(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】管理システム及び管理方法
(51)【国際特許分類】
H04M 3/42 20060101AFI20231130BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20231130BHJP
G06F 21/44 20130101ALI20231130BHJP
【FI】
H04M3/42 E
H04M11/00 302
G06F21/44
(21)【出願番号】P 2020018537
(22)【出願日】2020-02-06
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】514256173
【氏名又は名称】株式会社リンクス
(74)【代理人】
【識別番号】100188547
【氏名又は名称】鈴野 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】島崎 浩一
(72)【発明者】
【氏名】夏山 昌和
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-073671(JP,A)
【文献】特開2016-197297(JP,A)
【文献】特開2005-122400(JP,A)
【文献】特開2018-121099(JP,A)
【文献】特開2019-207608(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0358690(US,A1)
【文献】特開2021-034780(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F21/00
21/30-21/46
G06Q10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
G16Z99/00
H04L51/00-51/58
67/00-67/75
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアを介してスマートフォンに接続する管理システムであって、
SMSの送信ごとに固有な固有URLを生成する固有URL生成手段と、
前記スマートフォンの携帯電話番号に、前記固有URLと、端末固有IDとを関連づけて記憶する管理データ記憶手段と、
前記固有URLを含むSMS文書を、前記スマートフォンに前記携帯電話番号によってSMSで送信するSMS送信手段と、
前記スマートフォンから前記固有URLにアクセスがなされた際に、前記スマートフォンから送られたアクセス情報から前記スマートフォンに固有な端末固有IDを抽出する固有ID抽出手段と、
アクセスがなされたスマートフォンの前記携帯電話番号に関連づけて前記端末固有IDが前記管理データ記憶手段に記憶されていない場合に、前記固有ID抽出手段によって抽出された端末固有IDを前記携帯電話番号に関連づけて前記管理データ記憶手段に記憶する固有ID制御手段と、
アクセスがなされたスマートフォンの前記携帯電話番号に関連づけて前記端末固有IDが前記管理データ記憶手段に記憶されている場合に、アクセスがなされた前記固有URLにかかわらず、記憶されている前記端末固有IDと前記固有ID抽出手段によって抽出された端末固有IDとを比較し、同じ場合にはリダイレクトURLにリダイレクトし、異なっている場合には前記リダイレクトURLにリダイレクトしないURLアクセス手段と、
を備えることを特徴とする管理システム。
【請求項2】
前記URLアクセス手段は、比較の結果、前記端末固有IDが異なっている場合に、前記リダイレクトURLと異なる第2リダイレクトURLにリダイレクトすることを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
SMSの送信ごとに固有な固有URLを生成し、
前記固有URLを含むSMS文書を、キャリアを介してスマートフォンに携帯電話番号によってSMSで送信し、
前記スマートフォンから前記固有URLにアクセスがなされた際に、前記スマートフォンから送られたアクセス情報から前記スマートフォンに固有な端末固有IDを抽出し、
アクセスがなされたスマートフォンの前記携帯電話番号に関連づけて、管理データ記憶手段に端末固有IDが記憶されていない場合に、抽出された前記端末固有IDを前記携帯電話番号に関連づけて前記管理データ記憶手段に記憶し、
アクセスがなされたスマートフォンの前記携帯電話番号に関連づけて、前記管理データ記憶手段に端末固有IDが記憶されている場合に、アクセスがなされた前記固有URLにかかわらず、記憶されている前記端末固有IDと抽出された前記端末固有IDとを比較し、同じ場合にはリダイレクトURLにリダイレクトし、異なっている場合には前記リダイレクトURLにリダイレクトしないことを特徴とする管理方法。
【請求項4】
比較の結果、前記端末固有IDが異なっている場合には、前記リダイレクトURLと異なる第2リダイレクトURLにリダイレクトすることにより行うことを特徴とする請求項3に記載の管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォンのショートメッセージサービス(以下、「SMS」という。)を利用した管理システム及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンは、電話やゲーム、動画の閲覧だけでなく、生活に関する種々の目的を達成するための端末として用いられてきている。たとえば、コンビニエンスストアで商品購入の際には、近距離無線通信やバーコードの表示により代金の支払いを行うことに用いられている。また、個人情報を含んだ情報をスマートフォンに送付することも考えられる。
【0003】
特許文献1には、ゲームソフトや表計算ソフト、動画コンテンツなどの電子商品を販売するシステムが記載されている。このシステムでは商品を販売する際に、ユーザID、パスワードからなる認証情報をユーザ端末に入力させ、認証処理によりユーザ登録されているか確認する。このような認証処理を行うためには予めユーザ登録が必要である。さらに、ユーザが使用する際にはユーザIDとパスワードを入力しなければならない。そのため、ユーザにとって操作が複雑であり、パスワード等の認証情報の管理を行う必要もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、パーソナルコンピュータでアクセスすることができず、最初にアクセスした特定のスマートフォンでのみアクセスできる、簡単に使用できてセキュリティが高い管理システム及び管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(1)本発明は、キャリアを介してスマートフォンに接続する管理システムであって、SMSの送信ごとに固有な固有URLを生成する固有URL生成手段と、前記スマートフォンの携帯電話番号に、前記固有URLと、端末固有IDとを関連づけて記憶する管理データ記憶手段と、前記固有URLを含むSMS文書を、前記スマートフォンに前記携帯電話番号によってSMSで送信するSMS送信手段と、前記スマートフォンから前記固有URLにアクセスがなされた際に、前記スマートフォンから送られたアクセス情報から前記スマートフォンに固有な端末固有IDを抽出する固有ID抽出手段と、アクセスがなされたスマートフォンの前記携帯電話番号に関連づけて前記端末固有IDが前記管理データ記憶手段に記憶されていない場合に、前記固有ID抽出手段によって抽出された端末固有IDを前記携帯電話番号に関連づけて前記管理データ記憶手段に記憶する固有ID制御手段と、アクセスがなされたスマートフォンの前記携帯電話番号に関連づけて前記端末固有IDが前記管理データ記憶手段に記憶されている場合に、アクセスがなされた前記固有URLにかかわらず、記憶されている前記端末固有IDと前記固有ID抽出手段によって抽出された端末固有IDとを比較し、同じ場合にはリダイレクトURLにリダイレクトし、異なっている場合には前記リダイレクトURLにリダイレクトしないURLアクセス手段と、を備えることを特徴とする管理システムである。
【0007】
(2)また、本発明は、前記URLアクセス手段は、比較の結果、前記端末固有IDが異なっている場合に、前記リダイレクトURLと異なる第2リダイレクトURLにリダイレクトすることを特徴とする(1)に記載の管理システムである。
【0008】
(3)また、本発明は、SMSの送信ごとに固有な固有URLを生成し、前記固有URLを含むSMS文書を、キャリアを介してスマートフォンに携帯電話番号によってSMSで送信し、前記スマートフォンから前記固有URLにアクセスがなされた際に、前記スマートフォンから送られたアクセス情報から前記スマートフォンに固有な端末固有IDを抽出し、アクセスがなされたスマートフォンの前記携帯電話番号に関連づけて、管理データ記憶手段に端末固有IDが記憶されていない場合に、抽出された前記端末固有IDを前記携帯電話番号に関連づけて前記管理データ記憶手段に記憶し、アクセスがなされたスマートフォンの前記携帯電話番号に関連づけて、前記管理データ記憶手段に端末固有IDが記憶されている場合に、アクセスがなされた前記固有URLにかかわらず、記憶されている前記端末固有IDと抽出された前記端末固有IDとを比較し、同じ場合にはリダイレクトURLにリダイレクトし、異なっている場合には前記リダイレクトURLにリダイレクトしないことを特徴とする管理方法である。
【0009】
(4)また本発明は、比較の結果、前記端末固有IDが異なっている場合には、前記リダイレクトURLと異なる第2リダイレクトURLにリダイレクトすることにより行うことを特徴とする(3)に記載の管理方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、パーソナルコンピュータでアクセスすることができず、ユーザIDやパスワードを入力しなくても、SMS受信後に最初にアクセスした特定のスマートフォンでのみその後のアクセスができる、簡単に使用できてセキュリティが高い管理システム及び管理方法を提供することができる。パソコンは家族で共有することがあるが、たとえ夫婦でも共有することがない特定のスマートフォンでのみその後のアクセスができるものであるので、夫婦間のプライバシーも守れる親展機能を有する。
【0011】
本発明では、管理サーバからスマートフォンへの送信の際は、各スマートフォンに固有である携帯電話番号によりSMSで確実に行う。また、各スマートフォンから管理サーバへのアクセスは、スマートフォンのアクセス情報から得られる端末固有IDで確認することにより、確実に行われる。そして、固有URLを管理サーバからSMSでスマートフォンに送信し、SMSの送信ごとに固有な固有URLを介して携帯電話番号と端末固有IDを結びつけることにより、セキュリティが高い管理システム及び管理方法となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態における接続システム1を含む全体構成を示す図。
【
図2】固有URLの生成処理を示すフローチャート。
【
図6】実施例1におけるガス料金請求のSMS文書を表示したスマートフォン40。
【
図7】実施例1におけるガス使用量と料金請求を表示したスマートフォン40。
【
図8】スマートフォン40が固有URLにアクセスしたときの管理サーバ20のフロー。
【
図10】実施例2におけるチケット購入案内のSMS文書を表示したスマートフォン40。
【
図11】実施例2におけるチケット購入完了画面を表示したスマートフォン40。
【
図12】実施例3における保険契約後の案内のSMS文書を表示したスマートフォン40。
【
図13】実施例4における健康診断結果のお知らせのSMS文書を表示したスマートフォン40。
【
図14】実施例4における再検査を要する場合の健康診断結果を表示したスマートフォン40。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の実施形態における接続システム1を含む全体構成を示す図である。本発明を含む全体構成は、事業者サーバ10,11,12,13,・・・、管理サーバ(管理システム)20、キャリア30,31、スマートフォン40,41を備える。接続システム1は、事業者サーバ10,11,12,13,・・・、管理サーバ20を含んで構成している。事業者サーバ10,11,12,13,・・・は各事業者のサーバであり、普通は事業者が管理している。管理サーバ20は、本発明に係る管理システムであって管理者のサーバであり、固有URL生成手段201、SMS送信手段202,固有ID抽出手段203、端末固有ID制御手段204、管理データ記憶手段205、URLアクセス手段206を備えている。そして、管理サーバ20は、複数の事業者サーバ10,11,12,13,・・・及びキャリア30,31,・・・と接続している。スマートフォン40,41は事業者の顧客が所有するものである。各キャリア30,31,・・・は多数のスマートフォンと携帯電話回線、ネット回線により接続されるが、
図1では各キャリア30,31,・・・を代表して1台ずつスマートフォン40,41を示す。
図1のスマートフォン40,41は、互いに異なるキャリア30,31に接続するが、携帯電話回線を通じて相互に電話やSMS送信が可能である。
【0014】
管理サーバ20は、各キャリア30,31,・・・を介してスマートフォン40,41,・・・と接続する。また、管理サーバ20は複数の事業者サーバ10,11,12,13,・・・に接続している。事業者サーバ10,11,12,13,・・・・・・と管理サーバ20、キャリア30,31,・・・の間は専用回線、又はセキュリティを確保したインターネットで接続する。また、キャリア30とスマートフォン40の間、キャリア31とスマートフォン41の間は通常の携帯電話回線とネット用回線が用いられる。ネット用回線はキャリア30,31を介してインターネットに接続する回線である。スマートフォン40,41は、ネット用回線、キャリア30,31、インターネットを介して事業者サーバ10,11,12,13,や管理サーバ20に接続可能である。
【0015】
事業者サーバ10,11,12,13,・・・は、SMS文書の送付先のスマートフォンの携帯電話番号と共にSMS本文、リダイレクトURL等を管理サーバ20に送る。管理サーバ20は、固有URL生成手段201により固有URLを生成して、携帯電話番号に関連づけて固有URLを記憶する。さらに固有URLに関連づけてリダイレクトURL等を記憶する。そして、SMS本文と固有URLを合わせたSMS文書を携帯電話番号によって、SMS送信手段202でSMS送信する。本実施形態において、固有URLは管理サーバ内に設けたウェブサイトのURLである。リダイレクトURLは事業者サーバ10,11,12,13,・・・内のウェブサイトを示すものでもよく、管理サーバ20を含めた他のサーバ内のウェブサイトを示すものでもよい。また、リダイレクトURLを複数設けて、使用するリダイレクトURLが条件により決まるようにしてもよい。
【0016】
図2は、固有URLの生成処理を示すフローチャートである。固有URLは、
図1に記載した管理サーバ20の固有URL生成手段201で生成する。本実施形態では、まず、ランダム値生成関数により、半角アルファベットの大文字と小文字、半角数字からなるランダムな8桁の文字列を生成する(ステップSg1)。次に、管理サーバ20の管理データで既に記憶されている固有文字列が存在しているかを確認し、存在している場合にはもう一度生成し直す(ステップSg2)。存在していない場合には固有文字列として記憶する(ステップSg3)。そして、既定URLの後ろに固有文字列を付加して固有URLを生成し(ステップSg4)、SMSで送信する文書に使用する。
【0017】
図2のステップSg4では、
https://smss.jp/ag/
が事業者により定まる既定URLであり、その後ろの
********
の部分が、半角アルファベットの大文字と小文字、半角数字からなるランダムな8桁の固有文字列である。
なお、既定URLの
ag/
は、個別の事業者を表している。
【0018】
上記のように、固有URLと固有文字列は、同じものが複数のSMS送信に用いられることはなく、SMSでの送信毎にユニークに固有URLと固有文字列を設定する。上記の固有URLの生成は一例であり、SMSの送信毎にユニークであればどのような生成方法を用いてもよい。
【0019】
SMS文書が顧客のスマートフォン40に表示され、固有URLがタップされると、スマートフォン40は、ネット用回線、キャリア30、インターネットを介して管理サーバ20内のウェブサイトに接続する。そして、一定の条件により、リダイレクトURLにリダイレクトする。
【0020】
事業者サーバ10,11,12,13,・・・・・・は、事業者が有するサーバである。事業者は、ガス料金や電気料金等の公共料金を集金する事業者であっても良いし、コンサートチケット販売会社、保険会社、病院等の他の事業者であっても良い。本発明の事業者は、同じスマートフォンから複数回のアクセスが期待される事業者である。
【0021】
SMS文書に含まれる固有URLは、管理サーバ20からスマートフォン40にSMS文書を送信する毎に異なったものとなり、送信の前後において同じURLは用いられない。そして、管理サーバ20では、固有URLの各々は送信するSMSで用いた携帯電話番号に関連づけて記憶している。したがって、SMS文書を複数回送信すると、SMS送信で用いた携帯電話番号に複数の固有URLが関連づけられて記憶される。
【0022】
最初は、スマートフォン40の端末固有IDが携帯電話番号に関連づけられて記憶されていない。端末固有IDが記憶されていない場合には、スマートフォン40による固有URLへのアクセスの際に抽出された端末固有IDが、携帯電話番号に関連づけられて管理サーバ20に記憶される。そして、次回以降に同じ携帯電話番号に関連づけられた他の固有URLへのアクセスがあった場合、新たに抽出した端末固有IDと記憶している端末固有IDとを照合する。同じである場合には、第1リダイレクトURLにリダイレクトして手続が進行する。異なる場合には第2リダイレクトURLにリダイレクトすることもできる。第2リダイレクトURLでは、手続が進行できない旨等を表示する。
【0023】
本発明では、管理サーバからスマートフォンへの送信の際は、各スマートフォンに固有である携帯電話番号により、SMSで確実に特定のスマートフォンにSMS文書を送信することができる。また、各スマートフォンから管理サーバへのアクセスの際は、スマートフォンのアクセス情報から得られる端末固有IDで確認することにより、アクセス元を特定のスマートフォンに限定できる。そして、管理サーバからスマートフォンへのSMSと、スマートフォンからの端末固有IDで確認されたアクセスの後に、個人情報等の秘密情報をスマートフォンに送信することにより、セキュリティを保つことができる。
【実施例1】
【0024】
まず、公共料金の請求を行う事業者に用いた管理システム及び管理方法の実施例を説明する。
【0025】
従来、ガス料金や電気料金などの公共料金の請求書は、各家庭に郵送で送られている。このような郵送での送付に代えて、通信ネットワークを用いて請求書を送付することができれば、送付側は印刷や郵送の費用を削減することができる。具体的には、携帯端末の通信ネットワークを用いて、各個人のスマートフォンに請求書データを送付すれば、コンビニエンスストアで支払ったり、携帯端末自体によって決済したりすることができて便利である。
【0026】
図3は、事業者サーバ10に記憶した事業者データであり、案件NO.で案件毎に関連づけて記憶している。実施例1では、ガス料金の請求を行う事業者が事業者サーバ10を用いる。事業者データとしては、事業者を識別する「事業者ID」、「案件NO.」、送付先の「携帯電話番号」、「SMS本文」、「第1リダイレクトURL」、「第2リダイレクトURL」等を案件毎に相互に関連づけて記憶する。本実施例におけるSMS本文は、「〈○○ガスより使用量等のお知らせ〉ご利用ありがとうございます。下記URLにて○月のガス使用量とご請求をご確認ください。」とのテキストデータである。また、第1リダイレクトURLは、スマートフォンから接続した際に表示するウェブサイトのURLであり、第2リダイレクトURLは、スマートフォンからの接続を拒否するときに表示するウェブサイトのURLである。本実施例では、リダイレクト先を事業者サーバ10に設けるが、他のサーバに設けてもよい。第1リダイレクトURLは案件毎のURLとして生成する。
【0027】
図4は、管理サーバ20に記憶した管理データである。管理データとして、携帯電話番号毎に設けられるシステムIDに関連づけて端末固有IDが記憶される。端末固有IDが記憶される前はNullとなっている。また、システムIDに関連づけて、事業者サーバ10から送られた事業者ID、案件No.、SMS本文、第1リダイレクトURL、第2リダイレクトURL等の事業者データと、固有URL、送信日時等が記憶される。送信IDは各事業者の案件No.毎に形成され、記憶される。
【0028】
システムIDには一つの携帯電話番号と一つの端末固有IDが関連づけられる。そして、複数の事業者IDを関連づけることができる。各々の事業者IDには、複数の案件No.を関連づけることができる。さらに、各々の案件No.には、一つの固有URL、SMS本文等が関連づけられる。
【0029】
具体的には例えば、「システムID.02」には、一つの「携帯電話番号」と一つの「端末固有ID」が関連づけられ、2つの事業者ID「事業者ID1」、「事業者ID2」が関連づけられている。そして、「事業者ID1」には2つの案件「案件No.002」、「案件No.003」が各送信IDのもとに関連づけられている。「案件No.002」には、SMS本文、第1リダイレクトURL、第2リダイレクトURLが関連づけられ、送信後には送信日時も関連づけられて記憶される。
【0030】
図5は、実施例1におけるガス料金請求のフローである。ガス集金事業者の事業者サーバ10は、予め顧客のスマートフォンの携帯電話番号を登録しておく。そして、ガス料金の請求時に、請求案件について、携帯電話番号を含んだ事業者データ(
図3)を生成し、記憶する(ステップSu1)。
【0031】
事業者サーバ10は、案件の事業者データを記憶した後、管理サーバ20に、携帯電話番号、事業者ID、案件No.、SMS本文、第1リダイレクトURL、第2リダイレクトURL等の事業者データを管理サーバ20に送信する(ステップSu2)。
【0032】
管理サーバ20は、携帯電話番号等の事業者データを受信すると、固有URL生成手段201が上述した方法(ステップSg1~Sg4)により固有URLを生成し(ステップSu3)、携帯電話番号に関連づけて記憶する。
【0033】
このとき、
図4に示すように、システムIDに関連づけて携帯電話番号、事業者ID、案件No.、固有URL、SMS本文、第1リダイレクトURL、第2リダイレクトURL等を記憶する(ステップSu4)。したがって、固有URLと携帯電話番号が関連づけて記憶される。
【0034】
次に、SMS本文に固有URLを付加して、SMS文書を生成する(ステップSu5)。SMS送信手段202は、キャリア30を介してスマートフォン40に携帯電話番号によりSMS文書をSMS送信する(ステップSu6)。その際に、管理データでは案件No.に関連づけて送信日時が記憶される。
【0035】
図6は、実施例1におけるガス料金請求のSMS文書を表示したスマートフォン40を示す。顧客のスマートフォン40では、
図6のようにガス使用量等の確認の案内文であるSMS本文の下に固有URLが表示された、SMS文書を表示する(ステップSu7)。顧客はこのSMS文書を読んだ後に、固有URLにタップして(ステップSu8)アクセスする。
【0036】
スマートフォンによる固有URLへのアクセスは、キャリアを介してインターネット経由で管理サーバ20にアクセスすることにより行う(ステップSu9)。固有URLへのアクセスがあると、固有ID抽出手段203が、スマートフォン40のアクセス情報からスマートフォン40に固有な端末固有IDを抽出する(ステップSu10)。そして、携帯電話番号に関連づけた端末固有IDによる処理を行う(ステップSu11)。そのスマートフォン40から、はじめて固有URLへアクセスされた場合は、端末固有IDが記憶されておらずNullとなっている。そのため、抽出した端末固有IDを記憶する。そして、URLアクセス手段206は、事業者サーバ10の第1リダイレクトURLにリダイレクトする(ステップSu12)。ステップSu11で端末固有IDがすでに記憶されていた場合には、抽出した端末固有IDと同じであれば第1リダイレクトURLにリダイレクトし(ステップSu12)、異なっていれば第2リダイレクトURLにリダイレクトする(ステップSu13)。
【0037】
図7は、実施例1におけるガス使用量と料金請求を表示したスマートフォン40である。第1リダイレクトURLでは、スマートフォン40に
図7のガス使用量等の表示を行う(ステップSu14)。また、第2リダイレクトURLでは、「ご利用のスマートフォンを認証できません。」等の認証ができなかった旨の表示を行う(図示せず)(ステップSu15)。
図7の使用量等表示画面では、ガス使用量と共に請求額と支払い方法が表示される。顧客がスマートフォン40にタップして支払い方法を選択すると、各支払いの画面に変更される。たとえば、「1.コンビニの店頭で支払う。」を選択すると、事業者サーバ10で再び事業者データが作成され(ステップSu1)、管理サーバ20を介してSMS文書がスマートフォン40に送られ、表示が行われる(ステップSu2~7)。顧客がコンビニエンスストアで固有URLにタップすると(ステップSu8)、端末固有IDによる確認(ステップSu10,11)の後、新たな第1リダイレクトURLにリダイレクト(ステップSu14)され、支払い用のバーコードを備えた支払い画面が表示される。
【0038】
図8は、スマートフォン40が固有URLにアクセスしたときの管理サーバ20のフローである。
図5におけるステップSu10~13に相当する。スマートフォン40が固有URLにアクセスすると(ステップSr1)、固有ID抽出手段203は、スマートフォン40のアクセス情報から、個々のスマートフォンに固有な端末固有IDを抽出する(ステップSr2)。本実施例では、スマートフォン40がアクセスした時に得られる種々のアクセス情報を組み合わせて、他のスマートフォンと区別可能な端末固有IDを抽出する。そして、端末固有ID制御手段204は、固有URLにより
図4に示した管理データにアクセスし、固有URLに関連づけて端末固有IDが記憶されているかを判断する(ステップSr3)。
図4の3.端末固有IDは、Nullであるか記憶されているかのいずれかである。管理データにおいて、アクセスされた固有URLに関連づけられた端末固有IDが記憶されていない場合はNullとなっている。その場合には、端末固有ID制御手段204は、携帯電話番号に抽出された端末固有IDを関連づけて管理データに記憶し(ステップSr4)、URLアクセス手段206が第1リダイレクトURLにリダイレクトする(ステップSr6)。端末固有ID制御手段204が、管理データにおいて、端末固有IDが記憶されていると判定した場合には、抽出された端末固有IDと記憶されている端末固有IDとを比較し、同じであるか判定する(ステップSr5)。同じ場合にはURLアクセス手段206により第1リダイレクトURLにリダイレクトし(ステップSr6)、異なる場合にはURLアクセス手段206により第2リダイレクトURLにリダイレクトする(ステップSr7)。固有ID抽出手段203はステップSr2を行い、端末固有ID制御手段204はステップSr3~5を行い、URLアクセス手段206はステップSr6,7を行う。
【0039】
持っているスマートフォン40によってSMS受信することによって、最初にガス料金が請求され、はじめて固有URLにアクセスした場合には、その前に他の事業サーバに関するアクセスがなければ、まだ端末固有IDは記憶されておらずNullであり、携帯電話番号に関連づけた端末固有IDが記憶されていない(ステップSr3)。そのため、端末固有ID制御手段204は、固有ID抽出手段203により抽出した端末固有IDを、携帯電話番号に関連づけて記憶する(ステップSr4)。そして、URLアクセス手段206は、第1リダイレクトURLにリダイレクトする(ステップSr6)。2回目以降のガス料金の請求時には、端末固有IDが記憶されている(ステップSr3)。そこで、抽出した端末固有IDが記憶されている端末固有IDと同じであるか判定する(ステップSr5)、同じであれば第1リダイレクトURLにリダイレクトし(ステップSr6)、異なっていれば第2リダイレクトURLにリダイレクトする(ステップSr7)。第1リダイレクトURLでは、ガス使用量のお知らせが表示され、支払いの選択ができる画面へリダイレクトする。第2リダイレクトURLでは、「ご利用のスマートフォンを認証できません。」等の認証ができなかった旨の表示を行う
【0040】
本実施例で示すように、最初にSMSを使用する前提であり携帯電話番号が必要であるため、顧客はパーソナルコンピュータを用いることができない。また、SMSを受信して最初に固有URLにアクセスした特定のスマートフォンのみにより、その後のアクセスが固有URLにかかわらず可能となる。その際に、ID・パスなどによる認証を必要としない。そのため、簡易な操作性を有し、かつ、高いセキュリティを確保することができる。また、公共料金の支払いのために特別なアプリケーションをスマートフォンにインストールする必要がない。
【実施例2】
【0041】
次に、コンサートチケットを販売し、コンサートの入場管理を行う事業者に用いた管理システム及び管理方法の実施例を説明する。
【0042】
コンサート入場券などのチケット類は紙で発行されてきたが、スマートフォンにチケットデータを送信し、スマートフォンにチケットをバーコード表示する等して用いることが可能である。しかし、チケットを購入するために特別なアプリケーションをインストールする必要があったり、ID登録やパスワードの設定等を行わなければならなかったりする。そのため、顧客にとってチケット購入は煩わしいものであった。
【0043】
また、パーソナルコンピュータによりチケット購入されると、装置が大きいために入場の際にパーソナルコンピュータの画面で提示することが難しい。さらに、パーソナルコンピュータは、特殊なソフトウェアを作成して用いることが容易であり、特殊なソフトウェアにより、転売目的の大量申込がなされる可能性がある。また、パーソナルコンピュータでは、電子データであるチケットのコピーがされ易い。そのため、スマートフォンによる購入が可能であり、パーソナルコンピュータによる購入ができないことが望ましい。一方、スマートフォンにチケットを記憶させた場合も、記憶のさせ方によってはチケットをコピーされる可能性がある。
【0044】
本システムでは、スマートフォンからインターネット経由で複数回のアクセスが行われる。
【0045】
実施例2においても、事業者用データは
図3の構造で事業者サーバ11に記憶され、管理データは
図4の構造で管理サーバ20に記憶される。事業者サーバ11はチケット販売事業者のサーバである。管理サーバ20は実施例1のものであり、ガス料金を請求する事業者等、他の事業者のサーバとも接続されて共通に使用される。また、
図3において、本実施例におけるSMS本文は、「次のURLにタップして、チケットをご購入ください。コンサートに入場の際にもこのURLにタップしてチケットを表示してください。」とのテキストデータである。
【0046】
図9は、実施例2におけるチケット購入のフローである。チケットを購入しようとする顧客は、所有するスマートフォン40から事業者サーバ11のチケット販売サイトに接続し、スマートフォン40の携帯電話番号を記入してチケットの購入手続を開始する(ステップSb1)。チケット販売サイトへは、スマートフォン40からネット用回線、キャリア30を介してインターネットで事業者サーバ11に接続する。スマートフォン40の携帯電話番号は、事業者サーバ11に
図3のように事業者データとして各案件に関連づけて記憶される(ステップSb2)。本実施例におけるSMS本文は、「〈チケットご購入のご案内〉ご利用ありがとうございます。次のURLにタップして、チケットをご購入ください。」とのテキストデータである。
【0047】
案件の事業者データを記憶した後、
図5のステップSu2~Su5と同様に制御が行われ(ステップSb3)、事業者サーバ11からSMS文書等を受信して管理サーバ20が記憶する。さらに、管理サーバ20は、事業者サーバ11から送られてきた携帯電話番号によりSMS送信手段202でSMS送信する(ステップSb4)。その際に、管理データでは案件No.に関連づけて送信日時が記憶される。
【0048】
図10は、実施例2におけるチケット購入案内のSMS文書を表示したスマートフォン40を示す。SMS送信を受けて、顧客のスマートフォン40は
図10のようにSMS文書を表示する。SMS文書ではチケット購入の案内文であるSMS本文の下に固有URLを表示している。顧客はこのSMS文書を読んだ後に、固有URLにタップして、キャリア30を介して管理サーバ20にアクセスする(ステップSb6)。管理サーバ20では、
図8に示したフローに従い、端末固有IDの抽出(ステップSb7,Sr2)と、携帯電話番号に関連づけた端末固有IDによる処理(ステップSb8,Sr3~5)を行う。第1リダイレクトURLにリダイレクトすると(ステップSb9,Sr6)、チケット購入画面となる(図示せず)(ステップSb10)。一方、第2リダイレクトURLにリダイレクトすると(ステップSb11,Sr7)、スマートフォン40に表示できない旨が表示される(図示せず)(ステップSb12)。
【0049】
図11は、実施例2におけるチケット購入完了画面を表示したスマートフォン40である。チケット購入画面で購入手続が終了すると、
図11のチケット購入完了画面となる(ステップSb13)。開場時間になり、顧客が固有URLにタップすると、第1リダイレクトURLによりスマートフォン40にバーコードが付されたチケットが表示される(図示せず)。また、開場時間前に固有URLのタップが行われると、コンサート名と開演日時、場所等と共に、開場時間後にSMSのURLにタップすればチケットが表示される旨をスマートフォン40に表示する(図示せず)。もしも、他のスマートフォンに転送したSMS文書の固有URLにタップしてアクセスした場合、使用したスマートフォンが異なるため、
図8のステップSr5で第2リダイレクトURLが指定され、チケットが表示できない旨をスマートフォン40に表示する(図示せず)。
【0050】
本実施例では、最初にチケットを購入しようとする場合に、SMS文書の固有URLでアクセスした際に、管理データとして携帯電話番号に関連づけてスマートフォン40の端末固有IDが記憶される。そして、手続を進めることができる。次回以降のチケット購入の場合にSMS文書の固有URLでアクセスすると、その際に抽出した端末固有IDが管理データに記憶されている端末固有IDと同じであれば、第1リダイレクトURLにリダイレクトして手続を進めることができる。しかし、異なっている場合には第2リダイレクトURLにリダイレクトして、手続を進めることができない。固有URLは携帯電話番号に関連づけられているため、固有URLから携帯電話番号を特定し、携帯電話番号に関連づけられた端末固有IDを特定することができる。
【0051】
本実施例では、チケットを購入しようとする顧客は、事業者サーバ11にあるチケット販売サイトに接続し、スマートフォンの携帯電話番号を記入してチケットの購入手続を開始する。しかし、顧客が電話やハガキ等でスマートフォンの携帯電話番号を事業者に伝え、事業者が携帯電話番号を事業者サーバ11に入力し、SMS本文と携帯電話番号等を管理サーバ20に送信してもよい。
【0052】
本実施例で示すように、最初にSMSを使用する前提であり携帯電話番号が必要であるため、顧客はパーソナルコンピュータを用いることができない。そのため、パーソナルコンピュータを利用した転売目的のチケット購入等も抑止することができる。本発明では特定のスマートフォンのみによりアクセスが可能となるため、チケットデータのコピーによるトラブルは発生しない。このように、高いセキュリティを確保することができる。また、チケットのために特別なアプリケーションをスマートフォンにインストールする必要がない。電子メールによりチケットを送付すると、持ち運びできないコンピュータで購入され、入場の際にチケットを提示できない可能性があるが、そのような事態も生じない。
【実施例3】
【0053】
次に、個人情報をスマートフォンに表示する例として、保険の契約に本発明を適用した管理システム及び管理方法の実施例を示す。
【0054】
生命保険や自動車保険、ゴルフ保険等、種々の保険がインターネットで販売されている。しかし、インターネット販売では保険契約書を郵送するため、保険契約書が契約者である顧客の手元に届までに数日を要する。また、通常の代理店でも販売も含め、顧客は紙の契約書を保管しておかなければならない。パーソナルコンピュータからの契約であれば、ストレージ容量が十分であるため、保険契約書をPDFで送信して保存することができる。しかし、近年ではパーソナルコンピュータを持たない人が増えており、ストレージ容量が限られたスマートフォンを介した販売が多くなっている。保険を契約した後に、顧客がクラウドに契約書データを記憶し、スマートフォンからアクセスして確認できるようにすることも考えられるが、顧客の作業が必要となる。本実施例は、高いセキュリティで個人情報である契約内容を保護しつつ、保険の契約者である顧客が保険契約書を容易に扱うことができるものである。
【0055】
本実施例においては、顧客が保険を購入する際に、スマートフォンの携帯電話番号を保険代理店に伝える。代理店では契約内容と契約者の携帯電話番号を保険会社の事業者サーバ12に入力する。また、スマートフォンやパーソナルコンピュータから、保険会社の事業者サーバ12に設けた保険申込みサイトにアクセスして、契約するようにしてもよい。その際にもスマートフォンの携帯電話番号の入力が必須である。
【0056】
保険の契約時に、保険会社の事業者サーバ12は、SMS本文と携帯電話番号、リダイレクトURL等からなる事業者データを生成して
図3に記載したように記憶する。そして、事業者データを管理サーバ20に送る。リダイレクトURLは実施例1,2の第1リダイレクトURLと同様に案件毎に固有なURLである。本実施例におけるSMS本文は、例えば、「〈保険のお知らせ〉○○保険にお申し込みいただき、ありがとうございます。ご契約内容をお送りします。以下のURLにアクセスしてご確認ください。」というものである。
【0057】
管理サーバ20は固有URL生成手段201が固有URLを生成し、生成した固有URLに関連づけてリダイレクトURLを管理データに記憶する。そして、SMS本文に固有URLを付加してSMS文書を生成する。SMS文書は、事業者サーバ12から送られてきた携帯電話番号によりSMS送信手段202でSMS送信する。
【0058】
図12は、実施例3における保険契約後の案内のSMS文書を表示したスマートフォン40である。顧客である契約者のスマートフォンでは、
図12のようにSMS文書が表示される。SMS文書を読んだ契約者は、固有URLにタップし、固有URLへのアクセスが行われる。
【0059】
固有URLへのアクセスにより、管理サーバ20では、
図8に示したフローに従い、端末固有IDの抽出と、携帯電話番号に関連づけた端末固有IDによる処理を行う。端末固有IDが記憶されていなかったり、抽出した端末固有IDが記憶されている端末固有IDと同じであったりする場合には、第1リダイレクトURLにリダイレクトして、契約内容の確認画面となる(図示せず)。一方、端末固有IDが異なっている場合には第2リダイレクトURLにリダイレクトし、スマートフォン40に表示できない旨が表示される。リダイレクト先は事業者が管理するサーバ中に設けたウェブサイトでも良いが、公的機関など第三者が管理するサーバに設けたウェブサイトであれば、顧客から高い信用を得られる。
【0060】
第1リダイレクトURLによるリダイレクト先のウェブサイトでは、簡単な契約内容と共に、契約書へ接続するボタンを表示する。契約者がボタンにタップすると、リダイレクトして詳細な契約書を表示する。スマートフォンの表示では読みにくいと契約者が考える場合は、コンビニエンスストアのコピー機を利用して契約書の必要部分を印刷することができる。
【0061】
実施例1,2と同様に、以前の他の契約や他の事業者による管理サーバ20の利用よって、携帯電話番号に関連づけて端末固有IDが記憶されている場合には、抽出した端末固有IDが記憶されている端末固有IDと異なっていると不正利用として処理され、第1リダイレクトURLが用いられずに契約書にリダイレクトされない。そして、実施例3では、管理サーバ20に設けた第2リダイレクトURLのサイトに接続し、スマートフォンが異なっているためアクセスできない旨をスマートフォン40に表示する。
【0062】
後日、契約者が契約の再確認をする場合には、
図12に示したSMS文書の固有URLにタップして再度アクセスする。管理サーバ20では、固有ID抽出手段203がアクセス情報からスマートフォンに固有な端末固有IDを抽出し、端末固有ID制御手段204が管理データで固有URLが関連づけられている携帯電話番号に関連づけて記憶している端末固有IDと同じかチェックする。
【0063】
同じ場合は、管理データに記憶している第1リダイレクトURLによりリダイレクトする。一方、抽出した端末固有IDが、固有URLが関連づけられている携帯電話番号に関連づけて管理データに記憶している端末固有IDと異なる場合は、第2リダイレクトURLによりリダイレクトする。そして、管理サーバ20の機能により、スマートフォンが異なっているためアクセスできない旨をスマートフォンに表示させる。
【0064】
顧客がSMSを消去してしまい、固有URLが分からなくなった場合には、事業者のHPにアクセスしてSMS再送付のページで携帯電話番号を入力する。事業者サーバ12では、契約内容を表示する第1リダイレクトURLを有した事業者データを作成し、管理サーバ20に送信する。管理サーバ20では新たな固有URLを作成してSMS文書を顧客のスマートフォン40にSMS送信する。顧客は表示された固有URLにタップすることにより、抽出された端末固有IDが携帯電話番号に関連づけられて記憶された端末固有IDと同じ場合は第1リダイレクトURLにアクセスし、契約内容を再確認することができる。携帯電話番号と端末固有IDが変わらないスマートフォン40からのみ第1リダイレクトURLにアクセスできるため、他の認証は不要である。
【0065】
以上のように、契約書等の情報は、各情報に対応する固有URLをSMSで送信した携帯電話番号に関連づけられた端末固有IDを有しているスマートフォンからのみ、固有URLにかかわらず、アクセスすることができる。スマートフォンを機種変更した際には、保険代理店やスマートフォン購入店等で手続が必要となる。
【0066】
実施例3においては、ID番号やパスワードを入力することなしに、高いセキュリティで契約書にアクセスすることができる。また、ウェブサイトからの契約でなく、電話での契約や代理店の対面による契約であっても、携帯電話番号を伝えることにより、管理サーバ20を介してSMSで固有URLをスマートフォンへ送り、スマートフォンから固有URLで契約書の確認ができるようにできる。
【実施例4】
【0067】
次に、個人情報をスマートフォンに表示する例として、健康診断結果の連絡に本発明を利用した管理システム及び管理方法の実施例4を示す。
【0068】
事業者である病院は、健康診断の際に受診者のスマートフォンの携帯電話番号を記載して貰い、病院の事業者サーバ13に登録する。
【0069】
そして、健康診断の結果が出たときに、SMS本文と受診者の携帯電話番号、リダイレクトURLを事業者サーバ13から管理サーバ20に送信する。本実施例のSMS本文は、「〈健康診断結果のお知らせ〉○月○日に行われた・・・様の健康診断の結果をご連絡します。下記のURLにタップしてアクセスしてください。このスマートフォンからであれば、健康診断結果のページは、下記のURLにより、令和○年○月○日から2年間繰り返し表示できます。」というものである。リダイレクトURLが指定するウェブサイトは、健康診断結果を表示するサイトである。
【0070】
実施例1~3と同様に、管理サーバ20では固有URL生成手段201が固有URLを生成し、生成した固有URLが関連づけられている携帯電話番号に関連づけてリダイレクトURLを管理データに記憶する。そして、SMS本文に固有URLを付加してSMS文書を生成する。SMS文書は、事業者サーバ13から送られてきた携帯電話番号によりSMS送信手段202でSMS送信する。
【0071】
図13は、実施例4における健康診断結果のお知らせのSMS文書を表示したスマートフォン40である。受診者のスマートフォン40では、
図13のようにSMS文書が表示される。受診者はSMS文書を読んで固有URLにタップし、固有URLへのアクセスが行われる。
【0072】
はじめてシステムを利用する場合には、管理サーバ20に管理データとして端末固有IDが記憶されていない。その場合、固有URLへのアクセスにより、管理サーバ20では、固有ID抽出手段203がアクセス情報からスマートフォンに固有な端末固有IDを抽出し、端末固有ID制御手段204が、固有URLが関連づけられている携帯電話番号に関連づけて、抽出された端末固有IDを記憶する。そして、URLアクセス手段206がリダイレクトURLによりリダイレクトする。リダイレクト先のウェブサイトでは、検診結果を表示する。再検査を要する場合には再検査の予約のウェブサイトにつながるボタンを表示する。
【0073】
図14は、実施例4における再検査を要する場合の健康診断結果を表示したスマートフォン40である。再検査予約のボタンにタップした後に再検査の日時を入力すると、再検査の日時が記載された予約画面となる。予約画面には健康診断結果を表示するためのボタンを表示する。
【0074】
再検査を要しない場合には、健康診断結果のみを表示する。受診者は、必要な時に固有URLにタップして再度アクセスすれば、スマートフォン40が変わらないかぎり何度でも健康診断結果を見ることができる。しかし、異なったスマートフォンからアクセスすると端末固有IDが異なるため、URLアクセス手段206はリダイレクトせず、スマートフォンが異なっているためアクセスできない旨をスマートフォン40に表示させる。パーソナルコンピュータによりアクセスしようとした場合も同様である。
【0075】
受診者が再検査の予約を行うと、事業者サーバ13で事業者データを作成し、予約日時を含むSMS本文と新たな固有URLがスマートフォン40に送信される。新たな固有URLにタップすると、最新の固有URLにより受診者が第1リダイレクトURLで前送の健康診断結果等にアクセスできる。再検査が終了し結果が出ると、事業者サーバ13で再び事業者データを作成し、管理サーバ20を介してSMS本文と更に新たな固有URLがスマートフォン40に送信される。新たな固有URLにタップすると、再検査の結果と病院の予約の画面がスマートフォン40に表示される。
【0076】
事業者サーバ13では、要再検査でありながら再検査の予約が一定期日までにない場合には、SMSにより再検査を促す文書を送信する。この際も、事業者サーバ13は再検査を促す内容のSMS本文と携帯電話番号、リダイレクトURLを管理サーバ20に送信する。管理サーバ20からは、SMSで新たな固有URLをSMS本文に付加してSMS送信手段202により送信してもよく、新たな固有URLは送信せずに送付済みの固有URLにタップするように促すSMS文書をSMS送信手段202によりSMS送信してもよい。
【0077】
<変形例1>
実施例1~4では、
図4に示したように1つの携帯電話番号に1つの端末固有IDが関連づけられ、さらに複数の事業者IDを関連づけることができる。事業者IDが異なっても、携帯電話番号が共通であれば、一つの端末固有IDが関連づけられて記憶される。したがって、他の事業者や管理サーバ20の管理事業者からのSMS送信によって、顧客が固有URLでアクセスを行い、アクセス情報から得られた端末固有IDが携帯電話番号に関連づけられていると、同じ携帯電話番号で他のスマートフォンを用いることはできない。そのため、高いセキュリティを実現することができる。しかし、携帯電話番号が変更になったり、スマートフォンを買い換えたりした際に、関連づけを変更すると、全ての事業者に影響することになる。変形例1では事業者ID毎に1つの携帯電話番号と1つの端末固有IDが関連づけられる。そのため、携帯電話番号が共通であっても事業者IDごとに異なった端末固有IDが記憶される。これにより、特定の事業者との間での管理のために携帯電話番号と端末固有IDの何れかを変更することになった場合に、他の事業者に影響が波及することがなく、変更の際のセキュリティを向上させることができる。なお、特定の事業者との間での管理のために携帯電話番号と端末固有IDの何れかを変更することになった場合、変更になった旨の情報を、事業者毎に設定した要求されるセキュリティの度合いにより、他の事業者に変更を反映させたり、変更した旨を他の事業者に連絡して顧客に手続を求めることができるようにしたりしてもよい。
【0078】
<変形例2>
また、上記の実施の形態では、事業者サーバ10,11,12,13,・・・・・・と管理サーバ20(管理システム)を別に設けているが、事業者サーバ10,11,12,13,・・・・・・の一部または全部を管理サーバ20と一体として、同じサーバによるシステムとしてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 接続システム
10,11,12,13 事業者サーバ
20 管理サーバ(管理システム)
201 固有URL生成手段
202 SMS送信手段
203 固有ID抽出手段
204 端末固有ID制御手段
205 管理データ記憶手段
206 URLアクセス手段
30,31 キャリア
40,41 スマートフォン