(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】平海苔束の生産方法
(51)【国際特許分類】
A23L 17/60 20160101AFI20231130BHJP
【FI】
A23L17/60 103A
A23L17/60 103B
(21)【出願番号】P 2019200430
(22)【出願日】2019-11-05
【審査請求日】2022-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】392024699
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100086092
【氏名又は名称】合志 元延
(72)【発明者】
【氏名】川島 一美
【審査官】川崎 良平
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-212317(JP,A)
【文献】特開2006-137432(JP,A)
【文献】特開2006-101810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 17/60
B65B 27/00-27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
この平海苔束の生産方法は、カウント集束整列工程,予備処理工程,結束工程を、順に備えており、
該カウント集束整列工程では、検査,選別された平海苔を、所定カウント枚数集積すると共に四辺を揃えて整列し、もって該平海苔束とし、
該予備処理工程では、次の該結束工程の予備処理として、該平海苔束の表面と裏面に保護シートを配置し、
該結束工程では、該保護シートが配置された該平海苔束を、結束テープで結束し、
該保護シートは、厚紙よりなり、該結束テープによる結束締め付け力にて変形しない腰の強さの強度を備えており、
表面被覆用の厚紙製の該保護シートが、該平海苔束の表面の平海苔を被覆し、裏面被覆用の厚紙製の該保護シートが、該平海苔束の裏面の平海苔を被覆することにより、
該保護シートは、結束される該平海苔束を他からプロテクトし、もって該平海苔束について、該結束テープによる結束締め付け力に対し、湾曲や折曲変形防止機能,形状維持機能を発揮すると共に、該結束テープ,その他と接触させないことにより、接触損傷防止機能を発揮すること、特徴とする平海苔束の生産方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平海苔束の生産方法に関する。すなわち、結束された平海苔束の生産方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
《技術的背景》
乾海苔(以下単に海苔という)の生産ラインでは、まず、生海苔摘採,水洗,抄き,脱水,乾燥等の前工程の後、検査,カウント集束,整列,(折曲),結束の後工程を辿って、海苔が生産される。
すなわち乾燥後、検査,選別された平海苔が、所定枚数集束されて整列され、もって平海苔束とされた後、これを二つ折りに折曲してから、テープで結束されていた。つまり、二つ折りで結束された海苔束が、箱詰め出荷されていた。
【0003】
《従来技術》
これに対し、上述例のように平海苔束を二つ折り結束した海苔束とすることなく、広げたままつまり平海苔束のまま出荷されるケースも、マーケットニーズにより増加しつつある。
図1の(1’)図~(5’)図,
図2の(3)図,(4)図等は、このような従来例の説明に供する。
この従来例では、上述例と同様、乾燥工程の乾燥装置1から1枚ずつ搬出された平海苔が、→検査工程の検査装置2で品質検査,選別され、→カウント集束整列工程でカウント集束整列装置3により、所定枚数集積されると共に整列され、もって平海苔束4とされる(
図1の(1’)図を参照)。
→それから上述例とは異なり、この従来例では、平海苔束4を、二つ折りの海苔束に折曲することなく平らなまま、結束工程の結束装置5にて結束テープ6で結束して(
図1の(2’)図を参照)、→箱詰め工程で箱詰め部7にて箱8に詰められていた(
図1の(5’)図を参照)。
このような生産方法にて生産され結束された平海苔束4が、マーケットニーズにより出荷されるケースも、従来増加しつつあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
ところで、このような上述例や従来例としては、例えば、次の特許文献1,2,3,4に示されたものが、挙げられる。
【文献】特開2001―333746号公報(上述例)
【文献】特開2003―070445号公報(上述例)
【文献】特開2006-137432号公報(従来例)
【文献】特開2007-297063号公報(従来例)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような従来例の平海苔束4の生産方法については、次の第1,第2の問題が指摘されていた(なお、二つ折りの上述例については、これらは問題とはなっていなかった)。
《第1の問題点》
第1に、平海苔束4が湾曲や折曲変形し易い、という問題が指摘されていた。
従来例では、
図1の(3’)図に示したように、平海苔束4が、結束工程での結束テープ6の結束締め付け力により、湾曲や折曲変形Aし易かった。平海苔束4が湾曲や折曲変形Aして、形状維持が困難化する等々、品質上,取り扱い上,見栄え上、問題となることが多々あった。
【0006】
《第2の問題点》
第2に、平海苔束4が損傷し易い、という問題が指摘されていた。
従来例では、
図1の(4’)図や(5’)図に示したように、平海苔束4が、他との接触により破損その他、接触損傷Bし易かった。
特に、結束工程で使用される結束テープ6の両側端縁に沿った部分について、接触損傷Bが生じ易かった。更に、事後の箱8その他の梱包材への出し入れ時や、運搬時その他の取り扱い時における他との接触により、全体的に各部についても接触損傷Bが生じ易かった。
このように平海苔束4に接触損傷Bが発生し、品質上,取扱い上,見栄え上、問題となることが多々あった。
【0007】
《本発明について》
本発明の平海苔束の生産方法は、このような実情に鑑み、上記従来技術の課題を解決すべくなされたものである。
そして本発明は、第1に、湾曲や折曲変形が防止され、第2に、接触損傷も防止される、平海苔束の生産方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
《請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、特許請求の範囲に記載したように、次のとおりである。
請求項1については、次のとおり。
この平海苔束の生産方法は、カウント集束整列工程,予備処理工程,結束工程を、順に備えている。
そして、該カウント集束整列工程では、検査,選別された平海苔を、所定カウント枚数集積すると共に四辺を揃えて整列し、もって該平海苔束とする。
該予備処理工程では、次の該結束工程の予備処理として、該平海苔束の表面と裏面に保護シートを配置する。
該結束工程では、該保護シートが配置された該平海苔束を、結束テープで結束する。
【0009】
そして該保護シートは、厚紙よりなり、該結束テープによる結束締め付け力にて変形しない腰の強さの強度を備えている。
そして、表面被覆用の厚紙製の該保護シートが、該平海苔束の表面の平海苔を被覆し、裏面被覆用の厚紙製の該保護シートが、該平海苔束の裏面の平海苔を被覆する。
これにより該保護シートは、結束される該平海苔束を他からプロテクトし、もって該平海苔束について、該結束テープによる結束締め付け力に対し、湾曲や折曲変形防止機能,形状維持機能を発揮すると共に、該結束テープ,その他と接触させないことにより、接触損傷防止機能を発揮すること、特徴とする。
【0010】
《作用等について》
本発明の平海苔束の生産方法は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)まずカウント集束整列工程で、平海苔が所定枚数重ねて集積されると共に整列され、もって平海苔束とされる。
(2)それから予備処理工程で、平海苔束の表面と裏面に、保護シートが配置,被覆される。保護シートは、厚紙よりなり、結束テープによる結束締め付け力にて変形しない腰の強さの強度を備えている。
(3)そして結束工程で、保護シートが配置,被覆された平海苔束が、結束テープで結束される。
(4)もって箱詰めされて出荷される。
(5)さて平海苔束は、予備処理工程において、表面と裏面に保護シートが配置,被覆されて、保護されている。保護シートは、平海苔束を他からプロテクトし、次の保護機能を発揮する。
(6)まず保護シートは、次の結束工程において、結束テープの結束締め付け力に対し、平海苔束の湾曲や折曲防止機能,形状維持機能を発揮する。
(7)又保護シートは、結束工程において、結束テープに平海苔束を直接接触させないことにより、平海苔束の接触損傷防止機能を発揮する。
(8)更に保護シートは、その後も接触損傷防止機能を発揮する。例えば、箱詰め時,運搬時,その他の取り扱い時において、平海苔束を他と直接接触させないことにより、接触損傷防止機能を発揮する。
(9)そこで本発明は、次の効果を発揮する。
【発明の効果】
【0011】
《第1の効果》
第1に、湾曲や折曲変形が防止される。
本発明に係る平海苔束の生産方法では、平海苔束の表面と裏面に厚紙等の保護シートを配置してから、結束テープにて結束する。
そして保護シートが、平海苔束を他からプロテクトする保護機能を発揮する。特に、結束テープによる結束締め付け力に対し、湾曲や折曲変形防止機能,形状維持機能を発揮する。
そこで平海苔束について、前述したこの種従来例で問題となっていた、湾曲や折曲変形が防止され、形状が維持されるようになる。もって、品質,取り扱い性,見栄え等の商品価値が向上する。
【0012】
《第2の効果》
第2に、接触損傷も防止される。
本発明に係る平海苔束の生産方法では、厚紙等の保護シートを配置してから結束テープにて結束する。
そして保護シートが、平海苔束を他からプロテクトする保護機能、特に、接触損傷防止機能を発揮する。
そこで平海苔束について、前述したこの種従来例で問題となっていた、結束時の結束テープの両側端縁に沿った部分について、破損その他の接触損傷が防止されるようになる。
更に、事後の箱詰め時、その他の梱包材への出し入れ時や、運搬時その他の取り扱い時等において、全体的に各部についても接触損傷発生が防止されるようになる。もって、この面からも、平海苔束の品質,取り扱い性,見栄え等の商品価値が向上する。
このように、この種従来技術に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】(1)図~(5)図は、本発明に係る平海苔束の生産方法について、発明を実施するための形態の説明に供し、斜視説明図である。 そして(1)図は、平海苔束を、(2)図は、保護シートを配置した状態を、(3)図は、結束テープで結束して状態を、(4)図は、その後の状態を、(5)図は、箱入れ状態を示す。 (1´)図~(5´)図は、この種従来例の説明に供し、斜視説明図である。そして(1´)図は、平海苔束を、(2´)図は、結束テープで結束した状態を、(3´)図は、折曲変形した状態を、(4´)図は、結束テープで接触破損した状態を、(5´)図は、箱入れで接触破損した状態を示す。
【
図2】(1)図,(2)図は、本発明に係る平海苔束の生産方法について、発明を実施するための形態の説明に供する。そして(1)図は、工程図、(2)図は、その一例の構成ブロック図である。 (3)図,(4)図は、この種従来例の説明に供する。そして(3)図は、工程図、(4)図は、構成ブロック図である。
【
図3】本発明に係る平海苔束の生産方法について、発明を実施するための形態の説明に供し、予備処理装置を示す。 そして(1)図は、平面説明図、(2)図は、正面説明図(その1)、(3)図は、正面説明図(その2)、(4)図は、要部の側面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について、
図1の(1)図~(5)図、
図2の(1)図,(2)図,
図3等を参照して、詳細に説明する。
《本発明の概要》
まず、本発明の概要については、次のとおり。
本発明の平海苔束9の生産方法は、シート状の乾海苔を束ねた平海苔束9について、保護シート10を配してから、結束が実施されること、を特徴とする。
すなわち、この結束された平海苔束9の生産方法は、カウント集束整列工程,予備処理工程,結束工程を、順に備えている。
そしてカウント集束整列工程では、検査,選別された平海苔を、所定カウント枚数集積すると共に四辺を揃えて整列し、もって平海苔束9とする。
予備処理工程では、次の結束工程の予備処理として、集積,整列された平海苔束9の表面と裏面に、保護シート10を配置する。保護シート10は、厚紙よりなり、結束テープ6による結束締め付け力にて変形しない腰の強さの強度を、備えている。
結束工程では、予備処理工程で保護シート10が配置された平海苔束9を、結束テープ6で結束する。
本発明の概要については、以上のとおり。以下、このような本発明について、更に詳述する。
【0015】
《カウント集束整列工程について》
まず、カウント集束整列工程について説明する。
本発明の平海苔束9の生産方法では、
図2の(1)図,(2)図中に示したカウント集束整列工程において、海苔生産ラインの前工程の乾燥工程から搬出され、検査工程で品質検査,選別された平海苔が、供給される。1は、乾燥工程の乾燥装置であり、2は、検査工程の検査装置2である。
そして、カウント集束整列工程では、供給されてきた平海苔が、所定枚数例えば10枚,50枚,100枚程度毎に、重ねて集積されると共に、四辺を揃えて整列される。このようにして、
図1の(1)図に示した平海苔束9が得られる。3は、このカウント集束整列工程で使用されるカウント集束整列装置である。
なお、カウント,集束,整列の各工程部分、つまりカウント部,集束部,整列部の各構成部分ついては、それぞれが独立したものであってもよく、相互を組み合わせて集合されたものであってもよい。又、カウント部は、検査装置2に付設されているものを使用しても良い。
そして、乾燥工程,検査工程,カウント集束整列工程等や、乾燥装置1,検査装置2,カウント集束整列装置3等については、前記した特許文献1~4や、その他の公知例に準じる。
カウント集束整列工程については、以上のとおり。
【0016】
《予備処理工程について》
次に、予備処理工程について説明する。
本発明の平海苔束9の生産方法では、
図2の(1)図,(2)図中に示した予備処理工程において、上述したカウント集束整列工程から供給された平海苔束9について、その表面と裏面に保護シート10が配置される。
すなわち、
図1の(2)図に示したように、集積,整列された平海苔束9の表面の平海苔と、裏面の平海苔が、それぞれ保護シート10で被覆される。
【0017】
保護シート10としては、厚紙が代表的に使用される。
そして、厚紙の保護シート10は、結束テープ6の結束締め付け力に対する強度と、50度~100度程度の温度では変質,変形しない耐熱性と、5mm以下の肉厚と、通気性,水分吸収性,乾燥性と、を備えている。
すなわち、まず次の結束工程において、平海苔束9への結束テープ6の結束締め付け力により変形しない腰の強さつまり強度は、保護シート10としての機能から勿論必要である。
又、平海苔束9は、結束工程,箱詰め工程を経て出荷された後に、箱出しされて60度~70度で温風乾燥されることが多いが、その温度で保護シート10が変質,変形しないことも要求される。
更に、保存や物流上の観点から、保護シート10が嵩張らないことが要求され、代表的には厚み3mm以下の肉厚が適切とされる。更に保護シート10は、上記温風乾燥時に平海苔束9から出た水分を吸収し易く、通気性にも優れて乾燥し易いことも、要求される。
【0018】
さて、この予備処理工程については、専用装置が使用されるが、勿論、手動操作によって保護シート10を配置することも可能である。
図3は、専用の予備処理装置11の一例を示す。この予備処理装置11は、処理ユニット12、搬送コンベア13、搬出コンベア14等を備えている。
処理ユニット12は、上部の吸引ファン15と、下部一対の開閉可能な保持ピン16とを備え、処理スペースC上を昇降可能である。搬送コンベア13としては、例えばローラーコンベアが使用され、搬出コンベア14としては、例えばアタッチメントガイド付のチェーンコンベアが使用される。
【0019】
この図示例の予備処理装置11の動作の概略については、次のとおり。
まず、
図3の(2)図に示したように、ストックヤードから供給され吸引ファン15そして保持ピン16に保持されていた裏面被覆用の保護シート10を、→降下した処理ユニット12から搬送コンベア13上に投下し、→搬送コンベア13にて一旦、処理スペースCから前進させておく(図中の想像線表示を参照)。
→それから、搬送コンベア13にて、平海苔束9を処理スペースCに搬入してから、→ストックヤードから供給され吸引ファン15そして保持ピン16にて保持された表面被覆用の保護シート10を、→降下した処理ユニット12から、処理スペースCの平海苔束9上に投下する。
→それから、処理ユニット12の保持ピン16にて、このような平海苔束9を上昇させると共に、→搬送コンベア13にて裏面被覆用の保護シート10を、処理スペースCに後退させる。
→そして、降下した処理ユニット12から、裏面被覆用の保護シート10上に、平海苔束9を投下することにより、→
図3の(3)図に示したように、所期のとおり、平海苔束9の表裏に保護シート10が配置される。
→そして、このような保護シート付の平海苔束9が、搬出コンベア14にて結束装置5へと供給される。
予備処理工程については、以上のとおり。
【0020】
《結束工程について》
次に、結束工程について説明する。
本発明の平海苔束9の生産方法では、
図2の(1)図,(2)図中に示した結束工程において、上述した予備処理工程から供給された、保護シート10付の平海苔束9が、結束テープ10にて結束される。
結束テープ10は、代表的には幅広帯状の紙テープよりなり、結束装置5により、平海苔束9の表裏,前後にわたり、巻き付け結束される。
この結束工程や結束装置5については、前記した特許文献1~4,その他の公知例に準じる。紙幣束,シート束,その他の結束用に市販されている帯掛け帯束機,結束機も使用可能である。
そして、このように表裏に保護シート10が配置されて結束された平海苔束9は、
図2の(1)図,(2)図中に示したように、箱詰め工程において箱詰め部7にて箱8に詰められて、出荷される。
結束工程については、以上のとおり。
【0021】
《作用等》
本発明の平海苔束9の生産方法は、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。
(1)まず、カウント集束整列工程では(
図2の(1)図,(2)図を参照)、前工程で検査,選別された平海苔が、例えば50枚や100枚程度の所定枚数、重ねて集積されると共に、四辺を揃えて整列される。もって、平海苔束9とされる(
図1の(1)図を参照)。
【0022】
(2)それから、予備処理工程において(
図1の(1)図,(2)図を参照)、平海苔束9の表面と裏面に、保護シート10が配置される。平海苔束9は、表面と裏面が保護シート10で被覆される(
図1の(2)図を参照)。
保護シート10は、厚紙よりなり、結束テープ6による結束締め付け力にて変形しない腰の強さの強度を、備えている。
【0023】
(3)そして、結束工程において(
図1の(1)図,(2)図を参照)、このように保護シート10が配置,被覆された平海苔束9は、結束テープ6にて平結束される(
図1の(3)図を参照)。
【0024】
(4)そして、このように保護シート10付で結束された平海苔束9は、箱詰め工程で箱8に詰められて出荷される(
図2の(1)図,(2)図を参照)。
【0025】
(5)本発明の平海苔束9の生産方法では、上述したように、予備処理工程において、平海苔束9の表面と裏面に保護シート10が配置,被覆される。保護シート10は、平海苔束9を他からプロテクトし、次の保護機能を発揮する。
【0026】
(6)まず、予備処理工程の次の結束工程において、平海苔束9は結束テープ6にて平結束されるが、その際、保護シート10が保護機能を発揮する。
すなわち保護シート10は、保護機能として、湾曲や折曲防止機能,形状維持機能を発揮する。
平海苔束9は、結束テープ6の結束締め付け力に対し、保護シート10にて保護され、湾曲や折曲発生が防止され、形状維持される。(
図1の結束時の(3)図、その後の(4)図を参照)(この種従来例の折曲変形Aに関する
図1の(3’)図と比較対照)。
【0027】
(7)又、保護シート10は、保護機能として、接触損傷防止機能を発揮する。
平海苔束9は、結束テープ6に対し保護シート10があるので直接接触しないので、特に結束テープ6の両側端縁に沿った部分について、破損,その他の損傷発生が防止される(
図1の結束時の(3)図、その後の(4)図を参照)(この種従来例の接触損傷Bに関する
図1の(4’)図と比較対照)。
【0028】
(8)更に、保護シート10は、事後も接触損傷防止機能を発揮する。
例えば、事後の箱8への箱詰め時、その他の梱包材への出し入れ時や、運搬時その他の取扱い時において、平海苔束9は、保護シート10にて他と直接接触しないので、各部全体について、破損,その他の損傷発生が防止される(
図1の(5)図を参照)(この種従来例の接触損傷Bに関する
図1の(5’)図と比較対照)。
本発明の作用等については、以上のとおり。
【符号の説明】
【0029】
A 折曲変形
B 接触損傷
C 処理スペース
1 乾燥装置
2 検査装置
3 カウント集束整列装置
4 平海苔束(従来例)
5 結束装置
6 結束テープ
7 箱詰め部
8 箱
9 平海苔束(本発明)
10 保護シート
11 予備処理装置
12 処理ユニット
13 搬送コンベア
14 搬出コンベア
15 吸引ファン
16 保持ピン