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特許7393726情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231130BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20231130BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/30
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022041971
(22)【出願日】2022-03-17
(62)【分割の表示】P 2021539774の分割
【原出願日】2019-08-14
(65)【公開番号】P2022078319
(43)【公開日】2022-05-24
【審査請求日】2022-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】平本 憲由
(72)【発明者】
【氏名】高橋 和義
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-259908(JP,A)
【文献】特開2014-126948(JP,A)
【文献】特開2010-257326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G07C 9/00 - 9/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空港内での旅客の搭乗に関する手続における生体認証に用いられる前記旅客の登録生体情報を取得したデバイスに関する情報を取得する取得部と、
前記デバイスが設けられた手続エリアごとの前記登録生体情報の登録数を出力する出力部と、
を備え
前記取得部は、前記登録生体情報に対応する前記旅客の属性情報を取得し、
前記出力部は、前記属性情報ごとの前記登録数を出力する、情報処理装置。
【請求項2】
前記出力部は、前記登録数の推移に関する情報を出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記登録生体情報に対応するトークンIDを取得し、前記旅客の前記属性情報及び前記トークンIDを紐づけて記憶するデータベースを参照して、取得した前記トークンIDに紐づく前記属性情報を取得する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記手続が前記生体認証により実行されたことを示す履歴情報を取得し、
前記出力部は、前記手続エリアごとの前記履歴情報に基づいて、前記手続エリアにおける前記生体認証の利用率を出力する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記出力部は、複数の前記手続エリアのうち、前記手続が前記生体認証により実行されたことを示す履歴情報が同一の前記旅客について存在しない前記手続エリアを前記トークンIDに基づいて検出する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記履歴情報は、前記生体認証に用いられた端末の端末ID及び前記生体認証の処理結果を含み、
前記出力部は、前記端末IDごとの前記処理結果を集計して出力する、
請求項4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記出力部は、前記端末IDごとの前記処理結果に基づいて認証成功率が所定の閾値に満たない前記端末を検出する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記履歴情報は、前記空港内における前記端末の配置場所をさらに含み、
前記出力部は、前記配置場所ごとに前記処理結果を集計して出力する、
請求項6又は7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記出力部は、前記配置場所ごとの前記生体認証の認証精度を平均化した平均認証精度が所定の閾値に満たない前記配置場所の情報を出力する、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
所定期間における前記旅客の人数と、前記端末の設置台数と、前記手続の所要時間との関係を予め学習した学習モデルに基づいて前記手続における予測処理時間を出力する予測部、
をさらに備える請求項6乃至9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記予測部は、前記予測処理時間が所定の閾値を超える場合に、前記設置台数の変更を促す情報を出力する、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記出力部は、前記履歴情報及び前記手続が媒体の読取により実行されたことを示す他の履歴情報に基づく異なる種類の統計分析結果をダッシュボード形式で出力する、
請求項4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記取得部は、前記空港内において複数の前記手続エリアで前記旅客の搭乗に関する複数の前記手続が順番に実施される場合に、前記手続が前記生体認証により実行されたことを示す履歴情報及び前記手続が媒体の読取により実行されたことを示す他の履歴情報を前記手続エリアごとに取得し、
前記出力部は、前記履歴情報及び前記他の履歴情報に基づいて、所定期間において前記手続のために前記生体認証を利用した前記旅客の数及び比率の推移を前記手続エリアごとに出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
コンピュータが、空港内での旅客の搭乗に関する手続における生体認証に用いられる前記旅客の登録生体情報を取得したデバイスに関する情報を取得するステップと、
前記コンピュータが、前記デバイスが設けられた手続エリアごとの前記登録生体情報の登録数を出力するステップと、
を備え
前記取得するステップでは、前記コンピュータが、前記登録生体情報に対応する前記旅客の属性情報を取得し、
前記出力するステップでは、前記コンピュータが、前記属性情報ごとの前記登録数を出力する、情報処理方法。
【請求項15】
コンピュータに、
空港内での旅客の搭乗に関する手続における生体認証に用いられる前記旅客の登録生体情報を取得したデバイスに関する情報を取得するステップと、
前記デバイスが設けられた手続エリアごとの前記登録生体情報の登録数を出力するステップと、
を実行させ
前記取得するステップでは、前記登録生体情報に対応する前記旅客の属性情報を取得し、
前記出力するステップでは、前記属性情報ごとの前記登録数を出力する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、顔画像等の生体情報を搭乗券として用い、チケット媒体を提示することなく、複数の手続エリア(保安検査場、出国審査場、搭乗ゲート等)において生体認証により手続を行うチケットレス搭乗システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-79656号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に例示されているように、現行の空港において、旅客は生体認証による方法と、搭乗券等の記録媒体を端末装置で読み取らせる従来通りの方法のどちらかを自由に選択し、航空機への搭乗に関する手続を行っている。
しかし、空港内におけるスループットを向上させるために、旅客による生体認証の利用をさらに促進することが求められている。
【0005】
そこで、本発明は、上述の問題に鑑み、旅客の搭乗に関する手続における生体認証の利用を促進できる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの観点によれば、空港内での旅客の搭乗に関する手続における生体認証に用いられる前記旅客の登録生体情報を取得したデバイスに関する情報を取得する取得部と、前記デバイスが設けられた手続エリアごとの前記登録生体情報の登録数を出力する出力部と、を備え、前記取得部は、前記登録生体情報に対応する前記旅客の属性情報を取得し、前記出力部は、前記属性情報ごとの前記登録数を出力する、情報処理装置が提供される。
【0007】
本発明の他の観点によれば、コンピュータが、空港内での旅客の搭乗に関する手続における生体認証に用いられる前記旅客の登録生体情報を取得したデバイスに関する情報を取得するステップと、前記コンピュータが、前記デバイスが設けられた手続エリアごとの前記登録生体情報の登録数を出力するステップと、を備え、前記取得するステップでは、前記コンピュータが、前記登録生体情報に対応する前記旅客の属性情報を取得し、前記出力するステップでは、前記コンピュータが、前記属性情報ごとの前記登録数を出力する、情報処理方法が提供される。
【0008】
本発明のさらに他の観点によれば、コンピュータに、空港内での旅客の搭乗に関する手続における生体認証に用いられる前記旅客の登録生体情報を取得したデバイスに関する情報を取得するステップと、前記デバイスが設けられた手続エリアごとの前記登録生体情報の登録数を出力するステップと、を実行させ、前記取得するステップでは、前記登録生体情報に対応する前記旅客の属性情報を取得し、前記出力するステップでは、前記属性情報ごとの前記登録数を出力する、プログラムが提供される。

【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、旅客の搭乗に関する手続における生体認証の利用を促進できる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態における情報処理システムの全体構成例を示すブロック図である。
図2】第1実施形態におけるトークンID情報データベースが記憶する情報の一例を示す図である。
図3】第1実施形態における通過履歴情報データベースが記憶する情報の一例を示す図である。
図4】第1実施形態における認証履歴情報データベースが記憶する情報の一例を示す図である。
図5】第1実施形態における業務情報データベースが記憶する情報の一例を示す図である。
図6】第1実施形態における予約情報データベースが記憶する情報の一例を示す図である。
図7】第1実施形態における管理サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図8】第1実施形態におけるチェックイン端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図9】第1実施形態における自動手荷物預け機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図10】第1実施形態における保安検査装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図11】第1実施形態における自動化ゲート装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図12】第1実施形態における搭乗ゲート装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図13】第1実施形態における業務端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図14】第1実施形態における予約システム、チェックイン端末及び管理サーバの処理の一例を示すシーケンス図である。
図15】第1実施形態における自動手荷物預け機及び管理サーバの処理の一例を示すシーケンス図である。
図16】第1実施形態における保安検査装置及び管理サーバの処理の一例を示すシーケンス図である。
図17】第1実施形態における自動化ゲート装置及び管理サーバの処理の一例を示すシーケンス図である。
図18】第1実施形態における搭乗ゲート装置及び管理サーバの処理の一例を示すシーケンス図である。
図19】第1実施形態における予約システム、業務端末及び管理サーバの処理の一例を示すシーケンス図である。
図20】第1実施形態における管理サーバの処理の一例を示すフローチャートである。
図21】第1実施形態における管理サーバが出力する画面の一例を示す図である。
図22】第1実施形態における管理サーバが出力する画面の一例を示す図である。
図23】第1実施形態における管理サーバが出力する画面の一例を示す図である。
図24】第1実施形態における管理サーバが出力する画面の一例を示す図である。
図25】第1実施形態における管理サーバが出力する画面の一例を示す図である。
図26】第1実施形態における管理サーバが出力する画面の一例を示す図である。
図27】第2実施形態における学習処理に用いるニューラルネットワークを説明する概略図である。
図28】第2実施形態における管理サーバの処理の一例を示すフローチャートである。
図29】第2実施形態における管理サーバが出力する画面の一例を示す図である。
図30】第3実施形態における情報処理装置の全体構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の例示的な実施形態を説明する。図面において同様の要素又は対応する要素には同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化することがある。
【0012】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態における情報処理システム1の全体構成例を示すブロック図である。情報処理システム1は、空港Aにおいて利用者(以下、「旅客」ともいう。)Uの入出国時の審査手続に関する業務を管理及び支援するコンピュータシステムである。情報処理システム1は、例えば、入出国の管理局等の公的機関又はその機関から業務の委託を受けた受託者により運用される。予約システム2は、情報処理システム1とは異なり、航空会社に設けられたコンピュータシステムである。予約システム2は、搭乗予約情報を管理する予約情報データベース3を備えている。なお、図1では、説明の便宜上、予約システム2が1つのみ示されているが、予約システム2は複数の航空会社にそれぞれ設けられる。
【0013】
本実施形態の情報処理システム1では、共通の管理サーバ10に対して、チェックイン端末20、自動手荷物預け機30、保安検査装置40、自動化ゲート装置50及び搭乗ゲート装置60がネットワークNW1を介してそれぞれ接続される。
【0014】
同様に、各航空会社の予約システム2は、図示しないサーバに対して、チェックイン端末20、自動手荷物預け機30、保安検査装置40、自動化ゲート装置50及び搭乗ゲート装置60がネットワークNW2を介してそれぞれ接続される。係員S1~S5が使用する業務端末22(32、42、52、62)は、ネットワークNW1を介して管理サーバ10に、ネットワークNW2を介して予約システム2のサーバにそれぞれ接続される。なお、業務端末22(32、42、52、62)は、図示しないアクセスポイントを介してネットワークNW1及びNW2に接続されてもよい。
【0015】
ネットワークNW1及びNW2は、空港Aの構内通信網を含むLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、移動体通信網等により構成されている。接続方式は、有線方式に限らず、無線方式でもよい。ネットワークNW1及びNW2は、異なるネットワークである。すなわち、本実施形態において、情報処理システム1は、予約システム2とは直接接続されていないものとする。
【0016】
管理サーバ10は、例えば、空港Aを運営する空港会社等の施設内に設けられている。なお、管理サーバ10は、実際に業務が行われる施設内に設置されるサーバではなく、クラウドサーバとしてもよい。また、管理サーバ10は、単一のサーバである必要はなく、複数のサーバを含むサーバ群として構成されたものであってもよい。
【0017】
図1に示すように、空港Aにおける出国時の審査手続は、5箇所のタッチポイントP1~P5において順次実施される。以下、各装置とタッチポイントP1~P5との関係について説明する。
【0018】
チェックイン端末20は、空港A内のチェックインロビー(以下、「タッチポイントP1」という。)に設置されている。チェックイン端末20は、利用者Uが自身でチェックイン手続を行うためのセルフ端末である。また、業務端末22は、チェックインロビーの有人カウンタに設置されている。係員S1は、利用者Uのチェックイン手続を実施するために業務端末22を使用する。チェックイン手続は、航空機に搭乗予定の利用者Uを識別するための情報を登録する手続である。利用者Uは、タッチポイントP1における手続を完了すると、手荷物カウンタあるいは保安検査場に移動する。
【0019】
自動手荷物預け機30は、空港A内の手荷物カウンタ(以下、「タッチポイントP2」という。)に設置されている。自動手荷物預け機30は、利用者Uが自身で操作して、航空機内に持ち込まない手荷物を預ける手続(手荷物預け手続)を行うためのセルフ端末である。また、業務端末32は、有人の手荷物カウンタに設置されている。係員S3は、利用者Uの手荷物預け手続を実施するために業務端末32を使用する。利用者Uは、タッチポイントP2における手続を完了すると、保安検査場に移動する。なお、利用者Uが、手荷物を預けない場合には、タッチポイントP2での手続は省略される。
【0020】
保安検査装置40は、空港A内の保安検査場(以下、「タッチポイントP3」という。)に設置されている。保安検査装置40は、利用者Uについて金属探知機により危険物となりうる金属類を身につけているか否かを確認する装置である。なお、本実施形態における“保安検査装置”の語句は、金属探知機だけでなく、X線を用いて機内持ち込みの手荷物等の中の危険物の有無を確認するX線検査装置や、保安検査場の入口において利用者Uの通過可否を判定する旅客通過確認システム(Passenger Reconciliation System:PRS)の端末装置等も含む意味で使用する。チェックイン手続や自動手荷物預け手続を完了した利用者Uは、保安検査場において保安検査装置40による保安検査手続を受ける。利用者Uは、タッチポイントP3における手続を完了すると、出国審査場に移動する。
【0021】
自動化ゲート装置50は、空港A内の出国審査場(以下、「タッチポイントP4」という。)に設置されている。自動化ゲート装置50は、利用者Uの出国審査手続を自動的に行う装置である。また、業務端末52は、出国審査場の有人カウンタに設置されている。係員S4は、利用者Uの出国審査手続を行うために業務端末52を使用する。利用者Uは、タッチポイントP4における手続を完了すると、免税店や搭乗ゲートが設けられている出国エリアに移動する。
【0022】
搭乗ゲート装置60は、出国エリアの搭乗ゲート(以下、「タッチポイントP5」という。)ごとに設置された通行制御装置である。搭乗ゲート装置60は、利用者Uが搭乗ゲートから搭乗可能な航空機の搭乗者であることを確認する。また、業務端末62は、搭乗ゲートの有人カウンタに設置されている。係員S5は、利用者Uの航空機への搭乗手続を行うために業務端末62を使用する。利用者Uは、タッチポイントP5における手続を完了すると、航空機に搭乗し、出国する。
【0023】
図1に示すように、管理サーバ10は、トークンID情報DB11、通過履歴情報DB12、認証履歴情報DB13及び業務情報DB14を有している。なお、管理サーバ10が有するデータベースは、これらのデータベースに限られない。
【0024】
図2は、トークンID情報DB11が記憶する情報の一例を示す図である。トークンID情報DB11は、トークンID、グループID、特徴量、登録顔画像、トークン発行時刻、トークン発行デバイス名、無効フラグ及び無効化時刻をデータ項目としている。トークンIDは、ID情報を一意に識別する識別子である。本実施形態では、トークンIDは、タッチポイントP1において旅券から読み取られた旅券顔画像と旅券を所持する利用者Uを撮影した顔画像との照合結果が一致することを条件として一時的に発行される。そして、利用者UがタッチポイントP5(搭乗ゲート)での手続を終えたときに、トークンIDは無効化される。すなわち、トークンIDは、有効期間(ライフサイクル)を有するワンタイムIDである。
【0025】
グループIDは、ID情報をグループ分けするための識別子である。特徴量は、生体情報から抽出される値である。例えば、同伴者がいる場合や団体客の場合には、同じグループIDが設定される。登録顔画像は、利用者Uについて登録された顔画像である。本実施形態における生体情報の語句は、顔画像及び顔画像から抽出される特徴量を意味するものとする。なお、生体情報は、顔画像及び顔特徴量に限られない。すなわち、利用者Uの生体情報として、指紋画像、掌紋画像、耳介画像及び虹彩画像等を用いて生体認証を行ってもよい。
【0026】
トークン発行時刻は、管理サーバ10がトークンIDを発行した時刻である。トークン発行デバイス名は、トークンIDの発行の契機となった登録顔画像の取得元のデバイス名である。無効フラグは、トークンIDが現時点で有効であるか否かを示すフラグ情報である。無効フラグは、トークンIDが発行されると、トークンIDが有効な状態を示す“1”の値になる。また、無効フラグは、所定の条件を満たすと、トークンIDが無効な状態を示す“0”の値に更新される。無効化時刻は、無効フラグが無効化されたときのタイムスタンプである。
【0027】
図3は、通過履歴情報DB12が記憶する情報の一例を示す図である。通過履歴情報DB12は、通過履歴ID、通過タッチポイント、通過時間、デバイス名、業務システム種別、トークンID、予約番号及びエアラインコードをデータ項目としている。通過履歴IDは、通過履歴情報を一意に識別する識別子である。通過タッチポイントは、通過したタッチポイントP1~P5の名称である。通過時間は、利用者UがタッチポイントP1~P5を通過したときのタイムスタンプである。デバイス名は、タッチポイントP1~P5における手続に使用した業務端末の機体名称である。業務システム種別は、業務端末が属する業務システムの種別である。なお、管理サーバ10は、通過履歴情報をトークンID単位で抽出することにより、利用者Uがどのタッチポイントまでの手続を完了しているのかを把握できる。また、本実施形態において、予約番号及びエアラインコードは、搭乗券等の記録媒体を読取ることでタッチポイントでの手続を行った場合に、トークンIDの代わりに記録されるデータ項目である。すなわち、各タッチポイントP1~P5における手続が、生体認証による方法と、記録媒体を読取る従来通りの方法のどちらの方法で行われた場合でも、通過履歴情報DB12には、通過履歴情報が登録されるものとする。
【0028】
図4は、認証履歴情報DB13が記憶する情報の一例を示す図である。認証履歴情報DB13は、認証履歴ID、トークンID、認証タッチポイント、デバイス名、ロケーションID、認証スコア、認証処理時間及び認証結果(生体認証の成功/失敗)をデータ項目としている。認証履歴IDは、認証履歴情報を一意に識別する識別子である。認証タッチポイントは、認証処理を実行したタッチポイントの名称である。デバイス名は、タッチポイントP1~P5における生体認証に使用した端末装置の機体名称(デバイス情報)である。ロケーションIDは、タッチポイントP1~P5において端末装置が配置された区画を一意に識別する識別子(ロケーション情報)である。なお、認証履歴情報にはトークンIDが含まれているため、トークンIDをキーとして後述する業務情報DB14から旅客の属性情報を取得できる。また、認証履歴情報に旅客の属性情報(年齢/性別/会員区分/国籍等)を記録してもよい。
【0029】
図5は、業務情報DB14が記憶する情報の一例を示す図である。業務情報DB14は、トークンID、予約番号、エアラインコード、搭乗者名、出発地、目的地、便番号、運行年月日、座席番号、座席の等級(例えば、ファーストクラス/ビジネスクラス/エコノミークラス)、国籍、旅券番号、姓、名、生年月日、性別、会員区分、同伴者(例えば、乳児、幼児、要介助者等)の有無及び同伴者区分をデータ項目としている。予約番号は、航空機への搭乗の予約情報を一意に識別する識別子である。エアラインコードは、航空会社を一意に識別する識別子である。
【0030】
図6は、予約情報DB3が記憶する情報の一例を示す図である。予約情報DB3は、予約番号、エアラインコード、搭乗者名、出発地、目的地、便番号、運行年月日、座席番号、座席の等級、国籍、旅券番号、姓、名、生年月日、性別、会員区分、同伴者の有無及び同伴者区分をデータ項目としている。
【0031】
本実施形態においては、各タッチポイントの端末装置(チェックイン端末20等)は、利用者Uが提示した航空券媒体から予約番号及びエアラインコードを読取ると、エアラインコードに対応する航空会社の予約システム2に予約番号に基づいて搭乗予約情報の問い合わせを行うことができる。なお、予約システム2に対する搭乗予約情報の問い合わせの方法は、これに限られない。
【0032】
また、トークンID情報DB11に利用者UのトークンID及び顔画像が登録された後においては、予約情報DB3から取得した搭乗予約情報はトークンIDに関連付けられて業務情報DB14に登録される。これにより、各タッチポイントの端末装置は、トークンIDをキーとして業務情報DB14から搭乗予約情報を含む業務情報を取得し、各タッチポイントにおける手続に使用できる。
【0033】
続いて、図7乃至図13を参照しながら、情報処理システム1を構成する各機器のハードウェア構成例を説明する。なお、図7乃至図13において同一名称であって符号のみが異なる機器については、同等の機能を備える機器であるため、後続の図面においては詳細な説明を省略するものとする。
【0034】
図7は、管理サーバ10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。同図に示すように、管理サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、記憶装置103及び通信I/F104を有している。各装置は、バスライン105に接続されている。
【0035】
CPU101は、記憶装置103に記憶されたプログラムに従って所定の動作を行うとともに、管理サーバ10の各部を制御する機能を有するプロセッサである。RAM102は、揮発性記憶媒体から構成され、CPU101の動作に必要な一時的なメモリ領域を提供する。
【0036】
記憶装置103は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブ等の記憶媒体により構成され、記憶部として機能する。記憶装置103は、CPU101により実行されるプログラム、そのプログラムの実行の際にCPU101により参照されるデータ等を記憶する。
【0037】
通信I/F104は、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、4G等の規格に基づく通信インターフェースであり、チェックイン端末20等との通信を行うためのモジュールである。
【0038】
図8は、チェックイン端末20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。同図に示すように、チェックイン端末20は、CPU201、RAM202、記憶装置203、通信I/F204、入力装置206、表示装置207、媒体読取装置208及び生体情報取得装置209を有している。各装置は、バスライン205に接続されている。
【0039】
入力装置206は、例えばタッチパネル等のポインティングデバイスや、キーボード等である。表示装置207は、液晶表示装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)表示装置等であって、動画、静止画、文字等の表示に用いられる。本実施形態のチェックイン端末20では、入力装置206及び表示装置207は、タッチパネルとして一体に形成されているものとする。
【0040】
媒体読取装置208は、利用者Uの旅券又は航空券媒体を読み取り、旅券又は航空券に記録された情報を取得する装置である。航空券媒体としては、例えば、紙の航空券、eチケットの控えを表示する携帯端末等が挙げられる。媒体読取装置208は、例えば、コードリーダ、イメージスキャナ、非接触IC(Integrated Circuit)リーダ、OCR(Optical Character Reader)装置等により構成され、その読取部にかざされた各種媒体から情報を取得する。
【0041】
生体情報取得装置209は、利用者Uの生体情報として利用者Uの顔画像を取得する装置である。生体情報取得装置209は、例えば、チェックイン端末20の前に立つ利用者Uの顔を撮影するデジタルカメラであり、利用者Uの顔を撮影してその顔画像を取得する。
【0042】
図9は、自動手荷物預け機30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。同図に示すように、自動手荷物預け機30は、CPU301、RAM302、記憶装置303、通信I/F304、入力装置306、表示装置307、媒体読取装置308、生体情報取得装置309、手荷物搬送装置310及び出力装置311を有している。各装置は、バスライン305に接続されている。
【0043】
手荷物搬送装置310は、利用者Uの本人確認に成功した場合に、利用者Uが搭乗する航空機にその手荷物を積み込むために搬送する。手荷物搬送装置310は、利用者Uにより受け取り部に置かれて手荷物タグが付けられた手荷物を荷捌きに向けて搬送する。
【0044】
出力装置311は、預ける手荷物に付ける手荷物タグを出力する装置である。また、出力装置311は、目的地に到着した後に手荷物の引き換えに必要な手荷物引き換え証を出力する。なお、手荷物タグや手荷物引き換え証は、少なくとも旅券情報、搭乗情報のどちらかに関連付けられている。
【0045】
図10は、保安検査装置40のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。同図に示すように、保安検査装置40は、CPU401、RAM402、記憶装置403、通信I/F404、入力装置406、表示装置407、媒体読取装置408、生体情報取得装置409及び金属探知ゲート410を有している。各装置は、バスライン405に接続されている。
【0046】
金属探知ゲート410は、ゲート型の金属探知機であり、金属探知ゲート410を通過する利用者Uの身に付けている金属類を探知する。
【0047】
図11は、自動化ゲート装置50のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。自動化ゲート装置50は、CPU501、RAM502、記憶装置503、通信I/F504、入力装置506、表示装置507、媒体読取装置508、生体情報取得装置509及びゲート511を有している。各装置は、バスライン505に接続されている。なお、入国審査場に配置される自動化ゲート装置50は、出国審査場に配置される自動化ゲート装置50と同様のハードウェア構成を備える。
【0048】
ゲート511は、自動化ゲート装置50における利用者Uの本人確認に成功して出国審査を利用者Uが通過した場合に、CPU501による制御に従って、待機時において利用者Uの通行を遮る閉鎖状態から、利用者Uの通行を許可する開放状態に移行する。ゲート511の方式は、特に限定されるものではなく、例えば、通路の片側又は両側から設けられたフラッパーが開閉するフラッパーゲート、3本バーが回転するターンスタイルゲート等である。
【0049】
図12は、搭乗ゲート装置60のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。同図に示すように、搭乗ゲート装置60は、CPU601、RAM602、記憶装置603、通信I/F604、入力装置606、表示装置607、生体情報取得装置609及びゲート611を有している。各装置は、バスライン605に接続されている。
【0050】
図13は、業務端末22、32、42、52、62のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。同図に示すように、業務端末22は、CPU221、RAM222、記憶装置223、通信I/F224、入力装置226、表示装置227及び媒体読取装置228を有している。各装置は、バスライン225に接続されている。なお、業務端末32、42、52、62のハードウェア構成は、業務端末22と同様である。
【0051】
続いて、本実施形態における情報処理システム1における各装置の動作を図14乃至図26に基づいて説明する。
【0052】
[チェックイン手続]
図14は、予約システム2、チェックイン端末20及び管理サーバ10の処理の一例を示すシーケンス図である。この処理は、利用者Uがチェックイン端末20を用いてチェックイン手続を行うたびに実行される。
【0053】
先ず、チェックイン端末20は、利用者Uの旅券が媒体読取装置208の読取部(不図示)にかざされたか否かを判定し(ステップS101)、旅券がかざされるまで待機する(ステップS101、NO)。
【0054】
次に、チェックイン端末20は、旅券が媒体読取装置208の読取部にかざされたと判定すると(ステップS101、YES)、かざされた旅券から利用者Uの旅券情報を取得する(ステップS102)。取得された旅券情報には、利用者Uの旅券顔画像、本人確認情報、旅券番号、旅券発行国の情報等が含まれる。
【0055】
次に、チェックイン端末20は、生体情報取得装置209により利用者Uの顔を撮影し(ステップS103)、顔画像、旅券情報、チェックイン端末20のデバイス情報及びロケーション情報を管理サーバ10へ送信する(ステップS104)。なお、顔画像を撮影する前に、利用者Uの同意を得るための画面を表示すると好適である。
【0056】
管理サーバ10は、チェックイン端末20から情報を受信すると、利用者Uの旅券に記録された顔画像(以下、「旅券顔画像」という。)と、チェックイン端末20で撮影された顔画像(以下、「対象顔画像」という。)を1対1で照合する(ステップS105)。
【0057】
次に、管理サーバ10は、認証履歴IDを発行するとともに、認証履歴ID、認証スコア、認証処理時間及び認証結果を関連付けた認証履歴情報を認証履歴情報DB13へ登録する(ステップS106)。
【0058】
次に、管理サーバ10は、旅券顔画像と対象顔画像との照合結果が照合一致であると判定すると(ステップS107、YES)、トークンIDを発行する(ステップS108)。トークンIDは、例えば処理時の日時やシーケンス番号に基づいて固有な値に設定される。
【0059】
次に、管理サーバ10は、対象顔画像を登録顔画像として、トークンIDと登録顔画像との関係をトークンID情報DB11へ登録する(ステップS109)。また、管理サーバ10は、照合した利用者Uの認証履歴に対してトークンIDを追加するために、認証履歴情報DB13を更新する(ステップS110)。
【0060】
本実施形態において、現地で撮影した顔画像(対象顔画像)を登録顔画像とする理由としては、トークンIDの有効期間(ライフサイクル)が当日内に完結すること、撮影画像はその後の認証プロセスで撮影した画像と品質(容姿)が旅券顔画像よりも近くなること、等が挙げられる。ただし、対象顔画像(撮影顔画像)の代わりに、旅券顔画像を登録顔画像(登録生体情報)に設定してもよい。例えば、トークンIDのライフサイクルが長期にわたる場合(例えば、航空業において、会員ならば一定の有効期間だけトークンIDを有効にする場合等)には、旅券や免許証の顔画像を登録顔画像に設定するとよい。
【0061】
次に、管理サーバ10は、発行したトークンID及び照合一致の照合結果をチェックイン端末20へ送信する(ステップS111)。
【0062】
一方、管理サーバ10は、旅券顔画像と対象顔画像との照合結果が照合不一致であると判定すると(ステップS107、NO)、照合不一致の照合結果をチェックイン端末20へ送信する(ステップS112)。
【0063】
次に、チェックイン端末20は、管理サーバ10から受信した照合一致の照合結果に基づいて、チェックイン手続を実行できると判定した場合(ステップS113、YES)、処理はステップS114へ移行する。これに対し、チェックイン端末20は、管理サーバ10から受信した照合不一致の照合結果に基づいて、チェックイン手続を実行できないと判定した場合(ステップS113、NO)、利用者Uに対してエラーメッセージを通知する(ステップS115)。
【0064】
ステップS114において、チェックイン端末20は、利用者Uの航空券媒体が媒体読取装置208の読取部にかざされたか否かを判定する。チェックイン端末20は、航空券媒体がかざされるまで待機する(ステップS114、NO)。
【0065】
次に、チェックイン端末20は、航空券媒体が媒体読取装置208の読取部にかざされたと判定すると(ステップS114、YES)、かざされた航空券媒体から予約番号及びエアラインコード等の記録データを取得する(ステップS116)。
【0066】
次に、チェックイン端末20は、エアラインコードに対応する航空会社の予約システム2に対して記録データを送信し(ステップS117)、記録データと搭乗予約情報との照合を要求する。
【0067】
予約システム2は、チェックイン端末20からの記録データを受信すると、記録データと予約情報DB3に記録されている搭乗予約情報とを照合し(ステップS118)、その照合結果をチェックイン端末20へ送信する(ステップS119)。
【0068】
次に、チェックイン端末20は、予約システム2から照合一致の照合結果を受信すると、利用者Uの入力情報に基づいて旅程の確認や座席の選択等のチェックイン手続を実行する(ステップS120)。予約システム2における照合結果が不一致の場合には、チェックイン端末20は、チェックイン手続を実行せずに、エラーを通知するとよい。そして、チェックイン端末20は、トークンIDと、業務情報と、チェックイン端末20における手続完了を示す通過履歴情報とを管理サーバ10へ送信する(ステップS121)。また、通過履歴情報には、タッチポイントP1の通過時間と、手続に使用した端末のデバイス名等の情報が含まれるものとする。
【0069】
次に、管理サーバ10は、チェックイン端末20からの情報を受信すると、トークンIDとタッチポイントP1の通過情報との関係を示す通過履歴情報を通過履歴情報DB12へ登録する(ステップS122)。そして、管理サーバ10は、チェックイン端末20から受信した搭乗予約情報を含む業務情報を業務情報DB14に登録する(ステップS123)。
【0070】
このように、チェックイン手続において旅券から取得した旅券顔画像と照合一致である対象顔画像(撮影顔画像)を登録顔画像としてトークンID情報DB11へ登録するとともに、発行したトークンIDによって登録顔画像と業務情報DB14の業務情報とを関連付ける。これにより、後続の各タッチポイントでは、撮影した顔画像と登録顔画像との顔照合による生体認証が可能となる。
【0071】
[手荷物預け手続]
図15は、自動手荷物預け機30及び管理サーバ10の処理の一例を示すシーケンス図である。この処理は、チェックイン手続を完了した利用者Uが、必要に応じて手荷物預け手続を受けるときに実行される。
【0072】
自動手荷物預け機30は、装置の前を常時又は定期的に撮影し、撮影した画像中に自動手荷物預け機30の前に立つ利用者Uの顔が検出されたか否かを判定する(ステップS201)。自動手荷物預け機30は、生体情報取得装置309によって画像中に利用者Uの顔が検出されるまで待機する(ステップS201、NO)。
【0073】
自動手荷物預け機30は、生体情報取得装置309によって利用者Uの顔が検出されたと判定すると(ステップS201、YES)、その利用者Uの顔を撮影して、利用者Uの顔画像を対象顔画像として取得する(ステップS202)。
【0074】
次に、自動手荷物預け機30は、生体情報取得装置309により撮像された利用者Uの対象顔画像、自動手荷物預け機30のデバイス情報及びロケーション情報を照合要求とともに管理サーバ10へ送信する(ステップS203)。これにより、自動手荷物預け機30は、生体情報取得装置309により撮像された利用者Uの対象顔画像と、管理サーバ10のトークンID情報DB11に登録された複数の登録顔画像とを1対Nで照合することを管理サーバ10に対して要求する。
【0075】
管理サーバ10は、自動手荷物預け機30から対象顔画像及び照合要求等の情報を受信すると、利用者Uの顔画像の照合を行う(ステップS204)。すなわち、管理サーバ10は、自動手荷物預け機30から受信した対象顔画像と、トークンID情報DB11に登録された複数の登録顔画像とを1対Nで照合する。なお、照合先となる登録顔画像は、無効フラグの値が“1”(有効)であるトークンIDに関連付けられた画像に限るものとする。
【0076】
次に、管理サーバ10は、認証履歴IDを発行するとともに、認証履歴ID、デバイス情報、ロケーション情報、認証スコア、認証処理時間及び認証結果を関連付けた認証履歴情報を認証履歴情報DB13へ登録する(ステップS205)。なお、ステップS204における照合結果が照合一致の場合には、照合一致の登録顔画像に関連付けられたトークンIDを特定できるため、認証履歴情報にはトークンIDも含まれる。
【0077】
ここで、管理サーバ10が、照合結果は照合不一致であると判定すると(ステップS206、NO)、管理サーバ10は不一致の照合結果を自動手荷物預け機30へ送信し(ステップS209)、処理はステップS210に移行する。これに対し、管理サーバ10が、照合結果は照合一致であると判定すると(ステップS206、YES)、処理はステップS207に移行する。
【0078】
ステップS207において、管理サーバ10は、トークンID情報DB11において照合一致の登録顔画像に関連付けられたトークンIDをキーとして、業務情報DB14から予約番号等の搭乗予約情報を取得する。そして、管理サーバ10は、トークンID、搭乗予約情報及び照合結果を自動手荷物預け機30へ送信する(ステップS208)。
【0079】
次に、自動手荷物預け機30は、照合結果に基づいて手続を実行できると判定した場合(ステップS210、YES)、処理はステップS212へ移行する。
【0080】
これに対し、自動手荷物預け機30は、照合結果に基づいて手続を実行できないと判定した場合(ステップS210、NO)、利用者Uに対してエラーメッセージを通知する(ステップS211)。
【0081】
ステップS212において、自動手荷物預け機30は、管理サーバ10から受信した搭乗予約情報に基づいて利用者Uの手荷物預け手続の処理を実行する。
【0082】
次に、自動手荷物預け機30は、トークンIDと、業務情報と、顔画像の照合を経て利用者Uの手荷物預け手続が完了したことを示す通過履歴情報を管理サーバ10へ送信する(ステップS213)。なお、通過履歴情報には、タッチポイントP2の通過時間、使用した端末のデバイス名等の情報が含まれるものとする。
【0083】
管理サーバ10は、自動手荷物預け機30から情報を受信すると、トークンIDと利用者UのタッチポイントP2の通過情報との関係を示す通過履歴情報を通過履歴情報DB12へ登録する(ステップS214)。そして、管理サーバ10は、必要に応じて、自動手荷物預け機30から受信した業務情報を業務情報DB14へ登録する(ステップS215)。
【0084】
[保安検査手続]
図16は、保安検査装置40及び管理サーバ10の処理の一例を示すシーケンス図である。この処理は、チェックイン手続あるいは手荷物預け手続を完了した利用者Uが、保安検査手続を受けるときに実行される。
【0085】
保安検査装置40は、金属探知ゲート410の前を常時又は定期的に撮影し、撮影した画像中に金属探知ゲート410の前に立つ利用者Uの顔が検出されたか否かを判定する(ステップS301)。保安検査装置40は、生体情報取得装置409によって画像中に利用者Uの顔が検出されるまで待機する(ステップS301、NO)。
【0086】
保安検査装置40は、生体情報取得装置409によって利用者Uの顔が検出されたと判定すると(ステップS301、YES)、その利用者Uの顔を撮影して、利用者Uの顔画像を対象顔画像として取得する(ステップS302)。
【0087】
次に、保安検査装置40は、生体情報取得装置409により撮像された利用者Uの対象顔画像、保安検査装置40のデバイス情報及びロケーション情報を照合要求とともに管理サーバ10へ送信する(ステップS303)。これにより、保安検査装置40は、生体情報取得装置409により撮像された利用者Uの対象顔画像と、管理サーバ10のトークンID情報DB11に登録された複数の登録顔画像とを1対Nで照合することを管理サーバ10に対して要求する。
【0088】
管理サーバ10は、保安検査装置40から対象顔画像及び照合要求等を受信すると、利用者Uの顔画像の照合を行う(ステップS304)。すなわち、管理サーバ10は、保安検査装置40から受信した対象顔画像と、トークンID情報DB11に登録された複数の登録顔画像とを1対Nで照合する。なお、照合先となる登録顔画像は、無効フラグの値が“1”(有効)であるトークンIDに関連付けられた画像に限るものとする。
【0089】
次に、管理サーバ10は、認証履歴IDを発行するとともに、認証履歴ID、デバイス情報、ロケーション情報、認証スコア、認証処理時間及び認証結果を関連付けた認証履歴情報を認証履歴情報DB13へ登録する(ステップS305)。なお、ステップS304における照合結果が照合一致の場合には、照合一致の登録顔画像に関連付けられたトークンIDを特定できるため、認証履歴情報にはトークンIDも含まれる。
【0090】
ここで、管理サーバ10が、照合結果は照合不一致であると判定すると(ステップS306、NO)、管理サーバ10は照合不一致の照合結果を保安検査装置40へ送信し(ステップS309)、処理はステップS310に移行する。これに対し、管理サーバ10が、照合結果は照合一致であると判定すると(ステップS306、YES)、処理はステップS307に移行する。
【0091】
ステップS307において、管理サーバ10は、トークンID情報DB11において照合一致の登録顔画像に関連付けられたトークンIDをキーとして、業務情報DB14から予約番号等の搭乗予約情報を取得する。そして、管理サーバ10は、トークンID、搭乗予約情報及び照合結果を保安検査装置40へ送信する(ステップS308)。処理はステップS310へ移行する。
【0092】
次に、保安検査装置40は、照合結果に基づいて手続を実行できると判定した場合(ステップS310、YES)、処理はステップS312へ移行する。
【0093】
これに対し、保安検査装置40は、照合結果に基づいて手続を実行できないと判定した場合(ステップS310、NO)、利用者Uに対してエラーメッセージを通知する(ステップS311)。
【0094】
次に、保安検査装置40は、管理サーバ10から受信した搭乗予約情報に基づいて、利用者Uの保安検査処理を実行する(ステップS312)。保安検査処理において、CPU401は、保安検査装置40の各部を制御する。これにより、保安検査装置40は、金属探知ゲート410を通過する利用者Uの身に付けている金属類を探知する。金属探知ゲート410を通過した利用者Uは、出国審査場に向かう。
【0095】
次に、保安検査装置40は、トークンIDと、業務情報と、顔画像の照合を経て利用者Uの保安検査手続が完了したことを示す通過履歴情報を管理サーバ10へ送信する(ステップS313)。なお、通過履歴情報には、タッチポイントP3の通過時間、使用した端末のデバイス名等の情報が含まれるものとする。
【0096】
管理サーバ10は、保安検査装置40から情報を受信すると、トークンIDと利用者UのタッチポイントP3の通過情報との関係を示す通過履歴情報を通過履歴情報DB12へ登録する(ステップS314)。そして、管理サーバ10は、必要に応じて、保安検査装置40から受信した業務情報を業務情報DB14へ登録する(ステップS315)。
【0097】
[出国審査手続]
図17は、自動化ゲート装置50及び管理サーバ10の処理の一例を示すシーケンス図である。
【0098】
保安検査手続を完了した利用者Uは、出国審査場に向かい、自動化ゲート装置50で出国審査手続を受ける。自動化ゲート装置50及び管理サーバ10は、複数の利用者Uのそれぞれが出国審査手続を受けるたびに図17に示す処理を実行する。
【0099】
自動化ゲート装置50は、自動化ゲート装置50の前を常時又は定期的に撮影し、撮影した画像中に自動化ゲート装置50の前に立つ利用者Uの顔が検出されたか否かを判定する(ステップS401)。自動化ゲート装置50は、生体情報取得装置509によって画像中に利用者Uの顔が検出されるまで待機する(ステップS401、NO)。
【0100】
自動化ゲート装置50は、生体情報取得装置509によって利用者Uの顔が検出されたと判定すると(ステップS401、YES)、その利用者Uの顔を撮影して、利用者Uの顔画像を対象顔画像として取得する(ステップS402)。
【0101】
次に、自動化ゲート装置50は、生体情報取得装置509により撮像された利用者Uの対象顔画像、自動化ゲート装置50のデバイス情報及びロケーション情報を照合要求とともに管理サーバ10へ送信する(ステップS403)。これにより、自動化ゲート装置50は、生体情報取得装置509により撮像された利用者Uの対象顔画像と、管理サーバ10のトークンID情報DB11に登録された複数の登録顔画像とを1対Nで照合することを管理サーバ10に対して要求する。
【0102】
管理サーバ10は、自動化ゲート装置50から対象顔画像及び照合要求等を受信すると、利用者Uの顔画像の照合を行う(ステップS404)。すなわち、管理サーバ10は、自動化ゲート装置50から受信した対象顔画像と、トークンID情報DB11に登録された複数の登録顔画像とを1対Nで照合する。なお、照合先となる登録顔画像は、無効フラグの値が“1”(有効)であるトークンIDに関連付けられた画像に限るものとする。
【0103】
次に、管理サーバ10は、認証履歴IDを発行するとともに、認証履歴ID、デバイス情報、ロケーション情報、認証スコア、認証処理時間及び認証結果を関連付けた認証履歴情報を認証履歴情報DB13へ登録する(ステップS405)。なお、ステップS404における照合結果が照合一致の場合には、照合一致の登録顔画像に関連付けられたトークンIDを特定できるため、認証履歴情報にはトークンIDも含まれる。
【0104】
管理サーバ10が、照合結果は照合不一致であると判定すると(ステップS406、NO)、管理サーバ10は照合不一致の照合結果を自動化ゲート装置50へ送信し(ステップS409)、処理はステップS410に移行する。これに対し、管理サーバ10が、照合結果は照合一致であると判定すると(ステップS406、YES)、処理はステップS407に移行する。
【0105】
ステップS407において、管理サーバ10は、トークンID情報DB11において照合一致の登録顔画像に関連付けられたトークンIDをキーとして、業務情報DB14から予約番号等の搭乗予約情報を取得する。そして、管理サーバ10は、トークンID、搭乗予約情報及び照合結果を自動化ゲート装置50へ送信する(ステップS408)。処理はステップS410へ移行する。
【0106】
次に、自動化ゲート装置50は、照合結果に基づいて手続を実行できると判定した場合(ステップS410、YES)、処理はステップS412へ移行する。これに対し、自動化ゲート装置50は、照合結果に基づいて手続を実行できないと判定した場合(ステップS410、NO)、利用者Uに対してエラーメッセージを通知する(ステップS411)。例えば、“有人カウンタにて出国審査手続を行ってください。”等のメッセージを含む通知画面を表示装置507に表示する。
【0107】
次に、自動化ゲート装置50は、管理サーバ10から受信した搭乗予約情報に基づいて利用者Uの出国審査手続を実行し(ステップS412)、ゲート511を開放する(ステップS413)。タッチポイントP4を通過した利用者Uは、搭乗ゲートのある出国エリアに向かう。
【0108】
次に、自動化ゲート装置50は、トークンIDと、業務情報と、顔画像の照合を経て利用者Uの出国審査手続が完了したことを示す通過履歴情報を管理サーバ10へ送信する(ステップS414)。なお、通過履歴情報には、タッチポイントP4の通過時間、使用した端末のデバイス名等の情報が含まれるものとする。
【0109】
管理サーバ10は、自動化ゲート装置50から情報を受信すると、トークンIDと利用者UのタッチポイントP4の通過情報との関係を示す通過履歴情報を通過履歴情報DB12へ登録する(ステップS415)。そして、管理サーバ10は、必要に応じて、自動化ゲート装置50から受信した業務情報を業務情報DB14へ登録する(ステップS416)。
【0110】
[搭乗ゲートにおける搭乗チェック]
図18は、搭乗ゲート装置60及び管理サーバ10の処理の一例を示すシーケンス図である。この処理は、利用者Uが搭乗ゲートを通過するときに実行される。
【0111】
搭乗ゲート装置60は、装置の前を常時又は定期的に撮影し、撮影した画像中に搭乗ゲート装置60の前に立つ利用者Uの顔が検出されたか否かを判定する(ステップS501)。搭乗ゲート装置60は、生体情報取得装置609によって画像中に利用者Uの顔が検出されるまで待機する(ステップS501、NO)。
【0112】
搭乗ゲート装置60は、生体情報取得装置609によって利用者Uの顔が検出されたと判定すると(ステップS501、YES)、その利用者Uの顔を撮影して、利用者Uの顔画像を対象顔画像として取得する(ステップS502)。
【0113】
次に、搭乗ゲート装置60は、生体情報取得装置609により撮像された利用者Uの対象顔画像、搭乗ゲート装置60のデバイス情報及びロケーション情報を照合要求とともに管理サーバ10へ送信する(ステップS503)。これにより、搭乗ゲート装置60は、生体情報取得装置609により撮像された利用者Uの対象顔画像と、管理サーバ10のトークンID情報DB11に登録された複数の登録顔画像とを1対Nで照合することを管理サーバ10に対して要求する。
【0114】
管理サーバ10は、搭乗ゲート装置60から対象顔画像及び照合要求等を受信すると、利用者Uの顔画像の照合を行う(ステップS504)。すなわち、管理サーバ10は、搭乗ゲート装置60から受信した対象顔画像と、トークンID情報DB11に登録された複数の登録顔画像とを1対Nで照合する。なお、照合先となる登録顔画像は、無効フラグの値が“1”(有効)であるトークンIDに関連付けられた画像に限るものとする。
【0115】
次に、管理サーバ10は、認証履歴IDを発行するとともに、認証履歴ID、デバイス情報、ロケーション情報、認証スコア、認証処理時間及び認証結果を関連付けた認証履歴情報を認証履歴情報DB13へ登録する(ステップS505)。なお、ステップS504における照合結果が照合一致の場合には、照合一致の登録顔画像に関連付けられたトークンIDを特定できるため、認証履歴情報にはトークンIDも含まれる。
【0116】
管理サーバ10が、照合結果は照合不一致であると判定すると(ステップS506、NO)、管理サーバ10は照合不一致の照合結果を搭乗ゲート装置60へ送信し(ステップS509)、処理はステップS510に移行する。これに対し、管理サーバ10が、照合結果は照合一致であると判定すると(ステップS506、YES)、処理はステップS507に移行する。
【0117】
ステップS507において、管理サーバ10は、トークンID情報DB11において照合一致の登録顔画像に関連付けられたトークンIDをキーとして、業務情報DB14から予約番号等の搭乗予約情報を取得する。そして、管理サーバ10は、トークンID、搭乗予約情報及び照合結果を搭乗ゲート装置60へ送信する(ステップS508)。処理はステップS510へ移行する。
【0118】
次に、搭乗ゲート装置60は、照合結果に基づいて手続を実行できると判定した場合(ステップS510、YES)、処理はステップS512へ移行する。
【0119】
これに対し、搭乗ゲート装置60は、照合結果に基づいて手続を実行できないと判定した場合(ステップS510、NO)、利用者Uに対してエラーメッセージを通知する(ステップS511)。例えば、搭乗ゲート装置60は、“有人カウンタにて手続を行ってください。”等のメッセージを含む通知画面を表示装置607に表示する。
【0120】
ステップS512において、搭乗ゲート装置60は、予約システム2から搭乗予約情報を受信すると、搭乗予約情報に含まれる便番号、ゲート番号及び搭乗開始時刻等に基づいて利用者Uの搭乗チェックを実行する。搭乗ゲート装置60は、搭乗を許可する場合にはゲート611を開放する(ステップS513)。タッチポイントP5を通過した利用者Uは、航空機に搭乗する。なお、ステップS512において、搭乗ゲート装置60が搭乗を許可しない判定を行った場合には、ゲート611を開放せずに、利用者Uに対してエラーメッセージを通知するとよい。例えば、利用者Uがゲート611の番号を間違えた場合や、現在時刻が搭乗開始時刻に達していない場合等には、ゲート611は開放されない。
【0121】
次に、搭乗ゲート装置60は、トークンIDと、業務情報と、顔画像の照合を経て利用者Uの航空機への搭乗が完了したことを示す通過履歴情報を管理サーバ10へ送信する(ステップS514)。なお、通過履歴情報には、タッチポイントP5の通過時間、使用した端末のデバイス名等の情報が含まれるものとする。
【0122】
管理サーバ10は、搭乗ゲート装置60から情報を受信すると、トークンIDと利用者UのタッチポイントP5の通過情報との関係を示す通過履歴情報を通過履歴情報DB12へ登録する(ステップS515)。また、管理サーバ10は、必要に応じて、搭乗ゲート装置60から受信した業務情報を業務情報DB14へ登録する(ステップS516)。
【0123】
そして、管理サーバ10は、トークンID情報DB11を更新する(ステップS517)。具体的には、管理サーバ10は、トークンID情報DB11の無効フラグを無効の値(“0”)に更新する。これにより、トークンIDの有効期間(ライフサイクル)が満了する。
【0124】
[生体認証以外での手続]
図19は、予約システム2、業務端末22及び管理サーバ10の処理の一例を示すシーケンス図である。この処理は、係員(S1~S5)が業務端末22等を用いて手続を行うときに実行される。ここでは、タッチポイントP1に配置された業務端末22を例として説明する。
【0125】
先ず、業務端末22は、利用者Uの旅券が媒体読取装置228の読取部(不図示)にかざされたか否かを判定し(ステップS601)、旅券がかざされるまで待機する(ステップS601、NO)。
【0126】
次に、業務端末22は、旅券が媒体読取装置228の読取部にかざされたと判定すると(ステップS601、YES)、かざされた旅券から利用者Uの旅券情報を取得する(ステップS602)。取得された旅券情報には、利用者Uの旅券顔画像、本人確認情報、旅券番号、旅券発行国の情報等が含まれる。
【0127】
次に、業務端末22は、利用者Uの航空券媒体が媒体読取装置228の読取部にかざされたか否かを判定する(ステップS603)。業務端末22は、航空券媒体がかざされるまで待機する(ステップS603、NO)。
【0128】
次に、業務端末22は、航空券媒体が媒体読取装置228の読取部にかざされたと判定すると(ステップS603、YES)、かざされた航空券媒体から予約番号及びエアラインコード等の記録データを取得する(ステップS604)。
【0129】
次に、業務端末22は、エアラインコードに対応する航空会社の予約システム2に対して記録データを送信し(ステップS605)、記録データと搭乗予約情報との照合を要求する。
【0130】
予約システム2は、業務端末22からの記録データを受信すると、記録データと予約情報DB3に記録されている搭乗予約情報とを照合し(ステップS606)、その照合結果を業務端末22へ送信する(ステップS607)。
【0131】
次に、業務端末22は、予約システム2から照合結果を受信すると、タッチポイントP1における手続を実行できるか否かを判定する(ステップS608)。ここで、業務端末22は、手続を実行できると判定した場合には(ステップS608、YES)、処理はステップS609へ移行する。これに対し、業務端末22は、管理サーバ10から受信した情報に基づいて、手続を実行できないと判定した場合(ステップS608、NO)、エラーメッセージを通知する(ステップS610)。
【0132】
ステップS609において、業務端末22は係員Sの入力情報に基づいてタッチポイントP1における審査手続(チェックイン手続)を実行する。業務端末22は、予約番号と、業務端末22での処理により得られた業務情報と、業務端末22における手続完了を示す通過履歴情報とを管理サーバ10へ送信する(ステップS611)。
【0133】
次に、管理サーバ10は、業務端末22からの情報を受信すると、通過履歴情報を通過履歴情報DB12へ登録する(ステップS612)。そして、管理サーバ10は、必要に応じて、業務端末22から受信した業務情報を業務情報DB14に登録する(ステップS613)。
【0134】
[統計分析処理]
図20は、管理サーバ10の処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、所定の周期で又はシステムの管理者等からの処理要求が入力されたときに実行される。
【0135】
先ず、管理サーバ10は、管理者等により設定された統計分析条件を取得すると(ステップS701)、統計分析条件に基づいて指定期間における通過履歴情報を通過履歴情報DB12から取得する(ステップS702)。なお、各タッチポイントP1~P5において、記録媒体の読取により手続が行われた場合には、通過履歴情報DB12からはトークンIDが含まれない通過履歴情報が取得される。
【0136】
次に、管理サーバ10は、通過履歴情報に含まれるトークンIDをキーとして、認証履歴情報DB13からタッチポイント通過時における認証履歴情報を取得する(ステップS703)。
【0137】
次に、管理サーバ10は、通過履歴情報に含まれるトークンIDをキーとして、業務情報DB14から利用者Uの属性情報を含む業務情報を取得する(ステップS704)。
【0138】
次に、管理サーバ10は、通過履歴情報、認証履歴情報及び業務情報(属性情報)に対する統計分析処理を実行する(ステップS705)。管理サーバ10は、例えば、タッチポイント別、利用者Uの属性別、期間別に統計処理を実行する。
【0139】
そして、管理サーバ10は、管理者等により指定された統計分析結果の表示条件を取得すると(ステップS706)、統計分析結果を業務端末22や図示しない表示用の端末に表示する(ステップS707)。
【0140】
図21乃至図26は、管理サーバ10が出力する画面の一例を示す図である。図21は、システム管理者が表示する分析結果を選択するための分析メニュー選択画面を示している。画面の中央領域には、複数の分析メニューM1~M6と、分析条件を設定するための画面に遷移するための分析条件設定ボタンM7が表示されている。
【0141】
図22は、異なる種類の統計結果をダッシュボード形式で一括表示したダッシュボード画面である。図21に示すダッシュボード画面は、大きく4つの領域A1~A4から構成されている。領域A1は、ロケーション別に認証精度を統計分析した結果を示している。
【0142】
領域A1は、領域A11~A14からなる。領域A11は、ロケーション(“T1南W”)における平均認証精度、平均認証時間及びトークンID利用率を表示している。“トークンID利用率”とは、生体認証の利用率と同義である。生体認証による手続の履歴情報(第1履歴情報)のレコード数(すなわち、生体認証利用者数)N1と、記録媒体の読取による手続の利用情報のレコード数(すなわち、媒体利用者数)N2を加算すると、旅客の総数N3が分かる。このため、トークンID利用率をRとすると、R=N1/(N1+N2)と算出できる。
【0143】
領域A12は、端末IDごとの平均認証精度を表示している。領域A13は、端末IDごとの平均認証時間を表示している。領域A14は、端末IDごとのトークンID利用率を表示している。なお、A12~A14において、端末IDが“♯51”~“♯54”のロケーションは“T1南W”であり、端末IDが“♯61”~“♯64”のロケーションは“T2本館”である。
【0144】
領域A11、領域A12及び領域A13においては、所定の閾値を満たさない端末を検出し、強調表示してもよい。例えば、領域A12においては、平均認証精度が閾値の0.96に満たない端末として端末IDが“♯52”の端末を検出できる。また、ロケーションごとに生体認証の処理結果(認証精度、認証時間及び認証成功率)を集計して出力してもよい。そして、ロケーション(配置場所)単位での平均認証精度が所定の閾値に満たない場合には、該当するロケーションの情報を出力してもよい。
【0145】
領域A13においては、平均認証時間が閾値の1秒を超える端末として端末IDが“♯52”の端末を検出できる。同様に、領域A1に端末ごとの認証成功率を表示する場合には、認証成功率が所定の閾値に満たない端末を検出し、強調表示できる。
【0146】
領域A2は、ロケーション別に滞在客数の分布状況を統計分析した結果を示している。領域A2は、領域A21及び領域A22からなる。領域A21は、通過客数を円グラフで表示している。領域A22は、想定滞在客数を円グラフで表示している。
【0147】
領域A3は、デバイス別に端末の平均通過時間及びスループットを統計分析した結果を示している。領域A3は、領域A31及び領域A32からなる。領域A31は、端末IDごとの平均通過時間を棒グラフで表示している。領域A32は、端末IDごとのスループットを棒グラフで表示している。
【0148】
領域A4は、時間帯別に利用客の客数を統計分析した結果を示している。領域A4においては、客数は保安検査場(PRS)の前後及びタッチポイントP3におけるロケーション別(T1南Wサテライト4/T1南Wサテライト5/T2本館/T2サテライト)で分類されている。また、領域A4は、領域A41及びA42からなる。領域A41は、2箇所のロケーション(T1南Wサテライト4/T2本館)における時間帯別の利用客数を表示している。また、領域A42は、8種の折れ線により、時間帯別及びロケーション別の旅客数の推移データを表示している。
【0149】
図23は、トークンIDの登録者数の推移を示すトークンID登録者数推移画面である。画面上部には、データの統計期間を年単位、月単位及び日単位で切替えるためのボタンB11と、統計結果をCSVファイルとして出力するためのボタンB12が表示されている。ここでは、年単位のボタンB11が選択されている。また、画面中央部には、2018年から2019年の期間における登録者数が棒グラフ、タッチポイントごとの登録者数が折れ線グラフ及び一覧表で表示されている。なお、図23ではすべての凡例について表示しているが、タッチポイントを選択するためのボタンを設け、選択されたタッチポイントの登録者数推移のみを表示することもできる。
【0150】
図24は、トークンIDの登録者数を利用者Uの属性ごとに分析したトークンID登録者属性分析画面である。画面上部には、データの統計期間を年単位、月単位及び日単位で切替えるためのボタンB21が表示されている。ここでは、月単位が選択されている。また、ボタンB21の隣には、表示期間を切替えるためのボタンB22が表示されている。また、画面の中央部には、国籍別、性別、座席クラス別、エアライン別、年代別の分析結果が円グラフによってそれぞれ表示されている。なお、属性情報だけでなく、搭乗情報を用いた分析の結果(例えば目的地別の分析結果)を表示することもできる。
【0151】
図25はタッチポイント別に生体認証の利用率を分析したタッチポイント別利用率推移画面である。画面上部には、タッチポイントを選択するエリア選択ボタンB31と、データの統計期間を年単位、月単位及び日単位で切替えるためのボタンB32が表示されている。ここでは、月単位が選択されている。また、ボタンB32の隣には、表示期間を切替えるためのボタンB33が表示されている。画面の中央部には、4つのタッチポイント(チェックインロビー、手荷物預け場、保安検査場及び搭乗ゲート)のそれぞれにおける生体認証利用者数(利用者数)が棒グラフ、生体認証の利用率が折れ線グラフによって表示されている。生体認証の利用率として、例えば、搭乗手続きに利用するための生体情報を登録している旅客の数(トークンIDが発行されている旅客の数)のうち、生体認証を実際に利用している旅客の数が占める割合を示すことができる。また、旅客の総数のうち、生体認証を利用している旅客の数が占める割合を示すこともできる。
【0152】
図26はタッチポイント別に生体認証の認証率(認証成功率)を分析したタッチポイント別認証率推移画面である。画面上部には、タッチポイントを選択するエリア選択ボタンB41と、データの統計期間を月単位、日単位及び時単位で切替えるためのボタンB42が表示されている。ここでは、月単位が選択されている。また、ボタンB42の隣には、表示期間を切替えるためのボタンB43が表示されている。画面の中央部には、保安検査場における認証対象者の総数が棒グラフ、生体認証の認証率が折れ線グラフによって表示されている。
【0153】
本実施形態によれば、管理サーバ10は、利用者Uが各タッチポイントで航空機に搭乗するための各種手続を生体認証に基づいて行ったときにデータベースに登録された履歴情報(トークンID情報、通過履歴情報、認証履歴情報及び業務情報)を統計分析することで、利用者Uの生体認証の利用状況を様々な観点から把握可能になる。これにより、各タッチポイントでの手続における生体認証の利用を促進することができる。
【0154】
<第2実施形態>
以下、本実施形態における情報処理システム1について説明する。なお、第1実施形態の図中において付与した符号と共通する符号は同一の対象を示す。第1実施形態と共通する箇所の説明は省略し、異なる箇所について詳細に説明する。
【0155】
本実施形態では、管理サーバ10がトークンID情報、通過履歴情報、認証履歴情報及び業務情報に基づいて学習モデルを作成するとともに、学習モデルに新たなデータを適用してスループットのシミュレーションや最適レイアウト・台数の提案を行う機能をさらに備える点で第1の実施形態と異なっている。すなわち、本実施形態において、管理サーバ10のCPU101は、学習部及び予測部としても機能する。
【0156】
管理サーバ10における学習方法の一例としては、TensorFlow、Caffe2、PyTorchなどの汎用的な深層学習フレームワークを用いて学習することが可能である。
【0157】
図27は、本実施形態における学習処理に用いるニューラルネットワークを説明する概略図である。図27に示すニューラルネットワークは、複数のノードを有する入力層と、複数のノードを有する中間層と、1個のノードを有する出力層とを備える。入力層の各ノードには、例えば所定期間において各タッチポイントを通過した旅客の人数、手続時における各タッチポイントに設置された端末の台数及び通過時間等が入力される。中間層の各ノードは、入力層の各ノードに接続される。中間層のノードに入力された入力値の各要素は、中間層の各ノードにおける演算に用いられる。中間層の各ノードは、例えば、入力層の各ノードから入力された入力値と、所定の重み付け係数と、所定のバイアス値とを用いて演算値を算出する。中間層の各ノードは、それぞれ出力層に接続され、算出した演算値を出力層のノードに出力する。出力層のノードは、中間層の各ノードから演算値が入力される。
【0158】
出力層のノードは、中間層の各ノードから入力された演算値と、重み付け係数と、バイアス値とを用いて各タッチポイントにおける処理時間(推定値)を算出する。なお、ニューラルネットワークを学習させる際には、例えば誤差逆伝播法が用いられる。具体的には、データを入力層に入力したときの出力値と教師データから得られる出力値とを比較し、比較の結果生じた誤差を中間層にフィードバックする。これを誤差が所定の閾値を下回るまで繰り返す。
【0159】
このような学習処理により、ニューラルネットワーク(学習モデル)に任意の旅客数が入力されたときには、高精度で各タッチポイントにおける予測処理時間を出力できる。なお、学習処理により作成される学習モデルは、上述したものに限られない。
【0160】
図28は、管理サーバ10の処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、システム管理者等が空港内における生体認証の利用状況を把握するために実行される。
【0161】
先ず、管理サーバ10は、端末の設置データを取得するとともに(ステップS801)、旅客数の推移データを取得する(ステップS802)。
【0162】
次に、管理サーバ10は、学習モデルに基づく予測処理を行う(ステップS803)と、予測結果を出力する(ステップS804)。
【0163】
次に、管理サーバ10は、予測結果を参照し、各タッチポイントにおける旅客の予測滞留時間が所定の閾値を超えるか否かを判定する(ステップS805)。本実施形態では、旅客の予測滞留時間は、端末装置の予測処理時間と同じとみなす。ここで、予測滞留時間が所定の閾値を超えると判定した場合(ステップS805、YES)には、処理はステップS806へ移行する。これに対し、予測滞留時間が所定の閾値を超えないと判定した場合(ステップS805、NO)には、図28の処理を終了する。
【0164】
ステップS806において、端末の設置台数を変更した設置データを学習モデルに適用し、学習モデルに基づく予測処理を繰り返し実行する。例えば、設置台数を減算しながら学習モデルに入力し、旅客数に対応する予測滞留時間が閾値以内になったときの設置台数を求める。
【0165】
そして、管理サーバ10は、最適な設置台数・場所を提案する提案画面を表示し(ステップS807)、図28の処理を終了する。
【0166】
図29は、管理サーバ10が出力する画面の一例を示す図である。図29は、生体認証を行う端末装置の最適な設置台数を提案する提案画面である。画面中央部には、管理サーバ10の分析処理の基づく提案メッセージ(「○月○日~△月△日の期間では、X国からの旅客が大幅に増加するものと予想されます。チェックインロビーの区画AAにチェックイン端末を新たに**台設置してください。」)が表示されている。なお、該表示に加え、空港内の該当エリアの地図を表示し、設置台数を提案する箇所を強調表示することもできる。
【0167】
このように、本実施形態によれば、管理サーバ10は、旅客の履歴情報に基づいて学習モデルを作成し、当該学習モデルに基づいて空港内における旅客の予測滞留時間(予測処理時間)を予測できる。また、管理サーバ10は、予測結果に基づいて各タッチポイントに設置する生体認証機能を有する端末装置の台数を提案することもできる。
【0168】
<第3実施形態>
図30は、本実施形態における情報処理装置100の全体構成例を示すブロック図である。情報処理装置100は、取得部100A及び出力部100Bを備える。取得部100Aは、空港内における旅客の搭乗に関する手続が生体認証により実行されたことを示す第1履歴情報及び手続が媒体の読取により実行されたことを示す第2履歴情報をそれぞれ取得する。出力部100Bは、第1履歴情報及び第2履歴情報に基づいて、手続における生体認証の利用状況を出力する。本実施形態における情報処理装置100によれば、旅客の搭乗に関する手続における生体認証の利用を促進できる。
【0169】
<変形実施形態>
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。本発明の構成及び詳細には本発明の要旨を逸脱しない範囲で、当業者が理解し得る様々な変形が可能である。例えば、いずれかの実施形態の一部の構成を、他の実施形態に追加した実施形態、あるいは他の実施形態の一部の構成と置換した実施形態も本発明を適用し得る実施形態であると理解されるべきである。
【0170】
また、本発明の構成は、国際線だけでなく、国内線の場合にも適用できる。国内線の場合には、出国審査手続のほか、旅券顔画像と撮影顔画像との1対1照合処理を省略すればよい。この場合、登録生体画像としては、例えば搭乗券の購入時の撮影顔画像を利用できる。スマートフォンやパーソナルコンピュータ等の端末を用いてオンライン上で搭乗券を購入あるいはチェックインする場合には、端末で撮影した顔画像を登録すれば、空港Aでは顔認証によって航空機に搭乗することもできる。
【0171】
上述の第1実施形態においては、チェックイン端末20が旅券から旅券顔画像を読取ることで管理サーバ10に対してトークンIDの発行申請を行っていたが、オンラインでチェックイン手続を行う場合を考慮し、自動手荷物預け機30や保安検査装置40において発行申請を行えるとよい。すなわち、管理サーバ10は、利用者Uの出国時に関する業務を実行する業務端末のいずれか1つから旅券顔画像及び対象生体画像を取得する。出国時に行われる一連の手続業務のうち、最初に行われる手続業務においてトークンIDの発行申請を行ってもよい。この場合、自動手荷物預け機30や保安検査装置40における処理は、図14の場合と同様に、旅券及び航空券媒体から記録データを取得するステップ、予約システム2に対して搭乗予約情報を問い合わせるステップ等を含めればよい。
【0172】
さらに、統計分析処理の種類は、上述したものに限られない。例えば、ある利用者Uに関する一連の手続に関して分析してもよい。具体的には、利用者UのトークンIDをキーとして通過履歴情報DB12及び認証履歴情報DB13から履歴情報をそれぞれ取得し、通過履歴情報や認証履歴情報が存在しない手続エリア(タッチポイント)を検出・分析してもよい。すなわち、利用者Uが一部のタッチポイントにおいて搭乗券等の記録媒体の読取によって手続を完了した場合には、通過履歴情報は存在しているが、認証履歴情報が存在しないタッチポイントを検出できる。例えばチェックインロビー(タッチポイントP1)と手荷物カウンタ(タッチポイントP2)では生体認証を使用し、その後、保安検査場(タッチポイントP3)では生体認証を使用せず、出国審査場(タッチポイントP4)と搭乗ゲート(タッチポイントP5)で生体認証を使用した場合であって、タッチポイントP3の認証履歴が抜けているケースである。同様に、業務端末(22、32、42、52、62)を使用して手続を行ったが通過履歴情報の登録処理が実行されなかった場合には、通過履歴情報と認証履歴情報の両方が存在しないタッチポイントを検出できる。このようなレコードの欠落状態を検出・分析することで、利用者Uの動線を把握できる。この結果、生体認証機能を有する端末装置のレイアウト、台数を変更し、生体認証のさらなる利用を促すことも可能となる。
【0173】
上述の実施形態の機能を実現するように該実施形態の構成を動作させるプログラムを記録媒体に記録させ、該記録媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記録媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のプログラムが記録された記録媒体はもちろん、そのプログラム自体も各実施形態に含まれる。
【0174】
該記録媒体としては例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード等を用いることができる。また該記録媒体に記録されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS上で動作して処理を実行するものも各実施形態の範疇に含まれる。
【0175】
上述の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0176】
(付記1)
空港内における旅客の搭乗に関する手続が生体認証により実行されたことを示す第1履歴情報及び前記手続が媒体の読取により実行されたことを示す第2履歴情報をそれぞれ取得する取得部と、
前記第1履歴情報及び前記第2履歴情報に基づいて、前記手続における前記生体認証の利用状況を出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【0177】
(付記2)
前記生体認証に用いられる前記旅客の登録生体情報に対応するトークンIDを発行する発行部をさらに備え、
前記第1履歴情報は、前記登録生体情報が登録された手続エリア及び前記トークンIDを含み、
前記出力部は、前記手続エリアごとの前記登録生体情報の登録数を出力する、
付記1に記載の情報処理装置。
【0178】
(付記3)
前記第1履歴情報は、前記旅客の属性情報を含み、
前記出力部は、前記属性情報ごとの前記登録数を出力する、
付記2に記載の情報処理装置。
【0179】
(付記4)
前記出力部は、前記手続エリアごとの前記第1履歴情報及び前記第2履歴情報の比率に基づいて、前記手続エリアにおける前記生体認証の利用率を出力する、
付記2又は3に記載の情報処理装置。
【0180】
(付記5)
前記出力部は、複数の前記手続エリアのうち、同一の前記旅客についての前記第1履歴情報が存在しない前記手続エリアを前記トークンIDに基づいて検出する、
付記2乃至4のいずれかに記載の情報処理装置。
【0181】
(付記6)
前記第1履歴情報は、前記生体認証に用いられた端末の端末ID及び前記生体認証の処理結果を含み、
前記出力部は、前記端末IDごとの前記処理結果を集計して出力する、
付記1乃至5のいずれかに記載の情報処理装置。
【0182】
(付記7)
前記出力部は、前記端末IDごとの前記処理結果に基づいて認証成功率が所定の閾値に満たない前記端末を検出する、
付記6に記載の情報処理装置。
【0183】
(付記8)
前記第1履歴情報は、前記空港内における前記端末の配置場所をさらに含み、
前記出力部は、前記配置場所ごとに前記処理結果を集計して出力する、
付記6又は7に記載の情報処理装置。
【0184】
(付記9)
前記出力部は、前記配置場所ごとの前記生体認証の認証精度を平均化した平均認証精度が所定の閾値に満たない前記配置場所の情報を出力する、
付記8に記載の情報処理装置。
【0185】
(付記10)
所定期間における前記旅客の人数と、前記端末の設置台数と、前記手続の所要時間との関係を予め学習した学習モデルに基づいて前記手続における予測処理時間を出力する予測部、
をさらに備える付記6乃至9のいずれかに記載の情報処理装置。
【0186】
(付記11)
前記予測部は、前記予測処理時間が所定の閾値を超える場合に、前記設置台数の変更を促す情報を出力する、
付記10に記載の情報処理装置。
【0187】
(付記12)
前記出力部は、前記第1履歴情報及び前記第2履歴情報に基づく異なる種類の統計分析結果をダッシュボード形式で出力する、
付記1乃至11のいずれかに記載の情報処理装置。
【0188】
(付記13)
空港内における旅客の搭乗に関する手続が生体認証により実行されたことを示す第1履歴情報及び前記手続が媒体の読取により実行されたことを示す第2履歴情報をそれぞれ取得するステップと、
前記第1履歴情報及び前記第2履歴情報に基づいて、前記手続における前記生体認証の利用状況を出力するステップと、
を備える情報処理方法。
【0189】
(付記14)
コンピュータに、
空港内における旅客の搭乗に関する手続が生体認証により実行されたことを示す第1履歴情報及び前記手続が媒体の読取により実行されたことを示す第2履歴情報をそれぞれ取得するステップと、
前記第1履歴情報及び前記第2履歴情報に基づいて、前記手続における前記生体認証の利用状況を出力するステップと、
を実行させるプログラムを記録した記録媒体。
【符号の説明】
【0190】
NW1,NW2・・・ネットワーク
1・・・情報処理システム
2・・・予約システム
3・・・予約情報DB
10・・・管理サーバ
11・・・トークンID情報DB
12・・・通過履歴情報DB
13・・・認証履歴情報DB
14・・・業務情報DB
20・・・チェックイン端末
30・・・自動手荷物預け機
40・・・保安検査装置
50・・・自動化ゲート装置
60・・・搭乗ゲート装置
22,32,42,52,62・・・業務端末
100・・・情報処理装置
100A・・・取得部
100B・・・出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30