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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】炭化室補修機
(51)【国際特許分類】
   C10B 29/06 20060101AFI20231130BHJP
   E04G 23/02 20060101ALI20231130BHJP
   F27D 1/16 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
C10B29/06
E04G23/02 C
F27D1/16 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020041351
(22)【出願日】2020-03-10
(65)【公開番号】P2021143236
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2022-11-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 岳志
(72)【発明者】
【氏名】志賀 新
【審査官】齊藤 光子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-014394(JP,A)
【文献】特開2003-041258(JP,A)
【文献】特開2008-007531(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10B 1/00-45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コークス炉の炭化室の外で、かつ、前記炭化室の窯口側に配置される支持台と、
脚部と、前記脚部よりも前側に配置され、補修材を放射する放射部と、を有し、前記放射部を前記窯口側に向けた状態で前記支持台に支持される補修装置と、
前記支持台に設けられ、前記補修装置を前記炭化室側へ移動し、前記放射部を前記窯口から前記炭化室内に挿入する移動装置と、
前記補修装置の前記脚部が前記炭化室の炉床に着地した第一着地状態と、前記補修装置の前記脚部が前記支持台に着地した第二着地状態と、になるように前記移動装置を制御する制御部と、
を備え
前記移動装置は、
前記補修装置を支持する後側支持部と、
前記後側支持部よりも前側に配置され、前記補修装置を支持する前側支持部と、
を有し、
前記制御部は、前記補修装置の重心よりも前記炭化室側に位置する前記前側支持部の高さを前記後側支持部の高さよりも低くし、前記補修装置を前傾させることにより、前記補修装置の前記脚部を前記支持台に着地させる、
化室補修機。
【請求項2】
前記制御部は、前記前側支持部の高さを前記後側支持部の高さよりも低くし、前記補修装置を前傾させることにより、前記補修装置の前記脚部を前記炭化室の前記炉床に着地させる、
請求項1に記載の炭化室補修機。
【請求項3】
前記支持台は、
前記移動装置を支持するとともに、前記コークス炉の横幅方向に移動する第一フレームと、
前記第一フレームに回動軸を介して連結され、前記回動軸を中心とした回動に伴って、第一フレームよりも前記炭化室側に位置する展開状態と、前記展開状態よりも前記第一フレーム側に位置する退避状態と、に切り替えられる第二フレームと、
を有し、
前記制御部は、前記補修装置の前記脚部を前記展開状態の前記第二フレームに着地させる、
請求項1又は請求項2に記載の炭化室補修機。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化室補修機に関する。
【背景技術】
【0002】
コークス炉の炭化室の炉壁を補修する補修装置がある(例えば、特許文献1参照)。この補修装置は、炭化室の炉床に着地される脚部と、補修材を放射する放射部(溶射装置)とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4528361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された補修装置は、脚部を炭化室の炉床に着地させ、放射部を安定させた状態で、放射部から炉壁に補修材を放射する。これにより、炉壁に対する補修材の放射精度が高められる。
【0005】
ここで、特許文献1に開示された補修装置では、放射部が脚部よりも前側(炭化室の奥側)に配置される。そのため、炭化室の炉床の最も窯口側に脚部を着地させた場合であっても、炭化室内の窯口側には、放射部から放射された補修材が届かない領域が発生する。すなわち、特許文献1に開示された補修装置では、炭化室における窯口側を補修することができず、この点で改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記の事実を考慮し、補修装置によって炭化室内の窯口側を補修することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様に係る炭化室補修機は、コークス炉の炭化室の外で、かつ、前記炭化室の窯口側に配置される支持台と、脚部と、前記脚部よりも前側に配置され、補修材を放射する放射部と、を有し、前記放射部を前記窯口側に向けた状態で前記支持台に支持される補修装置と、前記支持台に設けられ、前記補修装置を前記炭化室側へ移動し、前記放射部を前記窯口から前記炭化室内に挿入する移動装置と、前記補修装置の前記脚部が前記炭化室の炉床に着地した第一着地状態と、前記補修装置の前記脚部が前記支持台に着地した第二着地状態と、になるように前記移動装置を制御する制御部と、を備える。
【0008】
第1態様に係る炭化室補修機によれば、支持台は、コークス炉の炭化室の外で、かつ、炭化室の窯口側に配置される。補修装置は、脚部と、脚部よりも前側に配置され、補修材を放射する放射部とを有する。この補修装置は、放射部を窯口側に向けた状態で支持台に支持される。
【0009】
支持台には、移動装置が設けられる。移動装置は、補修装置を炭化室側へ移動し、放射部を窯口から炭化室内に挿入する。この移動装置は、制御部によって制御される。
【0010】
ここで、制御部は、第一着地状態と第二着地状態とになるように移動装置を制御する。第一着地状態では、補修装置の脚部が炭化室の炉床に着地される。これにより、放射部を安定させた状態で、放射部から炭化室の炉壁等に補修材を放射することができる。したがって、炭化室の炉壁等に対する補修材の放射精度が高められる。
【0011】
一方、第二着地状態では、補修装置の脚部が支持台に着地される。これにより、第一着地状態と同様に、放射部を安定させた状態で、放射部から炭化室の炉壁等に補修材を放射することができる。
【0012】
さらに、第二着地状態では、補修装置の脚部が、炭化室の炉床ではなく、支持台に着地される。これにより、第二着地状態では、第一着地状態と比較して、炭化室内の窯口側に放射部を配置することができる。この結果、第二着地状態では、炭化室の窯口側の炉壁等に、放射部から補修材を放射することができる。
【0013】
このように本態様では、補修装置によって炭化室の窯口側を補修することができる。
【0014】
第2態様に係る炭化室補修機は、第1態様に係る炭化室補修機において、前記移動装置は、前記補修装置を支持する後側支持部と、前記後側支持部よりも前側に配置され、前記補修装置を支持する前側支持部と、を有し、前記制御部は、前記前側支持部の高さを前記後側支持部の高さよりも低くし、前記補修装置を前傾させることにより、前記補修装置の前記脚部を前記支持台に着地させる。
【0015】
第2態様に係る炭化室補修機によれば、移動装置は、補修装置を支持する後側支持部と、後側支持部よりも前側に配置され、補修装置を支持する前側支持部とを有する。そして、制御部は、前側支持部の高さを後側支持部の高さよりも低くし、補修装置を前傾させることにより、補修装置の脚部を支持台に着地させる。
【0016】
このように本態様では、簡単な構成で、補修装置の脚部を支持台に着地させることができる。
【0017】
第3態様に係る炭化室補修機は、第2態様に係る炭化室補修機において、前記制御部は、前記補修装置の重心よりも前記炭化室側に位置する前記前側支持部の高さを下げることにより、前記補修装置を前傾させる。
【0018】
第3態様に係る炭化室補修機によれば、制御部は、補修装置の重心よりも炭化室側に位置する前側支持部の高さを下げる。これにより、補修装置を自重により前傾させ、補修装置の脚部を支持台に着地させることができる。
【0019】
このように本態様では、補修装置を自重により前傾させ、補修装置の脚部を支持台に着地させるため、省エネルギー化を図ることができる。
【0020】
第4態様に係る炭化室補修機は、第2態様又は第3態様に係る炭化室補修機において、前記制御部は、前記前側支持部の高さを前記後側支持部の高さよりも低くし、前記補修装置を前傾させることにより、前記補修装置の前記脚部を前記炭化室の前記炉床に着地させる。
【0021】
第4態様に係る炭化室補修機によれば、移動装置は、前側支持部の高さを後側支持部の高さよりも低くし、補修装置を前傾させることにより、補修装置の脚部を炭化室の炉床に着地させる。これにより、本態様では、前側支持部の高さを後側支持部の高さよりも低くしない場合と比較して、炭化室の窯口側の炉床に脚部を着地させることができる。
【0022】
したがって、補修装置による炭化室の補修範囲をさらに広げることができる。
【0023】
第5態様に係る炭化室補修機は、第1態様~第4態様の何れか1つに係る炭化室補修機において、前記支持台は、前記移動装置を支持するとともに、前記コークス炉の横幅方向に移動する第一フレームと、前記第一フレームに回動軸を介して連結され、前記回動軸を中心とした回動に伴って、第一フレームよりも前記炭化室側に位置する展開状態と、前記展開状態よりも前記第一フレーム側に位置する退避状態と、に切り替えられる第二フレームと、を有し、前記制御部は、前記補修装置の前記脚部を前記展開状態の前記第二フレームに着地させる。
【0024】
第5態様に係る炭化室補修機によれば、支持台は、第一フレーム及び第二フレームを有する。第一フレームは、移動装置を支持するとともに、窯口の横幅方向に移動する。この第一フレームには、回動軸を介して第二フレームが連結される。第二フレームは、回動軸を中心とした回動に伴って、展開状態と、退避状態とに切り替えられる。
【0025】
ここで、第二フレームの展開状態では、第二フレームが第一フレームよりも炭化室側に位置される。そして、制御部は、補修装置の脚部を展開状態の第二フレームに着地される。これにより、放射部によって、炭化室内の窯口側の炉壁等に補修材を放射することができる。したがって、補修装置によって炭化室の窯口側を補修することができる。
【0026】
一方、退避状態では、第二フレームが展開状態よりも第一フレーム側に位置する。これにより、例えば、コークス炉に第二フレームが干渉することが抑制される。したがって、第一フレームがコークス炉の横幅方向に移動可能になる。
【0027】
このように本態様では、第一フレームをコークス炉の横幅方向に移動可能にしつつ、補修装置によって炭化室の窯口側を補修することができる。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように、本発明に係る炭化室補修機によれば、補修装置によって炭化室内の窯口側を補修することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】第一実施形態に係る補修装置を示す側面図である。
図2図1に示されるローラ及び昇降機構を示す図1の拡大側面図である。
図3図1に示される補修装置の脚部が炭化室の炉床に着地した状態を示す側面図である。
図4図1に示される補修装置の脚部が台本体の受け部に着地した状態を示す側面図である。
図5図1に示される補修装置の脚部が炭化室の炉床の縁部に着地した状態を示す側面図である。
図6】第二実施形態に係る補修装置における第二フレームの退避状態を示す側面図である。
図7図6に示される第二フレームの展開状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(第一実施形態)
先ず、第一実施形態について説明する。
【0031】
(コークス炉)
図1には、本実施形態に係る炭化室補修機40によって補修されるコークス炉10が示されている。コークス炉10は、石炭を乾留してコークスを生成する炉とされる。このコークス炉10は、石炭が装入される複数の炭化室20と、炭化室20を加熱する複数の燃焼室(図示省略)とを有している。これらの炭化室20及び燃焼室は、コークス炉10の横幅方向(炉幅方向、図1の紙面と直交する方向)に交互に配列される。
【0032】
炭化室20は、炉床(炉底)22と、一対の炉壁24と、上壁26とを有している。炉床22は、地面12よりも高いに位置に配置されており、地面12との間に段差を形成している。この炉床22から一対の炉壁24が立ち上げられている。
【0033】
一対の炉壁24は、例えば、壁状に積み上げられた複数の耐火煉瓦によって形成されている。また、一対の炉壁24は、炭化室20の奥行方向(炉長方向、矢印L方向)に沿って配置されている。さらに、一対の炉壁24は、コークス炉10の横幅方向に互いに対向して配置されている。この一対の炉壁24の上には、上壁26が設けられている。
【0034】
上壁26は、炉床22の上方に配置されている。また、上壁26には、複数の装入口28が形成されている。これらの装入口28から炭化室20内に石炭が装入される。炭化室20内に装入された石炭は、燃焼室の熱によって乾留される。これにより、炭化室20内において、コークスが生成される。
【0035】
炭化室20の奥行方向の一端側には、窯口30が形成されている。この窯口30から炭化室20内に押出機が挿入される。この押出機によって、炭化室20内のコークスが、炭化室20の奥行方向の他端側の開口(窯口)から排出される。
【0036】
ここで、押出機によって炭化室20からコークスを押し出す際に、押し出されるコークスから炉壁24の内壁面に圧力が作用する。この圧力によって、炉壁24の内壁面に亀裂又は摩耗等が発生し、炉壁24が損傷する可能性がある。本実施形態に係る炭化室補修機40は、例えば、上記のように損傷した炉壁24の損傷部を補修する。
【0037】
(炭化室補修機)
炭化室補修機40は、台車70と、補修装置50と、移動装置80とを備えている。なお、各図に示される矢印Fは、台車70及び補修装置50の前側を示している。また、矢印Rは、台車70及び補修装置50の後側を示している。
【0038】
(台車、支持台)
台車70は、支持台72と、複数の支柱74とを有している。支持台72は、炭化室20外で、かつ、炭化室20の窯口30側に配置されている。また、支持台72は、炭化室20の奥行方向に沿って配置されている。この支持台72は、複数の支柱74によって支持されている。
【0039】
複数の支柱74は、炭化室20の窯口30側の地面12に敷設された一対のレール42に移動可能に支持されている。一対のレール42は、コークス炉10の横幅方向に延びている。この一対のレール42に沿って支持台72が、コークス炉10の横幅方向に移動可能とされている。これにより、支持台72に支持された補修装置50が、各炭化室20の窯口30の前に配置可能とされている。
【0040】
(補修装置)
補修装置50は、装置本体部52と、脚部54と、伸縮部60と、回動アーム部62と、検知部66と、放射部68とを備えている。この補修装置50は、放射部68を窯口30側に向けた状態で、支持台72に支持されている。
【0041】
補修装置50は、後述する移動装置80によって炭化室20側へ移動されることにより、窯口30から炭化室20内に挿入される。一方、装置本体部52は、移動装置80によって炭化室20と反対側へ移動されることにより、炭化室20から引き抜かれる。
【0042】
装置本体部52は、炭化室20の奥行方向を長手方向として配置されている。また、装置本体部52は、後述する移動装置80の複数のローラ82A,82B,82C,82Dの上に載置されている。この装置本体部52の前部には、脚部54が設けられている。
【0043】
脚部54は、炭化室20の炉床22、及び後述する支持台72の受け部72Aに着地可能とされている。この脚部54は、板状に形成されている。また、脚部54は、装置本体部52の下面から突出するベース部材56の下端部に、回動軸58を介して連結されている。
【0044】
回動軸58は、コークス炉10の横幅方向に沿って配置されている。この回動軸58を中心として脚部54が回動することにより、脚部54の下面が炉床22及び受け部72Aにそれぞれ面接触可能とされている。また、脚部54の下面には、図示しない滑り材等が設けられている。これにより、脚部54が炭化室20の炉床22及び受け部72A上をそれぞれスライド可能とされている。
【0045】
装置本体部52の前部には、装置本体部52に対して炭化室20の奥行方向(矢印L方向)に伸縮する伸縮部60が設けられている。伸縮部60は、装置本体部52に伸縮可能に支持されている。また、伸縮部60は、補修装置50に設けられた図示しない駆動源によって伸縮される。この伸縮部60の前端部には、回動アーム部62が設けられている。
【0046】
回動アーム部62の後端部は、回動軸64を介して伸縮部60の前端部に連結されている。回動軸64は、コークス炉10の横幅方向に延びている。この回動軸64を中心として、回動アーム部62が上下方向(矢印a方向)に回動可能とされている。また、回動アーム部62は、補修装置50に設けられた図示しない駆動源によって回動される。この回動アーム部62には、検知部66及び放射部68が設けられている。
【0047】
検知部66は、炭化室20の炉壁24等の損傷を検知する検知器とされる。この検知部66は、例えば、検知部66から炭化室20の炉壁24の内壁面までの距離を計測するレーザ距離計等を含んで構成されている。そして、検知部66は、計測された検知部66から炉壁24の内壁面までの距離に基づいて、炉壁24の損傷部の位置を検知する。
【0048】
なお、検知部66は、レーザ距離計に限らず、例えば、炭化室20内を撮像するカメラ等を含んで構成されても良い。
【0049】
放射部68は、炉壁24の損傷部に補修材を放射することにより、損傷部を補修する放射装置とされる。この放射部68は、脚部54よりも前側に配置されている。また、放射部68は、例えば、珪石を含む補修材を溶射する溶射装置とされる。
【0050】
放射部68は、伸縮部60及び回動アーム部62によって炉壁24の損傷部に位置決めされる。この際、伸縮部60及び回動アーム部62は、検知部66で検知された炉壁24の損傷部の位置情報に基づいて、放射部68を炉壁24の損傷部に位置決めする。
【0051】
(支持台の受け部)
支持台72における前側(炭化室20側)の部位には、受け部72Aが設けられている。受け部72Aは、補修装置50の脚部54が着地可能とされている。また、図4に示されるように、受け部72Aに補修装置50の脚部54を着地させた状態(第一着地状態)では、補修装置50の検知部66及び放射部68が炭化室20内に挿入される。
【0052】
(移動装置)
支持台72には、補修装置50を移動可能に支持する移動装置80が設けられている。移動装置80は、補修装置50の脚部54を支持台72から浮かせた状態で、補修装置50を炭化室20の奥行方向に移動可能に支持する。この移動装置80によって、補修装置50の脚部54、検知部66、及び放射部68が窯口30から炭化室20内に挿入される。
【0053】
移動装置80は、複数のローラ82A,82B,82C,82Dと、複数の昇降機構84と、補修装置50を押し引きする図示しない駆動源とを有している。なお、ローラ82C,82Dは、後側支持部の一例である。また、ローラ82A,82Bは、後側支持部の前側に配置される前側支持部の一例である。
【0054】
複数のローラ82A,82B,82C,82Dは、支持台72の受け部72Aの後側に配置されている。また、複数のローラ82A,82B,82C,82Dは、炭化室20の奥行方向に間隔を空けて配列されている。これらのローラ82A,82B,82C,82Dの上に補修装置50(装置本体部52)が載置されている。
【0055】
複数のローラ82A,82B,82C,82Dは、昇降機構84によって昇降可能にそれぞれ支持されている。なお、本実施形態では、複数の昇降機構84が、同様の構成とされている。そのため、以下では、一例として、ローラ82Bを支持する昇降機構84の構成について説明し、ローラ82A,82C,82Dを支持する昇降機構84の構成の説明は省略する。
【0056】
図2に示されるように、昇降機構84は、支柱86と、揺動アーム88と、アクチュエータ90とを有している。支柱86は、支持台72から上方に延出されている。この支柱86は、揺動アーム88の中央部を回動可能に支持している。
【0057】
揺動アーム88の一端部には、ローラ82Bが回転可能に連結されている。一方、揺動アーム88の他端部は、アクチュエータ90を介して支持台72と連結されている。
【0058】
アクチュエータ90は、例えば、油圧シリンダ等を含んで構成されている。このアクチュエータ90によって、揺動アーム88の他端部を昇降させることにより、揺動アーム88の一端部のローラ82Bが昇降される。これにより、支持台72に対するローラ82Bの高さHが変更可能とされている。このアクチュエータ90には、制御部100が接続されている。
【0059】
ここで、移動装置80は、第一状態と第二状態とを有している。移動装置80の第一状態とは、複数のローラ82A,82B,82C,82Dの高さが何れも同じ状態を意味し、例えば、図3に示される移動装置80の状態をいう。
【0060】
一方、移動装置80の第二状態とは、複数のローラ82A,82B,82C,82Dのうち、補修装置50の重心Gよりも炭化室20側に位置するローラの高さが、補修装置50の重心Gよりも炭化室20と反対側に位置するローラの高さよりも低い状態を意味し、例えば、図4に示される移動装置80の状態をいう。
【0061】
また、補修装置50は、第一着地状態と、第二着地状態とを有している。第一着地状態とは、図3に示されるように、脚部54が炭化室20の炉床22に着地された状態をいう。一方、第二着地状態とは、図4に示されるように、後述する移動装置80が第二状態であって、脚部54が支持台72の受け部72Aに着地された状態をいう。
【0062】
(制御部)
制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、及び記録装置を含むコンピュータによって構成されている。この制御部100は、アクチュエータ90の動作を制御し、ローラ82A,82Bの高さHを変更することにより、移動装置80を第一状態と第二状態とに切り替える。また、制御部100には、移動装置80の駆動源が電気的に接続されている。制御部100は、駆動源の動作を制御し、補修装置50を炭化室20に対して進退させる。
【0063】
図2に示されるように、制御部100には、位置検出装置102が電気的に接続されている。位置検出装置102は、例えば、エンコーダを含んで構成されている。この位置検出装置102は、支持台72に対する脚部54の位置(炭化室20の奥行方向の位置)を検出し、検出した位置情報を制御部100に出力する。
【0064】
制御部100には、受け部72Aの位置情報が予め記憶されている。この制御部100は、位置検出装置102から出力された補修装置50の位置情報、及び受け部72Aの位置情報に基づいて、昇降機構84(アクチュエータ90)の動作を制御する。なお、制御部100の動作については、炭化室20の補修方法と共に後述する。
【0065】
(炭化室の補修方法)
次に、炭化室20の補修方法の一例について説明する。
【0066】
先ず、補修装置50の脚部54を炭化室20の炉床22に着地させた状態(第一着地状態)で、炭化室20を補修する補修方法について説明する。
【0067】
図1には、補修装置50が炭化室20の外で、移動装置80を介して支持台72に支持された初期状態が示されている。ここで、補修装置50の初期状態とは、検知部66及び放射部68が炭化室20内に挿入される前の状態であって、脚部54が炭化室20の炉床22及び支持台72の受け部72Aのいずれにも着地していない状態をいう。
【0068】
また、補修装置50の初期状態では、移動装置80が第一状態に設定される。第一着地状態では、複数のローラ82A,82B,82C,82Dの高さHが同じに設定される。
【0069】
補修装置50の初期状態から炭化室20を補修する場合は、先ず、制御部100は、移動装置80の駆動源を作動し、複数のローラ82A,82B,82C,82D上の補修装置50を炭化室20側へ移動させる。これにより、図3に示されるように、補修装置50の検知部66、放射部68、及び脚部54が窯口30から炭化室20内に挿入される。
【0070】
ここで、補修装置50の炭化室20側への移動に伴って補修装置50の重心Gがローラ82Aの中心(回転軸)を通過すると、補修装置50がローラ82Aを支点として自重により前傾し、補修装置50の脚部54が炭化室20の炉床22に着地される。つまり、補修装置50が初期状態から第一着地状態に変移する。
【0071】
これにより、ローラ82A及び脚部54によって補修装置50が支持されるため、検知部66及び放射部68が安定する。この状態で、検知部66によって、炭化室20の炉壁24の損傷部が検知され、又は放射部68から炭化室20の炉壁24の損傷部に補修材が放射される。
【0072】
なお、補修装置50の脚部54が炭化室20の炉床22に着地した状態で、駆動源によって補修装置50を炭化室20側へさらに移動させると、脚部54が炉床22上をスライドし、炭化室20の奥側へ移動する。これにより、補修装置50によって、炭化室20の奥側の炉壁24等も補修可能になる。
【0073】
炭化室20の炉壁24の補修が終了すると、制御部100は、移動装置80の駆動源を作動し、補修装置50を炭化室20と反対側へ移動させる。これにより、図1に示されるように、炭化室20から補修装置50が引き抜かれ、補修装置50が第一着地状態から初期状態に戻る。
【0074】
次に、補修装置50の脚部54を支持台72の受け部72Aに着地させた状態(第二着地状態)で、炭化室20内の窯口30側を補修する補修方法について説明する。
【0075】
図1に示される補修装置50の初期状態から炭化室20の窯口30側を補修する場合は、先ず、制御部100は、移動装置80の駆動源を作動し、複数のローラ82A,82B,82C,82D上の補修装置50を炭化室20側へ移動させる。これにより、図4に示されるように、補修装置50の検知部66及び放射部68が窯口30から炭化室20内に挿入される。
【0076】
ここで、炭化室20内の窯口30側を補修する場合は、制御部100によって、移動装置80が第一状態から第二状態に切り替えられる。具体的には、補修装置50が炭化室20側へ移動すると、位置検出装置102から制御部100に脚部54の位置情報が出力される。制御部100は、位置検出装置102から出力された脚部54の位置情報に基づいて、脚部54が受け部72Aの上方に達したか否かを判定する。
【0077】
この際、制御部100は、位置検出装置102から出力された脚部54の位置情報が、予め記憶された受け部72Aの位置情報と一致した場合、脚部54が受け部72Aの上方に達したと判定する。一方、制御部100は、位置検出装置102から出力された脚部54の位置情報が、予め記憶された受け部72Aの位置情報と一致しない場合、脚部54が受け部72Aの上方に達していないと判定する。
【0078】
制御部100は、脚部54が受け部72Aの上方に達したと判定した場合、移動装置8を第一状態から第二状態に切り替える。具体的には、制御部100は、ローラ82A,82Bをそれぞれ支持する昇降機構84のアクチュエータ90を作動させ、ローラ82A,82Bの高さHを高さhに下げる(h<H)。
【0079】
これにより、補修装置50の重心Gに対して脚部54と反対側に位置するローラ82Cによって補修装置50が支持される。この結果、補修装置50がローラ82Cを支点として自重により前傾し、補修装置50の脚部54が支持台72の受け部72Aに着地される。つまり、補修装置50が、初期状態から第二着地状態に変移する。したがって、ローラ82C及び脚部54によって補修装置50が支持されるため、検知部66及び放射部68が安定する。
【0080】
また、補修装置50の脚部54が支持台72の受け部72Aに着地した状態では、補修装置50の放射部68が窯口30から炭化室20内に挿入される。この状態で、検知部66によって炭化室20内の窯口30側の炉壁24の損傷部が検知され、又は放射部68によって炭化室20内の窯口30側の炉壁24の損傷部に補修材が放射される。
【0081】
炭化室20の炉壁24の補修が終了すると、制御部100は、移動装置80を第二状態から第一状態に切り替える。具体的には、制御部100は、ローラ82A,82Bをそれぞれ支持する昇降機構84のアクチュエータ90を作動し、ローラ82A,82Bを上昇させ、ローラ82A,82Bの高さhを高さHに戻す。これにより、移動装置80が第二状態から第一状態に切り替えられる。
【0082】
この状態で、制御部100は、駆動源を作動し、補修装置50を炭化室20側へ移動させることにより、補修装置50の脚部54が炭化室20の炉床22に着地される。これにより、炭化室20の奥側が補修可能になる。一方、制御部100は、駆動源を作動し、補修装置50を炭化室20と反対側に移動させることにより、図1に示されるように、補修装置50が炭化室20から引き抜かれ、補修装置50が第二着地状態から初期状態に戻る。
【0083】
(効果)
次に、第一実施形態の効果について説明する。
【0084】
前述したように、本実施形態によれば、補修装置50の第一着地状態では、脚部54が炭化室20の炉床22に着地される。これにより、放射部68を安定させた状態で、放射部68から炭化室20の炉壁24に補修材を放射することができる。したがって、炭化室20の炉壁24に対する補修材の放射精度が高められる。
【0085】
また、補修装置50の第二着地状態では、脚部54が支持台72の受け部72Aに着地される。これにより、前述した第一着地状態と同様に、放射部68を安定させた状態で、放射部68から炭化室20の炉壁24に補修材を放射することができる。
【0086】
さらに、第二着地状態では、補修装置50の脚部54が、炭化室20の炉床22ではなく、支持台72の受け部72Aに着地される。これにより、第二着地状態では、第一着地状態と比較して、放射部68を炭化室20内の窯口30側に配置することができる。この結果、第二着地状態では、炭化室20の窯口30側の炉壁24に、放射部68から補修材を放射することができる。
【0087】
このように本態様では、補修装置50によって炭化室20の窯口30側を補修することができる。
【0088】
また、制御部100は、図4に示されるように、ローラ82A,82Bの高さHをローラ82C,82Dの高さHよりも低くし、補修装置50を前傾させることにより、補修装置50の脚部54を支持台72の受け部72Aに着地させる。
【0089】
このように本実施形態では、簡単な構成で、補修装置50の脚部54を支持台72の受け部72Aに着地させることができる。
【0090】
さらに、制御部100は、補修装置50の重心Gよりも炭化室20側に位置するローラ82Aの高さHを高さhに下げる(h<H)。これにより、補修装置50を自重により前傾させ、補修装置50の脚部54を支持台72の受け部72Aに着地させることができる。したがって、本実施形態では、省エネルギー化を図ることができる。
【0091】
また、制御部100は、補修装置50の前傾角度を調整するために、ローラ82Aとローラ82Cとの間に位置するローラ82Bの高さHを高さhに下げる(h<H)。これにより、補修装置50がローラ82C及び脚部54によって支持される。したがって、本実施形態では、補修装置50がローラ82B及び脚部54によって支持される場合と比較して、補修装置50の前傾角度が低減される。このように本実施形態では、補修装置50の前傾角度を調整することができる。
【0092】
なお、本実施形態では、補修装置50の脚部54を炭化室20の炉床22に着地させる場合に、ローラ82A,82Bの高さHを下げていない。しかし、例えば、図5に示される変形例のように、ローラ82A,82Bの高さHを下げることにより、補修装置50の脚部54を炭化室20の炉床22に着地させることも可能である。
【0093】
図5に示される変形例では、一例として、補修装置50の脚部54の中心(重心)が、炉床22における窯口30側の縁部22A付近に着地されている。この変形例では、例えば、炉床22の縁部22A付近の位置情報が制御部100(図2参照)に予め記憶されている。そして、制御部100は、位置検出装置102(図2参照)から出力された脚部54の位置情報に基づいて、脚部54の中心(重心)が炉床22の縁部22A付近の上方に達したか否かを判定する。
【0094】
制御部100は、脚部54が炉床22の縁部22Aの上方に達したと判定した場合、ローラ82A,82Bをそれぞれ支持する昇降機構84のアクチュエータ90を作動し、ローラ82A,82Bの高さHを高さh’に下げる(h’<H)。これにより、補修装置50がローラ82Cを支点として自重により前傾し、補修装置50の脚部54の中心が炉床22の縁部22A付近に着地される。この結果、補修装置50の検知部66及び放射部68が安定する。
【0095】
(第二実施形態)
次に、第二実施形態について説明する。なお、第二実施形態において、第一実施形態と同じ構成の部材等には、同符号を付して説明を適宜省略する。
【0096】
図6には、第二実施形態に係る炭化室補修機40が示されている。炭化室補修機40は、補修装置50と、台車70とを有している。
【0097】
(支持台)
台車70は、支持台72と、複数の支柱74と、移動装置80とを有している。支持台72は、第一フレーム110及び第二フレーム112を有している。第一フレーム110は、炭化室20の奥行方向に沿って配置されており、複数の支柱74によって支持されている。また、第一フレーム110は、移動装置80を支持している。この第一フレーム110の前側には、補修装置50の脚部54が着地される第二フレーム112が配置されている。
【0098】
第二フレーム112の後端部は、回動軸114を介して第一フレーム110の前端部に連結されている。回動軸114は、コークス炉10の横幅方向に沿って配置されている。この回動軸114を中心として、第二フレーム112が第一フレーム110に対して回動可能とされている。
【0099】
第二フレーム112の前端部には、炭化室20の炉床22の縁部22Aに係止される係止部116が設けられている。係止部116は、第二フレーム112の前端部から炭化室20側へ突出されている。
【0100】
ここで、第二フレーム112は、回動軸114を中心とした回動に伴って、展開状態と、退避状態とに切り替えられる。展開状態では、第二フレーム112が、第一フレーム110よりも炭化室20側へ位置される。
【0101】
より具体的には、図7に示されるように、展開状態では、第二フレーム112が第一フレーム110の延長上に配置されるとともに、補修装置50の脚部54よりも下側に配置される。この展開状態では、第二フレーム112の係止部116が、炭化室20の炉床22の縁部22Aに係止される。ここで、第二フレーム112の展開状態とは、第二フレーム112が第一フレーム110の延長上に配置されるとともに、補修装置50の脚部54よりも下側に配置された状態をいう。
【0102】
一方、図6に示されるように、退避状態では、第二フレーム112が第一フレーム110に対して上側へ回動され、展開状態よりも第一フレーム110側に位置される。また、退避状態では、炉床22の縁部22Aに対する係止部116の係止状態が解除される。ここで、第二フレーム112の退避状態とは、第二フレーム112が第一フレーム110に対して上側へ回動され、展開状態よりも第一フレーム110側に位置された状態をいう。
【0103】
なお、第二フレーム112は、手動で回動させても良いし、モータ等の駆動源によって回動させても良い。また、係止部116は、適宜省略可能である。
【0104】
(作業及び効果)
次に、第二実施形態の作業及び効果について説明する。
【0105】
図6に示されるように、本実施形態に係る炭化室補修機40によれば、支持台72は、第一フレーム110及び第二フレーム112を有している。第一フレーム110は、移動装置80を支持するとともに、窯口30の横幅方向に移動する。この第一フレーム110には、回動軸114を介して第二フレーム112が連結されている。第二フレーム112は、回動軸114を中心とした回動に伴って、展開状態と、退避状態とに切り替えられる。
【0106】
ここで、展開状態では、第二フレーム112が第一フレーム110よりも炭化室20側に位置する。そして、制御部100は、展開状態の第二フレーム112に補修装置50の脚部54を着地させ、補修装置50を初期状態から第二着地状態に変化させる。これにより、放射部68によって、炭化室20内の窯口30側の炉壁24に補修材を放射することができる。したがって、補修装置50によって炭化室20の窯口30側を補修することができる。
【0107】
また、展開状態では、第二フレーム112の係止部116が、炭化室20の炉床22の縁部22Aに係止される。これにより、第二フレーム112によって脚部54をより安定した状態で支持することができる。
【0108】
一方、図7に示されるように、退避状態では、第二フレーム112が展開状態よりも第一フレーム110側に位置する。また、炉床22の縁部22Aに対する係止部116の係止状態が解除される。これにより、一対のレール42に沿って台車70をコークス炉10の横幅方向に移動させた場合、コークス炉10に係止部116及び第二フレーム112が干渉することが抑制される。したがって、台車70及び補修装置50をコークス炉10の横幅方向に移動させることができる。
【0109】
このように本態様では、台車70及び補修装置50をコークス炉10の横幅方向に移動可能にしつつ、補修装置50によって炭化室20の窯口30側を補修することができる。
【0110】
(変形例)
次に、上記実施形態の変形例について説明する。なお、以下では、上記第一実施形態を例に各種の変形例について説明するが、これらの変形例は、上記第二実施形態にも適宜適用可能である。
【0111】
上記第一実施形態では、補修装置50の脚部54を支持台72の受け部72Aに着地させる場合、ローラ82A,82Bの高さHを高さhに下げた。しかし、補修装置50の脚部54を支持台72の受け部72Aに着地させる場合、例えば、ローラ82Aの高さHのみを下げ、ローラ82B及び脚部54によって補修装置50を支持しても良い。また、ローラ82A,82B,82Cの高さHを下げ、ローラ82D及び脚部54によって補修装置50を支持しても良い。
【0112】
また、補修装置50の脚部54を支持台72の受け部72Aに着地させる場合、例えば、ローラ82Aの高さHよりもローラ82C又はローラ82Dの高さHを高くすることにより、補修装置50を前傾させることも可能である。
【0113】
また、例えば、補修装置50の前端側に補修装置50の重心Gを調整する錘等を設け、補修装置50を前傾し易くしても良い。
【0114】
また、上記第一実施形態では、移動装置80には、4つのローラ82A,82B,82C,82Dが設けられている。しかし、移動機構には、少なくとも2つのローラを設けることができる。また、移動装置80は、ローラ82A,82B,82C,82Dに限らず、移動装置80の構成は、適宜変更可能である。また、昇降機構84の構成も適宜変更可能である。
【0115】
また、上記第一実施形態では、制御部100によって昇降機構84を作動させた。しかし、昇降機構84は、例えば、作業者が操作ボタン等によって作動させても良い。
【0116】
また、上記第一実施形態では、支持台72における前側の部位に受け部72Aが設けられている。しかし、支持台に対する受け部の位置は、適宜変更可能である。
【0117】
また、上記第一実施形態では、支持台72がレール42に沿ってコークス炉10の横幅方向に移動可能とされている。しかし、支持台72は、コークス炉10の横幅方向に移動しなくても良い。
【0118】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0119】
10 コークス炉
20 炭化室
22 炉床
30 窯口
40 炭化室補修機
50 補修装置
54 脚部
68 放射部
70 支持台
80 移動装置
82A ローラ(前側支持部)
82B ローラ(前側支持部)
82C ローラ(後側支持部)
82D ローラ(後側支持部)
110 第一フレーム
112 第二フレーム
114 回動軸
G 重心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7