(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】転圧コンクリート材料の配合方法及び転圧コンクリート
(51)【国際特許分類】
E01C 7/14 20060101AFI20231130BHJP
C04B 28/02 20060101ALI20231130BHJP
C04B 18/14 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
E01C7/14
C04B28/02
C04B18/14 A
(21)【出願番号】P 2020047809
(22)【出願日】2020-03-18
【審査請求日】2022-11-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】染谷 達也
(72)【発明者】
【氏名】木村 孝範
(72)【発明者】
【氏名】松林 重治
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 晴彦
【審査官】小林 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-226760(JP,A)
【文献】特開2011-001234(JP,A)
【文献】特開2007-212348(JP,A)
【文献】特開2015-067481(JP,A)
【文献】特開2012-148948(JP,A)
【文献】特開2019-060198(JP,A)
【文献】特開2012-233331(JP,A)
【文献】特開2012-219001(JP,A)
【文献】米国特許第05709824(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 1/00-17/00
E01C 19/00-19/52
E01C 21/00-23/24
C04B 2/00-32/02
C04B 40/00-40/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
結合材、骨材、及び水、並びに任意材料として混和剤を配合して転圧コンクリートを製造する際に、
前記結合材、前記骨材、前記水、及び前記混和剤の合計体積1m
3あたりに含有される前記結合材量B[kg/m
3]、当該合計体積1m
3あたりに含有される前記骨材体積Ag[L/m
3]、当該合計体積1m
3あたりに含有される前記水量W[kg/m
3]、及び当該合計体積1m
3あたりに含有される前記単位混和剤量Ad[kg/m
3]、並びにJIS A 1101:2014に基づいて測定されるスランプ値の関係と、
前記水量W[kg/m
3]に対する、前記結合材量B[kg/m
3]の比である水結合材比Rと、に基づいて、前記結合材、前記骨材、前記水、及び前記混和剤を配合
し、
前記水結合材比Rを4.0以上とし、
前記スランプ値を2.5cm以下とする、転圧コンクリート材料の配合方法。
【請求項2】
前記結合材量B[kg/m
3]、前記骨材体積Ag[L/m
3]、前記水量W[kg/m
3]、及び前記混和剤量Ad[kg/m
3]は、下記式(1)
-67.6+0.645×W+0.008×B+0.239×Ad-0.055×Ag≦2.5 ・・・(1)
を満足する、請求項1に記載の転圧コンクリート材料の配合方法。
【請求項3】
前記結合材は、普通ポルトランドセメントを含有し、
前記結合材量B[kg/m
3]、前記水量W[kg/m
3]、及び前記水結合材比Rは、下記式(2)
W=2×B/R ・・・(2)
を満足する、請求項1又は2に記載の転圧コンクリート材料の配合方法。
【請求項4】
前記結合材は、高炉セメントを含有し、
前記水量W[kg/m
3]、前記結合材量B[kg/m
3]、及び前記水結合材比Rは、下記式(3)
W=1.55×B/R ・・・(3)
を満足する、請求項1又は2に記載の転圧コンクリート材料の配合方法。
【請求項5】
前記結合材は、普通ポルトランドセメントを含有し、
前記結合材量Bは、330kg/m
3以上755kg/m
3以下であり、
前記骨材体積Agは、610L/m
3以上720L/m
3以下であり、
前記水量Wは、155kg/m
3以上170kg/m
3以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の転圧コンクリート材料の配合方法。
【請求項6】
前記結合材は、高炉セメントを含有し、
前記結合材量Bは、420kg/m
3以上750kg/m
3以下であり、
前記骨材体積Agは、610L/m
3以上700L/m
3以下であり、
前記水量Wは、150kg/m
3以上165kg/m
3以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の転圧コンクリート材料の配合方法。
【請求項7】
前記骨材は、鉄鋼スラグを含有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の転圧コンクリート材料の配合方法。
【請求項8】
結合材、骨材、及び水、並びに任意材料として混和剤を含有し、
前記結合材、前記骨材、前記水、及び前記混和剤の合計体積1m
3あたりに含有される前記結合材量B[kg/m
3]、当該合計体積1m
3あたりに含有される前記骨材体積Ag[L/m
3]、当該合計体積1m
3あたりに含有される前記水量W[kg/m
3]、及び当該合計体積1m
3あたりに含有される前記単位混和剤量Ad[kg/m
3]、並びにJIS A 1101:2014に基づいて測定されるスランプ値が、
予め求められた関係を有し、
前記水量W[kg/m
3]に対する、前記結合材量B[kg/m
3]の比である水結合材比Rが4.0以上であり、
前記スランプ値が2.5cm以下であ
り、
前記結合材は、普通ポルトランドセメントを含有し、
前記結合材量Bは、330kg/m
3
以上750kg/m
3
以下であり、
前記骨材体積Agは、610L/m
3
以上720L/m
3
以下であり、
前記水量Wは、155kg/m
3
以上170kg/m
3
以下である、転圧コンクリート。
【請求項9】
前記結合材は、普通ポルトランドセメントを含有し、
前記結合材量B[kg/m
3
]、前記水量W[kg/m
3
]、及び前記水結合材比Rは、下記式(5)
W=2×B/R ・・・(5)
を満足する、請求項8に記載の転圧コンクリート。
【請求項10】
結合材、骨材、及び水、並びに任意材料として混和剤を含有し、
前記結合材、前記骨材、前記水、及び前記混和剤の合計体積1m
3
あたりに含有される前記結合材量B[kg/m
3
]、当該合計体積1m
3
あたりに含有される前記骨材体積Ag[L/m
3
]、当該合計体積1m
3
あたりに含有される前記水量W[kg/m
3
]、及び当該合計体積1m
3
あたりに含有される前記単位混和剤量Ad[kg/m
3
]、並びにJIS A 1101:2014に基づいて測定されるスランプ値が、予め求められた関係を有し、
前記水量W[kg/m
3
]に対する、前記結合材量B[kg/m
3
]の比である水結合材比Rが4.0以上であり、
前記スランプ値が2.5cm以下であり、
前記結合材は、高炉セメントを含有し、
前記結合材量Bは、420kg/m
3
以上750kg/m
3
以下であり、
前記骨材体積Agは、610L/m
3
以上700L/m
3
以下であり、
前記水量Wは、150kg/m
3
以上165kg/m
3
以下である、転圧コンクリート。
【請求項11】
前記結合材は、高炉セメントを含有し、
前記水量W[kg/m
3
]、前記結合材量B[kg/m
3
]、及び前記水結合材比Rは、下記式(6)
W=1.55×B/R ・・・(6)
を満足する、請求項10に記載の転圧コンクリート。
【請求項12】
前記結合材量B[kg/m
3
]、前記骨材体積Ag[L/m
3
]、前記水量W[kg/m
3
]、及び前記混和剤量Ad[kg/m
3
]は、下記式(4)
-67.6+0.645×W+0.008×B+0.239×Ad-0.055×Ag≦2.5 ・・・(4)
を満足する、請求項8~11のいずれか1項に記載の転圧コンクリート。
【請求項13】
前記骨材は、鉄鋼スラグを含有する、請求項8~
12のいずれか1項に記載の転圧コンクリート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転圧コンクリート材料の配合方法及び転圧コンクリートに関する。
【背景技術】
【0002】
道路舗装は、アスファルト舗装とコンクリート舗装に大別される。アスファルト舗装は、施工から供用開始までの期間が短く、早期に交通開放が可能であるが、コンクリート舗装と比較して耐久性が低いという特徴を備える。そのため、製鉄所構内等の重車両が頻繁に走行する箇所等の高い荷重がかかる箇所においては、より耐久性が高いコンクリート舗装が有効である。コンクリート舗装は、アスファルト舗装に比べて初期コストは大きいが耐久性が高いため、重車両が頻繁に走行する道路では、ライフサイクルコストの点でアスファルト舗装よりも有利である。
【0003】
しかしながら、コンクリート舗装は、通常、28日の養生期間が必要であり、アスファルト舗装と比較して養生期間が長期であるため、普及が困難となっている。養生期間が短く、早期交通開放をするコンクリート舗装方法としては、例えば、コンクリートに用いられるセメント量を増加して、水の量を低減してコンクリートの強度を増加する方法、又は、転圧コンクリート舗装(RCCP:Roller Compacted Concrete Pavement)がある。
【0004】
コンクリートに用いられるセメント量を増加して、水の量を低減してコンクリートの強度を増加する方法では、単位セメント量B[kg/m3]に対する単位水量W[kg/m3]の比である水セメント比が低下し、流動性が低下する。この流動性低下を防止するためには、高価な材料である混和剤を多量に添加する必要がある。
【0005】
一方で、転圧コンクリート舗装は、通常の舗装用コンクリートよりも著しく単位水量の少ない硬練りのコンクリートをアスファルトフィニッシャ等で敷きならし、振動ローラ及びタイヤローラ等による転圧で締め固めて舗装する方法であり、通常のコンクリート舗装に比べて流動性が低くても施工可能である。また、多量の混和剤を添加する必要がなく、小さなコストで舗装可能である。
【0006】
このような転圧コンクリートに関し、特許文献1には、製鋼スラグ、高炉スラグ微粉末及び水を含み、前記製鋼スラグの単位量が2000kg/m3以上2600kg/m3以下、前記高炉スラグ微粉末の単位量が200kg/m3以上350kg/m3以下、前記水の単位量が70kg/m3以上110kg/m3以下であることを特徴とする鉄鋼スラグ含有組成物が開示されている。
【0007】
また、特許文献2には、粗骨材、細骨材、セメント及び水を含有する舗装材であって、前記粗骨材が、吸水率:1%以下かつ実積率:60%以上の高炉スラグであることを特徴とする転圧コンクリート舗装材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2015-196631号公報
【文献】特開2016-56089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1及び2に開示されている転圧コンクリート舗装材では、主要材料のおおよその配合が決められているが、材料変更などが生じた場合に転圧施工可能な配合や強度をあらかじめ予測することが困難である。
【0010】
また、転圧コンクリート舗装は、材料の配合が通常のコンクリートと大きく異なり、配合設計に経験と専門知識が必要とされる方法である。材料の配合が適切でない場合、施工性の低下、又は、高荷重に耐え得る十分な強度が得られない。
【0011】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、施工性に優れ、かつ早期の交通開放が可能な転圧コンクリートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、転圧コンクリート舗装に関し、材料として含有される結合材、骨材、及び水の量を適切な量とすることで、施工性が向上し、かつ、早期に高強度が得られる配合設定方法を知見した。具体的なコンクリートの配合指標として、スランプ値と施工後の養生期間7日で強度を用いた。一般的に求められる転圧コンクリート舗装のスランプ値は2.5cm以下であり、養生期間7日での強度を用いたのは、早期の交通開放を目的としたためである。曲げ強度として3.9N/mm2以上望ましくは4.5N/mm2以上であって、曲げ強度と一軸圧縮強度の比が1/5~1/7、28日の一軸圧縮強度と7日の一軸圧縮強度の比が1.5以上という関係に基づき、安全を見て、7日強度を4.5×7/1.5として、21.0N/mm2以上とした。
【0013】
本発明は上記のような知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
[1] 結合材、骨材、及び水、並びに任意材料として混和剤を配合して転圧コンクリートを製造する際に、
前記結合材、前記骨材、前記水、及び前記混和剤の合計体積1m3あたりに含有される前記結合材量B[kg/m3]、当該合計体積1m3あたりに含有される前記骨材体積Ag[L/m3]、当該合計体積1m3あたりに含有される前記水量W[kg/m3]、及び当該合計体積1m3あたりに含有される前記単位混和剤量Ad[kg/m3]、並びにJIS A 1101:2014に基づいて測定されるスランプ値の関係と、
前記水量W[kg/m3]に対する、前記結合材量B[kg/m3]の比である水結合材比Rと、に基づいて、前記結合材、前記骨材、前記水、及び前記混和剤を配合し、
前記水結合材比Rを4.0以上とし、
前記スランプ値を2.5cm以下とする、転圧コンクリート材料の配合方法。
[2] 前記結合材量B[kg/m3]、前記骨材体積Ag[L/m3]、前記水量W[kg/m3]、及び前記混和剤量Ad[kg/m3]は、下記式(1)
-67.6+0.645×W+0.008×B+0.239×Ad-0.055×Ag≦2.5 ・・・(1)
を満足する、[1]に記載の転圧コンクリート材料の配合方法。
[3] 前記結合材は、普通ポルトランドセメントを含有し、
前記結合材量B[kg/m3]、前記水量W[kg/m3]、及び前記水結合材比Rは、下記式(2)
W=2×B/R ・・・(2)
を満足する、[1]又は[2]に記載の転圧コンクリート材料の配合方法。
[4] 前記結合材は、高炉セメントを含有し、
前記水量W[kg/m3]、前記結合材量B[kg/m3]、及び前記水結合材比Rは、下記式(3)
W=1.55×B/R ・・・(3)
を満足する、[1]又は[2]に記載の転圧コンクリート材料の配合方法。
[5] 前記結合材は、普通ポルトランドセメントを含有し、
前記結合材量Bは、330kg/m3以上755kg/m3以下であり、
前記骨材体積Agは、610L/m3以上720L/m3以下であり、
前記水量Wは、155kg/m3以上170kg/m3以下である、[1]~[4]のいずれか1項に記載の転圧コンクリート材料の配合方法。
[6] 前記結合材は、高炉セメントを含有し、
前記結合材量Bは、420kg/m3以上750kg/m3以下であり、
前記骨材体積Agは、610L/m3以上700L/m3以下であり、
前記水量Wは、150kg/m3以上165kg/m3以下である、[1]~[4]のいずれか1項に記載の転圧コンクリート材料の配合方法。
[7] 前記骨材は、鉄鋼スラグを含有する、[1]~[6]のいずれか1項に記載の転圧コンクリート材料の配合方法。
[8] 結合材、骨材、及び水、並びに任意材料として混和剤を含有し、
前記結合材、前記骨材、前記水、及び前記混和剤の合計体積1m3あたりに含有される前記結合材量B[kg/m3]、当該合計体積1m3あたりに含有される前記骨材体積Ag[L/m3]、当該合計体積1m3あたりに含有される前記水量W[kg/m3]、及び当該合計体積1m3あたりに含有される前記単位混和剤量Ad[kg/m3]、並びにJIS A 1101:2014に基づいて測定されるスランプ値が、予め求められた関係を有し、
前記水量W[kg/m3]に対する、前記結合材量B[kg/m3]の比である水結合材比Rが4.0以上であり、前記スランプ値が2.5cm以下であり、
前記結合材は、普通ポルトランドセメントを含有し、
前記結合材量Bは、330kg/m
3
以上750kg/m
3
以下であり、
前記骨材体積Agは、610L/m
3
以上720L/m
3
以下であり、
前記水量Wは、155kg/m
3
以上170kg/m
3
以下である、転圧コンクリート。
[9] 前記結合材は、普通ポルトランドセメントを含有し、
前記結合材量B[kg/m
3
]、前記水量W[kg/m
3
]、及び前記水結合材比Rは、下記式(5)
W=2×B/R ・・・(5)
を満足する、[8]に記載の転圧コンクリート。
[10] 結合材、骨材、及び水、並びに任意材料として混和剤を含有し、
前記結合材、前記骨材、前記水、及び前記混和剤の合計体積1m
3
あたりに含有される前記結合材量B[kg/m
3
]、当該合計体積1m
3
あたりに含有される前記骨材体積Ag[L/m
3
]、当該合計体積1m
3
あたりに含有される前記水量W[kg/m
3
]、及び当該合計体積1m
3
あたりに含有される前記単位混和剤量Ad[kg/m
3
]、並びにJIS A 1101:2014に基づいて測定されるスランプ値が、予め求められた関係を有し、
前記水量W[kg/m
3
]に対する、前記結合材量B[kg/m
3
]の比である水結合材比Rが4.0以上であり、
前記スランプ値が2.5cm以下であり、
前記結合材は、高炉セメントを含有し、
前記結合材量Bは、420kg/m
3
以上750kg/m
3
以下であり、
前記骨材体積Agは、610L/m
3
以上700L/m
3
以下であり、
前記水量Wは、150kg/m
3
以上165kg/m
3
以下である、転圧コンクリート。
[11] 前記結合材は、高炉セメントを含有し、
前記水量W[kg/m
3
]、前記結合材量B[kg/m
3
]、及び前記水結合材比Rは、下記式(6)
W=1.55×B/R ・・・(6)
を満足する、[9]に記載の転圧コンクリート。
[12] 前記結合材量B[kg/m
3
]、前記骨材体積Ag[L/m
3
]、前記水量W[kg/m
3
]、及び前記混和剤量Ad[kg/m
3
]は、下記式(4)
-67.6+0.645×W+0.008×B+0.239×Ad-0.055×Ag≦2.5 ・・・(4)
を満足する、[8]~[11]のいずれか1項に記載の転圧コンクリート。
[13] 前記骨材は、鉄鋼スラグを含有する、[8]~[12]のいずれか1項に記載の転圧コンクリート。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、施工性に優れ、かつ早期の交通開放が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】重回帰分析結果に基づくスランプ予測値[cm]を横軸にとり、スランプ実績値[cm]を縦軸にとったときのグラフ図である。
【
図2】本実施例における水結合材比Rを横軸にとり、圧縮強度σ
7[N/mm
2]を縦軸にとったときのグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。以下に、本発明の一実施形態に係る転圧コンクリートについて説明する。
【0017】
<転圧コンクリート材料の配合方法>
本実施形態に係る転圧コンクリート材料の配合方法は、結合材、骨材、及び水、並びに任意材料として混和剤を配合して転圧コンクリートを製造する際に、結合材、骨材、水、及び混和剤の合計体積1m3あたりに含有される結合材量B[kg/m3]、当該合計体積1m3あたりに含有される骨材体積Ag[L/m3]、当該合計体積1m3あたりに含有される水量W[kg/m3]、及び当該合計体積1m3あたりに含有される単位混和剤量Ad[kg/m3]、並びにJIS A 1101:2014に基づいて測定されるスランプ値の関係と、水量W[kg/m3]に対する、結合材量B[kg/m3]の比である水結合材比Rと、に基づいて、結合材、骨材、水、及び混和剤を配合する。以下に、詳細に説明する。
【0018】
(結合材)
本実施形態に係る結合材は、水分が加えられることにより水和して硬化する。本実施形態に係る結合材は、十分な強度が得られれば、特段制限されず、例えば、ポルトランドセメント、混合セメント又はエコセメント等を用いることができる。ポルトランドセメントとしては、具体的には、JIS R 5210:2019に規定された、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中用熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、又は耐硫酸塩ポルトランドセメントを用いることができる。また、混合セメントとしては、具体的には、JIS R 5211:2019に規定された高炉セメント、JIS R 5213:2019に規定されたフライアッシュセメント、JIS R 5212:2019に規定されたシリカセメントを用いることができる。また、エコセメントとしては、具体的には、JIS R 5214:2019に規定されたエコセメントを用いることができる。本実施形態に係る結合材には、上述したセメントの他、ポルトランドセメントをベースにした膨張性のセメント、二成分系の低発熱セメント、三成分系の低発熱セメント、白色ポルトランドセメント、超微粒子セメントを用いることができる。また、本実施形態に係る結合材には、上述したものの他、各種規格で規定された結合材を使用することができる。本実施形態に係る結合材としては、上述したものを用いることができるが、本実施形態に係る結合材は、普通ポルトランドセメント又は高炉セメントを含有することが好ましい。結合材が普通ポルトランドセメントを含有することで、高い水結合材比が得られ、早期強度発現(早期交通解放)、結合材量の削減という効果が得られる。また、結合材が高炉セメントを含有することで、安価で長期強度発現という効果が得られる。
【0019】
また、結合材は、フライアッシュを含有してもよい。フライアッシュとしては、例えば、JIS A 6201:2015に規定された、フライアッシュI種、フライアッシュII種、フライアッシュIII種又はフライアッシュIV種等を用いることができる。フライアッシュが含有された結合材を用いて製造されたコンクリートは、フライアッシュの種類に応じて特性が変化する。例えばフライアッシュII種は、コンクリートの長期強度の増大、乾燥収縮の減少、ひび割れの原因となるアルカリシリカ反応の抑制、又は化学抵抗性の向上を可能にし、更に、ワーカビリティの向上又は単位水量の減少を可能とする。
【0020】
また、結合材は、高炉スラグを含有してもよい。結合材が高炉スラグを含有する場合、その結合材は、フライアッシュを含有することが好ましい。高炉スラグ及びフライアッシュが含有された結合材を用いて製造されたコンクリートは、長期強度が増大し、また、化学抵抗性が向上する。
【0021】
(骨材)
本実施形態に係る骨材は、強固な噛み合わせにより粒子の摩擦抵抗による強度寄与と結合材の削減につながる。本実施形態に係る骨材としては、例えば、JIS A 5011-1:2018に規定された高炉スラグ骨材、JIS A 5011-2:2016に規定されたフェロニッケルスラグ骨材、JIS A 5011-3:2016に規定された銅スラグ骨材、若しくはJIS A 5011-4:2018に規定された電気炉酸化スラグ骨材、又はJIS A 5005:2009に規定されたコンクリート用砕石及び砕砂を用いることができる。本実施形態に係る骨材には、上述したものの他、各種規格で規定された骨材を使用することができる。
【0022】
本実施形態に係る転圧コンクリートに用いられる骨材には、特に鉄鋼の製造工程において発生する鉄鋼スラグを含有することが好ましい。骨材が鉄鋼スラグを含有することで、製鉄所で大量に発生する鉄鋼スラグの有効利用が可能となり、天然材の保護につながる。鉄鋼スラグを含有する骨材としては、例えば、上述したような、高炉スラグ骨材、電気炉酸化スラグ骨材等以外に転炉系製鋼スラグが挙げられる。
【0023】
(水)
本実施形態に係る水は、特段制限されず、例えば、上水道水が用いられてもよい。
【0024】
(混和剤)
本実施形態に係る転圧コンクリートは、必要に応じて、混和剤を含有してもよい。混和剤としては、例えば、AE剤(Air Entraining Agent:空気連行剤)、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、又は凝結遅延剤等が用いられてもよい。なお、転圧コンクリートにおいては施工上、流動性の確保は不要なため、混和剤は使用しなくてもよい。
【0025】
(水結合材比)
水結合材比Rは、結合材、骨材、水、及び混和剤の合計体積1m3当たりに含有される水の単位水量W[kg/m3]に対する、当該合計体積1m3当たりに含有される結合材の単位結合材量B[kg/m3]の比である。本実施形態に係る転圧コンクリートにおいて、水結合材比Rは、4.0以上である。水結合材比Rが、4.0以上であると、転圧コンクリート舗装後短期間で十分な強度が得られる。水結合材比Rが4.0未満であると、転圧コンクリート舗装後に、十分な強度を発現するまでの期間が長期間となり、短期間での交通開放ができない。水結合材比Rは、好ましくは、5.2以上であり、より好ましくは、6.0以上である。
【0026】
一方で、水結合材比Rが大きいほど、転圧コンクリートは、短期間で十分な強度を発現するため、上限は制限されないが、水結合材比Rが大きすぎると、単位セメント量が増加し高コストとなり、かつ細粒分が多いため締固めが困難となる場合がある。よって、水結合材比Rは、実質的には、10以下であればよい。なお、細粒分とは、呼び寸法75μmのふるいを通過するものをいい、本実施形態では、結合材として用いられる各種セメント、及び、骨材のうち上記ふるいを通過するサイズのものをいう。
【0027】
水結合材比Rは、コンクリートの短期強度発現に及ぼす水和反応の活性指標である強度指数SRを考慮して算出されることが好ましい。強度指数SRは、結合材の構成によって定められる値である。よって、水結合材比Rの算出に用いる結合材量として、単位結合材量Bに強度指数SRを乗じた換算結合材量B’(=SR×B)を用いることが好ましい。
上記より、水結合材比Rは、下記式(101)で表される。
R=B’/W=SR×B/W ・・・式(101)
【0028】
例えば、普通ポルトランドセメントの強度指数SRは2である。よって、結合材が普通ポルトランドセメントである場合、結合材比Rは、下記式(101’)で表される。
R=2×B/W ・・・式(101’)
【0029】
普通ポルトランドセメントを含有し、上記式(101’)により算出された結合材比Rが4.0以上となるように単位結合材量B及び単位水量Wを決定すれば、転圧コンクリート舗装後、より短期間で十分な強度を得ることが可能となる。
【0030】
複数の結合材が用いられる場合は、上記式(101)の強度指数SRは、用いられる複数の結合材に応じて決定すればよい。例えば、結合材が高炉セメントを含有する場合において、高炉セメントを構成する高炉スラグ微粉末の強度指数SRは1、普通ポルトランドセメントの強度指数SRは2である。一般的な高炉セメントB種は、高炉スラグ微粉末を45質量%、普通ポルトランドセメントを55質量%含有する。そのため、本実施形態に係る転圧コンクリートに含有される結合材が高炉セメントを含有する場合、この強度指数SRについて、質量換算をして、SR=1.55とすることができる。よって、結合材が高炉セメントを含有する場合、結合材比Rは、下記式(101’’)で表される。
R=1.55×B/W ・・・式(101’’)
【0031】
高炉セメントを含有し、上記式(101’’)算出された結合材比Rが4.0以上となるように単位結合材量B及び単位水量Wを決定すれば、転圧コンクリート舗装後、より短期間で十分な強度を得ることが可能となる。
【0032】
さらに、結合材がフライアッシュを含有する場合、フライアッシュの強度指数SRを0.35として、水結合材比Rが4.0以上となるように、単位結合材量B及び単位水量Wを決定すればよい。例えば、結合材が、普通ポルトランドセメント108kg/m3、高炉スラグ252kg/m3、及びフライアッシュ100kg/m3で構成される場合、換算結合材量B’は、(2×108+1×252+0.35×100)kg/m3と算出される。
【0033】
(スランプ値)
本実施形態に係る転圧コンクリートは、JIS A 1101:2014に基づいて評価されるスランプ値SLが2.5cm以下である。スランプ値SLが2.5cm以下であると、転圧コンクリート舗装の際に十分締め固められ、短期間で、高強度の転圧コンクリートとなる。
【0034】
スランプ値SLは、JIS A 1101:2014に基づいて評価される。具体的には、スランプコーンと呼ばれる円筒形の試験器具を、水平に設置した剛で水密性があり平滑な平板上に置いて押さえ、スランプコーンの内部に、試料をほぼ同一の量の3層に分けて詰める。その各層は、突き棒でならした後、25回一様に突く。スランプコーンに詰めたコンクリートの上面をスランプコーンの上端に合わせてならした後、直ちにスランプコーンを静かに鉛直に引き上げ、コンクリートの中央部において下がりを0.5cm単位で測定し、これをスランプ値とする。なお、スランプコーンは、上端内径が100mm、下端内径が200mm、高さが300mm、及び厚さが5mm以上の金属製とし、適切な位置に押さえと取手をつける。
【0035】
(配合検討)
本発明者らは、転圧コンクリートが含有する、結合材、骨材及び水、並びに転圧コンクリートが含有しうる混和剤の配合と、スランプ値SLと、の関係を調査し、低スランプ値となる転圧コンクリートの材料配合を検討した。表1に、転圧コンクリート材料の配合条件と、スランプ値を示す。なお、表1中、「FA」は、フライアッシュを示している。
【0036】
【0037】
表1に示す通りの各種配合におけるスランプ値について得られた結果に基づいて、各配合条件及びスランプ値の重回帰分析を行った。表2、3に重回帰分析結果を示し、
図1に、重回帰分析結果に基づくスランプ予測値[cm]を横軸にとり、スランプ実績値[cm]を縦軸にとったときのグラフ図を示す。
【0038】
【0039】
【0040】
転圧コンクリートのスランプ値と、単位結合材量、単位骨材量、単位水量及び単位混和剤量とは、強い相関を示すことが分かった。重回帰分析結果に基づくと、スランプ値SL[cm]、単位水量W[L/m3]、単位結合材量B[kg/m3]、単位混和剤量Ad[kg/m3]、及び単位骨材体積Ag[L/m3]は、下記式(102)
SL=-67.6+0.645×W+0.008×B+0.239×Ad-0.055×Ag ・・・式(102)
に基づいて予測可能である。
【0041】
したがって、単位水量W、単位結合材量B、単位混和剤量Ad、及び単位骨材体積Agは、下記式(103)
-67.6+0.645×W+0.008×B+0.239×Ad-0.055×Ag≦2.5 ・・・式(103)
を満足するように配合されることが好ましい。
【0042】
単位水量W、単位結合材量B、単位混和剤量Ad、及び単位骨材体積Agが、上記式(102)を満足するように定められることで、より短期間で十分な圧縮強度を発現し、より一層施工性に優れ、かつ早期の交通開放が可能な転圧コンクリートとなるような結合材、骨材、水、及び混和剤の配合設計を簡略化することが可能となる。
【0043】
さらに、単位水量W、単位結合材量B、単位混和剤量Ad、及び単位骨材体積Agが、上記式(102)を満足するように、転圧コンクリート材料の配合を定めることで、高価な混和剤の使用量を削減することができ、低コストでコンクリート舗装が可能となる。
【0044】
また、結合材、骨材、水、及び混和剤の合計体積1m3当たりに含有される単位骨材体積Ag[L/m3]は、単位水量W[L/m3]、単位結合材量B[kg/m3]、単位混和剤量Ad[kg/m3]、結合材の比重をρB、混和剤の比重をρAdとしたときに、下記式(104)、
Ag=1000-(W+B/ρB+Ad/ρAd) ・・・式(104)
に基づいて定められることが好ましい。
【0045】
単位骨材体積Agが上記式(104)に基づいて定められることで、施工性に優れ、かつ早期の交通開放が可能な転圧コンクリートとなるような配合設計をより簡便化することが可能となる。なお、上記式(104)のWには、水結合材比Rを任意の値として上記式(101)から算出される単位水量Wを用いることが好ましい。
【0046】
上記に基づき、本実施形態に係る転圧コンクリートが含有する、結合材、骨材、及び水の含有量、並びに本実施形態に係る転圧コンクリートが含有し得る混和剤の含有量の一例について説明する。
【0047】
結合材が普通ポルトランドセメントを含有する場合、結合材の含有量は、結合材、骨材、水及び混和剤の合計体積1m3あたり、330kg/m3以上755kg/m3以下であることが好ましい。結合材が普通ポルトランドセメントを含有する場合の結合材の含有量が、330kg/m3以上755kg/m3以下であれば、アスファルト舗装と同様なコストでコンクリート舗装時に十分に締固めが可能になり、早期解放が可能となる。結合材の含有量は、結合材が普通ポルトランドセメントを含有する場合、より好ましくは、350kg/m3以上600kg/m3以下である。
【0048】
結合材が高炉セメントを含有する場合、結合材の含有量は、結合材、骨材、水及び混和剤の合計体積1m3あたり、420kg/m3以上750kg/m3以下であることが好ましい。結合材が高炉セメントを含有する場合の結合材の含有量が、420kg/m3以上750kg/m3以下であれば、アスファルト舗装と同様なコストでコンクリート舗装時に十分に締固めが可能になり、早期解放が可能となる。結合材の含有量は、結合材が高炉セメントを含有する場合、より好ましくは、420kg/m3以上600kg/m3以下である。
【0049】
骨材の含有量は、結合材が普通ポルトランドセメントを含有する場合、結合材、骨材、水及び混和剤の合計体積1m3あたり、610L/m3以上720L/m3以下であることが好ましい。結合材が普通ポルトランドセメントを含有する場合の骨材の含有量が、610L/m3以上720L/m3以下であれば、転圧コンクリート舗装時の締固めの施工性が向上する。骨材の含有量は、結合材が普通ポルトランドセメントを含有する場合、より好ましくは、650L/m3以上720L/m3以下である。
【0050】
骨材の含有量は、結合材が高炉セメントを含有する場合、結合材、骨材、水及び混和剤の合計体積1m3あたり、610L/m3以上700L/m3以下であることが好ましい。結合材が高炉セメントを含有する場合の骨材の含有量が、610L/m3以上700L/m3以下であれば、転圧コンクリート舗装時の締固めの施工性が向上する。骨材の含有量は、結合材が高炉セメントを含有する場合、より好ましくは、650L/m3以上700L/m3以下である。
【0051】
単位骨材体積Agは、転圧コンクリートが含有する細粒分の量を考慮して定められてもよい。少なくとも締固めが充分行える細粒分の含有率は、質量基準で30%程度であり、これより細粒分の含有率が低い場合、締固めがし易くなる。この場合において、単位骨材体積Agは、600L以上/m3が好ましい。
【0052】
本実施形態に係る転圧コンクリートにおける水の含有量は、所定の強度とスランプを満足させ、上記式(103)を満足するように水の含有量を定めると、実質的に、150kg/m3以上170kg/m3以下となる。
【0053】
混和剤の含有量は、その種類に応じて適宜定められてよい。なお、混和剤は、本実施形態に係る転圧コンクリートには、必須の材料ではないため、その含有量の下限値は、結合材、骨材、水及び混和剤の合計体積1m3あたり0kg/m3である。
【0054】
本実施形態によれば、施工性に優れ、転圧施工可能なスランプの確保が可能となり、かつ早期の交通開放が可能となる。
【実施例】
【0055】
以下に、実施例を示しながら、本発明の実施形態について、具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明のあくまでも一例であって、本発明が、下記の例に限定されるものではない。
【0056】
表4に示す材料を二軸ミキサーにより混合し、JIS A 1101:2014に基づいてスランプ値を測定した。また、混合された材料をサミットモールドと呼ばれるコンクリート供試体成形型枠に入れて、突き棒で突き固め、直径100mm、高さ200mmの供試体を作製した。作製された供試体について、7日間養生された供試体の圧縮強度を測定した。具体的には、一軸圧縮試験機を用いて、供試体を毎分1%の軸ひずみが生じるように連続して供試体に荷重をかけ、測定した軸ひずみと荷重から圧縮応力―軸ひずみ曲線を作成し、この圧縮応力―軸ひずみ曲線から得られる圧縮応力の最大値を圧縮強度とした。表4に示した「σ7」は、7日間養生された供試体の圧縮強度である。7日間養生された供試体の圧縮強度が21.0[N/mm2]以上であれば、早期に交通開放が可能である。
なお、表4中、「FA」は、フライアッシュを示している。また、表4に示す「水結合材比R」は、強度指数SRを考慮して算出された値であり、普通ポルトランドセメントの強度指数SRは2であり、高炉スラグ微粉末の強度指数SRは1であり、高炉セメントB種の強度指数SRは、1.55であり、フライアッシュの強度指数は、0.35である。
【0057】
【0058】
各配合条件における水結合材比Rと、7日間養生後の供試体の圧縮強度σ
7との関係を
図2に示す。
図2は、水結合材比Rを横軸にとり、圧縮強度σ
7[N/mm
2]を縦軸にとったときのグラフ図である。
【0059】
図2に示すように、水結合材比Rと圧縮強度σ
7との間には、高い相関があることがわかった。よって、水結合材比を制御することで、圧縮強度σ
7を推測することができることがわかった。その結果、より短期間で十分な圧縮強度を発現し、より一層施工性に優れ、かつ早期の交通開放が可能な転圧コンクリートとなるような結合材、骨材、水、及び混和剤の配合設計を簡略化することが可能となる。
【0060】
また、本発明例では、7日間養生された供試体の圧縮強度σ7が大きく、早期に交通開放が可能な転圧コンクリートが得られることが分かった。