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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】食品成形装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A21C 3/06 20060101AFI20231130BHJP
   A23P 20/20 20160101ALI20231130BHJP
【FI】
A21C3/06 A
A23P20/20
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022181931
(22)【出願日】2022-11-14
【審査請求日】2022-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】390013941
【氏名又は名称】株式会社コバード
(74)【代理人】
【識別番号】110003203
【氏名又は名称】弁理士法人大手門国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 博紀
(72)【発明者】
【氏名】吹上 透
【審査官】高橋 武大
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-088276(JP,A)
【文献】特開2020-178640(JP,A)
【文献】特開平11-346640(JP,A)
【文献】特開平4-234940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21C 3/06
A21C 11/00
A21D 8/02
A23P 20/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の生地の中央部分において複数の切れ目により複数の帯状部分を形成する帯状形成部と、前記帯状部分に交差するように載置された芯体を下方に移動させて前記生地を二つ折り状に形成する生地形成部と、前記芯体より上側に配置された前記生地の両側部分を封着して前記芯体の周囲に前記生地を巻き付けるように成形する成形部とを備えている食品成形装置。
【請求項2】
前記帯状形成部は、前記生地に前記切れ目を形成する複数の押切部材と、前記押切部材に対向して開口部が形成された生地押え部材とを備えている請求項1に記載の食品成形装置。
【請求項3】
前記生地形成部は、前記芯体を下方に移動させる押込み部材を備えている請求項1又は2に記載の食品成形装置。
【請求項4】
前記成形部は、前記生地の両側部分を前記芯体の上側で重ね合わせて封着する一対の封着部材を備えている請求項1又は2に記載の食品成形装置。
【請求項5】
シート状の生地の中央部分において複数の切れ目により複数の帯状部分を形成し、前記帯状部分に交差するように芯体を載置し、前記芯体を下方に移動させて前記生地を二つ折り状に形成し、前記芯体より上側に配置された前記生地の両側部分を封着して前記芯体の周囲に前記生地を巻き付けるように成形する食品成形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状の生地を芯体に帯状で巻き付けた外観形状に成形する食品成形装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生地を帯状又は紐状に巻き付けた外観形状に成形した食品が従来より提供されている。例えば、コロネパン、ウインナーロールといった食品が挙げられる。こうした食品を成形する場合、生地を帯状又は紐状に形成して、型体、棒状食材といった芯体に手作業で巻き付けて成形されている。そのため、成形工程において安定した形状で成形するためには、熟練の技術が必要になり、時間がかかるといった課題がある。
【0003】
こうした課題に対して、手作業を機械化することが提案されている。例えば、特許文献1では、ロボットマニピュレータを用い、細長く形成された可塑性食材からなる生地の一端を芯体に密着させて把持するとともに他端側を把持し、生地を張設した状態で芯体を回動させて生地を芯体に螺旋状に巻き付ける食品成形方法が記載されている。また、特許文献2では、芯部材に食品生地片を巻き付けた巻き食品生地を搬送コンベヤと生地押え部材で挟圧して回転させながら搬送し、生地押え部材から搬送コンベヤ側に突出する切断刃で回転搬送される巻き食品生地の食品生地片を押断して巻き食品生地の周面に筋目を付す成形方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5031121号公報
【文献】特許第6956124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、機械化により効率性の向上が期待されているが、安定した形状で量産化する点で検討の余地がある。特許文献2では、複数の切断刃により筋目を一括して付与することができるが、巻き食品生地を回転搬送させながら押断しているため切断箇所にムラが生じやすくなるといった課題がある。
【0006】
生地を帯状又は紐状に巻き付けて成形された食品は、載置された状態で以後の発酵処理等の工程が行われるため、載置面に接触する部分は、帯状又は紐状の形態が潰れて平面状の底面が形成される。そのため、最終成形品では、底面以外の表面部分において帯状又は紐状に巻き付けた外観形状を呈するようになることから、生地を帯状又は紐状に巻き付けた成形品として、こうした最終成形品の外観形状に成形することが考えられる。
【0007】
そこで、本発明は、シート状の生地を芯体に帯状で巻き付けた外観形状に効率よく成形することができる食品成形装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る食品成形装置は、シート状の生地の中央部分において複数の切れ目により複数の帯状部分を形成する帯状形成部と、前記帯状部分に交差するように載置された芯体を下方に移動させて前記生地を二つ折り状に形成する生地形成部と、前記芯体より上側に配置された前記生地の両側部分を封着して前記芯体の周囲に前記生地を巻き付けるように成形する成形部とを備えている。
【0009】
本発明に係る生地成形方法は、シート状の生地の中央部分において複数の切れ目により複数の帯状部分を形成し、前記帯状部分に交差するように芯体を載置し、前記芯体を下方に移動させて前記生地を二つ折り状に形成し、前記芯体より上側に配置された前記生地の両側部分を封着して前記芯体の周囲に前記生地を巻き付けるように成形する。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、上記のような構成を有することで、シート状の生地の中央部分に複数の切れ目を入れて複数の帯状部分を形成し、帯状部分に交差するように芯体を配置して生地を芯体に巻き付けるように生地の両側部分を封着しているので、封着部分以外の表面を帯状部分が巻き付いた外観形状に成形することができ、芯体に帯状の生地を巻き付けた外観形状の成形品を効率よく安定して成形することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る実施形態に関する概略正面図である。
図2】帯状形成部に関する概略正面図である。
図3】押切部材及び生地押え部材に関する説明図である。
図4】押切部材がシート状の生地に切れ目を形成する過程を示す説明図である。
図5】帯状形成部の動作説明図である。
図6】帯状形成部の動作説明図である。
図7】帯状形成部の動作説明図である。
図8】帯状形成部の動作説明図である。
図9】帯状形成部の動作説明図である。
図10】帯状形成部の動作説明図である。
図11】帯状形成部の動作説明図である。
図12】帯状形成部の動作説明図である。
図13】移動機構に関する一例を示す説明図である。
図14】封着機構に関する一例を示す説明図である。
図15】受け部材に関する一例を示す平面図である。
図16】生地形成部及び成形部による成形工程に関する説明図である。
図17】生地形成部及び成形部による成形工程に関する説明図である。
図18】生地形成部及び成形部による成形工程に関する説明図である。
図19】生地形成部及び成形部による成形工程に関する説明図である。
図20】生地形成部及び成形部による成形工程に関する説明図である。
図21】生地形成部及び成形部による成形工程に関する説明図である。
図22】生地形成部及び成形部による成形工程に関する説明図である。
図23】生地形成部及び成形部による成形工程に関する説明図である。
図24】生地形成部及び成形部による成形工程に関する説明図である。
図25】生地形成部及び成形部による成形工程に関する説明図である。
図26】円錐形の芯体を用いて成形する変形例に関する説明図である。
図27】円錐形の芯体を用いて成形する変形例に関する説明図である。
図28】円錐形の芯体を用いて成形する変形例に関する説明図である。
図29】内材を供給して成形する変形例に関する説明図である。
図30】内材を供給して成形する変形例に関する説明図である。
図31】内材を供給して成形する変形例に関する説明図である。
図32】内材を供給して成形する変形例に関する説明図である。
図33】内材を供給して成形する変形例に関する説明図である。
図34】内材を供給して成形する変形例に関する説明図である。
図35】四角形状の生地を形成する帯状形成部に関する動作説明図である。
図36】四角形状の生地を形成する帯状形成部に関する動作説明図である。
図37】四角形状の生地を形成する帯状形成部に関する動作説明図である。
図38】四角形状の生地を用いて成形動作を行う説明図である。
図39】四角形状の生地を用いて成形動作を行う説明図である。
図40】四角形状の生地を用いて成形動作を行う説明図である。
図41】四角形状の生地を用いて成形動作を行う説明図である。
図42】四角形状の生地を用いて成形動作を行う説明図である。
図43】四角形状の生地を用いて成形動作を行う説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0013】
図1は、本発明に係る食品成形装置に関する概略正面図である。食品成形装置1は、シート状の生地の中央部分において複数の切れ目により複数の帯状部分を形成する帯状形成部2と、生地の表面の必要な範囲に噴霧により水分を付与する噴霧部3と、帯状部分が形成された生地の上面に帯状部分と交差するように芯体を載置する芯体供給部4と、生地の上面に載置された芯体を下方に移動させて生地を二つ折り状に形成する生地形成部5と、芯体より上側に配置された生地の両側部分を封着して芯体の周囲に生地を巻き付けるように成形する成形部6とを備えている。
【0014】
シート状の生地は、事前に圧延装置等(図示せず)によりシート状に形成されており、帯状形成部2では、搬送コンベヤ7により搬入されるようになっている。また、搬送コンベヤ7の下流側には搬送コンベヤ8が配置されており、帯状形成部2から帯状部分が形成された生地が搬送コンベヤ8に移送されるようになっている。そして、帯状部分が形成された生地は、搬送コンベヤ8で搬送されて噴霧部3で表面に水分が付与された後芯体供給部4で芯体が載置され、下流側に配置されたシャトルコンベヤ9に移送されるようになっている。
【0015】
芯体が載置された生地は、シャトルコンベヤ9により生地形成部5に搬入されて、二つ折り状に形成された後成形部6で芯体の周囲に巻き付けるように成形され、成形部6の下方に配置された搬送コンベヤ10に成形品が載置されて搬出されるようになっている。
【0016】
図2は、帯状形成部2に関する概略正面図である。帯状形成部2は、支持フレーム(図示せず)に取り付けられたベース板200の上面にエアシリンダ201が支持固定されており、エアシリンダ201には上下方向に進退動作する駆動ロッド202が設けられている。駆動ロッド202の下端部には、板状の取付部材203が支持固定されており、取付部材203の下面には、板状の複数の押切部材204が平行に配置されて下方に向かって突出するように取り付けられている。
【0017】
取付部材203の周辺部には、複数個所に貫通孔が形成されてそれぞれに支持ロッド205が上下動可能に挿着されている。複数の支持ロッド205は、上端部にストッパが設けられて貫通孔から脱落しないようになっており、下端部が薄板状の生地押え部材206の周縁部に固定され、複数の支持ロッド205により生地押え部材206が支持されるようになっている。
【0018】
支持ロッド205の周囲にはコイルバネ部材207が外装されており、コイルバネ部材207は、取付部材203と生地押え部材206との間に圧縮状態で取り付けられており、生地押え部材206を下方に向かって常時付勢するようになっている。
【0019】
エアシリンダ201を駆動させて駆動ロッド202を上下方向に進退動作させることで、取付部材203に取り付けられた押切部材204及び生地押え部材206が上下動するようになっている。
【0020】
ベース板の下面には、エアシリンダ210が取り付けられており、エアシリンダ210には上下方向に進退動作する駆動ロッド211が設けられている。駆動ロッド211の下端部には支持板212が取り付けられており、支持板212の下方にはエアチャック213が支持固定されている。エアチャック213には、水平方向に互いに接近離反動作する一対のアーム部材215が設けられており、一対のアーム部材215の下端部には一対の型片部材216が支持固定されている。
【0021】
エアシリンダ210を駆動することで駆動ロッドが上下方向に進退動作して一対の型片部材216が上下動するとともに、エアチャック213を駆動することで一対のアーム部材215が接近離反動作して一対の型片部材216が水平方向に接近離反動作を行うようになっている。
【0022】
図3は、押切部材204及び生地押え部材206に関する説明図である。図3(a)は、生地押え部材206の平面図を示している。この例では、シート状の生地を一対の型片部材216により円形に型打ちするようになっているため、それに合わせて生地押え部材206も円板上に形成されている。生地押え部材216には、押切部材204がそれぞれ通過可能な開口部208が形成されており、後述するように、押切部材204の周囲に開口部208以外の生地押え部分が押圧して生地を保持した状態で押切動作が行われるようになる。
【0023】
図3(b)は、取付部材203の底面図を示しており、帯状の金属板からなる複数の押切部材204が所定間隔で立設するように取り付けられている。押切部材204の上縁部は、断面が三角状に尖った形状に形成された尖端部となっている。
【0024】
図4は、押切部材204がシート状の生地Fに切れ目を形成する過程を示す説明図である。図4(a)では、上述した断面三角状の尖端部が形成された押切部材の場合を示しており、押切部材が下降して尖端部を生地Fに押し込んでいくと、生地Fの表面が切れることなく生地Fを押し退けるように尖端部が内部に入り込んでいき、厚さの薄くなった先端部分が生地Fの裏面側を突き抜けて切れ目が入るようになる。
【0025】
カッター等切断刃のように、生地の表面から切断して生地の内部が露出した切断面が形成されると、発酵工程で切断面からガスが抜けてしまい、形成された帯状部分が十分に膨らまないが、上述した押切部材のように切断面を最小限にして切れ目を形成することで、切断面からガスが抜けるのを抑止して成形することができる。また、切れ目部分では、生地の内部がほとんど露出することがなく、生地を押し退けて離間した状態で切れ目が形成されるので、切れ目部分が再接着して閉じてしまうことを防止することができる。そして、切れ目の周囲には生地が押圧されて薄くなった細幅部分が形成されるので、帯状部分の両側にハリを持たせることができ、帯状部分を安定した形状に形成することが可能となる。
【0026】
押切部材の尖端部の形状は、上述した断面三角状以外の形状にすることもでき、特に限定されない。例えば、図4(b)に示すように、細幅の押圧面の中央部分に尖った突条を形成した形状とすることもできる。この場合、押切部材が下降して押圧面を生地Fに押し込んでいくと、生地Fの表面が切れることなく生地Fを押し退けるように押圧面が内部に入り込んでいき、厚さの薄くなった部分で突条が生地Fの裏面側を突き抜けて切れ目が入るようになる。このように、生地の特性等を考慮して、上述したように、切れ目の再接着を防止可能な形状になるように押切部材の尖端部の形状を形成すればよい。
【0027】
図5から図12は、帯状形成部の動作説明図である。各図(a)は、生地Fに対する型片部材216の動作を平面視で説明する図面であり、各部(b)は、帯状形成部の要部の動作を正面視で説明する図面である。
【0028】
図5では、帯状形成部は、一対の型片部材216が互い離間して開いた状態で待機位置に上昇した初期設定の状態となっており、シート状の生地Fが搬送コンベヤで移送されて、生地押え部材206の下方に対向する位置に位置決めされる。
【0029】
図6では、帯状形成部は、型片部材216が下降して搬送コンベヤの搬送面に接地した状態に設定されて、生地Fを型片部材216で囲まれた状態となる。図7では、型片部材216が互いに接近するように水平方向に移動して両端部が密着した状態となり、生地Fを円形に整形するとともに生地押え部材206とほぼ一致する位置となるように位置調整を行う。
【0030】
図8では、駆動ロッド202が下方に移動し、取付部材203の下側に設けられた押切部材204及び生地押え部材206が下降して生地押え部材206が生地Fの上面に当接した状態に設定される。図9では、駆動ロッド202がさらに下方に移動し、支持ロッド205が取付部材203から突出してコイルバネ部材207が圧縮されるようになり、生地押え部材206が生地Fに対して圧接した状態となる。
【0031】
そして、押切り部材204が生地押え部材206の開口部に進入していき、押切部材204は、生地Fに対して押切動作を行って切れ目Sが形成される。切れ目Sの周囲には、細幅で薄くなった押圧部分が形成されて生地Fの内部がほとんど露出しないようになっており、切れ目Sが再接着せずに開いた状態を維持するようになる。
【0032】
切れ目Sは、生地Fの搬送方向に対して交差する方向に複数形成されており、切れ目Sの間には複数の帯状部分Bが形成される。帯状部分Bは生地Fの中央部分に形成されており、周辺部分は接続されたままの状態となっているので、両端部が繋がった状態の帯状部分Bは伸縮等が生じることなく形状を安定して保持されるようになる。また、帯状部分Bの両側は、細幅の厚さの薄い押圧部分となっているため、側縁の形状も再接着等により崩れることなく保持されるようになる。
【0033】
図10では、駆動ロッド202が上昇して取付部材203とともに押切部材204が上昇して生地Fから離間するが、生地押え部材206が生地Fを押さえつけているため、押切部材204に引きずられて帯状部分Bの形状が崩れることはない。図11では、駆動ロッド202がさらに上昇して生地押え部材206が生地Fから離間した状態となり、待機位置に設定される。図12では、型片部材216が互いに離間して開いた状態になるとともに上昇して初期設定の状態に戻り、帯状形成部分Bが形成された生地Fは次の噴霧工程に移送される。
【0034】
噴霧工程では、帯状部分が形成された生地Fに対して、上側に配置された噴霧部3に設けられた噴霧ノズル30から下方に向かって水が霧状に噴射される。噴射ノズル30と生地Fとの間には、開口部が形成された遮蔽板が配置されており、生地Fの上面の必要な領域にのみ水分が付与されるようになっている。この例では、生地Fの封着部分となる搬送方向に対して両側となる領域に水分が付与される。
【0035】
噴霧工程で水分が付与された生地Fは、次の芯体供給工程に移送される。芯体供給工程では、上側に配置された芯体供給部4の下方に形成された開口から芯体が供給されて生地Fの上面に載置される。
【0036】
芯体としては、例えば、後工程で内材を挿入可能とするための金属製又は紙製の筒状の芯材、生地で巻き付け可能な棒状の食材が挙げられる。棒状の食材としては、ウインナー、海老天、ちくわ、ごぼう天、春巻き、つくね、焼き鳥、野菜スティックといった様々な食材を用いることができ、後工程となる封着工程においてこうした食材に対してケチャップ、マスタード、たれ、マヨネーズといった調味料を付与することも可能である。
【0037】
芯体供給部4内に貯留された芯体は、長手方向が生地Fの搬送方向に沿うように配列されて開口部から生地Fに供給されるようになっており、そのため、生地Fの上面に帯状部分と交差するように芯体が載置された状態となる。芯体の供給は、作業員が手で把持して配置するようにすることもできる。
【0038】
生地形成部5は、図1に示すように、筒状の押込み部材50と、押込み部材50を上下方向に移動させる駆動機構51とを備えている。押込み部材50は、生地Fの上面に配置された芯体を上方から押圧して下方に移動させ、生地Fを二つ折り状に形成する。押込み部材50の下端部は、芯体の形状に対応して細長い長方形に形成されており、芯体全体を押圧するようになっている。駆動機構51は、例えば、押込み部材50に固定されたアーム部材を筐体内に配置されたガイド部材に沿ってモータ等により上下動させるようになっている。
【0039】
この例では、押込み部材50は、押圧する機能の他に調味料等の内材を供給する機能を備えている。内材を供給するために、内材を貯留するホッパ52及びベーンポンプ等を介して押込み部材50に接続する供給パイプ53を備えており、供給パイプ53は押込み部材50の内部に連通するようになっている。押込み部材50の内部には、下端部が開口した吐出口を開閉する開閉部材(図示せず)が内挿されており、押込み部材50の上方に取り付られたエアシリンダ54により開閉部材を押込み部材50の内部で上下動させて押込み部材50の下端に開口した吐出口より所定量の内材を吐出するようになっている。内材を供給しない場合には、開閉部材で吐出口を閉鎖した状態に押込み部材50を設定して押圧動作を行うようにする。
【0040】
成形部6は、図1に示すように、二つ折り状に形成された生地Fの両側部分を一対の封着部材により封着する封着機構60と、封着機構60の上側に配置されて複数の動作部材により生地Fの両側部分を中央部分に向かって寄せ集める移動機構61とを備えている。また、封着機構60の下側には、二つ折り状に形成される生地Fを支持する支持機構62を備えており、支持機構62は、搬送コンベヤ10の搬送ベルトの下面に配置された支持部材を上下動させて成形品を支持するとともに搬送ベルトに載置して成形品を移送させるようになっている。封着機構60と移動機構61との間にはシート状の受け部材63を取り付けることができる。受け部材63は、芯体の形状に対応した開口が形成されており、投入された生地Fが載置されて開口内に芯体とともに生地Fを押し込んで二つ折り状に形成されるようになっている。
【0041】
図13は、移動機構61に関する一例を示す説明図である。この例では、回動する複数の動作部材610により生地Fの両側部分を寄せ集めるようにしており、図13(a)は、動作部材610が開く方向に回動した状態を示しており、図13(b)は、動作部材610が閉じる方向に回動した状態を示している。
【0042】
移動機構61は、リング状のフレーム部材611に等間隔で複数の回転部材612が配置されて回転軸を中心に回転可能に取り付けられており、回転部材612の間にはリンク部材613が連結されている。回転部材612の1つには駆動ロッド614が接続されており、駆動ロッド614をモータ等により進退動作することですべての回転部材612が同期して回転するようになっている。
【0043】
動作部材610は、平行に配置された4つの回転部材612に接続固定されており、回転部材612の回転に伴って回動することで開閉動作を行うようになっている。動作部材610が閉じる方向に動作することで、動作部材610の先端部が中心に集まるようになり、後述するように生地Fの両側部分を寄せ集めるように動作するようになる。
【0044】
図14は、封着機構60に関する一例を示す説明図である。この例では、一対の封着部材601を進退動作させて互いに接近離間させることで封着動作を行うようになっており、図14(a)は、封着部材601が離間した状態を示しており、図14(b)は、封着部材601が接近して封着動作を行う状態を示している。
【0045】
封着機構60は、リング状のフレーム部材602に平行に配置された4つの回転部材603が回転軸を中心に回転可能に取り付けられており、回転部材603の間にはリンク部材604が連結されている。回転部材603の1つには駆動ロッド605が接続されており、駆動ロッド605をモータ等により進退動作することですべての回転部材603が同期して回転するようになっている。対向配置された一対の回転部材603には、一対の揺動レバー606が接続固定されており、回転部材603の回転に伴って揺動レバー606が回動するようになっている。
【0046】
封着部材601は、フレーム部材602に固定された支持レール部材608に進退可能に取り付けられたガイド部材607の端部に固定されており、ガイド部材607には揺動レバー606の先端部が連結されている。そして、揺動レバー606の回動動作に連動してガイド部材607が進退動作するようになっており、一対のガイド部材607の進退動作により一対の封着部材601が接近離間するように動作する。
【0047】
封着部材601の封着面は、芯体Cの形状に合わせて封着部分を形成するように形状が設定されており、例えば、円筒状の芯体Cの場合には、円筒の中心軸に平行な外側縁に沿うように細幅の平面形状となっており、平面形状の封着面で生地の両側部分を挟むように封着することで、芯体Cの周囲に生地を巻き付けるように封着することができる。
【0048】
以上説明した移動機構及び封着機構は、生地及び芯体の形状に合わせて動作部材及び封着部材の形状及び動作を変更するように構成すればよく、特に限定されない。
【0049】
図15は、受け部材63に関する一例を示す平面図である。この例では、受け部材63は、図13及び図14に示す移動機構及び封着機構に合わせて略六角形状のシートに形成されており、周辺部には回転部材の回転軸に嵌め込まれる複数の円形孔が形成されている。受け部材63の中央部分には、芯体の形状に対応して開口部63aが形成されている。図15(a)では、後述する図16から図25で説明する円筒又は円柱の棒状体からなる芯体に対応して開口部63aは長方形状に形成されており、図15(b)では、図26から図28で説明する円錐の棒状体からなる芯体に対応して一方の端部が他方の端部よりも間隔の狭いテーパ状の開口部63a’に形成されている。
【0050】
図16から図25は、生地形成部及び成形部による成形工程に関する説明図である。各図では、生地形成部及び成形部に関する生地Fの搬送方向側からみた拡大図を示しているが、理解を容易にするために、押込み部材50、移動機構61の動作部材610、封着機構60の封着部材601及び支持機構62の支持部材620の動作を中心に説明し、それ以外の構成を省略している。また、この例では、芯体Cとして円筒体を用いている。
【0051】
図16では、押込み部材50は、上昇した待機位置に設定されており、その下方にシャトルコンベヤ9により芯体Cを載置した生地Fが搬送される。生地Fは、右図の平面図で示すように、切れ目Sにより帯状部分Bが形成されており、帯状部分Bと交差するように芯体Cが載置されている。
【0052】
動作部材610は開いた状態に設定されており、封着部材601は互いに前進して芯体Cよりも細幅の隙間が空いた状態に設定されている。
【0053】
図17では、生地Fが芯体Cを載置した状態で一対の封着部材601の上方から投入されてその上面に配置される。封着部材601の封着面は、円筒状の芯体Cに合わせた細幅の平面に形成されており、封着面は生地Fの搬送方向に沿うように設定されている。シャトルコンベヤ9から投入される生地Fには芯体Cが搬送方向に沿うように載置されているので、一対の封着部材601の上面に生地Fが配置された場合に、芯体Cは封着部材601の間に封着面に沿うように配置されるようになる。
【0054】
図18では、動作部材610が閉じる方向に動作して生地Fの周縁部に当接して位置調整を行う。図19では、押込み部材50が下降するとともに一対の封着部材601が離間する方向に移動して開いた状態に設定される。図20では、押込み部材50が下降して下端部が芯体Cの外側縁に当接し、図21では、押込み部材50がさらに下降して芯体Cを生地Fとともに封着部材601の間に押し込むようになる。その際に、動作部材610が閉じる方向に動作して生地Fが封着部材601の間にスムーズに落ち込むように生地Fの周縁部を寄せ集め、支持部材620が上昇して封着部材601の下面側に接近した位置に設定される。
【0055】
図22では、押込み部材50はさらに下降して芯体Cを封着部材601の間に押し込んで支持部材620に生地Fが支持した状態に設定する。その際に動作部材610がさらに閉じる方向動作して生地Fの周縁部が封着部材601の間に配置した状態に設定する。
【0056】
図23では、押込み部材50は上昇して元の待機位置に戻るとともに封着部材601が互いに接近して閉じる方向に動作するようになる。図24では、封着部材601がさらに閉じる方向に動作して生地Fの両側部分を挟み込んで狭圧するようになり、封着動作が行われる。封着動作により生地Fが芯体Cに巻き付いた状態となる。
【0057】
図25では、封着部材601が互いに離間する方向に移動して開いた状態となり、支持部材620が下降して搬送コンベヤ10により搬送されるようになる。成形品Hは、右図に示すように、芯体Cの周囲に生地Fが巻き付いた状態に設定されており、切れ目Sにより形成された帯状部分Bが芯体Cに斜め方向に巻き付けた外観形状を呈するようになる。成形品Hは、反転して封着部分が底面となるようにすることで、帯状体が螺旋状に巻いた形状と同様に外観形状となる。帯状形成時に切れ目Sの周囲に形成された細幅の押圧部分は成形品Hでは内側になるため、外側に表出することがなく、帯状部分Bの両側は凹凸のない綺麗な形状に仕上げることができる。また、内側の細幅の押圧部分により切れ目Sの再接着を抑止するようになり、成形品Hにおいて帯状部分Bを安定した形状に仕上げることが可能となる。
【0058】
図26から図28は、円錐形の芯体を用いて成形する変形例に関する説明図である。この例では、図26の右図において平面図及び正面図で示すように、帯状部分Bが形成された生地Fの上面に帯状部分Bと交差するように円錐形の芯体C’が載置されている。芯体C’の軸方向は生地Fの搬送方向に沿うように載置されるとともに円錐の頂点側が搬送方向の上流側を向くように設定されている。
【0059】
この例では、図26の右図において正面側から見た図で示すように、支持部材620の上側に、テーパ状に形成された間隔保持部材63が配置されている。間隔保持部材63は、薄い前端部が生地Fの搬送方向の下流側を向くように設定され、前端部が支持部材620の上面に接触し、厚い後端部が弾性部材を介して吊り上げられるように取り付けられている。
【0060】
図26では、図17で説明したように、芯体C’が載置された生地Fが封着部材601の上面に投入され、芯体C’が封着部材601の間に配置される。間隔保持部材63は、芯体C’に対して下方に対向配置するように設定され、薄い前端部側が芯体C’の底面側と対向し、厚い後端部側が芯体C’の頂点側と対向するようになっている。
【0061】
図27では、図18から図22で説明したように、押込み部材50、動作部材610、封着部材601及び支持部材620を動作させて、芯体C’を封着部材601の間に押し込んで生地Fを二つ折り状に形成する。その際に、右図の間隔保持部材63の動作説明図に示すように、芯体C’の頂点側が間隔保持部材63に当接して押圧し、間隔保持部材63の後端部側が弾性部材の付勢力に抗して支持部材63に押し付けられるように載置される。そのため、芯体C’の上側の外側縁が封着部材601の封着面とほぼ平行に設定されるようになる。
【0062】
芯体C’が間隔保持部材63に当接して封着位置に設定された状態で、図23及び図24で説明したように、封着部材601を動作させて芯体C’の上側に配置された生地Fの両側部分を封着することで、芯体C’の周囲に生地Fを巻き付けた成形品Hを得る。
【0063】
図28では、図25で説明したように、封着部材601を開いて支持部材620を下降させることで、間隔保持部材63の後端部側が弾性部材により持ち上げられ、成形品Hが搬送コンベヤ10上に誘導されるようになる。
【0064】
以上説明したように、芯体の形状に応じて封着部材の封着面に対して二つ折り状に形成された生地Fの両側部分を配置することが可能となり、様々な形状の芯体に対して確実な成形動作を行うことができる。
【0065】
図29から図34は、内材を供給して成形する変形例に関する説明図である。内材Gは、ホッパから供給パイプ53を介して押込み部材50内に供給されるようになっている。押込み部材50は、内部に内材Gが流入する筒状の管路が形成されて開閉部材55が管路内を上下方向に移動可能に挿着されている。この例では、押込み部材50の下端部には芯体Dの形状に合わせて細長い長方形の吐出口が形成され、吐出口の形状に合致するように直方体状に形成された開閉部材55が内挿されている。内材Gは、棒状の食材からなる芯体Dに付与されて成形するようになっており、例えば、ウインナーといった棒状の食材からなる芯体Dにケチャップ等の調味料からなる内材Gを付与することができる。
【0066】
この例では、図29の右図において平面図で示すように、生地F’は、略四角形状に形成され、外側縁に対して斜め方向の複数の切れ目Sにより帯状部分Bが形成されており、棒状の芯体Dが外側縁と平行となるように載置されている。
【0067】
図29では、図17で説明したように、芯体Dが載置された生地F’が封着部材601の上面に投入され、芯体Dが封着部材601の間に配置される。そのため、生地F’の外側縁及び芯体Dは、封着部材601の封着面に沿うように設定される。
【0068】
図30では、押込み部材50が下降するとともに供給パイプ53から内材Gが押込み部材50内に導入され、図18から図22で説明したように、押込み部材50、動作部材610、封着部材601及び支持部材620を動作させて、芯体Dを封着部材601の間に押し込んで生地F’を二つ折り状に形成する。
【0069】
図31では、押込み部材50内の開閉部材55が下降して、導入された内材Gを押込み部材50の下端の吐出口50aから吐出し、芯体Dの上側に付与する。生地F’は二つ折り状に形成されているため、内材Gが外部に漏出することは防止される。図32では、押込み部材50が上昇して内材Gを吐出させた開閉部材55を内材Gから離間させる。
【0070】
図33では、押込み部材50は上昇して元の待機位置に戻るとともに封着部材601が互いに接近して閉じる方向に動作するようになる。封着部材601が閉じる方向に動作して生地Fの両側部分を挟み込んで狭圧するようになり、封着動作が行われる。封着動作により生地F’が芯体Dに巻き付いた状態となり、内材Gを付与した状態で芯体Dが生地F’により包まれた状態となる。
【0071】
図34では、封着部材601が互いに離間する方向に移動して開いた状態となり、支持部材620が下降して成形品Hが搬送コンベヤ10により搬送されるようになる。成形品Hは、反転されて封着部分が底面となるように設定され、内材Gが切れ目Sより漏出することが防止される。
【0072】
上述した例では、主に円形の生地を前提とした成形装置について説明したが、四角形の生地を前提として成形装置を構成することもできる。
【0073】
図35から図37は、四角形状の生地を形成する帯状形成部に関する動作説明図である。各図(a)は、生地F”に対する型片部材216’の動作を平面視で説明する図面であり、各部(b)は、帯状形成部の要部の動作を正面視で説明する図面である。
【0074】
図35では、一対の型片部材216’は、四角形状の型枠を半分に分割したものを用いており、それに合わせて取付部材203’及び生地押え部材206’も四角形状に形成されている。取付部材203’には、外周の辺部に対して傾斜する方向に複数の押切部材204が所定間隔を空けて配列されており、生地押え部材206’には、押切部材204に対向して複数の開口部208が形成されている。
【0075】
図36では、型片部材216’が互いに接近するように動作して両端部が密着した状態となり、生地F”を四角形に整形するとともに生地押え部材206’とほぼ一致する位置となるように位置調整を行う。そして、取付部材203’の下側に設けられた押切部材204及び生地押え部材206’が下降して、生地押え部材206’が生地Fの上面に当接した状態で開口部208に押切部材204が進入していき、生地F”に対して押切動作を行って切れ目Sが形成される。
【0076】
図37では、型片部材216’が互いに離間して開いた状態となり、取付部材203’が上昇して押切部材204’が生地F”から離れるとともに生地押え部材206’が上昇して複数の切れ目Sにより複数の帯状部分Bが形成された生地F”が成形される。
【0077】
図38から図43は、四角形状の生地を用いて成形動作を行う説明図である。図38は、移動機構61’に関する一例を示す説明図である。この例では、細幅の板状に形成された一対の動作部材610’を進退動作させて生地F”の対向する両側部分を寄せ集めるようにしており、図38(a)は、動作部材610’が互いに離間して開く方向に後退した状態を示しており、図38(b)は、動作部材610’が互いに接近して閉じる方向に前進した状態を示している。
【0078】
移動機構61’は、四角形で枠状のフレーム部材611’の4つの角部にそれぞれ回転部材612’が配置されて回転軸を中心に回転可能に取り付けられており、回転部材612’の間にはリンク部材613’が連結されている。回転部材612’の1つには駆動ロッド614’が接続されており、駆動ロッド614’をモータ等により進退動作することですべての回転部材612’が同期して回転するようになっている。
【0079】
動作部材610’は、対向配置された一対の回転部材614’には、一対の揺動レバー617’が接続固定されており、回転部材614’の回転に伴って揺動レバー617’が回動するようになっている。
【0080】
動作部材610’は、フレーム部材611’に固定された支持レール部材616’に進退可能に取り付けられたガイド部材615’の端部に固定されており、ガイド部材615’には揺動レバー617’の先端部が連結されている。そして、揺動レバー617’の回動動作に連動してガイド部材615’が進退動作するようになっており、一対のガイド部材615’の進退動作により一対の動作部材610’が接近離間するように動作する。
【0081】
図39は、封着機構60’に関する一例を示す説明図である。この例では、一対の封着部材601’を進退動作させて互いに接近離間させることで封着動作を行うようになっており、図39(a)は、封着部材601’が離間した状態を示しており、図39(b)は、封着部材601’が接近して封着動作を行う状態を示している。
【0082】
封着機構60’は、四角形でリング状のフレーム部材602’の4つの角部に回転部材603’が回転軸を中心に回転可能に取り付けられており、回転部材603’の間にはリンク部材604’が連結されている。回転部材604’の1つには駆動ロッド605’が接続されており、駆動ロッド605’をモータ等により進退動作することですべての回転部材604’が同期して回転するようになっている。対向配置された一対の回転部材604’には、一対の揺動レバー606’が接続固定されており、回転部材604’の回転に伴って揺動レバー606’が回動するようになっている。
【0083】
封着部材601’は、フレーム部材602’に固定された支持レール部材608’に進退可能に取り付けられたガイド部材607’の端部に固定されており、ガイド部材607’には揺動レバー606’の先端部が連結されている。そして、揺動レバー606’の回動動作に連動してガイド部材607’が進退動作し、一対のガイド部材607’の進退動作により一対の封着部材601’が接近離間するように動作する。
【0084】
図40では、右図において四角形状の生地F”の上面に帯状部分Bと交差するように設定された芯体Cが生地F”の両側縁と平行に載置されている。芯体Cが載置された生地F”は、開いた状態の一対の動作部材610’の間に導入され、生地F”の両側縁が動作部材610’とほぼ平行となるように配置される。そして、動作部材610’が接近する方向に移動して生地F”の両側縁に当接して位置調整が行われる。
【0085】
図41では、押込み部材50が下降して芯体Cを封着部材601’の間に押し込んで生地F”を二つ折り状に形成するとともに支持部材620が上昇して押し込まれた生地F”支持する。動作部材610’は、生地F”が押し込まれて両側縁が移動するのに合わせて互いに接近するように移動することで生地F”がスムーズに移動するようになる。
【0086】
図42では、押込み部材50が上昇して封着部材601’が互いに接近する方向に移動し、芯体Cより上側に配置された生地F”の両側部分を封着するように動作する。生地F”の両側部分を封着することで、芯体Cの周囲に生地F”が巻き付いた形状に成形される。
【0087】
図43では、封着部材601’が互いに離間する方向に開き、支持部材620が下降して成形品H’が搬送されるようになる。成形品H’は、帯状部分Bが芯体Cに巻き付いたような外観形状に形成される。
【0088】
以上説明したように、シート状の生地の中央部分に複数の切れ目を入れて複数の帯状部分を形成し、帯状部分に交差するように芯体を配置して生地を芯体に巻き付けるように生地の両側部分を封着しているので、芯体に様々な食材を用いた成形品を成形することが可能となり、芯体に帯状の生地を巻き付けた外観形状で多様な種類の成形品を効率よく安定して成形することが可能となる。
【符号の説明】
【0089】
B・・・帯状部分、C,D・・・芯体、F・・・生地、G・・・内材、H・・・成形品、S・・・切れ目、1・・・食品成形装置、2・・・帯状形成部、3・・・噴霧部、4・・・芯体供給部、5・・・生地形成部、6・・・成形部、7,8・・・搬送コンベヤ、9・・・シャトルコンベヤ、10・・・搬送コンベヤ、202・・・駆動ロッド、203・・・取付部材、204・・・押切部材、206・・・生地押え部材、216・・・型片部材、30・・・噴霧ノズル、50・・・押込み部材、53・・・供給パイプ、54・・・エアシリンダ、55・・・開閉部材、60・・・封着機構、601・・・封着部材、61・・・移動機構、610・・・動作部材、62・・・支持機構、620・・・支持部材、63・・・受け部材
【要約】
【課題】本発明は、シート状の生地を芯体に帯状で巻き付けた外観形状に効率よく成形することができる食品成形装置及び方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る食品成形装置は、シート状の生地の中央部分において複数の切れ目により複数の帯状部分を形成する帯状形成部3と、帯状部分に交差するように載置された芯体を下方に移動させて生地を二つ折り状に形成する生地形成部5と、芯体より上側に配置された生地の両側部分を封着して芯体の周囲に生地を巻き付けるように成形する成形部6とを備えている。
【選択図】図1
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