(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】ミルクフォームまたはミルク飲料を生成するための、好ましくはコーヒーマシンに設置するためのミルクモジュール
(51)【国際特許分類】
A47J 31/44 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
A47J31/44 410
(21)【出願番号】P 2019572189
(86)(22)【出願日】2018-06-08
(86)【国際出願番号】 EP2018065123
(87)【国際公開番号】W WO2019007629
(87)【国際公開日】2019-01-10
【審査請求日】2021-05-12
(32)【優先日】2017-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】504237533
【氏名又は名称】シュタイナー・アーゲー・ウェギス
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】シュタイナー,アドリアン
【審査官】高橋 武大
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-506525(JP,A)
【文献】特開2004-174093(JP,A)
【文献】国際公開第2016/020314(WO,A1)
【文献】中国実用新案第203802281(CN,U)
【文献】特開2002-320551(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0005407(US,A1)
【文献】特表2008-500888(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103908157(CN,A)
【文献】特表2014-522680(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミルクフォームまたはミルク飲料を生成するためのコーヒーマシンに設置するためのミルクモジュールであって、ミルク容器(6)、搬送ポンプ(42)、ミルクを加熱するか、あるいは前記ミルクフォームまたは他のミルク飲料を生成するための装置(24)、および吸込ホース(11)を備え、洗浄システムは、前記ミルクモジュールによって、洗浄プロセスが、具体的には前記搬送ポンプ(42)、前記ミルクを加熱するか、あるいは前記ミルクフォームまたは他のミルク飲料を生成するための前記装置(24)ならびに入力ライン(39)または出力ライン(40)によって可能になる、独立したユニットとして設計された前記ミルクモジュール内に組み込まれ、前記ミルク容器(6)の代わりに、洗浄剤の入った洗浄容器(14)は、前記ミルク容器(6)を受け入れるために冷却アセンブリに接続された冷却室(5)に挿入され得ることを特徴とし、
前記吸込ホース(11)は、前記冷却室(5)を有する保冷庫(4)の領域内に枢動可能に設けられ、前方すなわち前記領域に対して前記ミルク容器(6)の取り外し方向において突出し、下方に自由に吊り下げられ、
前記吸込ホース(11)は、上部から前記ミルク容器(6)に、または前記洗浄容器を挿入するときには前記洗浄容器(14)に、非接触に前方枢動位置(11’)に挿入され得り、
前記吸込ホース(11)は、前記保冷庫(4)の前記領域内に収容され得り、手動で作動され得る旋回駆動装置(12)によって回転され得
り、
水供給チャネル(17)、洗浄剤、特にタブレットを受け入れるために画定された円筒形開口部(16’)、および出口開口部(17’)を備えた装置(15)は、前記洗浄容器(14)内に含まれており、それによって、水は、この供給チャネル(17)を通してこの開口部(16’)に導かれ得、前記開口部の中の前記洗浄剤、特に前記タブレットは溶解され、前記出口開口部(17’)を介して前記水で乳化され、前記洗浄容器(14)に流入でき、
前記水供給チャネル(17)は、この円筒形開口部(16’)に接線方向に導かれており、少なくとも1つの洗浄タブレット(16)は可溶性洗浄剤として前記円筒形開口部(16’)において位置決めされ得、かつ前記円筒形開口部(16’)に設けられた部材により検出され得ることを特徴とする、ミルクモジュール。
【請求項2】
前記旋回駆動装置(12)は、前記旋回駆動装置(12)の継手(13)に、前記ミルク容器(6)または前記洗浄容器(14)を前記保冷庫(4)から前方に取り外した後に、前記吸込ホース(11)が突出して1つの位置(11’)にロックされる戻り止め位置が設けられていることを特徴とする、請求項
1に記載のミルクモジュール。
【請求項3】
前記ミルク容器(6)または洗浄容器(14)を前記保冷庫(4)に挿入するときに、前記吸込ホース(11)は、その底端が前記ミルク容器または洗浄容器のそれぞれのほぼ底部まで延びる目的で再び下方を向くまで前記旋回駆動装置(12)により枢動することを特徴とする、請求項
1または
2に記載のミルクモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミルクフォームまたはミルク飲料を生成するための、好ましくは請求項1のプリアンブルによる、コーヒーマシンに設置するためのミルクモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
ミルクフォームを生成するか、またはミルクを加熱するためのモジュールが組み込まれたコーヒーマシンは、よく知られているように、様々な実装で設置されている。それらは、エスプレッソなどのコーヒー、およびコーヒーとミルクまたはミルクフォームで作られた混合飲料、特にカプチーノの両方の自動生成を可能にする。
【0003】
コーヒーマシンには通常、動作中にマシンの定期的な洗浄を自動的に行う洗浄装置が装備されている。コンパクトなコーヒーマシンでは、空間的な要件に制限があるため、構造設計でそのような洗浄装置を提供することは困難である。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、これらの欠点を回避し、単純な設計および取り扱いが容易で、可能な限り最も少ない空間要件で上記の機能を実行できる、最初に指名されたタイプのコーヒーマシンを製造することである。
【0005】
この目的は、本発明によれば、請求項1または請求項4の特徴に従って達成される。
【0006】
提供されたこの接続手段を備えた、独立したユニットとして、好ましくはソケットアタッチメントとして、本発明によるミルクモジュールの設計により、それはコーヒーマシンハウジングに簡単に取り付けられ、ミルク出口はコーヒー出口で行われる。
【0007】
本発明による設計を用いると、保冷庫からミルク容器を取り外した後、洗浄容器を収容するためにこれに必要な設置空間が利用可能になり、その結果、後者の空間要件はこれ以上ないため、空間のかなりの節約を達成することができる。
【0008】
本発明はまた、ミルク容器または洗浄容器が、前方または後方に枢動可能に収容され、自由に下方に吊り下げられた、保冷庫の上部領域内の吸込ホースによってマシンの作動回路に設けられていることを提供する。吸込ホースを旋回させる能力により、切り替え手順中に操作者が吸込ホースに触れる必要なく、容器から容器の独立した導入または取り外しを可能にする。本発明によれば、非常に有益なことには、洗浄容器には、水供給チャネル、洗浄剤を受け入れるために画定された開口部、および出口開口部を備えた装置を含む。したがって、この供給チャネルを通して水をこの開口部に導くことができ、その中に溶解した洗浄剤が水で乳化され、よって洗浄容器を満たすことができる。これにより、洗浄のための簡単な取り扱いおよび洗浄剤の正確な計量を可能にし、特に洗浄タブレットはこの目的で使用されることが意図されている。
【0009】
本発明は、図面を参照して、実施形態の例を用いて以下により詳細に説明される。これらを以下に示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、コーヒーモジュールは示されていない、斜視図で表されるミルクモジュールを備えたコーヒーマシンである。
【
図2】
図2は、
図1によるミルクモジュールの側面斜視図である。
【
図3】
図3は、ミルクモジュールの上側にあるソケットアタッチメントのセクションである。
【
図4】
図4は、容器を挿入する前の
図2によるミルクモジュールの保冷庫である。
【
図5】
図5は、ミルク容器を挿入したときの
図2によるミルクモジュールの保冷庫である。
【
図6】
図6は、
図2によるミルクモジュールの洗浄容器の斜視図である。
【
図7】
図7は、
図2によるミルクモジュールの油圧回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ハウジング3を備えた
図1に示されるコーヒーマシン1は、コーヒーまたはコーヒー含有飲料、ならびにコーヒーとミルクまたはミルクフォームで作られた混合飲料を自動的に生成する働きをする。それは、コーヒーモジュールを設置するためにハウジング3内の開口部3’のみが示されている、コーヒーを生成するためのコーヒーモジュール、およびミルクまたはミルクフォームを調製するためのミルクモジュール2からなり、それらは互いに独立して、共通のハウジング3内の隣同士に省スペースで設置することができる。コーヒーモジュール1は、それ自体は従来の構成要素からなり、より詳細に説明されていない。単にしずく受け3”はハウジング3の前側に示されており、その受け皿の上にコーヒーおよび/またはミルクあるいはミルクフォームを注ぐためにカップなどを置くことができる。
【0012】
ハウジング3内に設置できるミルクモジュール2は、保冷庫4を備えており、その冷却室5はミルク容器6を受け入れることができる。任意にロックできる冷却室5は、マシンの前側に配置されたキャビネットドア7から簡単にアクセスできる。それにより、このキャビネットドア7を開いた後、ミルク容器6を保冷庫4の冷却室5に挿入するか、またはそこから取り外すことができる。冷却室5は、ミルク容器6がその中にほぼ遊びなく適合するように設計されている。
【0013】
図2から分かるように、本発明によるミルクモジュール2は、ミルク容器6を受け入れるために冷却アセンブリ4’に接続された冷却室5、搬送ポンプ、蒸気を生成するためのボイラー26、ミルクを加熱またはミルクフォームを生成するための装置24、ならびに加熱されたミルクまたは生成されたミルクフォームを、ラインを通してコーヒーマシン内のコーヒー出口に搬送することができる接続手段を含む、独立したユニットとして設計されている。
【0014】
さらに、このミルクモジュール2には、より詳細には説明されていない電子制御ユニット18、ライン、および見えない後部のプラグ接続部が設けられている。
【0015】
図3によれば、接続手段は、有益なことには、好ましくは互いに軸方向に平行に配置された2つの摺動ソケット継手36、37を備えたソケットアタッチメント33として形成されており、入力または出力ライン39、40を封止方式で挿入することができ、デッドスペースに対して最適化されている。1つの摺動ソケット継手36、37は、保冷庫4を囲むラック2’に突出して配置されており、ラックには、出力ライン40をコーヒーマシン1に連結することができる。
【0016】
ソケットアタッチメント33は、その両端の各々に摺動ソケット継手36または37が付いた接続部品35を有し、接続部品35はハウジング3に固定されている。これらの摺動ソケット継手は、好ましくは後部のマニホールド41に接続されている。
【0017】
ミルクモジュールがハウジング3に設置されると、出力ライン40をただ単に摺動ソケット継手36に連結するだけでよい。ソケットアタッチメント33は、非常に単純な設計と安全な取り扱いを特徴とする。ただし、当然のことながら、この目的のために他のタイプの連結が議論されても差し支えない。
【0018】
図4および
図5は、保冷庫4の上部領域内の前方または後方に枢動可能に収容でき、下方に自由に一直線に吊り下げられている、本発明による吸込ホース11を示す。
【0019】
吸込ホース11は、好ましくは保冷庫4の上部領域内に収容でき、好ましくは手動で作動できる旋回駆動装置12によって回転可能に保持されている。このために、旋回駆動装置12の継手13には、ミルク容器6を冷却室5から取り外した後、吸込ホース11が突出してロックされる戻り止め位置が設けられている。この前方枢動位置11’では、冷却室5に挿入されたときに吸込ホースを上方からミルク容器6に、または洗浄容器14に挿入することができる。そうすることで、この吸込ホースは省スペースで冷却室5に組み込まれる。
【0020】
ミルク容器を再挿入するとき、吸込ホース11はミルク容器4の開口部10から非接触で導入される。ミルク容器が保冷庫4に挿入されると、吸込ホースは、その底端がほぼそれぞれの容器の底部まで延びる目的で再び下方を向く。さらに、ミルク容器6は、カバー8によって封止することができる。
【0021】
ミルク容器6は、本発明の範囲内で、洗浄容器14と交換することができる。その結果、洗浄容器などに必要とされる他の追加の設置空間を省くことができ、したがって、コーヒーマシンの寸法を低減することが可能になる。
【0022】
図6は、この目的に特に好適な洗浄容器14を示しており、有益なことにミルク容器6と同じ形状または全体寸法で寸法決めされている。しかしながら、これとは対照的に、この洗浄容器は、水供給チャネル17、洗浄剤を受け入れるために画定された開口部16’、および出口開口部17’を備えた装置15を含む。
【0023】
便宜上、容器の上部に配置された水供給チャネル17は、上方からアクセス可能なこの円筒形開口部16’に接線方向に導かれ、少なくとも1つの洗浄タブレット16を可溶性洗浄剤として位置決めすることができる。好ましくは、容器は環状に設計され、中央ボアが付けられ、その結果、ほぼ遊びがなく位置決めされ、開口部16’の中央ピン46によって検出され得る。
【0024】
タブレットを溶解するために、水を保冷庫4から水供給チャネル17の中に、タブレット16の上に接線方向に供給し、水は溶解した錠剤とともに出口開口部17を通って流出し、洗浄容器14内に集まり、そこから洗浄容器に挿入された吸込ホース11によってミルクモジュールに導かれる。
【0025】
図7は、破線19で区切られたミルクモジュール2の動作回路を概略的に示す。この図では、ミルク容器6または洗浄容器14を備えた保冷庫4を破線20で示す。ミルクを供給するために、吸込ホース11は、ライン21a、二方弁22、空気吸込弁23ならびに搬送ポンプ42を介して装置24の加熱室に接続されており、この装置はまた、ボイラー26および蒸気を供給するための追加弁27にも接続できる。フィルタ29を介して、外部の水タンク28を、水ポンプ25を介してボイラー26に接続することができる。
【0026】
ミルクモジュール2の定期的な洗浄手順のために、洗浄容器14を冷却室5に挿入する。ここでは、吸込ホース11を二方弁30または32を備えたライン21bに接続する。そうすることで、装置24の加熱室および搬送ポンプ42はそれぞれのラインとぴったり重なり得る。
【0027】
さらに、ミルクまたはミルクフォームを注ぐためにしずく受け3”上のカップ44などにつながるソケットアタッチメント33および出力ライン40も示す。
【0028】
本発明は、上述の実施形態の例を用いて十分に表示される。ただし、当然のことながら、他の変形を用いて開示することもできる。このようにして、加熱されたミルクまたは生成されたミルクフォームをミルクモジュールからコーヒーマシンの出口まで送るための接続手段は、例えば、ホース接続部などのソケットアタッチメント以外によって提供することができる。原則として、出力ライン40は、各コーヒーマシンモジュールに対するミルクモジュールの各側に提供することができる。