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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】液体計量具
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/20 20060101AFI20231130BHJP
   B65D 47/12 20060101ALI20231130BHJP
   B65D 33/02 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
B65D47/20 210
B65D47/20
B65D47/12
B65D33/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019177765
(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公開番号】P2021054448
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】390020019
【氏名又は名称】レック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(72)【発明者】
【氏名】近藤 伴
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-148321(JP,A)
【文献】特開2014-166859(JP,A)
【文献】特開2015-202872(JP,A)
【文献】特開2018-140800(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/20
B65D 47/12
B65D 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外筒と内筒との二重筒構造とされた本体部と、前記外筒の上端に取り付け可能な蓋部とから成り、液体を収容した袋状容器に取り付けて所定量の前記液体を排出する液体計量具であって、
前記外筒と前記内筒との間の間隙には、前記液体を貯留する液溜部を有し、
前記内筒の下端には斜め状の第1の斜面部を有し、
該第1の斜面部に対して直交する方向に向け前記内筒の取付口に嵌め込まれる注入ユニットを設け、
前記内筒の上端には前記内筒を開閉する開閉弁が設けられ、
前記外筒の上部は前記液体の排出口とされ、
前記蓋部には、前記排出口に嵌合する覆部が設けられると共に、前記開閉弁を押して開放する棒体が設けられており、
前記液溜部は、前記注入ユニットより下方に至るように形成されており、
前記外筒の下端は第2の斜面部によって封止されており、
前記第2の斜面部には、上下方向に沿って溝部が形成されており、
該溝部の底面と、前記注入ユニットの前記直交する方向に沿う斜め下方向の端面とは、側方から見た際に略直線上に配置されていることを特徴とする液体計量具。
【請求項2】
前記注入ユニットの注入口に、前記袋状容器の上方の斜め方向の斜辺に設けた筒状の注出部を嵌合した際に、前記斜辺と、前記底面及び前記端面が配置された直線とは、略平行となることを特徴とする請求項1に記載の液体計量具。
【請求項3】
前記本体部から前記蓋部を取り外し、前記袋状容器を傾けて前記液溜部に貯留された所定量の前記液体を外部に排出する際は、前記開閉弁により前記内筒は閉止されることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体計量具。
【請求項4】
前記袋状容器の形状を補強する補助具を備えることを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の液体計量具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液体洗剤を入れたパウチ袋の注出部に取り付けて使用する液体計量具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、洗剤容器本体内の液体洗剤を計量可能な計量キャップを容器本体開口部に配置した計量機能付容器が開示されている。
【0003】
特許文献2には、詰め替え用の液体洗剤を充填し、斜め方向に開口部を有するパウチ袋が開示しており、特許文献1の容器内の液体洗剤がなくなった場合に、特許文献2のパウチ袋の開口部を下にして、特許文献1の本体開口部に挿入して容器内に液体洗剤を補充することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-191190号公報
【文献】特開2018-39545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし上述の特許文献では、パウチ袋に充填された液体洗剤を洗剤容器に移す作業において、液体洗剤が洗剤容器から溢れ出ることがあり、かつ時間を要するという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、例えば液体洗剤を充填した詰め替え用のパウチ袋の筒状の注出部に直接取り付けが可能であって、パウチ袋から所定量の液体洗剤を簡便に受け入れできる液体計量具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る液体計量具は、外筒と内筒との二重筒構造とされた本体部と、前記外筒の上端に取り付け可能な蓋部とから成り、液体を収容した袋状容器に取り付けて所定量の前記液体を排出する液体計量具であって、前記外筒と前記内筒との間の間隙には、前記液体を貯留する液溜部を有し、前記内筒の下端には斜め状の第1の斜面部を有し、該第1の斜面部に対して直交する方向に向け前記内筒の取付口に嵌め込まれる注入ユニットを設け、前記内筒の上端には前記内筒を開閉する開閉弁が設けられ、前記外筒の上部は前記液体の排出口とされ、前記蓋部には、前記排出口に嵌合する覆部が設けられると共に、前記開閉弁を押して開放する棒体が設けられており、前記液溜部は、前記注入ユニットより下方に至るように形成されており、前記外筒の下端は第2の斜面部によって封止されており、前記第2の斜面部には、上下方向に沿って溝部が形成されており、該溝部の底面と、前記注入ユニットの前記直交する方向に沿う斜め下方向の端面とは、側方から見た際に略直線上に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る液体計量具によれば、斜め方向に注出部を有する詰め替え用のパウチ袋に常時取り付けておくことができ、所定量に計量した液体洗剤等を外部に排出させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】上方から見た液体計量具の分解斜視図である。
図2】下方から見た分解斜視図である。
図3】液体計量具の断面図である。
図4】液体計量具とパウチ袋との関係の説明図である。
図5】液体計量具をパウチ袋に取り付けた状態の側面図である。
図6】パウチ袋に取り付けた状態の液体計量具の断面図である。
図7】液体計量具内にパウチ袋から洗剤を注入する状態の説明図である。
図8】洗剤を液体計量具内に注入し、パウチ袋を元の姿勢に戻した状態の側面図である。
図9】洗剤を液体計量具から排出している状態の説明図である。
図10】実施例2の液体計量具の分解図である。
図11】補助具の斜視図である。
図12】補助具をパウチ袋に取り付けた状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は上方から見た液体計量具の分解斜視図、図2は下方から見た分解斜視図、図3は断面図である。
【0012】
液体計量具1は、計量した液体洗剤等を一時的に貯溜する円筒状の本体部2と、この本体部2の上端に開閉可能に配置される蓋部3とから構成されている。
【0013】
本体部2は、外筒2aと、内筒2bと、内筒2bの下部に嵌め込まれる注入ユニット4と、内筒2bの上部に嵌め込まれる弁ユニット5とから成り、外筒2aは上部に連結体2cが連結されている。
【0014】
外筒2a、内筒2bは合成樹脂材により二重筒構造に成型されており、内筒2bは外筒2aに対して偏心して配置されている。また、外筒2aは透明又は半透明とされ、その外面には内部に収容した液体洗剤の量を示す複数の目盛線2dが設けられている。外筒2a、内筒2bの下部は、それぞれ斜め状の斜面部2e、2fとされており、偏心した内筒2bと外筒2aとの間の間隙は、注入ユニット4よりも下方に至るように形成されている。そして、斜面部2eによって外筒2aの下部は封止されている。
【0015】
この外筒2aと内筒2bとの間の間隙は、例えば液体洗剤を貯留する液溜部2gとされている。なお、内筒2bは外筒2aに対して、図3に示す右側に偏心していることにより、外筒2aの左側の斜面部2eを下方に延在することによって、液溜部2gの容量が大きくされている。なお、斜面部2eの一部には、上下方向に沿って溝部2hが形成され、後述するパウチ袋の斜辺が入り込むようにされている。
【0016】
外筒2aには、その上部に連結体2cが例えばねじ込みにより連結され、外筒2aと一体として機能するようにされている。連結体2cは、外筒2aと同径で円筒状の基部2iと、この基部2iの上にこの基部2iよりも稍々小径で、円筒状の排出口2jが設けられている。なお、外筒2aと連結体2cとは分離せずに、一体に成型されていてもよい。内筒2bの上端は開口端2kとされ、開口端2kは外筒2aの排出口2jよりも低い位置とされている。
【0017】
蓋部3は合成樹脂材から成り、外筒2aの排出口2jに対し嵌合により開閉自在とされている。蓋部3は頂面3aを有し排出口2jの外側に嵌合する覆部3bと、頂面3aの裏面から下方に向けて設けた棒体3cとから構成されている。排出口2jの外周には、合成ゴム製のOリング2mが配設されており、嵌合した覆部3bとの間で液漏れが生じないようにされている。なお、蓋部3は外筒2aにヒンジ等で取り付けておき、必要に応じて開閉するようにしてもよい。
【0018】
注入ユニット4は柔軟な合成ゴムなどから成り、注入口4aを有している。注入ユニット4は内筒2bの下部の斜面部2fにおいて、注入口4aが斜面部2fに対して直交する方向に向けて、内筒2bの取付口2nに嵌め込まれており、注入口4aは内筒2b内に連通されている。注入口4aの入口周囲には、注入口4aをパウチ袋Pの注出部に接続した際に、その間で液漏れが生じないように、例えばシリコンゴムから成る柔軟な封止部材4bが埋め込まれている。なお、注入口4aは注入ユニット4を使用せずに、内筒2bの斜面部2fに直接、設けることもできる。
【0019】
弁ユニット5は合成樹脂材から成り、内筒2bの上端の開口端2k内に取り付けられる円筒部5aを有し、円筒部5a内に、円筒部5aつまり開口端2kを閉止するための可動の開閉弁5bが設けられている。
【0020】
この開閉弁5bは一端を円筒部5aの側壁に係止した薄肉の円板体であり、図1に示すように自重により開閉弁5bの他端側が下がった状態をしている。そして、円筒部5aを逆さまにすることで、上下に移動可能な開閉弁5bは自重により、円筒部5aを閉止する構造をしている。なお、この開閉弁5bは逆さまにすると閉止状態となる上下に移動可能な球状体等を適宜に採用してもよく、更に開閉弁5bを内筒2bの開口端2kに直接、設けるようにしてもよい。
【0021】
蓋部3は計量した例えば液体洗剤Lを外部に排出する場合以外では、常時、外筒2aに取り付けられていて、棒体3cは内筒2bの開口端2k内に挿入され、開閉弁5bを上方から押して開閉弁5bが開いた状態を維持している。
【0022】
図4に示すように、本実施例で使用する詰め替え用のパウチ袋Pは、内部に例えば液体洗剤Lを収納し、合成樹脂フィルムから成る袋状容器である。パウチ袋Pの上方の斜め方向の斜辺Paには、筒状の注出部Pbが設けられ、注出部Pbの先端に閉止用のキャップPcがねじ込まれている。
【0023】
液体計量具1をこのパウチ袋Pに取り付けるには、注出部PbからキャップPcを外し、次に図5図6に示すように、液体計量具1の注入口4aに注出部Pbを嵌入する。注入口4aの入口部には、封止部材4b等が配置されているので、注入口4aと注出部Pbの間は封止部材4bにより封止され、これらの間から液体洗剤Lが漏れ出ることはない。
【0024】
この状態で図7に示すように、パウチ袋P、液体計量具1の上下を逆にすると、パウチ袋P内の液体洗剤Lは、注出部Pb、注入口4aを介して液体計量具1内に流れ込む。液体洗剤Lは内筒2b内に注入され、開閉弁5bは棒体3cに押されて開いているので、内筒2bの開口端2kを通過して外筒2a内にも注入される。
【0025】
なお、図示は省略しているが、外筒2aの必要個所には空気抜きが設けられており、液体洗剤Lと空気が入れ換わるようになっている。外筒2aの表面には目盛線2dが設けられているので、必要量の液体洗剤Lが液溜部2gに注入されたことを確認できる。これらの目盛線2dは図5においては斜め状に配置されているが、図7の状態にすると目盛線2dが液体洗剤Lに対して水平状態を示すことになり、必要量の液体洗剤Lを正確に計量することが可能である。
【0026】
必要量の液体洗剤Lが液体計量具1に移されたことを目盛線2dを基に確認した後に、再びパウチ袋Pと液体計量具1の上下を、図5に示すように元に戻せば、液体洗剤Lの液体計量具1への注出が停止し、所定量の液体洗剤Lは外筒2aと内筒2bの間の液溜部2gに収容される。
【0027】
この状態から、図8に示すように本体部2から蓋部3を取り外す。次いで、図9に示すようにパウチ袋Pと共に本体部2を下方に傾ければ、液溜部2gに収容されていた液体洗剤Lが排出口2jから外部に排出される。このとき、蓋部3の棒体3cは引き抜かれて、逆さまになった開閉弁5bは、内筒2bの開口端2kを閉止することになるので、パウチ袋P内の液体洗剤Lが液溜部2g内に流入することはない。
【0028】
液体洗剤Lの本体部2からの排出が終了すれば、図5に示すように、パウチ袋Pと本体部2とを元の位置に戻し、蓋部3を元通りに排出口2jに嵌めておけばよい。この状態において、たとえパウチ袋Pが倒れても、覆部3bが排出口2jをOリング2mにより密封されているので、液体洗剤Lが外部に流れ出すことはない。
【実施例2】
【0029】
図10は実施例2の液体計量具1’の分解図であり、図11は補助具11の斜視図であり、図12は補助具11をパウチ袋Pに取り付けた状態の側面図である。
【0030】
実施例2の液体計量具1’は、実施例1の液体計量具1と、パウチ袋Pの形状を補強する補助具11とから構成されている。この補助具11はパウチ袋Pの辺部に取り付けて、パウチ袋Pの形状を補強して、液体計量具1’を安定して使用するためのものである。パウチ袋P内の液体洗剤Lの量が少なくなると、パウチ袋Pは型崩れし易くなるので、パウチ袋Pから液溜部2g内に液体洗剤Lを注出し難くなる。
【0031】
そこで、補助具11を図12に示すようにパウチ袋Pの注出部Pb、注出部Pbの下方の側辺Pd、下部Peに取り付けて、パウチ袋Pの辺部を補強して辺部が曲がらないように維持することで、パウチ袋Pが型崩れしないような役割を果たしている。
【0032】
合成樹脂材から成る棒体状の補助具11の先端部11aは、パウチ袋Pの注出部Pbを囲むように半円環状とされ、中央部11bに沿って添え部が設けられてパウチ袋Pの側辺Pdに押し当てるようにされ、下端部11cはパウチ袋Pの下部Peに係止するようにされている。
【0033】
パウチ袋Pの下部Peは、立体的に起立させるために内側に対して凹んだ形状をしており、この凹みに対して下端部11cの先端を図10に示すように引っ掛けるようにして係止させる。なお、この補助具11はパウチ袋Pに常時、取り付けておくことが好ましく、液体計量具1のパウチ袋Pへの取り付けに際して、邪魔にならないようにされている。
【0034】
そして、図12に示すように補助具11をパウチ袋Pに取り付けると、パウチ袋Pが折れ曲がることによる型崩れがし難くなり、液体洗剤Lの液体計量具1への注入も安定して行えることになる。また、パウチ袋P内の液体洗剤Lがなくなった場合は、パウチ袋Pから液体計量具1’を取り外し、新たなパウチ袋Pに交換して繰り返し使用することが可能である。
【0035】
なお、本明細書における上下方向、左右方向とは、図面に対しての説明であり、実際の液体計量具等が、その通りであるとは限らない。
【0036】
本発明に係る液体計量具1、1’によれば、斜め方向に注出部Pbを有する詰め替え用のパウチ袋Pに常時取り付けておくことができ、所定量に計量した液体洗剤等を外部に排出させることが可能である。
【符号の説明】
【0037】
1、1’ 液体計量具
2 本体部
2a 外筒
2b 内筒
2c 連結体
2e、2f 斜面部
2g 液溜部
2j 排出口
2k 開口端
3 蓋部
3b 覆部
3c 棒体
4 注入ユニット
4a 注入口
5 弁ユニット
5b 開閉弁
11 補助具
P パウチ袋
L 液体洗剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12