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特許7393886ゲームプログラム、ゲーム処理方法及び情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム処理方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20231130BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20231130BHJP
【FI】
A63F13/69 520
A63F13/53
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019123967
(22)【出願日】2019-07-02
(65)【公開番号】P2021007697
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-05-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年5月28日 刊行物「電撃プレイステーション 2019.7 No.676」の16~23ページにおいて、ゲーム「ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~」の情報を公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年5月30日 刊行物「週刊ファミ通 2019/6/13 No.1591」の16~19ページにおいて、ゲーム「ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~」の情報を公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年5月28日 ウェブサイト「『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』公式ホームページ」(https://www.gamecity.ne.jp/atelier/ryza/)において、ゲーム「ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~」の情報を公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年6月30日 45法人の店舗の店頭ディスプレイにて、ゲーム「ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~」の販売促進用の広告宣伝物として、店舗上映用のPVを公開
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉池 真一
(72)【発明者】
【氏名】勝又 祐樹
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-082744(JP,A)
【文献】特開2015-217021(JP,A)
【文献】リリーのアトリエ~ザールブルグの錬金術士3~,電撃PlayStation D44,メディアワークス,2001年06月22日,第7巻第15号通巻174号,第14~17頁
【文献】Vジャンプブックス スクウェア・エニックス公式 ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて ロトゼタシアガイド,第1刷,株式会社集英社,2017年07月31日,第46~47頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 - 13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面上の複数の表示部品のうち投入可能な前記表示部品に第1のアイテムを投入することにより、記憶部に記憶したレシピ毎に紐づけられた複数の前記表示部品のリンク情報及び隣接する前記表示部品との接続情報を参照して、前記第1のアイテムを投入した前記表示部品が紐づく前記レシピに基づき、前記第1のアイテムから第2のアイテムを作成するゲーム処理をコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、
前記第1のアイテムから前記第2のアイテムを作成するための第1条件を満たす前記第1のアイテムをプレイヤが選択して複数の前記表示部品のうち第1の表示部品に投入する操作に応じて、前記コンピュータが前記第1の表示部品に投入された前記第1のアイテムが第2条件を満たすか否かを判定する処理と、
判定の結果に応じて、前記記憶部に記憶した前記隣接する前記表示部品との接続情報に基づき前記第1の表示部品に接続される第2の表示部品であり、前記第2条件を満たす前記第2の表示部品に前記第1のアイテムを投入可能とするゲーム処理を提供する処理と、
を有するゲームプログラム。
【請求項2】
前記第1のアイテムを投入する処理は、前記レシピに定められた制限回数以内で行う、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記第2条件は、前記第1のアイテムの属性及び属性値を含む、
請求項1又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記第1条件は、前記第1のアイテムの名称、品質及び属性の少なくともいずれかを含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記第2条件を満たすと判定されると、前記第2の表示部品を、前記ゲーム処理を提供するモードであることを示す表示に制御する処理を有する、
請求項1~4のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記プレイヤが選択した前記第1のアイテムを前記第1の表示部品及び/又は前記第2の表示部品に1又は複数回投入する操作に応じて前記第1のアイテムの投入回数に関する条件が満足されると、前記コンピュータが前記第2のアイテムを作成し、
前記第2のアイテムを作成した後、前記第2のアイテムが作成された時点で投入可能な表示部品に前記プレイヤが前記第1のアイテムを更に投入すると、前記コンピュータが、前記記憶部に記憶した複数の前記表示部品の夫々に対応付けられた効果を参照して、前記第1のアイテムが更に投入された前記表示部品に対応付けられた前記効果を前記第2のアイテムに与えることにより前記第2のアイテムを強化する処理を有する、
請求項1~5のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記記憶部に記憶した前記レシピに紐づけられた特定の前記表示部品に対して前記レシピが変化するレシピ移行の特典が対応付けられて記憶されている場合に、特定の前記表示部品に対して前記プレイヤが選択した前記第1のアイテムから予め定められた特定の前記第1のアイテムを投入すると、前記コンピュータが、特定の前記表示部品が紐づく前記レシピを変え、作成する前記第2のアイテムを変える、
請求項1~5のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
画面上の複数の表示部品のうち投入可能な前記表示部品に第1のアイテムを投入することにより、記憶部に記憶したレシピ毎に紐づけられた複数の前記表示部品のリンク情報及び隣接する前記表示部品との接続情報を参照して、前記第1のアイテムを投入した前記表示部品が紐づく前記レシピに基づき、前記第1のアイテムから第2のアイテムを作成するゲーム処理をコンピュータが実行するゲーム処理方法であって、
前記第1のアイテムから前記第2のアイテムを作成するための第1条件を満たす前記第1のアイテムをプレイヤが選択して複数の前記表示部品のうち第1の表示部品に投入する操作に応じて、前記コンピュータが前記第1の表示部品に投入された前記第1のアイテムが第2条件を満たすか否かを判定する処理と、
判定の結果に応じて、前記記憶部に記憶した前記隣接する前記表示部品との接続情報に基づき前記第1の表示部品に接続される第2の表示部品であり、前記第2条件を満たす前記第2の表示部品に前記第1のアイテムを投入可能とするゲーム処理を提供する処理と、
を有するゲーム処理方法。
【請求項9】
画面上の複数の表示部品のうち投入可能な前記表示部品に第1のアイテムを投入することにより、記憶部に記憶したレシピ毎に紐づけられた複数の前記表示部品のリンク情報及び隣接する前記表示部品との接続情報を参照して、前記第1のアイテムを投入した前記表示部品が紐づく前記レシピに基づき、前記第1のアイテムから第2のアイテムを作成するゲーム処理を実行するゲーム実行部と、
前記第1のアイテムから前記第2のアイテムを作成するための第1条件を満たす前記第1のアイテムをプレイヤが選択して複数の前記表示部品のうち第1の表示部品に投入する操作に応じて、前記第1の表示部品に投入された前記第1のアイテムが第2条件を満たすか否かを判定する判定部と、
判定の結果に応じて、前記記憶部に記憶した前記隣接する前記表示部品との接続情報に基づき前記第1の表示部品に接続される第2の表示部品であり、前記第2条件を満たす前記第2の表示部品に前記第1のアイテムを投入可能とするゲーム処理を提供する提供部と、
を有する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲームプログラム、ゲーム処理方法及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤがキャラクタを操作することで、キャラクタを通じて擬似的な冒険を体験しながらストーリーを展開していくRPGゲームが知られている。特許文献1は、プレイヤが操作するキャラクタが次に行うプレイの順序を、プレイヤが容易に把握でき、複数のキャラクタの特徴に応じて戦略的に行動させることができるゲームを提供する。
【0003】
また、RPGゲームやバトルゲームに使用する武器等のアイテムを、手順が示されたレシピに従い材料アイテムを使用して作成するゲームが知られている。このゲームでは、プレイヤは、レシピリストから使用するレシピを選択し、所持している材料アイテムから選択した材料アイテムを使用して、レシピに基づき新しいアイテムを作成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-82744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記ゲームでは、ゲームの提供者側が定めたレシピに基づき新しいアイテムを作成するので興趣性に乏しく、プレイヤが新しいアイテムを作成するときに使用するアイテムを、より自由に選択できるゲームシステムが望まれていた。
【0006】
そこで、一側面では、第1のアイテムを使用して第2のアイテムを作成する際に、一の表示部品を利用して第1のアイテムを使用することで他の表示部品を利用して第1のアイテムを使用可能にするゲームを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一側面では、レシピに基づき第1のアイテムを使用して第2のアイテムを作成するゲーム処理をコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、前記第1のアイテムから前記第2のアイテムを作成するための第1条件を満たすアイテムを選択する処理と、第1の表示部品を利用して選択した前記アイテムを使用すると、使用した前記アイテムが第2条件を満たすか否かを判定する処理と、判定の結果に応じて前記第1の表示部品に接続される第2の表示部品を利用して前記第1のアイテムを使用可能とするゲーム処理を提供する処理と、を有するゲームプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
1つの側面では、第1のアイテムを使用して第2のアイテムを作成する際に、一の表示部品を利用して第1のアイテムを使用することで他の表示部品を利用して第1のアイテムを使用可能にするゲームを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示す図。
図2】一実施形態に係る所持アイテムテーブルを示す図。
図3】一実施形態に係るリンク情報テーブルを示す図。
図4】一実施形態に係るレシピ情報テーブルを示す図。
図5】一実施形態に係るリビルド情報テーブルを示す図。
図6】一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示す図。
図7】一実施形態に係る調合時のゲーム処理を示すフローチャート。
図8】一実施形態に係る材料選択画面の表示例。
図9】一実施形態に係るマスの接続条件の表示例。
図10】一実施形態に係るマスの表示画面例。
図11】一実施形態に係るマスの表示画面例。
図12】一実施形態に係るマスの表示画面例。
図13】一実施形態に係るマスの表示画面例。
図14】一実施形態に係る調合後アイテムの作成後の表示画面例。
図15】一実施形態に係るアイテムリビルドのゲーム処理を示すフローチャート。
図16】一実施形態に係るアイテムリビルド時の表示画面例。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0011】
本実施形態では、調合ゲームを実行する情報処理装置10を例に挙げる。調合ゲームとは、1又は複数の材料となるアイテムから他のアイテムを作成するゲームをいう。以下、1又は複数の材料となるアイテムを「材料アイテム」といい、1又は複数の材料アイテムから作成された他のアイテムを「調合後アイテム」という。情報処理装置10としては、ゲーム機器、携帯用ゲーム機器、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯端末、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯電話が挙げられる。情報処理装置10は、HMD(Head Mount Display)、FMD(Face Mount Display)、腕時計型コンピュータ等のウェアラブル表示デバイスであってもよい。
【0012】
[情報処理装置の機能構成]
本実施形態に係る情報処理装置10の機能構成の一例について、図1を参照しながら説明する。情報処理装置10は、受付部11、ゲーム実行部12、記憶部13、制御部14、グラフィック処理部16、サウンド処理部17、表示部18、音出力部19及び通信部20を有する。
【0013】
(受付部)
受付部11は、プレイヤのゲーム操作を受け付ける。例えば、受付部11は、プレイヤが操作するコントローラの操作キーや方向キーの操作を受け付ける。
【0014】
(ゲーム実行部/制御部)
ゲーム実行部12及び制御部14は、記憶部13に記憶されたゲームプログラムに従いゲーム処理を実行及び制御する。実行するゲームは、単独でプレイするゲームであってもよいし、ネットワークを介して他のプレイヤとプレイする通信ゲームであってもよい。ゲーム実行部12は、制御部14の制御に応じて、レシピに紐づけられた画面上のマスに材料アイテムを投入して調合後アイテムを作成するゲーム処理を実行する。なお、「画面上のマスに材料アイテムを投入する」とは、画面に表示された表示部品であるマスを利用して、プレイヤが所持する材料アイテムから選択したアイテムを使用することをいう。なお、材料アイテムは第1のアイテムの一例であり、調合後アイテムは、調合ゲームにおいてレシピに従い第1のアイテムを使用して作成する第2のアイテムの一例である。
【0015】
(記憶部)
記憶部13は、所持アイテムテーブル131、リンク情報テーブル132、レシピ情報テーブル133及びリビルド情報テーブル134を記憶する。
【0016】
(所持アイテムテーブル)
所持アイテムテーブル131の一例を図2に示す。所持アイテムテーブル131は、プレイヤが所持する材料アイテムの情報を記憶する。材料アイテムは、調合により作成されるアイテム(以下、「調合後アイテム」という。)の作成に使用するアイテム、すなわち、調合後アイテムを作成するための材料となるアイテムである。
【0017】
所持アイテムテーブル131は、材料アイテムを識別するアイテムID、アイテム名、通し番号、品質、属性が「火」の場合の属性値、属性が「水」の場合の属性値、属性が「土」の場合の属性値、及び属性が「雷」の場合の属性値を記憶する。アイテム名は、アイテムID毎の材料アイテムの名前である。通し番号は、アイテムIDが同じ複数の材料アイテムに昇順に付与された番号である。例えば、アイテムIDが「1」、アイテム名が「鉱石」の材料アイテムに対して「1」~「4」の通し番号が付与されている。同一のアイテムIDであっても通し番号「1」~「4」が付与された各アイテムIDの材料アイテムは、それぞれの品質及び属性を持つ。つまり、プレイヤは、同一アイテムIDで通し番号が異なる複数の材料アイテムを所持することができる。
【0018】
属性には、各アイテムIDの材料アイテムの属性値を示す。たとえば、アイテムIDが「1」及び通し番号が「1」であって属性が「火」、「水」、「土」、「雷」のそれぞれの属性値は「2」、「2」、「0」、「0」である。
【0019】
なお、各材料アイテムに付与された品質の数値及び各属性の属性値は、プレイヤが材料アイテムを取得したとき、又は、材料アイテムがゲーム内フィールドに発生したとき等に決定される。属性値は、乱数であってもよいし、その他の方法で付与された値であってもよい。
【0020】
(リンク情報テーブル)
次に、リンク情報テーブル132の一例を図3に示す。リンク情報テーブル132は、材料アイテムを投入してレシピに応じた調合を行うためのマスのリンク情報及び隣接するマスとの接続情報がレシピ毎に記憶されている。図3では、マスのリンク情報として、レシピ毎に紐付けられた階層構造を有するリンク情報1~4が記憶される。本実施形態では、マスは6角形であり(図10参照)、一のマスの6つの角のうちのいずれかの角と他のマスのいずれかの角とが接続される。かかる接続により、複数のマスが分岐して接続され得る。
【0021】
例えば、レシピR1では、リンク情報1に示すマスNo.「M1」のマスは、リンク情報2に示すマスNo.「M2」及びマスNo.「M7」のマスに分岐して接続される。マスNo.「M2」のマスは、更にリンク情報3に示すマスNo.「M3」及びマスNo.「M4」のマスに分岐して接続される。マスNo.「M3」のマスは、更にリンク情報4に示すマスNo.「M6」のマスに接続され、マスNo.「M4」のマスは、更にリンク情報4に示すマスNo.「M5」のマスに接続される。マスNo.「M7」のマスは、更にリンク情報3に示すマスNo.「M8」及びマスNo.「M9」のマスに分岐して接続される。
【0022】
この結果、図10に一例を示すように、9つのマスM1~M9が、リンク情報テーブル132に記憶されたリンク情報1~4に基づき接続された状態で画面上に表示される。マスM1~M9は、最大6方向に繋がることができる。なお、本実施形態では、最大3方向に繋がるようにリンク情報テーブル132に設定されている。かかるマスM1~M9は、画面上の表示部品の一例であり、形状は3角形であってもよいし、4角形であってもよいし、5角形以上の多角形であってもよい。リンク情報テーブル132に記憶されたレシピ毎のリンク情報は予め設定されており、各マスの配置及び隣接マスとの接続(リンク)を定める。
【0023】
接続条件は、マスNo.で識別されるマスと隣接マスとを接続させる条件を示す。つまり、接続条件とは、隣接するマスが閉じた状態から開いた状態にするためにマスに投入する材料アイテムの条件であり、隣接マスを開状態にすることで、隣接マスを利用した材料アイテムの投入が可能になる。図3では、レシピ「R1」のM1~M9の全マスに対して隣接マス間の接続条件が設定されている。例えば、マス「M1」と隣接マス「M2」との接続条件「C12」が設定され、マス「M1」と隣接マス「M7」との接続条件「C17」が設定されている。また、マス「M2」と隣接マス「M3」との接続条件「C23」が設定され、マス「M2」と隣接マス「M4」との接続条件「C24」が設定されている。また、マス「M7」と隣接マス「M8」との接続条件「C78」が設定され、マス「M7」と隣接マス「M9」との接続条件「C79」が設定されている。さらに、マス「M3」と隣接マス「M6」との接続条件「C36」が設定され、マス「M4」と隣接マス「M5」との接続条件「C45」が設定されている。各接続条件は、他の何れかの接続条件と同一の接続条件を設定してもよいし、マス毎に異なる接続条件を設定してもよい。
【0024】
隣接マス毎の接続条件として、材料アイテムの個数を設定してもよい。この場合、開いているマスに設定された個数以上の材料アイテムを入れると、そのマスに接続されている隣接マスが開き、開いた隣接マスに材料アイテムを入れることができるようになる。隣接マス毎の接続条件は、マスに投入する材料アイテムの属性(火、水、風、土)及び属性値(1以上の整数)の少なくともいずれかを含んでもよい。この場合、接続条件に基づき、マスに入れた材料アイテムの属性及び属性値によって、接続条件の異なる隣接マスのうちどの隣接マスが開くかが変わる。例えば、マスに複数の材料アイテムを投入していくと、投入した材料アイテムの属性に応じて、材料アイテムの属性の属性値が加算される。所定の属性の属性値の合計が所定値以上になると接続条件を満たし、そのマスに接続された隣接マスが開き、隣接マスが使えるようになる。接続条件に設定された特定の属性と属性値の材料アイテムを入れないと隣接マスを開くことができず、その隣接マスは調合に使えないことになる。
【0025】
(レシピ情報テーブル)
次に、レシピ情報テーブル133の一例を図4に示す。レシピ情報テーブル133は、レシピNo.で識別されるレシピ毎の調合ゲームに関する情報と接続条件とが記憶されている。具体的には、レシピ情報テーブル133は、レシピNo.、投入回数、マス毎の開閉状態、投入条件、レシピ移行特典の各情報を記憶する。図4のレシピ情報テーブル133は、レシピNo.で識別されるレシピ毎に調合後アイテムを作成する手順が設定され、例えば「投入条件」は、調合後アイテムを作成するために材料アイテムを各マスへ投入するための条件を示す。図4では、レシピ「R1」のM1~M9の全マスに同一の投入条件「E10」が設定されているが、これに限られず、マス毎に異なる投入条件を設定してもよい。
【0026】
各マスへの投入条件としては、例えば、「アイテム名」、「品質」及び「属性」の少なくともいずれかを含んでもよい。マスに、所定のアイテム名、所定の品質及び/又は所定の属性の材料アイテムを投入すると、レシピに設定された手順に従い調合が行われ、調合後アイテムが作成される。レシピ「R1」に必要な材料アイテムのうち、プレイヤが所持する材料アイテムが表示される。プレイヤは、所持する材料アイテムの表示から「M1」のマスに投入する材料アイテムを選択し、投入操作を行う。プレイヤが材料アイテムの投入操作を1又は複数回行い、投入条件が満足されると、レシピに設定された調合後アイテムが作成され、プレイヤはその調合後アイテムを所有できる。材料アイテムの投入回数はレシピによって異なり、キャラクタのレベルが上がると多く投入できるようになる場合がある。
【0027】
例えば、あるレシピでは調合後アイテムが「アップルパイ」であり、3つのマス「M1」、「M2」、「M3」が接続されているとする。このレシピでは、第1の表示部品の一例であるマス「M1」には材料アイテム「リンゴ」が投入条件に設定され、第2の表示部品の一例であるマス「M2」には材料アイテム「小麦粉」が設定され、第3の表示部品の一例であるマス「M3」には、材料アイテム「はちみつ」が設定されていたとする。各マスに投入条件を満たした材料アイテムを投入し、終了操作を受け付けると、調合後アイテムである「アップルパイ」が完成する。
【0028】
マスNo.で識別される各マスに属性がある場合、プレイヤが選択した材料アイテムをマスに投入したときに、投入した材料アイテムの属性及び属性値によって作成する調合後アイテムがレベルアップし、調合ゲームの効果を高めたり、品質を上昇させたりする効果を持つ。
【0029】
投入回数は、レシピ毎に設定され、プレイヤが所持する材料アイテムをレシピに定められた全マスに投入できる個数の上限値を示す。例えば、図4では、レシピ「R1」に定められたマスNo.「M1」~「M9」のマスに10回まで投入できる。
【0030】
開閉は、各マスが開いているか、閉じているかを示す。マスが開いているときには、材料アイテムをそのマスに投入することができる。一方、マスが閉じているときには、材料アイテムをそのマスに投入することはできない。ゲーム開始時には、図10に一例を示すように何のマークも表示されていない「M1」のマスのみが開いている。「M1」のマスに材料アイテムを投入し、投入した材料アイテムによって「M1」のマスの隣接マスのうち、例えば「M2」の隣接マスの接続条件が満たされると、隣接マス「M2」が開き、開いた「M2」のマスにも材料アイテムを入れることができるようになる。
【0031】
図10の例では、「M3」~「M9」のマスには鍵マークが表示され、これらのマスは閉じているため、これらのマスに材料アイテムを投入することはできない。「M1」又は「M2」の開いているマスに接続条件を満たす一定以上の材料アイテムを入れると、「M1」又は「M2」に隣接するマスが開き、開いたマスに材料アイテムを入れることができるようになる。
【0032】
レシピ情報テーブル133に記憶されたレシピに「レシピ移行特典」が設定されている場合、レシピ発想のマスに対して予め定められた特定の材料アイテムを投入すると、レシピが変化し、完成する調合後アイテム自体が変化する。例えば、調合後アイテムとしてハンバーグを作成するレシピであって、レシピ情報テーブル133の特定のマスの一例としてマス「M6」に「レシピ移行特典」が設定されている場合を挙げて説明する。図10に示すように、初期時に開状態のマス「M1」から一番遠いマス「M6」にハンバーグカレーのレシピ「R2」に移行するレシピ移行特典が設定されている場合、マス「M6」に所定の材料アイテムを投入した場合、或いは、マス「M6」に材料アイテムを投入しなくてもマス「M6」を開状態にした場合にレシピ「R2」のマス「M1」に遷移する。これにより、調合後アイテムとしてハンバーグではなくハンバーグカレーが作成されるような意外性のあるゲームが実行される。
【0033】
(リビルド情報テーブル)
次に、リビルド情報テーブル134の一例を図5に示す。リビルド情報テーブル134は、調合後アイテム、投入条件、リビルド(調合後アイテムの強化)後の効果の各情報を記憶する。プレイヤは、調合後アイテムを作成後、リビルド情報テーブル134に基づきその調合後アイテムを強化することができる。
【0034】
リビルド情報テーブル134の調合後アイテムは、強化対象の調合後アイテムを示す。投入条件は、調合後アイテムが作成されたマスに、調合後に更に投入する材料アイテムの条件を設定する。リビルド後の効果は、調合後アイテムが作成されたマスに更に投入した材料アイテムの投入結果として得られた調合後アイテムの強化内容を示す。例えば、マスNo.「M1」に、投入条件「E1」を満たす材料アイテムを投入すると、材料アイテムの属性の属性値によって異なる効果が得られる。例えば、属性「水」の属性値が「3」の材料アイテムを投入した場合、強化された調合後アイテムの効果として、「水ダメージ 小」の効果が得られる。属性「水」の属性値が「7」の材料アイテムを投入した場合、強化された調合後アイテムの効果として、「水ダメージ 中」の効果が得られる。属性「水」の属性値が「12」の材料アイテムを投入した場合、強化された調合後アイテムの効果として、「水ダメージ 大」の効果が得られる。
【0035】
(選択部/判定部/提供部)
図1に戻り、制御部14は、選択部4、判定部5及び提供部6を有する。選択部4は、調合後アイテムを作成する第1条件を満たす材料アイテムを選択する。材料アイテムの投入条件は、第1条件の一例である。
【0036】
判定部5は、選択した材料アイテムを開いているマスのいずれかに投入して調合後アイテムの作成に使用すると、投入した材料アイテムが第2条件を満たすか否かを判定する。接続条件は、第2条件の一例である。
【0037】
提供部6は、判定の結果に応じて材料アイテムが投入されたマスに接続される他のマスを開き、材料のアイテムを投入可能とするゲーム処理を提供する。
【0038】
表示部18は、複数のマスを配置及び接続して表示する。各マスは、ゲーム画面上に表示される表示部品の一例であり、各マスはリンク情報テーブル132に定義されたリンク情報に基づき接続されている。
【0039】
グラフィック処理部16は、表示部18に接続され、ゲーム実行部12及び制御部14から描画命令が出力されると、表示部18にビデオ信号を出力する。これにより、表示部18は、ゲームの進行に合わせてゲームの画像を表示する。
【0040】
サウンド処理部17は、音出力部19に接続され、ゲーム実行部12及び制御部14からサウンド出力の指示命令が出力されると、音出力部19にサウンド信号を出力する。これにより、音出力部19は、ゲームの進行に応じた音声及びサウンドを出力する。
【0041】
通信部20は、サーバや他のプレイヤの端末装置と通信を行う。例えば、所持アイテムテーブル131、リンク情報テーブル132、レシピ情報テーブル133及びリビルド情報テーブル134の少なくともいずれかがクラウド上の記憶装置に記憶されている場合がある。この場合、通信部20は、クラウド上の記憶装置から必要な情報を受信する。
【0042】
なお、図1は機能に着目したブロック図を描いており、これらの機能ブロックで示した各部は、下記ハードウェアによって実現できる。
【0043】
[情報処理装置のハードウェア構成]
次に、本実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成の一例について、図6を参照しながら説明する。本実施形態に係る情報処理装置10は、CPU21、ROM22、RAM23及びHDD24を有している。また、情報処理装置10は、グラフィックカード25、外部I/F26、通信I/F27、入力I/F28、ディスプレイ29及びスピーカ30を有している。各部はバスで相互に接続されている。
【0044】
ROM22は、電源を切っても内部データを保持することができる不揮発性の半導体メモリである。RAM23は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリである。ROM22及びRAM23には、ゲームプログラム及び各種のデータが記憶される。
【0045】
HDD24は、不揮発性の記憶装置である。HDD24には、基本処理プログラム、ゲームプログラム、各種のデータ、所持アイテムテーブル131、リンク情報テーブル132、レシピ情報テーブル133及びリビルド情報テーブル134が格納されてもよい。CPU21は、例えばHDD24から基本処理プログラム、ゲームプログラム及び各種のデータを読み出し、RAM23に読み込む。
【0046】
CPU21は、基本処理プログラム、ゲームプログラムに基づき各種の処理を実行することで、情報処理装置10の全体の制御や調合ゲームに関する処理を実行する。
【0047】
外部I/F26は、情報処理装置10を外部装置に接続するインターフェースである。外部装置には、記録媒体26aなどがある。これにより、情報処理装置10は、外部I/F26を介して記録媒体26aの読み取り及び書き込みを行うことができる。記録媒体26aとしては、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、SDメモリカード(SD Memory card)又はUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)が挙げられる。
【0048】
例えば、情報処理装置10には、ゲームプログラム等が格納された記録媒体26aを装着することが可能である。この場合にも、CPU21は、ゲームプログラム等を、外部I/F26に読み出し、RAM23に読み込み、ゲームプログラムに基づき調合ゲームを含む処理を実行する。
【0049】
CPU21は、ゲームプログラムを実行する際、グラフィックカード25に調合ゲームの進行に応じた画像の出力を指示する。グラフィックカード25は、CPU21からの指示に従い画面に表示するゲームの画像処理を行い、ゲーム画像をディスプレイ29に出力する。グラフィックカード25は、フレーム単位で1枚の画像の描画を実行し、一秒間に30回~60回のフレームの画像を描画する。また、CPU21は、スピーカ30に調合ゲームの進行に応じた音の出力を指示する。スピーカ30は、CPU21からの指示に応じた音、例えば、キャラクタの音声、効果音、ナレーション等の音を出力する。
【0050】
通信I/F27は、情報処理装置10をネットワークに接続させるためのインターフェースである。通信I/F27は、アンテナを有する通信ユニットを介して所定のデータを保持するサーバ及び他のプレイヤの端末装置と通信を行う。
【0051】
入力I/F28は、コントローラ40等の入力機器に接続するインターフェースである。コントローラ40は、操作ボタン及び方向キーを有する。プレイヤは、コントローラ40を用いてゲーム操作を行う。例えば、プレイヤは、操作ボタンを操作することでプレイヤキャラクタに所定の動作を行わせる。また、プレイヤは、方向キーを操作することでプレイヤキャラクタを所定の方向に移動させることができる。入力I/F28は、プレイヤがコントローラ40を用いて行った入力操作に基づく入力情報をRAM23に格納させる。また、プレイヤが、コントローラ40を操作してゲームの開始を指示したとき、入力I/F28が、その指示情報を入力することによりゲーム処理が開始される。画面へのタッチ操作に応じた入力を可能とするタッチパネルを情報処理装置10に搭載してもよい。
【0052】
CPU21が、RAM23に格納されたゲームプログラム及びデータに基づき、調合ゲームにおける各種の演算処理を実行する。そうすると、所定のタイミングに入力I/F28はCPU21からの指示に従いRAM23に記憶したゲームのデータをメモリカード28aに保存させる。また、入力I/F28は、調合ゲームを再開する際、メモリカード28aに保存した調合ゲームのデータを読み出してRAM23に転送し、RAM23に記憶させる。
【0053】
なお、図1の受付部11の機能は、例えば入力I/F28又はタッチパネルにより実現される。記憶部13の機能は、ROM22、RAM23、HDD24又はネットワークを介して情報処理装置10に接続されるクラウド上のサーバ等により実現される。
【0054】
ゲーム実行部12及び制御部14(選択部4、判定部5及び提供部6)の機能は、例えば、ゲームプログラムがCPU21に実行させることによりグラフィック処理が実現される。
【0055】
グラフィック処理部16の機能は、例えばグラフィックカード25により実現される。表示部18の機能は、例えばディスプレイ29により実現される。サウンド処理部17及び音出力部19の機能は、例えばスピーカ30により実現される。通信部20の機能は、例えば通信I/F27により実現される。
【0056】
[ゲーム処理]
次に、本実施形態に係る材料アイテムから調合後アイテムを作成するゲーム処理の一例について図7図13を参照して説明する。図7は、一実施形態に係る調合時のゲーム処理を示すフローチャートである。図8は、一実施形態に係る材料選択画面の表示例である。図9は、一実施形態に係るマスの接続条件の表示例である。図10図13は、一実施形態に係るマスの表示画面例である。
【0057】
本実施形態に係るゲーム処理は、レシピ情報テーブル133に記憶するレシピ毎に紐づけられた調合手順に従い、一又は複数の材料アイテムを使用して新たなアイテムである調合後アイテムを作成する調合ゲームの処理を含む。
【0058】
本処理が開始されると、選択部4は、プレイヤが所持する材料アイテムの中から、開いているマスの投入条件を満たす1又は複数の材料アイテムを選択し、選択した材料アイテムを開いているマスに投入する(ステップS11)。図8の材料選択画面の一例を参照すると、Aには、プレイヤが選択可能な、プレイヤが所持している材料アイテムがリストアップされている。Bに示すマス「M1」は、3方向に配置された他のマス(隣接マス)に接続されている。マス「M1」は、ゲーム開始時に開いている唯一のマスであって、ゲーム開始時点で材料アイテムの投入が可能な唯一のマスである。マス「M1」及びこのマスにリンクされた他のマスは画面上に表示された表示部品の一例である。
【0059】
Cには、Aの欄にてカーソルで選択している材料アイテムの詳細が表示されている。Dには、開いているマス全体に投入できる回数が示されている。Eには、作成しようとしている調合後アイテムの情報が表示される。図8の例では、プレイヤの操作によりAから選択された材料アイテムが、マス「M1」に投入される。
【0060】
次に、図7において、判定部5は、投入した材料アイテムが隣接マスの接続条件を満たすか否かを判定する(ステップS12)。判定部5は、レシピ情報テーブル133に設定した接続条件に基づき、隣接マスの接続条件を満たしていないと判定すると、ステップS15に進む。一方、判定部5は、いずれかの隣接マスの接続条件を満たしていると判定すると、その隣接マスを開けて接続する(ステップS13)。表示部18は、隣接マスの鍵マークの表示を削除し、隣接マスが開いている表示に変更する(ステップS14)。
【0061】
図9に接続条件の表示例を示す。図9の例では、「M15」のマスに隣接する左斜め上のマス「M17」を開ける接続条件は、属性が火及び属性値が2であることが表示されている(図9のF)。つまり、「M15」のマスに属性が火であって、属性値の合計が2以上になるように1又は複数の材料アイテムを投入すると、「M17」のマスを開けることができる。また、「M15」のマスに隣接する右斜め上のマスを開ける接続条件は、属性が水及び属性値が2であることが表示されている(図9のG)。つまり、「M15」のマスに属性が水であって、属性値の合計が2以上になるように1又は複数の材料アイテムを投入すると、「M16」のマスを開けることができる。なお、接続条件を満たすことができずに隣接マスを開けられなかったルートは、後述するアイテムリビルドのゲーム処理時に開くことができない。
【0062】
次に、図7のステップS15において、判定部5は、全マスの投入回数の上限値に達したかを判定する。判定部5は、全マスの投入回数の上限値に達していないと判定した場合、本ゲームを終了するかを判定する(ステップS19)。プレイヤが本ゲームを終了する操作を行った等、本ゲームを終了すると判定した場合、本処理を終了する。一方、プレイヤが本ゲームを終了する操作を行っていない等、本ゲームを終了しないと判定した場合、ステップS11に戻り、再びステップS11以降の処理を行う。
【0063】
ステップS15において、判定部5は、全マスの投入回数の上限値に達したと判定した場合、提供部6は、調合終了を受け付け(ステップS16)、レシピ情報テーブル133に記憶したレシピに応じた調合後アイテムを作成し、プレイヤに提供する(ステップS17)。表示部18は、作成した調合後アイテムをプレイヤの処理するアイテムの一つとして表示し(ステップS18)、本処理を終了する。
【0064】
以上に説明した、本実施形態に係る調合後アイテムを作成するゲーム処理では、リンク情報テーブル132に設定されたマスのリンク情報に基づき、図10に一例を示すように、画面に調合ゲームを行うためのマスが表示される。本処理の開始時、唯一空いているマス「M1」に材料アイテムを入れる。図10の例では、マス「M1」に投入した1又は複数の材料アイテムによってマス「M2」への接続条件が満たされ、マス「M2」が開いた状態になっている。この状態では、マス「M1」及びマス「M2」において材料アイテムを投入して調合ゲームを進行させることができる。一方、その他のマス「M3」~「M9」には鍵マークが示され、この時点ではこれらのマスは開いておらず、材料アイテムを投入することはできない。
【0065】
マスに投入可能な材料アイテムは、レシピの投入条件に従い変わる場合がある。例えば、マス「M1」の投入条件に「品質が30以上」と設定されている場合、図2の所持アイテムテーブル131に記憶した材料アイテムのうち、アイテム名「鉱石」の通し番号「1」又は「2」の材料アイテムは投入条件を満たさないためマス「M1」に投入できず、通し番号「3」又は「4」の材料アイテムは投入条件を満たすため投入できる。また、マスに投入した材料アイテムの属性によって、そのマスの隣接マスのうち、どのマスが開かれるかが変わる場合がある。つまり、接続条件に応じて、一部のマスは、特定の属性(火、水、風、土)の材料アイテムを指定された属性値(整数)を超えるまで投入することで開くことができる。
【0066】
この結果、図10の画面表示例では、プレイヤがマス「M1」に材料アイテムを投入することで、隣接マス「M2」が開いた状態が示されている。これは、マス「M1」に材料アイテムを投入した結果、隣接マス「M2」への接続条件を満たし、隣接マス「M7」への接続条件を満たしていないために、隣接マス「M2」は開いたが、隣接マス「M7」は閉じたままであることを示す。
【0067】
図7のステップS11以降の処理を再度行うことで調合ゲームが実行された時点での、図11の画面表示例では、プレイヤがマス「M2」に材料アイテムを投入することで、隣接マス「M3」が開いた状態が示されている。これは、マス「M2」に材料アイテムを投入した結果、隣接マス「M3」への接続条件を満たし、隣接マス「M4」への接続条件を満たしていないために、隣接マス「M3」は開いたが、隣接マス「M4」は閉じたままであることを示す。
【0068】
更に調合ゲームが進んだ図12の画面表示例では、プレイヤが更にマス「M2」に材料アイテムを投入することで、隣接マス「M4」が開いた状態が示されている。これは、更にマス「M2」に材料アイテムを投入した結果、隣接マス「M4」への接続条件を満たしたために、隣接マス「M4」が開いたことを示す。
【0069】
更に調合ゲームが進んだ図13の画面表示例では、プレイヤがマス「M3」に材料アイテムを投入することで、隣接マス「M6」が開いた状態が示されている。これは、マス「M3」に材料アイテムを投入した結果、隣接マス「M6」への接続条件を満たしたために、隣接マス「M6」が開いたことを示す。
【0070】
この状態で、図7のステップS15、S16にて全マスの投入回数の上限値に達し、受付部11が調合終了を受け付けると、接続条件を満たせなかったルートのマスは、次に説明するアイテムリビルドにおいて使用することができなくなる。例えば、図13の画面表示例では、マス「M5」、「M7」~「M9」は、開いておらずアイテムリビルドにおいて使用することができない。一方、マス「M1」~「M4」、「M6」は、開いているためアイテムリビルドにおいて使用することができる。
【0071】
[アイテムリビルド]
次に、一実施形態に係るアイテムリビルドのゲーム処理の一例について図14図16を参照して説明する。図14は、一実施形態に係る調合後アイテムの作成後の表示画面例である。図15は、一実施形態に係るアイテムリビルドのゲーム処理を示すフローチャートである。図16は、一実施形態に係るアイテムリビルド時の表示画面例である。
【0072】
アイテムリビルドとは、調合後アイテムの作成後に更に材料アイテムを追加していくことで調合後アイテムを強化できるゲーム処理である。作成した調合後アイテムは、例えばプレイヤキャラクタが持つMP(Magic Point)を消費してバトルゲームにおいて使用することができ、原則バトルゲームで何度でも使用できる。このため、調合後アイテムは、売却したり、材料アイテムとして他のアイテムの調合に使用したりしない限りなくならない。
【0073】
したがって、アイテムリビルドの実行により、調合後アイテムの効果を強化したり、異なる調合後アイテムを作成すると、バトルゲームにおいてより有利な戦略で戦うことができる。このようにしてアイテムを強化すると、調合後アイテムのレベルが上がるため、調合後アイテムを使用する予定のキャラクタレベルとのバランスを取りながら強化を行うことができる。
【0074】
アイテムリビルドによる調合後アイテムの強化は、調合後アイテムの作成時に開かれたマスにさらに材料アイテムを入れることにより行う。アイテムリビルドによって、調合後アイテムを前の調合時には得られなかった効果にレベルアップさせることができる。
【0075】
例えば、調合後アイテムの作成後であってアイテムリビルドのゲーム処理前のマスの状態が、図14に示すように、マス「M2」のみが開かれた状態の場合について説明する。この場合、アイテムリビルドによる調合後アイテムの強化は、調合後アイテム作成中に開かれたマス「M2」にさらに材料アイテムを入れることにより行う。ただし、ここでは、マス「M2」のみが開いている状態を例に挙げて説明するが、これに限られない。
【0076】
図15に示す一実施形態に係るアイテムリビルドのゲーム処理が開始されると、判定部5は、調合後アイテムを作成した後であるかを判定する(ステップS21)。判定部5は、調合後アイテムの作成前であると判定すると、本処理を終了する。一方、判定部5は、調合後アイテムの作成後であると判定すると、マスが開いているかを判定する(ステップS22)。判定部5は、開いているマスがないと判定すると、本処理を終了する。一方、判定部5は、開いているマスがあると判定すると、開いているマスのいずれかに選択した材料アイテムを投入する(ステップS23)。次に、提供部6は、材料アイテムを投入したマスで調合された調合後アイテムのレベルを上げる(ステップS24)。その後、本処理を終了する。
【0077】
図14の例では、マス「M2」にて調合された調合後アイテムの効果が、画面の右下のE欄に表示されている。よって、アイテムリビルドによって、マス「M2」にて調合された調合後アイテムの強化が図られると、この効果の表示が変更される。
【0078】
例えば、図16にアイテムリビルド時のE欄の表示画面例を示す。まず、図16(a)に示す調合後アイテムを作成したマス「M2」に材料アイテムを一つ追加投入することにより、調合後アイテムの効果として「水ダメージ・小」が発生したとする。
【0079】
アイテムリビルドでは、マス「M2」に更に水の材料アイテムを2つ追加投入することで、マス「M2」にて作成した調合後アイテムの効果を「水ダメージ・中」に強化され、調合後アイテムの強化が図られる。
【0080】
以上に説明したように、本実施形態に係る調合時のゲーム処理によれば、材料アイテムを使用して調合後アイテムを作成する際に、材料アイテムの各マスへの投入によって隣接マスを開くことにより一の調合後アイテムの作成を可能にするゲームを提供することができる。
【0081】
また、本実施形態に係るアイテムリビルドのゲーム処理によれば、調合後アイテムの作成後、調合時に開かれたマスに更に材料アイテムを投入することで、調合後アイテムの強化を図ることができる。
【0082】
これにより、材料アイテムを使用して調合後アイテムを作成する際にゲームが単調になることを回避し、調合後アイテムの効果の意外性を高め、調合ゲームの趣向性を高めることができる。
【0083】
以上、ゲームプログラム、ゲーム処理方法及び情報処理装置を上記実施形態により説明したが、本開示に係るゲームプログラム、ゲーム処理方法及び情報処理装置は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。また、上記実施形態及び変形例が複数存在する場合、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0084】
4 選択部
5 判定部
6 提供部
10 情報処理装置
11 受付部
12 ゲーム実行部
13 記憶部
14 制御部
16 グラフィック処理部
17 サウンド処理部
18 表示部
19 音出力部
20 通信部
131 所持アイテムテーブル
132 リンク情報テーブル
133 レシピ情報テーブル
134 リビルド情報テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16