(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】ケーブル付き給電コネクタ、ケーブル付き給電コネクタの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01R 4/18 20060101AFI20231130BHJP
H01R 13/533 20060101ALI20231130BHJP
H01R 43/048 20060101ALI20231130BHJP
H02G 15/02 20060101ALI20231130BHJP
H02G 15/34 20060101ALI20231130BHJP
H02G 1/14 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
H01R4/18 A
H01R13/533 A
H01R43/048 Z
H02G15/02
H02G15/34
H02G1/14
(21)【出願番号】P 2019212197
(22)【出願日】2019-11-25
【審査請求日】2022-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126882
【氏名又は名称】五十嵐 光永
(74)【代理人】
【識別番号】100160093
【氏名又は名称】小室 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 望
(72)【発明者】
【氏名】水野 健彦
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-041509(JP,A)
【文献】特開平04-341782(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/18
H01R 13/533
H01R 43/048
H02G 15/02
H02G 15/34
H02G 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
孔部が形成されている端子と、前記孔部に挿入される導体線が、撚られた状態で被覆に覆われている電力線を含むケーブルと、を備えるケーブル付き給電コネクタであって、 前記導体線は、前記被覆から露出した部分に、直線状に延ばされた非撚り部を有し、
前記非撚り部が、前記端子の前記孔部に挿入されて圧縮接続されており、
前記電力線は、冷却チューブを備え、
前記導体線は、前記冷却チューブに接する冷却区間と、前記冷却チューブから離れる非冷却区間と、を有し、
前記非撚り部は、少なくとも前記非冷却区間に設けられている、ケーブル付き給電コネクタ。
【請求項2】
孔部が形成されている端子と、前記孔部に挿入される導体線が、撚られた状態で被覆に覆われている電力線を含むケーブルと、を備えるケーブル付き給電コネクタの製造方法であって、
前記電力線は、冷却チューブを備え、
前記電力線の前記被覆を剥いで、前記導体線の一部を露出させ
、前記導体線が前記冷却チューブに接する冷却区間と、前記導体線が前記冷却チューブから離れる非冷却区間と、を形成する第1工程と、
前記第1工程の後
、少なくとも前記非冷却区間において露出した前記導体線の撚りをほぐして直線状に延ばし、非撚り部を形成する第2工程と、
前記第2工程の後、前記非撚り部を前記端子の前記孔部に挿入する第3工程と、
前記第3工程の後、前記孔部を圧縮変形させ、前記端子と前記非撚り部とを接続する第4工程と、を有する、ケーブル付き給電コネクタの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル付き給電コネクタ、ケーブル付き給電コネクタの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、複数の導体線が冷却管を中心として集合撚りされて形成されている電力線を含むケーブルが、端子に接続されているケーブル付き給電コネクタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記導体線が撚られたまま、端子の孔部に挿入され圧縮接続されると、孔部の内面と導体線との間に空隙を残したまま導体線と端子とが接続されることがあり、 この場合、導体線と端子との接続抵抗が高くなり、接続部で発熱して端子の温度が上昇してしまう虞があった。特に、電気自動車などを給電する給電コネクタでは、数百アンペアもの大電流が流れるため、端子の過剰な温度上昇が問題視されている。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、端子と導体線との接続部における温度上昇を抑制することができるケーブル付き給電コネクタ、ケーブル付き給電コネクタの製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るケーブル付き給電コネクタは、孔部が形成されている端子と、前記孔部に挿入される導体線が、撚られた状態で被覆に覆われている電力線を含むケーブルと、を備えるケーブル付き給電コネクタであって、前記導体線は、前記被覆から露出した部分に、直線状に延ばされた非撚り部を有し、前記非撚り部が、前記端子の前記孔部に挿入されて圧縮接続されている。
この構成によれば、導体線の非撚り部が、端子の孔部に挿入されて圧縮接続されているので、端子の孔部において空隙の少ない状態で導体線と端子とが接続され、導体線と端子との接触面積を増大させることができる。このため、端子と導体線との接続抵抗が抑えられ、接続部における温度上昇が抑制される。
【0007】
上記ケーブル付き給電コネクタにおいて、前記電力線は、冷却チューブを備え、前記導体線は、前記冷却チューブに接する冷却区間と、前記冷却チューブから離れる非冷却区間と、を有し、前記非撚り部は、少なくとも前記非冷却区間に設けられていてもよい。
この構成によれば、冷却チューブと離れる非冷却区間において、導体線が撚られずに直線状に延びているので、導体線が撚られた状態よりも熱が籠り難く、空冷、放熱の作用を促し、端子と導体線との接続部における温度上昇を抑制することができる。
【0008】
また、本発明の一態様に係るケーブル付き給電コネクタの製造方法は、孔部が形成されている端子と、前記孔部に挿入される導体線が、撚られた状態で被覆に覆われている電力線を含むケーブルと、を備えるケーブル付き給電コネクタの製造方法であって、前記電力線の前記被覆を剥いで、前記導体線の一部を露出させる第1工程と、前記第1工程の後、露出した前記導体線の撚りをほぐして直線状に延ばす第2工程と、前記第2工程の後、前記導体線を前記端子の前記孔部に挿入する第3工程と、前記第3工程の後、前記孔部を圧縮変形させ、前記端子と前記導体線とを接続する第4工程と、を有する。
この手法によれば、第1工程で導体線の一部を露出させ、第2工程で導体線の撚りをほぐし、第3工程で導体線を端子の孔部に挿入し、第4工程で孔部を圧縮変形させて、導体線を端子に接続するので、端子の孔部において空隙の少ない状態で導体線と端子とが接続され、導体線と端子との接触面積を増大させることができる。このため、端子と導体線との接続抵抗が抑えられ、接続部における温度上昇が抑制される。
【0009】
上記ケーブル付き給電コネクタの製造方法において、前記第2工程の後、前記第3工程の前に、前記導体線をバンド部材で束ねてもよい。
この手法によれば、撚りをほぐした導体線をバンド部材で束ねるので、端子の孔部への導体線の挿入が容易になる。
【発明の効果】
【0010】
上記本発明の一態様によれば、端子と導体線との接続部における温度上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態に係るケーブル付き給電コネクタの概略図である。
【
図2】一実施形態に係るケーブルの導体線を端子に接続するまでの工程図である。
【
図3】一実施形態に係るケーブルの導体線を端子に接続するまでの工程図である。
【
図4】一実施形態に係るケーブルの導体線を端子に接続するまでの工程図である。
【
図5】一実施形態に係るケーブルの導体線を端子に接続するまでの工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、一実施形態に係るケーブル付き給電コネクタ100の概略図である。
図1に示すように、ケーブル付き給電コネクタ100は、端子1と、ケーブル106と、ケース200と、から構成されている。端子1とケーブル106とは互いに接続されており、電気自動車の充電口(インレット部分)に挿入可能なケース200の内部に導入されている。ケーブル106は、給電対象へ電力供給するための導体線102と、導体線102を冷却するための冷却チューブ101とを内蔵している。ケーブル106には、例えば、特許第6078198号公報に記載の給電ケーブルと同じ構成のケーブルを採用することができる。具体的には、ケーブル106は、シース105の内側に複数(偶数本)の電力線104を内蔵しており、さらに、その電力線104には、冷却チューブ101及び導体線102が内蔵されている。電力線104の内部においては、冷却チューブ101を中心にして複数の導体線102が集合撚りされていている。これにより、冷却チューブ101を流れる冷媒液によって通電による導体線102の発熱を抑えることができる。ケーブル106内には、給電装置と電気自動車との間の通信に用いられる信号線が内蔵されていても良い。
【0014】
冷却チューブ101と導体線102とは、端子1の後方で分岐し、それぞれが端子1に接続されている。分岐した冷却チューブ101は、端子1の後述する端子拡張部40に接続されている。また、分岐した導体線102は、後述する導体線接続部30に挿入され圧縮接続されている。なお、図示しないが、ケーブル付き給電コネクタ100のケース200には、+端子用と-端子用に2本の端子1及び2本のケーブル106が設けられている。
【0015】
電力線104は、冷却チューブ101及び導体線102を備える。冷却チューブ101及び導体線102は、絶縁性の被覆103に覆われている。冷却チューブ101は、例えば、ナイロンなどの樹脂製チューブから形成されている。導体線102は、錫めっき軟銅線(例えばφ0.44mm)などの素線を数十本程度束ねて撚ることで構成されている。電力線104においては、複数の導体線102が、後述する
図2(b)に示すように、撚られた状態で被覆103に覆われている。具体的には、被覆103の内側では、複数の導体線102が冷却チューブ101を中心として集合撚りされている。
【0016】
ケース200は、端子1の一部(端子接触部20)がケース外部に露出して配置される差込部201と、差込部201の後方に配置された把持部202と、把持部202の下方(差込部201の斜め後方)に配置されたケーブル導入部203と、を備えている。ケーブル106は、ケース200の外部からケーブル導入部203を通してケース200内に導入され端子1と接続されている。上記構成のケース200によれば、把持部202を持って、差込部201を電気自動車の充電口に差し込むことで、電気自動車のバッテリーを充電することができる。
【0017】
端子1には、冷媒流路2が形成されている。端子1には、電気自動車のバッテリーを急速充電する際に、大電流(例えば400A以上)が流れる。冷媒流路2は、端子1に発生するジュール熱を、冷媒によって冷却する。
【0018】
端子1は、金属端子であって、例えば、銅や銅合金などから成形されている。端子1の表面は、腐食を防止する銀メッキなどで覆われている。端子1は、端子本体部10と、端子接触部20と、導体線接続部30と、を備えている。端子本体部10、端子接触部20、及び、導体線接続部30は、一体で成形されている。このような端子1は、鋳造または鋳塊(インゴット)からの削り出しなどで成形することができる。
【0019】
冷媒流路2に流す冷媒は、絶縁性冷媒が好ましい。絶縁性冷媒を用いることで、端子1から冷媒流路2を通して図示しない冷却器へ漏電することを防ぐことができる。絶縁性冷媒としては、例えば、シリコーンオイルや鉱物油などの絶縁オイル、フッ素系冷媒、アルコール系冷媒などを例示することができる。但し、冷媒流路2の内壁面に、絶縁層や絶縁膜などを形成すれば、非絶縁性の冷媒を流すこともできる。
【0020】
端子本体部10、端子接触部20、及び、導体線接続部30は、端子1の中心軸を共通軸として、同軸上に配設されている。以下、この中心軸に沿う方向を軸方向、軸方向から見て中心軸と交差する方向を径方向、中心軸回りに周回する方向を周方向という。また、軸方向のうち、端子本体部10に対して端子接触部20側を前方といい、端子本体部10に対して導体線接続部30側を後方という。
【0021】
端子本体部10の内部には、上述した冷媒流路2が形成されている。端子本体部10には、冷媒流路2の加工孔を閉塞するプラグ50が取り付けられている。端子本体部10は、径方向両側に突出した一対の端子拡張部40を備えている。一対の端子拡張部40には、冷媒流路2の流入口及び流出口が斜め後方を向いて形成されている。
【0022】
冷媒流路2の流入口は、一方の端子拡張部40Aに形成されている。また、冷媒流路2の流出口は、他方の端子拡張部40Bに形成されている。冷媒流路2の流入口及び流出口には、チューブコネクタ101aを介して冷却チューブ101が接続されている。冷却チューブ101は、例えば、ナイロンなどの樹脂製チューブから形成されており、可撓性を有する。また、冷却チューブ101は、曲げに対するある程度の弾性、いわゆるコシを有している。
【0023】
端子接触部20は、端子本体部10の前方に突出している。本実施形態の端子接触部20は、軸方向に延びる中実のピン状(雄型の端子接触部)である。端子接触部20には冷媒流路2が形成されていないので、導体の断面積を大きく確保でき、大電流を流すのに適している。端子接触部20の根本には、フランジ21が形成されている。フランジ21は、ケース200に係合し、ケース200からの端子接触部20の突出限界を決めるものである。なお、本実施形態の端子接触部20はピン状であるが、端子接触部20が挿入される相手側の端子のようなソケット状(雌型の端子接触部)であっても構わない。
【0024】
導体線接続部30は、端子本体部10の後方に突出している。導体線接続部30は、軸方向に延びる円筒部である。導体線接続部30には、軸方向に延び、後方に開口する孔部31が形成されている。孔部31には、導体線102が挿入されている。導体線102は、被覆103から露出した部分に、直線状に延ばされた非撚り部102Aを有する。この非撚り部102Aが、端子1の孔部31に挿入されて圧縮接続されている。
【0025】
導体線102は、冷却チューブ101に接する冷却区間S1と、冷却チューブ101から離れる非冷却区間S2と、を有する。なお、冷却区間S1は、導体線102が冷却チューブ101と共に被覆103に覆われる「導体線被覆区間」と言い換えることもできる。また、非冷却区間S2とは、導体線102が被覆103から露出する「導体線露出区間」と言い換えることもできる。つまり、非冷却区間S2とは、導体線102が被覆103から露出して、冷却チューブ101と完全に分岐するまでの過渡区間を含む概念である。非撚り部102Aは、少なくともこの非冷却区間S2に設けられている。
【0026】
次に、上記構成のケーブル付き給電コネクタ100の製造方法(以下、本手法)について、
図2~
図6を参照して説明する。
図2~
図5は、一実施形態に係る電力線104の導体線102を端子1に接続するまでの工程図である。
図6は、
図5(d)の矢視A-A図である。
【0027】
本手法では、先ず、
図2(a)に示す電力線104の被覆103を剥いで、
図2(b)に示すように、導体線102の一部を露出させる(第1工程)。
被覆103を剥ぐことで、冷却チューブ101を中心として集合撚りされている導体線102の撚り部102Bが露出する。
【0028】
次に、本手法では、露出した導体線102の撚りをほぐして直線状に延ばす(第2工程)。
第2工程では、先ず、
図2(c)に示すように、冷却チューブ101に集中撚りされている導体線102の一束をより分ける。そして、
図2(d)に示すように、より分けた導体線102を指などでほぐし、ほぐした素線102aを整列させる。
【0029】
図2(c)及び
図2(d)に示す処理を繰り返し、導体線102の他の束もほぐして整列させる。導体線102がある程度ほぐれたら、
図3(a)に示すように、千枚通し300などで素線102aを梳かし、冷却チューブ101と素線102aを分ける。そして、以上の処理を、もう一本の電力線104に対しても繰り返す(
図3(b)参照)。
【0030】
次に、本手法では、
図4(a)に示すように、2本の電力線104の導体線102(素線102a)をバンド部材301で束ねる。バンド部材301は、針金や結束バンド、紐などであっても構わない。導体線102の複数個所をバンド部材301で束ねたら、
図4(b)に示すように、素線102aの先端を切断工具302で切断して、導体線102の先端の長さを揃える。
【0031】
次に、本手法では、導体線102を端子1の孔部31に挿入する(第3工程)。
第3工程では、先ず、
図5(a)に示すように、切断して長さを揃えた導体線102の先端を、端子1の孔部31に挿入する。次に、
図5(b)に示すように、バンド部材301を取り外しながら、導体線102を孔部31の奥まで挿入する。
【0032】
次に、本手法では、孔部31を圧縮変形させ、端子1と導体線102とを接続する(第4工程)。
第4工程では、端子1の導体線接続部30の外周に圧縮工具を取り付けて、
図5(c)に示すように、導体線102が挿入された孔部31が縮径するように圧縮変形(塑性変形)させる。これにより、導体線102が端子1に圧縮接続される。最後に、
図5(d)に示すように、不要となった残りのバンド部材301を取り外す。
【0033】
上述した工程によって、
図6に示すように、端子1の孔部31における空隙が減少し(導体線102の充填率を高め)、端子1と導体線102とを接続することができる。
仮に、導体線102の撚りをほぐさないで孔部31に挿入する場合、
図6の二点鎖線で示すように、導体線102の束と束との間に空間S3が形成され、端子1の孔部31における空隙が増大し(導体線102の充填率が低くなり)、接続抵抗が高くなる。また、孔部31も大きくしなければならない。
【0034】
一方、本手法によれば、上述した第1工程で導体線102の一部を露出させ、第2工程で導体線102の撚りをほぐし、第3工程で導体線102を端子1の孔部31に挿入し、第4工程で孔部31を圧縮変形させて、導体線102を端子1に接続するので、端子1の孔部31における導体線102の充填率を高め、導体線102と端子1との接触面積が増大し、接続抵抗を抑えることができる。このため、端子1と導体線102との接続部(導体線接続部30)における温度上昇も抑制することができる。
【0035】
このように、上述した本手法によれば、孔部31が形成されている端子1と、孔部31に挿入される導体線102が、撚られた状態で被覆103に覆われている電力線104を含むケーブル106と、を備えるケーブル付き給電コネクタ100の製造方法であって、電力線104の被覆103を剥いで、導体線102の一部を露出させる第1工程と、第1工程の後、露出した導体線102の撚りをほぐして直線状に延ばす第2工程と、第2工程の後、導体線102を端子1の孔部31に挿入する第3工程と、第3工程の後、孔部31を圧縮変形させ、端子1と導体線102とを接続する第4工程と、を有する、という手法を採用することによって、端子1の孔部31における導体線102の充填率を高めて接続抵抗を抑え、端子1と導体線102との接続部における温度上昇を抑制することができる。
【0036】
また、本手法によれば、上述した第2工程の後、第3工程の前に、
図5に示すように、導体線102をバンド部材301で束ねている。この手法によれば、撚りをほぐした導体線102をバンド部材301で束ねるので、端子1の孔部31への導体線102の挿入が容易になる。
【0037】
また、上述した本手法で製造されたケーブル付き給電コネクタ100は、孔部31が形成されている端子1と、孔部31に挿入される導体線102が、撚られた状態で被覆103に覆われている電力線104を含むケーブル106と、を備えるケーブル付き給電コネクタ100であって、導体線102は、被覆103から露出した部分に、直線状に延ばされた非撚り部102Aを有し、非撚り部102Aが、端子1の孔部31に挿入されて圧縮接続されている。この構成によれば、導体線102の非撚り部102Aが、端子1の孔部31に挿入されて圧縮接続されているので、端子1の孔部31における導体線102の充填率が高まり、接続抵抗を抑えることができる。このため、端子1と導体線102との接続部における温度上昇が抑制される。
【0038】
また、
図1に示すように、電力線104は、冷却チューブ101を備え、導体線102は、冷却チューブ101に接する冷却区間S1と、冷却チューブ101から離れる非冷却区間S2と、を有し、非撚り部102Aは、少なくとも非冷却区間S2に設けられている。この構成によれば、冷却チューブ101と離れる非冷却区間S2において、導体線102が撚られずに直線状に延びているので、導体線102が撚られた状態よりも熱が籠り難く、空冷、放熱の作用を促し、端子1と導体線102との接続部における温度上昇を抑制することができる。
【0039】
以上、本発明の好ましい実施形態を記載し説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、特許請求の範囲によって制限されている。
【0040】
例えば、上記実施形態では、内部に冷媒流路2を有する端子1に、冷却チューブ101を接続した形態を例示したが、例えば、端子1に溝や孔を設けて金属管をはめ込み、この金属管に冷却チューブ101を接続した形態であっても構わない。
【符号の説明】
【0041】
1…端子、31…孔部、100…ケーブル付き給電コネクタ、101…冷却チューブ、102…導体線、102A…非撚り部、103…被覆、104…電力線、106…ケーブル、301…バンド部材、S1…冷却区間、S2…非冷却区間