】
請求項1に記載された電子蒸気吸入器において、
前記制御装置は、マイクロプロセッサである、電子蒸気吸入器。
【請求項5】
請求項1に記載された電子蒸気吸入器において、
前記誘導コイルを励磁するように構成される電源を有する、電子蒸気吸入器。
【請求項6】
請求項5に記載された電子蒸気吸入器において、
前記電源は、1つまたは複数の電池を有する、電子蒸気吸入器。
【請求項7】
請求項6に記載された電子蒸気吸入器において、
前記1つまたは複数の電池は、誘導的に再充電可能である、電子蒸気吸入器。
【請求項8】
請求項1に記載された電子蒸気吸入器において、
前記カートリッジを除去するため及び/又は前記チャンバ内に前記カートリッジを設置するために前記チャンバがアクセスされ得るように取り外し可能な、カバーを有する、電子蒸気吸入器。
【請求項9】
請求項1に記載された電子蒸気吸入器において、
前記電子蒸気吸入器は、電子タバコ又はパーソナル・ベーパライザーである、電子蒸気吸入器。
【請求項10】
請求項1に記載された電子蒸気吸入器において、
前記温度センサは、熱電対、抵抗温度検出器、サーミスタ、又は赤外線センサである、電子蒸気吸入器。
【請求項11】
請求項1に記載された電子蒸気吸入器において、
前記制御装置は、ユーザが望ましい蒸気吸入温度を選択できるようにする温度セレクタを含む、電子蒸気吸入器。
【請求項12】
請求項1に記載された電子蒸気吸入器において、
前記制御装置は、前記チャンバの内部の温度が、吸入周期の間では低下し、次の吸入周期の直前または開始時に上昇するように前記誘導コイルが励磁されるように、前記誘導コイルの動作を制御するように構成される、電子蒸気吸入器。
【請求項13】
請求項1に記載された電子蒸気吸入器と、
既製のカートリッジと、を有する、キット。
【請求項14】
請求項1に記載された電子蒸気吸入器と、
製のカートリッジのパックと、を有する、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、電子蒸気吸入器に関連し、特に、電子蒸気吸入器との使用のための香味放出媒体を有し、香味放出媒体が、ユーザによる吸入のための蒸気を生じさせるために加熱され得るカートリッジに関連する。
【背景技術】
【0002】
タバコ、葉巻、およびパイプなどの従来の喫煙品の代替品として使用され得る電子蒸気吸入器(電子タバコ、電子シガレット、パーソナル・ベーパライザーとしても知られる)は、ますます一般的になり、普及してきている。通常、電池式である電子蒸気吸入器は、ユーザによって吸入され得るニコチンを含む蒸気を生むために、ニコチンを含む液体を加熱し、霧化する。蒸気は、ニコチンを肺に送達させるために、マウスピースを通して吸入され、ユーザによって吐き出された蒸気は、一般的に、従来の喫煙品の煙の形態を模倣する。蒸気の吸入は、従来の喫煙に類似の身体的感覚を生むが、燃焼を起こさないため、一酸化炭素およびタールなどの有害化学物質は、生成または吸入されない。
【0003】
現在、さまざまな電子蒸気吸入器が利用可能であるが、それらはすべて本開示が克服しようと努めるものに関連する欠点を有する。
【発明の概要】
【0004】
本開示の第1の局面によると、電子蒸気吸入器のためのカートリッジが提供され、カートリッジが、
長尺の誘導加熱可能要素と、
長尺の誘導加熱可能要素の表面に付着される香味放出媒体と、
を備える。
【0005】
カートリッジは、ユーザに、電子蒸気吸入器に香味放出媒体を充填する便利な方法を提供し、それによって、こぼす、または浪費する可能性を低下させる。既製のカートリッジの形態で提供されるため、香味放出媒体の保全性、安全性、および品質もまた保証される。香味放出媒体の正確な服用量も保証される。
【0006】
誘導加熱可能要素を、香味放出媒体に近接して、および少なくともその一部に接触して配置することによって、電磁場の存在下で、香味放出媒体が、急速かつ効率的に加熱され、これにより、加熱反応性が速くなり、比較的所要動力が低くなる。カートリッジには、可動部分はなく、加熱要素がカートリッジに沿って配置される。加熱要素は、カートリッジが取り替えられるたびに新しくなるため、磨滅せず、加熱された香味放出媒体からの沈着物により形成される残留物の堆積に影響されず、したがって、経時による性能の低下や、香味または芳香の劣化がない。これは、たとえば、一定量の使用後に磨滅または故障し、香味放出媒体が加熱されるにつれての残余物の堆積に影響される、吸入器のハウジング内に抵抗加熱要素を有する既存の電子蒸気吸入器と対比される。故障の場合には、電子蒸気吸入器は、全体的に破棄され、新品と取り替えられることが必要になり得る。
【0007】
香味放出媒体は、ユーザによる吸入のための蒸気を放出するように加熱されてもよい、任意の材料または材料の組み合わせであってもよい。香味放出媒体は、タバコまたはタバコ材料であってもよく、プロピレングリコールまたはグリセロールなどの蒸気形成媒体が含浸されてもよい。しかし、香味放出媒体は、タバコに限定されず、任意の香味放出媒体が使用されてもよい。
【0008】
香味放出媒体は、長尺の誘導加熱可能要素の外表面に付着されてもよい。香味放出媒体は、たとえば、誘導加熱可能要素の外表面に付着されてもよい粒状材料を含んでもよい。したがって、香味放出媒体は、単純な方法で誘導加熱可能要素に取り付けられ得る。
【0009】
長尺の誘導加熱可能要素は、中実の断面を有してもよい棒またはワイヤを備えてもよい。
【0010】
長尺の誘導加熱可能要素は、内部壁面および外部壁面を備える壁を有する管を代替的に備えてもよい。管は、たとえば、円筒形または楕円形であってもよく、壁は、内部周壁面および外部周壁面を有する、周方向に延在する壁であってもよい。香味放出媒体が、内部壁面および/または外部壁面に付着されてもよい。香味放出媒体が、管状誘導加熱可能要素の内部および外部壁面の両方に付着される配置では、より大きな量の香味および芳香が放出されてもよい。
【0011】
管状誘導加熱可能要素が、壁内に、空気またはガスを通過させて流動させるための、1つまたは複数の開口部を備えてもよい。たとえば、管状誘導加熱可能要素は、管状のメッシュ、または管状の有孔ホイルを備えてもよい。
【0012】
カートリッジは、誘導加熱可能要素と香味放出媒体との間に、断熱層をさらに備えてもよい。断熱層は、香味放出媒体が加熱される速度を、有用に低下させてもよい。
【0013】
本開示の第2の局面によると、電子蒸気吸入器のためのカートリッジが提供され、カートリッジが、
中実の断面を有する長尺の誘導加熱可能要素と、
長尺の誘導加熱可能要素の周囲を囲む香味放出媒体と、
を備える。
【0014】
長尺の誘導加熱可能要素が、棒を備えてもよく、または1つまたは複数のワイヤを備えてもよい。
【0015】
カートリッジが、香味放出媒体の周囲を囲む保護スリーブを備えてもよい。保護スリーブの使用は、香味放出媒体を、長尺の誘導加熱可能要素の周りの所定の位置に保持するために、香味放出媒体が、繊維状材料を備える、または微細な断片もしくはペレット、または粒状材料の形態である配置において有利であってもよい。
【0016】
保護スリーブが、電気絶縁性、および非磁性でもあってよい断熱材料を備えてもよい。保護スリーブは、紙製オーバーラップを備えてもよい。
【0017】
保護スリーブが、管状であってもよく、開放端部を有してもよい。保護スリーブは、たとえば、断面が円形または楕円形であってもよい。
【0018】
長尺の誘導加熱可能要素と管状保護スリーブとが、同軸であってもよい。
【0019】
カートリッジが、誘導加熱可能要素と香味放出媒体との間に、断熱層をさらに備えてもよい。
【0020】
本開示の第3の局面によると、電子蒸気吸入器のためのカートリッジが提供され、カートリッジが、
管状誘導加熱可能要素と、
香味放出媒体であって、管状誘導加熱可能要素の周囲を囲むようにのみ設けられ、それ
によって、管状誘導加熱可能要素の内部には存在しない香味放出媒体と、
を備える。
【0021】
管状誘導加熱可能要素が、香味放出媒体に周囲を囲まれるその壁に、空気およびガスが壁を通過して流動することを可能にするために、1つまたは複数の開口部を備えてもよい。たとえば、管状誘導加熱可能要素は、管状のメッシュ、または管状の有孔ホイルを備えてもよい。
【0022】
カートリッジが、香味放出媒体の周囲を囲む保護スリーブを含む。
【0023】
保護スリーブが、電気絶縁性、および非磁性でもあってよい断熱材料を備えてもよい。保護スリーブは、紙製オーバーラップを備えてもよい。
【0024】
保護スリーブが、管状であってもよく、開放端部を有してもよい。保護スリーブは、たとえば、断面が円形または楕円形であってもよい。
【0025】
管状誘導加熱可能要素と管状保護スリーブとが、同軸であってもよい。
【0026】
カートリッジが、誘導加熱可能要素と香味放出媒体との間に、断熱層をさらに備えてもよい。
【0027】
本開示の第4の局面態様によると、電子蒸気吸入器のためのカートリッジが提供され、カートリッジが、香味放出媒体、および香味放出媒体中に分散される誘導加熱可能材料を備える。
【0028】
誘導加熱可能材料が、粒子状材料であってもよい。粒子は、電磁場の存在下で個別に加熱され、加熱された粒子から香味放出媒体へと、局所的に熱が伝達される。したがって、香味放出媒体の急速かつ効率的な加熱が容易に達成される。
【0029】
カートリッジが、散在する香味放出媒体および誘導加熱可能材料の周囲を囲む保護スリーブを備えてもよい。
【0030】
保護スリーブが、電気絶縁性、および非磁性でもあってよい断熱材料を備えてもよい。保護スリーブは、紙製オーバーラップを備えてもよい。
【0031】
保護スリーブが、管状であってもよく、開放端部を有してもよい。保護スリーブは、たとえば、断面が円形または楕円形であってもよい。
【0032】
本開示の第5の態様によると、
近位端部および遠位端部を有するハウジングと、
ハウジングの近位端部にあるマウスピースと、
ハウジング内に配置される、本開示に関するカートリッジと、
誘導加熱可能要素を誘導的に加熱し、それによって香味放出媒体を加熱するように配置される誘導加熱装置と、
を備える電子蒸気吸入器が提供される。
【0033】
ハウジングは、カートリッジが取外し可能に配置されるチャンバを含んでもよい。チャンバは、外部環境から熱的に隔離されてもよい。チャンバは、ハウジングの遠位端部と近位端部との間の任意の適切な位置に設置されてもよい。いくつかの実施形態では、チャンバは近位端部に設置されてもよい。他の実施形態では、チャンバは遠位端部に設置されて
もよい。後者の場合、誘導加熱装置の動作中にカートリッジが加熱されるにつれて、ハウジングの外部表面における温度がわずかに上昇しても、この温度の上昇は、マウスピースが設置される、ハウジングの近位端部においては起こらない。
【0034】
誘導加熱装置が、誘導コイルを備えてもよい。誘導コイルは、チャンバの周りに延在してもよい。
【0035】
ハウジングは、空気が通過してチャンバ内へと流入することができる空気入口を含んでもよい。複数の空気入口が設けられてもよい。
【0036】
空気入口または各空気入口を通過する、したがってカートリッジを通過する流動を変化させるために、ハウジングに気流制御機構が設けられてもよい。これによって、ユーザが、吸入中に、マウスピースを通して、加熱された香味放出媒体から放出される香味および芳香の量に影響を与えることが可能になってもよい。
【0037】
ハウジングが、加熱された空気をマウスピースに送達するための導管を含んでもよい。導管が、周囲空気のための少なくとも1つの第1入口、およびチャンバからの加熱された空気のための少なくとも1つの第2入口を含んでもよい。導管が、ベンチュリ効果を提供するように配置されてもよく、それによって、使用中、周囲空気が少なくとも1つの第2入口を通過するように導管内を流動すると、加熱された空気が、ベンチュリ効果によって、チャンバから導管内へと吸い込まれる。そのような装置を用いて、比較的冷たい周囲空気および、チャンバからの比較的暖かい空気が、導管内を流動するにつれて混合され、これによって、マウスピースを通して吸入される間の、香味および芳香のより緩やかな放出が提供されても良い。少なくとも1つの第1入口を通過する流動を変化させるために、ハウジングに気流制御機構が設けられてもよい。導管は、典型的には、チャンバの周囲を囲む環状導管である。環状導管は、ハウジング内に形成される、周方向に離間する複数の第1入口、およびチャンバの周壁内に形成される、周方向に離間する複数の第2入口を含んでもよい。
【0038】
電子蒸気吸入器は、カートリッジ温度を判定するための1つまたは複数の温度センサを含んでもよい。任意の適切な温度センサ、たとえば、熱電対、抵抗温度検出器、サーミスタ、または赤外線センサが使用されてもよい。一実装例では、(1つまたは複数の)温度センサが、カートリッジの直接測定によって、カートリッジ温度を判定してもよい。別の実装例では、(1つまたは複数の)温度センサは、カートリッジ温度を間接的に判定するように使用されてもよい。たとえば、温度センサは、空気入口または各空気入口を通過してチャンバへと流入する気流の温度を測定するために使用されてもよく、次に、カートリッジ温度が、測定された空気入口温度、カートリッジの特性、誘導加熱装置によって供給されるエネルギーの量を関数として、数学的に判定されてもよい。
【0039】
電子蒸気吸入器は、カートリッジを実質的に一定および所定の温度で維持するために、誘導加熱装置を励磁するように適応されてもよい制御装置をさらに含んでもよい。制御装置が、判定された温度に基づいて誘導加熱装置を励磁するように適応されてもよく、このようにして、閉ループフィードバック式制御装置が生み出される。しかし、温度制御は、温度センサを用いることなくもたらされてもよいことが理解されるべきである。
【0040】
本開示の第6の局面によると、
一方の端部にマウスピースを有するハウジングと、
誘導加熱装置であって、カートリッジまたはカプセル内の香味放出媒体を加熱するために、ハウジングに挿入されるカートリッジまたはカプセルの誘導加熱可能要素を誘導的に加熱するように配置される誘導加熱装置と、
誘導加熱可能要素を誘導的に加熱し、それにより香味放出媒体を加熱するために、誘導加熱装置を励磁するように配置される制御装置と、
を備え、
制御装置が、誘導加熱可能要素の特徴を検出することによって、挿入されたカプセルまたはカートリッジを認識するように、および検出された特徴に基づいて、誘導加熱装置の動作を制御するようにさらに配置される、
電子蒸気吸入器が提供される。
【0041】
誘導加熱可能要素は、カートリッジまたはカプセルがハウジングに挿入されると、有効に「読取り」され、それによって、カートリッジまたはカプセルの自動認識が提供される。
【0042】
制御装置が、所望の加熱プロファイルを提供するために、検出された特徴に基づいて、誘導加熱装置の動作を制御するように配置されてもよい。加熱プロファイルは、したがって、香味放出媒体が、香味および芳香を放出するための最適の方法で加熱されるように、カートリッジまたはカプセルの認識の際に、自動的に調節されてもよい。
【0043】
制御装置が、ハウジングにカプセルまたはカートリッジが挿入される間、誘導加熱可能要素と誘導加熱装置との間の相互作用により発生する、電磁場における変化を検出するように適応されてもよい。
【0044】
カートリッジは、上に定義された通りであってもよい。この場合、電磁場の変化など、検出される特徴は、たとえば、異なる長さ、厚さ、または形状の誘導加熱可能要素を提供することによって、異なるカートリッジごとに変わってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】外表面に付着される香味放出媒体を備える、長尺棒状の誘導加熱可能要素を有する、本開示に関するカートリッジを含む電子蒸気吸入器の断面図である。
図1a図1に類似の、電子蒸気吸入器の代替の実施形態の一部を示す図である。
図2図1および2に示されるカートリッジの断面側面図である。
図3】内部および外部壁面に付着される香味放出媒体を備える、管状誘導加熱可能要素を有するカートリッジの断面側面図である。
図4a図3に示されるカートリッジに類似であるが、有孔管状誘導加熱可能要素を有するカートリッジの図である。
図4b】有孔管状誘導加熱可能要素の側面図である。
図5】香味放出媒体に周囲を囲まれる長尺棒状の誘導加熱可能要素を有するカートリッジの側面断面図である。
図6】香味放出媒体に周囲を囲まれる管状誘導加熱可能要素を有するカートリッジの側面断面図である。
図7】粒子状の誘導加熱可能材料が香味放出媒体中に分散されたカートリッジの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
次に、本発明の実施形態を、例示のみのため、添付の図面に関連して説明する。
【0047】
先ず、図1を参照すると、電子蒸気吸入器10は、近位端部14および遠位端部16を有する全体的に長尺のハウジング12を備える。電子蒸気吸入器10は、近位端部14にマウスピース18を含み、マウスピース18を通して、ユーザは、香味放出媒体30を熱することによって発生される蒸気を吸入することができる。電子蒸気吸入器10は、たとえば、マイクロプロセッサの形態の制御装置20、および、たとえば、誘導的に再充電可
能である、1つまたは複数の電池の形態の電源22を含む。
【0048】
ハウジング12は、カートリッジ26を取外し可能に挿入することができるチャンバ24を含む。チャンバ24は、マウスピース18に隣接して、ハウジング12の近位端部16に位置するが、これは厳密には必須ではなく、近位端部14と遠位端部16との間の任意の適切な位置に設置されてもよい。図示される実施形態では、チャンバ24は、ハウジング12内に形成され、マウスピース18が一体的に形成されるカバー25を、ハウジング12の近位端部14から取り外すことによってアクセスされる。代替の実施形態では、チャンバ24自体が、取外し可能な構成要素として形成されてもよく、ハウジング12から構成要素を取り外すことによってアクセスされてもよい。いずれの場合でも、カートリッジ26は、チャンバ24に容易に挿入可能であり、またはチャンバ24から容易に取外し可能である。
【0049】
明確さのために図2に分離されて示されるカートリッジ26は、限定されないが、典型的には断面が円形である、長尺棒状の誘導加熱可能要素28を含む。カートリッジ26は、たとえば、被覆として誘導加熱可能要素28の表面32に付着される、香味放出媒体30をさらに含む。香味放出媒体30は、誘導加熱可能要素28に付着可能となるように処理または加工されてもよい、粒状または粒子状の材料である。香味放出媒体30は、電子蒸気吸入器10のマウスピース18を通してユーザに吸入されるための蒸気を生じさせるように加熱されてもよいように、典型的には、プロピレングリコールまたはグリセロールなどの蒸気形成媒体が含浸されてもよいタバコ、またはタバコ材料を含む。タバコ、またはタバコ材料が使用されるときには、電子蒸気吸入器10は、電子タバコとして使用され得る。しかし、本明細書において既に説明したように、タバコ以外の材料が使用されてもよい。
【0050】
誘導加熱可能要素28は、香味放出媒体30が誘導加熱可能要素28に付着されるため、香味放出媒体30と密接に接触している。結果として、電磁場の存在下で誘導加熱可能要素28が加熱されると、香味放出媒体30は、急速かつ均一に加熱される。
【0051】
再度図1を参照すると、電子蒸気吸入器10は、電源22によって励磁され得る誘導コイル36を備える誘導加熱装置34を含む。当業者に理解されるように、誘導コイル36が励磁されると、誘導加熱可能要素28内に渦電流を発生させ、誘導加熱可能要素28を昇温させる電磁場が生じる。そして、たとえば伝導、放射、および対流によって、誘導加熱可能要素28から香味放出媒体30に熱が伝達される。
【0052】
誘導加熱装置34の動作は、典型的には、香味放出媒体30を、香味および芳香の放出に最適である温度に維持するために、制御装置20によって制御される。
【0053】
図1には示されないが、電子蒸気吸入器10は、チャンバ24内部の温度を測定するための温度センサを含んでもよく、この場合、制御装置20は、温度センサによって測定される温度に基づいて、誘導加熱装置34の動作を制御するように配置される。しかし、本明細書において既に説明したように、チャンバ24内部の温度を判定するための他の装置が可能である。
【0054】
ユーザが、蒸気を吸入するために電子蒸気吸入器10の使用を望む場合、ユーザは、たとえば、先ず、ハウジング12の近位端部14から(たとえば、ねじって外すことによって)カバー25を取り外すことによって、チャンバ24へのアクセスを得る必要があってもよい。ユーザは、次に、既製のカートリッジ26をチャンバ24内に設置する。既製のカートリッジ26は、典型的には、別途購入可能であるパックで供給される。したがって、カートリッジ26のチャンバ24内への充填は、ユーザにとって極めて単純な手順である。
【0055】
ユーザは、次に、たとえば、ハウジング12の近位端部14にカバー25を(たとえば、ハウジング12にねじって締めることによって)再度取り付けることによって、チャンバ24を閉鎖する。
【0056】
電子蒸気吸入器10は、次に、使用しようとするユーザによってスイッチを入れられ、それによって、誘導コイル36が励磁され、上記のように、香味放出媒体30が燃焼されることなく誘導加熱可能要素28および香味放出媒体30が加熱される。
【0057】
ユーザが口をマウスピース18の上に置き、吸入すると、周囲空気が、矢印40で表示されるように、空気入口38を通ってチャンバ24内へと引き込まれる。空気は、チャンバ24内の粒状または粒子状の香味放出媒体30を通過して流動すると加熱され、適切な芳香および香味を有する加熱された空気は、チャンバ24から流出する。加熱された空気は、次に、マウスピース18を通過するように流動し、そうすることで、矢印42で表示されるように、マウスピース18を通してユーザによって吸入されてもよい蒸気またはエアゾールを形成するために、冷却および凝縮される。制御装置20は、最適な吸入温度は、個人の選択の問題であってもよいため、ユーザが、望ましいユーザ体験を選択するために、望ましい蒸気吸入温度を選択することを可能にさせる温度セレクタを含んでもよい。
【0058】
吸入中、ならびに空気がチャンバ24内へと、およびチャンバ24を通過するように流動するとき、誘導コイル36が、必要に応じて、所定の、たとえば実質的に一定のチャンバ24内部の温度を維持するために、励磁されてもよいことが理解される。これにより、マウスピース18を通してユーザによって吸入される蒸気の温度が最適化される、たとえば、実質的に一定となることが確実となる。しかし、香味放出媒体30を維持するために、チャンバ24内部の温度が、吸入周期と周期の間では低下し、次の吸入周期の直前または開始時に上昇するように誘導コイル36が励磁されるように、制御装置20は、誘導加熱装置34を制御するように配置されてもよい。
【0059】
マウスピース18に供給される蒸気の香味および芳香が、ユーザに許容できないと考えられる水準に達すると、チャンバ24が、たとえば、ハウジング12の近位端部14からカバー25を取り外すことによってアクセスされてもよい。そして、使用されたカートリッジ26は、取り外しおよび破棄され、カバー25が、上記のように、電子蒸気吸入器10を使用のために用意するために再度設置される前に、新しいカートリッジ26が、チャンバ24内に設置されてもよい。
【0060】
カートリッジ26の内容物、特に香味放出媒体の成分は、変化してもよいこと、ならびに誘導加熱装置34の動作が、理想的には、香味放出媒体からの香味および芳香の放出を最適化するために、変化される必要があってもよいことが理解される。たとえば、特定のカートリッジ26の内容物には、比較的に遅い加熱速度の加熱プロファイルが好ましくてもよく、一方で、他のカートリッジ26の内容物には、比較的に速い加熱速度の加熱プロファイルが好ましくてもよい。これに適応するために、一実施形態では、制御装置20は、誘導加熱可能要素28の特徴を検出することによって、挿入されたカートリッジ26を認識するように、および、たとえば、検出された特徴に基づいて、望ましい加熱プロファイルを提供するために、誘導加熱装置34の動作を制御するように配置される。可能である一実装例では、カートリッジ26がチャンバ24内に挿入されると、制御装置20が、誘導加熱可能要素28と誘導コイル36との間の相互作用により発生する、電磁場の変化を検出する。実際には、様々な電磁シグネチャが、様々な長さ、厚さ、または形状の、1つまたは複数の誘導加熱可能要素28を提供することによって、様々なカートリッジ26に提供されてもよい。
【0061】
図1aは、電子蒸気吸入器110の一部の、代替の実施形態を示している。電子蒸気吸入器110は、図1に示される電子蒸気吸入器10と、多くの共通の特徴部を共有し、したがって対応する特徴部は、対応する参照符号で示される。
【0062】
電子蒸気吸入器110は、チャンバ24の周囲を囲む環状導管112を有する。環状導管112は、誘導コイル36が埋め込まれるハウジング12の周壁と、チャンバ24の周壁114との間に形成される。環状導管112は、周囲空気が環状導管112に流入することを可能にするために、ハウジング12内で、環状導管112の遠位端部に形成される、周方向に離間した、複数の第1入口116を含む。環状導管112は、加熱された空気がチャンバ24から環状導管112に流入することを可能にするために、チャンバ24の周壁114内に形成される、周方向に離間した、複数の第2入口118も含む。第2入口118は、周壁114内で、環状導管112の遠位端部と近位端部との間のおおよその中間点に形成されるが、もちろん他の位置も、完全に実行可能かつ本開示の範囲内である。周方向に離間した通路120、122も、第1入口116から通路124に沿ってチャンバ24内へと周囲空気の一部を導くために、ハウジング12内に設けられてもよい。
【0063】
マウスピース18を通して吸入される間、周囲空気が、矢印140で示されるように、周方向に離間した第1入口116を通過して環状導管112内へと引き込まれる。周囲空気は、矢印142で示されるように、遠位端部から近位端部に向かって、そしてマウスピース18に向かって、環状導管112に沿って流動する。空気が、周方向に離間した第2入口118を通過して周壁114内へと流動すると、ベンチュリ効果が起こる。これによって、周囲空気が、点線の矢印で示されるように、通路120、122、124を通過してチャンバ24内へと引き込まれ、チャンバ24内から第2入口118を通過するように吸い出される。理解できるように、通路120、122、124を通ってチャンバ内に進入する空気は、チャンバ24内で、粒状または粒子状の香味放出媒体30を通過して流動するにつれて加熱され、それに従い、適切な芳香および香味を有する、加熱された空気が、第2入口118を通ってチャンバ24から吸い出される。加熱された空気は、環状導管112内を流動する周囲空気と混合し、これには、加熱された空気の温度を、より許容される水準へと低下させる傾向がある。そして、加熱された空気は、さらに冷却され、矢印42で示されるように、マウスピース18を通ってユーザに吸入され得る蒸気またはエアゾールを形成するように凝縮する。
【0064】
代替のカートリッジが、電子蒸気吸入器10、110、または次に説明する、実際に他の適切に構成される電子蒸気吸入器とともに使用されてもよい。
【0065】
図3を参照すると、管状(円筒状であってもよい)誘導加熱可能要素46を備えるカートリッジ44が示される。管状誘導加熱可能要素46は、内部および外部壁面50、52を備える壁48を有し、香味放出媒体54は、内部壁面50および外部壁面52の両方に付着される。他の実施形態では、香味放出媒体54は、内部壁面50および外部壁面52のうちの1つのみに付着される。
【0066】
図4aおよび図4bは、図3のカートリッジ44に類似し、対応する構成要素が、対応する参照番号を用いて識別されるカートリッジ56を示している。図4aおよび図4bのカートリッジ56内では、(図示される実施形態においては円筒状である)管状誘導加熱可能要素46は、空気が、内部壁面50と外部壁面52との間の壁48を通過して流動できるように、穿孔58を含む。
【0067】
次に図5を参照すると、限定されないが、典型的には断面が円形である、長尺棒状の誘導加熱可能要素62を備える、カートリッジ60が示されている。カートリッジ60は、
誘導加熱可能要素62の周囲を囲む香味放出媒体64をさらに備える。たとえば、開放端部を有する紙製オーバーラップの形態の、断熱性、電気絶縁性、および非磁性保護スリーブ66が、香味放出媒体64の周囲を囲み、特に、香味放出媒体64が、材料の微細な断片または粒子を含む場合、有利には、所定の位置に保持してもよい。他の実施形態では、香味放出媒体64は、織り合わされた繊維を備えてもよく、このことは、保護スリーブ66が必要とされることなく、繊維状の香味放出媒体64が、誘導加熱可能要素62の周りの所定の位置に保たれるために充分となり得る。
【0068】
図6は、管状(円筒状であってもよい)誘導加熱可能要素70を備えるカートリッジ68を示している。管状誘導加熱可能要素70は、内部および外部壁面74、76を有する壁72を備え、香味放出媒体78が、管状誘導加熱可能要素70の周囲を囲むために、外部壁面76の周りにのみ設けられる。したがって、管状誘導加熱可能要素70の内部80には、香味放出媒体78が存在しない。
【0069】
たとえば、開放端部を有する紙製オーバーラップの形態の、断熱性、電気絶縁性、および非磁性保護スリーブ82が、香味放出媒体78の周囲を囲み、特に、香味放出媒体78が材料の微細な断片または粒子を含む場合、有利には、所定の位置に保持してもよい。他の実施形態では、香味放出媒体78は、織り合わされた繊維を備えてもよく、これは、保護スリーブ82が必要とされることなく、繊維状の香味放出媒体78が、誘導加熱可能要素70の周りの所定の位置に保たれるために充分となり得る。
【0070】
カートリッジ68の変形実装例(図示されず)では、管状誘導加熱可能要素70は、空気が、内部壁面74と外部壁面76との間の壁72を通過して流動できるように、穿孔を含む。
【0071】
次に図7を参照すると、微細な断片もしくはペレット、粒子、薄片、または繊維の形状の香味放出媒体86を備えるカートリッジ84が示されている。図示される実施形態において、紙製オーバーラップが、保護スリーブ88として機能するように設けられるが、上記実施形態に対し説明されたように、たとえば、香味放出媒体86が、保護スリーブ88によって提供される支持構造無しでその形状を保持することを可能にする、織り合わされた繊維などを含む場合には、保護スリーブは省略されてもよい。
【0072】
カートリッジ84は、電磁場の存在下で、個別に、誘導的に加熱される、材料の粒子の形態の誘導加熱可能材料90をさらに備える。誘導加熱可能材料90の粒子は、限定されないが、典型的には均一に、香味放出媒体中に分散される。
【0073】
前述の段落において、例示的な実施形態が説明されたが、添付の請求項の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対し様々な変形例が作成されてもよいことが理解されるべきである。したがって、請求項の幅および範囲は、上記の例示的実施形態に限定されるべきではない。請求項および図面を含む、本明細書において開示される各特徴部は、明示されない限り、同じ、同等、または類似の目的を果たす代替の特徴部に取り換えられてもよい。
【0074】
カートリッジ26、44、56、60、68、84は、電子蒸気吸入器10、110と使用するために説明されたが、それらは、代替の構成を有する電子蒸気吸入器と使用されてもよいことが理解される。
【0075】
図示されないが、電子蒸気吸入器10、110のいずれかに、ユーザが入口38、116を流れる気流を制御することを可能にするために、気流制御機構が設けられてもよい。たとえば、気流制御機構は、入口38、116内への空気の流動を制限するために、入口38、116の開口部サイズを変化させる手段を含んでもよい。
【0076】
前述の実施形態のいずれかにおいて、香味放出媒体への熱伝達の速度を低下させるために、誘導加熱可能要素と香味放出媒体との間に、断熱材料を提供することが望ましいであろう。
【0077】
文脈上明白に他の意味に解釈すべき場合を除いて、明細書および請求項において、「備える」、「備えている」、などの用語は、排他的または網羅的とは対照的な、包括的な意味で、つまり、「限定されないが、含む」という意味で解釈されるものである。
【0078】
上記の特徴のその可能なすべての変形例の任意の組み合わせが、本明細書において指摘されない限り、または明確に文脈と矛盾しない限り、本発明に包含される。
【0079】
さらなる実施形態が以下の実施形態1から実施形態43として説明される。
実施形態1
電子蒸気吸入器のためのカートリッジであって、前記カートリッジは、
長尺の誘導加熱可能要素と、
前記長尺の誘導加熱可能要素の表面に付着される香味放出媒体と、を備えるカートリッジ。
実施形態2
前記香味放出媒体は、前記長尺の誘導加熱可能要素の外表面に付着される、実施形態1記載のカートリッジ。
実施形態3
前記長尺の誘導加熱可能要素は、中実の断面を有する棒またはワイヤを備える、実施形態1または2記載のカートリッジ。
実施形態4
前記長尺の誘導加熱可能要素は、内部壁面および外部壁面を備える壁を有する管を備える、実施形態1記載のカートリッジ。
実施形態5
前記香味放出媒体は、前記内部壁面に付着される、実施形態4記載のカートリッジ。
実施形態6
前記香味放出媒体は、前記外部壁面に付着される、実施形態4または5記載のカートリッジ。
実施形態7
前記管状誘導加熱可能要素は、前記壁内に、空気を通過させて流動させるための、1つまたは複数の開口部を備える、実施形態4~6のいずれか1項に記載のカートリッジ。
実施形態8
前記誘導加熱可能要素と前記香味放出媒体との間に、断熱層をさらに備える、実施形態1~7のいずれか1項に記載のカートリッジ。
実施形態9
電子蒸気吸入器のためのカートリッジであって、前記カートリッジは、
中実の断面を有する長尺の誘導加熱可能要素と、
前記長尺の誘導加熱可能要素の周囲を囲む香味放出媒体と、を備えるカートリッジ。
実施形態10
前記長尺の誘導加熱可能要素は、棒またはワイヤを備える、実施形態9記載のカートリッジ。
実施形態11
前記カートリッジは、前記香味放出媒体の周囲を囲む保護スリーブを備える、実施形態9または10記載のカートリッジ。
実施形態12
前記保護スリーブは、電気絶縁性、および非磁性でもある断熱材料を備える、実施形態11記載のカートリッジ。
実施形態13
前記保護スリーブは、管状であり、開放端部を有する、実施形態11または12記載のカートリッジ。
実施形態14
前記長尺の誘導加熱可能要素と前記管状保護スリーブとは、同軸である、実施形態13記載のカートリッジ。
実施形態15
前記誘導加熱可能要素と前記香味放出媒体との間に、断熱層をさらに備える、実施形態9~14のいずれか1項に記載のカートリッジ。
実施形態16
電子蒸気吸入器のためのカートリッジであって、前記カートリッジは、
管状誘導加熱可能要素と、
香味放出媒体であって、前記管状誘導加熱可能要素の周囲を囲むようにのみ設けられ、それによって、前記管状誘導加熱可能要素の内部には存在しない香味放出媒体と、を備えるカートリッジ。
実施形態17
前記管状誘導加熱可能要素は、前記香味放出媒体に周囲を囲まれるその壁に、空気が前記壁を通過して流動することを可能にするために、1つまたは複数の開口部を備える、実施形態16記載のカートリッジ。
実施形態18
前記カートリッジは、前記香味放出媒体の周囲を囲む保護スリーブを備える、実施形態16または17記載のカートリッジ。
実施形態19
前記保護スリーブは、電気絶縁性、および非磁性でもある断熱材料を備える、実施形態18記載のカートリッジ。
実施形態20
前記保護スリーブは、管状であり、開放端部を有する、実施形態18または19記載のカートリッジ。
実施形態21
前記管状誘導加熱可能要素と前記管状保護スリーブとは、同軸である、実施形態20または17記載のカートリッジ。
実施形態22
前記誘導加熱可能要素と前記香味放出媒体との間に、断熱層をさらに備える、実施形態16~21のいずれか1項に記載のカートリッジ。
実施形態23
電子蒸気吸入器のためのカートリッジであって、前記カートリッジは、香味放出媒体、および前記香味放出媒体中に分散される誘導加熱可能材料を備える、カートリッジ。
実施形態24
前記誘導加熱可能材料は、粒子状材料である、実施形態23記載のカートリッジ。
実施形態25
前記カートリッジは、前記香味放出媒体の周囲を囲む保護スリーブ、および保護スリーブ内に分散される誘導加熱可能材料を備える、実施形態23または24記載のカートリッジ。
実施形態26
前記保護スリーブは、電気絶縁性、および非磁性でもある断熱材料を備える、実施形態25記載のカートリッジ。
実施形態27
前記保護スリーブは、管状であり、開放端部を有する、実施形態25または26記載の
カートリッジ。
実施形態28
電子蒸気吸入器であって、
近位端部および遠位端部を有するハウジングと、
前記ハウジングの前記近位端部にあるマウスピースと、
前記ハウジング内に配置される、実施形態1~27のいずれか1項に記載のカートリッジと、
前記誘導加熱可能要素を誘導的に加熱し、それによって前記香味放出媒体を加熱するように配置される誘導加熱装置と、を備える電子蒸気吸入器。
実施形態29
前記誘導加熱装置は、誘導コイルを備える、実施形態28記載の電子蒸気吸入器。
実施形態30
前記ハウジングは、前記カートリッジが配置されるチャンバを含む、実施形態28または29記載の電子蒸気吸入器。
実施形態31
前記カートリッジを、実質的に所定の温度で維持するために、前記誘導加熱装置を励磁するように適応される制御装置をさらに含む、実施形態28~30のいずれか1項に記載の電子蒸気吸入器。
実施形態32
前記カートリッジ温度を判定するための温度センサをさらに含み、前記制御装置は、判定された温度に基づいて前記誘導加熱装置を励磁するように適応される、実施形態31記載の電子蒸気吸入器。
実施形態33
前記ハウジングは、加熱された熱をマウスピースに送達するための導管を含み、前記導管は、周囲空気のための少なくとも1つの第1入口、および前記チャンバからの加熱された空気のための少なくとも1つの第2入口を含み、前記導管が、ベンチュリ効果を提供するように配置され、それによって、使用中、周囲空気が前記少なくとも1つの第2入口を通過するように前記導管内を流動すると、前記加熱された空気が、前記ベンチュリ効果によって、前記チャンバから前記導管内へと吸い込まれる、実施形態30~32のいずれか1項に記載の電子蒸気吸入器。
実施形態34
前記導管は、前記チャンバの周囲を囲む環状導管である、実施形態33記載の電子蒸気吸入器。
実施形態35
前記環状導管は、前記ハウジング内に形成される、周方向に離間する複数の第1入口、および前記チャンバの周壁内に形成される、周方向に離間する複数の第2入口を含む、実施形態34記載の電子蒸気吸入器。
実施形態36
電子蒸気吸入器であって、
一方の端部にマウスピースを有するハウジングと、
誘導加熱装置であって、前記カートリッジまたはカプセル内の香味放出媒体を加熱するために、前記ハウジングに挿入されるカートリッジまたはカプセルの誘導加熱可能要素を誘導的に加熱するように配置される誘導加熱装置と、
前記誘導加熱可能要素を誘導的に加熱し、それにより前記香味放出媒体を加熱するために、前記誘導加熱装置を励磁するように配置される制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記誘導加熱可能要素の特徴を検出することによって、挿入されたカプセルまたはカートリッジを認識するとともに、および検出された特徴に基づいて、前記誘導加熱装置の動作を制御するようにさらに配置される、電子蒸気吸入器。
実施形態37
前記制御装置は、所定の加熱プロファイルを提供するために、前記誘導加熱装置の動作
を制御するように配置される、実施形態36記載の電子蒸気吸入器。
実施形態38
前記制御装置は、前記ハウジングにカプセルまたはカートリッジが挿入される間、前記誘導加熱可能要素と前記誘導加熱装置との間の相互作用により発生する、電磁場における変化を検出するように配置される、実施形態36または37記載の電子蒸気吸入器。
実施形態39
前記誘導加熱装置は、誘導コイルを備える、実施形態36~38のいずれか1項に記載の電子蒸気吸入器。
実施形態40
前記ハウジングは、前記カートリッジが配置されるチャンバを含む、実施形態36~39のいずれか1項に記載の電子蒸気吸入器。
実施形態41
前記カートリッジは、実施形態1~27のいずれか1項において定義されるものである、実施形態36~40のいずれか1項に記載の電子蒸気吸入器。
実施形態42
実質的に、実施形態1~41で説明されたものであり、および/または添付の図面のいずれか1つまたは複数に示されるものである、電子蒸気吸入器のためのカートリッジ。
実施形態43
実質的に、実施形態1~42で説明されたものであり、および/または添付の図面の図1または図1aに示されるものである電子蒸気吸入器。
図1
図1a
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7