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▶ ジェネテシス エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】生体電磁界における異常の機械識別
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/243 20210101AFI20231130BHJP
【FI】
A61B5/243
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2019564526
(86)(22)【出願日】2018-05-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-16
(86)【国際出願番号】 US2018033719
(87)【国際公開番号】W WO2018217655
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】62/509,433
(32)【優先日】2017-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519412039
【氏名又は名称】ジェネテシス エルエルシー
(74)【復代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ムチハラ,ラジ
(72)【発明者】
【氏名】セテグン,エマニュエル ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ムーア,ベンジャミン ドナルドソン
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0011844(US,A1)
【文献】特表2009-542351(JP,A)
【文献】特表2007-527266(JP,A)
【文献】特開2012-179352(JP,A)
【文献】特表2014-525787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/05-5/0538
A61B 5/24-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
個体の心臓における心臓異常を検知するように構成される診断装置であって、前記診断装置は、
(i)前記個体の心臓に関連した電磁界測定値を感知するように構成される電磁界センサであって、ここで前記電磁界センサは、光ポンピング磁力計(OPM)、フラックスゲート、または超伝導量子干渉計(SQUID)である、電磁界センサと、
(ii)前記電磁界センサに動作可能に結合されるプロセッサと、
(iii)トレーニングされた機械学習ソフトウェアモジュールを含むソフトウェアでコード化される非一時的なコンピューター可読記憶媒体であって、ここでトレーニングされた機械学習ソフトウェアモジュールは、前記個体について、心臓異常の有無を代表する心臓関連の電磁界(EMF)信号部分の時空間表現を含む参照時空間表現を再構築するために前記個体の電磁界測定値を処理するように構成されたディープニューラルネットワーク(DNN)を含み、
前記ソフトウェアは前記プロセッサによって実行可能であり、さらに、
(a)前記電磁界センサから前記電磁界測定値を受け取ること、
(b)前記電磁界測定値を使用して、前記個体についてテスト時空間表現を生成することであって、ここで前記テスト時空間表現は、バタフライプロットと、基底から頂点までの心臓の磁気活性化の時空間表現と、左から右までの心臓の磁気活性化の時空間表現とから成る群から選択される少なくとも2つのものを含む、こと、
(c)前記個体について、心臓異常の有無を代表する心臓関連のEMF信号部分の時空間表現を含む参照時空間表現を再構築するためにトレーニングされた機械学習ソフトウェアモジュールを使用して、前記電磁界測定値を処理すること、
(d)前記個体についての前記テスト時空間表現と前記参照時空間表現との間の差を求めるために仮説関数を使用すること、ならびに、
(e)前記個体の心臓の心臓異常を(d)で求められた差に基づいて決定することを、前記プロセッサに行わせる、非一時的なコンピューター可読記憶媒体と、を含む、診断装置。
【請求項2】
前記個体の心臓に関連する1つ以上のさらなる電磁界計測値を感知するために前記個体の身体に対して1つ以上の様々な位置に配置されるように構成された1つ以上のさらなる電磁界センサをさらに含む、請求項1に記載の診断装置。
【請求項3】
前記電磁界センサはOPMである、請求項1に記載の診断装置。
【請求項4】
前記電磁界センサはSQUIDである、請求項1に記載の診断装置。
【請求項5】
前記プロセッサを含むハウジングをさらに含み、ここで、前記電磁界センサは前記ハウジングにハード接続される、請求項1に記載の診断装置。
【請求項6】
前記トレーニングされた機械学習ソフトウェアモジュールは、複数の個体から感知される複数の電磁界値を使用してトレーニングされる、請求項1に記載の診断装置。
【請求項7】
前記トレーニングされた機械学習ソフトウェアモジュールは、前記複数の個体に関連する複数の健康データ値を使用してトレーニングされる、請求項6に記載の診断装置。
【請求項8】
前記複数の個体から検知される前記複数の電磁界値は、心臓関連データを含む、請求項6に記載の診断装置。
【請求項9】
前記心臓関連データは個体の心臓に関連する電磁界を含む、請求項8に記載の診断装置。
【請求項10】
前記電磁界測定値はフィルタリングされる、請求項1に記載の診断装置。
【請求項11】
前記トレーニングされた機械学習ソフトウェアモジュールは、1以上の個体に関連する人口統計データ、医用画像データ、または臨床データの1つ以上を使用してトレーニングされる、請求項1に記載の診断装置。
【請求項12】
前記ソフトウェアは、前記プロセッサによって実行可能であり、および前記プロセッサに、さらに、前記電磁界測定値を波形へと変換させる、請求項1に記載の診断装置。
【請求項13】
前記ソフトウェアは、前記プロセッサによって実行可能であり、および前記プロセッサに、さらに、前記心臓異常に基づいて前記個体を処置するための治療を決定させる、請求項1に記載の診断装置。
【請求項14】
前記ソフトウェアは、前記プロセッサによって実行可能であり、および前記プロセッサに、さらに、前記個体の心臓の前記心臓異常に関連する領域を局在化させる、請求項1に記載の診断装置。
【請求項15】
前記個体の心臓の前記心臓異常は、心臓の虚血を含む、請求項1に記載の診断装置。
【請求項16】
前記個体の心臓の前記心臓異常は、うっ血性心不全を含む、請求項1に記載の診断装置。
【請求項17】
前記DNNは、ディープ畳み込みニューラルネットワーク(ディープCNN)、ディープ拡張CNN、ディープ全結合ニューラルネットワーク、またはディープリカレントニューラルネットワーク(ディープRNN)を含む、請求項1に記載の診断装置。
【請求項18】
前記DNNは、ディープCNNを含む、請求項17に記載の診断装置。
【請求項19】
前記DNNは、ディープ拡張CNNを含む、請求項17に記載の診断装置。
【請求項20】
前記DNNは、ディープ全結合ニューラルネットワークを含む、請求項17に記載の診断装置。
【請求項21】
前記DNNは、ディープRNNを含む、請求項17に記載の診断装置。
【請求項22】
(b)で生成される前記テスト時空間表現は、バタフライプロットと、基底から頂点までの心臓の磁気活性化時空間表現と、左から右までの心臓の磁気活性化時空間表現とを含む、請求項1に記載の診断装置。
【請求項23】
前記個体について、心臓異常の存在は、(d)で求められた差が閾値以上であるとき、決定され、および前記個体について、心臓異常の非存在は、(d)で求められた差が閾値未満であるとき、決定される、請求項1に記載の診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<相互参照>
本発明は、2017年5月22日に出願の米国仮特許出願第62/509,433号の利益を主張し、これは参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ヒトおよび動物の組織は、上記組織を通る電流によって電磁界(EMF)と関連付けられる。例えば、心磁図(MCG)は、心臓に関連するEMFを検知するために使用され得る。例えば、脳磁図(MEG)は、脳に関連するEMFを検知するために使用され得る。例えば、胃磁図(Magnetogastrography)(MGG)は、胃に関連するEMFを検知するために使用され得る。そのような電磁界の異常は、深刻な健康状態を示すことができる。
【発明の概要】
【0003】
心臓、脳、および胃のEMFの異常は、人体の他の臓器および組織の中でもとりわけ、深刻な健康状態を示すことができる。EMFを分析するための、ならびに臓器または組織によって生成されたEMFに基づいた個体の健康状態に関連する出力を生成するための装置、システム、方法、およびソフトウェアが本明細書に記載される。
【0004】
本明細書に記載される装置、システム、方法、およびソフトウェアのいくつかの実施形態において、EMFの分析は、機械学習ソフトウェアモジュールを利用して、被験体の臓器または組織の異常を識別することにより達成される。
【0005】
いくつかの実施形態において、機械学習ソフトウェアモジュールは、EMFデータ、記録を含む個体に関するデータ、ならびに個体の身体における臓器および/または組織に関するデータを使用してトレーニングされる。異常データは臓器または組織内の異常の有無を含み、上記異常は、任意の既知の結果または関連する疾患、障害あるいは疾病と共に特定される。個体に関するデータは、人口統計データ、医用画像データ、臨床データ(例えば、電子カルテを含む健康記録からの)、コード化されたデータ、コード化された特徴、または電磁界に由来するメトリックを含む。
【0006】
EMFデータは、EMF測定値、およびEMF測定値のシミュレーションを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールは、機械学習ソフトウェアモジュールが新しいEMFデータを分析し、および、トレーニングに基づいて異常が存在するかどうかを判定することができるように、EMFデータおよび対応する異常データ(つまり、EMFデータに対応する)の両方でトレーニングされる。さらに、機械学習ソフトウェアモジュールは、検出された異常に関連する疾病を決定することができる。
【0007】
臓器または組織により生成される電磁界を分析することによって、被験体の臓器または組織の異常の存在を検出するための方法、ソフトウェア、システム、および装置が本明細書に記載される。いくつかの実施形態において、EMFデータは、医用画像、臨床データ、およびコード化されたデータの1つ以上を生成するために使用される。これらの実施形態では、医用画像データ、臨床データ、コード化されたデータ、および/またはEMFデータに由来する他の特徴あるいはメトリックは、個体における異常の存在を識別するように構成される機械学習アルゴリズムをトレーニングするための入力として使用される。上記異常は、EMFが感知される臓器または個体の他の臓器あるいはシステムに関連し得る。いくつかの実施形態において、機械学習アルゴリズムは、個体の異常スコアを決定または予測するように構成される。
【0008】
個体の異常の存在を診断するための方法、ソフトウェア、システム、および装置が本明細書に記載され、上記方法、ソフトウェア、システム、および装置は:電磁界センサを使用して個体に関連する電磁界データを感知すること、EMFデータを使用して、医用画像データおよび/または臨床データおよび/またはコード化されたデータおよび/または上記データに由来する特徴あるいはメトリックを生成すること、1つ以上の医用画像および/または臨床データおよび/またはEMF測定値からのコード化されたデータおよび/または上記データから計算される任意の特徴あるいはメトリックの既知の患者データベースを使用して、トレーニング段階に仮説関数を構築すること、ならびに、未知の医用画像および/または臨床データおよび/またはEMF測定値からのコード化されたデータおよび/またはトレーニング段階からの構築された仮説関数を使用して、1人以上の患者の上記データから計算される任意の特徴あるいはメトリックの異常の可能性を予測すること、を含む。
【0009】
個体の異常の存在を診断するための方法、ソフトウェア、システム、および装置が本明細書に記載され、上記方法、ソフトウェア、システム、および装置は:電磁界センサを使用して個体に関連する電磁界データを感知すること、機械学習アルゴリズムを使用して電磁界データの分析を生成すること、および、電磁界データの分析に基づいて個体における異常の存在を判定すること、を含む。
【0010】
個体における異常の存在を診断するための方法が本明細書に記載され、上記方法は:電磁界センサを使用して個体に関連する電磁界データを感知すること、EMFデータを使用して、医用画像データおよび/または臨床データおよび/またはコード化されたデータおよび/または上記データに由来する特徴あるいはメトリックを生成すること、1つ以上の医用画像および/または臨床データおよび/またはEMF測定値からのコード化されたデータおよび/または上記データから計算される任意の特徴あるいはメトリックの既知の患者データベースを使用して、トレーニング段階に仮説関数を構築すること、ならびに、未知の医用画像および/または臨床データおよび/またはEMF測定値からのコード化されたデータおよび/またはトレーニング段階からの構築された仮説関数を使用して、1人以上の患者の上記データから計算される任意の特徴あるいはメトリックの異常の可能性を予測すること、を含む。いくつかの実施形態において、異常は心臓異常を含む。いくつかの実施形態において、異常は虚血を含む。いくつかの実施形態において、機械学習アルゴリズムはニューラルネットワークを含む。いくつかの実施形態において、機械学習アルゴリズムはコンピューターシミュレーションから生成される入力を使用してトレーニングされる。
【0011】
個体における異常の存在を診断するための方法が本明細書に記載され、上記方法は電磁センサを使用して、個体に関連する電磁データを感知する工程と機械学習アルゴリズムを使用して、電磁データの分析を生成する工程と電磁気データの分析に基づいて個体における異常の存在を判定する工程と、を含む。いくつかの実施形態において、異常は心臓異常を含む。いくつかの実施形態において、異常は虚血を含む。いくつかの実施形態において、機械学習アルゴリズムはニューラルネットワークを含む。いくつかの実施形態において、機械学習アルゴリズムはコンピューターシミュレーションから生成される入力を使用してトレーニングされる。いくつかの実施形態では、上記方法は、電磁データをフィルタリングする工程を含む。いくつかの実施形態において、電磁データをフィルタリングする工程は、電磁データを使用して、ケプストラム係数を生成することを含む。いくつかの実施形態では、ケプストラム係数を生成することは(a)電磁データを1つ以上の信号部分へ分割すること(b)上記1つ以上の部分の各々について、パワースペクトルのピリオドグラム推定値を計算すること(c)上記ピリオドグラム推定値の各々の合計を計算すること(d)合計の各々の対数をとること(e)上記対数の各々について離散的コサイン変換(DCT)を計算し、それにより、上記1つ以上の信号部分の各々について、ケプストラム係数を生成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、少なくとも1つのケプストラム係数を含む。いくつかの実施形態において、機械学習アルゴリズムへの入力は、少なくとも1つのケプストラム係数を含む。
【0012】
コンピューターに実装されるシステムが本明細書に記載され、上記システムは個体に関連する電磁データを感知するように構成される電磁センサと上記個体における異常の存在を判定するためにデジタル処理装置によって実行可能な命令を含むコンピュータプログラムとを含み、上記コンピュータプログラムは上記電磁データを受け取るように構成されるソフトウェアモジュールと上記電磁データを分析し、上記異常の存在を判定するように構成される機械学習アルゴリズムを含むソフトウェアモジュールとを含む。いくつかの実施形態において、異常は心臓の異常を含む。いくつかの実施形態において、異常は虚血を含む。いくつかの実施形態において、機械学習アルゴリズムはニューラルネットワークを含む。いくつかの実施形態において、機械学習アルゴリズムはコンピューターシミュレーションから生成される入力を使用してトレーニングされる。いくつかの実施形態において、上記システムは、電磁データをフィルタリングするように構成されるソフトウェアモジュールを含む。いくつかの実施形態において、上記電磁データをフィルタリングするように構成されるソフトウェアモジュールは、電磁データを使用して、ケプストラム係数を生成する。いくつかの実施形態では、ケプストラム係数を生成することは(a)電磁データを1つ以上の信号部分へ分割すること(b)上記1つ以上の信号部分の各々について、パワースペクトルのピリオドグラム推定値を計算すること(c)上記ピリオドグラム推定値の各々の合計を計算すること(d)合計の各々の対数をとること(e)上記対数の各々について離散的コサイン変換(DCT)を計算し、それにより、上記1つ以上の信号部分の各々について、ケプストラム係数を生成することをさらに含む。いくつかの実施形態において、上記ケプストラム係数を生成することは、少なくとも1つのケプストラム係数を破棄することを含む。いくつかの実施形態において、上記機械学習アルゴリズムへの入力は、少なくとも1つのケプストラム係数を含む。


【0013】
医学的診断を決定するように構成される診断装置が本明細書に記載され、上記診断装置は:個体に関連する電磁界測定値を感知するように構成される電磁界センサと;電磁界センサに動作可能に結合されるプロセッサと;トレーニングされた機械学習ソフトウェアモジュールを含むソフトウェアでコード化された非一時的なコンピューター可読記憶媒体とを含み、ここで、上記ソフトウェアは、上記プロセッサにより実行可能であり、および、電磁界センサから電磁界測定値を受け取ること;抽出技術を使用して電磁界測定値の抽出値を抽出することであって、ここで、上記トレーニングされた機械学習ソフトウェアモジュールは、使用される抽出技術を決定する、こと;データ関連技術を使用して上記抽出値と1つ以上の他の値を関連させ、それによってデータ関連性を生成することであって、ここで、上記トレーニングされた機械学習ソフトウェアモジュールは、使用されるデータ関連技術を決定する、こと;上記関連性に基づいて仮説関数を生成すること;および、上記仮説関数に基づいて個体の医学的診断を決定することを上記プロセッサに行わせる。いくつかの実施形態において、センサアレイ、電磁界センサは、上記アレイ内に配置される。いくつかの実施形態において、上記電磁界センサは、光ポンピング磁力計または超伝導量子干渉計型センサを含む。いくつかの実施形態において、ハウジングは上記プロセッサを含み、ここで、上記電磁センサは上記ハウジングにハード接続される。いくつかの実施形態において、トレーニングされた機械学習ソフトウェアモジュールは、集団内の複数の個体から感知される複数の電磁界値を含む保存されたデータへのアクセスを有する。いくつかの実施形態において、保存されたデータは、複数の個体に関連する複数の健康データ値を含む。いくつかの実施形態において、トレーニングされた機械学習ソフトウェアモジュールは、トレーニングされた機械学習ソフトウェアモジュールをトレーニングするために使用されるデータへのアクセスを有する。いくつかの実施形態において、トレーニングされた機械学習ソフトウェアモジュールをトレーニングするために使用されるデータは、心臓関連データを含む。いくつかの実施形態において、心臓関連データは、個体の心臓に関連する電磁界を含む。いくつかの実施形態において、トレーニングされた機械学習ソフトウェアモジュールをトレーニングするために使用されるデータは、脳関連データを含む。いくつかの実施形態において、脳関連データは、個体の脳に関連する電磁界を含む。いくつかの実施形態において、抽出値は、電磁界測定値に対応する電磁波形のセグメントを含む。いくつかの実施形態において、電磁界測定値はフィルタリングされる。いくつかの実施形態において、1つ以上のデータ値は、集団の1以上の個体に関連する人口統計データ、医用画像データ、または臨床データの1つ以上を含む。いくつかの実施形態において、プロセッサは、電磁界測定値を波形に変換するようにさらに構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、診断を処理するための治療を決定するようにさらに構成される。いくつかの実施形態において、診断は心臓関連診断を含む。いくつかの実施形態において、診断は脳関連診断を含む。
【0014】
診断方法であって、プロセッサおよびトレーニングされた機械学習ソフトウェアモジュールを含む感知装置に動作可能に結合される電磁界センサから電磁界測定値を受け取る工程と;プロセッサを用いて、抽出技術を使用して電磁界測定値から抽出値を上記抽出する工程であって、ここで、トレーニングされた機械学習ソフトウェアモジュールは、使用される抽出技術を決定する、工程と;上記プロセッサを用いて、データ関連技術を使用して上記抽出値と1つ以上の他の値を関連させ、それによって、データ関連性を生成する工程であって、ここで、上記トレーニングされたソフトウェアモジュールは、使用されるデータ関連技術を決定する、工程と;上記プロセッサを使用して、上記関連性に基づいて仮説関数を生成する工程と;上記プロセッサを使用して、仮説関数に基づいて個体の医学的診断を決定する工程と、を含む診断方法が本明細書に記載される。
【0015】
いくつかの実施形態において、感知装置はセンサアレイを含み、電磁界センサは前記アレイ内に配置される。いくつかの実施形態において、上記電磁界センサは、光ポンピング磁力計または超伝導量子干渉計型センサを含む。いくつかの実施形態において、上記電磁センサは、上記感知装置にハード接続される。いくつかの実施形態において、上記方法は、トレーニングされた機械学習ソフトウェアモジュールによって、集団内の複数の個体から感知される複数の電磁界値を含む保存されたデータにアクセスする工程を含む、いくつかの実施形態において、保存されたデータは、複数の個体に関連する複数の健康データ値を含む。いくつかの実施形態において、上記方法は、トレーニングされた機械学習ソフトウェアモジュールによって、上記トレーニングされた機械学習ソフトウェアモジュールをトレーニングするために使用されるデータにアクセスする工程を含む。いくつかの実施形態において、トレーニングされた機械学習ソフトウェアモジュールをトレーニングするために使用されるデータは、心臓関連データを含む。いくつかの実施形態において、心臓関連データは、個体の心臓に関連する電磁界を含む。いくつかの実施形態において、トレーニングされた機械学習ソフトウェアモジュールをトレーニングするために使用されるデータは、脳関連データを含む。いくつかの実施形態において、脳関連データは、個体の脳に関連する電磁界を含む。いくつかの実施形態において、抽出値は、電磁界測定値に対応する電磁波形のセグメントを含む。いくつかの実施形態において、上記方法は、電磁界測定値をフィルタリングする工程を含む。いくつかの実施形態において、1つ以上のデータ値は、集団の1以上の個体に関連する人口統計データ、医用画像データ、または臨床データの1つ以上を含む。いくつかの実施形態において、プロセッサは、電磁界測定値を波形に変換するようにさらに構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、診断を処理するための治療を決定するようにさらに構成される。いくつかの実施形態において、診断は心臓関連診断を含む。いくつかの実施形態において、診断は脳関連診断を含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の新規な特徴は、とりわけ添付の特許請求の範囲において明記される。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が用いられる実施形態を説明する以下の詳細な説明と、以下の添付図面とを引用することによって得られるであろう。
【0017】
図1】AおよびBは、ニューラルネットワーク内のデータの流れに関して、ニューラルネットワーク構造の概要例を示す。
図2】例示的な機械学習ソフトウェアモジュールを表す概略図を示す。
図3】EMFを感知および分析するための例示的な装置の概略図を示す。
図4】デジタル処理装置を含むシステムの例示的な実施形態の概略図を示す。
図5A】個体の胸部に近接して配置された複数のOPMセンサから感知されるEMFデータの例を示す。
図5B】個体の胸部に近接して配置された複数のOPMセンサから感知されるEMFデータの例を示す。
図6A】個体の胸部に近接して配置された複数のSQUIDセンサから感知されるEMFデータの例を示す。
図6B】個体の胸部に近接して配置された複数のSQUIDセンサから感知されるEMFデータの例を示す。
図7A】胎児に近接して配置された複数のOPMセンサから感知されるEMFデータの例を示す。
図7B】胎児に近接して配置された複数のOPMセンサから感知されるEMFデータの例を示す。
図8A】胎児に近接して配置された複数のSQUIDセンサから感知されるEMFデータの例を示す。
図8B】胎児に近接して配置された複数のSQUIDセンサから感知されるEMFデータの例を示す。
図9】健康な成人の心臓の磁気活性化の3つの時空間活性化表現を示す。
図10】個体の頭部の近くで感知される、感知したEMFに基づいて、個体から感知されるMEGの例を示す。
図11】個体から感知されたEMFから生成される、重ね合わせた(co-registered)MRIおよびMEGの例を示す。
図12】そのEMFデータX’の再構築を出力するように構成されたDNNによって受け取られる、心臓関連EMFデータの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
個体に関連するEMFデータを感知および分析することにより、上記個体における異常を判定するための装置、システム、方法、およびソフトウェアが本明細書に記載される。
【0019】
<ソフトウェアモジュール>
1つ以上のEMFセンサによって感知された、感知したEMFデータが受け取られて、機械学習ソフトウェアモジュールを含むソフトウェアモジュールによって分析される。
【0020】
一般的に、本明細書に記載されるソフトウェアモジュールは、コンピューター可読および実行可能なコードを含む。様々な実施形態において、ソフトウェアモジュールは、ファイル、コードのセクション、プログラミングオブジェクト、プログラミング構造、またはそれらの組み合わせを含む。さらに様々な実施形態において、ソフトウェアモジュールは、複数のファイル、コードの複数のセクション、複数のプログラミングオブジェクト、複数のプログラミング構造、またはそれらの組み合わせを含む。様々な実施形態において、1つ以上のソフトウェアモジュールは、限定されないが、ウェブアプリケーション、モバイルアプリケーション、およびスタンドアロンアプリケーションを含む。いくつかの実施形態において、ソフトウェアモジュールは、1つのコンピュータプログラムまたはアプリケーション内にある。他の実施形態において、ソフトウェアモジュールは、1より多くのコンピュータプログラムまたはアプリケーション内にある。いくつかの実施形態において、ソフトウェアモジュールは1つのマシン上でホストされる(hosted)。他の実施形態において、ソフトウェアモジュールは1つより多くのマシン上でホストされる。さらなる実施形態において、ソフトウェアモジュールは、クラウドコンピューティングプラットフォーム上でホストされる。いくつかの実施形態において、ソフトウェアモジュールは1つの位置にある1つ以上のマシン上でホストされる。他の実施形態において、ソフトウェアモジュールは、1より多くの位置にある1つ以上のマシン上でホストされる。
【0021】
一般的に、本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールは、データを受け取り、データを分析し、および出力を生成するように構成される。機械学習ソフトウェアモジュールによって生成される出力の非限定的な例は、異常、疾患状態、不均衡、診断、予後、健康状態の変化の予測、予防的治療を含む治療提案を含む。
【0022】
いくつかの実施形態において、機械学習ソフトウェアモジュールは、感知したEMFデータを分析し、かつ上記感知したデータに基づいて仮説関数を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールによって生成される仮説関数は、個体から感知されて機械学習ソフトウェアモジュールに入力されるEMFに基づいて、個体における異常の存在を判定するように構成される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールによって生成される仮説関数は、個体から感知されて機械学習ソフトウェアモジュールに入力されるEMFに基づいて、個体の予後を判定するように構成される。いくつかの実施形態において、仮説関数は、個体から感知されて機械学習ソフトウェアモジュールに入力されるEMFに基づいて、個体のための治療提案を決定するように構成され、ここで、上記治療は、既存の異常の処置および異常の発生の予防の1つ以上を行う。いくつかの実施形態では、機械学習ソフトウェアモジュールによるEMFデータの分析は、感知したEMFデータに関連する異常の識別を含む。例えば、本明細書に記載される機械学習アルゴリズムは、個体から感知されたEMFデータを受け取り、上記データを分析して、上記個体がうっ血性心不全を患っていると判定する。
【0023】
例えば、1以上のニューラルネットワークを利用する学習アルゴリズムなどの機械学習アルゴリズムを使用して、EMFデータを分析するように構成される機械学習ソフトウェアモジュールが本明細書に記載される。ニューラルネットワークは、入力データセットと標的データセットとの間の関係を学習することができる計算システムの一種である。ニューラルネットワークは、ヒトによって使用される「学習」および「一般化」の能力を捉えることを目的とした、ヒト神経系(例えば、認知体系)のソフトウェア表現である。ソフトウェアモジュールのいくつかの実施形態において、ソフトウェアモジュールは、畳み込みニューラルネットワークを含むニューラルネットワークを含む。本明細書に記載される機械学習ソフトウェアの実施形態の構造構成要素の非限定的な例は、以下のものを含む:(ディープ)畳み込みニューラルネットワーク、(ディープ)リカレントニューラルネットワーク、(ディープ)拡張畳み込みニューラルネットワーク、(ディープ)全結合ニューラルネットワーク、ディープ生成モデル、および(ディープ)(制限)ボルツマンマシン。
【0024】
本明細書に記載されるソフトウェアアプリケーションおよびシステムのいくつかの実施形態において、機械学習ソフトウェアモジュールはリカレントニューラルネットワーク・ソフトウェアモジュールを含む。リカレントニューラルネットワーク・ソフトウェアモジュールは、連続EMF測定値などの入力として連続するデータを受け取るように構成され、上記リカレントニューラルネットワーク・ソフトウェアモジュールは、時間ステップ毎に内部状態を更新する。
【0025】
いくつかの実施形態において、機械学習ソフトウェアモジュールは、例えば、SVM、ランダムフォレスト、クラスタリングアルゴリズム、勾配ブースティング、ロジスティック回帰、または決定木などの教師あり学習方法あるいは教師なし学習方法を含む。
【0026】
いくつかの実施形態において、機械学習ソフトウェアモジュールは、CNN、RNN、拡張CNN、全結合ニューラルネットワーク、ディープ生成モデル、およびディープ制限ボルツマンマシンを含む、ニューラルネットワークを含む。
【0027】
いくつかの実施形態において、ニューラルネットワークは、「ニューロン」と呼ばれる一連の層で構成される。ニューラルネットワークにおける典型的なニューロンが図1Aで示される。図1Bで例示されるように、ニューラルネットワークの実施形態では、データが提示される入力層と;1つ以上の内部または「隠れ」層と;出力層と、がある。ニューロンは、上記接続部の強度を制御するパラメータである重みを有する接続部を介して他の層のニューロンに接続されてもよい。各層のニューロンの数は、解決される問題の複雑さと関連し得る。層に必要なニューロンの最少数は問題の複雑さによって決定され得、最大数はニューラルネットワークの一般化能力によって制限され得る。入力ニューロンは、提示されているデータからデータを受け取り、そのデータを、トレーニング間に変更される接続部の重みを介して第1の隠れ層に送信することができる。第1の隠れ層はそのデータを処理し、その結果を、重みが加えられた接続部の第2のセットを介して次の層に送信することができる。続く層はそれぞれ、前の層の結果をより複雑な関係へとプール(pool)することができる。加えて、従来のソフトウエアプログラムは、機能を実行するために特定の命令を書くことを必要とするが、ニューラルネットワークは、既知のサンプルセットでそれらをトレーニングし、および出力値などの所望の出力を提供するようにトレーニング中に(およびトレーニング後に)、それら自体を変更することを可能にすることによってプログラムされる。トレーニング後に、ニューラルネットワークに新たな入力データが提示される場合、その入力に関連する出力を生成するために、トレーニング中に「学習した」ものを一般化し、トレーニング中に学習したものを新しい未表示の入力データに適用するように構成される。
【0028】
本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールのいくつかの実施形態において、機械学習ソフトウェアモジュールは、ディープ畳み込みニューラルネットワークなどのニューラルネットワークを含む。畳み込みニューラルネットワークが使用されるいくつかの実施形態において、ネットワークは、任意の数の畳み込み層、拡張層、または全結合層で構築される。いくつかの実施形態において、畳み込み層の数は1-10であり、拡張層の数は0-10である。いくつかの実施形態において、畳み込み層の数は1-10であり、全結合層の数は0-10である。
【0029】
図2は、機械学習ソフトウェアモジュールの例示的な実施形態の構造を表すフローチャートを示す。この例示的な実施形態では、ディープラーニングモジュールに送られるMFCC特徴(245)を抽出するために、個体の生のEMF(240)が使用される。機械学習ソフトウェアモジュールは、拡張畳み込みニューラルネットワーク(250)および(260)の2つのブロックを含む。各ブロックは、拡張速度D=1、2、4、8、16を有する5つの拡張畳み込み層を有する。ブロックの数および各ブロック中の層数は増減することができ、したがって、図2で描写される構成に制限されない。
【0030】
<トレーニング段階>
本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールは、少なくとも1つのトレーニング段階を受けるように構成され、ここで、上記機械学習ソフトウェアモジュールは、データ抽出、データ分析、および出力生成を含む1つ以上のタスクを実行するようにトレーニングされる。
【0031】
本明細書に記載されるソフトウェアアプリケーションのいくつかの実施形態において、上記ソフトウェアアプリケーションは、機械学習ソフトウェアモジュールをトレーニングするトレーニングモジュールを含む。上記トレーニングモジュールは、機械学習ソフトウェアモジュールにトレーニングデータを提供するように構成され、上記トレーニングデータは、例えば、EMF測定値および対応する異常データを含む。さらなる実施形態では、上記トレーニングデータは、対応するシミュレートされた異常データを有するシミュレートされたEMFデータで構成される。本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールのいくつかの実施形態において、機械学習ソフトウェアモジュールは、EMF測定値から抽出および/または分析する特徴を決定するために、データの自動統計分析を利用する。これらの実施形態のいくつかにおいて、機械学習ソフトウェアモジュールが受けるトレーニングに基づいて、機械学習ソフトウェアモジュールは、EMFから抽出および/または分析する特徴を決定する。
【0032】
いくつかの実施形態において、機械学習ソフトウェアモジュールは、教師あり学習と記載されるかもしれない様式で、データセットおよび標的を使用してトレーニングされる。これらの実施形態では、データセットは、従来、トレーニングセット、テストセット、場合によっては、検証セットに分けられる。データセット内の各入力値の適切な分類を含有する標的が指定される。例えば、1以上の個体からのEMFデータのセットは、機械学習ソフトウェアモジュールに繰り返し提示され、トレーニング中に提示される各サンプルについて、機械学習ソフトウェアモジュールによって生成された出力は、所望の標的と比較される。標的と入力サンプルのセットとの間の差異が計算され、出力が所望の標的値により近づくように機械学習ソフトウェアモジュールが修正される。いくつかの実施形態において、出力が所望の標的値により近づくように誤差逆伝播法が利用される。多くのトレーニング反復後、機械学習ソフトウェアモジュール出力は、入力トレーニングセットにおける各サンプルの所望の標的にぴったり一致する。その後、トレーニング中に使用されなかった新たな入力データが機械学習ソフトウェアモジュールに提示される場合、新たなサンプルがどのカテゴリーに該当する可能性が最もありそうかを示す出力分類値を生成することができる。機械学習ソフトウェアモジュールは、そのトレーニングから、新たな未表示の入力サンプルに「一般化する」ことができると言われている。機械学習ソフトウェアモジュールのこの特徴により、割り当てられるカテゴリーと数学上定式化できる関係を有するほとんどの入力データを分類するために、上記機械学習ソフトウェアモジュール使用することができる。
【0033】
本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールのいくつかの実施形態において、機械学習ソフトウェアモジュールは個別学習モデルを利用する。個別学習モデルは、1つの個体からのデータでトレーニングした機械学習ソフトウェアモジュールに基づき、したがって、個別学習モデルを利用する機械学習ソフトウェアモジュールは、機械学習ソフトウェアモジュールのトレーニング用のデータの単一の個体上で使用されるように構成される。
【0034】
本明細書に記載される機械トレーニングソフトウェアモジュールのいくつかの実施形態において、機械トレーニングソフトウェアモジュールは世界的なトレーニングモデルを利用する。世界的なトレーニングモデルは、複数の個体のデータ上でトレーニングした機械トレーニングソフトウェアモジュールに基づき、したがって、世界的なトレーニングモデルを利用する機械トレーニングソフトウェアモジュールは、複数の患者/個体上で使用されるように構成される。
【0035】
本明細書に記載される機械トレーニングソフトウェアモジュールのいくつかの実施形態において、機械トレーニングソフトウェアモジュールはシミュレートされたトレーニングモデルを利用する。シミュレートされたトレーニングモデルは、シミュレートされたEMF測定値からのデータ上でトレーニングした機械トレーニングソフトウェアモジュールに基づく。シミュレートされたトレーニングモデルを利用する機械トレーニングソフトウェアモジュールは、複数の患者/個体上で使用されるように構成される。
【0036】
いくつかの実施形態では、EMFデータの有効性が変化すると、トレーニングモデルの使用が変化する。例えば、所望の精度への機械トレーニングソフトウェアモジュールのトレーニングに利用可能な適切な患者データ量が不十分である場合、シミュレートされたトレーニングモデルが使用されてもよい。これは、異常に関連する適切なEMF測定値が最初にほとんど利用可能でないため、実施の初期において特にあてはまることがある。追加データが利用可能になるとともに、トレーニングモデルは、世界的モデルまたは個別モデルに変更することができる。いくつかの実施形態において、トレーニングモデルの混合物が、機械トレーニングソフトウェアモジュールをトレーニングするために使用されてもよい。例えば、複数の患者のデータとシミュレートされたデータとの混合物を利用してトレーニングデータ要件を満たす、シミュレートされた世界的なトレーニングモデルが使用されてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、機械トレーニングソフトウェアモジュールをトレーニングして、例えば、EMFデータなどの入力データ、および例えば、診断または異常などの出力を使用するために、教師なし学習が使用される。いくつかの実施形態では、教師なし学習は、入力データ上で機械学習ソフトウェアモジュールによって実施される特徴抽出を含む。抽出された特徴は、視覚化、分類、後の教師ありトレーニング、およびより一般に、後の保存または分析のための入力を表すために使用されてもよい。場合によっては、各トレーニングケースが複数のEMFデータで構成されてもよい。
【0038】
教師なしトレーニングに一般的に使用される機械学習ソフトウェアモジュールは、K-平均法、多項分布の混合物、親和性伝播、分散因子分析、隠れマルコフモデル、ボルツマンマシン、制限ボルツマンマシン、オートエンコーダ、畳み込みオートエンコーダ、リカレントニューラルネットワークオートエンコーダ、および長い短期記憶オートエンコーダを含む。多くの教師なし学習モデルがある一方で、それらはすべて、トレーニングのために、関連するラベルのない生物学的配列からなるトレーニングセットを必要とする共通点を持っている。
【0039】
機械学習ソフトウェアモジュールは、トレーニング段階および予測段階を含むことがある。トレーニング段階には、機械学習アルゴリズムをトレーニングするために、データが典型的に提供される。トレーニング目的のために機械学習ソフトウェアモジュールに入力されたデータの種類の非限定的な例は、医用画像データ、臨床データ(例えば、健康記録からの)、コードしたデータ、コードした特徴、または電磁界に由来するメトリックを含む。いくつかの実施形態では、機械学習ソフトウェアモジュールに入力されるデータは、仮説関数を構築して異常の存在を決定するために使用される。いくつかの実施形態において、機械学習ソフトウェアモジュールは、仮説関数の結果が達成されたかどうかを判定し、その分析に基づいて、仮説関数が構築されたデータに関して判定を行うように構成される。すなわち、結果は、仮説関数が構築されたデータに関する仮説関数を強化するか、または仮説関数が構築されたデータに関する仮説関数と矛盾する傾向がある。これらの実施形態において、上記結果が仮説関数により判定された結果にどれくらい近い傾向にあるかに基づいて、機械学習アルゴリズムは、仮説関数が構築されたデータに対して仮説関数を採用するか、調節するか、または放棄する。したがって、本明細書に記載される機械学習アルゴリズムは、入力(例えば、データ)の患者のEMFの特徴が何らかの異常を示すかどうか判定する際に、どの特性が最も予測的であるかをトレーニング段階を通じて動的に学習する。
【0040】
例えば、機械学習ソフトウェアモジュールには、例えば、受け取ったEMFデータの最も顕著な特徴を決定して、操作できるように、トレーニングすべきデータが提供される。本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールは、あらかじめ定義された命令を使用してEMFデータを分析するのではなく、EMFデータを分析する方法についてトレーニングする。したがって、本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールは、EMFの特徴が何らかの異常も示すかどうか判定する際に、どの入力信号の特性が最も予測的であるかをトレーニングを通じて動的に学習する。
【0041】
いくつかの実施形態において、機械学習ソフトウェアモジュールは、例えば、異常データと共にEMFデータを繰り返し機械学習ソフトウェアモジュールに提示することによりトレーニングされる。用語「異常データ」は、臓器または組織中の異常の存在あるいは非存在に関するデータを含むことを意味する。可能な場合、異常に関連するあらゆる疾患、障害、または疾病が異常データに含まれている。例えば、高血圧症、血流不全、または息切れの症状を表示する被験体に関する情報は、異常データとして含まれている。被験体のいかなる不規則な健康状態の欠如に関する情報も異常データとして含まれている。EMFデータがコンピューターシミュレーションによって生成される場合、異常データは、臓器または組織をシミュレートするために使用されている追加データとして使用されてもよい。いくつかの実施形態において、1つ以上の異常が異常データに含まれている。さらなる実施形態では、1つ以上の疾病、疾患、または障害が異常データに含まれている。
【0042】
いくつかの実施形態において、機械学習ソフトウェアモジュールにEMFデータが与えられ、異常の存在を判定するように求められると、トレーニングが開始される。その後、予測された異常は、EMFデータに対応する真の異常データと比較される。配降下法および誤差逆伝播法などの最適化技術は、機械学習ソフトウェアモジュールによって予測される異常確率と異常の存在とのより近い一致を生成するように、機械学習ソフトウェアモジュールの各層の重みを更新するために使用される。ネットワークの精度が所望のレベルに達するまで、このプロセスは新たなEMFデータおよび異常データを用いて反復される。いくつかの実施形態において、異常データは、異常のタイプおよび位置をさらに含む。例えば、異常データは、異常が存在し、上記異常が心臓の左心室の血流不全であることを示すことができる。この場合、対応するEMFデータが機械学習ソフトウェアモジュールに与えられ、異常のタイプおよび位置を判定するように求められると、トレーニングが開始される。最適化技術は、機械学習ソフトウェアモジュールによって予測される異常データと真の異常データとの間のより近い一致を生成するように、機械学習ソフトウェアモジュールの各層の重みを更新するために使用される。ネットワークの精度が所望のレベルに達するまで、このプロセスは新たなEMFデータおよび異常データを用いて反復される。いくつかの実施形態において、異常データは、同定された異常に関連する、既知の結果として生じるか、または関連する疾患、障害、あるいは疾病をさらに含む。例えば、異常データは、被験体が心房粗動および動脈冠動脈疾患を患っていることを示すことができる。このような場合に、対応するEMFデータが機械学習ソフトウェアモジュールに与えられ、疾病、障害、または疾患の存在を判定するように求められると、トレーニングが開始される。その後、出力データは、EMFデータに対応する真の異常データと比較される。最適化技術は、機械学習ソフトウェアモジュールによって予測される異常確率と実際の異常とのより近い一致を生成するように、機械学習ソフトウェアモジュールの各層の重みを更新するために使用される。ネットワークの精度が所望のレベルに達するまで、このプロセスは新たなEMFデータおよび異常データを用いて反復される。上記の与えられた適切な異常データを用いたトレーニングの後で、機械学習モジュールはEMF測定値を分析し、異常の存在、上記異常のタイプおよび位置、ならびにそのようなものに関連する疾病を判定することができる。
【0043】
本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールのいくつかの実施形態において、上記機械学習ソフトウェアモジュールは、EMFデータを受け取り、被験体の異常確率を直接決定し、ここで、上記異常確率は、EMF測定値が被験体の異常に関連する確率を含む。
【0044】
いくつかの実施形態において、機械学習ソフトウェアモジュールは、ある期間にわたる対応する異常データを有する単一の連続EMF測定値でトレーニングされる。これは、機械学習ソフトウェアモジュールをトレーニングするために利用可能なトレーニングデータの量を、大幅に増大させることができる。例えば、異常データを伴うN個の連続的な10秒のセグメントからなるEMF記録では、そのようなセグメントの少なくともNNペアを生成してトレーニングすることができる。
【0045】
いくつかの実施形態において、個体の異常データは、システムの個体によって入力される。いくつかの実施形態において、個体の異常データは、個体以外の実体(entity)によって入力される。いくつかの実施形態において、上記実体は、医療サービス提供者、医療従事者、家族、または知人であってもよい。さらなる実施形態では、上記実体は、EMF測定値を分析し、生理学的異常に関連するデータを提供する、すぐに記載される(instantly described)システム、装置、または追加のシステムであってもよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、機械学習ソフトウェアモジュールに広いトレーニングデータセットを提供するために、EMF測定値が広範囲の条件を表すことを保証するために、トレーニングデータの収集のための戦略が提供される。例えば、設定された期間中の規定数の測定値が、トレーニングデータセットのセクションとして必要とされることがある。さらに、これらの測定値は、測定と測定の間に一定時間があると規定され得る。いくつかの実施形態において、被験体の身体状態の変動により得られたEMF測定値が、トレーニングデータセットに含まれていることがある。身体状態の例は、心拍数の加速および脳信号伝達の増強を含む。さらなる例は、薬物の影響下または診療行為中の被験体EMFデータの分析を含む。
【0047】
いくつかの実施形態において、トレーニングデータは、被験体により実施されたEMF測定値のランダムに重複するセグメントを抽出することによって生成されてもよい。いくつかの実施形態において、トレーニングの例は、被験体に依存しない測定記録、モデル、またはアルゴリズムによって提供され得る。被験体および非被験体のトレーニング測定値の任意の混合物または比率が、システムをトレーニングするために使用することができる。例えば、ネットワークは、被験体の測定値から抽出された5のEMFのセグメント、および別の被験体の記録から得られた15,000のEMFのセグメントを使用してトレーニングされてもよい。トレーニングデータは2つの異なる方法を使用して取得されてもよい。第1の方法は、直接被験者の胸部のEMF測定値を測定することである。第2の方法は、心臓の正確な電気解剖学的モデルの作製に関与する。この電気解剖学的モデルは、健康な被験体および病気の被験体の両方のEMF測定値を生成するために使用することができる。その測定値は、ビオ・サバールの法則の適用により取得される。これは、電流の特定の動作によって引き起こされる、空間の所与のポイントでの磁場ベクターを計算する。EMF測定値が取得または計算された後、それらは分類ラベルと共にネットワークに送られ、病変組織の存在および位置の両方が記載される。
【0048】
一般的に、機械学習アルゴリズムは、医用画像および/または臨床データおよび/または1以上のEMF測定値からコード化されたデータおよび/または対応するグラウンドトルース値を有する上記データから計算された任意の特徴あるいはメトリックの大規模な患者データベースを使用してトレーニングされる。トレーニング段階は、医用画像および/または臨床データおよび/または1以上EMF測定値からコード化されたデータおよび/または未知の患者の上記データから計算された任意の特徴あるいはメトリックを使用することによって、未知の患者の臓器あるいは組織中の異常の確率を予測するための変形関数を構築する。機械学習アルゴリズムは、患者のEMFデータの特徴が何らかの異常を表すかどうかを判定する際に、どの入力信号の特性が最も予測的であるかをトレーニングを通じて動的に学習する。予測段階は、医用画像および/または臨床データおよび/または1以上のEMF測定値からコード化されたデータおよび/または未知の患者の上記データから計算された任意の特徴あるいはメトリックを使用することによって、未知の患者の臓器あるいは組織における異常の確率を予測するために、トレーニング段階からの構築および最適化された変形関数を使用する。
【0049】
<予測段階>
トレーニングに続いて、機械学習アルゴリズムは、例えば、異常の有無を判定するために使用され、予測段階を使用して、この異常の有無についてシステムがトレーニングされた。適切なトレーニングデータを用いて、システムは、異常の位置およびタイプを同定し、そのような異常に関連した現状を提示することができる。例えば、EMF測定値は被験体の脳から得られ、EMF測定値に由来する適切なデータは、記載されるトレーニングされた機械学習アルゴリズムを使用して、分析のためにシステムに提出される。これらの実施形態では、機械学習ソフトウェアアルゴリズムは、癲癇に関連する異常を検出する。いくつかの実施形態において、機械学習アルゴリズムは、個体のEMF測定値に基づいて個体の癲癇に関連する個体の脳の領域を局在化するなど、異常に関連する解剖学的領域をさらに局在化する。
【0050】
さらなる例は、被験体は動脈血流不全を患っていることが知られており、薬物での処置前後にEMF測定値を記録した。医用画像および/または臨床データおよび/またはEMF測定値からコード化されたデータおよび/または上記データに由来する特徴および/またはメトリックが、予測段階を使用して異常な血流に対する薬物の有効性を判定するために、記載されるトレーニングされた機械学習アルゴリズムを使用して、分析のためにシステムに提出される。
【0051】
予測段階は、医用画像および/または臨床データおよび/またはEMF測定値からコード化されたデータおよび/または未知の個体の上記データから計算された任意の特徴あるいはメトリックを使用するによって、未知の患者の臓器あるいは組織中の異常の確率を予測するために、トレーニング段階からの構築および最適化された仮説関数を使用する。
【0052】
いくつかの実施形態において、予測段階では、機械学習ソフトウェアモジュールは、本明細書に記載される任意のシステムまたは装置とは無関係に、そのEMF測定値に由来するデータを分析するために使用することができる。これらの例では、新たなデータ記録は、被験体の異常の存在を判定するのに必要なより長い信号窓を提供することができる。いくつかの実施形態において、より長い信号は、適切なサイズ、例えば、10秒にカットすることができ、その後、予測段階で使用して、新たな患者データの異常の確率を予測することができる。
【0053】
いくつかの実施形態において、確率閾値は、所与の記録がトレーニングされた異常と一致するかどうかを判定するために、最終確率と組み合わせて使用されてもよい。いくつかの実施形態において、トレーニングされたネットワークの感度を調節するために、確率閾値が使用される。例えば、確率閾値は、1%、2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%であってもよい。いくつかの実施形態において、精度、感度、または特異性があらかじめ定められた調整閾値を下回る場合、確率閾値が調節される。いくつかの実施形態において、調整閾値は、トレーニング期間のパラメータを決定するために使用される。例えば、確率閾値の精度が調整閾値を下回る場合、システムはトレーニング期間を延長し、および/または追加の測定値および/または異常データを要求することができる。いくつかの実施形態において、追加の測定値および/または異常データは、トレーニングデータに含むことができる。いくつかの実施形態において、追加の測定値および/または異常データは、トレーニングデータセットを洗練するために使用することができる。
【0054】
<入力データ>
本明細書に記載されるように、EMFを分析する方法について機械学習ソフトウェアモジュールをトレーニングして、例えば、異常の存在を判定するために、データ(入力)が機械学習ソフトウェアモジュールに典型的に提供される。入力データもまた、出力を生成するために機械学習ソフトウェアモジュールによって使用される。
【0055】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される機械学習アルゴリズムへの入力は、EMFセンサを含む装置またはシステムによって機械学習アルゴリズムに送信されたデータである。本明細書に記載される装置、システム、ソフトウェア、および方法のいくつかの実施形態において、磁気センサから、入力として機械学習アルゴリズムソフトウェアモジュールによって受け取られるデータは、例えば、テスラなどの標準測定単位で表されるEMFデータを含む。
【0056】
いくつかの実施形態において、感知されたEMFデータは、個体の身体によって生成された多数の異なる電流に基づいて、個体の身体によって生成される全体的なまたは総EMFを含む。すなわち、いくつかの実施形態では、1つ以上のEMFセンサは、個体全体に関連するEMFを含み、単一の臓器または組織に固有ではないEMFを感知する。同様に、いくつかの実施形態では、個体の一部に関連するが、単一の臓器または組織に固有ではない、個体から感知されるEMF。
【0057】
いくつかの実施形態において、感知したEMFデータは、個体あるいは個体の身体の一部に近接したEMFを含むか、または単一の臓器、臓器系、あるいは組織に関連するEMFを含む。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上のEMFセンサは、個体の胸部に近接して配置され、個体の心臓に関連するEMFを感知する。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上のEMFセンサは、個体の頭部に近接して配置され、個体の脳に関連するEMFを感知する。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上のEMFセンサは、個体の胸部に近接して配置され、心肺系(つまり、心臓と肺)に関連するEMFを感知する。
【0058】
いくつかの実施形態において、機械学習ソフトウェアモジュールは、入力としてEMFデータのコード化された長さを受け取り、上記入力データの窓長を決定するように構成される。例えば、本明細書に記載されるいくつかの実施形態における機械学習ソフトウェアモジュールへの入力は、コードしたEMFデータの100秒であり、上記機械学習ソフトウェアモジュールは、検査のために100秒のデータサンプル内の10秒のセグメントを選択する。いくつかの実施形態において、入力は複数の入力へと分割され、その任意の数が独立して分析される。これらの分析の任意の数が最終出力を決定するために使用されてもよい。
【0059】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置、システム または方法は、個体に関連するデータを含むデータを感知および/または受け取るように構成される。いくつかの実施形態では、データは、本明細書に記載される装置、システム、または方法の構成要素である電磁界センサによって感知される。いくつかの実施形態では、データは、ソフトウェアアルゴリズムをさらに含む装置、システム、または方法の構成要素であるEMF以外のソースによって、本明細書に記載されるソフトウェアアルゴリズムにデータを送信することよって受け取られる。すすなわち、データは、いくつかの実施形態では、ソフトウェアアルゴリズムを含む装置、システム、または方法とは無関係なソースから受け取られる。いくつかの実施形態において、受け取られるデータは保存されたデータを含む。いくつかの実施形態において、受け取られるデータは、ソフトウェアモジュールによって生成されるデータを含む。一般的に、感知および/または受け取られるデータは、本明細書に記載される機械学習アルゴリズムへの入力を含む。入力は、機械学習アルゴリズムをトレーニングするために使用され、および/または分析または予測を実行するために機械学習アルゴリズムによって使用される。
【0060】
本明細書に記載されるデータは、個体に関連する他の情報と同様に、EMFデータも含む。本明細書に記載される機械学習アルゴリズムのための入力として使用されるデータの非限定的な例は、診療記録(例えば、電子健康記録)、診断、検査値、バイタルサイン、予後、心電図、放射線画像(超音波、CTスキャン、MRI、およびX線を含む)、脳波図、ならびに病理報告書を含む。いくつかの実施形態において、2つ以上の異なるタイプのデータが、本明細書に記載されるソフトウェアアルゴリズムによって組み合わされ、および/または相関する。
【0061】
いくつかの実施形態では、EMFデータは、本明細書に記載されるソフトウェアアルゴリズムによって使用される、他のタイプのデータを生成するために使用される。例えば、いくつかの実施形態では、EMFデータは、いくつかの実施形態において、磁場マップ(MFM)を使用して達成される医用画像データを生成するために使用される。いくつかの実施形態において、EMFデータは、偽電流密度(PCD)マップを使用して、医用画像データを生成するために使用される。いくつかの実施形態において、EMFデータは、時空間活性化グラフ(STAG)を使用して、医療データを生成するために使用される。
【0062】
いくつかの実施形態では、EMFデータは、MCG、MEG、およびMGGの測定値などの臨床データを生成するために使用される。
【0063】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるソフトウェアアルゴリズムへの入力は、データの別の形態へとコード化されるEMFデータ、および、例えば、MFCCなどのコード化したデータから計算される特徴またはメトリックを含む。
【0064】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるソフトウェアアルゴリズムへの入力は、コンピューターによって生成される。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるソフトウェアアルゴリズムへの入力は、コンピューターシミュレーションによって生成されるデータを含む。いくつかの実施形態において、コンピューターシミュレーションは、画像、または臓器あるいは他の組織(皮膚、骨、および血液を含む)の他の表現を生成する。いくつかの実施形態において、コンピューターシミュレーションは、例えば、血液、リンパ、あるいは胆汁などの体液の流れの画像または表現を生成する。いくつかの実施形態において、コンピューターシミュレーションは、電流の流れの画像または表現を生成する。コンピューターシミュレーションによって生成されるさらなる入力の非限定的な例は、診療記録(例えば、電子健康記録)、診断、検査値、バイタルサイン、予後、心電図、放射線画像(超音波、CTスキャン、MRI、およびX線を含む)、脳波図、ならびに病理報告書を含む。
【0065】
<データフィルタリング>
本明細書に記載される装置、システム、ソフトウェア、および方法のいくつかの実施形態において、入力として機械学習アルゴリズムソフトウェアモジュールによって磁気センサから受け取られるデータは、フィルタリングおよび/または修正されているEMFデータを含んでもよい。いくつかの実施形態において、フィルタリングは、感知した電磁界データからのノイズまたはアーティファクトの除去を含む。例えば、アーティファクトまたはノイズは、個体から感知した電磁気データと共に感知される周囲の電磁気信号を含み得る。
【0066】
本明細書に記載される装置、システム、ソフトウェア、および方法のいくつかの実施形態において、感知したEMFデータは、プロセッサへの上記データの送信前および/または送信後にフィルタリングされる。感知したEMFデータのフィルタリングは、例えば、感知したEMFデータからの周囲の信号ノイズの除去を含むことがある。例えば、信号ノイズは、例えば、電子装置、地球の磁気圏、送電網、または他の個体(つまり、EMFデータが標的とされている個体ではない)によって生成される周囲のEMFデータを含んでもよい。
【0067】
いくつかの実施形態において、感知したEMFデータは、その後、信号フィルタリングプロセスを受けるデータまたは信号の別の形態に変換される。いくつかの実施形態において、装置またはシステムは、感知したEMFデータをデータまたは信号の別の形態に変換するように構成される、ソフトウェアを含むプロセッサを含む。感知したEMFデータをデータまたは信号の別の形態に変換するプロセスは、典型的にコード化プロセスを含み、ここで、データの第1の形態は、データまたは信号の第2の形態に変換される。
【0068】
いくつかの実施形態において、感知したEMFデータは、フィルタリングプロセスを受ける音声信号へとコード化される。いくつかの実施形態において、感知したEMFデータは、音声信号、または代替的に、音声信号の形態学を有する信号へとコード化される。
【0069】
いくつかの実施形態において、感知したEMFデータは、1つ以上のメル周波数ケプストラム係数(「MFCC」)に由来する、メル周波数ケプストラムへとさらに処理される音声信号へとコード化される。メル周波数ケプストラム(「MFC」)は、音の短期パワースペクトルを表す。それは、周波数の非線形のメル尺度での対数パワースペクトルの線形コサインの変換に基づく。メル周波数のケプストラム係数(「MFCC」)は集団的にMFCを構成する。これらは音声のケプストラム表現のタイプに由来する。MFCでは、通常のケプストラムにおいて使用される線形間隔周波数帯域と比較して、周波数帯域はメル尺度で等しく間隔があけられる。この等しく間隔があけられた周波数帯域は、音声のより良い表現を可能にする。
【0070】
いくつかの実施形態において、感知したEMF信号は、感知したEMFデータを、音声信号、または音声信号波の形態学を有する信号へと変換し、その後、MFCCを生成することによってフィルタリングされる。
【0071】
MFCCは、重要なコンテンツとバックグラウンドノイズとを区別することができる、音声信号の成分を識別する際に役立つ。
【0072】
一般的に、感知したEMFデータに由来する音声信号をフィルタリングするための以下の工程を含む:第1工程で、音声信号は短いフレームへと組み立てられる。第2工程で、各フレームについてのパワースペクトルのピリオドグラム推定値が計算される。第3工程で、メルフィルタバンクがパワースペクトルに適用され、各フィルターにおけるエネルギーが合計される。第4工程で、すべてのフィルタバンクエネルギーの対数が決定され、対数フィルタバンクエネルギーのDCTが計算される。第5工程で、最初の20のDCT係数だけが保持され、残りは廃棄される。
【0073】
一旦フィルタリングされると、フィルタリングしたデータは分析のために機械学習アルゴリズムに送信される。本明細書に記載されるアルゴリズムは、人体組織の生理学的健康を分類および特徴づけることができる。アルゴリズムは、入力データを分析し、前述のセンサによって記録された臓器における病変組織の存在および位置を判定するように設計される。
【0074】
<装置およびシステム>
いくつかの実施形態において、EMFデータは装置またはシステムを使用して感知される。いくつかの実施形態において、装置またはシステムは1つ以上のEMFセンサを含む。これらの実施形態のいくつかにおいて、上記装置またはシステムは、本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールを含むように構成される。これらの実施形態のいくつかにおいて、装置またはシステムは、感知したEMFを、装置ドライバまたはシステムの一部として含まれない機械学習ソフトウェアモジュールに送信するように構成される。磁気センサを使用して感知されるEMFデータは、細胞、組織、および/または例えば、個体の心臓などの個体の臓器を通る電流の通過に関連する磁気データを含む。一般に、デジタル処理装置を含む装置およびシステムが本明細書に記載される。
【0075】
本明細書に記載される装置およびシステムのいくつかの実施形態において、装置および/またはシステムは、本明細書に記載されるソフトウェアアプリケーションを実行するように構成されるデジタル処理装置を含む。さらなる実施形態では、デジタル処理装置は、装置の機能を実行する1つ以上のハードウェア中央処理装置(CPU)または汎用グラフィック処理装置(GPGPU)を含む。さらなる実施形態では、デジタル処理装置は、実行可能な命令を行うように構成されるオペレーティングシステムをさらに含む。いくつかの実施形態では、デジタル処理装置は、コンピュータネットワークに随意に接続される。さらなる実施形態では、デジタル処理装置は、ワールド・ワイド・ウェブにアクセスするようにインターネットに随意に接続される。さらなる実施形態では、デジタル処理装置は、クラウド・コンピューティング・インフラストラクチャーに随意に接続される。他の実施形態では、デジタル処理装置は、イントラネットに随意に接続される。他の実施形態では、デジタル処理装置は、データ記憶装置に随意に接続される。
【0076】
本明細書の記載に従って、適切なデジタル処理装置は、限定されないが、サーバコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、サブノートブックコンピュータ、ネットブックコンピュータ、ネットパッドコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、およびタブレットコンピューターを含む。
【0077】
いくつかの実施例では、デジタル処理装置は、実行可能な命令を実行するように構成されたオペレーティングシステムを含んでいる。オペレーティングシステムは、例えば、上記装置のハードウェアを制御し、アプリケーションの遂行のためのサービスを提供する、プログラムおよびデータを含むソフトウェアである。適切なオペレーティングシステムの非限定的な例は、FreeBSD、OpenBSD、NetBSDR(登録商標)、リナックス(登録商標)、Apple(登録商標)Mac OS X Server(登録商標)、Oracle(登録商標) Solaris(登録商標)、Windows Server(登録商標)、およびNovell(登録商標) NetWare(登録商標)を含む。当業者は、適切なパーソナルコンピュータオペレーティングシステムが、限定されないが、Microsoft(登録商標)、Windows(登録商標)、Apple(登録商標)Mac OS X(登録商標)、UNIX(登録商標)、およびGNU/Linux(登録商標)などのUNIXのようなオペレーティングシステムを含むことを認識するであろう。いくつかの実施形態において、オペレーティングシステムは、クラウドコンピューティングによって提供される。
【0078】
いくつかの実施形態では、デジタル処理装置は、記憶装置および/またはメモリ装置を含んでいる。記憶装置および/またはメモリ装置は、一時的あるいは永久的にデータまたはプログラムを記憶するために使用される1つ以上の物理的な機器である。いくつかの実施形態において、装置は揮発性メモリであり、記憶した情報を保持するための電力を必要とする。いくつかの実施形態において、装置は不揮発性メモリであり、デジタル処理装置に電力が供給されないときに記憶した情報を保持する。さらなる実施形態において、不揮発性メモリはフラッシュメモリを含む。いくつかの実施形態において、不揮発性メモリは、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)を含む。いくつかの実施形態において、不揮発性メモリは、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FRAM(登録商標))を含む。いくつかの実施形態において、不揮発性メモリは、相変化ランダムアクセスメモリ(PRAM)を含む。他の実施形態において、装置は、非限定的な例として、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリ装置、磁気ディスクドライブ、磁気テープ、光ディスクドライブ、およびクラウドコンピューティングベースの記憶装置を含む記憶装置である。さらなる実施形態において、記憶装置および/またはメモリ装置は、本明細書に開示されるものなどの装置の組み合わせである。
【0079】
いくつかの実施例では、デジタル処理装置は、被験体へ視覚情報を送るためのディスプレイを含む。いくつかの実施形態において、デジタル処理装置は、被検体から情報を受け取るための入力装置を含む。いくつかの実施形態において、入力装置はキーボードである。いくつかの実施形態において、入力装置は、非限定的な例として、マウス、トラックボール、トラックパッド、ジョイスティック、ゲームコントローラ、またはスタイラスを含むポインティング装置である。いくつかの実施形態において、入力装置はタッチスクリーンまたはマルチタッチスクリーンである。他の実施形態において、入力装置は、声または他の音入力を捕らえるマイクロホンである。他の実施形態では、入力装置は、動作入力または視覚入力を捕らえるためのビデオカメラあるいは他のセンサである。さらなる実施形態において、入力装置は、本明細書に開示されるものなどの装置の組み合わせである。
【0080】
図3は、EMFを感知および分析するための例示的な装置の概略図を示す。患者の臓器はEMF(370)を放射し、それは、その後、EMFの感知装置(375)から取得される。その後、データは、デジタル信号処理モジュール(380)によって処理、フィルタリング、および分析され、それにより、ノイズを除去し(もしあれば)、データから重要な情報を抽出する。その後、処理したデータは、拡張畳み込みニューラルネットワークからなるディープラーニングモジュール(385)に送られる。ディープランニングモジュールは、血流不全を検知し、臓器(490)の特定の領域に局在化する。
【0081】
様々な実施形態では、本明細書に記載されるプラットフォーム、システム、メディア、および方法は、クラウドコンピューティング環境を含む。いくつかの実施形態において、クラウドコンピューティング環境は、複数のコンピューティングプロセッサを含む。
【0082】
図4は、デジタル処理装置(401)を含む、本明細書に記載されるシステムの例示的な実施形態を示す。デジタル処理装置(401)は、電磁界を分析して被験体の疾病を判定するなどのデータ分析を実施するように構成されるソフトウェアアプリケーションを含む。デジタル処理装置(401)は、本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールのトレーニングを含む、機械学習ソフトウェアモジュールを含むソフトウェアアプリケーションを実行するように構成される。この実施形態では、デジタル処理装置(401)は、シングルコアまたはマルチコアプロセッサ、あるいは並列処理のための複数のプロセッサであり得る、中央処理装置(CPU、さらに本明細書の「プロセッサ」および「コンピュータプロセッサ」)(405)を含む。デジタル処理装置(401)は、メモリまたは記憶場所(410)(例えば、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、フラッシュメモリ)、電子記憶装置(415)(例えば、ハードディスク)、1つ以上の他のシステムと通信するための通信インターフェース(420)(例えば、ネットワークアダプタ)、およびキャッシュなどの周辺機器(425)のいずれかを含む。メモリ(410)、記憶装置(415)、インターフェース(420)、および周辺機器(425)は、マザーボードなどの通信バス(実線)を介してCPU(405)と通信するように構成される。いくつかの実施形態では、デジタル処理装置(401)は、通信インターフェイス(420)の助けを借りて、コンピュータネットワーク(「ネットワーク」)(430)に動作可能に接続される。いくつかの実施形態では、ネットワーク(430)はインターネットを含む。いくつかの実施形態では、ネットワーク(430)は、電気通信および/またはデータネットワークである。
【0083】
CPU(405)は、ソフトウェアアプリケーションまたはモジュールにおいて具現化される機械可読命令を実行するように構成される。この命令は、メモリ(410)などのメモリ位置に保存され得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、記憶装置(415)は、被検者データ(例えば、被験体の好み、被験体プログラム、および被験体のEMFデータ)などのファイルを保存するように構成される。
【0085】
本明細書に記載される方法は、例えば、メモリ(410)または電子記憶装置(415)などのデジタル処理装置(401)の電子記憶装置の場所に保存された機械(例えば、コンピュータープロセッサ)実行可能コードによって実施することができる。機械実行可能または機械可読コードは、ソフトウェアアプリケーションまたはソフトウェアモジュールの形態で提供されてもよい。使用中に、コードはプロセッサ(405)によって実行され得る。いくつかの場合では、コードは、電子記憶装置(415)から取得され、プロセッサ(405)による容易なアクセスのためのメモリ(410)に保存することができる。いくつかの状況において、電子記憶装置(415)は除外することができ、マシン実行可能命令がメモリ(410)に保存される。
【0086】
リモートデバイス(435)は、デジタル処理装置(401)と通信するように構成され、任意のモバイルコンピューティングデバイスを含んでもよく、その非限定的な例は、タブレットコンピューター、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、またはスマートウォッチを含む。いくつかの実施形態において、リモートデバイス(435)は、統合センサを含むか、または代替的に、EMFデータを感知するように構成されるセンサに結合されてもよい。
【0087】
本明細書に記載する装置、システム、ソフトウェア、および方法のいくつかの実施形態において、感知したEMFデータは、磁気センサから、受け取ったEMFデータを分析するように構成された機械学習アルゴリズムでコード化されるコンピューティングデバイス上のプロセッサに直接送信される。
【0088】
データを感知、分析、および任意にフィルタリングするためのソフトウェアモジュールが本明細書に記載される。本明細書に記載される1つ以上のソフトウェアモジュールを含むソフトウェアは、例えば、EMFセンサを含む1つ以上のセンサを含む、装置またはシステムの構成要素であってもよい。このセンサは、生理活性中に特定の臓器によって自然に放射される磁場を記録する。そのような臓器は、脳、心臓、または肝臓を含み得る。いくつかの実施形態において、このセンサは、対象の臓器上で生体磁気計測を実施するのに適した磁力計、フラックスゲート、または超伝導量子干渉計(SQUID)の形態をとることがある。
【0089】
本明細書に記載される装置およびシステムのいくつかの実施形態において、装置は、測定ツールとしての光ポンピング磁力計(OPM)などのセンサを含み、いくつかの実施形態では、閉じた(closed)ポンピングレーザーと結合された非放射性自己完結型アルカリ金属細胞、および光検出器セットアップを利用して、微小磁場を測定する。本明細書に記載される装置およびシステムのいくつかの実施形態において、装置およびシステムは、nxnアレイ(または、グリッド)のOPM、あるいは代替的幾何学形態を利用して、例えば、実施形態によっては、ピックアップ電子機器(pickup electronics)を使用してデジタル化される、胸部領域などの個体の身体の一部にわたるn個の離散的な箇所で磁場データを収集する。
【0090】
OPMは、微小磁場を測定するために、閉じたポンピングレーザーと結合された非放射性自己完結型アルカリ金属細胞、および光検出器セットアップを利用するように典型的に構成される。これらの生体磁気場を検出するために典型的に使用される超伝導量子干渉計(SQUID)と比較して、OPMセンサは非常に小さく、典型的には、極低温冷却を使用する必要がない。
【0091】
地球の磁場は自然に、地球上のどこにでも存在し、振幅は約50マイクロテスラである。OPMの性能は、地球の周囲磁場の存在下において、少なくとも2つの例示的方法で強化される。1つ目のOPMを強化する技術では、地球の磁場を表す基準値をベクター減算の一部として使用して、OPMにおける対象の信号を単離する。2つ目の技術は、OPMのアクティブノイズキャンセルのためのグラジオメーターの使用を含む。
【0092】
本明細書に記載される装置およびシステムのいくつかの実施形態で利用されるようなセンサアレイ構成は、カスタムアレイ構成を含む。いくつかの実施形態において、センサアレイ構成は、個体の解剖学的形態にカスタマイズされる。いくつかの実施形態において、センサアレイ構成は、胸部位置または頭部位置などの、測定される個体の位置にカスタマイズされる。いくつかの実施形態において、センサアレイ構成は、装置が取得するようにプログラムされる測定タイプにカスタマイズされる。いくつかの実施形態において、センサアレイ構成は、シールドおよび/またはアーム動作可能に結合されるようにカスタマイズされる。いくつかの実施形態において、センサアレイ構成は異なるアレイ構成と交換可能であり、つまり、ユーザが交換して実施することができる。いくつかの実施形態では、アレイ構成は、深さを有し、約20cm~約50cmまたは約10cm~約60cmの半径を含むアーク(一般に湾曲した形状など)を含む。いくつかの実施形態では、アーク構成などのアレイ構成は、1つ以上の可変磁力計間距離および可変センサ密度を含む。いくつかの実施形態では、アレイ構成は、凹面構造(頭部または胸部などの身体部位のまわりを包むか、あるいは形成するように構成される凹面構造など)を含む。1つ以上の磁力計は、少なくとも凹面構造の表面の一部に配置される。いくつかの実施形態では、凹面アレイ構成は、1つ以上の可変磁力計間距離および可変センサ密度を含む。
【0093】
いくつかの実施形態において、センサアレイはn×nセンサである。いくつかの実施形態において、センサアレイは、2×2アレイまたは4×4アレイなどの2D長方形アレイである。いくつかの実施形態において、センサアレイは、2×1アレイまたは4×1アレイなどの2D非長方形アレイである。いくつかの実施形態において、センサアレイは、アークまたは凹面構造に配置されたセンサの3Dアレイなどの円形アレイあるいは半円アレイである。いくつかの実施形態において、センサアレイは、2Dアレイまたは3Dアレイである。いくつかの実施形態において、センサアレイのセンサは、x、y、およびzの座標を含む。いくつかの実施形態では、アレイは、n×n=1×1などの単一のセンサを含む。いくつかの実施形態では、アレイは、n×n=2×1などの2つのセンサを含む。いくつかの実施形態では、アレイは3つのセンサを含む。いくつかの実施形態では、アレイは4つのセンサを含む。いくつかの実施形態では、アレイは9つのセンサを含む。いくつかの実施形態では、アレイは16のセンサを含む。いくつかの実施形態では、アレイは25のセンサを含む。いくつかの実施形態では、アレイは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、またはそれ以上のセンサを含む。いくつかの実施形態において、センサアレイは8つのセンサを含む。いくつかの実施形態において、センサアレイは16のセンサを含む。いくつかの実施形態において、センサアレイは、単一のハウジングに収容された単一のセンサを含む。いくつかの実施形態において、センサアレイは、複数のセンサ構成または変更可能なセンサ構成を有するハウジングなどの単一のハウジングに収容された複数のセンサを含む。いくつかの実施形態において、センサアレイは、複数のハウジングに収容された複数のセンサを含む。いくつかの実施形態において、センサアレイは、複数のセンサ、別個のハウジングに収容された各センサを含む。いくつかの実施形態において、センサアレイの第1のセンサと第1のセンサは異なる。いくつかの実施形態において、センサアレイの第1のセンサと第2のセンサは同じである。いくつかの実施形態において、センサアレイの各センサは特有である。いくつかの実施形態において、センサアレイの各センサは同一である。いくつかの実施形態において、センサアレイ内のセンサのサブセットは特有である。いくつかの実施形態において、センサアレイ内のセンサのサブセットは同一である。センサアレイ内のセンサの空間的位置は、ユーザなどによって調整可能であるか、またはコントローラーによって自動化される。いくつかの実施形態において、センサアレイ内のセンサの空間的位置は固定されている。いくつかの実施形態において、センサアレイ内のセンサの数は、アプリケーションに基づいて選択される。いくつかの実施形態において、センサアレイ内のセンサの数は、測定のタイプまたは測定の位置に基づいて選択される。いくつかの実施形態では、アレイは、単一のチャネルアレイまたはマルチチャネルアレイを含む。いくつかの実施形態において、センサアレイのセンサの数を増加することは、アレイによって得られる測定の分解能を増大させる。いくつかの実施形態において、センサのセンサアレイは、実質的に互いに隣接するか近位にあるなど、密集している。センサのアレイは、互いに間隔を有するなど、まばらな間隔で配置される。いくつかの実施形態において、センサアレイのセンサのサブセットは密集している。いくつかの実施形態において、センサアレイのセンサのサブセットは、まばらな間隔または密な間隔で配置される。いくつかの実施形態において、センサの密集するサブセットの任意の2つのセンサの中心点は、約5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.5、0.1センチメートル(cm)以下の間隔で配置される。いくつかの実施形態において、密集センサの中心点は、中心点から中心点まで、約0.1cm~約2.0cm、約0.1cm~約1.5cm、または約1.0cm~約2.0cmの間隔で配置される。いくつかの実施形態において、センサの散在するサブセットの任意の2つのセンサの中心点は、約1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、8、10cm以下の間隔で配置される。いくつかの実施形態において、散在するセンサの中心点から中心点まで、約1.5cm~約3cm、約2cm~約5cm、約2.5cm~約8cmの間隔で配置される。いくつかの実施形態において、中心点は、中心軸などのセンサの中心位置である。いくつかの実施形態において、円形センサの中心点は、すべての他のエッジ点が等しい距離にある中心点である。
【0094】
いくつかの実施形態において、密集するアレイは、1.5cm未満の磁力計間の配置を示す一方、約1.5cm以上の磁力計配置は、散在するアレイを構成する。
【0095】
いくつかの実施形態において、ハウジングは、センサ、またはセンサのセンサアレイを収容するように構成される。いくつかの実施形態において、ハウジングは、ハウジング内のセンサ間隔の単一の構成に適応するように構成される。いくつかの実施形態において、ハウジングは、ハウジング内のセンサ間隔の複数の構成に適応するように構成される。いくつかの実施形態において、ハウジングは、(i)密な間隔またはまばらな間隔などのセンサ間隔の調節、あるいは(ii)アレイ内のセンサの数の変更に適応する。いくつかの実施形態において、ハウジングは、複数のアレイおよびアレイ構成のための普遍的なハウジングである。
【0096】
いくつかの実施形態において、センサは、存在を感知するか、または磁場のパラメータを測定するように構成される。いくつかの実施形態では、センサは、ルートヘルツ(fT/√Hz)当たり約10フェムトテスラの磁場に対する感度を含む。いくつかの実施形態では、センサは、約1fT/√Hz~約20fT/√Hzの感度を含む。いくつかの実施形態では、センサは、約5fT/√Hz~約15fT/√Hzの感度を含む。いくつかの実施形態では、センサは、約0.1fT/√Hz~約30fT/√Hzの感度を含む。いくつかの実施形態では、センサは、約0.5fT/√Hz~約12fT/√Hzの感度を含む。いくつかの実施形態では、センサは、約1fT/√Hz~約15fT/√Hzの感度を含む。いくつかの実施形態では、センサは、約0.001、0.005、0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20fT/√Hzの感度を含む。
【0097】
いくつかの実施形態において、センサは、測定値を収集するために極低温冷却などの冷却要素を必要としない。いくつかの実施形態において、センサは、華氏(F)約30度~華氏約110度の温度範囲にわたって測定値を収集する。いくつかの実施形態において、センサは、華氏約50度~華氏約110度の温度範囲にわたって測定値を収集する。いくつかの実施形態において、センサは、冷却要素を必要とせず、約1秒~約5時間の期間にわたって測定値を収集する。いくつかの実施形態において、センサは、冷却要素を必要とせず、約1秒~約1時間の期間にわたって測定値を収集する。いくつかの実施形態において、センサは、冷却要素を必要とせず、約1秒~約30分の期間にわたって測定値を収集する。
【0098】
いくつかの実施形態では、ノイズ源は磁界の強さを含む。いくつかの実施形態では、ノイズ源の磁場の強度は、テスラ(T)の単位で測定される。いくつかの実施形態では、環境ノイズなどのノイズは、約100ナノテスラ(nT)未満の磁界強度を含む。いくつかの実施形態では、ノイズは、約1000nT未満の磁界強度を含む。いくつかの実施形態では、ノイズは、約500nT未満の磁界強度を含む。いくつかの実施形態では、ノイズは、約200nT未満の磁界強度を含む。いくつかの実施形態では、ノイズは、約120nT未満の磁界強度を含む。いくつかの実施形態では、ノイズは、約80nT未満の磁界強度を含む。いくつかの実施形態では、地球の磁場などのノイズ源は、約50マイクロテスラ(mT)の磁界の強度を含む。いくつかの実施形態では、ノイズは、約40mT~約60mTの磁界の強度を含む。いくつかの実施形態では、ノイズは、約10mT~約100mTの磁界の強度を含む。いくつかの実施形態では、ノイズは、振幅成分、周波数成分、またはそれらの組み合わせを含み、および、いくつかの実施形態では、直流(DC)、交流(AC)、またはその2つの組み合わせである両方の源を含む。
【0099】
<方法>
本明細書に記載される任意の装置、システム、および/またはソフトウェアは、方法の1つ以上の工程で使用されるように構成されるか、または方法の1つ以上の工程によって補足されることが理解されなければならない。
【実施例
【0100】
<心臓解析>
【0101】
図5Aは、個体の胸部に近接して、したがって、個体の心臓に近接して配置される複数のOPMセンサから感知したEMFデータの例を示す。感知したEMFは、個体の心臓の細胞によって生成される電流と関連する。この特定の例において、感知したEMFデータは、個体の胸部に近接して配置される複数のOPMセンサを使用した58歳の男性からのものである。波形(500)は、EM単位でEMFデータを含み(Y軸上に示される)、上記データは秒単位で経時的に感知される(X軸上に示される)。
【0102】
より具体的には、波形(500)は、個体の胸部に近接して配置された複数のOPMセンサから感知される複数の波形を含む。図5Aの例では、複数の波形は、個体の胸部に対して異なる位置に配置される。この例では、1つ以上のOPMセンサはセンサアレイに配置され、ここで、上記センサアレイそれ自体が個体の胸部に近接して配置され、複数のOPMセンサの各々が個体の胸部に対して異なる位置にある(1つ以上のOPMセンサは、本明細書に記載されるシステム、方法、装置、およびソフトウェアの他の実施形態における他の構成に配置することができ、必ずしもアレイに配置される必要がないことが理解されなければならない)。この例では、波形(500)は、3つの別個の波形(502)、(504)、および(506)を含む。波形(502)、(504)、および(506)はそれぞれ、標準ECGで見られるような単一のPQRST複合体に対応する。したがって、波形(502)、(504)、および(506)はそれぞれ、個々の分極および脱分極心周期(polarization and depolarization cardiac cycle)、または1心拍に対応する。
【0103】
図5Bは、複数の単一のEMFの波形(複数の個々の波形を含む図5Aの単一の波形と比較して)の例を示す。図5Bの例では、波形あるいはトレーシング(508)および(510)はそれぞれ、同じ期間にわたって感知されるそれぞれのEMF信号を表す。これらの例において、EMFデータは、図5Aの例のような複数のOPMセンサを使用して、同じ58歳の男性から感知される。図5Bの例では、トレーシング(508)および(510)はそれぞれ、同じ期間にわたって感知される単一の波形を表すトレースであり、および、トレーシング(508)および(510)の各々が、個体の胸部(したがって、心臓)に対して異なる位置にある異なるOPMからそれぞれ感知されるEMF信号に対応するという点で少なくとも部分的に異なる。すなわち、トレーシング(508)は、第1のOPMセンサから感知される第1のEMF信号に対応し、トレーシング(510)は、第2のOPMセンサから感知される第2のEMF信号に対応し、第1および第2のOPMセンサの各々は個体の心臓に対して異なる位置にある。
【0104】
従来のECGトレーシングでは、個体の身体上の異なる位置に配置される10の電極は、12のECGトレーシングを産生し、各々が心臓についての異なる「ビュー(view)」に対応する。特定のECGリードは、各ECGトレーシングが、1つ以上のECG電極と個体の心臓の間との異なる空間的関係に対応するという点で、心臓についての特定の「ビュー」に対応する。
【0105】
従来のECGトレースと同様に、トレーシング(508)および(510)の各々は、個体の胸部に対する1つ以上のEMFセンサの位置に基づいて、心臓についての異なる「ビュー」を表す。すなわち、個体の心臓を通って移動する電流は、異なる位置で異なるEMFを生成し、そのため、そのEMFを感知するセンサの位置に基づいて、異なって見えるトレーシングを結果としてもたらす。トレーシング(508)および(510)はそれぞれ、PQRST複合体(512)(または、示されるように、複数のPQRST複合体)を含む。
【0106】
図5Aおよび5Bからの例示的なデータは、本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールへの入力として提供される。機械学習ソフトウェアモジュールは、入力を受け取り、および、個体に関する入力データ(入力と同時に受け取られる個体に関連するデータ、ならびに入力前または入力後に受け取られる個体に関連するデータを含む)が、図5Aおよび5Bの例で示される感知したEMFデータに関連するように、多数の方法でデータを相互に関連付ける。
【0107】
本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールは、個体の年齢(これらの例において、58歳)および性別(これらの例において、男性)をトレーシング(500)、(508)、および(510)の1つ以上と相関させる。機械学習ソフトウェアモジュールが入力とも相関すると決定し得る、個体に関連する追加データが提供されてもよい。追加データの非限定的な例は、診断、薬物、検査結果、および個体からの他のEMF感知データを含む、個体に関する健康記録を含む。
【0108】
本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールは、この個体からのデータを相互に関連付ける方法、および個体の異常の存在を認識し、および/または個体を異常の発生を予測するために使用される仮説関数を生成するように他の個体のデータを相互に関連付ける方法をさらに決定する。
【0109】
図6Aは、個体の胸部に近接して、したがって個体の心臓に近接して配置された複数のSQUIDセンサから感知されるEMFデータの例を示す。感知したEMFは、個体の心臓の細胞によって生成される電流と関連する。この特定の例において、感知されるEMFデータは、個体の胸部に近接して配置された複数のSQUIDセンサを使用した58歳の男性からのものである。波形(600)は、EM単位でEMFデータを含み(Y軸上に示される)、上記データは秒単位で経時的に感知される(X軸上に示される)。
【0110】
より具体的には、波形(600)は、個体の胸部に近接して配置された複数のSQUIDセンサから感知される複数の波形を含む。図6Aの例では、複数の波形は、個体の胸部に対して異なる位置に配置される。この例では、1つ以上のSQUIDセンサはセンサアレイに配置され、ここで、上記センサアレイそれ自体が個体の胸部に近接して配置され、複数のSQUIDセンサの各々が個体の胸部に対して異なる位置にある(1つ以上のSQUIDセンサは、本明細書に記載されるシステム、方法、装置、およびソフトウェアの他の実施形態における他の構成に配置することができ、必ずしもアレイに配置される必要がないことが理解されなければならない)。この例では、波形(600)は、3つの別個の波形(602)、(604)、および(606)を含む。波形(602)、(604)、および(606)はそれぞれ、標準ECGで見られるような単一のPQRST複合体に対応する。したがって、波形(602)、(604)、および(606)はそれぞれ、個々の分極および脱分極心周期または1心拍に対応する。
【0111】
図6Bは、複数の単一のEMFの波形(複数の個々の波形を含む図6Aの単一の波形と比較して)の例を示す。図6Bの例では、波形あるいはトレーシング(608)および(610)はそれぞれ、同じ期間にわたって感知されるそれぞれのEMF信号を表す。これらの例において、EMFデータは、図6Aの例のような複数のSQUIDセンサを使用して、同じ58歳の男性から感知される。図6Bの例では、トレーシング(608)および(610)はそれぞれ、同じ期間にわたって感知される単一の波形を表すトレースであり、および、トレーシング(608)および(610)の各々が、個体の胸部(したがって、心臓)に対して異なる位置にある異なるSQUIDからそれぞれ感知されるEMF信号に対応するという点で少なくとも部分的に異なる。すなわち、トレーシング(608)は、第1のSQUIDセンサから感知される第1のEMF信号に対応し、トレーシング(610)は、第2のSQUIDセンサから感知される第2のEMF信号に対応し、第1および第2のSQUIDセンサの各々が個体の心臓に対して異なる位置にある。
【0112】
従来のECGトレーシングでは、個体の身体上の異なる位置に配置される10の電極は、12のECGトレーシングを産生し、各々が心臓についての異なる「ビュー」に対応する。特定のECGリードは、各ECGトレーシングが、1つ以上のECG電極と個体の心臓の間との異なる空間的関係に対応するという点で、心臓についての特定の「ビュー」に対応する。
【0113】
従来のECGトレースと同様に、トレーシング(608)および(610)の各々は、個体の胸部に対する1つ以上のEMFセンサの位置に基づいて、心臓についての異なる「ビュー」を表す。すなわち、個体の心臓を通って移動する電流は、異なる位置で異なるEMFを生成し、そのため、そのEMFを感知するセンサの位置に基づいて、異なって見えるトレーシングを結果としてもたらす。トレーシング(608)および(610)はそれぞれ、PQRST複合体(612)(または、示されるように、複数のPQRST複合体)を含む。
【0114】
図6Aおよび6Bからの例示的なデータは、本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールへの入力として提供される。機械学習ソフトウェアモジュールは、入力を受け取り、および、個体に関する入力データ(入力と同時に受け取られる個体に関連するデータ、ならびに入力前または入力後に受け取られる個体に関連するデータを含む)が、図6Aおよび6Bの例で示される感知したEMFデータに関連するように、多数の方法でデータを相互に関連付ける。
【0115】
本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールは、個体の年齢(これらの例において、58歳)および性別(これらの例において、男性)をトレーシング(600)、(608)、および(610)の1つ以上と相関させる。機械学習ソフトウェアモジュールが入力とも相関すると決定し得る、個体に関連する追加データが提供されてもよい。追加データの非限定的な例は、診断、薬物、検査結果、および個体からの他のEMF感知データを含む、個体に関する健康記録を含む。
【0116】
本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールは、この個体からのデータを相互に関連付ける方法、および個体の異常の存在を認識し、および/または個体を異常の発生を予測するために使用される仮説関数を生成するように他の個体のデータを相互に関連付ける方法をさらに決定する。
【0117】
図7Aは、胎児の心臓に近接して配置された複数のOPMセンサから感知されるEMFデータの例を示す。この特定の例において、感知されるEMFデータは、胎児に近接して配置された複数のOPMセンサを使用して、39週間と6日齢の胎児から感知される。波形(700)は、EM単位でEMFデータを含み(Y軸上に示される)、上記データは秒単位で経時的に感知される(X軸上に示される)。
【0118】
より具体的には、波形(700)は、個体の胸部に近接して配置された複数のOPMセンサから感知される複数の波形を含む。図7Aの例では、複数の波形は、個体の胸部に対して異なる位置に配置される。この例では、1つ以上のOPMセンサはセンサアレイに配置され、ここで、上記センサアレイそれ自体が個体の胸部に近接して配置され、複数のOPMセンサの各々が個体の胸部に対して異なる位置にある(1つ以上のOPMセンサは、本明細書に記載されるシステム、方法、装置、およびソフトウェアの他の実施形態における他の構成に配置することができ、必ずしもアレイに配置される必要がないことが理解されなければならない)。この例では、波形(700)は、3つの別個の波形(702)、(704)、および(706)を含む。波形(702)、(704)、および(706)はそれぞれ、標準ECGで見られるような単一のPQRST複合体に対応する。したがって、波形(702)、(704)、および(706)はそれぞれ、個々の分極および脱分極心周期または1心拍に対応する。
【0119】
図7Bは、複数の単一のEMFの波形(複数の個々の波形を含む図7Aの単一の波形と比較して)の例を示す。図7Bの例では、波形あるいはトレーシング(708)、(710)、および(714)はそれぞれ、同じ期間にわたって感知されるそれぞれのEMF信号を表す。これらの例において、EMFデータは、図7Aの例のような複数のOPMセンサを使用して、同じ39週と6日齢の胎児から感知される。図7Bの例では、トレーシング(708)、(710)、および(714)はそれぞれ、同じ期間にわたって感知される単一の波形を表すトレースであり、および、トレーシング(708)、(710)、および(714)の各々が、胎児の胸部(したがって、心臓)に対して異なる位置にある異なるOPMからそれぞれ感知されるEMF信号に対応するという点で、少なくとも部分的に異なる。すなわち、トレーシング(708)は、第1のOPMセンサから感知される第1のEMF信号に対応し、トレーシング(710)は、第2のOPMセンサから感知される第2のEMF信号に対応し、第1および第2のOPMセンサの各々が胎児の心臓に対して異なる位置にある。
【0120】
従来のECGトレーシングでは、胎児の身体上の異なる位置に配置される10の電極は、12のECGトレーシングを産生し、各々が心臓についての異なる「ビュー」に対応する。特定のECGリードは、各ECGトレーシングが、1つ以上のECG電極と胎児の心臓の間との異なる空間的関係に対応するという点で、心臓についての特定の「ビュー」に対応する。
【0121】
従来のECGトレースと同様に、トレーシング(708)、(710)、および(714)の各々は、胎児の胸部に対する1つ以上のEMFセンサの位置に基づいて、心臓についての異なる「ビュー」を表す。すなわち、胎児の心臓を通って移動する電流は、異なる位置で異なるEMFを生成し、そのため、そのEMFを感知するセンサの位置に基づいて、異なって見えるトレーシングを結果としてもたらす。トレーシング(708)、(710)、および(714)はそれぞれ、PQRST複合体(712)(または、示されるように、複数のPQRST複合体)を含む。
【0122】
図7Aおよび7Bからの例示的なデータは、本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールへの入力として提供される。機械学習ソフトウェアモジュールは、入力を受け取り、および、胎児に関する入力データ(入力と同時に受け取られる胎児に関連するデータ、ならびに入力前または入力後に受け取られる胎児に関連するデータを含む)が、図7Aおよび7Bの例で示される感知したEMFデータに関連するように、多数の方法でデータを相互に関連付ける。
【0123】
本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールは、胎児とトレーシング(700)、(708)、(710)、および(714)の1つ以上とを相関させる。機械学習ソフトウェアモジュールが入力とも相関すると決定し得る、胎児に関連する追加データが提供されてもよい。追加データの非限定的な例は、診断、薬物、検査結果、および胎児からの他のEMF感知データを含む、胎児に関する健康記録を含む。
【0124】
本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールは、この個体からのデータを相互に関連付ける方法、および胎児の異常の存在を認識し、および/または個体を異常の発生を予測するために使用される仮説関数を生成するように他の胎児のデータを相互に関連付ける方法をさらに決定する。
【0125】
図8Aは、胎児の心臓に近接して配置された複数のSQUIDセンサから感知されるEMFデータの例を示す。この特定の例において、感知されるEMFデータは、胎児に近接して配置された複数のSQUIDセンサを使用した39週間と6日齢の胎児からのものである。波形(800)は、EM単位でEMFデータを含み(Y軸上に示される)、上記データは秒単位で経時的に感知される(X軸上に示される)。
【0126】
より具体的には、波形(800)は、個体の胸部に近接して配置された複数のSQUIDセンサから感知される複数の波形を含む。図8Aの例では、複数の波形は、個体の胸部に対して異なる位置に配置される。この例では、1つ以上のSQUIDセンサはセンサアレイに配置され、ここで、上記センサアレイそれ自体が個体の胸部に近接して配置され、複数のSQUIDセンサの各々が個体の胸部に対して異なる位置にある(1つ以上のSQUIDセンサは、本明細書に記載されるシステム、方法、装置、およびソフトウェアの他の実施形態における他の構成に配置することができ、必ずしもアレイに配置される必要がないことが理解されなければならない)。この例では、波形(800)は、3つの別個の波形(802)、(804)、および(806)を含む。波形(802)、(804)、および(806)はそれぞれ、標準ECGで見られるような単一のPQRST複合体に対応する。したがって、波形(802)、(804)、および(806)はそれぞれ、個々の分極および脱分極心周期または1心拍に対応する。
【0127】
図8Bは、複数の単一のEMFの波形(複数の個々の波形を含む図8Aの単一の波形と比較して)の例を示す。図8Bの例では、波形またはトレーシング(808)、(810)、および(814)はそれぞれ、同じ期間にわたって感知されるそれぞれのEMF信号を表す。これらの例において、EMFデータは、図8Aの例のような複数のSQUIDセンサを使用して、同じ39週と6日齢の胎児から感知される。図8Bの例では、トレーシング(808)、(810)、および(814)はそれぞれ、同じ期間にわたって感知される単一の波形を表すトレースであり、および、トレーシング(808)、(810)、および(814)の各々が、胎児の胸部(したがって、心臓)に対して異なる位置にある異なるSQUIDからそれぞれ感知されるEMF信号に対応するという点で、少なくとも部分的に異なる。すなわち、トレーシング(808)は、第1のSQUIDセンサから感知される第1のEMF信号に対応し、トレーシング(810)は、第2のSQUIDセンサから感知される第2のEMF信号に対応し、第1および第2のSQUIDセンサの各々が胎児の心臓に対して異なる位置にある。
【0128】
従来のECGトレーシングでは、胎児の身体上の異なる位置に配置される10の電極は、12のECGトレーシングを産生し、各々が心臓についての異なる「ビュー」に対応する。特定のECGリードは、各ECGトレーシングが、1つ以上のECG電極と胎児の心臓の間との異なる空間的関係に対応するという点で、心臓についての特定の「ビュー」に対応する。
【0129】
従来のECGトレースと同様に、トレーシング(808)、(810)、および(814)の各々は、胎児の胸部に対する1つ以上のEMFセンサの位置に基づいて、心臓についての異なる「ビュー」を表す。すなわち、胎児の心臓を通って移動する電流は、異なる位置で異なるEMFを生成し、そのため、そのEMFを感知するセンサの位置に基づいて、異なって見えるトレーシングを結果としてもたらす。トレーシング(808)、(810)、および(814)はそれぞれ、PQRST複合体(812)(または、示されるように、複数のPQRST複合体)を含む。
【0130】
図8Aおよび8Bからの例示的なデータは、本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールへの入力として提供される。機械学習ソフトウェアモジュールは、入力を受け取り、および、胎児に関する入力データ(入力と同時に受け取られる胎児に関連するデータ、ならびに入力前または入力後に受け取られる胎児に関連するデータを含む)が、図8Aおよび8Bの例で示される感知したEMFデータに関連するように、多数の方法でデータを相互に関連付ける。本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールは、例えば、胎児の年齢とトレーシング(800)、(808)、(810)、および(814)の1つ以上を相関させる。機械学習ソフトウェアモジュールが入力とも相関すると決定し得る、胎児に関連する追加データが提供されてもよい。追加データの非限定的な例は、診断、薬物、検査結果、および胎児からの他のEMF感知データを含む、胎児に関する健康記録を含む。
【0131】
本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールは、この胎児からのデータを相互に関連付ける方法、および胎児の異常の存在を認識し、および/または胎児を異常の発生を予測するために使用される仮説関数を生成するように他の胎児のデータを相互に関連付ける方法をさらに決定する。
【0132】
図9は、健康な成人の心臓の磁気活性化の3つの時空間活性化表現を示す。第1の時空間活性化表現(902)はバタフライプロットを含む。第2の時空間活性化表現(904)は、基底から頂点までの心臓の磁気活性化についての「ビュー」を含む。第3の時空間活性化表現(906)は、左から右までの心臓の磁気活性化についての「ビュー」を含む。
【0133】
図9の例示的なデータは、本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールへの入力として提供される。機械学習ソフトウェアモジュールは、入力を受け取り、および、データが取得された個体に関する入力データ(入力と同時に受け取られる個体に関連するデータ、ならびに入力前または入力後に受け取られる個体に関連するデータを含む)が、および他の感知したEMFデータに関連するように、多数の方法でデータを相互に関連付ける。本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールは、例えば、個体の年齢と個体に関連する他のデータを相関させる。機械学習ソフトウェアモジュールが入力とも相関すると決定し得る、個体に関連する追加データが提供されてもよい。追加データの非限定的な例は、診断、薬物、検査結果、および個体からの他のEMF感知データを含む、個体に関する健康記録を含む。
【0134】
本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールは、この個体からのデータを相互に関連付ける方法、および個体の異常の存在を認識し、および/または個体を異常の発生を予測するために使用される仮説関数を生成するように他の個体のデータを相互に関連付ける方法をさらに決定する。
【0135】
<脳分析>
図10は、個体の頭部の近くで感知される、感知したEMFに基づいて、個体から感知されるMEGの例を示す。この例では、1つ以上のEMFセンサは個体の頭部のまわりに配置される。1つ以上のEMFセンサは、個体の脳の組織によって生成された1以上の電流に関連するEMFを感知する。その後、個体の脳の組織によって生成された電流に関連する感知したEMFは、個体の脳のMEGを表す1つ以上の波形に変換される。図10は、Y軸上にEMF値およびX軸上に時間値を有する4つの異なる波形を示す。第1の波形は、OPMセンサによって感知された、個体の脳に関連するEMFを含む。第2の波形は、OPMセンサによって感知された個体の脳に関連するEMFを含み、それは、さらにフィルタリングされて、バックグラウンドノイズを除去する。第3の波形は、SQUID磁力計センサによって感知された個体の脳に関連するEMFを含む。第4の波形は、SQUIDグラジオメーターセンサによって感知された個体の脳に関連するEMFを含む。
【0136】
図10の例示的なデータは、本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールへの入力として提供される。機械学習ソフトウェアモジュールは、入力を受け取り、および、データが取得された個体に関する入力データ(入力と同時に受け取られる個体に関連するデータ、ならびに入力前または入力後に受け取られる個体に関連するデータを含む)が、および他の感知したEMFデータに関連するように、多数の方法でデータを相互に関連付ける。本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールは、例えば、個体の年齢と個体に関連する他のデータを相関させる。機械学習ソフトウェアモジュールが入力とも相関すると決定し得る、個体に関連する追加データが提供されてもよい。追加データの非限定的な例は、診断、薬物、検査結果、および個体からの他のEMF感知データを含む、個体に関する健康記録を含む。
【0137】
本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールは、この個体からのデータを相互に関連付ける方法、および個体の異常の存在を認識し、および/または個体を異常の発生を予測するために使用される仮説関数を生成するように他の個体のデータを相互に関連付ける方法をさらに決定する。
【0138】
図11は、個体から感知されたEMFから生成される、重ね合わせたMRIおよびMEGの例を示す。図11は、個体の脳の医用画像上の空間的領域に対する脳磁場マッピングの相関を具体的に示す。
【0139】
図11の例示的なデータは、本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールへの入力として提供される。機械学習ソフトウェアモジュールは、入力を受け取り、および、データが取得された個体に関する入力データ(入力と同時に受け取られる個体に関連するデータ、ならびに入力前または入力後に受け取られる個体に関連するデータを含む)が、および他の感知したEMFデータに関連するように、多数の方法でデータを相互に関連付ける。本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールは、例えば、個体の年齢と個体に関連する他のデータを相関させる。機械学習ソフトウェアモジュールが入力とも相関すると決定し得る、個体に関連する追加データが提供されてもよい。追加データの非限定的な例は、診断、薬物、検査結果、および個体からの他のEMF感知データを含む、個体に関する健康記録を含む。
【0140】
本明細書に記載される機械学習ソフトウェアモジュールは、この個体からのデータを相互に関連付ける方法、および個体の異常の存在を認識し、および/または個体を異常の発生を予測するために使用される仮説関数を生成するように他の個体のデータを相互に関連付ける方法をさらに決定する。
【0141】
<トレーニングおよび予測を実証する実施例>
トレーニング段階:
【0142】
ディープニューラルネットワーク(DNN)を含むニューラルネットワークの例において、DNNは、図9のデータサンプルと同様の10,000の正常なEMFデータサンプルを使用してトレーニングされる。これらのデータサンプルは、この例のニューラルネットワークによって使用され、正常なEMFデータの確率分布を学習する。トレーニング段階の終わりに、DNNは、DNNがEMFデータからの正常な再分極(ST-T)セグメントの高品質の再構築を生成し、および元の正常なEMFデータの入力と再構築された正常なEMFデータ入力の間の再構築誤差を最小限にすることを可能にする仮説関数を決定するか、識別するか、または受け取る。
【0143】
図12は、そのEMFデータX’の再構築を出力するように構成されたDNNによって受け取られる、心臓関連EMFデータの概略図を示す。この例では、EMFデータの再構築の正確さを検証するためにDNNによって使用される仮説関数は、感知した入力EMFデータサンプルをDNNによって生成された再構築と比較し、再構築と入力EMFデータとの間の誤差の程度を決定する。DNNによって生成された再構築と入力EMFデータとの間の誤差の程度は、受け取った10,000の正常なEMFデータサンプルを使用して生成された閾値と比較される。
【0144】
予測段階:
【0145】
予測段階は、トレーニング段階からの構築および最適化された仮説関数を用いて、患者のEMFデータの使用により未知の患者の臓器または組織の異常の可能性を予測する。
【0146】
再構築誤差が特定の閾値より大きい場合、トレーニング段階から学習した仮説関数に基づいて、患者のEMFデータサンプルは異常である。
【0147】
Tを閾値とすると、仮説関数Hは以下のように定義される。
【0148】
H=元の入力(X)と再構成された入力(X’)の間の再構成誤差(E)
【0149】
H=E=X-X’
【0150】
E>=T---->異常である場合、E<T---->正常
【0151】
本発明の好ましい実施形態が本明細書で示され記載されてきたが、こうした実施形態がほんの一例として提供されているに過ぎないということは当業者にとって明白である。多くの変更、変化、および置換が、本発明から逸脱することなく、当業者には思い浮かぶであろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が、本発明の実施において利用され得ることを理解されたい。以下の請求項は本発明の範囲を定義するものであり、この請求項とその均等物の範囲内の方法、および構造体がそれによって包含されるものであるということが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12