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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】波状の渦巻き空気清浄機
(51)【国際特許分類】
   F24F 8/133 20210101AFI20231130BHJP
   F24F 8/192 20210101ALI20231130BHJP
   F24F 8/80 20210101ALI20231130BHJP
   F24F 8/30 20210101ALI20231130BHJP
【FI】
F24F8/133
F24F8/192
F24F8/80 140
F24F8/30
F24F8/80 216
F24F8/80 238
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023501365
(86)(22)【出願日】2021-06-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-01
(86)【国際出願番号】 KR2021008233
(87)【国際公開番号】W WO2022010164
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-02-20
(31)【優先権主張番号】10-2020-0083355
(32)【優先日】2020-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523007454
【氏名又は名称】コンコン カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GONGGONG CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】#502,5F,144,Gwangnaru-ro Seongdong-gu Seoul 04788,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イ、ソン オン
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1998073(KR,B1)
【文献】特開2000-033215(JP,A)
【文献】特表2014-512203(JP,A)
【文献】特開昭52-021195(JP,A)
【文献】特開2015-222156(JP,A)
【文献】特開2000-189835(JP,A)
【文献】特開2014-128745(JP,A)
【文献】特開2014-153012(JP,A)
【文献】特開2006-233966(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0010881(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 8/133
F24F 8/192
F24F 8/80
F24F 8/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から空気を吸い込むように構成される空気吸込部と、
前記空気吸込部を介して吸い込まれた吸い込み空気に含まれている汚染物質を捕集する液体が収容される液体貯留部と、
前記液体貯留部の内に配置され、前記液体貯留部内における回転により前記液体が前記液体貯留部内において回転しながら、前記液体の表面の高さが変わる湧昇現象を引き起こすように構成される液体流動形成部と、
前記液体流動形成部を回転させるように構成される回転駆動部と、
前記汚染物質の取り除かれた浄化空気を外部に排出するように構成される空気排出部と、
を備え、
前記液体流動形成部は、
前記液体貯留部の底壁に対して傾斜するように配置される上面を有し、前記回転駆動部により回転するように構成される回転体と、
前記上面から突出し、前記上面の周方向に沿って互いに離れて配置される複数の突起と、
を備え、
前記回転体は、前記上面に対して傾斜し、前記底壁に対して平行な下面を有する、波状の渦巻き空気清浄機。
【請求項2】
前記複数の突起のそれぞれは、前記回転体が回転するにつれて前記液体と当接し、前記上面に対して傾斜するように配置される傾斜面を備える、請求項1に記載の波状の渦巻き空気清浄機。
【請求項3】
前記液体流動形成部の回転速度を調節するように前記回転駆動部を制御する制御部をさらに備える、請求項1に記載の波状の渦巻き空気清浄機。
【請求項4】
前記汚染物質を電気的に集塵する電気集塵部をさらに備える、請求項1に記載の波状の渦巻き空気清浄機。
【請求項5】
前記電気集塵部は、
前記空気吸込部と隣り合うように配置され、前記汚染物質を帯電させるイオナイザーと、
前記イオナイザーにおいて帯電された前記汚染物質を静電作用により集塵するように構成される集塵セルと、
を備える、請求項4に記載の波状の渦巻き空気清浄機。
【請求項6】
前記液体貯留部は、円筒状の内周面を備え、
前記集塵セルは、前記液体が湧昇するにつれて前記液体に少なくとも部分的に浸漬されるように前記円筒状の内周面に沿って配置される、請求項5に記載の波状の渦巻き空気清浄機。
【請求項7】
前記集塵セルは、前記円筒状の内周面において、前記液体流動形成部の回転に伴う前記液体の表面の最大の高さと前記液体の表面の最低の高さとの間に配置される、請求項6に記載の波状の渦巻き空気清浄機。
【請求項8】
前記空気吸込部は、前記液体の回転方向とは反対の方向に前記吸い込み空気を渦流させるように構成される、請求項1に記載の波状の渦巻き空気清浄機。
【請求項9】
前記液体貯留部は、円筒状の内周面を備え、
前記空気吸込部は、前記吸い込み空気が前記円筒状の内周面に向かって流れるように配置される導入口を備える、請求項8に記載の波状の渦巻き空気清浄機。
【請求項10】
前記空気吸込部は、
回転軸を有する駆動モーターと、
前記回転軸に結合され、外部からの空気を吸い込むように構成される吸込ファンと、
を備える、請求項1に記載の波状の渦巻き空気清浄機。
【請求項11】
前記吸込ファンの回転速度を調節するように前記駆動モーターを制御する制御部をさらに備える、請求項10に記載の波状の渦巻き空気清浄機。
【請求項12】
前記空気排出部は、前記液体貯留部の内側に延びる管状の分離壁を備える、請求項1に記載の波状の渦巻き空気清浄機。
【請求項13】
前記液体貯留部に収容された前記液体の温度を降温させるように構成される冷却部をさらに備える、請求項1に記載の波状の渦巻き空気清浄機。
【請求項14】
外部から空気を吸い込むように構成される空気吸込部と、
前記空気吸込部を介して吸い込まれた吸い込み空気に含まれている汚染物質を捕集する液体が収容される液体貯留部と、
前記液体貯留部の内に配置され、前記液体貯留部内において前記液体を回転させるように構成される液体流動形成部と、
前記液体貯留部の外部に配置され、前記液体流動形成部から離れて前記液体流動形成部を回転させるように構成される回転駆動部と、
前記汚染物質の取り除かれた浄化空気を外部に排出するように構成される空気排出部と、
を備え、
前記液体流動形成部は、
前記液体貯留部の底壁に対して傾斜するように配置される上面を有し、前記回転駆動部により回転するように構成される回転体と、
前記上面から突出し、前記上面の周方向に沿って互いに離れて配置される複数の突起と、
を備え、
前記回転体は、前記上面に対して傾斜し、前記底壁に対して平行な下面を有する、波状の渦巻き空気清浄機。
【請求項15】
前記回転駆動部は、
回転軸を有する回転駆動モーターと、
前記回転軸に結合されて回転するように構成される駆動板と、
を備える、請求項14に記載の波状の渦巻き空気清浄機。
【請求項16】
前記液体流動形成部は、前記液体流動形成部と前記駆動板との間の磁気的な引力により前記駆動板とともに回転するように構成される、請求項15に記載の波状の渦巻き空気清浄機。
【請求項17】
前記液体流動形成部と前記駆動板とのうちのどちらか一方に結合される磁性体と、
前記液体流動形成部と前記駆動板とのうちの残りの他方に結合される金属部材と、
をさらに備える、請求項16に記載の波状の渦巻き空気清浄機。
【請求項18】
前記磁性体は、前記液体流動形成部の下面と前記駆動板の上面とのうちのどちらか一方に結合され、
前記金属部材は、前記液体流動形成部の下面と前記駆動板の上面とのうちの残りの他方に結合される、請求項17に記載の波状の渦巻き空気清浄機。
【請求項19】
前記磁性体は、前記液体流動形成部の下面と前記駆動板の上面とのうちのどちらか一方に結合され、周方向に沿って互いに離れて配置される複数の磁性体を備え、
前記金属部材は、前記液体流動形成部の下面と前記駆動板の上面とのうちの残りの他方に結合され、周方向に沿って互いに離れて配置される複数の金属部材を備える、請求項18に記載の波状の渦巻き空気清浄機。
【請求項20】
駆動モーターと外部から空気を吸い込む吸込ファンを備え、前記吸込ファンにより吸い込み空気を渦流させるように構成される空気吸込部と、
前記空気吸込部を介して吸い込まれた吸い込み空気に含まれている汚染物質を捕集する液体が収容される液体貯留部と、
前記液体貯留部の内に配置され、前記液体貯留部内において前記液体を前記吸い込み空気の渦流方向とは反対の方向に回転させるように構成される液体流動形成部と、
前記液体流動形成部を回転させるように構成される回転駆動部と、
前記汚染物質の取り除かれた浄化空気を外部に排出するように構成される空気排出部と、
前記吸込ファンにより渦流される前記吸い込み空気の回転速度が前記液体の回転速度よりも速くなるように前記駆動モーターと前記回転駆動部を制御する制御部と、
を備え、
前記液体流動形成部は、
前記液体貯留部の底壁に対して傾斜するように配置される上面を有し、前記回転駆動部により回転するように構成される回転体と、
前記上面から突出し、前記上面の周方向に沿って互いに離れて配置される複数の突起と、
を備え、
前記回転体は、前記上面に対して傾斜し、前記底壁に対して平行な下面を有する、波状の渦巻き空気清浄機。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、波状の渦巻き空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の産業の発達には目を見張るものがあり、これに伴い、工業用粉塵、自動車煤煙、黄砂などといった大気汚染により大気中の粒子状物質の量が増える一方である。汚れた粒子状物質の量が勧告基準値以上に上がる日数が増えて、日常生活のみならず、外部の活動に制約が伴われてしまう。粒子状物質に長時間にわたって晒される場合、粒子状物質に含まれている重金属などが人間の体内に取り込まれて健康に悪影響を及ぼす。なお、家庭内における室内活動により飛び散る塵埃や二酸化炭素を排出するために換気をする場合、外部の大気中の粒子状物質が流れ込んで室内の空気の質を落として、子供や気管支患者などの健康にさらに悪影響を及ぼしてしまう虞がある。
【0003】
室内において生じる塵埃または外部から流れ込む粒子状物質などの有害物質を集塵して汚れた室内空気を浄化し、浄化された空気を排出する種々のタイプの空気清浄機が開発されて市販されている。
【0004】
空気清浄機は、大きく、乾式空気清浄機と湿式空気清浄機とに大別できる。乾式空気清浄機は、粒子状物質を物理的にろ過するためのフィルターまたは粒子状物質を電気式にて集塵するための集塵器を用いて、あるいは、これらを併用して粒子状物質を浄化して排出するように構成される。湿式空気清浄機は、吸い込まれた空気を水などの湿式浄化剤に接触させることにより、粒子状物質や有害ガスなどの汚染物質を沈殿または溶解させて浄化するように構成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
乾式空気清浄機の場合、フィルターまたは集塵器を周期的に取り替えたり洗浄したりする必要がある。フィルターまたは集塵器を周期的に取り替える場合、フィルターまたは集塵器の取り替えのためにさらなるコストがかかるため、使用者は、経済的な負担を抱えてしまう虞がある。なお、フィルターまたは集塵器を周期的に洗浄する場合、使用者は、フィルターまたは集塵器の洗浄及び乾燥に伴う煩雑さを感じてしまう。
【0006】
湿式空気清浄機の場合、湿式浄化剤から生じる水気が室内の湿度を高めてしまう結果、カビなどの細菌が繁殖することが懸念されるため、衛生上の問題が生じる虞がある。また、粒子状物質を含む空気と湿式浄化剤との接触面積が狭い場合には、湿式空気清浄機の空気浄化能が低くなることが懸念される。特に、湿式浄化剤が静的な状態で浄化するように構成される場合、湿式浄化剤を収容する容器が汚れ、その内部に水垢が付きやすい。
【0007】
この開示の実施形態は、従来の乾式空気清浄機及び湿式空気清浄機の少なくとも一部の不都合を改善または解決する。このために、複数の実施形態は、フィルターまたは集塵器を取り替えたり洗浄したりする必要がなく、比較的に室内の湿度を高めないつつも、空気と湿式浄化剤との接触面積が広い波状の渦巻き空気清浄機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この開示の一局面による実施形態は、波状の渦巻き空気清浄機に関する。例示的な実施形態に係る波状の渦巻き空気清浄機は、外部から空気を吸い込むように構成される空気吸込部と、空気吸込部を介して吸い込まれた吸い込み空気に含まれている汚染物質を捕集する液体が収容される液体貯留部と、液体貯留部の内に配置され、液体貯留部内における回転により液体が液体貯留部内において回転しながら、液体の表面の高さが変わる湧昇現象を引き起こすように構成される液体流動形成部と、液体流動形成部を回転させるように構成される回転駆動部と、汚染物質の取り除かれた浄化空気を外部に排出するように構成される空気排出部と、を備える。液体流動形成部は、液体貯留部の底壁に対して傾斜するように配置される上面を有し、回転駆動部により回転するように構成される回転体と、上面から突出し、上面の周方向に沿って互いに離れて配置される複数の突起と、を備える。回転体は、上面に対して傾斜し、底壁に対して平行な下面を有する。
【0009】
一実施形態において、複数の突起のそれぞれは、回転体が回転するにつれて液体と当接し、上面に対して傾斜するように配置される傾斜面を備えていてもよい。
【0010】
一実施形態において、波状の渦巻き空気清浄機は、液体流動形成部の回転速度を調節するように回転駆動部を制御する制御部をさらに備えていてもよい。
【0011】
一実施形態において、波状の渦巻き空気清浄機は、汚染物質を電気的に集塵する電気集塵部をさらに備えていてもよい。
【0012】
一実施形態において、電気集塵部は、空気吸込部と隣り合うように配置され、汚染物質を帯電させるイオナイザーと、イオナイザーにおいて帯電された汚染物質を静電作用により集塵するように構成される集塵セルと、を備え ていてもよい。
【0013】
一実施形態において、液体貯留部は、円筒状の内周面を備え、集塵セルは、液体が湧昇するにつれて液体に少なくとも部分的に浸漬されるように円筒状の内周面に沿って配置されてもよい。
【0014】
一実施形態において、集塵セルは、円筒状の内周面において、液体流動形成部の回転に伴う液体の表面の最大の高さと液体の表面の最低の高さとの間に配置されてもよい。
【0015】
一実施形態において、空気吸込部は、液体の回転方向とは反対の方向に吸い込み空気を渦流させるように構成されてもよい。
【0016】
一実施形態において、液体貯留部は、円筒状の内周面を備え、空気吸込部は、吸い込み空気が円筒状の内周面に向かって流れるように配置される導入口を備えていてもよい。
【0017】
一実施形態において、空気吸込部は、回転軸を有する駆動モーターと、回転軸に結合され、外部からの空気を吸い込むように構成される吸込ファンと、を備えていてもよい。
【0018】
一実施形態において、波状の渦巻き空気清浄機は、吸込ファンの回転速度を調節するように駆動モーターを制御する制御部をさらに備えていてもよい。
【0019】
一実施形態において、空気排出部は、液体貯留部の内側に延びる管状の分離壁を備えていてもよい。
【0020】
一実施形態において、波状の渦巻き空気清浄機は、液体貯留部に収容された液体の温度を降温させるように構成される冷却部をさらに備えていてもよい。
【0021】
また、別の例示的な実施形態に係る波状の渦巻き空気清浄機は、外部から空気を吸い込むように構成される空気吸込部と、空気吸込部を介して吸い込まれた吸い込み空気に含まれている汚染物質を捕集する液体が収容される液体貯留部と、液体貯留部の内に配置され、液体貯留部内において液体を回転させるように構成される液体流動形成部と、液体貯留部の外部に配置され、液体流動形成部から離れて液体流動形成部を回転させるように構成される回転駆動部と、汚染物質の取り除かれた浄化空気を外部に排出するように構成される空気排出部と、を備える。液体流動形成部は、液体貯留部の底壁に対して傾斜するように配置される上面を有し、回転駆動部により回転するように構成される回転体と、上面から突出し、上面の周方向に沿って互いに離れて配置される複数の突起と、を備える。回転体は、上面に対して傾斜し、前記底壁に対して平行な下面を有する。
【0022】
一実施形態において、回転駆動部は、回転軸を有する回転駆動モーターと、回転軸に結合されて回転するように構成される駆動板と、を備えていてもよい。
【0023】
一実施形態において、液体流動形成部は、液体流動形成部と駆動板との間の磁気的な引力により駆動板とともに回転するように構成されてもよい。
【0024】
一実施形態において、波状の渦巻き空気清浄機は、液体流動形成部と駆動板とのうちのどちらか一方に結合される磁性体と、液体流動形成部と駆動板とのうちの残りの他方に結合される金属部材と、をさらに備えていてもよい。
【0025】
一実施形態において、磁性体は、液体流動形成部の下面と駆動板の上面とのうちのどちらか一方に結合され、金属部材は、液体流動形成部の下面と駆動板の上面とのうちの残りの他方に結合されてもよい。
【0026】
一実施形態において、磁性体は、液体流動形成部の下面と駆動板の上面とのうちのどちらか一方に結合され、周方向に沿って互いに離れて配置される複数の磁性体を備え、金属部材は、液体流動形成部の下面と駆動板の上面とのうちの残りの他方に結合され、周方向に沿って互いに離れて配置される複数の金属部材を備えていてもよい。
【0027】
さらに、さらに別の例示的な実施形態に係る波状の渦巻き空気清浄機は、駆動モーターと外部から空気を吸い込む吸込ファンを備え、吸込ファンにより吸い込み空気を渦流させるように構成される空気吸込部と、空気吸込部を介して吸い込まれた吸い込み空気に含まれている汚染物質を捕集する液体が収容される液体貯留部と、液体貯留部の内に配置され、液体貯留部内において液体を吸い込み空気の渦流方向とは反対の方向に回転させるように構成される液体流動形成部と、液体流動形成部を回転させるように構成される回転駆動部と、汚染物質の取り除かれた浄化空気を外部に排出するように構成される空気排出部と、吸込ファンにより渦流される吸い込み空気の回転速度が液体の回転速度よりも速くなるように駆動モーターと回転駆動部を制御する制御部と、を備え、液体流動形成部は、液体貯留部の底壁に対して傾斜するように配置される上面を有し、回転駆動部により回転するように構成される回転体と、上面から突出し、上面の周方向に沿って互いに離れて配置される複数の突起と、を備え、回転体は、上面に対して傾斜し、底壁に対して平行な下面を有する。
【発明の効果】
【0028】
一実施形態に係る波状の渦巻き空気清浄機によれば、液体流動形成部が液体貯留部に貯留された液体を回転させながら、液体の表面の高さが変わる湧昇現象を引き起こすように構成されて、空気吸込部を介して流れ込んだ吸い込み空気に含まれている汚染物質が回転する液体により捕集される。したがって、フィルターまたは集塵器を取り替えたり洗浄したりする必要がないことから、使用者の使い勝手のよさが向上する。なお、比較的に室内の湿度を高めないつつも、吸い込み空気と液体との接触面積を広げることができる。したがって、汚染物質の捕集率が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】この開示の一実施形態に係る波状の渦巻き空気清浄機を示す斜視図である。
図2図1に示すII-II線に沿って切り取った断面図である。
図3図1に示す液体貯留部と液体流動形成部を示す斜視図である。
図4図3に示す液体流動形成部を示す斜視図である。
図5】別の実施形態に係る液体貯留部と液体流動形成部を示す部分断面図である。
図6】この開示の一実施形態に係る波状の渦巻き空気清浄機の構成を概略的に示すブロック図である。
図7】別の実施形態に係る液体貯留部と液体流動形成部を示す斜視図である。
図8図2に示す波状の渦巻き空気清浄機の断面図であって、概略的な電気集塵部が示された図である。
図9図8に示す液体貯留部と集塵セルを示す斜視図である。
図10図2に示すX-X線に沿って切り取った断面図である。
図11】この開示の別の実施形態に係る波状の渦巻き空気清浄機を示す断面図である。
図12図11に示すA部分の部分拡大図である。
図13】別の実施形態に係る液体流動形成部と駆動板を示す部分断面図である。
図14】この開示のさらに別の実施形態に係る波状の渦巻き空気清浄機を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
この開示の実施形態は、この開示の技術的な思想を説明するための目的で例示されたものである。この開示による権利範囲が、以下に提示される実施形態やこれらの実施形態についての具体的な説明に限定されることはない。
【0031】
この開示に用いられる全ての技術的用語及び科学的用語は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、この開示が属する技術分野において通常の知識を有する者にとって一般的に理解される意味を有する。この開示に用いられる全ての用語は、この開示をさらに明確に説明するための目的で選択されたものであり、この開示による権利範囲を制限するために選択されたものではない。
【0032】
この開示において用いられる「備える」、「有する」、「含む」および「包含する」などの言い回しは、当該言い回しが含まれる語句または文章において特に断りのない限り、他の実施形態を含む可能性を内包するオープンエンドターム(すなわち「~を含むが限定しない」という意味)として解釈されるべきである。
【0033】
この開示において記述された単数型の言い回しは、別に断りのない限り、複数型の意味を含んでもよく、これは、特許請求の範囲に記載の単数型の言い回しにも同様に適用される。
【0034】
この開示において用いられる「第1の」、「第2の」などの言い回しは、複数の構成要素を互いに区別するために用いられるものであり、当該構成要素の順序または重要度を限定するものではない。
【0035】
この開示において用いられる用語「部」とは、ソフトウェア、または現場でプログラム可能なゲートアレイ(FPGA:field-programmable gate array)、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)などといったハードウェア構成要素を意味する。しかし、「部」は、ハードウェア及びソフトウェアに何ら限定されるものではない。「部」は、アドレッシングできる記憶媒体にあるように構成されてもよく、一つまたはそれ以上のプロセッサーを再生するように構成されてもよい。したがって、一例として、「部」は、ソフトウェア構成要素、オブジェクト指向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素及びタスク構成要素などといった構成要素と、プロセッサー、関数、属性、プロシージャー、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバー、フォームウェア、マイクロコード、回路、データ、データーベース、データ構造、テーブル、アレイ及び変数を含む。構成要素と「部」内において提供される機能は、さらに小さな数の構成要素及び「部」として結合されてもよく、あるいは、追加的な構成要素及び「部」としてさらに分離されてもよい。
【0036】
この開示において、ある構成要素が他の構成要素と「連結」されているとか、「接続」されているとか、と言及された場合、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に連結されたり接続されたりすると理解されるべきであるか、または、新たな他の構成要素を介して連結されたり接続されたりすると理解されるべきである。
【0037】
この開示において用いられる「上方」、「上」などの方向指示語は、添付図面において上部コアが下部コアに対して位置する方向を基準とし、「下方」、「下」などの方向指示語は、その反対の方向を意味する。添付図面に示す上部コアは、添付図面とは異なるように配向されてもよく、前記方向指示語は、これらに合わせて解釈されてもよい。
【0038】
以下、添付図面に基づいて、この開示の実施形態について説明する。添付図面において、同一のまたは対応する構成要素には、同じ参照符号が付されている。なお、以下の実施形態の説明に当たって、同一のまたは対応する構成要素を重複して記述することが省略されてもよい。しかしながら、構成要素に関する記述が省略されても、そのような構成要素がある実施形態に含まれていないものと意図されることはない。
【0039】
図1は、この開示の一実施形態に係る波状の渦巻き空気清浄機を示す斜視図である。
【0040】
図1を参照すると、この開示の一実施形態に係る波状の渦巻き空気清浄機100は、空気吸込部110と、液体貯留部120と、液体流動形成部130と、回転駆動部140と、空気排出部150と、を備える。波状の渦巻き空気清浄機100は、波状の渦巻き空気清浄機100の外観をなすケースとしてのハウジングを備えていてもよい。
【0041】
ハウジングは、波状の渦巻き空気清浄機100の下部を構成する第1のハウジング101と、第1のハウジング101から上方に向かって離れ、波状の渦巻き空気清浄機100の上部を構成する第2のハウジング102と、第1のハウジング101と第2のハウジング102とをつなぐ第3のハウジング103と、を備える。第3のハウジング103は、円周方向に沿って互いに離れる一本以上の柱から構成されてもよい。第1乃至第3のハウジング101-103は一体形に構成されてもよく、第1乃至第3のハウジング101-103がそれぞれ別々に製造されて互いに組み合わせられるように構成されてもよい。
【0042】
図2は、図1に示すII-II線に沿って切り取った断面図である。
【0043】
図2に示すように、空気吸込部110は、第3のハウジング103に配置される。空気吸込部110は、外部から空気を吸い込むように構成される。例えば、空気吸込部110は、外部にある空気を強制的に吸い込んで液体貯留部120の内に流れ込ませるように構成される。波状の渦巻き空気清浄機100は、一つ以上の第3のハウジング103及び一つ以上の第3のハウジング103のそれぞれに配設される一つ以上の空気吸込部110を備えていてもよい。
【0044】
図3は、図1に示す液体貯留部と液体流動形成部を示す斜視図である。
【0045】
図3に示すように、液体貯留部120は、液体が収容可能な円筒状の容器から構成されてもよい。別の例を挙げると、液体貯留部120は、多角形の柱状を呈する様々な容器から構成されてもよい。液体貯留部120には、空気吸込部110を介して吸い込まれた吸い込み空気に含まれている汚染物質を捕集する液体が収容される。吸い込み空気に含まれる汚染物質としては、粒子状物質(PM10、PM2.5など)、ホルムアルデヒド、ラドン、炭化水素、窒素酸化物、硫酸化物、重金属、一酸化炭素などが挙げられる。液体貯留部120は、第1乃至第3のハウジング101-103により形成される空間内において、第1のハウジング101の上方に配置される。波状の渦巻き空気清浄機100が二つ以上の第3のハウジング103から構成される場合、二つ以上の第3のハウジング103は、液体貯留部120の周方向に互いに離れて配置されてもよい。液体貯留部120は、透明な材質から作製されてもよい。この場合、液体貯留部120の内に貯留された液体に汚染物質が捕集される度合い及び液体の入れ替え時期を目視で確認することができる。
【0046】
液体貯留部120に貯留される液体は、吸い込み空気に含まれている汚染物質を捕集するように、水、油、エーテルなどの蒸気圧の低い液体類を含んでいてもよい。一実施形態において、汚染物質の捕集能を向上させるために、液体には添加剤が加えられてもよい。例えば、添加剤は、界面活性剤、塩、砂糖、コーヒー、澱粉などのように混合比の増加により蒸気圧が下げられる物質からなることが好ましい。
【0047】
液体流動形成部130は、液体貯留部120の内に配置される。例えば、液体流動形成部130は、液体貯留部120の底壁121において回転するように構成される。液体流動形成部130は、液体貯留部120内における回転により液体が液体貯留部120内において回転しながら、液体の表面の高さが変わる湧昇(upwelling)現象を引き起こすように構成される。湧昇現象は、液体が回転するにつれて、エクマン輸送(ekman transport)により生じることになる。湧昇現象が起こると、液体の表面の高さが周方向に沿って変わる。すなわち、液体が液体貯留部120と当接する面は、波状またはサイン波の曲線状を呈することになる。このよう、湧昇現象を引き起こすことにより、液体の表面と吸い込み空気とが接触する面積が広くなる。その結果、汚染物質の捕集率が高くなる。また、液体が回転するにつれて、回転体131の中心部においては液体の水位が低く、回転体131の半径方向の外側においては液体の水位が高くなる渦巻きが形成される。すなわち、液体の水位は、V字状の縦断面を有していてもよい。したがって、吸い込み空気と液体との接触面積を広げることができる。液体の湧昇現象と渦巻きとが同時に起こるので、吸い込み空気と液体との接触面積をさらに広げることができる。その結果、波状の渦巻き空気清浄機100の空気浄化効率がさらに高くなる。液体流動形成部130により回転する液体が液体貯留部120の内部を洗浄する効果を有するので、液体貯留部120の内部汚れが格段に減り、液体貯留部120の内部には水垢がほとんど付かない。したがって、使用者が波状の渦巻き空気清浄機100を非常に管理し易くなる。
【0048】
回転駆動部140は、液体流動形成部130を回転させるように構成される。回転駆動部140は、第1のハウジング101の内に配設されてもよい。例えば、回転駆動部140は、回転軸141を有する回転駆動モーター142から構成されてもよい。回転軸141は、液体貯留部120の底壁121を貫通して液体流動形成部130に直接的に嵌入されるように構成されてもよい。この場合、電動モーターの回転軸と液体貯留部120の底壁121との間には、液体の漏れを防ぐためのシール部材(例えば、Oリング)が介在されてもよい。
【0049】
空気排出部150は、汚染物質の取り除かれた浄化空気を外部に排出するように構成される。空気排出部150は、第2のハウジング102に配置されてもよい。空気吸込部110を介して吸い込まれる汚染物質が含まれている吸い込み空気が空気排出部150を介して排出される浄化空気と互いに混合されないように、空気吸込部110と空気排出部150は、互いに異なる方向を向くように配設されてもよい。例えば、空気吸込部110は、第3のハウジング103において側方から吸い込み空気を吸い込むように構成され、空気排出部150は、第2のハウジング102において上方に向かって浄化空気を排出するように構成されてもよい。
【0050】
図4は、図3に示す液体流動形成部を示す斜視図である。
【0051】
図4に示すように、一実施形態において、液体流動形成部130は、回転体131及び複数の突起132を備えていてもよい。回転体131は、液体貯留部120の底壁121に対して傾斜するように配置される上面131aを有し、回転駆動部140により回転するように構成される。回転体131は、傾斜した上面131aを有することにより、湧昇現象を引き起こす役割を果たす。複数の突起132は、上面131aから突出し、上面131aの周方向に沿って互いに離れて配置される。複数の突起132は、上面131aの周方向に沿って互いに等間隔に並べられる。複数の突起132は、液体貯留部120に貯留された液体に渦巻きを形成する役割を果たす。
【0052】
一実施形態において、回転体131は、上面131aに平行な下面131bを有していてもよい。例えば、回転体131は、互いに平行に配置される上面131aと下面131bを有する円板状を呈する。この場合、円板状を呈する回転体131が液体貯留部120の底壁121に対して傾斜するように配設されて回転するように構成されてもよい。
【0053】
一実施形態において、複数の突起132のそれぞれは、回転体131が回転するにつれて液体と当接し、上面131aに対して傾斜するように配置される傾斜面132aを備えていてもよい。回転体131が回転するにつれて、液体は相対的に突起132に乗って越えることになる。突起132が傾斜面132aを備えることにより、液体が突起132とぶつかることなく、スムーズに乗り越えることができる。したがって、突起132と液体との間の衝突による騒音を抑止もしくは防止することができ、回転駆動部140に伝わる負荷を減らすことができる。
【0054】
図5は、別の実施形態に係る液体流動形成部を示す部分断面図である。
【0055】
図5に示すように、一実施形態において、回転体331は、上面131aに対して傾斜し、底壁121に対して平行な下面331bを有していてもよい。例えば、回転体331は、円柱を傾斜するように切断した形状を呈していてもよい。この場合、回転体131の上面131aは、底壁121に対して傾斜した状態で回転し、回転体131の下面131bは、底壁121に対して平行な状態で回転してもよい。
【0056】
図6は、この開示の一実施形態に係る波状の渦巻き空気清浄機の構成を概略的に示すブロック図である。
【0057】
図6に示すように、一実施形態において、波状の渦巻き空気清浄機100は、液体流動形成部130の回転速度を調節するように回転駆動部140を制御する制御部160をさらに備えていてもよい。制御部160は、回転駆動部140とは無線または有線にて接続されてもよい。制御部160は、回転駆動部140を駆動するための電源161及び空気回転駆動部140の操作のための操作部162に電気的に接続される。液体流動形成部130の回転速度が調節されれば、液体貯留部120内において回転する液体の表面の高低差が調節されることが可能になる。したがって、液体と吸い込み空気との接触面積が調節されるので、液体が吸い込み空気に含まれている汚染物質を捕集する速度及び量が調節されることが可能になる。例えば、吸い込み空気に含まれている汚染物質の量が多い場合、制御部160が回転駆動部140を制御することにより、液体の回転速度を高めて、汚染物質の捕集速度及び量を一時的に高めることができる。逆に、吸い込み空気に含まれている汚染物質の量が少ない場合、制御部160が回転駆動部140を制御することにより、液体の回転速度を低めて、汚染物質の捕集速度及び量を一時的に低めることができる。
【0058】
図7は、別の実施形態に係る液体貯留部と液体流動形成部を示す斜視図である。
【0059】
一実施形態において、液体流動形成部430は、回転体131及び複数の突起132を備えていてもよい。回転体131は、液体貯留部120の底壁121に対して平行な上面131a及び下面131bを有し、回転駆動部140により回転するように構成される。複数の突起132は、上面131aから突出し、上面の周方向に沿って互いに離れて配置されてもよい。回転体131の回転中心C1は、液体貯留部120の底壁121の中央C2から偏心するように配置される。この場合、回転体131の上面131aと下面131bとのうちの少なくともどちらか一方を底壁121に対して傾斜するように配置する必要がなく、回転体131の回転中心が偏心するようにすることで、液体に湧昇現象を引き起こすことができる。回転体131が底壁121に対して平行に配置されれば、回転体131の構成が単純になり、回転体131を液体貯留部120の底壁121に配設し易くなる。
【0060】
図8は、図2に示す波状の渦巻き空気清浄機の断面図であって、概略的な電気集塵部が示された図である。
【0061】
一実施形態において、波状の渦巻き空気清浄機100は、汚染物質を電気的に集塵する電気集塵部170をさらに備えていてもよい。電気集塵部170は、吸い込み空気の内に含まれている浮遊微粒子を電気的に荷電させて、静電気力を用いて空気から浮遊微粒子を分離するように構成される。例えば、電気集塵部170は、コロナ放電により帯電された粉塵粒子を集塵して捕集するように構成されてもよい。
【0062】
一実施形態において、電気集塵部170は、イオナイザー171(ionizer)及び集塵セル172(collector cell)を備えていてもよい。イオナイザー171は、空気吸込部110と隣り合うように配置され、汚染物質を帯電させるように構成される。すなわち、イオナイザー171は、空気吸込部110を介して吸い込まれる吸い込み空気が通過しながらコロナ放電を引き起こして汚染物質を帯電させる。集塵セル172は、イオナイザー171において帯電された汚染物質を静電作用により集塵するように構成される。集塵セル172に集塵された汚染物質は、水などの液体により洗浄可能である。
【0063】
一実施形態において、液体貯留部120は、円筒状の内周面122を備え、集塵セル172は、液体が湧昇するにつれて、液体に少なくとも部分的に浸漬されるように円筒状の内周面122に沿って配置されてもよい。集塵セル172が液体貯留部120内の液体に浸漬された状態で、集塵セル172に集塵された汚染物質は、液体貯留部120内の液体により洗浄されるように構成される。集塵セル172が液体貯留部120内の液体から離れた状態である場合、集塵セル172は、乾燥されて帯電された汚染物質を集塵するように構成される。集塵セル172が固定的に配置され、液体が湧昇するにつれて、浸漬された状態と離れた状態とを交互に繰り返すことになる。したがって、集塵セル172は、洗浄作用と集塵作用とを交互に繰り返し行うので、集塵セル172を取り外して別途に洗浄する必要がない。
【0064】
図9は、図8に示す液体貯留部と集塵セルを示す斜視図である。
【0065】
図9に示すように、一実施形態において、集塵セル172は、円筒状の内周面122において、液体流動形成部130の回転に伴う液体の表面の最大の高さhmaxと液体の表面の最低の高さhminとの間に配置されてもよい。集塵セル172が、このように、液体の表面の最大の高さhmaxと最低の高さhminとの間に配置されるため、集塵セル172が浸漬される度合いと離れる度合いとの差が大きくなる。したがって、液体の湧昇現象により、集塵セル172を洗浄する効率と集塵セル172が集塵する効率とが極大化されることが可能になる。
【0066】
一実施形態において、空気吸込部110は、液体の回転方向とは反対の方向に吸い込み空気を渦流させるように構成されてもよい。吸い込み空気が液体の回転方向とは反対の方向に渦流されることにより、吸い込み空気と液体とがぶつかり合う相対的な衝撃量が大きくなる。したがって、吸い込み空気に含まれている汚染物質が液体に捕集される効率を高めることができる。この実施形態において、吸い込み空気の回転速度が液体の回転速度よりも大きくなるように制御することにより、液体の湧昇現象を引き起こすこともできる。
【0067】
図10は、図2に示すX-X線に沿って切り取った断面図である。
【0068】
図10に示すように、一実施形態において、液体貯留部120は、円筒状の内周面122を備え、空気吸込部110は、吸い込み空気が円筒状の内周面122に向かって流れるように配置される導入口111を備えていてもよい。したがって、導入口111を介して吸い込まれた吸い込み空気は、円筒状の内周面122に向かい、円筒状の内周面122と当接して螺旋状に流れて渦流を形成することができる。例えば、導入口111は、複数構成されて強い渦流を形成することもできる。
【0069】
一実施形態において、空気吸込部110は、駆動モーター112及び吸込ファン113を備えていてもよい。駆動モーター112は、回転軸を有し、吸込ファン113は、回転軸に結合される。吸込ファン113は、外部から空気を吸い込むように構成される。すなわち、吸込ファン113は、液体貯留部120の内に吸い込み空気を流れ込ませるように構成される。例えば、駆動モーター112及び吸込ファン113は、導入口111の内に配設されてもよい。このように、空気吸込部110が駆動モーター112と吸込ファン113を備えて吸い込み空気を液体貯留部120の内に強制的に吸い込むので、液体貯留部120の内に吸い込まれる吸い込み空気の量を増やすことができる。その結果、波状の渦巻き空気清浄機100の浄化効率を高めることができる。
【0070】
一実施形態において、波状の渦巻き空気清浄機100は、吸込ファン113の回転速度を調節するように駆動モーター112を制御する制御部160をさらに備えていてもよい。吸込ファン113の回転速度を調節することにより、液体貯留部120の内に吸い込まれる吸い込み空気の流速を調節することができる。したがって、吸い込み空気の流速を調節することにより、液体の湧昇現象の度合いを調節することができ、吸い込み空気に含まれている汚染物質の捕集速度を調節することができる。例えば、吸い込み空気に含まれている汚染物質の量が多い場合、制御部160が駆動モーター112を制御することにより、吸い込み空気の流速を高めて、汚染物質の捕集速度を一時的に高めることができる。逆に、吸い込み空気に含まれている汚染物質の量が少ない場合、制御部160が駆動モーター112を制御することにより、吸い込み空気の流速を低めて、汚染物質の捕集速度を一時的に低めることができる。一例を挙げると、駆動モーター112を制御する制御部160は、回転駆動部140を制御する制御部160に組み込まれて単一の制御部として構成されてもよい。
【0071】
一実施形態において、空気排出部150は、液体貯留部120の内側に延びる管状の分離壁151を備えていてもよい。例えば、管状の分離壁151は、円形状、多角形状などの種々の横断面の形状を呈する管状の部材から作製されてもよい。管状の分離壁151は、空気吸込部110を介して吸い込まれる吸い込み空気が液体貯留部120内の液体により汚染物質の取り除かれた浄化空気と互いに混合されないように物理的に分離する役割を果たす。したがって、汚染物質を含む吸い込み空気が液体貯留部120内の液体と接触せずに空気排出部150を介して外部に排出されてしまうことを防ぐことができる。
【0072】
一実施形態において、波状の渦巻き空気清浄機100は、液体貯留部120に収容された液体の温度を降温させるように構成される冷却部180をさらに備えていてもよい。一例を挙げると、図2に示すように、冷却部180は、液体貯留部120の外部(例えば、第1のハウジング101)に配設されてもよい。別の例を挙げると、冷却部180は、液体貯留部120の内部(例えば、底壁121)に配設されてもよい。冷却部180は、液体貯留部120内の液体の蒸気圧を低めて吸い込み空気から液体の表面へと向かう汚染物質の反発力を減らすことができる。したがって、吸い込み空気に含まれている汚染物質の捕集率を高めることができる。
【0073】
図11は、この開示の別の実施形態に係る波状の渦巻き空気清浄機を示す断面図である。
【0074】
図11を参照すると、この開示の別の実施形態に係る波状の渦巻き空気清浄機200は、空気吸込部110と、液体貯留部220と、液体流動形成部230と、回転駆動部240と、空気排出部150と、を備える。この実施形態に係る波状の渦巻き空気清浄機200の空気吸込部110及び空気排出部150は、図1から図10に示す実施形態に係る波状の渦巻き空気清浄機100の空気吸込部110及び空気排出部150と同一もしくは類似の構成を有するため、これらの構成要素についての詳しい説明は省略し、同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付する。また、この実施形態に係る波状の渦巻き空気清浄機200の液体貯留部220と、液体流動形成部230、及び回転駆動部240が図1から図10に示す実施形態に係る波状の渦巻き空気清浄機100の液体貯留部120と、液体流動形成部130、及び回転駆動部140と同一もしくは類似の機能を有する場合、それについての詳しい説明は省略する。図1から図10に示す実施形態に係る波状の渦巻き空気清浄機100の各構成要素に関わる様々な実施形態は、この実施形態に係る波状の渦巻き空気清浄機200の各構成要素にも同一もしくは類似に適用可能である。以下では、液体貯留部220と、液体流動形成部230、及び回転駆動部240に重点をおいて説明する。
【0075】
液体貯留部220は、底壁221が閉塞された容器から構成されてもよい。したがって、液体貯留部220は、底壁221が閉塞された容器から構成されることができる。液体貯留部220は、底壁221から突出して形成される支持軸222を備える。液体流動形成部230は、液体貯留部220の支持軸222を中心として回転するように構成されてもよい。したがって、液体貯留部220の底壁221を貫通する回転軸を配設する必要がないので、液体が液体貯留部220の外部に漏れることを完璧に防ぐことができる。なお、液体貯留部220の底壁221と回転軸との間にシール部材を介設する必要がないので、回転駆動部240により生成された回転駆動力が底壁221と回転軸との間の摩擦により弱まることを防いだり極力抑えたりすることができる。
【0076】
液体流動形成部230は、液体貯留部220内において液体を回転させるように構成されてもよく、液体を回転させながら湧昇現象を引き起こすように構成されてもよい。液体流動形成部230は、液体を回転させ、湧昇現象を引き起こすために、図1から図10に示す実施形態に従って種々に構成されてもよい。
【0077】
回転駆動部240は、液体貯留部220の外部に配置され、液体流動形成部230から離れて液体流動形成部230を回転させるように構成される。すなわち、回転駆動部240は、非接触式により液体流動形成部230に回転駆動力を伝えるように構成される。回転駆動部240は、第1のハウジング101に配置されてもよい。
【0078】
一実施形態において、回転駆動部240は、回転軸を有する回転駆動モーター241及び回転軸に結合されて回転するように構成される駆動板242を備えていてもよい。駆動板242は、液体流動形成部230との相互作用により回転駆動モーター241から生成された回転駆動力を液体流動形成部230に伝えるように構成される。例えば、液体流動形成部230は、液体流動形成部230と駆動板242との間の磁気的な引力により駆動板242とともに回転するように構成されてもよい。このように、液体流動形成部230と駆動板242が非接触式により回転駆動力を伝えるように構成されるので、液体貯留部220のシール性能を極大化させ、回転駆動力の摩擦損失を極力抑えることができる。
【0079】
一実施形態において、波状の渦巻き空気清浄機200は、液体流動形成部230と駆動板242とのうちのどちらか一方に結合される磁性体260及び液体流動形成部230と駆動板242とのうちの残りの他方に結合される金属部材270をさらに備えていてもよい。別の例を挙げると、液体流動形成部230と駆動板242の両方ともに磁性体を配設し、液体流動形成部230に配設された磁性体と駆動板242に配設された磁性体とが互いに磁気的な引力作用をするように配置されてもよい。
【0080】
一実施形態において、磁性体260は、液体流動形成部230の下面231と駆動板242の上面242aとのうちのどちらか一方に結合され、金属部材270は、液体流動形成部230の下面231と駆動板242の上面242aとのうちの残りの他方に結合されてもよい。磁性体260または金属部材270が液体流動形成部230の下面231と駆動板242の上面242aに配置されるので、液体流動形成部230及び駆動板242には、相互に対して有効な磁気的な引力が働くことができる。したがって、回転駆動部240により生成された回転駆動力の損失を極力抑えることができる。
【0081】
図12は、図11に示すA部分の部分拡大図である。
【0082】
一実施形態において、磁性体260は、液体流動形成部230の下面231と駆動板242の上面242aとのうちのどちらか一方に結合され、周方向に沿って互いに離れて配置される複数の磁性体260を備え、金属部材270は、液体流動形成部230の下面231と駆動板242の上面242aとのうちの残りの他方に結合され、周方向に沿って互いに離れて配置される複数の金属部材270を備えていてもよい。図12には、磁性体260が液体流動形成部230に結合され、金属部材270が駆動板242に結合されている。このように、複数の磁性体260及び複数の金属部材270を配設することにより、液体流動形成部230と駆動板242との間に働く磁気的な引力を強めることができる。したがって、回転駆動部240により生成された回転駆動力の損失をさらに極力抑えることができる。
【0083】
図13は、別の実施形態に係る液体流動形成部と駆動板を示す部分断面図である。
【0084】
一実施形態において、磁性体260は、液体流動形成部530の下面531と駆動板542の上面542aとのうちのどちらか一方の中央に結合され、金属部材270は、液体流動形成部530の下面531と駆動板542の上面542aとのうちの残りの他方の中央に結合されてもよい。図13には、磁性体260が液体流動形成部530に結合され、金属部材270が駆動板542に結合されている。このように、一つの磁性体260及び一つの金属部材270を中央に配設することにより、磁性体260及び金属部材270を液体流動形成部530及び駆動板542に手軽に配設することができる。
【0085】
図14は、この開示のさらに別の実施形態に係る波状の渦巻き空気清浄機を示す断面図である。
【0086】
図14に示すように、この開示のさらに別の実施形態に係る波状の渦巻き空気清浄機300は、空気吸込部110と、液体貯留部220と、液体流動形成部230と、回転駆動部240と、空気排出部150と、制御部160と、を備える。この実施形態に係る波状の渦巻き空気清浄機300の各構成要素は、図1から図13に示す実施形態に係る波状の渦巻き空気清浄機100、200の各構成要素と同一もしくは類似であるため、これらの構成要素についての詳しい説明は省略し、同一の構成要素に対しては、同一の参照番号を付する。
【0087】
空気吸込部110は、駆動モーター112と、外部から空気を吸い込む吸込ファン113と、を備え、吸込ファン113により吸い込み空気を渦流させるように構成される。すなわち、空気吸込部110は、吸込ファン113を介して吸い込み空気を強制的に液体貯留部220の内に流れ込ませる。
【0088】
液体流動形成部230は、液体貯留部220内において液体を吸い込み空気の渦流方向とは反対の方向に回転させるように構成される。別の例を挙げると、液体流動形成部230は、液体を回転させるように構成されてもよく、液体を回転させながら湧昇現象を引き起こすように構成されてもよい。液体流動形成部230は、液体を回転させ、湧昇現象を引き起こすために、図1から図10に示す実施形態に従って種々に構成されてもよい。
【0089】
制御部160は、吸込ファン113により渦流される吸い込み空気の回転速度が液体の回転速度よりも速くなるように駆動モーターと回転駆動部を制御する。このために、制御部160は、駆動モーター112及び回転駆動部240に電気的に接続される。渦流される吸い込み空気の回転速度が液体の回転速度よりも速くなる場合、液体の表面には、湧昇現象が起こることができる。
【0090】
以上、一部の実施形態と添付図面に示す例によりこの開示の技術的な思想が説明されたが、この開示が属する技術分野において通常の知識を有する者が理解できるこの開示の技術的な思想及び範囲を逸脱しない範囲内において、種々の置換、変形及び変形が行われ得るということに留意すべきである。なお、このような置換、変形及び変更は、添付の特許請求の範囲内に属するものと理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14