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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】毛髪化粧料組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/898 20060101AFI20231130BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20231130BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20231130BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
A61K8/898
A61K8/37
A61K8/81
A61Q5/00
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019236475
(22)【出願日】2019-12-26
(65)【公開番号】P2021104965
(43)【公開日】2021-07-26
【審査請求日】2022-09-09
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502439647
【氏名又は名称】株式会社ダリヤ
(72)【発明者】
【氏名】福村 藍
【審査官】山田 陸翠
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-164519(JP,A)
【文献】特開2010-006724(JP,A)
【文献】特開2014-234367(JP,A)
【文献】特開2008-150359(JP,A)
【文献】特開2004-161756(JP,A)
【文献】特開2005-289833(JP,A)
【文献】特開2003-342137(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0269758(US,A1)
【文献】特開2006-273838(JP,A)
【文献】特開平04-308515(JP,A)
【文献】Volume Up Treatment, Ishizawa Laboratories,Mintel GNPD [online],2015年01月, [検索日2023.7.5], インターネット<URL:https://www.gnpd.com>,ID#:2947187
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)パルミチン酸2-エチルヘキシル
(B)アミノプロピルジメチコン
(C)ポリビニルピロリドン
を含有し、
前記(A)成分の含有量が2~5質量%であり、
前記(B)成分の含有量が0.03~0.1質量%であり、
前記(C)成分の含有量が0.3~1質量%である毛髪化粧料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪化粧料組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、洗髪後の毛髪に対して用いる仕上げ剤として、毛髪に柔軟性やまとまり性を付与するための毛髪化粧料組成物が数多く提供されている。
【0003】
その中でも、洗浄後に毛髪をケアするために、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアパック、ヘアマスク、多剤式ヘアトリートメント等の毛髪化粧料組成物が広く利用される。これらの毛髪化粧料組成物は、浴室内等で毛髪を洗浄した後に、塗布され、洗い流す方法が最も一般的であるが、この方法は、使用される毛髪化粧料組成物によって仕上がりの状態が大きく異なることが知られている。これらの毛髪化粧料組成物において、より高い効果を得るためには、使用する毛髪化粧料組成物中の成分が、洗い流し後においても毛髪へ留まるように工夫し、効果の発揮を持続させることが重要となる。
【0004】
近年、ヘアケア意識の高まりに伴って、ヘアアイロン等による処理、パーマネントウェーブおよび永久染毛剤を用いたヘアカラーによる化学処理、ブラッシングによる摩擦、紫外線等の外的要因によるダメージで生じる髪質の変化に対するケアだけではなく、加齢等、ユーザー自身の内的要因により生じる髪質の変化に対するケアへの要望が市場で高まっている。
【0005】
外的要因によるダメージで生じる髪質の変化では、毛髪内に存在するタンパク質の変性、膨潤および流出が進行しやすくなることにより、軋みやごわつき、絡まり等の手触りの悪化だけではなく、毛髪のパサつきやハリコシの減少、広がりやボリュームの低下等を生じることが知られている。
【0006】
内的要因による髪質の変化では、毛髪が細くなることにより、ハリコシの減少やボリュームの低下が生じたり、うねり毛の増加によるごわつきや絡まり、広がり等を生じることが知られている。また、既にこれらの髪質の変化を起こしたユーザーがパーマネントウェーブや酸化染毛剤を用いたヘアカラーを行うことにより、さらに髪質が悪化する恐れがあった。
【0007】
これら髪質の変化の中でも、特に、外的要因および内的要因のどちらにも影響されて生じ得る、毛髪のボリューム低下や毛髪のパサつき、広がり、およびハリコシの減少等に悩むユーザーが多く存在しており、これら毛髪の変化によって生じる問題は、外観の印象を大きく左右する場合があることから、改善の要望は多く、これまでにも、広く毛髪化粧料組成物の検討がなされてきた。
【0008】
従来より、毛髪のパサつきや広がりに対しては、高重合シリコーンおよび低重合シリコーンを併用する方法や、糖類を用いる方法等が知られている(特許文献1、2)。
【0009】
また、毛髪のボリューム感やハリコシ感の向上方法として、カチオン性ポリマーまたは両性ポリマーを用いる方法等が知られている(特許文献3、4)。
【0010】
トリートメントとしては、毛髪に塗布した際の毛髪へのなじみや、塗布時の厚み、すすぎ時までの厚みの持続性、タオルドライ時の滑らかな指通りおよび、乾燥後のしっとり感とボリューム感を付与することを特徴とした、カチオン性界面活性剤、カチオン化グアーガム、数平均分子量が150~3000である水添ポリイソブテンを含有する毛髪化粧料が開示されている(特許文献5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2005-179337号公報
【文献】特開2010-077079号公報
【文献】特開2011-098927号公報
【文献】特開2017-206483号公報
【文献】特開2019-167307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
毛髪のパサつきや広がりを改善するために、特許文献1で示される高重合シリコーンを用いる場合、コーティング力が強いために、パサつきや広がりを改善する効果は高いものの、ボリューム感やハリコシ感に欠ける場合があった。
【0013】
また、特許文献2で示される糖類を使用する技術では、添加量が少量の場合、毛髪に対する効果が十分とは言えず、十分な効果を得るために添加量を増やすと強いべたつきが生じる可能性があった。
【0014】
毛髪のボリューム感やハリコシ感を向上させるために、特許文献3および特許文献4で示される両性またはカチオン性ポリマーを用いる場合、毛髪化粧料組成物の繰り返しの使用によって、両性またはカチオン性ポリマーが毛髪に徐々に吸着することで次第に毛髪へごわつき与えてしまい、パサつきや広がりを生じる場合があった。
【0015】
このように、パサつきや広がりの改善およびボリューム感やハリコシ感の向上は、本来相反する指標となるため、それら効果を十分に両立させることは困難であり、未だ改善の余地があった。
【0016】
このことから、毛髪化粧料組成物の使用に際して、毛髪のパサつきや広がりを改善し、ボリューム感やハリコシ感を向上させることで、毛髪にしっとり感が付与されながら、根元のボリューム感と毛先のまとまりが良好であり、根元のボリューム感と毛先のまとまりが持続する毛髪化粧料組成物のさらなる開発が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、(A)パルミチン酸2-エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルまたはトリ(カプリル・カプリン酸)グリセリルから選ばれる1種以上、(B)アミノプロピルジメチコンまたはアミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体から選ばれる1種以上、(C)ポリビニルピロリドンまたは酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体から選ばれる1種以上を含有し、前記(A)成分の含有量が2~5質量%であり、前記(B)成分の含有量が0.03~0.1質量%であり、前記(C)成分の含有量が0.3~1質量%であることを特徴とする毛髪化粧料組成物を提供することにより、毛髪にしっとり感が付与されながら、根元のボリューム感と毛先のまとまりが良好であり、さらに根元のボリューム感と毛先のまとまりが持続する毛髪化粧料組成物を提供できることによって本発明を完成することに至った。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、毛髪にしっとり感が付与されながら、根元のボリューム感と毛先のまとまりが良好であり、さらに根元のボリューム感と毛先のまとまりが持続する毛髪化粧料組成物を提供することによって、髪質の変化によって発生するボリューム感、ハリコシ感の不足を補い、パサつきや広がりを改善することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】
本発明による毛髪化粧料組成物は、(A)25℃で液状のエステル油を含有する。これにより、毛髪につやとしっとり感を与えることができる。
【0021】
本発明に用いる(A)25℃で液状のエステル油は、特に限定されないが、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸トリイソデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、乳酸ラウリル、乳酸オクチルドデシル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、ジ-2-エチルヘキシル酸エチレングリコール、トリカプリル酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。これらは1種以上を選択して含有されてもよい。
【0022】
本発明に用いられる(A)25℃で液状のエステル油のうち、仕上がりや指通りの良さの観点から、好ましくはパルミチン酸2-エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリルがよく、さらに好ましくはパルミチン酸2-エチルヘキシルがよい。
【0023】
本発明に用いる(A)25℃で液状のエステル油は毛髪化粧料組成物に含有されていればよい。好ましくは1~10質量%、より好ましくは1.5~7質量%、さらに好ましくは2~5質量%がよい。(A)25℃で液状のエステル油の含有量が1質量%未満の場合、毛髪にパサつきが生じ、しっとり感を得られない恐れがある。(A)25℃で液状のエステル油の含有量が10質量%を超える場合、毛髪にべたつきが生じ、根元のボリューム感を得られない恐れがある。
【0024】
本発明による毛髪化粧料組成物は、(B)アミノ変性シリコーンを含有する。これにより、毛髪にしっとり感および毛先のまとまりを与える効果がある。
【0025】
本発明で用いられる(B)アミノ変性シリコーンとしては、特に限定されないが、アミノプロピルジメチコン、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー等が挙げられる。これらは1種以上を選択して含有されてもよい。
【0026】
(B)アミノ変性シリコーンのうち、洗い上がりの毛髪のべたつきの少なさと毛先のまとまりを両立する観点から、アミノプロピルジメチコンおよびアミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体が好ましい。
【0027】
本発明に用いる(B)アミノ変性シリコーンは毛髪化粧料組成物に含有量されていればよい。好ましくは0.01~0.2質量%、より好ましくは0.01~0.15質量%、さらに好ましくは0.03~0.1質量%がよい。(B)アミノ変性シリコーンの含有量が0.01質量%未満の場合、毛先のまとまりが十分に得られない恐れがある。(B)アミノ変性シリコーンの含有量が0.2質量%を超える場合、毛髪にべたつきが生じ、根元のボリューム感を付与できない恐れがある。
【0028】
本発明による毛髪化粧料組成物は、(C)ノオン性被膜形成樹脂を1種類以上含有する。これにより、毛髪の根元にボリューム感を与えることができる。
【0029】
本発明で用いられる(C)ノオン性被膜形成樹脂としては、特に限定されないが、酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル/プロピオン酸ビニル三元共重合体、酢酸ビニル/N-ビニル-5-メチル-2-オキサゾリン共重合体、等が挙げられる。これらは1種以上を選択して含有されてもよい。
【0030】
(C)ノオン性被膜形成樹脂のうち、毛髪に特にボリューム感を与える観点から、ポリビニルピロリドンおよび酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体が好ましい。
【0031】
本発明に用いる(C)ノオン性被膜形成樹脂の含有量は、好ましくは0.01~1.5質量%、より好ましくは0.1質量%~1.5質量%、さらに好ましくは、0.3~1.5質量%である。(C)ノオン性被膜形成樹脂が0.01質量%未満の場合、毛髪化粧料組成物中に含まれるノオン性被膜形成樹脂の割合が小さくなり、毛髪全体に均一に付着することができず、ボリューム感を十分に得られない恐れがある。一方、(C)ノオン性被膜形成樹脂の含有量が1.5質量%を超える場合、毛髪に付着するノオン性被膜形成樹脂が多量になり、毛髪がきしみ、ごわつきを生じる恐れがある。
【0032】
本発明に用いる(A)25℃で液状のエステル油、(B)アミノ変性シリコーン化合物および(C)ノニオン性被膜形成樹脂の含有比((A)+(B))/(C)は、根元のボリュームと毛先のまとまりの持続性の観点から、好ましくは3~3500、より好ましくは4~35、さらに好ましくは5~12である。含有比((A)+(B))/(C)が3未満の場合、毛髪のしっとり感が少なくなり、根元のボリュームと毛先のまとまりの持続性が損なわれる恐れがある。また、含有比((A)+(B))/(C)が3500を超えた場合、根元のボリューム感が少なくなり、根元のボリュームと毛先のまとまりの持続性が損なわれる恐れがある。
【0033】
本発明による毛髪化粧料組成物のpHは、20℃条件下で2.5~7.5である。好ましくは3.0~6.0がよい。これにより、毛髪のやわらかさとすべりの向上が期待できる。
【0034】
本発明による毛髪化粧料組成物の粘度は、使用性の観点から、20℃条件下で3,000mPa・s~300,000mPa・sの範囲が好ましい。毛髪化粧料組成物の粘度が3,000mPa・s未満の場合、毛髪化粧料組成物が毛髪へ留まることができず、充分なコンディショニング力を得られない恐れがある。一方、粘度が300,000mPa・sを超える場合、毛髪へのなじみが悪くなり、均一に塗布することが難しくなる恐れがある。
【0035】
本発明による毛髪化粧料組成物の粘度は、サンプル瓶(食品140:第一硝子株式会社製)に120g充填し、20℃で24時間静置した後に、ヘリカルスタンド付B型粘度計(モデル:デジタル粘度計TVB-10M、東機産業株式会社製)を使用し、粘度が3,000mPa・s~100,000mPa・s未満の場合、M4号ローターを用いて20℃、6rpmで1分間回転させた後に測定する。粘度が100,000mPa・s以上の場合はM4号ローターを用いて20℃、3rpmで1分間回転させた後に測定する。
【0036】
本発明の毛髪化粧料組成物には、前記必須成分の他に、通常の化粧料、医薬部外品、医薬品等に用いられる各種成分、例えば、他の高分子化合物、(A)および(B)成分以外の油性成分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、キレート剤、薬効成分、タンパク誘導体、加水分解タンパク、アミノ酸類、安定化剤、酸化防止剤、植物性抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、防腐剤、色素、顔料、粉体、pH調整剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、香料等を用いることができ、これらは1種または2種以上含有してもよい。ただし、これら例示に限定されるものでない。
【0037】
本発明による毛髪化粧料組成物は、ヘアアイロン等による処理、パーマネントウェーブおよび永久染毛剤を用いたヘアカラーによる化学処理、ブラッシングによる摩擦、紫外線等の外的要因によるダメージで生じる髪質の変化、加齢等、ユーザー自身の内的要因により生じる髪質の変化によってハリコシ感やボリューム感を失い、パサつきや広がりのある毛髪への使用が有用である。
【実施例
【0038】
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0039】
本明細書に示す評価試験において、毛髪化粧料組成物に含まれる成分およびその含有量を種々変更しながら実施した。各成分の含有量を示す単位はすべて質量%であり、これを常法にて調製した。
【0040】
(官能評価)
実施例1~25および比較例1~7の毛髪化粧料組成物について、「仕上がりのしっとり感」、「仕上がりの根元のボリューム感」、「仕上がりの毛先のまとまり」および「仕上がりの根元のボリューム感と毛先のまとまりの持続性」を評価項目として、10名の専門パネラーによる官能評価を行なった。
【0041】
本明細書に示す評価試験は、すべて25℃条件下において実施した。
【0042】
<仕上がりのしっとり感・仕上がりの根元のボリューム感・仕上がりの毛先のまとまり>
専門のパネラー1名が1gの試料を毛束(中国人毛を輪ゴムで止め、輪ゴムから5g、20cmに調整した毛束:以下、毛束という)に塗布し、5分間放置した後に水洗し、ドライヤーの冷風にて、コームを通しながら乾燥させた。その後、塗付操作を行っていない専門のパネラー10名が、「仕上がりのしっとり感」「仕上がりの根元のボリューム感」「仕上がりの毛先のまとまり」を確認し、次の通り評価し、その平均(小数点以下四捨五入)を評価結果とした。
【0043】
(「仕上がりのしっとり感」評価基準)
5点:仕上がりのしっとり感が非常に良好である
4点:仕上がりのしっとり感が良好である
3点:仕上がりのしっとり感がやや良好である
2点:仕上がりのしっとり感が悪い
1点:仕上がりのしっとり感が非常に悪い
【0044】
(「仕上がりの根元のボリューム感」評価基準)
5点:仕上がりの根元に非常にボリュームがある
4点:仕上がりの根元にボリュームがある
3点:仕上がりの根元にややボリュームがある
2点:仕上がりの根元にボリューム感がやや少ない
1点:仕上がりの根元にボリューム感が少ない
【0045】
(「仕上がりの毛先のまとまり」評価基準)
5点:仕上がりの毛先のまとまり感が非常に良好
4点:仕上がりの毛先にまとまり感があり良好
3点:仕上がりの毛先にまとまり感がややあり良好
2点:仕上がりの毛先にまとまり感があまりなく悪い
1点:仕上がりの毛先にまとまり感が全くなく、非常に悪い
【0046】
<根元のボリューム感と毛先のまとまりの持続性>
専門のパネラー1名が30gの試料を毛髪試験用ドール(株式会社ビューラックス社製「カットマネキンNO.775N」:以下、毛髪試験用ドールという)に塗布し、5分間放置した後、30℃に調温した水道水を用いて試料を洗い流し、タオルドライを行い、ドライヤーの冷風にて、コームを通しながら乾燥させた。その後、毛髪試験用ドールを24時間放置し、塗付操作を行っていない専門のパネラー10名が、「根元のボリューム感と毛先のまとまりの持続性」を確認し、次の通り評価し、その平均(小数点以下四捨五入)を評価結果とした。
【0047】
(「根元のボリューム感と毛先のまとまりの持続性」評価基準)
5点:毛髪の根元のボリューム感と毛先のまとまり感が非常に良好
4点:毛髪に根元のボリューム感と毛先のまとまり感があり良好
3点:毛髪に根元のボリューム感と毛先のまとまり感がややあり良好
2点:毛髪に根元のボリューム感と毛先のまとまり感があまりなく悪い
1点:毛髪に根元のボリューム感と毛先のまとまり感が全くなく、非常に悪い
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
(実施例1~11)
実施例1~11では(A)25℃で液状のエステル油の種類および含有量を様々に代えた毛髪化粧料組成物に関して評価した。
【0051】
実施例1~11の結果から、(A)25℃で液状のエステル油の種類および含有量を様々に代えたとしても良好な結果が得られた。
【0052】
【表3】
【0053】
(実施例12~18)
実施例12~18では(B)アミノ変性シリコーンの種類および含有量を様々に代えた毛髪化粧料組成物に関して評価した。
【0054】
実施例12~18の結果から、(B)アミノ変性シリコーンの種類および含有量を様々に代えたとしても良好な結果が得られた。
【0055】
【表4】
【0056】
(実施例19~25)
実施例19~25では(C)ノオン性被膜形成樹脂の種類および含有量を様々に代えた毛髪化粧料組成物に関して評価した。
【0057】
実施例19~25の結果から、(C)ノオン性被膜形成樹脂の種類および含有量を様々に代えたとしても良好な結果が得られた。
【0058】
(実施例26)
成 分 含有量(質量%)
(A)パルミチン酸2-エチルヘキシル 2.500
(B)アミノプロピルジメチコン(10%) ※1 0.500
(C)ポリビニルピロリドン 0.200
グリセリン 1.750
エチレングリコール 4.500
1,3-ブチレングリコール 2.800
セタノール 4.200
ステアリルアルコール 1.800
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.750
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 0.200
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(200E.O.) 0.040
モノステアリン酸グリセリル 0.100
流動パラフィン 0.500
パラオキシ安息香酸メチル 0.200
フェノキシエタノール 0.010
クエン酸 0.050
クエン酸ナトリウム 0.250
エタノール 0.600
メチルポリシロキサン 6.800
γ-ドコサラクトン 0.010
ウコン根茎エキス ※3 0.010
ヒバマタエキス ※4 0.010
ツバキ油 0.100
ホホバ油 ※5 0.010
塩基性青99 0.020
塩基性赤51 0.002
HC青2 0.001
香料 0.400
精製水 70.687
合計 100.000
※3 ファルコレックス ウコン B (一丸ファルコス株式会社製)
※4 1,3BG ベゲトール シーウィード (株式会社永廣堂本店製)
※5 NIKKOL 精製ホホバ油 (日光ケミカルズ株式会社製)
【0059】
実施例26の毛髪化粧料組成物において、「仕上がりのしっとり感」、「仕上がりのボリューム感」、「仕上がりのまとまり」および「仕上がりの根元のボリューム感と毛先のまとまりの持続性」に関して良好な結果が得られた。この時のpHは5.2であった。
【0060】
(実施例27)
成 分 含有量(質量%)
(A)パルミチン酸2-エチルヘキシル 2.500
(B)アミノプロピルジメチコン(10%) ※1 0.500
(C)ポリビニルピロリドン 0.200
グリセリン 1.750
エチレングリコール 4.500
1,3-ブチレングリコール 2.800
セタノール 4.200
ステアリルアルコール 1.800
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.750
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 0.200
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(200E.O.) 0.040
モノステアリン酸グリセリル 0.100
流動パラフィン 0.500
パラオキシ安息香酸メチル 0.200
フェノキシエタノール 0.010
クエン酸 0.050
クエン酸ナトリウム 0.250
エタノール 0.600
メチルポリシロキサン 6.800
γ-ドコサラクトン 0.010
ウコン根茎エキス ※3 0.010
ヒバマタエキス ※4 0.010
ツバキ油 0.100
ホホバ油 ※5 0.010
塩基性青99 0.045
塩基性赤51 0.003
HC青2 0.001
香料 0.400
精製水 70.661
合計 100.000
【0061】
実施例27の毛髪化粧料組成物において、「仕上がりのしっとり感」、「仕上がりのボリューム感」、「仕上がりのまとまり」および「仕上がりの根元のボリューム感と毛先のまとまりの持続性」に関して良好な結果が得られた。この時のpHは5.2であった。
【0062】
(実施例28)
成 分 含有量(質量%)
(A)パルミチン酸2-エチルヘキシル 2.50
(B)アミノプロピルジメチコン(10%) ※1 0.50
(C)ポリビニルピロリドン 0.20
グリセリン 1.75
エチレングリコール 4.50
1,3-ブチレングリコール 2.80
セタノール 4.20
ステアリルアルコール 1.80
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.75
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 0.20
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(200E.O.) 0.04
モノステアリン酸グリセリル 0.10
流動パラフィン 0.50
パラオキシ安息香酸メチル 0.20
フェノキシエタノール 0.01
クエン酸 0.05
クエン酸ナトリウム 0.25
エタノール 0.60
メチルポリシロキサン 6.80
γ-ドコサラクトン 0.01
ウコン根茎エキス ※3 0.01
ヒバマタエキス ※4 0.01
ツバキ油 0.10
ホホバ油 ※5 0.01
香料 0.40
精製水 70.71
合計 100.00
【0063】
実施例28の毛髪化粧料組成物において、「仕上がりのしっとり感」、「仕上がりのボリューム感」、「仕上がりのまとまり」および「仕上がりの根元のボリューム感と毛先のまとまりの持続性」に関して良好な結果が得られた。この時のpHは4.9であった。
【0064】
(実施例29)
成 分 含有量(質量%)
(A)(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル 2.00
(B)アミノプロピルジメチコン(10%) ※1 0.50
(C)ポリビニルピロリドン 0.20
グリセリン 1.75
エチレングリコール 4.50
1,3-ブチレングリコール 2.80
セタノール 4.20
ステアリルアルコール 1.80
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.75
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 0.20
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(200E.O.) 0.04
モノステアリン酸グリセリル 0.10
流動パラフィン 0.50
パラオキシ安息香酸メチル 0.20
フェノキシエタノール 0.01
クエン酸 0.05
クエン酸ナトリウム 0.25
エタノール 0.60
メチルポリシロキサン 6.80
γ-ドコサラクトン 0.01
ウコン根茎エキス ※3 0.01
ヒバマタエキス ※4 0.01
ツバキ油 0.10
ホホバ油 ※5 0.01
香料 0.40
精製水 71.21
合計 100.00
【0065】
実施例29の毛髪化粧料組成物において、「仕上がりのしっとり感」、「仕上がりのボリューム感」、「仕上がりのまとまり」および「仕上がりの根元のボリューム感と毛先のまとまりの持続性」に関して良好な結果が得られた。この時のpHは5.0であった。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明により、毛髪にしっとり感が付与されながら、根元のボリューム感と毛先のまとまりが良好であり、さらに根元のボリューム感と毛先のまとまりが持続することによって、髪質の変化に伴い発生するボリューム感およびハリコシ感の不足を補い、パサつきや広がりを改善する毛髪化粧料組成物を提供することができる。