(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】医療用長尺体巻取装置
(51)【国際特許分類】
A61M 25/02 20060101AFI20231130BHJP
A61M 25/09 20060101ALI20231130BHJP
A61M 39/08 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
A61M25/02
A61M25/09
A61M39/08
(21)【出願番号】P 2019190455
(22)【出願日】2019-10-17
【審査請求日】2022-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141829
【氏名又は名称】山田 牧人
(74)【代理人】
【識別番号】100123663
【氏名又は名称】広川 浩司
(72)【発明者】
【氏名】丸山 尚子
(72)【発明者】
【氏名】福岡 徹也
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/155676(WO,A1)
【文献】実開昭56-068762(JP,U)
【文献】特開平05-254737(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00 - 25/18
A61M 39/08
B65H 54/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用長尺体を巻き取る医療用長尺体巻取装置であって、
基台と、
前記基台に対して回転可能であって前記医療用長尺体を巻き取る巻き取り部と、
前記巻き取り部を回転させる駆動部と、
前記巻き取り部の回転に応じて当該回転と異なる方向へ前記巻き取り部の位置を変化させて前記医療用長尺体を巻き取る位置を変更する位置変更部と、を有
し、
前記位置変更部は、前記駆動部による前記巻き取り部の第1の回転軸を中心とする回転に起因して、前記第1の回転軸と異なる第2の回転軸を中心として、前記巻き取り部を回転させる医療用長尺体巻取装置。
【請求項2】
前記巻き取り部は、外表面に溝または突起を有する請求項1に記載の医療用長尺体巻取装置。
【請求項3】
前記溝は、前記巻き取り部の外表面で交差する第1の溝および第2の溝を有し、前記第1の溝および第2の溝は、異なる深さを有する請求項2に記載の医療用長尺体巻取装置。
【請求項4】
前記巻き取り部は、隙間を挟んで並ぶ2つの部分構造部を有し、
前記駆動部は、前記2つの部分構造部の間の隙間を通る駆動軸と、前記駆動軸に連結されて前記駆動軸とともに回転可能な回転支持部と、を有し、
前記駆動軸は、前記第1の回転軸を中心に回転可能であり、
前記回転支持部は、前記巻き取り部を前記第2の回転軸を中心に回転可能に支持する請求項
1~3のいずれか1項に記載の医療用長尺体巻取装置。
【請求項5】
前記位置変更部は、前記巻き取り部が前記第1の回転軸を中心として360度回転する際に、前記巻き取り部を前記第2の回転軸を中心として5度~20度の角度で回転させる請求項
1~4のいずれか1項に記載の医療用長尺体巻取装置。
【請求項6】
前記位置変更部は、前記巻き取り部に連結されて当該巻き取り部を前記第2の回転軸を中心として回転させる歯車と、前記基台に配置される凸部と、を有し、
前記巻き取り部が前記第1の回転軸を中心に回転することで、前記歯車の歯が前記凸部と接触して前記歯車が回転する請求項
1~
5のいずれか1項に記載の医療用長尺体巻取装置。
【請求項7】
前記基台は、前記医療用長尺体を摺動可能に支持する位置保持部を有する請求項1~
6のいずれか1項に記載の医療用長尺体巻取装置。
【請求項8】
前記基台は、前記巻き取り部の一部を収容可能な開口部を有する覆い部を有し、前記開口部は、外部へ向かって広がっている請求項1~
7のいずれか1項に記載の医療用長尺体巻取装置。
【請求項9】
前記開口部から露出する前記巻き取り部の一部を覆う補助覆い部を有する請求項1~
8のいずれか1項に記載の医療用長尺体巻取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガイドワイヤやカテーテル等の医療用長尺体を巻き取るための医療用長尺体巻取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、心臓、血管、肝臓、脳、消化器、泌尿器などの病気に対して、皮膚に開けた穴から血管に挿入して行うインターベンションが行われている。インターベンションには、長尺なカテーテルやガイドワイヤが使用される。
【0003】
下肢用のガイドワイヤなどの特に長尺なものは、絡まったり折れたりしやすいため、手技を行うカテーテル室での取り回しが困難である。このため、例えば特許文献1には、回転可能な略円筒形状の巻き取り部の外周面に、カテーテル等のデバイスを巻き取ることができる医療保持デバイスが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
略円筒形状の巻き取り部の外周面に巻かれたデバイスは、巻き取り部の同じ位置に略平行に何度も巻かれる。このため、巻き取る際や取り出す際にデバイスが絡まりや折れ曲がりが生じやすい。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、医療用長尺体を巻き取る際や取り出す際に、医療用長尺体の折れ曲がりや絡まりの発生を抑制できる医療用長尺体巻取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明に係る医療用長尺体巻取装置は、医療用長尺体を巻き取る医療用長尺体巻取装置であって、基台と、前記基台に対して回転可能であって前記医療用長尺体を巻き取る巻き取り部と、前記巻き取り部を回転させる駆動部と、前記巻き取り部の回転に応じて当該回転と異なる方向へ前記巻き取り部の位置を変化させて前記医療用長尺体を巻き取る位置を変更する位置変更部と、を有し、前記位置変更部は、前記駆動部による前記巻き取り部の第1の回転軸を中心とする回転に起因して、前記第1の回転軸と異なる第2の回転軸を中心として、前記巻き取り部を回転させる。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成した医療用長尺体巻取装置は、位置変更部によって巻き取る位置を変更するため、医療用長尺体を、巻き取り部にずらしながら巻き取ることができる。このため、巻き取り部に巻き取られる医療用長尺体は、長軸方向に長い範囲で接触して重なることが抑制される。このため、医療用長尺体巻取装置は、医療用長尺体を巻き取る際や取り出す際に、医療用長尺体の折れ曲がりや絡まりの発生を抑制できる。前記位置変更部は、前記駆動部による前記巻き取り部の第1の回転軸を中心とする回転に起因して、前記第1の回転軸と異なる第2の回転軸を中心として、前記巻き取り部を回転させる。これにより、医療用長尺体巻取装置は、第1の回転軸を中心とする回転によって医療用長尺体を巻き取り部に巻き取りつつ、第1の回転軸と異なる第2の回転軸を中心とする回転によって、前記医療用長尺体を、巻き取り部にずらしながら巻き取ることができる。このため、医療用長尺体巻取装置は、長尺な医療用長尺体を巻き取る際や取り出す際に、医療用長尺体の折れ曲がりや絡まりの発生を抑制できる。
【0011】
前記巻き取り部は、外表面に溝または突起を有してもよい。これにより、医療用長尺体巻取装置は、溝または突起に沿って巻き取り部の外表面に医療用長尺体を巻き取り、医療用長尺体を巻き取り部の外表面の所定の位置からずれ難くすることができる。このため、医療用長尺体巻取装置は、医療用長尺体を巻き取る際や取り出す際に、医療用長尺体の折れ曲がりや絡まりの発生を抑制できる。
【0012】
前記溝は、前記巻き取り部の外表面で交差する第1の溝および第2の溝を有し、前記第1の溝および第2の溝は、異なる深さを有してもよい。これにより、第1の溝および第2の溝に収容される医療用長尺体は、干渉せずに、または低い干渉で交差できる。このため、医療用長尺体を巻き取る際や取り出す際に、医療用長尺体の折れ曲がりや絡まりの発生を抑制できる。
【0014】
前記巻き取り部は、隙間を挟んで並ぶ2つの部分構造部を有し、前記駆動部は、前記2つの部分構造部の間の隙間を通る駆動軸と、前記駆動軸に連結されて前記駆動軸とともに回転可能な回転支持部と、を有し、前記駆動軸は、前記第1の回転軸を中心に回転可能であり、前記回転支持部は、前記巻き取り部を前記第2の回転軸を中心に回転可能に支持してもよい。これにより、2つの部分構造部は、第1の回転軸を中心に回転しつつ、第2の回転軸を中心に回転可能である。
【0015】
前記位置変更部は、前記巻き取り部が前記第1の回転軸を中心として360度回転する際に、前記巻き取り部を前記第2の回転軸を中心として5度~20度の角度で回転させてもよい。これにより、医療用長尺体巻取装置は、医療用長尺体を巻き取り部に巻き取る動作に連動して、巻き取り部の医療用長尺体を巻き取る位置を適切な範囲で徐々に変更できる。このため、医療用長尺体巻取装置は、巻き取り部の外表面を広く有効に利用して、医療用長尺体を絡まり難く、かつ折れ曲がり難いように適切に配置できる。
【0016】
前記位置変更部は、前記巻き取り部に連結されて当該巻き取り部を前記第2の回転軸を中心として回転させる歯車と、前記基台に配置される凸部と、を有し、前記巻き取り部が前記第1の回転軸を中心に回転することで、前記歯車の歯が前記凸部と接触して前記歯車が回転してもよい。これにより、医療用長尺体巻取装置は、巻き取り部を第1の回転軸を中心に回転させることで、凸部により歯車を回転させて、巻き取り部を第2の回転軸を中心に回転させることができる。このため、医療用長尺体巻取装置は、医療用長尺体を巻き取り部に巻き取る動作に連動して、巻き取り部の医療用長尺体を巻き取る位置を変更できる。
【0017】
前記基台は、前記医療用長尺体を摺動可能に支持する位置保持部を有してもよい。これにより、医療用長尺体巻取装置は、医療用長尺体を巻き取り部の外表面の望ましい位置へ良好に誘導して巻き取ることができるとともに、医療用長尺体を巻き取り部の外表面の望ましい位置から良好に引き出すことができる。
【0018】
前記基台は、前記巻き取り部の一部を収容可能な開口部を有する覆い部を有し、前記開口部は、外部へ向かって広がってもよい。これにより、巻き取り部を、覆い部の開口部へ容易に配置できる。また、外部から開口部の内部へ延びる医療用長尺体を、巻き取り部と覆い部の間に良好に保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】医療用長尺体巻取装置の一部を断面図で、他の構成を平面図で示す説明図である。
【
図3】巻き取り部を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【
図4】巻き取り部の外表面の一部を示す断面図である。
【
図5】医療用長尺体巻取装置を作動させた状態を示す平面図である。
【
図6】医療用長尺体巻取装置を作動させた状態を、補助覆い部を透過して示す上面図である。
【
図7】歯車が凸部によって回転した際の医療用長尺体巻取装置を、補助覆い部を透過して示す上面図である。
【
図8】巻き取り部を基台から取り外した状態を、医療用長尺体巻取装置の一部を断面図で、他の構成を平面図で示す説明図である。
【
図9】巻き取り部を覆い部の内部に配置した状態を、医療用長尺体巻取装置の一部を断面図で、他の構成を平面図で示す説明図である。
【
図10】巻き取り部の変形例を示す平面図であり(A)は第1の変形例、(B)は第2の変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法は、説明の都合上、誇張されて実際の寸法とは異なる場合がある。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
本実施形態に係る医療用長尺体巻取装置10は、ガイドワイヤやカテーテル等の医療用長尺体を巻き取るための装置である。医療用長尺体巻取装置10は、例えば、手技の前に使用されるが、それ以外で使用されてもよい。
【0022】
医療用長尺体巻取装置10は、
図1および2に示すように、基台20と、基台20に対して回転可能に配置される巻き取り部30と、巻き取り部30を回転させる駆動部40と、巻き取り部30の一部を覆う補助覆い部50とを有している。医療用長尺体巻取装置10は、さらに、巻き取り部30に連結されて巻き取り部30を支持する第1の支持部60と、巻き取り部30に連結されて巻き取り部30を回転させる第2の支持部70とを有している。
【0023】
基台20は、覆い部21と、覆い部21に固定された引き出し部22と、覆い部21に固定された凸部23とを有している。
【0024】
覆い部21は、開口部24が形成されたカップ状の部位である。覆い部21は、巻き取り部30の少なくとも一部を覆うことができる。覆い部21は、上端に開口部24が形成され、下端が塞がれた略円筒形状である。開口部24の内径は、外部へ向けて広がっている。なお、開口部24は、部分的に内径が広がっていない部位を有してもよい。覆い部21の内部には、駆動部40を収容して密封可能な密封蓋25が配置される。また、覆い部21は、外周面に、補助覆い部50を受けることができるカバー受け部26を有している。
【0025】
引き出し部22は、覆い部21から突出し、位置保持部28が形成されている。位置保持部28は、医療用長尺体が、摺動可能に挿入される貫通孔である。なお、位置保持部28は、医療用長尺体を摺動可能に保持できればよく、例えば溝やスリットの形態で形成されてもよい。
【0026】
凸部23は、覆い部21の開口部24が形成されるリング状の縁部29から突出している。凸部23は、後述する歯車73の歯74と噛み合って、歯車73を回転させることができる。凸部23は、リング状の縁部29に1つのみ設けされる。なお、凸部23は、リング状の縁部29に複数設けられてもよい。凸部23は、複数設けられる場合には、リング状の縁部29に等間隔に設けられることが好ましい。なお、凸部23が設けられる位置は、歯74と接触できれば、リング状の縁部29に限定されない。
【0027】
巻き取り部30は、
図1~3に示すように、2つの部分構造部31と、2つの部分構造部31を連結する連結部32とを有している。2つの部分構造部31は、略対称形状であり、隙間を挟んで1つの略球体を形成するように並んでいる。各々の部分構造部31は、外表面および内表面を有する略半球形状であり、内部に空間を形成する。なお、部分構造部31は、内部に空間を形成しなくてもよい。2つの部分構造部31の外表面には、医療用長尺体を配置するための複数の溝33が形成されている。そして、2つの部分構造部31によって形成される1つの球状の構造部に対して、1つの医療用長尺体を複数周巻き付けられるように、複数の溝33は、溝33の延在方向へ連続するように並んで配置される。各々の部分構造部31は、隙間から最も離れた部位に、連結部32が連結されている。各々の部分構造部31の外表面において、複数の溝33は、連結部32の軸心Yに沿う方向へ延在し、かつ軸心Yを中心として周方向に並んで形成されている。複数の溝33は、交差する部位を有してもよい。溝33は、
図4に示すように、部分構造部31の外表面で交差する第1の溝33Aおよび第2の溝33Bを有してもよい。第1の溝33Aは、第2の溝33Bよりも深く形成されている。少なくとも一方の部分構造部31は、
図1~3に示すように、少なくとも1つの連結孔34が形成されている。連結孔34は、医療用長尺体の端部を差し込んで保持する孔である。連結孔34は、溝33に収容される医療用長尺体の端部を保持しやすいように、溝33に形成されることが好ましい。また、連結孔34は、溝33に収容される医療用長尺体の端部を保持しやすいように、部分構造部31の外表面に対して90度未満の角度で傾斜することが好ましいが、90度の角度で形成されてもよい。連結孔34は、部分構造部31を外表面から内表面へ貫通しても、貫通しなくてもよい。巻き取り部30が柔らかい材料により形成される場合、連結孔34は、医療用長尺体の端部を突き刺すことで形成されてもよい。
【0028】
連結部32は、2つの部分構造部31に固定されている。連結部32の第1の端部は、部分構造部31よりも外側に位置する第1の支持部60の第1の軸部61が挿入される第1の凹部35が形成されている。第1の軸部61は、連結部32と同軸上に配置される。第1の凹部35は、第1の軸部61を回転可能に収容する。なお、第1の凹部35は、第1の軸部61を回転不能に収容してもよい。連結部32の第2の端部は、部分構造部31よりも外側に位置する第2の支持部70の第2の軸部71が挿入される第2の凹部36が形成されている。第2の軸部71は、連結部32と同軸上に配置される。第2の凹部36は、第2の軸部71を回転不能に収容する。したがって、第2の支持部70が回転することで、連結部32および2つの部分構造部31は回転する。連結部32の中央部は、2つの部分構造部31の間の隙間で、後述する回転支持部44によって回転可能に支持されている。連結部32は、回転支持部44を挟むように、2つの円盤状の移動制限部37を有している。移動制限部37は、連結部32が、回転支持部44に対して軸方向へ移動することを制限する。
【0029】
第1の支持部60は、第1の凹部35に着脱可能な前述の第1の軸部61と、第1の軸部61に固定される第1の支持円盤部62を有している。第1の支持円盤部62は、第1の軸部61とともに回転可能である。第1の支持円盤部62は、外周面に周方向へ延びる凹部が形成された円盤状の部材である。第1の支持円盤部62は、凹部を覆い部21の縁部29に接触させて、縁部29上を回転しつつ移動可能である。なお、第1の支持円盤部62は、縁部29を円滑に滑ることができれば、回転しなくてもよい。この場合、第1の軸部61は、第1の凹部35に対して回転不能であってもよい。また、第1の支持円盤部62が第1の軸部61に対して回転可能であれば、第1の軸部61は、第1の凹部35に対して回転不能であってもよい。
【0030】
第2の支持部70は、第2の凹部36に着脱可能な前述の第2の軸部71と、第2の軸部71に固定される第2の支持円盤部72を有している。第2の支持円盤部72は、外周面に周方向へ延びる凹部が形成された円盤状の部材である。第2の支持円盤部72の凹部には、歯車73が形成されている。歯車73は、周方向に並ぶ複数の歯74を有している。歯車73の歯74は、覆い部21の縁部29に接触した状態で、または縁部29から多少離れた状態で、縁部29に沿って移動可能である。歯車73は、縁部29に沿って回転せずに移動し、縁部29に配置された凸部23を超える際に、1つの歯74が凸部23と接触する。これにより、歯車73は、凸部23を超える毎に、1つの歯74の分だけ回転する。したがって、歯車73および凸部23は、巻き取り部30の回転に起因して巻き取り部30の位置を変化させる位置変更部80を構成する。位置変更部80は、医療用長尺体が巻き取り部30に対して巻き取られる位置を変更する。
【0031】
駆動部40は、駆動モータ41と、駆動モータ41に連結される第1の駆動軸42と、第1の駆動軸42に着脱可能な第2の駆動軸43と、第2の駆動軸43に固定される回転支持部44とを有している。駆動モータ41は、覆い部21の下部の密封蓋25で密封された空間に配置されている。駆動モータ41は、覆い部21に設けられる図示しないバッテリーにより電力を供給されて駆動される。駆動モータ41は、覆い部21に設けられる図示しないスイッチにより、オンオフが可能である。なお、駆動部40は、駆動モータ41を備えずに、手動で回転可能なハンドル等の機構を有してもよい。第1の駆動軸42は、密封蓋25を、液密状態を維持しつつ回転できるように貫通している。第1の駆動軸42は、駆動モータ41の駆動軸が回転不能に嵌合可能な凹部が形成される第1の嵌合部45を有している。第1の駆動軸42は、覆い部21の下部から、開口部24へ向かって延びている。第1の駆動軸42の上端は、2つの部分構造部31の間の隙間に入り込むことができる。
【0032】
第2の駆動軸43は、第1の駆動軸42の上端が回転不能に嵌合可能な凹部が形成される第2の嵌合部46を有している。第2の駆動軸43は、2つの部分構造部31の間の隙間を通り、連結部32を回転可能に支持する回転支持部44に連結されている。第1の駆動軸42および第2の駆動軸43の軸心Xは、連結部32の軸心Yと略垂直である。回転支持部44は、連結部32を回転可能に支持する円筒状の軸受である。なお、回転支持部44が軸であり、連結部32が軸受であってもよい。
【0033】
補助覆い部50は、巻き取り部30の開口部24から露出している部分を覆う部材である。補助覆い部50は、複数の線材51によって間隙を有するように形成されている。補助覆い部50は、間隙を有するため、医療用長尺体を通すことができる。複数の線材51は、上部で集合して固定されている。複数の線材51が広がって形成される補助覆い部50の下端は、カバー受け部26の上面に保持可能である。補助覆い部50は、覆い部21に対して取り外しが自在である。なお、補助覆い部50の構造は、特に限定されない。補助覆い部50は、設けられなくてもよい。
【0034】
2つの部分構造部31により構成される球状の構造部の大きさは、特に限定されないが、4.5~6m程度の長い有効長を有する医療用長尺体を保持する際には、球状の構造部の直径は、例えば100~300mm、好ましくは150~200mmである。有効長とは、生体内に挿入可能な部位の長軸方向の長さである。医療用長尺体がガイドワイヤである場合、有効長は、ガイドワイヤの全長である。医療用長尺体がカテーテルである場合、有効長は、手元のハブや耐キンクプロテクタよりも先端側のシャフトの部分の全長である。部分構造部31の構成材料は、特に限定されないが、例えば、ウレタンやシリコーン樹脂など柔軟な樹脂あるいは発泡ウレタンなど等を好適に利用できる。
【0035】
連結部32、基台20、補助覆い部50、第1の支持部60、第2の支持部70、第1の駆動軸42、第2の駆動軸43および回転支持部44の構成材料は、特に限定されないが、ある程度の強度を有することが好ましく、例えば、ステンレス鋼などの金属やPOMナイロン、ポリカ―ボネート、ポリエチレンテレフタレートなど比較的硬質な材料等を好適に利用できる。
【0036】
次に、本実施形態に係る医療用長尺体巻取装置10の使用方法を説明する。
【0037】
初めに、術者は、例えばガイドワイヤである医療用長尺体Wの基端部を、連結孔34に通し、巻き取り部30の連結孔34に挿入する。これにより、医療用長尺体Wの基端部が、巻き取り部30に固定される。覆い部21には、生理食塩水が、部分構造部31の少なくとも一部を浸す高さまで収容されることが好ましい。これにより、巻き取り部30に巻き取られる医療用長尺体Wが乾燥することを抑制できる。なお、覆い部21に、生理食塩水が収容されなくてもよい。覆い部21に生理食塩水が収容される場合であっても、駆動モータ41が収容される密封蓋25の下側の空間には、生理食塩水は浸入しない。
【0038】
次に、術者は、駆動モータ41を駆動させる。これにより、
図5および6に示すように、第1の駆動軸42、第2の駆動軸43および回転支持部44が回転し、軸心Xを第1の回転軸として回転する。このとき、第1の支持部60の第1の支持円盤部62は、回転しつつ、覆い部21の縁部29上を滑らかに移動する。また、第2の支持部70の第2の支持円盤部72は、回転せずに、覆い部21の縁部29上を滑らかに移動する。このため、巻き取り部30は、第1の支持部60および第2の支持部70に支持されて軸心Xを中心に円滑に回転可能である。巻き取り部30が軸心Xを中心に回転すると、部分構造部31の溝33に、医療用長尺体Wが順次収容される。巻き取り部30が回転し、第2の支持部70に設けられる歯車73の歯74が、縁部29の凸部23に到達すると、
図7に示すように、歯車73は、1つの歯74の分だけ回転する。これにより、巻き取り部30は、歯車73とともに軸心Yを第2の回転軸として回転する。歯車73の1つの歯74分の回転角度は、特に限定されないが、例えば5度~20度、好ましくは7度~18度、より好ましくは10度~15度である。このため、位置変更部80である歯車73および凸部23は、医療用長尺体Wを収容する巻き取り部30の溝33の位置を変更する。したがって、巻き取り部30が軸心Xを中心に360度を超えて回転しても、医療用長尺体Wは、同じ溝33に収容されない。
【0039】
巻き取り部30が軸心Xを中心にさらに回転すると、歯車73の歯74が凸部23を超える毎に、巻き取り部30は軸心Yを中心に回転して、医療用長尺体Wが収容される溝33の位置が変更される。医療用長尺体Wの所定の範囲が巻き取り部30に巻き取られた後、駆動モータ41を停止させる。これにより、医療用長尺体Wの巻き取りを完了する。巻き取り部30に巻き取られた医療用長尺体Wは、補助覆い部50および覆い部21により覆われているため、巻き取り部30から浮き上がらずに溝33に保持され、浮き上がっても巻き取り部30の所定の位置からずれることが抑制される。このために、補助覆い部50と巻き取り部30の間のクリアランス、および覆い部21と巻き取り部30の間のクリアランスは、適切に設定されることが好ましい。
【0040】
術者は、医療用長尺体Wを患者の血管等に挿入する際には、駆動モータ41を逆回転に回転するように駆動させつつ、医療用長尺体Wを巻き取り部30から引き出すことができる。または、術者は、駆動モータ41を駆動させずに、手動によって医療用長尺体Wを巻き取り部30から引き出してもよい。
【0041】
または、術者は、医療用長尺体Wを巻き取り部30に巻き取った後、巻き取り部30と駆動部40との連結を切断してもよい。そのために、術者は、
図8に示すように、補助覆い部50を覆い部21から取り外し、巻き取り部30を、覆い部21から持ち上げる。これにより、第2の嵌合部46から第1の駆動軸42が引き抜かれる。次に、術者は、第1の支持部60および第2の支持部70を、連結部32から取り外し、第1の駆動軸42の第1の嵌合部45から、駆動モータ41の駆動軸を引き抜く。この後、
図9に示すように、開口部24から、医療用長尺体Wを巻き取った巻き取り部30を覆い部21に収容する。覆い部21は、開口部24に向かって広がっているため、巻き取り部30を良好に受け入れるとともに、所定の位置の内壁面によって、巻き取り部30を保持する。巻き取り部30および覆い部21は、医療用長尺体保持具90を構成する。これにより、巻き取り部30に巻き取られた医療用長尺体Wは、巻き取り部30の外表面と覆い部21の内壁面に挟まれて、巻き取り部30から緩むことが抑制される。このとき、覆い部21は、開口部24に向かって広がっているため、医療用長尺体Wは、覆い部21の内壁面に接触し、覆い部21の縁部29に接触し難い。このため、医療用長尺体Wが損傷することを抑制できる。術者は、巻き取り部30から医療用長尺体Wを引き出す際には、覆い部21から巻き取り部30を持ち上げて、医療用長尺体Wを容易に引き出すことができる。医療用長尺体Wは、引き出し部22の位置保持部28を通って引き出されても、位置保持部28を通らずに引き出されてもよい。
【0042】
以上のように、本実施形態に係る医療用長尺体巻取装置10は、医療用長尺体Wを巻き取る医療用長尺体巻取装置10であって、基台20と、基台20に対して回転可能であって医療用長尺体Wを巻き取る巻き取り部30と、巻き取り部30を回転させる駆動部40と、巻き取り部30の回転に応じて当該回転と異なる方向へ巻き取り部30の位置を変化させて医療用長尺体Wを巻き取る位置を変更する位置変更部80と、を有する。これにより、医療用長尺体巻取装置10は、位置変更部80によって巻き取る位置を変更するため、医療用長尺体Wを、巻き取り部30にずらしながら巻き取ることができる。このため、巻き取り部30に巻き取られる医療用長尺体Wは、長軸方向に長い範囲で接触して重なることが抑制される。巻き取り部30に巻き取られる医療用長尺体Wは、接触するとしても、平行とならずに交差するように接触する。このため、医療用長尺体巻取装置10は、医療用長尺体Wを巻き取る際や取り出す際に、医療用長尺体Wの折れ曲がりや絡まりの発生を抑制できる。したがって、医療用長尺体巻取装置10は、長尺な医療用長尺体Wに対して特に有効である。例えば、橈骨動脈から大腿動脈へ到達させるカテーテルやガイドワイヤは、通常4.5m程度の有効長が必要であり、サポートカテーテルとともに使用されるガイドワイヤは5.4m程度の有効長が必要であり、橈骨動脈から膝下動脈へ到達させるカテーテルやガイドワイヤは、通常6m程度の有効長が必要である。本実施形態に係る医療用長尺体巻取装置10は、このような長尺なカテーテルやガイドワイヤに対して有効である。したがって、医療用長尺体巻取装置10は、カテーテル室等において、長尺な医療用長尺体Wの巻き取りや取り出しを、折れ曲がりや絡まりの発生を抑制しつつ短時間で円滑に行うことができる。また、医療用長尺体巻取装置10は、折れ曲がりや絡まりを抑制しつつ医療用長尺体Wを取り出せるため、保管や搬送のためのホルダーチューブへ医療用長尺体Wを挿入する際に、医療用長尺体Wが折れ曲がったり絡まったりすることを抑制できる。また、医療用長尺体巻取装置10は、医療用長尺体Wが絡まることを抑制できるため、生産時の包装の際に利用することで、包装効率を向上できる。
【0043】
また、巻き取り部30は、外表面に溝33を有する。これにより、医療用長尺体巻取装置10は、溝33に沿って巻き取り部30の外表面に医療用長尺体Wを巻き取り、医療用長尺体Wを巻き取り部30の外表面の所定の位置からずれ難くすることができる。このため、医療用長尺体巻取装置10は、医療用長尺体Wを巻き取る際や取り出す際に、医療用長尺体Wの折れ曲がりや絡まりの発生を抑制できる。
【0044】
また、溝33は、巻き取り部30の外表面で交差する第1の溝33Aおよび第2の溝33Bを有し、第1の溝33Aおよび第2の溝33Bは、異なる深さを有する。これにより、第1の溝33Aおよび第2の溝33Bに収容される医療用長尺体Wは、干渉せずに、または低い干渉で交差できる。このため、医療用長尺体Wを巻き取る際や取り出す際に、医療用長尺体Wの折れ曲がりや絡まりの発生を抑制できる。
【0045】
また、位置変更部80は、駆動部40による巻き取り部30の第1の回転軸を中心とする回転に起因して、第1の回転軸と異なる第2の回転軸を中心として、巻き取り部30を回転させる。これにより、医療用長尺体巻取装置10は、第1の回転軸を中心とする回転によって医療用長尺体Wを巻き取り部30に巻き取りつつ、第1の回転軸と異なる第2の回転軸を中心とする回転によって、医療用長尺体Wを、巻き取り部30にずらしながら巻き取ることができる。このため、医療用長尺体巻取装置10は、長尺な医療用長尺体Wを巻き取る際や取り出す際に、医療用長尺体Wの折れ曲がりや絡まりの発生を抑制できる。
【0046】
また、巻き取り部30は、隙間を挟んで並ぶ2つの部分構造部31を有し、駆動部40は、2つの部分構造部31の間の隙間を通る第2の駆動軸43と、第2の駆動軸43に連結されて第2の駆動軸43とともに回転可能な回転支持部44と、を有し、第2の駆動軸43は、第1の回転軸を中心に回転可能であり、回転支持部44は、巻き取り部30を第2の回転軸を中心に回転可能に支持する。これにより、2つの部分構造部31は、第1の回転軸を中心に回転しつつ、第2の回転軸を中心に回転可能である。
【0047】
また、位置変更部80は、巻き取り部30が第1の回転軸を中心として360度回転する際に、巻き取り部30を第2の回転軸を中心として5度~20度の角度で回転させる。これにより、医療用長尺体巻取装置10は、医療用長尺体Wを巻き取り部30に巻き取る動作に連動して、巻き取り部30の医療用長尺体Wを巻き取る位置を適切な範囲で徐々に変更できる。このため、医療用長尺体巻取装置10は、巻き取り部30の外表面を広く有効に利用して、医療用長尺体Wを絡まり難く、かつ折れ曲がり難いように適切に配置できる。
【0048】
また、位置変更部80は、巻き取り部30に連結されて当該巻き取り部30を第2の回転軸を中心として回転させる歯車73と、基台20に配置される凸部23と、を有し、巻き取り部30が第1の回転軸を中心に回転することで歯車73の歯74が凸部23と接触して歯車73が回転する。これにより、医療用長尺体巻取装置10は、巻き取り部30を第1の回転軸を中心に回転させることで、凸部23により歯車73を回転させて、巻き取り部30を第2の回転軸を中心に回転させることができる。このため、医療用長尺体巻取装置10は、医療用長尺体Wを巻き取り部30に巻き取る動作に連動して、巻き取り部30の医療用長尺体Wを巻き取る位置を変更できる。
【0049】
また、基台20は、医療用長尺体Wを摺動可能に支持する位置保持部28を有する。これにより、医療用長尺体巻取装置10は、医療用長尺体Wを巻き取り部30の外表面の望ましい位置へ良好に誘導して巻き取ることができるとともに、医療用長尺体Wを巻き取り部30の外表面の望ましい位置から良好に引き出すことができる。
【0050】
また、基台20は、巻き取り部30の一部を収容可能な開口部24を有する覆い部21を有し、開口部24は、外部へ向かって広がっている。これにより、巻き取り部30を、覆い部21の開口部24へ容易に配置できる。また、外部から開口部24の内部へ延びる医療用長尺体Wを、巻き取り部30と覆い部21の間に良好に保持できる。
【0051】
また、医療用長尺体巻取装置10は、開口部24から露出する巻き取り部30の一部を覆う補助覆い部50を有する。これにより、覆い部21の開口部24から露出する巻き取り部30の外表面において位置がずれたり、外表面から離れやすい医療用長尺体Wを、巻き取り部30と補助覆い部50の間に良好に保持できる。
【0052】
また、本実施形態における医療用長尺体保持具90は、医療用長尺体Wを保持する医療用長尺体保持具90であって、外表面に溝33を有する巻き取り部30と、巻き取り部30の少なくとも一部を覆う覆い部21と、を有する。これにより、医療用長尺体保持具90は、溝33に沿って巻き取り部30の外表面に医療用長尺体Wを巻き取り、覆い部21によって医療用長尺体Wを巻き取り部30から脱落しないように保持できる。このため、医療用長尺体Wを、巻き取り部30にずらしながら巻き取るとともにその位置を保持できる。このため、医療用長尺体保持具90は、長尺な医療用長尺体Wを巻き取る際や取り出す際に、医療用長尺体Wの折れ曲がりや絡まりの発生を抑制できる。したがって、医療用長尺体保持具90は、長尺な医療用長尺体Wに対して特に有効である。医療用長尺体保持具90は、カテーテル室等において、長尺な医療用長尺体Wの巻き取りや取り出しを、折れ曲がりや絡まりの発生を抑制しつつ短時間で円滑に行うことができる。また、医療用長尺体保持具90は、折れ曲がりや絡まりを抑制しつつ医療用長尺体Wを取り出せるため、保管や搬送のためのホルダーチューブへ医療用長尺体Wを挿入する際に、医療用長尺体Wが折れ曲がったり絡まったりすることを抑制できる。また、医療用長尺体保持具90は、医療用長尺体Wが絡まることを抑制できるため、生産時の包装の際に利用することで、包装効率を向上できる。
【0053】
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、術者は、
図9に示すように、巻き取り部30および覆い部21のみを、医療用長尺体保持具90として使用してもよい。すなわち、駆動部40は、設けられなくてもよい。
【0054】
また、巻き取り部30は、
図10(A)に示す第1の変形例のように、溝33ではなく、複数の突起38を有してもよい。術者は、複数の突起38に沿って、医療用長尺体Wを、巻き取り部30に巻き付けることができる。医療用長尺体Wは、突起38に引っ掛かるため、巻き取り部30の外表面の巻き付けた位置からずれ難い。
【0055】
また、術者は、
図10(B)に示す第2変形例のように、巻き取り部30は、2つの部分構造部31を備えずに、1つの球体状で形成されてもよい。また、巻き取り部30の形状は、球体に限定されず、例えば円柱形状、円錐形状、円錐台形状等であってもよい。術者は、手動により、医療用長尺体Wを巻き取り部30に巻き取ることができる。医療用長尺体Wを巻き取り部30に手で巻く場合には、溝33の配置は、医療用長尺体巻取装置10の構成に限定されず、多様に設定可能である。溝33は、できるだけ交点が少ないことが好ましい。
【符号の説明】
【0056】
10 医療用長尺体巻取装置
20 基台
21 覆い部
23 凸部
28 位置保持部
29 縁部
30 巻き取り部
31 部分構造部
32 連結部
33 溝
34 連結孔
38 突起
40 駆動部
41 駆動モータ
42 第1の駆動軸
43 第2の駆動軸(駆動軸)
44 回転支持部
50 補助覆い部
73 歯車
74 歯
80 位置変更部
90 医療用長尺体保持具
W 医療用長尺体