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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】ボトム装置及びベッド装置
(51)【国際特許分類】
   A47C 20/08 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
A47C20/08 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020039048
(22)【出願日】2020-03-06
(65)【公開番号】P2021137405
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 誠太郎
(72)【発明者】
【氏名】堀澤 里奈
(72)【発明者】
【氏名】舟越 敬介
(72)【発明者】
【氏名】窪田 伸之助
(72)【発明者】
【氏名】石本 昭雄
【審査官】杉▲崎▼ 覚
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-236647(JP,A)
【文献】特開2001-198164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 20/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1下面と、前記第1下面に設けられた凸部と、を含む、頭側の第1部分と、
第2下面と、前記第2下面に設けられ前記第1下面を支持可能な第1部材と、を含み、前記第1部分と接続された、腰側の第2部分と、
第1駆動機構と、
を備えるボトム装置であって
前記第1駆動機構が前記凸部を押し上げることにより、前記第1部分と前記第2部分との間の接続部分を回動軸にして前記第1部分が回動することが可能であり
前記第1駆動機構が前記凸部を押し上げるにつれて、前記ボトム装置が固定されるフレームを基準にした前記第1下面の角度である第1角度は、前記フレームを基準にした第2下面の角度である第2角度に対して増大した後に、実質的に同じとなる、ボトム装置。
【請求項2】
前記第1部分及び前記第2部分を含む背ボトムを備え、
前記第1部材は、前記第2下面に沿う第3下面を含み、
前記第3下面は、前記第1下面と重なる第1重畳部と、前記第2下面と重なる第2重畳部と、を含み、
前記第1駆動機構は、前記背ボトムの背上げ動作を実施可能であり、
前記第1駆動機構は、第1バーを含み、
前記背上げ動作の第1期間において、前記第1バーは前記第1下面を押し上げ、
前記背上げ動作の、前記第1期間の後の第2期間において、前記第1バーは前記凸部を押し上げる、請求項1に記載のボトム装置。
【請求項3】
前記第1駆動機構は、第2バーをさらに含み、
前記背上げ動作の第1期間において、前記第1バー及び前記第2バーは前記第1下面を押し上げ、
前記背上げ動作の、前記第1期間の後の第2期間において、前記第1バーは前記凸部を押し上げ、前記第2バーは前記第1重畳部を押し上げる、請求項2記載のボトム装置。
【請求項4】
複数の前記第1駆動機構を備え、
前記第1部分及び前記第2部分を含む背ボトムを備え、
前記第1部材は、前記第2下面に沿う第3下面を含み、
前記第3下面は、前記第1下面と重なる第1重畳部と、前記第2下面と重なる第2重畳部と、を含み、
前記複数の第1駆動機構は、前記背ボトムの背上げ動作を実施可能であり、
前記複数の第1駆動機構の1つは、第1バーを含み、
前記複数の第1駆動機構の別の1つは、第2バーを含み、
前記背上げ動作の第1期間において、第1バー及び前記第2バーは前記第1下面を押し上げ、
前記背上げ動作の、前記第1期間の後の第2期間において、前記第1バーは前記凸部を押し上げ、前記第2バーは前記第1重畳部を押し上げる、請求項1記載のボトム装置。
【請求項5】
前記背ボトムは、フレームに固定され、
前記第1期間において、前記第1下面が前記第2下面に沿った状態で、前記フレームを基準にした、前記第1下面の第1角度、及び、前記フレームを基準にした、前記第2下面の第2角度は、増大し、
前記第2期間において、前記第1角度が前記第2角度よりも大きい状態で、前記第1角度、及び、前記第2角度は、増大する、請求項2~4のいずれか1つに記載のボトム装置。
【請求項6】
前記第1駆動機構はフレームに接続されることを特徴とする、請求項2~5のいずれか1つに記載のボトム装置。
【請求項7】
第1下面と、前記第1下面に設けられた凸部と、を含む、頭側の第1部分と、
第2下面と、前記第2下面に設けられ前記第1下面を支持可能な第1部材と、を含み、前記第1部分と接続された、腰側の第2部分と、
第1駆動機構と、
を備えるボトム装置であって、
前記第1駆動機構が前記凸部を押し上げることにより、前記第1部分と前記第2部分との間の接続部分を回動軸にして前記第1部分が回動することが可能であり、
前記第1部分及び前記第2部分を含む背ボトムをさらに備え、
前記第1部材は、前記第2下面に沿う第3下面を含み、
前記第3下面は、前記第1下面と重なる第1重畳部と、前記第2下面と重なる第2重畳部と、を含み、
前記第1駆動機構は、前記背ボトムの背上げ動作を実施可能であり、
前記第1駆動機構は、前記ボトム装置が固定されるフレームを基準にして、実質的に同じ角度で連動して回動する第1バーと第2バーを含み、
前記背上げ動作の第1期間において、前記第1バー及び前記第2バーは前記第1下面を押し上げ、
前記背上げ動作の、前記第1期間の後の第2期間において、前記第1バーは前記凸部を押し上げ、前記第2バーは前記第1重畳部を押し上げる、ボトム装置。
【請求項8】
請求項1~のいずれか1つに記載のボトム装置と、
ボトムを支持するフレームと、
を備えたベッド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ボトム装置及びベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベッド装置において、ボトム装置が設けられる。より快適なボトム装置及びベッド装置が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2017/183670号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、より快適なボトム装置及びベッド装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、ボトム装置は、頭側の第1部分と、腰側の第2部分と、第1駆動機構と、を含む。前記第1部分は、第1下面と、前記第1下面に設けられた凸部と、を含む。前記第2部分は、第2下面と、前記第2下面に設けられ前記第1下面を支持可能な第1部材と、を含み、前記第1部分と接続される。前記第1駆動機構が前記凸部を押し上げることにより、前記第1部分と前記第2部分との間の接続部分を回動軸にして前記第1部分が回動することが可能である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態は、より快適なボトム装置及びベッド装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態に係るボトム装置及びベッド装置を例示する模式的斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係るボトム装置及びベッド装置を例示する模式的側面図である。
図3図3は、第1実施形態に係るボトム装置及びベッド装置を例示する模式的斜視図である。
図4図4は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式的斜視図である。
図5図5は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式的斜視図である。
図6図6は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式的側面図である。
図7図7は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式的斜視図である。
図8図8は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式的斜視図である。
図9図9は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式的斜視図である。
図10図10は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式的斜視図である。
図11図11は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式的斜視図である。
図12図12は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式的斜視図である。
図13図13(a)及び図13(b)は、第1実施形態に係るボトム装置の動作を例示する模式的断面部である。
図14図14(a)及び図14(b)は、第1実施形態に係るボトム装置の動作を例示する模式的断面部である。
図15図15(a)及び図15(b)は、第1実施形態に係るボトム装置の動作を例示する模式的断面部である。
図16図16(a)及び図16(b)は、第1実施形態に係るボトム装置の動作を例示する模式的断面部である。
図17図17(a)及び図17(b)は、第1実施形態に係るボトム装置の動作を例示する模式的断面部である。
図18図18は、第1実施形態に係るボトム装置の動作を例示する模式的断面部である。
図19図19は、第1実施形態に係るボトム装置の動作を例示する模式的断面部である。
図20図20(a)~図20(e)は、第1実施形態に係るボトム装置及びベッド装置の動作を例示する模式的側面図である。
図21図21は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式的側面図である。
図22図22(a)及び図22(b)は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式的斜視図である。
図23図23(a)及び図23(b)は、第1実施形態に係るボトム装置の動作を例示する模式的側面図である。
図24図24(a)及び図24(b)は、第1実施形態に係るボトム装置の動作を例示する模式的側面図である。
図25図25は、第1実施形態に係るボトム装置及びベッド装置の動作を例示する模式的側面図である。
図26図26(a)~図26(d)は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式図である。
図27図27(a)~図27(d)は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式図である。
図28図28は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式図である。
図29図29(a)~図29(c)は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式図である。
図30図30(a)~図30(f)は、第1実施形態に係るボトム装置の一部を例示する模式的斜視図である。
図31図31は、第1実施形態に係るボトム装置の一部を例示する模式的斜視図である。
図32図32は、第2実施形態に係るベッド装置を例示する模式的斜視図である。
図33図33は、第2実施形態に係るベッド装置を例示する模式的斜視図である。
図34図34は、第2実施形態に係るベッド装置を例示する模式的側面図である。
図35図35は、第2実施形態に係るベッド装置を例示する模式的側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものである。本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るボトム装置及びベッド装置を例示する模式的斜視図である。
図1に示すように、実施形態に係るボトム装置170は、ベッド装置310に用いられる。例えば、ベッド装置310は、ボトム装置170及びフレーム70Fを含む。
【0010】
例えば、ボトム装置170は、フレーム70Fの上に設けられる。ボトム装置170は、フレーム70Fに固定される。
【0011】
ベッド装置310の頭から足への方向をX軸方向とする。ベッド装置310の左右方向をY軸方向とする。ベッド装置310の高さ方向をZ軸方向とする。X軸方向は、例えば、上下方向である。Y軸方向は、例えば、左右方向である。例えば、X-Y平面は、水平面(例えば床面)に沿う。例えば、Z軸方向は、重力の方向に沿う。
【0012】
フレーム70Fは、X軸方向に延びる部分と、Y軸方向に延びる部分と、を含んでも良い。後述するように、フレーム70Fが、X-Y平面を基準にして、傾斜しても良い。以下では、まず、フレーム70Fが、X-Y平面に沿う場合について説明する。
【0013】
ボトム装置170は、例えば、背ボトム10を含む。ボトム装置170は、腰ボトム23、膝ボトム24及び足ボトム25を含んでも良い。この例では、中間ボトム22が設けられている。中間ボトム22は、腰ボトム23と接続され、背ボトム10の一部と重なる。
【0014】
背ボトム10は、背上げ動作が可能である。膝ボトム24は、膝上げ動作が可能である。図1においては、背ボトム10は、背上げ状態であり、膝ボトム24は、膝上げ状態である。中間ボトム22は、背上げ動作において、背ボトム10と腰ボトム23との間の角度の変化に応じて、変形可能である。
【0015】
図1に示すように、背ボトム10は、第1部分11及び第2部分12を含む。第2部分12は、第1部分11と膝ボトム24との間にある。この例では、第2部分12は、第1部分11と腰ボトム23との間にある。
【0016】
図2は、第1実施形態に係るボトム装置及びベッド装置を例示する模式的側面図である。
ボトム装置170は、背ボトム10に加えて、第1駆動機構30Aをさらに含んでも良い。第1駆動機構30Aは、背ボトム10の背上げ動作を実施可能である。例えば、第1アクチュエータ30ADにより、第1駆動機構30Aが回動する。回動により、第1駆動機構30Aは、背ボトム10を押し上げる。これにより、背上げが行われる。背上げ動作の回動軸は、Y軸方向に沿っている。実施形態において、「回動」は、角度の変化が制限された回転である。
【0017】
図2に示すように、ボトム装置170は、第2駆動機構30Bを含んでも良い。第2駆動機構30Bは、膝ボトム24の膝上げ動作を実施可能である。例えば、第2アクチュエータ30BDにより、第2駆動機構30Bが回動する。回動により、第2駆動機構30Bは、膝ボトム24を押し上げる。これにより、膝上げが行われる。膝上げ動作の回動軸は、Y軸方向に沿っている。
【0018】
図1及び図2に示すように、背ボトム10は、第1部分11及び第2部分12を含む。第1部分11は、頭側の部分である。第2部分12は、腰側の部分である。第1部分11と腰ボトム23(または膝ボトム24)との間の距離は、第2部分12と腰ボトム23(または膝ボトム24)との間の距離よりも長い。
【0019】
図3は、第1実施形態に係るボトム装置及びベッド装置を例示する模式的斜視図である。
図3に示すように、第1部分11は第1下面11fを含む。第2部分12は、第2下面12fを含む。第1部分11及び第2部分12は、接続部分11xで互いに接続される。接続部分11xは、第1部分11の一部と見なされても良い。接続部分11xは、第2部分12の一部と見なされても良い。接続部分11xは、第1部分11と第2部分12との間の部分と見なされても良い。接続部分11xは、背ボトム10に含まれる。
【0020】
背ボトム10は、第1部材41を含む。第1部材41は、第2部分12に固定される。第1部材41は、第1部分11に固定されていない。第1部材41と第1下面11fとの間の距離は変更可能である。例えば、第1部材41と第1部分11との間の角度は変更可能である。第1部材41は、第1下面11fを支持可能である。
【0021】
例えば、第1部材41の下側の端は、リンク機構46などを介して、例えばフレーム70Fに接続される。
【0022】
第1駆動機構30Aは、第1バー31及び第2バー32を含む。これらのバーで、第1下面11f、または、第1部材41を押し上げることで、背ボトム10の背上げが行われる。
【0023】
この例では、複数の第1部材41が設けられている。第1部材41の数は任意である。複数の第1部材41の別の1つは、複数の第1部材41の1つと同様の構成、または、左右対称の構成を有して良い。
【0024】
この例では、複数の第1駆動機構30Aが設けられている。第1駆動機構30Aの数は任意である。複数の第1駆動機構30Aの別の1つは、複数の第1駆動機構30Aの1つと同様の構成、または、左右対称の構成を有して良い。図3に示すように、この例では、複数の第1駆動機構30Aのそれぞれが、第1バー31及び第2バー32を含む。後述するように、複数の第1駆動機構30Aの1つが第1バー31を含み、複数の第1駆動機構30Aの別の1つが第2バー32を含んでも良い。実施形態において、第1バー31が設けられ、第2バー32が省略されても良い。第1バー31は、第1バー31の機能と、第2バー32の機能と、を有しても良い。第2バー32だけでも第1バー31の役割の担うことができる。
【0025】
この例では、複数の第1駆動機構30Aが、接続部38により接続されている。接続部38は、Y軸方向に沿って伸びる。接続部38を軸として、複数の第1駆動機構30Aが回動する。例えば、第1アクチュエータ30ADの伸縮に応じて、複数の第1駆動機構30Aが互いに連動して回動する。
【0026】
以下では、複数の第1部材41の1つ、及び、複数の第1駆動機構30Aの1つに関して説明する。
【0027】
以下、背ボトム10の例について説明する。
図4は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式的斜視図である。
図4に示すように、ボトム装置170において、背ボトム10の第1部分11は、第1下面11f及び凸部11pを含む。凸部11pは、第1下面11fに設けられる。第1下面11fは、フレーム70F側の面である。
【0028】
背ボトム10の第2部分12は、第2下面12fを含む。第2下面12fは、フレーム70F側の面である。第2部分12は、接続部分11xと接続される。
【0029】
凸部11pは、例えば、頂部11pcを含む。この例では、凸部11pは、第1傾斜部11pa及び第2傾斜部11pbを含む。第2傾斜部11pbは、頂部11pcと接続部分11xとの間にある。第2傾斜部11pbは、腰側の傾斜部である。第1下面11fを規準にした第2傾斜部11pbの高さh2は、頂部11pcから第2傾斜部11pbへの向きにおいて減少する。頂部11pcは、第1傾斜部11paと接続部分11xとの間にある。第1傾斜部11paは、頭側の傾斜部である。第1下面11fを規準にした第1傾斜部11paの高さh1は、頂部11pcから第1傾斜部11paへの向きにおいて減少する。
【0030】
この例では、複数の凸部11pが設けられている。凸部11pの数は任意である。以下では、複数の凸部11pの1つに関して説明する。複数の凸部11pの別の1つは、複数の凸部11pの1つと同様の構成、または、左右対称の構成を有して良い。
【0031】
図5は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式的斜視図である。
図5に示すように、既に説明したように、背ボトム10は、第1部材41を含む。既に説明したように、第1部材41は、第2部分12に固定される。
【0032】
第1部材41は、第3下面41fを含む。第3下面41fは、第2部分12の第2下面12fに沿う。第3下面41fは、第1重畳部41A及び第2重畳部41Fを含む。第1重畳部41Aは、第1部分11の第1下面11fと重なる。第2重畳部41Fは、第2部分12の第2下面12fと重なる。
【0033】
第1重畳部41Aから第2重畳部41Fへの第1方向D1は、背上げの回動軸方向(Y軸方向)と交差する。
【0034】
図5に示すように、例えば、第2重畳部41Fは、第1固定部分41Fa及び第2固定部分41Fbを含む。凸部11pから第1固定部分41Faへの方向は、第1方向D1に沿う。第2固定部分41Fbから第1固定部分41Faへの第2方向D2は、回動軸方向(Y軸方向)に沿う。
【0035】
第1バー31(図3参照)は、例えば、凸部11p及び第1固定部分41Faに接触可能である。第2バー32(図3参照)は、第1重畳部41A及び第2固定部分41Fbに接触可能である。第1バー31及び第2バー32は、背ボトム10に含まれる互いに異なる場所(領域)を押し上げることが可能である。第1バー31及び第2バー32は、背ボトム10に含まれる互いに異なる場所(領域)を支持することが可能である。
【0036】
図5に示すように、第1部材41に孔41oが設けられている。第1部分11の凸部11pは、孔41oを通る。第1下面11fを基準にしたときの、凸部11pの高さ(例えば頂部11pcの高さ)は、第1下面11fを基準にしたときの、第3下面41fの高さよりも高い。
【0037】
図5に示すように、この例では、第1部材41は、側部41r及び側部41sを含む。側部41r及び側部41sは、第1方向D1に沿って延びる。側部41rから側部41sへの方向は、第2方向D2に沿う。側部41rと側部41sとの間に、第3下面41fがある。
【0038】
この例では、第1部材41は、対向部41tを含む。対向部41tは、例えば、第1方向D1に沿って延びる。対向部41tは、孔41oと重なる。対向部41tは、凸部11pと重なる。例えば、対向部41tと第3下面41fとの間に、側部41sがある。対向部41tは、側部41sと接続される。この例では、対向部41tは、第1固定部分41Faと重なる。対向部41tは、第2固定部分41Fbと重ならない。側部41r、側部41s及び対向部41tは、第1バー31の先端部のガイドとなる。側部41r及び側部41sが設けられることで、第1部材41において高い強度が得やすくなる。
【0039】
図6は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式的側面図である。
図6に示すように、背ボトム10において、接続部分11xと、第2部分12と、は、接続領域11cを介して接続されても良い。例えば、第1部分11、第2部分12及び接続領域11cは、一体成型されても良い。接続領域11cは、第1部分11よりも薄く、第2部分12よりも薄い部分である。接続領域11cが曲がることで、第1部分11と第2部分12との間の角度が変更可能である。第1部分11、第2部分12及び接続領域11cは、ボルト及びナットにより連結されても良い。第1部分11、第2部分12及び接続領域11cは、ピンにより連結されても良い。
【0040】
図7図9は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式的斜視図である。
図7図9は、第1部材41を例示している。複数の第1部材41が、接続部品45で繋がっても良い。
【0041】
図10は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式的斜視図である。
図10は、第1駆動機構30Aを例示している。複数の第1駆動機構30Aが接続部38により接続されている。接続部38は、例えば、第2方向D2(例えばY軸方向)に沿って延びる。
【0042】
例えば、第1バー31は、第1プレート31Pと、第1接触部31Aと、を含む。第1接触部31Aと接続部38との間に第1プレート31Pがある。第1プレート31Pは、第2方向D2(例えば、Y軸方向)に対して垂直である。第1接触部31Aは、第1部材41または凸部11pに接触可能である。第1接触部31Aは、例えば、樹脂製である。例えば、第1接触部31Aは、ローラーでも良い。ローラーは、第2方向D2を軸として回転可能である。
【0043】
例えば、第2バー32は、第2プレート32Pと、第2接触部32Aと、を含む。第2接触部32Aと接続部38との間に第2プレート32Pがある。第2プレート32Pは、第2方向D2(例えば、Y軸方向)に対して垂直である。第2接触部32Aは、第1部材41に接触可能である。第2接触部32Aは、例えば、樹脂製である。例えば、第2接触部32Aは、ローラーでも良い。ローラーは、第2方向D2を軸として回転可能である。
【0044】
この例では、第1プレート31P及び第2プレート32Pは、金属製である。
【0045】
図10に示すように、第1駆動機構30Aは、構造体30ASを含んでも良い。第1バー31と接続部38との間、及び、第2バー32と接続部38との間に、構造体30ASが設けられる。構造体30ASは、第1方向D1及び第2方向D2に沿う面部30AScと、第1方向D1に沿い第2方向D2と交差する1つの面部30ASaと、第1方向D1に沿い第2方向D2と交差する別の面部30ASbと、を含む。面部30ASbから面部30ASaへの方向は、第2方向D2に沿う。
【0046】
面部30ASa、面部30ASb及び面部30AScは、例えば、プレートが折り曲げられることにより形成されても良い。例えば、第1プレート31Pは、第1方向D1において、面部30ASaと連続している。例えば、第2プレート32Pは、第1方向D1において、面部30ASbと連続している。
【0047】
接続部38の延びる方向(第2方向)を軸として、第1駆動機構30Aは、回動可能である。第1バー31及び第2バー32は、連動する。例えば、フレーム70Fを基準にしたときの第1バー31の角度は、フレーム70Fを基準にしたときの第2バー32の角度と実質的に同じである。または、フレーム70Fを基準にしたときの第1バー31の角度と、フレーム70Fを基準にしたときの第2バー32の角度と、の差は、これらの角度が変化したときに、実質的に同じである。
【0048】
図11は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式的斜視図である。
図11においては、図が見やすくなるように、第1部材41が除去された状態が図示されている。第1バー31の先端部分(第1接触部31A)は、凸部11pに接触可能である。第2バー32の先端部分(第2接触部32A)は、凸部11pと接触しない。
【0049】
図12は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式的斜視図である。
図12に示すように、第1バー31の先端部分(この例では、第1接触部31A)は、第1部材41の対向部41tと、第1下面11fと、の間にある。1つの状態において、第1接触部31Aは、対向部41tと、凸部11pとの間にある。第1接触部31Aにより、凸部11pが押し上げられ、第1部分11が押し上げられる。
【0050】
第2バー32の先端部分(この例では、第2接触部32A)と、第1下面11fとの間に、第1部材41の第3下面41fがある。第2接触部32Aにより、第3下面41fが押し上げられ、第1部材41と接続された第2部分12が押し上げられる。
【0051】
第1接触部31A及び第2接触部32Aは、第2方向D2において、側部41rと側部41sとの間にある。
【0052】
以下、第1駆動機構30Aの動作の例について説明する。
図13(a)、図13(b)、図14(a)、図14(b)、図15(a)、図15(b)、図16(a)、図16(b)、図17(a)、図17(b)、図18及び図19は、第1実施形態に係るボトム装置の動作を例示する模式的断面部である。
【0053】
図13(a)、図14(a)、図15(a)、図16(a)、図17(a)及び図18は、凸部11p及び第1固定部分41Faを通りX-Z平面に沿う断面における断面図である。図13(b)、図14(b)、図15(b)、図16(b)、図17(c)及び図19は、第1重畳部41A及び第2固定部分41Fbを通りX-Z平面に沿う断面における断面図である。
【0054】
図13(a)及び図13(b)は、フラット状態PR0を例示している。第1部分11の第1下面11f、及び、第2部分12の第2下面12fは、X-Y平面に沿う。第1部分11の第1上面11ft、及び、第2部分12の第2上面12ftは、X-Y平面に沿う。フラット状態PR0において、例えば、第1バー31の第1接触部31Aは、第1部材41の第3下面41fと離れている。フラット状態PR0において、例えば、第1バー31の第1接触部31Aは、第1部材41の第3下面41fと接する場合があっても良い。フラット状態PR0において、例えば、第2バー32の第2接触部32Aは、第3下面41fと接する。
【0055】
フラット状態PR0において、背ボトム10はX-Y平面に沿っている。背上げ動作が行われることで、背ボトム10の角度が増大する。背上げ動作は、第1駆動機構30A(第1バー31及び第2バー32)が、接続部38を軸として回動することで実施される。第1駆動機構30A(第1バー31及び第2バー32)が回動すると、第1バー31及び第2バー32が背ボトム10と接する場所が、第1方向D1に沿って移動する。
【0056】
図14(a)及び図14(b)は、背上げ動作の第1期間PR1の状態を例示している。第1期間PR1において、第1バー31及び第2バー32は第1下面11fを押し上げる。第1期間PR1において、第2バー32だけが第1下面11fを押し上げても良い。第1バー31のローラ径は、第2バー32のローラ径よりも小さくても良い。例えば、第1バー31及び第2バー32は、第3下面41fを押し上げることで、第1下面11fを押し上げる。
【0057】
第1期間PR1において、第1下面11fが第2下面12fに沿った状態で、第1下面11fの第1角度θ1、及び、第2下面12fの第2角度θ2が増大する。第1角度θ1は、フレーム70F(図1及び図2参照)を基準にした、第1下面11fの角度である。第2角度θ2は、フレーム70Fを基準にした、第2下面12fの角度である。
【0058】
第1角度θ1は、フレーム70Fを基準にした、第1部分11の第1上面11ftの角度でも良い。第2角度θ2は、フレーム70Fを基準にした、第2部分12の第2上面12ftの角度でも良い。
【0059】
第1期間PR1においては、第1角度θ1が第2角度θ2と実質的に同じ状態で、第1角度θ1及び第2角度θ2が増大する。
【0060】
例えば、第1期間PR1において、第1下面11fは、第2下面12fと実質的に平行である。第1期間PR1において、第1上面11ftは、第2上面12ftと実質的に平行である。第1期間PR1においては、背ボトム10の全体がフラットな状態で、背上げが行われる。第1期間PR1における1つの時刻における第1角度θ1は、その時刻における第2角度θ2と実質的に同じである。
【0061】
図16(a)及び図16(b)は、背上げ動作の第2期間PR2の状態を例示している。第2期間PR2は、第1期間PR1の後である。第2期間PR2において、第1バー31は凸部11pを押し上げ、第2バー32は第1重畳部41Aを押し上げる。第2期間PR2においては、凸部11pの高さにより、第1下面11fの第1角度θ1は、第2下面12fの第2角度θ2よりも大きくなる。
【0062】
このように、第2期間PR2においては、第1角度θ1が第2角度θ2よりも大きい状態で、第1角度θ1及び第2角度θ2は、増大する。
【0063】
図18及び図19は、背上げ動作の第3期間PR3の状態を例示している。第3期間PR3は、第2期間PR2の後である。図18に示すように、第3期間PR3において、第1バー31は第1固定部分41Faを押し上げる。図19に示すように、第3期間PR3において、第2バー32は第2固定部分41Fbを押し上げる。第3期間PR3において、第1下面11fが第2下面12fに沿った状態で、第1角度θ1及び第2角度θ2は、増大する。
【0064】
第3期間PR3において、第1下面11fは、第2下面12fと実質的に平行である。第3期間PR3における1つの時刻における第1角度θ1は、その時刻における第2角度θ2と実質的に同じである。
【0065】
図15(a)及び図15(b)は、背上げ動作の中の1つの期間PR12を例示している。期間PR12は、第1期間PR1と、第2期間PR2の少なくとも一部と、の間である。期間PR12において、第1バー31は、第1傾斜部11paと接する。期間PR12において、第2バー32は、第1重畳部41Aと接する。
【0066】
図16(a)及び図16(b)の例では、第1バー31は、頂部11pcと接する。頂部11pcの高さ(第1下面11fを基準にしたときの高さ)は、第1傾斜部11paの高さh1(図6参照)よりも高い。期間PR12における第1角度θ1は、第2期間PR2における第1角度θ1よりも小さい。期間PR12における第1角度θ1は、第1期間PR1における第1角度θ1よりも大きい。期間PR12における第1角度θ1は、期間PR12における第2角度θ2よりも大きい。
【0067】
図17(a)及び図17(b)は、背上げ動作の中の1つの期間PR23を例示している。期間PR23は、第2期間PR2の少なくとも一部と、第3期間PR3と、の間である。期間PR23において、第1バー31は、第2傾斜部11pbと接する。期間PR23において、第2バー32は、第1重畳部41Aと接する。
【0068】
既に説明したように、図16(a)及び図16(b)の例では、第1バー31は、頂部11pcと接する。頂部11pcの高さ(第1下面11fを基準にしたときの高さ)は、第2傾斜部11pbの高さh2(図6参照)よりも高い。期間PR23における第1角度θ1は、期間PR23における第2角度θ2よりも大きい。
【0069】
上記のように、実施形態においては、背上げ動作の第1期間PR1においては、第1下面11fが第2下面12fに沿った状態で、第1角度θ1及び第2角度θ2が同時に増大する。この後の第2期間PR2においては、第1角度θ1が第2角度θ2よりも大きい状態で、第1角度θ1及び第2角度θ2が増大する。このような第1期間PR1及び第2期間PR2が設けられることで、例えば、ボトム装置170の使用者(ベッド装置310の使用者)において、自然な起き上がりが可能になる。例えば、使用者の背骨の曲がりが適正に整えられる。
【0070】
背上げ動作において、中間ボトム22の角度が背ボトム10と腰ボトム23との間の角度の変化に応じて変化すると、さらに自然な起き上がりが可能になる。例えば、使用者の背骨の曲がりがさらに適正に整えられる。例えば、起き上がっている途中、及び、起き上がり後において、より安定した姿勢を保つことができる。1つの例において、中間ボトム22及び腰ボトム23が水平状態であるときに、中間ボトム22の上面の高さは、腰ボトム23の上面の高さよりも上でも良い。例えば、中間ボトム22の厚さは、腰ボトム23の厚さよりも厚い。高さの差(厚さの差)は、例えば、2mm以上8mm以下(例えば約5mm)である。
【0071】
実施形態においては、第2期間PR2の後の第3期間PR3においては、第1下面11fが第2下面12fに沿った状態で、第1角度θ1及び第2角度θ2が同時に増大する。これにより、より自然な起き上がりが可能になる。
【0072】
実施形態においては、例えば、使用者の介護者が使用者を起き上がらせる場合に近い状態で、使用者を起き上がらせることができる。
【0073】
実施形態においては、第1下面11fに凸部11pを設けることで、上記の第2期間PR2における第1角度θ1と第2角度θ2との間の差を生じさせることができる。
【0074】
例えば、第1部分11の角度を制御する第1駆動部と、第2部分12の制御する第2駆動部と、を設ける参考例が考えられる。この参考例においては、これらの駆動部を独立して制御することで、第1部分11の角度と、第2部分12との角度と、を独立して制御することが可能である。この場合、上記の第1角度θ1と第2角度θ2との間に差を生じさせることができる。しかしながら、この参考例においては、複数の駆動部が設けられるため、部品の数が増え、コストが上昇する。複数の駆動部が設けられるため、背ボトム及びベッド装置のサイズの縮小が困難である。参考例においては、背ボトム及びベッド装置が重くなる。
【0075】
実施形態においては、凸部11pを含む第1部分11を設けることで、背ボトム及びベッド装置が重くなることが抑制できる。
【0076】
実施形態において、第1駆動機構30Aは、背ボトム10の背下げ動作を実施可能である。背下げ動作においては、背上げ動作と逆の動作が行われる。
【0077】
図18及び図19は、第4期間PR4の状態に対応する。図18及び図19に示すように、背下げ動作の第4期間PR4において、第1バー31は、第1固定部分41Faを支持し、第2バー32は、第2固定部分41Fbを支持する。第4期間PR4において、第1下面11fが第2下面12fに沿った状態で、第1角度θ1及び第2角度θ2は、減少する。
【0078】
図16(a)及び図16(b)は、第4期間PR4の後の第5期間PR5に対応する。図16(a)及び図16(b)に示すように、背下げ動作の第5期間PR5において、第1バー31は凸部11pを支持し、第2バー32は第1重畳部41Aを支持する。第5期間PR5において、第1角度θ1が第2角度θ2よりも大きい状態で、第1角度θ1及び第2角度θ2は、減少する。
【0079】
図14(a)及び図14(b)は、第5期間PR5の後の第6期間PR6に対応する。図14(a)及び図14(b)に示すように、背下げ動作の第6期間PR6において、第1バー31及び第2バー32は第1下面11fを支持する。第6期間PR6において、第2バー32だけが第1下面11fを支持しても良い。第1バー31の径は、第2バー32の径よりも小さくても良い。例えば、第1バー31は第1下面11fを支持する。第2バー32は、第1重畳部41Aを支持することで、第1下面11fを支持する。第6期間PR6において、第1下面11fが第2下面12fに沿った状態で、第1角度θ1及び第2角度θ2は、減少する。
【0080】
下げ動作において、背上げ動作と逆の動作が行われることで、より自然な姿勢が可能になる。
【0081】
この例では、凸部11pにおいて、頂部11pcに加えて、第1傾斜部11pa及び第2傾斜部11pbが設けられる。第1傾斜部11paにより、第1角度θ1は、第2角度θ2に対して、徐々に大きくなる。より自然な姿勢の変化が得られる。
【0082】
既に説明したように、ボトム装置170は、第2駆動機構30B(図2参照)を含んでも良い。第2駆動機構30Bは、膝ボトム24の膝上げ動作を実施可能である。図2に示すように、背上げ動作が実施されているときに、膝上げ動作が実施されても良い。背上げ動作及び膝上げ動作が、同時に実施されても良い。例えば、第2駆動機構30Bにより、第1期間PR1の少なくとも一部の前に、膝上げ動作の少なくとも一部が実施されても良い。例えば、膝ボトム24の角度が0よりも大きくなった後に、背上げ操作が実施されても良い。これにより、背上げの際に、使用者の体が下にずれることが抑制され、適切な背上げが実施できる。例えば、第1期間PR1の開始後に、膝上げ動作の少なくとも一部が実施されても良い。このような動作において、背と膝とが同時に上がっても良い。
【0083】
背上げ動作及び背下げ動作と連動して、フレーム70Fの角度が変化しても良い。以下、この例について説明する。
図20(a)~図20(e)は、第1実施形態に係るボトム装置及びベッド装置の動作を例示する模式的側面図である。
図20(a)~図20(e)は、背上げ動作における一連の動作を例示している。
【0084】
図20(a)に示すように、フレーム70Fの上にボトム装置170が設けられる。フレーム70Fの角度は、第3駆動機構30Cにより変化可能である。第3駆動機構30Cは、フレーム70Fを傾斜させる傾斜動作を実施可能である。例えば、傾斜動作は、Y軸方向を軸とした回動動作である。実施形態において、X軸方向を軸とした傾斜が形成されても良い。以下では、Y軸方向を軸とした回動により、傾斜が形成される場合について説明する。
【0085】
ボトム装置170は、背ボトム10に加えて、膝ボトム24を含む。例えば、第2駆動機構30B(図2参照)が設けられる。第2駆動機構30Bは、膝ボトム24の膝上げ動作を実施する。この例では、中間ボトム22、腰ボトム23及び足ボトム25が設けられる。足ボトム25の角度は、膝ボトム24と連動して変化しても良い。
【0086】
図20(a)に示す例では、ボトム装置170及びフレーム70Fは、X-Y平面に沿っている。ボトム装置170及びフレーム70Fは、水平である。
【0087】
図20(b)に示すように、膝上げが行われる。膝上げの少なくとも一部が行われたら、背上げが行われる。膝上げと同時に背上げが行われても良い。例えば、第2駆動機構30Bは、第1期間PR1の少なくとも一部の前に膝上げ動作の少なくとも一部を実施する。第2駆動機構30Bは、第2期間PR2の少なくとも一部の前に膝上げ動作の少なくも一部を実施しても良い。例えば、第2駆動機構30Bは、第1期間PR1の開始後に膝上げ動作の少なくも一部を実施しても良い。
【0088】
図20(c)に示すように、この後、フレーム70Fが傾斜される。例えば、第3駆動機構30Cは、膝上げ動作の少なくとも一部、及び、第1期間PR1の背上げ動作が終了した後に、傾斜動作を実施する。傾斜動作では、フレーム70Fの頭部分がフレーム70Fの足部分よりも高くなるように、フレーム70Fが制御される。フレーム70Fの頭部分は、例えば、背ボトム10の頭部分に対応する。フレーム70Fの足部分は、例えば、足ボトム25に対応する。傾斜動作により、例えば、X-Y平面を基準にした背ボトム10の角度は、フレームを基準にした背ボトム10の角度と、X-Y平面を基準にしたフレーム70Fの角度と、の和となる。
【0089】
図20(d)に示すように、上記の傾斜動作の後に、さらなる背上げ動作が実施される。
【0090】
図20(e)に示すように、背ボトム10が定められた角度になったら、膝下げ動作が実施され、膝ボトム24の角度が小さくなる。例えば、図20(e)に例示するボトム装置170の形状により、使用者に安定した姿勢を提供できる。図20(a)~図20(e)に例示した動作により、図20(e)に例示するボトム装置170の形状に、より自然に移行できる。
【0091】
実施形態において、背ボトム10において、第1部分11の角度が第2部分12の角度よりも大きくなる状態が形成できても良い。
【0092】
図21は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式的側面図である。
図21に示すように、背ボトム10がフラットなとき、または、背ボトム10が背上げ状態のときに、第1部分11の角度が、第2部分12の角度と異なっても良い。
【0093】
図22(a)及び図22(b)は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式的斜視図である。
図22(a)に示すように、実施形態に係るボトム装置180において、背ボトム10は、第2部材42をさらに含んでも良い。1つの例において、第2部材42は、第1部材41に固定されても良い。例えば、第2部材42は、背ボトム10の回動軸方向(例えば、Y軸方向)を軸として、第1部材41に回動可能に固定される。例えば、固定部材42pにより、第2部材42が第1部材41の先端部分に、回動可能に固定される。固定部材42pは、例えば、ボルトとナットとを含む。
【0094】
図22(b)に示すように、第2部材42は、第1対向部42a、第2対向部42b及び側部42cを含む。側部42cに孔が設けられ、固定部材42pにより、第2部材42が第1部材41に固定される。第1対向部42a及び第2対向部42bは、例えばY軸方向に沿う部分を含む。第2部材42の固定部材42pを軸とした回動は、ストッパ42sにより制限される。
【0095】
第2部材42は、第1状態と、第2状態と、を有することができる。以下、これらの状態の例について説明する。
【0096】
図23(a)、図23(b)、図24(a)及び図24(b)は、第1実施形態に係るボトム装置の動作を例示する模式的側面図である。
図24(a)及び図24(b)に例示する第1状態SP1において、第2部材42の少なくとも一部は、第1重畳部41Aと第1下面11fとの間にある。このとき、第2対向部42bが第1下面11fに対向する。第1状態SP1における、第1部分11の第1角度θ1は、第1状態SP1における、第2部分12の第2角度θ2よりも大きい。例えば、第2角度θ2は、0度である。第2部材42が第1重畳部41Aと第1下面11fとの間に設けられことで、第1角度θ1が第2角度θ2よりも大きくなる。
【0097】
図23(a)及び図23(b)に示すように、第2状態SP2において、第2部材42は、第1重畳部41Aと第1下面11fとの間にない。第2状態SP2において、第1下面11fは、第2下面12fに沿っている。第2状態SP2において、第2部材42の一部42e(例えば端部)が、第1部材41の一部41e(例えば端部)と接することで、第2部材42が過度に下向きに回転することが制限される。
【0098】
第1状態SP1及び第2状態SP2は、例えば、第2部材42を手動で回動させることで得られる。
【0099】
図25は、第1実施形態に係るボトム装置及びベッド装置の動作を例示する模式的側面図である。
図25に示すように、例えば、第2部材42が設けられた第1部材41の上に、背ボトム10が置かれる。第2部材42により、簡単に、第1角度θ1を第2角度θ2よりも大きくできる。
【0100】
このように、実施形態に係るボトム装置180は、背ボトム10を含む。背ボトム10は、頭側の第1部分11と、腰側の第2部分12と、第1部材41と、第2部材42と、を含む。第2部分12は、第1部分11と接続される。第1部材41は、第2部分12に固定される。第1部材41は、第1部分11と重なる第1重畳部41Aを含む。1つの例において、第2部材42は、第1部材41に固定される。第2部材42は、第1状態SP1及び第2状態SP2を有する。
【0101】
図24(a)及び図24(b)に示すように、第1状態SP1において、第2部材42の少なくとも一部は、第1重畳部41Aと第1部分11との間にある。第1状態SP1における、第1部分11の角度(第1下面11fの第1角度θ1でも良い)は、第1状態SP1における、第2部分12の角度(第2下面12fの第2角度θ2でも良い)よりも大きい。
【0102】
図23(a)及び図23(b)に示すように、第2状態SP2において、第2部材42は、第1重畳部41Aと第1部分11との間にない。第2状態SP2において、第1部分11は、第2部分12に沿っている。例えば、第2状態SP2における第1部分11の角度(第1下面11fの第1角度θ1でも良い)は、第2状態SP2における、第2部分12の角度(第2下面12fの第2角度θ2でも良い)と実質的に同じである。
【0103】
実施形態に係るボトム装置180により、簡単な構成により、自然な姿勢を提供できる。ボトム装置180において、ボトム装置170に関して説明した構成が適用されても良い。
【0104】
図26(a)~図26(d)、図27(a)~図27(d)、及び、図28は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式図である。
これらの図は、ボトム装置に用いられることが可能な第1部品43及び第2部品44を例示している。
【0105】
図26(a)及び図27(a)は斜視図である。図26(b)~図26(d)及び図27(b)~図27(d)は、異なる方向から見た図(平面図または上面図または側面図)である。
【0106】
図26(a)~図26(d)に示すように、第1部品43は、部分43a及び部分43bを含む。部分43aは、凹部43adを含む。部分43bは、凹部43bdを含む。これらの凹部は、部分43pと部分43qとの間の領域に対応する。部分43aは、例えば、X軸方向に沿って延びる。部分43bは、部分43aの延びる方向に対して傾斜している。凹部43ad及び凹部43bdは、-Y軸方向に対して後退する。
【0107】
図27(a)~図27(d)に示すように、第2部品44は、部分44a及び部分44bを含む。部分44aは、凹部44dを含む。部分44bは、凹部44bdを含む。これらの凹部は、部分44pと部分44qとの間の領域に対応する。部分44aは、例えば、X軸方向に沿って延びる。部分44bは、部分44aの延びる方向に対して傾斜している。凹部44ad及び凹部44bdは、-Y軸方向に対して後退する。
【0108】
第1部品43及び第2部品44のそれぞれは、金属片を折り曲げることなどにより形成されても良い。
【0109】
図28は、第1部品43及び第2部品44の使用状態を例示している。図28に示すように、第1部品43及び第2部品44は、第1部分11の側部及び第2部分12の側部に嵌めることができる。例えば、第1部分11の2つの側部の一方が、凹部43bdに入る。例えば、第2部分12の2つの側部の一方が、凹部43adに入る。例えば、第1部分11の2つの側部の他方が、凹部44bdに入る。例えば、第2部分12の2つの側部の他方が、凹部44adに入る。
【0110】
第1部分11と第2部分12との間の角度が、第1部品43及び第2部品44により固定されても良い。形状(角度)が異なる第1部品43及び第2部品44を準備して、第1部分11及び第2部分12が異なる角度で固定されても良い。第1部品43及び第2部品44は、相互に入れ換えが可能でも良い。第1部品43及び第2部品44は、左右共通でも良い。
【0111】
図29(a)~図29(c)は、第1実施形態に係るボトム装置を例示する模式図である。
図29(a)は、背面図である。図29(b)及び図29(c)は、側面図である。実施形態に係るボトム装置170において、腰ボトム23の側面に印55が設けられても良い。これにより、例えば、使用者の適正な寝る位置が、簡単に分かる。印55は、例えば、「寝位置目印」などの文字を含んでも良い。印55は、三角形などの図形を含んでも良い。印55の一部は、例えば、蓄光層を含んでも良い。夜間または周囲が暗い場合でも、印55が認識し易い。
【0112】
図30(a)~図30(f)は、第1実施形態に係るボトム装置の一部を例示する模式的斜視図である。
これらの図は、凸部11pの形状についての、いくつかの例を示している。図30(a)~図30(f)に示すように、第1傾斜部11pa及び第2傾斜部11pbの少なくともいずれかの傾斜の角度は、一定でも良く、変化しても良い。傾斜は、曲線的に変化しても良い。第1傾斜部11paの傾斜の角度は、第2傾斜部11pbの傾斜の角度よりも大きくても良く、小さくても良い。凸部11pの形状に応じて、背上げの角度が変化する。実施形態において、頂部11pcは、第1下面11fに対して平行でなくても良い。頂部11pcが設けられず、第1傾斜部11pa及び第2傾斜部11pbが実質的に設けられていると見なされても良い。
【0113】
図31は、第1実施形態に係るボトム装置の一部を例示する模式的斜視図である。
図31は、実施形態に係るボトム装置171における第1駆動機構30Aを例示している。ボトム装置171は、複数の第1駆動機構30Aを含む。複数の第1駆動機構30Aが、接続部38により接続されている。例えば、複数の第1駆動機構30Aの1つから複数の第1駆動機構30Aの別の1つへの方向は、Y軸方向に沿う。
【0114】
ボトム装置171においては、複数の第1駆動機構30Aの1つは、第1バー31を含む。複数の第1駆動機構30Aの別の1つは、第2バー32を含む。背上げ動作の第1期間PR1において、第1バー31及び第2バー32は第1下面11fを押し上げる(図14(a)及び図14(b)参照)。背上げ動作の、第1期間PR1の後の第2期間PR2において、第1バー31は凸部11pを押し上げ、第2バー32は第1重畳部41Aを押し上げる(図16(a)及び図16(b))。
【0115】
ボトム装置171においても、より快適なボトム装置及びベッド装置が提供できる。
【0116】
第1実施形態において、第2下面12fと及び第1部材41は、一体的でも良い。
【0117】
(第2実施形態)
第2実施形態は、ベッド装置に係る。ベッド装置は、第1実施形態に係る任意のボトム装置と、フレーム70Fと、を含む。
【0118】
図32は、第2実施形態に係るベッド装置を例示する模式的斜視図である。
図32に示すように、第2実施形態に係るベッド装置310は、第1実施形態に係るボトム装置(ボトム装置170またはボトム装置180)を含む。以下では、ボトム装置170が用いられる例について説明する。
【0119】
ベッド装置310は、例えば、フレーム70Fを含む。フレーム70Fの上に、ボトム装置170が設けられる。フレーム70Fは、背ボトム10を支持する。この例では、フレーム70Fは、腰ボトム23、膝ボトム24及び足ボトム25も支持する。この例では、ベッド装置310は、ベースフレーム70BFを含む。ベースフレーム70BFは、フレーム70Fを支持する。この例では、フレーム70Fにヘッドボード78H及びフットボード78Fが設けられる。
【0120】
図33は、第2実施形態に係るベッド装置を例示する模式的斜視図である。
図34及び図35は、第2実施形態に係るベッド装置を例示する模式的側面図である。 図33及び図34に示すように、第2実施形態に係るベッド装置320も、ボトム装置170及びフレーム70Fを含む。図34に示すように、ベッド装置320において、第3駆動機構30Cが設けられる。第3駆動機構30Cにより、フレーム70Fの高さ及び傾斜が変更可能である。図35に示すように、フレーム70Fの全体が傾斜しても良い。
【0121】
第2実施形態によれば、より快適なベッド装置が提供できる。
【0122】
実施形態によれば、より快適なボトム装置及びベッド装置が提供できる。
【0123】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、ボトム装置及びベッド装置に含まれるボトム及びフレームなどの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0124】
各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0125】
その他、本発明の実施形態として上述したボトム装置及びベッド装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのボトム装置及びベッド装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0126】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0127】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0128】
10…背ボトム、 11…第1部分、 11c…接続領域、 11f…第1下面、 11ft…第1上面、 11p…凸部、 11pa…第1傾斜部、 11pb…第2傾斜部、 11pc…頂部、 11x…接続部分、 12…第2部分、 12f…第2下面、 12ft…第2上面、 22…中間ボトム、 23…腰ボトム、 24…膝ボトム、 25…足ボトム、 30A…第1駆動機構、 30AD…第1アクチュエータ、 30AS…構造体、 30ASa~30ASc…面部、 30B…第2駆動機構、 30BD…第2アクチュエータ、 30C…第3駆動機構、 31、32…第1、第2バー、 31A、32A…第1、第2接触部、 31P、32P…第1、第2プレート、 38…接続部、 41…第1部材、 41A…第1重畳部、 41F…第2重畳部、 41Fa、41Fb…第1、第2固定部分、 41f…第3下面、 41e…一部、 41o…孔、 41r、41s…側部、 41t…対向部、 42…第2部材、 42a、42b…第1、第2対向部、 42c…側部、 42e…一部、 42p…固定部材、 42s…ストッパ、 43、44…第1、第2部品、 43a、43b、44a、44b…部分、 43ad、43bd、44ad、44bd…凹部、 43p、43q、44p、44q…部分、 45…接続部品、 46…リンク機構、 55…印、 70BF…ベースフレーム、 70F…フレーム、 78F…フットボード、 78H…ヘッドボード、 Δθ、θ12、…差、 θ1、θ2…第1、第2角度、 θa1、θa2…傾斜角度、 170、171、180…ボトム装置、 310、320…ベッド装置、 D1、D2…第1、第2角度、 L1…長さ、 PR0…フラット状態、 PR1~PR6…第1~第6期間、 PR12、PR23…期間、 SP1、SP2…第1、第2状態、 h1、h2…高さ
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