(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】バルブ
(51)【国際特許分類】
F16K 27/00 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
F16K27/00 Z
(21)【出願番号】P 2020505373
(86)(22)【出願日】2018-06-19
(86)【国際出願番号】 CN2018091813
(87)【国際公開番号】W WO2019024618
(87)【国際公開日】2019-02-07
【審査請求日】2020-03-27
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-06
(31)【優先権主張番号】201710653134.7
(32)【優先日】2017-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516190770
【氏名又は名称】上海箱箱智能科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HOREN CORTP Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】28th Floor, Building A, NO.1520 Gumei Road, Caohejing High-Tech Park, Xuhui District, Shanghai, 200233, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェンウェイ、ファン
【合議体】
【審判長】窪田 治彦
【審判官】山崎 孔徳
【審判官】長馬 望
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-170616(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105805321(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブ本体、前記バルブ本体内に取り付けられた内側バルブシート、及び前記バルブ本体内に取り付けられたバルブコアを備えるバルブであって、
前記バルブコアは、前記バルブコアと前記内側バルブシートとの接触部位よりも流路中心から径方向外側の偏心した位置に、バルブを開閉する回転運動の枢軸を有し、
前記バルブ本体に対して前記内側バルブシートを押圧するスクイーズ運動ができ、前記流路の軸線に沿う移動成分を持つように設置され、
前記内側バルブシートは、環状本体とシール構造を有し、
前記シール構造は、前記バルブが
閉状態にあると、前記シール構造が前記バルブ本体、前記内側バルブシート、および前記バルブコアの間に形成された隙間をシールするおよび/または充填するように設置され、
前記シール構造は、前記環状本体の内周面全体に沿って径方向内側に延びており、かつ弾性部および第1シール部が順に設けられ、
前記第1シール部は、前記弾性部の末端から軸方向に突出しており、
前記第1シール部は、前記バルブが
閉状態にあると、前記バルブコアの前記内側バルブシートに面する側面を押圧するように設置され、
前記内側バルブシートは、メインシール部がさらに設けられ、
前記メインシール部は、前記環状本体に設けられ、前記バルブが閉状態にあると、前記バルブコアの前記内側バルブシートに面する側面を押圧するように設置され、かつ前記メインシール部が前記バルブコアを押圧する位置は、前記第1シール部が前記バルブコアを押圧する位置よりも、径方向外側にあることを特徴とするバルブ。
【請求項2】
前記バルブコアの前記内側バルブシートに面する側面に第2シール部および第3シール部が設けられ、
前記第2シール部は、前記第3シール部よりも径方向外側にあり、前記バルブが閉状態にあると、前記第2シール部が前記メインシール部を押圧し、前記第3シール部が前記第1シール部を押圧することを特徴とする請求項1に記載のバルブ。
【請求項3】
前記バルブコアは前記バルブ本体にヒンジ結合され、かつ前記バルブは駆動ギアが設けられたハンドルと、従動ギアが設けられたバルブステムをさらに含み、
前記駆動ギアは前記従動ギア
と嵌め合うことによって、前記ハンドルの回転によって前記バルブステムを駆動して回転させ、さらに前記バルブコアを駆動して回転させることを特徴とする請求項1に記載のバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願は相互に参照される。
【0002】
本願は、2017年8月2日に出願された、出願番号が2017106531347であり、かつ発明名称が「バルブ」である中国出願に基づき優先権を主張し、上記出願の全文を参照によりここに援用する。
【0003】
本発明は、バルブに関し、特に、物流輸送機器で使用されるバルブに関する。
【背景技術】
【0004】
従来の中型容量バルクストレージコンテナーに使用されるバルブでは、基本的にバルブのシール面と外側のチャネルの間に多少の残留隙間があり、特に食品グレードの用途向けのバルブは、一旦洗浄できない隙間が残ったら、使用中の残留洗浄液およびその他の有害物質が細菌を繁殖させ、食品汚染の原因になり、事故につながる。
【0005】
中国特許出願番号ZL201110260851.6は、低トルクボールバルブを開示し、バルブが閉じられる状態で、バルブが前面から清掃等の動作がされると、洗浄液の一部は、バルブのバルブコアとバルブシート位置決め装置の間に残り、使用中の残留する洗浄液およびその他の有害物質が細菌を繁殖させ、食品汚染の原因になる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】中国特許出願番号ZL201110260851.6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、バルブ内に残留する液体を減少させるか、またはなくすことさえできるバルブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明はバルブ本体、前記バルブ本体内に取り付けられた内側バルブシート、及び前記バルブ本体内に取り付けられたバルブコアを備えるバルブであって、前記内側バルブシートは、環状本体とシール構造を有し、前記シール構造は、前記バルブが閉状態にあると、前記シール構造が前記バルブ本体、前記内側バルブシート、および前記バルブコアの間に形成された隙間をシールするおよび/または充填するように設置されるバルブを提供する。
【0009】
一実施例では、前記シール構造は、前記環状本体の内周面から内側に延びている。
【0010】
一実施例では、前記シール構造は、前記環状本体の内周面全体に沿って内側に延びており、かつ弾性部および第1シール部が順に設けられ、前記第1シール部は、前記バルブが閉状態にあると、前記バルブコアの前記内側バルブシートに面する側面を押圧するように設置される。
【0011】
一実施例では、前記第1シール部は、前記弾性部の末端から前記バルブコアに向かって突出している。
【0012】
一実施例では、前記シール構造は、前記環状本体の内周面全体に沿って、径方向内側に延びている。
【0013】
一実施例では、前記内側バルブシートは、メインシール部がさらに設けられ、前記メインシール部は、前記環状本体に設けられ、前記バルブが閉状態にあると、前記バルブコアの前記内側バルブシートに面する側面を押圧するように設置され、かつ前記メインシール部が前記バルブコアを押圧する位置は前記第1シール部が前記バルブコアを押圧する位置よりも、径方向外側にある。
【0014】
一実施例では、前記バルブコアの前記内側バルブシートに面する側面に第2シール部および第3シール部が設けられ、第2シール部は、前記第3シール部よりも径方向外側にあり、前記バルブが閉状態にあると、前記第2シール部が前記メインシール部と嵌め合い、前記第3シール部が前記第1シール部と嵌め合う。
【0015】
一実施例では、前記バルブコアは前記バルブ本体にヒンジ結合され、かつ前記バルブは駆動ギアが設けられたハンドルと、従動ギアが設けられたバルブステムをさらに含み、前記駆動ギアは前記従動ギアと嵌め合うことによって、前記ハンドルの回転によって前記バルブステムを駆動して回転させ、さらに前記バルブコアを駆動して回転させる。
【0016】
一実施例では、前記バルブはさらに駆動部材を含み、前記駆動部材は前記バルブステムに固定して接続され、前記バルブコアに接続部が設けられ、前記接続部には第1溝が設けられ、前記駆動部材は前記第1溝内に取り付けられ、前記駆動部材に吊りテーブルが設けられ、吊りテーブル嵌め合い面が前記第1溝内に設けられ、前記バルブステムの回転により前記駆動部材を駆動して回転させ、前記吊りテーブルと前記吊りテーブル嵌め合い面とが嵌め合うことによって、前記バルブの開放を実現する。
【0017】
一実施例では、前記駆動部材には第1バルブステム取付穴が設けられ、前記接続部の前記第1溝の両側には第2バルブステム取付穴が設けられ、前記バルブステムを前記第1バルブステム取付穴と第2バルブステム取付穴内に差し入れることによって、前記バルブステムの回転により前記駆動部材を駆動して回転させる。
【0018】
一実施例では、前記バルブ本体内にはバルブコア取付部が設けられ、前記バルブコア取付部には第2溝が設けられ、前記第2溝の両側にはバルブステム位置決め穴が設けられ、前記バルブコアの前記接続部は前記第2溝内に取り付けられ、前記バルブステムは前記バルブステム位置決め穴、前記第1バルブステム取り付け穴、前記第2バルブステム取り付け穴、前記接続部を通過することによって、前記バルブコアが前記バルブ本体内に回転可能に取り付けられている。
【0019】
一実施例では、前記バルブコアは前記バルブ本体にヒンジ結合され、前記バルブはハンドルとバルブステムをさらに含み、前記ハンドルと前記バルブステムは異なる軸の回転軸線を有し、前記ハンドルと前記バルブステムは同期回転する伝達関係を持ち、前記ハンドルの回転は、バルブステムに伝動され、このバルブステムが同期回転角増幅動作を実行し、前記バルブコアを駆動して回転させる。
【0020】
一実施例では、前記ハンドルには駆動ギアが設けられ、前記バルブステムには従動ギアが設けられており、前記駆動ギアは前記従動ギアに嵌め合い、前記ハンドルの回転により前記バルブステムを駆動して回転させ、さらに前記バルブコアを駆動して回転させる。
【0021】
一実施例では、前記バルブはさらに駆動部材を含み、前記駆動部材は前記バルブステムに固定して接続され、前記バルブコアに接続部が設けられ、前記接続部には第1溝が設けられ、前記駆動部材は前記第1溝内に取り付けられ、前記駆動部材に吊りテーブルが設けられ、吊りテーブル嵌め合い面が前記第1溝内に設けられ、前記バルブステムの回転により前記駆動部材を駆動して回転させ、前記吊りテーブルと前記吊りテーブル嵌め合い面とが嵌め合うことによって、前記バルブの開放を実現する。
【0022】
一実施例では、前記駆動部材には第1バルブステム取付穴が設けられ、前記接続部の前記第1溝の両側には第2バルブステム取付穴が設けられ、前記バルブステムは前記第1バルブステム取付穴と第2バルブステム取付穴内に差し入れることによって、前記バルブステムの回転により前記駆動部材を駆動して回転させる。
【0023】
一実施例では、前記バルブ本体内にはバルブコア取付部が設けられ、前記バルブコア取付部には第2溝が設けられ、前記第2溝の両側にはバルブステム位置決め穴が設けられ、前記バルブコアの前記接続部は前記第2溝内に取り付けられ、前記バルブステムは前記バルブステム位置決め穴、前記第1バルブステム取り付け穴、前記第2バルブステム取り付け穴、前記接続部を通過することによって、前記バルブコアが前記バルブ本体内に回転可能に取り付けられている。
【0024】
一実施例では、前記バルブコアは前記バルブ本体にヒンジ結合され、前記バルブは駆動部材、位置決め部材、および弾性部材をさらに含み、前記位置決め部材は前記バルブコアに相対運動可能に取り付けられ、前記弾性部材は前記位置決め部材と前記バルブコアの間に取り付けられ、前記駆動部材と前記位置決め部材の離合することが可能な嵌め合い関係により、前記バルブは閉じられる過程中に次の3つ伝達関係を持ち、
前記駆動部材は、前記弾性部材の弾性作用で、前記位置決め部材と嵌めあって、前記バルブコアを回転させて前記バルブコアを閉じる相対的静止的な第1伝達関係を形成し;第1伝達関係が終了すると、前記駆動部材および前記位置決め部材は、第1伝達関係から、前記駆動部材が前記位置決め部材を押圧して、前記位置決め部材をバルブコアに対して相対運動させる第2伝達関係に切り替えられ;そして第2伝達関係が終了すると、前記駆動部材および前記位置決め部材は、第2伝達関係から、前記駆動部材は前記位置決め部材を常に前記バルブ本体と嵌め合う状態にあるように、前記位置決め部材を張り出す状態に制御し、前記駆動部材は前記バルブコアを押圧してバルブの径方向にスクイーズ運動を行うことによって、前記バルブコアをシールロックする前記駆動部材と前記バルブコアとの第3伝達関係に切り替えられる。
【0025】
本願はバルブ本体、前記バルブ本体内に取り付けられて環状本体を有する内側バルブシート、及び前記バルブ本体内に取り付けられたバルブコアを備え、前記環状体には前記メインシール部が設けられており、前記メインシール部は、前記バルブが閉状態にあると、前記バルブコアの前記内側バルブシートに面する側面を押圧すように設置されているバルブであって、前記内側バルブシートは、前記環状本体の内周面から径方向内側に延びるシール構造をさらに有し、前記シール構造には、弾性部とシール部とが順に設けられ、前記シール部は前記バルブが閉状態になると、前記バルブコアの前記内側バルブシートに面する側面が押圧され、かつ前記シール部が前記バルブコアを押圧する位置は前記メインシール部が前記バルブコアを押圧する位置よりも、半径方向内側にあるように設置されるバルブを提供する。
【0026】
一実施例では、前記バルブコアは前記バルブ本体にヒンジ結合され、かつ前記バルブは駆動ギアが設けられたハンドルと、従動ギアが設けられたバルブステムをさらに含み、前記駆動ギアは前記従動ギアと嵌め合うことによって、前記ハンドルの回転によって前記バルブステムを駆動して回転させ、さらに前記バルブコアを駆動して回転させる。
【0027】
一実施例では、前記バルブコアは前記バルブ本体にヒンジ結合され、前記バルブはハンドルとバルブステムをさらに含み、前記ハンドルと前記バルブステムは異なる軸の回転軸線を有し、前記ハンドルと前記バルブステムは同期回転する伝達関係を持ち、前記ハンドルの回転は、バルブステムに伝動され、このバルブステムが同期回転角増幅動作を実行し、前記バルブコアを駆動して回転させる。
【0028】
一実施例では、前記バルブコアは前記バルブ本体にヒンジ結合され、前記バルブは駆動部材、位置決め部材、および弾性部材をさらに含み、前記位置決め部材は前記バルブコアに相対運動可能に取り付けられ、前記弾性部材は前記位置決め部材と前記バルブコアの間に取り付けられ、前記駆動部材と前記位置決め部材の離合することが可能な嵌め合い関係により、前記バルブは閉じられる過程中に次の3つ伝達関係を持ち、
前記駆動部材は、前記弾性部材の弾性作用で、前記位置決め部材と嵌めあって、前記バルブコアを回転させて前記バルブコアを閉じる相対的静止的な第1伝達関係を形成し;第1伝達関係が終了すると、前記駆動部材および前記位置決め部材は、第1伝達関係から、前記駆動部材が前記位置決め部材を押圧して、前記位置決め部材をバルブコアに対して相対運動させる第2伝達関係に切り替えられ;そして第2伝達関係が終了すると、前記駆動部材および前記位置決め部材は、第2伝達関係から、前記駆動部材は前記位置決め部材を常に前記バルブ本体と嵌め合う状態にあるように、前記位置決め部材を張り出す状態に制御し、前記駆動部材は前記バルブコアを押圧してバルブの径方向にスクイーズ運動を行うことによって、前記バルブコアをシールロックする前記駆動部材と前記バルブコアとの第3伝達関係に切り替えられる。
【0029】
本願は、バルブ本体、内側バルブシート、バルブコアを備え、前記バルブコアと前記内側バルブシートは前記バルブ本体内に取り付けられており、前記バルブには流路が形成され、前記バルブコアは前記バルブ本体に対して前記内側バルブシートを押圧するスクイーズ運動ができ、前記流路の軸線に沿っている移動成分を持つように設置されるバルブであって、前記内側バルブシートは、前記バルブが閉状態になると、前記内側バルブシートが前記内側バルブ座、前記バルブコア、及びバルブ本体の間に形成された隙間をシールするおよび/または充填するように設置されるバルブをさらに提供する。
【発明の効果】
【0030】
本願のバルブは、液体がバルブ本体、バルブコア、内側バルブシートの間の隙間に侵入するのを防ぐシール構造を備えているため、バルブ内に残留する液体を大幅に減らし、汚染を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の一実施例に係るバルブの断面図であり、バルブが閉じられて密閉された状態にある。
【
図2】本発明の一実施例に係るバルブの分解図である。
【
図3】本発明の一実施例に係るバルブコアアセンブリの分解図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る駆動部材の斜視図である。
【
図4A】本発明の一実施例に係る駆動部材の左側面図である。
【
図5】本発明の一実施例に係るバルブコアの斜視図である。
【
図6】本発明の一実施例に係る位置決め部材の斜視図である。
【
図6A】本発明の一実施例に係る位置決め部材の断面図である。
【
図6B】本発明の一実施例に係る位置決め部材の正面図である。
【
図7】本発明の一実施例に係る内側バルブシートの斜視図である。
【
図8】本発明の一実施例に係るバルブステムとバルブの分解斜視図である。
【
図8A】本発明の一実施例に係る位置決め部材が取り付けられるバルブの斜視図である。
【
図8C】本発明の一実施例に係る位置決め部材と、駆動部材と、バルブステムが取り付けられるバルブ本体の断面図である。
【
図9】本発明の一実施例に係るバルブであり、本発明のバルブの閉じられる過程中の伝達関係を示す、バルブが開いている状態である断面図である。
【
図9A】本発明の一実施例に係るバルブであり、本発明のバルブの閉じられる過程中の伝達関係を示す、バルブが開いている状態である斜視図である。
【
図10】本発明の一実施例に係るバルブであり、本発明のバルブの閉じられる過程中の第1伝達関係を示す断面図である。
【
図10A】本発明の一実施例に係るバルブであり、本発明のバルブの閉じられる過程中の第1伝達関係を示す斜視図である。
【
図11】本発明の一実施例に係るバルブであり、本発明のバルブの閉じられる過程中の第2伝達関係を示す断面図である。
【
図11A】本発明の一実施例に係るバルブであり、本発明のバルブの閉じられる過程中の第2伝達関係を示す斜視図である。
【
図12】本発明の一実施例に係るバルブであり、本発明のバルブの閉じられる過程中の第2伝達関係を示す断面図である。
【
図12A】本発明の一実施例に係るバルブであり、本発明のバルブの閉じられる過程中の第2伝達関係を示す斜視図である。
【
図13】本発明の一実施例に係るバルブであり、本発明のバルブの閉じられる過程中の第3伝達関係を示す断面図である。
【
図13A】本発明の一実施例に係るバルブであり、本発明のバルブの閉じられる過程中の第3伝達関係を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の目的、特徴および利点をよりよく理解するために、図面を参照して本発明の好適な実施例について詳細に説明する。図面に示される実施例は、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではなく、単に本発明の技術方案の本質的な精神を説明することを理解するべきである。
【0033】
以下の説明では、開示された各実施例を説明する目的として、開示された各実施例を完全に理解するために、何らかの具体的な詳細を記載する。しかしながら、当業者は、これらの具体的な詳細の1つ或いは幾つかがない場合は、実施例を実施できることを認識するべきである。他の場合では、実施例の説明を不必要に曖昧にすることを避けるために、本出願に関連する周知のデバイス、構造、および技術は詳細に示されないか、または記載されない可能性がある。
【0034】
文脈で特に必要とされない限り、明細書および請求の範囲を通して、「備える」という言葉とそのバリエーション、例えば「含む」や「有する」などの用語は、オープンであると理解するべきであり、「含む」の意味は「含むが、それに限定されない」と解釈されるべきである。
【0035】
明細書全体にわたる「一つの実施例」または「一実施形態」への言及は、実施例に説明される特定の特点、構造、または特徴が少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。そのため、明細書全体の各箇所での「一つの実施例では」または「一実施形態では」の表現は、必ずしもすべてが同じ実施例を指しているわけではない。また、特定の特点、構造、または特徴が1つまたは複数の実施例で任意の方法で組み合わせることができる。
【0036】
本明細書および添付の請求の範囲で使用されるように、単数形「一」、「当該」および「前記」は、文脈がそうでないことを明確に記載しない限り、複数の指示対象も含む。「または」という用語は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、「および/或いは」を含む意味で一般的に使用されることである。
【0037】
図1および
図2に示すように、バルブ100は、バルブ本体10、バルブコアセンブリ20、バルブステム30、ハンドル40、外側バルブシート50、内側バルブシート60、フランジ70、およびカバー80を含む。バルブコアセンブリ20は、バルブコア21と、駆動部材22と、弾性部材23と、位置決め部材24とを含み、バルブコアセンブリ20は、バルブ本体10内に取り付けられ、バルブコア21はバルブ本体10にヒンジ結合される。外側バルブシート50は、バルブ本体10とカバー80との間に設けられている。内側バルブシート60は、バルブコア21とバルブ本体10との間に配置され、閉状態にあると、内側バルブシートはバルブコア、バルブ本体および内側バルブシートの間に形成されるスペースが少なくとも部分的に充填されるおよび/または完全に密閉されているようにバルブコアに嵌め合い。これによって、バルブのバルブコア、バルブ本体、および内側バルブシートの間のスペースに残る液体は減少し、さらには排除され、これについては、以下でさらに詳しく説明します。カバー80は、バルブ本体10の出口端に設けられている。フランジ70は、バルブ本体10の入口端に設けられている。バルブ本体の入口端と出口端の間に流路が形成される。流路は、入口端から出口端まで延びる軸線を有する。ハンドル40には駆動ギア41が設けられ、バルブステム30には従動ギア31が設けられており、駆動ギア41は従動ギア31に噛み合い、ハンドル40の回転機能によりバルブステム30を駆動して回転させることができる。
【0038】
以下は、
図3から
図6Bを参照して、本願の一つの実施例によるバルブコアアセンブリを説明する。
【0039】
図3、
図4、
図4Aに示すように、駆動部材22には、吊りテーブル221、ロックカム222、コントロールカム223、及び第1バルブステム取付穴224が設けられている。ここで、制御カム223は、駆動部材22の中央部に配置され、駆動部材を回転させることによって位置決め部材をスライド移動させるように、位置決め部材24に設けられたカム嵌め合い面241と嵌めあうために使用される。吊りテーブル221は、コントロールカム223の両側に設けられており、バルブコア21の吊りテーブル嵌め合い面213に合わせることで、バルブの開放を実現するために使用される。ロックカム222は、吊りテーブル221の後ろに配置され、バルブコア21のロック突起214と嵌め合うことで、第3の伝達関係を実現するために使用される。第1バルブステム取付穴224は、駆動部材22を貫通して形成されており、バルブステム30を第1バルブステム取付穴224内に差し入れることができることによって、バルブステム30の回転により駆動部材22を回転させることができ、以下、駆動部材22の各部と、バルブコア21と、位置決め部材24との嵌め合い関係について詳細に説明する。
【0040】
図3、
図5から
図5Bに示すように、バルブコア21にガイド部210が設けられている。好ましくは、ガイド部210は、バルブコア21を横方向に貫通する穴である。位置決め部材24をガイド部210内に差し入れ、ガイド部210内をスライドすることができる。さらに、バルブコア21には、接続部211が設けられており、接続部211は、ガイド部210の一端のバルブコア21の縁から外に一体に伸び出て形成されている。接続部211の中間部には、第1溝212が設けられている。ロック突起214は、第1溝212の底部に設けられている。第1溝212の両側には、第2のバルブステム取付穴215が設けられている。吊りテーブル嵌め合い面213は、第1溝212の後部の両側に設けられている。第1溝212は、駆動部材22を取り付けるために使用される。ロック突起214は、駆動部材22のロックカム222と嵌め合うために使用される。第2のバルブステム取り付け穴215は、バルブステム30を取り付けるために使用される。吊りテーブル嵌め合い面213は、吊りテーブル221のコントロールカム223と嵌め合うために使用される。第2のバルブステム取付穴215の直径は、バルブステム30の外径よりも大きいので、バルブステム30は、第2のバルブステム取付穴215内で回転することができ、これについて、以下に詳細に説明する。
【0041】
図5Bに示すように、第2シール部216および第3シール部217は、バルブコア21のガイド部が設けられている側とは反対側の側面、すなわち内側バルブシート60に面する側面26に設けられている。第2シール部216は、第3シール部217よりも径方向外側にある。バルブが
閉状態で、第2シール部216は内側バルブシート60に設けられたメインシール部602と嵌め合い、かつ、第3シール部217は内側バルブシート60上の第1シール部604と嵌め合い、これについては以下でさらに説明する。
【0042】
図3、
図6、
図6Aおよび
図6Bに示すように、位置決め部材24は、全体として円柱形状を呈する。位置決め部材24の一端には、突出ブロック240が設けられている。突出ブロック240の端部には、カム嵌め合い面241が設けられている。カム嵌め合い面241は、駆動部材22のコントロールカム223と接触していることによって、位置決め部材24は、駆動部材22の回転によりバルブコア21に対して相対移動する。突出ブロックの両側にフランジ242が設けられています。フランジ242の突出ブロックに面する側には、駆動部材22のロックカム222を逃がすための弧面243が設けられている。位置決め部材24には、制限段差244がさらに設けられており、位置決め部材24がバルブコア21のガイド部210内を移動する場合に、制限段差244は弾性部材23を横方向に制限することによって、弾性部材23は位置決め部材24に駆動部材22に向ける力を加え、弾性部材23が位置決め部材24を駆動してバルブ本体の外に退出してロック解除できる。
【0043】
本実施例では、ガイド部210は、バルブコア21に配置される一つ径方向の貫通穴であり、当業者は、ガイド部210が他の方式で設置されてもよいことを理解できる。
【0044】
図3に示すように、取り付ける場合に、弾性部材23は位置決め部材24にスリーブされ、一端で制限段差244によって横方向に制限され、駆動部材22はバルブコア21の第1溝212内に取り付けられ、駆動部材22の第1のバルブステム取り付け穴224を第2バルブステム取り付け穴215と位置合わせし、バルブステム30は片側における第2バルブステム取り付け穴215および第1のバルブステム取り付け穴224を通過し、次に反対側における第2バルブステム取り付け穴215を通過することによって、バルブコア21と駆動部材22を一緒にヒンジ結合し、バルブコア21のガイド部210に位置決め部材24を移動可能に制限し、バルブステム30は駆動部材22に固定接続されており、つまり、バルブステム30は駆動部材22の第1バルブステム取り付け穴224内で回転できず、かつバルブステム30はバルブコア21の第2バルブステム取り付け穴224内で回転でき、それによりバルブステム30の回転によって駆動部材22を駆動して回転させることができ、バルブステム30の回転によって、駆動部材22を回転させ、位置決め部材24をバルブコア21に対して移動させる。
【0045】
図7から
図7Bは、本発明の一つの実施例に係る内側バルブシート60の構造図を示している。
図7および
図7Aに示すように、内側バルブシート60は、環状本体601と、環状本体の内周面から内側に延びるシール構造603とを有する。シール構造603は、環状本体の内周面全体に沿って径方向内側に延びており、弾性部604と第1シール部605とが順に設けられている。好ましくは、シール構造603は、環状本体601の内周面から一体的に延びる。弾性部604は、環状本体よりも厚みが小さい環状体である。第1シール部605は、弾性部604の末端からバルブコアに向かって突出しているため、
図7Aの断面図に示すように、第1シール部は大体フック形状を呈する。
【0046】
内側バルブシート60にはさらに、メインシール部602が設けられている。メインシール部602は、環状本体601の天面の内側に位置している。ここで、環状本体の天面とは、環状本体の第1シール部605の突出方向と同じ側の面をいう。
【0047】
前記バルブが閉状態で、メインシール部602および第1シール部605は、バルブコア21の内側バルブシート60に面する側面、つまりバルブコアの第2シール部216および第3シール部217をそれぞれ押圧する。
【0048】
図8から
図8Cは、バルバロッド、バルバ本体、位置決め部材、および駆動部材の構造および取り付け図を示している。
図8から
図8Cに示すように、バルブ本体10内には、バルブコア取り付け部11が設けられている。バルブコア取り付け部11には、第2の溝12が設けられている。第2溝12の両側には、バルブステム位置決め孔13が設けられており、バルブコア21の接続部211は、第2溝12内に取り付けられ、バルブステム30は、バルブ本体10の片側のバルブステム位置決め孔13を通ってから接続部211の片側の第2バルブステム取付穴215を通り、駆動部材22の第1バルブステム取付穴224を通り、接続部211の他側の第2バルブステム取付穴215を通り、最後に、バルブコア21をバルブ本体10に回転可能に接続するように、バルブ本体10の他側のバルブステム位置決め穴13に通り抜ける。
【0049】
図8から
図8Cに示すように、バルブ本体10の内側壁には、位置決め部材ロック部14がさらに設けられており、位置決め部材ロック部14は一つの溝である。位置決め部材ロック部14は、位置決め部材24を鉛直方向に制限するために使用されるので、位置決め部材24が所定の位置に伸ばされると、位置決め部材24は位置決め部材ロック部14によってロックされ、これについては、以下で詳しく説明する。
【0050】
【0051】
図9から
図10Aに示すように、バルブが開状態から閉状態に変化すると、駆動部材22は、弾性部材23の弾性作用で位置決め部材24と嵌め合って相対的静止的な第1伝達関係を形成し、バルブコア21を回転させてバルブコア21を閉じる。第1伝達関係では、位置決め部材24は、バルブコア21に力を加えて、バルブコア21を閉じる。
【0052】
図11から
図12Aに示すように、第1伝達関係が終了すると、駆動部材22および位置決め部材24は、第1伝達関係から第2伝達関係に切り替えられ、駆動部材22は、位置決め部材24を押して、位置決め部材24をバルブコア21に対して相対移動をし、第2の伝達関係では、駆動部材22におけるコントロールカム223が位置決め部材24におけるカム嵌め合い面241と嵌め合うことによって、位置決め部材24は、コントロールカム223の下向きの回転によりバルブコア21のガイド部210内で弾性部材23の弾性力に抗して、位置決め部材24の前端をバルブ本体10の位置決め部材ロック部14の下に差し入れるまで、横方向に移動し、
図12に示すように、この場合に、コントロールカム223のエッジはバルブコア21の第1溝212の底部と接触する。
【0053】
図13および
図13Aに示すように、第2の伝達関係が終了すると、駆動部材22および位置決め部材24は、第2伝達関係から駆動部材22およびバルブコア21の間の第3伝達関係に切り替えられ、駆動部材22は位置決め部材24を張り出す状態に制御し、位置決め部材24は常にバルブ本体10と嵌め合う状態にあり、駆動部材22はバルブコア21を押してバルブの径方向にスクイーズ運動を行い、それによりバルブコアをシールロックする。第3伝達関係では、駆動部材22はバルブステム30の駆動で同期して回転し、駆動部材22における制御カムは、常に位置決め部材24を伸長状態に制御し、駆動部材22におけるロックカム222およびバルブコア21のロックカム214は、コントロールカム222によってロック突起214に力を加えるように嵌め合うことによって、ロックカム222の作用で、駆動部材22は、バルブコア21および内側バルブシート60を、バルブ直径の方向に押してスクイズ運動を行い、この運動中で、位置決め部材24は常に張り出す状態にあり、バルブステム30が所定の位置に回転するまで、バルブ本体10の位置決め部材ロック部14と支点回転運動を形成し、バルブコア21がロックされる。
【0054】
バルブ開放プロセスの伝達関係は、バルブ閉鎖プロセスの伝達関係と反対であることを、本明細書で詳細に説明しなくても、当業者は、容易に理解することができる。バルブ開放プロセスでは、駆動部材22は、駆動部材22の吊りテーブル221とバルブコア21における吊りテーブル嵌め合い面213との嵌め合いにより、力の伝達を実現し、すなわち吊りテーブル221により吊りテーブル嵌め合い面213に力を加えることによって、バルブコア21を開くことに注意する必要がある。
【0055】
本発明において、好ましい態様として、位置決め部材は位置決めロッドであり、弾性部材は圧縮ばねである。しかし、当業者は、位置決め部材が他の形態を採用してもよく、弾性部材が例えばゴム栓などの他の弾性部材を採用してもよく、位置決め部材と弾性部材とが一体に形成されてもよいことを理解でき、下記の実施例を参照してください。
【0056】
上述の実施例では、位置決め部材と弾性部材とは独立した部材である。しかし、他の実施形態では、位置決め部材と弾性部材とが一体化されてもよく、この場合では、位置決め部材に弾性部材を設け、例えば位置決め部材の外周に弾性部材とする弾性突出リブを設けることによって、位置決め部材がバルブコアのガイド部に設置されると、弾性突出リブがガイド部の一端と嵌め合い、ガイド部の一端が弾性突出リブに力を加えることで、位置決め部材のロックを解除する。
【0057】
別の実施例では、位置決め部材に溝を設け、溝内に弾性部材を設け、ガイド部内にストッパー部(ガイド部の上部側壁から下に張り出すストッパーピンやストッパーポストなど)を設け、ストッパー部を溝の中に差し入れて弾性部材を圧縮することによって、位置決め部材が駆動部材に対して相対移動すると、弾性部材はストッパーの作用で位置決め部材に弾性力を加えて、位置決め部材のロックを解除してもよい。
【0058】
本発明を説明するために、上記のバルブは蝶番式バルブであるが、本発明は、内側バルブシートとバルブコアとの間のシール原理および関連構造、特に内側バルブシートの構造をボールバルブなどの他の発明に適用することができると理解されるべきであり、特に、このようなバルブのバルブコアがバルブ本体に対して内側バルブシートを押すスクイーズ運動ができ、バルブ本体の流路の軸線に沿っている移動成分を持つ。そのようなバルブの例は、授権公告CN103016776Bで発行された中国特許を参照し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0059】
本発明のバルブは、バルブ本体、内側バルブシートおよびバルブコアの間に形成された隙間をシールするおよび/または充填するためのシール構造を備えることによって、バルブコア、バルブ本体および内側バルブシートの間のスペース内の残留液体を低減または排除さえでき、且つシール効果が良くなる。
【0060】
必要に応じて、実施例の態様を修正して、様々な特許、出願、および刊行物の態様、特徴、および概念を採用することによって、別の実施例を提供することができる。
【0061】
上記の詳細な説明を考慮して、これらおよび他の変更を実施例に加えることができる。一般的に、請求項では、使用される用語は明細書および請求の範囲に開示された特定の実施例に限定されると考えられるべきではなく、これらの請求の範囲が享受するすべての同等範囲とともにすべての可能な実施例を含むと理解されるべきである。