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特許7393839筆記具用保持具、筆記具及び筆記具の保持方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】筆記具用保持具、筆記具及び筆記具の保持方法
(51)【国際特許分類】
   B43K 23/016 20060101AFI20231130BHJP
   B43K 23/00 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
B43K23/016
B43K23/00 300K
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023083469
(22)【出願日】2023-05-19
【審査請求日】2023-05-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509146665
【氏名又は名称】有限会社フォーテック
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】福岡 政二郎
(72)【発明者】
【氏名】高山 敬右
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】実開昭50-024245(JP,U)
【文献】実開昭51-073140(JP,U)
【文献】実開昭52-003638(JP,U)
【文献】特開2010-083076(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43K 1/00-31/00
A45D 40/00-40/30
B65D 83/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲面を有し長手方向へ延びた棒状の筆記具の少なくとも一部を配置可能な空間が内部に形成され、同筆記具の長手方向へ延びており、延びた方向の少なくとも一端に同空間と外部とを連通した棒状体用開口部が形成され、側面に同空間と外部とを連通した側方開口部が形成され、内側面が湾曲した本体部と、
該本体部の内側面に沿って延びた湾曲方向と略同じ方向へ湾曲して延びており、延びた方向に一方の面と該一方の面とは反対側の他方の面との間の厚みが徐々に増大する部分を有し、延びた方向の一端から前記側方開口部へ、同本体部の内側面に沿って延びた湾曲方向に挿入可能挿入片とを備える
筆記具用保持具。
【請求項2】
前記本体部の側面の、前記側方開口部よりも前記筆記具が挿入される前記棒状体用開口部から離れた位置に、前記空間と外部とを連通した操作用開口部が同側方開口部とは別に形成された
請求項1に記載の筆記具用保持具。
【請求項3】
前記挿入片の前記一端側の部分は、同挿入片の他の部分より軟らかい
請求項1に記載の筆記具用保持具。
【請求項4】
前記挿入片はクロソイド曲線状に湾曲しており、同挿入片の前記一端側の部分が円弧状に湾曲していると共に前記一端側の部分の曲率が同挿入片の他の部分の曲率より大きい
請求項1に記載の筆記具用保持具。
【請求項5】
前記挿入片の前記一端側の部分が、内部に空間が形成されて中空になった中空部分であり、同挿入片の他の部分が、内部に空間が形成されておらず中実になった中実部分である
請求項1に記載の筆記具用保持具。
【請求項6】
前記挿入片はクロソイド曲線状に湾曲しており、同挿入片の前記中空部分が円弧状に湾曲していると共に同中空部分の曲率が前記中実部分の曲率より大きい
請求項5に記載の筆記具用保持具。
【請求項7】
前記挿入片は前記一方の面を内側にして湾曲しており、
前記挿入片の前記一方の面の表面粗さは、同挿入片の前記他方の面の表面粗さより大きく、
前記本体部の内側面の表面粗さは、前記挿入片の前記他方の面の表面粗さと略同じである
請求項1に記載の筆記具用保持具。
【請求項8】
前記挿入片は突起部を有し、該突起部は、同挿入片の前記他方の面の他端側に、前記一方の面とは反対方向へ突起して設けられた
請求項1に記載の筆記具用保持具。
【請求項9】
前記本体部は、前記側方開口部から前記内側面に沿って延びた湾曲方向に同本体部の中心から同本体部の内側面までの距離が徐々に減少する部分を有する
請求項1に記載の筆記具用保持具。
【請求項10】
前記本体部は、両端に前記棒状体用開口部が形成された筒状体である
請求項1に記載の筆記具用保持具。
【請求項11】
湾曲面を有し長手方向へ延びた棒状の筆記具本体と、
該筆記具本体の少なくとも一部を配置可能な空間が内部に形成され、同筆記具本体の長手方向へ延びており、延びた方向の少なくとも一端に同空間と外部とを連通した棒状体用開口部が形成され、側面に同空間と外部とを連通した側方開口部が形成され、内側面が湾曲した保持部と、
該保持部の内側面に沿って延びた湾曲方向と略同じ方向へ湾曲して延びており、延びた方向に一方の面と該一方の面とは反対側の他方の面との間の厚みが徐々に増大する部分を有し、延びた方向の一端から前記側方開口部へ、同保持部の内側面に沿って延びた湾曲方向に挿入可能挿入片とを備える
筆記具。
【請求項12】
前記保持部の前記一端とは反対側の他端に形成された前記棒状体用開口部を通して、同保持部の前記空間に少なくとも一部が配置可能であり、伸縮可能な支持棒を備える
請求項11に記載の筆記具。
【請求項13】
湾曲面を有し長手方向へ延びた棒状の筆記具の少なくとも一部を、筆記具用保持具の、内側面が湾曲した本体部の内部に形成された空間に配置する筆記具配置工程と、
前記筆記具用保持具の前記本体部の側面に前記空間と外部とを連通して形成された側方開口部へ、前記筆記具の少なくとも一部と同本体部の内側面との間に形成される隙間を埋めるように挿入片を、同本体部の内側面に沿って延びた湾曲方向に挿入する挿入工程とを備える
筆記具の保持方法。
【請求項14】
前記筆記具配置工程は、前記本体部の前記空間に配置された前記筆記具を、同筆記具の長手方向を中心軸として回転させる工程である
請求項13に記載の筆記具の保持方法。
【請求項15】
前記筆記具配置工程は、前記本体部の前記側方開口部とは別に同本体部の側面に前記空間と外部とを連通して形成された操作用開口部を通して、同本体部の同空間に配置された前記筆記具を動かす工程である
請求項13に記載の筆記具の保持方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は筆記具用保持具、筆記具及び筆記具の保持方法に関する。詳しくは、例えばコンクリート構造物の点検作業に用いられるマーキングチョークを保持する、筆記具用保持具、筆記具及び筆記具の保持方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
ライフサイクルコストの削減や資源の有効活用、さらに建設事業の環境影響への低減といった背景があることから、コンクリート構造物の大幅な長寿延命化が要求されている。
【0003】
こうした要求に応えるべく、コンクリート構造物の定期的な点検や調査が行われており、必要に応じて補修工事などが行われている。
【0004】
コンクリート構造物の点検作業は、構造物を主に目視して損傷例えばコンクリートの浮き、鉄筋露出、腐食が無いかを確認する作業である。
また、コンクリート構造物の点検方法として具体的には、遠望目視点検と近接目視点検がある。
【0005】
遠望目視点検とは、徒歩で移動しながら、双眼鏡などを利用してコンクリート構造物に可能な限り近づき、損傷状態や変状を目視で確認する点検方法である。
また、近接目視点検とは、梯子や高所作業車などを利用して、触診作業や打音点検作業ができる距離までコンクリート構造物に近づき、損傷状態や変状を詳細に調べる点検方法である。
【0006】
コンクリート構造物の点検作業においては、転打子の転打面でコンクリート面を打撃する打音点検作業で濁音が認められたコンクリート構造物の箇所に、チョークなどの筆記具を使ってマーキングを行うマーキング作業が行われる。
このとき、点検作業者はチョークを直に持ってマーキングを行うこともあれば、チョークをチョークホルダーと呼ばれる筆記具用保持具に取付けてマーキングを行うこともある。
【0007】
そして従来、様々なチョークホルダーが提案されている。
例えば特許文献1には、図8(a)及び図8(b)に示すようなマーキングチョーク用ホルダーが記載されている。
すなわち、特許文献1に記載のマーキングチョーク用ホルダー100は、筒状本体110を備える。
筒状本体110は、その両端が開口している。また、筒状本体110の一端110Aは傾斜しており、マーキングチョーク112の一端が出没され、他端110Bにはキャップ111がねじ止めされる。
マーキングチョーク112は筒状本体110の内部空洞に挿入される。
【0008】
また、筒状本体110の長手方向に半径方向に貫通したスリット114が形成されている。スリット114は、上下に貫通したスリット部114Aと、スリット部114Aに対して横方向に開口した側面開口部114Bとで構成される。
【0009】
また、スライダ116は、スリット114に沿って長手方向に摺動自在に配置されている。スライダ116は操作部116Aと、操作部116Aから垂直下方に突出した案内部116Bと、案内部116Bの両側から水平方向に延びた抜止部116Cとで構成される。
【0010】
また、スライダ116の下面には止着針124が取付けられ、止着針124はマーキングチョーク112の他端側部分に刺されることにより、スライダ116はマーキングチョーク112に連結される。
ここで、マーキングチョーク112の他端は、筒状本体の他端110Bに面した端部である。
従って、スリット114に沿ってスライダ116が移動することで、マーキングチョーク112が筒状本体110の一端110Aより出没できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2002-19379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1に記載のマーキングチョーク用ホルダーは、スライダの下面に取付けられた止着針がマーキングチョークの一部に刺さっているので、例えばマーキングチョークが略中央部分において折れた場合、止着針が刺さっていない側のマーキングチョーク部分は筒状本体から取出すことができるが、止着針が刺さった側のマーキングチョーク部分を筒状本体から取出すためには、止着針を抜く必要があり、筒状本体から取出し難い。そのため、折れていない別のマーキングチョークに取り替えることが困難であった。
特に、止着針をマーキングチョークに刺すので、止着針が刺されたマーキングチョークの箇所から亀裂が生じ易く、マーキングチョークが破損し易かった。
【0013】
また、スライダの下面に取付けられた止着針がマーキングチョークに刺さっているので、筒状本体の長手方向を中心軸としてマーキングチョークのみを回転させることができず、マーキングチョークの先端が片減りした場合、マーキングチョーク用ホルダー全体を回転させて使用する必要があった。そして、マーキングチョーク用ホルダー全体を回転させると、持ち手に対するスライダの位置が変わってしまい、点検作業者に違和感を与えていた。
【0014】
そこで、マーキングチョークのこのような不具合が発生したときに、簡単に別のマーキングチョークに取り替えたり、筆記面に対するマーキングチョークの先端角度を簡単に変えたりといった筆記具の調整が簡単にできるチョークホルダーが望まれていた。
【0015】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、簡単に筆記具の調整ができる筆記具用保持具、簡単に調整ができる筆記具及び、簡単に筆記具の調整ができる筆記具の保持方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するために、本発明の筆記具用保持具は、湾曲面を有し長手方向へ延びた棒状の筆記具の少なくとも一部を配置可能な空間が内部に形成され、同筆記具の長手方向へ延びており、延びた方向の少なくとも一端に同空間と外部とを連通した棒状体用開口部が形成され、側面に同空間と外部とを連通した側方開口部が形成され、内側面が湾曲した本体部と、一方向へ延びており、延びた方向に一方の面と該一方の面とは反対側の他方の面との間の厚みが徐々に増大する部分を有し、延びた方向の一端から前記側方開口部へ挿入可能であり、前記一方向と同じ方向へ湾曲した挿入片とを備える。
【0017】
ここで、湾曲面を有し長手方向へ延びた棒状の筆記具の少なくとも一部を配置可能な空間が内部に形成され、筆記具の長手方向へ延びており、延びた方向の少なくとも一端に空間と外部とを連通した棒状体用開口部が形成され、内側面が湾曲した本体部によって、棒状体用開口部を通して筆記具の少なくとも一部を、本体部の内部の空間に配置したり本体部の内部の空間から取り去ったりできる。
【0018】
また、側面に同空間と外部とを連通した側方開口部が形成され、内側面が湾曲した本体部と、一方向へ延びており、延びた方向に一方の面と一方の面とは反対側の他方の面との間の厚みが徐々に増大する部分を有し、延びた方向の一端から側方開口部へ挿入可能であり、一方向と同じ方向へ湾曲した挿入片とによって、挿入片に傾斜部分が設けられているので、本体部の内部の空間に配置された、筆記具の少なくとも一部と本体部の内側面との間に形成された隙間に挿入片が入り込んで隙間を埋め、挿入片の楔作用によって、本体部が延びた方向へ筆記具を動かなくすることができ、また、隙間に入り込んだ挿入片を隙間から抜き出して、本体部が延びた方向へ筆記具を動くようにすることができる。
【0019】
また、本発明で言う「棒状体」は、内部が中空のものと、内部が中実のものを含むものとする。
【0020】
また、本発明の筆記具用保持具において、本体部の側面の、前記側方開口部よりも前記筆記具が挿入される前記棒状体用開口部から離れた位置に、前記空間と外部とを連通した操作用開口部が同側方開口部とは別に形成された構成とすることができる。
【0021】
この場合、操作用開口部に使用者が指または棒体を入れて、本体部の内部の空間に配置された筆記具に直接当てることができるので、簡単かつ即座に筆記具を動かすことができる。
また、操作用開口部が形成されていない構成よりも軽量化できるので、筆記具用保持具に筆記具を取付けて行うマーキング作業などの作業性を向上させることができる。
また、操作用開口部を通して、筆記具例えばチョークの残量や不具合を目視で確認できる。
また、本体部の内部の空間に入り込んだ異物例えばチョークの粉や欠片あるいは泥や砂を、操作用開口部から出すことができる。
【0022】
また、本発明の筆記具用保持具において、挿入片の一端側の部分は、挿入片の他の部分より軟らかい構成とすることができる。
【0023】
この場合、本体部の内部の空間に配置された筆記具の少なくとも一部と本体部の内側面とに、側方開口部から本体部の内部の空間に挿入された挿入片の一端側の部分が挟まれて押しつぶされ、本体部の内側面と筆記具の少なくとも一部との間に形成された隙間に、挿入片の一端側の部分が入り込み易くなる。
そして、本体部の内側面と筆記具の少なくとも一部との間に形成された隙間に、挿入片の一端側の部分が入り込んだ時点で筆記具を回転させることで挿入片をこの隙間にさらに引き込み、本体部が延びた方向へさらに筆記具を安定して動かなくすることができる。
【0024】
また、本発明の筆記具用保持具において、挿入片はクロソイド曲線状に湾曲しており、挿入片の一端側の部分が円弧状に湾曲していると共に一端側の部分の曲率が挿入片の他の部分の曲率より大きい構成とすることができる。
【0025】
この場合、挿入片の一端側の部分と筆記具の少なくとも一部と本体部の内側面とが互いに強く接触し合い、挿入片の一端側の部分の形状が、筆記具の少なくとも一部の形状となじむように変形して、挿入片の一端側の部分が筆記具の少なくとも一部に押されたことによる反力で摩擦力も増し、筆記具の回転を抑えることができる。
また、この場合、一定の曲率で湾曲した挿入片よりも、挿入片を側方開口部へ挿入したり側方開口部から挿入片を引き出したりし易い。
【0026】
また、本発明の筆記具用保持具において、挿入片の一端側の部分が、内部に空間が形成されて中空になった中空部分であり、挿入片の他の部分が、内部に空間が形成されておらず中実になった中実部分である構成とすることができる。
【0027】
この場合、本体部の内部の空間に配置された筆記具の少なくとも一部と本体部の内側面とに、側方開口部から本体部の内部の空間に挿入された挿入片の一端側の中空部分が挟まれて押しつぶされ、本体部の内側面と筆記具の少なくとも一部との間に形成された隙間に挿入片の中空部分が入り込み易くなる。
そして、本体部の内側面と筆記具の少なくとも一部との間の隙間に挿入片の中空部分が入り込んだ時点で筆記具を回転させることで、挿入片をこの隙間にさらに引き込み、本体部が延びた方向へさらに筆記具を安定して動かなくすることができる。
【0028】
また、本発明の筆記具用保持具において、挿入片はクロソイド曲線状に湾曲しており、挿入片の中空部分が円弧状に湾曲していると共に中空部分の曲率が中実部分の曲率より大きい構成とすることができる。
【0029】
この場合、挿入片の中空部分と筆記具の少なくとも一部と本体部の内側面とが互いに強く接触し合い、挿入片の中空部分の形状が、筆記具の少なくとも一部の形状となじむように変形して、挿入片の中空部分が筆記具の少なくとも一部に押されたことによる反力で摩擦力も増し、筆記具の回転を抑えることができる。
また、この場合、一定の曲率で湾曲した挿入片よりも、挿入片を側方開口部へ挿入したり側方開口部から挿入片を引き出したりし易い。
【0030】
また、本発明の筆記具用保持具において、挿入片は一方の面を内側にして湾曲しており、挿入片の一方の面の表面粗さは、挿入片の他方の面の表面粗さより大きく、本体部の内側面の表面粗さは、挿入片の他方の面の表面粗さと略同じである構成とすることができる。
【0031】
この場合、挿入片を本体部の内部へ強く挿入しなくても、本体部の内部の空間に配置された、筆記具の少なくとも一部を回転させるだけで、挿入片が、筆記具の回転に伴って、本体部が延びた方向への筆記具の移動を抑止する位置まで本体部の内部へ引き込まれたり、筆記具の移動抑止を解除する位置まで本体部の外部へ押し出されたりし易くなる。
【0032】
また、本発明の筆記具用保持具において、挿入片は突起部を有し、突起部は、挿入片の他方の面の他端側に、一方の面とは反対方向へ突起して設けられた構成とすることができる。
【0033】
この場合、使用者は突起部に指を引掛けて、本体部の側方開口部へ挿入片を挿入したり、側方開口部から挿入片を引き出したりし易い。
またこの場合、挿入片の挿入及び引き出しを繰り返すことによって挿入片が摩耗し、挿入片の挿入域が増大して、挿入片を側方開口部へ挿入したときの挿入片の他端側と側方開口部の縁部との間の距離が縮まっていくが、他端側に設けられた突起部が目印となって挿入片の摩耗度合を目視で確認し易い。
【0034】
また、本発明の筆記具用保持具において、本体部は、側方開口部から内側面に沿って延びた湾曲方向に本体部の中心から本体部の内側面までの距離が徐々に減少する部分を有する構成とすることができる。
【0035】
この場合、本体部の内部の空間に筆記具の少なくとも一部が配置されたときにできる、本体部の内側面と筆記具の少なくとも一部との間の隙間の形状を、挿入片の外形に対応させることができ、挿入片を挿入し易い。
【0036】
また、本発明の筆記具用保持具において、本体部は、両端に棒状体用開口部が形成された筒状体である構成とすることができる。
【0037】
この場合、本体部の内部は風通しが良く乾燥し易い。
また、一端にしか開口部が形成されていない構成よりも、素早く湿気などを取り除くことができる。
また、本体部の内部の空間に入り込んだ異物例えばチョークの粉や欠片あるいは泥や砂が内部に詰まることがない。
【0038】
また、上記の目的を達成するために、本発明の筆記具は、湾曲面を有し長手方向へ延びた棒状の筆記具本体と、該筆記具本体の少なくとも一部を配置可能な空間が内部に形成され、同筆記具本体の長手方向へ延びており、延びた方向の少なくとも一端に同空間と外部とを連通した棒状体用開口部が形成され、側面に同空間と外部とを連通した側方開口部が形成され、内側面が湾曲した保持部と、一方向へ延びており、延びた方向に一方の面と該一方の面とは反対側の他方の面との間の厚みが徐々に増大する部分を有し、延びた方向の一端から前記側方開口部へ挿入可能であり、前記一方向と同じ方向へ湾曲した挿入片とを備える。
【0039】
ここで、湾曲面を有し長手方向へ延びた棒状の筆記具本体の少なくとも一部を配置可能な空間が内部に形成され、同筆記具本体の長手方向へ延びており、延びた方向の少なくとも一端に同空間と外部とを連通した棒状体用開口部が形成され、内側面が湾曲した保持部によって、棒状体用開口部を通して筆記具本体の少なくとも一部を、保持部の内部の空間に配置したり保持部の内部の空間から取り去ったりできる。
【0040】
また、側面に空間と外部とを連通した側方開口部が形成され、内側面が湾曲した保持部と、一方向へ延びており、延びた方向に一方の面と該一方の面とは反対側の他方の面との間の厚みが徐々に増大する部分を有し、延びた方向の一端から側方開口部へ挿入可能であり、一方向と同じ方向へ湾曲した挿入片とによって、挿入片に傾斜部分が設けられているので、保持部の内部の空間に配置された、筆記具本体の少なくとも一部と保持部の内側面との間に形成された隙間に挿入片が入り込んで隙間を埋め、挿入片の楔作用によって、保持部が延びた方向へ筆記具本体を動かなくすることができ、また、隙間に入り込んだ挿入片を隙間から抜き出して、保持部が延びた方向へ筆記具本体を動くようにすることができる。
【0041】
また、本発明の筆記具において、保持部の一端とは反対側の他端に形成された棒状体用開口部を通して、保持部の空間に少なくとも一部が配置可能であり、伸縮可能な支持棒を備える構成とすることができる。
【0042】
この場合、使用者は支持棒を伸ばして支持棒を持ちながら、高い位置にあるマーキング対象物例えばコンクリート構造物の壁面に筆記具本体を当ててマーキングすることができる。
【0043】
また、上記の目的を達成するために、本発明の筆記具の保持方法は、湾曲面を有し長手方向へ延びた棒状の筆記具の少なくとも一部を、筆記具用保持具の本体部の内部に形成された空間に配置する筆記具配置工程と、前記筆記具用保持具の前記本体部の側面に前記空間と外部とを連通して形成された側方開口部へ、前記筆記具の少なくとも一部と同本体部の内側面との間に形成される隙間を埋めるように挿入片を挿入する挿入工程とを備える。
【0044】
ここで、湾曲面を有し長手方向へ延びた棒状の筆記具の少なくとも一部を、筆記具用保持具の本体部の内部に形成された空間に配置する筆記具配置工程によって、筆記具の少なくとも一部を、本体部の内部の空間に配置したり本体部の内部の空間から取り去ったりできる。
【0045】
また、湾曲面を有し長手方向へ延びた棒状の筆記具の少なくとも一部を、筆記具用保持具の本体部の内部に形成された空間に配置する筆記具配置工程と、筆記具用保持具の本体部の側面に空間と外部とを連通して形成された側方開口部へ、筆記具の少なくとも一部と本体部の内側面との間に形成される隙間を埋めるように挿入片を挿入する挿入工程とによって、筆記具の少なくとも一部と本体部の内側面との間に形成される隙間に挿入片を入り込ませて隙間を埋め、挿入片の楔作用によって、筆記具の長手方向へ筆記具を動かなくすることができる。
【0046】
また、隙間に入り込ませた挿入片を隙間から抜き出せば、筆記具の長手方向へ筆記具を動くようにすることもできる。
また、筆記具を一方の方向へ回転させ、挿入片を隙間に巻き込んで筆記具の長手方向へ筆記具を動かなくしたり、筆記具を他方の方向へ回転させ、挿入片を隙間から押し出して筆記具の長手方向へ筆記具を動くようにしたりできる。
【0047】
また、本発明の筆記具の保持方法において、筆記具配置工程は、本体部の空間に配置された筆記具を、筆記具の長手方向を中心軸として回転させる工程である構成とすることができる。
【0048】
この場合、筆記具例えばチョークが片減りしても、チョークを回転させて、片減りしていない部分を、マーキング対象物例えばコンクリート構造物の壁面に当てることができる。
【0049】
また、本発明の筆記具の保持方法において、筆記具配置工程は、本体部の側方開口部とは別に本体部の側面に空間と外部とを連通して形成された操作用開口部を通して、本体部の空間に配置された筆記具を動かす工程である構成とすることができる。
【0050】
この場合、例えばマーキング作業中やチョークが折れたときに、使用者はすぐに操作用開口部に指や棒体などを入れてチョークを押し出したり、折れたチョークの欠片を操作用開口部から取り出したりすることができる。
【0051】
また、上記の目的を達成するために、本発明の筆記具用保持具は、湾曲面を有し長手方向へ延びた棒状の筆記具の少なくとも一部を着脱自在に保持可能な空間が内部に形成され、同筆記具の長手方向へ延びており、延びた方向の少なくとも一端に同空間と外部とを連通した棒状体用開口部が形成され、同空間と外部とを連通しており同筆記具の長手方向へ延びた操作用開口部が側面に形成され、内側面が湾曲した本体部を備える。
【0052】
ここで、湾曲面を有し長手方向へ延びた棒状の筆記具の少なくとも一部を着脱自在に保持可能な空間が形成され、筆記具の長手方向へ延びており、延びた方向の少なくとも一端に空間と外部とを連通した棒状体用開口部が形成され、内側面が湾曲した本体部によって、棒状体用開口部を通して筆記具の少なくとも一部を、本体部の内部の空間に保持したり本体部の内部の空間から取り去ったりできる。
【0053】
また、空間と外部とを連通しており筆記具の長手方向へ延びた操作用開口部が側面に形成され、内側面が湾曲した本体部によって、操作用開口部に使用者が指または棒体を入れて、本体部の内部の空間に保持された筆記具に直接当てることができるので、簡単かつ即座に筆記具を動かすことができる。
また、操作用開口部が形成されていない構成よりも軽量化できるので、筆記具用保持具に筆記具を取付けて行うマーキング作業などの作業性を向上させることができる。
また、操作用開口部を通して、筆記具例えばチョークの残量や不具合を目視で確認できる。
また、本体部の内部の空間に入り込んだ異物例えばチョークの粉や欠片あるいは泥や砂を、操作用開口部から出すことができる。
【0054】
また、本発明の筆記具用保持具において、本体部は、両端に棒状体用開口部が形成された筒状体である構成とすることができる。
【0055】
この場合、本体部の内部は風通しが良く乾燥し易い。
また、一端にしか開口部が形成されていない構成よりも、素早く湿気などを取り除くことができる。
また、本体部の内部の空間に入り込んだ異物例えばチョークの粉や欠片あるいは泥や砂が内部に詰まることがない。
【0056】
また、上記の目的を達成するために、本発明の筆記具は、湾曲面を有し長手方向へ延びた棒状の筆記具本体と、該筆記具本体の少なくとも一部を着脱自在に保持可能な空間が内部に形成され、同筆記具本体の長手方向へ延びており、延びた方向の少なくとも一端に同空間と外部とを連通した棒状体用開口部が形成され、同空間と外部とを連通しており同筆記具の長手方向へ延びた操作用開口部が側面に形成され、内側面が湾曲した保持部とを備える。
【0057】
ここで、湾曲面を有し長手方向へ延びた棒状の筆記具本体の少なくとも一部を着脱自在に保持可能な空間が内部に形成され、筆記具本体の長手方向へ延びており、延びた方向の少なくとも一端に同空間と外部とを連通した棒状体用開口部が形成され、内側面が湾曲した保持部によって、棒状体用開口部を通して筆記具本体の少なくとも一部を、保持部の内部の空間に保持したり保持部の内部の空間から取り去ったりできる。
【0058】
また、空間と外部とを連通しており筆記具の長手方向へ延びた操作用開口部が側面に形成され、内側面が湾曲した保持部によって、操作用開口部に使用者が指または棒体を入れて、保持部の内部の空間に保持された筆記具本体に直接当てることができるので、簡単かつ即座に筆記具本体を動かすことができる。
また、操作用開口部が形成されていない構成よりも軽量化できるので、マーキング作業などの作業性を向上させることができる。
また、操作用開口部を通して、筆記具本体例えばチョークの残量や不具合を目視で確認できる。
また、保持部の内部の空間に入り込んだ異物例えばチョークの粉や欠片あるいは泥や砂を、操作開口部から出すことができる。
【0059】
また、本発明の筆記具において、保持部の一端とは反対側の他端に形成された棒状体用開口部を通して、保持部の空間に少なくとも一部が保持され、伸縮可能な支持棒を備える構成とすることができる。
【0060】
この場合、使用者は支持棒を伸ばして支持棒を持ちながら、高い位置にあるマーキング対象物例えばコンクリート構造物の壁面に筆記具本体を当ててマーキングすることができる。
【0061】
また、上記の目的を達成するために、本発明の筆記具の保持方法は、湾曲面を有し長手方向へ延びた棒状の筆記具の少なくとも一部を、筆記具用保持具の本体部の内部に形成された空間に着脱自在に保持し、同空間と外部とを連通しており同筆記具の長手方向へ延びて同本体部の側面に形成された操作用開口部を通して同筆記具を動かす筆記具保持工程を備える。
【0062】
ここで、湾曲面を有し長手方向へ延びた棒状の筆記具の少なくとも一部を、筆記具用保持具の本体部の内部に形成された空間に着脱自在に保持する筆記具保持工程によって、筆記具の少なくとも一部を、本体部の内部の空間に保持したり本体部の内部の空間から取り去ったりできる。
【発明の効果】
【0063】
本発明に係る筆記具用保持具は、簡単に筆記具の調整ができる。
本発明に係る筆記具は、簡単に調整ができる。
本発明に係る筆記具の保持方法は、簡単に筆記具の調整ができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1A】本発明を適用した第1の実施形態の筆記具用保持具と、筆記具用保持具に保持される筆記具の一例を示す前方概略斜視図である。
図1B】本発明を適用した第1の実施形態の筆記具用保持具と、筆記具用保持具に保持される筆記具の一例を示す後方概略斜視図である。
図2図1Aの本体部のA-A線で切断した概略断面図である。
図3】本発明を適用した筆記具用保持具が備える挿入片の一例を拡大して示す概略図である。
図4A】本発明を適用した第1の実施形態の筆記具用保持具が筆記具を保持する前の状態の一例を示す概略図である。
図4B】本発明を適用した第1の実施形態の筆記具用保持具が筆記具を保持した状態の一例を示す概略図である。
図5A図4Aの本体部と挿入片をC-C線で切断した概略断面図である。
図5B図4Bの本体部と挿入片と棒状体をD-D線で切断した概略断面図である。
図6】本発明を適用した第2の実施形態の筆記具用保持具が筆記具を保持した状態の一例を示す概略図である。
図7】本発明を適用した第3の実施形態の筆記具用保持具が筆記具を保持した状態の一例を示す概略図である。
図8】従来のマーキングチョーク用ホルダーを示す、概略縦断面図(a)及び概略横断面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1Aは、本発明を適用した第1の実施形態の筆記具用保持具と、筆記具用保持具に保持される筆記具の一例を示す前方概略斜視図であり、図1Bは、本発明を適用した第1の実施形態の筆記具用保持具と、筆記具用保持具に保持される筆記具の一例を示す後方概略斜視図である。
【0066】
図1A及び図1Bに示す本発明の第1の実施形態の筆記具用保持具10は、チョーク20を保持するものである。
チョーク20は、湾曲面を有し、長手方向へ延びており、棒状である。
ここで、チョーク20は、筆記具の一例である。
【0067】
また、本発明の筆記具用保持具10は、本体部11を備える。
本体部11はチョーク20の長手方向へ延びており、本体部11の内部には空間が形成されている。
本体部11の内部に形成された空間は、チョーク20の少なくとも一部を配置可能な空間である。
すなわち、本体部11が延びた方向に対して略直交する方向における本体部11の断面形状は略円形であり、本体部11の内側面は湾曲している。
【0068】
また、本体部11は一体的に成形されたものであり、樹脂製であるが、金属製や木材製とすることもでき、本体部11の材質が制限されないことは勿論である。
【0069】
また、本体部11が延びた方向の一端に、第1の棒状体用開口部11Aが形成されており、第1の棒状体用開口部11Aが形成された一端とは反対側の、本体部11の他端に、第2の棒状体用開口部11Bが形成されている。
すなわち、本体部11は、両端に第1の棒状体用開口部11Aと第2の棒状体用開口部11Bが形成された筒状体である。
【0070】
また、第1の棒状体用開口部11Aと第2の棒状体用開口部11Bは、本体部11の内部に形成された空間と本体部11の外部とを連通している。
【0071】
また、図1A及び図1Bに示すように、本体部11が延びた方向に、第1の側方開口部11Cと第2の側方開口部11Dが形成されている。
また、第1の側方開口部11Cと第2の側方開口部11Dは、本体部11の内部の空間と本体部11の外部とを連通している。
また、第1の側方開口部11Cと第2の側方開口部11Dは本体部11の側面に形成されており、第1の側方開口部11Cと第2の側方開口部11Dは、第1の棒状体用開口部11Aまたは第2の棒状体用開口部11Bが開口した方向に対して略直交する方向へ開口している。
【0072】
図2Aは、図1Aの本体部のA-A線で切断した概略断面図であり、図2Bは、図1Aの本体部のB-B線で切断した概略断面図である。
【0073】
また、本体部11は、第1の側方開口部11Cから内側面に沿って延びた湾曲方向に、本体部11の中心から本体部11の内側面までの距離が徐々に短くなる部分を有する。
すなわち図2Aに示すように、本体部11の第1の側方開口部11Cの一方の縁部11C1から湾曲方向の所定の範囲例えば第1の側方開口部11Cの反対側の位置までにおける、本体部11の中心から本体部11の内側面までの距離が徐々に短くなっている。
【0074】
ここで、本体部11の中心から、本体部11の第1の側方開口部11Cの一方の縁部11C1に近い方の内側面までの距離R1よりも、本体部11の第1の側方開口部11Cの一方の縁部11C1から遠い方の内側面の箇所までの距離R2の方が短い。
従って、図示していないが、本体部11の中心から、距離R1が定まる本体部11の内側面の箇所と距離R2が定まる本体部11の内側面の箇所との間に位置する箇所までの距離は、R1より短く、R2よりも長い。
【0075】
また、本体部11は、第2の側方開口部11Dから内側面に沿って延びた湾曲方向すなわち、第1の側方開口部11Cから内側面に沿って延びた湾曲方向と同じ方向の湾曲方向に、本体部11の中心から本体部11の内側面までの距離が徐々に短くなる部分を有する。
すなわち、図1AのA-A線で本体部11の第1の側方開口部11Cを切断したように本体部11の第2の側方開口部11Dも切断した場合、図2と同様の断面となる。
【0076】
また、本体部11の側面の、第1の側方開口部11Cよりもチョーク20が挿入される第1の棒状体用開口部11Aから離れた位置に、あるいは第2の側方開口部11Dよりも第2の棒状体用開口部11Bから離れた位置に、本体部11の内部の空間と本体部11の外部とを連通した操作用開口部16が、第1の側方開口部11C及び第2の側方開口部11Dとは別に形成されている。
また、図示した操作用開口部16の数は1つであるが、2つ以上とすることもできることは勿論である。
【0077】
図3は、本発明を適用した筆記具用保持具が備える挿入片の一例を拡大して示す概略図である。
本発明の第1の実施形態の筆記具用保持具10は、第1の挿入片12と第2の挿入片13を備える。
第1の挿入片12と第2の挿入片13はそれぞれ一方向へ延びている。
【0078】
また、第1の挿入片12と第2の挿入片13はそれぞれ、延びた方向に一方の面と一方の面とは反対側の他方の面との間の厚みが徐々に増大する部分を有する。
【0079】
また、第1の挿入片12と第2の挿入片13はそれぞれ、延びた方向の一端から第1の側方開口部11C及び第2の側方開口部11Dへ挿入可能である。
また、第1の挿入片12と第2の挿入片13はそれぞれ、延びた方向である一方向と同じ方向へ湾曲している。
【0080】
また、第1の挿入片12の一端側の部分は、内部に空間が形成されて中空になった第1の中空部分12Aである。
また、第1の挿入片12の他の部分は、内部に空間が形成されておらず中実になった第1の中実部分12Bである。
【0081】
また、同じく第2の挿入片13の一端側の部分は、内部に空間が形成されて中空になった第2の中空部分13Aである。
また、同じく第2の挿入片13の他の部分は、内部に空間が形成されておらず中実になった第2の中実部分13Bである。
【0082】
ここで、第1の挿入片12及び第2の挿入片13の一端側の部分はそれぞれ、一端から、挿入片が延びた全体の長さの例えば2/5までの範囲に相当するが、これに限定されないことは勿論である。
【0083】
また、第1の挿入片12及び第2の挿入片13は、クロソイド曲線状に湾曲している。
また、図3から判るように、第1の挿入片12の第1の中空部分12Aと、第2の挿入片13の第2の中空部分13Aは、円弧状に湾曲している。
また、第1の中空部分12Aの曲率は第1の中実部分12Bの曲率より大きい。
また、第2の中空部分13Aの曲率は第2の中実部分13Bの曲率より大きい。
【0084】
また、第1の挿入片12及び第2の挿入片13は、一方の面を内側にして湾曲している。
また、第1の挿入片12及び第2の挿入片13それぞれの一方の面の表面粗さは、第1の挿入片12及び第2の挿入片13それぞれの他方の面の表面粗さより大きい。
【0085】
また、本体部11の内側面の表面粗さは、第1の挿入片12及び第2の挿入片13それぞれの他方の面の表面粗さと略同じである。
【0086】
また、第1の挿入片12は第1の突起部12Cを有する。
第1の突起部12Cは、第1の挿入片12の他方の面の他端側に、第1の挿入片12の一方の面とは反対方向へ突起して設けられている。
【0087】
また、第2の挿入片13は第2の突起部13Cを有する。
第2の突起部13Cは、第2の挿入片13の他方の面の他端側に、第2の挿入片13の一方の面とは反対方向へ突起して設けられている。
【0088】
本発明の筆記具用保持具10について説明したが、本発明の筆記具用保持具10がチョーク20を保持したものが本発明の筆記具である。
すなわち、本発明の筆記具用保持具10が備える本体部11は、本発明の筆記具が備える保持部に相当し、本発明の筆記具用保持具10が備える第1の挿入片12または第2の挿入片13は、本発明の筆記具が備える挿入片に相当する。
【0089】
本発明の筆記具用保持具10が備える本体部11には、必ずしも第1の棒状体用開口部11Aと第2の棒状体用開口部11Bが形成されていなくてもよく、いずれか一方のみが形成された構成とすることができる。
【0090】
しかし、本体部11に第1の棒状体用開口部11Aと第2の棒状体用開口部11Bが形成されていれば、筒状体となり、本体部11の内部は風通しが良くて乾燥し易いので好ましい。
また、本体部11が筒状体であれば、一端にしか棒状体用開口部が形成されていない構成よりも、素早く湿気などを取り除くことができ、さらに、本体部11の内部の空間に入り込んだチョーク20の粉や欠片あるいは泥や砂が内部に詰まることがなく好ましい。
【0091】
また、第1の側方開口部11Cと第2の側方開口部11Dのいずれか一方のみが本体部11に形成された構成とすることができ、これに伴い、本発明の筆記具用保持具は、挿入片を1つのみ備える構成とすることができる。
さらに、本体部が延びた方向に、3つ以上の側方開口部を形成することもでき、側方開口部の数に制限が無いことは勿論である。
また、本発明の筆記具用保持具は、側方開口部の数に応じた数の挿入片を備えることができ、挿入片の数に制限が無いことは勿論である。
【0092】
また、本体部11の両端に第1の棒状体用開口部11Aと第2の棒状体用開口部11Bがそれぞれ形成され、本体部11に第1の側方開口部11Cと第2の側方開口部11Dが形成され、さらに本発明の筆記具用保持具10が第1の挿入片12及び第2の挿入片13を備えていれば、2つの棒状体例えばチョークと支持棒それぞれの少なくとも一部を本体部11の内部の空間に配置して、本体部11が延びた方向へチョークと支持棒を動かなくすることができるので好ましい。
【0093】
また、必ずしも、本体部11の中心から、本体部11の第1の側方開口部11Cの一方の縁部11C1に近い方の内側面までの距離R1よりも、本体部11の第1の側方開口部11Cの一方の縁部11C1から遠い方の内側面の箇所までの距離R2の方が短くなくてもよい。
本体部の中心から内側面までの距離は、どの箇所においても全て同じである構成とすることができる。
【0094】
しかし、このように本体部11が、第1の側方開口部11Cから内側面に沿って延びた湾曲方向に、本体部11の中心から本体部11の内側面までの距離が徐々に短くなる部分を有していれば、本体部11の内部の空間にチョーク20の一部が配置されたときにできる、本体部11の内側面とチョーク20の一部との間の隙間の形状を、第1の挿入片12すなわち挿入片の外形に対応させることができ、挿入片を挿入し易いので好ましい。
【0095】
また、必ずしも、本体部11の側面に操作用開口部16が形成されていなくてもよい。
しかし、本体部11の側面に操作用開口部16が形成されていれば、操作用開口部16に使用者が指または棒体を入れて、本体部11の内部に配置されたチョーク20に直接当てることができるので、簡単かつ即座にチョーク20を動かすことができて好ましい。
また、操作用開口部16が形成されていない構成よりも軽量化できるので、本発明の筆記具用保持具10を用いて行うマーキング作業などの作業性を向上させることができるので好ましい。
また、操作用開口部16を通して、チョーク20の残量や不具合を目視で確認できるので好ましい。
また、本体部11の内部の空間に入り込んだチョーク20の粉や欠片、あるいは泥や砂を、操作用開口部16から出すことができるので好ましい。
【0096】
また、本発明の筆記具用保持具10において、必ずしも第1の挿入片12の一端側の部分は第1の中空部分12Aでなくてもよく、必ずしも第1の挿入片12の他の部分は第1の中実部分12Bでなくてもよく、第1の挿入片12の全ての部分が中実になっていてもよい。
また、第2の挿入片13についても同様である。
【0097】
しかし、第1の挿入片12に第1の中空部分12Aと第1の中実部分12Bが設けられていれば、第1の側方開口部11Cから本体部11の内部の空間に挿入された第1の挿入片12の一端側の第1の中空部分12Aが、本体部11の内部の空間に配置された、チョーク20の少なくとも一部と本体部11の内側面とに挟まれて押しつぶされ、本体部11の内側面と筆記具の少なくとも一部との間に形成された隙間に第1の挿入片12の第1の中空部分12Aが入り込み易くなるので好ましい。
また、第2の挿入片13についても同様である。
【0098】
また、第1の挿入片12の全ての部分が中実になっている構成において、第1の挿入片12の一端側の部分が、第1の挿入片12の他の部分より軟らかいという構成とすることができる。
例えば、第1の挿入片12の一端側の部分はゴムなどの弾性部材で構成され、第1の挿入片12の他の部分はプラスチック部材で構成されることができる。
また、第2の挿入片13についても同様である。
【0099】
また、第1の挿入片12の全ての部分が中実になっている構成において、第1の挿入片12はクロソイド曲線状に湾曲しており、第1の挿入片12の一端側の部分が円弧状に湾曲していると共に一端側の部分の曲率が、第1の挿入片12の他の部分の曲率より大きいという構成とすることもできる。
また、第2の挿入片13についても同様である。
【0100】
また、本発明の筆記具用保持具10において、第1の挿入片12は、必ずしもクロソイド曲線状に湾曲していなくてもよく、また、第1の挿入片12の第1の中空部分12Aは、必ずしも円弧状に湾曲していなくてもよく、さらに、第1の中空部分12Aの曲率は第1の中実部分12Bの曲率より大きくなくてもよい。
また、第2の挿入片13についても同様である。
【0101】
しかし、第1の挿入片12が、このように湾曲していれば、第1の挿入片12の第1の中空部分12Aと棒状体例えばチョークの少なくとも一部と本体部11の内側面とが互いに強く接触し合い、第1の挿入片12の第1の中空部分12Aの形状が、チョーク20の少なくとも一部の形状となじむように変形して、第1の挿入片12の第1の中空部分12Aがチョーク20の少なくとも一部に押されたことによる反力で摩擦力も増し、チョーク20の回転を抑えることができるので好ましい。
また、第2の挿入片13についても同様である。
【0102】
また、本発明の筆記具用保持具10において、第1の挿入片12及び第2の挿入片13それぞれの一方の面の表面粗さは、必ずしも第1の挿入片12及び第2の挿入片13それぞれの他方の面の表面粗さより大きくなくてもよい。
また、本体部11の内側面の表面粗さは、第1の挿入片12及び第2の挿入片13それぞれの他方の面の表面粗さと略同じでなくてもよい。
【0103】
しかし、本体部11の内側面の表面粗さと、第1の挿入片12の表面粗さがこのようなものであれば、第1の挿入片12を本体部11の内部へ強く挿入しなくても、本体部11の内部の空間に配置された、チョーク20の少なくとも一部を回転させるだけで、第1の挿入片12が、チョーク20の回転に伴って、本体部11が延びた方向へのチョーク20の移動を抑止する位置まで本体部11の内部へ引き込まれたり、チョーク20の移動抑止を解除する位置まで本体部11の外部へ押し出されたりし易くなるので好ましい。
また、第2の挿入片13の表面粗さについても同様である。
【0104】
また、第1の挿入片12は必ずしも第1の突起部12Cを有していなくてもよく、また、第2の挿入片13は必ずしも第2の突起部13Cを有していなくてもよい。
【0105】
しかし、第1の挿入片12が第1の突起部12Cを有していれば、使用者は、第1の突起部12Cに指を引掛けて、本体部11の第1の側方開口部11Cへ第1の挿入片12を挿入したり、第1の側方開口部11Cから第1の挿入片12を引き出したりし易いので好ましい。
また、第1の挿入片12が第1の突起部12Cを有していれば、第1の挿入片12の挿入及び引き出しを繰り返すことによって第1の挿入片12が摩耗し、第1の挿入片12の挿入域が増大して、第1の挿入片12を第1の側方開口部11Cへ挿入したときの第1の挿入片12の他端側と第1の側方開口部11Cの縁部との間の距離が縮まっていくが、他端側に設けられた第1の突起部12Cが目印となって第1の挿入片12の摩耗度合を目視で確認し易いので好ましい。
また、第2の挿入片13の第2の突起部13Cについても同様である。
【0106】
また、本発明の筆記具用保持具が保持できる筆記具としては、チョーク20以外にも例えば石筆、オイルパステルが挙げられる。
【0107】
次に、本発明を適用した筆記具の保持方法及び本発明の第1の実施形態の筆記具用保持具10を使用した例を説明する。
図4Aは、本発明を適用した第1の実施形態の筆記具用保持具が筆記具を保持する前の状態の一例を示す概略図であり、図4Bは、本発明を適用した第1の実施形態の筆記具用保持具が筆記具を保持した状態の一例を示す概略図である。
また、図5Aは、図4Aの本体部と挿入片をC-C線で切断した概略断面図であり、図5Bは、図4Bの本体部と挿入片と棒状体をD-D線で切断した概略断面図である。
【0108】
本発明の筆記具の保持方法は筆記具配置工程を備える。
ここで、筆記具配置工程は、チョーク20の一部を、本発明の筆記具用保持具10が備える本体部11の第1の棒状体用開口部11Aを通して、本体部11の内部の空間に配置する工程である。
このとき、図5Aに示されているように、第1の挿入片12は、その一端が第1の側方開口部11Cに少し挿入された程度であり、第1の挿入片12は、ほとんど第1の側方開口部11Cへ挿入されていない。
【0109】
また、本発明の筆記具の保持方法は第1の挿入工程を備える。
ここで、第1の挿入工程は、チョーク20の一部が本体部11の内部の空間に配置された状態で、第1の挿入片12を第1の挿入方向14へ動かし、第1の側方開口部11Cへ、チョーク20の一部と本体部11の内側面との間に形成された隙間を埋めるように第1の挿入片12を挿入する工程である。
【0110】
このとき、図5Bに示されているように、本体部11の内部の空間に配置された、チョーク20の一部と本体部11の内側面との間に形成された隙間に、第1の挿入片12が入り込み、第1の挿入片12の楔作用によって、本体部11が延びた方向へチョーク20を動かなくすることができる。
【0111】
また、第1の挿入片12の一方の面の表面粗さが、第1の挿入片12の他方の面の表面粗さより大きく、また、本体部11の内側面の表面粗さは、第1の挿入片12の他方の面の表面粗さと略同じであるので、第1の挿入片12を強く挿入しなくても、チョーク20を右回転させて第1の挿入片12を、本体部11の内側面とチョーク20の一部との間の隙間にさらに引き込む。
【0112】
またこのとき、第1の挿入片12の一端側に設けられた第1の中空部分12Aが、チョーク20の一部と本体部11の内側面とに挟まれて押しつぶされ、本体部11の内側面とチョーク20の一部との間に形成された隙間に、第1の挿入片12の第1の中空部分12Aが入り込み易くなっている。
【0113】
その結果、チョーク20を、本体部11が延びた方向へさらに安定して動かなくすることができる。
【0114】
また、第1の挿入片12はクロソイド曲線状に湾曲しており、第1の挿入片12の第1の中空部分12Aは円弧状に湾曲しており、第1の中空部分12Aの曲率は第1の中実部分12Bの曲率より大きいので、第1の挿入片12の第1の中空部分12Aとチョーク20の一部と本体部11の内側面とが互いに強く接触し合い、第1の挿入片12の第1の中空部分12Aの形状が、チョーク20の一部の形状となじむように変形する。
そして、第1の挿入片12の第1の中空部分12Aがチョーク20の一部に押されたことによる反力で摩擦力も増し、チョーク20の回転を抑える。
【0115】
従って、チョーク20が自然に左回転して、本体部11が延びた方向へのチョーク20の移動抑止を解除する位置まで第1の挿入片12を本体部11の外部へ押し出すことを抑える。
【0116】
また、このように本発明の筆記具用保持具10は、第1の側方開口部11Cへ、チョーク20の一部と本体部11の内側面との間に形成された隙間を埋めるように第1の挿入片12を挿入することで、本体部11が延びた方向へチョーク20を動かなくするので、チョークごとに微妙に直径や形状が異なっていたり、チョークを使用中に摩耗によって直径が減少したりしても、第1の挿入片12をさらに深く挿入するだけでそのまま保持できる。
また、第1の挿入片12をさらに深く挿入しても、チョーク20に負荷が掛かるだけで本体部11にも第1の挿入片12にも負荷は掛からないので、本体部11や第1の挿入片12の変形の心配もない。
【0117】
一方、従来のノック式チョークホルダーは、バネのトルクを利用してチョークを保持するので、想定された一定の直径で一定の形状のチョークを保持できても、微妙に直径や形状が異なりノック式チョークホルダーに合わないチョークや、合っていたチョークでも使用中の摩耗によって直径が減少したチョークを充分に保持できない。
また、従来のねじ式チョークホルダーは、端部の直径をねじで締め込み縮小させてチョークを保持するので、想定された直径よりも小さい直径のチョークを連続して保持していると、想定よりも締め込み量が大きくなり、樹脂製のホルダー本体の端部が変形し、想定された直径のチョークを取付け難くなる。
【0118】
また、本発明の筆記具の保持方法は支持棒配置工程を備える。
ここで、支持棒配置工程は、伸縮可能な支持棒21の一部すなわち上端部を、本発明の筆記具用保持具10が備える本体部11の第2の棒状体用開口部11Bを通して、本体部11の内部の空間に配置する工程である。
このとき、第2の挿入片13は、その一端が第2の側方開口部11Dに少し挿入された程度であり、第2の挿入片13は、ほとんど第2の側方開口部11Dへ挿入されていない。
また、支持棒21は、チョーク20と同様に湾曲面を有し長手方向へ延びた棒状のものである。
【0119】
また、本発明の筆記具の保持方法は第2の挿入工程を備える。
ここで、第2の挿入工程は、支持棒21の一部が本体部11の内部の空間に配置された状態で、第2の挿入片13を第2の挿入方向15へ動かし、第2の側方開口部11Dへ、支持棒21の一部と本体部11の内側面との間に形成された隙間を埋めるように第2の挿入片13を挿入する工程である。
【0120】
このとき、本体部11の内部の空間に配置された、支持棒21の一部と本体部11の内側面との間に形成された隙間に、第2の挿入片13が入り込み、第2の挿入片13の楔作用によって、本体部11が延びた方向へ支持棒21を動かなくすることができる。
【0121】
また、図4Bから明らかなように、第1の挿入片12を第1の側方開口部11Cへ挿入するときの第1の挿入方向14と、第2の挿入片13を第2の側方開口部11Dへ挿入するときの第2の挿入方向15とは互いに同じ方向である。
【0122】
また、第2の挿入片13の一方の面の表面粗さが、第2の挿入片13の他方の面の表面粗さより大きく、また、本体部11の内側面の表面粗さは、第2の挿入片13の他方の面の表面粗さと略同じであるので、第2の挿入片13を強く挿入しなくても、支持棒21を左回転させて第2の挿入片13を、本体部11の内側面と支持棒21の一部との間の隙間にさらに引き込む。
【0123】
またこのとき、第2の挿入片13の一端側に設けられた第2の中空部分13Aが、支持棒21の一部と本体部11の内側面とに挟まれて押しつぶされ、本体部11の内側面と支持棒21の一部との間に形成された隙間に、第2の挿入片13の第2の中空部分13Aが入り込み易くなっている。
【0124】
その結果、支持棒21を、本体部11が延びた方向へさらに安定して動かなくすることができる。
【0125】
第2の挿入片13はクロソイド曲線状に湾曲しており、第2の挿入片13の第2の中空部分13Aは円弧状に湾曲しており、第2の中空部分13Aの曲率は第2の中実部分13Bの曲率より大きいので、第2の挿入片13の第2の中空部分13Aと支持棒21の一部と本体部11の内側面とが互いに強く接触し合い、第2の挿入片13の第2の中空部分13Aの形状が、支持棒21の一部の形状となじむように変形する。
そして、第2の挿入片13の第2の中空部分13Aが支持棒21の一部に押されたことによる反力で摩擦力も増し、支持棒21の回転を抑える。
【0126】
従って、支持棒21が自然に右回転して、本体部11が延びた方向への支持棒21の移動抑止を解除する位置まで第2の挿入片13を本体部11の外部へ押し出すことを抑える。
【0127】
また、チョーク20すなわち筆記具の少なくとも一部と本体部11の内側面との間に形成された隙間を埋めるように挿入片を挿入できるのであれば、挿入片は必ずしも第1の挿入片12のように湾曲していなくてもよい。
また、支持棒21すなわち棒状体の少なくとも一部と本体部11の内側面との間に形成された隙間を埋めるように挿入片を挿入できるのであれば、挿入片は必ずしも第2の挿入片13のように湾曲していなくてもよい。
【0128】
また、図4A及び図4Bに示す例は、チョーク20という棒状の筆記具に加えて、支持棒21という棒状体を本発明の筆記具用保持具10が保持する例であるが、本発明の筆記具用保持具10が筆記具1つだけを保持できることは勿論である。
すなわち、1つのチョークの一部が本体部11の内部の空間に配置され、本体部11の第1の棒状体用開口部11Aと第2の棒状体用開口部11Bとを通って本体部11から1つのチョークが突出した状態で、第1の挿入片12と第2の挿入片13とによって、本発明の筆記具用保持具10はチョークを1つだけ保持できる。
【0129】
また、本発明の筆記具用保持具10がチョークを1つだけ保持した場合は、このチョークの一部と本体部11の内側面との間の隙間から第1の挿入片12及び第2の挿入片13を抜き出すことで、本体部11の内部の空間内をチョークが移動できる状態となるので、チョークに対する本体部11の位置を変えることができる。
【0130】
また、1つのチョークを、第1の挿入片12及び第2の挿入片13のように2つの挿入片によって保持するので、1つの挿入片によって保持する場合よりもチョークの保持が解除され難い。
【0131】
また、図4Bに示すように本発明の筆記具用保持具10がチョーク20と支持棒21を保持した形態は、本発明の筆記具でもある。
例えば、手の届かない位置にあるコンクリート構造物の箇所にマーキングを行う場合、本発明の筆記具用保持具10が保持した支持棒21を伸ばし、この支持棒21を持ちながらチョーク20を使ってマーキングを行う。
【0132】
また、チョーク20を使用していくと、チョーク20の先端側の一部分が減ってしまう「片減り」が生じる。
その場合、チョーク20の減っていない部分をコンクリート構造物の箇所に当てるため、チョーク20を保持した状態の本発明の筆記具用保持具10を、本体部11が延びた方向を中心軸として回転させ、チョーク20も一緒に回転させる。
このとき、本発明の筆記具用保持具10は第1の挿入片12を本体部11の内部へ挿入することでチョーク20を保持する構造なので、本体部11から外方へ突出した部材がほとんどなく、本発明の筆記具用保持具10の回転を妨げることはない。
【0133】
一方、従来のマーキングチョーク用ホルダーは、スライダが本体の外側面に取付けられているので、スライダがホルダーの先端側に位置しているときにホルダーを回転させると、スライダがコンクリート構造物に当たってしまい、ホルダーの回転を妨げる可能性が高い。
【0134】
また、手の届く位置にあるコンクリート構造物の箇所にマーキングを行う場合、本発明の筆記具用保持具10が保持した支持棒21を縮め、本体部11を持ちながらチョーク20を使ってマーキングを行う。
【0135】
このときにチョーク20の片減りが生じた場合、本体部11の内部の空間に配置されたチョーク20自体を、チョーク20の長手方向を中心軸として左回転させる。
この工程も、本発明の筆記具の保持方法が備える筆記具配置工程である。
【0136】
このように、本発明の筆記具用保持具10は、チョーク20自体を一方の方向または他方の方向へ回転させ、第1の挿入片12を隙間に巻き込むか、または第1の挿入片12を隙間から押し出すことができるので、指先でしかも一捻りするだけでチョーク20の保持か、または保持の解除を行うことができ、操作時間を短縮できる。
【0137】
一方、従来のねじ式チョークホルダーは、2箇所のねじを締め込んでチョークを保持するか、またはねじを緩めてチョークの保持を解除するので、操作に時間が掛かってしまう。
【0138】
また、チョーク20を左回転させるために、本体部11の側面に形成された操作用開口部16に指または棒体を入れて、チョーク20に指または棒体を直接当て、左回転するようチョーク20を動かす。
この工程も、本発明の筆記具の保持方法が備える筆記具配置工程である。
【0139】
また、チョーク20を左回転させると、第1の挿入片12が本体部11の外部へ押し出されるので、第1の挿入工程において、第1の側方開口部11Cへ、チョーク20の一部と本体部11の内側面との間に形成された隙間を埋めるように第1の挿入片12を挿入する。
【0140】
本発明の筆記具の保持方法の筆記具配置工程において、必ずしもチョーク20自体を、チョーク20の長手方向を中心軸として回転させなくてもよい。
【0141】
しかし、チョーク20を一方の方向へ回転させ、第1の挿入片12を隙間に巻き込んでチョーク20の長手方向へチョーク20を動かなくしたり、チョーク20を他方の方向へ回転させ、第1の挿入片12を隙間から押し出してチョーク20の長手方向へチョーク20を動くようにしたりできるので好ましい。
また、チョーク20を回転させて、マーキング対象物例えばコンクリート構造物の壁面に対するチョーク20の先端角度を簡単に変えることができるので好ましい。
【0142】
また、本発明の筆記具の保持方法の筆記具配置工程において、必ずしも操作用開口部16を通してチョーク20を動かさなくてもよい。
【0143】
しかし、マーキング作業中やチョーク20が折れたときに、使用者はすぐに操作用開口部16に指や棒体を入れてチョーク20を押し出したり、折れたチョークの欠片を操作用開口部16から取り出したりすることができるので好ましい。
【0144】
図6は、本発明を適用した第2の実施形態の筆記具用保持具が筆記具を保持した状態の一例を示す概略図である。
【0145】
図6に示す本発明の第2の実施形態の筆記具用保持具30は、太チョーク40と細チョーク41を保持するものである。
また、太チョーク40と細チョーク41は、湾曲面を有し、長手方向へ延びており、棒状である。
また、太チョーク40の外径は、細チョーク41の外径よりも大きい。
【0146】
また、本発明の筆記具用保持具30は、本体部31を備える。
本体部31は太チョーク40及び細チョーク41の長手方向へ延びており、内部には空間が形成されている。
また、本体部31は、第1の本体部分31Aと第2の本体部分31Bとで構成されており、第1の本体部分31Aの内部の空間と第2の本体部分31Bの内部の空間は互いに連通している。
また、第1の本体部分31Aの内径は、第2の本体部分31Bの内径よりも大きい。
【0147】
また、第1の本体部分31Aの内部に形成された空間は、太チョーク40の少なくとも一部を配置可能な空間である。
また、第2の本体部分31Bの内部に形成された空間は、細チョーク41の少なくとも一部を配置可能な空間である。
すなわち、第1の本体部分31Aが延びた方向に対して略直交する方向における第1の本体部分31Aの断面形状、及び第2の本体部分31Bが延びた方向における第2の本体部分31Bの断面形状は略円形であり、第1の本体部分31Aの内側面及び第2の本体部分31Bの内側面は湾曲している。
【0148】
また、第1の本体部分31Aと第2の本体部分31Bは一体的に成形されたものであり、樹脂製であるが、金属製や木材製とすることもでき、第1の本体部分31Aと第2の本体部分31Bの材質が制限されないことは勿論である。
【0149】
また、図示していないが、本体部31が延びた方向の一端すなわち第1の本体部分31Aが延びた方向の一端に、第1の棒状体用開口部が形成されており、第1の棒状体用開口部が形成された一端とは反対側の、本体部31の他端すなわち第2の本体部分31Bが延びた方向の一端に、第2の棒状体用開口部が形成されている。
【0150】
また、第1の棒状体用開口部は、第1の本体部分31Aの内部に形成された空間と第1の本体部分31Aの外部とを連通している。
また、第2の棒状体用開口部は、第2の本体部分31Bの内部に形成された空間と第2の本体部分31Bの外部とを連通している。
【0151】
また、図示していないが、第1の本体部分31Aの側面に第1の側方開口部が形成され、第2の本体部分31Bの側面に第2の側方開口部が形成されている。
また、第1の側方開口部は、第1の本体部分31Aの内部の空間と第1の本体部分31Aの外部とを連通している。
また、第2の側方開口部は、第2の本体部分31Bの内部の空間と第2の本体部分31Bの外部とを連通している。
【0152】
また、第1の本体部分31Aの側面の、第1の側方開口部よりも第1の棒状体用開口部から離れた位置に、第1の本体部分31Aの内部の空間と第1の本体部分31Aの外部とを連通した操作用開口部36が、第1の側方開口部とは別に形成されている。
【0153】
また、本発明の筆記具用保持具30は、第1の挿入片32と第2の挿入片33を備える。
また、第1の挿入片32は第1の突起部32Cを有する。
また、第2の挿入片33は第2の突起部33Cを有する。
【0154】
ここで、本発明の第2の実施形態の筆記具用保持具30が備える第1の挿入片32と第2の挿入片33の構造は、本発明の第1の実施形態の筆記具用保持具10が備える第1の挿入片12と第2の挿入片13の構造と同じであるので、詳細な説明を省略する。
【0155】
また、太チョーク40の一部を、本発明の筆記具用保持具30が備える第1の本体部分31Aの第1の棒状体用開口部を通して、第1の本体部分31Aの内部の空間に配置する。
また、細チョーク41の一部を、本発明の筆記具用保持具30が備える第2の本体部分31Bの第2の棒状体用開口部を通して、第2の本体部分31Bの内部の空間に配置する。
【0156】
そして、太チョーク40の一部が第1の本体部分31Aの内部の空間に配置された状態で、第1の挿入片32を第1の挿入方向34へ動かし、第1の側方開口部へ挿入する。
また、細チョーク41の一部が第2の本体部分31Bの内部の空間に配置された状態で、第2の挿入片33を第2の挿入方向35へ動かし、第2の側方開口部へ挿入する。
【0157】
このとき、第1の本体部分31Aの内部の空間に配置された、太チョーク40の一部と第1の本体部分31Aの内側面との間に形成された隙間に、第1の挿入片32が入り込み、第1の挿入片32の楔作用によって、第1の本体部分31Aが延びた方向へ太チョーク40を動かなくすることができる。
また、このとき、第2の本体部分31Bの内部の空間に配置された、細チョーク41の一部と第2の本体部分31Bの内側面との間に形成された隙間に、第2の挿入片33が入り込み、第2の挿入片33の楔作用によって、第2の本体部分31Bが延びた方向へ細チョーク41を動かなくすることができる。
【0158】
図6から明らかなように、第1の挿入片32を第1の側方開口部へ挿入するときの第1の挿入方向34と、第2の挿入片33を第2の側方開口部へ挿入するときの第2の挿入方向35とは互いに同じ方向である。
【0159】
図7は、本発明を適用した第3の実施形態の筆記具用保持具が筆記具を保持した状態の一例を示す概略図である。
【0160】
図7に示す本発明の第3の実施形態の筆記具用保持具50は、チョーク60を保持するものである。
チョーク60は、湾曲面を有し、長手方向へ延びており、棒状である。
【0161】
また、本発明の筆記具用保持具50は、本体部51を備える。
本体部51はチョーク60の長手方向へ延びており、本体部51の内部には空間が形成されている。
【0162】
また、本体部51の内部に形成された空間は、チョーク60の少なくとも一部を着脱自在に保持可能な空間である。
すなわち、本体部51が延びた方向に対して略直交する方向における本体部51の断面形状は略円形であり、本体部51の内側面は湾曲している。
また、本体部51の内径とチョーク60の外径は略同じであり、本体部51の内側面とチョーク60の外側面との間の摩擦力によって、本体部51の内部の空間に、チョーク60の少なくとも一部を着脱自在に保持できる。
【0163】
また、本体部51は一体的に成形されたものであり、樹脂製であるが、金属製や木材製とすることもでき、本体部51の材質が制限されないことは勿論である。
【0164】
また、図示していないが、本体部51が延びた方向の一端に、第1の棒状体用開口部が形成されており、第1の棒状体用開口部が形成された一端とは反対側の、本体部51の他端に、第2の棒状体用開口部が形成されている。
すなわち、本体部51は、両端に第1の棒状体用開口部と第2の棒状体用開口部が形成された筒状体である。
【0165】
また、第1の棒状体用開口部と第2の棒状体用開口部は、本体部51の内部に形成された空間と本体部51の外部とを連通している。
【0166】
また、本発明の第1の実施形態の筆記具用保持具10及び本発明の第2の実施形態の筆記具用保持具30とは異なり、本発明の第3の実施形態の筆記具用保持具50が備える本体部51の側面には側方開口部は形成されておらず、また、本発明の第3の実施形態の筆記具用保持具50は挿入片を備えていない。
【0167】
また、本体部51の側面の略中央領域に、本体部51の内部の空間と本体部51の外部とを連通しており、チョーク60の長手方向へ延びた操作用開口部56が形成されている。
また、図示した操作用開口部56の数は1つであるが、2つ以上とすることもできることは勿論である。
【0168】
また、チョーク60の一部を、本発明の筆記具用保持具50が備える本体部51の第1の棒状体用開口部を通して、本体部51の内部の空間に着脱自在に保持する。
【0169】
また、伸縮可能な支持棒61の一部すなわち上端部を、本発明の筆記具用保持具50が備える本体部51の第2の棒状体用開口部を通して、本体部51の内部の空間に着脱自在に保持する。
また、支持棒61は、チョーク60と同様に湾曲面を有し長手方向へ延びた棒状のものである。
また、本体部51の内径と支持棒61の上端部の外径は略同じであり、本体部51の内側面と支持棒61の外側面との間の摩擦力によって、本体部51の内部の空間に、支持棒61の上端部を着脱自在に保持できる。
【0170】
また、チョーク60の一部は、本体部51の内部の空間に着脱自在に保持されるので、本体部51の側面に形成された操作用開口部56に指または棒体を入れて、チョーク60に指または棒体を直接当て、チョーク60を動かすことができる。
【0171】
以上のように、本発明の筆記具用保持具10が備える本体部11には、第1の棒状体用開口部11Aや第2の棒状体用開口部11Bが形成されているので、第1の棒状体用開口部11Aや第2の棒状体用開口部11Bを通して、チョーク20の一部や支持棒21の一部を、本体部11の内部の空間に配置したり本体部11の内部の空間から取り去ったりできる。
【0172】
また、本発明の筆記具用保持具10は第1の挿入片12を備えるので、本体部11の内部の空間に配置されたチョーク20の一部と、本体部11の内側面との間の隙間に第1の挿入片12が入り込んで隙間を埋め、第1の挿入片12の楔作用によって、本体部11が延びた方向へチョーク20を動かなくすることができ、また、隙間に入り込んだ第1の挿入片12を隙間から抜き出して、本体部11が延びた方向へチョーク20を動くようにすることができる。
また、本発明の筆記具用保持具10は第2の挿入片13を備えるので、本体部11の内部の空間に配置された支持棒21の一部と、本体部11の内側面との間の隙間に第2の挿入片13が入り込んで隙間を埋め、第2の挿入片13の楔作用によって、本体部11が延びた方向へ支持棒21を動かなくすることができ、また、隙間に入り込んだ第2の挿入片を隙間から抜き出して、本体部11が延びた方向へ支持棒21を動くようにすることができる。
【0173】
従って、本発明の筆記具用保持具10は、簡単にチョークを別のチョークに取り替えたり、コンクリート構造部の壁面などの筆記面に対するチョークの先端角度を簡単に変えたりといった、簡単にチョークなどの筆記具の調整ができる。
また、本発明の筆記具用保持具10がチョーク20を保持したものが本発明の筆記具であるので、本発明の筆記具は簡単にチョークなどの筆記具の調整ができる。
また、本発明の筆記具の保持方法は、本発明の筆記具用保持具10を使用して筆記具を保持する方法なので、簡単にチョークなどの筆記具の調整ができる。
【符号の説明】
【0174】
10 筆記具用保持具
11 本体部
11A 第1の棒状体用開口部
11B 第2の棒状体用開口部
11C 第1の側方開口部
11C1 第1の側方開口部の一方の縁部
11C2 第1の側方開口部の他方の縁部
11D 第2の側方開口部
12 第1の挿入片
12A 第1の中空部分
12B 第1の中実部分
12C 第1の突起部
13 第2の挿入片
13A 第2の中空部分
13B 第2の中実部分
13C 第2の突起部
14 第1の挿入方向
15 第2の挿入方向
16 操作用開口部
20 チョーク
21 支持棒
30 筆記具用保持具
31 本体部
31A 第1の本体部分
31B 第2の本体部分
32 第1の挿入片
32C 第1の突起部
33 第2の挿入片
33C 第2の突起部
34 第1の挿入方向
35 第2の挿入方向
36 操作用開口部
40 太チョーク
41 細チョーク
50 筆記具用保持具
51 本体部
56 操作用開口部
60 チョーク
61 支持棒
【要約】
【課題】簡単に筆記具の調整ができる筆記具用保持具及び筆記具の保持方法、並びに簡単に調整ができる筆記具を提供する。
【解決手段】筆記具用保持具10は、チョーク20を保持するものであり、本体部11と、第1の挿入片12と、第2の挿入片13を備える。本体部11の内部に空間が形成され、この空間はチョーク20の少なくとも一部を配置可能な空間である。本体部11の一端に第1の棒状体用開口部11Aが形成され、他端に第2の棒状体用開口部11Bが形成されている。本体部11の側面に、第1の側方開口部11Cと第2の側方開口部11Dが形成され、さらに別に操作用開口部16が本体部11の側面に形成され、本体部11の内部の空間と外部を連通している。第1の挿入片12と第2の挿入片13は第1の側方開口部11Cと第2の側方開口部11Dへ挿入可能である。
【選択図】図1A
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8