(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】取付具
(51)【国際特許分類】
F21S 6/00 20060101AFI20231130BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20231130BHJP
F21V 21/108 20060101ALI20231130BHJP
F21V 21/116 20060101ALI20231130BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
F21S6/00 200
F21V33/00 110
F21V21/108
F21V21/116
F21V19/00 510
F21S6/00 300
(21)【出願番号】P 2019146596
(22)【出願日】2019-08-08
【審査請求日】2022-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】吉田 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】波多江 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】尾形 大輔
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 耕平
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102450872(CN,A)
【文献】独国実用新案第20020751(DE,U1)
【文献】特開2000-067637(JP,A)
【文献】特開2015-126823(JP,A)
【文献】特開平08-212822(JP,A)
【文献】登録実用新案第3016062(JP,U)
【文献】特開2005-116197(JP,A)
【文献】特開平11-175006(JP,A)
【文献】特開2002-238671(JP,A)
【文献】特開2015-134050(JP,A)
【文献】実開平06-011219(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 6/00
F21V 33/00
F21V 21/108
F21V 21/116
F21V 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱に棚板が架設されてなる棚に照明装置を取り付けるための取付具において、
前記照明装置を着脱可能に保持する保持部と、
前記保持部に接続され且つ
前記棚板と反対側に延伸する延伸部と、
前記支柱に着脱可能に固定される固定部と、
前記延伸部と前記固定部とを接続する接続部とを備え、
前記接続部は、前記
棚板と反対側に延伸する方向と上下方向とに延伸するL字状をし、前記延伸部に着脱可能に固定される
取付具。
【請求項2】
前記接続部は、前記延伸部の後端部に内嵌することで、前記延伸部と接続される
請求項1に記載の取付具。
【請求項3】
前記接続部における前記延伸部と接続される接続部分は、横断面形状がコ字状をなし、
前記コ字をなす3つの板部分は、前記後端部の3つの板部と接触又は対向するように設けられる
請求項2に記載の取付具。
【請求項4】
隣接する複数の照明装置の連結部を連結するための連結部材を有する
請求項1~3の何れか1項に記載の取付具。
【請求項5】
前記連結部材は、横断面が口字状をなしている
請求項4に記載の取付具。
【請求項6】
前記連結部材は、隣接する一方の照明装置と他方の照明装置とを電気的に接続するケーブルを前記
口字状の内部に配置可能である
請求項5に記載の取付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置を棚等に設置可能な取付具及び当該取付具を備える照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、倉庫等の照明としては天井部分に取り付ける、所謂、高天井照明装置(例えば、特許文献1)が用いられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、倉庫内の棚は照明装置が設置された後に配置するため、棚の間の位置と照明器具の位置が一致しない場合もあり、棚の影になる部分が生じたり、また、棚の上部を照らしてしまうなど照明効率が悪かった。
本発明は、照明効率が高い照明用の取付具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る取付具は、支柱に棚板が架設されてなる棚に照明装置を取り付けるための取付具において、前記照明装置を着脱可能に保持する保持部と、前記保持部に接続され且つ前記棚板と反対側に延伸する延伸部と、前記支柱に着脱可能に固定される固定部と、前記延伸部と前記固定部とを接続する接続部とを備える。
【発明の効果】
【0006】
上述の構成によれば、支柱に対して着脱可能な固定部を備えるため、各種の棚の任意の部位に固定でき、照明効率と汎用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る照明装置システムの斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る取付具の分解状態を示す斜視図である。
【
図3】保持部に照明装置が保持された状態を示す図である。
【
図6】第2実施形態の例1に係る照明システムの斜視図である。
【
図7】第2実施形態の例2に係る照明システムの斜視図である。
【
図8】第3実施形態に係る照明システムの斜視図である。
【
図10】連結部の変形例を示す保持部の側面(一部断面)図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<概要>
実施形態の一態様に係る固定具は、支柱に棚板が架設されてなる棚に照明装置を取り付けるための取付具において、前記照明装置を着脱可能に保持する保持部と、前記保持部に接続され且つ前記棚板と反対側に延伸する延伸部と、前記支柱に着脱可能に固定される固定部と、前記延伸部と前記固定部とを接続する接続部とを備える。これにより、被照射面の照度のばらつきを小さくできる。
実施形態の別態様に係る固定具において、前記支柱と平行な方向に延伸する支柱部を備え、当該支柱部は、一端部が前記接続部と接続可能であり、他端部は前記固定部と接続可能である。これにより、照明装置及び延伸部の支柱と平行な方向の位置を調整できる。
実施形態の別態様に係る固定具において、前記固定部は、前記支柱に固定される固定部分と、前記固定部分に設けられ且つ前記接続部又は前記支柱部に接続される固定部接続部分とを有する。これにより、容易に棚に設置できる。
実施形態の別態様に係る固定具において、前記固定部分は、前記支柱の延伸方向と前記延伸部の延伸方向とに直交する方向から前記支柱と対向する一対の対向板部分と、一対の対向板部分における前記棚板と反対側端を連結する連結板部分とを有し、前記一対の対向板部分は、真円形状又は方形状の第1孔と、前記第1孔に対して上下方向に間隔をおいて設けられ且つ上下方向に長い第1長孔とを有している。これにより、固定具を支柱に強固に固定できる。
実施形態の別態様に係る固定具において、前記一対の対向板部分は、前記第1孔に対して前記延伸部の延伸方向に間隔をおいて形成された真円形状又は方形状の第2孔と、前記第2孔に対して上下方向に間隔をおいて設けられ且つ上下方向に長い第2長孔とを有している。これにより、固定具の固定可能な棚の種類が増え、汎用性を高めることができる。
実施形態の別態様に係る固定具において、前記接続部は、前記支柱部側に接続する接続部支柱側接続部分と、前記延伸部側に接続する接続部延伸側接続部分とに架設する架設部分を有する。これにより、接続部を補強でき、照明装置の位置を長期にわたり維持できる。
実施形態の別態様に係る固定具において、前記保持部は、保持する前記照明装置との間に絶縁性の弾性シートを備える。これにより、照明装置との絶縁性を確保できる。
【0009】
<第1実施形態>
第1実施形態では、照明装置を着脱可能に固定できる照明システムXについて説明する。
ここで、棚の支柱と平行な方向を上下方向、上下方向と直交し且つ通路に沿う方向を左右(又は幅)方向とし、上下方向と左右方向と直交する方向を前後方向とし、通路側を前側とする。
【0010】
1.全体
照明システムXは、
図1に示すように、固定具1と照明装置7とを備える。照明装置7は固定具1により保持され、固定具1は棚9の任意の支柱91に着脱可能に固定される。固定具1の固定場所を適宜調整することで、棚9による影を少なくできる。
棚9は、複数本(ここでは4本)の上下方向の支柱91と、支柱91に架設される1枚又は複数枚(例えば3枚)の棚板93とで構成される。
【0011】
2.固定具
主に
図2を用いて説明する。
固定具1は、少なくとも、照明装置7を着脱可能に保持する保持部2と、保持部2に接続され且つ棚板93と反対側に延伸する延伸部3と、支柱91に着脱可能に固定される固定部5と、延伸部3と固定部5とを接続する接続部4とを備える。
ここでの固定具1は、支柱91と平行な方向に延伸し、一端部が接続部と接続し、他端部が固定部5と接続する支柱部(42)を備えてもよい。
第1実施形態の接続部4は、一端部が延伸部3と接続し、他端部が固定部5に接続され、一端部と他端部との間に支柱部(42)を含む。接続部4は、本発明の「支柱部」と本発明の「接続部」とを一体で有する。
以下、各部について説明する。
【0012】
(1)保持部
主に
図2及び
図3を用いて説明する。
保持部2は、照明装置7を保持する保持部分20と、延伸部3に着脱可能に接続される保持部接続部分21とを一体で備える。ここでは、保持部分20と保持部接続部分21とは溶接により一体化されている。
【0013】
保持部分20は長尺状の照明装置7を保持する。このため、保持部分20は左右方向に長い形状をしている。
保持部分20は左右方向に延伸する矩形状の天板領域22と、天板領域22における前後方向の端部(天板領域22における長辺に相当する端部)から下方に延伸する一対の側板領域23とを備える。
天板領域22は照明装置7を固定するための固定部分を有している。照明装置7の固定(保持)には、例えば、ねじを利用しており、固定部分はねじが挿通する貫通孔22aにより構成される。貫通孔22aは、
図2に示すように、左右方向に複数個あり、保持部接続部分21を挟んで2個づつある(合計4個)。これにより、照明装置7を強固に保持できる。貫通孔22aは前後方向に長い長孔をしている。これにより、照明装置7の左右方向に対する傾きを調整できる。
一対の側板領域23は、
図3に示すように、照明装置7の上部側の形状に沿うように構成されている。これにより、照明装置7をガタツキの少ない状態で保持できる。なお、ここでの一対の側板領域23は下拡がりに傾斜している。
【0014】
保持部接続部分21は、前後方向に延伸するパイプ状に構成されている。ここでの保持部接続部分21は、延伸部3の横断面形状と一致し、延伸部3の前端部31と嵌合する。延伸部3の横断面形状は例えば方形状をし、保持部接続部分21の横断面形状も方形状をしている。ここでは、保持部接続部分21は延伸部3の前端部の外周に嵌合する。
保持部接続部分21は延伸部3を固定するための固定部分を有している。延伸部3の固定(保持)には、例えば、ねじを利用しており、方形状をする保持部接続部分21の対向する2つの板部分を挿通する貫通孔21aにより構成される。貫通孔21aは、
図2に示すように、各板部分に対して、前後方向に複数個(2個)ある。これにより、延伸部3との接続を強固にできる。貫通孔21aは前後方向に長い長孔をしている。これにより、照明装置7の前後方向の位置を調整できる。
保持部接続部分21と保持部分20とを連結する部分に、保持部接続部分21と保持部分20の天板領域22とを貫通する貫通孔22bを有する。貫通孔22bには、照明装置7を保持するためのねじを挿通させることもできる。
【0015】
(2)延伸部
主に
図2を用いて説明する。
延伸部3はパイプ状により構成されている。ここでの延伸部3は、横断面形状が方形状をする角パイプ状に構成されている。延伸部3は、横断面形状・寸法が長手方向に変化しない。
延伸部3の前端部31は保持部2の保持部接続部分21と着脱可能に接続される。延伸部3(前端部)は、保持部接続部分21に挿入可能であって内周面と嵌合する大きさに構成され、保持部接続部分21の内周形状と略一致する外周形状を有する。これにより、保持部2が延伸部3に対して前後方向を回転軸として回転するのが規制される。
延伸部3の前端部31は、保持部接続部分21に固定される固定部分を有する。固定にはねじが利用され、固定部分がねじ孔又は貫通孔31aにより構成される。なお、貫通孔31aは、保持部接続部分21の貫通孔21aに対応して、対向する2つの板部分を挿通するように設けられている。貫通孔21aは、各板部分に対して、前後方向に間隔をおいて2個設けられている。貫通孔21aは真円状をしている。
延伸部3の後端部32は、前端部31と同様に貫通孔32aを有している。貫通孔32aは、接続部4の接続部延伸側接続部分41と固定されるための固定部分を構成する。
なお、真円形状の貫通孔21a,31aを例示したが、長孔形状であってもよい。延伸部3の延伸方向に間隔をおいて設置した2つの棚9の間側(棚9の間の通路側)に保持部2が張り出すように配置する際の保持部2の位置合わせに都合がよい。
また、棚9の間(複数列並んだの棚9の中央付近)に保持部2(照明装置7)が配されるように、延伸部3の長さを設定(調整)してもよい。
具体的には、棚9の間の中央付近に保持部2(照明装置7)が配されるように適切な長さの延伸部3を使用する。
【0016】
(3)接続部
主に
図2を用いて説明する。
接続部4は、延伸部3の後端部32と接続する接続部延伸側接続部分41と、上下方向に延伸する支柱部分42と、固定部5に接続される接続部固定側接続部分43と、接続部延伸側接続部分41と支柱部分42における上端部と連結する連結部分44とを有する。
【0017】
接続部延伸側接続部分41は、延伸部3の後端部32と嵌合することで、後端部32と接続する。ここでは、接続部延伸側接続部分41は、後端部32内に挿入される(内嵌)。接続部延伸側接続部分41は、横断面形状が「コ」字状をし、ここでは、上側が開放している。「コ」字を構成する3つの板部分は、延伸部3の後端部32の3つの板部と接触(対向)するように構成されている。これにより、延伸部3と接続した状態で、延伸部3のガタツキを抑制できる。また、これにより、接続部4に対して、延伸部3が前後方向を回転軸として回転するのが規制される。
接続部延伸側接続部分41は、延伸部3に固定される固定部分を有する。固定には、例えばねじが利用され、固定部分がねじ孔又は貫通孔41aにより構成される。貫通孔41aは、前後方向に間隔をおいて複数個(2個)ある。なお、貫通孔41aは、延伸部3の貫通孔32aに対応して、対向する2つの板部分を挿通するように設けられている。なお、貫通孔32aが設けられている2つの板部分は、「コ」字を構成する開放(上部)している部分に隣接する板部分である。
なお、貫通孔32a,41aは長孔形状であってもよい。保持部2を棚9の間側に保持部2が張り出すように配置する際の保持部2の位置合わせに都合がよい。
加えて、上述した貫通孔21aと貫通孔31a、貫通孔32aと貫通孔41aをそれぞれ長孔形状にしてもよい。保持部2を棚9の間側(棚の間の通路側)に配置する際の位置合わせに更に都合がよい。
【0018】
支柱部分42は、横断面形状が方形状をし、延伸部3と同様の形状・大きさをしている。これにより、固定具1の意匠性を向上させることができる。支柱部分42の長さの異なる接続部4を利用することで、照明装置7の設置位置を調整でき、棚板から荷物の出し入れ等の作業や、リフトの通過等の邪魔になるのを防止できる。
【0019】
接続部固定側接続部分43は、固定部5の固定部接続部分51と嵌合することで、固定部接続部分51と接続する。固定部接続部分51は、延伸部3と同様の構成の角パイプ状をしている。ここでは、接続部固定側接続部分43は、固定部接続部分51内に挿入される(内嵌)。接続部固定側接続部分43は、横断面形状が「コ」字状をし、ここでは、後側が開放している。「コ」字を構成する3つの板部分は、固定部接続部分51の3つの板部と接触(対向)するように構成されている。これにより、固定部5と接続した状態で、接続部4のガタツキを抑制できる。また、これにより、固定部5に対して、接続部4が上下方向を回転軸として回転するのが規制される。
接続部固定側接続部分43は、固定部5に固定される固定部分を有する。固定には、例えばねじが利用され、固定部分がねじ孔又は貫通孔43aにより構成される。貫通孔43aは、上下方向に間隔をおいて複数個(2個)ある。なお、貫通孔43aは、固定部5の貫通孔51aに対応して、対向する2つの板部分を挿通するように設けられている。なお、貫通孔43aが設けられている2つの板部分は、「コ」字を構成する開放(後部)している部分に隣接する板部分である。
なお、接続部延伸側接続部分41は後端部32の内側に挿入され、接続部固定側接続部分43は固定部接続部分51の内側に挿入されるため、接続部延伸側接続部分41と接続部固定側接続部分43はインナーパイプとして機能し、保持部2側に掛かる荷重を支えやすくするという効果も奏することが可能である。
【0020】
連結部分44は、90度の円弧状の湾曲領域45と、湾曲領域45の前端から前方に延伸する延伸領域46とを有する。なお、連結部分44は、支柱部分42を湾曲領域45の下端から下方に延伸する延伸領域とすることも可能である。
湾曲領域45の下端は支柱部分42と連結し、前端は延伸領域46に連結する。延伸領域46は、接続部延伸側接続部分41と連結し、境界部分が段差状となっている。なお、接続部延伸側接続部分41が延伸部3と接続した状態では、延伸領域46の前端面と延伸部3の後端面とが当接又は近接する。
接続部4は、連結部分44及び支柱部分42を構成する1本の角パイプの両端に、接続部延伸側接続部分41と接続部固定側接続部分43とをそれぞれ構成する2本のコ字状体を挿入して一体化させることで構成される。なお、1本の角パイプは、断面形状及び寸法は長手方向に沿って一定である。
【0021】
(4)固定部
主に
図4を用いて説明する。
固定部5は、棚9の支柱91に固定される固定部分50と、接続部4に着脱可能に接続される固定部接続部分51とを一体備える。ここでは、固定部分50と固定部接続部分51とは溶接により一体化されている。
【0022】
固定部分50は長尺状の支柱91に取り付けられる。このため、固定部分50は上下方向に長い形状をしている。
固定部分50は、左右方向から支柱91と対向する一対の対向板部分52A,52Bと、一対の対向板部分52A,52Bにおける前端を連結する連結板部分53とを有する。連結板部分53の前面に固定部接続部分51が設けられている。
対向板部分52A,52Bは、真円形状又は方形状(ここでは真円形状である)の第1孔54aと、第1孔54aに対して上下方向(ここでは下方向である)に間隔をおいて設けられ且つ上下方向に長い第1長孔54bとを有している。
なお、対向板部分52Aの第1孔54aと、対向板部分52Bの第1孔54aとは、上下方向に同じ位置にある。換言すると、第1孔54aの中心と、第1孔54aの中心とを結ぶ仮想線は左右方向と設計上平行である。
【0023】
対向板部分52A,52Bは、第1孔54aに対して前後方向(ここでは後方向である)に間隔をおいて形成された真円形状又は方形状(ここでは真円形状である)の第2孔55aと、第2孔55aに対して上下方向(ここでは下方向である)に間隔をおいて設けられ且つ上下方向に長い第2長孔55bとを有している。
なお、対向板部分52Aの第2孔55aと、対向板部分52Bの第2孔55aとは、上下方向に同じ位置にある。換言すると、第2孔55aの中心と、第2孔55aの中心とを結ぶ仮想線は左右方向と設計上平行である。
【0024】
第1孔54aは、その中心と連結板部分53の前面と距離L1は、例えば、15[mm]である。これにより、耐荷重が150[Kgf]タイプの支柱91の取付孔に対応できる。
第2孔55aは、その中心と第1孔54aの中心との距離L2は、例えば、15[mm]である。これにより、耐荷重が200[Kgf]以上タイプの支柱91の取付孔に対応できる。なお、この場合、連結板部分53と支柱91の前面との間に隙が生じすることもある。
一対の対向板部分55A,55Bとの間の距離L3は、複数種類に設定されている。例えば、40[mm]、50[mm]、60[mm]に設定されている。これにより、耐荷重タイプの支柱91の寸法に合わせて、いずれかのタイプを選択することで、殆どの支柱91に左右方向から対向板部分55A,55Bが近接又は当接する。これにより、安定した状態で固定部5を支柱91に固定できる。
【0025】
固定部接続部分51は、上下方向に延伸するパイプ状に構成されている。ここでの固定部接続部分51は、接続部固定側接続部分43と嵌合することで、接続する。固定部接続部分51は、横断面形状が「コ」字状の接続部固定側接続部分43の一辺の長さの方形状を内周形状とし、接続部固定側接続部分43が上方から挿入される。つまり、固定部接続部分51は接続部固定側接続部分43の外周に嵌合(外嵌)する。
固定部接続部分51は接続部固定側接続部分43を固定するための固定部分を有している。接続部固定側接続部分43の固定(保持)には、例えばねじを利用しており、方形状をする固定部接続部分51の対向する2つの板部分を挿通する貫通孔51aにより構成される。貫通孔51aは、各板部分に対して、上下方向に複数個(2個)あり、貫通孔43aの位置に対応して設けられている。これにより、接続部固定側接続部分43を強固に保持できる。
なお、接続部4の接続部固定側接続部分43と支柱部分42との境界部分は段差状となっており、接続部固定側接続部分43が固定部接続部分51に挿入された状態では支柱部分42の下面と、固定部接続部分51の上端面とが当接又は近接する。
【0026】
3.照明装置
図5を用いて説明する。
照明装置7は、設置面等に取り付けられる器具71と、器具71に着脱可能に装着される灯具72とを有する。
器具71は、長尺状をして断面形状が下拡がりの「コ」字状をする器具本体73を有し、器具本体73の天板部73aが固定具1の保持部2にねじ等で固定される。
灯具72は、ベース74の表面に光源部と光源カバー75とを備え、ベース74の裏面の電源ユニット76が器具本体73の端子台77にケーブル(図示省略)に接続される。なお端子台は、商用電源等と接続される。
灯具72は、裏側の係合具78が器具71の被係合具79に係合することで、器具71に装着される。
【0027】
4.固定具の棚への固定
照明システムXの棚9への固定方法について説明する。
ここでの固定方法は、一例であって、他の方法で照明システムXを棚9に固定することもできる。
(1)固定部の棚の支柱への固定
固定部5の第1孔54a又は第2孔55aを、棚9の支柱91の取付孔に位置合わせする。この際、支柱91の前後方向の寸法が大きく、第1孔54aと取付孔との位置が合わない場合は、第2孔55aを使うことができる。以下の説明では、第1孔54aを使うが、第2孔55aを使う場合も第1孔54aと同じ手順となる。
固定部5の第1孔54aを取付孔に位置合わせした状態で、ねじを第1孔54aと取付孔とを挿通させて仮固定した後、第1長孔54bにもねじを挿通させて、固定部5を支柱91に固定する。
なお、固定部5の対向板部分52Aの第1孔54aと第1長孔54bのそれぞれを貫通する2本のねじで対向板部分52Aを固定し、対向板部分52Bの第1孔54aと第1長孔54bのそれぞれを貫通する2本ねじで対向板部分52Bを固定してよい(この場合、ねじは合計で4本必要となる)。
又は、対向板部分52Aの第1孔54aと対向板部分52Bの第1孔54aとを貫通する1本のねじと、対向板部分52Aの第1長孔54bと対向板部分52Bの第1長孔54bとを貫通する1本のねじとで、対向板部分52A,52Bを支柱91に固定してよい(この場合、ねじは合計で2本必要となる)。
【0028】
(2)固定部以外の固定具を組み立て
(2-1)延伸部3と接続部4とを接続する。具体的には、延伸部3の後端部32に、接続部延伸側接続部分41を挿入し、延伸部3の後端部32の貫通孔32aと接続部延伸側接続部分41の貫通孔41aとを位置決めした状態で、ねじを利用して固定する。
(2-2)保持部2の保持部接続部分21に、延伸部3の前端部31を挿入し、延伸部3の前端部31の貫通孔31aと保持部接続部分21の貫通孔21aとを位置決めした状態で、ねじを利用して固定する。
これで固定部5以外の固定具の組立が終了する。
【0029】
(2-3)器具の保持部への取付
器具71の保持部2の保持部分20に当接させた状態で、保持部接続部分21と保持部分20とを挿通する貫通孔22bと、器具71の天板部73aの貫通孔73bとの位置合わせをする。そして、貫通孔22b,73bを挿通させたねじに、器具71の表側からナットを螺合させて、保持部2に器具71を保持させる。
(3)器具付きの接続部の固定部への固定
固定部5の固定部接続部分51に、接続部4の接続部固定側接続部分43を挿入し、接続部固定側接続部分43の貫通孔43aと固定部接続部分51の貫通孔51aとを位置決めした状態で、ねじを利用して固定する。
(4)灯具の器具への装着
器具71の端子台77に商用電源を接続した後、灯具72の係合具78を器具71の被係合具79に係合させて、灯具72を器具71に装着する。
これで、照明システムXの棚9への固定が終了する。
【0030】
5.シミュレート結果
前後方向に複数列並んだ棚9の中央付近に照明装置7を配置することの効果をシミュレーションにより検討した結果を説明する。
シミュレーション条件として、480[m
2]の倉庫を想定し、そこに1.3[m]間隔で棚9を配置し、棚9の間の通路面の全体の平均照度が100[lx]となるように照明装置の光束を調整した。
(1)実施形態の照明システムの場合
3.4[m]の高さであって棚9の中央付近に照明装置7を配置した場合、表1に示すように、消費電力は1224Wであった。
棚9の間の通路面の照度は、105[lx]から122[lx]であった。
(2)高天井照明装置の場合
5.9[m]の高さであって等間隔(棚9の配置間隔と異なる)で高天井照明装置を設置した場合、表1に示すように、消費電力は2436[W]必要であった。
棚9の間の通路面の照度は、高天井照明装置が隣接する棚9間の真上に位置したり、棚9の真上に位置したりして、場所によって棚9の影になる部分があり、76[lx]から159[lx]であった。
(3)比較
通路面の平均照度を同じようにした場合、実施形態の照明システム1は、高天井照明装置に比べて、消費電力を50[%]低減できた。つまり、照明効率を向上させることができた。
また、棚9の間の通路面の照度のばらつきについては、実施形態の照明システム1は17[lx]で、高天井照明装置の83[lx]であり、ばらつきを80[%]低減できた。
【表1】
【0031】
<第2実施形態>
第1実施形態では、1台の照明装置7を棚9に固定する場合について説明したが、固定具は、左右方向又は前後方向の他の固定具を連結するための連結部を備えてもよい。
以下、連結部を備える固定具について説明する。なお、第1実施形態と同じ構成については、同じ名称、符号を使う。なお、複数個の固定具を前後方向又は左右方向に連結することで、固定具を補強できる。
【0032】
1.例1
図6の(a)を用いて説明する。
例1の固定具101Aは、保持部2、延伸部3、接続部4及び固定部5を備え、さらに、連結部6Aを備える。
連結部6Aは、接続部4の延伸領域46に設けられ、左右方向に延伸するパイプ状に構成されている。連結部6Aは、ここでは、横断面形状が方形状の角パイプ状に構成されている。なお、連結部6Aは、例えば、溶接等により接続部4に固定されている。
連結部6Aは、延伸領域46に対して左右方向の両側に延伸している。これにより、左右方向のいずれかに隣接する他の固定具101Aと連結部材65Aを介して連結可能となる。
隣接する固定具101A同士が連結部材65Aを介して連結されることにより、連結されていない場合に比して、棚9に固定された固定具101Aの耐震性の向上に優れ、また、通路上に照明装置7を均一に並べることが可能となる。
連結部6Aは、対向する2つの板部分を挿通する貫通孔6aを有している。貫通孔6aは、延伸領域46の左右方向の中央を基準にして左右両側にそれぞれある。ここでは、左右両側に複数個(2個)あり、左右方向に間隔をおいて設けられている。貫通孔6aは、真円状であってもよいし、左右方向に長い形状であってもよい。
これにより、連結部6Aの貫通孔6a、連結部材65Aの貫通孔(図示省略)を挿通するねじにより固定できる。
なお、例1の固定具101Aは、接続部4の延伸領域46に連結部6Aを備えているが、例えば、
図6の(b)に示すように、連結部6Aを保持部2に備えてもよい。
なお、貫通孔6aを左右方向に長い長孔形状にした場合は、隣接する他の固定具101Aとの距離に応じて、長孔内でねじの固定位置を調整することも可能である。
【0033】
2.例2
図7を用いて説明する。
例1の固定具101Aは、左右方向に延伸する連結部6Aを備えていたが、例2では、前後方向に延伸する連結部6Bを備える。
連結部6Bは、接続部4の延伸領域46に設けられ、前後方向に延伸するパイプ状に構成されている。連結部6Bは、ここでは、横断面形状が方形状の角パイプ状に構成されている。なお、連結部6Bは、例えば、溶接等により接続部4に固定されている。
隣接する固定具101B同士が連結部材65Bを介して連結されることにより、連結されていない場合に比して、棚9に固定された固定具101Aの耐震性の向上に優れ、また、通路上に照明装置7を均一に並べることが可能となる。
連結部6Bは、対向する2つの板部分を挿通する貫通孔6bを有している。貫通孔6bは、複数個(2個)あり、前後方向に間隔をおいて設けられている。貫通孔6bは、前後方向に長い形状であってもよいし、真円状であってもよい。
なお、例2の固定具101Bは、接続部4の延伸領域46に連結部6Bを備えているが、例えば、連結部6Bを延伸部3に備えてもよい。
なお、貫通孔6bを前後方向に長い長孔形状にした場合は、隣接する他の固定具101Bとの距離に応じて、長孔内でねじの固定位置を調整することも可能である。
【0034】
<第3実施形態>
第2実施形態では、左右方向又は前後方向の他の固定具101A,101Bと連結するための連結部6A,6Bを有していたが、照明システムは、左右方向又は前後方向に隣接する他の照明装置を連結する連結部材を備えてもよい。
以下、連結部材を備える照明システム2Xについて説明する。なお、第1実施形態と同じ構成については、同じ名称、符号を使う。
照明システム2Xは、
図8に示すように、照明装置207と固定具1とを備えるセットを、左右方向に複数組(ここでは2組)備える。
照明装置207は、左右方向に隣接する他の照明装置(器具271)207と、連結部材206を介して連結するための連結部を有する。連結には、例えばねじが利用され、連結部は、器具271の器具本体273に設けられた貫通孔又はねじ孔により構成される。連結部材206の貫通孔206aを挿通するねじが、器具本体273のねじ孔に螺合したり、貫通孔を挿通して器具本体273の表側でナットに螺合したりすることで、連結できる。
なお、貫通孔206aは、左右方向に長い形状であってもよい。この場合、隣接する他の照明器具との距離に応じて、貫通孔206aを挿通するねじを任意の位置に調整して固定すればよい。
連結部材206は、ここでは、横断面が「L」字状のL字状体(アングル材)が利用されているが、横断面が「コ」字状、「口」字状等の他の形状であってもよい。
連結部材206により連結することで、各照明装置207が独自に特定方向を向く(姿勢が変わる)ことを防止でき、均一な配向特性が得られる(照度ムラを少なくできる)。
横断面が「コ」字状、「口」字状であれば、一方の照明装置207と他方の照明装置207とを電気的に接続するハーネス等のケーブル(送り配線)を「コ」字状、「口」字状の内部を挿通させることが可能となる。このようにすることで、配線が外部に見えることなく、意匠性に優れるとともに、隣接する照明装置207同士を均一に配置可能となる。
【0035】
<第4実施形態>
第1~第3実施形態では、延伸領域46と支柱部分42とを接続する湾曲領域45を補強する補強部を有していないが、補強部を有してもよい。
接続部310は、
図9の(a)に示すように、支柱部分42側に接続する接続部支柱側接続部分311と、延伸部3側に接続する接続部延伸側接続部分313と、接続部支柱側接続部分311と接続部延伸側接続部分313とを連結する連結部分315とを有している。ここでの連結部分315は、90度の円弧状をしている。
接続部310は、接続部支柱側接続部分311と接続部延伸側接続部分313とに架設する架設部分317を有している。架設部分317は、例えば、板材を溶接により、接続部支柱側接続部分311と接続部延伸側接続部分313とに結合している。
【0036】
接続部310の連結部分315は、
図9の(a)では円弧状に湾曲しているが、例えば、
図9の(b)に示すように、接続部支柱側接続部分311と接続部延伸側接続部分313とを90[度]に屈曲させた状態で連結してもよい。この場合、
図9の(b)に示すように、架設部分317を接続部支柱側接続部分311と接続部延伸側接続部分313とに隙間ができないように溶接により結合してもよい。
架設部分317により、延伸方向が異なる接続部支柱側接続部分311と接続部延伸側接続部分313とを補強でき、照明装置7が自重により延伸部3が下方に傾くのを防止できる。
なお、
図9(a)と
図9(b)に示した架設部分317の板厚は、接続部支柱側接続部分311と接続部延伸側接続部分313の左右方向の幅よりも薄いパターンを例示したが、このパターンに限定されない。例えば、架設部分317の板厚は、接続部支柱側接続部分311と接続部延伸側接続部分313の左右方向の幅と同じ厚さであってもよい。これにより、延伸方向が異なる接続部支柱側接続部分311と接続部延伸側接続部分313とをより強固に補強でき、照明装置7が自重により延伸部3が下方に傾くのをより効果的に防止できる。
【0037】
以上、第1~第4実施形態を説明したが、これらの実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってもよい。
また、実施形態や変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0038】
<変形例>
1.照明装置
(1)実施形態の照明装置7は、器具71と灯具72とを別体で備えていたが、器具と灯具とが一体化した照明装置であってもよい。
照明装置7は、長尺状をしているが、他の形状、例えば、円形の照明装置であってもよい。
(2)実施形態の照明装置7は、電源ユニット76を備えていたが、複数の照明装置を備える照明システムでは、隣接方向の端に位置する照明装置に給電して、隣接する他の照明装置に送り配線により給電するようにしてもよい。この場合、
図3に示す、器具本体73の端部カバーに形成された不連続な貫通溝73cにより囲まれた部分を除去することで、配線が容易に行える。
【0039】
2.固定具
(1)実施形態の固定具1は、本発明の接続部と支柱部とを一体で有する接続部4、保持部2、延伸部3及び固定部5を別体で備え、組み立てるようにしている。これにより、例えば、長さの異なる延伸部を用いることで、照明装置7の棚9に対する前後方向の位置を容易に変更することができる。
しかしながら、例えば、固定具は、本発明に係る延伸部と接続部とを一体で有する延伸部、保持部、支柱部及び固定部を別体で備え、組み立てるようにしてもよい。この場合、例えば、長さの異なる支柱部を用いることで、照明装置7の棚9に対する上下方向の位置を容易に変更することができる。
(2)実施形態の固定具1は、保持部2、延伸部3、接続部4(本発明の接続部と支柱部とに相当する)、固定部5を別体で備えていたが、保持部、延伸部、接続部、支柱部、固定部のすべてを別体で構成してもよいし、すべてを一体で構成してもよい。別体にする部品点数が多くなるほど、照明装置の棚に対する位置の調整の自由度は向上する。一方で、部品点数が少なくなるほど、固定具の組み立て作業が少なくなる。
(3)固定具は、保持体と延伸部を一体に備えてもよいし、保持部と延伸部と接続部を一体に備えて備えてもよいし、保持部と延伸部と接続部と支柱部とを一体で備えてもよい。
(4)固定具は、上述の通り延伸部と接続部とを一体で備えてもよいし、延伸部と接続部と支柱部とを一体で備えてもよいし、延伸部と接続部と支柱部と固定部とを一体で備えてもよい。
(5)固定具は、実施形態のように接続部と支柱部とを一体で備えてもよいし、接続部と支柱部と固定部とを一体で備えてもよい。
(6)固定具は、実施形態の接続部4は、支柱部分42を有していたが、支柱部分を有しなくてもよい。つまり、固定具は、保持部、延伸部、接続部を備えていればよい。
【0040】
3.保持部
(1)実施形態では、保持部2は照明装置7を直接保持しているが、例えば、絶縁性の弾性シート、具体的には、ゴムシート、ラバーシート等を介して保持してもよい。これにより、照明装置との絶縁性を確保できる。照明装置を強固に保持できる。倉庫内の振動を吸収でき、照明装置の保持力の低下(例えば、ねじの緩み)を防止できる。
(2)保持部は、照明装置7を保持できればよく、その構造・形状は実施形態に限定されるものではない。例えば、下拡がり状の一対の側板領域23を有しなくてもよいし、一対の側板領域を保持部接続部分に直接設け、側板領域で照明装置を保持するようにしてもよい。
(3)保持部2は、保持部接続部分21に対して固定された保持部分20を有していたが、保持部接続部分21と保持部分20とをねじ等で固定するようにして、保持部分の向き、つまり、保持部接続部分に対して保持部分をねじ軸回りに回転可能としてもよい。
【0041】
4.延伸部
(1)延伸部3は前後方向と平行に延伸している(設計上)が、例えば、延伸部が前上がりに傾斜してもよい。つまり、保持部を固定部よりも前側に位置できればよく、前後方向に延伸してもよいし、前後方向と傾斜する方向に延伸してもよい。
(2)延伸部3は、1個のパイプ体により構成されているが、連結可能なパイプ体を複数接続して構成してもよい。これにより、接続する本数を調整することで、延伸部の全長を調整できる。
【0042】
5.接続部
(1)実施形態では、延伸部3を支柱部(支柱部分42)に対して回転不可に接続しているが、延伸部を支柱部に対して回転可能に接続して、例えば、ねじ等で位置固定するようにしてもよい。
(2)実施形態の接続部4は、接続部延伸側接続部分41と接続部固定側接続部分43は、延伸部3や固定部5に挿入されているが、例えば、
図9の(a)に示すように、横断面形状が「コ」字状をするコ字状体を利用して接続してもよい。
【0043】
6.支柱部
(1)支柱部(支柱部分42)は上下方向と平行に延伸している(設計上)が、例えば、支柱部が前上がりに傾斜してもよい。つまり、保持部を固定部よりも前側に位置できればよく、上下方向に延伸してもよいし、上下方向と傾斜する方向に延伸してもよい。
(2)支柱部(支柱部分42)は、1個のパイプ体により構成されているが、連結可能なパイプ体を複数接続して構成してもよい。これにより、接続する本数を調整することで、支柱部(支柱部分)の全長を調整できる。
【0044】
7.固定部
(1)固定部5は、固定具1を棚9に固定できればよく、その構造・形状は実施形態に限定されるものではない。例えば、固定部分50の断面形状は後方が開口する「コ」字状をしているが、例えば、固定部分の横断形状が、矩形状や「L」字状をし、棚9の支柱91に当接する板部分に、第1孔、第1長孔、さらには、第2孔、第2長孔を設けて、ねじ等で支柱91に固定するようにしてもよい。
(2)固定部5は、棚9の支柱91に固定しているが、前後の支柱に架設した架設部材に固定するようにしてもよい。
【0045】
8.連結部
第2実施形態では、連結部6A,6Bは、保持部2や接続部4の延伸領域46に設けられているが、例えば、
図10に示すように、左右方向に固定具を連結する場合、保持部2の保持部分に連結機能を設けてもよい。
図10に示す保持部分420は、照明装置7の器具71と間隔をおいて器具71を保持し、その間隔に連結部材65Aを左右方向から挿通させた状態で固定可能に構成されている。
保持部分420は、左右方向に延伸する。保持部分420の左右方向の寸法は、例えば保持部分20の左右方向の寸法と同等である。
保持部分420は、横断面形状が下方が開放する「コ」字状のコ字状領域421と、コ字状領域421の下端から前後方向の外方へ張り出す外鍔領域423とを有する。
コ字状領域421の内部の空間は連結部材65A用である。コ字状領域421は、左右方向の中間位置で保持部接続部分21に結合されている。
コ字状領域421の前後に対向する2つの板状部分に貫通孔が設けられている。貫通孔は、左右方向の中央である保持部接続部分21との結合部分に対して左右方向の両側に複数個ある。複数個の貫通孔は左右方向に間隔をおいても設けられている。貫通孔は、真円状、左右方向に長い形状であってもよいが、隣接する固定具の間隔調整の観点からは長孔状が好ましい。
外鍔領域423は、器具本体73の天板部73Aと当接し、ねじ(図示省略)等を利用して器具本体73を保持する。
【0046】
実施形態において、接続部4と延伸部3との接続、接続部4と固定部5との接続、保持部2と延伸部3との接続は、一方の部材が他方の部材に挿入されて場合、挿入する部材が実施形態と逆であってもよい。
具体的には、
図2に示すように、接続部延伸側接続部分41と接続部固定側接続部分43は、延伸部3や固定部5に挿入しているが、延伸部3や固定部5が接続部延伸側接続部分41や接続部固定側接続部分43に挿入する構造としてもよい。
【符号の説明】
【0047】
X 照明システム
1 固定具
2 保持部
3 延伸部
4 接続部
5 固定部