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特許7393849マルチユーザ通信ネットワーク上でリソースグラントをランダム化することによるネットワーク伝送電力プロファイルの改善
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】マルチユーザ通信ネットワーク上でリソースグラントをランダム化することによるネットワーク伝送電力プロファイルの改善
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/0446 20230101AFI20231130BHJP
   H04J 3/08 20060101ALI20231130BHJP
   H04L 47/125 20220101ALI20231130BHJP
   H04W 72/20 20230101ALI20231130BHJP
【FI】
H04W72/0446
H04J3/08 A
H04L47/125
H04W72/20
【請求項の数】 50
(21)【出願番号】P 2022561017
(86)(22)【出願日】2021-04-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(86)【国際出願番号】 US2021026051
(87)【国際公開番号】W WO2021207275
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-12-06
(31)【優先権主張番号】63/005,995
(32)【優先日】2020-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513180451
【氏名又は名称】ヴィアサット,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ViaSat,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャクラボルティ、カウシク
(72)【発明者】
【氏名】ポッタ、スリカール
(72)【発明者】
【氏名】ダス、アニルッダ
(72)【発明者】
【氏名】ペトラノヴィッチ、ジェイムズ
【審査官】倉本 敦史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/030801(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/022468(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
H04L 47/125
H04J 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワーク上でリソースグラントを割り当てるための方法であって、リソースグラントは、対応するフレーム内のスロットの時間的位置に基づいて順序付けられた複数のスロットを有するフレームを使用して割り当てられる、方法において、
リソースグラントをフレーム内のスロットに割り当てるための順序をランダム化するためのランダム化マップを生成する工程と、
現在のフレームの複数のアクティブスロットを決定する工程であって、前記複数のアクティブスロットは、リソースグラントを割り当てるために使用される前記現在のフレーム内に前記複数のスロットのサブセットを含む、工程と、
前記ランダム化マップに従って前記複数のアクティブスロットの割り当て順序を生成する工程であって、前記割り当て順序は、前記現在のフレームにおける前記複数のアクティブスロットの時間順序とは異なる、工程と、
個々のアクティブスロット内でリソースグラントを割り当てるために、リソースグラントの割り当てを、前記割り当て順序で前記複数のアクティブスロットをして進行する工程と、
を含む方法。
【請求項2】
前記ランダム化マップを生成する工程は、ランダムスロットオフセットを生成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記割り当て順序は、前記ランダムスロットオフセットに対応するアクティブスロットで始まり、前記ランダムスロットオフセットに対応する前記アクティブスロットの後に、前記複数のアクティブスロットの前記時間順序で前記複数のアクティブスロットを通して進行する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
リソースグラントの割り当てを前記複数のアクティブスロットを通して進行する工程は、前記現在のフレーム内の前記複数のアクティブスロットの前記時間順序で第1のアクティブスロットに戻り、前記ランダムスロットオフセットに対応する前記アクティブスロットの前のスロットに到達するまで前記複数のアクティブスロットを通して前記時間順序で進むことを更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記フレーム内の前記複数のアクティブスロットの各々は、前記複数のアクティブスロットの時間的順序に対応するインデックスを含み、前記ランダム化マップは、前記複数のアクティブスロットの前記インデックスのランダムな順序を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記割り当て順序は、前記複数のアクティブスロットの前記インデックスの前記ランダムな順序を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
リソースグラントは、前記通信ネットワークにおける帯域幅要求に少なくとも部分的に基づいて割り当てられる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
リソースグラントは、前記通信ネットワークにおけるサービス品質要件に少なくとも部分的に基づいて割り当てられる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
フレーム内の個々のスロットは、1つ以上のユーザ端末への1つ以上のリソースブロック割り当てを含み、個々のリソースブロック割り当ては、個々のスロット内の時間及び周波数の割り当てを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
単一のユーザ端末が複数の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
リソースグラントを割り当てることは、戻りリンク帯域幅を割り当てることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ランダム化マップは、複数のフレームにわたって変化しないままである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
通信ネットワーク(100、300)内のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)であって、前記スケジューラは、
前記通信ネットワーク(100、300)を介して複数のユーザ端末(110a、110b、410a~410d)と通信するように構成されたネットワークインターフェース(1175)と、
リソースグラントを割り当てるためのコンピュータ実行可能命令を記憶するように構成されたデータストア(1171)であって、リソースグラントは、対応するフレーム内のスロットの時間的位置に基づいて順序付けられた複数のスロット(220)を有するフレーム(200)を使用して割り当てられる、データストアと、
前記コンピュータ実行可能命令を実行するように構成されたプロセッサ(1173)であって、
リソースグラントをフレーム(200)内のスロット(220)に割り当てるための順序をランダム化するためのランダム化マップを生成する工程、
現在のフレームの複数のアクティブスロット(520)を決定する工程、ただし前記複数のアクティブスロット(520)は、リソースグラントを割り当てるために使用される前記現在のフレーム内に前記複数のスロット(220)のサブセットを含み、
前記ランダム化マップに従って前記複数のアクティブスロット(520)の割り当て順序を生成する工程、ただし前記割り当て順序は、前記現在のフレームにおける前記複数のアクティブスロット(520)の時間順序とは異なり、及び
個々のアクティブスロット内でリソースグラントを割り当てるために、リソースグラントの割り当てを、前記割り当て順序で前記複数のアクティブスロット(520)を通して進行する工程、を実行するように構成されたプロセッサ(1173)と、
を備える、スケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。
【請求項14】
前記ランダム化マップを生成する工程は、ランダムスロットオフセットを生成することを含む、請求項13に記載のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。
【請求項15】
前記割り当て順序は、前記ランダムスロットオフセットに対応するアクティブスロットで始まり、前記ランダムスロットオフセットに対応する前記アクティブスロットの後に、前記複数のアクティブスロット(520)の前記時間順序で前記複数のアクティブスロット(520)を通して進行する、請求項14に記載のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。
【請求項16】
リソースグラントの割り当てを前記複数のアクティブスロット(520)を通して進行する工程は、前記現在のフレーム内の前記複数のアクティブスロット(520)の前記時間順序で第1のアクティブスロットに戻り、前記ランダムスロットオフセットに対応する前記アクティブスロットの前のスロットに到達するまで前記複数のアクティブスロット(520)を通って前記時間順序で進行することを更に含む、請求項15に記載のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。
【請求項17】
前記フレーム(200)内の前記複数のアクティブスロット(520)の各々は、前記複数のアクティブスロット(520)の時間的順序に対応するインデックスを含み、前記ランダム化マップは、前記複数のアクティブスロット(520)の前記インデックスのランダムな順序を含む、請求項13に記載のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。
【請求項18】
前記割り当て順序は、前記複数のアクティブスロット(520)の前記インデックスの前記ランダムな順序を含む、請求項17に記載のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。
【請求項19】
リソースグラントは、前記通信ネットワーク(100、300)における帯域幅要求に少なくとも部分的に基づいて割り当てられる、請求項13に記載のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。
【請求項20】
リソースグラントは、前記通信ネットワーク(100、300)におけるサービス品質要件に少なくとも部分的に基づいて割り当てられる、請求項13に記載のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。
【請求項21】
フレーム(200)内の個々のスロット(220)は、1つ以上のユーザ端末(110a、110b、410a~410d)への1つ以上のリソースブロック割り当てを含み、個々のリソースブロック割り当ては、個々のスロット(220)内の時間及び周波数の割り当てを含む、請求項13に記載のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。
【請求項22】
単一のユーザ端末が複数の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される、請求項21に記載のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。
【請求項23】
リソースグラントを割り当てることは、戻りリンク帯域幅を割り当てることを含む、請求項13に記載のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。
【請求項24】
前記ランダム化マップは、複数のフレームにわたって変化しないままである、請求項23に記載のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。
【請求項25】
請求項1に記載の方法であって、
前記リソースグラントは、1つ以上のユーザ端末に割り当てるために、個々のアクティブスロット内で割り当てられており、
各リソースグラントの前記スロット内の時間位置を前記1つ以上のユーザ端末に調整することによって、割り当てられたリソースグラントを時間的に分配する工程、
を含む方法。
【請求項26】
個々のスロットは、前記1つ以上のユーザ端末への帯域幅割り当てを含み、個々の帯域幅割り当ては、前記対応するスロット内の時間及び周波数の割り当てを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
単一のユーザ端末が複数の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
複数のユーザ端末が同一の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
リソースグラントは複数の戻りチャネルグループにグループ化され、個々の戻りチャネルグループは、ユーザ端末の集合に割り当てられた周波数チャネルのセットを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
割り当てられたリソースグラントを時間的に分配することは、ランダムに選択されたスロットの戻りチャネルグループ内のリソースグラントの時間順序を反転させることを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記時間順序を反転させることは、各リソースグラントの持続時間を維持しながら、前記戻りチャネルグループ内の各リソースグラントの開始時間を再計算することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記ランダムに選択されたスロットは、前記複数の戻りチャネルグループの約半分のスロットを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
割り当てられたリソースグラントを時間的に分配することは、スロット内の各リソースグラントの開始時間をランダムな時間オフセットだけシフトすることを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項34】
前記開始時間の前記シフトに起因してスロットの終端を超えて延びるリソースグラントは、前記リソースグラントの一部がスロットの開始に提供されるように分割される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
分割されたリソースグラントは、前記開始時間をシフトする前の前記対応するリソースグラントに比較してリソース割り当てが減少される、請求項24に記載の方法。
【請求項36】
リソースグラントがスロットの終端を超えて延びないように、前記シフトされた開始時間に起因してスロットの終端を超えて延びるリソースグラントの持続時間を切り捨てることを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項37】
スロット内のリソースグラントのいずれもが前記スロットの終端を超えて延びないように、前記ランダムな時間オフセットは制限される、請求項23に記載の方法。
【請求項38】
請求項13に記載のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)であって、前記プロセッサは、
個々のアクティブスロット内のリソースグラントを1つ以上のユーザ端末(110a、110b、410a~410d)に割り当てるために、リソースグラントの割り当てを、前記複数のアクティブスロット(520)を通して進行するように構成されており、さらに
前記プロセッサは、各リソースグラントの前記スロット(220)内の時間位置を前記1つ以上のユーザ端末(110a、110b、410a~410d)に調整することによって、割り当てられたリソースグラントを時間的に分配する工程、を実行するように構成されている、
スケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。
【請求項39】
個々のスロットは、前記1つ以上のユーザ端末(110a、110b、410a~410d)への帯域幅割り当てを含み、個々の帯域幅割り当ては、前記対応するスロット内の時間及び周波数の割り当てを含む、請求項38に記載のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。
【請求項40】
単一のユーザ端末が複数の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される、請求項39に記載のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。
【請求項41】
複数のユーザ端末(110a、110b、410a~410d)が同一の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される、請求項39に記載のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。
【請求項42】
リソースグラントは複数の戻りチャネルグループにグループ化され、個々の戻りチャネルグループは、ユーザ端末(110a、110b、410a~410d)の集合に割り当てられた周波数チャネルのセットを含む、請求項38に記載のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。
【請求項43】
割り当てられたリソースグラントを時間的に分配することは、ランダムに選択されたスロットの戻りチャネルグループ内のリソースグラントの時間順序を反転させることを含む、請求項42に記載のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。
【請求項44】
前記時間順序を反転させることは、各リソースグラントの持続時間を維持しながら、前記戻りチャネルグループ内の各リソースグラントの開始時間を再計算することを含む、請求項43に記載のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。
【請求項45】
前記ランダムに選択されたスロットは、前記複数の戻りチャネルグループの約半分のスロットを含む、請求項43に記載のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。
【請求項46】
割り当てられたリソースグラントを時間的に分配することは、スロット内の各リソースグラントの開始時間をランダムな時間オフセットだけシフトすることを含む、請求項38に記載のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。
【請求項47】
前記開始時間の前記シフトに起因してスロットの終端を超えて拡張するリソースグラントは、前記リソースグラントの一部がスロットの開始に提供されるように分割される、請求項46に記載のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。
【請求項48】
分割されたリソースグラントは、前記開始時間をシフトする前の前記対応するリソースグラントに比較してリソース割り当てが減少される、請求項47に記載のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。
【請求項49】
前記リソースグラントがスロットの終端を超えて延びないように、前記プロセッサ(1173)は、前記シフトされた開始時間に起因して前記スロットの前記終端を超えて延びるリソースグラントの持続時間を切り捨てるように更に構成されている、請求項46に記載のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。
【請求項50】
スロット内のリソースグラントのいずれもが前記スロットの終端を超えて延びないように、前記ランダムな時間オフセットは制限される、請求項46に記載のスケジューラ(170、370a~370d、470a、470b、1170)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、全ての目的のためにその全体が参照により明示的に本明細書に組み込まれる、2020年4月6日に出願された、「SATELLITE COMMUNICATION SYSTEM RETURN LINK SCHEDULER RANDOMIZATION」と題する米国仮特許出願第63/005,995号に対する優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、通信システム内でユーザ端末にリソースグラントを割り当てることに関する。
【背景技術】
【0003】
ネットワーク通信は、コンテンツサーバ及びユーザ端末などのノード間でデータを送受信することを含む。ネットワークを介してデータを送信するために、スケジューラを使用して、ネットワークリソースをデバイスに割り当て、デバイスの送信のスケジュールを作成することができる。次に、スケジュールに基づいて、個々のデバイスは、割り当てられたリソースを使用してデータを送信することができる。ネットワーク通信は、周波数ホッピングされた時系列伝送方式である時分割多重接続(TDMA)、又は大規模なユーザコミュニティが帯域幅を共有することを可能にする多周波数TDMA(MF-TDMA)を使用することができる。通信ネットワーク上にリソースグラントを割り当てる例には、キャリアを選択するための方法及び装置を開示するLG Electronics Inc.の国際公開第2019/022468号パンフレット、衛星ロングタームエボリューション(LTE)通信システムにおける電力利用認識スペクトルリソース割り当てを開示している、Gokhaleらによる米国特許第10,153,831号、及び、広帯域衛星通信システムにおける帯域幅割り当てのための衛星端末における動的キュー深度管理を開示している、Walshらによる米国特許出願公開第2003/0032427号が含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
衛星通信ネットワーク上で複数のビームに対してリソースグラントを割り当てるための方法に関する。本方法は、リソースグラントをフレーム内のスロットに割り当てるための順序をランダム化するために、複数のビームの各々についてランダム化マップを生成する工程であって、個々のフレームは、1つ以上のユーザ端末にリソースグラントを割り当てるための複数のスロットを含む、工程を含む。本方法は、複数のビームの各ビームについて、ビームの現在のフレームの複数のアクティブスロットを決定する工程であって、複数のアクティブスロットは、リソースグラントを割り当てるために使用される現在のフレーム内に複数のスロットのサブセットを含む、工程と、ビームのランダム化マップに従って複数のアクティブスロットの割り当て順序を生成する工程であって、割り当て順序は、ビームの現在のフレームにおける複数のアクティブスロットの時間順序とは異なる、工程と、個々のアクティブスロット内でリソースグラントを割り当てるために、割り当て順序で複数のアクティブスロットを通して進行する工程と、を含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、ランダム化マップを生成する工程は、ランダムスロットオフセットを生成することを含む。更なる実施形態では、割り当て順序は、ランダムスロットオフセットに対応するアクティブスロットで始まり、ランダムスロットオフセットに対応するアクティブスロットの後に、複数のアクティブスロットの時間順序で複数のアクティブスロットを通して進行する。更なる実施形態では、複数のアクティブスロットを通して進行する工程は、現在のフレーム内の複数のアクティブスロットの時間順序で第1のアクティブスロットに戻り、ランダムスロットオフセットに対応するアクティブスロットの前のスロットに到達するまで複数のアクティブスロットを通して時間順序で進むことを更に含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、フレーム内の複数のアクティブスロットの各々は、複数のアクティブスロットの時間的順序に対応するインデックスを含み、ランダム化マップは、複数のアクティブスロットのインデックスのランダムな順序を含む。更なる実施形態では、割り当て順序は、複数のアクティブスロットのインデックスのランダムな順序を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、リソースグラントは、衛星通信ネットワークにおける帯域幅要求に少なくとも部分的に基づいて割り当てられる。いくつかの実施形態では、リソースグラントは、衛星通信ネットワークにおけるサービス品質要件に少なくとも部分的に基づいて割り当てられる。
【0008】
いくつかの実施形態では、フレーム内の個々のスロットは、1つ以上のユーザ端末への1つ以上のリソースブロック割り当てを含み、個々のリソースブロック割り当ては、個々のスロット内の時間及び周波数の割り当てを含む。更なる実施形態では、単一のユーザ端末が複数の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される。更なる実施形態では、ビーム内の複数のユーザ端末が同一の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される。
【0009】
いくつかの実施形態では、リソースグラントを割り当てることは、戻りリンク帯域幅を割り当てることを含む。いくつかの実施形態では、ビームのランダム化マップは、複数のフレームにわたって変化しないままである。いくつかの実施形態では、各ランダム化マップは、統計的ランダム化に少なくとも部分的に基づいてネットワーク負荷分散を改善するためにランダムに生成される。いくつかの実施形態では、各ランダム化マップは、平均してスロットにわたる全体的なネットワーク負荷を改善するために特定のビームに割り当てられる。
【0010】
本開示は、通信ネットワークにおけるネットワークリソースマネージャに関する。ネットワークリソース管理は、通信ネットワークの1つ以上のスケジューラと通信するように構成されたネットワークインターフェースを含む。ネットワークリソース管理は、通信ネットワーク上の複数のパイプにリソースグラントを割り当てるためのコンピュータ実行可能命令を格納するように構成されたデータストアであって、個々のパイプは1つ以上のサービスフローを含む、データストアを含む。ネットワークリソース管理は、コンピュータ実行可能命令を実行して、リソースグラントをフレーム内のスロットに割り当てるための順序をランダム化するために、複数のパイプの各々についてランダム化マップを生成し、複数のパイプの各パイプについて、1つ以上のユーザ端末にリソースグラントを割り当てるための複数のスロットを含み、パイプの現在のフレームの複数のアクティブスロットを決定し、複数のアクティブスロットは、リソースグラントを割り当てるために使用される現在のフレーム内に複数のスロットのサブセットを含み、パイプのランダム化マップに従って複数のアクティブスロットの割り当て順序を生成し、割り当て順序は、パイプの現在のフレームにおける複数のアクティブスロットの時間順序とは異なり、個々のアクティブスロット内でリソースグラントを割り当てるために、割り当て順序で複数のアクティブスロットを通して進行する、ように構成されたプロセッサを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、ランダム化マップを生成することは、ランダムスロットオフセットを生成することを含む。更なる実施形態では、割り当て順序は、ランダムスロットオフセットに対応するアクティブスロットで始まり、ランダムスロットオフセットに対応するアクティブスロットの後に、複数のアクティブスロットの時間順序で複数のアクティブスロットを通して進行する。更なる実施形態では、複数のアクティブスロットを通して進行する工程は、現在のフレーム内の複数のアクティブスロットの時間順序で第1のアクティブスロットに戻り、ランダムスロットオフセットに対応するアクティブスロットの前のスロットに到達するまで複数のアクティブスロットを通して時間順序で進行することを更に含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、フレーム内の複数のアクティブスロットの各々は、複数のアクティブスロットの時間的順序に対応するインデックスを含み、ランダム化マップは、複数のアクティブスロットのインデックスのランダムな順序を含む。更なる実施形態では、割り当て順序は、複数のアクティブスロットのインデックスのランダムな順序を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、リソースグラントは、通信ネットワークにおける帯域幅要求に少なくとも部分的に基づいて割り当てられる。いくつかの実施形態では、リソースグラントは、通信ネットワークにおけるサービス品質要件に少なくとも部分的に基づいて割り当てられる。
【0014】
いくつかの実施形態では、フレーム内の個々のスロットは、1つ以上のユーザ端末への1つ以上のリソースブロック割り当てを含み、個々のリソースブロック割り当ては、個々のスロット内の時間及び周波数の割り当てを含む。更なる実施形態では、単一のユーザ端末が複数の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される。更なる実施形態では、パイプ内の複数のユーザ端末が同一の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される。
【0015】
いくつかの実施形態では、リソースグラントを割り当てることは、戻りリンク帯域幅を割り当てることを含む。いくつかの実施形態では、パイプのランダム化マップは、複数のフレームにわたって変化しないままである。いくつかの実施形態では、各ランダム化マップは、統計的ランダム化に少なくとも部分的に基づいてネットワーク負荷分散を改善するためにランダムに生成される。いくつかの実施形態では、各ランダム化マップは、平均してスロットにわたる全体的なネットワーク負荷を改善するために特定のパイプに割り当てられる。
【0016】
本開示は、通信ネットワーク上にリソースグラントを割り当てるための方法であって、リソースグラントは、対応するフレーム内のスロットの時間的位置に基づいて順序付けられた複数のスロットを有するフレームを使用して割り当てられる、方法に関する。本方法は、リソースグラントをフレーム内のスロットに割り当てるための順序をランダム化するためのランダム化マップを生成する工程を含む。本方法は、現在のフレームの複数のアクティブスロットを決定する工程であって、複数のアクティブスロットは、リソースグラントを割り当てるために使用される現在のフレーム内に複数のスロットのサブセットを含む、工程を含む。本方法は、ランダム化マップに従って複数のアクティブスロットの割り当て順序を生成する工程であって、割り当て順序は、現在のフレームにおける複数のアクティブスロットの時間順序とは異なる、工程を含む。本方法は、個々のアクティブスロット内でリソースグラントを割り当てるために、割り当て順序で複数のアクティブスロットを通して進行する工程を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、ランダム化マップを生成する工程は、ランダムスロットオフセットを生成することを含む。更なる実施形態では、割り当て順序は、ランダムスロットオフセットに対応するアクティブスロットで始まり、ランダムスロットオフセットに対応するアクティブスロットの後に、複数のアクティブスロットの時間順序で複数のアクティブスロットを通して進行する。更なる実施形態では、複数のアクティブスロットを通して進行する工程は、現在のフレーム内の複数のアクティブスロットの時間順序で第1のアクティブスロットに戻り、ランダムスロットオフセットに対応するアクティブスロットの前のスロットに到達するまで複数のアクティブスロットを通して時間順序で進行することを更に含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、フレーム内の複数のアクティブスロットの各々は、複数のアクティブスロットの時間的順序に対応するインデックスを含み、ランダム化マップは、複数のアクティブスロットのインデックスのランダムな順序を含む。更なる実施形態では、割り当て順序は、複数のアクティブスロットのインデックスのランダムな順序を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、リソースグラントは、通信ネットワークにおける帯域幅要求に少なくとも部分的に基づいて割り当てられる。いくつかの実施形態では、リソースグラントは、通信ネットワークにおけるサービス品質要件に少なくとも部分的に基づいて割り当てられる。
【0020】
いくつかの実施形態では、フレーム内の個々のスロットは、1つ以上のユーザ端末への1つ以上のリソースブロック割り当てを含み、個々のリソースブロック割り当ては、個々のスロット内の時間及び周波数の割り当てを含む。更なる実施形態では、単一のユーザ端末が複数の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される。
【0021】
いくつかの実施形態では、リソースグラントを割り当てることは、戻りリンク帯域幅を割り当てることを含む。いくつかの実施形態では、ランダム化マップは、複数のフレームにわたって変化しないままである。
【0022】
本開示は、通信ネットワークにおけるスケジューラに関する。スケジューラは、通信ネットワークを介して複数のユーザ端末と通信するように構成されたネットワークインターフェースを含む。スケジューラは、リソースグラントを割り当てるためのコンピュータ実行可能命令を記憶するように構成されたデータストアであって、リソースグラントは、対応するフレーム内のスロットの時間的位置に基づいて順序付けられた複数のスロットを有するフレームを使用して割り当てられる、データストアを含む。スケジューラはプロセッサを含み、このプロセッサは、コンピュータ実行可能命令を実行して、リソースグラントをフレーム内のスロットに割り当てるための順序をランダム化するためのランダム化マップを生成し、現在のフレームの複数のアクティブスロットを決定し、複数のアクティブスロットは、リソースグラントを割り当てるために使用される現在のフレーム内に複数のスロットのサブセットを含み、ランダム化マップに従って複数のアクティブスロットの割り当て順序を生成し、割り当て順序は、現在のフレームにおける複数のアクティブスロットの時間順序とは異なり、個々のアクティブスロット内でリソースグラントを割り当てるために、割り当て順序で複数のアクティブスロットを通して進行するように構成されている。
【0023】
いくつかの実施形態では、ランダム化マップを生成することは、ランダムスロットオフセットを生成することを含む。更なる実施形態では、割り当て順序は、ランダムスロットオフセットに対応するアクティブスロットで始まり、ランダムスロットオフセットに対応するアクティブスロットの後に、複数のアクティブスロットの時間順序で複数のアクティブスロットを通して進行する。更なる実施形態では、複数のアクティブスロットを通して進行する工程は、現在のフレーム内の複数のアクティブスロットの時間順序で第1のアクティブスロットに戻り、ランダムスロットオフセットに対応するアクティブスロットの前のスロットに到達するまで複数のアクティブスロットを通して時間順序で進行することを更に含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、フレーム内の複数のアクティブスロットの各々は、複数のアクティブスロットの時間的順序に対応するインデックスを含み、ランダム化マップは、複数のアクティブスロットのインデックスのランダムな順序を含む。更なる実施形態では、割り当て順序は、複数のアクティブスロットのインデックスのランダムな順序を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、リソースグラントは、通信ネットワークにおける帯域幅要求に少なくとも部分的に基づいて割り当てられる。いくつかの実施形態では、リソースグラントは、通信ネットワークにおけるサービス品質要件に少なくとも部分的に基づいて割り当てられる。
【0026】
いくつかの実施形態では、フレーム内の個々のスロットは、1つ以上のユーザ端末への1つ以上のリソースブロック割り当てを含み、個々のリソースブロック割り当ては、個々のスロット内の時間及び周波数の割り当てを含む。更なる実施形態では、単一のユーザ端末が複数の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される。
【0027】
いくつかの実施形態では、リソースグラントを割り当てることは、戻りリンク帯域幅を割り当てることを含む。いくつかの実施形態では、ランダム化マップは、複数のフレームにわたって変化しないままである。
【0028】
本開示は、通信ネットワーク上にリソースグラントを割り当てるための方法であって、リソースグラントは、複数のスロットを有するフレームを使用して割り当てられる、方法に関する。本方法は、現在のフレームの複数のアクティブスロットを決定する工程であって、複数のアクティブスロットは、リソースグラントを割り当てるために使用される現在のフレーム内に複数のスロットのサブセットを含む、工程を含む。本方法は、個々のアクティブスロット内のリソースグラントを1つ以上のユーザ端末に割り当てるために、複数のアクティブスロットを通して進行することを含む。本方法は、各リソースグラントのスロット内の時間位置を1つ以上のユーザ端末に調整することによって、割り当てられたリソースグラントを時間的に分配することを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、個々のスロットは、1つ以上のユーザ端末への帯域幅割り当てを含み、個々の帯域幅割り当ては、対応するスロット内の時間及び周波数の割り当てを含む。更なる実施形態では、単一のユーザ端末が複数の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される。更なる実施形態では、複数のユーザ端末が同一の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される。
【0030】
いくつかの実施形態では、リソースグラントは複数の戻りチャネルグループにグループ化され、個々の戻りチャネルグループは、ユーザ端末の集合に割り当てられた周波数チャネルのセットを含む。更なる実施形態では、割り当てられたリソースグラントを時間的に分配することは、ランダムに選択されたスロットの戻りチャネルグループ内のリソースグラントの時間順序を反転させることを含む。更なる実施形態では、時間順序を反転させることは、各リソースグラントの持続時間を維持しながら、戻りチャネルグループ内の各リソースグラントの開始時間を再計算することを含む。更なる実施形態では、ランダムに選択されたスロットは、複数の戻りチャネルグループの約半分のスロットを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、割り当てられたリソースグラントを時間的に分配することは、スロット内の各リソースグラントの開始時間をランダムな時間オフセットだけシフトすることを含む。更なる実施形態では、開始時間のシフトに起因してスロットの終端を超えて拡張するリソースグラントは、リソースグラントの一部がスロットの始端に提供されるように分割される。更なる実施形態では、分割されたリソースグラントは、開始時間をシフトする前に対応するリソースグラントに対してリソース割り当てを減少させる。更なる実施形態では、方法は、リソースグラントがスロットの終端を超えて拡張しないように、シフトされた開始時間に起因してスロットの終端を超えて拡張するリソースグラントの持続時間を切り捨てることを更に含む。更なる実施形態では、スロット内のリソースグラントのいずれもがスロットの終端を超えて拡張しないように、ランダムな時間オフセットは制限される。
【0032】
本開示は、通信ネットワークにおけるスケジューラに関する。スケジューラは、通信ネットワークを介して複数のユーザ端末と通信するように構成されたネットワークインターフェースを含む。スケジューラは、リソースグラントを割り当てるためのコンピュータ実行可能命令を記憶するように構成されたデータストアであって、リソースグラントは、対応するフレーム内のスロットの時間的位置に基づいて順序付けられた複数のスロットを有するフレームを使用して割り当てられる、データストアを含む。スケジューラは、コンピュータ実行可能命令を実行して、現在のフレームの複数のアクティブスロットを決定することであって、複数のアクティブスロットは、リソースグラントを割り当てるために使用される現在のフレーム内に複数のスロットのサブセットを含む、ことと、個々のアクティブスロット内のリソースグラントを1つ以上のユーザ端末に割り当てるために、複数のアクティブスロットを通して進行することと、各リソースグラントのスロット内の時間位置を1つ以上のユーザ端末に調整することによって、割り当てられたリソースグラントを時間的に分配することと、を実行するように構成されたプロセッサを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、個々のスロットは、1つ以上のユーザ端末への帯域幅割り当てを含み、個々の帯域幅割り当ては、対応するスロット内の時間及び周波数の割り当てを含む。更なる実施形態では、単一のユーザ端末が複数の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される。いくつかの実施形態では、複数のユーザ端末が同一の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される。
【0034】
いくつかの実施形態では、リソースグラントは複数の戻りチャネルグループにグループ化され、個々の戻りチャネルグループは、ユーザ端末の集合に割り当てられた周波数チャネルのセットを含む。更なる実施形態では、割り当てられたリソースグラントを時間的に分配することは、ランダムに選択されたスロットの戻りチャネルグループ内のリソースグラントの時間順序を反転させることを含む。更なる実施形態では、時間順序を反転させることは、各リソースグラントの持続時間を維持しながら、戻りチャネルグループ内の各リソースグラントの開始時間を再計算することを含む。更なる実施形態では、ランダムに選択されたスロットは、複数の戻りチャネルグループの約半分のスロットを含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、割り当てられたリソースグラントを時間的に分配することは、スロット内の各リソースグラントの開始時間をランダムな時間オフセットだけシフトすることを含む。更なる実施形態では、開始時間のシフトに起因してスロットの終端を超えて拡張するリソースグラントは、リソースグラントの一部がスロットの始端に提供されるように分割される。更なる実施形態では、分割されたリソースグラントは、開始時間をシフトする前に対応するリソースグラントに対してリソース割り当てを減少させる。更なる実施形態では、リソースグラントがスロットの終端を超えて拡張しないように、プロセッサはシフトされた開始時間に起因してスロットの終端を超えて拡張するリソースグラントの持続時間を切り捨てるように更に構成されている。更なる実施形態では、スロット内のリソースグラントのいずれもスロットの終端を超えて拡張しないように、ランダムな時間オフセットは制限される。
【0036】
衛星通信ネットワーク上の複数のビームにリソースグラントを割り当てるための方法に関する。方法は、リソースグラントをフレーム内のスロットに割り当てるための順序をランダム化するために、複数のビームの各々についてランダム化マップを生成することであって、個々のフレームは、1つ以上のユーザ端末にリソースグラントを割り当てるための複数のスロットを含む、ことを含む。方法は、複数のビームの各ビームについて、ビームの現在のフレームの複数のアクティブスロットを決定することであって、複数のアクティブスロットは、リソースグラントを割り当てるために使用される現在のフレーム内に複数のスロットのサブセットを含む、ことと、ビームのランダム化マップに従って複数のアクティブスロットの割り当て順序を生成することであって、割り当て順序は、ビームの現在のフレームにおける複数のアクティブスロットの時間順序とは異なる、ことと、個々のアクティブスロット内のリソースグラントを1つ以上のユーザ端末に割り当てるために、割り当て順序で複数のアクティブスロットを通して進行することと、各リソースグラントのスロット内の時間位置を1つ以上のユーザ端末に調整することによって、割り当てられたリソースグラントを時間的に分配することと、を実行するように構成されたプロセッサを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、ランダム化マップを生成することは、ランダムスロットオフセットを生成することを含む。更なる実施形態では、割り当て順序は、ランダムスロットオフセットに対応するアクティブスロットで始まり、ランダムスロットオフセットに対応するアクティブスロットの後に、複数のアクティブスロットの時間順序で複数のアクティブスロットを通して進行する。更なる実施形態では、複数のアクティブスロットを通して進行する工程は、現在のフレーム内の複数のアクティブスロットの時間順序で第1のアクティブスロットに戻り、ランダムスロットオフセットに対応するアクティブスロットの前のスロットに到達するまで複数のアクティブスロットを通して時間順序で進行することを更に含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、フレーム内の複数のアクティブスロットの各々は、複数のアクティブスロットの時間的順序に対応するインデックスを含み、ランダム化マップは、複数のアクティブスロットのインデックスのランダムな順序を含む。更なる実施形態では、割り当て順序は、複数のアクティブスロットのインデックスのランダムな順序を含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、リソースグラントは、衛星通信ネットワークにおける帯域幅要求に少なくとも部分的に基づいて割り当てられる。いくつかの実施形態では、リソースグラントは、衛星通信ネットワークにおけるサービス品質要件に少なくとも部分的に基づいて割り当てられる。
【0040】
いくつかの実施形態では、フレーム内の個々のスロットは、1つ以上のユーザ端末への1つ以上のリソースブロック割り当てを含み、個々のリソースブロック割り当ては、個々のスロット内の時間及び周波数の割り当てを含む。更なる実施形態では、単一のユーザ端末が複数の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される。更なる実施形態では、ビーム内の複数のユーザ端末が同一の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される。
【0041】
いくつかの実施形態では、リソースグラントを割り当てることは、戻りリンク帯域幅を割り当てることを含む。いくつかの実施形態では、ビームのランダム化マップは、複数のフレームにわたって変化しないままである。いくつかの実施形態では、各ランダム化マップは、統計的ランダム化に少なくとも部分的に基づいてネットワーク負荷分散を改善するためにランダムに生成される。いくつかの実施形態では、各ランダム化マップは、平均してスロットにわたる全体的なネットワーク負荷を改善するために特定のビームに割り当てられる。
【0042】
いくつかの実施形態では、リソースグラントは複数の戻りチャネルグループにグループ化され、個々の戻りチャネルグループは、ユーザ端末の集合に割り当てられた周波数チャネルのセットを含む。更なる実施形態では、割り当てられたリソースグラントを時間的に分配することは、ランダムに選択されたスロットの戻りチャネルグループ内のリソースグラントの時間順序を反転させることを含む。更なる実施形態では、時間順序を反転させることは、各リソースグラントの持続時間を維持しながら、戻りチャネルグループ内の各リソースグラントの開始時間を再計算することを含む。更なる実施形態では、ランダムに選択されたスロットは、複数の戻りチャネルグループの約半分のスロットを含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、割り当てられたリソースグラントを時間的に分配することは、スロット内の各リソースグラントの開始時間をランダムな時間オフセットだけシフトすることを含む。更なる実施形態では、開始時間のシフトに起因してスロットの終端を超えて拡張するリソースグラントは、リソースグラントの一部がスロットの始端に提供されるように分割される。更なる実施形態では、分割されたリソースグラントは、開始時間をシフトする前に対応するリソースグラントに対してリソース割り当てを減少させる。更なる実施形態では、方法は、リソースグラントがスロットの終端を超えて拡張しないように、シフトされた開始時間に起因してスロットの終端を超えて拡張するリソースグラントの持続時間を切り捨てることを更に含む。更なる実施形態では、スロット内のリソースグラントのいずれもスロットの終端を超えて拡張しないように、ランダムな時間オフセットは制限される。
【0044】
本開示は、通信ネットワークにおけるネットワークリソースマネージャに関する。ネットワークリソースマネージャは、通信ネットワークの1つ以上のスケジューラと通信するように構成されたネットワークインターフェースを含む。ネットワークリソースマネージャは、通信ネットワーク上の複数のパイプにリソースグラントを割り当てるためのコンピュータ実行可能命令を格納するように構成されたデータストアであって、個々のパイプは1つ以上のサービスフローを含む、データストアを含む。ネットワークリソースマネージャは、コンピュータ実行可能命令を実行して、リソースグラントをフレーム内のスロットに割り当てるための順序をランダム化するために、複数のビームの各々についてランダム化マップを生成し、複数のビームの各ビームについて、1つ以上のユーザ端末にリソースグラントを割り当てるための複数のスロットを含み、ビームの現在のフレームの複数のアクティブスロットを決定し、複数のアクティブスロットは、リソースグラントを割り当てるために使用される現在のフレーム内に複数のスロットのサブセットを含み、ビームのランダム化マップに従って複数のアクティブスロットの割り当て順序を生成し、割り当て順序は、ビームの現在のフレームにおける複数のアクティブスロットの時間順序とは異なり、個々のアクティブスロット内のリソースグラントを1つ以上のユーザ端末に割り当てるために、割り当て順序で複数のアクティブスロットを通って進み、各リソースグラントのスロット内の時間位置を1つ以上のユーザ端末に調整することによって、割り当てられたリソースグラントを時間的に分配する、ように構成された、プロセッサを含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、ランダム化マップを生成することは、ランダムスロットオフセットを生成することを含む。更なる実施形態では、割り当て順序は、ランダムスロットオフセットに対応するアクティブスロットで始まり、ランダムスロットオフセットに対応するアクティブスロットの後に、複数のアクティブスロットの時間順序で複数のアクティブスロットを通して進行する。更なる実施形態では、複数のアクティブスロットを通して進行する工程は、現在のフレーム内の複数のアクティブスロットの時間順序で第1のアクティブスロットに戻り、ランダムスロットオフセットに対応するアクティブスロットの前のスロットに到達するまで複数のアクティブスロットを通して時間順序で進行することを更に含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、フレーム内の複数のアクティブスロットの各々は、複数のアクティブスロットの時間的順序に対応するインデックスを含み、ランダム化マップは、複数のアクティブスロットのインデックスのランダムな順序を含む。更なる実施形態では、割り当て順序は、複数のアクティブスロットのインデックスのランダムな順序を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、リソースグラントは、通信ネットワークにおける帯域幅要求に少なくとも部分的に基づいて割り当てられる。いくつかの実施形態では、リソースグラントは、通信ネットワークにおけるサービス品質要件に少なくとも部分的に基づいて割り当てられる。
【0048】
いくつかの実施形態では、フレーム内の個々のスロットは、1つ以上のユーザ端末への1つ以上のリソースブロック割り当てを含み、個々のリソースブロック割り当ては、個々のスロット内の時間及び周波数の割り当てを含む。更なる実施形態では、単一のユーザ端末が複数の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される。更なる実施形態では、パイプ内の複数のユーザ端末が同一の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される。
【0049】
いくつかの実施形態では、リソースグラントを割り当てることは、戻りリンク帯域幅を割り当てることを含む。いくつかの実施形態では、パイプのランダム化マップは、複数のフレームにわたって変化しないままである。いくつかの実施形態では、各ランダム化マップは、統計的ランダム化に少なくとも部分的に基づいてネットワーク負荷分散を改善するためにランダムに生成される。いくつかの実施形態では、各ランダム化マップは、平均してスロットにわたる全体的なネットワーク負荷を改善するために特定のパイプに割り当てられる。
【0050】
いくつかの実施形態では、リソースグラントは複数の戻りチャネルグループにグループ化され、個々の戻りチャネルグループは、ユーザ端末の集合に割り当てられた周波数チャネルのセットを含む。更なる実施形態では、割り当てられたリソースグラントを時間的に分配することは、ランダムに選択されたスロットの戻りチャネルグループ内のリソースグラントの時間順序を反転させることを含む。更なる実施形態では、時間順序を反転させることは、各リソースグラントの持続時間を維持しながら、戻りチャネルグループ内の各リソースグラントの開始時間を再計算することを含む。更なる実施形態では、ランダムに選択されたスロットは、複数の戻りチャネルグループの約半分のスロットを含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、割り当てられたリソースグラントを時間的に分配することは、スロット内の各リソースグラントの開始時間をランダムな時間オフセットだけシフトすることを含む。更なる実施形態では、開始時間のシフトに起因してスロットの終端を超えて拡張するリソースグラントは、リソースグラントの一部がスロットの始端に提供されるように分割される。更なる実施形態では、分割されたリソースグラントは、開始時間をシフトする前に対応するリソースグラントに対してリソース割り当てを減少させる。更なる実施形態では、リソースグラントがスロットの終端を超えて拡張しないように、プロセッサはシフトされた開始時間に起因してスロットの終端を超えて拡張するリソースグラントの持続時間を切り捨てるように更に構成されている。更なる実施形態では、スロット内のリソースグラントのいずれもスロットの終端を超えて拡張しないように、ランダムな時間オフセットは制限される。
【0052】
本開示を要約する目的で、特定の態様、利点、及び新規な特徴が本明細書に記載されている。そのような利点の全てが、必ずしも任意の特定の実施形態に従って達成される可能性があるわけではないことを理解されたい。したがって、開示される実施形態は、本明細書で教示されるような利点又は利点の群を、本明細書で教示又は示唆される場合がある他の利点を必ずしも達成することなく、達成又は最適化する形態で実施されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
様々な実施形態が、例示を目的として添付の図面に示されており、決して本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。加えて、開示された異なる実施形態の様々な特徴を組み合わせて、本開示の一部である追加の実施形態を形成することができる。
図1図1は、例示的な衛星通信ネットワークの図を示す。
図2図2は、通信ネットワーク内のユーザ端末にリソースグラントを割り当てるためのスケジューリングフレーム、スケジューリングエポック、及びスロットを表すブロック図を示す。
図3A図3Aは、図1の衛星通信ネットワークにおいてリソースグラントを要求及び受信するための例示的な手順を示す。
図3B図3Bは、図1の衛星通信ネットワークにおいてリソースグラントを要求及び受信するための例示的な手順を示す。
図3C図3Cは、図1の衛星通信ネットワークにおいてリソースグラントを要求及び受信するための例示的な手順を示す。
図4A図4Aは、リソースグラント割り当てをランダム化する複数のスケジューラで複数のビームを提供する衛星を有する別の例示的な衛星通信ネットワークを示す。
図4B図4Bは、ユーザ端末が、パイプにグループ化されたサービスフローと、各パイプのリソースグラント割り当てをランダム化する複数のスケジューラとによってサービスされる例示的な通信ネットワークを示す。
図5A図5Aは、リソースグラント割り当てのアクティブスロットを並べ替えるためのランダム化マップの例を示す。
図5B図5Bは、リソースグラント割り当てのアクティブスロットを並べ替えるためのランダム化マップの例を示す。
図6図6は、通信ネットワークにリソースグラントを割り当てる前にアクティブスロットの順序をランダム化するための例示的な方法のフローチャートを示す。
図7図7は、サービスフローの異なるパイプのために、異なるランダム化マップを用いて、通信ネットワークにリソースグラントを割り当てる前に、アクティブスロットの順序をランダム化するため例示的な方法のフローチャートを例示する。
図8A図8Aは、通信ネットワークにおける伝送電力プロファイルを改善するためにアクティブスロット内でリソースグラントをシフトする例を示す。
図8B図8Bは、通信ネットワークにおける伝送電力プロファイルを改善するためにアクティブスロット内でリソースグラントをシフトする例を示す。
図8C図8Cは、通信ネットワークにおける伝送電力プロファイルを改善するためにアクティブスロット内でリソースグラントをシフトする例を示す。
図8D図8Dは、通信ネットワークにおける伝送電力プロファイルを改善するためにアクティブスロット内でリソースグラントをシフトする例を示す。
図8E図8Eは、通信ネットワークにおける伝送電力プロファイルを改善するためにアクティブスロット内でリソースグラントをシフトする例を示す。
図9図9は、アクティブスロットにおける割り当てられたリソースグラントの開始時間をランダム化するための例示的な方法のフローチャートを示す。
図10図10は、ランダム化マップを使用してリソースグラントを割り当てる前にアクティブスロットの順序をランダム化し、次いで、異なるサービスフローのパイプに対して異なるランダム化マップを用いて、通信ネットワーク上のアクティブスロットにおける割り当てられたリソースグラントの開始時間をランダム化するための例示的な方法のフローチャートを示す。
図11図11は、伝送電力プロファイルを改善するために、及び/又は、ネットワーク負荷を分配するために、リソースグラントを割り当てるために、及び/又は、割り当てられたリソースグラントをアクティブスロットにおいて再分配するために、アクティブスロットの順序をランダム化するように構成されたスケジューラの例のブロック図を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本明細書で提供する見出しは、提供する場合でも単に便宜上のものであり、特許請求された主題の範囲又は意味に必ずしも影響を与えるものではない。
【0055】
概要
図1は、例示的な衛星通信ネットワーク100の図を示す。衛星通信ネットワーク100は、ユーザ端末110a、110b及びゲートウェイルーティングデバイス150を互いに、及びネットワーク(インターネット160など)に通信可能に結合する衛星ネットワーク140を含む。衛星通信ネットワーク100は、ユーザ端末110a、110bへのリソース割り当てのタイミング位置をランダム化することによってネットワーク負荷を分散するように構成されたスケジューラ170を含む。本明細書で説明されるように、ランダム化することは、フレーム内のスロットの順序をランダム化すること、及び/又はフレームのスロット内のリソースブロックをランダム化することを含むことができる。このように複数のユーザ端末及び/又は複数のスケジューラにわたってランダム化することにより、リソースグラント割り当てをより均一に分配することによって伝送電力プロファイルを改善することができる。衛星通信ネットワーク100では、これは、戻りリンク(例えば、ユーザ端末110a、110bからゲートウェイルーティングデバイス150への通信)での伝送電力の使用を改善又は最適化するので有利であり得る。
【0056】
衛星通信ネットワーク100は、宇宙セグメント及び地上セグメントを含む様々なネットワークアーキテクチャを利用することができる。例えば、宇宙セグメントは、1つ以上の衛星を含むことができ、地上セグメントは、1つ以上の衛星ユーザ端末、ゲートウェイ端末、ネットワークオペレーションセンタ(NOC)、衛星及びゲートウェイ端末コマンドセンタなどを含むことができる。これらの要素のいくつかは、明確にするために図には示されていない。衛星ネットワーク140は、静止地球軌道(GEO)衛星、中地球軌道(MEO)衛星、及び/又は低地球軌道(LEO)衛星を含むことができる。
【0057】
ユーザ端末110a、110bは、ルータを含むことができ、任意のタイプの消費者宅内機器(例えば、電話、モデム、ルータ、コンピュータ、セットトップボックスなど)を含む衛星通信ネットワーク100を介してルーティングされるデータを受信するように構成することができる。
【0058】
ユーザ端末110a、110bは、(それぞれの顧客衛星送受信機120a、120bを介して)衛星ネットワーク140にデータをルーティングするように構成される。衛星ネットワーク140は、ゲートウェイルーティングデバイス150からユーザ端末110a、110bに情報を送信するための順方向リンクと、ユーザ端末110a、110bからゲートウェイルーティングデバイス150に情報を送信するための戻りリンクとを含む。順方向リンクは、ゲートウェイルーティングデバイス150からゲートウェイ衛星送受信機130を通って、衛星アップリンクチャネルを介して衛星105を通って、衛星ダウンリンクチャネルを介して顧客衛星送受信機120a、120bに、そしてユーザ端末110a、110bに至る伝送路を含む。戻りリンクは、顧客衛星送受信機120a、120bから衛星アップリンクチャネルを介して衛星105に、衛星ダウンリンクチャネルを介してゲートウェイ衛星送受信機130に、そしてゲートウェイルーティングデバイス150に至る伝送路を含む。各送信チャネルは、複数の衛星及び送受信機を利用することができる。
【0059】
ユーザ端末110a、110bの各々は、ゲートウェイルーティングデバイス150を介してスケジューラ170から衛星ネットワーク140上の戻りリンクグラントを要求するように構成される。スケジューラ170は、戻りリンクの割り当てスケジュールを決定し、ゲートウェイルーティングデバイス150を介して各ユーザ端末110a、110bに送信する。
【0060】
戻りリンク、特に衛星通信ネットワーク100などの高スループットブロードバンド衛星システムにおける伝送電力の使用を改善又は最適化することが有利であろう。そのような衛星通信ネットワーク100では、戻りリンクトランスポンダ利得は可変であり得、厳密に制御することが困難であり得る。加えて、戻りリンクダウンリンク電力は、戻りリンク容量に対する主な寄与因子である。戻りリンク電力プロファイルは、ユーザ端末(UT)による複数の協調していない独立した伝送の集約表現である。戻りリンク上のリソースグラント割り当ては、通常、複数のユーザ端末の総需要に基づいてスケジューラによって事前に決定される。しかしながら、ユーザ端末は、瞬間的なバッファステータスに依存して、割り当てられたグラントを十分に利用しない場合があり、全体的な戻りリンク電力プロファイルにおける変動を生じさせる。MF-TDMAシステムでは、例えば、戻りリンクパケットは、それらの送信機を分離する距離にかかわらず、同じ時間周波数リソースで送信される他のパケットと干渉する可能性がある。したがって、ネットワークリソース利用を改善し、電力使用を改善するためにスケジューリングを改善することが有益であろう。
【0061】
スロットごとにリソースグラントを割り当てるスケジューラは、割り当てがフレーム内のより早いスロット内でより頻繁に発生するフロント負荷作用を生じることがある。特に、スケジューラエポックにおけるより早いスロットは、典型的には、より多くのグラントを有し、スロット内では、典型的には、スロットの開始に向かってより多くのグラントが存在する。これにより、様々なスケジューラ(例えば、同じ地理的領域内の異なるサブネットワークに配置されたスケジューラ)が時間に高度に相関することになり得る。これらの効果は、混雑していない期間中により顕著であり得る。これは、信号干渉、ネットワーク性能の低下、電力消費の望ましくない増加、及び/又はスケジューリングフレームにわたる望ましくない電力スキューをもたらし得る。例えば、スケジューリングエポックの始まりに向かうスロットは、より多数の戻りリンクバースト又は送信が存在するため、より高い戻りリンクパワーを有し、スケジューリングエポックの終了に向かうスロットは、より低い戻りリンク電力を有する。これは、時間にわたってより高いスキュー(例えば、ピーク対平均電力又は最大対最小電力デルタに関して測定される)をもたらし、これは、戻りリンクの最適以下の性能をもたらす。
【0062】
したがって、これら及び他の問題に対処するために、ネットワーク負荷を統計的に分散するためにネットワークにおいてリソースグラントをスケジュールするためのシステム及び方法が本明細書で開示される。例えば、本明細書でより詳細に説明するように、スケジューラ170は、フロント負荷作用を防止又は低減するために、リソースグラント割り当てを用いてスロットをより均一に分配するために、異なるスケジューラに対して異なるランダム化を用いて、エポック内のスロットの順序をランダム化するように構成される。別の例として、本明細書でより詳細に説明するように、スケジューラ170は、フロント負荷作用を防止又は低減するために、スロット内のリソースブロックの開始時間をランダム化するように構成される。
【0063】
開示されたシステム及び方法は、任意の適切なネットワーク通信システムにおいて機能する。例えば、ネットワーク通信システムは、衛星によって、地上波ベースの機器、又は衛星と地上波ネットワークとの組み合わせによって提供することができる。したがって、リソースグラント割り当てのランダム化に関する本明細書で開示される概念は、任意の様々なネットワーク通信システムによって提供されるサービスフロー(又はパイプ)の集合に関連付けることができ、衛星通信システムによって提供されるビームを必要としない。
【0064】
いくつかの実施形態では、スケジューラ170は、要求割り当て多元接続(DAMA)スケジューリングモデル、拡張モバイル衛星サービス(EMSS)スケジューリングモデル、及び/又は他のスケジューリング技法を利用することができる。ユーザ端末110a、110bから帯域幅割り当ての要求を受信することに応答して、スケジューラ170は、要求、ネットワークステータス、ネットワーク輻輳、以前の要求、類似の要求などを分析して、戻りリンク帯域幅のスケジュールを決定する。いくつかの実施形態では、スケジューラ170は、要求を達成するために必要な実際の帯域幅の予測又は推定に基づいてスケジュールを生成するように構成される。データは、ユーザ端末110a、110bによって要求され、スケジューラ170によって割り当てられた帯域幅を使用して、特定のユーザ端末110a、110bから衛星105を介してゲートウェイルーティングデバイス150に送信され得る。
【0065】
スケジューラ170からの割り当てられたリソースグラントに基づいて、ユーザ端末110a、110bは、戻りリンクを介して衛星ネットワーク140を介してゲートウェイルーティングデバイス150にデータを送信する。ゲートウェイルーティングデバイス150に到達した後、データをインターネット160に向けることができる。インターネット160からのデータは、衛星ネットワーク140の順方向リンクを介してゲートウェイルーティングデバイス150によってユーザ端末110a、110bに送信することができる。いくつかの実施形態では、ゲートウェイルーティングデバイス150及び/又はスケジューラ170の一部又は全部は、パブリック又はプライベートコンピューティングクラウドに存在する仮想デバイスに配置することができる。
【0066】
図2は、リソースグラントをユーザ端末に割り当てるためのスケジューリングフレーム200、スケジューリングエポック210、及びスロット220の一例を示す。ネットワークリソースは、時間をスロット220と呼ばれる個別のチャンクに分割するフレーム200を使用して割り当てることができる。いくつかの実施形態では、スロット220をエポック210にグループ化することができ、及び/又はフレームをエポック210に分割することができ、エポックをスロット220に分割することができる。スロット220は、ユーザ端末にリソースを割り当てるための時間及び周波数の個別のチャンクを表す。スロット220内で、リソースブロック230を個々のユーザ端末に割り当てることができる。各リソースブロック230は、周波数の割り当て(スロット220のy軸に沿って示されている)、例えば、特定の周波数チャネル上の割り当て、及び時間の割り当て(スロット220のx軸に沿って示されている)を表すことができる。スケジューラ(例えば、スケジューラ170は、)は、エポック210の各アクティブスロット220を通って進み、次のエポック210に進み、そのエポック210のアクティブスロットにリソースブロック230を割り当てるなどして、アクティブスロット220にリソースブロック230を割り当てることができる。本明細書に開示されるように、スケジューラがエポック210及び/又はフレーム200のアクティブスロット220を通して進行する順序は、エポック210及び/又はフレーム200にわたってネットワーク負荷を統計的に分散するようにランダム化され得る。本明細書で開示されるように、アクティブスロット220にリソースブロック230を割り当てた後、スケジューラは、ネットワーク負荷を統計的に分散するためにリソースブロック230の開始時間を調整することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、スケジューリングフレーム200は、スロット210の数Nフレームに分割することができる。次いで、スケジューラは、スロットの数Nエポックをエポックにグループ化することができ、Nフレーム>Nエポックである。各スロット220は、ゼロ以上のユーザ端末へのゼロ以上のリソースブロック割り当てを含み、これは、一部のスロットが未使用及び/又は未割り当てであり得ることを意味する。
【0068】
図3A図3Cは、図1の衛星通信ネットワーク内のユーザ端末にリソースグラントを割り当てる例を示す。図3Aは、ユーザ端末110aがデータ112aの送信のために衛星ネットワーク140の戻りリンク上の戻りリンク帯域幅を要求しており、ユーザ端末110bがデータ112bの送信のために衛星ネットワーク140の戻りリンク上の戻りリンク帯域幅を要求していることを示す。ユーザ端末110a、110bは、バッファサイズ、QoSパラメータ、及び他のフローパラメータに基づいて、スケジューラ170から戻りリンクのリソースを要求する。図3Bは、スケジューラ170が、ユーザ端末110a、110bからの帯域幅要求を処理するために、スロット220にリソースブロック230(時間周波数リソース)を割り当てることを示す。これらの割り当ては、ユーザ端末110a、110bからの要求に基づく。この割り当ては、ブロードキャストメッセージ、マルチキャストメッセージ、又はユニキャストメッセージを介して、テーブル(例えば、RL-MAP)としてユーザ端末110a、110bに転送することができる。図3Cは、スケジューラ170によって割り当てられ、ゲートウェイルーティングデバイス150によって送信された時間周波数リソースに従って、ユーザ端末110a、110bがそれらのバッファからデータを送信することを示す。ユーザ端末110a、110bは、割り当てられたリソースの全部又は一部のブロックを使用することができる。
【0069】
ネットワーク負荷分散を改善するために、スケジューラ170は、リソースグラントをランダム化して戻りリンク通信を適時に拡散するように構成することができる。スケジューラ170は、スケジューラ170が各スケジューリングエポックにおいてリソースグラントの割り当てに進むスロットのランダム化された順序を定義するように構成することができる。本明細書で開示されるように、異なるグループのサービスフロー(本明細書では「パイプ」と呼ばれる)は、異なるスロット順序を使用して、全体としてより均一な負荷分散を達成することができる。いくつかの実施形態では、パイプのスロット順序が初期化で定義されると、スケジューリングエポックにわたって同じ順序が使用される。スケジューラ170は、要求及びサービス品質(QoS)要件に基づいてグラントを割り当てるように構成することができる。他のスケジューラと同様に、スケジューラ170は、スケジューリングエポックの開始から始めるか、又はスロット内で時間的に均一に分配されたグラントを作成しようとすることなく、エポック内のスロットのランダム化された順序に従う。有利には、これにより、確立されたアルゴリズムを本明細書に開示されるランダム化技術と併せて使用することが可能になる。次いで、スケジューラ170は、より均一なパターンを作成するために、スケジューラ制約を維持しながら、割り当てられたグラントの分配を適時に調整するように構成される。スケジューラ170は、リソースグラントの約半分をランダムにフリップすること(無損失フリップ)、全てのスロット及び戻りキャリアグループ(RCG)のペアごとにランダムな時間オフセットを追加することによって全てのグラントをシフトすること(損失シフト)、又はアクティブスロットにラップアラウンドがないようにランダムな時間オフセットに制限を設けて全てのリソースグラントをシフトすること(無損失シフト)によってこれを達成することができる。
【0070】
図4Aは、複数のビーム307a~307dを提供する衛星305を有する別の例示的な衛星通信ネットワーク300を示し、例示的な衛星通信ネットワーク300は、伝送電力プロファイルを改善するために、及び/又はネットワーク負荷を分散するために、リソースグラント割り当てをランダム化するための複数のスケジューラ370a~370dを更に含む。衛星通信ネットワーク300はまた、スケジューラ370a~370dにわたるリソースグラント割り当てのランダム化を管理するように構成されたネットワークリソースマネージャ380を含む。スケジューラ370a~370dは、スケジューラ370a~370dと複数のビーム307a~307dによってカバーされるユーザ端末との間の通信を可能にするために、複数の地上局330a~330dを介して衛星305に結合される。いくつかの実施形態では、個々のスケジューラ370a~370dは、複数の地上局330a~330dに結合することができる。同様に、個々の地上局330a~330dは、複数のスケジューラ370a~370dに結合することができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、スケジューラ370a~370dは各々、リソースグラントの割り当てのためのスロット順序をランダム化するためのランダム化マップを生成するように構成することができる。ランダム化マップの生成は、他のスケジューラから独立していてもよい。これは、有利には、独立したランダム化によるリソースグラントの割り当て時に、フレーム及び/又はエポックのフロントロードを回避することによって、ネットワーク負荷分散を改善することができる。同様に、スケジューラ370a~370dは、フレーム及び/又はエポック内のスロットのフロントローディングを回避することによってネットワーク負荷分散を改善するために、アクティブスロット内のグラントの割り当ての開始時間を調整するためにランダムな時間シフトを独立して生成するように構成することができる。
【0072】
特定の実施形態では、スケジューラ370a~370dがランダム化マップを独立して生成する代わりに、ネットワークリソースマネージャ380は、ランダム化マップをスケジューラ370a~370dに提供するように構成される。そのような実施形態では、ネットワークリソースマネージャ380は、ランダム化マップをランダムに生成するように構成することができ、又はネットワークリソースマネージャ380は、スケジューラ370a~370dに提供されるランダム化マップを調整して、ネットワーク上で負荷をより均一に分散させ、それによって伝送電力プロファイルを改善するように構成することができる。同様に、いくつかの実施形態では、ネットワークリソースマネージャ380は、フレーム及び/又はエポック内のスロットのフロントローディングを回避することによってネットワーク負荷分散を改善するために、アクティブスロット内のグラントの割り当て開始時間を調整するために、各スケジューラ370a~370dの時間シフトを生成するように構成され得る。そのような実施形態では、ネットワークリソースマネージャ380は、時間シフトをランダムに生成するように構成することができ、又はネットワークリソースマネージャ380は、スケジューリングフレームのフロントローディングを低減するためにスケジューラ370a~370dに提供される時間シフトを調整するように構成することができる。
【0073】
衛星305は、各ビーム307a~307d内の複数のユーザ端末にネットワーク通信を提供するために、複数のビーム307a~307dを生成するように構成することができる。衛星305は、チューナブルアクティブアンテナアレイを使用して複数のビーム307a~307dビームを形成することができ、その例は2019年11月19日に発行された、「GROUND NETWORK FOR END-TO-END BEAMFORMING WITH MULTIFREQUENCY ACCESS NODE CLUSTERS」と題する米国特許第10,484,080号に記載され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、リソースグラント割り当てのランダム化は、ビーム307a~307dごとに実行することができる。特定の実施形態では、リソースグラント割り当てのランダム化は、ビーム内のサービスフローの集合によって実行され得る。そのような実施形態では、各スケジューラ370a~370dは、サービスフローの集合ごとにランダム化マップ及び/又は時間シフトを管理するように構成することができ、サービスフローの集合は、本明細書では「パイプ」と呼ぶことができる。言い換えれば、パイプは、単一のスケジューラエンティティによってまとめて処理されるユーザ端末のセットとの間のサービスフローの集合である。したがって、個々のスケジューラ370a~370dは、複数のビーム307a~307dによって提供される1つ以上のパイプのランダム化マップ及び/又は時間シフトを管理するように構成される。
【0074】
特定の実施態様では、各ビーム307a~307dは、複数の集約されたサービスフローを搬送することができる。様々な実施態様では、個々のビーム307a~307dは、複数のスケジューラ370a~370dによってサービスされ得る。そのような実装形態では、パイプは、戻りリンクリソースの共通セットでスケジュールされた1つ以上のユーザ端末のグループにサービスを提供するサービスフローの集合として定義することができる。
【0075】
特定の実施形態では、ランダム化マップ及び/又は時間シフトパラメータは、特定のパイプ又はビームに関連付けられ、ランダム化マップ及び/又は時間シフトは、エポック及びフレームにわたって一貫したままである。例えば、ランダム化マップは、ビーム(又はパイプ)がアクティブである限り、特定のビーム(又はパイプ)に対して一定であり得る。ランダム化マップ及び/又は時間シフトは、パイプに関連付けられたスケジューラ又はネットワークリソースマネージャ380によって生成することができる。
【0076】
図4Bは、ネットワークリソースマネージャ480が複数のスケジューラ470a~470bを管理し、各スケジューラが1つ以上のパイプ415a~415dを管理する別のネットワーク通信システム400を示し、各パイプは1つ以上のユーザ端末410a~410dに提供される1つ以上のサービスフローを含む。このネットワーク通信システム400では、通信は、衛星によって、地上波ベースの機器、又は衛星と地上波ネットワークとの組み合わせによって提供され得る。したがって、リソースグラント割り当てのランダム化に関する本明細書で開示される概念は、任意の様々なネットワーク通信システムによって提供されるパイプに関連付けることができ、衛星通信システムによって提供されるビームを必要としない。
【0077】
いくつかの実施形態では、スロット内のリソースグラント割り当てのランダム化(例えば、スロット内ランダム化)は、パイプ415a~415dに関連付けられたスケジューラ470a~470bによってのみ生成及び管理される。そのような実施形態では、ネットワークリソースマネージャ480は、スロット内ランダム化のためのランダム化パラメータを提供しない一方で、リソースグラント割り当て(例えば、スロット間ランダム化)の前にアクティブスロット順序をランダム化するためのランダム化マップを提供するように構成され得る。本明細書で開示されるように、スロット内ランダム化は、スケジューラ470a~470bによって個別に提供され得、アクティブスロットにおけるリソースグラントの開始時間のシフト又はフリップは、各アクティブスロットで実行され得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、ネットワークリソースマネージャ480は、スケジューラ470a、470bのためのランダム化マップを管理する。ランダム化マップは、ネットワークトポロジ全体(例えば、パイプ及び/又はビームの数、どのスケジューラにどのパイプが割り当てられているかなど)に少なくとも部分的に基づいて生成することができる。ランダム化マップは、平均して時間スロットにわたる伝送電力プロファイル及び/又は全体的なネットワーク負荷を改善する目的で生成及び管理することができる。そのような実施形態は、スロット並べ替えパターンを生成するための集中型手法を表す。ランダム化マップは、伝送電力プロファイルを改善するために生成することができるが、各ランダム化マップが各スケジューラ又は各パイプに対して固有である必要はない。いくつかのランダム化方法は、多数の異なるランダム化可能性をもたらさない。したがって、いくつかのランダム化マップは、異なるスケジューラ又はパイプに対して繰り返されてもよい。例えば、ランダム化マップがエポックにおけるスロットオフセットを表し、エポックが典型的には約20スロットを含む場合、固有のランダム化マップの数は20(又は21、0のシフトを含む)に制限され得る。したがって、2つ以上のパイプに同一のランダム化マップを割り当てることができる。何千ものパイプにサービスを提供するネットワーク通信システムでは、繰り返しランダム化マップが頻繁に発生する可能性がある。しかしながら、そのような例では、リソースグラントが全体としてより均一に割り当てられることに少なくとも部分的に起因して、伝送電力プロファイルが統計的に改善され得る。
【0079】
スロット間ランダム化の例
図5A及び図5Bは、リソースグラント割り当てのアクティブスロットを並べ替えるためのランダム化マップの例を示す。図2を参照して本明細書で説明されるように、リソースグラントは、フレーム(又はスケジューリングフレーム)を使用して割り当てられ得る。これらのフレームは、スロット(又はスケジューリングスロット)に分割することができ、スロットは、エポック(又はスケジューリングエポック)にグループ化することができる。図5A及び図5Bは、16個のスロットを有するエポック510を示すが、エポック内のスロットの数は、16以外の任意の適切な数であり得ることを理解されたい。更に、エポック510内で、エポック510内のスロットの数とは異なり得るアクティブスロット520の数を決定することができる。例えば、エポック510には14個のアクティブスロット520があるが、これに限定することを意図するものではなく、エポックは14以外の任意の適切な数のアクティブスロットを有することができ、特定の実施態様では、アクティブスロットの数はエポック510内のスロットの数と同じであり得る。
【0080】
アクティブスロットの数は、本明細書に記載されたいずれかのネットワークリソースマネージャなどのネットワークリソースマネージャによって割り当てられてもよい。ネットワークリソースマネージャは、様々な制約に応じて、アクティブスロットの異なるセットを異なるパイプに割り当てることができる。これを説明するために、パイプA、パイプB、ビームA、及びビームBに関して例が提供される。
【0081】
第1の例として、パイプA及びBは、スケジューラ(例えば、スケジューラ470a及び470b)によってそれぞれサービス提供されるビームC及びDに属する。これら2つのビームは地理的に近くてもよく、したがって、これらのビーム上の伝送は相互干渉を生成し得る。この場合、ネットワークリソースマネージャは、重複しないスロットをパイプA(例えば、スロット1~8)及びパイプB(例えば、スロット9~16)に割り当てることができる。
【0082】
第2の例として、パイプAはビームC上にあり、パイプBはビームD上にある。ビームC及びDは、衛星上の異なるリフレクタ(例えば、衛星305)によって処理されてもよく、その場合、アクティブスロットはフレームの異なる部分にあってもよい。例えば、スロット1~16はパイプA上のアクティブスロットであり、スロット33~40はパイプB上のアクティブスロットである。
【0083】
第3の例として、航空機にサービス提供するモビリティパイプは、数百の住宅顧客にサービスを提供する固定パイプよりも少ないアクティブスロットを有することができる。
【0084】
第4の例として、それぞれパイプAはビームC上にあり、パイプBはビームD上にある。ビームC及びDは異なる周波数で動作している可能性があり、その場合、アクティブスロットは2つのビーム間で重複する可能性がある。例えば、スロット1~16はパイプA上でアクティブであり、同じスロット1~16はパイプB上でアクティブである。
【0085】
これらの例の各々において、アクティブスロットは必ずしも連続していなくてもよい(例えば、1、3、6、10のアクティブスロットセットが許容される)。
【0086】
本明細書で説明されるように、スケジューリングエポックは、スケジューラが少なくとも部分的にオンデマンドに基づいて複数のサービスフローにグラントを割り当てるスロットの連続したセット(例えば、スロット1~16)である。特定のエポックの間、(エポックと重複する)アクティブスロットの異なるセットを有する異なるパイプをスケジュールすることができる。アクティブスロットは、パイプに関連付けられ、ネットワークリソースマネージャによって割り当てられ得るが、スケジューラエポックはスケジューラに関連付けられる。
【0087】
アクティブスロット520は、エポック510内のそれらの時系列に基づいてインデックス付けされるものとして示されている。これらのインデックスは、時系列とは異なる割り当て順序に基づいてリソースブロックがスロットに割り当てられるようにランダム化することができ、その例を以下に説明する。したがって、エポック510(又はフレーム)内の複数のアクティブスロット520の各々は、複数のアクティブスロット520の時間的順序に対応するインデックスを含み、ランダム化マップは、複数のアクティブスロット520のインデックスのランダムな順序を含む。したがって、ランダム化マップは、典型的にはアクティブスロットの時系列とは異なる割り当て順序を生成する。割り当て順序はしたがって、複数のアクティブスロットのインデックスのランダムな順序である。
【0088】
ランダム化マップは、スケジューラ又はパイプごとに異なり得る。その結果、各スケジューラがパイプごとに独自のランダム化マップを生成するため、ネットワーク全体の負荷が時間的に再分配される。リソースグラント割り当てを時間的により均一に分配することにより、ランダム化された割り当て順序が伝送電力プロファイルを改善することが期待される。
【0089】
図5Aは、ランダムスロットオフセットを含むランダム化マップを例示する。ランダムスロットオフセットは、0とエポック510内のスロットの最大インデックスとの間の数を表す。いくつかの実施形態では、ランダム化マップは、エポック内のアクティブスロットを決定する前に生成される。そのような実施形態では、仮にアクティブスロット520の数がエポック510内のスロットの数と異なっていてもよく(例えば、この例では14個のアクティブスロット対16個の合計スロット)、ランダム化マップを使用してエポック520内のアクティブスロット520を並べ替える。その後、ランダムスロットオフセットは、割り当て順序のための新たな開始位置を生成するために使用される。割り当て順序は、スロットにリソースグラント割り当てが割り当てられる順序である。したがって、図5Aの例では、ランダムスロットオフセットは4であるため、スケジューラがリソースブロックを割り当てる第1のアクティブスロットは、エポック520の第5のアクティブスロットである。割り当て順序は時系列に続き、エポックの最後のアクティブスロットに到達すると(時系列的に言えば)、割り当て順序はエポックの第1のアクティブスロット(時系列的に言えば)にループバックする。したがって、図示の例では、割り当て順序は、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、1、2、3、4であり、これは、スケジューラがリソースブロックをアクティブスロット520に割り当てるために使用する順序であることを意味する。
【0090】
図5Bは、アクティブスロットインデックスの順列を含むランダム化マップを示す。ランダム化マップは、各アクティブスロットインデックスに、1とエポック内のアクティブスロット520の総数との間の固有の乱数を割り当てる(例えば、この例では14)。次に、固有の乱数が新しいインデックスとして使用されて、割り当て順序が生成される。したがって、図示の例では、割り当て順序は、アクティブスロット2、14、13、9、1、10、6、5、8、12、11、4、3、7であり、これは、スケジューラがリソースブロックをアクティブスロット520に割り当てるために使用する順序であることを意味する。
【0091】
図6は、通信ネットワークにリソースグラントを割り当てる前にアクティブスロットの順序をランダム化するための例示的な方法600のフローチャートを示す。リソースグラントは、図2図5A、及び図5Bを参照して本明細書で説明されるように、対応するフレーム内のスロットの時間的位置に基づいて順序付けられた複数のスロットを各々有するフレームを使用して割り当てられる。方法600は、図1図3A図3C図4A、又は図4Bを参照して本明細書で説明したスケジューラ又はネットワークリソースマネージャのいずれかで、又はスケジューラとネットワークリソースマネージャとの組み合わせによって実行することができる。しかしながら、説明を容易にするために、方法600はスケジューラによって実行されるものとして説明される。これは、本開示の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。むしろ、方法600の全ての工程又は部分は、本明細書に記載した通信ネットワークの任意の構成要素又は構成要素の組み合わせによって実行され得る。
【0092】
ブロック605で、スケジューラは、リソースグラントをフレーム内のスロットに割り当てるための順序をランダム化するためのランダム化マップを生成する。ランダム化マップは、ランダムスロットオフセット及びスロットのインデックスの順列を含む、フレーム内のスロットの順序の任意の適切なランダム化であり得る。
【0093】
ブロック610において、スケジューラは、現在のフレーム又はエポックの複数のアクティブスロットを決定する。複数のアクティブスロットは、リソースグラントを割り当てるために使用される現在のフレーム又はエポック内に複数のスロットのサブセットである。場合によっては、アクティブスロットの数は、フレーム又はエポックのスロットの総数と同じである。
【0094】
ブロック615において、スケジューラは、ランダム化マップに従って複数のアクティブスロットの割り当て順序を生成する。割り当て順序は、本明細書で説明されるように、現在のフレーム又はエポックにおける複数のアクティブスロットの時間順序とは異なる。異なる順序は、異なるアクティブスロットから開始し、次いでアクティブスロットを経時的に進み、第1の時系列アクティブスロットにループバックすることを含むことができる。異なる順序は、アクティブスロットの時系列とは異なる順序でアクティブスロットを通って進み、アクティブスロットを通って前後にスキップすることを含むことができる。
【0095】
ブロック620で、スケジューラは、個々のアクティブスロット内でリソースグラントを割り当てるために、割り当て順序で複数のアクティブスロットを通して進行する。リソースグラントの割り当ては、標準的なスケジューリング技法を使用して達成され得る。リソースグラントの割り当ては、標準的な制約を使用して制約され得る。したがって、方法600は、ネットワーク負荷分散を有利に改善しながら、新しいスケジューリングアルゴリズムを必要とせずに実施することができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、単一のユーザ端末が複数の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される。特定の実施形態では、ユーザ端末は、異なる周波数チャネルで同時に送信することができる複数の送信機を含むことができ、この制約は、リソースグラントを割り当てるときに無視されるか又は強制されない。いくつかの実施形態では、パイプ又はビーム内の複数のユーザ端末が同一の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される。いくつかの実施形態では、フレーム又はエポック内の個々のスロットは、1つ以上のユーザ端末への1つ以上のリソースブロック割り当てを含む。そのような実施形態では、個々のリソースブロック割り当ては、個々のスロット内の時間及び周波数の割り当てを含むことができる。特定の実装形態では、リソースグラントを割り当てることは、戻りリンク帯域幅を割り当てることを含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、パイプ又はビームのランダム化マップは、複数のフレームにわたって変化しないままであるか、又はランダム化マップは、パイプ又はビームがアクティブである間は一定である。特定の実施形態では、各ランダム化マップは、統計的ランダム化に少なくとも部分的に基づいてネットワーク負荷分散を改善するためにランダムに生成される。様々な実施形態では、ネットワークリソースマネージャは、平均してスロットにわたる全体的なネットワーク負荷を改善するために、特定のパイプ又はビームに割り当てられるランダム化マップを生成する。
【0098】
図7は、サービスフローの異なるパイプのために、異なるランダム化マップを用いて、通信ネットワークにリソースグラントを割り当てる前に、アクティブスロットの順序をランダム化するため例示的な方法700のフローチャートを例示する。リソースグラントは、図2図5A、及び図5Bを参照して本明細書で説明されるように、対応するフレーム内のスロットの時間的位置に基づいて順序付けられた複数のスロットを各々有するフレームを使用して割り当てられる。方法700は、図4A又は図4Bを参照して本明細書で説明したネットワークリソースマネージャのいずれかで、又はスケジューラとネットワークリソースマネージャとの組み合わせによって実行することができる。しかしながら、説明を容易にするために、方法700は、ネットワークリソースマネージャによって実行されるものとして説明する。これは、本開示の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。むしろ、方法700の全ての工程又は部分は、本明細書に記載した通信ネットワークの任意の構成要素又は構成要素の組み合わせによって実行され得る。
【0099】
ブロック705では、ネットワークリソースマネージャは、複数のパイプの各々についてランダム化マップを生成する。各パイプは、1つ以上のサービスフローの集合である。衛星通信ネットワークでは、ビームは、1つ以上のパイプにサービス提供することができる。ランダム化マップは、リソースグラントをフレーム又はエポック内のスロットに割り当てる順序をランダム化するように構成される。ネットワークリソースマネージャは、ネットワーク負荷分散を改善するためにランダム化マップを生成して個々のスケジューラに割り当てるように構成することができる。いくつかの実施形態では、ネットワークリソースマネージャは、現在及び予測されるネットワーク負荷、ネットワーク容量、サービス品質パラメータなどを考慮するアルゴリズムを使用してランダム化マップを選択する。アルゴリズムは、サービス品質を向上させ、ネットワーク帯域幅のボトルネックを低減し、及び/又は電力消費を低減するために、ネットワーク負荷を有利に分配するランダム化マップを生成するように構成される。特定の実施形態では、ネットワークリソースマネージャは、ランダム化マップをランダムに生成し、割り当てる。これは、統計的変動がネットワーク負荷の比較的均一な分散をもたらすことを期待して行うことができる。
【0100】
ブロック710において、ネットワークリソースマネージャは、複数のパイプの各パイプを通って進み、現在のパイプに対して工程715、720及び725の各々を実行する。いくつかの実施形態では、現在のパイプ又はビームに対応するスケジューラは、工程715、720及び725を実行する。これらの工程は方法600の対応する工程と同様であるため、ここでは工程の簡単な説明のみを提供する。
【0101】
ブロック715において、スケジューラは、ビームの現在のフレームの複数のアクティブスロットを決定する。ブロック720において、スケジューラは、パイプ又はビームのランダム化マップに従って複数のアクティブスロットの割り当て順序を生成する。ブロック725で、スケジューラは、個々のアクティブスロット内でリソースグラントを割り当てるために、割り当て順序で複数のアクティブスロットを通して進行する。
【0102】
ブロック730において、ネットワークリソースマネージャは、全てのパイプがランダム化されているかどうか判定する。そうである場合、ネットワークリソースマネージャはブロック735に進み、結果のスケジュールをユーザ端末に送信する。そうでない場合、ネットワークリソースマネージャはブロック710に戻り、リソースブロック割り当てのために次のパイプに進む。
【0103】
いくつかの実施形態では、単一のユーザ端末が複数の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される。特定の実施形態では、ユーザ端末は、異なる周波数チャネルで同時に送信することができる複数の送信機を含むことができ、この制約は、リソースグラントを割り当てるときに無視されるか又は強制されない。いくつかの実施形態では、パイプ又はビーム内の複数のユーザ端末が同一の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される。いくつかの実施形態では、フレーム又はエポック内の個々のスロットは、1つ以上のユーザ端末への1つ以上のリソースブロック割り当てを含む。そのような実施形態では、個々のリソースブロック割り当ては、個々のスロット内の時間及び周波数の割り当てを含むことができる。特定の実装形態では、リソースグラントを割り当てることは、戻りリンク帯域幅を割り当てることを含む。
【0104】
方法700は、ランダム化マップが個々のパイプ又はビームに割り当てられるようにする。ランダム化マップは、特定のパイプ又はビームがアクティブである間、そのパイプ又はビームに対して固定することができる。新しいビーム又はパイプが追加された場合、新しいランダム化マップを生成し、新しいパイプ又はビームに割り当てることができる。
【0105】
スロット内ランダム化の例
図8A図8B図8C、及び図8Dは、通信ネットワークにおいてネットワーク負荷を分散するためにアクティブスロット内でリソースグラントをシフトする例を示す。これらの例は、スロット内の割り当てられたリソースグラントの開始時間のシフトを示し、したがって、スロット内ランダム化と呼ばれ得る。これは、スロット間ランダム化と呼ばれる場合がある、上述したようなスロットの割り当て順序のランダム化とは異なる。図8A図8Cに示す例では、スロット820a~820cは、スロット820a~820c内に割り当てられた対応するリソースブロック830a~830cで表される。リソースブロック830a~830cは、固有のリソースグラントを表すために異なる充填パターンを有するボックスとして表される。各スロット820a~820cは、周波数領域において戻りリンクキャリアグループ(RCG)にグループ化される。したがって、スロット820aはRCG1とも呼ばれ、スロット820bはRCG2とも呼ばれ、スロット820cはRCG3とも呼ばれる。対応するスロット内の各リソースブロックはブロックとして表され、x軸に沿った範囲は持続時間を表し、y軸に沿った範囲は周波数チャネルを表し、左端の位置は割り当てられたリソースブロックの開始時間を表す。
【0106】
スロット内ランダム化は、フレーム内の個々のスロットに対して実行することができる。これは、スロット間ランダム化とは無関係に行うことができる。更に、スロット内ランダム化の利点は、単一のパイプに対して実現され得るが、スロット間ランダム化の利点の少なくともいくつかは、異なるパイプ又はビームにわたるランダム化に起因して生じる統計的効果から生じる。スロット内ランダム化は、一緒にスケジュールされるチャネルのグループ、すなわち、戻りリンクキャリアグループ(RCG)に結び付けることができる。個々のRCGは、ユーザ端末の集合に割り当てられた周波数チャネルのセットを含むことができる。いくつかの実施態様では、以下に示すスロット内ランダム化の例は相互に排他的であり得る。
【0107】
図8Aは、各リソースブロックの持続時間が維持される時間領域においてリソースブロック割り当てを反転又はフリップさせる例を示す。したがって、図8Aの例は、持続時間、したがって割り当てられたデータの量が変化しないままであるため、無損失フリップと呼ばれることがある。
【0108】
スケジューラは、RCGの約半分をランダムに選択し、選択されたRCG内のリソースブロックの開始時間を反転又はフリップすることによって無損失フリップを実行することができる。図8Aに示すように、RCG2がフリップされるように選択される。結果として得られるフリップされたスロットは、リソースブロック830bの(時間領域における)鏡像を表すリソースブロック830dをもたらす。リソースブロックをフリップすると、それらの持続時間は維持されるが、それらの開始時間は変更される。
【0109】
フリップリソースブロックの例が、図8Bのダイアグラム825に示されている。ダイアグラム825では、時間は水平アクセスで表され、スロットの総持続時間はTslotである。スロットの持続時間Tslotは固定されている。実際には、スロットの開始及び終了時にいくらかのガード時間が存在し得る。これは、スロット内の許容可能なスケジューリングウィンドウの開始及び終了にそれぞれ対応するスロットのTmin及びTmaxとして表される。いくつかの実施形態では、部分的にスケジュールされたスロット(例えば、リフレクタ切り替え)の場合、Tmaxの値は、停止間隔に基づいて設定される。これらの値は、スロットの開始及び終了におけるガード時間を考慮するように構成することができる。ガード時間は、例えば、衛星又は端末デバイスのハードウェア構成要素がスロット遷移中に安定することを可能にするのに有益であり得る。この計算は、スロットの開始時間及び終了時間が任意のガード時間に対して調整されると仮定する。リソースブロックは、スロットTminの開始からの時間オフセットToffの後に始まる開始時間Tstart,preを有し、その結果、Tstart,pre=Toff+Tminである。時間オフセットは、任意のフリップ又は他の調整の前にスケジューラによって割り当てられた時間割当てに依存する。リソースブロックは、リソースブロックの持続時間Tdurによって決定される終了時間Tend,preを有し、その結果、Tend,pre=Tstart,pre+Tdurである。これは、ダイアグラム825の上部に「元の」リソースブロックとして示されている。このブロックはフリップされ、ダイアグラム825の下部に「フリップされた」というラベルで示されている。フリップは、フリップ後のブロックの終了時間Tend,postが、スロット内の許容可能なスケジューリングウィンドウの終了からの時間オフセットToffに等しい時間距離Tmaxになるように、ブロックをスロット内で移動させることを含み、Tend,post=Tmax-Toffとなる。時間オフセットの大きさは固定であり、リソースブロックをフリップするプロセスにおいて変化しない。これにより、フリップ後の開始時間Tstart,postが持続時間Tdurに基づいて移動され、持続時間はリソースブロックをフリップするプロセスにおいて変化しない。言い換えれば、Tstart,post=Tend,post-Tdurである。
【0110】
本明細書で開示される他のスロット内ランダム化技術と共に、無損失フリップは周波数チャネル割り当てに影響を与えない。戻りキャリアグループのスロットがフリップのために選択されると、全ての周波数チャネルへの全てのリソースグラントがそのRCGスロットについてフリップされる。
【0111】
スロット内ランダム化は、割り当てられたリソースグラントを時間的にランダムに分配することを含む。無損失フリップは、ランダムに選択されたスロットの戻りチャネルグループ内のリソースグラントの時間順序を反転させることを含む。時間順序を反転させることは、各リソースグラントの持続時間を維持しながら、戻りチャネルグループ内の各リソースグラントの開始時間を再計算することを含む。複数の戻りチャネルグループの約半分をランダムに選択することによって、負荷分散は、フロントロードグラントとバックロードグラントとの混合をもたらす。この技術では、スロットの中心にディップが生じる可能性がある。有利には、無損失フリップによる容量の損失はなく、フリップされたリソースグラントの開始時間の再計算に関係する簡単な式があるため、実装が比較的簡単である。
【0112】
図8Cは、スロット内の全てのリソースブロックの開始時間をランダムな時間オフセットだけシフトする例を示す。ランダムな時間オフセットは、いかなるリソースブロック割り当てもスロットの終端を超えて(又はスロットの終端のガード時間を超えて)拡張しないように制限される。したがって、図8Bの例は、持続時間、したがって割り当てられたデータの量が変化しないままであるため、無損失シフトと呼ばれることがある。
【0113】
図8Dは、RCG1リソースブロック830a及びRCG2リソースブロック830bが無損失シフトを使用してランダム化され、その結果、それぞれシフトされたリソースブロック830d、830eを有するスロットが得られることを示す。しかしながら、RCG3リソースブロック830cは、現在のリソースグラントがスロットの全持続時間を占有するのでシフトを受けず、したがって、いかなるシフトもスロットの終端からリソースグラントを押し出すことになる。無損失シフトの場合、これは許可されず、したがって、RCG3リソースブロック830cは変更されないままである。RCG1リソースブロック830dの場合、第1のランダムな時間オフセット821aを使用して、各リソースブロック830aの開始時間をシフトして、シフトされたリソースブロック830dをもたらす。同様に、RCG2リソースブロック830eの場合、第2のランダムな時間オフセット821bを使用して、各リソースブロック830bの開始時間をシフトして、シフトされたリソースブロック830eをもたらす。ランダムな時間オフセットのサイズは、リソースブロックが割り当てられているスロットの終端を超えて拡張しないように制限される。
【0114】
したがって、図8Cの無損失シフトは、スロット内の各リソースグラントの開始時間をランダムな時間オフセットだけシフトすることによって、割り当てられたリソースグラントを時間に分配することを含む。スロット内のリソースグラントのいずれもスロットの終端を超えて拡張しないように、ランダムな時間オフセットは制限される。その結果、ネットワーク負荷分散は、シフトされていない実装形態に対してより均一にロードされ得る。有利には、無損失シフトは容量の損失をもたらさず、比較的容易に実施することができる。
【0115】
図8Dは、図8Cの無損失フリップと同様に、スロット内の全てのリソースブロックの開始時間をランダムな時間オフセットだけシフトする例を示す。しかしながら、図8Dでは、ランダムな時間オフセットは、スロットの終端を超えてリソースブロック割り当てを移動させることができる。リソースブロック割り当てがブロックの終端を過ぎてシフトされる場合、ブロックはスロットの先頭に移動されてもよく、又はスロットの終端を過ぎて拡張するリソースブロックの一部は、一部がスロットの終端に留まり、一部がスロットの先頭に移動されるように断片化されてもよい。リソースブロックが断片化される場合、総持続時間、したがって割り当てられるデータ量が低減され得る。したがって、図8Cの例は、いくつかのリソースブロックがそれらの持続時間を有することができ、したがって割り当てられるデータの総量が低減されるので、損失シフトと呼ばれることがある。
【0116】
図8Dは、RCG1のリソースブロック830aが第1のランダムな時間オフセット822aだけシフトされてリソースブロック830dをもたらし、RCG2のリソースブロック830bが第2のランダムな時間オフセット822bだけシフトされてリソースブロック830eをもたらし、RCG3のリソースブロック830cが第3のランダムな時間オフセット822cだけシフトされてリソースブロック830fをもたらすことを示している。損失シフトの場合、全てのリソースグラントは、スロットRCGペアごとにランダムな時間オフセットを追加することによって時間的にシフトされる。時間におけるシフトにより分割されたリソースグラントは、開始時間をシフトする前に対応するリソースグラントに対してリソース割り当てを減少させる。ランダムな時間シフトによりスロットの終端を超えて拡張するリソースグラントは、ドロップ、切り捨て、断片化、又はラップされ得る。ドロップされたリソースグラントはもはやスロットに含まれない。切り捨てられたリソースグラントは、スロットの終端を超えて拡張するグラントの一部が除去され、それによって割り当てられる容量が減少する。断片化されるリソースグラントは、スロットの終端に残る部分と、スロットの先頭に移動される部分とを有する。断片化は、後述するように、割り当てられたデータの減少をもたらし得る。ラップされたリソースグラントは、スロットの開始に完全に移動され、割り当てられた容量の損失をもたらさない。図8Dでは、ラップ、切り捨て、又は断片化されたリソースブロックが破線の輪郭で表されている。損失シフトスロット内ランダム化技術は、割り当てられた容量の減少をもたらし得、いくつかのリソースグラントは、将来の再割り当てを必要とし得る。損失シフトスロット内ランダム化技術は、より優れたネットワーク負荷分散をもたらすことができるが、無損失フリップ及び無損失シフトと比較して実装がより複雑になる可能性がある。
【0117】
図8Eは、図8Dを参照して説明したように、損失シフトから生じる断片化の例を示す。リソースブロック割り当て831は、元々1024バイトである。第1のケース(図8Eの上側の図)では、リソースブロック割り当て831の途中で断片化が発生する。この場合、結果として得られる断片化されたリソースブロック832a、833aは各々448バイトを有する。これは128バイトの損失を表す。第2のケース(図8Dの下側の図)では、リソースブロック割り当て831の終端近くで断片化が発生する。これにより、864バイトの第1の断片化リソースブロック832b及び64バイトの第2の断片化リソースブロック833bが得られる。これは96バイトの損失を表す。断片化に起因する容量損失の1つの理由は、パケットのサイズに対する制限である。図8Eの例では、パケットは32バイトの最小サイズを有し、したがって、断片化は、容量損失につながる32バイトの倍数を必要とするリソースブロックをもたらす。
【0118】
図9は、アクティブスロットにおける割り当てられたリソースグラントの開始時間をランダム化するための例示的な方法900のフローチャートを示す。方法900は、図1図3A図3C図4A、及び図4Bを参照して本明細書で説明される通信ネットワークのいずれかで実施することができる。割り当てられたリソースグラントは、図2及び図8A図8Dを参照して本明細書で説明されるように、フレーム又はエポックのスロット内のリソースブロックを表す。方法900は、複雑さと改善されたネットワーク負荷分散とのバランスをとるように設計されている。第1の段階では、スケジューラは、グラントを時間的に均一に分配させようとすることなく、スケジューリングエポックの開始から始めて、ユーザ端末要求及びQoS要件に基づいてリソースグラントを割り当てる。ステージ1の終わりに、リソースグラントのフロントローディングの可能性がある。ステージ2において、スケジューラは、全てのスケジューラ制約を維持しながら、割り当てられたリソースグラントを時間的に分配して、より均一なパターンを作成し、ネットワーク負荷分散を改善する。
【0119】
方法900は、図1図3A図3C図4A、又は図4Bを参照して本明細書で説明したスケジューラのいずれかで、又はスケジューラとネットワークリソースマネージャとの組み合わせによって実行することができる。しかしながら、説明を容易にするために、方法900はスケジューラによって実行されるものとして説明される。これは、本開示の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。むしろ、方法900の全ての工程又は部分は、本明細書に記載した通信ネットワークの任意の構成要素又は構成要素の組み合わせによって実行され得る。更に、ブロック905及び910は、図6及び図7を参照して本明細書で説明した対応するブロックと同様であり、ここでは簡潔にするために説明を省略する。
【0120】
ブロック905において、スケジューラは、現在のフレームの複数のアクティブスロットを決定する。ブロック910において、スケジューラは、個々のアクティブスロット内のリソースグラントを1つ以上のユーザ端末に割り当てるために、複数のアクティブスロットを通して進行する。ブロック915において、スケジューラは、各リソースグラントのスロット内の時間位置を1つ以上のユーザ端末に調整することによって、割り当てられたリソースグラントを時間的に分配する。リソースグラントは複数の戻りチャネルグループにグループ化され得、個々の戻りチャネルグループは、ユーザ端末の集合に割り当てられた周波数チャネルのセットを含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、割り当てられたリソースグラントを時間的に分配することは、ランダムに選択されたスロット又は無損失フリップの戻りチャネルグループ内のリソースグラントの時間順序を反転させることを含む。時間順序を反転させることは、各リソースグラントの持続時間を維持しながら、戻りチャネルグループ内の各リソースグラントの開始時間を再計算することを含む。これは周波数割り当てに影響しない。ランダムに選択されたスロットは、複数の戻りチャネルグループの約半分のスロットを含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、割り当てられたリソースグラントを時間的に分配することは、スロット内の各リソースグラントの開始時間をランダムな時間オフセットだけシフトすることを含む。開始時間のシフトに起因してスロット又は損失シフトの終端を超えて拡張するリソースグラントは、リソースグラントの一部がスロットの始端に提供されるように分割又は断片化される。断片化されたリソースグラントは、開始時間をシフトする前に対応するリソースグラントに対してリソース割り当てを減少させ得る。特定の実装形態では、リソースグラントは、リソースグラントがスロットの終端を超えて拡張しないように、シフトされた開始時間に起因してスロットの終端を超えて拡張する場合に切り捨てられる。特定の実施形態では、スロット内のリソースグラントのいずれもスロット又は無損失シフトの終端を超えて拡張しないように、ランダムな時間オフセットは制限される。
【0123】
スロット間ランダム化とスロット内ランダム化との組み合わせの例
図10は、ランダム化マップを使用してリソースグラントを割り当てる前にアクティブスロットの順序をランダム化し、次いで、異なるサービスフローのパイプに対して異なるランダム化マップを用いて、通信ネットワーク上のアクティブスロットにおける割り当てられたリソースグラントの開始時間をランダム化するための例示的な方法1000のフローチャートを示す。例示的な方法1000は、ネットワーク負荷分散を改善するためにスロット間ランダム化及びスロット内ランダム化の両方を実行するために、方法700を方法900と組み合わせる。リソースグラントは、図2図5A、及び図5Bを参照して本明細書で説明されるように、対応するフレーム内のスロットの時間的位置に基づいて順序付けられた複数のスロットを各々有するフレームを使用して割り当てられる。方法1000は、図4A又は図4Bを参照して本明細書で説明したネットワークリソースマネージャのいずれかで、又はスケジューラとネットワークリソースマネージャとの組み合わせによって実行することができる。しかしながら、説明を容易にするために、方法1000は、ネットワークリソースマネージャ及びスケジューラによって実行されるものとして説明する。これは、本開示の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。むしろ、方法1000の全ての工程又は部分は、本明細書に記載した通信ネットワークの任意の構成要素又は構成要素の組み合わせによって実行され得る。
【0124】
ブロック1005では、ネットワークリソースマネージャは、複数のパイプの各々についてランダム化マップを生成する。各パイプは、1つ以上のサービスフローの集合である。衛星通信ネットワークでは、ビームは、1つ以上のパイプにサービス提供することができる。ランダム化マップは、リソースグラントをフレーム又はエポック内のスロットに割り当てる順序をランダム化するように構成される。ネットワークリソースマネージャは、ネットワーク負荷分散を改善するためにランダム化マップを生成して個々のスケジューラに割り当てるように構成することができる。いくつかの実施形態では、ネットワークリソースマネージャは、現在及び予測されるネットワーク負荷、ネットワーク容量、サービス品質パラメータなどを考慮するアルゴリズムを使用してランダム化マップを選択する。アルゴリズムは、サービス品質を向上させ、ネットワーク帯域幅のボトルネックを低減し、及び/又は電力消費を低減するために、ネットワーク負荷を有利に分配するランダム化マップを生成するように構成される。特定の実施形態では、ネットワークリソースマネージャは、ランダム化マップをランダムに生成し、割り当てる。これは、統計的変動がネットワーク負荷の比較的均一な分散をもたらすことを期待して行うことができる。
【0125】
ブロック1010において、ネットワークリソースマネージャは、複数のパイプの各パイプを通って進み、現在のパイプに対して工程1015、1020、1025及び1030の各々を実行する。いくつかの実施形態では、現在のパイプ又はビームに対応するスケジューラは、工程1015、1020、1025及び1030を実行する。これらの工程は、方法900の対応する工程に加えて方法600の対応する工程と同様であるため、ここでは工程の簡単な説明のみを提供する。
【0126】
ブロック1015において、スケジューラは、ビームの現在のフレームの複数のアクティブスロットを決定する。ブロック1020において、スケジューラは、パイプ又はビームのランダム化マップに従って複数のアクティブスロットの割り当て順序を生成する。ブロック1025で、スケジューラは、個々のアクティブスロット内でリソースグラントを割り当てるために、割り当て順序で複数のアクティブスロットを通して進行する。ブロック1030において、スケジューラは、各リソースグラントの開始時間位置を調整することによって、割り当てられたリソースグラントを時間的に分配する。これは、無損失フリップ、無損失シフト、又は損失シフトを含むことができる。
【0127】
ブロック1035において、ネットワークリソースマネージャは、全てのパイプがランダム化されているかどうか判定する。そうである場合、ネットワークリソースマネージャはブロック1040に進み、結果のスケジュールをユーザ端末に送信する。そうでない場合、ネットワークリソースマネージャはブロック1010に戻り、リソースブロック割り当てのために次のパイプに進む。
【0128】
いくつかの実施形態では、単一のユーザ端末が複数の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される。特定の実施形態では、ユーザ端末は、異なる周波数チャネルで同時に送信することができる複数の送信機を含むことができ、この制約は、リソースグラントを割り当てるときに無視されるか又は強制されない。いくつかの実施形態では、パイプ又はビーム内の複数のユーザ端末が同一の周波数チャネルで同時に送信するようにスケジュールされないように、リソースグラントの割り当てが制約される。いくつかの実施形態では、フレーム又はエポック内の個々のスロットは、1つ以上のユーザ端末への1つ以上のリソースブロック割り当てを含む。そのような実施形態では、個々のリソースブロック割り当ては、個々のスロット内の時間及び周波数の割り当てを含むことができる。特定の実装形態では、リソースグラントを割り当てることは、戻りリンク帯域幅を割り当てることを含む。
【0129】
方法1000は、スロット内ランダム化又はスロット間ランダム化のみを実行するのと比較して改善されたネットワーク負荷分散を達成するために、スロット内ランダム化とスロット間ランダム化とを組み合わせる。更に、リソースグラントを割り当てる前にランダム化された割り当て順序を生成し、割り当て後にリソースグラントをランダムに分配することによって、リソースグラントを割り当てるための典型的で有益な方法を、開示されたランダム化技術と併せて使用することができる。したがって、リソースグラントを無効にすることなくランダム化技術を実施することができる。
【0130】
追加の実施形態
図11は、ネットワーク負荷を分配するために、リソースグラントを割り当てるために、及び/又は、割り当てられたリソースグラントをアクティブスロットにおいて再分配するために、アクティブスロットの順序をランダム化するように構成されたスケジューラ1170の例のブロック図を例示する。スケジューラ1170は、スロット内ランダム化技法及びスロット間ランダム化技法を使用してリソースグラント割り当てをランダム化するように構成される。スケジューラ1170は、図1図3A図3C図4A、及び図4Bを参照して本明細書に記載されたスケジューラと同様であり、そこに記載されたネットワーク通信システムに実装することができる。スケジューラ1170は、図6図7図9、及び図10をそれぞれ参照して本明細書に記載された例示的な方法600、700、900、及び1000など、リソースグラントをランダム化するために本明細書に記載された任意の方法を使用することができる。
【0131】
スケジューラ1170は、リソースグラント割り当てを管理するためのハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェア構成要素を含むことができる。スケジューラ1170は、データストア1171と、1つ以上のプロセッサ1173と、1つ以上のネットワークインターフェース1175と、ランダム化モジュール1172と、スケジューリングモジュール1174とを含む。スケジューラ1170の構成要素は、通信バス1179を使用して互いに、外部システムと、及びネットワークの他の構成要素と通信することができる。スケジューラ1170は、1つ以上のコンピューティングデバイスを使用して実現することができる。例えば、スケジューラ1170は、単一のコンピューティングデバイス、多数のコンピューティングデバイス、分散コンピューティング環境を使用して実現することができ、又は、パブリックコンピューティングクラウド若しくはプライベートコンピューティングクラウドに存在する仮想デバイス内に配置することができる。分散コンピューティング環境では、1つ以上のコンピューティングデバイスは、モジュール1172、1174を提供し、記載の機能を提供するように構成することができる。
【0132】
スケジューラ1170は、本明細書に記載されるように、スロット内ランダム化及びスロット間ランダム化を実行するためのランダム化モジュール1172を含む。スケジューラ1170は、本明細書で説明されるように、リソースグラントをユーザ端末に割り当てるためのスケジューリングモジュール1174を含む。
【0133】
スケジューラ1170は、モジュール1172、1174及びデータストア1171の動作を制御するように構成された1つ以上のプロセッサ1173を含む。1つ以上のプロセッサ1173は、リソースグラント割り当てをスケジュール及びランダム化するように構成されたソフトウェアモジュール、ハードウェア構成要素、及び/又はファームウェア要素を実装及び利用する。1つ以上のプロセッサ1173は、任意の好適なコンピュータプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は他の好適なマイクロプロセッサを含み得る。1つ以上のプロセッサ1173は、スケジューラ1170の様々なモジュール及びデータストアとインターフェースするように構成された他のコンピューティング構成要素を含み得る。
【0134】
スケジューラ1170は、構成データ、ユーザ要件、ネットワークステータス、ネットワーク特性及び機能、制御コマンド、データベース、アルゴリズム、実行可能命令(例えば、1つ以上のプロセッサ1173への命令)などを記憶するように構成されたデータストア1171を含む。データストア1171は、例えば、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、ソリッドステートディスク、ハードドライブ、フラッシュドライブ、バブルメモリなどが挙げられるが、これらに限定されない、任意の好適なデータ記憶デバイス又はデバイスの組み合わせであり得る。
【0135】
本開示は、様々な特徴を説明するものであり、そのうちのいずれか1つが、本明細書に記載した利益に単独で関与するわけではない。当業者には明らかであるように、本明細書に記載した様々な特徴は、組み合わされ得る、修正され得る、又は省略され得ることが理解されるであろう。本明細書に具体的に記載した以外の他の組み合わせ及び副組み合わせは、当業者には明らかであり、本開示の一部を形成することが意図される。本明細書では、様々なフローチャートの工程及び/又は段階に関連して様々な方法を記載した。多くの場合、特定の工程及び/又は段階は、フローチャートに示した多数の工程及び/又は段階が単一の工程及び/又は段階として実行され得るように組み合わせてよいことが理解されるであろう。また、特定の工程及び/又は段階は、別個に実行される追加の副構成要素に分割され得る。場合によっては、工程及び/又は段階の順序は再編成され得、特定の工程及び/又は段階は完全に省略されてよい。また、本明細書に記載した方法は、本明細書に示し、記載した方法に対する追加の工程及び/又は段階も実行され得るように変更可能であると理解されたい。
【0136】
本明細書に記載したシステム及び方法のいくつかの態様は、有利には、例えば、コンピュータソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はコンピュータソフトウェア、ハードウェア、及びファームウェアの任意の組み合わせを使用して実行され得る。コンピュータソフトウェアは、実行されると、本明細書に記載した機能を実行する、コンピュータ可読媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体)に記憶されたコンピュータ実行可能コードを含み得る。いくつかの実施形態では、コンピュータ実行可能コードは、1つ以上の汎用コンピュータプロセッサによって実行される。当業者であれば、本開示に照らして、汎用コンピュータ上で実行されるソフトウェアを使用して実行され得る任意の特徴又は機能はまた、ハードウェア、ソフトウェア、又はファームウェアの異なる組み合わせを使用して実行され得ることを理解するであろう。例えば、かかるモジュールは、集積回路の組み合わせを使用してハードウェアで完全に実行され得る。代替的に又は追加的に、かかる特徴又は機能は、汎用コンピュータによってではなく本明細書に記載した特定機能を実行するように設計された専用コンピュータを使用して、完全に又は部分的に実行され得る。
【0137】
複数の分散型コンピューティングデバイスは、本明細書に記載した任意の単一のコンピューティングデバイスに置き換えられ得る。かかる分散型の実施形態では、1つのコンピューティングデバイスの機能は、分散型コンピューティングデバイスのそれぞれでいくつかの機能が実行されるように、(例えば、ネットワーク上に)分散される。
【0138】
いくつかの実施形態は、式、アルゴリズム、及び/又はフローチャート図を参照して記載されてよい。これらの方法は、1つ以上のコンピュータで実行可能なコンピュータプログラム命令を使用して実行されてよい。これらの方法はまた、コンピュータプログラム製品として、別々に、又は装置若しくはシステムの構成要素としてのいずれかで実行されてよい。この点に関して、各式、アルゴリズム、ブロック、又はフローチャートの工程、及びこれらの組み合わせは、コンピュータ可読プログラムコード論理で具現化された1つ以上のコンピュータプログラム命令を含むハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアによって実行されてよい。理解されるように、任意のかかるコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ若しくは専用コンピュータ、又は他のプログラム可能な処理デバイスを含むが、これらに限定されない、1つ以上のコンピュータにロードされてマシンをなしてよく、その結果、コンピュータ又は他のプログラム可能な処理デバイスで実行するコンピュータプログラム命令は、式、アルゴリズム、及び/又はフローチャートにおいて指定された機能を実行する。各式、アルゴリズム、及び/又はフローチャート図のブロック、並びにこれらの組み合わせは、特定の機能若しくは工程、又は専用ハードウェア及びコンピュータ可読プログラムコード論理手段の組み合わせを実行する専用ハードウェアベースのコンピュータシステムによって実行されてよいことも理解されたい。
【0139】
更に、1つ以上のコンピュータ又は他のプログラム可能な処理デバイスを特定の方法で機能するように命令することができる、コンピュータ可読プログラムコード論理で具現化されるなどのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ可読メモリ(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体)に記憶されてよく、その結果、コンピュータ可読メモリに記憶された命令は、フローチャートのブロックにおいて指定された機能を実行する。コンピュータプログラム命令はまた、1つ以上のコンピュータ又は他のプログラム可能なコンピューティングデバイスにロードされて、1つ以上のコンピュータ又は他のプログラム可能なコンピューティングデバイスで一連の動作工程を実行させて、コンピュータ又は他のプログラム可能な処理装置で実行する命令が、式、アルゴリズム、及び/又はフローチャートのブロックにおいて指定された機能を実行するための工程をもたらすように、コンピュータ実施プロセスを生じさせてよい。
【0140】
本明細書に記載した方法及びタスクの一部又は全ては、コンピュータシステムによって実行され、完全に自動化されてよい。場合によっては、コンピュータシステムは、ネットワークを介して通信し、相互運用して記載した機能を実行する多数の別個のコンピュータ又はコンピューティングデバイス(例えば、物理サーバ、ワークステーション、ストレージアレイなど)を含んでよい。かかるコンピューティングデバイスのそれぞれは、典型的には、メモリ又は他の非一時的コンピュータ可読記憶媒体若しくはデバイスに記憶されたプログラム命令又はモジュールを実行するプロセッサ(又は多数のプロセッサ)を含む。本明細書に開示した様々な機能は、かかるプログラム命令で具現化されてよいが、開示した機能の一部又は全ては、代替的に、コンピュータシステムの特定用途向け回路(例えば、ASIC又はFPGA)で実行されてよい。コンピュータシステムが多数のコンピューティングデバイスを含む場合、これらのデバイスは、同一の場所に配置されてよいが、必ずしもそうである必要はない。開示した方法及びタスクの結果は、ソリッドステートメモリチップ及び/又は磁気ディスクなど物理記憶装置を異なる状態に変換することによって永続的に記憶されてよい。
【0141】
文脈上明白に他の意味に解すべき場合を除き、本明細書及び請求項の全体を通して、単語「備える、含む(comprise)」、「備える、含む(comprising)」などは、排他的又は網羅的な意味ではなく、包括的な意味で、すなわち、「含むが、これに限定されない」という意味で解釈されるべきである。「結合された(coupled)」という語は、本明細書で一般に使用される場合、直接接続されてもよいか、又は1つ以上の中間要素によって接続されてもよい、2つ以上の要素を指す。加えて、「本明細書において(herein)」、「上記(above)」、「下記(below)」、及び同様の意味の単語は、本出願で使用される場合、本出願全体を指し、本出願の任意の特定部分を言及しないものとする。文脈上許される限り、単数又は複数を使用する上記の「発明を実施するための形態」における単語はまた、それぞれ、複数又は単数を含んでよい。単語「又は」は、2つ以上の項目のリストを参照する場合、単語の以下の解釈の全てを包含する。すなわち、リスト内の項目のいずれか、リスト内の項目の全て、及びリスト内の項目の任意の組み合わせ、を包含する。「例示的」という単語は、本明細書において排他的に使用されて、「例、実例、又は説明として機能すること」を意味する。本明細書で「例示的」として記載した全ての実施例は、必ずしも他の実施例よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。
【0142】
本開示は、本明細書に示した実施例に限定されることを意図するものではない。本開示に記載した実施例に対する様々な修正が、当業者にとって容易に明らかであってよく、本明細書に定義した包括的な原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく他の実施例に適用されてよい。本明細書において提供した本発明の教示は、他の方法及びシステムに適用され得、上記の方法及びシステムに限定されるものではなく、上記の様々な実施形態の要素及び作用を組み合わせて更なる実施形態が提供され得る。したがって、本明細書に記載した新たな方法及びシステムは、様々な他の形態で具現化されてよく、更には、本明細書に記載される方法及びシステムの形態の様々な省略、置換、及び変更が、本開示の趣旨から逸脱することなく行われてもよい。添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物は、本開示の範囲及び趣旨に含まれるような、そのような形態又は修正を網羅することを意図している。

図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9
図10
図11