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特許7393691情報処理装置,情報処理装置の制御方法及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】情報処理装置,情報処理装置の制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/472 20110101AFI20231130BHJP
   H04N 21/431 20110101ALI20231130BHJP
   H04N 5/93 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
H04N21/472
H04N21/431
H04N5/93
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022160420
(22)【出願日】2022-10-04
(62)【分割の表示】P 2021095844の分割
【原出願日】2017-01-20
(65)【公開番号】P2022176301
(43)【公開日】2022-11-25
【審査請求日】2022-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】笠原 健治
(72)【発明者】
【氏名】生井 智司
【審査官】川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-129724(JP,A)
【文献】特開2016-165043(JP,A)
【文献】特開2009-027236(JP,A)
【文献】特開2011-203821(JP,A)
【文献】特開2007-228334(JP,A)
【文献】特開2007-134771(JP,A)
【文献】特開2013-045274(JP,A)
【文献】特開2011-095972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 - 21/858
H04N 5/93
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
動画中から指定された代表要素の前記動画におけるタイムラインの時間に基づいて、前記代表要素に関連付けられた補助要素のうち、ユーザにより指定された回数に基づいて決定した補助要素を指定可能に提示
提示された補助要素から指定された補助要素に対応する位置から前記動画を再生させる
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、ユーザにより指定された回数が多い補助要素を、指定された回数が少ない補助要素よりも優先して提示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
プロセッサが、動画の中から指定された代表要素の前記動画におけるタイムラインの時間に基づいて、前記代表要素に関連付けられた補助要素のうち、ユーザにより指定された回数に基づいて決定した補助要素を指定可能に提示し、
プロセッサが、提示された補助要素から指定された補助要素に対応する位置から前記動画を再生させる、
情報処理方法。
【請求項4】
プロセッサに、動画の中から指定された代表要素の前記動画におけるタイムラインの時間に基づいて、前記代表要素に関連付けられた補助要素のうち、ユーザにより指定された回数に基づいて決定した補助要素を指定可能に提示させ、
プロセッサに、提示された補助要素から指定された補助要素に対応する位置から前記動画を再生させる、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムに関する。
本発明は、特に、ユーザの希望に適う位置からムービーを再生させる情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、動画像から選択される複数の代表画像を紙に印刷して提供する仕組みが開示されている。
特許文献1に記載のシステムは、対応する再生範囲を特定する紐付け情報をそれぞれ埋め込んだ複数の代表画像を印刷するとともに、当該紐付け情報を含む再生要求に応じて当該紐付け情報により指定される範囲の動画像をオンラインで再生させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-183255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシステムでは、動画像データを所定の分割基準で複数の動画ブロックに機械的に分割し、当該複数の動画ブロックからそれぞれ選択される代表画像に当該動画ブロック内で指定される再生範囲をそれぞれ紐付ける。
そのため、動画の閲覧を希望するユーザに再生開始位置を柔軟に指定させることができない。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ムービーの閲覧を希望するユーザに当該ムービーの再生開始位置を簡便に指定させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔A〕上記課題を解決するため、本発明の一態様である「情報処理装置」は、単数又は
複数の代表要素と該代表要素の抽出元のムービーを特定可能な特定情報とを関連付ける情報が提供された後に該特定情報を含む再生要求を受けた場合に該特定情報により特定されるムービーから抽出される複数の補助要素をユーザに提示する提示手段と、前記提示手段により提示された複数の補助要素のうちいずれかが前記ユーザに指定された場合に前記再生要求に応じて要求元に再生させるムービーの再生開始位置を該指定された補助要素を包む部分が再生されるように決定する決定手段と、を備える。
〔B〕上記課題を解決するため、本発明の一態様である「情報処理装置の制御方法」は、単数又は複数の代表要素と該代表要素の抽出元のムービーを特定可能な特定情報とを関連付ける情報が提供された後に該特定情報を含む再生要求を受けた場合に該特定情報により特定されるムービーから抽出される複数の補助要素をユーザに提示する提示ステップと、前記提示ステップにおいて提示された複数の補助要素のうちいずれかが前記ユーザに指定された場合に前記再生要求に応じて要求元に再生させるムービーの再生開始位置を該指定された補助要素を包む部分が再生されるように決定する決定ステップと、を含む。
〔C〕上記課題を解決するため、本発明の一態様である「制御プログラム」は、単数又は複数の代表要素と該代表要素の抽出元のムービーを特定可能な特定情報とを関連付ける情報が提供された後に該特定情報を含む再生要求を受けた場合に該特定情報により特定されるムービーから抽出される複数の補助要素をユーザに提示する提示機能と、前記提示機能により提示された複数の補助要素のうちいずれかが前記ユーザに指定された場合に前記再生要求に応じて要求元に再生させるムービーの再生開始位置を該指定された補助要素を包む部分が再生されるように決定する決定機能と、を情報処理装置のコンピュータに実現させる。
〔D〕上記課題を解決するため、本発明の一態様である「コンピュータ読取り可能な記録媒体」に記録される制御プログラムは、単数又は複数の代表要素と該代表要素の抽出元のムービーを特定可能な特定情報とを関連付ける情報が提供された後に該特定情報を含む再生要求を受けた場合に該特定情報により特定されるムービーから抽出される複数の補助要素をユーザに提示する提示機能と、前記提示機能により提示された複数の補助要素のうちいずれかが前記ユーザに指定された場合に前記再生要求に応じて要求元に再生させるムービーの再生開始位置を該指定された補助要素を包む部分が再生されるように決定する決定機能と、を情報処理装置のコンピュータに実現させる。
【0007】
上記〔A〕の「情報処理装置」には、下記の技術的限定を加えてもよい。また、同様の技術的限定を、上記〔B〕の「制御方法」,上記〔C〕の「制御プログラム」及び上記〔D〕の「記録媒体」が記録する制御プログラムに加えてもよい。
・前記提示手段が、提示される前記補助要素の数を徐々に増加させる。
・前記提示手段が、優先度の高い前記補助要素を優先的に提示する。
・オブジェクトの重要度を記憶手段に記憶させる手段をさらに備え、前記提示手段が、前記記憶手段を参照し、オブジェクトの重要度に応じた前記優先度の高い前記補助要素を優先的に提示する。
・前記提示手段により提示された複数の補助要素についてユーザに指定された回数を記憶手段に記憶させる手段をさらに備え、前記提示手段が、前記記憶手段を参照し、ユーザに指定された回数に応じた前記優先度の高い前記補助要素を優先的に提示する。
・前記提示手段が、提示される前記補助要素の数を時間の経過に応じて段階的に増加させる。
・前記提示手段が、提示される前記補助要素の数をユーザ操作に応じて段階的に増加させる。
・前記提示手段が、前記補助要素を抽出元の前記ムービーにおける出現順序を維持して提示する。
・前記提示手段が、前記特定手段により特定されるムービーのタイムラインに対応付けて前記複数の補助要素を提示し、前記決定手段が、前記指定された補助要素に対応する前記タイムライン上の位置を前記再生開始位置に決定する。
・前記代表要素は、フレームと該フレームの周辺の音声データに対応するテキストのうち少なくとも前者であり、前記補助要素は、前記代表要素でないフレーム又は前記代表要素でないテキストである。
【0008】
本明細書では、下記のように用語を用いる。
・「ムービー」は、複数のフレームと音声データとを少なくとも包含する。
・「フレーム」とは、ムービーを構成する静止画像をいう。
・「要素」は、ムービーを構成するフレーム,ムービーを構成する音声データに対応するテキストを少なくとも含む。
・「ユーザ操作」は、画面上の指示位置を連続的に入力する位置入力装置(例えば、タッチパネル,マウス,タッチパッド等)を用いて行われる。
・「周辺」とは、ムービーのタイムライン上で出現位置が近いことをいう。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ムービーの閲覧を希望するユーザに当該ムービーの再生開始位置を簡便に指定させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】先行情報の一例の説明図である。(実施例)
図2】先行情報の他の一例の説明図である。(実施例)
図3】ネットワーク構成例の説明図である。(実施例)
図4】ユーザ装置のハードウェア構成例の説明図である。(実施例)
図5】サーバ装置のハードウェア構成例の説明図である。(実施例)
図6】コンテンツ管理システム及び動画配信システムの機能構成例の説明図である。(実施例)
図7】管理データの項目例の説明図である。(実施例)
図8】先行情報提供手順の説明図である。(実施例)
図9】動画配信手順の説明図である。(実施例)
図10】指示画面の表示例の説明図である。(実施例)
図11】指示画面の表示例の説明図である。(実施例)
図12】指示画面の表示例の説明図である。(実施例)
図13】指示画面の表示例の説明図である。(実施例)
【発明を実施するための形態】
【0011】
[1.実施形態]
[1-1.概要]
本実施形態は、ムービーから抽出可能な代表要素がレイアウトされる先行情報を見たユーザからの求めに応じて、当該ユーザの希望に適う位置からムービーを再生させる情報処理システムに関する。
本実施形態では、ムービーの視聴を希望するユーザに再生開始位置を簡便に指定させるため、当該ムービーから抽出可能な要素のうち先行情報に含まれない補助要素を少なくとも当該ユーザに提示して所望の補助要素を当該ユーザに指定させる構成が採用されている。
【0012】
[1-2.情報処理装置]
本実施形態に係る情報処理システムを構成する情報処理装置は、単数又は複数の代表要素と該代表要素の抽出元のムービーを特定可能な特定情報とを関連付ける情報が提供された後に該特定情報を含む再生要求を受けた場合に該特定情報により特定されるムービーから抽出される複数の補助要素をユーザに提示する提示手段と、前記提示手段により提示された複数の補助要素のうちいずれかが前記ユーザに指定された場合に前記再生要求に応じ
て要求元に再生させるムービーの再生開始位置を該指定された補助要素を包む部分が再生されるように決定する決定手段と、を備える。
【実施例
【0013】
[2.実施例]
[2-1.概要]
本実施例は、ムービーから抽出可能な代表フレームがレイアウトされる先行情報にカメラを向けたユーザ端末からの再生要求に応じて、ユーザの希望に適う位置からムービーをストリーミング再生させる情報処理システムに関する。
本実施例では、ムービーの視聴を希望するユーザに再生開始位置を簡便に指定させるため、当該ムービーから抽出可能な音声に対応する補助テキストを少なくとも当該ユーザに提示して所望の補助テキストを当該ユーザに指定させる構成が採用されている。
【0014】
図1は、先行情報の一例である。
先行情報100は、あるムービーから抽出可能な代表フレーム110,120,130及び140がレイアウトされた用紙である。各代表フレームの隅には、当該ムービーと当該フレームとを特定可能なパラメータ付きURLが変換された二次元コード111,121,131及び141がそれぞれ重畳配置されている。
【0015】
図2は、先行情報の他の例である。
先行情報200は、あるムービーから抽出可能な代表フレーム210,220,230及び240がレイアウトされた画像である。各代表フレームの隅には、当該ムービーと当該フレームとを特定可能なパラメータ付きURLが変換された二次元コード211,221,231及び241がそれぞれ重畳配置されている。
【0016】
[2-2.ネットワーク構成]
図3は、実施例のシステムのネットワーク構成例を示す。
本実施例のシステムは、ユーザが使用するユーザ端末10と、コンテンツ管理サービスを提供するコンテンツ管理システム20と、動画配信サービスを提供する動画配信システム30と、を含む。
コンテンツ管理システム20は、ユーザ管理サーバ21とデータ処理サーバ22とデータ管理サーバ23とファイル管理サーバ24とストレージ25とを含む。動画配信システム30は、ファイル管理サーバ31と配信サーバ32とストレージ33とを含む。
【0017】
ユーザ端末10とユーザ管理サーバ21とは、通信ネットワーク40を通じてそれぞれデータの授受が可能である。ユーザ管理サーバ21及びデータ処理サーバ22は、データ管理サーバ23を介して、ストレージ25に記憶されるデータにそれぞれアクセス可能である。また、ユーザ管理サーバ21及びデータ処理サーバ22は、ファイル管理サーバ24を介して、ストレージ25に記憶されるデータにそれぞれアクセス可能である。
ユーザ端末10とファイル管理サーバ31及び配信サーバ32とは、通信ネットワーク40を通じてそれぞれデータの授受が可能である。ファイル管理サーバ31は、ストレージ33に記憶されるデータにアクセス可能である。また、配信サーバ32は、ファイル管理サーバ31を介して、ストレージ33に記憶されるデータにそれぞれアクセス可能である。
通信ネットワーク40は、インターネット(Internet),携帯電話網,無線WAN(Wireless Wide Area Network),無線LAN(Wireless Local Area Network),イーサネット(Ethernet)(登録商標)などの既存のネットワークのうち少なくともいずれかを含んでいてよい。
【0018】
[2-2-1.ユーザ端末]
ユーザ端末10は、所定のWebブラウザプログラムがインストールされたユーザ装置(コンピュータ)である。
本実施例のシステムでは、ユーザ装置として、Webブラウザプログラムをインストール可能な汎用の携帯装置(例えば、携帯電話,スマートフォン(smartphone),タブレット(tablet)端末,タブレットPC(personal computer),ウェアラブルデバイス(wearable device)など)や汎用の処理装置(例えば、PC(personal computer)など)を用いることができる。
【0019】
[2-2-2.コンテンツ管理システム]
コンテンツ管理システム20は、ユーザ管理サーバ21とデータ処理サーバ22とデータ管理サーバ23とファイル管理サーバ24とストレージ25とを含む。
ユーザ管理サーバ21は、Webサーバプログラム(HTTPデーモン(HyperText Transfer Protocol Daemon)ともいう。)がインストールされたサーバ装置(コンピュータ)である。
ユーザ管理サーバ21は、ユーザ端末10からの要求(リクエスト)に応じて、データ管理サーバ23を介してストレージ25から必要なデータを読み出し、ユーザ端末10に提供(レスポンス)する。また、ユーザ管理サーバ21は、ユーザ端末10からの要求(リクエスト)に応じて、ユーザ端末10から取得したデータを、データ管理サーバ23を介してストレージ25に書き込み、処理結果をユーザ端末10に提供(レスポンス)する。
なお、複数のサーバ装置を連携させてサーバシステムを構成し、ユーザ管理サーバ21の機能を分担させ又はユーザ管理サーバ21にかかる負荷を分散させてもよい。
【0020】
データ処理サーバ22は、アプリケーションプログラムがインストールされたサーバ装置(コンピュータ)である。
データ処理サーバ22は、ファイル管理サーバ24を介してストレージ25から必要なデータを読み出し、これに演算・加工を施し、演算・加工済みのデータをデータ管理サーバ23を介してストレージ25に書き込む。また、データ処理サーバ22は、データ管理サーバ23を介してストレージ25から必要なデータを読み出し、これに演算・加工を施し、演算・加工済みのデータを出力する。
なお、複数のサーバ装置を連携させてサーバシステムを構成し、データ処理サーバ22の機能を分担させ又はデータ処理サーバ22にかかる負荷を分散させてもよい。
【0021】
データ管理サーバ23は、DB(Database)サーバプログラムがインストールされたサーバ装置(コンピュータ)である。データ管理サーバ23は、内蔵する又は外部の接続可能なストレージ25とともにDBMS(Database Management System)を構成する。
データ管理サーバ23は、例えば、データの格納要求に応じ要求元から取得されるデータをストレージ25に格納する機能と、データの抽出要求に応じストレージ25から抽出されるデータを要求元に応答する機能とを有する。
なお、複数のサーバ装置を連携させてサーバシステムを構成し、データ管理サーバ23の機能を分担させ又はデータ管理サーバ23にかかる負荷を分散させてもよい。
【0022】
ファイル管理サーバ24は、ファイルサーバプログラムがインストールされたサーバ装置(コンピュータ)である。
ファイル管理サーバ24は、例えば、データの格納要求に応じ要求元から取得されるデータをストレージ25に格納する機能と、データの抽出要求に応じストレージ25から抽出されるデータを要求元に応答する機能とを有する。
なお、複数のサーバ装置を連携させてサーバシステムを構成し、ファイル管理サーバ24の機能を分担させ又はファイル管理サーバ24にかかる負荷を分散させてもよい。
【0023】
ストレージ25は、管理データ及びファイルデータを記憶する記憶装置である。
なお、複数の記憶装置を用意し、ストレージ25が記憶するデータの種類ごとに別々に記憶させてもよい。またストレージ25が記憶するデータを複数の記憶装置に分散配置することも可能である。
【0024】
[2-2-3.動画配信システム]
動画配信システム30は、ファイル管理サーバ31と配信サーバ32とストレージ33とを含む。
ファイル管理サーバ31は、ファイルサーバプログラムがインストールされたサーバ装置(コンピュータ)である。
ファイル管理サーバ31は、例えば、データの格納要求に応じ要求元から取得されるデータをストレージ33に格納する機能と、データの抽出要求に応じストレージ33から抽出されるデータを要求元に応答する機能とを有する。
なお、複数のサーバ装置を連携させてサーバシステムを構成し、ファイル管理サーバ31の機能を分担させ又はファイル管理サーバ31にかかる負荷を分散させてもよい。
【0025】
配信サーバ32は、ストリーミング配信サーバプログラムがインストールされたサーバ装置(コンピュータ)である。
配信サーバ32は、ユーザ端末10からの要求(リクエスト)に応じて、ファイル管理サーバ31を介してストレージ33から必要なデータを読み出し、ユーザ端末10にストリーミング配信(レスポンス)する。
なお、複数のサーバ装置を連携させてサーバシステムを構成し、配信サーバ32の機能を分担させ又は配信サーバ32にかかる負荷を分散させてもよい。
【0026】
ストレージ33は、ファイルデータを記憶する記憶装置である。
なお、ストレージ33が記憶するデータを複数の記憶装置に分散配置することも可能である。
【0027】
[2-3.ハードウェア構成]
[2-3-1.ユーザ装置のハードウェア構成]
図4は、ユーザ装置のハードウェア構成例を示す。
典型的なユーザ装置は、制御処理部を構成するMPU(Micro-Processing Unit)411と、主記憶部を構成するRAM(Random Access Memory)421と、補助記憶部を構成するROM(Read Only Memory)422及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)423と、入力部及び表示部を構成するタッチパネルディスプレイ431と、音声出力部を構成するスピーカ432と、撮像部を構成するカメラ433と、通信制御部を構成するNIC(Network Interface Controller)441及び無線LAN(Local Area Network)チップ442と、を少なくとも有する。
【0028】
RAM421と、ROM422と、EEPROM423と、タッチパネルディスプレイ431と、スピーカ432と、カメラ433と、NIC441と、無線LANチップ442とは、バスラインを介してMPU411と接続される。
MPU411は、(1)ROM422又はEEPROM423に記憶されたプログラムをRAM421上に読み込み、(2)プログラムの指示に従ってタッチパネルディスプレイ431とEEPROM423とカメラ433とNIC441と無線LANチップ442との少なくともいずれかからデータを取得し、(3)取得したデータをプログラムに規定される手順で演算・加工した上で、(4)演算済み・加工済みのデータをEEPROM423とタッチパネルディスプレイ431とスピーカ432とNIC441と無線LANチップ442との少なくともいずれかに提供する。
【0029】
[2-3-2.サーバ装置のハードウェア構成]
図5は、サーバ装置のハードウェア構成例を示す。
典型的なサーバ装置は、MPUやROMを含む制御処理装置510と、RAMを含む主記憶装置520と、HDD(Hard Disc Drive)を含む補助記憶装置530と、マウスやキーボードを含む入力装置540と、ディスプレイやスピーカを含む出力装置550と、ネットワークカード(Network Interface Card)を含む通信制御装置560と、を有する。
【0030】
主記憶装置520、補助記憶装置530、入力装置540、出力装置550及び通信制御装置560は、バスラインを介して制御処理装置510とそれぞれ接続される。
制御処理装置510は、(1)補助記憶装置530に記憶されたプログラムを主記憶装置520上に読み込み、(2)プログラムの指示に従って入力装置540と補助記憶装置530と通信制御装置560との少なくともいずれかからデータを取得し、(3)取得したデータをプログラムに規定される手順で演算・加工した上で、(4)演算済み・加工済みのデータを補助記憶装置530と出力装置550と通信制御装置560との少なくともいずれかに提供する。
【0031】
[2-4.機能構成]
図6は、コンテンツ管理システム及び動画配信システムの機能構成例を示す。
図6に例示されるように、コンテンツ管理システム20は、ファイル管理部611と、ファイル記憶部612と、抽出部621と、登録部622と、出力部623と、データ管理部631と、データ記憶部632と、提示部641と、決定部642と、提供部643と、を含む。また、動画配信システム30は、配信部651と、ファイル管理部661と、ファイル記憶部662と、を含む。
【0032】
ファイル管理部611は、ファイル管理サーバ24を含んで構成される。ファイル記憶部612は、ストレージ25を含んで構成される。抽出部621,登録部622及び出力部623は、データ処理サーバ22を含んで構成される。データ管理部631は、データ管理サーバ23を含んで構成される。データ記憶部632は、ストレージ25を含んで構成される。提示部641,決定部642及び提供部643は、ユーザ管理サーバ21を含んで構成される。
配信部651は、配信サーバ32を含んで構成される。ファイル管理部661は、ファイル管理サーバ31を含んで構成される。ファイル記憶部662は、ストレージ33を含んで構成される。
【0033】
ユーザ管理サーバ21が担う機能は、サーバ装置向けOS(Operating System)と当該OS上で動作するWebサーバプログラムとがサーバ装置にそれぞれインストールされることにより実現される。
データ処理サーバ22が担う機能は、サーバ装置向けOSと当該OS上で動作するアプリケーションプログラムとがサーバ装置にそれぞれインストールされることにより実現される。
データ管理サーバ23が担う機能は、サーバ装置向けOSと当該OS上で動作するDBサーバプログラムとがサーバ装置にそれぞれインストールされることにより実現される。
ファイル管理サーバ24が担う機能は、サーバ装置向けOSと当該OS上で動作するファイルサーバプログラムとがサーバ装置にそれぞれインストールされることにより実現される。
【0034】
ファイル管理サーバ31が担う機能は、サーバ装置向けOSと当該OS上で動作するファイルサーバプログラムとがサーバ装置にそれぞれインストールされることにより実現される。
配信サーバ32が担う機能は、サーバ装置向けOSと当該OS上で動作するストリーミング配信サーバプログラムとがサーバ装置にそれぞれインストールされることにより実現される。
サーバ装置にインストールされるべきプログラムは、CD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disk),MOディスク(Magneto-Optical disk),フラッシュメモリ(flash memory)などの記録媒体に記録された状態で配布され当該記録媒体からサーバ装置に読み込まれてもよいし、通信ネットワークを介し搬送波に重畳させてサーバ装置に供給されてもよい。
【0035】
ファイル記憶部612には、ユーザ端末10又は動画配信システム30から取得されたムービーファイルが記憶される。データ記憶部632には、ムービー管理データが記憶される。
図7(a)は、ムービー管理情報の項目例を示す。
図7(a)に例示されるように、ムービー管理情報は、キー項目である「ムービーID」と、当該ムービーファイルのファイル記憶部612における格納位置を示す「ファイルパス」,当該ムービーに関する先行情報の提供をリクエストしたユーザを特定する「ユーザID」,当該リクエストを受け付けた時期を特定可能な「受付時期」,当該ムービーの「再生時間」と、を含む。
【0036】
抽出部621は、ファイル記憶部612に記憶されるムービーファイルをファイル管理部611を介して取得し、要素を抽出する。本実施例では、フレームと音声データとを抽出する。音声データは、音声認識処理により対応テキストに変換する。
登録部622は、抽出されたフレームをファイル管理部611を介してファイル記憶部612に記憶させる。また、登録部622は、フレーム管理情報及びテキスト管理情報をデータ管理部631を介してデータ記憶部632に登録する。
出力部623は、抽出されたフレームの中からユーザ操作に応じて又は自動的に選択される単数又は複数の代表フレームがレイアウトされた先行情報(図1図2)を生成してユーザに提供する。
【0037】
図7(b)は、フレーム管理情報の項目例を示す。
図7(b)に例示されるように、フレーム管理情報は、キー項目である「ムービーID」と、範囲の先頭を特定可能な「先頭位置」,範囲の末尾を特定可能な「末尾位置」,当該フレームを示す画像ファイルのファイル記憶部612における格納位置を示す「ファイルパス」,有意のとき代表要素であることを示す「代表フラグ」と、を含む。
【0038】
図7(c)は、テキスト管理情報の項目例を示す。
図7(c)に例示されるように、テキスト管理情報は、キー項目である「ムービーID」と、範囲の先頭を特定可能な「先頭位置」,範囲の末尾を特定可能な「末尾位置」,当該範囲に包含される音声に対する音声認識結果又はこれをユーザが編集した「対応テキスト」,指定された回数に相当する「優先度」と、を含む。
【0039】
提示部641は、指定ムービーから抽出可能なテキストのうち複数の補助テキストを、指定ムービーのタイムラインにそれぞれ対応付けて、ユーザに指定された回数が多い補助テキストほど優先して、徐々に提示する。補助テキストを増加させる契機は、所定のユーザ操作が検出されたことでもよいし、所定の時間が経過したことでもよい。
決定部642は、提示された補助テキストのうちいずれかが指定された場合に、指定された補助テキストに対応するタイムライン上の位置を指定ムービーの再生開始位置として決定する。このとき、決定部642はテキスト管理情報の「優先度」を更新する。
提供部643は指定ムービーと再生開始位置とをそれぞれ特定可能なURLを再生要求の要求元に提供する。
【0040】
ファイル記憶部662には、ムービーファイルが記憶される。
ファイル管理部661は、動画ファイルのアップデートをユーザ端末10から受け付ける。
配信部651は、再生要求において指定される指定ムービーのムービーファイルをファイル管理部661から読み出し、指定ムービーをストリーミング配信し再生させる。再生要求において再生開始位置が指定されている場合は、当該再生開始位置からストリーミング配信を開始する。
【0041】
[2-5.先行情報提供手順]
図8は、先行情報提供手順を例示する。コンテンツ管理システム20は、下記の手順により先行情報を提供する。
〔S810〕
ユーザ管理サーバ21が、ムービーファイルを取得する。
具体的には、ユーザの指定に基づき、動画配信システム30で管理されているムービーファイルがファイル管理サーバ31から取得され、ファイル管理サーバ24を介してストレージ25に格納される。この際、取得されたムービーファイルに関するムービー管理情報(図7(a))が生成され、データ管理サーバ23を介してストレージ25に登録される。
【0042】
〔S820〕
ユーザ管理サーバ21が、ムービーファイルから要素を抽出する。
具体的には、ストレージ25に記憶されるムービーファイルがファイル管理サーバ24を介して取得され、フレームと音声データとが抽出される。音声データは、音声認識処理によりテキストに変換される。テキストは、必要に応じてユーザに編集させてもよい。
【0043】
〔S830〕
ユーザ管理サーバ21が、先行情報を提供する。
具体的には、抽出されたフレームの中からユーザ操作に応じて又は自動的に選択される単数又は複数の代表フレームがレイアウトされた先行情報(図1図2)が生成され、ユーザに提供される。
【0044】
〔S840〕
ユーザ管理サーバ21が、管理情報を登録する。
具体的には、抽出されたフレームがファイル管理サーバ24を介してストレージ25に格納される。また、フレーム管理情報(図7(b))及びテキスト管理情報(図7(c))が生成され、データ管理サーバ23を介してストレージ25に登録される。
【0045】
[2-6.動画配信手順]
図9は、動画配信手順を例示する。コンテンツ管理システム20及び動画配信システム30は、下記の手順により動画を配信する。
〔S905〕
ユーザ管理サーバ21が、ムービーの再生要求をユーザ端末10から受領する。
具体的には、ユーザ端末10において次の手順で再生要求が送出される。なお、URLは、ムービーを特定可能なムービー特定情報と、先行情報における代表フレームを特定可能なパラメータとを包含する。
(1)先行情報に含まれる二次元コードを撮像する。
(2)撮像された二次元コードをURLに変換する。
(3)変換されたURLを指定してアクセスする。
【0046】
〔S910〕
ユーザ管理サーバ21が、指示画面をユーザ端末10に提供する。
図10は、指示画面の表示例を示す。
図10に例示されるように、指示画面1000は、タイムライン1010と、タイムライン1010に対応付けられる要素1022~1028と、ボタン1030と、を含む。
タイムライン1010に対応付けられる要素は、ムービーのある範囲から抽出されるフレーム1022aと、当該フレームが代表フレームであることを示すアイコン1024aと、当該範囲の先頭からの再生を指示するボタン1028aと、を含む。
代表フレーム1022aは、ステップS905において受領した再生要求に含まれるパラメータにより特定される。
【0047】
〔S915〕
ユーザ管理サーバ21が、指示画面内の要素の更新要求をユーザ端末10から受領する。
具体的には、指示画面を構成するWebページのロード完了を契機として、指示画面に表示される要素の更新要求が、ユーザ端末10からユーザ管理サーバ21へ非同期通信により送出される。
【0048】
〔S920〕
ユーザ管理サーバ21が、指示画面内の要素をユーザ端末10に更新させる。
図11は、更新後の指示画面の表示例を示す。
図11の表示例では、対応テキスト1026a,フレーム1022b,対応テキスト1026b,フレーム1022c,対応テキスト1026cと、これらに付随する要素と、が追加されている。
対応テキスト1026aは、代表フレームが抽出される範囲から抽出可能な音声に対応するテキストであり、先行情報に含まれない補助要素である。
フレーム1022b,対応テキスト1026b,フレーム1022c,対応テキスト1026cは、ムービーから抽出可能な要素のうち先行情報に含まれない補助要素である。また、これらは、相対的な優先度(本実施例では、指定される頻度)が高い範囲の補助要素である。
【0049】
〔S925〕
ユーザ管理サーバ21が、指示データをユーザ端末10から取得する。
具体的には、ボタン1030に対するタップ操作が検出された場合に、指示画面に表示される要素の更新要求が、ユーザ端末10からユーザ管理サーバ21へ非同期通信により送出される。また、「ここから再生」と表示されるボタン1028に対するタップ操作が検出された場合に、要素の指定データが、ユーザ端末10からユーザ管理サーバ21へ送出される。
なお、指示画面に表示される要素の更新要求は、時間の経過に応じてユーザ端末10から自動的に送出されるように構成してもよい。
【0050】
〔S930〕
ユーザ管理サーバ21が、指示データの内容に応じて処理を進める。
具体的には、取得された指示データが「要素の更新要求」であれば、上記ステップS920に戻る。一方、取得された指示データが「要素の指定」を示すデータであれば、下記ステップS935に進む。
【0051】
図11の指示画面がユーザ端末10に表示されている場合において、ボタン1030がタップされると、要素の更新要求がユーザ端末10からユーザ管理サーバ21に送出される。
図12は、ユーザ操作に応じた1回目の更新後の指示画面の表示例を示す。
図12の表示例では、フレーム1022d,対応テキスト1026d,フレーム1022e,対応テキスト1026eと、これらに付随する要素と、がさらに追加されている。
フレーム1022d,対応テキスト1026d,フレーム1022e,対応テキスト1026eは、相対的な優先度が低い補助要素である。
【0052】
図12の指示画面がユーザ端末10に表示されている場合において、ボタン1030がタップされると、要素の更新要求がユーザ端末10からユーザ管理サーバ21に送出される。
図13は、ユーザ操作に応じた2回目の更新後の指示画面の表示例を示す。
図13の表示例では、フレーム1022f,対応テキスト1026fと、これらに付随する要素と、がさらに追加されている。
フレーム1022f,対応テキスト1026fは、相対的な優先度がさらに低い補助要素である。
【0053】
〔S935〕
ユーザ管理サーバ21が、指定ムービーの再生開始位置を決定する。
具体的には、指定された補助要素が包含される範囲の「先頭位置」を再生開始位置に決定する。このとき、指定された補助要素に係るテキスト管理情報の「優先度」が更新される。
【0054】
〔S940〕
ユーザ管理サーバ21が、指定ムービーをストリーミング再生させるパラメータ付きURLをユーザ端末10に提供する。
具体的には、指定ムービーをストリーミング再生させるURLに決定された再生開始位置を特定可能なパラメータを付加したテキストを生成し、ユーザ端末10にリダイレクト先として提供する。
【0055】
〔S945〕
配信サーバ32が、再生要求をユーザ端末10から受領する。再生要求では、再生開始位置が指定される。
〔S950〕
配信サーバ32が、ユーザ端末10に指定ムービーを再生開始位置からストリーミング配信する。
【0056】
[3.変形例]
[3-1.優先度に関する変形例]
上記実施例では、ユーザにより指定された回数を「優先度」として利用する構成が採用されている。「優先度」は再生開始位置がユーザにより指定される度に更新される。
これに対し、「優先度」を予め定めておく構成を採用してもよい。例えば、人物等のオブジェクトに重要度を設定しておき、重要度の高いオブジェクトの映像や音声が記録されている範囲ほど「優先度」が高くなる構成することも可能である。この構成は、ムービーを視聴するユーザが限定されている場合に特に有効である。
【0057】
[3-2.情報処理の分担に関する変形例]
上記実施例では、各種のデータ処理をコンテンツ管理システム20(特にデータ処理サーバ22)が実行する構成が採用されている。ユーザ端末10は、コンテンツ管理システム20の入出力装置に相当する役割を担っている。
これに対し、これらのデータ処理の少なくとも一部をユーザ端末10が実行する構成が採用されてもよい。例えばムービーからフレームや音声を抽出する処理,抽出された音声
に音声認識処理を施して対応テキストを得る処理等をユーザ端末10に実行させればコンテンツ管理システム20(データ処理サーバ22)の処理負荷を抑えることが可能になる。
【符号の説明】
【0058】
10 ユーザ端末
20 コンテンツ管理システム
21 ユーザ管理サーバ
22 データ処理サーバ(情報処理装置の一例)
23 データ管理サーバ
24 ファイル管理サーバ
25 ストレージ
30 動画配信システム
31 ファイル管理サーバ
32 配信サーバ
33 ストレージ
40 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
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図6
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図10
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