(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】置換2-ヘテロアリールオキシピリジン類及びその塩並びにそれらの除草剤としての使用
(51)【国際特許分類】
C07D 213/64 20060101AFI20231130BHJP
C07D 401/12 20060101ALI20231130BHJP
C07D 401/14 20060101ALI20231130BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20231130BHJP
A01N 43/40 20060101ALI20231130BHJP
A01N 43/54 20060101ALI20231130BHJP
A01M 21/00 20060101ALI20231130BHJP
A01M 1/20 20060101ALI20231130BHJP
A01G 7/06 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
C07D213/64
C07D401/12 CSP
C07D401/14
A01P13/00
A01N43/40 101E
A01N43/54 C
A01M21/00 Z
A01M1/20 A
A01G7/06 A
(21)【出願番号】P 2020571748
(86)(22)【出願日】2019-06-19
(86)【国際出願番号】 EP2019066197
(87)【国際公開番号】W WO2020002089
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-06-15
(32)【優先日】2018-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】313006625
【氏名又は名称】バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】マクロード,ミヒャエル・チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】マチェッティラ,アヌ・ビームアイア
(72)【発明者】
【氏名】シュムツラー,ディルク
(72)【発明者】
【氏名】アスムス,エリザベス
(72)【発明者】
【氏名】ロージンガー,クリストファー・ヒュー
(72)【発明者】
【氏名】ガツヴァイラー,エルマー
【審査官】三木 寛
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-533443(JP,A)
【文献】国際公開第97/046530(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/011288(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/149315(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/196606(WO,A1)
【文献】国際公開第2004/035564(WO,A1)
【文献】米国特許第04371736(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A01P
A01N
A01M
A01G
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)の置換2-ヘテロアリールオキシピリジン又はその塩。
【化1】
[式中、
Xは、
-CH-、-CF-又は窒素を表し、
Aは、
酸素、硫黄、-CH
2
-又は-NR
6
-を表し、
R
1は、
置換されていても良いフェニル、ピリジ-2-イル又はピリミジ-2-イルを表し、ここで、各環は、基R
7
から互いに独立に選択される最大5個の置換基によって置換されていても良く;
R
2は、
他のものとは独立に、フッ素、塩素、臭素、シアノ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ、メトキシカルボニルメチル、カルボキシルメチルを表し;
mは、0、1、2又は3を表し、
R
3は、
水素、フッ素、塩素、シアノ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシを表し、
R
6は、
水素又はメチルを表し、そして
R
7は、
水素、フッ素、塩素、臭素、シアノ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシを表す。]
【請求項2】
除草活性量の少なくとも一つの請求項
1に記載の一般式(I)の化合物
であることを特徴とする除草剤組成物。
【請求項3】
製剤補助剤との混合物中にある請求項
2に記載の除草剤組成物。
【請求項4】
殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、殺菌剤、薬害軽減剤及び成長調節剤からなる群からの少なくとも一つのさらなる農薬活性物質を含む、請求項
2又は
3に記載の除草剤組成物。
【請求項5】
薬害軽減剤を含む、請求項
4に記載の除草剤組成物。
【請求項6】
シプロスルファミド、クロキントセット-メキシル、メフェンピル-ジエチル又はイソキサジフェン-エチルを含む、請求項
5に記載の除草剤組成物。
【請求項7】
さらなる除草剤を含む、請求項
2~6のいずれか1項に記載の除草剤組成物。
【請求項8】
望ましくない植物を防除する方法であって、有効量の少なくとも一つの請求項
1に記載の一般式(I)の化合物又は請求項
2~7のいずれか1項に記載の除草剤組成物を、当該植物に又は望ましくない植生の場所に施用することを特徴とする方法。
【請求項9】
望ましくない植物の防除のための、請求項
1に記載の一般式(I)の化合物又は請求項
2~7のいずれか1項に記載の除草剤組成物の使用。
【請求項10】
前記一般式(I)の化合物を、有用植物の作物における望ましくない植物の防除に使用する、請求項
9に記載の使用。
【請求項11】
前記有用植物がトランスジェニック有用植物である、請求項
10に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作物保護剤の技術分野に関するものであり、特には、有用植物の作物における広葉雑草及びイネ科雑草の選択的防除のための除草剤の技術分野に関する。
【0002】
具体的には、本発明は、置換2-ヘテロアリールオキシピリジン類及びその塩、それらの製造方法、及び除草剤としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
使用するに際して、有用植物の作物における有害植物の選択的防除のための今日知られている作物保護剤又は望ましくない植生を防除するための活性化合物は、場合により欠点を有しており、それは、(a)それらが特定の有害植物に対する除草活性を全く持たないか不十分であること、(b)活性化合物によって防除可能な有害植物のスペクトルが十分広くないこと、(c)有用植物の作物におけるそれらの選択性が低すぎること、及び/又は(d)それらが毒性学的に好ましくないプロファイルを有することである。さらに、多くの有用植物における植物成長調節剤として使用可能な一部の活性化合物は、他の有用植物における望ましくない収穫量低下を引き起こすか、作物植物と適合性がないか、施用量範囲がごく狭い。公知の活性化合物の一部は、前駆体及び試薬の取得が困難であるかまたはそれらが化学的安定性が不十分でしかないために、工業的規模で経済的に製造することができない。他の活性化合物の場合、活性は、気候及び土壌などの環境条件に過度に依存する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特に低施用量でのこれらの公知化合物の除草活性及び/又はそれらの作物植物との適合性については、改善の余地が残されている。
【0005】
WO2011/22313には、2-ヘテロアリールオキシピリジン類が挙げられており、グルタミン酸受容体に作用する薬学的用途の成分として記載されている。さらに、除草作用の元となるヘテロアリールオキシベンゼンは、WO2015/89003、WO2015/108779、WO2016/10731、WO2016/196606及びWO2017/11288に記載されている。
【0006】
しかしながら、除草活性化合物としての置換2-ヘテロアリールオキシピリジン又はその塩については、現在までのところ報告されていない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
驚くべきことに、置換2-ヘテロアリールオキシピリジン類又はそれらの塩が除草活性化合物として特に好適であることが認められている。
【0008】
従って、本発明は、下記一般式(I)の置換2-ヘテロアリールオキシピリジン又はその塩を提供する。
【化1】
【0009】
式中、
Xは、窒素、-CF-又は-CH-を表し、
Aは、酸素、-S(O)n-、-C(R4)(R5)-、-C(=O)-又は-NR6-を表し、
n=0、1又は2であり、
R1は、置換されていても良いアリール、ヘテロアリール、複素環、(C3-C10)-シクロアルキル又は(C3-C10)-シクロアルケニルを表し、ここで、各環若しくは各環系は、基R7から独立に選択される最大5個の置換基によって置換されていても良く;
R2は、他のものとは独立に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ホルミル、ホルムアミド、(C1-C8)-アルキル、(C1-C8)-ハロアルキル、(C2-C8)-アルケニル、(C2-C8)-アルキニル、(C2-C8)-ハロアルケニル、(C2-C8)-ハロアルキニル、(C1-C4)-アルコキシ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルコキシ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルチオ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルスルフィニル-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルスルホニル-(C1-C4)-アルキル、(C1-C8)-アルキルカルボニル、(C1-C8)-ハロアルキルカルボニル、(C3-C8)-シクロアルキルカルボニル、カルボキシル、(C1-C8)-アルコキシカルボニル、(C1-C8)-ハロアルコキシカルボニル、(C3-C8)-シクロアルコキシカルボニル、カルバモイル、(C2-C8)-アルキルアミノカルボニル、(C2-C10)-ジアルキルアミノカルボニル、(C3-C10)-シクロアルキルアミノカルボニル、(C1-C4)-アルコキシカルボニル-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルコキシカルボニル-(C1-C4)-アルキル、カルボキシ-(C1-C4)-アルキル、ヒドロキシ、アミノ、(C1-C8)-アルコキシ、(C1-C8)-ハロアルコキシ、(C1-C8)-アルキルチオ、(C1-C8)-ハロアルキルチオ、(C3-C8)-シクロアルキルチオ、(C1-C8)-アルキルスルフィニル、(C1-C8)-ハロアルキルスルフィニル、(C3-C8)-シクロアルキルスルフィニル、(C1-C8)-アルキルスルホニル、(C1-C8)-ハロアルキルスルホニル、(C3-C8)-シクロアルキルスルホニル、(C1-C8)-アルキルアミノスルホニル、(C2-C8)-ジアルキルアミノスルホニル又は(C3-C8)-トリアルキルシリルを表し、
mは、0、1、2又は3を表し、
R3は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ホルミル、(C1-C8)-アルキル、(C1-C8)-ハロアルキル、(C2-C8)-アルケニル、(C2-C8)-アルキニル、(C2-C8)-ハロアルケニル、(C2-C8)-ハロアルキニル、(C1-C4)-アルコキシ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルコキシ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルチオ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルスルフィニル-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルスルホニル-(C1-C4)-アルキル、(C1-C8)-アルキルカルボニル、(C1-C8)-ハロアルキルカルボニル、(C3-C8)-シクロアルキルカルボニル、カルボキシル、(C1-C8)-アルコキシカルボニル、(C1-C8)-ハロアルコキシカルボニル、(C3-C8)-シクロアルコキシカルボニル、(C1-C8)-アルキルアミノカルボニル、(C2-C8)-ジアルキルアミノカルボニル、(C3-C8)-シクロアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、(C1-C8)-アルコキシ、(C1-C8)-ハロアルコキシ、(C1-C8)-アルキルチオ、(C1-C8)-ハロアルキルチオ、(C3-C8)-シクロアルキルチオ、(C1-C8)-アルキルスルフィニル、(C1-C8)-ハロアルキルスルフィニル、(C3-C8)-シクロアルキルスルフィニル、(C1-C8)-アルキルスルホニル、(C1-C8)-ハロアルキルスルホニル、(C3-C8)-シクロアルキルスルホニル、(C1-C8)-アルキルアミノスルホニル、(C2-C8)-ジアルキルアミノスルホニル又は(C3-C8)-トリアルキルシリルを表し、
R4及びR5は、他のものとは独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、(C1-C8)-アルキル、(C1-C8)-ハロアルキル、(C2-C8)-アルケニル、(C2-C8)-アルキニル、(C1-C4)-アルコキシ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルコキシ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルチオ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルスルフィニル-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルスルホニル-(C1-C4)-アルキル、(C1-C8)-アルキルカルボニル、(C1-C8)-ハロアルキルカルボニル、(C3-C8)-シクロアルキルカルボニル、(C1-C8)-アルコキシカルボニル、(C1-C8)-ハロアルコキシカルボニル、(C3-C8)-シクロアルコキシカルボニル、(C1-C8)-アルキルアミノカルボニル、(C2-C8)-ジアルキルアミノカルボニル、(C3-C8)-シクロアルキルアミノカルボニル、(C1-C8)-アルコキシ、(C1-C8)-アルキルチオ、(C1-C8)-ハロアルキルチオ、(C3-C8)-シクロアルキルチオを表し、
又は
R4及びR5は、一緒に3~6員炭素環又は最大2個の酸素原子を有する3~6員飽和複素環を形成し、
又は
R4及びR5は、一緒に(C1-C3)-アルキリデン基又は(C1-C3)-ハロアルキリデン基を形成し、
R6は、水素、(C1-C8)-アルキル、(C1-C8)-ハロアルキル、アリール-(C1-C6)-アルキル、ヘテロアリール-(C1-C6)-アルキル、(C3-C6)-シクロアルキル、(C3-C6)-シクロアルキル-(C1-C6)-アルキル、(C3-C6)-ハロシクロアルキル、(C3-C6)-ハロシクロアルキル-(C1-C4)-アルキル、(C2-C8)-アルケニル、(C2-C8)-アルキニル、(C1-C4)-アルコキシ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルコキシ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルチオ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルスルフィニル-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルスルホニル-(C1-C4)-アルキル、(C1-C8)-アルキルカルボニル、(C1-C8)-ハロアルキルカルボニル、(C3-C8)-シクロアルキルカルボニル、ホルミル、(C1-C8)-アルコキシカルボニル、(C1-C8)-ハロアルコキシカルボニル、(C3-C8)-シクロアルコキシカルボニル、(C1-C8)-アルキルアミノカルボニル、(C2-C8)-ジアルキルアミノカルボニル、(C3-C8)-シクロアルキルアミノカルボニルを表し、そして
R7は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ホルミル、(C1-C8)-アルキル、(C1-C8)-ハロアルキル、(C2-C8)-アルケニル、(C2-C8)-アルキニル、(C2-C8)-ハロアルケニル、(C2-C8)-ハロアルキニル、(C1-C4)-アルコキシ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルコキシ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルチオ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルスルフィニル-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルスルホニル-(C1-C4)-アルキル、(C1-C8)-アルキルカルボニル、(C1-C8)-ハロアルキルカルボニル、(C3-C8)-シクロアルキルカルボニル、カルボキシル、(C1-C8)-アルコキシカルボニル、(C1-C8)-ハロアルコキシカルボニル、(C3-C8)-シクロアルコキシカルボニル、(C1-C8)-アルキルアミノカルボニル、(C2-C8)-ジアルキルアミノカルボニル、(C3-C8)-シクロアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、(C1-C8)-アルコキシ、(C1-C8)-ハロアルコキシ、(C1-C8)-アルキルチオ、(C1-C8)-ハロアルキルチオ、(C3-C8)-シクロアルキルチオ、(C1-C8)-アルキルスルフィニル、(C1-C8)-ハロアルキルスルフィニル、(C3-C8)-シクロアルキルスルフィニル、(C1-C8)-アルキルスルホニル、(C1-C8)-ハロアルキルスルホニル、(C3-C8)-シクロアルキルスルホニル、(C1-C8)-アルキルアミノスルホニル、(C2-C8)-ジアルキルアミノスルホニル又は(C3-C8)-トリアルキルシリルを表す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
一般式(I)の化合物は、好適な無機又は有機酸、例えば鉱酸、例えばHCl、HBr、H2SO4、H3PO4又はHNO3、又は、有機酸、例えばカルボン酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、乳酸若しくはサリチル酸、又は、スルホン酸、例えばp-トルエンスルホン酸を、塩基性基、例えばアミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ピペリジノ、モルホリノ若しくはピリジノに加えることで塩を形成することができる。そのような場合、これらの塩は、アニオンとして酸の共役塩基を含む。例えば、スルホン酸、特定のスルホンアミド又はカルボン酸の脱プロトン型での好適な置換基は、自体がプロトン遊離可能性であるアミノ基のような基と内部塩を形成することができる。塩は、一般式(I)の化合物に対する塩基の作用によっても形成することができる。好適な塩基は、例えば、有機アミン、例えばトリアルキルアミン類、モルホリン、ピペリジン及びピリジン、並びに、アンモニウム、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩及び重炭酸塩、特には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムである。これらの塩は、酸性水素が農業的に好適なカチオンによって置き換わっている化合物であり、例えば金属塩、特別にはアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、特にはナトリウム及びカリウム塩又はアンモニウム塩、有機アミンとの塩又は四級アンモニウム塩、例えば式[NRaRbRcRd]+(RaからRdはそれぞれ独立に、有機基、特別にはアルキル、アリール、アリールアルキル若しくはアルキルアリールである。)のカチオンとの塩である。やはり好適なものは、アルキルスルホニウム及びアルキルスルホキソニウム塩、例えば(C1-C4)-トリアルキルスルホニウム及び(C1-C4)-トリアルキルスルホキソニウム塩である。
【0011】
本発明による一般式(I)の置換2-ヘテロアリールオキシピリジン類は、pH、溶媒及び温度のような外部条件に応じて、各種互変異構造で存在し得るものであり、それらはいずれも一般式(I)によって包含される。
【0012】
本発明に従って使用される式(I)の化合物及びその塩については、以下、「一般式(I)の化合物」と称する。
【0013】
本発明は好ましくは、
Xが、窒素、-CF-又は-CH-を表し、
Aが、酸素、-S(O)n-、-C(R4)(R5)-、-C(=O)-又は-NR6-を表し、
n=0、1又は2であり、
R1が、置換されていても良いアリール、ヘテロアリール又は複素環を表し、ここで、各環若しくは各環系は、基R7から独立に選択される最大5個の置換基によって置換されていても良く、
R2が、他のものとは独立に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ホルミル、ホルムアミド、(C1-C6)-アルキル、(C1-C6)-ハロアルキル、(C2-C6)-アルケニル、(C2-C6)-アルキニル、(C2-C6)-ハロアルケニル、(C2-C6)-ハロアルキニル、(C1-C4)-アルコキシ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルコキシ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルチオ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルスルフィニル-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルスルホニル-(C1-C4)-アルキル、(C1-C6)-アルキルカルボニル、(C1-C6)-ハロアルキルカルボニル、(C3-C6)-シクロアルキルカルボニル、カルボキシル、(C1-C6)-アルコキシカルボニル、(C1-C6)-ハロアルコキシカルボニル、(C3-C6)-シクロアルコキシカルボニル、カルバモイル、(C2-C6)-アルキルアミノカルボニル、(C2-C8)-ジアルキルアミノカルボニル、(C3-C6)-シクロアルキルアミノカルボニル、(C1-C4)-アルコキシカルボニル-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルコキシカルボニル-(C1-C4)-アルキル、カルボキシ-(C1-C6)-アルキル、ヒドロキシ、アミノ、(C1-C6)-アルコキシ、(C1-C6)-ハロアルコキシ、(C1-C6)-アルキルチオ、(C1-C6)-ハロアルキルチオ、(C3-C6)-シクロアルキルチオ、(C1-C6)-アルキルスルフィニル、(C1-C6)-ハロアルキルスルフィニル、(C3-C6)-シクロアルキルスルフィニル、(C1-C6)-アルキルスルホニル、(C1-C6)-ハロアルキルスルホニル、(C3-C6)-シクロアルキルスルホニル、(C1-C6)-アルキルアミノスルホニル、(C2-C8)-ジアルキルアミノスルホニル又は(C3-C8)-トリアルキルシリルを表し、
mが、0、1、2又は3を表し、
R3が、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ホルミル、(C1-C6)-アルキル、(C1-C6)-ハロアルキル、(C2-C6)-アルケニル、(C2-C6)-アルキニル、(C2-C6)-ハロアルケニル、(C2-C6)-ハロアルキニル、(C1-C4)-アルコキシ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルコキシ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルチオ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルスルフィニル-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルスルホニル-(C1-C4)-アルキル、(C1-C6)-アルキルカルボニル、(C1-C6)-ハロアルキルカルボニル、(C3-C6)-シクロアルキルカルボニル、カルボキシル、(C1-C6)-アルコキシカルボニル、(C1-C6)-ハロアルコキシカルボニル、(C3-C6)-シクロアルコキシカルボニル、(C1-C6)-アルキルアミノカルボニル、(C2-C8)-ジアルキルアミノカルボニル、(C3-C6)-シクロアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、(C1-C6)-アルコキシ、(C1-C6)-ハロアルコキシ、(C1-C6)-アルキルチオ、(C1-C6)-ハロアルキルチオ、(C3-C6)-シクロアルキルチオ、(C1-C6)-アルキルスルフィニル、(C1-C6)-ハロアルキルスルフィニル、(C3-C6)-シクロアルキルスルフィニル、(C1-C6)-アルキルスルホニル、(C1-C6)-ハロアルキルスルホニル、(C3-C6)-シクロアルキルスルホニル、(C1-C6)-アルキルアミノスルホニル、(C2-C8)-ジアルキルアミノスルホニル又は(C3-C8)-トリアルキルシリルを表し、
R4及びR5が、他のものとは独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、(C1-C6)-アルキル、(C1-C6)-ハロアルキル、(C2-C6)-アルケニル、(C2-C6)-アルキニル、(C1-C4)-アルコキシ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルコキシ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルチオ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルスルフィニル-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルスルホニル-(C1-C4)-アルキル、(C1-C6)-アルキルカルボニル、(C1-C6)-ハロアルキルカルボニル、(C3-C6)-シクロアルキルカルボニル、(C1-C6)-アルコキシカルボニル、(C1-C6)-ハロアルコキシカルボニル、(C3-C6)-シクロアルコキシカルボニル、(C1-C6)-アルキルアミノカルボニル、(C2-C8)-ジアルキルアミノカルボニル、(C3-C6)-シクロアルキルアミノカルボニル、(C1-C6)-アルコキシ、(C1-C6)-アルキルチオ、(C1-C6)-ハロアルキルチオ、(C3-C6)-シクロアルキルチオを表し、
又は
R4及びR5は、一緒に3~6員炭素環又は最大2個の酸素原子を有する3~6員飽和複素環を形成し、
又は
R4及びR5は、一緒に(C1-C3)-アルキリデン基又は(C1-C3)-ハロアルキリデン基を形成し、
R6が、水素、(C1-C6)-アルキル、(C1-C6)-ハロアルキル、アリール-(C1-C4)-アルキル、ヘテロアリール-(C1-C4)-アルキル、(C3-C6)-シクロアルキル、(C3-C6)-シクロアルキル-(C1-C4)-アルキル、(C3-C6)-ハロシクロアルキル、(C3-C6)-ハロシクロアルキル-(C1-C4)-アルキル、(C2-C6)-アルケニル、(C2-C6)-アルキニル、(C1-C4)-アルコキシ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルコキシ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルチオ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルスルフィニル-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルスルホニル-(C1-C4)-アルキル、(C1-C6)-アルキルカルボニル、(C1-C6)-ハロアルキルカルボニル、(C3-C6)-シクロアルキルカルボニル、ホルミル、(C1-C6)-アルコキシカルボニル、(C1-C6)-ハロアルコキシカルボニル、(C3-C6)-シクロアルコキシカルボニル、(C1-C6)-アルキルアミノカルボニル、(C2-C8)-ジアルキルアミノカルボニル、(C3-C8)-シクロアルキルアミノカルボニルを表し、そして
R7が、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ホルミル、(C1-C6)-アルキル、(C1-C6)-ハロアルキル、(C2-C6)-アルケニル、(C2-C6)-アルキニル、(C2-C6)-ハロアルケニル、(C2-C6)-ハロアルキニル、(C1-C4)-アルコキシ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルコキシ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルチオ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルスルフィニル-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルスルホニル-(C1-C4)-アルキル、(C1-C6)-アルキルカルボニル、(C1-C6)-ハロアルキルカルボニル、(C3-C6)-シクロアルキルカルボニル、カルボキシル、(C1-C6)-アルコキシカルボニル、(C1-C6)-ハロアルコキシカルボニル、(C3-C6)-シクロアルコキシカルボニル、(C1-C6)-アルキルアミノカルボニル、(C2-C8)-ジアルキルアミノカルボニル、(C3-C6)-シクロアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、(C1-C6)-アルコキシ、(C1-C6)-ハロアルコキシ、(C1-C6)-アルキルチオ、(C1-C6)-ハロアルキルチオ、(C3-C6)-シクロアルキルチオ、(C1-C6)-アルキルスルフィニル、(C1-C6)-ハロアルキルスルフィニル、(C3-C6)-シクロアルキルスルフィニル、(C1-C6)-アルキルスルホニル、(C1-C6)-ハロアルキルスルホニル、(C3-C6)-シクロアルキルスルホニル、(C1-C6)-アルキルアミノスルホニル、(C2-C8)-ジアルキルアミノスルホニル又は(C3-C8)-トリアルキルシリルを表す、一般式(I)の化合物を提供する。
【0014】
本発明は特に好ましくは、
Xが、窒素、-CF-又は-CH-を表し、
Aが、酸素、-S(O)n-、-C(R4)(R5)-、-C(=O)-又は-NR6-を表し、
n=0、1又は2であり、
R1が、置換されていても良いアリール、ヘテロアリール又は複素環を表し、ここで、各環若しくは各環系は、基R7から独立に選択される最大5個の置換基によって置換されていても良く、
R2が、他のものとは独立に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ホルミル、ホルムアミド、(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルキル、(C2-C4)-アルケニル、(C2-C4)-アルキニル、(C2-C4)-ハロアルケニル、(C1-C4)-アルコキシ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルコキシ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルカルボニル、(C1-C4)-ハロアルキルカルボニル、カルボキシル、(C1-C4)-アルコキシカルボニル、(C1-C4)-ハロアルコキシカルボニル、(C3-C6)-シクロアルコキシカルボニル、カルバモイル、(C2-C4)-アルキルアミノカルボニル、(C2-C6)-ジアルキルアミノカルボニル、(C1-C4)-アルコキシカルボニル-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルコキシカルボニル-(C1-C4)-アルキル、カルボキシ-(C1-C4)-アルキル、ヒドロキシ、アミノ、(C1-C4)-アルコキシ、(C1-C4)-ハロアルコキシ、(C1-C4)-アルキルチオ、(C1-C4)-アルキルスルフィニル、(C1-C4)-アルキルスルホニル、(C1-C4)-アルキルアミノスルホニル、(C2-C6)-ジアルキルアミノスルホニル又は(C3-C6)-トリアルキルシリルを表し、
mが、0、1、2又は3を表し、
R3が、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ホルミル、(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルキル、(C2-C4)-アルケニル、(C2-C4)-アルキニル、(C2-C4)-ハロアルケニル、(C2-C4)-ハロアルキニル、(C1-C4)-アルキルカルボニル、(C1-C4)-ハロアルキルカルボニル、カルボキシル、(C1-C4)-アルコキシカルボニル、(C1-C4)-ハロアルコキシカルボニル、(C3-C6)-シクロアルコキシカルボニル、(C1-C4)-アルキルアミノカルボニル、(C2-C6)-ジアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、(C1-C4)-アルコキシ、(C1-C4)-ハロアルコキシ、(C1-C4)-アルキルチオ、(C1-C4)-ハロアルキルチオ、(C1-C4)-アルキルスルフィニル、(C1-C4)-ハロアルキルスルフィニル、(C1-C4)-アルキルスルホニル、(C1-C4)-ハロアルキルスルホニル、(C1-C4)-アルキルアミノスルホニル、(C2-C6)-ジアルキルアミノスルホニル又は(C3-C6)-トリアルキルシリルを表し、
R4及びR5が、他のものとは独立に、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルキル、(C2-C4)-アルケニル、(C2-C4)-アルキニル、(C1-C4)-アルコキシカルボニル、(C1-C4)-ハロアルコキシカルボニル又は(C3-C6)-シクロアルコキシカルボニルを表し、
又は
R4及びR5は、一緒に(C1-C3)-アルキリデン基又は(C1-C3)-ハロアルキリデン基を形成し、
R6が、水素、(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルキル、アリール-(C1-C4)-アルキル、ヘテロアリール-(C1-C4)-アルキル、(C2-C4)-アルケニル、(C2-C4)-アルキニル、(C1-C4)-アルキルカルボニル、ホルミル又は(C1-C4)-アルコキシカルボニルを表し、そして、
R7が、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ホルミル、(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルキル、(C2-C4)-アルケニル、(C2-C4)-アルキニル、(C2-C4)-ハロアルケニル、(C2-C4)-ハロアルキニル、(C1-C4)-アルコキシ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルコキシ-(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルカルボニル、(C1-C4)-ハロアルキルカルボニル、カルボキシル、(C1-C4)-アルコキシカルボニル、(C1-C4)-ハロアルコキシカルボニル、(C3-C6)-シクロアルコキシカルボニル、(C1-C4)-アルキルアミノカルボニル、(C2-C6)-ジアルキルアミノカルボニル、(C3-C6)-シクロアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、(C1-C4)-アルコキシ、(C1-C4)-ハロアルコキシ、(C1-C4)-アルキルチオ、(C1-C4)-ハロアルキルチオ、(C1-C4)-アルキルスルフィニル、(C1-C4)-ハロアルキルスルフィニル、(C1-C4)-アルキルスルホニル、(C1-C4)-ハロアルキルスルホニル、(C1-C4)-アルキルアミノスルホニル、(C2-C6)-ジアルキルアミノスルホニル又は(C3-C6)-トリアルキルシリルを表す、一般式(I)の化合物を提供する。
【0015】
本発明は、非常に特に好ましくは、
Xが、窒素、-CF-又は-CH-を表し、
Aが、酸素、-S(O)n-、-C(R4)(R5)-、-C(=O)-又は-NR6-を表し、
n=0、1又は2であり、
R1が、置換されていても良いフェニル、ピリジル又はピリミジルを表し、ここで、各環若しくは各環系は、基R7から独立に選択される最大5個の置換基によって置換されていても良く、
R2が、他のものとは独立に、ハロゲン、シアノ、(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルキル、カルボキシル、(C1-C4)-アルコキシカルボニル、(C1-C4)-アルコキシカルボニル-(C1-C3)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルコキシカルボニル-(C1-C3)-アルキル、カルボキシ-(C1-C3)-アルキル又は(C1-C4)-アルコキシを表し、
mが、0、1、2又は3を表し、
R3が、水素、ハロゲン、シアノ、(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルキル、(C2-C4)-アルケニル、(C2-C4)-アルキニル、(C2-C4)-ハロアルケニル、(C2-C4)-ハロアルキニル、(C1-C4)-アルコキシ又は(C1-C4)-ハロアルコキシを表し、
R4及びR5が、他のものとは独立に、水素、ハロゲン、(C1-C4)-アルキル又は(C1-C4)-アルコキシカルボニルを表し、
R6が、水素、(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルキルカルボニル又は(C1-C4)-アルコキシカルボニルを表し、そして
R7が、水素、ハロゲン、シアノ、(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルキル、カルボキシル、(C1-C4)-アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、(C1-C4)-アルコキシ又は(C1-C4)-ハロアルコキシを表す、一般式(I)の化合物を提供する。
【0016】
本発明は、同様にさらに好ましくは、
Xが、窒素、-CF-又は-CH-を表し、
Aが、酸素、硫黄、-CH2-又は-NR6-を表し、
R1が、置換されていても良いフェニル、ピリジル又はピリミジルを表し、ここで、各環若しくは各環系は、基R7から独立に選択される最大5個の置換基によって置換されていても良く、
R2が、他のものとは独立に、ハロゲン、シアノ、(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルキル、カルボキシル、(C1-C4)-アルコキシカルボニル、(C1-C4)-アルコキシカルボニル-(C1-C3)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルコキシカルボニル-(C1-C3)-アルキル、カルボキシ-(C1-C3)-アルキル又は(C1-C4)-アルコキシを表し、
mが、0、1、2又は3を表し、
R3が、水素、ハロゲン、シアノ、(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルキル、(C1-C4)-アルコキシ又は(C1-C4)-ハロアルコキシを表し、
R6が水素又はメチルを表し、そして
R7が、水素、ハロゲン、シアノ、(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルキル、(C1-C4)-アルコキシ又は(C1-C4)-ハロアルコキシを表す、一般式(I)の化合物を提供する。
【0017】
本発明は、同様にさらに好ましくは、
Xが、-CH-、-CF-又は窒素を表し、
Aが、酸素、硫黄、-CH2-又は-NR6-を表し、
R1が、置換されていても良いフェニル、ピリジ-2-イル又はピリミジ-2-イルを表し、ここで、各環は、基R7から互いに独立に選択される最大5個の置換基によって置換されていても良く、
R2が、他のものとは独立に、フッ素、塩素、臭素、シアノ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ、メトキシカルボニルメチル、カルボキシルメチルを表し、
mが、0、1、2又は3を表し、
R3が、水素、フッ素、塩素、シアノ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシを表し、
R6が、水素又はメチルを表し、そして
R7が、水素、フッ素、塩素、臭素、シアノ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシを表す、一般式(I)の化合物を提供する。
【0018】
本発明は、最も好ましくは、
Xが、-CH-、-CF-又は窒素を表し、
Aが、酸素、硫黄、-CH2-又は-NH-を表し、
R1が、フェニル、4-フルオロフェニル、2、4-ジフルオロフェニル、3、4-ジフルオロフェニル、3-(トリフルオロメチル)フェニル、3-メトキシフェニル、3-クロロフェニル、4-クロロフェニル、4-シアノフェニル、4-メチルフェニル、3-フルオロ-4-メチルフェニル、4-フルオロ-3-メチルフェニル、2、4-ジフルオロ-3-メトキシフェニル、5-クロロ-3-フルオロピリジ-2-イル、5-クロロピリジ-2-イル、5-フルオロピリジ-2-イル、3、5-ジフルオロピリジ-2-イル、5-フルオロピリミジ-2-イル、5-クロロピリミジ-2-イルを表し;
R2が、メチルを表し、
mが、0、1又は2を表し、そして
R3が、水素、フッ素、塩素、トリフルオロメチルを表す、一般式(I)の化合物を提供する。
【0019】
一般用語での、又は好ましいものの範囲内での上記で挙げた基の定義は、一般式(I)の最終生成物及びそれに相応して各場合での製造に必要な原料若しくは中間体の両方に適用される。これらの基の定義は、所望に応じて互いに組み合わせることができ、即ち、所与の好ましい範囲間の組み合わせが可能である。
【0020】
主として、より高い除草活性、より高い選択性及び/又はより良好な生産性が得られるという理由から、上記一般式(I)の本発明の化合物若しくはその塩又は本発明によるそれらの使用は特に興味深いものであり、その場合に、個々の基は、すでに説明しているか下記で説明される好ましい意味の一つを有するか、特にはすでに説明しているか下記で説明される好ましい意味の1以上が組み合わせて存在する意味を有する。
【0021】
本発明による化合物に関して、上記の及び更に下記で使用される用語について説明する。これらは当業者には慣れ親しんだものであり、特に、下記で説明される定義を有する。
【0022】
別途定義されない限り、化学基の名称は、分子の骨格若しくは残りの部分への結合が、最後に言及される関連化学基の構造要素を介したものであるように、即ち、例えば酸素原子を介した(C2-C8)-アルケニルオキシの場合、及び、各場合でアルキル基の炭素原子を介した複素環-(C1-C8)-アルキル又はR12O(O)C-(C1-C8)-アルキルの場合のように理解されるべきである。
【0023】
本発明によれば、「アルキルスルホニル」は、単独で若しくは化学基の一部として、好ましくは1~8個又は1~6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐のアルキルスルホニルを指し、例えば(それに限定されるものではないが)(C1-C6)-アルキルスルホニル、例えばメチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、1-メチルエチルスルホニル、ブチルスルホニル、1-メチルプロピルスルホニル、2-メチルプロピルスルホニル、1,1-ジメチルエチルスルホニル、ペンチルスルホニル、1-メチルブチルスルホニル、2-メチルブチルスルホニル、3-メチルブチルスルホニル、1,1-ジメチルプロピルスルホニル、1,2-ジメチルプロピルスルホニル、2,2-ジメチルプロピルスルホニル、1-エチルプロピルスルホニル、ヘキシルスルホニル、1-メチルペンチルスルホニル、2-メチルペンチルスルホニル、3-メチルペンチルスルホニル、4-メチルペンチルスルホニル、1,1-ジメチルブチルスルホニル、1,2-ジメチルブチルスルホニル、1,3-ジメチルブチルスルホニル、2,2-ジメチルブチルスルホニル、2,3-ジメチルブチルスルホニル、3,3-ジメチルブチルスルホニル、1-エチルブチルスルホニル、2-エチルブチルスルホニル、1,1,2-トリメチルプロピルスルホニル、1,2,2-トリメチルプロピルスルホニル、1-エチル-1-メチルプロピルスルホニル及び1-エチル-2-メチルプロピルスルホニルである。
【0024】
本発明によれば、「アルキルチオ」は、単独で若しくは化学基の一部として、好ましくは1~8個又は1~6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐のS-アルキルを指し、例えば(C1-C10)-、(C1-C6)-又は(C1-C4)-アルキルチオ、例えば(それに限定されるものではないが)(C1-C6)-アルキルチオ、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、1-メチルエチルチオ、ブチルチオ、1-メチルプロピルチオ、2-メチルプロピルチオ、1,1-ジメチルエチルチオ、ペンチルチオ、1-メチルブチルチオ、2-メチルブチルチオ、3-メチルブチルチオ、1,1-ジメチルプロピルチオ、1,2-ジメチルプロピルチオ、2,2-ジメチルプロピルチオ、1-エチルプロピルチオ、ヘキシルチオ、1-メチルペンチルチオ、2-メチルペンチルチオ、3-メチルペンチルチオ、4-メチルペンチルチオ、1,1-ジメチルブチルチオ、1,2-ジメチルブチルチオ、1,3-ジメチルブチルチオ、2,2-ジメチルブチルチオ、2,3-ジメチルブチルチオ、3,3-ジメチルブチルチオ、1-エチルブチルチオ、2-エチルブチルチオ、1,1,2-トリメチルプロピルチオ、1,2,2-トリメチルプロピルチオ、1-エチル-1-メチルプロピルチオ及び1-エチル-2-メチルプロピルチオである。
【0025】
本発明によれば、「アルキルスルフィニル(アルキル-S(=O)-)」は、別段で異なって定義されていない限り、-S(=O)-を介して骨格に結合しているアルキル基を指し、例えば(C1-C10)-、(C1-C6)-又は(C1-C4)-アルキルスルフィニル、例えば(それに限定されるものではないが)(C1-C6)-アルキルスルフィニル、例えばメチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、1-メチルエチルスルフィニル、ブチルスルフィニル、1-メチルプロピルスルフィニル、2-メチルプロピルスルフィニル、1,1-ジメチルエチルスルフィニル、ペンチルスルフィニル、1-メチルブチルスルフィニル、2-メチルブチルスルフィニル、3-メチルブチルスルフィニル、1,1-ジメチルプロピルスルフィニル、1,2-ジメチルプロピルスルフィニル、2,2-ジメチルプロピルスルフィニル、1-エチルプロピルスルフィニル、ヘキシルスルフィニル、1-メチルペンチルスルフィニル、2-メチルペンチルスルフィニル、3-メチルペンチルスルフィニル、4-メチルペンチルスルフィニル、1,1-ジメチルブチルスルフィニル、1,2-ジメチルブチルスルフィニル、1,3-ジメチルブチルスルフィニル、2,2-ジメチルブチルスルフィニル、2,3-ジメチルブチルスルフィニル、3,3-ジメチルブチルスルフィニル、1-エチルブチルスルフィニル、2-エチルブチルスルフィニル、1,1,2-トリメチルプロピルスルフィニル、1,2,2-トリメチルプロピルスルフィニル、1-エチル-1-メチルプロピルスルフィニル及び1-エチル-2-メチルプロピルスルフィニルである。
【0026】
「アルコキシ」は、酸素原子を介して結合したアルキル基を指し、例えば(それに限定されるものではないが)(C1-C6)-アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、1-メチルエトキシ、ブトキシ、1-メチルプロポキシ、2-メチルプロポキシ、1,1-ジメチルエトキシ、ペントキシ、1-メチルブトキシ、2-メチルブトキシ、3-メチルブトキシ、1,1-ジメチルプロポキシ、1,2-ジメチルプロポキシ、2,2-ジメチルプロポキシ、1-エチルプロポキシ、ヘキソキシ、1-メチルペントキシ、2-メチルペントキシ、3-メチルペントキシ、4-メチルペントキシ、1,1-ジメチルブトキシ、1,2-ジメチルブトキシ、1,3-ジメチルブトキシ、2,2-ジメチルブトキシ、2,3-ジメチルブトキシ、3,3-ジメチルブトキシ、1-エチルブトキシ、2-エチルブトキシ、1,1,2-トリメチルプロポキシ、1,2,2-トリメチルプロポキシ、1-エチル-1-メチルプロポキシ及び1-エチル-2-メチルプロポキシである。アルケニルオキシは、酸素原子を介して結合したアルケニル基を指し、アルキニルオキシは、酸素原子を介して結合したアルキニル基を指し、例えば、(C2-C10)-、(C2-C6)-又は(C2-C4)-アルケノキシ、及び、(C3-C10)-、(C3-C6)-又は(C3-C4)-アルキノキシである。
【0027】
本発明によれば、「アルキルカルボニル」(アルキル-C(=O)-)は、別段で異なって定義されていない限り、-C(=O)-を介して骨格に結合したアルキル基を指し、例えば(C1-C10)-、(C1-C6)-又は(C1-C4)-アルキルカルボニルである。ここで、炭素原子数は、アルキルカルボニル基中のアルキル基を指す。
【0028】
「アルコキシカルボニル(アルキル-O-C(=O)-)」は、別段で異なって定義されていない限り、-O-C(=O)-を介して骨格に結合したアルキル基であり、例えば(C1-C10)-、(C1-C6)-又は(C1-C4)-アルコキシカルボニルである。ここで、炭素原子数は、アルコキシカルボニル基中のアルキル基を指す。同様に、本発明による「アルケニルオキシカルボニル」及び「アルキニルオキシカルボニル」は、別段で異なって定義されていない限り、それぞれ、-O-C(=O)-を介して骨格に結合したアルケニル基及びアルキニル基を指し、例えば(C2-C10)-、(C2-C6)-又は(C2-C4)-アルケニルオキシカルボニル及び(C3-C10)-、(C3-C6)-又は(C3-C4)-アルキニルオキシカルボニルである。ここで、炭素原子数は、アルケノキシカルボニル又はアルキニルオキシカルボニル基におけるアルケニル基又はアルキニル基を指す。
【0029】
「アリール」という用語は、好ましくは6~14個、特には6~10個の環炭素原子を有する置換されていても良い単環式、二環式若しくは多環式芳香族系を指し、例えばフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントレニルなど、好ましくはフェニルである。
【0030】
複素環基(複素環)は、飽和若しくは部分飽和であり、置換されていないとも置換されていても良い、少なくとも1個の複素環(=少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子によって、好ましくはN、O、S、Pの群からのヘテロ原子によって置き換わっている炭素環)を含み、その場合、結合部位は環原子上にある。複素環基又は複素環が置換されていても良い場合、それは他の炭素環若しくは複素環と縮合していても良い。置換されていても良い複素環の場合、多環系も含まれ、例えば8-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、8-アザビシクロ[2.2.2]オクタニル又は1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプチルがある。置換されていても良い複素環には、スピロ環系も含まれ、例えば1-オキサ-5-アザスピロ[2.3]ヘキシルがある。異なって定義されていない限り、その複素環は好ましくは、複素環中に3~9個の環原子、特には3~6個の環原子、及び好ましくはN、O及びSの群からの1以上、好ましくは1~4個、特には1、2又は3個のヘテロ原子を含むが2個の酸素原子が直接隣接していてはならず、例えばN、O及びSの群からの1個のヘテロ原子を含み:1-又は2-又は3-ピロリジニル、3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-又は-3-イル、2,3-ジヒドロ-1H-ピロール-1-又は-2-又は-3-又は-4-又は-5-イル;2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-又は-2-又は-3-イル、1-又は2-又は3-又は4-ピペリジニル;2,3,4,5-テトラヒドロピリジン-2-又は-3-又は-4-又は-5-イル又は-6-イル;1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-1-又は-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;1,2,3,4-テトラヒドロピリジン-1-又は-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;1,4-ジヒドロピリジン-1-又は-2-又は-3-又は-4-イル;2,3-ジヒドロピリジン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;2,5-ジヒドロピリジン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル、1-又は2-又は3-又は4-アゼパニル;2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-アゼピン-1-又は-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,3,4,7-テトラヒドロ-1H-アゼピン-1-又は-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-アゼピン-1-又は-2-又は-3-又は-4-イル;3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;4,5-ジヒドロ-1H-アゼピン-1-又は-2-又は-3-又は-4-イル;2,5-ジヒドロ-1H-アゼピン-1-又は-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,7-ジヒドロ-1H-アゼピン-1-又は-2-又は-3-又は-4-イル;2,3-ジヒドロ-1H-アゼピン-1-又は-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;3,4-ジヒドロ-2H-アゼピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;3,6-ジヒドロ-2H-アゼピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;5,6-ジヒドロ-2H-アゼピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;4,5-ジヒドロ-3H-アゼピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;1H-アゼピン-1-又は-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2H-アゼピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;3H-アゼピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;4H-アゼピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル、2-又は3-オキソラニル(=2-又は3-テトラヒドロフラニル);2,3-ジヒドロフラン-2-又は-3-又は-4-又は-5-イル;2,5-ジヒドロフラン-2-又は-3-イル、2-又は3-又は4-オキサニル(=2-又は3-又は4-テトラヒドロピラニル);3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;2H-ピラン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;4H-ピラン-2-又は-3-又は-4-イル、2-又は3-又は4-オキセパニル;2,3,4,5-テトラヒドロオキセピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,3,4,7-テトラヒドロオキセピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,3,6,7-テトラヒドロオキセピン-2-又は-3-又は-4-イル;2,3-ジヒドロオキセピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;4,5-ジヒドロオキセピン-2-又は-3-又は-4-イル;2,5-ジヒドロオキセピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;オキセピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2-又は3-テトラヒドロチオフェニル;2,3-ジヒドロチオフェン-2-又は-3-又は-4-又は-5-イル;2,5-ジヒドロチオフェン-2-又は-3-イル;テトラヒドロ-2H-チオピラン-2-又は-3-又は-4-イル;3,4-ジヒドロ-2H-チオピラン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;2H-チオピラン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;4H-チオピラン-2-又は-3-又は-4-イルがある。好ましい3員及び4員複素環は、例えば、1-又は2-アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、1-又は2-又は3-アゼチジニル、2-又は3-オキセタニル、2-又は3-チエタニル、1,3-ジオキセタン-2-イルである。「複素環」のさらなる例は、N、O及びSからなる群からの2個のヘテロ原子を有する部分水素化若しくは完全水素化複素環基であり、例えば1-又は2-又は3-又は4-ピラゾリジニル;4,5-ジヒドロ-3H-ピラゾール-3-又は-4-又は-5-イル;4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾール-1-又は-3-又は-4-又は-5-イル;2,3-ジヒドロ-1H-ピラゾール-1-又は-2-又は-3-又は-4-又は-5-イル;1-又は2-又は3-又は4-イミダゾリジニル;2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾール-1-又は-2-又は-3-又は-4-イル;2,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-1-又は-2-又は-4-又は-5-イル;4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-1-又は-2-又は-4-又は-5-イル;ヘキサヒドロピリダジン-1-又は-2-又は-3-又は-4-イル;1,2,3,4-テトラヒドロピリダジン-1-又は-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;1,2,3,6-テトラヒドロピリダジン-1-又は-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;1,4,5,6-テトラヒドロピリダジン-1-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;3,4,5,6-テトラヒドロピリダジン-3-又は-4-又は-5-イル;4,5-ジヒドロピリダジン-3-又は-4-イル;3,4-ジヒドロピリダジン-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;3,6-ジヒドロピリダジン-3-又は-4-イル;1,6-ジヒドロピリアジン(pyriazin)-1-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;ヘキサヒドロピリミジン-1-又は-2-又は-3-又は-4-イル;1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン-1-又は-2-又は-4-又は-5-又は-6-イル;1,2,5,6-テトラヒドロピリミジン-1-又は-2-又は-4-又は-5-又は-6-イル;1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-1-又は-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;1,6-ジヒドロピリミジン-1-又は-2-又は-4-又は-5-又は-6-イル;1,2-ジヒドロピリミジン-1-又は-2-又は-4-又は-5-又は-6-イル;2,5-ジヒドロピリミジン-2-又は-4-又は-5-イル;4,5-ジヒドロピリミジン-4-又は-5-又は-6-イル;1,4-ジヒドロピリミジン-1-又は-2-又は-4-又は-5-又は-6-イル;1-又は2-又は3-ピペラジニル;1,2,3,6-テトラヒドロピラジン-1-又は-2-又は-3-又は-5-又は-6-イル;1,2,3,4-テトラヒドロピラジン-1-又は-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;1,2-ジヒドロピラジン-1-又は-2-又は-3-又は-5-又は-6-イル;1,4-ジヒドロピラジン-1-又は-2-又は-3-イル;2,3-ジヒドロピラジン-2-又は-3-又は-5-又は-6-イル;2,5-ジヒドロピラジン-2-又は-3-イル;1,3-ジオキソラン-2-又は-4-又は-5-イル;1,3-ジオキソール-2-又は-4-イル;1,3-ジオキサン-2-又は-4-又は-5-イル;4H-1,3-ジオキシン-2-又は-4-又は-5-又は-6-イル;1,4-ジオキサン-2-又は-3-又は-5-又は-6-イル;2,3-ジヒドロ-1,4-ジオキシン-2-又は-3-又は-5-又は-6-イル;1,4-ジオキシン-2-又は-3-イル;1,2-ジチオラン-3-又は-4-イル;3H-1,2-ジチオール-3-又は-4-又は-5-イル;1,3-ジチオラン-2-又は-4-イル;1,3-ジチオール-2-又は-4-イル;1,2-ジチアン-3-又は-4-イル;3,4-ジヒドロ-1,2-ジチイン-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;3,6-ジヒドロ-1,2-ジチイン-3-又は-4-イル;1,2-ジチイン-3-又は-4-イル;1,3-ジチアン-2-又は-4-又は-5-イル;4H-1,3-ジチイン-2-又は-4-又は-5-又は-6-イル;イソオキサゾリジン-2-又は-3-又は-4-又は-5-イル;2,3-ジヒドロイソオキサゾール-2-又は-3-又は-4-又は-5-イル;2,5-ジヒドロイソオキサゾール-2-又は-3-又は-4-又は-5-イル;4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-又は-4-又は-5-イル;1,3-オキサゾリジン-2-又は-3-又は-4-又は-5-イル;2,3-ジヒドロ-1,3-オキサゾール-2-又は-3-又は-4-又は-5-イル;2,5-ジヒドロ-1,3-オキサゾール-2-又は-4-又は-5-イル;4,5-ジヒドロ-1,3-オキサゾール-2-又は-4-又は-5-イル;1,2-オキサジナン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;3,4-ジヒドロ-2H-1,2-オキサジン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;3,6-ジヒドロ-2H-1,2-オキサジン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;5,6-ジヒドロ-2H-1,2-オキサジン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;5,6-ジヒドロ-4H-1,2-オキサジン-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;2H-1,2-オキサジン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;6H-1,2-オキサジン-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;4H-1,2-オキサジン-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;1,3-オキサジナン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;3,4-ジヒドロ-2H-1,3-オキサジン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;3,6-ジヒドロ-2H-1,3-オキサジン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;5,6-ジヒドロ-2H-1,3-オキサジン-2-又は-4-又は-5-又は-6-イル;5,6-ジヒドロ-4H-1,3-オキサジン-2-又は-4-又は-5-又は-6-イル;2H-1,3-オキサジン-2-又は-4-又は-5-又は-6-イル;6H
-1,3-オキサジン-2-又は-4-又は-5-又は-6-イル;4H-1,3-オキサジン-2-又は-4-又は-5-又は-6-イル;モルホリン-2-又は-3-又は-4-イル;3,4-ジヒドロ-2H-1,4-オキサジン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;3,6-ジヒドロ-2H-1,4-オキサジン-2-又は-3-又は-5-又は-6-イル;2H-1,4-オキサジン-2-又は-3-又は-5-又は-6-イル;4H-1,4-オキサジン-2-又は-3-イル;1,2-オキサゼパン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2-オキサゼピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,3,4,7-テトラヒドロ-1,2-オキサゼピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,3,6,7-テトラヒドロ-1,2-オキサゼピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,5,6,7-テトラヒドロ-1,2-オキサゼピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;4,5,6,7-テトラヒドロ-1,2-オキサゼピン-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,3-ジヒドロ-1,2-オキサゼピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,5-ジヒドロ-1,2-オキサゼピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,7-ジヒドロ-1,2-オキサゼピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゼピン-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;4,7-ジヒドロ-1,2-オキサゼピン-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;6,7-ジヒドロ-1,2-オキサゼピン-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;1,2-オキサゼピン-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;1,3-オキサゼパン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,3,4,5-テトラヒドロ-1,3-オキサゼピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,3,4,7-テトラヒドロ-1,3-オキサゼピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,3,6,7-テトラヒドロ-1,3-オキサゼピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-オキサゼピン-2-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;4,5,6,7-テトラヒドロ-1,3-オキサゼピン-2-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,3-ジヒドロ-1,3-オキサゼピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,5-ジヒドロ-1,3-オキサゼピン-2-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,7-ジヒドロ-1,3-オキサゼピン-2-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;4,5-ジヒドロ-1,3-オキサゼピン-2-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;4,7-ジヒドロ-1,3-オキサゼピン-2-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;6,7-ジヒドロ-1,3-オキサゼピン-2-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;1,3-オキサゼピン-2-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;1,4-オキサゼパン-2-又は-3-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,3,4,5-テトラヒドロ-1,4-オキサゼピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,3,4,7-テトラヒドロ-1,4-オキサゼピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,3,6,7-テトラヒドロ-1,4-オキサゼピン-2-又は-3-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,5,6,7-テトラヒドロ-1,4-オキサゼピン-2-又は-3-又は-5-又は-6-又は-7-イル;4,5,6,7-テトラヒドロ-1,4-オキサゼピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,3-ジヒドロ-1,4-オキサゼピン-2-又は-3-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,5-ジヒドロ-1,4-オキサゼピン-2-又は-3-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,7-ジヒドロ-1,4-オキサゼピン-2-又は-3-又は-5-又は-6-又は-7-イル;4,5-ジヒドロ-1,4-オキサゼピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;4,7-ジヒドロ-1,4-オキサゼピン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-又は-7-イル;6,7-ジヒドロ-1,4-オキサゼピン-2-又は-3-又は-5-又は-6-又は-7-イル;1,4-オキサゼピン-2-又は-3-又は-5-又は-6-又は-7-イル;イソチアゾリジン-2-又は-3-又は-4-又は-5-イル;2,3-ジヒドロイソチアゾール-2-又は-3-又は-4-又は-5-イル;2,5-ジヒドロイソチアゾール-2-又は-3-又は-4-又は-5-イル;4,5-ジヒドロイソチアゾール-3-又は-4-又は-5-イル;1,3-チアゾリジン-2-又は-3-又は-4-又は-5-イル;2,3-ジヒドロ-1,3-チアゾール-2-又は-3-又は-4-又は-5-イル;2,5-ジヒドロ-1,3-チアゾール-2-又は-4-又は-5-イル;4,5-ジヒドロ-1,3-チアゾール-2-又は-4-又は-5-イル;1,3-チアジナン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;3,4-ジヒドロ-2H-1,3-チアジン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;3,6-ジヒドロ-2H-1,3-チアジン-2-又は-3-又は-4-又は-5-又は-6-イル;5,6-ジヒドロ-2H-1,3-チアジン-2-又は-4-又は-5-又は-6-イル;5,6-ジヒドロ-4H-1,3-チアジン-2-又は-4-又は-5-又は-6-イル;2H-1,3-チアジン-2-又は-4-又は-5-又は-6-イル;6H-1,3-チアジン-2-又は-4-又は-5-又は-6-イル;4H-1,3-チアジン-2-又は-4-又は-5-又は-6-イルである。「複素環」のさらなる例は、N、O及びSの群からの3個のヘテロ原子を有する部分若しくは完全水素化複素環基であり、例えば1,4,2-ジオキサゾリジン-2-又は-3-又は-5-イル;1,4,2-ジオキサゾール-3-又は-5-イル;1,4,2-ジオキサジナン-2-又は-3-又は-5-又は-6-イル;5,6-ジヒドロ-1,4,2-ジオキサジン-3-又は-5-又は-6-イル;1,4,2-ジオキサジン-3-又は-5-又は-6-イル;1,4,2-ジオキサゼパン-2-又は-3-又は-5-又は-6-又は-7-イル;6,7-ジヒドロ-5H-1,4,2-ジオキサゼピン-3-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,3-ジヒドロ-7H-1,4,2-ジオキサゼピン-2-又は-3-又は-5-又は-6-又は-7-イル;2,3-ジヒドロ-5H-1,4,2-ジオキサゼピン-2-又は-3-又は-5-又は-6-又は-7-イル;5H-1,4,2-ジオキサゼピン-3-又は-5-又は-6-又は-7-イル;7H-1,4,2-ジオキサゼピン-3-又は-5-又は-6-又は-7-イルである。さらに置換されていても良い複素環の構造例も、下記に挙げる。
【化2】
【0031】
塩基構造が遊離基(=基)のリスト又は一般的に定義される遊離基の群からの「1以上の遊離基によって」置換されている場合、各場合におけるこれには、複数の同一及び/又は構造的に異なる基による同時置換を含む。
【0032】
部分飽和若しくは完全飽和窒素複素環の場合、これが、炭素を介して又は窒素を介して分子の残りの部分に連結されていても良い。
【0033】
置換されている複素環基に好適な置換基は、さらに下記されている置換基であり、さらにはオキソ及びチオキソもある。そして、環炭素原子上の置換基としてのオキソ基は、例えば複素環中のカルボニル基である。結果として、ラクトン類及びラクタム類も好ましく含まれる。オキソ基は、環ヘテロ原子上にもあり得るものであり、それは異なる酸化状態で存在し得るものであり、例えばN及びSの場合、及びその場合の形態、例えば複素環での二価-N(O)-、-S(O)-(略してSOとも記載される)基及び-S(O)2-(略してSO2とも記載される)基の場合である。-N(O)-及び-S(O)-基の場合、各場合における両方のエナンチオマーが含まれる。
【0034】
本発明によれば、「ヘテロアリール」という表現は、ヘテロ芳香族化合物、即ち完全不飽和芳香族複素環化合物、好ましくは1~4個、好ましくは1個若しくは2個の同一若しくは異なるヘテロ原子、好ましくはO、S又はNを有する5~7員環を指す。本発明のヘテロアリールは、例えば1H-ピロール-1-イル;1H-ピロール-2-イル;1H-ピロール-3-イル;フラン-2-イル;フラン-3-イル;チエン-2-イル;チエン-3-イル、1H-イミダゾール-1-イル;1H-イミダゾール-2-イル;1H-イミダゾール-4-イル;1H-イミダゾール-5-イル;1H-ピラゾール-1-イル;1H-ピラゾール-3-イル;1H-ピラゾール-4-イル;1H-ピラゾール-5-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル、1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル、4H-1,2,4-トリアゾール-4-イル、1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、1,2,4-オキサジアゾール-5-イル、1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、1,2,3-オキサジアゾール-4-イル、1,2,3-オキサジアゾール-5-イル、1,2,5-オキサジアゾール-3-イル、アゼピニル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピラジン-2-イル、ピラジン-3-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、ピリミジン-5-イル、ピリダジン-3-イル、ピリダジン-4-イル、1,3,5-トリアジン-2-イル、1,2,4-トリアジン-3-イル、1,2,4-トリアジン-5-イル、1,2,4-トリアジン-6-イル、1,2,3-トリアジン-4-イル、1,2,3-トリアジン-5-イル、1,2,4-、1,3,2-、1,3,6-及び1,2,6-オキサジニル、イソオキサゾール-3-イル、イソオキサゾール-4-イル、イソオキサゾール-5-イル、1,3-オキサゾール-2-イル、1,3-オキサゾール-4-イル、1,3-オキサゾール-5-イル、イソチアゾール-3-イル、イソチアゾール-4-イル、イソチアゾール-5-イル、1,3-チアゾール-2-イル、1,3-チアゾール-4-イル、1,3-チアゾール-5-イル、オキセピニル、チエピニル、1,2,4-トリアゾロニル及び1,2,4-ジアゼピニル、2H-1,2,3,4-テトラゾール-5-イル、1H-1,2,3,4-テトラゾール-5-イル、1,2,3,4-オキサトリアゾール-5-イル、1,2,3,4-チアトリアゾール-5-イル、1,2,3,5-オキサトリアゾール-4-イル、1,2,3,5-チアトリアゾール-4-イルである。本発明によるヘテロアリール基は、1以上の同一若しくは異なる基によって置換されていても良い。二つの隣接する炭素原子が別の芳香環の一部である場合、その系は縮合ヘテロ芳香環系であり、例えばベンゾ縮合若しくは又は多環ヘテロ芳香族である。好ましい例は、キノリン類(例えばキノリン-2-イル、キノリン-3-イル、キノリン-4-イル、キノリン-5-イル、キノリン-6-イル、キノリン-7-イル、キノリン-8-イル);イソキノリン類(例えばイソキノリン-1-イル、イソキノリン-3-イル、イソキノリン-4-イル、イソキノリン-5-イル、イソキノリン-6-イル、イソキノリン-7-イル、イソキノリン-8-イル);キノキサリン;キナゾリン;シンノリン;1,5-ナフチリジン;1,6-ナフチリジン;1,7-ナフチリジン;1,8-ナフチリジン;2,6-ナフチリジン;2,7-ナフチリジン;フタラジン;ピリドピラジン類;ピリドピリミジン類;ピリドピリダジン類;プテリジン類;ピリミドピリミジン類である。ヘテロアリールの例には、1H-インドール-1-イル、1H-インドール-2-イル、1H-インドール-3-イル、1H-インドール-4-イル、1H-インドール-5-イル、1H-インドール-6-イル、1H-インドール-7-イル、1-ベンゾフラン-2-イル、1-ベンゾフラン-3-イル、1-ベンゾフラン-4-イル、1-ベンゾフラン-5-イル、1-ベンゾフラン-6-イル、1-ベンゾフラン-7-イル、1-ベンゾチオフェン-2-イル、1-ベンゾチオフェン-3-イル、1-ベンゾチオフェン-4-イル、1-ベンゾチオフェン-5-イル、1-ベンゾチオフェン-6-イル、1-ベンゾチオフェン-7-イル、1H-インダゾール-1-イル、1H-インダゾール-3-イル、1H-インダゾール-4-イル、1H-インダゾール-5-イル、1H-インダゾール-6-イル、1H-インダゾール-7-イル、2H-インダゾール-2-イル、2H-インダゾール-3-イル、2H-インダゾール-4-イル、2H-インダゾール-5-イル、2H-インダゾール-6-イル、2H-インダゾール-7-イル、2H-イソインドール-2-イル、2H-イソインドール-1-イル、2H-イソインドール-3-イル、2H-イソインドール-4-イル、2H-イソインドール-5-イル、2H-イソインドール-6-イル;2H-イソインドール-7-イル、1H-ベンゾイミダゾール-1-イル、1H-ベンゾイミダゾール-2-イル、1H-ベンゾイミダゾール-4-イル、1H-ベンゾイミダゾール-5-イル、1H-ベンゾイミダゾール-6-イル、1H-ベンゾイミダゾール-7-イル、1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル、1,3-ベンゾオキサゾール-4-イル、1,3-ベンゾオキサゾール-5-イル、1,3-ベンゾオキサゾール-6-イル、1,3-ベンゾオキサゾール-7-イル、1,3-ベンゾチアゾール-2-イル、1,3-ベンゾチアゾール-4-イル、1,3-ベンゾチアゾール-5-イル、1,3-ベンゾチアゾール-6-イル、1,3-ベンゾチアゾール-7-イル、1,2-ベンゾイソオキサゾール-3-イル、1,2-ベンゾイソオキサゾール-4-イル、1,2-ベンゾイソオキサゾール-5-イル、1,2-ベンゾイソオキサゾール-6-イル、1,2-ベンゾイソオキサゾール-7-イル、1,2-ベンゾイソチアゾール-3-イル、1,2-ベンゾイソチアゾール-4-イル、1,2-ベンゾイソチアゾール-5-イル、1,2-ベンゾイソチアゾール-6-イル、1,2-ベンゾイソチアゾール-7-イルの群からの5員若しくは6員のベンゾ縮合環もある。
【0035】
「ハロゲン」という用語は、例えばフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を指す。その用語を基について使用する場合、「ハロゲン」は、例えばフッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を指す。
【0036】
本発明によれば、「アルキル」は、モノ置換若しくは多置換されていても良い直鎖若しくは分岐の鎖状飽和炭化水素基を意味し、後者の場合は「置換されたアルキル」と称される。好ましい置換基は、ハロゲン原子、アルコキシ、ハロアルコキシ、シアノ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、アミノ又はニトロ基であり、特に好ましいものはメトキシ、メチル、フルオロアルキル、シアノ、ニトロ、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素である。「ビス」という接頭語は、異なるアルキル基の組み合わせ、例えばメチル(エチル)又はエチル(メチル)も含む。
【0037】
「ハロアルキル」、「-アルケニル」及び「-アルキニル」はそれぞれ、同一若しくは異なるハロゲン原子によって部分置換若しくは完全置換されているアルキル、アルケニル及びアルキニルを指し、例えばモノハロアルキル、例えばCH2CH2Cl、CH2CH2Br、CHClCH3、CH2Cl、CH2F;パーハロアルキル、例えばCCl3、CClF2、CFCl2,CF2CClF2、CF2CClFCF3;ポリハロアルキル、例えばCH2CHFCl、CF2CClFH、CF2CBrFH、CH2CF3であり;パーハロアルキルという用語は、パーフルオロアルキルという用語も包含する。
【0038】
「ハロアルコキシ」は、例えばOCF3、OCHF2、OCH2F、OCF2CF3、OCH2CF3及びOCH2CH2Clであり;それは、ハロアルケニル及び他のハロゲン置換された基にも相応に当てはまる。
【0039】
例として本明細書で言及される「(C1-C4)-アルキル」という表現は、炭素原子について記載の範囲に従って1~4個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐のアルキルについての省略表記法であり、すなわち、メチル基、エチル基、1-プロピル基、2-プロピル基、1-ブチル基、2-ブチル基、2-メチルプロピル基又はtert-ブチル基を包含する。それより大きい記載範囲の炭素原子を有するアルキル基、例えば「(C1-C6)-アルキル」は、それに応じて、より大きい炭素原子数を有する直鎖又は分枝アルキル基、すなわち例を挙げれば5個及び6個の炭素原子を有するアルキル基も更に包含する。
【0040】
具体的な記載がない限り、複合基を含む炭化水素基、例えばアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基などの場合には、1~6個の炭素原子、又は不飽和基の場合には2~6個の炭素原子を有する低級炭素骨格が好ましい。複合基、例えばアルコキシ基、ハロアルキル基中などでのアルキル基は、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル若しくはi-プロピル基、n-、i-、t-若しくは2-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、例えばn-ヘキシル基、i-ヘキシル基及び1,3-ジメチルブチル基等、ヘプチル基、例えばn-へプチル基、1-メチルヘキシル基及び1,4-ジメチルペンチル基であり;アルケニル基及びアルキニル基は、アルキル基に相当する可能な不飽和基として定義され、少なくとも1個の二重結合又は三重結合が存在する。好ましいのは、1個の二重結合又は三重結合を有する基である。
【0041】
「アルケニル」という用語は、特に、1以上の累積二重結合を有する直鎖又は分枝の鎖状炭化水素基、例えば1,3-ブタジエニル及び1,4-ペンタジエニルだけでなく、1以上の累積二重結合を有するアレニル又はクムレニル基、例えばアレニル(1,2-プロペジエニル)基、1,2-ブタジエニル基及び1,2,3-ペンタトリエニル基も含む。アルケニルは、例えば、更なるアルキル基によって置換されていても良いビニル基、例えば(それらに限定されるものではない)(C2-C6)-アルケニル、例えばエテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-メチルエテニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-1-ブテニル、2-メチル-1-ブテニル、3-メチル-1-ブテニル、1-メチル-2-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-メチル-3-ブテニル、2-メチル-3-ブテニル、3-メチル-3-ブテニル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、1,2-ジメチル-1-プロペニル、1,2-ジメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-プロペニル、1-エチル-2-プロペニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-メチル-1-ペンテニル、2-メチル-1-ペンテニル、3-メチル-1-ペンテニル、4-メチル-1-ペンテニル、1-メチル-2-ペンテニル、2-メチル-2-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、4-メチル-2-ペンテニル、1-メチル-3-ペンテニル、2-メチル-3-ペンテニル、3-メチル-3-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-メチル-4-ペンテニル、2-メチル-4-ペンテニル、3-メチル-4-ペンテニル、4-メチル-4-ペンテニル、1,1-ジメチル-2-ブテニル、1,1-ジメチル-3-ブテニル、1,2-ジメチル-1-ブテニル、1,2-ジメチル-2-ブテニル、1,2-ジメチル-3-ブテニル、1,3-ジメチル-1-ブテニル、1,3-ジメチル-2-ブテニル、1,3-ジメチル-3-ブテニル、2,2-ジメチル-3-ブテニル、2,3-ジメチル-1-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-3-ブテニル、3,3-ジメチル-1-ブテニル、3,3-ジメチル-2-ブテニル、1-エチル-1-ブテニル、1-エチル-2-ブテニル、1-エチル-3-ブテニル、2-エチル-1-ブテニル、2-エチル-2-ブテニル、2-エチル-3-ブテニル、1,1,2-トリメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-メチル-2-プロペニル、1-エチル-2-メチル-1-プロペニル及び1-エチル-2-メチル-2-プロペニルである。
【0042】
「アルキニル」という用語は、特に、複数の三重結合を有するか、1以上の三重結合と1以上の二重結合を有する直鎖又は分枝の鎖状炭化水素基、例えば、1,3-ブタトリエニル又は3-ペンテン-1-イン-1-イルも含む。(C2-C6)-アルキニルは、例えばエチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-メチル-2-プロピニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1-メチル-2-ブチニル、1-メチル-3-ブチニル、2-メチル-3-ブチニル、3-メチル-1-ブチニル、1,1-ジメチル-2-プロピニル、1-エチル-2-プロピニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル、1-メチル-2-ペンチニル、1-メチル-3-ペンチニル、1-メチル-4-ペンチニル、2-メチル-3-ペンチニル、2-メチル-4-ペンチニル、3-メチル-1-ペンチニル、3-メチル-4-ペンチニル、4-メチル-1-ペンチニル、4-メチル-2-ペンチニル、1,1-ジメチル-2-ブチニル、1,1-ジメチル-3-ブチニル、1,2-ジメチル-3-ブチニル、2,2-ジメチル-3-ブチニル、3,3-ジメチル-1-ブチニル、1-エチル-2-ブチニル、1-エチル-3-ブチニル、2-エチル-3-ブチニル及び1-エチル-1-メチル-2-プロピニルを指す。
【0043】
「シクロアルキル」という用語は、好ましくは3~8個の環炭素原子を有する炭素環式飽和環系、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを指し、それは好ましくは、水素、アルキル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、ハロゲン、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ビスアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、アリールアルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、シクロアルキルアミノカルボニルによるさらなる置換を有していても良い。置換されていても良いシクロアルキルの場合、置換基を有する環状系が含まれ、シクロアルキル基上に二重結合を有する置換基、例えばメチリデンのようなアルキリデン基も含まれる。置換されていても良いシクロアルキルの場合、多環式脂肪族系も含まれ、例えばビシクロ[1.1.0]ブタン-1-イル、ビシクロ[1.1.0]ブタン-2-イル、ビシクロ[2.1.0]ペンタン-1-イル、ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル、ビシクロ[2.1.0]ペンタン-2-イル、ビシクロ[2.1.0]ペンタン-5-イル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル、ビシクロ[2.2.2]オクタン-2-イル、ビシクロ[3.2.1]オクタン-2-イル、ビシクロ[3.2.2]ノナン-2-イル、アダマンタン-1-イル及びアダマンタン-2-イルが挙げられ、例えば1,1′-ビ(シクロプロピル)-1-イル、1,1′-ビ(シクロプロピル)-2-イルなどの系も挙げられる。「(C3-C7)-シクロアルキル」という用語は、炭素原子について記載した範囲に相当する3から7個の炭素原子を有するシクロアルキルについての簡潔な表記法である。
【0044】
置換されているシクロアルキルの場合、スピロ環脂肪族系も含まれ、例えばスピロ[2.2]ペンタ-1-イル、スピロ[2.3]ヘキサ-1-イル、スピロ[2.3]ヘキサ-4-イル、3-スピロ[2.3]ヘキサ-5-イル、スピロ[3.3]ヘプタ-1-イル、スピロ[3.3]ヘプタ-2-イルがある。
【0045】
「シクロアルケニル」は、好ましくは4から8個の炭素原子を有する炭素環式非芳香族部分不飽和環系、例えば1-シクロブテニル、2-シクロブテニル、1-シクロペンテニル、2-シクロペンテニル、3-シクロペンテニル又は1-シクロヘキセニル、2-シクロヘキセニル、3-シクロヘキセニル、1,3-シクロヘキサジエニル又は1,4-シクロヘキサジエニルを指し、シクロアルケニル上に二重結合を有する置換基、例えばメチリデンのようなアルキリデン基も包含する。置換されていても良いシクロアルケニル基の場合、置換されているシクロアルキルについての説明が同様に当てはまる。
【0046】
「アルキリデン」という用語、例えば、(C1-C10)-アルキリデンの形態は、二重結合を介して結合した直鎖若しくは分岐の鎖状炭化水素基の基を意味する。アルキリデンについての可能な結合箇所は、当然のことながら、2個の水素原子が二重結合によって置き換わり得る基本構造上の位置のみであり;基は、例えば、=CH2、=CH-CH3、=C(CH3)-CH3、=C(CH3)-C2H5又は=C(C2H5)-C2H5である。シクロアルキリデンは、二重結合を介して結合した炭素環基を指す。
【0047】
「アリールアルキル」は、アルキル基を介して結合したアリール基を表し、「ヘテロアリールアルキル」は、アルキル基を介して結合したヘテロアリール基を指し、「複素環アルキル」は、アルキル基を介して結合した複素環基を指す。
【0048】
本発明によれば、「ハロアルキルチオ」は、それ自体で又は化学基の構成要素部分として、好ましくは1~8個、又は1~6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐のS-ハロアルキルを表し、例えば、(C1-C8)-、(C1-C6)-又は(C1-C4)-ハロアルキルチオ、例えば(それに限定されるものではない)、トリフルオロメチルチオ、ペンタフルオロエチルチオ、ジフルオロメチル、2,2-ジフルオロエタ-1-イルチオ、2,2,2-ジフルオロエタ-1-イルチオ、3,3,3-プロパ-1-イルチオである。
【0049】
「ハロシクロアルキル」は、同一若しくは異なるハロゲン原子、例えばF、Cl及びBrによって、又は、ハロアルキル、例えばトリフルオロメチル若しくはジフルオロメチルによって部分置換若しくは完全置換されているシクロアルキルを指し、例えば、1-フルオロシクロプロパ-1-イル、2-フルオロシクロプロパ-1-イル、2,2-ジフルオロシクロプロパ-1-イル、1-フルオロシクロブタ-1-イル、1-トリフルオロメチルシクロプロパ-1-イル、2-トリフルオロメチルシクロプロパ-1-イル、1-クロロシクロプロパ-1-イル、2-クロロシクロプロパ-1-イル、2,2-ジクロロシクロプロパ-1-イル、3,3-ジフルオロシクロブチルである。
【0050】
本発明によれば、「トリアルキルシリル」は、それ自体で又は化学基の構成要素部分として、好ましくは1~8個又は1~6個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐のSi-アルキルを表し、例えば、トリ[(C1-C8)-、(C1-C6)-又は(C1-C4)-アルキル]シリル、例えば(それらに限定されるものではない)、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリ(n-プロピル)シリル、トリ(イソプロピル)シリル、トリ(n-ブチル)シリル、トリ(1-メチルプロパ-1-イル)シリル、トリ(2-メチルプロパ-1-イル)シリル、トリ(1,1-ジメチルエタ-1-イル)シリル、トリ(2,2-ジメチルエタ-1-イル)シリルである。
【0051】
化合物が、水素の移動によって構造が形式的に一般式(I)によって網羅されない互変異体を形成し得る場合であっても、特定の互変異体が考慮されない限りは、これらの互変異体は、本発明による一般式(I)の化合物の定義によって網羅される。例えば、多くのカルボニル化合物が、ケト型及びエノール型の両方で存在し得るものであり、両方の形態が一般式(I)の化合物の定義によって包含される。
【0052】
置換基の性質及びそれらが結合している形態に応じて、一般式(I)の化合物は、立体異性体として存在することができる。エナンチオマー、ジアステレオマー、Z及びE異性体のようなそれらの特定の三次元型によって定義される可能な立体異性体は、いずれも一般式(I)によって包含される。例えば、1以上のアルケニル基が存在する場合、ジアステレオマー(Z及びE異性体)が生じ得る。例えば、1以上の不斉炭素原子が存在する場合、エナンチオマー及びジアステレオマーが生じる可能性がある。立体異性体は、一般的な分離方法によって、製造で得られる混合物から得ることができる。クロマトグラフィー分離を、エナンチオマー過剰若しくはジアステレオマー過剰を見出すための分析規模で又は生物試験のための試験試料を製造するための分取規模で、行うことができる。同様に、光学活性な原料及び/又は補助剤を用いる立体選択的反応を用いることで、立体異性体を選択的に製造することが可能である。そこで本発明は、一般式(I)によって包含されるが、具体的な立体異性体型では示されていない全ての立体異性体、並びにそれらの混合物に関するものでもある。
【0053】
化合物が固体として得られる場合、精製は、再結晶または消化によって行うこともできる。個々の化合物(I)が下記の経路によって満足な形で得ることができない場合、それらは、他の化合物(I)の誘導体化によって製造することができる。
【0054】
一般式(I)の化合物の好適な単離方法、精製方法および立体異性体分離方法は、類似のケースから当業者には公知である方法であり、例えば、結晶化、クロマトグラフィー法、特にカラムクロマトグラフィーおよびHPLC(高速液体クロマトグラフィー)、適宜に減圧下での蒸留、抽出その他の方法のような物理的方法によるものであり、残った混合物は、例えばキラル固体相でのクロマトグラフィー分離によって分離することができる。分取量に好適なもの、または工業的規模で好適なものは、例えば光学活性酸を用いてジアステレオマー混合物から得ることができるジアステレオマー塩の結晶化のような方法であり、適切であれば、酸性基が存在する場合には、光学活性塩基を用いる。
【0055】
本発明は、本発明による一般式(I)の化合物の製造方法も特許請求するものである。
【0056】
本発明による一般式(I)の化合物は、とりわけ、公知の方法を用いて製造することができる。使用及び検討された合成経路は、市販されているか容易に製造可能な構成要素から進行する。下記の図式において、一般式(I)の部分X、A、R1、R2、R3及びmは、例示的であって非限定的な定義が提供されない限り、上記で定義の意味を有する。
【0057】
AがS(O)
nを表す本発明による化合物は、例えば、図式1に示した方法によって製造することができる。
【化3】
【0058】
図式1
一般式(Ia)のピリジン類は、亜鉛(0)及びパラジウム触媒(例えば、Pd(dppf)Cl2・CH2Cl2)、又は、銅(0)及び塩基の存在下に、LGが脱離基を表すピリジン類(E-III)を、ジスルフィド(E-IV)とカップリングさせることで製造することができる。塩基は、アルカリ金属(例えば、ナトリウム又はカリウム)の酢酸塩であることができる。その反応は、通常、有機溶媒、例えばテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド又はジメチルホルムアミド中、0℃から溶媒の沸点までの温度で行う。
【0059】
一般式(E-III)のピリジン類は、塩基存在下に、ピリジン類(E-I)の、LGが脱離基を表すピリ(ミ)ジン(E-II)及び銅(I)塩によるアルキル化によって製造することができる。その塩基は、アルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム又はセシウム)の炭酸塩であることができる。その銅塩は、銅ハライド、例えばヨウ化銅(I)であることができる。その反応は、通常、有機溶媒、例えばアセトニトリル又はジメチルホルムアミド中、0℃から溶媒の沸点までの温度で行う。
【0060】
一般式(E-I)のピリジン類は文献から公知であり、例えば、Organic Letters(2016),18,3106-9、WO2013/14170に記載の方法及び同様の方法に従って製造することができる。
【0061】
nが1若しくは2を表す本発明による化合物は、例えば図式2に示した方法によって製造することができる。
【化4】
【0062】
図式2
一般式(Ib)のスルホン類及びスルホキシド類は、ピリジン類(Ia)の酸化によって製造することができる。そのような反応は当業者によって知られており、例えば、Advanced Synthesis&Catalysis(2011),353(2+3),295-302に記載されている。
【化5】
【0063】
図式3
一般式(Ic)のピリジン類は、パラジウム触媒(例えばPd(PPh3)4)及び塩基の存在下に、ピリジン類(E-VII)を、Halがハロゲンを表すアルキルハライド(E-VIII)とカップリングさせることで製造することができる。その塩基は、アルカリ金属(例えばナトリウム又はカリウム)の炭酸塩であることができる。その反応は、通常、有機溶媒、例えば水を含有する若しくは含有しないテトラヒドロフラン、トルエン又はエタノール中、0℃から溶媒の沸点までの温度で行う。
【0064】
一般式(E-VII)のピリジン類は、パラジウム触媒(例えばPd(MeCN)2Cl2)、配位子(例えばXPhos)及び塩基の存在下に、Halがハロゲンを表すピリジン類(E-VI)をピナコールボラン若しくはビス(ピナコラト)ジボロンとカップリングさせることで製造することができる。その塩基は、アミン(例えばトリエチルアミン)であることができる。その反応は、通常、有機溶媒、例えばテトラヒドロフラン又はジオキサン中、0℃から溶媒の沸点までの温度で行う。
【0065】
一般式(E-VI)のピリジン類は、塩基の存在下に、ピリジン類(E-V)を、LGが脱離基を表すピリ(ミ)ジン(E-II)及び銅(I)塩でアルキル化することで製造することができる。その塩基は、アルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム又はセシウム)の炭酸塩であることができる。その銅塩は、銅ハライド、例えばヨウ化銅(I)であることができる。その反応は、通常、有機溶媒、例えばアセトニトリル又はジメチルホルムアミド中、0℃から溶媒の沸点までの温度で行う。
【0066】
一般式(E-V)のピリジン類は文献から公知であり、例えば、J.Am.Chem.Soc.(1952),74,1916-9に記載の方法のような方法によって製造することができる。
【化6】
【0067】
図式4
一般式(Id)のピリジン類は、塩基の存在下に、ピリジン類(E-XII)を、LGが脱離基を表すピリ(ミ)ジン(E-II)及び銅(I)塩でアルキル化することで製造することができる。その塩基は、アルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム又はセシウム)の炭酸塩であることができる。その銅塩は、銅ハライド、例えばヨウ化銅(I)であることができる。その反応は、通常、有機溶媒、例えばアセトニトリル又はジメチルホルムアミド中、0℃から溶媒の沸点までの温度で行う。
【0068】
一般式(E-XII)のピリジン類は、臭化水素酸及び酢酸又は三臭化ホウ素の存在下にピリジン類(E-XI)を脱メチル化することで製造することができる。三臭化ホウ素との反応は、通常、有機溶媒、例えばジクロロメタン中、0℃から溶媒の沸点までの温度で行う。
【0069】
一般式(E-XI)のピリジン類は、銅(II)触媒(例えばCu(OAc)2)及び塩基の存在下に、ピリジン類(E-IX)をボロン酸(E-X)とカップリングさせることで製造することができる。その塩基は、アミン(例えばトリエチルアミン)であることができる。その反応は、通常、有機溶媒、例えばジクロロメタン中、0℃から溶媒の沸点までの温度で行う。
【0070】
一般式(E-IX)のピリジン類は文献から公知であり、例えばEP1357111に記載の方法及び類似の方法に従って製造することができる。
【0071】
本発明による一般式(I)の化合物についての選択された詳細な合成例を下記に示す。下記のセクションに記載の化学例において報告される1H-NMR、13C-NMR及び19F-NMRスペクトル測定データ(1H-NMRの場合は400MHz及び13C-NMRの場合は150MHz及び19F-NMRの場合は375MHz、溶媒:CDCl3、CD3OD又はd6-DMSO、内部標準:テトラメチルシランδ=0.00ppm)は、ブルカー(Bruker)装置で得たものであり、列記のシグナルは、次のような意味を有する、即ち、br=広い;s=一重線、d=二重線、t=三重線、dd=二重線の二重線、ddd=二重線の二重線の二重線、m=多重線、q=四重線、quint=五重線、sext=六重線、sept=七重線、dq=四重線の二重線、dt=三重線の二重線である。ジアステレオマー混合物の場合、二つのジアステレオマーそれぞれの重要なシグナルを報告するか、主要ジアステレオマーの特徴的シグナルを報告している。化学基について使用される略称は、例えば、次の意味を有する。即ち、Me=CH3、Et=CH2CH3、t-Hex=C(CH3)2CH(CH3)2、t-Bu=C(CH3)3、n-Bu=非分岐ブチル、n-Pr=非分岐プロピル、i-Pr=分岐プロピル、c-Pr=シクロプロピル、c-Hex=シクロヘキシルである。
【0072】
合成例:
表実施例番号I-216:
合成段階1:2-[(3-ブロモ-4-メチル-2-ピリジル)オキシ]ピリミジン
【化7】
【0073】
マイクロ波装置中、3-ブロモ-4-メチルピリジン-2-オール(1.00g、5.32mmol)、2-クロロピリミジン(609mg、5.32mmol)、ヨウ化銅(I)(1.02g、5.36mmol)、炭酸セシウム(3.50g、10.8mmol)及びDMF(15mL)の混合物を、窒素下に150℃で1時間加熱する。得られた反応混合物を濾過し、濃縮する。得られた粗生成物を酢酸エチルに溶かし、その溶液を、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮する。カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン勾配)による得られた粗生成物の最終精製によって、2-[(3-ブロモ-4-メチル-2-ピリジル)オキシ]ピリミジンが得られる(110mg、理論値の8%)。
【0074】
合成段階2:2-[(4-メチル-3-フェニルスルファニル-2-ピリジル)オキシ]ピリミジン(表実施例番号I-216):
【化8】
【0075】
窒素下に、2-[(3-ブロモ-4-メチル-2-ピリジル)オキシ]ピリミジン(280mg、1.05mmol)、ジフェニルジスルフィド(138mg、0.63mmol)、銅(100mg、1.58mmol)、酢酸カリウム(206mg、2.10mmol)及びジメチルスルホキシド(6mL)の混合物を、100℃で40時間加熱する。得られた反応混合物を濾過し、濃縮する。カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン勾配)による最終精製によって、2-[(4-メチル-3-フェニルスルファニル-2-ピリジル)オキシ]ピリミジン(74mg、理論値の24%)を単離する。
【0076】
表実施例番号I-533:
合成段階1:2-メトキシ-6-メチル-3-フェノキシピリジン:
【化9】
【0077】
アルゴン下及び室温で、2-メトキシ-6-メチルピリジン-3-オール(960mg、6.89mmol)、ベンゼンボロン酸(1.00g、8.27mmol)、酢酸銅(II)(2.13g、11.7mmol)、トリエチルアミン(1.92mL、13.7mmol)、4Åモレキュラーシーブス及びジクロロメタン(38mL)の混合物を72時間攪拌する。得られた反応混合物を濾過し、濃縮する。カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン勾配)による最終精製によって、2-メトキシ-6-メチル-3-フェノキシピリジン(925mg、理論値の62%)を単離する。
【0078】
合成段階2:6-メチル-3-フェノキシピリジン-2-オール:
【化10】
【0079】
2-メトキシ-6-メチル-3-フェノキシピリジン(925mg、4.29mmol)、臭化水素酸(45%強度の酢酸中溶液、5.2mL、42.9mmol)及び酢酸(20mL)の混合物を、100℃で1時間加熱する。得られた反応混合物を濃縮する。粗生成物を水に溶かし、2M NaOHでpH5に調節し、酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮する。これによって、6-メチル-3-フェノキシピリジン-2-オール(680mg、理論値の78%)が得られる。
【0080】
合成段階3:2-[(6-メチル-3-フェノキシ-2-ピリジル)オキシ]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン(表実施例番号I-533):
【化11】
【0081】
6-メチル-3-フェノキシピリジン-2-オール(150mg、0.74mmol)、2-クロロ-5-トリフルオロメチルピリミジン(280mg、1.52mmol)、ヨウ化銅(I)(28mg、0.14mmol)、炭酸セシウム(485mg、1.49mmol)及びアセトニトリル(4mL)の混合物を、100℃で3時間加熱する。得られた反応混合物を濾過し、濃縮する。カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン勾配)による最終精製によって、2-[(6-メチル-3-フェノキシ-2-ピリジル)オキシ]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン(153mg、理論値の59%)を単離する。
【0082】
表実施例番号I-478:
合成段階1:2-[(3-ブロモ-4,6-ジメチル-2-ピリジル)オキシ]-5-フルオロピリミジン
【化12】
【0083】
3-ブロモ-4,6-ジメチルピリジン-2-オール(3.35g、16.5mmol)、2-クロロ-5-フルオロピリミジン(3.29g、24.8mmol)、ヨウ化銅(I)(630mg、3.31mmol)、炭酸セシウム(10.8g、33.1mmol)及びジメチルホルムアミド(15mL)の混合物を、130℃で18時間加熱する。得られた反応混合物を濾過し、濃縮する。カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン勾配)による最終精製後、2-[(3-ブロモ-4、6-ジメチル-2-ピリジル)オキシ]-5-フルオロピリミジン(1.58g、理論値の32%)を単離する。
【0084】
合成段階2:2-[[4,6-ジメチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-ピリジル]オキシ]-5-フルオロピリミジン:
【化13】
【0085】
アルゴン下に、2-[(3-ブロモ-4,6-ジメチル-2-ピリジル)オキシ]-5-フルオロピリミジン(1.54g、5.15mmol)、ピナコールボラン(920mg、7.21mmol)、トリエチルアミン(4.1mL、29.3mmol)、Pd(MeCN)2Cl2(54mg、0.20mmol)、X-Phos(197mg、0.41mmol)及びジオキサン(25mL)の混合物を、110℃で8時間加する。得られた反応混合物を濾過し、濃縮する。カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン勾配)による最終精製によって、2-[[4,6-ジメチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-ピリジル]オキシ]-5-フルオロピリミジン(1.58g、理論値の89%)を単離する。
【0086】
合成段階3:2-[(3-ベンジル-4,6-ジメチル-2-ピリジル)オキシ]-5-フルオロピリミジン(表実施例番号I-478)
【化14】
【0087】
アルゴン下に、2-[[4,6-ジメチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-ピリジル]オキシ]-5-フルオロピリミジン(140mg、0.40mmol)、ベンジルブロミド(105mg、0.60mmol)、炭酸ナトリウム(86mg、0.81mmol)、Pd(PPh3)4(47mg、0.04mmol)、トルエン(1.3mL)、エタノール(0.3mL)及び水(0.3mL)の混合物を、80℃で1.5時間加熱する。得られた反応混合物を濾過し、濃縮する。カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン勾配)による最終精製によって、2-[(3-ベンジル-4,6-ジメチル-2-ピリジル)オキシ]-5-フルオロピリミジン(98mg、理論値の78%)を単離する。
【0088】
上記で引用された及び適切な時点で列挙された製造例と同様にして、下記で記載の及び表1に示した一般式(I)の化合物が得られる。
【化15】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】
選択された実施例のNMRデータ(最終生成物及び中間体)
NMRピークリスト法
選択された実施例の1H NMRデータは、1H-NMRピークリストの形態で記載される。各シグナルピークについて、最初にδ値(ppm単位)と次に小括弧内のシグナル強度が列記されている。異なるシグナルピークについてのδ値-シグナル強度数値のペアは、セミコロンによって互いに分離されて列記されている。
【0115】
従って、一つの実施例のピークリストは、下記の形を取る。
【0116】
δ1(強度1);δ2(強度2)...;δi(強度i);...;δn(強度n)
鋭いシグナルの強度は、cm単位でのNMRスペクトラムのプリント例におけるシグナルの高さと相関しており、シグナル強度の真の比を示す。広いシグナルの場合、いくつかのピーク若しくはそのシグナルの中央並びにそれの相対強度を、スペクトラム中の最も強いシグナルとの比較で示すことができる。
【0117】
1H NMRスペクトラムの化学シフトの較正のため、本発明者らは、テトラメチルシラン及び/又は特にDMSO中で測定されるスペクトラムの場合には使用される溶媒の化学シフトを用いる。従って、NMRピークリストにおいては、テトラメチルシランピークがある場合があるが、必ずしもそうである必要はない。
【0118】
1H NMRピークのリストは、旧来の1H NMRプリントと同様であることから、通常は、旧来のNMR解釈で列記される全てのピークを含む。
【0119】
さらに、旧来の1H NMRプリントのように、それらは、溶媒シグナル、やはり本発明の主題の一部を形成する標的化合物の立体異性体のシグナル及び/又は不純物のピークのシグナルを示し得る。
【0120】
溶媒及び/又は水のδ範囲内で化合物シグナルを報告するにおいて、本発明者らの1H-NMRピークリストでは、通常溶媒ピーク、例えば、通常は概して高い強度を有するDMSO-D6中のDMSOのピーク及び水のピークが示されている。
【0121】
標的化合物の立体異性体のピーク及び/又は不純物のピークは、通常は、標的化合物のピークより概して低い強度を有する(例えば、純度>90%)。
【0122】
そのような立体異性体及び/又は不純物は、特定の製造方法に代表的なものであり得る。従って、それらのピークは、この場合、「副生成物フィンガープリント」を参照して本発明者らの製造方法の再現性を確認する上で役立ち得る。
【0123】
公知の方法(MestreC、ACDシミュレーションで、さらには、経験的に評価される期待値で)で標的化合物のピークを計算する専門家であれば、必要に応じて適宜に別の強度フィルターを用いて標的化合物のピークを分離することができる。この分離は、旧来の1H NMR解釈での関連ピーク選択と同様であると考えられる。
【0124】
研究開示データベース番号(the Research Disclosure Database Number)564025に、
1H NMRピークリストのさらなる詳細がある。
【表2】
【0125】
【0126】
【0127】
【0128】
最終生成物のNMRデータ(手動による評価)
【表3】
【0129】
本発明はさらに、上記で定義の1以上の一般式(I)の化合物及び/又はその塩、好ましくは、好ましい若しくは特に好ましいと確認される実施形態の一つでの、特には上記で定義の各場合での式(I-001)~(I-662)の1以上の化合物及び/又はその塩の、除草剤及び/又は植物成長調節剤としての、好ましくは有用作物の作物及び/又は観賞植物での使用を提供する。
【0130】
本発明はさらに、有害植物を防除する及び/又は植物成長を調節する方法であって、有効量の
-1以上の上記で定義の一般式(I)の化合物及び/又はその塩、好ましくは、好ましい若しくは特に好ましいと確認される実施形態の一つでの、特には、上記で定義の各場合での式(I-001)~(I-662)の1以上の化合物及び/又はその塩、又は
-下記で定義の本発明による組成物
を、(有害)植物、(有害)植物の種子、(有害)植物が中で又は上で成長する土壌又は耕作中の区画に施用することを特徴とする方法を提供する。
【0131】
本発明はまた、望ましくない植物、好ましくは有用植物の作物における防除方法であって、有効量の
-1以上の上記で定義の一般式(I)の化合物及び/又はその塩、好ましくは、好ましい若しくは特に好ましいと確認される実施形態の一つでの、特には、上記で定義の各場合での式(I-001)~(I-662)の1以上の化合物及び/又はその塩、又は
-下記で定義の本発明による組成物
を、望ましくない植物(例えば、単子葉若しくは双子葉雑草又は望ましくない作物植物などの有害植物)、望ましくない植物の種子(即ち、植物種子、例えば穀粒、種子又は栄養繁殖器官、例えば塊茎又は芽を有する若枝部)、望ましくない植物が中で若しくは上で成長する土壌(例えば、耕作地又は非耕作地の土壌)又は耕作中の区画(即ち、望ましくない植物が成長する区画)に施用することを特徴とする方法を提供する。
【0132】
本発明はまたさらに、植物、好ましくは有用植物の成長を調節するために制御する方法であって、有効量の
-1以上の上記で定義の一般式(I)の化合物及び/又はその塩、好ましくは、好ましい若しくは特に好ましいと確認される実施形態の一つでの、特には、上記で定義の各場合での式(I-001)~(I-662)の1以上の化合物及び/又はその塩、又は
-下記で定義の本発明による組成物
を、植物、植物の種子(即ち、植物種子、例えば穀粒、種子又は栄養繁殖器官、例えば塊茎又は芽を有する若枝部)、植物が中で若しくは上で成長する土壌(例えば、耕作地又は非耕作地の土壌)又は耕作中の区画(即ち、植物が成長する区画)に施用することを特徴とする方法を提供する。
【0133】
この文脈において、本発明による化合物又は本発明による組成物は、例えば、播種前プロセスにより(適切な場合、土壌中に組み込むことによっても)、発芽前プロセスにより、及び/又は発芽後プロセスにより施用することができる。本発明による化合物によって防除可能な単子葉雑草及び双子葉雑草相のいくつかの代表的なものの具体例は次の通りであるが、ただし、列挙を特定の植物種に制限する意図はない。
【0134】
本発明による有害植物の防除又は植物成長調節方法において、有害植物の防除、又は有用植物の作物若しくは観賞植物における成長調節に、1以上の一般式(I)の化合物及び/又はその塩が好ましく用いられ、好ましい実施形態において、有用植物若しくは観賞植物は、トランスジェニック植物である。
【0135】
本発明による一般式(I)の化合物及び/又はそれらの塩は、単子葉及び双子葉有害植物の下記の属を防除するのに適している。
【0136】
単子葉有害植物の属:エギロプス属(Aegilops)、カモジグサ属(Agropyron)、コヌカグサ属(Agrostis)、スズメノテッポウ属(Alopecurus)、セイヨウヌカボ属(Apera)、カラスムギ属(Avena)、ニクキビ属(Brachiaria)、スズメノチャヒキ属(Bromus)、クリノイガ属(Cenchrus)、ツユクサ属(Commelina)、ギョウギシバ属(Cynodon)、カヤツリグサ属(Cyperus)、タツノツメガヤ属(Dactyloctenium)、メヒシバ属(Digitaria)、ヒエ属(Echinochloa)、ハリイ属(Eleocharis)、オヒシバ属(Eleusine)、カゼクサ属(Eragrostis)、ナルコビエ属(Eriochloa)、ウシノケグサ属(Festuca)、テンツキ属(Fimbristylis)、アメリカコナギ属(Heteranthera)、チガヤ属(Imperata)、カモノハシ属(Ischaemum)、アゼガヤ属(Leptochloa)、ドクムギ属(Lolium)、ミズアオイ属(Monochoria)、キビ属(Panicum)、スズメノヒエ属(Paspalum)、クサヨシ属(Phalaris)、アワガエリ属(Phleum)、イチゴツナギ属(Poa)、ツノアイアシ属(Rottboellia)、オモダカ属(Sagittaria)、アブラガヤ属(Scirpus)、エノコログサ属(Setaria)、モロコシ属(Sorghum)。
【0137】
双子葉有害植物の属:イチビ属(Abutilon)、ヒユ属(Amaranthus)、ブタクサ属(Ambrosia)、アノダ属(Anoda)、カミツレモドキ属(Anthemis)、アファネス(Aphanes)、ヨモギ属(Artemisia)、アトリプレックス属(Atriplex)、ヒナギク属(Bellis)、センダングサ属(Bidens)、ナズナ属(Capsella)、ヒレアザミ属(Carduus)、ナンバンサイカチ属(Cassia)、ヤグルマギク属(Centaurea)、アカザ属(Chenopodium)、アザミ属(Cirsium)、セイヨウヒルガオ属(Convolvulus)、チョウセンアサガオ属(Datura)、ヌスビトハギ属(Desmodium)、エメックス(Emex)、エゾスズシロ属(Erysimum)、トウダイグサ属(Euphorbia)、チシマオドリコソウ属(Galeopsis)、コゴメギク属(Galinsoga)、ヤエムグラ属(Galium)、フヨウ属(Hibiscus)、サツマイモ属(Ipomoea)、ホウキギ属(Kochia)、オドリコソウ属(Lamium)、マメグンバイナズナ属(Lepidium)、アゼナ属(Lindernia)、シカレギク属(Matricaria)、ハッカ属(Mentha)、ヤマアイ属(Mercurialis)、ムルゴ(Mullugo)、ワスレナグサ属(Myosotis)、ケシ属(Papaver)、アサガオ属(Pharbitis)、オオバコ属(Plantago)、タデ属(Polygonum)、スベリヒユ属(Portulaca)、キンポウゲ属(Ranunculus)、ダイコン属(Raphanus)、イヌガラシ属(Rorippa)、キカシグサ属(Rotala)、スイバ属(Rumex)、オカヒジキ属(Salsola)、キオン属(Senecio)、ツノクサネム属(Sesbania)、キンゴジカ属(Sida)、シロガラシ属(Sinapis)、ナス属(Solanum)、ハチジョウナ属(Sonchus)、ナガボノウルシ属(Sphenoclea)、ハコベ属(Stellaria)、タンポポ属(Taraxacum)、グンバイナズナ属(Thlaspi)、ジャジクソウ属(Trifolium)、イラクサ属(Urtica)、クワガタソウ属(Veronica)、スミレ属(Viola)、オナモミ属(Xanthium)。
【0138】
本発明による一般式(I)の化合物を、有害植物(イネ科雑草及び/又は広葉雑草)の発芽前(発芽前法)に土壌表面に施用する場合、イネ科雑草又は広葉雑草の苗が発芽するのが完全に防止されるか、それらが子葉段階に達するまで成長するが、その後に成長が停止し、最終的に3~4週間経過した後に完全に枯死する。
【0139】
一般式(I)の活性化合物が植物の緑色部分に発芽後施用される場合、処置後に成長は停止し、そして有害植物は、施用時の成長段階にとどまるか、又は一定期間の後、完全に枯死するために、そのようにして、作物にとって有害である雑草との競合が非常に早期にかつ持続的になくなる。
【0140】
本発明による一般式(I)の化合物は単子葉及び双子葉の雑草に対して顕著な除草活性を示すが、経済的に重要な作物の作物、例えばラッカセイ属(Arachis)、フダンソウ属(Beta)、アブラナ属(Brassica)、キュウリ属(Cucumis)、カボチャ属(Cucurbita)、ヒマワリ属(Helianthus)、ニンジン属(Daucus)、ダイズ属(Glycine)、ワタ属(Gossypium)、サツマイモ属(Ipomoea)、アキノノゲシ属(Lactuca)、アマ属(Linum)、トマト属(Lycopersicon)、ススキ属(Miscanthus)、タバコ属(Nicotiana)、インゲンマメ属(Phaseolus)、エンドウ属(Pisum)、ナス属(Solanum)、ソラマメ属(Vicia)の双子葉作物、又はネギ属(Allium)、アナナス属(Ananas)、アスパラガス属(Asparagus)、カラスムギ属(Avena)、オオムギ属(Hordeum)、イネ属(Oryza)、キビ属(Panicum)、サトウキビ属(Saccharum)、ライムギ属(Secale)、モロコシ属(Sorghum)、ライコムギ属(Triticale)、コムギ属(Triticum)、トウモロコシ属(Zea)の単子葉作物は、本発明による個々の化合物の構造及びその施用量に応じて、わずかの程度しか又はまったく損傷を受けない。このため、本化合物は、農業上有用な植物又は観賞植物のような植物作物における望ましくない植物成長を選択的に防除する上で非常に適している。
【0141】
さらに、本発明による一般式(I)の化合物は、(それらの特定の構造及び施用される施用量に応じて)作物において優れた成長調節性を有する。それは、調節的に植物自体の代謝に関与することから、植物の構成に制御された影響を与えるために、そして、例えば乾燥及び成長阻害を誘発することによる収穫向上に使用することができる。さらに、それは、そのプロセスにおいて植物を殺すことなく望ましくない植物成長を抑制及び阻害するのに適している。植物成長の阻害は、例えばそれによって結果的にこれが寄宿を減らすか又は完全に防止することができることから、多くの単子葉作物及び双子葉作物において大きな役割を果たす。
【0142】
また、一般式(I)の活性化合物は、その除草性及び植物成長調節性のため、遺伝子操作された植物又は従来の突然変異誘発によって改変された植物の作物において有害植物を防除するために使用することもできる。一般に、トランスジェニック植物は、特定の有益な性質により、例えばある種の農薬、特にはある種の除草剤に対する抵抗性、植物病害又は植物病害の病原体、例えばある種の昆虫若しくは微生物、例えば真菌、細菌若しくはウイルスに対する抵抗性を特徴とする。他の特定の特性は、例えば収穫物の量、品質、貯蔵性、組成及び具体的な構成に関係する。例えば、デンプン含量が増加した若しくはデンプン品質が変わったトランスジェニック植物又は収穫物において異なる脂肪酸組成を有するものが知られている。
【0143】
トランスジェニック作物を考慮すると、有用植物及び観賞植物の経済的に重要なトランスジェニック作物、例えばコムギ、オオムギ、ライムギ、カラスムギ、キビ、イネ及びトウモロコシのような穀物又は他にテンサイ、ワタ、ダイズ、アブラナ、ジャガイモ、トマト、エンドウ及び他の野菜の作物において本発明による一般式(I)の化合物及び/又はその塩を使用することが好ましい。
【0144】
好ましくは、抵抗性であるか除草剤の植物毒性効果に対して組換え手段によって抵抗性となった有用植物の作物において、除草剤として本発明による一般式(I)の化合物を使用することも好ましい。
【0145】
除草特性及び植物成長調節特性により、本発明による一般式(I)の化合物を、公知の又はまだ開発される遺伝子操作された植物において有害植物を防除するのに使用することもできる。一般に、トランスジェニック植物は、特定の有利な特性によって、例えばある種の農薬、特にはある種の除草剤に対する抵抗性、植物病害又は植物病害の病原となる生物体、例えばある種の昆虫若しくは微生物、例えば真菌、細菌若しくはウイルスに対する抵抗性によって特徴化される。他の特別な特性は、例えば量、品質、貯蔵性、組成及び具体的な構成に関しての収穫物に関係する。例えば、デンプン含量が増加した若しくはデンプン品質が変わったトランスジェニック植物又は収穫物が異なる脂肪酸組成を有するものが公知である。さらなる特別な特性は、例えば、熱、低温、干魃、塩害及び紫外線照射のような非生物的ストレス因子に対する耐容性若しくは抵抗性であることができる。
【0146】
有用植物及び観賞植物の経済的に重要なトランスジェニック作物、例えばコムギ、オオムギ、ライムギ、カラスムギ、ライコムギ、キビ、イネ、キャッサバ及びトウモロコシのような穀物、又は、他にテンサイ、ワタ、ダイズ、アブラナ、ジャガイモ、トマト、エンドウ及び他の野菜の作物において、本発明による一般式(I)の化合物又はその塩を使用することが好ましい。
【0147】
抵抗性であるか除草剤の植物毒性効果に対して組換え手段によって抵抗性となった有用植物の作物において、除草剤として一般式(I)の化合物を使用することが好ましい。
【0148】
既存の植物と比較して改変された性質を有する新規植物を作る慣用の方法は、例えば、従来の栽培法及び突然変異体の生成である。或いは、改変された性質を有する新規植物は、組換え法を用いて形成することができる。
【0149】
改変された性質を有する新規なトランスジェニック植物を形成することができる多くの分子生物学的技術は、当業者には知られている。このような組換え操作を行うために、突然変異誘発又はDNA配列の組換えによる配列改変を可能にする核酸分子を、プラスミド中に導入することができる。例えば、標準法の助けを得て、例えば、塩基交換を実施し、部分配列を除去し、又は天然若しくは合成配列を付加することができる。DNA断片を互いに連結するために、断片にアダプター又はリンカーを付加させることができる。
【0150】
例えば、遺伝子産物において活性が低下した植物細胞の形成は、少なくとも一つの対応するアンチセンスRNA、共抑制効果を達成するためのセンスRNAの発現によって、又は、具体的には前記の遺伝子産物の転写産物を切断する少なくとも一つの好適に構築されたリボザイムの発現によって達成することができる。
【0151】
これを行うために、第1に、存在し得るあらゆる隣接配列を含む遺伝子産物のコード配列全てを含むDNA分子、及び、コード配列の一部のみを含むDNA分子を使用することができ、その場合、これらの部分は、細胞にアンチセンス効果をもたらすのに十分長い必要がある。また、遺伝子産物のコード配列と高度に相同性を有するが、完全にそれと同一なわけではないDNA配列を用いることもできる。
【0152】
植物中で核酸分子を発現するとき、合成されたタンパク質は、植物細胞の所望の区画に局在化してもよい。しかしながら、特定の区画での局在化を行うには、例えば、特定の区画での局在化を確保するDNA配列にコード領域を連結させることが可能である。そのような配列は、当業者には公知である(例えば、Braunら、EMBO J.11(1992),3219-3227参照)。また、核酸分子は、植物細胞の細胞小器官で発現させることもできる。
【0153】
トランスジェニック植物細胞は、植物全体を生じさせる公知の技術によって再生することができる。基本的に、トランスジェニック植物は、あらゆる所望の植物種、すなわち単子葉だけでなく双子葉の植物であることもできる。
【0154】
従って、相同性(=生来の)遺伝子若しくは遺伝子配列の過剰発現、抑制若しくは阻害又は非相同性(=外来の)遺伝子若しくは遺伝子配列の発現によって、性質が改変されたトランスジェニック植物を得ることができる。
【0155】
例えばジカンバのような成長調節剤に対して、又は、必須の植物酵素、例えばアセト乳酸シンターゼ(ALS)、EPSPシンターゼ、グルタミンシンターゼ(GS)若しくはヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)を阻害する除草剤に対して、又はスルホニル尿素、グリホセート、グルホシネート又はベンゾイルイソオキサゾール及び類似の活性化合物の群からの除草剤に対して抵抗性であるトランスジェニック作物において、本発明の化合物を使用するのが好ましい。
【0156】
本発明による一般式(I)の化合物をトランスジェニック作物に使用するとき、他の作物で観察される有害植物に対する効果があるだけでなく、非常に多くの場合、特定のトランスジェニック作物における施用に対して特有の効果、例えば、防除することができる雑草スペクトルの変更若しくは特に拡大、施用に用いることができる施用量の変更、好ましくはトランスジェニック作物が抵抗性である除草剤との良好な併用性(combinability)並びにトランスジェニック作物植物の成長及び収穫量への影響もある。
【0157】
従って、本発明は、有用な植物の作物若しくは観賞植物において、任意にトランスジェニック作物植物において、有害植物を防除するための除草剤としての本発明による一般式(I)の化合物及び/又はその塩の使用に関するものでもある。
【0158】
発芽前若しくは発芽後法による、穀類、ここでは好ましくはトウモロコシ、コムギ、オオムギ、ライムギ、カラスムギ、キビ又はイネでの一般式(I)の化合物の使用が好ましい。
【0159】
発芽前若しくは発芽後法による、ダイズでの一般式(I)の化合物の使用も好ましい。
【0160】
有害植物の防除又は植物の成長調節のための本発明の式(I)の化合物の使用は、一般式(I)の化合物又はその塩が、植物表面、植物体内又は土壌中での施用後まで前駆体物質(「プロドラッグ」)から形成されない場合も含む。
【0161】
本発明はまた、有効量の1以上の一般式(I)の化合物又はその塩を、植物(有害植物、適切な場合は有用植物とともに)、植物種子、植物が内部又は表面で成長する土壌又は耕作下の区画に施用することを含む、有害植物の防除又は植物成長調節のための1以上の一般式(I)の化合物若しくはその塩又は本発明による組成物(下記で定義)の使用(方法での)を提供する。
【0162】
本発明はまた、除草剤組成物及び/又は植物成長調節組成物を提供し、当該組成物は、
(a)1以上の上記で定義の一般式(I)の化合物及び/又はその塩、好ましくは、好ましい若しくは特に好ましいと確認された実施形態の一つでの、特には上記で定義の各場合での1以上の式(I-001)~(I-662)の化合物及び/又はその塩、
及び
(b)下記の群(i)及び/又は(ii)から選択される1以上のさらなる物質:
(i)1以上のさらに別の農薬活性物質、好ましくは殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、さらに別の除草剤(即ち、上記で定義の一般式(I)に一致しないもの)、殺菌剤、薬害軽減剤、肥料、及び/又は、さらに別の成長調節剤から選択されるもの、
(ii)作物保護で慣用の1以上の製剤補助剤。
【0163】
ここで、本発明による組成物の成分(i)のさらなる農薬活性物質は、好ましくは、″The Pesticide Manual″, 16th edition, The British Crop Protection Council and the Royal Soc.of Chemistry,2012で言及されている物質の群から選択される。
【0164】
本発明による除草剤組成物又は植物成長調節組成物は、作物保護で一般的な1、2、3若しくはそれ以上の製剤補助剤(ii)を含み、界面活性剤、乳化剤、分散剤、フィルム形成剤、増粘剤、無機塩、散布剤、25℃及び1013mbarで固体である担体、好ましくは吸着性粒状不活性材料、湿展剤、酸化防止剤、安定剤、緩衝剤物質、消泡剤、水、有機溶媒、好ましくは25℃及び1013mbarであらゆる比率で水と混和性である有機溶媒からなる群から選択される。
【0165】
本発明による一般式(I)の化合物は、水和剤、乳剤、噴霧液、粉剤又は粒剤の形態で慣用の製剤で用いることができる。従って、本発明はまた、一般式(I)の化合物及び/又はその塩を含む除草及び植物成長調節組成物を提供する。
【0166】
本発明による一般式(I)の化合物及び/又はその塩は、どの生理的及び/又は物理化学的パラメータが特定されているかに応じて、各種形態で製剤することができる。可能な製剤には、例えば、水和剤(WP)、水溶剤(SP)、水溶性濃縮物、乳剤(EC)、乳濁液(EW)、例えば水中油及び油中水型乳濁液、噴霧液、懸濁液の濃縮物(SC)、油系若しくは水系の分散液、油剤、カプセル懸濁液(CS)、粉剤(DP)、粉衣剤、散布及び土壌施用のための粒剤、微粒剤の形態の粒剤(GR)、噴霧粒剤、吸収粒剤及び吸着粒剤、水分散性粒剤(WG)、水溶性粒剤(SG)、ULV製剤、マイクロカプセル並びにロウを含む。
【0167】
これらの個々の製剤タイプ及び製剤補助剤、例えば不活性材料、界面活性剤、溶媒及びさらなる添加剤は当業者に知られており、例えばWatkins,″Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers″,第2版,Darland Books,Caldwell N.J.;H.v.Olphen,″Introduction to Clay Colloid Chemistry″;第2版,J.Wiley&Sons,N.Y.;C.Marsden,″Solvents Guide″;第2版,Interscience,N.Y.1963;McCutcheon′s″Detergents and Emulsifiers Annual″,MC Publ.Corp.,Ridgewood N.J.;Sisley and Wood,″Encyclopedia of Surface Active Agents″,Chem.Publ.Co.Inc.,N.Y.1964;Schoenfeldt,″Grenzflaechenaktive Aethylenoxidaddukte″[Interface-active Ethylene Oxide Adducts],Wiss.Verlagsgesellschaft, Stuttgart 1976;Winnacker-Kuechler,″Chemische Technologie″[Chemical Technology]″,第7巻,C.Hanser Verlag Munich,第4版 1986に記載されている。
【0168】
水和剤は、水中に均一に分散可能な製剤であり、活性化合物に加えて、希釈剤や不活性物質は別として、イオン型及び/又はノニオン型の界面活性剤(湿展剤、分散剤)、例えばポリエトキシル化アルキルフェノール、ポリエトキシル化脂肪族アルコール、ポリエトキシル化脂肪族アミン、脂肪族アルコールポリグリコールエーテルサルフェート、アルカンスルホン酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸エステル、リグノスルホン酸ナトリウム、2,2′-ジナフチルメタン-6,6′-ジスルホン酸ナトリウム、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム又は他にオレオイルメチルタウリン酸ナトリウムも含む。水和剤を製造するには、除草活性化合物を、例えばハンマーミル、ブロワミル及びエアジェットミルのような慣用の装置中で微粉砕し、そして同時に又はその後で製剤補助剤と混合する。
【0169】
乳化濃縮物は、活性化合物を、有機溶媒、例えばブタノール、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、キシレン又は他に相対的に高い沸点の芳香族若しくは炭化水素又は有機溶媒の混合物中に溶解し、1以上のイオン系及び/又はノニオン系界面活性剤(乳化剤)を添加することによって製造される。使用可能な乳化剤の例は、アルキルアリールスルホン酸カルシウム塩、例えばドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、又はノニオン系乳化剤、例えば脂肪酸ポリグリコールエステル、アルキルアリールポリグリコールエーテル、脂肪族アルコールポリグリコールエーテル、プロピレンオキサイド-エチレンオキシド縮合物、アルキルポリエーテル、ソルビタンエステル、例えばソルビタン脂肪酸エステル又はポリオキシエチレンソルビタンエステル、例えばポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである。
【0170】
粉剤は、活性化合物を、微粉砕された固体、例えばタルク、自然粘土、例えばカオリン、ベントナイト及びピロフィライト又は珪藻土と共に粉砕することによって得られる。
【0171】
懸濁濃縮物は、水系又は油系であることができる。それは、例えば、市販のビーズミルによる湿式粉砕によって、そして適宜に、例えば他の製剤型についてすでに上記で挙げた界面活性剤を添加して製造することができる。
【0172】
乳濁液、例えば水中油型乳濁液(EW)は、例えば水系有機溶媒及び適宜に例えば他の製剤型について既に挙げた界面活性剤を用いて、撹拌機、コロイドミル及び/又はスタティックミキサーによって製造することができる。
【0173】
粒剤は、活性化合物を、吸着することができる顆粒状不活性材料上に噴霧することによって、又は、活性化合物濃縮液を、接着剤、例えばポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム若しくは鉱油を用いて、担体物質、例えば砂土、カオリナイト若しくは顆粒状不活性材料の表面に塗布することによって調製することができる。また、好適な活性化合物を、所望の場合に肥料との混合物で、肥料顆粒の製造に慣用のやり方で造粒することもできる。
【0174】
顆粒水和剤は、通常、噴霧乾燥、流動床造粒、パン造粒、高速混合機による混合、及び固形不活性材料なしの押出のような慣用の方法によって製造される。
【0175】
パン粒剤、流動床粒剤、押出粒剤及び噴霧粒剤を製造するには、例えば″Spray-Drying Handbook″第3版 1979,G.Goodwin Ltd.,London;J.E. Browning,″Agglomeration″, Chemical and Engineering 1967,第147頁以下;″Perry′s Chemical Engineer′s Handbook″,第5版,McGraw-Hill,New York 1973,第8-57頁における方法を参照する。
【0176】
作物保護組成物の製剤に関するさらなる詳細については、例えば、G.C.Klingman,″Weed Control as a Science″,John Wiley and Sons,Inc.,New York,1961,第81-96頁及びJ.D.Freyer,S.A.Evans,″Weed Control Handbook″,第5版,Blackwell Scientific Publications,Oxford,1968,第101-103頁を参照する。
【0177】
本発明の農薬製剤、好ましくは除草剤組成物若しくは植物成長調節剤組成物は、好ましくは、総量0.1~99重量%、好ましくは0.5~95重量%、特に好ましくは1~90重量%、特別に好ましくは2~80重量%の一般式(I)の活性化合物及びその塩を含む。
【0178】
水和剤では、活性化合物の濃度は、例えば約10%~90重量%であり、100重量%までの残りは慣用の製剤成分からなる。乳剤においては、活性化合物の濃度は、約1%~90重量%、好ましくは5%~80重量%であることができる。粉剤形態の製剤は、1%~30重量%の活性化合物、好ましくは通常は5%~20重量%の活性化合物を含み;噴霧液は、約0.05%~80重量%、好ましくは2%~50重量%の活性化合物を含む。水分散性顆粒の場合、活性化合物含有量は、活性化合物が液体で存在するか固体であるかによって、そして使用される造粒助剤、充填剤などによって部分的に決まる。水分散性顆粒では、例えば、活性化合物の含有量は、1%~95重量%、好ましくは10%~80重量%である。
【0179】
さらに、言及された活性化合物製剤は、個々の慣用の接着剤、湿展剤、分散剤、乳化剤、浸透剤、保存剤、不凍剤及び溶媒、充填剤、担体及び色素、消泡剤、蒸発抑制剤並びにpH及び粘度に影響する薬剤を含んでいても良い。製剤補助剤の例は、特に、″Chemistry and Technology of Agrochemical Formulations″,ed.D.A.Knowles,Kluwer Academic Publishers(1998)に記載されている。
【0180】
本発明による一般式(I)の化合物又はその塩は、そのまま用いることができるか、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、殺菌剤、薬害軽減剤、肥料及び/又は成長調節剤と組み合わせた調製物(製剤)の形態で用いることができ、例えば最終製剤として又はタンクミックスとして用いることができる。その組み合わせ製剤は、組み合わされる活性化合物の物理特性及び安定性を考慮しながら、上記の製剤に基づいて調製することができる。
【0181】
混合物製剤で又はタンクミックスで本発明による一般式(I)の化合物と組み合わせて用いることができる活性化合物は、例を挙げると、例えば、Weed Research 26(1986)441-445又は″The Pesticide Manual″,第16版,The British Crop Protection Council and the Royal Soc. of Chemistry,2012、並びに、その中に引用された文献に記載のような、アセト乳酸シンターゼ、アセチル-CoAカルボキシラーゼ、セルロースシンターゼ、エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸シンターゼ、グルタミンシンターゼ、p-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ、フィトエンデサチュラーゼ、光化学系I、光化学系II、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの阻害に基づく公知の活性化合物類である。
【0182】
特に興味深いものは、有用植物及び観賞植物の作物における有害植物の選択的防除である。本発明による一般式(I)の化合物は基本的には非常に多くの作物において非常に良好ないし十分な選択性をすでに示しているが、一部の作物において、特には他の選択性が低い除草剤との混合物の場合にも、作物植物に対する植物毒性が生じる場合がある。これに関連して、特に興味深い本発明による化合物(I)の組み合わせは、一般式(I)の化合物又は他の除草剤若しくは農薬若しくは薬害軽減剤とのその組み合わせを含む。解毒的に有効量で用いられる薬害軽減剤は、例えば穀物(コムギ、オオムギ、ライムギ、トウモロコシ、イネ、キビ)、サトウダイコン、サトウキビ、アブラナ、ワタ及びダイズのような経済的に重要な作物、好ましくは穀物において、使用される除草剤/農薬の植物毒性副作用を低減する。
【0183】
除草剤(混合物)の薬害軽減剤に対する重量比は、除草剤施用量及び対象の薬害軽減剤の効力によって決まり、広い範囲内で、例えば200:1~1:200、好ましくは100:1~1:100、特別には20:1~1:20に範囲で変動し得る。一般式(I)の化合物又はその混合物と同様に、薬害軽減剤は別の除草剤/農薬とともに製剤することができ、最終製剤として又は除草剤とのタンクミックスとして提供及び使用することができる。
【0184】
施用には、商業的形態で存在する除草剤又は除草剤/薬害軽減剤製剤を、適切な場合には、一般的な方法で希釈し、例えば水和剤、乳剤、分散剤及び水分散性顆粒の場合には水で希釈する。ダスト剤型製剤、土壌処理用粒剤若しくは散布用粒剤及び噴霧液剤の形態での製剤は、通常は、施用前に他の不活性物質でそれ以上は希釈しない。
【0185】
一般式(I)の化合物及び/又はその塩の必要な施用量は、温度、湿度のような外的条件によって一定程度影響される。ここで、施用量は広い範囲内で変動し得る。有害植物防除のための除草剤としての施用の場合、一般式(I)の化合物及びその塩の総量は、好ましくは、0.001~10.0kg/haの範囲であり、好ましくは0.005~5kg/haの範囲であり、より好ましくは0.01~1.5kg/haの範囲であり、特に好ましくは0.05~1kg/haの範囲である。これは、発芽前施用及び発芽後施用の両方に当てはまる。
【0186】
本発明による一般式(I)の化合物及び/又はその塩を植物成長調節剤として使用する場合、例えば上記のものなどの作物植物用、好ましくはコムギ、オオムギ、ライムギ、ライコムギ、キビ、イネ又はトウモロコシのような穀物植物用の稈安定剤として使用される場合、総施用量は、好ましくは0.001~2kg/haの範囲、好ましくは0.005~1kg/haの範囲、特には10~500g/haの範囲、非常に特に好ましくは20~250g/haである。これは、発芽前施用及び発芽後施用の両方に当てはまる。
【0187】
稈安定化剤としての施用は、植物の各種成長段階で行うことができる。好ましいのは、例えば、縦成長開始時の分げつ期後の施用である。
【0188】
代替法として、植物成長調節剤としての施用は、種子の粉衣及びコーティングのための各種技術を含む種子処理によっても可能である。ここで、施用量は、特定の技術によって決まり、予備試験で求めることができる。
【0189】
本発明による組成物(例えば、混合製剤で又はタンクミックスで)で、本発明による一般式(I)の化合物と組み合わせて用いることができる活性化合物は、例を挙げると、例えば、Weed Research 26 (1986) 441-445又は″The Pesticide Manual″, 第16版, The British Crop Protection Council and the Royal Soc. of Chemistry, 2012並びにその中に引用された文献に記載のような、アセト乳酸シンターゼ、アセチル-CoAカルボキシラーゼ、セルロースシンターゼ、エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸シンターゼ、グルタミンシンターゼ、p-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ、フィトエンデサチュラーゼ、光化学系I、光化学系II又はプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの阻害に基づく公知の活性化合物である。本発明による化合物と組み合わせることができる公知の除草剤又は植物成長調節剤は例えば、次のものであり、ここで、前記の活性化合物は国際標準化機構(ISO)による「一般名」又は化学名若しくはコード番号で呼ばれる。それらは常に、明瞭に言及されていないとしても、全ての施用形態、例えば酸、塩、エステル、並びに全ての異性体型、例えば立体異性体及び光学異性体を包含する。
【0190】
そのような除草剤混合相手の例は次の通りである。
【0191】
アセトクロル、アシフルオルフェン、アシフルオルフェン-ナトリウム、アクロニフェン、アラクロール、アリドクロール、アロキシジム、アロキシジム-ナトリウム、アメトリン、アミカルバゾン、アミドクロル、アミドスルフロン、4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メチルフェニル)-5-フルオロピリジン-2-カルボン酸、アミノシクロピラクロル、アミノシクロピラクロル-カリウム、アミノシクロピラクロル-メチル、アミノピラリド、アミトロール、スルファミン酸アンモニウム、アニロホス、アスラム、アトラジン、アザフェニジン、アジムスルフロン、ベフルブタミド、ベナゾリン、ベナゾリン-エチル、ベンフルラリン、ベンフレセート、ベンスルフロン、ベンスルフロン-メチル、ベンスリド、ベンタゾン、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ、ビシクロピロン、ビフェノックス、ビラナホス、ビラナホス-ナトリウム、ビスピリバック、ビスピリバック-ナトリウム、ブロマシル、ブロモブチド、ブロモフェノキシム、ブロモキシニル、ブロモキシニル-ブチレート、-カリウム、-ヘプタノエート及び-オクタノエート、ブソキシノン、ブタクロール、ブタフェナシル、ブタミホス、ブテナクロール、ブトラリン、ブトロキシジム、ブチレート、カフェンストロール、カルベタミド、カルフェントラゾン、カルフェントラゾン-エチル、クロランベン、クロルブロムロン、クロルフェナク、クロルフェナク-ナトリウム、クロルフェンプロップ、クロルフルレノール、クロルフルレノール-メチル、クロリダゾン、クロリムロン、クロリムロン-エチル、クロロフタリム、クロロトルロン、クロルタール-ジメチル、クロルスルフロン、シニドン、シニドン-エチル、シンメチリン、シノスルフロン、クラシフォス(clacyfos)、クレトジム、クロジナホップ、クロジナホップ-プロパルギル、クロマゾン、クロメプロップ、クロピラリド、クロランスラム、クロランスラム-メチル、クミルロン、シアナミド、シアナジン、シクロエート、シクロピリモレート、シクロスルファムロン、シクロキシジム、シハロホップ、シハロホップ-ブチル、シプラジン、2,4-D、2,4-D-ブトチル、-ブチル、-ジメチルアンモニウム、-ジオールアミン、-エチル、-2-エチルヘキシル、-イソブチル、-イソオクチル、-イソプロピルアンモニウム、-カリウム、-トリイソプロパノールアンモニウム及び-トロールアミン、2,4-DB、2,4-DB-ブチル、-ジメチルアンモニウム、-イソオクチル、-カリウム及び-ナトリウム、ダイムロン(dymron)、ダラポン、ダゾメット、n-デカノール、デスメジファム、デトシル-ピラゾレート(DTP)、ジカンバ、ジクロベニル、2-(2,4-ジクロロベンジル)-4,4-ジメチル-1,2-オキサゾリジン-3-オン、2-(2,5-ジクロロベンジル)-4,4-ジメチル-1,2-オキサゾリジン-3-オン、ジクロルプロップ、ジクロルプロップ-P、ジクロホップ、ジクロホップ-メチル、ジクロホップ-P-メチル、ジクロスラム、ジフェンゾコート、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジフルフェンゾピル-ナトリウム、ジメフロン、ジメピペレート、ジメタクロール、ジメタメトリン、ジメテナミド、ジメテナミド-P、ジメトラスルフロン、ジニトラミン、ジノテルブ、ジフェナミド、ジクワット、ジクワット・ジブロミド、ジチオピル、ジウロン、DNOC、エンドタール、EPTC、エスプロカルブ、エタルフルラリン、エタメトスルフロン、エタメトスルフロン-メチル、エチオジン、エトフメセート、エトキシフェン、エトキシフェン-エチル、エトキシスルフロン、エトベンザニド、F-9600、F-5331、即ちN-[2-クロロ-4-フルオロ-5-[4-(3-フルオロプロピル)-4,5-ジヒドロ-5-オキソ-1H-テトラゾール-1-イル]フェニル]-エタンスルホンアミド、F-7967,即ち3-[7-クロロ-5-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-1-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-(1H,3H)-ジオン、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-P、フェノキサプロップ-エチル、フェノキサプロップ-P-エチル、フェノキサスルフォン、フェンキノトリオン、フェントラザミド、フラムプロップ、フラムプロップ-M-イソプロピル、フラムプロップ-M-メチル、フラザスルフロン、フロラスラム、フルアジホップ、フルアジホップ-P、フルアジホップ-ブチル、フルアジホップ-P-ブチル、フルカルバゾン、フルカルバゾン-ナトリウム、フルセトスルフロン、フルクロラリン、フルフェナセット、フルフェンピル、フルフェンピル-エチル、フルメツラム、フルミクロラック、フルミクロラック-ペンチル、フルミオキサジン、フルオメツロン、フルレノール、フルレノール-ブチル、-ジメチルアンモニウム及び-メチル、フルオログリコフェン、フルオログリコフェン-エチル、フルプロパネート、フルピルスルフロン、フルピルスルフロン-メチル-ナトリウム、フルリドン、フルロクロリドン、フルロキシピル、フルロキシピル-メプチル、フルルタモン、フルチアセット、フルチアセット-メチル、ホメサフェン、ホメサフェン-ナトリウム、ホラムスルフロン、ホサミン、グルホシネート、グルホシネート-アンモニウム、グルホシネート-P-ナトリウム、グルホシネート-P-アンモニウム、グルホシネート-P-ナトリウム、グリホセート、グリホセート-アンモニウム、-イソプロピルアンモニウム、-ジアンモニウム、-ジメチルアンモニウム、-カリウム、-ナトリウム及び-トリメシウム、H-9201、即ちO-(2,4-ジメチル-6-ニトロフェニル)-O-エチル-イソプロピルホスホルアミドチオエート、ハロウキシフェン、ハロウキシフェン-メチル、ハロサフェン、ハロスルフロン、ハロスルフロン-メチル、ハロキシホップ、ハロキシホップ-P、ハロキシホップ-エトキシエチル、ハロキシホップ-P-エトキシエチル、ハロキシホップ-メチル、ハロキシホップ-P-メチル、ヘキサジノン、HW-02、即ち1-(ジメトキシホスホリル)-エチル-(2,4-ジクロロフェノキシ)アセテート、イマザメタベンズ、イマザメタベンズ-メチル、イマザモックス、イマザモックス-アンモニウム、イマザピック、イマザピック-アンモニウム、イマザピル、イマザピル-イソプロピルアンモニウム、イマザキン、イマザキン-アンモニウム、イマゼタピル、イマゼタピル-インモニウム、イマゾスルフロン、インダノファン、インダジフラム、ヨードスルフロン、ヨードスルフロン-メチル-ナトリウム、イオキシニル、イオキシニル-オクタノエート、-カリウム及び-ナトリウム、イプフェンカルバゾン、イソプロツロン、イソウロン、イソキサベン、イソキサフルトール、カルブチレート、KUH-043、即ち3-({[5-(ジフルオロメチル)-1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル]メチル}スルホニル)-5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール、ケトスピラドックス、ラクトフェン、レナシル、リニュロン、MCPA、MCPA-ブトチル、-ジメチルアンモニウム、-2-エチルヘキシル、-イソプロピルアンモニウム、-カリウム及び-ナトリウム、MCPB、MCPB-メチル、-エチル及び-ナトリウム、メコプロップ、メコプロップ-ナトリウム、メコプロップ-ブトチル、メコプロップ-P、メコプロップ-P-ブトチル、-ジメチルアンモニウム、-2-エチルヘキシル及び-カリウム、メフェナセット、メフルイジド、メソスルフロン、メソスルフロン-メチル、メソトリオン、メタベンズチアズロン、メタム、メタミホップ、メタミトロン、メタザクロール、メタザスルフロン、メタベンズチアズロン、メチオピルスルフロン、メチオゾリン、イソチオシアン酸メチル、メトブロムロン、メトラクロール、S-メトラクロール、メトスラム、メトクスロン、メトリブジン、メトスルフロン、メトスルフロン-メチル、モリネート、モノリニュロン、モノスルフロン、モノスルフロンエステル、MT-5950、即ちN-[3-クロロ-4-(1-メチルエチル)-フェニル]-2-メチルペンタンアミド、NGGC-011、ナプロパミド、NC-310、即ち4-(2,4-ジクロロベンゾイル)-1-メチル-5-ベンジルオキシピラゾール、ネブロン、ニコスルフロン、ノナン酸(ペラルゴン酸)、ノルフルラゾン、オレイン酸(脂肪酸)、オルベンカルブ、オルソスルファムロン、オリザリン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサスルフロン、オキサジクロメフォン、オキシフルオルフェン、パラコート、パラコート・ジクロリド、ペブレート、ペンジメタリン、ペノキススラム、ペンタクロロフェノール、ペントキサゾン、ペトキサミド、石油類、フェンメジファム、ピクロラム、ピコリナフェン、ピノキサデン、ピペロホス、プレチラクロール、プリミスルフロン、プリミスルフロン-メチル、プロジアミン、プロホキシジム、プロメトン、プロメトリン、プロパクロル、プロパニル、プロパキザホップ、プロパジン、プロファム、プロピソクロール、プロポキシカルバゾン、プロポキシカルバゾン-ナトリウム、プロピリスルフロン、プロピザミド、プロスルホカルブ、プロスルフロン、ピラクロニル、ピラフルフェン、ピラフルフェン-エチル、ピラスルホトール、ピラゾリネート(ピラゾレート)、ピラゾスルフロン、ピラゾスルフロン-エチル、ピラゾキシフェン、ピリバムベンズ、ピリバムベンズ-イソプロピル、ピリバムベンズ-プロピル、ピリベンゾキシム、ピリブチカルブ、ピリダフォル、ピリデート、ピリフタリド、ピリミノバック、ピリミノバック-メチル、ピリミスルファン、ピリチオバック、ピリチオバック-ナトリウム、ピロキサスルホン、ピロキシスラム、キンクロラック、キンメラック、キノクラミン、キザロホップ、キザロホップ-エチル、キザロホップ-P、キザロホップ-P-エチル、キザロホップ-P-テフリル、リムスルフロン、サフルフェナシル、セトキシジム、シデュロン、シマジン、シメトリン、SL-261、スルコトリオン、スルフェントラゾン、スルホメツロン、スルホメツロン-メチル、スルホスルフロン、SYN-523、SYP-249、即ち1-エトキシ-3-メチル-1-オキソブト-3-エン-2-イル-5-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-ニトロベンゾエート、SYP-300、即ち1-[7-フルオロ-3-オキソ-4-(プロプ-2-イン-1-イル)-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジン-6-イル]-3-プロピル-2-チオキソイミダゾリジン-4,5-ジオン、2,3,6-TBA、TCA(トリフルオロ酢酸)、TCA-ナトリウム、テブチウロン、テフリルトリオン、テンボトリオン、テプラロキシジム、テルバシル、テルブカルブ、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン、テニルクロール、チアゾピル、チエンカルバゾン、チエンカルバゾン-メチル、チフェンスルフロン、チフェンスルフロン-メチル、チオベンカルブ、チアフェナシル、トルピラレート、トプラメゾン、トラルコキシジム、トリアファモン、トリアラート、トリアスルフロン、トリアジフラム、トリベヌロン、トリベヌロン-メチル、トリクロピル、トリエタジン、トリフロキシスルフロン、トリフロキシスルフロン-ナトリウム、トリフルジモキサジン(trifludimoxazin)、トリフルラリン、トリフルスルフロン、トリフルスルフロン-メチル、トリトスルフロン、硫酸尿素、ベルノレート、XDE-848、ZJ-0862、即ち3,4-ジクロロ-N-{2-[4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)オキシ]ベンジル}アニリン、及び以下の化合物:
【化16】
【0192】
可能な混合相手としての植物生長調節剤の例には、
アシベンゾラル、アシベンゾラル-S-メチル、5-アミノレブリン酸、アンシミドール、6-ベンジルアミノプリン、ブラシノリド、カテコール、クロロメクワットクロライド、クロプロップ、シクラニリド、3-(シクロプロプ-1-エンイル)プロピオン酸、ダミノジド、ダゾメット、n-デカノール、ジケグラック、ジケグラック-ナトリウム、エンドタール、エンドタール-ジカリウム、-ジナトリウムおよびモノ(N,N-ジメチルアルキルアンモニウム)、エテホン、フルメトラリン、フルレノール、フルレノール-ブチル、フルルプリミドール、ホルクロルフェニュロン、ジベレリン酸、イナベンフィド、インドール-3-酢酸(IAA)、4-インドール-3-イル酪酸、イソプロチオラン、プロベナゾール、ジャスモン酸、ジャスモン酸メチルエステル、マレイン酸ヒドラジド、メピコートクロライド、1-メチルシクロプロペン、2-(1-ナフチル)アセトアミド、1-ナフチル酢酸、2-ナフチルオキシ酢酸、ニトロフェノレート混合物、4-オキソ-4-[(2-フェニルエチル)アミノ]酪酸、パクロブトラゾール、N-フェニルフタルアミド酸、プロヘキサジオン、プロヘキサジオン-カルシウム、プロヒドロジャスモン、サリチル酸、ストリゴラクトン、テクナゼン、チジアズロン、トリアコンタノール、トリネキサパック-エチル、チトデフ(tsitodef)、ウニコナゾール、ウニコナゾール-Pである。
【0193】
本発明による一般式(I)の化合物の有用な組み合わせ相手には、例えば下記の薬害軽減剤を含む。
【0194】
S1)複素環カルボン酸誘導体の群からの化合物:
S1a)ジクロロフェニルピラゾリン-3-カルボン酸型の化合物(S1a)、好ましくは下記のような化合物、
1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(エトキシカルボニル)-5-メチル-2-ピラゾリン-3-カルボン酸、1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(エトキシカルボニル)-5-メチル-2-ピラゾリン-3-カルボン酸エチル(S1-1)(「メフェンピル-ジエチル」)、及びWO-A-91/07874に記載の関連する化合物;
S1b)ジクロロフェニルピラゾールカルボン酸の誘導体(S1b)、
好ましくは下記のような化合物、
1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-メチルピラゾール-3-カルボン酸エチル(S1-2)、1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-イソプロピルピラゾール-3-カルボン酸エチル(S1-3)、1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(1,1-ジメチルエチル)ピラゾール-3-カルボン酸エチル(S1-4)及びEP-A-333131及びEP-A-269806に記載の関連化合物;
S1c)1,5-ジフェニルピラゾール-3-カルボン酸の誘導体(S1c)、
好ましくは下記のような化合物、
1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-フェニルピラゾール-3-カルボン酸エチル(S1-5)、1-(2-クロロフェニル)-5-フェニルピラゾール-3-カルボン酸メチル(S1-6)、及び例えばEP-A-268554に記載の関連化合物;
S1d)トリアゾールカルボン酸型の化合物(S1d)、
好ましくはフェンクロラゾール(-エチルエステル)のような化合物、即ち
1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-トリクロロメチル-(1H)-1,2,4-トリアゾール-3-カルボン酸エチル(S1-7)、及びEP-A-174562及びEP-A-346620に記載の関連化合物;
S1e)5-ベンジル-又は5-フェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸型、又は5,5-ジフェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸型(S1e)の化合物、
好ましくは下記のような化合物、
5-(2,4-ジクロロベンジル)-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸エチル(S1-8)又は5-フェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸エチル(S1-9)及びWO-A-91/08202に記載の関連化合物、又は5,5-ジフェニル-2-イソオキサゾリンカルボン酸(S1-10)又は特許出願WO-A-95/07897に記載の5,5-ジフェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸エチル(S1-11)(「イソキサジフェン-エチル」)又は5,5-ジフェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸n-プロピル(S1-12)又は5-(4-フルオロフェニル)-5-フェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸エチル(S1-13)の化合物、
S2)8-キノリノキシ誘導体(S2)の群からの化合物:
S2a)8-キノリニノキシ酢酸型の化合物(S2a)、好ましくは(5-クロロ-8-キノリニノキシ)酢酸1-メチルヘキシル(「クロキントセット-メキシル」)(S2-1)、(5-クロロ-8-キノリニノキシ)酢酸1,3-ジメチルブト-1-イル(S2-2)、(5-クロロ-8-キノリニノキシ)酢酸4-アリルオキシブチル(S2-3)、(5-クロロ-8-キノリニノキシ)酢酸1-アリルオキシプロプ-2-イル(S2-4)、(5-クロロ-8-キノリニノキシ)酢酸エチル(S2-5)、(5-クロロ-8-キノリニノキシ)酢酸メチル(S2-6)、(5-クロロ-8-キノリニノキシ)酢酸アリル(S2-7)、(5-クロロ-8-キノリニノキシ)酢酸2-(2-プロピリデンイミノキシ)-1-エチル(S2-8)、(5-クロロ-8-キノリニノキシ)酢酸2-オキソプロプ-1-イル(S2-9)及びEP-A-86750、EP-A-94349及びEP-A-191736又はEP-A-0492366に記載の関連化合物、さらにはWO-A-2002/34048に記載の(5-クロロ-8-キノリニノキシ)酢酸(S2-10)、それ水和物及び塩、例えばそのリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、アンモニウム、四級アンモニウム、スルホニウム又はホスホニウム塩;
S2b)(5-クロロ-8-キノリニノキシ)マロン酸型の化合物(S2b)、好ましくは(5-クロロ-8-キノリニノキシ)マロン酸ジエチル、(5-クロロ-8-キノリニノキシ)マロン酸ジアリル、(5-クロロ-8-キノリニノキシ)マロン酸メチルエチルのような化合物及びEP-A-0582198に記載の関連化合物。
【0195】
S3)発芽前薬害軽減剤(土壌活性薬害軽減剤)として非常に多くの場合で用いられるジクロロアセトアミド型(S3)の活性化合物、例えば
「ジクロルミド」(N,N-ジアリル-2,2-ジクロロアセトアミド)(S3-1)、Staufferからの「R-29148」(3-ジクロロアセチル-2,2,5-トリメチル-1,3-オキサゾリジン)(S3-2)、Staufferからの「R-28725」(3-ジクロロアセチル-2,2-ジメチル-1,3-オキサゾリジン)(S3-3)、「ベノキサコール」(4-ジクロロアセチル-3,4-ジヒドロ-3-メチル-2H-1,4-ベンゾオキサジン)(S3-4)、PPG Industriesからの「PPG-1292」(N-アリル-N-[(1,3-ジオキソラン-2-イル)メチル]ジクロロアセトアミド)(S3-5)、Sagro-Chemからの「DKA-24」(N-アリル-N-[(アリルアミノカルボニル)メチル]-ジクロロアセトアミド)(S3-6)、Nitrokemia又はMonsantoからの「AD-67」又は「MON4660」(3-ジクロロアセチル-1-オキサ-3-アザスピロ[4.5]デカン)(S3-7)、TRI-Chemical RTからの「TI-35」(1-ジクロロアセチルアゼパン)(S3-8)、「ジクロノン(diclonon)」(ジシクロノン(dicyclonon))又はBASFからの「BAS145138」又は「LAB145138」(S3-9)((RS)-1-ジクロロアセチル-3,3,8a-トリメチルパーヒドロピロロ[1,2-a]ピリミジン-6-オン、「フリラゾール(furilazole)」又は「MON13900」((RS)-3-ジクロロアセチル-5-(2-フリル)-2,2-ジメチルオキサゾリジン)(S3-10)、及びその(R)異性体(S3-11)。
【0196】
S4)アシルスルホンアミド(S4)の種類の化合物:
S4
a)WO-A-97/45016に記載の式(S4
a)のN-アシルスルホンアミド及びその塩
【化17】
【0197】
式中、
RA
1は、(C1-C6)-アルキル、(C3-C6)-シクロアルキルを表し、後者の二つの基は、ハロゲン、(C1-C4)-アルコキシ、(C1-C6)-ハロアルコキシ及び(C1-C4)-アルキルチオの群からのvA個の置換基によって、環状基の場合は、(C1-C4)-アルキル及び(C1-C4)-ハロアルキルによっても置換されており;
RA
2は、ハロゲン、(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルコキシ、CF3を表し;
mAは、1又は2を表し;
vAは、0、1、2又は3を表す。
【0198】
S4
b)WO-A-99/16744に記載の式(S4
b)の4-(ベンゾイルスルファモイル)ベンズアミド型の化合物及びその塩、
【化18】
【0199】
式中、
RB
1、RB
2は、互いに独立に、水素、(C1-C6)-アルキル、(C3-C6)-シクロアルキル、(C3-C6)-アルケニル、(C3-C6)-アルキニルを表し、
RB
3は、ハロゲン、(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルキル又は(C1-C4)-アルコキシを表し、
mBは、1又は2を表し、
【0200】
例えば下記のもの:
RB
1=シクロプロピル、RB
2=水素及び(RB
3)=2-OMe(「シプロスルファミド」、S4-1)、
RB
1=シクロプロピル、RB
2=水素及び(RB
3)=5-Cl-2-OMe(S4-2)、
RB
1=エチル、RB
2=水素及び(RB
3)=2-OMe(S4-3)、
RB
1=イソプロピル、RB
2=水素及び(RB
3)=5-Cl-2-OMe(S4-4)、及び
RB
1=イソプロピル、RB
2=水素及び(RB
3)=2-OMe(S4-5)。
【0201】
S4
c)EP-A-365484に記載の式(S4
c)のベンゾイルスルファモイルフェニル尿素の種類の化合物:
【化19】
【0202】
式中、
RC
1、RC
2は、互いに独立に、水素、(C1-C8)-アルキル、(C3-C8)-シクロアルキル、(C3-C6)-アルケニル、(C3-C6)-アルキニルを表し、
RC
3は、ハロゲン、(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルコキシ及びCF3を表し、
mCは1又は2を表し:
【0203】
例えば
1-[4-(N-2-メトキシベンゾイルスルファモイル)フェニル]-3-メチル尿素、
1-[4-(N-2-メトキシベンゾイルスルファモイル)フェニル]-3,3-ジメチル尿素、
1-[4-(N-4,5-ジメチルベンゾイルスルファモイル)フェニル]-3-メチル尿素。
【0204】
S4
d)例えばCN101838227から公知の式(S4
d)のN-フェニルスルホニルテレフタルアミド型の化合物及びその塩:
【化20】
【0205】
式中、
RD
4は、ハロゲン、(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-アルコキシ、CF3を表し;
mDは、1又は2を表し;
RD
5は、水素、(C1-C6)-アルキル、(C3-C6)-シクロアルキル、(C2-C6)-アルケニル、(C2-C6)-アルキニル、(C5-C6)-シクロアルケニルを表す。
【0206】
S5)ヒドロキシ芳香族及び芳香族-脂肪族カルボン酸誘導体(S5)の種類からの活性化合物、例えばWO-A-2004/084631、WO-A-2005/015994、WO-A-2005/016001に記載の3,4,5-トリアセトキシ安息香酸エチル、3,5-ジメトキシ-4-ヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシサリチル酸、4-フルオロサリチル酸、2-ヒドロキシ桂皮酸、2,4-ジクロロ桂皮酸。
【0207】
S6)1,2-ジヒドロキノキザリン-2-オン(S6)の種類からの活性化合物、例えばWO-A-2005/112630に記載の1-メチル-3-(2-チエニル)-1,2-ジヒドロキノキザリン-2-オン、1-メチル-3-(2-チエニル)-1,2-ジヒドロキノキザリン-2-チオン、1-(2-アミノエチル)-3-(2-チエニル)-1,2-ジヒドロキノキザリン-2-オン塩酸塩、1-(2-メチルスルホニルアミノエチル)-3-(2-チエニル)-1,2-ジヒドロキノキザリン-2-オン。
【0208】
S7)ジフェニルメトキシ酢酸誘導体(S7)の種類からの化合物、例えばWO-A-98/38856に記載のジフェニルメトキシ酢酸メチル(CAS登録番号41858-19-9)(S7-1)、ジフェニルメトキシ酢酸エチル又はジフェニルメトキシ酢酸。
【0209】
S8)WO-A-98/27049に記載の式(S8)の化合物:又はその塩
【化21】
【0210】
式中、記号及び指数は下記のように定義され、
RD
1は、ハロゲン、(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルキル、(C1-C4)-アルコキシ、(C1-C4)-ハロアルコキシを表し、
RD
2は、水素又は(C1-C4)-アルキルを表し、
RD
3は、水素、(C1-C8)-アルキル、(C2-C4)-アルケニル、(C2-C4)-アルキニル又はアリールを表し、上記の炭素含有基のそれぞれは、置換されていないかハロゲン及びアルコキシからなる群からの1以上、好ましくは3個以下の同一もしくは異なる基によって置換されており;
nDは0~2の整数を表す。
【0211】
S9)3-(5-テトラゾリルカルボニル)-2-キノロン類の種類からの活性化合物(S9)、例えばWO-A-1999/000020に記載の1,2-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-1-エチル-3-(5-テトラゾリルカルボニル)-2-キノロン(CAS登録番号219479-18-2)、1,2-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-1-メチル-3-(5-テトラゾリルカルボニル)-2-キノロン(CAS登録番号95855-00-8)。
【0212】
S10)WO-A-2007/023719及びWO-A-2007/023764に記載の式(S10
a)又は(S10
b)の化合物
【化22】
【0213】
式中、
RE
1は、ハロゲン、(C1-C4)-アルキル、メトキシ、ニトロ、シアノ、CF3、OCF3を表し、
YE、ZEは、互いに独立にO又はSを表し、
nEは、0~4の整数を表し、
RE
2は、(C1-C16)-アルキル、(C2-C6)-アルケニル、(C3-C6)-シクロアルキル、アリール、ベンジル、ハロベンジルを表し、
RE
3は、水素又は(C1-C6)アルキルを表す。
【0214】
S11)種子粉衣剤として知られるオキシイミノ化合物型(S11)の活性化合物、例えば、
オオムギがメトラクロール損傷に対抗するための種子粉衣薬害軽減剤として知られる「オキサベトリニル」((Z)-1,3-ジオキソラン-2-イルメトキシイミノ(フェニル)アセトニトリル)(S11-1)、
キビ/モロコシがメトラクロール損傷に対抗するための種子粉衣薬害軽減剤として知られる「フルキソフェニム」(1-(4-クロロフェニル)-2,2,2-トリフルオロ-1-エタノンO-(1,3-ジオキソラン-2-イルメチル)オキシム)(S11-2)、及び
キビ/モロコシがメトラクロール損傷に対抗するための種子粉衣薬害軽減剤として知られる「シオメトリニル」又は「CGA-43089」((Z)-シアノメトキシイミノ(フェニル)アセトニトリル)(S11-3)。
【0215】
S12)イソチオクロマトグラフィーノン類(S12)の種類からの活性化合物、例えば[(3-オキソ-1H-2-ベンゾチオピラン-4(3H)-イリデン)メトキシ]酢酸メチル(CAS登録番号205121-04-6)(S12-1)及びWO-A-1998/13361からの関連化合物。
【0216】
S13)群(S13)からの1以上の化合物:
トウモロコシがチオカーバメート除草剤損傷に対抗するための種子粉衣薬害軽減剤として知られる「ナフタリン酸無水物」(1,8-ナフタリンジカルボン酸無水物)(S13-1)、
播種したイネでのプレチラクロール用の薬害軽減剤として知られる「フェンクロリム」(4,6-ジクロロ-2-フェニルピリミジン)(S13-2)、
キビ/モロコシがアラクロール及びメトラクロル損傷に対抗するための種子粉衣薬害軽減剤として知られる「フルラゾール」(ベンジル-2-クロロ-4-トリフルオロメチル-1,3-チアゾール-5-カルボキシレート)(S13-3)
「CL304415」(CAS登録番号31541-57-8)
トウモロコシがイミダゾリノン類による損傷に対抗するための薬害軽減剤として知られるAmerican Cyanamidからの(4-カルボキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-酢酸)(S13-4)、
トウモロコシ用薬害軽減剤として知られるNitrokemiaからの「MG191」(CAS登録番号96420-72-3)(2-ジクロロメチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン)(S13-5)、
「MG-838」(CAS登録番号133993-74-5)Nitrokemiaからの(2-プロペニル1-オキサ-4-アザスピロ[4.5]デカン-4-カルボジチオエート)(S13-6)、
「ジスルホトン」(O,O-ジエチルS-2-エチルチオエチルホスホロジチオエート)(S13-7)、
「ジエトラート」(O,O-ジエチルO-フェニルホスホロチオエート)(S13-8)、
「メフェナート」(4-クロロフェニルメチルカーバメート)(S13-9)。
【0217】
S14)有害植物に対する除草効果に加えて、イネなどの作物に対する薬害軽減剤作用も有する活性化合物、例えば
除草剤モリネートによる損傷に対抗するイネ用薬害軽減剤として知られる「ジメピペラート」又は「MY-93」(S-1-メチル-1-フェニルエチルピペリジン-1-カルボチオエート)、
除草剤イマゾスルフロン除草剤による損傷に対抗するイネ用薬害軽減剤として知られる「ダイムロン」又は「SK23」(1-(1-メチル-1-フェニルエチル)-3-p-トリル尿素)、
一部の除草剤による損傷に対抗するイネ用薬害軽減剤として知られる「クミルロン」=「JC-940」(3-(2-クロロフェニルメチル)-1-(1-メチル-1-フェニルエチル)尿素、JP-A-60087254参照)、
イネが一部の除草剤による損傷に対抗するイネ用薬害軽減剤として知られる「メトキシフェノン」又は「NK049」(3,3′-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン)、
イネにおいて一部の除草剤による損傷対抗する薬害軽減剤として知られるKumiaiからの「CSB」(1-ブロモ-4-(クロロメチルスルホニル)ベンゼン)(CAS登録番号54091-06-4)。
【0218】
S15)WO-A-2008/131861及びWO-A-2008/131860に記載の式(S15)の化合物又はその互変異体:
【化23】
【0219】
式中、
RH
1は、(C1-C6)-ハロアルキル基を表し、
RH
2は、水素又はハロゲンを表し、
RH
3、RH
4は、互いに独立に、水素、(C1-C16)-アルキル、(C2-C16)-アルケニル又は(C2-C16)-アルキニルを表し、ここで、後者の三つの基のそれぞれは、置換されていないか、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、(C1-C4)-アルコキシ、(C1-C4)-ハロアルコキシ、(C1-C4)-アルキルチオ、(C1-C4)-アルキルアミノ、ジ[(C1-C4)-アルキル]-アミノ、[(C1-C4)-アルコキシ]カルボニル、[(C1-C4)-ハロアルコキシ]-カルボニル、置換されていない又は置換されている(C3-C6)-シクロアルキル、置換されていない又は置換されているフェニル、及び置換されていない又は置換されている複素環の群からの1以上の基によって置換されており、
又は環の一方の側で4~6員の飽和もしくは不飽和炭素環に縮合した(C3-C6)-シクロアルキル、(C4-C6)-シクロアルケニル、(C3-C6)-シクロアルキル、又は環の一方の側で4~6員の飽和もしくは不飽和炭素環に縮合した(C4-C6)-シクロアルケニルを表し、ここで、後者の四つの基のそれぞれは、置換されていないか、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルキル、(C1-C4)-アルコキシ、(C1-C4)-ハロアルコキシ、(C1-C4)-アルキルチオ、(C1-C4)-アルキルアミノ、ジ[(C1-C4)-アルキル]-アミノ、[(C1-C4)-アルコキシ]-カルボニル、[(C1-C4)-ハロアルコキシ]-カルボニル、置換されていない又は置換されている(C3-C6)-シクロアルキル、置換されていない又は置換されているフェニル、及び置換されていない又は置換されている複素環の群からの1以上の基によって置換されており、
又は
RH
3は、(C1-C4)-アルコキシ、(C2-C4)-アルケニルオキシ、(C2-C6)-アルキニルオキシ又は(C2-C4)-ハロアルコキシを表し、
RH
4は、水素又は(C1-C4)-アルキルを表し、又は
RH
3及びRH
4は、直接結合した窒素原子と一体となって、4~8員のヘテロ環を表し、その環はその窒素原子以外にN、O及びSの群からの別の環ヘテロ原子、好ましくは2個以下の別の環ヘテロ原子を含んでいても良く、置換されていないか、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C1-C4)-アルキル、(C1-C4)-ハロアルキル、(C1-C4)-アルコキシ、(C1-C4)-ハロアルコキシ及び(C1-C4)-アルキルチオの群からの1以上の基によって置換されている。
【0220】
S16)主として除草剤として用いられるだけでなく、作物に対する薬害軽減剤作用も有する活性化合物、例えば
(2,4-ジクロロフェノキシ)酢酸(2,4-D)、
(4-クロロフェノキシ)酢酸、
(R,S)-2-(4-クロロ-o-トリルオキシ)プロピオン酸(メコプロップ)、
4-(2,4-ジクロロフェノキシ)酪酸(2,4-DB)、
(4-クロロ-o-トリルオキシ)酢酸(MCPA)、
4-(4-クロロ-o-トリルオキシ)酪酸、
4-(4-クロロフェノキシ)酪酸、
3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸(ジカンバ)、
1-(エトキシカルボニル)エチル3,6-ジクロロ-2-メトキシベンゾエート(ラクチジクロール(lactidichlor)-エチル)。
【0221】
本発明による一般式(I)の化合物及び/又はその塩と、特には式(I-1)~(I-662)の化合物及び/又はその塩との組み合わせでの好ましい薬害軽減剤は、クロキントセット-メキシル、シプロスルファミド、フェンクロラゾールエチルエステル、イソキサジフェン-エチル、メフェンピル-ジエチル、フェンクロリム、クミルロン、S4-1及びS4-5であり、特に好ましい薬害軽減剤は、クロキントセット-メキシル、シプロスルファミド、イソキサジフェン-エチル及びメフェンピル-ジエチルである。
【0222】
生物例
A.早期発芽後除草作用
単子葉又は双子葉雑草植物の種子を96ウェルマイクロタイタープレート中ケイ砂に入れ、制御された成長条件下で温度/湿度調節室で成長させた。播種から5~7日後に、試験植物を子葉段階で処理した。乳剤(EC)の形態で製剤された本発明による化合物を、2200リットル/ha相当量の水施用量で施用した。試験植物を至適成長条件下で9~12日にわたって温度/湿度調節室中に放置しておいた後、調製液の効果を、未処理対照と比較して肉眼的に評点した。例えば、100%活性=植物が枯死、0%活性=対照植物同様。
【0223】
下記の表A1~A2には、各種有害植物に対する表1による選択された一般式(I)の化合物の効果及び上記の実験手順によって得られた1900g/haに相当する施用量を示している。
【0224】
表A1:アグロスチス・テヌイス(Agrostis tenuis)(AGSTE)に対する早期発芽後作用
【表4】
【0225】
表A2:スズメノカタビラ(Poa annua)(POAAN)に対する早期発芽後作用
【表5】
【0226】
試験結果は、早期発芽後処理の場合に、本発明による一般式(I)の化合物が、活性物質1900g/haの個々の施用量で、アグロスチス・テヌイス(Agrostis tenuis)(AGSTE)及びスズメノカタビラ(Poa annua)(POAAN)のような選択された有害植物に対する良好な除草活性を有することを示している。
【0227】
B.発芽後除草活性及び作物植物適合性
単子葉及び双子葉雑草植物の種子を、プラスチック製ポット中、砂壌土に入れ(各場合で、ポット当たり単子葉雑草植物又は双子葉雑草植物のうちの一方の植物を二連で播種)、土壌で覆い、制御された成長条件下の温室中で栽培した。播種から2~3週間後、試験植物は、一葉段階で処理した。水和剤(WP)の形態で又は乳剤(EC)として製剤された本発明の化合物を、水施用量600リットル/ha(換算)で0.5%添加剤を加えた水系懸濁液若しくは乳濁液として植物の緑色部分に施用した。試験植物を、約3週間にわたり至適な成長条件下で温室中に維持した後、調製液の活性を、未処理対照と比較して肉眼的に評点した。例えば、100%活性=植物が枯死、0%活性=対照植物同様。
【0228】
下記の表B1~B8には、各種有害植物に対する表1による選択された一般式(I)の化合物の効果及び上記の実験手順によって得られた1280g/haに相当する施用量を示している。
【0229】
表B1:イヌビエ(Echinochloa crus-galli)(ECHCG)に対する発芽後作用
【表6】
【0230】
表B2:スズメノカタビラ(Poa annua)(POAAN)に対する発芽後作用
【表7】
【0231】
表B3:イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)に対する発芽後作用
【表8】
【0232】
表B4:アオビユ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)に対する発芽後作用
【表9】
【0233】
表B5:コハコベ(Stellaria media)(STEME)に対する発芽後作用
【表10】
【0234】
表B6:ボウムギ(Lolium rigidum)(LOLRI)に対する発芽後作用
【表11】
【0235】
表B7:エノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)に対する発芽後作用
【表12】
【0236】
表B8:イヌカミツレ(Matricaria inodora)(MATIN)に対する発芽後作用
【表13】
【0237】
試験結果は、発芽後処理の場合に、本発明による一般式(I)の化合物が、活性物質1280g/haの施用量で、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)(ECHCG)、スズメノカタビラ(Poa annua)(POAAN)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)、アオビユ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、コハコベ(Stellaria media)(STEME)、ボウムギ(Lolium rigidum)(LOLRI)、エノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)及びイヌカミツレ(Matricaria inodora)(MATIN)のような選択された有害植物に対する良好な除草活性を有することを示している。
【0238】
C.発芽前除草作用及び作物植物適合性
単子葉及び双子葉雑草植物の種子を、プラスチック製ポット中、砂壌土に入れ(各場合で、ポット当たり単子葉雑草植物又は双子葉雑草植物のうちの一方の植物を二連で播種)、土壌で覆った。水和剤(WP)の形態で又は乳剤(EC)として製剤された本発明の化合物を、水施用量600リットル/ha(換算)で0.5%添加剤を加えた水系懸濁液若しくは乳濁液として被覆土壌の表面上に施用した。処理後、ポットを温室に入れ、試験植物に良好な成長条件下に維持した。約3週間後、調製液の活性を、未処理対照と比較してパーセントとして肉眼的に評点した。例えば、100%活性=植物が枯死、0%活性=対照植物同様。
【0239】
下記の表C1~C8には、各種有害植物に対する表1による選択された一般式(I)の化合物の効果及び上記の実験手順によって得られた1280g/haに相当する施用量を示している。
【0240】
表C1:イヌビエ(Echinochloa crus-galli)(ECHCG)に対する発芽前作用
【表14】
【0241】
表C2:ボウムギ(Lolium rigidum)(LOLRI)に対する発芽前作用
【表15】
【0242】
表C3:スズメノカタビラ(Poa annua)(POAAN)に対する発芽前作用
【表16】
【0243】
表C4:エノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)に対する発芽前作用
【表17】
【0244】
表C5:イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)に対する発芽前作用
【表18】
【0245】
表C6:アオビユ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)に対する発芽前作用
【表19】
【0246】
表C7:イヌカミツレ(Matricaria inodora)(MATIN)に対する発芽前作用
【表20】
【0247】
表C8:コハコベ(Stellaria media)(STEME)に対する発芽前作用
【表21】
【0248】
試験結果は、発芽前処理の場合に、本発明による一般式(I)の化合物が、活性物質1280g/haの施用量で、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)(ECHCG)、ボウムギ(Lolium rigidum)(LOLRI)、エノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)、スズメノカタビラ(Poa annua)(POAAN)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)、アオビユ(Amaranthus retroflexus)(AMARE)、コハコベ(Stellaria media)(STEME)及びイヌカミツレ(Matricaria inodora)(MATIN)のような選択された有害植物に対する良好な除草活性を有することを示している。