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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】熱エネルギー転送装置
(51)【国際特許分類】
   F17C 11/00 20060101AFI20231130BHJP
   H01M 8/04007 20160101ALI20231130BHJP
   C01B 3/00 20060101ALI20231130BHJP
   F28D 7/10 20060101ALI20231130BHJP
   F28F 3/04 20060101ALI20231130BHJP
   F28F 3/08 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
F17C11/00 C
H01M8/04007
C01B3/00 A
F28D7/10 Z
F28F3/04 A
F28F3/08 311
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021097490
(22)【出願日】2021-06-10
(65)【公開番号】P2021196058
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】109119975
(32)【優先日】2020-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】502056293
【氏名又は名称】亞太燃料電池科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】羅 偉斌
(72)【発明者】
【氏名】黄 文彦
(72)【発明者】
【氏名】鄭 欽獻
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-500433(JP,A)
【文献】特開2003-021298(JP,A)
【文献】特開2007-045301(JP,A)
【文献】特開2005-082209(JP,A)
【文献】実開昭53-011716(JP,U)
【文献】特開2008-142177(JP,A)
【文献】国際公開第2019/075121(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0037050(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 11/00
H01M 8/04007
C01B 3/00
F28D 7/10
F28F 3/04
F28F 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が間に入出力するための少なくとも一つの入力端及び少なくとも一つの出力端を有し、袋体形状とされる熱伝導手段と、
少なくとも一つの第一貫通穴が設けられる下方板と、
前記熱伝導手段の外側に設けられ、その一端が前記下方板に接続される位置制限部と、を少なくとも含み、
前記熱伝導手段は、少なくとも一つの流路を内部に設け、前記流体がその間を流通しており、
前記熱伝導手段は、その入力端が流体の入口であり、その出力端が流体の出口であり、
前記下方板は、小さな貫通穴を介して一つの快速継ぎ手に接続され、
前記熱伝導手段は、当該熱伝導手段を前記位置制限部に直接固定する少なくとも一つの固定部が周縁に設けられる、
ことを特徴とする熱エネルギー転送装置。
【請求項2】
前記位置制限部は、他端が、少なくとも一つの第二貫通穴が設けられる上方板に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の熱エネルギー転送装置。
【請求項3】
前記上方板と前記下方板とを接続する、少なくとも一つの支持部、或いは、少なくとも一つの板部をさらに含む、ことを特徴とする請求項2に記載の熱エネルギー転送装置。
【請求項4】
前記下方板或いは前記位置制限部には、前記熱伝導手段の前記入力端及び前記出力端が外に突出するための少なくとも一つの貫通穴が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の熱エネルギー転送装置。
【請求項5】
前記下方板には、気体貯蔵タンクの位置付けを案内するための少なくとも一つの位置案内部が接続され、
前記上方板には、押し板を外部に設けるゲージ板が接続され、
前記上方板には、上方板部が接続され、
前記下方板には、下方板部が接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の熱エネルギー転送装置。
【請求項6】
前記下方板は、気体貯蔵タンクの位置決めリングのリブを係合して固定するための少なくとも一つの位置制限溝が第一貫通穴に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の熱エネルギー転送装置。
【請求項7】
前記上方板は、周縁と留めリングとを有し、クランプ部の留め接続部或いは鋼製リングに結合される、ことを特徴とする請求項2に記載の熱エネルギー転送装置。
【請求項8】
前記位置制限部は、プラスチック管、紙管及び金属管からなる群、帆布、厚膜或いはゴム膜のうちの一つであり、
前記流体は、流れ状態が維持可能な流体、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、水とエチレングリコールとの混合液、水とプロピレングリコールとの混合液、水とエチレングリコールとプロピレングリコールとの混合液、或いは、温度が3°C~95°Cに位置する液体から選ばれた一つである、ことを特徴とする請求項1からのうちのいずれかの一つに記載の熱エネルギー転送装置。
【請求項9】
前記流路は、H型、M型、N型、S型、U型、V型、W型、Z型、中間に入出する型、側辺から入り中間から出る型、規則型、或いは、不規格型から選ばれた一つであり、
前記熱伝導手段は、その材料が、天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性プラスチック、弾性繊維とゴム又は熱可塑性プラスチックとで組み合わせられた複合材料、及び、前記材料にそれぞれ1wt%~30wt%の熱伝導材料を添加してなされた材料からなる群から選ばれた一つである、ことを特徴とする請求項1からのうちのいずれかの一つに記載の熱エネルギー転送装置。
【請求項10】
当該熱伝導手段は、その材料が以下の(A)、(B)、(C)、(D)、(E)のいずれかであり、
(A)ポリイソプレン、
(B)ポリブタジエン、塩素化ブチルゴム、クロロプレンゴム、フッ化ヒドロカボンゴム、フルオロシリコーンゴム、水素化ニトリルゴム、ブチルゴム、メチルビニルシリコーンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリシロキサン、ポリウレタンの一つ、
(C)ポリ塩化ビニル、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフッ化ビニリデンの一つ、
(D)ポリアミド繊維、ポリエステル繊維及びポリフッ化ビニリデン繊維という三つのうちの一つと前記(B)のいずれか1つから組み合わせられた複合材料からなる一つ、
(E)ポリアミド繊維、ポリエステル繊維及びポリフッ化ビニリデン繊維という三つのうちの一つと前記(C)のいずれか1つから組み合わせられた複合材料からなる一つ、
前記熱伝導材料が二酸化ケイ素、二酸化チタン、カーボン粒子、カーボンナノチューブのうちの一つである、ことを特徴とする請求項に記載の熱エネルギー転送装置。
【請求項11】
請求項1に記載の熱エネルギー転送装置に用いられる熱伝導手段であって、
当該熱伝導手段の流路は、H型、M型、S型、U型、V型、W型、Z型、中間に入出する型、側辺から入り中間から出る型、規則型、或いは、不規格型から選ばれた一つである、
ことを特徴とする熱伝導手段。
【請求項12】
前記流体は、流れ状態が維持可能な流体、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、水とエチレングリコールとの混合液、水とプロピレングリコールとの混合液、水とエチレングリコールとプロピレングリコールとの混合液、或いは、温度が3°C~95°Cに位置する液体から選ばれた一つであり、
当該熱伝導手段は、その材料が、天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性プラスチック、弾性繊維とゴム又は熱可塑性プラスチックとで組み合わせられた複合材料、及び、前記材料にそれぞれ1wt%~30wt%の熱伝導材料を添加してなされた材料からなる群から選ばれた一つである、ことを特徴とする請求項11に記載の熱伝導手段。
【請求項13】
当該熱伝導手段は、その材料が、以下の(A)、(B)、(C)、(D)、(E)のいずれかであり、
(A)ポリイソプレン、
(B)ポリブタジエン、塩素化ブチルゴム、クロロプレンゴム、フッ化ヒドロカボンゴム、フルオロシリコーンゴム、水素化ニトリルゴム、ブチルゴム、メチルビニルシリコーンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリシロキサン、ポリウレタンの一つ、
(C)ポリ塩化ビニル、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフッ化ビニリデンの一つ、
(D)ポリアミド繊維、ポリエステル繊維及びポリフッ化ビニリデン繊維という三つのうちの一つと前記(B)のいずれか1つから組み合わせられた複合材料からなる一つ、
(E)ポリアミド繊維、ポリエステル繊維及びポリフッ化ビニリデン繊維という三つのうちの一つと前記(C)のいずれか1つから組み合わせられた複合材料からなる一つ、
前記熱伝導材料が二酸化ケイ素、二酸化チタン、カーボン粒子、カーボンナノチューブのうちの一つである、ことを特徴とする請求項12に記載の熱伝導手段。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱エネルギー転送装置に関し、流体を介して熱エネルギーを伝達してエネルギーを供給する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
既知されている気体貯蔵タンクの加熱装置は、「水素貯蔵タンクのコンテナおよびその加熱装置」という第4088198号の日本特許及びその図1に示されるように、燃料電池に必要な水素を供給するための二つの気体貯蔵タンクがそのコンテナに設置され、燃料電池に冷却水を循環させる流路が設けられている。循環水は、陰極に電化学反応して発生した熱により、温度が高くなり、当該流路を経由する排水口から流出される。当該コンテナには、支承、ウォータージャケット及び封鎖素子が含まれている。支承は、気体貯蔵タンクを載置するためのものであり、ウォータージャケットは、支承に設置されると共に、当該燃料電池の排水口に連通される。また、気体貯蔵タンクは、支承に設置されると、ウォータージャケットが気体貯蔵タンクを囲繞しており、燃料電池における循環冷却水流路の排水口からの高温水を介して、気体貯蔵タンクに必要な熱エネルギーを供給する。気体貯蔵タンクは、熱量が吸収された場合に、内部において金属水素化物に蓄えられた水素を排出することができる。一方、水素を充填する過程では、気体貯蔵タンクに放熱や冷却を施すことが必要である。しかしながら、前記装置及びウォータージャケットは、組み立てが難しく、時間がかかり、水漏れため補修が難しく、体積が大きく、重さが重く、熱伝導に効率が良くないなどの欠点が存在している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、熱伝導流体が漏れ難しく、組み立てが容易で、重さが軽く、体積が小さく、しかも、熱伝導に効率が良い熱エネルギー転送装置を設計することは、現在において、気体貯蔵システムにとって解決するべき喫緊の課題である。
【0004】
本発明は、熱伝導手段、下方板及び位置制限部のそれぞれの適用により、冷/熱エネルギーを伝達すると共に、組み立てや補修などが容易になる目的を達成する、熱エネルギー転送装置を提供することを目的とする。
【0005】
本発明は、体積が小さく、重さが軽く、熱伝導に効率が良い、熱伝導手段を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的を達成するために、外部からの流体が間に入出力するための少なくとも一つの入力端及び少なくとも一つの出力端を有し、袋体形状とされる熱伝導手段と、少なくとも一つの第一貫通穴が設けられる下方板と、熱伝導手段の外側に設けられ、その一端が下方板に接続される位置制限部と、を少なくとも含む、熱エネルギー転送装置を本発明の一実施例が提供する。
【0007】
上記の装置は、位置制限部の他端が、少なくとも第二貫通穴が設けられる上方板に接続される。
上記の装置は、上方板と下方板とを接続する少なくとも一つの支持部、或いは、少なくとも一つの板部をさらに含む。
【0008】
上記の下方板は、第一貫通穴と小さな貫通穴とを介して、快速継ぎ手に接続される。
【0009】
上記の下方板或いは位置制限部には、熱伝導手段の入力端及び出力端が外に突出するための少なくとも一つの貫通穴が設けられる。上記の熱伝導手段は、少なくとも一つの固定部が周縁に設けられる。
【0010】
上記の下方板には、気体貯蔵タンクの位置付けを案内するための少なくとも一つの位置案内部が接続される。
【0011】
上記の上方板には、押し板を外部に設けるゲージ板が接続される。そのうち、熱伝導手段は、上方板と下方板との間に設けられる。
【0012】
上記の上方板には、上方板部が接続され、下方板には、下方板部が接続される。
【0013】
上記の上方板には、熱伝導手段の固定部を間に挟む受け板が接続され、そのうち、固定部は、接続部を介して、支持部或いは位置制限部にロックして固定される。
【0014】
上記の下方板は、気体貯蔵タンクの位置決めリングのリブを係合して固定するための少なくとも一つの位置制限溝が第一貫通穴に設けられる。
【0015】
上記の上方板は、周縁と留めリングとを有し、クランプ部の留め接続部或いは鋼製リングに結合される。
【0016】
上記の目的を達成するために、流体が間に入出力するための少なくとも一つの入力端及び少なくとも一つの出力端を有し、袋体形状とされる可撓式の熱伝導手段を本発明の他の実施例が提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、熱伝導手段、上方板、下方板及び位置制限部のそれぞれの適用により、冷/熱エネルギーを伝達すると共に、組み立てや補修などが容易になる目的を達成できる熱エネルギー転送装置を提供することができる。また、本発明は、体積が小さく、重さが軽く、熱伝導に効率が良い熱伝導手段を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】既知されている気体貯蔵タンクの加熱装置の模式図である。
図2】本発明に係る熱伝導手段の構成模式図である。
図3A-3J】本発明に係る熱伝導手段の流路が変化する模式図である。
図4-5】本発明に係る熱エネルギー転送装置の第一実施例の分解図と組み合わせ図である。
図6】本発明に係る熱エネルギー転送装置の第二実施例の模式図である。
図7A-7B】本発明が用いる気体貯蔵タンクの模式図である。
図8】本発明の第一実施例に気体貯蔵タンクを結合した模式図である。
図9A-10C】本発明の第一実施例に気体貯蔵タンクを結合したアンロック状態とロック状態の模式図である。
図11-15】本発明の第三乃至第七実施例の模式図である。
図16-17】本発明の第八実施例の一部の分解図と模式図である。
図18-19】本発明の第九乃至第十実施例の模式図である。
図20A-20C】本発明に係る装置に異なる快速継ぎ手を搭載した模式図である。
図21A-21B】本発明に係る装置を燃料電池電動二輪車に設置した模式図である。
図22】本発明に係る装置を燃料電池発電機に設置した模式図である。
図23】本発明に係る装置について接続を複数適用した模式図である。
図24】本発明と既知されている装置とについて、水素放出流量の曲線の比較表である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図2は、本発明に係る熱伝導手段10の構成模式図であり。熱伝導手段10は、冷熱を伝導する機能を兼有しており、展開すると概ね長方形状とされ、しかも、薄肉の袋状体であり、長さ方向や幅方向に巻かれている。この実施例では、気体貯蔵タンクを置くように、中空円柱体の形状と類似するように巻かれてもよいし、実際の使用に応じるように設計され、異なる様々な形状に変えられてもよい。熱伝導手段10は、引張性、耐酸性、耐アルカリ性、耐腐食性、耐摩擦性を有している二つのフィルムであって、設計されたパターンに従って、熱プレス又は超音波による溶接を経て、所定の形状となるように、カットまたはスタンプされており、可撓式とされる概ね袋状体である。熱伝導手段10は、周縁において、少なくとも一つの固定部11が適宜に設けられ、その両側に、流体の入出口である少なくとも一つの入力端12と少なくとも一つの出力端13とが延出されるが、その入出力の方向は、必要に応じて調整されてもよく、如何なる制限も存在していない。熱伝導手段10には、少なくとも一つの流路14が設けられ、図3A乃至図3Jに順に示されるH型、M型/W型、S型、V型、規則型、不規格型、U型、N型/Z型、中間に入出する型、側辺から入り中間から出る型などの様々な形状として設計されてもよいが、これらに限定されておらず、実際のニーズに応じて変えられてもよい。例えば、前記図3Aに示すH型流路は、ニーズによって異なる冷媒と熱媒の管路にそれぞれ接続されてから、ニーズに応じて流路の経路を切り替えてもよい(未図示)。熱伝導手段10は、その材料が例えば、以下の群における高分子聚合物から選ばれた一つであるが、それに限定されていない。
(A)例えば、ポリイソプレンである天然ゴムの群
(B)例えば、ポリブタジエン、塩素化ブチルゴム、クロロプレンゴム、フッ化ヒドロカボンゴム、フルオロシリコーンゴム、水素化ニトリルゴム、ブチルゴム、メチルビニルシリコーンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリシロキサン、ポリウレタンである合成ゴムの群
(C)例えば、ポリ塩化ビニル、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフッ化ビニリデンである熱可塑性プラスチックの群
(D)例えば、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維及びポリフッ化ビニリデン繊維という三つのうちの一つと前記(B)の群のうちのいずれのゴムとの組み合わせの複合材料である弾性繊維とゴムとの組み合わせの複合材料の群
(E)例えば、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維及びポリフッ化ビニリデン繊維である弾性繊維と熱可塑性プラスチックとの組み合わせの複合材料の群という三つのうちの一つと前記(C)の群のうちのいずれの熱可塑性プラスチックとの組み合わせの複合材料の群
また、熱伝導手段10による熱伝導の效果を高めるように、上記の高分子聚合物の各材料に、それぞれ、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、カーボン粒子、カーボンナノチューブ等である熱伝導材料を1wt%~30wt%添加してもよい。
【0020】
本発明における幾つかの実施形態では、図4及び図5が、それぞれ、熱エネルギー転送装置2を示す分解図及び組み合わせ図である。まず、熱伝導手段10は、設計された形状に従って、中空の円柱形状に巻かれており、周縁において貫通穴を有した固定部11が適宜に設けられ、その両側に、熱伝導流体の入力端12と出力端13とが延出されることが見える。次に、快速継ぎ手21は、接続部211を介して、第一貫通穴206と小さな貫通穴(又は、ネジ穴)203を設ける下方板20に結合される。進んで、各支持部16は、端部161に、それぞれ、熱伝導手段10の下方の固定部11を通り抜けて、貫通穴201を設ける下方板20に接続され、支持部16の端部161におけるねじ歯と接続部202とを介して、三者がロックして固定されるようにする。また、実際のニーズに応じて、気体貯蔵タンク3(図7A~7Bに示すように)を円滑に快速継ぎ手21に挿入して設置するように、案内・位置付けの機能を有した位置案内部22を下方板20に設置してもよい。次に、熱伝導手段10の両側に延出される熱伝導流体入力端12と出力端13とは、それぞれ、下方板20における二つの貫通穴204、205(必要がある場合に、穴を拡大させて、一つの貫通穴を共有するようにしてもよい)を通り抜けて、外に突出する。進んで、位置制限部15が熱伝導手段10の外側に設けられ、支持部16の間に置かれる。次に、各支持部16における他の端部162は、それぞれ、熱伝導手段10の上方の固定部11を通り抜けてから、それぞれ、貫通穴261を設けた受け板26と貫通穴231を設けた上方板23を通り抜けて接続され、支持部16の端部162におけるねじ歯と接続部232とを介して、四者がロックして固定されるようにする。次に、ゲージ板24の凹穴241及びゲージ板24における押し板25の貫通穴251は、それぞれ、順位に、上方板23の先端部と支持部16端部162のねじ歯とを周設してから、接続部252により、結合される。最後に、上方板部27と下方板部28とは、接続部271、281により、それぞれ、上方板23と下方板20とに連結される。必要の場合には、位置案内部22、ゲージ板24、押し板25又は受け板26などの手段を省略してもよいし、接続部252をゲージ板24に直接にロックして、押し板25を省略してもよい。また、当該位置制限部15は、熱伝導手段10の形状や位置を制限することに用いられてもよい。位置制限部15は、例えば、プラスチックチューブ(ポリエチレンチューブ、ポリプロピレンチューブ、ポリ塩化ビニルチューブ、ナイロンチューブ、テフロンチューブ)、紙管、金属管(アルミニウム管、銅管又はステンレス管)の群、帆布、厚膜或いはゴム膜等などの管状物であってもよい。位置制限部15は、プラスチック管とされる場合に、冷熱の損失を低減できる一方、金属管とされる場合に、冷熱の損失や排出を速めることができる。
【0021】
図6は、本発明に係る熱エネルギー転送装置の第二実施例の模式図である。同時に図5を参照すると、同じ手段に同じ符号を付し、下記の図面についての処理も同じであるため、重複して説明しない。同実施例では、熱エネルギー転送装置2’が、図5の方に比べると、上方板23、ゲージ板24、押し板25、受け板26、及び、上方板部27と下方板部28などの手段が省略されており、熱伝導手段10における固定部11は、直接に、支持部16における各端部に接続され、支持部16における各端部は、必要に応じて、係合リング30に連結される。そうすると、装置内部に適用されるように簡素に設計可能であり、コストが省かれる。
図7A~7Bは、本発明が用いる気体貯蔵タンク3の模式図であり、実際のニーズに応じて異なる様々な形状に設計されてもよい。好ましい実施例において、気体貯蔵タンク3は、金属製円柱体の形状とされ、水素を貯蔵するタンクとして用いられるものであり、その一端に逃し弁及びハンドル31が設けられ、他端に継ぎ手32が設けられ、継ぎ手32に、リブ34を二本有している位置決めリング33が設けられている。
【0022】
図8は、本発明の第一実施例に気体貯蔵タンク3を結合した模式図である。図4及び図5を参照すると、気体貯蔵タンク3は、熱エネルギー転送装置2に設置されてから、押し板25の貫通穴253、ゲージ板24の貫通穴242、上方板23の第二貫通穴233、受け板26の貫通穴262、熱伝導手段10、及び、下方板20の第一貫通穴206を順に通り抜けて、底部まで軽く押されると、快速継ぎ手21に結合される。この時に、ハンドル31は、時計回りに回転してロック状態となる。一方、ハンドル31は、反時計に回転してアンロック状態となる。そうすると、気体貯蔵タンク3は、簡便に取り出され得る。この実施例では、熱エネルギー転送装置2を、実際の適用上のニーズに応じて設計してもよい。例えば、気体供給システム(水素源)、又は、如何なる水素エネルギー適用装置と結合されてもよい。なお、上方板23は、その第二貫通穴233の直径が気体貯蔵タンク3の外径よりもやや大きければよい。
【0023】
図9A至図10Cは、それぞれが熱エネルギー転送装置2と気体貯蔵タンク3とについてアンロック状態とロック状態の模式図である。気体貯蔵タンク3が如何して熱エネルギー転送装置2にロックして固定されるかを容易に理解し得るように、気体貯蔵タンク3の本体及びハンドル31の一部が隠されている。図4図7A及び図7Bへの説明を組み合わせて参照すると、図9Bに、熱エネルギー転送装置2の内部について組み立てが完了した構成が明らかに分かり、位置案内部22が「十字」のような方位に配列され、快速継ぎ手21に連結されるように、第一貫通穴206が下方板20の中央に設けられる。また、前記第一貫通穴206は、気体貯蔵タンク3の位置決めリング33を丁度だけ通過させ、その両側に、位置制限溝207を設けることにより、気体貯蔵タンク3を挿入して置く際に、その継ぎ手32の位置決めリング33におけるリブ34が、当該位置制限溝207を丁度通り抜け、利用者がそれを底部まで円滑に挿入して快速継ぎ手21と結合するようにする。次に、気体貯蔵タンク3におけるハンドル31により、時計回りに、90°だけ回転をすると気体貯蔵タンク3をしっかりと熱エネルギー転送装置2にロックして固定することができる。本気体貯蔵タンク3の位置決めリング33に位置するリブ34は、図10B~10Cに示すように、そもそも位置付け制限槽207に位置するが、気体貯蔵タンク3が下方に押されると共に回転するため、下方板20の外側に係合され、快速継ぎ手21の内部に位置するばね(未図示)による弾性力からの押し圧により、熱エネルギー転送装置2にしっかりと結合され、緩みにくい。前記気体貯蔵タンク3は、その回転角度がニーズに応じて調整してもよく、90°だけ回転するということに限定されておらず、リブ34を一部又は完全に位置制限溝207の位置から外すことができれば、気体貯蔵タンク3を熱エネルギー転送装置2にロックして固定することが可能である。このとき、熱エネルギー転送装置2が外部の適用装置(例えば、燃料電池載置手段、燃料電池システム、氷水機、サーモスタット、水素補充システムなど)に接続されており、装置が正常に稼働している場合に、外部の熱伝導流体が熱伝導手段10の入力端12に流れ、流路14全体を満たし、袋を膨張させることにより、気体貯蔵タンク3をじっくりと挟み、他の挟む力を形成している。
【0024】
図11は、本発明の第三実施例の模式図である。この実施例における熱エネルギー転送装置2”は、図5のほうと異なっているところが以下の通りである。支持部16を省略して、環状である固定部17、18とされ、そのうち、それぞれが、位置制限部15及び上方板23、下方板20に結合されており、結合は、接着、螺合、リベット、係合、ボンディングなどの如何なる形態であってもよい。上方板23と下方板20との間は、板部29(ニーズに応じてその数を増やしてもよい)により固定され、熱伝導手段10における上下固定部11を、接続部171、181により、それぞれ位置制限部15にロックして固定される。必要に応じて、固定部17、18を省略して、位置制限部15をそれぞれ上方板23、下方板20に結合してもよい。
【0025】
図12は、本発明の第四実施例の模式図であり、この実施例における熱エネルギー転送装置2”’は、図5のほうと異なるところが、そもそれ、管状である位置制限部15について、被覆式の位置制限部19を採用して、支持部16全体を完全に被覆するということにある。これは、実際のニーズに応じて定めれば、帆布、厚膜、接着剤フィルム、通気性又は不通気性である材料などであってもい。
【0026】
図13は、本発明の第五実施例の模式図であり、この実施例における熱エネルギー転送装置6は、図5のほうと異なるところが、以下の通りである。支持部16、ゲージ板24、押し板25、受け板26、上方板部27、下方板部28などの手段をすべて取り外した。上方板23、下方板20及び位置制限部15という三者間には、ラッチ、係合、螺合、ボンディング、接着、半田付け又は熔接等などの形態により接続を行うことが可能である。熱伝導手段10における固定部11は、位置制限部15の周縁に開設されている凹み溝151を通過して外部へ延出されてから、ボンディング、接着又はロック等の形態により固定されることにより、組み立てや補修が容易になり、重さが軽くなり、作業時間が短くなるなどの利点が図れる。
【0027】
図14は、本発明の第六実施例の模式図であり、この実施例における熱エネルギー転送装置6’は、図13のほうと異なるところが以下の通りである。位置制限部15における下方板20の周縁と近い箇所には、それぞれ、二つの貫通穴152、153(必要の場合に、それを拡大させて一つの貫通穴として共有してもよい)が設けられている。設計空間上の必要に応じて、例えば、入力端12/出力端13を90°だけ折り曲げることが必要となる。まず、予め熱伝導手段10の入力端12と出力端13を閉鎖しておく。次に、熱伝導手段10における前記貫通穴152、153に対向する位置において、側辺に穴を開ける。そして、熱伝導手段10の材料と相応しい二つの直径管101について、超音波で熔接する方式や他の方式を施すことにより、それらを結合してから位置制限部15の外部まで延出させ、、熱伝導手段10における新たな入力端12と出力端13として、外部における応用装置に接続する。そもそも下方板20における貫通穴204、205については、閉鎖して使用しないが、他の内容はそのまま変わらない。
【0028】
図15は、本発明に係る第七実施例の模式図である。この実施例における熱エネルギー転送装置6”は、図13の方と比べると、その相違点が、上方板23が省略されており、熱伝導手段10の固定部11が直接に、位置制限部15の周縁に連結されてから、接着、粘着やロックなどの方式で固定されるということにある。そうすると、組み立てが簡素となり、コストが省かれるという目的が図れる。
図16及び図17は、本発明の第八実施例の一部の分解図及び模式図であり、図18は、本発明の第九実施例の模式図である。第八実施例に係る熱エネルギー転送装置8は、図4のほうと比べると、その相違点が以下の通りである。下方板20’の中央における第一貫通穴206を設置する両側に、位置制限溝207と位置案内部22とがない。第九実施例に係る熱エネルギー転送装置9は、図4のほうと比べると、支持部16、ゲージ板24、押し板25、受け板26、上方板部27、下方板部28、位置制限溝207及び位置案内部22がない。このような設計は、位置決めリング33とリブ34とを有さない気体貯蔵タンク3’の継ぎ手32’を同様に本装置に適用させるためである。言い換えれば、気体貯蔵タンク3’と快速継ぎ手21との結合は、上記のリブ34と位置制限溝207との間の係合という設計によらず、類似に、クランプ部7を適用装置1の外部に設計してから、熱エネルギー転送装置8、9をその下方に置くということによりなされる。例えば、中空部71の切り口を有して、気体貯蔵タンク3’を円滑に入出させ、側辺に留めリング72を設け、中空部71に対応する上方に蓋部73を接続し、蓋部73の側辺に留め接続部74を設けるように設計されもよい。気体貯蔵タンク3’を熱エネルギー転送装置8、9に置く場合には、リブ34を有さないため、回転を必要とせず、底部まで挿入すれば、クランプ部7の蓋部73に力をかけてから、それを締め付け、下方へ押圧する作用力により、気体貯蔵タンク3’と快速継ぎ手21とを安定に結合する。前記クランプ部7は、外枠と蓋部73とで構成されたものに限定されていない。それは、如何なる組み合わせであってもよく、例えば、方型、長尺型、線型、円型、規則型、不規則型、他の類似な構成であってもよく、或いは、采気圧式、液圧式、係合、ラッチ或いはロック等の方式でもよく、気体貯蔵タンク3’を下方へ押圧して、固定位置を維持し、快速継ぎ手21に安定に結合できる設計又は機構であれば、その効果が図れる。例えば、可撓性を有した鋼製リング75と留めリング72とを組み合わせて、図18に示すクランプ部7’が位置制限部15の中心線に位置するということにより、気体貯蔵タンク3’のハンドル31を安定に押さえて、脱落しないようないすることができる。従って、図5図11乃至図14に示す熱エネルギー転送装置を採用しても、依然として、クランプ部7、7’と位置決めリング33を有さない気体貯蔵タンク3’が搭載する適用装置に適用され得る。
【0029】
図19は、本発明の第十実施例の模式図であり、この実施例における熱エネルギー転送装置9’は、図13図18のほうと異なるところが、周縁を有する上方板23’を代わりに用いて、上記した可撓性を有するクランプ部7’の鋼製リング75と留めリング72とをそれに設計することにより、外部適用装置の外部ハウジングに限らず、自ら独立する装置となり、如何なる気体貯蔵タンク3、3’にも適用され得、使用上の利便性が一層に高まるということにある。
【0030】
図20A~20Cは、本発明に係る熱エネルギー転送装置8、9に、異なる快速継ぎ手81、82、83を搭載した模式図である。そのうち、図20Aが本装置8に、鋼製ボール式とされる快速継ぎ手81を組み合わせた模式図である。これは、気体貯蔵タンク3’を、底部まで挿入すると、内部の鋼製ボールによりロックする。プッシュロッド212を押さえる場合には、気体貯蔵タンク3’の継ぎ手32’を鋼製ボールによる制限から脱出するように接続部213による連動によりアンロックを行うと、取り出すことが可能となる。また、図20Bは、本装置9に、ポップアップ式とされる快速継ぎ手82を組み合わせた模式図である。これは、気体貯蔵タンク3’を底部まで挿入する場合、内部の手段によりロックしてから、力で一回だけ押すと、ポップアップしてアンロックを行う。また、図20Cは、本装置9に、電磁気式とされる快速継ぎ手83を組み合わせた模式図である。これは、気体貯蔵タンク3’を底部まで挿入する場合に、継ぎ手32’を快速継ぎ手83の着磁によりロックする一方、消磁により解放して取り出す。また、気体貯蔵タンク3’を底部まで挿入する場合に、直接にロックを行う一方、着磁(或いは消磁)により解放を行う形態を採用してもよい。
【0031】
上記した熱エネルギー転送装置2、2’、2”、2”’、6、6’、6”、8、9、9’を適用装置(例えば、水素エネルギー電気二輪車、水素エネルギー発電機、水素エネルギー載置機器、水素エネルギーフォークリフトなど)に組み合わせる場合には、気体貯蔵タンク3、3’を、熱エネルギー転送装置2の内部に挿入して載置し、それを快速継ぎ手21、81、82、83に組み合わせると、そのタンクが内部の熱伝導手段10とぴったりと接触することになる。次に、熱伝導手段10の入力端12と出力端13とを、流体循環管路(図示せず、例えば、燃料電池冷却水の循環管路)に接続し、熱伝導流体が提供する熱量を介して、熱伝導を行い、気体貯蔵タンク3、3’における水素貯蔵材料により当該熱量を吸収することにより水素を放出して、適用装置での使用に備える。一方、本発明は、水素充填システムに適用されてもよい。熱エネルギー転送装置2、2’、2”、2”’、6、6’、6”、8、9、9’を、水素供給システムに設け、快速継ぎ手21、81、82、83を、それぞれ与水素源及び気体貯蔵タンク3、3’に接続してから、熱伝導手段10の入力端12と出力端13とを、流体の循環管路(図示せず、例えば、氷水機器における循環管路)に接続し、温度が比較的低い流体を介して、タンクにおける水素貯蔵材料が放熱するように役立ち、水素を填充して、気体貯蔵タンク3、3’が一杯になるようにして、使用に備える。前記熱伝導流体は、熱媒、冷媒或いは流れ状態を維持可能な流体、例えば、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、水とエチレングリコールとの混合液、水とプロピレングリコールとの混合液、水とエチレングリコールとプロピレングリコールとの混合液、或いは温度が3°C~95°Cに位置する液体等であってもよい。
【0032】
図21A及び図21Bは、本発明に、燃料電池電動二輪車を組み合わせた模式図である。図21Aから分かるように、二つの熱エネルギー転送装置2を、燃料電池電動二輪車4システムに設計すると共に、当該電動二輪車4のシートの下方に取り付ける。利用者は、水素が一杯に充填されてきた二つの気体貯蔵タンク3、3’を、それぞれ当該熱エネルギー転送装置2に(必要に応じて回転してロックする)挿入して設置すれば、図21Bに示すように、燃料電池電動二輪車4が始動して稼働することが可能である。電動二輪車が走行する際には、燃料電池が稼働する時に生じる熱と放熱循環水を、それぞれ、熱エネルギー転送装置2のヒートソース及び熱伝導流体として、熱エネルギー転送装置2の内部における熱伝導手段10の入力端12に接続し、その出力端13を、当該燃料電池の冷却水循環管路に接続し、そして、加熱気体貯蔵タンク3、3’に到達すると、水素貯蔵材料が水素を放出して、燃料電池冷却水の温度が低くなり、良い循環が形成され、エネルギーを省く目的が達成され得る。
【0033】
図22は、本発明に燃料電池発電機を組み合わせた模式図である。図に示すように、燃料電池発電機システム5の側辺には、四つの熱エネルギー転送装置2、2’、2” 、2”’、6、6’ 、6”、8、9、9’、及び、水素が一杯に充填されてきた四本の気体貯蔵タンク3、3’が配置されている。これらの気体貯蔵タンク3、3’を、それぞれ、各熱エネルギー転送装置2に(必要に応じて回転してロックを行う)に挿入して設置する。このとき、図23に示すように、各熱エネルギー転送装置2における熱伝導手段10の入力端12、出力端13、及び、快速継ぎ手21の他方端を、それぞれ、接続して、複数の熱エネルギー転送装置2を互いに接続して適用する。また、可将燃料電池発電機システム5が稼働する際に生じる高温水を、熱エネルギー転送装置2、2’、2” 、2”’、6、6’ 、6”、8、9、9’のヒートソースとして用いて、そして、それを熱媒とし、それを、前記熱エネルギー転送装置2の内部における熱伝導手段10の共用入力端12に接続し、その共用出力端13を、当該燃料電池の冷却水循環管路に接続し、燃料電池発電機システム5が安定に継続的に稼働して電力を提供できるようにする。
【0034】
下の表は、従来の加熱装置(以下に、既知装置と呼ばれる)と本発明に係る熱エネルギー転送装置2(以下に、本発明に係る装置と呼ばれる)とについて、それらの水素貯蔵量、水素残留量、水素放出グラム及び水素放出時間を比較する比較表(熱伝導流体が水である)である。
規格が同じである二つの気体貯蔵タンク3、3’については、これらの水素貯蔵量がそれぞれ、51.67グラムと51.33グラムである。この二つの気体貯蔵タンク3、3’を、それぞれ、流体循環システムを同様に有する本発明に係る装置と既知装置との内部に置いて、52°C、12Lの試験環境において水素放出試験を行ったところ、最後に測定して取得した結果は、以下の通りである。
本発明に係る新たな装置は、その水素放出時間が33分07秒であり、最後の水素残留量が19.38グラムであり、計算したところ、水素放出グラムが32.29であった。
既知の古い装置は、水素放出時間が27分34秒であり、最後の水素残留量が25.61グラムであり、計算したところ、水素放出グラムが25.72グラムであった。
【0035】
図24は、本発明と既知装置について、それらの水素放出流量を示す曲線比較表であり、X軸が時間を示し、Y軸が流量を示す。上記した放水素試験を経て最後に測定した結果によると、本発明に係る装置は、水素放出時間が1、987秒(実線)であり、既知装置は、その水素放出時間が1、654秒(点線)であり、両者間に差分が333秒である。つまり、本発明に係る装置は、水素を放出する時間を長くして、5分33秒だけ延長することができる。そして、本発明装置を用いて気体貯蔵タンク3、3’の水素放出試験を実施した結果は、既知の装置のほうよりも、その水素放出グラムが遥かに優れ、水素を放出する時間が一層に延ばされ、水素エネルギーを最適に運用することが図れ、組み立てや補修が実施されやすく、しかも、体積が小さく、重さが軽く、熱伝導の効率が良いなどの利点を同時に有している。
【0036】
教導の目的を達するように、幾つかの具体的な実施例に基づいて本発明を記載して説明したが、これらの記載及び説明が本発明を限定していない。当業者にとっては、様々な変形が可能であり、しかも、実施例において、均等手段を代替しても、添付されている特許の範囲により限定される本発明の真の趣旨及び範囲を逸脱することがないということが理解されるべきである。図面については、必ず比例に従って描くわけではない。本発明を詳しく説明しない他の実施例も存在可能である。明細書及び図面は、説明だけのためのものであり、限定を行うものではない。様々な修正や編集をしたり、特定の材料や物質、方法或いはプロセスをしたりして、本発明の目的、特徴、趣旨及び範囲に対応してもよい。このような補正は、いずれも、ここで添付している特許の範囲に含まれる。特定の順番に従って実行する特定の操作に基づいて、本明細書に記載する方法を説明したが、理解可能なことは、本発明の教示を逸脱しない限り、このような操作を組み合わせ、再度分割し、或いは、再度順番付けて、等価方法を形成してもよい。従って、本明細書に具体的な指示がない限り、操作の順番及び分割などが本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0037】
1 適用装置
2、2’、2”、 2”’、6、6’、6”、8、9、9’ 熱エネルギー転送装置
3、3’ 気体貯蔵タンク
4 燃料電池電動二輪車
5 発電機システム
7、7’ クランプ部
10 熱伝導手段
11 固定部
12 入力端
13 出力端
14 流路
15、19 位置制限部
16 支持部
17、18 固定部
20、20’ 下方板
21、81、82、83 快速継ぎ手
22 位置案内部
23、23’ 上方板
24 ゲージ板
25 押し板
26 受け板
27 上方板部
28 下方板部
29 板部
30、係合リング
31 ハンドル
32、32’ 継ぎ手
33 位置決めリング
34 リブ
71 中空部
72 留めリング
73 蓋部
74 留め接続部
75 鋼製リング
101 管
151 凹み溝
152、153、204、205 貫通穴
161、162 端部
171、181、211、271、281 接続部
201、231、251、261 貫通穴
202、232、252 接続部
203 小さな貫通穴
206 第一貫通穴
207 位置制限溝
212 プッシュロッド
213 接続部
233 第二貫通穴
242、253、262 貫通穴
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図20C
図21A
図21B
図22
図23
図24