IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダイキン工業株式会社の特許一覧

特許7393612水位判定装置及びこの水位判定装置を備える空気調和機
<>
  • 特許-水位判定装置及びこの水位判定装置を備える空気調和機 図1
  • 特許-水位判定装置及びこの水位判定装置を備える空気調和機 図2
  • 特許-水位判定装置及びこの水位判定装置を備える空気調和機 図3
  • 特許-水位判定装置及びこの水位判定装置を備える空気調和機 図4
  • 特許-水位判定装置及びこの水位判定装置を備える空気調和機 図5
  • 特許-水位判定装置及びこの水位判定装置を備える空気調和機 図6
  • 特許-水位判定装置及びこの水位判定装置を備える空気調和機 図7
  • 特許-水位判定装置及びこの水位判定装置を備える空気調和機 図8
  • 特許-水位判定装置及びこの水位判定装置を備える空気調和機 図9
  • 特許-水位判定装置及びこの水位判定装置を備える空気調和機 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】水位判定装置及びこの水位判定装置を備える空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/22 20060101AFI20231130BHJP
   F24F 11/89 20180101ALI20231130BHJP
   G06T 7/70 20170101ALI20231130BHJP
【FI】
F24F1/0007 361F
F24F13/22 222
F24F11/89
G06T7/70 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019034443
(22)【出願日】2019-02-27
(65)【公開番号】P2020139667
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2022-01-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087985
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 宏司
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 芳尚
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-041803(JP,A)
【文献】特開2003-042477(JP,A)
【文献】国際公開第2004/076972(WO,A1)
【文献】特開2008-057994(JP,A)
【文献】特開2018-041406(JP,A)
【文献】特開平07-065152(JP,A)
【文献】特開2007-255757(JP,A)
【文献】特開2007-046864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/22
F24F 1/0007
F24F 11/89
G06T 7/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機(1)のドレンパン(50)を少なくとも撮影可能なカメラ(80)により取得される撮影データ(SD)に基づいて、前記ドレンパン(50)に貯留されるドレン水の水位に関する状態を判定するコンピュータ(91)を備え、
前記カメラ(80)は、前記ドレンパン(50)よりも鉛直方向の上側に設けられ、かつ、前記ドレン水に浮遊するフロートスイッチ(70)を斜め上から撮影し、
前記コンピュータ(91)は、
前記ドレン水の水位に関する状態を判定するための判定モデルを保持し、
前記カメラ(80)から前記撮影データ(SD)を取得し、前記撮影データ(SD)及び前記判定モデルに基づいて、フロートの傾きが所定傾き以上であると判定すると、ドレン水の水位が異常であると判定する、
水位判定装置。
【請求項2】
空気調和機(1)のドレンパン(50)を少なくとも撮影可能なカメラ(80)により取得される撮影データ(SD)に基づいて、前記ドレンパン(50)に貯留されるドレン水の水位に関する状態を判定するコンピュータ(91)を備え、
前記カメラ(80)は、前記ドレンパン(50)よりも鉛直方向の上側に設けられ、前記ドレン水に浮遊するフロートスイッチ(70)および前記ドレン水の水面を斜め上から撮影し、
前記コンピュータ(91)は、
前記ドレン水の水位に関する状態を判定するための判定モデルを保持し、
前記カメラ(80)から前記撮影データ(SD)を取得し、前記撮影データ(SD)及び前記判定モデルに基づいて、フロートの傾きが所定傾き以上であると判定すると、ドレン水の水位が異常であると判定し、
さらに、
前記撮影データ(SD)に含まれる前記ドレン水の水面画像(IW)に基づいて、前記ドレン水の水位に関する状態を判定する、
水位判定装置。
【請求項3】
前記コンピュータ(91)が、前記ドレン水の水位が異常であると判定すると、前記ドレン水の水位に関する異常を報知部(92)によって警告させる
請求項1または2に記載の水位判定装置。
【請求項4】
前記ドレンパン(50)と、
前記カメラ(80)と、
請求項1~3のいずれか一項に記載の水位判定装置(90)とを備える
空気調和機。
【請求項5】
前記空気調和機(1)の制御部(63)は、前記コンピュータ(91)が前記ドレン水の水位が異常であると判定すると、ドレンポンプ(60)の運転状態を変更する
請求項4に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記空気調和機(1)の制御部(63)は、前記コンピュータ(91)が前記ドレン水の水位が異常であると判定すると、前記空気調和機(1)の動作を停止させる
請求項4又は5に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、水位判定装置及びこの水位判定装置を備える空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
室内熱交換器から流出するドレン水をドレンパンに貯留し、そのドレン水をドレンポンプの駆動によって外部に排出する空気調和機が知られている。この空気調和機では、ドレン水がドレンパンに一定以上貯留されると、ドレン水に浮遊するフロートスイッチが作動してドレンポンプが駆動され、ドレンパンに貯留されるドレン水が外部に排出される。特許文献1は、従来の空気調和機の一例を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-360982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドレンパンに貯留されるドレン水の水位が上昇し続けると、ドレン水がドレンパンから溢れ、空気調和機の水漏れが発生するおそれがある。このため、ドレン水の水位に関する状態を好適に判定できることが望ましい。
【0005】
本開示の目的は、空気調和機の水漏れの抑制に貢献できる水位判定装置及びこの水位判定装置を備える空気調和機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決する水位判定装置は、空気調和機のドレンパンを少なくとも撮影可能なカメラにより取得される撮影データに基づいて、前記ドレンパンに貯留されるドレン水の水位に関する状態を判定するコンピュータを備える。
【0007】
この構成によれば、ドレン水の水位に関する状態が判定されるため、ドレン水がドレンパンから溢れる前に対処できる。このため、ドレン水がドレンパンから溢れるおそれが低減し、空気調和機の水漏れの抑制に貢献できる。
【0008】
上記水位判定装置において、前記カメラが、前記ドレン水の水面を撮影し、前記コンピュータが、前記撮影データに含まれる前記ドレン水の水面画像に基づいて、前記ドレン水の水位に関する状態を判定することが好ましい。
【0009】
この構成によれば、ドレン水の水位に関する状態がドレン水の水面画像に基づいて判定されるため、ドレン水の水位に関する状態を好適に判定できる。このため、空気調和機の水漏れの抑制に貢献できる。
【0010】
上記水位判定装置において、前記カメラが、前記ドレン水に浮遊するフロートスイッチを撮影し、前記コンピュータが、前記撮影データに含まれる前記フロートスイッチの動きに基づいて、前記ドレン水の水位に関する状態を判定することが好ましい。
【0011】
この構成によれば、ドレン水の水位に関する状態がフロートスイッチの動きに基づいて判定されるため、ドレン水の水位に関する状態を好適に判定できる。このため、空気調和機の水漏れの抑制に貢献できる。
【0012】
上記水位判定装置において、前記コンピュータは、前記ドレン水の水位に関する状態を判定するための判定モデルを保持し、前記コンピュータが、前記カメラから前記撮影データを取得し、前記撮影データ及び前記判定モデルに基づいて、前記ドレン水の水位に関する状態を判定することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、ドレン水の水位に関する状態が撮影データ及び判定モデルに基づいて判定されるため、ドレン水の水位に関する状態を好適に判定できる。このため、空気調和機の水漏れの抑制に貢献できる。
【0014】
上記水位判定装置において、前記コンピュータが、前記ドレン水の水位が異常であると判定すると、前記ドレン水の水位に関する異常を報知部によって警告させることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、ドレン水の水位に関する異常が警告されるため、ドレン水がドレンパンから溢れる前に対処できる。このため、ドレン水がドレンパンから溢れるおそれが低減し、空気調和機の水漏れを抑制できる。
【0016】
この課題を解決する空気調和機は、前記ドレンパンと、前記カメラと、前記水位判定装置とを備える。
この構成によれば、ドレン水の水位に関する状態が判定されるため、ドレン水がドレンパンから溢れる前に対処できる。このため、ドレン水がドレンパンから溢れるおそれが低減し、空気調和機の水漏れの抑制に貢献できる。
【0017】
上記空気調和機において、前記空気調和機の制御部は、前記コンピュータが前記ドレン水の水位が異常であると判定すると、ドレンポンプの運転状態を変更することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、ドレン水の水位が異常になると、ドレンポンプの駆動に伴ってドレン水の水位が正常な状態に戻される。このため、ドレン水がドレンパンから溢れるおそれが低減し、空気調和機の水漏れを抑制できる。
【0019】
上記空気調和機において、前記空気調和機の制御部は、前記コンピュータが前記ドレン水の水位が異常であると判定すると、前記空気調和機の動作を停止させることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、ドレン水の水位が異常になると、空気調和機の動作の停止に伴ってドレン水の水位の上昇が抑制される。このため、ドレン水がドレンパンから溢れるおそれが低減し、空気調和機の水漏れを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態の空気調和機の室内機の内部構造を示す平面図。
図2図1の室内機の正面図。
図3図1の室内機の内部構造を示す断面図。
図4図1の空気調和機の概略構成を示すブロック図。
図5】第1撮影データを示す斜視図。
図6】第2撮影データを示す斜視図。
図7】第3撮影データを示す斜視図。
図8】第4撮影データを示す斜視図。
図9】第5撮影データを示す斜視図。
図10】第2実施形態の空気調和機の第6撮影データを示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態の空気調和機1について説明する。なお、本開示は、以下に記載する例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0023】
図1に示されるように、空気調和機1は、天井吊型の室内機10を備える。室内機10は、冷媒配管を介して室外機に接続されている。本実施形態の空気調和機1は、充填された冷媒が循環することにより蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる冷媒回路を構成する。室外機は、冷媒回路に接続される圧縮機及び室外熱交換器と、室外熱交換器に対して送風する室外ファンとを備える。空気調和機1は、室内空気RAを吸気し、吸気した室内空気RAの温度を冷媒回路により調節し、温度を調節した空気を供給空気SAとして室内に供給する。
【0024】
室内機10は、天井に吊り下げられるケーシング20、室内ファン30、室内熱交換器41、電装品箱42、ドレンパン50、及びドレンポンプ60を備える。室内ファン30、室内熱交換器41、電装品箱42、ドレンパン50、及びドレンポンプ60は、ケーシング20に収容されている。
【0025】
空気調和機1は、例えば暖房運転及び冷房運転を実行可能に構成されている。
冷房運転では、室外機の圧縮機で圧縮された冷媒が室外熱交換器で凝縮し、膨張弁で減圧される。減圧された冷媒は、室内機10の室内熱交換器41で蒸発し、圧縮機で再び圧縮される。室内ファン30が運転されると、室内空気RAがケーシング20の吸込口25Aからケーシング20の内部に吸い込まれる。吸込口25Aから吸い込まれた空気は、室内熱交換器41を通過する。室内熱交換器41では、冷媒が空気から吸熱することにより空気が冷却される。冷却された空気は、ケーシング20の吹出口26Aを通過した後、供給空気SAとして室内空間へ供給される。
【0026】
ここで、室内熱交換器41で空気が露点温度以下まで冷却されると、空気中の水分が凝縮する。このように発生した凝縮水であるドレン水は、ドレンパン50に貯留される。ドレンパン50に貯留されたドレン水は、ドレンポンプ60によってケーシング20の外部に排出される。
【0027】
暖房運転では、室外機の圧縮機で圧縮された冷媒が室内熱交換器41で凝縮し、膨張弁で減圧される。減圧された冷媒は、室外機の室外熱交換器で蒸発し、圧縮機で再び圧縮される。このため、室内熱交換器41では、冷媒が空気に放熱し、空気が加熱される。室内ファン30が運転されると、室内熱交換器41により加熱された空気が供給空気SAとして室内空間へ供給される。
【0028】
次に、図1図3を参照して、室内機10の構成について説明する。なお、図1の室内機10は一部を断面で示している。
ケーシング20は、例えば直方体の中空箱形に形成されている。ケーシング20を構成する材料の一例は、金属である。ケーシング20は、天板21、底板22、及び4つの側板として前面パネル23、後面パネル24、第1側面パネル25、第2側面パネル26を含む。ケーシング20が天井に設置された状態において、天板21及び底板22は鉛直方向において対向している。前面パネル23及び後面パネル24は、鉛直方向と直交する方向のうちの所定方向において対向している。第1側面パネル25及び第2側面パネル26は、所定方向及び鉛直方向と直交する方向において対向している。
【0029】
図1に示されるように、前面パネル23は、サービス業者等の作業者が室内機10をメンテナンスするためのメンテナンス用空間MSに面している。前面パネル23には、第1開口部23A及び第2開口部23Bが設けられている。第1開口部23Aは、前面パネル23における第2側面パネル26寄りの部分に設けられている。第2開口部23Bは、前面パネル23における第1側面パネル25寄りの部分に設けられている。第1側面パネル25には、吸込口25Aが形成されている。吸込口25Aは、吸込ダクトに接続されている。吸込ダクトの流入端は、室内空間に繋がっている。第2側面パネル26には、吹出口26Aが形成されている。吹出口26Aは、吹出ダクトに接続されている。吹出ダクトの流出端は、室内空間に繋がっている。ケーシング20の内部には、吸込口25Aから吹出口26Aまでの間に空気流路が形成されている。
【0030】
第1開口部23Aは、例えば前面パネル23においてドレンパン50に対応する部分に設けられている。第1開口部23Aは、作業者がメンテナンス用空間MSからドレンパン50の状態を確認する点検口として構成される。図2に示されるように、第1開口部23Aは、長方形部分23Xと、長方形部分23Xの鉛直方向の下方の一方の角部と連続する三角形部分23Yとによって構成されている。三角形部分23Yは、長方形部分23Xからケーシング20の第2側面パネル26側に突出している。前面パネル23には、第1開口部23Aを覆うように点検蓋27が取り付けられている。
【0031】
点検蓋27は、第1開口部23Aと略相似形であり、かつ第1開口部23Aよりも大きい形状を有する。点検蓋27は、第1開口部23Aを開閉するように前面パネル23に着脱可能に取り付けられている。点検蓋27は、例えば複数のボルトによって前面パネル23に取り付けられている。点検蓋27が前面パネル23から取り外されることによって、作業者がメンテナンス用空間MSからドレンパン50の内部を点検できる。
【0032】
図1に示されるように、室内ファン30は、ケーシング20における第1側面パネル25寄りの部分に設けられている。室内ファン30は、吸込口25Aから吸気された室内空気RAを搬送する。本実施形態では、室内ファン30は、3台のシロッコファン31が1つのモータ32によって駆動されるように構成されている。なお、シロッコファン31に対するモータ32の配置は、任意に変更可能である。一例では、モータ32がシロッコファン31よりも前面パネル23側又は後面パネル24側に配置されてもよい。
【0033】
室内熱交換器41は、ケーシング20における第2側面パネル26寄りの部分に設けられている。室内熱交換器41は、例えばフィンアンドチューブ式の熱交換器によって構成されている。本実施形態の室内熱交換器41は、第2側面パネル26から第1側面パネル25に向かうにつれて、底板22側に傾斜する斜め置きとなるように配置されている(図3参照)。
【0034】
電装品箱42は、ケーシング20において、前面パネル23寄りかつ第1側面パネル25寄りの部分に設けられている。電装品箱42は、前面パネル23側に向けて開口する箱本体42Aと、箱本体42Aの開口面を開閉する電装品蓋42Bとを含む。箱本体42Aは、前面パネル23の第2開口部23Bに取り付けられている。箱本体42Aの内部には、電源回路、制御回路等が搭載されたプリント基板43、プリント基板43を介して電源回路、制御回路等に電気的に接続される配線、電源回路に電力を供給する強電側電源部、制御回路に電力を供給する弱電側電源部等が収容されている。電装品蓋42Bは、第2開口部23B及び箱本体42Aの開口面を覆うように前面パネル23に着脱可能に取り付けられている。電装品蓋42Bは、前面パネル23の一部を構成している。電装品蓋42Bが前面パネル23から取り外されることによって、箱本体42Aの内部がメンテナンス用空間MSに露出される。
【0035】
図3に示されるように、ドレンパン50は、ケーシング20において室内ファン30よりも第2側面パネル26寄りに設けられている。ドレンパン50は、ケーシング20の底板22に沿うように、鉛直方向において室内熱交換器41の下方に配置されている。ドレンパン50は、前面壁51(図1参照)、後面壁52(図1参照)、第1側壁53、第2側壁54、及び底壁55を含む。前面壁51は、ケーシング20の前面パネル23側に設けられている。一例では、前面壁51は、室内熱交換器41よりも前面パネル23側に配置されている(図1参照)。後面壁52は、ケーシング20の後面パネル24側に設けられている。一例では、後面壁52は、室内熱交換器41よりも後面パネル24側に配置されている(図1参照)。第1側壁53は、ケーシング20の室内ファン30側に設けられている。一例では、第1側壁53は、ケーシング20内の空気流路において室内熱交換器41の上流側に配置されている。第2側壁54は、ケーシング20の第2側面パネル26側に設けられている。一例では、第2側壁54は、ケーシング20内の空気流路において室内熱交換器41の下流側に配置されている。
【0036】
底壁55は、例えば後面壁52から前面壁51に向かうにつれて鉛直方向の下方に向けて傾斜し、かつ第1側壁53から第2側壁54に向かうにつれて鉛直方向の下方に向けて傾斜するように構成されている。ドレンパン50では、後面壁52及び第1側壁53がドレン水の上流側となり、前面壁51及び第2側壁54がドレン水の下流側となる。ドレンパン50において前面壁51に最も近くかつ第2側壁54に最も近い部分がドレン水の最下流となる。底壁55のうちの前面壁51に最も近くかつ第2側壁54に最も近い部分には、凹部56が設けられている。凹部56は、ドレンパン50を前面パネル23と平行な平面で切った断面視において略台形状となる。凹部56の底面の高さは、底壁55において最も低くなる。換言すれば、凹部56は、ドレンパン50において最も深い最深部を構成している。
【0037】
ドレンポンプ60は、ドレンパン50の内部に設けられている。一例では、ドレンポンプ60は、ドレンパン50の底壁55よりも鉛直方向の上方かつ凹部56に対向するように配置されている。ドレンポンプ60の吸込部61は、凹部56の内部に配置されている。ドレンポンプ60の吐出部には、ドレン配管62の流入端が接続されている。ドレン配管62は、ケーシング20の前面パネル23を貫通して延びている(図1参照)。ドレンポンプ60が運転されると、ドレンパン50に貯留されたドレン水が汲み上げられる。汲み上げられたドレン水は、ドレン配管62を介してケーシング20の外部に排出される。
【0038】
空気調和機1は、ドレンパン50に貯留されるドレン水に浮遊するフロートスイッチ70をさらに備える。フロートスイッチ70は、ドレンパン50の内部に設けられている。フロートスイッチ70は、ドレン水の水位の変化に応じて上昇又は下降するフロート71と、フロート71を支持する支持筒72とを含む。支持筒72の内部には、ドレン水の水位が下方水位Aに到達するまでフロート71が下降したときに作動する第1接点と、ドレン水の水位が上方水位Bに到達するまでフロート71が上昇したときに作動する第2接点とが収納されている。
【0039】
下方水位Aは、ドレン配管62内を流れるドレン水の流速が所定流速以上を保持可能な位置に設定されている。一例では、ドレン水の水位が下方水位A未満になると、ドレンポンプ60の吐出量が減少してドレン配管62内を流れるドレン水の流速が所定流速未満となることが想定される。図3に示されるドレン水の水位は、下方水位Aの一例を示している。上方水位Bは、下方水位Aよりも上方の位置、かつドレンパン50に貯留されるドレン水がドレンパン50から溢れる手前の位置に設定されている。一例では、ドレンポンプ60が運転されずにドレン水の水位が上方水位Bよりも上昇し続けると、ドレン水がドレンパン50から溢れることが想定される。図3に示される二点鎖線は、上方水位Bの一例を示している。
【0040】
フロートスイッチ70の作動に関する作動信号は、空気調和機1の制御部63(図4参照)に出力される。制御部63は、作動信号に応じてドレンポンプ60の運転状態を変更する。一例では、制御部63は、第1接点に関する作動信号に応じてドレンポンプ60の運転が停止するようにドレンポンプ60を制御し、第2接点に関する作動信号に応じてドレンポンプ60の運転が開始するようにドレンポンプ60を制御する。ドレン水の水位が上方水位Bに到達すると、警告を促す警告信号が後述する報知部92(図4参照)に出力されてもよい。報知部92は、警告信号に応じて警告音等を報知する。
【0041】
空気調和機1は、空気調和機1の内部状態を撮影可能なカメラ80をさらに備える。カメラ80は、例えばアナログカメラである。カメラ80は、室内機10の内部状態を撮影するようにケーシング20に収容されている。カメラ80は、点検蓋27の内壁27Aにステー28を介して取り付けられている(図1参照)。ステー28は、点検蓋27の内壁27Aにカメラ80を取り付けるための取付部材であり、内壁27Aに固定されている。一例では、ステー28は、点検蓋27の内壁27Aの略中央部分に固定されている。
【0042】
カメラ80は、空気調和機1のドレンパン50を少なくとも撮影する。カメラ80は、例えばドレンパン50の上方からドレンパン50を撮影する。一例では、カメラ80は、ドレンパン50の汚れ及びドレン水に含まれる異物等を撮影する。また、カメラ80は、ドレンパン50に貯留されるドレン水の水面、及びドレン水に浮遊するフロートスイッチ70の少なくとも一方を撮影する。本実施形態では、カメラ80は、フロートスイッチ70を少なくとも撮影する。カメラ80は、ドレンパン50よりも鉛直方向の上側に設けられ、かつドレンパン50の第1側壁53から第2側壁54に向かって斜め下方を向くように配置されている。カメラ80は、レンズ81及び光源を含む。レンズ81は、例えば超広角レンズである。光源は、カメラ80がドレンパン50を撮影するタイミングで発光するフラッシュ光源である。カメラ80は、ドレンパン50の汚れ及びドレン水に含まれる異物等を撮影せず、ドレンパン50に貯留されるドレン水の水面、及びドレン水に浮遊するフロートスイッチ70の少なくとも一方を撮影するための専用のカメラとして構成されてもよい。
【0043】
次に、図4を参照して、空気調和機1の詳細な構成について説明する。
電装品箱42は、カメラ80に電力を供給する電源部44を収容している。カメラ80と電源部44とを繋ぐ電源線45は、例えばケーシング20の第1開口部23Aを介してケーシング20の外部に引き出され、ケーシング20の外部から電装品箱42の内部に引き込まれる。このような配線によって、ケーシング20内のカメラ80と、電装品箱42内の電源部44とが電源線45を介して電気的に接続されている。これにより、電源部44からカメラ80に電力が供給される。電源部44は、空気調和機1を構成する他の機器の電源を兼用していてもよい。他の機器の一例は、室内ファン30である。
【0044】
カメラ80は、撮影制御部82及び送受信部83をさらに含む。撮影制御部82は、例えば予め設定された撮影指令に応じて、カメラ80の撮影の動作を制御する。本実施形態では、撮影制御部82は、予め設定された撮影指令に応じて、カメラ80が定期的にドレンパン50を撮影するようにカメラ80の撮影の動作を制御する。撮影制御部82は、通信端末100等の外部から入力された撮像指令に応じて、カメラ80の撮影の動作を制御することもできる。送受信部83は、例えば伝送線84に接続されている。一例では、送受信部83は、カメラ80により撮影された撮影データSDを、伝送線84を介して出力する。送受信部83は、カメラ80により撮影された撮影データSDを、無線通信によって出力してもよい。
【0045】
空気調和機1は、水位判定装置90をさらに備える。水位判定装置90は、室内機10に搭載されてもよく、室外機に搭載されてもよい。水位判定装置90は、空気調和機1を構成する各種の要素において、室内機10及び室外機とは別の要素に搭載されてもよい。一例では、水位判定装置90は、室外機内に収容されている。水位判定装置90は、カメラ80により取得される撮影データSDに基づいて、ドレンパン50に貯留されるドレン水の水位に関する状態を判定するコンピュータ91をさらに備える。コンピュータ91は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)である。本実施形態では、コンピュータ91が、撮影データSDに含まれるフロートスイッチ70の動きに基づいて、ドレン水の水位に関する状態を判定する。
【0046】
コンピュータ91は、ドレン水の水位に関する状態を判定するための判定モデルを保持する。コンピュータ91が、カメラ80から撮影データSDを取得し、撮影データSD及び判定モデルに基づいて、ドレン水の水位に関する状態を判定する。一例では、コンピュータ91が、撮影データSDに含まれるフロートスイッチ70の動き、及び判定モデルに基づいて、ドレン水の水位に関する状態を判定する。ドレン水の水位に関する状態は、ドレン水の水位が正常な状態、及びドレン水の水位が異常な状態を含む。ドレン水の水位が異常な状態は、ドレン水の水位がさらに上昇すると、ドレン水がドレンパン50から溢れることが想定される状態を含む。具体的には、ドレン水の水位が異常な状態は、ドレン水の水位が上方水位Bに到達した状態、及びドレン水の水位が上方水位Bに到達しそうな状態を含む。
【0047】
判定モデルは、例えばドレン水の水面に対するフロート71の傾きに関する判定モデル、及びドレンパン50の底壁55に対するフロート71の高さ位置に関する判定モデルの少なくとも一方を含む。フロート71の傾きは、ドレン水の水面に対するフロート71の上面71Aの傾きにより規定される。フロート71の高さ位置は、ドレンパン50の底壁55とフロート71の上面71Aとの鉛直方向における最も短い距離により規定される。本実施形態では、コンピュータ91が、撮影データSDに基づいてフロート71の傾きが所定傾き以上であると判定すると、ドレン水の水位が異常であると判定する。所定傾きは、ドレン水の水位が上方水位Bに到達したときのフロート71の傾き以下に設定される。コンピュータ91が、撮影データSDに基づいてフロート71の高さ位置が所定高さ位置以上であると判定すると、ドレン水の水位が異常であると判定してもよい。所定高さ位置は、ドレン水の水位が上方水位Bに到達したときのフロート71の高さ位置以下に設定される。
【0048】
コンピュータ91が、ドレン水の水位が異常であると判定すると、ドレン水の水位に関する異常を報知部92によって警告させる。報知部92は、例えば空気調和機1が設定される部屋の壁面等に設けられる。報知部92は、スピーカ及びランプの少なくとも一方を含む。一例では、コンピュータ91が、ドレン水の水位が異常であると判定すると、ドレン水の水位に関する異常を警告音として報知部92に報知させる。
【0049】
コンピュータ91が、ドレン水の水位が異常であると判定すると、ドレン水の水位の異常に関する情報を制御部63に出力する。一例では、制御部63は、コンピュータ91がドレン水の水位が異常であると判定すると、ドレンポンプ60の運転状態を変更する。具体的には、制御部63は、コンピュータ91がドレン水の水位が異常であると判定すると、ドレンポンプ60の運転が開始するようにドレンポンプ60を制御する。別の一例では、制御部63は、コンピュータ91がドレン水の水位が異常であると判定すると、空気調和機1の動作を停止させる。制御部63は、コンピュータ91がドレン水の水位が異常であると判定すると、空気調和機1の動作を停止させ、ドレンポンプ60のみが運転するようにドレンポンプ60を制御してもよい。
【0050】
空気調和機1は、カメラ80により撮影された撮影データSDを記憶する記憶部93をさらに備える。記憶部93は、室内機10に搭載されてもよく、室外機に搭載されてもよい。記憶部93は、空気調和機1を構成する各種の要素において、室内機10及び室外機とは別の要素に搭載されてもよい。一例では、記憶部93は、室外機内に収容されている。記憶部93は、例えばカメラ80により撮影された撮影データSDの全てを記憶する。記憶部93は、判定モデルをさらに記憶していてもよい。本実施形態では、コンピュータ91が、記憶部93に記憶された撮影データSDに基づいて、ドレン水の水位に関する状態を判定する。空気調和機1は、記憶部93を省略して構成されてもよい。
【0051】
コンピュータ91は、カメラ80により撮影された撮影データSDを、ネットワークNを介してサーバSVにアップロードする。サーバSVの一例は、クラウドサーバである。サーバSVにアップロードされた撮影データSDは、例えば通信端末100で取得可能である。通信端末100は、無線LAN等の接続可能なスマートフォン、タブレット端末、携帯電話、パーソナルコンピュータ等で構成されている。通信端末100は、マイクロコンピュータと、マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウェアと、メモリデバイスと、撮影データSDを受信する受信部と、所定の指令を出力する送信部とを含む。また、通信端末100は、操作部101及び表示部102をさらに含む。サービス業者等の作業者は、キーボード、タッチパネル等の操作部101によって所定のアプリケーションソフトを操作する。表示部102に表示されたアプリケーションソフト上では、例えばサーバSVにアップロードされた撮影データSDをダウンロードできる。報知部92は、通信端末100に搭載されてもよい。
【0052】
次に、図5図9を参照して、コンピュータ91の判定処理の一例について説明する。なお、図5図9に示される二点鎖線は、下方水位A及び上方水位Bを示している。図5図9に示されるドットは、ドレンパン50に貯留されるドレン水の水面を示している。
【0053】
図5は、撮影データSDの一例である第1撮影データSD1を示す。第1撮影データSD1は、ドレン水の水位が下方水位Aのときの撮影データSDの一例である。フロートスイッチ70は、ドレン水の水位が下方水位Aの状態において、フロート71が最も下降した状態を構成する。フロート71は、ドレン水の水面に対して実質的に傾いていない。コンピュータ91が、第1撮影データSD1に含まれるフロートスイッチ70の動きに基づいて、ドレン水の水位に関する状態を判定する。一例では、コンピュータ91が、ドレン水の水位が正常であると判定する。
【0054】
図6は、撮影データSDの一例である第2撮影データSD2を示す。第2撮影データSD2は、ドレン水の水位が下方水位Aから上昇し、フロート71がドレン水の水面に対して傾き始めたときの撮影データSDの一例である。コンピュータ91が、第2撮影データSD2に含まれるフロートスイッチ70の動きに基づいて、ドレン水の水位に関する状態を判定する。コンピュータ91が、フロート71の傾きが所定傾き未満であると判定した場合、又はフロート71の高さ位置が所定高さ位置未満であると判定した場合、ドレン水の水位が正常であると判定する。一方、コンピュータ91が、フロート71の傾きが所定傾き以上であると判定した場合、又はフロート71の高さ位置が所定高さ位置以上であると判定した場合、ドレン水の水位が異常であると判定する。
【0055】
図7は、撮影データSDの一例である第3撮影データSD3を示す。第3撮影データSD3は、第2撮影データSD2の状態から、ドレン水の水位がさらに上昇し、フロート71がドレン水の水面に対してさらに傾いたときの撮影データSDの一例である。コンピュータ91が、第3撮影データSD3に含まれるフロートスイッチ70の動きに基づいて、ドレン水の水位に関する状態を判定する。コンピュータ91が、フロート71の傾きが所定傾き未満であると判定した場合、又はフロート71の高さ位置が所定高さ位置未満であると判定した場合、ドレン水の水位が正常であると判定する。一方、コンピュータ91が、フロート71の傾きが所定傾き以上であると判定した場合、又はフロート71の高さ位置が所定高さ位置以上であると判定した場合、ドレン水の水位が異常であると判定する。
【0056】
図8は、撮影データSDの一例である第4撮影データSD4を示す。第4撮影データSD4は、第3撮影データSD3の状態から、ドレン水の水位がさらに上昇し、フロート71が全体的に上昇し始めたときの撮影データSDの一例である。フロートスイッチ70は、第4撮影データSD4におけるドレン水の水位において、フロート71が最も傾いた状態を構成する。一例では、所定傾きは、フロート71が最も傾いた状態に設定される。一例では、所定高さ位置は、フロート71が最も傾いた状態に対応するフロート71の高さ位置に設定される。コンピュータ91が、第4撮影データSD4に含まれるフロートスイッチ70の動きに基づいて、ドレン水の水位に関する状態を判定する。本実施形態では、コンピュータ91が、フロート71の傾きが所定傾き以上であると判定し、又はフロート71の高さ位置が所定高さ位置以上であると判定し、ドレン水の水位が異常であると判定する。所定傾きは、第2撮影データSD2におけるフロート71の傾き以上、かつ第4撮影データSD4におけるフロート71の傾き未満の範囲に設定されてもよい。所定高さ位置は、例えば第2撮影データSD2におけるフロート71の高さ位置以上、かつ第4撮影データSD4におけるフロート71の高さ位置未満の範囲に設定されてもよい。
【0057】
図9は、撮影データSDの一例である第5撮影データSD5を示す。第5撮影データSD5は、ドレン水の水位が上方水位Bのときの撮影データSDの一例である。フロートスイッチ70は、ドレン水の水位が上方水位Bの状態において、フロート71が最も上昇した状態を構成する。ドレン水の水位が上方水位Bに到達すると、フロートスイッチ70が作動する。一方、本実施形態の水位判定装置90では、カメラ80により取得される撮影データSDに基づいて、フロートスイッチ70が作動する前にドレン水の水位が異常であると判定できる。
【0058】
本実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。
(1-1)ドレンパン50に貯留されるドレン水の水位が上昇し続けると、ドレン水がドレンパン50から溢れ、空気調和機1の水漏れが発生するおそれがある。本実施形態の空気調和機1では、撮影データSDに基づいてドレン水の水位に関する状態が判定されるため、ドレン水がドレンパンから溢れる前に対処できる。対処には、サービス業者等の作業者への連絡、作業者による修理等も含まれる。このため、ドレン水がドレンパン50から溢れるおそれが低減し、空気調和機1の水漏れの抑制に貢献できる。
【0059】
(1-2)コンピュータ91が、撮影データSDに含まれるフロートスイッチ70の動きに基づいて、ドレン水の水位に関する状態を判定する。この構成によれば、ドレン水の水位に関する状態が好適に判定されるため、空気調和機1の水漏れの抑制に貢献できる。
【0060】
(1-3)コンピュータ91が、撮影データSD及び判定モデルに基づいて、ドレン水の水位に関する状態を判定する。この構成によれば、ドレン水の水位に関する状態が好適に判定されるため、空気調和機1の水漏れの抑制に貢献できる。
【0061】
(1-4)コンピュータ91が、ドレン水の水位が異常であると判定すると、ドレン水の水位に関する異常を報知部92によって警告させる。この構成によれば、ドレン水の水位に関する異常が警告されるため、ドレン水がドレンパン50から溢れる前に対処できる。このため、ドレン水がドレンパン50から溢れるおそれが低減し、空気調和機1の水漏れを抑制できる。
【0062】
(1-5)制御部63は、コンピュータ91がドレン水の水位が異常であると判定すると、ドレンポンプ60の運転が開始するようにドレンポンプ60を制御する。この構成によれば、ドレン水の水位が異常になると、ドレンポンプ60の駆動に伴ってドレン水の水位が正常な状態に戻される。このため、ドレン水がドレンパン50から溢れるおそれが低減し、空気調和機1の水漏れを抑制できる。
【0063】
(1-6)制御部63は、コンピュータ91がドレン水の水位が異常であると判定すると、空気調和機1の動作を停止させる。この構成によれば、ドレン水の水位が異常になると、空気調和機1の動作の停止に伴ってドレン水の水位の上昇が抑制される。これは、室内熱交換器41の動作の停止が関係している。このため、ドレン水がドレンパン50から溢れるおそれが低減し、空気調和機1の水漏れを抑制できる。
【0064】
(1-7)コンピュータ91が、カメラ80により取得される撮影データSDに基づいて、フロートスイッチ70が作動する前にドレン水の水位が異常であると判定できる。ドレン水の水位が上方水位Bに到達する前に、ドレン水の水位が異常であると判定されるため、従来の構成よりも早期に対処できる。このため、ドレン水がドレンパン50から溢れるおそれが低減し、空気調和機1の水漏れの抑制に貢献できる。
【0065】
(第2実施形態)
図10を参照して、第2実施形態の空気調和機1について説明する。本実施形態の空気調和機1は、第1実施形態の空気調和機1と比較して、コンピュータ91の処理内容が異なる。以下の説明において、便宜上、第1実施形態の空気調和機1の構成要素の機能と共通する構成要素には同一符号を付し、その機能の説明を省略する。
【0066】
カメラ80は、ドレンパン50に貯留されるドレン水の水面を少なくとも撮影する。本実施形態では、コンピュータ91が、撮影データSDに含まれるドレン水の水面画像IWに基づいて、ドレン水の水位に関する状態を判定する。水面画像IWは、ドレン水の水面が映し出された画像である。一例では、コンピュータ91が、撮影データSDに含まれるドレン水の水面画像IW、及び判定モデルに基づいて、ドレン水の水位に関する状態を判定する。空気調和機1は、フロートスイッチ70を省略して構成されてもよい。本実施形態では、空気調和機1は、フロートスイッチ70を省略して構成されている。
【0067】
判定モデルは、例えばドレン水の水面高さに関する判定モデルを含む。ドレン水の水面高さは、ドレンパン50の底壁55とドレン水の水面との鉛直方向における距離により規定される。一例では、コンピュータ91が、撮影データSDに基づいてドレン水の水面高さが所定水面高さ以上であると判定すると、ドレン水の水位が異常であると判定する。所定水面高さは、ドレン水の水位が上方水位Bに到達したときのドレン水の水面高さ以下に設定される。
【0068】
次に、図10を参照して、コンピュータ91の判定処理の一例について説明する。なお、図10に示されるドットは、ドレンパン50に貯留されるドレン水の水面画像IWを示している。
【0069】
図10は、撮影データSDの一例である第6撮影データSD6を示す。第6撮影データSD6は、ドレン水の水位が下方水位A以上かつ上方水位B以下の範囲に含まれるときの撮影データSDの一例である。コンピュータ91が、第6撮影データSD6に含まれるドレン水の水面画像IWに基づいて、ドレン水の水位に関する状態を判定する。コンピュータ91が、ドレン水の水面高さが所定水面高さ未満であると判定した場合、ドレン水の水位が正常であると判定する。一方、コンピュータ91が、ドレン水の水面高さが所定水面高さ以上であると判定した場合、ドレン水の水位が異常であると判定する。
【0070】
コンピュータ91が、撮影データSDに含まれるドレン水の水面画像IW及び指標Iに基づいて、ドレン水の水位に関する状態を判定してもよい。指標Iは、ドレン水の水面高さを示す。指標Iは、ドレンパン50の内壁51Aに設けられる。図10に示される例では、指標Iは、ドレンパン50の前面壁51の内壁51Aに設けられる。コンピュータ91が、ドレン水の水面画像IWと指標Iとを比較し、ドレン水の水面高さが所定水面高さ未満であると判定した場合、ドレン水の水位が正常であると判定する。一方、コンピュータ91が、ドレン水の水面画像IWと指標Iとを比較し、ドレン水の水面高さが所定水面高さ以上であると判定した場合、ドレン水の水位が異常であると判定する。
【0071】
本実施形態によれば、第1実施形態の(1-1)、(1-3)~(1-7)と同様の作用効果に加えて、以下の作用効果が得られる。
(2-1)コンピュータ91が、撮影データSDに含まれるドレン水の水面画像IWに基づいて、ドレン水の水位に関する状態を判定する。この構成によれば、ドレン水の水位に関する状態が好適に判定されるため、空気調和機1の水漏れの抑制に貢献できる。
【0072】
(変形例)
上記各実施形態は、本開示に関する水位判定装置及びこの水位判定装置を備える空気調和機が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に関する水位判定装置及びこの水位判定装置を備える空気調和機は、上記各実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、上記各実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、又は上記各実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下の変更例において、上記各実施形態の形態と共通する部分については、上記各実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0073】
・上記各実施形態において、コンピュータ91の処理内容は任意に変更可能である。第1例では、コンピュータ91が、撮影データSDに含まれるドレン水の水面画像IWと、撮影データSDに含まれるフロートスイッチ70の動きとに基づいて、ドレン水の水位に関する状態を判定する。第2例では、コンピュータ91が、ドレン水の水位が異常であると判定し、ドレンポンプ60の運転状態が変更された後にドレン水の水位がさらに上昇すると、ドレン水に水位に関する異常を報知部92によって警告させる。
【0074】
・上記各実施形態において、制御部63の制御内容は任意に変更可能である。第1例では、制御部63は、コンピュータ91がドレン水の水位が異常であると判定すると、ドレンポンプ60の運転状態を変更し、その後にドレン水の水位がさらに上昇すると、空気調和機1の動作を停止させる。第2例では、制御部63は、コンピュータ91がドレン水の水位が異常であると判定すると、空気調和機1の冷房運転のみを停止させる。
【0075】
以上、本装置の実施の形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本装置の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0076】
1 空気調和機
50 ドレンパン
60 ドレンポンプ
63 制御部
70 フロートスイッチ
80 カメラ
90 水位判定装置
91 コンピュータ
92 報知部
IW 水面画像
SD 撮影データ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10