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特許7394054高周波デバイスを試験するための試験ヘッド用のコンタクトプローブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】高周波デバイスを試験するための試験ヘッド用のコンタクトプローブ
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/067 20060101AFI20231130BHJP
   G01R 1/073 20060101ALI20231130BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
G01R1/067 M
G01R1/067 J
G01R1/073 E
H01L21/66 B
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020524735
(86)(22)【出願日】2018-11-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 EP2018080243
(87)【国際公開番号】W WO2019091946
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】102017000128116
(32)【優先日】2017-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519046085
【氏名又は名称】テクノプローベ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリッパ、ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】マッジョーニ、フラヴィオ
(72)【発明者】
【氏名】カラオン、アンドレア
【審査官】小川 浩史
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-36744(JP,A)
【文献】特表2011-526360(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第1243931(EP,A1)
【文献】国際公開第2016/156003(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1421051(KR,B1)
【文献】特表2017-521668(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0197860(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0197859(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0062519(US,A1)
【文献】特表2020-509372(JP,A)
【文献】特開2023-65533(JP,A)
【文献】特許第7315462(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06-1/073
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスを試験するための装置の試験ヘッド用のコンタクトプローブ(10)であって、
前記コンタクトプローブ(10)は、第1の端部(10a)と第2の端部(10b)との間の長手方向軸(H-H)に沿って一本の線状に延在する一体的な本体(10’)を備え、
前記第2の端部(10b)は、被試験デバイスのパッド(11)に電気的に接触するように構成され、
前記コンタクトプローブ(10)は、前記第1の端部(10a)から前記長手方向軸(H-H)に沿って延在し、および非導電性材料のみでできている第1のセクション(S1)と、前記第1のセクション(S1)まで前記第2の端部(10b)から前記長手方向軸(H-H)に沿って延在する第2のセクション(S2)と、を備え、
前記第2のセクション(S2)は、導電性を有しており、1000μm未満の距離にわたって延在し、
前記第1のセクション(S1)および前記第2のセクション(S2)は、前記第1の端部(10a)が前記第1のセクション(S1)内にのみ含まれ、前記第2の端部(10b)が前記第2のセクション(S2)内にのみ含まれるように前記コンタクトプローブ(10)の前記長手方向軸(H-H)に沿って互いに続き、
前記第1の端部(10a)は、機械的な接触のみを行うように構成され、
前記第1のセクション(S1)は前記第2のセクション(S2)よりも大きい長さを有し、
前記第1の端部(10a)及び前記第2の端部(10b)は、前記コンタクトプローブ(10)の両端部である、コンタクトプローブ(10)。
【請求項2】
前記長手方向軸(H-H)に沿って測定される3mm~10mmの全体長さを有する、請求項1に記載のコンタクトプローブ(10)。
【請求項3】
前記第2のセクション(S2)は全部が導電性材料でできており、非導電性の前記第1のセクション(S1)に接続されており、または、
前記第2のセクション(S2)は、前記第1のセクション(S1)と同じ非導電性材料でできており、導電性被覆材料によって被覆されている、請求項1に記載のコンタクトプローブ(10)。
【請求項4】
前記第1のセクション(S1)は半導体材料でできており、前記第2のセクション(S2)は前記第1のセクション(S1)と同じ半導体材料でできており、前記第2のセクション(S2)における前記半導体材料は、前記第2のセクション(S2)が導電性を有するようにドープされている、請求項1に記載のコンタクトプローブ(10)。
【請求項5】
電子デバイスを試験するための装置用の試験ヘッド(20)であって、
複数のコンタクトプローブ(10)のそれぞれを収容するための複数のガイド穴(22)を備えた少なくとも1つのガイド(21)を備え、
前記コンタクトプローブ(10)は請求項1に記載のコンタクトプローブ(10)であり、
前記少なくとも1つのガイド(21)は、前記コンタクトプローブ(10)の前記第2のセクション(S2)によって電気的に接触させられるように構成された電気的接続手段を備える、試験ヘッド(20)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのガイド(21)は、前記コンタクトプローブ(10)の前記第2のセクション(S2)において配置された下方ガイドである、請求項5に記載の試験ヘッド(20)。
【請求項7】
前記電気的接続手段は、前記ガイド穴(22)から延在する導電トラック(23)を備える、請求項5に記載の試験ヘッド(20)。
【請求項8】
前記導電トラック(23)は、前記少なくとも1つのガイド(21)の面(Fa、Fb)上に配置され、および/または前記少なくとも1つのガイド(21)に埋め込まれる、請求項7に記載の試験ヘッド(20)。
【請求項9】
前記導電トラック(23)は前記少なくとも1つのガイド(21)上に形成されたそれぞれのパッド(25)に接続される、請求項7に記載の試験ヘッド(20)。
【請求項10】
少なくとも2つの前記コンタクトプローブ(10)は、前記導電トラック(23)の少なくとも1つにより、および/または、回路部品により、電気的に接続される、請求項7に記載の
試験ヘッド(20)。
【請求項11】
前記電気的接続手段は、前記複数のガイド穴(22)の少なくとも1つの群(22’)の複数の穴を含み、互いに電気的に接続する少なくとも1つの導電部(24)を備え、前記群(22’)は、前記コンタクトプローブ(10)の対応する群を収容する、請求項5に記載の試験ヘッド(20)。
【請求項12】
前記導電部(24)が、前記少なくとも1つのガイド(21)の面(Fa、Fb)上に配置され、または前記少なくとも1つのガイド(21)に埋め込まれる、請求項11に記載の試験ヘッド(20)。
【請求項13】
前記導電部(24)は、複数の導電層(24a、24n)の形態であり、前記複数の導電層(24a、24n)のそれぞれは、前記複数のガイド穴(22)のそれぞれの群(22a~22n)の複数の穴を含み、および互いに電気的に接続し、前記複数の導電層(24a、24n)のそれぞれは、前記コンタクトプローブ(10)の対応する群の前記第2のセクション(S2)に接触するように構成される、請求項11に記載の試験ヘッド(20)。
【請求項14】
前記ガイド穴(22)の内面の少なくとも一部分が前記電気的接続手段に接続された導電部(22w)によって覆われ、前記コンタクトプローブ(10)の前記第2のセクション(S2)は、前記ガイド穴(22)の前記導電部(22w)に電気的に接触するように構成された、請求項5に記載の試験ヘッド(20)。
【請求項15】
前記試験ヘッド(20)に関連付けられた支持板(13)へ直接、被試験デバイスからの信号を搬送するように構成されたさらなるコンタクトプローブ(10bis)を備え、前記さらなるコンタクトプローブ(10bis)は、前記被試験デバイスと前記支持板(13)との間の電源信号および/またはグラウンド信号および/または低周波信号を搬送するように構成された、請求項5に記載の試験ヘッド(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体ウェハ上に集積された電子デバイスを試験するための装置の試験ヘッド用のコンタクトプローブに関し、以下の開示はその説明を簡素化する目的のみで本出願の技術分野を参照して行う。
【背景技術】
【0002】
よく知られているように、プローブヘッドまたは試験ヘッドは基本的には、マイクロストラクチャ、特にウェハ上に集積された電子デバイスの複数の接触パッドを、その、特に電気的な動作試験、または一般的に試験を行う試験装置の対応するチャンネルと電気的に接続するように構成された装置である。
【0003】
集積デバイスに対して行われる試験は、製造工程において早ければ欠陥回路を検出し、および分離するのに特に有用である。通常、プローブヘッドは、したがって、ウェハ上に集積された複数のデバイスの、それらの切断、および、チップ格納パッケージ内での組み立て前の電気的試験のために使用される。
【0004】
一般に、プローブヘッドは、良好な電気的および機械的特性を有する特殊合金によって形成され、および、被試験デバイスの対応する複数の接触パッドに対する少なくとも1つの接触部を設けた多数の接触要素またはコンタクトプローブを備える。
【0005】
いわゆる「垂直プローブヘッド」は基本的には、略板形状であり、および互いに平行の少なくとも一対の板またはガイドによって保持された複数のコンタクトプローブを備える。そうしたガイドは、好適な穴を設けており、コンタクトプローブの移動および考えられる変形のために自由空間またはエアギャップを残すために互いに一定の距離をおいて配置される。特に、一対のガイドは通常、良好な電気的および機械的特性を有する特殊な合金のワイヤでできているコンタクトプローブがその中を軸方向に摺動するそれぞれのガイド穴をいずれも設けている、上方ガイドおよび下方ガイドを備えている。
【0006】
コンタクトプローブと、被試験デバイスの接触パッドとの間の良好な接続は、デバイス自体に対してプローブヘッドを押圧することによって確実にされ、上方および下方ガイド内に実現されたガイド穴内で可動であるコンタクトプローブは、そうした押圧接触中に、2つのガイド間のエアギャップ内で曲げを受け、そうしたガイド穴内で摺動する。
【0007】
さらに、エアギャップ内での複数のコンタクトプローブの曲げは、例示を簡潔にするためにプローブヘッド内に通常備えられた複数のコンタクトプローブのうちの1つのコンタクトプローブが示されている図1に概略的に示すように、複数のプローブ自体またはそれらのガイドの適切な構成によって助長される場合があり、例示されたプローブヘッドは、いわゆるシフトプレート型のものである。
【0008】
特に、図1は、その中を少なくとも1つのコンタクトプローブ4が摺動するそれぞれの上方ガイド穴2aおよび下方ガイド穴3aを有する、少なくとも1つの、上方板またはガイド2、および、下方板またはガイド3を備えるプローブヘッド1を概略的に示す。
【0009】
コンタクトプローブ4は、少なくとも1つの端部または接触先端4aを有し、端または先端の語は、ここでは、および以下では、必ずしもとがっていない端部を示す。特に、接触先端4aは、被試験デバイス5の接触パッド5aに当接し、デバイスと、プローブヘッドがその端要素を形成する試験装置(図示せず)との間の機械的および電気的接触を行う。
【0010】
一部の場合には、コンタクトプローブは上方ガイドにおいてヘッド自体にしっかりと固定される:そうしたプローブヘッドは、「ブロックされたプローブヘッド」と呼ばれる。あるいは、プローブヘッドは、ブロックされていないプローブ、すなわち、しっかりと固定されていないがミクロ接触基板を介して基板とインターフェイス接続された状態に保持されたプローブとともに使用される:そうしたプローブヘッドは、「ブロックされていないプローブヘッド」と呼ばれる。ミクロ接触基板は通常、「スペーストランスフォーマ」と呼ばれる。というのは、プローブに接触する他に、被試験デバイス上に存在している接触パッドに対して、その上に形成された接触パッドを空間的に再配分すること、特に、パッド自体の中心間の距離の制約を緩和することも可能にするからである。
【0011】
この場合、図1に示すように、コンタクトプローブ4は、スペーストランスフォーマ6の複数の接触パッド6aに向かう接触ヘッドとして実際に示すさらなる接触先端4bを有する。プローブとスペーストランスフォーマとの間の良好な電気的接触が、スペーストランスフォーマ6の接触パッド6aに対するコンタクトプローブ4の接触ヘッド4bを押圧することによる被試験デバイスとの接触と同様に、確実にされる。
【0012】
上方ガイド2および下方ガイド3は、好適には、コンタクトプローブ4の変形を可能にするエアギャップ7によって間隔が空けられ、コンタクトプローブ4の先端および接触ヘッドの、被試験デバイス5およびスペーストランスフォーマ6それぞれの接触パッドとの接触を確実にする。
【0013】
プローブヘッドの正しい動作は、基本的に2つのパラメータ、すなわち、コンタクトプローブの垂直移動すなわちオーバートラベル、および、そうしたコンタクトプローブの接触先端の水平移動すなわちスクラブに関連していることが知られている。プローブと被試験デバイスとの間の良好な電気的接続が常に確実にされるべきであるので、これらの特徴は、プローブヘッドの製造工程において評価され、較正されるべきである。
【0014】
被試験デバイスの接触パッドに対する接触先端の押圧接触が、プローブまたはパッド自体を破損させるほど大きくないことを確実にすることが同様に重要である。
【0015】
この問題は、いわゆる短いプローブ、すなわち制限された本体長を有する、特に、5000μm未満の寸法を有するプローブの場合に強く感じられる。このタイプのプローブはたとえば、高周波応用分野に使用され、プローブの縮小された長さは、接続された自己インダクタンスの現象を制限する。特に、「高周波応用分野用のプローブ」との語は、周波数が1GHz超である信号を搬送することができるプローブを示す。
【0016】
たとえば、上述した自己インダクタンスの現象によるノイズを付加することなく、これらの信号を搬送することを可能にするように、結果としてコンタクトプローブの長さにおける急激な縮小を伴って、無線周波数までの一層高い周波数における信号を搬送することができるプローブヘッドを製造することに対する必要性が現在、存在している。
【0017】
しかし、この場合、プローブの本体の縮小された長さが、プローブ自体の剛性を劇的に増加させ、これは、避けるべきである、被試験デバイスに対する修復不能な損傷を伴うパッドの破損につながり得る、被試験デバイスの接触パッドに対してそれぞれの接触先端によって加えられる力の増加を意味している。さらに危険なことには、その本体の長さにおける縮小による、コンタクトプローブの剛性の増加は、プローブ自体の破損のリスクも増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の技術的課題は、試験ヘッドであって、複数のコンタクトプローブによって搬送される信号に対してノイズを付加することなく、高周波応用分野においてその複数のコンタクトプローブを使用し、同時に、十分な弾性を維持することで複数のコンタクトプローブおよびそれらが接触している被試験デバイスの接触パッドの破損のリスクを減少させ、既知の解決策になお影響を及ぼす制約および欠点を解消することを可能にするような構造的および機能的特徴を有する試験ヘッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の根底にある解決策の考えは、コンタクトプローブであって、被試験デバイスと接触している接触先端を備えるその1つのセクションのみが導電性を有し、この導電性セクションは1000μm未満、好ましくは500μm未満の長さを有し、および、プローブが収容されている試験ヘッドの導電トラック、またはガイドの部分に接触するように構成され、プローブの残りは非導電性を有し、支持板に当接する接触ヘッドを備え、この接触ヘッドはよって、支持板との機械的接触のみを実現するコンタクトプローブを提供することである。
【0020】
この解決策の考えに基づいて、上記技術的課題は、電子デバイスを試験するための装置の試験ヘッド用のコンタクトプローブであって、前記コンタクトプローブは、第1の端部と第2の端部との間の長手方向軸に沿って延在する本体を備え、前記第2の端部は、被試験デバイスのパッドに接触するように構成され、このコンタクトプローブは、前記第1の端部から前記長手方向軸に沿って延在し、および非導電性材料でできている第1のセクションと、前記第1のセクションまで前記第2の端部から前記長手方向軸に沿って延在する第2のセクションとを備え、前記第2のセクションは、導電性を有しており、1000μm未満の距離にわたって延在するコンタクトプローブによって解決される。
【0021】
特に、本発明は、必要に応じて、個々に、または組み合わせで以下のさらなる特徴を備える。
【0022】
本発明の一態様によれば、前記コンタクトプローブは、前記長手方向軸に沿って測定される3mm~10mmの全体長さを有し得る。
【0023】
本発明の別の態様によれば、前記第2のセクションは全部が導電性材料でできている場合があり、非導電性の前記第1のセクションに接続されている場合があり、または、前記第2のセクションは、前記第1のセクションと同じ非導電性材料でできている場合があり、導電性被覆材料によって被覆されている場合がある。
【0024】
あるいは、前記第1のセクションは半導体材料でできている場合があり、前記第2のセクションは前記第1のセクションと同じ半導体材料でできている場合があり、前記第2のセクションにおける前記半導体材料は、前記第2のセクションが導電性を有するようにドープされている。
【0025】
本発明は、電子デバイスを試験するための装置用の試験ヘッドであって、複数のコンタクトプローブのそれぞれを収容するための複数のガイド穴を備えた少なくとも1つのガイドを備え、前記コンタクトプローブは上述したコンタクトプローブであり、前記少なくとも1つのガイドは、前記コンタクトプローブの前記第2のセクションによって電気的に接触させられるように構成された電気的接続手段を備える試験ヘッドを参照する。
【0026】
本発明の一態様によれば、前記少なくとも1つのガイドは、前記コンタクトプローブの前記第2のセクションにおいて配置された下方ガイドであり得る。
【0027】
本発明の別の態様によれば、前記電気的接続手段は、前記ガイド穴から延在する導電トラックを備え得る。
【0028】
特に、前記導電トラックは、前記少なくとも1つのガイドの面上に配置される場合があり、および/または前記少なくとも1つのガイドに埋め込まれる場合がある。
【0029】
さらに、前記導電トラックは前記少なくとも1つのガイド上に形成されたそれぞれのパッドに接続され得る。
【0030】
本発明の一態様によれば、少なくとも2つの前記コンタクトプローブは、前記導電トラックの少なくとも1つにより、および/または、回路部品により、電気的に接続され得る。
【0031】
本発明の別の態様によれば、前記電気的接続手段は、前記複数のガイド穴の少なくとも1つの群の複数の穴を含み、互いに電気的に接続する少なくとも1つの導電部を備える場合があり、前記群は、前記コンタクトプローブの対応する群を収容する。
【0032】
本発明のさらに別の態様によれば、前記少なくとも1つの導電部が、前記少なくとも1つのガイドの面上に配置される場合があり、または前記少なくとも1つのガイドに埋め込まれる場合がある。
【0033】
さらに、前記導電部は、複数の導電層の形態であり、前記複数の導電層のそれぞれは、前記複数のガイド穴のそれぞれの群の複数の穴を含み、および互いに電気的に接続し、前記複数の導電層のそれぞれは、前記コンタクトプローブの対応する群の前記第2のセクションに接触するように構成され、それぞれの対応する群のコンタクトプローブは同じタイプの信号を搬送するように構成され得る。
【0034】
本発明の一態様によれば、前記ガイド穴の内面の少なくとも一部分が前記電気的接続手段に接続された導電部によって覆われ、前記コンタクトプローブの前記第2のセクションは、前記ガイド穴の前記導電部に電気的に接触するように構成され得る。
【0035】
最後に、本発明の試験ヘッドは、前記試験ヘッドに関連付けられた支持板へ直接、被試験デバイスからの信号を搬送するように構成されたさらなるコンタクトプローブを備え、前記さらなるコンタクトプローブは、前記被試験デバイスと前記支持板との間の電源信号および/またはグラウンド信号および/または低周波信号を搬送するように構成され得る。
【発明の効果】
【0036】
本発明によるコンタクトプローブの、および試験ヘッドの特徴および利点は、添付図面を参照して、限定的でない例によって表す、その実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】先行技術による試験ヘッド用のコンタクトプローブを概略的に示す。
図2】本発明によるコンタクトプローブを概略的に示す。
図3図2のコンタクトプローブを備える試験ヘッドを概略的に示す。
図4】本発明の代替的な実施形態による試験ヘッドを概略的に示す。
図5】本発明の代替的な実施形態による試験ヘッドを概略的に示す。
図6】本発明による試験ヘッドであって、そのガイドが、その中に埋め込まれた、表面の導電トラックを備える試験ヘッドの透視断面図を示す。
図7】本発明の実施形態による試験ヘッドであって、そのガイドが導電部を備える試験ヘッドを概略的に示す。
図8】本発明の実施形態による試験ヘッドであって、そのガイドが導電部を備える試験ヘッドを概略的に示す。
図9】本発明の実施形態による試験ヘッドを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
これらの図、および特に図2を参照しながら、半導体ウェハ上に集積された電子デバイスを試験するための装置の試験ヘッド用のコンタクトプローブを、参照番号10で大局的、および概略的に示す。
【0039】
図が概略図を表し、および縮尺通りに描かれていないが、本発明の重要な特徴を強調するように描かれていることは注目に値する。さらに、図では、異なる要素は概略的に描かれており、それらの形状は所望の応用分野に応じて変わってくる。さらに、図では、同じ参照番号は、形状または機能において同一の要素を表す。最後に、図において示される実施形態に関して説明される特定の特徴は、他の図において示される他の実施形態にも適用可能である。
【0040】
以下により詳細に示されるように、コンタクトプローブ10は、高周波電子デバイスを試験するための試験ヘッド内に収容されるように構成される。
【0041】
コンタクトプローブ10は、第1の端部または接触ヘッド10aと、第2の端部または接触ヘッド10bとの間の長手方向軸H-Hに沿って延在する本体10’を備え、接触ヘッドおよび接触先端との語は、ここでは、および以下では、必ずしもとがっていない部分を示す。第1の端部10aは支持板に当接するように構成される一方、第2の端部10bは被試験デバイスのパッドに接触するように構成される。
【0042】
有利には、本発明によれば、コンタクトプローブ10は、長手方向軸H-Hに沿って互いに続く2つのセクションに分割され、これらのセクションは異なる導電性を有する。
【0043】
特に、コンタクトプローブ10は、第1の端部10aから長手方向軸H-Hに沿って延在し、および、非導電性材料でできている第1のセクションS1と、第1のセクションS1まで第2の端部10bから長手方向軸H-Hに沿って延在し、その代わりとして導電性を有する第2のセクションS2とを備える。
【0044】
すなわち、コンタクトプローブ10の第1の端部10aは、第2の端部10bを含まない第1のセクションS1においてのみ含まれる一方、第2の端部10bは第2のセクションS2においてのみ含まれ、よって、第2のセクションS2は、第1の端部10aを含まない。
【0045】
コンタクトプローブ10は、3~10mm間に含まれる全体長さを有し、この長さはここでは、長手方向軸H-Hに沿って測定される寸法を示す。
【0046】
好適には、第2のセクションS2は、1000μm未満、好ましくは500μm未満の任意の距離にわたって第2の端部10bから延在しているので、コンタクトプローブ10と、それを収容する試験ヘッドは特に、高周波デバイスの試験に好適である。実際に、コンタクトプローブ10の第2の端部10bは被試験デバイスの接触パッドとの電気的および機械的接触を行う一方、第1の端部10aは、支持板との機械的接触のみを行うように構成される。このようにして、第1のセクションS1は、1000μm未満であり、および、よって、コンタクトプローブ10の全体長さに対してずっと短い長さを有する第2のセクションS2においてのみ搬送される信号を搬送するように構成されるものでない。
【0047】
このようにして、第2のセクションS2の長さよりもずっと大きい長さを有する第1のセクションS1は、被試験デバイスの接触パッドとのその接触中のコンタクトプローブ10の良好な曲げ負荷能力を確実にし、よって、コンタクトプローブ10の、および/またはデバイスの接触パッドの破損を回避する。好適には、第1のセクションS1について、被試験デバイスとの接触中の減衰効果を最大化するように構成された材料が使用される。
【0048】
本発明の実施形態によれば、第2のセクションS2は、全部が導電性材料でできており、および、たとえば、グルー、接着層、または局所的に溶接可能な(たとえば、レーザー溶接によって溶接可能な)金属層により、または、いずれかの他の好適なやり方で非導電性の第1のセクションS1に好適に接続される。
【0049】
あるいは、コンタクトプローブ10の第2のセクションS2は、第1のセクションS1と同じ非導電性材料でできており、導電性の被覆材料によって被覆される。このようにして、コンタクトプローブ10は非導電性材料でできたコアを備え、第2のセクションS2のみが導電性被覆材料によって被覆される。
【0050】
第1の非導電性セクションS1ができている材料は、半導体材料(好ましくはシリコン)、または、一般的には非金属絶縁材料(たとえば補強高分子材料など)から選択される一方、第2の導電性セクションS2ができている導電性材料は、金属材料、好ましくは、銅もしくはパラジウム合金、またはドーピングされた半導体から選択される。
【0051】
よって、本明細書では、「非導電性材料」との語は、絶縁材料および半導体の両方を示す。
【0052】
本発明のさらなる実施形態によれば、コンタクトプローブ10全体は、半導体材料でできており、および、導電性セクションS2を形成するために、第2のセクションS2に対応するその一部分のみがドーピングされる。すなわち、第1のセクションS1は半導体材料でできており、および、第2のセクションS2は、第2の部分S2が導電性を有するように導電性材料がドーピングされた同じ半導体材料でできている。この実施形態では、コンタクトプローブ10の接触抵抗を増加させるためにさらなる導電性材料層で第2のセクションS2を覆うことも可能である。
【0053】
この場合、前述したように、半導体材料は好ましくはシリコンである一方、ドーピング材料はたとえばリンまたはホウ素から選択される。
【0054】
前述したように、上記タイプの複数のコンタクトプローブ10が、半導体ウェハ上に集積された電子デバイスを試験するための試験ヘッド内に収容され、この試験ヘッドは、本明細書では図3に概略的に示されるように参照番号20で示される。
【0055】
例示の単純化のために、試験ヘッド20は、明らかに、必要性および/または状況に応じて、任意の数のコンタクトプローブを備え得る場合にも、限定された数のコンタクトプローブ10を備えているものとして図において表されており、図は、本発明の限定でない実施例として提供されている。
【0056】
各コンタクトプローブ10の第2の端部10bが半導体ウェハ12上に集積された被試験デバイスの接触パッド11に当接するように構成される一方、第1の端部10aは、試験ヘッド20に関連付けられた支持板13に当接するように構成され、この支持板はたとえば、プリント回路基板(PCB)であり得る。
【0057】
試験ヘッド20は、対応する複数のコンタクトプローブ10を収容するように構成された複数のガイド穴22を備えた少なくとも1つのガイド21を備える。
【0058】
有利には、本発明によれば、ガイド21は、各コンタクトプローブ10の第2のセクションS2において配置された下方ガイドであるので、ガイド21のガイド穴22の内壁は、この第2のセクションS2に、特に、ガイド21内に備えられた電気的接続手段を介して接触することができる。
【0059】
この点で、なお図3を参照すれば、ガイド21の電気的接続手段は、ガイド穴22から延在し、および、コンタクトプローブ10によって、特に、第2のセクションS2によって搬送される信号を抽出し、および搬送するように構成された、好適な導電トラック23を備え、これらの導電トラック23は、第2のセクションS2によって電気的に接触させられるように構成される。
【0060】
よって、ガイド21は、その中を延在する導電トラック23により、信号の(たとえば、試験ヘッド20に関連付けられたPCBに向けた)ルーチングを提供し、および、したがって、既知の試験ヘッドに関連付けられたスペーストランスフォーマによって通常行われる機能も果たす。
【0061】
図3の実施形態では、導電トラック23は、コンタクトプローブ10の第2のセクションS2に直接接触するように構成され、すなわち、コンタクトプローブ10のセクションS2と、導電トラック23との間の接触は、ガイド21内に埋め込まれ、およびガイド穴22において現れる導電トラック23自体の厚さによって確実にされる摺動接触である。
【0062】
図4に示すように、導電トラック23は、表面の導電トラックである場合もあり、すなわち、ガイド21の面(図の例では面Fa)上に配置される場合があり、この導電トラック23は、いずれにせよ、常にガイド穴22において現れる。
【0063】
図4が、ガイド21の面Fa上に(すなわち、図の局所参照系によるその上方面に)配置された、表面の導電トラック23を示しているが、導電トラック23が、ガイド21の面Faと反対側の面Fb上に(すなわち、図の局所参照系によるその下方面に)、および他の面にも配置され得ることは明らかである。
【0064】
本発明の好ましい実施形態によれば、図5に示すように、ガイド穴22の内面の少なくとも一部分が導電部22wによって覆われている。なお好ましくは、ガイド穴22の内面は全部が導電部22wによって覆われている。このようにして、導電セクションS2は、摺動接触を介してガイド穴22の導電部22wに接触することができ、よって、コンタクトプローブ10によって、特に、セクションS2によって搬送される信号は、導電トラック23であって特にそこから延在する導電部22wに接続された導電トラック23を介して、ガイド穴22において抽出することが可能である。
【0065】
さらに、ガイド21は、図6に概略的に示すように、表面の導電トラック、およびその中に埋め込まれた導電トラックの両方を備え得る。
【0066】
一般に、いくつかの導電トラック23が、ガイド21の面Faおよび/または面Fbのいずれの上に、および、その中にも延在している場合、これらの導電トラック23は、ガイド21の表面から異なるレベルに配置される。導電トラック23が配置される、ガイド21のレベルの数は、必要性および/状況に応じて、特に、搬送される対象の信号の数に応じて、および、したがって、ガイド21において行われる対象のルーチングパターンの複雑度に応じて変わり得る。たとえば、第1のレベルが第1のタイプの信号を搬送するように構成されたトラックを備え、および第2のレベルが第2のタイプの信号を搬送するように構成されたトラックを備える構成が提供されることが可能である。
【0067】
前述したように、コンタクトプローブ10、特にその第2のセクションS2と、好ましくは導電部22wを備えたガイド穴22の壁との間の接触は、第2のセクションS2と、導電部22wとの間の(または、場合によっては、導電トラック23との直接の)電気的接続を確実にする摺動接触である。
【0068】
好適には、図6をなお参照すれば、導電トラック23(特に、ガイド穴22における端部の反対側のその端部)が、ガイド21の面(図6の例における面Fa)上に配置されたそれぞれの接触パッド25に接続される。このようにして、試験ヘッド20からのそれぞれの信号を抽出し、および、たとえば試験ヘッド20に接続されたPCBにそれを搬送することが可能である。
【0069】
さらに、ガイド21内に埋め込まれた導電トラック23の場合、これらの導電トラック23の端部はその面上に現れて導電トラック23とそれぞれの接触パッド25との電気的接続を可能にする。
【0070】
次に図7を参照すれば、本発明の実施形態によれば、試験ヘッド20は、対応するコンタクトプローブ10の群を収容するガイド穴22の群22’を含み、および電気的に接続する電気的接続手段としてふるまう導電部24を備え、この導電部24は、導電トラック23に加えて、または導電トラック23の代わりに使用することが可能である。
【0071】
このようにして、少なくとも2つのコンタクトプローブ10は、ガイド21の、少なくとも1つの導電トラック23によって、または、導電部24によって電気的に接続される場合があり、この導電部24は、短絡させる対象のコンタクトプローブを収容するガイド穴の群22’を含むガイド21の領域を占める。
【0072】
2つのコンタクトプローブ10のみを短絡させる必要がある場合、それらの間の電気的接続手段として1つの導電トラック23を使用することが好ましい一方、複数のコンタクトプローブ10を短絡させる必要がある場合、それらの間の電気的接続手段として導電部24を使用することが好ましく、この導電部24は、コンタクトプローブ10に共通の導電面を形成する。
【0073】
被試験デバイスの2つ以上の接触パッドを短絡させる必要がある場合に、異なるコンタクトプローブを電気的に接続することができること、特に、異なるコンタクトプローブの第2のセクションS2を電気的に接続することができることは特に有利である。というのは、試験装置との間で全体のコンタクトプローブを通って流れないが、試験ヘッド20全体としての周波数特性の点での結果として生じる利点を伴って、導電トラックにおいて、または共通の導電面において停止する信号の経路をかなり短絡化させる、ループバックタイプの構成を実現することが可能となるからである。
【0074】
図7をなお参照するに、導電部24はガイド21内に埋め込まれ、ガイド21内部に導電面を形成しており、この図は、埋め込まれた導電部24および表面の導電トラック23を備える試験ヘッド20を、本発明の限定的でない例として示す。
【0075】
あるいは、図に示していない実施形態によれば、導電部24は、ガイド21の表面部上に、特に、その面Fa上に、またはその反対側の面Fb上に配置される場合があり、または、面FbおよびFbのいずれの上にも配置される場合がある。
【0076】
さらに、図8に示す実施形態によれば、導電部24は、それらのそれぞれが、ガイド穴22の対応する群22a~22nを含み、電気的に接続する、複数の重なり合った導電層24a~24nの形態である。このようにして、各導電層24a~24nは、本発明によるコンタクトプローブ10の対応する群、特に、それらの第2のセクションS2に接触するように構成され、対応する群それぞれのコンタクトプローブは、同じタイプの信号を搬送するように構成される。
【0077】
このようにして、ガイド21は、複数の非導電層を備える多層、好ましくはセラミック多層であり、導電層24a~24nは、後続のものから導電層を電気的に絶縁する非導電層上に配置される。
【0078】
特に、導電層24a~24nそれぞれは、ガイド21の対応する非導電層の面上に配置され、上記面の面積よりも小さな面積を有する。
【0079】
あるいは、導電層24a~24nそれぞれは、短絡させてはならないコンタクトプローブを収容するガイド穴が形成された領域以外の対応する非導電層の面を覆う。
【0080】
明らかに、導電層24a~24nは、ガイド21の露出させられた面FaおよびFbの少なくとも一方の上に配置された表面層も備えている場合があり、または、図8に示すように、ガイド21内にのみ、埋め込まれる場合がある。
【0081】
短絡させる対象のコンタクトプローブが、短絡させてはならないコンタクトプローブに対して近い(たとえば、交互に並んでいる)場合、導電部24(または、あるいは、各導電層24a~24n)は、異なる信号を搬送することが意図されたコンタクトプローブを電気的に接続しないように、非導電ゾーンによって局所的に断続させられる。よって、非導電ゾーンは、異なる信号を搬送することが意図された隣接するコンタクトプローブ間の電気的接続を局所的に阻止する。
【0082】
たとえば、複数の導電層24a~24nの場合、特定の導電層の非導電ゾーンは、この特定の導電層によって短絡させてはならない接触要素を収容するガイド穴において形成される一方、この特定の層は、それによって短絡させなければならない接触要素を収容するガイド穴の壁を少なくとも部分的に覆う。
【0083】
さらに、図において示していない実施形態によれば、プローブ10の第2のセクションS2と接触している2つのガイド穴の、または、2つの導電部24もの金属化は、たとえばフィルタリングコンデンサなどの回路部品によって電気的に接続することが可能であり、ループバック手法が最適化される。というのは、このフィルタリングコンデンサは、プローブの接触先端に対してできる限り近くに配置されているからである。
【0084】
明らかに、回路部品は、たとえば、インダクタもしくは抵抗器、または、さらにリレーなどの、特定の必要性に適合させたいずれの他の回路部品でもあり得る。
【0085】
さらに、試験ヘッド20は、当該技術分野において知られている解決策により、下方ガイド21に加えて、2つ以上のガイド、たとえば、中間ガイドおよび/または上方ガイド(図示せず)も備え得る。
【0086】
本発明によるコンタクトプローブ10に加えて、プローブヘッド20は、先行技術によって製作された(すなわち、全部が導電性材料でできている)コンタクトプローブ10bisも備えている場合があり、これらのコンタクトプローブ10bisは、図9に示すように、対応するガイド穴22bis内に収容されている。よって、試験ヘッド20は一般に、本発明による、コンタクトプローブ10の第1の群、および、先行技術による、コンタクトプローブ10bisの第2の群を備える。
【0087】
複数のコンタクトプローブ10は好ましくは、それらの第2の導電部S2の縮小された長さのおかげで、高周波信号を搬送するように構成される一方、コンタクトプローブ10bisは一般に、グラウンドもしくは電源信号、または低周波入出力信号、すなわち、自己インダクタンスの問題を被ることなく既知のタイプのプローブによって搬送することが可能な信号を搬送するように構成され、いずれの場合においても、ガイド21による信号のルーチングを大いに単純化する。
【0088】
この場合、コンタクトプローブ10bisはよって、これらのプローブ10bisの接触ヘッドがそれに対して当接するように構成された好適な導電パッド14を備える支持板13に直接、被試験デバイスからの信号を搬送するように構成される。
【0089】
最後に、本発明によるコンタクトプローブ10に関して上述されたものは、既知のタイプのコンタクトプローブ10bisについても有効であり、すなわち、既知のタイプのコンタクトプローブ10bisを短絡させる導電部に対して備えることが可能である。
【0090】
まとめれば、本発明は、コンタクトプローブであって、被試験デバイスと接触している接触先端を備えるその1つのセクションのみが導電性を有しており、この導電性セクションは1000μm未満の長さ、好ましくは500μm未満の長さを有しており、および、プローブが中に収容された試験ヘッドのガイドの、導電トラックまたは導電部に接触するように構成され、プローブの残りは、非導電性を有しており、および、支持板に当接する接触ヘッドを備え、よってこの接触ヘッドは支持板との機械的接触のみを実現する。
【0091】
有利には、本発明によれば、例示された試験ヘッドは特に、コンタクトプローブの導電性セクションの縮小された寸法のおかげで、高周波応用分野において動作し、このセクションは、信号を搬送することを意図しており、および、1000μm未満であり、よって、先行技術によるコンタクトプローブの長さよりもずっと小さい長さを有する。
【0092】
よって、本発明の特徴的な構成は、プローブヘッドの下方ガイド上に製作された導電トラックに向けて、導電性セクションのみを介して信号を搬送することができることであり、プローブの残りは、非導電性を有しており、および、支持板(すなわち、PCBまたはいずれかの他の支持部)との接触およびコンタクトプローブの所望の曲げを確実にする機械的支持体としてのみふるまい、同時に、その中で信号が搬送されないので、プローブのそうした残りの非導電部がアンテナまたはスタブとしてふるまうことを回避する。
【0093】
すなわち、本発明による、コンタクトプローブの導電性セクションは、非常に短いプローブとしてふるまい、および、よって、既知のタイプのプローブの不利な自己インダクタンスの問題をなくし、このコンタクトプローブは、第2の非導電部の存在のおかげで、機械的観点から完全に動作し、よって、本発明の技術的課題を解決する。
【0094】
したがって、提案された解決策は、短いプローブの剛性を不要にし、コンタクトプローブ自体の破損の可能性を急激に減少させ、および、同時に、それらによって加えられる圧力における好適な減少を確実にし、コンタクトプローブが当接する、被試験デバイスの接触パッドのいかなる破損も避けて、高周波デバイスを効果的に試験することを可能にする。
【0095】
好適な回路部品、特に、2つのコンタクトプローブを互いに接続するコンデンサのおかげで、信号フィルタリングの点で改善された性能を伴う試験ヘッドを得ることも可能である。
【0096】
最後に、さらなるコンタクトプローブが、特定の信号を搬送するように構成されたハイブリッド構成を採用することができることは、本発明によればスペーストランスフォーマとしてふるまうガイドによる信号のルーチングを大いに単純化する。このことは主に、試験ヘッドを介して搬送される対象のいくつかの信号の場合に有用である。たとえば、これらのさらなるコンタクトプローブにより、電源信号および/またはグラウンド信号、すなわち、特に短いコンタクトプローブを必要とする訳でない信号を搬送することが可能である一方、自己インダクタンスの問題を回避するために短いプローブを必要とする高周波信号は本発明によるプローブの導電性セクションにおいて搬送される。
【0097】
明らかに、当該技術分野における当業者は、特定の要件および規定を充足するために、以下の特許請求の範囲によって画定されるような、本発明の保護範囲内に全て含まれるいくつかの変更および修正を、上述されたコンタクトプローブおよび試験ヘッドに対して行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9