(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】鍛造素材および円形材の製造方法
(51)【国際特許分類】
B21J 5/08 20060101AFI20231130BHJP
B21J 1/06 20060101ALI20231130BHJP
B21K 1/32 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
B21J5/08 Z
B21J1/06 Z
B21K1/32 Z
(21)【出願番号】P 2020010832
(22)【出願日】2020-01-27
【審査請求日】2022-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】弁理士法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】岡本 充弘
(72)【発明者】
【氏名】田村 憲司
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-024012(JP,A)
【文献】特開平06-269896(JP,A)
【文献】特開2017-077569(JP,A)
【文献】特開2016-068107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21J 5/08
B21J 1/06
B21K 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向における一方側に第1端面を有しかつ前記軸方向における他方側に第2端面を有する円柱部材に対して成形を行うことによって円柱形状の鍛造素材を製造する方法であって、
第1成形型と第2成形型との間に、前記円柱部材を配置する配置工程と、
前記第1端面の外周縁および前記第2端面の外周縁を、前記第1成形型および前記第2成形型
がそれぞれ備える押圧面によって押圧することによって、前記第1端面の前記外周縁および前記第2端面の前記外周縁が前記軸方向における前記円柱部材の両端に位置するように前記第1端面および前記第2端面を凹状に成形する成形工程と、
を備え
、
前記第1成形型の前記押圧面および前記第2成形型の前記押圧面は、前記軸方向に沿った断面において弧状または直線状に形成され、かつ前記軸方向において前記円柱部材の中心側ほど前記円柱部材の径方向における外側に位置するように前記軸方向に対して傾斜している、鍛造素材の製造方法。
【請求項2】
前記成形工程において、前記第1成形型および前記第2成形型はそれぞれ、前記第1端面および前記第2端面の前記外周縁が前記円柱部材の径方向において外側に移動することを規制しつつ前記第1端面および前記第2端面の前記外周縁を押圧する、請求項1に記載の鍛造素材の製造方法。
【請求項3】
前記成形工程において、前記第1成形型および前記第2成形型はそれぞれ、前記第1端面および前記第2端面の前記外周縁に対して前記円柱部材の径方向において外側から内側に向かう力を与える、請求項1または2に記載の鍛造素材の製造方法。
【請求項4】
前記配置工程では、前記軸方向において、前記円柱部材の前記一方側に第1成形型が位置し、前記円柱部材の前記他方側に前記第2成形型が位置するように前記円柱部材が配置され、
前記第1成形型は、前記軸方向に対して直交する断面において円形状を有しかつ前記軸方向における前記一方側ほど直径が小さくなるように形成された第1押圧面を有し、
前記第2成形型は、前記軸方向に対して直交する断面において円形状を有しかつ前記軸方向における前記他方側ほど直径が小さくなるように形成された第2押圧面を有し、
前記軸方向に対する前記第1押圧面および前記第2押圧面の傾斜角度はそれぞれ45°未満であり、
前記成形工程では、前記第1成形型および前記第2成形型を相対的に近付くように前記軸方向に移動させることによって、前記第1成形型の前記第1押圧面を前記第1端面の外周縁に押し付け、前記第2成形型の前記第2押圧面を前記第2端面の外周縁に押し付ける、請求項1から3のいずれかに記載の鍛造素材の製造方法。
【請求項5】
前記配置工程では、前記円柱部材の径方向において前記第1成形型と前記第2成形型との間に位置するように前記円柱部材が配置され、
前記第1成形型および前記第2成形型はそれぞれ、前記径方向における外側から前記円柱部材の前記第1端面の外周縁を押圧する第1押圧面と、前記径方向における外側から前記円柱部材の前記第2端面の外周縁を押圧する第2押圧面とを有し、
前記第1押圧面は、前記軸方向に対して直交する断面において中心角が180°未満の円弧形状を有しかつ前記軸方向における前記一方側ほど曲率半径が小さくなるように形成され、
前記第2押圧面は、前記軸方向に対して直交する断面において中心角が180°未満の円弧形状を有しかつ前記軸方向における前記他方側ほど曲率半径が小さくなるように形成され、
前記軸方向に対する前記第1押圧面および前記第2押圧面の傾斜角度はそれぞれ45°未満であり、
前記成形工程では、前記第1成形型および前記第2成形型を相対的に近付くように前記径方向に移動させることによって、前記第1成形型および前記第2成形型の前記第1押圧面を前記第1端面の外周縁に押し付け、かつ第1成形型および前記第2成形型の前記第2押圧面を前記第2端面の外周縁に押し付ける、請求項1から3のいずれかに記載の鍛造素材の製造方法。
【請求項6】
前記成形工程は、前記第1端面の全周が前記第1成形型および前記第2成形型の前記第1押圧面によって押圧され、かつ前記第2端面の全周が前記第1成形型および前記第2成形型の前記第2押圧面によって押圧されるように、前記円柱部材に対する前記第1成形型および前記第2成形型の周方向における位置を変えて複数回実行される、請求項5に記載の鍛造素材の製造方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の製造方法によって製造された鍛造素材を加熱する加熱工程と、
前記加熱工程において加熱された前記鍛造素材を一対の押圧型の間に配置し、前記一対の押圧型によって前記鍛造素材の両端面の少なくとも外周縁を圧下する鍛造工程と、
を備える、円形材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍛造素材および円形材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ギヤおよび鉄道用車輪等の円形材は、一般に、加熱された円柱形状の鍛造素材に対して上型および下型を用いて鍛造を実施した後、必要に応じて圧延、熱処理、および機械加工等を実施することによって製造される。
【0003】
上記のように円形材を製造するに際して、種々の要因により、円形材の表面に疵が生じる場合がある。円柱材に生じた疵は、当該円形材の使用時に割れなどの要因となるおそれがある。そこで、従来、円形材の製造時における疵の発生を防止するために種々の方法が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、黒皮を所定部位に残し他の部位を切削して得る製品のための製品粗材の鍛造方法が開示されている。具体的には、特許文献1の鍛造方法では、上型と下型とによって円柱状の鍛造素材を加圧することによって、円盤状の製品粗材が製造される。
【0005】
ここで、特許文献1の鍛造方法では、上型および下型の対向面は、加圧前の状態で鍛造素材の端部外周縁を製品粗材における上記所定部位より外周側に位置させている。特許文献1には、このように上型および下型を配置することによって、鍛造素材の外周縁であった部分を、製品粗材における外周縁の近傍にとどめることができ、鍛造素材の外周縁であった部分にキズが生じたとしても、そのキズを後工程の切削により除去できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、特許文献1に開示された鍛造方法では、得られる円形材(製品粗材)の外周部を切削することを前提としており、円形材の外周部に生じる疵の防止は考慮されていない。しかしながら、円形材のうち切削しなければならない部分を少なくすることができれば、材料コストを低減できるとともに、製造時間を短縮することができる。
【0008】
そこで、本発明は、加熱された鍛造素材に対して鍛造を行うことによって円形材を製造するに際して円形材に疵が生じることを抑制できる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、従来の円形材の製造過程において生じる現象について研究を行った。その結果、本発明者らは、以下の知見を得た。
【0010】
円形材の製造においては、円柱形状の鍛造素材を加熱した後、鍛造を行うまでの間に、鍛造素材の温度が低下する。このとき、鍛造素材の両端面の外周縁は、他の部分に比べて冷却されやすい。このため、鍛造時には、鍛造素材のうち上記外周縁の近傍の部分は、他の部分に比べて流動性が低下する。
【0011】
上述したように、一般に、鍛造は、加熱された鍛造素材を上型および下型によって圧下することによって実施される。このとき、鍛造素材のうち流動性が低下した上記外周縁の近傍の部分が上型および下型によって拘束された状態で圧下が進められると、鍛造素材のうち流動性の高い部分が、鍛造素材の両端面の外周縁の外側に回り込むように変形する。これにより、円柱素材の外周縁の近傍に線状の疵(いわゆる折れ込み疵)が発生する。一方で、本発明者らの研究の結果、このような材料の回り込みは、鍛造時に、鍛造素材の両端面の外周縁を他の部分よりも先に圧下することによって防止できることが分かった。
【0012】
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、下記の製造方法を要旨とする。
【0013】
(1)軸方向における一方側に第1端面を有しかつ前記軸方向における他方側に第2端面を有する円柱部材に対して成形を行うことによって円柱形状の鍛造素材を製造する方法であって、
第1成形型と第2成形型との間に、前記円柱部材を配置する配置工程と、
前記第1端面の外周縁および前記第2端面の外周縁を、前記第1成形型および前記第2成形型によって押圧することによって、前記第1端面の前記外周縁および前記第2端面の前記外周縁が前記軸方向における前記円柱部材の両端に位置するように前記第1端面および前記第2端面を凹状に成形する成形工程と、
を備える、鍛造素材の製造方法。
【0014】
(2)前記成形工程において、前記第1成形型および前記第2成形型はそれぞれ、前記第1端面および前記第2端面の前記外周縁が前記円柱部材の径方向において外側に移動することを規制しつつ前記第1端面および前記第2端面の前記外周縁を押圧する、上記(1)に記載の鍛造素材の製造方法。
【0015】
(3)前記成形工程において、前記第1成形型および前記第2成形型はそれぞれ、前記第1端面および前記第2端面の前記外周縁に対して前記円柱部材の径方向において外側から内側に向かう力を与える、上記(1)または(2)に記載の鍛造素材の製造方法。
【0016】
(4)前記配置工程では、前記軸方向において、前記円柱部材の前記一方側に第1成形型が位置し、前記円柱部材の前記他方側に前記第2成形型が位置するように前記円柱部材が配置され、
前記第1成形型は、前記軸方向に対して直交する断面において円形状を有しかつ前記軸方向における前記一方側ほど直径が小さくなるように形成された第1押圧面を有し、
前記第2成形型は、前記軸方向に対して直交する断面において円形状を有しかつ前記軸方向における前記他方側ほど直径が小さくなるように形成された第2押圧面を有し、
前記軸方向に対する前記第1押圧面および前記第2押圧面の傾斜角度はそれぞれ45°未満であり、
前記成形工程では、前記第1成形型および前記第2成形型を相対的に近付くように前記軸方向に移動させることによって、前記第1成形型の前記第1押圧面を前記第1端面の外周縁に押し付け、前記第2成形型の前記第2押圧面を前記第2端面の外周縁に押し付ける、上記(1)から(3)のいずれかに記載の鍛造素材の製造方法。
【0017】
(5)前記配置工程では、前記円柱部材の径方向において前記第1成形型と前記第2成形型との間に位置するように前記円柱部材が配置され、
前記第1成形型および前記第2成形型はそれぞれ、前記径方向における外側から前記円柱部材の前記第1端面の外周縁を押圧する第1押圧面と、前記径方向における外側から前記円柱部材の前記第2端面の外周縁を押圧する第2押圧面とを有し、
前記第1押圧面は、前記軸方向に対して直交する断面において中心角が180°未満の円弧形状を有しかつ前記軸方向における前記一方側ほど曲率半径が小さくなるように形成され、
前記第2押圧面は、前記軸方向に対して直交する断面において中心角が180°未満の円弧形状を有しかつ前記軸方向における前記他方側ほど曲率半径が小さくなるように形成され、
前記軸方向に対する前記第1押圧面および前記第2押圧面の傾斜角度はそれぞれ45°未満であり、
前記成形工程では、前記第1成形型および前記第2成形型を相対的に近付くように前記径方向に移動させることによって、前記第1成形型および前記第2成形型の前記第1押圧面を前記第1端面の外周縁に押し付け、かつ第1成形型および前記第2成形型の前記第2押圧面を前記第2端面の外周縁に押し付ける、上記(1)から(3)のいずれかに記載の鍛造素材の製造方法。
【0018】
(6)前記成形工程は、前記第1端面の全周が前記第1成形型および前記第2成形型の前記第1押圧面によって押圧され、かつ前記第2端面の全周が前記第1成形型および前記第2成形型の前記第2押圧面によって押圧されるように、前記円柱部材に対する前記第1成形型および前記第2成形型の周方向における位置を変えて複数回実行される、上記(5)に記載の鍛造素材の製造方法。
【0019】
(7)上記(1)から(6)のいずれかに記載の製造方法によって製造された鍛造素材を加熱する加熱工程と、
前記加熱工程において加熱された前記鍛造素材を一対の押圧型の間に配置し、前記一対の押圧型によって前記鍛造素材の両端面の少なくとも外周縁を圧下する鍛造工程と、
を備える、円形材の製造方法。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、加熱された鍛造素材に対して鍛造を行うことによって円形材を製造するに際して円形材に疵が生じることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、鍛造素材を製造する際に用いられる金属製の円柱部材を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る鍛造素材の製造方法を説明するための図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る鍛造素材の製造方法を説明するための図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係る鍛造素材の製造方法を説明するための図である。
【
図5】
図5は、本実施形態に係る円形材の製造方法を説明するための図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係る円形材の製造方法を説明するための図である。
【
図7】
図7は、本実施形態に係る鍛造素材の製造方法を説明するための図である。
【
図8】
図8は、本実施形態に係る鍛造素材の製造方法を説明するための図である。
【
図9】
図9は、本実施形態に係る鍛造素材の製造方法を説明するための図である。
【
図10】
図10は、本実施形態に係る鍛造素材の製造方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る鍛造素材の製造方法および円形材の製造方法について説明する。詳細は後述するが、本実施形態に係る鍛造素材の製造方法は、配置工程および成形工程を備える。また、本実施形態に係る円形材の製造方法は、本実施形態に係る鍛造素材の製造方法によって製造された鍛造素材を用いて円形材を製造する方法であって、加熱工程および鍛造工程を備える。
【0023】
(鍛造素材の製造方法)
まず、鍛造素材の製造方法について説明する。
図1は、鍛造素材を製造する際に用いられる金属製の円柱部材を示す斜視図である。
図2~
図4は、本実施形態に係る鍛造素材の製造方法を説明するための図である。
【0024】
図1に示すように、円柱部材1は、軸方向における一方側に第1端面10を有しかつ軸方向における他方側に第2端面12を有している。本実施形態では、第1端面10は、円形状の外周縁10aを有している。同様に、第2端面12は、円形状の外周縁12aを有している。
【0025】
図2に示すように、本実施形態に係る鍛造素材の製造方法では、金型100が用いられる。金型100は、第1成形型14および第2成形型16を備えている。なお、
図2~
図4においては、円柱部材1の径方向において円柱部材1を2等分する平面で円柱部材1、第1成形型14および第2成形型16を切断して得られる断面を示している。
【0026】
まず、第1成形型14と第2成形型16との間に円柱部材1を配置する(配置工程)。本実施形態では、円柱部材1の軸方向において、円柱部材1の一方側に第1成形型14が位置し、円柱部材1の他方側に第2成形型16が位置するように、円柱部材1が配置される。より具体的には、本実施形態では、第2成形型16上に円柱部材1が載せられ、円柱部材1の上方に第1成形型14が位置付けられる。なお、以下においては、第1成形型14と第2成形型16との間に円柱部材1が配置された状態を基準として、第1成形型14および第2成形型16の形状を説明する。
【0027】
第1成形型14は、第1押圧面14aを有している。第1押圧面14aは、円柱部材1の軸方向に対して直交する断面において円形状を有している。第1押圧面14aは、円柱部材1の軸方向における一方側ほど(円柱部材1の軸方向において円柱部材1の中心から一方側に離れるほど)直径が小さくなるように形成されている。本実施形態では、第1押圧面14aは、テーパー形状を有している。
【0028】
第2成形型16は、第2押圧面16aを有している。第2押圧面16aは、円柱部材1の軸方向に対して直交する断面において円形状を有している。第2押圧面16aは、円柱部材1の軸方向における他方側ほど(円柱部材1の軸方向において円柱部材1の中心から他方側に離れるほど)直径が小さくなるように形成されている。本実施形態では、第2押圧面16aは、テーパー形状を有している。
【0029】
本実施形態では、円柱部材1の軸方向に対する第1押圧面14aの傾斜角度θ1および第2押圧面16aの傾斜角度θ2はそれぞれ、45°未満に設定される。なお、本明細書において円柱部材の軸方向に対する押圧面の傾斜角度とは、円柱部材の径方向において円柱部材を2等分する平面で成形型を切断して得られる断面における、上記軸方向に対する押圧面の傾斜角度を意味する。
【0030】
次に、
図3および
図4に示すように、第1成形型14および第2成形型16を相対的に近付くように円柱部材1の軸方向に移動させることによって、円柱部材1の第1端面10の外周縁10aおよび第2端面12の外周縁12aを、第1成形型14および第2成形型16によって押圧する(成形工程)。より具体的には、本実施形態では、第1押圧面14aを第1端面10の外周縁10aに押し付け、第2押圧面16aを第2端面12の外周縁12aに押し付ける。
【0031】
これにより、
図4に示すように、第1端面10の外周縁10aおよび第2端面12の外周縁12aが円柱部材1の軸方向における両端に位置するように、第1端面10および第2端面12が凹状に成形される。以下においては、成形工程において成形された円柱部材1を、鍛造素材1aと称する。なお、本発明において成形工程を実施する際の円柱部材1の温度は特に規定されないが、成形工程では、円柱部材1は、例えば冷間加工される。具体的には、成形工程は室温で実施することができ、例えば、成形工程における円柱部材1の温度は、0~40℃である。
【0032】
成形工程における円柱部材1の圧下率は、例えば、3%以上であることが好ましく、4%以上であることがより好ましく、5%以上であることがさらに好ましい。なお、本実施形態において円柱部材1の圧下率とは、成形工程前の円柱部材1の長さに対する、成形工程における第1成形型14および第2成形型16の押し込み長さの割合を意味する。また、第1成形型14および第2成形型16の押し込み長さとは、成形工程において第1成形型14および第2成形型16が円柱部材1に接触した後、円柱部材1を軸方向へ押し込む際の、第1成形型14および第2成形型16の相対的な移動量(円柱部材1の軸方向への移動量)を意味する。したがって、例えば、成形工程前における円柱部材1の長さが150mmで、成形工程において第1成形型14および第2成形型16が円柱部材1に接触した後、第1成形型14および第2成形型16が円柱部材1の軸方向へ相対的に1.5mm近付くように移動して円柱部材1を押圧した場合、圧下率は1%となる。
【0033】
なお、第1成形型14および第2成形型16は、公知の種々の装置(プレス装置等)に取り付けて用いることができるので、第1成形型14および第2成形型16を動作させるための構成については説明を省略する。
【0034】
また、上記の配置工程および成形工程では、円柱部材1の軸方向が上下方向に一致するように円柱部材1を配置し、第1成形型14および第2成形型16によって上下から円柱部材1を押圧する場合について説明したが、円柱部材1の向きは特に制限されない。したがって、例えば、円柱部材1の軸方向が水平方向に一致するように円柱部材1を配置し、第1成形型14および第2成形型16によって左右から円柱部材1を押圧してもよい。
【0035】
(円形材の製造方法)
次に、円形材の製造方法について説明する。
図5および
図6は、本実施形態に係る円形材の製造方法を説明するための図である。
【0036】
本実施形態では、まず、上記のようにして製造された鍛造素材1aを加熱する(加熱工程)。なお、鍛造素材1aは、公知の種々の加熱炉を用いて加熱することができるので、鍛造素材1aを加熱するための構成については説明を省略する。鍛造素材1aの加熱温度は特に限定されないが、例えば、鍛造素材1aは、1000~1300℃に加熱される。なお、鍛造素材1aの加熱温度は、例えば、材種、製品の寸法および温度に基づいて算出される鍛造荷重と設備能力とを考慮して適宜決定すればよい。具体的には、鍛造荷重が設備能力以下の荷重となるように、加熱温度を設定すればよい。
【0037】
次に、
図5および
図6に示すように、加熱工程において加熱された鍛造素材1aに対して、押圧型18,20を備えた金型200を用いて鍛造が行われる(鍛造工程)。具体的には、加熱工程において加熱された鍛造素材1aを押圧型18,20の間に配置し、押圧型18,20によって鍛造素材1aの両端面10,12を圧下する。本実施形態では、押圧型18の押圧面18aによって鍛造素材1aの第1端面10の全面が圧下され、押圧型20の押圧面20aによって鍛造素材1aの第2端面12の全面が圧下される。これにより、
図6に示すように、円形材1bが完成する。
【0038】
なお、上述の配置工程および成形工程と同様に、鍛造工程における鍛造素材1aの向きは特に制限されない。したがって、例えば、鍛造素材1aの軸方向が上下方向に一致するように鍛造素材1aを配置し、押圧型18,20によって上下から鍛造素材1aを押圧してもよく、鍛造素材1aの軸方向が水平方向に一致するように鍛造素材1aを配置し、押圧型18,20によって左右から鍛造素材1aを押圧してもよい。また、押圧型18,20は、公知の種々の装置(プレス装置等)に取り付けて用いることができるので、押圧型18,20を動作させるための構成については説明を省略する。
【0039】
円形材1bは、最終製品であってもよいが、円形材1bに更なる鍛造、圧延、熱処理、機械加工等を施して最終製品としてもよい。
【0040】
(第1実施形態の効果)
以上のように、本実施形態においては、円柱部材1の第1端面10の外周縁10aおよび第2端面12の外周縁12aを、第1成形型14および第2成形型16によって押圧することによって、外周縁10a,12aが軸方向において両端に位置するように成形された鍛造素材1aが得られる。これにより、押圧型18,20によって鍛造工程を実施する際に、鍛造素材1aの両端面10,12の外周縁10a,12aを他の部分よりも先に圧下することができる。このため、鍛造工程を実施する際に、鍛造素材1aの外周縁10a,12aの近傍の部分の流動性が低くなっていたとしても、外周縁10a,12aを他の部分よりも先に押し潰すことができるので、鍛造素材1aのうち流動性の高い部分が、外周縁10a,12aの外側に回り込むように変形することを防止することができる。すなわち、折れ込み疵の発生を防止することができる。
【0041】
また、本実施形態では、第1成形型14および第2成形型16によって円柱部材1の両端面10,12の外周縁10a,12aを押圧することによって、両端面10,12を凹状に変形させることができる。この場合、両端面10,12の中央部を押圧する場合に比べて、小さな力で両端面10,12を適切な凹形状に変形させることができる。
【0042】
また、本実施形態では、第1成形型14および第2成形型16はそれぞれ、円柱部材1の両端面10,12の外周縁10a,12aが円柱部材1の径方向外側に移動することを規制しつつ、外周縁10a,12aを押圧する。言い換えると、本実施形態では、第1成形型14および第2成形型16はそれぞれ、外周縁10a,12aに対して円柱部材1の径方向において外側から内側に向かう力を与えることができる。これにより、成形工程中に円柱部材1の外周縁10a,12aが径方向外側に移動することを十分に抑制しつつ、外周縁10a,12aが軸方向において両端に位置するように両端面10,12を容易に成形できる。
【0043】
なお、本発明者らが種々の解析等を行った結果、上述のような断面円形状かつテーパー形状の押圧面によって円柱部材を押圧する際には、円柱部材の軸方向に対する押圧面の傾斜角度を45°未満に設定することにより、円柱部材の両端面を適切な凹形状に変形させることができることが分かった。そこで、上述の実施形態では、円柱部材1の軸方向に対する押圧面14a,16aの傾斜角度θ1,θ2を45°未満に設定している。ただし、円柱部材の軸方向に対する押圧面の傾斜角度は、押圧面の形状および押圧方向によって適宜変更される。
【0044】
また、上記においては、押圧型18,20によって第1端面10および第2端面12の全面を押圧する場合について説明したが、本発明の効果は、少なくとも外周縁10a,12aを含むように第1端面10および第2端面12を押圧することによって発揮される。したがって、鍛造工程において、第1端面10および第2端面12の一部(外周縁10a,12aを除く)が押圧されていなくてもよい。
【0045】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態に係る鍛造素材の製造方法について説明する。なお、本実施形態においても、上述の円柱部材1が用いられる。
図7~
図10は、本実施形態に係る鍛造素材の製造方法を説明するための図である。なお、本実施形態に係る鍛造素材の製造方法では、上述金型100に代えて、金型300が用いられる。
図7および
図10においては、円柱部材1および金型300を、円柱部材1の軸方向から見た図を示し、
図8および
図9においては、
図7のA-A部分に対応する断面図を示している。
【0046】
図7および
図8に示すように、金型300は、第1成形型22および第2成形型24を備えている。まず、第1成形型22と第2成形型24との間に円柱部材1を配置する(配置工程)。本実施形態では、円柱部材1の径方向において第1成形型22と第2成形型24との間に位置するように円柱部材1が配置される。なお、以下においては、第1成形型22と第2成形型24との間に円柱部材1が配置された状態を基準として、第1成形型22および第2成形型24の形状を説明する。
【0047】
図8に示すように、第1成形型22は、第1押圧面22aおよび第2押圧面22bを有している。同様に、第2成形型24は、第1押圧面24aおよび第2押圧面24bを有している。円柱部材1の軸方向において、第1押圧面22a,24aは、円柱部材1の中心よりも一方側に設けられ、第2押圧面22b,24bは、円柱部材1の中心よりも他方側に設けられている。
【0048】
第1押圧面22aは、円柱部材1の軸方向に対して直交する断面において中心角(
図7の角α)が180°未満の円弧形状を有している。また、第1押圧面22aは、円柱部材1の軸方向における一方側ほど(円柱部材1の軸方向において円柱部材1の中心から一方側に離れるほど)曲率半径が小さくなるように形成されている。本実施形態では、第1押圧面22aは、テーパー形状を有している。第1押圧面24aについても同様である。
【0049】
第2押圧面22bは、円柱部材1の軸方向に対して直交する断面において中心角が180°未満の円弧形状を有している。また、第2押圧面22bは、円柱部材1の軸方向における他方側ほど(円柱部材1の軸方向において円柱部材1の中心から他方側に離れるほど)曲率半径が小さくなるように形成されている。本実施形態では、第2押圧面22bは、テーパー形状を有している。第2押圧面24bについても同様である。
【0050】
本実施形態では、円柱部材1の軸方向に対する第1押圧面22aの傾斜角度θ3および第2押圧面22bの傾斜角度θ4はそれぞれ、45°よりも小さく設定される。円柱部材1の軸方向に対する第1押圧面24aの傾斜角度および第2押圧面24bの傾斜角度についても同様である。
【0051】
次に、
図8および
図9に示すように、第1成形型22および第2成形型24を相対的に近付くように円柱部材1の径方向に移動させることによって、円柱部材1の第1端面10の外周縁10aおよび第2端面12の外周縁12aを、第1成形型22および第2成形型24によって押圧する(成形工程)。より具体的には、本実施形態では、第1押圧面22a,24aを第1端面10の外周縁10aに押し付け、第2押圧面22b,24bを第2端面12の外周縁12aに押し付ける。これにより、
図9に示すように、第1端面10の外周縁10aおよび第2端面12の外周縁12aが円柱部材1の軸方向における両端に位置するように、第1端面10および第2端面12が凹状に成形される。すなわち、鍛造素材1aが得られる。なお、本実施形態では、例えば、
図10に示すように、第1端面10の全周が第1押圧面22a,24aによって押圧され、かつ第2端面12の全周が第2押圧面22b,24bによって押圧されるように、円柱部材1に対する第1成形型22および第2成形型24の周方向における位置を変えて、成形工程を複数回実行することによって鍛造素材を製造してもよい。この場合、両端面10,12をより適切な凹形状に変形させることができる。
【0052】
成形工程における円柱部材1の圧下率は、例えば、3%以上であることが好ましく、4%以上であることがより好ましく、5%以上であることがさらに好ましい。なお、本実施形態において円柱部材1の圧下率とは、成形工程前の円柱部材1の直径に対する、成形工程における第1成形型22および第2成形型24の押し込み長さの割合を意味する。また、第1成形型22および第2成形型24の押し込み長さとは、成形工程において第1成形型22および第2成形型24が円柱部材1に接触した後、円柱部材1を径方向内側へ押し込む際の、第1成形型22および第2成形型24の相対的な移動量(円柱部材1の径方向への移動量)を意味する。したがって、例えば、成形工程前における円柱部材1の直径が300mmで、成形工程において第1成形型22および第2成形型24が円柱部材1に接触した後、第1成形型22および第2成形型24が円柱部材1の径方向へ相対的に3.0mm近付くように移動して円柱部材1を押圧した場合、圧下率は1%となる。
【0053】
詳細な説明は省略するが、本実施形態においても、上述の実施形態と同様に、上記のようにして製造された鍛造素材1aを用いて、円形材1bが製造される。また、詳細な説明は省略するが、成形工程における円柱部材1の向きは特に制限されない。したがって、例えば、円柱部材1の軸方向が上下方向に一致するように円柱部材1を配置し、第1成形型22および第2成形型24によって左右から円柱部材1を押圧してもよく、円柱部材1の軸方向が水平方向に一致するように円柱部材1を配置し、第1成形型22および第2成形型24によって上下から円柱部材1を押圧してもよい。なお、第1成形型22および第2成形型24は、公知の種々の装置(プレス装置等)に取り付けて用いることができるので、第1成形型22および第2成形型24を動作させるための構成については説明を省略する。
【0054】
(第2実施形態の効果)
以上のように、本実施形態においても、円柱部材1の第1端面10の外周縁10aおよび第2端面12の外周縁12aを、第1成形型22および第2成形型24によって押圧することによって、外周縁10a,12aが軸方向において両端に位置するように成形された鍛造素材1aが得られる。これにより、鍛造工程を実施する際に、鍛造素材1aの外周縁10a,12aの近傍の部分の流動性が低くなっていたとしても、外周縁10a,12aを他の部分よりも先に押し潰すことができるので、鍛造素材1aのうち流動性の高い部分が、外周縁10a,12aの外側に回り込むように変形することを防止することができる。すなわち、折れ込み疵の発生を防止することができる。
【0055】
また、本実施形態においても、第1成形型22および第2成形型24によって円柱部材1の両端面10,12の外周縁10a,12aを押圧することによって、両端面10,12を凹状に変形させることができる。この場合、両端面10,12の中央部を押圧する場合に比べて、小さな力で両端面10,12を適切な凹形状に変形させることができる。
【0056】
また、本実施形態においても、第1成形型22および第2成形型24はそれぞれ、円柱部材1の両端面10,12の外周縁10a,12aが円柱部材1の径方向外側に移動することを規制しつつ、外周縁10a,12aを押圧する。言い換えると、第1成形型22および第2成形型24はそれぞれ、外周縁10a,12aに対して円柱部材1の径方向において外側から内側に向かう力を与えることができる。これにより、成形工程中に円柱部材1の外周縁10a,12aが径方向外側に移動することを十分に抑制しつつ、外周縁10a,12aが軸方向において両端に位置するように両端面10,12を容易に成形できる。
【0057】
なお、本発明者らが種々の解析等を行った結果、上述のような断面円形状かつテーパー形状の押圧面によって円柱部材を押圧する際には、円柱部材の軸方向に対する押圧面の傾斜角度を45°未満に設定することにより、円柱部材の両端面を適切な凹形状に変形させることができることが分かった。そこで、上述の実施形態では、円柱部材1の軸方向に対する押圧面22a,22b,24a,24bの傾斜角度を45°未満に設定している。ただし、円柱部材の軸方向に対する押圧面の傾斜角度は、押圧面の形状および押圧方向によって適宜変更される。
【0058】
(変形例)
上述の第1実施形態では、押圧面14a,16aが、円錐台形状を有する場合について説明したが、押圧面14a,16aが円錐形状を有していてもよい。また、押圧面14a,16aの形状は、断面直線状のテーパー面(円錐台形状または円錐形状)に限定されず、
図11および
図12に示すように、断面円弧形状であってもよい。なお、
図11は、成形工程開始時の円柱部材1および金型100の状態を示し、
図12は、成形工程終了時の円柱部材1(鍛造素材1a)および金型100の状態を示す。
【0059】
なお、
図11に示す実施形態では、押圧面14a,16aのうち円柱部材1の外周縁10aに最初に接触する位置における接線と円柱部材1の軸方向との角度θ5,θ6が45°未満に設定される。すなわち、本実施形態では、円柱部材1の軸方向に対する押圧面14a,16aの傾斜角度とは、円柱部材1の軸方向に対する上記接線の傾斜角度を意味する。なお、本実施形態では、押圧面14a,16aのうち成形工程終了時(
図12参照)に円柱部材1に接触している領域の任意の位置における接線と円柱部材1の軸方向との角度が45°未満に設定されることが好ましい。
【0060】
詳細な説明は省略するが、上述の第2実施形態に係る金型300においても同様に、押圧面22a,22b,24a,24bが断面円弧形状を有していてもよい。この場合、円柱部材1の軸方向に対する押圧面22a,22b,24a,24bの傾斜角度は、
図11および
図12に示した実施形態と同様に設定される。
【0061】
上述の実施形態では、第1成形型14および第2成形型16が円板形状を有する場合について説明したが、
図13に示すように、第1成形型14および第2成形型16が中空形状を有していてもよい。なお、
図13においては、押圧面14a,16aが断面円弧状である場合を示しているが、押圧面14a,16aがテーパー形状を有する場合についても同様である。
【0062】
(シミュレーションによる検討)
本発明の効果を確認するために、上述の第1実施形態および第2実施形態を模擬した数値解析を行い、折れ込み疵の発生の有無を調査した。
【0063】
具体的には、第1実施形態を模擬した数値解析では、長さ150mm、直径300mmの円柱部材1を用い、円柱部材1の軸方向に対する第1押圧面14aおよび第2押圧面16aの傾斜角度θ1,θ2を30°に設定し、成形工程を実施した。成形工程における圧下率は3%および25%に設定した。これにより得られた鍛造素材1aを、1250℃まで加熱し、その後、10秒間冷却し、鍛造を行い、得られた円形材1bに折れ込み疵が発生するか否かを調査した。
【0064】
なお、第1実施形態を模擬した数値解析では、成形工程および鍛造工程によって、長さ150mmの円柱部材1を、長さ60mmの円形材1bとした(圧下率60%)。また、10秒間の冷却は、対流熱伝達率を2kW/m2・Kに設定して行った。
【0065】
また、比較例として、成形工程を実施することなく、長さ150mmおよび直径300mmの円柱部材1に対して同じ条件で加熱、冷却および鍛造を行い、長さ60mmの円形材とした場合についても、折れ込み疵の発生の有無を調査した。
【0066】
その結果、第1実施形態を模擬した数値解析では、成形工程における圧下率にかかわらず、折れ込み疵が発生しなかった。一方、比較例においては、折れ込み疵が発生した。
【0067】
また、第2実施形態を模擬した数値解析では、長さ225mm、直径450mmの円柱部材1を用い、円柱部材1の軸方向に対する第1押圧面22a,24aおよび第2押圧面22b,24bの傾斜角度θ3,θ4を30°に設定し、成形工程を実施した。成形工程における圧下率は8%に設定した。すなわち、成形工程では、直径450mmの円柱部材1に対して、第1成形型22および第2成形型24をそれぞれ、径方向内側に18mmずつ押し込んで成形を行った。これにより得られた鍛造素材1aを、1250℃まで加熱し、その後、10秒間冷却し、鍛造を行い、得られた円形材1bに折れ込み疵が発生するか否かを調査した。なお、成形工程および鍛造工程によって、長さ225mmの円柱部材1を、長さ90mmの円形材1bとした(圧下率60%)。また、10秒間の冷却は、対流熱伝達率を2kW/m2・Kに設定して行った。その結果、第2実施形態を模擬した数値解析においても、折れ込み疵は発生しなかった。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明によれば、加熱された鍛造素材に対して鍛造を行うことによって円形材を製造するに際して円形材に疵が生じることを抑制できる。
【符号の説明】
【0069】
1 円柱部材
10 第1端面
10a,12a 外周縁
12 第2端面
14,22 第1成形型
16,24 第2成形型
18,20 押圧型