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特許7394119工作機械アクセサリーデバイスを有する1つ以上のモジュールユニットを収納し、1つ以上の収納されたモジュールユニットを搬送する搬送デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】工作機械アクセサリーデバイスを有する1つ以上のモジュールユニットを収納し、1つ以上の収納されたモジュールユニットを搬送する搬送デバイス
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20231130BHJP
   B25J 5/00 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
G05D1/02 H
B25J5/00 A
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2021510737
(86)(22)【出願日】2019-08-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(86)【国際出願番号】 EP2019073283
(87)【国際公開番号】W WO2020043915
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-08-13
(31)【優先権主張番号】102018214794.9
(32)【優先日】2018-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102019200662.0
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506381599
【氏名又は名称】ディッケル マホ プロンテン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】アルフレッド ガイスラー
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル トレンクル
(72)【発明者】
【氏名】セバスティアン リーデル
【審査官】今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-257543(JP,A)
【文献】特開平07-136880(JP,A)
【文献】特開昭62-094253(JP,A)
【文献】特開2011-000702(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械アクセサリーデバイスを有する1つ以上のモジュールユニットを収納し、前記1つ以上の収納されたモジュールユニットの前記工作機械アクセサリーデバイスを工作機械で使用するために、作業空間を有しかつベース表面上にセットアップされた前記工作機械まで前記1つ以上の収納されたモジュールユニットを搬送する搬送デバイスであって、
前記搬送デバイスは、前記工作機械に対して前記1つ以上の収納されたモジュールユニットを位置決めするために前記ベース表面上で自由に移動可能であり、
前記1つ以上のモジュールユニットは、
前記工作機械においてパレット及び/又はワークをハンドリングするように構成されるハンドリングデバイスを有するハンドリングモジュールユニットと、
産業用ロボットを有するロボットモジュールユニットと、
前記工作機械上でツール変更を実施する、ツール変更デバイスを有するツール変更モジュールユニットと、
前記工作機械においてツールを提供する、ツール格納デバイス又はツールマガジンを有するツール格納モジュールユニットと、
前記工作機械においてツールを提供し、前記工作機械上でツール変更を実施する、ツール変更デバイスを有するツール格納デバイスを有するツール格納及びツール変更モジュールユニットと、
前記工作機械上でワーク変更を実施するワーク変更デバイスを有するワーク変更モジュールユニットと、
前記工作機械において又は前記工作機械の前記作業空間においてチップを収集するチップ収集デバイスを有するチップ収集モジュールユニットと、
前記工作機械から又は前記工作機械の前記作業空間からチップを除去するチップ運搬デバイスを有するチップ運搬モジュールユニットと、
前記工作機械においてワークを装填するワーク装填デバイスを有するワーク装填モジュールユニットと、
前記工作機械に冷却剤を供給する冷却剤供給デバイスを有する冷却剤供給モジュールユニットと、
前記工作機械において冷却剤を交換する冷却剤交換デバイスを有する冷却剤交換モジュ
ールユニットと、
前記工作機械においてワークを測定するワーク測定デバイスを有するワーク測定モジュールユニットと、
前記工作機械においてワークのバリ取りをするワークバリ取りデバイスを有するワークバリ取りモジュールユニットと、
前記工作機械においてツールをセットアップするツールセットアップデバイスを有するツールセットアップモジュールユニットと、
前記工作機械においてツールをドレッシングするツールドレッシングデバイスを有するツールドレッシングモジュールユニットと、
前記工作機械においてツールを鋭利化するツール鋭利化デバイスを有するツール鋭利化モジュールユニットと、
前記工作機械の前記作業空間内で吸引する吸引デバイスを有する吸引モジュールユニットと、
ワークを収納するワークレセプタクルを有するワークレセプタクルモジュールユニットと、
ワークを運搬するコンベヤデバイスを有するコンベヤモジュールユニットと、
前記工作機械においてアクセサリー部品又は予備部品を交換する予備部品交換デバイスを有する予備部品モジュールユニットと、
からなるモジュールユニットのリストから選択される、搬送デバイス。
【請求項2】
前記搬送デバイスは、前記ベース表面上で移動することによって、前記工作機械の前記作業空間の前の及び/又は前記作業空間に隣接する領域内で、前記領域にわたる空間方向に沿って前記1つ以上のモジュールユニットを位置決めするように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の搬送デバイス。
【請求項3】
それぞれのモジュールユニットを収納する1つ以上の収納デバイスをさらに含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の搬送デバイス。
【請求項4】
前記1つ以上の収納デバイスのうちの少なくとも1つの収納デバイスは、前記それぞれ収納されたモジュールユニットを前記収納デバイスに整列させるように構成される芯出しデバイスを含むことを特徴とする、請求項3に記載の搬送デバイス。
【請求項5】
芯出しデバイスを含む前記1つ以上の収納デバイスのうちの前記少なくとも1つの収納デバイスは、前記芯出しデバイスの方向への前記収納デバイスの直線変位のためのドライブも含むことを特徴とする、請求項4に記載の搬送デバイス。
【請求項6】
少なくとも1つの収納デバイスは、前記搬送デバイスの少なくとも1つの側面に設けられることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の搬送デバイス。
【請求項7】
前記モジュールユニットは、該モジュールユニットを収納するように構成される前記工作機械のレセプタクル上に搬送ユニットによって据え付けられる及び/又はドッキングされるように構成されることを特徴とする、請求項3~6のいずれか一項に記載の搬送デバイス。
【請求項8】
前記1つ以上の収納デバイスは、制御信号及び/又はエネルギーを搬送デバイスから前記それぞれのモジュールユニットに伝達するための接続要素を有することを特徴とする、請求項3~7のいずれか一項に記載の搬送デバイス。
【請求項9】
前記モジュールユニットが収納されると、前記接続要素は、電気、空気圧、及び/又は油圧制御信号及び/又はエネルギーを伝達するために、前記それぞれのモジュールユニッ
トとの接続を自動的に確立することを特徴とする、請求項8に記載の搬送デバイス。
【請求項10】
前記収納デバイスはそれぞれ、前記それぞれのモジュールユニットのレセプタクルの状態をモニタリングするための制御デバイスを含み、該制御デバイスは、前記制御信号、前記エネルギー伝達、及び/又は、前記それぞれの収納デバイス上で収納される前記モジュールユニットのロック状態をモニタリングするように構成されることを特徴とする、請求項8又は9に記載の搬送デバイス。
【請求項11】
無人搬送車両を含むことを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の搬送デバイス。
【請求項12】
前記搬送車両を移動させるためのドライブと、
前記搬送デバイスを制御する制御ユニットと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の搬送デバイス。
【請求項13】
前記搬送デバイスに、エネルギーを供給する内部エネルギーストアをさらに含むことを特徴とする、請求項1~12の少なくとも一項に記載の搬送デバイス。
【請求項14】
前記搬送デバイスの環境をモニタリングする1つ以上の光、赤外、及び/又はレーダーセンサーを備えるセンサーユニット、
をさらに含むことを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の搬送デバイス。
【請求項15】
前記搬送デバイスを移動又は変位させるための複数のホイールであって、前記搬送デバイスの前記ホイールの1つ、複数、又は全ては、個々に制御可能及び/又は操向可能である、複数のホイール、及び/又は、
前記搬送デバイスを移動又は変位させるための1つ以上のドライブチェーン、
をさらに含むことを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載の搬送デバイス。
【請求項16】
前記1つ以上のモジュールユニットのうちの1つを格納ステーションに収納し、前記1つのモジュールユニットを前記格納ステーションから前記工作機械に搬送するように構成されることを特徴とする、請求項1~15のいずれか一項に記載の搬送デバイス。
【請求項17】
前記それぞれのモジュールユニットが収納されると、前記搬送デバイスの1つ以上の接続要素と前記モジュールユニットの1つ以上の接続要素との間の接続を確立するように構成されることを特徴とする、請求項16に記載の搬送デバイス。
【請求項18】
外部制御デバイスと通信するように構成されることを特徴とする、請求項1~17のいずれか一項に記載の搬送デバイス。
【請求項19】
通信インターフェースを介して前記工作機械の制御デバイスと通信するように構成されることを特徴とする、請求項1~18の一項に記載の搬送デバイス。
【請求項20】
前記通信インターフェースは無線通信インターフェースを含み、前記搬送デバイスは、無線通信リンクを介して前記無線通信インターフェースによって前記工作機械の前記制御デバイスと通信するように構成されることを特徴とする、請求項19に記載の搬送デバイス。
【請求項21】
ドッキングデバイスを含み、前記工作機械のドッキングステーションにおいて、前記工作機械を有する製造システムのセットアップステーションのドッキングステーションにおいて、及び/又は、前記工作機械を有する製造システムの自動化デバイスのドッキングス
テーションにおいて、前記ドッキングデバイスによってドッキングするように構成されることを特徴とする、請求項1~20のいずれか一項に記載の搬送デバイス。
【請求項22】
通信インターフェースを介して前記工作機械の制御デバイスと通信するように構成され、
前記通信インターフェースを有する前記工作機械の前記ドッキングステーション上でドッキングされている状態で、前記通信インターフェースに結合した前記ドッキングデバイスを介して前記工作機械の前記制御デバイスと通信するように構成されることを特徴とする、請求項21に記載の搬送デバイス。
【請求項23】
前記工作機械の前記ドッキングステーションにドッキングすることによって前記工作機械に対して、前記セットアップステーションの前記ドッキングステーションにドッキングすることによって前記セットアップステーションに対して、及び/又は、前記自動化デバイスの前記ドッキングステーションにドッキングすることによって前記自動化デバイスに対して、前記搬送デバイス自体及び/又は前記1つ以上の収納されたモジュールユニットを位置決めするように構成されることを特徴とする、請求項21又は22に記載の搬送デバイス。
【請求項24】
前記製造システムのドッキングステーション間で移動するように構成されることを特徴とする、請求項21~23のいずれか一項に記載の搬送デバイス。
【請求項25】
前記搬送デバイスの前記ドッキングデバイスは、前記ドッキングステーションでドッキングするために、前記搬送デバイスを上げる及び/又は下げるように構成されることを特徴とする、請求項21~24のいずれか一項に記載の搬送デバイス。
【請求項26】
モジュールユニットの提供及び/又はモジュールユニットの格納のために構成されるモジュール装填ステーションまで移動するように構成されることを特徴とする、請求項1~25のいずれか一項に記載の搬送デバイス。
【請求項27】
前記1つ以上のモジュールユニットのそれぞれは、前記工作機械で使用可能な工作機械アクセサリーデバイスを含むことを特徴とする、請求項1~26のいずれか一項に記載の搬送デバイス。
【請求項28】
前記工作機械アクセサリーデバイスは、
前記工作機械においてパレット及び/又はワークをハンドリングするように構成されるハンドリングデバイスと、
産業用ロボットと、
前記工作機械上でツール変更を実施するツール変更デバイスと、
前記工作機械においてツールを提供するツール格納デバイス又はツールマガジンと、
前記工作機械においてツールを提供し、前記工作機械においてツール変更を実施する、ツール変更デバイスを有するツール格納デバイスと、
前記工作機械上でワーク変更を実施するワーク変更デバイスと、
前記工作機械において又は前記工作機械の前記作業空間においてチップを収集するチップ収集デバイスと、
前記工作機械から又は前記工作機械の前記作業空間からチップを除去するチップコンベヤデバイスと、
前記工作機械においてワークを装填するワーク装填デバイスと、
前記工作機械において冷却剤を供給する冷却剤供給デバイスと、
前記工作機械において冷却剤を交換する冷却剤交換デバイスと、
前記工作機械においてワークを測定するワーク測定デバイスと、
前記工作機械においてワークのバリ取りをするワークバリ取りデバイスと、
前記工作機械においてツールをセットアップするツールセットアップデバイスと、
前記工作機械においてツールをドレッシングするツールドレッシングデバイスと、
前記工作機械においてツールを鋭利化するツール鋭利化デバイスと、
前記工作機械の前記作業空間内で吸引する吸引デバイスと、
ワークを収納するワークレセプタクルと、
ワークを運搬するコンベヤデバイスと、
前記工作機械においてアクセサリー部品又は予備部品を交換する予備部品交換デバイスと、
からなるリストから選択されることを特徴とする、請求項27に記載の搬送デバイス。
【請求項29】
請求項1~28のいずれか一項に記載の1つ以上の搬送デバイスと、
前記1つ以上の搬送デバイスに接続され、前記複数の搬送デバイスを制御するように構成される中央制御デバイスと、
を備える、システム。
【請求項30】
モジュールユニットを提供して及び/又はモジュールユニットを格納するように構成される、モジュール装填ステーションをさらに含むことを特徴とする、請求項29に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械アクセサリーデバイスを有する1つ以上のモジュールユニットを収納し、1つ以上の収納されたモジュールユニットを搬送する搬送デバイスに関する。さらに、本発明は、搬送デバイス及び中央制御デバイスを有するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
作業場内で物品を受け取り(picking up)搬送するための搬送車両が知られている。最もよく知られている例はフォークリフト及び部分的に電動化されたリフトトラックである。自動化のレベルを上げ続け、好ましくは、配送(deliveries)を生産プロセスと同期させることが、対応する車両によるそのような配送についての宣言された目標である。
【0003】
このための好ましい選択は、無人搬送システム(driverless transport system)又は略してFTSであり、FTSは、無人搬送車両(driverless transport vehicle)又は略してFTFに加えて、搬送車両によって搬送される物品を受け取る又は据え付ける(depositing)ための指定場所、場合によっては同様に、例えば、来るべき生産プロセスのために搬送される物品を準備するための特別に配置された場所又は停止部も有する。
【0004】
しかしながら、搬送車両をレールシステムによってそれぞれのステーションに誘導するFTSは不利であることがわかっている。そのようなレールシステムは、レール及びレールセグメントの製造、配置構成、及び互いに対する整列に関して非常に複雑であるだけではない。そのようなレールシステムは同様に、1つの特定の場合について構成されるだけであり、したがって、位置又は場所又は生産プロセスの変化にすぐに反応又は適合することができない。
【0005】
したがって、そのようなシステムは、柔軟性に関して非常に不利である。
【0006】
さらに、現在知られているFTSは、FTTが、通常、搬送物品又は対応する技術的デバイスを収納するためのインターフェースを装備するだけであるため、これらの車両が、それらのそれぞれの目的地に対する多数のコンテナーを得るために、又は、対応する技術的デバイスをそれらの作業場所にもたらすために、しばしば長い距離を走行しなければならないという不利益を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、上記の問題を回避できるように、工作機械アクセサリーデバイスを有する1つ以上のモジュールユニットを収納し、1つ以上の収納されたモジュールユニットを搬送する搬送デバイスを提供することである。
【0008】
さらに、搬送デバイス及び中央制御デバイスを含むシステムを提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの目的は、請求項1による搬送デバイス及び請求項30によるシステムによって達成される。従属請求項は、本発明による搬送デバイス及び本発明によるシステムの有利な例示的な実施形態に関する。
【0010】
工作機械アクセサリーデバイスを有する1つ以上のモジュールユニットを収納し、1つ以上の収納されたモジュールユニットの工作機械アクセサリーデバイスを工作機械で使用するためにベース表面上にセットアップされた工作機械まで1つ以上の収納されたモジュールユニットを搬送する、本発明による搬送デバイスであって、搬送デバイスは、工作機械に対して、特に、工作機械の前の及び/又は工作機械に隣接する領域内、及び/又は工作機械の作業空間の前の及び/又は作業空間に隣接する領域内で、1つ以上の収納されたモジュールユニットを位置決めするためにベース表面上で自由に移動可能である、搬送デバイス。
【0011】
本発明による搬送デバイスによって、個々の処理ステップをスムーズかつ特に効率的な方法で実施できるように、多様な製造プロセスをサポートすることができる。
【0012】
特に、本発明による搬送デバイスの構成は、有利には、レールシステム等のタイプに依存する必要なしで、工作機械の前で又は工作機械の作業空間の前で搬送デバイスのカスタマイズされた自由な位置決めを可能にする。
【0013】
さらに、製造効率を高めるために、本発明による搬送デバイスによって、種々の補助作業を既存の工作機械上で実施することができる。
【0014】
本発明による搬送デバイスのうちの1つが、1つの工作機械アクセサリーデバイスによって単一タスクを引き受けるだけでなく、複数の工作機械アクセサリーデバイスを収納することによって同時に複数のタスクを引き受けることもできることを特に留意すべきである。
【0015】
さらに、種々の工作機械アクセサリーデバイス又はモジュール式ユニットは、工作機械上でどの製造作業及び/又は補助作業を実施しなければならないかに応じて、完全に自由に互いに組み合わせることができる。
【0016】
こうして、製造プロセスを、きわめて柔軟性があるようにかつ効率的にすることができる。
【0017】
本発明による搬送デバイスは、有利には、搬送デバイスが、ベース表面上で移動することによって、工作機械の作業空間の前の及び/又は作業空間に隣接する領域内で、領域にわたる空間方向に沿って1つ以上のモジュールユニットを位置決めするように構成される点で、更に開発することができる。
【0018】
さらに、本発明による搬送デバイスは、有利には、搬送デバイスがそれぞれのモジュールユニットを収納する1つ以上の収納デバイスを含む点で、更に開発することができる。
【0019】
さらに、本発明による搬送デバイスは、有利には、1つ以上の収納デバイスのうちの少なくとも1つの収納デバイスが、収納されたモジュールユニットを収納デバイスに整列させるように構成される芯出しデバイスを含む点で、更に開発することができる。
【0020】
こうして、工作機械又は別のデバイス(例えば、セットアップステーション、格納ステーション、マガジンステーション等)に対する、モジュールユニット(又は、ハンドリングデバイス、パレットホルダー、材料ボックス等のような別のデバイス)の位置決め不正確度(inaccuracy)は、モジュールユニットが工作機械上に据え付け/ドッキングされると、補償することができる。芯出しデバイスは、搬送デバイスが、収納されるモジュールユニットの相対位置を搬送デバイスに対して補正し、したがって、本質的に搬送デバイスの位置決め不正確度だけに起因する工作機械に対するモジュールユニットの位置決め不正
確度を得ることを可能にする。
【0021】
さらに、本発明による搬送デバイスは、有利には、芯出しデバイスを含む1つ以上の収納デバイスのうちの少なくとも1つの収納デバイスが、芯出しデバイスの方向への収納デバイスの直線変位のためのドライブも含む点で、更に開発することができる。
【0022】
搬送デバイスに対して、収納されるモジュールユニットを整列させる/芯出しするために、収納されるモジュールユニットを芯出しデバイスまで配送するために収納デバイスを芯出しデバイスの方向に(又は、反対方向に)移動させ、したがって、芯出し/整列を支援することができる更なるドライブが利用可能であるときが有利であるものとすることもできる。
【0023】
さらに、本発明による搬送デバイスは、有利には、少なくとも1つの収納デバイスが、搬送デバイスの少なくとも1つの側面に設けられ、好ましくは、少なくとも1つの収納デバイスが、搬送デバイスの少なくとも2つの側面に設けられ、特に好ましくは、少なくとも1つの収納デバイスが、搬送デバイスの各側面に設けられる点で、更に開発することができる。
【0024】
それにより、本発明による搬送デバイスは、ここで、工作機械上での製造プロセスを支援するために多数のモジュール/モジュール式ユニットを収納することができる。さらに、広範なモジュールを、互いに組み合わせることができ、それぞれの単数の工作機械に又はそれぞれの複数の工作機械に搬送することができる。
【0025】
さらに、本発明による搬送デバイスを、有利には、モジュールユニットが、モジュールユニットを収納するように構成される工作機械のレセプタクル上に搬送ユニットによって据え付けられる及び/又はドッキングされるように構成される点で、更に開発することができる。
【0026】
ここで、搬送デバイスは、広範なモジュール/デバイスを工作機械にもたらし、モジュール/デバイスをそこに(例えば、このために構成されるレセプタクル上に)設置する、又は、モジュール/デバイスをそこに(同様に、このために構成されるレセプタクル上に)ドッキングすることによって、工作機械のための配送ユニットとして働く。レセプタクルは、例えば、エネルギー及び/又は信号のための接続オプションも有する円錐レセプタクルを備えることができる。流体(冷却潤滑剤等)用の接続を、円錐に設けることもできる。
【0027】
さらに、本発明による搬送デバイスを、有利には、1つ以上の収納デバイスが、特に、電気、油圧、及び/又は空気圧接続を確立するための、特に、制御信号及び/又はエネルギーを搬送デバイスからそれぞれのモジュールユニットに伝達するための接続要素を有する点で、更に開発することができる。
【0028】
さらに、本発明による搬送デバイスを、有利には、モジュールユニットが収納されると、接続要素が、電気、空気圧、及び/又は油圧制御信号及び/又はエネルギーを伝達するために、それぞれのモジュールユニットとの接続を自動的に確立する点で、更に開発することができる。
【0029】
こうして、種々のモジュール式ユニットを、ここで、高度な自動化を伴って、搬送デバイスによって再び独立して収納し据え付けることができる。
【0030】
さらに、本発明による搬送デバイスは、有利には、収納デバイスがそれぞれ、それぞれ
のモジュールユニットのレセプタクルの状態をモニタリングするための制御デバイスを有する点で、更に開発することができる。
【0031】
こうして、搬送デバイスによるモジュールユニットの正しい収納に関する確実性を確保することができる。
【0032】
さらに、本発明による搬送デバイスは、制御デバイスが、制御信号、エネルギー伝達、及び/又はそれぞれの収納デバイス上で収納されるモジュールユニットのロック状態をモニタリングするように構成される点で、更に開発することができる。
【0033】
信号及びエネルギー移動は、こうしてモニタリングすることもできる。例えば、故障が発生した場合、問題の搬送デバイスは、管理のためにメンテナンス位置まで移動することができ、問題を突き止めることができる。
【0034】
さらに、本発明による搬送デバイスの更に有利な開発は、搬送デバイスの複数の収納デバイスが均一に構成されることである。
【0035】
こうして、広範なモジュール/モジュールユニットは、均一に構成された収納デバイス上で収納することができる。特に、収納デバイスのそのような「標準化(standardization)」は、収納デバイスについて個々のモジュールの間で交互に切り替えることを可能にするため、1つのみの収納セバイスがモジュールについて適するわけではない。
【0036】
さらに、本発明による搬送デバイスは、有利には、搬送デバイスが無人搬送車両を含む点で、更に開発することができる。
【0037】
特に有利には、これは、生産全体の自動化の程度が何倍も高められることを可能にする。なぜならば、無人搬送車両又は搬送デバイスの協働及び全体としての制御が、例えば中央コンピューター/制御デバイスによって実施することができるため、作業者が、主にモニタリング機能を有するからである。
【0038】
さらに、本発明による搬送デバイスは、有利には、搬送車両を移動させるためのドライブ、及び、搬送車両を制御する制御ユニットによって、更に開発することができる。
【0039】
さらに、本発明による搬送デバイスは、有利には、搬送デバイスに、エネルギー、特に、電気エネルギーを供給する内部エネルギーストアによって、更に開発することができる。
【0040】
さらに、本発明による搬送デバイスは、有利には、搬送デバイスの環境をモニタリングする、1つ以上の光、赤外、及び/又はレーダーセンサーを備えるセンサーユニットによって、更に開発することができる。
【0041】
搬送デバイスの時間制限のある自給自足のエネルギー供給を提供することに加えて、これは、周囲のもの、特に、作業場に存在し、歩きまわる場合がある人々の安全性を確保し、なぜならば、搬送デバイスが、周囲のものを登録し、衝突が起こるか又は差し迫っている場合、相応して安全機能をトリガーすることができるからである。
【0042】
さらに、本発明による搬送デバイスは、有利には、搬送デバイスを移動又は変位させるための複数のホイールであって、搬送デバイスのホイールのうちの1つ、複数、又は全ては、個々に制御可能及び/又は操向可能である、複数のホイールによって、更に開発することができる。
【0043】
特に、本発明による搬送デバイスは、有利には、搬送デバイスのホイールのうちの1つ、複数、又は全てが、個々に制御可能なメカナム(Mecanum)ホイールとして構成される点で、更に開発することができる。
【0044】
それらはロボティクスにおいて既に広く知られているため、メカナムホイールは、有利には、搬送デバイスの移動の大きい柔軟性又は移動の可能性を同様に確保するために、搬送デバイスのために使用することもできる。
【0045】
さらに、本発明による搬送デバイスは、有利には、搬送デバイスを移動又は変位させるための1つ以上のドライブチェーンによって、更に開発することができる。
【0046】
さらに、本発明による搬送デバイスを、有利には、搬送デバイスが、格納ステーションにおいて1つ以上のモジュールユニットのうちの1つを収納し、それを、格納ステーションから工作機械に搬送するように構成される点で、更に開発することができる。
【0047】
こうして、搬送デバイスは、特に有利には、工作機械に、必要とされる補助モジュールを供給し、また同様に、他のタスクを引き受けるために補助モジュールを工作機械に据え付ける配送車両として役立つことができる。
【0048】
本発明による搬送デバイスの更に有利な開発は、特に、搬送デバイスからモジュールユニットへの制御信号及び/又はエネルギーの伝達のために、それぞれのモジュールユニットが収納されると、搬送デバイスの1つ以上の接続要素と、モジュールユニットの1つ以上の接続要素との間の接続を確立するように構成されることである。
【0049】
こうして、自動化の程度を更に高めることができる。なぜならば、搬送デバイスとモジュール/モジュールユニットとの間の自律接続を搬送デバイスによって確立することができるからである。
【0050】
さらに、本発明による搬送デバイスは、有利には、搬送デバイスが、特に無線通信リンクによって、複数の搬送デバイスに同時に接続され、特に自動リモート制御によって、複数の搬送デバイスを制御するように構成される、外部制御デバイス、特に中央制御デバイスと通信するように構成される点で、更に開発することができる。
【0051】
さらに、本発明による搬送デバイスは、有利には、搬送デバイスが、特に、1つ以上の収納されたモジュールユニットが、通信インターフェースを介して通信リンクによって工作機械の制御デバイスによって制御可能であるように、通信インターフェースを介して工作機械の制御デバイスと通信するように構成される点で、更に開発することができる。
【0052】
こうして、中央制御デバイスは、搬送デバイス及び搬送デバイスによって収納されたモジュールと通信し、必要である場合、それらを制御するために使用することができる。
【0053】
さらに、本発明による搬送デバイスは、有利には、通信インターフェースが無線通信インターフェースを含み、搬送デバイスが、無線通信リンクを介して無線通信インターフェースによって工作機械の制御デバイスと通信するように構成される点で、更に開発することができる。
【0054】
さらに、本発明による搬送デバイスは、有利には、搬送デバイスが、ドッキングデバイスを含み、工作機械のドッキングステーションにおいて、工作機械を有する製造システムのセットアップステーションのドッキングステーションにおいて、及び/又は、工作機械
を有する製造システムの自動化デバイスのドッキングステーションにおいて、ドッキングデバイスによってドッキングするように構成される点で、更に開発することができる。
【0055】
搬送デバイスは、多様なドッキングステーションによって工作機械と通信し、また、エネルギーを伝達することができる。ドッキングステーションがベース表面上に設けられると有利であり得る。これは、搬送デバイスが、そこで問題なく走行することができ、その後、ドッキングデバイスを介して、ベース表面上でドッキングステーションに接続することができるからである。
【0056】
さらに、本発明による搬送デバイスは、有利には、搬送デバイスが、通信インターフェースを有する工作機械のドッキングステーション上にドッキングすると、通信インターフェースに結合したドッキングデバイスによって工作機械の制御デバイスと通信するように構成される点で、更に開発することができる。
【0057】
さらに、本発明による搬送デバイスは、有利には、搬送デバイスが、工作機械のドッキングステーションにドッキングすることによって工作機械に対して、セットアップステーションのドッキングステーションにドッキングすることによってセットアップステーションに対して、及び/又は、自動化デバイスのドッキングステーションにドッキングすることによって自動化デバイスに対して、搬送デバイス自体及び/又は1つ以上の収納されたモジュールユニットを位置決めするように構成される点で、更に開発することができる。
【0058】
さらに、本発明による搬送デバイスは、有利には、搬送デバイスが、特に、製造システムの異なる工作機械のドッキングステーション間で移動することを含んで、製造システムのドッキングステーション間で移動するように構成されるように更に開発することができる。
【0059】
さらに、本発明による搬送デバイスは、有利には、搬送デバイスのドッキングデバイスは、ドッキングステーションでドッキングするために、搬送デバイスを上げる及び/又は下げるように構成される点でも、更に開発することができる。
【0060】
これは、ドッキングに加えて、搬送デバイス及び/又は被収納モジュール(複数の場合もある)が同時に整列する場合に、特に有利である。
【0061】
さらに、本発明による搬送デバイスは、有利には、搬送デバイスが、モジュールユニットの提供及び/又はモジュールユニットの格納のために構成されるモジュール装填ステーションまで移動して、特に、モジュール装填ステーションにおいて1つ以上のモジュールユニットを搬送デバイスに装備する及び/又はジュール装填ステーションにおいて搬送デバイスの1つ以上のモジュール式ユニットを交換するように構成する点で、更に開発することができる。
【0062】
さらに、本発明による搬送デバイスは、有利には、1つ以上のモジュール式ユニットのそれぞれは、工作機械で使用可能な工作機械アクセサリーデバイスを含む点で、更に開発することができる。
【0063】
特に、本発明による搬送デバイスは、有利には、工作機械アクセサリーデバイスが、工作機械においてパレット及び/又はワークをハンドリングするように構成されるハンドリングデバイス、特に、ツール、ワーク、及び/又はワークパレットをハンドリングする産業用ロボット、工作機械上でツール変更を実施するツール変更デバイス、工作機械においてツールを提供するツール格納デバイス又はツールマガジン、工作機械においてツールを提供し、工作機械においてツール変更を実施する、ツール変更デバイスを有するツール格
納デバイス、工作機械上でワーク変更を実施するワーク変更デバイス、工作機械において又は工作機械の作業空間においてチップを収集するチップ収集デバイス、工作機械から又は工作機械の作業空間からチップを除去するチップコンベヤデバイス、工作機械においてワークを装填するワーク装填デバイス、特に、ターニング機械として構成される工作機械上で使用する棒ローダー、工作機械において冷却剤を供給する冷却剤供給デバイス、工作機械において冷却剤を交換する冷却剤交換デバイス、特に、光、電磁、及び/又は触覚測定デバイスによって、工作機械においてワークを測定するワーク測定デバイス、工作機械においてワークのバリ取りをするワークバリ取りデバイス、工作機械においてツールをセットアップするツールセットアップデバイス、工作機械においてツールをドレッシングする、特に、工作機械においてツールをドレッシング研削するツールドレッシングデバイス、工作機械においてツールを鋭利化するツール鋭利化デバイス、工作機械の作業空間内で吸引する吸引デバイス、ワークを収納するワークレセプタクル、特に1つ以上のコンベヤベルト又はコンベヤベルト部分を備える、ワークを運搬するコンベヤデバイス、工作機械においてアクセサリー部品又は予備部品を交換する予備部品交換デバイスを含む点で、更に開発することができる。
【0064】
さらに、本発明による搬送デバイスは、有利には、1つ以上のモジュール式ユニットが、工作機械においてパレット及び/又はワークをハンドリングするように構成されるハンドリングデバイスを有するハンドリングモジュールユニット、特に、ツール、ワーク、及び/又はワークパレットをハンドリングする、産業用ロボットを有するロボットモジュールユニット、工作機械上でツール変更を実施する、ツール変更デバイスを有するツール変更モジュールユニット、工作機械においてツールを提供する、ツール格納デバイス又はツールマガジンを有するツール格納モジュールユニット、工作機械においてツールを提供し、工作機械上でツール変更を実施する、ツール変更デバイス及びツール格納デバイスを有するツール格納及びツール変更モジュールユニット、工作機械上でワーク変更を実施するワーク変更デバイスを有するワーク変更モジュールユニット、工作機械において又は工作機械の作業空間においてチップを収集するチップ収集デバイスを有するチップ収集モジュールユニット、工作機械から又は工作機械の作業空間からチップを除去するチップ運搬デバイスを有するチップ運搬モジュールユニット、工作機械においてワークを装填するワーク装填デバイス、特に、ターニング機械として構成される工作機械で使用する棒ローダーを有するワーク装填モジュールユニット、工作機械に冷却剤を供給する冷却剤供給デバイスを有する冷却剤供給モジュールユニット、工作機械において冷却剤を交換する冷却剤交換デバイスを有する冷却剤交換モジュールユニット、特に、光、電磁、及び/又は触覚測定デバイスによって、工作機械においてワークを測定するワーク測定デバイスを有するワーク測定モジュールユニット、工作機械においてワークのバリ取りをするワークバリ取りデバイスを有するワークバリ取りモジュールユニット、工作機械においてツールをセットアップするツールセットアップデバイスを有するツールセットアップモジュールユニット、工作機械においてツールをドレッシングする、特に、工作機械においてツールをドレッシング研削するツールドレッシングデバイスを有するツールドレッシングモジュールユニ
ット、工作機械においてツールを鋭利化するツール鋭利化デバイスを有するツール鋭利化モジュールユニット、工作機械の作業空間内で吸引する吸引デバイスを有する吸引モジュールユニット、ワークを収納するワークレセプタクルを有するワークレセプタクルモジュールユニット、特に1つ以上のコンベヤベルト又はコンベヤベルト部分を備える、ワークを運搬するコンベヤデバイスを有するコンベヤモジュールユニット、工作機械においてアクセサリー部品又は予備部品を交換する予備部品交換デバイスを有する予備部品モジュールユニットを含む点で、更に開発することができる。
【0065】
本発明によるシステムは、本発明による1つ以上の搬送デバイス、及び、特に無線通信リンクによって1つ以上の搬送デバイスに接続され、特に自動リモート制御によって、複数の搬送デバイスを制御するように構成される中央制御デバイスを備える(正:comprise
s)。
【0066】
本発明による搬送デバイスによって、ワークの生産及び機械加工プロセスを遥かに柔軟性があるものにすることができる。さらに、本発明による搬送デバイスは、既存の製造構造と共に使用することができるとともに、ワークを製造し機械加工するための全く新しいプロセスのために使用することができる。
【0067】
さらに、本発明による搬送デバイスは、その柔軟性のある使用オプションによって、生産チェーン内の/生産プロセス内の任意のタスクに制限されないという明確な利点を提供する。
【0068】
以降で、搬送デバイス、工作機械、及びパレット又はワークをハンドリングする方法、並びにそれらのそれぞれの利点が述べられる。
【0069】
ワークを機械加工する工作機械に対してパレット及び/又はワークをハンドリングするハンドリングデバイスを搬送する例示的な搬送デバイスであって、ツール又はワークを収納するためのワークスピンドル及びツール又はワークを収納するためのパレットを含む工作機械は、工作機械の作業空間の前の領域内で、領域にわたる空間方向に沿ってハンドリングデバイスを位置決めするように更に構成される、例示的な搬送デバイス。
【0070】
例示的な搬送デバイスは、搬送車両を誘導するためのレールシステムを全くなしで済ますことを可能にする。なぜならば、搬送車両が、ホールフロア等の平面上で自由に移動することができるからである。
【0071】
さらに、これは、車両及びそれらの「軌跡」が状況に個々に適合することを可能にし、したがって、生産及びロジスティクスにおける柔軟性の著しい増加を可能にする。
【0072】
さらに、例示的な搬送デバイスは、パレットチェンジャー、ロボット、コンテナー、及びボックス等のような広範なハンドリングデバイスをそこに収納することができる多数のインターフェースを有し、それが、生産プロセスにおいて及びロジスティクスのエリアにおいて柔軟性を更に増加させることができる。
【0073】
例示的な搬送デバイスは、有利には、搬送デバイスが更に無人搬送車両であり、無人搬送車両が、ハンドリングデバイスを収納する複数の収納デバイスを含むプラットフォーム、プラットフォームを移動させるためのドライブ、並びに、収納デバイス及びプラットフォームのドライブを制御する制御ユニットを備える点で更に開発することができる。
【0074】
自動化の程度を高めるために、例示的な搬送デバイスは、適切な制御及びネットワーキングを有する無人搬送車両として構成され、それにより、複数の搬送車両/搬送デバイスでさえも、協働して移動することができる。
【0075】
例示的な搬送デバイスは、有利には、少なくとも1つの収納デバイスが、搬送デバイスの少なくとも1つの側面に設けられ、好ましくは、少なくとも1つの収納デバイスが、搬送デバイスの少なくとも2つの側面に設けられ、特に好ましくは、少なくとも1つの収納デバイスが、搬送デバイスの各側面に設けられる点で、更に開発することができる。
【0076】
こうして、かなり多くの技術的デバイス及び/又はコンテナーを、ここで、過去に知られている搬送車両に関して可能であるのに比べてたった1回のトリップでそれらのそれぞれの目的地にもたらすことができる。
【0077】
例示的な搬送デバイスは、有利には、プラットフォームが、プラットフォームの収納デバイス、ドライブ、及び制御ユニットに、エネルギー、特に電気エネルギーを供給する内部エネルギーストアを更に含む点で更に開発することができる。
【0078】
こうして、搬送デバイスは、エネルギー及び/又は信号伝達のためにケーブル用の複雑なルーティングシステムを提供する必要性なしで、工場ホール及び生産又は製造エリアを通って自由に移動することができる。
【0079】
例示的な搬送デバイスは、有利には、制御ユニットが、搬送デバイスの環境をモニタリングする光、赤外、及び/又はレーダーセンサーを備えるセンサーユニットを更に含む点で更に開発することができる。
【0080】
環境をモニタリングし、任意の障害物を検出するために、無人搬送車両上にそのようなセンサーを設けることが有利である。これは、ホール内の工場作業者の保護も高める。
【0081】
例示的な搬送デバイスは、有利には、搬送デバイスが工作機械上に位置決めされた後に、ハンドリングデバイスを据え付けるように更に構成される点で更に開発することができる。
【0082】
この可能性は、搬送デバイスが、ハンドリングデバイスと共に所定の場所に留まる必要があるのではなく、例えば、据え付けられたハンドリングデバイスがそれぞれの工作機械上でその機能を果たしながら、他のハンドリングデバイスを搬送することができる点で特に有利である。
【0083】
例示的な搬送デバイスは、有利には、収納デバイスが、搬送デバイスからハンドリングデバイスへの制御信号及び/又はエネルギーの伝達のために構成される接続要素を更に含む点で更に開発することができる。
【0084】
こうして、ハンドリングデバイスを制御するためのエネルギー及び信号は、有利には、搬送デバイスからハンドリングデバイスへ伝達することができる。これは、搬送デバイスが、中央主コンピューターコントロールと(無線信号、WLAN等を介して)連絡をとり合うことができ、それにより、そのときに搬送デバイスによって移動させられている全てのハンドリングデバイスを制御することができるため特に有利である。
【0085】
例示的な搬送デバイスは、有利には、ハンドリングデバイスが収納されると、搬送デバイスの収納デバイスの接続要素が、制御信号及び/又はエネルギーの伝達のためにハンドリングデバイスとの接続を自動的に確立する点で更に開発することができる。
【0086】
これは、工場作業者の手作業による介入をなくし、生産及びロジスティクスプロセスの自動化の程度が更に高められることを可能にする。
【0087】
例示的な搬送デバイスは、有利には、収納デバイスがそれぞれ、それぞれのハンドリングデバイスの収納の状態をモニタリングするための制御デバイスを含むという点で更に開発することができる。
【0088】
例示的な搬送デバイスは、有利には、制御デバイスが、制御信号、エネルギー伝達、及び/又はそれぞれの収納デバイス上で収納されるハンドリングデバイスのロック状態をモニタリングするように構成される点で、更に開発することができる。
【0089】
これは、場合によっては起こる可能性があるハンドリングデバイスの機能不全を回避し
、搬送デバイス上のハンドリングデバイスの安全及びハンドリングデバイスの直近にいる作業者の安全を確保するために特に有利である。
【0090】
さらに、故障したレセプタクル又は故障したコンポーネント(エネルギー及び/又は信号伝達等のための接続の損傷した接点)は、より迅速に突き止めることができ、したがって、より迅速に置換/修理することができる。
【0091】
例示的な搬送デバイスは、有利には、ドライブがプラットフォームを移動させるための複数のホイールを含み、ホイールが個々に制御可能及び/又は操向可能である点で更に開発することができる。
【0092】
特に、ホイールを、個々のユニットとして互いから別々に制御又は操向することができ、それにより、搬送デバイスの可動性及び操縦性が、1つの操向可能な車軸のみを有する車両と比較して著しく改善することができる場合が有利である。
【0093】
例示的な搬送デバイスは、有利には、ホイールが、個々に制御可能なメカナムホイールとして構成される点で更に開発することができる。
【0094】
メカナムホイールの大きい利点は、ホイールの操向を完全に省略することができること、及び、搬送デバイスの走行方法又は回転方向を、もっぱら個々のホイールの回転方向によって制御することができることである。メカナムホイールの機能についての必要条件は、各ホイールが、常に地面との十分な接触を有することである。
【0095】
例示的な搬送デバイスは、有利には、ドライブが、プラットフォームを移動させるための多数のチェーンを含む点で更に開発することができる。
【0096】
古典的ホイール及びメカナムホイールに加えて、チェーンを、搬送デバイスを移動させるために使用することもできる。これは、搬送デバイスが、大きい荷重を保持しなければならず、搬送デバイスがその上を走行する地面の考えられる最大エリアにわたって、これらの荷重が分配されなければならない/されるべきであるときに有利であるものとすることができる。
【0097】
例示的な搬送デバイスは、有利には、ハンドリングデバイスが、工作機械内でパレットを交換するパレットチェンジャーであり、パレットチェンジャーが、工作機械の作業空間内で及び/又はセットアップステーションにおいてパレットを交換するように構成される点で更に開発することができる。
【0098】
特に、搬送デバイスによって搬送することができるハンドリングデバイスがパレットチェンジャーである場合が有利である。こうして、種々のパレットを、個々の工作機械まで搬送し、たった1つのパレットチェンジャー及び1つの搬送デバイスによって挿入又は交換することができる。
【0099】
例示的な搬送デバイスは、有利には、パレットチェンジャーが、パレットを収納するための収納つめ又はフォーク形状レセプタクルを含む点で更に開発することができる。
【0100】
例示的な搬送デバイスは、有利には、ハンドリングデバイスが、ワークをハンドリング及び/又は機械加工する産業用ロボットである点で更に開発することができる。
【0101】
しかしながら、搬送デバイスが、パレットチェンジャーに加えて又はその代わりに、ロボット(産業用ロボット)を収納し、ロボットが必要とされる工作機械又は処理ステーシ
ョンにロボットを搬送することは非常に有利であるものとすることもできる。これは、ワークハンドリングタスク(例えば、機械テーブル/パレット又はワークスピンドルにワークを取り付けること、ワークスピンドル又はツールタレット上のツールを交換すること、バリ取り(burr removal)等のワークを後処理すること等)のためのものであるとすることができる。機械加工の分野におけるロボットの適用エリアは多様である。
【0102】
例示的な搬送デバイスは、有利には、搬送デバイスの収納デバイスが、材料キャリア、特に、未完成及び/又は完成部品を有するメッシュボックスを収納し、交換把持部を収納するように更に構成される点で更に開発することができる。
【0103】
例示的な搬送デバイスは、有利には、搬送デバイスの収納デバイスが均一に構成される点で更に開発することができる。
【0104】
特に、パレットチェンジャー、ロボット、材料パレット、メッシュボックス等のようなハンドリングデバイスを、それによって搬送デバイスによって収納することができる収納デバイスが、均一である、すなわち、標準化されている場合が有利である。こうして、全ての考えられるハンドリングデバイスが、1つの又は同じインターフェースを備えることができるため、どのハンドリングデバイスが収納されるかによらず、エネルギー及び/又は信号伝達のための接続を自動的に確立することができる。
【0105】
ワークを機械加工するための例示的な工作機械は、ツール又はワークを収納するためのワークスピンドル、ツール又はワークを収納するためのパレット、並びにパレット及び/又はワークをハンドリングするハンドリングデバイスを備え、ハンドリングデバイスは、例示的な搬送デバイスによって工作機械上に位置決めすることができる。
【0106】
これは、必要とされる又は更に保留中のそれぞれの機械加工ステップについて必要である任意のハンドリングデバイスを工作機械にもたらすことができるため、幾つかの利点を提供する。工作機械、特に、ワーク及び/又はツールを有する機器は、高い程度の自動化を得ることができ、工作機械の自律的作業時間を延長することができる。
【0107】
例示的な工作機械は、有利には、工作機械が、搬送デバイスによって工作機械上にハンドリングデバイスが据え付けられる場合に工作機械に対してハンドリングデバイスを空間的に位置決めする位置決めデバイスを更に含む点で更に開発することができる。
【0108】
ハンドリングデバイスの正確な位置決めは、例えば、パレットがパレットホルダー上に非常に精密に設置されなければならないときに、又は、例えば、ワークの装備作業又は後処理が、ロボットによって小さい公差で実施されなければならないときに、有利であるだけでなく、必要でもある場合がある。
【0109】
例示的な工作機械は、有利には、位置決めデバイスが、工作機械から、据え付けられたハンドリングデバイスへの制御信号及び/又はエネルギーの伝達のために構成される接続要素を含む点で更に開発することができる。
【0110】
こうして、ハンドリングデバイスを制御するためのエネルギー及び信号は、有利には、工作機械からハンドリングデバイスに伝達され、したがって、搬送デバイスの部分上でのエネルギー又は信号の伝達と独立であるものとすることができる。
【0111】
例示的な工作機械は、有利には、工作機械の位置決めデバイスの接続要素が、搬送デバイスによってハンドリングデバイスが据え付けられるときに、制御信号及び/又はエネルギーの伝達のためにハンドリングデバイスとの接続を自動的に確立する点で更に開発する
ことができる。
【0112】
こうして、自動化の程度は、有利には、更に上がり、作業者による手作業の介入をなくすことができる。
【0113】
例示的な工作機械上でパレット及び/又はワークをハンドリングする例示的な方法は、パレット及び/又はワークをハンドリングするためのハンドリングデバイスを、格納ステーションから例示的な搬送デバイスによって収納するステップと、ハンドリングデバイスを搬送デバイスによって格納ステーションから工作機械まで搬送するステップと、ハンドリングデバイスを搬送デバイスによって工作機械上に、特に、工作機械の作業空間の前に位置決めするステップと、工作機械上でハンドリングデバイスによってパレット及び/又はワークをハンドリングするステップとを含む。
【0114】
例示的な方法は、有利には、ハンドリングデバイスを収納するステップ中に、搬送デバイスの接続要素によって、搬送デバイスとハンドリングデバイスとの間の接続が確立され、その接続によって、制御信号及び/又はエネルギーが搬送デバイスからハンドリングデバイスまで伝達される点で更に開発することができる。
【0115】
例示的な方法は、有利には、以下のステップ、すなわちハンドリングデバイスを搬送デバイスによって工作機械の作業空間の前に据え付けるステップ及び工作機械の位置決めデバイスによってハンドリングデバイスを位置決めするステップが、パレット及び/又はワークをハンドリングするステップの前に実施される点で更に開発することができる。
【0116】
例示的な方法は、有利には、ハンドリングデバイスが据え付けられると、工作機械の位置決めデバイスが、工作機械の接続要素によって、工作機械とハンドリングデバイスとの間の接続を確立し、その接続によって、制御信号及び/又はエネルギーが工作機械からハンドリングデバイスまで伝達される点で更に開発することができる。
【0117】
例示的な方法は、有利には、パレット及び/又はワークをハンドリングするステップの前に、以下のステップ、すなわち搬送デバイスからハンドリングデバイスまでの制御信号及び/又はエネルギーの伝達のための接続を切断するステップ、及び、搬送デバイスを、工作機械から格納ステーション又は別の工作機械まで更に移動させるステップが実施される点で更に開発することができる。
【0118】
例示的な方法は、有利には、パレット及び/又はワークをハンドリングするステップの後に、以下のステップ、すなわち搬送デバイスによって、工作機械の位置決めデバイスからハンドリングデバイスを収納するステップであって、ハンドリングデバイスの収納中に、工作機械からハンドリングデバイスまでの制御信号及び/又はエネルギーの伝達のための接続が切断されるステップ、及び、収納されたハンドリングデバイスを有する搬送デバイスを、再び更に、工作機械から格納ステーション又は別の工作機械まで移動させるステップが実施される点で更に開発することができる。
【0119】
例示的な方法は、有利には、中央コンピューターユニットが、個々のステップを制御するための搬送デバイスの制御ユニットに接続され、中央コンピューターユニットが、同時に、複数の搬送デバイスに接続され、それらを制御するように構成される点で更に開発することができる。
【0120】
例示的な搬送デバイスを使用することによって、生産プロセスの柔軟性が著しく改善される可能性があり、生産の変更に素早く対応することができる。
【0121】
更なる態様及びそれらの利点、並びに、上述した態様及び特徴の利点及びより特定の実装オプションは、以下の説明及び添付図の説明と共に述べられ、それらは制限的であると決して考えられない。
【図面の簡単な説明】
【0122】
図1】ハンドリングデバイスを収納する収納デバイスを有する、本発明による搬送デバイスの一実施形態を概略的に示す図である。
図2a】ハンドリングデバイスを収納する収納デバイスの詳細図を概略的に示す図である。
図2b】ハンドリングデバイスを収納する、搬送デバイスの収納デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図2c】ドライブがない収納デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図2d】収納デバイスから被収納デバイスに媒体、エネルギー、及び信号を伝達することができるコネクタを概略的に示す図である。
図3】例示的にパレットチェンジャー及びパレットを有する、本発明による搬送デバイスの一実施形態を概略的に示す図である。
図4a】パレット変更中の本発明による搬送デバイスの一実施形態を概略的に示す図であり、搬送デバイスは回転を実施する。
図4b】フォーク形状パレットチェンジャーの一実施形態を有する、本発明による搬送デバイスを概略的に示す図である。
図5】パレット変更中の本発明による搬送デバイスの一実施形態を概略的に示す図であり、搬送デバイスはその位置にあるままであり、パレットチェンジャー、図3に示すH形状パレットチェンジャーは回転する。
図6】パレット変更中の本発明による搬送デバイスの一実施形態を概略的に示す図であり、パレットチェンジャーは2重Hとして構成され、図示するように回転することができる。
図7】パレット変更中の本発明による搬送デバイスの一実施形態を概略的に示す図であり、パレットチェンジャーは60°パーティションを有するパレットを収納することができる。
図8】変位可能パレットチェンジャーを有する、本発明による搬送デバイスの一実施形態を概略的に示す図である。
図9a】調整可能フォーク幅を有するパレットチェンジャーを含む、本発明による搬送デバイスの一実施形態を概略的に示す図である。
図9b】調整可能フォーク長を有するパレットチェンジャーを含む、本発明による搬送デバイスの一実施形態を概略的に示す図である。
図10】マルチレベルパレット保管所のためのパレットチェンジャーを有する、本発明による搬送デバイスの一実施形態を概略的に示す図である。
図11】マルチレベルパレット保管所のためのパレットチェンジャーを有する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図12a】工作機械の円形ストアにパレットを装填するときの、本発明による搬送デバイスを概略的に示す図である。
図12b】中間格納部のレセプタクル上にドッキングさせることによって、パレット又はパレットホルダーをその上に設けることができる中間格納部を給送デバイスに装填するときの、本発明による搬送デバイスを概略的に示す図である。
図12c】パレットチェンジャーを装填するときの、本発明による搬送デバイスを概略的に示す図である。
図13】複数のセットアップステーション及び格納ステーションを有するパレットハンドリングのための直線格納部(linear storage)並びに複数の工作機械の例示的な実施形態を概略的に示す図である。
図14a】円錐レセプタクルによる格納ステーションにおけるパレットチェンジャーの位置決めを概略的に示す図である。
図14b】ローラー技術を有する格納ステーション内でのパレットチェンジャーの位置決めを概略的に示す図である。
図15】プリズムによる工作機械上での本発明による搬送デバイスの位置決めを概略的に示す図である。
図16a】円錐レセプタクルによる工作機械上での本発明による搬送デバイスの位置決めを概略的に示す図である。
図16b】円錐レセプタクルによる位置決め並びにエネルギー及び/又は信号接続確立中の、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図16c】本発明による搬送デバイスを概略的に示す図であり、パレットを有するパレットホルダーは、搬送デバイスによってパレットホルダーレセプタクルにドッキングする。
図16d】パレットホルダーを有する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図16e】パレットホルダーを有する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図16f図16eから既に知られているものと同様の、パレットホルダーを有する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図16g】パレットのみがレセプタクルによって収納されたときの、図16fからの本発明による搬送デバイスの状態を示す図である。
図16h】パレットホルダーがパレットと共にレセプタクルによって収納されたときの、図16fからの本発明による搬送デバイスの状態を示す図である。
図16i】パレットホルダー及び/又はパレットを収納する、工作機械のレセプタクルの構成を示す図である。
図16j図16iに示すが、レセプタクルの個々のコンポーネントのより良い全体像のために異なる視点からの、工作機械のレセプタクルの構成を示す図である。
図17a】押し上げシリンダーによる本発明による搬送デバイスの高さ調整を有する、本発明による搬送デバイスの一実施形態を概略的に示す図である。
図17b】押し上げシリンダー及びサスペンションによる本発明による搬送デバイスの高さ調整を有する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図18a】パレットホルダー及びパレットを有する、本発明による搬送デバイスの一実施形態を概略的に示す図である。
図18b】パレットホルダー及びパレットを有する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図19】本発明による搬送デバイスのハンドリングデバイスを収納する収納デバイスの高さ調整を有する、本発明による搬送デバイスの一実施形態を概略的に示す図である。
図20a】パレットチェンジャー及び搬送されるパレットを保護するフードを有する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図20b】パレットを工作機械の作業空間内に搬送する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図20c】パレットを工作機械の作業空間内に搬送する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図21a】搬送デバイス又はハンドリングデバイスを位置決めするために格子に似た配置構成内に円錐を有するホールフロア/プレートを概略的に示す図である。
図21b】位置決めするために搬送デバイスの下側に円錐を設ける更なるオプションを示す図である。
図22a】ハンドリングデバイスとして産業用ロボットを有する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図22b】ツール又はワークをハンドリングするロボットを有する、本発明による搬送デバイスの更に2つの特定の例示的な実施形態を概略的に示す図である。
図23】産業用ロボット及びツール試験のための測定ユニットを有する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図24a】産業用ロボット並びにコンポーネント試験のための測定及び試験手段を有する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図24b図24aに示す本発明による搬送デバイスの実施形態の詳細図である。
図25】産業用ロボット及びコンポーネントを後処理するアタッチメントを有する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図26】産業用ロボット、及び、ツールを鋭利化しドレッシングするユニットを有する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図27】産業用ロボット、及び、種々のツールに沿って保持するマガジンを有する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図28】例えば、ツールを交換するための、産業用ロボットと工作機械のワークスピンドルとの相互作用中における、図21の本発明による搬送デバイスの実施形態を概略的に示す図である。
図29a】工作機械のチップカートにおける、本発明によるチップ除去のための搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図29b】押し上げ機構及び更なるチップコンテナーを有する、本発明によるチップ除去のための搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図29c】搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図であり、チップを捕捉するモジュールが、搬送デバイスの上側に収納される。
図30】工作機械を調節し、工作機械に冷却潤滑剤を再充填する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図31】転回させるためにワークを配送し、工作機械に挿入する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図32a】ガントリーローダーを有する工作機械のための材料ストアとしての、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図32b】工作機械内でワークを交換するためのロボットを有する工作機械のための材料ストアとしての、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図33a】ガントリーローダーを有する2つの工作機械の間のコンベヤベルトとしての、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図33b図33aに示す、本発明による搬送デバイスの詳細図を概略的に示す図である。
図33c】折り畳み可能コンベヤベルトを有する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図34】工作機械の作業空間の補助吸引のための、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図35】ロボット、及び、ロボットによって収納される付加製造のためのアプリケーションデバイスを有する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図36】ツールチェンジャー、チェンジャー・格納部組み合わせ体、又はツールストアを有する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図37】フライスヘッドを工作機械まで搬送する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図38】大きい部品用のワークレセプタクルを有する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図39】工作機械の種々の機械概念の一部としての、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図40a】コンソール機械上に収納されたパレットを有する、本発明による搬送デバイスの一実施形態を概略的に示す図である。
図40b】工作機械の種々の更なる機械概念の一部としての、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図40c】工作機械の種々の更なる機械概念の一部としての、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図41】ワークをハンドリングするための固定産業用ロボットと相互作用した状態で複数のパレット又はワークを保持する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態(左)、及び、フライスロボットを有する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態(右)を概略的に示す図である。
図42】或るガントリー設計及び複数の搬送デバイスを有する工作機械の機械概念の一部としての、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図43】本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図であり、複数の搬送デバイスはカップリングによって互いに接続されて、1つのユニットを形成する。
図44】所定のガントリー設計の工作機械の下でのエネルギー及び/又は信号接続の位置決め及び確立中における、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図45】異なるサブタスクを有する、本発明による複数の搬送デバイスを備える(モジュール式)工作機械を概略的に示す図である。
図46】ワークを転回させる心押し台アタッチメント(tailstock attachment)を有する、本発明による搬送デバイスの更なる実施形態を概略的に示す図である。
図47】生産チェーン内で異なるタスクを有する、本発明による種々の搬送デバイスを概略的に示す図である。
図48】工作機械上でパレット及び/又はワークをハンドリングする、本発明による方法を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0123】
以下において、本発明の例又は例示的な実施形態は、添付図を参照して詳細に述べられる。図内の同じ又は同様の要素は、同じ参照記号で指定することができるが、時として、異なる参照記号で指定することができる。
【0124】
本発明が、以下で述べる例示的な実施形態及びそれらの設計特徴によって限定又は制限されるのでは全くなく、例示的な実施形態の修正、特に、独立請求項の範囲内に含まれる修正を、述べる例の特徴の修正によって又は述べる例の特徴のうちの1つ以上を組み合わせることによって含むことが強調されるべきである。
【0125】
図1は、ハンドリングデバイスを収納する収納デバイス40を有する、本発明による搬送デバイス100の一実施形態を概略的に示す。
【0126】
図1に示す発明による搬送デバイス100の実施形態は、特に好ましい実施形態において、無人搬送システム(FTS)の無人搬送車両(FTF)として構成される。
【0127】
ここで、搬送デバイス100は、シャシ10(プラットフォーム)及びドライブ20を含む。シャシは、エネルギーストア30を収容するように構成され、電池等の電気エネルギーストア30が好ましくはこのために使用される。しかしながら、エネルギーストア30は、電気エネルギーに限定されないため、必要である場合、機械的エネルギーを、例えば加圧流体又は変形エネルギー(例えば、弾性要素)の形態で貯蔵することもできる。例えば、油圧又は空気圧のための更なるエネルギーストアを、シャシ10内に収容することもできる。
【0128】
さらに、本発明による搬送デバイス100は、特に好ましくは、例えば工場ホールにおいて搬送デバイス100を移動させるためのホイール20を備える。これらのホイール20は、ドライブトレイン(図示せず)によって中央ドライブモーターに接続することができるが、ホイール20はそれぞれ、内部コントローラー35によって個々に制御可能なそれら自身のドライブモーター(例えば、1つ以上の電気モーター)を有することもできる。
【0129】
さらに、ホイール20は個々に操向することができるため、本発明による搬送デバイス100のきわめて柔軟性のある駆動スタイル及び位置決め(例えば、その場での転回、横方向走行等)が可能になる。しかしながら、ホイール20は、搬送デバイス100の位置決めを達成するために、反対方向への移動によって搬送デバイス100を回転運動させることもできる。
【0130】
代替的に、本発明による搬送デバイス100の可動性又は柔軟性を更に増加させるために、ホイール20の代わりに、チェーン又はクローラシャシ又はホイール20及びチェーン/クローラシャシの組み合わせを使用することができる。
【0131】
ホイール20の特に好ましい実施形態は、いわゆるメカナムホイールである。各ホイール20の回転方向を単に制御することによって、メカナムホイールは、その場での搬送デバイス100の回転移動、搬送デバイス100の縦方向(前進方向、後進方向)及び横方向(横方向移動)の両方における、並びに、縦又は横方向に対して45度の角度での搬送デバイス100の並進移動を可能にする。
【0132】
メカナムホイールを使用することによって、ホイール20の操向機構を、有利には、完全になくすことができ、搬送デバイス100の対応する位置決め移動は、内部コントローラー35のみによって得ることができる。
【0133】
さらに、シャシ10は、好ましくは、ハンドリングデバイス(例えば、自動化コンポーネント又は搬送コンポーネント等)のための種々の収納デバイス40を含むプラットフォームキャリアとして構成される。
【0134】
プラットフォームキャリアは、特に好ましくは、種々のハンドリングデバイスのためのn+1個の収納デバイス40を含み、収納デバイス40は、特に好ましくは、プラットフォームキャリア全体上に配置される。特に、搬送デバイス100の全ての側面(空間平面)が、好ましくは、収納デバイス40を提供するために使用される(図1の搬送デバイス100の種々の図も参照されたい)。それにより、したがって、例えば、フォークリフト又は電動化リフトトラック等の商業的に入手可能な搬送車両を用いて、考えられるよりもはるかに多くのハンドリングデバイスを収納し移動させることができる。
【0135】
しかしながら、搬送デバイス100上での収納デバイス40の数及び/又は分布が図1に示す数/分布に限定されないことが指摘されるべきである。例えば、単一の収納デバイス40のみを、例えば、搬送デバイス100の上部に設けることができる、及び/又は、2つ以上の収納デバイス40を、搬送デバイス100の1つ以上の側面上に設けることができる。
【0136】
さらに、搬送デバイス100の上側上に設けられた収納デバイス40は、搬送デバイス100の側面上の収納デバイス40とサイズ及び特性が異なるものとすることができる。これは、例えば、比較的軽い重量を有するより小さいハンドリングデバイスが搬送デバイス100の側面上に収納され、より重いハンドリングデバイスが、好ましくは搬送デバイ
ス100の軸/ドライブ20の上に位置決めされるときに有利である場合がある。
【0137】
さらに、例えば、搬送デバイス100の側面上のより小さい収納デバイス40は、搬送デバイス100の上側上のより大きい収納デバイス40と比較して、少数の接続(図2についての説明を参照されたい)を有することもできる。
【0138】
搬送デバイス100は、好ましくは、その環境(ここでは示さず)及び結合したハンドリングデバイスを光学的にモニタリングするユニットを装備する。このデバイスは、好ましくは、内部コントローラー35の制御ソフトウェアに結合され、検出に基づいて処置がとられることを可能にする。
【0139】
さらに、更なるセンサーが、好ましくは、搬送デバイス100内に設置され、このセンサーは、環境及びコンポーネントを適切な方法でモニタリングすることを可能にする。例えば、赤外又はレーダーセンサーを使用することができる。
【0140】
図2aは、ハンドリングデバイス(又は任意の他のデバイス)を収納する収納デバイス40の詳細図を概略的に示す。
【0141】
ここで、収納デバイス40は、好ましくは、それぞれのハンドリングデバイスに対する信号伝達及びエネルギー伝達のためにハンドリングデバイスの機械式固定のために構成される。ハンドリングデバイスに応じて、伝達オプションのうちの1つのオプションのみ又はその任意の組み合わせを使用することができる。
【0142】
さらに、収納デバイス40は、特に好ましくは、自動化されるように構成される。そのため、搬送デバイス100は、ハンドリングデバイスを独立して交換することができ、したがって、種々のタスクのために柔軟に使用することができる。搬送デバイス100の自動化実施形態の場合、迅速解除カップリング(quick-release couplings)(例えば、フロントローダー迅速解除カップリング)が同様に、搬送デバイス100とハンドリングデバイスとの間のエネルギー伝達又は信号伝達のための接続を自動的に確立するのに特に適する。
【0143】
図2aに示すように、例えば、収納デバイス40の円錐形状部分41を、対応するハンドリングデバイスを収納デバイス40に対して整列させ固定するために設けることができる。そのような方法でハンドリングデバイスを収納デバイス40上で整列させ同時に固定するために、例えば工作機械内のパレット用のレセプタクルから既に知られているように、ここで締め付け円錐(clamping cone)を有利に使用することができる。
【0144】
さらに、収納デバイス40は、機械的エネルギー(例えば、ハンドリングデバイスに対する、搬送デバイス100内に設けられるモーターの回転)及び/又は、電気、油圧、及び/又は空気圧エネルギーの伝達のためのインターフェース42を有することができる。しかしながら、さらに、冷却潤滑剤等の作動手段(operating means)が同様に、例えば、搬送デバイスから、収納デバイス40上でそれぞれ収納されるハンドリングデバイスまで給送される可能性がある。このため、例えば、対応する締結手段、及び、電気及び/又は流体を伝導させる接続(締結手段及び接続43)を設けることができる。
【0145】
さらに、インターフェース42は、有利には、搬送デバイス100の収納デバイス40とハンドリングデバイスとの間の信号の非接触伝達のためのデバイスを含むことができる。非接触信号伝達のためのこのデバイスは、例えば、送信機/受信機コイルとして、又は、信号の非接触伝達のためのI/Oリンクを有する誘導性カプラーとして構成することができる。
【0146】
デバイスは、インターフェース42上又は更にインターフェース42の外側の任意の場所に設けることができ、非接触信号伝達のためのデバイスは、有利には、インターフェース42内の中央に設けられる。
【0147】
例えば、電気及び/又は流体を伝導させる接続がインターフェース42上に設けられる必要が必ずしもないことがこの時点で留意されるべきである。これらの接続は、例えば、電気/流体エネルギーの伝達から回転エネルギーの伝達を分離/隔離するためにインターフェース42の外側に設けることもできる。
【0148】
さらに、収納デバイス40は、特に好ましくは、均一である又は標準化されるように構成され、それにより、相応して均一に構成される収納要素を有する任意のコンポーネント又はハンドリングデバイスを取り付けることができ、本質的に同じ迅速解除カップリングを、エネルギー又は信号伝達のために使用することができる。
【0149】
さらに、収納デバイス40は、好ましくは、収納用のハンドリングデバイスの状態をモニタリングするオプションを有する。これは、好ましくは、(例えば、締め付け円錐における)結合したハンドリングデバイスの締め付け状況、そのステータス及び信号、並びに、そのエネルギー移動のモニタリングを含む。
【0150】
締め付け状態をモニタリングするとき、好ましくは、収納デバイス40における接触制御又は締め付け制御を使用することができ、接触制御は、好ましくは、電気信号によって、又は代替的に、このための吹き込み空気を使用して状態を判定する。
【0151】
一例として、搬送デバイス100は、以下のハンドリングデバイス、すなわちパレットチェンジャー(例えば、工作機械から知られる)、ロボット、材料パレット、メッシュボックス及び他の材料キャリア、ロボットアクセサリーのための格納ステーション(例えば、交換把持部)、バリ取りステーション、洗浄ステーション、例えば、工作機械、フォークリフトトラック等のためのツールを収納することができる。更なる詳細のために、図3図11及び図22図36に対して参照が行われる。
【0152】
搬送デバイス100の収納デバイス40によって収納可能な考えられるハンドリングデバイスが、上記リストによって決してカバーされないことがここで指摘されるべきである。
【0153】
さらに、搬送デバイス100は、有利には、特定の用途のためにより大きい柔軟性を可能にするために、ハンドリングデバイスを所望に応じて互いに組み合わせることができるように構成される。
【0154】
搬送デバイス100の内部コントローラー35は、好ましくは、走行及び搬送移動を制御及びモニタリングすることができるそれ自身の制御ソフトウェアを含む。制御ソフトウェアは、例えば、それぞれのコンポーネント又はハンドリングデバイスについて必要である個々のソフトウェアモジュールによって拡張される可能性がある。これは、例えば、ロボット制御のアタッチメント又はパレットチェンジャーの制御のアタッチメントであるものとすることができる。
【0155】
図2bは、ハンドリングデバイス(又は任意の他のデバイス)を収納する、搬送デバイス100の収納デバイス40の更なる実施形態を概略的に示す。
【0156】
ここで、収納デバイス40は、デバイス(例えば、ハンドリングデバイス、パレットホ
ルダー350、又は任意の他のデバイス)のボルト48を収納することができる少なくとも1つの凹所44(例えば、フライス加工された凹所又はボア)を含む。この場合、凹所44は、例えば、ボルト48の径よりも大きい範囲を有するため、ボルト48を、凹所44の底部に変位可能に搭載することができる。底部に加えて又は底部に対する代替として、凹所44は、デバイスを収納することができる(収納されるデバイスを支持する)少なくとも1つの収納表面を有することもできる。
【0157】
凹所44がデバイス上に設けられ、凹所44用のボルト48が収納デバイス40上に設けられることがここで既に指摘されるべきである。さらに、凹所44/ボルト48の組み合わせに加えて、他の形状、例えば、プリズム及び円錐の対形成も、収納デバイス40上にデバイスを収納するために考えられることが指摘されるべきである。本明細書で言及及び説明されるオプションは排他的であると見なされない。
【0158】
さらに、収納デバイス40は、収納デバイス40によって収納されたデバイス(ここでは、パレットホルダー350)を、搬送デバイス100又は収納デバイス40に対して芯出しするデバイス46を有することができる。これは、収納デバイス40に対する被収納デバイスの考えられる位置決め不正確度を搬送デバイス100によって補償するために特に有利である。
【0159】
収納デバイス40上での例示的なパレットホルダー350の、収納、及び、必要である場合、芯出しデバイス46による芯出しは、次のように行われる。
【0160】
初めに、搬送デバイス100は、被収納デバイス(ここでは、例えば、パレットホルダー350)の下にそれぞれの収納デバイス40と共に(また、或る位置決め正確度を持って)移動する。ここで、パレットホルダー350を、芯出しデバイス46のような、収納デバイス40の側面上に設けられる圧力ピース45に押し付けることができる。この圧力ピース45は、パレットホルダー350が、収納デバイス40に対して芯出しデバイス46と逆方向に付勢されることを確実にする。
【0161】
その後、搬送デバイス100は、ボルト48が凹所44にねじ込まれるように(例えば図17a及び図17bに示す機構によって)上昇し、搬送デバイス100は、パレットホルダー350が、凹所44内に又は凹所44の上側上に完全に載るまで更に持ち上げられる。
【0162】
搬送デバイス100は、その後、パレットホルダー350がそのレセプタクル(ここでは示さず)から出て持ち上げられ、したがって、搬送デバイス100によって完全に支持されるまで更に上昇する。
【0163】
その後、パレットホルダー350を、ここで、収納デバイス40に関して芯出しする(また、収納デバイス40に固定する)ことができる。この場合、例えば、ドライブ47は、凹所44を変位させるためにアクティブになることができ、ドライブ47は、例えば、芯出しデバイス46の方向に、摺動又はボールガイド上で摺動可能に搭載される。
【0164】
ドライブは、収納デバイス40上に(または、凹所44内に及び/又は凹所44上に)前もって浮動式に搭載されたパレットホルダー350を芯出しデバイス46の方向に変位させ、パレットホルダー350を芯出しデバイス46に押し付け(またおそらくは、圧力ピース45に対してより強く押し付け)、それにより、芯出しデバイス46に対するパレットホルダー350の整列が得られる(例えば、芯出しデバイス46は1つのプリズム/2つのプリズムを含み、パレットホルダー350の対応するピン/ボルトがこのプリズム(複数の場合もある)に整列する)。
【0165】
ドライブ47は2つの端位置を有することができる。すなわち、一方で、ドライブ47が凹所を芯出しデバイス46の方向にできる限り遠方に変位させた/移動させたとき、パレットホルダー350は固定され整列する。そして他方で、ドライブ47が凹所44を芯出しデバイス46から最大可能距離まで移動させたとき、パレットホルダー350は自由であり、他の要素を使用して(例えば、工作機械、セットアップステーション、マガジンステーション等のレセプタクルを使用して)それ自身を整列させることができる。この状態で、パレットホルダー350を、相応して、レセプタクルに移送する、又は、レセプタクルが収納することができる。
【0166】
収納デバイス40上にパレットホルダー350を固定することは、一方で、パレットホルダー350がそこにねじ込まれかつパレットホルダー350がロックされる固定位置を、芯出しデバイス46自身が含むようにここで実施することができる。
【0167】
または、凹所44は、ドライブ47によって芯出しデバイス46の方向に非常に遠方に移動させられるため、パレットホルダー350の少なくとも1つのボルト48は、芯出しデバイス46から外方に向く凹所44のうちの1つの凹所44の側面に押し付けられる(図2bの中央画像を参照されたい)。それにより、パレットホルダー350は、収納デバイス40に対して固定される。
【0168】
さらに、パレットホルダー350は、芯出しデバイス46から外方に向く凹所44のうちの1つの凹所44の側面にパレットホルダー350を押し付ける(図2bの中央画像を参照されたい)圧力ピース45によって収納デバイス40上で固定することができる。
【0169】
収納デバイス40に対してパレットホルダー350を固定するための上記で言及したオプションの全てが、互いに組み合わせて行うこともできることがここで指摘されるべきである。さらに、固定するための上記で言及したオプションが排他的であるとして理解されない、すなわち他のオプションをここで考えることもできることが指摘されるべきである。
【0170】
パレットホルダー350を固定又は芯出しするためにドライブ47が必ずしも必要ではないことも指摘されるべきである。むしろ、搬送デバイス100の収納デバイス40に対してパレットホルダー350を芯出しするための更なるオプションを使用することもできる。
【0171】
図2cは、ドライブ47がない収納デバイス40の更なる実施形態を概略的に示す。
【0172】
ここで、収納デバイス40はやはり、少なくとも1つの凹所44及び1つの圧力ピース45を有し、少なくとも1つの凹所44は、(例えば、図2bに述べるドライブ47によって可能であったように)搬送デバイス100に対向して位置決めすることがもはやできない。
【0173】
代わりに、圧力ピース45のみが、付勢要素として働き、付勢要素は、パレットホルダー350を少なくとも1つの凹所44に押し付け、それにより、収納デバイス40に対してパレットホルダー350を固定する(また同様に、収納デバイス40に対して或る程度パレットホルダー350を整列させる)(図2cの右画像を参照されたい)。収納デバイス40に対するパレットホルダー350のこの相対位置は、パレットホルダー350が搬送デバイス100によって移動されるときに存在する。
【0174】
しかしながら、パレットホルダー350がレセプタクルまで移送される場合、レセプタ
クルに対するパレットホルダー350の接近によって、パレットホルダー350は、圧力ピース45を同時に圧縮する整列要素351によって収納レセプタクルに(機械的に)整列する(図2cの左画像を参照)。
【0175】
図2dは、収納デバイス40から被収納デバイス(例えば、ハンドリングデバイス、パレットホルダー350、又は任意の他のデバイス)に媒体、エネルギー、及び信号を伝達することができるコネクタ70を概略的に示し、コネクタ70は、収納デバイス40と被収納デバイスとの間の対応する接続を自動的に確立する。
【0176】
コネクタ70の特殊性は、コネクタ70が、搬送デバイス100の任意の位置決め不正確度を補償することもできるように構成されることである。
【0177】
このため、コネクタ70は、コネクタ固定具72に向かって浮動式コネクタ本体75を付勢する(ばね式)圧力ピース71も有し、同様に、コネクタ本体75がそれに対して付勢される機械式停止部73が存在するものとすることができる。この機械式停止部73は、例えば、コネクタ本体75の整列を更に可能にするプリズムとして構成することができる。
【0178】
搬送デバイス100が、デバイスの下に移動し、デバイスを収納するために持ち上げられると、コネクタ70は、コネクタ本体75の浮動式搭載及び円錐形状によって、パレットホルダー350(又は別のデバイス)の、相応して形成された(円錐)凹所に挿入され、整列することができ、それにより、コネクタ70の接続インターフェース74は、パレットホルダー350上の対応する対の片方(counterparts)との接続を確立することができる。逆に、(接続インターフェース74との)コネクタ70の接続は、もちろん、被収納デバイスに対して収納デバイス40を下げることによってパレットホルダー350から再び切断することができる。
【0179】
図3は、例としてパレットチェンジャー200及びパレット300を有する本発明による搬送デバイス100の一実施形態を概略的に示す。
【0180】
シャシ10、ホイール20、及び収納デバイス40の既に述べた要素に加えて、2重フォーク設計(H形状フォーク、図5も参照されたい)のハンドリングデバイスとしてのパレットチェンジャー200及びパレット300が例として示される。
【0181】
ここで、搬送デバイス100の前側のハンドリングデバイス(パレットチェンジャー200)は、収納デバイス40のうちの1つの収納デバイス40によって収納され、相応して機械的に固定され、パレットチェンジャー200を制御及び駆動するためのエネルギー及び信号伝達のための接続が確立された。
【0182】
本発明による搬送デバイス100は、ここで、ハンドリングデバイスとしての収納されたパレットチェンジャー200を使用して、対応する工作機械1000(ここでは示さず)まで移動し、保持されたパレット300を工作機械1000に挿入する、又は、保持されたパレット300を工作機械1000内に既に存在するパレット300と交換することができる。
【0183】
1つのフォークのみを有する搬送車両と対照的に、特に、複数のパレットチェンジャー200が搬送デバイス100によって収納される場合の、結合されたパレットチェンジャー200の特定の利点は、パレットを交換するときの必要な変位運動が回避又は低減されることである。
【0184】
パレットチェンジャー200は、好ましくは、機械式固定、位置決め、信号伝達、及びエネルギー伝達を含む、搬送デバイス100の収納デバイス40のための対応する収納要素を有する。さらに、パレットチェンジャー200は、自動化される工作機械に適合するように構成されるべきである。
【0185】
パレットチェンジャー200は、好ましくは、パレット300のためのn+1個のレセプタクル(好ましくは異なるパレットサイズのための、収納クロー又はフォーク形状レセプタクル)を含み、パレットチェンジャー200は、パレット300が回転移動によって交換されることを可能にする回転軸も装備する。
【0186】
パレットチェンジャー200は、好ましくは、パレット300を工作機械1000内のその締め付け位置から移動させるために更なる軸を有する。通常、これは、持ち上げ軸である。
【0187】
フォーク形状レセプタクルは、パレット300の幾つかの変形及びサイズを収納することができるために、その寸法に関して調整可能である可能性もある。さらに、収納クローは、パレットのサイズに適合性がある可能性もある。
【0188】
図4aは、2つのフォーク形状パレットチェンジャー200によるパレット変更中の本発明による搬送デバイス100の一実施形態を概略的に示し、搬送デバイス100は、パレット300の交換を実施するために回転を実施する(示す例において90度だけ、他の角度、特に180度も可能である)。
【0189】
ここで、搬送デバイス100は、工作機械1000の作業空間まで移動し、作業空間内に既に存在するパレット300が、(例えば、搬送デバイス100の旋回移動又は搬送デバイス100において収納されたパレット300を持ち上げるための伸縮式機構によって、又は、搬送デバイス100を単に移動させることによって)空のフォーク形状パレットチェンジャー200によって収納することができるように作業空間の前にそれ自身を位置決めする。搬送デバイス100は、その後、90度だけ回転し、それにより、第2のパレットチェンジャー200は、保持されたパレット300を工作機械1000の作業空間に挿入することができる。
【0190】
図4bは、フォーク形状パレットチェンジャー200の一実施形態を有する、本発明による搬送デバイス100を概略的に示す。
【0191】
特に、フォーク形状パレットチェンジャー200は、例えば、フォークリフトから知られているように、持ち上げフォークとして構成することができる。フォーク形状パレットチェンジャー200上に相応して設けられる持ち上げ機構は、持ち上げフォークの高さを調整し、したがって、フォーク形状パレットチェンジャー200の考えられる使用オプションを大幅に増加させることができる。しかしながら、持ち上げ機構は、必ずしもフォーク形状パレットチェンジャー200上に設けられる必要はない。
【0192】
図5は、パレット変更中の本発明による搬送デバイス100の一実施形態を概略的に示し、搬送デバイス100はその位置にあるままであり、パレットチェンジャー200、図3に示すH形状パレットチェンジャー200は回転する。
【0193】
図4aに関連して既に述べたように、搬送デバイス100は、工作機械1000の作業空間まで移動し、作業空間内に既に存在するパレット300が、2重フォーク(又はH形状)パレットチェンジャー200の自由フォークによって収納することができるように作業空間の前にそれ自身を位置決めする。
【0194】
そして、パレットチェンジャー200は、その後、搬送デバイス100上で回転し、それにより、他のフォークに沿って保持されたパレット300を、工作機械1000の作業空間に挿入することができる。
【0195】
図6は、パレット変更中の本発明による搬送デバイス100の一実施形態を概略的に示し、パレットチェンジャー200は2重Hとして構成され、図示するように回転することができる。本質的に、図5で述べるものと同じシーケンスが実施される。
【0196】
図7は、パレット変更中の本発明による搬送デバイス100の一実施形態を概略的に示し、パレットチェンジャー200は、ここで、60度パーティションを有するパレット300を収納し、図示するように回転することができる。本質的に、図5で述べるものと同じシーケンスが実施される。
【0197】
図6及び図7のパレットチェンジャー200は、かなり多くのパレット300をパレットチェンジャーが保持することができ、したがって、別のパレット300を得るために搬送デバイス100がセットアップステーション等に即座に戻る必要なしで、複数の工作機械1000にパレット300を供給することができるという利点を有する。これにより、莫大な時間及びエネルギーの節約が可能になる。
【0198】
図8は、変位可能パレットチェンジャー200を有する本発明による搬送デバイス100(並びに、シャシ10及びホイール20)の一実施形態を概略的に示す。
【0199】
さらに、パレットチェンジャー200を回転させる可能性に加えて、搬送デバイス100に対してパレットチェンジャー200を移動させる可能性が存在し、それにより、例えば、パレットチェンジャー200の回転軸が、搬送デバイス100に対して自由に位置決めすることができるときが有利であるものとすることができる。
【0200】
パレットチェンジャー200を搬送デバイス100及び/又は工作機械1000に対して更に一層自由に位置決めするために、パレットチェンジャー200の変位が、図8に示す1つの方向にだけではなく、少なくともそれに垂直に延在する1つの更なる方向にも可能であるときが更に有利であるものとすることができる。
【0201】
図9aは、調整可能フォーク幅を有するパレットチェンジャー200を含む、本発明による搬送デバイス100の一実施形態を概略的に示す。
【0202】
こうして、パレットチェンジャー200は、ここで、搬送デバイス100によって工作機械1000に搬送されるパレット300の異なるサイズに適合することができる。これは、単一パレットチェンジャー200の柔軟性及び適用範囲を更に増加させる。
【0203】
さらに、図9bに示すように、パレットチェンジャー200の長さは、パレット300の異なるサイズにその長さを同様に適合させるために調整することができる。これは、単一パレットチェンジャー200の柔軟性及び適用範囲を更に増加させる。
【0204】
さらに、例えば、パレットチェンジャー200の可変長さは、パレット300を工作機械1000内に更に設置するために使用することもできる。これは、工作機械1000の或るタイプの設計の場合に、又は、例えば、搬送デバイス100が、工作機械1000のパレットレセプタクルの直前の地点まで移動できない場合に有利であるものとすることができる。
【0205】
図10は、マルチレベルパレット保管所のためのパレットチェンジャー200を有する本発明による搬送デバイス100(並びに、シャシ10及びホイール20)の一実施形態を概略的に示す。
【0206】
収納デバイス40によって、搬送デバイス100上にマルチレベルパレットチェンジャー200を収納し、したがって、マルチレベルパレット保管所を運用することも可能である。
【0207】
このため、n+1個のパレット300用のレセプタクルを有する持ち上げ・回転ユニットが好ましくは設けられ、パレットチェンジャー200の持ち上げ軸は、n+1個のパレット300の積み重ね配置構成のために使用可能である。結果として、パレット300の単なる平面配置構成と比較して、パレット300のより高いパッキング密度が得られる。
【0208】
図11は、マルチレベルパレット保管所のためのパレットチェンジャー200を有する、本発明による搬送デバイス100(並びに、シャシ10及びホイール20)の更なる実施形態を概略的に示す。
【0209】
ここで、搬送デバイス100は、パレット300のための更なる格納容量を有し、したがって、より多くのパレット300を搬送するために、それ自身のマルチレベルパレット保管所(パレットチェンジャー200の左に示す)も有する。
【0210】
さらに、n+1個のパレット300の積み重ね配置構成のために、持ち上げ・摺動ユニットによってパレットチェンジャー200を使用することができるようにパレットチェンジャー200を構成し、したがって同様に、搬送デバイス100上に設けられるマルチレベルパレット保管所を最適に運用することが有利であるものとすることができる。
【0211】
図12aは、工作機械の円形ストア1700にパレット300を装填するときの、本発明による搬送デバイス100を概略的に示す。
【0212】
これは、有利には、パレットチェンジャー200を装備する搬送デバイス100が、工作機械1000に直接(例えば、工作機械1000の作業空間に直接)パレット300を装填することができるだけでなく、種々のストア(工作機械1000の円形ストア1700等)にパレット300を装填することもできることを示すことができる。
【0213】
図12bは、中間ストア1800のレセプタクル1040(円錐レセプタクル(例えば、円錐レセプタクル1051)及びインターフェース358を備える、例えば、図16cも参照されたい)にパレット300又はパレットホルダー350をドッキングさせることによって、パレット300又はパレットホルダー350をそこに設けることができる中間ストア1800を給送デバイス1850(図12bの上の画像を参照されたい)に装填するときの、本発明による搬送デバイス100を示す。このため、中間ストア1800は、有利には、少なくとも1つのドッキング場所を有することができるが、特に有利には、複数のドッキング場所を設けることができる。
【0214】
給送デバイス1850は、ここで、パレット300を、中間ストア1800から工作機械1000のパレットレセプタクル(例えば、回転傾斜テーブル(rotary swivel table)又は別のパレットレセプタクル)に供給する、又は、パレットレセプタクル上に既にあるパレット300を交換することができる。これは、搬送デバイス100が、中間ストア1800に留まる必要なしで、他のタスクのために利用可能であることを可能にする。
【0215】
搬送デバイス100の水平移動によって接近されるレセプタクル1040に対するドッ
キングであって、ドッキング自身は、レセプタクル1040に対するパレットホルダー350の水平移動によっても実施される、ドッキングに加えて、パレット300/パレットホルダー350は、搬送デバイス100によってレセプタクル1040の上に位置決めすることもでき、その後、上記レセプタクル1040上に据え付けることができ(図12bの下の画像を参照されたい)、レセプタクル1040は図16i及び図16jにおいて詳細に述べられる。
【0216】
このため、搬送デバイス100は、レセプタクル1040上に最初に予め位置決めされ、搬送デバイス100は(例えば、図17a又は図17bによる機構によって)持ち上げられる。
【0217】
これに続いて、配送移動が行われ、パレット300又はパレットホルダー350は、工作機械1000の芯出しデバイス(例えば、芯出しデバイス1042、図16i及び図16jを参照されたい)に(例えば、整列要素351によって)押し付けられ、パレットホルダー350の整列は、この時点で既に行われる。なぜならば、パレットホルダー350が、例えば、搬送デバイス100の収納デバイス40上に浮動式に搭載されるからである。
【0218】
ここで、搬送デバイス100は下げられ、それにより、事前芯出しが行われ(パレット300又はパレットホルダー350はレセプタクル1040に対して整列し)、これはなぜならば、例えば、パレットホルダー350の整列要素351がV形状を有するからである。
【0219】
搬送デバイス100は、ここで、パレット300又はパレットホルダー350が対応する円錐(例えば、パレット円錐1044及び/又はデバイス円錐1041、図16i及び図16jを参照されたい)上に設置されるまで、更に下げることができる。円錐(パレット円錐1044/デバイス円錐1041)は、ここで、例えば、ドッキングユニットを有することができ、ドッキングユニットは、収納されたパレット300又はデバイス(ここではパレットホルダー350)をロックし留める、及び/又は、図2dで既に述べたように又は図16i及び図16jで述べるように同様に、媒体インターフェースを有することもできる。
【0220】
その後、搬送デバイス100は、デバイス/パレット300がレセプタクル1040によって収納されてしまい、搬送デバイス100が自由になるまで更に下げることができる。搬送デバイス100は、その後、パレットホルダー350がある状態で(かつパレット300がない状態で)又はパレットホルダー350及びパレット300が完全にない状態で、工作機械1000から離れ、別の/新しいタスクに取り組むことができる。
【0221】
図12cは、パレットチェンジャー200を装填するときの、本発明による搬送デバイス100を概略的に示す。
【0222】
パレット300又はパレットホルダー350は、既に述べたレセプタクル1040(図16cも参照されたい)によって搬送デバイス100によってパレットチェンジャー200にドッキングすることができるため、パレットチェンジャー200は、搬送デバイス100から独立して機械テーブルにパレット300を装填することができる。
【0223】
ここでまた、搬送デバイス100の水平変位移動によってレセプタクル1040にドッキングすること及びレセプタクル1040に対するパレットホルダー350の水平移動によってドッキングそれ自体を実施することに加えて、パレット300/パレットホルダー350を、レセプタクル1040を介して搬送デバイス100によって位置決めし、その
後、このレセプタクル1040上に据え付けることもでき(図12bの下の画像を参照されたい)、レセプタクル1040は図16i及び図16jにおいて詳細に述べられる。
【0224】
この点に関して、パレット/パレットホルダー350を図12bで既に述べたレセプタクル1040上にドッキング/収納するためのシーケンスに対して参照が行われる。
【0225】
パレット300を(中間で)格納するというそのような概念が、示す機械概念(図12b:機械ベッド1350及び垂直に配置されたワークスピンドル1100及び回転傾斜テーブルを有する工作機械1000;図12c:機械ベッド1350及び水平に配置されたワークスピンドル1100及び回転傾斜テーブルを有する工作機械1000)と独立であり、したがって、任意の他の工作機械1000に関して使用することもできることが同様にここで指摘されるべきである。
【0226】
図13は、対応するパレットチェンジャー200を有する複数の搬送デバイス100によって支給され得る、複数のセットアップステーション4000及び格納ステーション5000を有するパレットハンドリングのための直線格納部の例示的な実施形態を概略的に示し、相応して、複数の工作機械1000が、パレット300を装填され得る。ここで、例えば、セットアップステーション4000及び格納ステーション5000は共に、マルチレベルセットアップ及び格納ステーションとして構成することができる。
【0227】
各搬送デバイス100は、例えば、より大きい容量を有する対応するパレットチェンジャー200(例えば、図5図7に示す)によって、又は、搬送デバイス100上でパレット保管所を保持する(図11に示す)ことによって可能にされるように、複数のパレット300を装填することができる。さらに、しかしながら、複数のパレットチェンジャー200は、複数のパレット300を同時に搬送することができるように、それぞれの搬送デバイス100によって収納することもできる。
【0228】
こうして、例えば、1つの搬送デバイス100のみによって、多数のパレット300を、生産施設内又は自動化される領域内の任意の場所に移動させることができることを、有利には達成することができる。さらに、搬送デバイス100は、それぞれの工作機械1000の前に、それに隣接して、又はその背後にパレット300を据え付けることもでき、また、それらを再び取り出すこともできる。
【0229】
特に、搬送デバイス100の柔軟性のある使用及び高い程度の自動化は、直線格納デバイスのきわめて多様な構成を可能にする。特に、最も多様なサイズの複数の工作機械1000がリンクされると、直線格納部のレイアウトを自由に構成する可能性は、多大な利点を提示することができる。
【0230】
さらに、搬送デバイス100及び適切なセンサーによるそれらの環境のモニタリングは、直線格納部のケーシングを省略することができることを意味する。
【0231】
図14a及び図14bは、円錐レセプタクル510による格納ステーション500におけるパレットチェンジャー200の位置決め(図14a)及びローラー技術520を有する格納ステーション500におけるパレットチェンジャー200の位置決め(図14b)を概略的に示す。
【0232】
ここで、パレットチェンジャー200(左縁に示す)は、パレットチェンジャー200を搬送デバイス100に結合するための種々のインターフェースを有する。
【0233】
円錐レセプタクル510は、全ての側面でパレットチェンジャー200を位置決めする
こともでき、一方、深度停止部(depth stop)は、パレットチェンジャー200が格納ステーション500から落下しないようにローラー技術520を有する格納ステーションに設けなければならず、用紙平面に垂直な方向へのパレットチェンジャー200の位置決めは、ローラー技術520によって保証することができない。
【0234】
図15は、プリズム1010による工作機械1000上での本発明による搬送デバイス100の位置決めを概略的に示す。
【0235】
ここで、搬送デバイス100は、対の片方103を有するプリズム内に移動し、したがって、工作機械1000の前での精密な位置決めを達成するために、対応する対の片方103(ここでは、円筒状の対の片方)も有する。しかしながら、複数のプリズム1010及び相応して複数の対の片方103は、1つの方向(例えば、搬送デバイス100の縦方向)への位置決め及びそれに垂直な方向(例えば、搬送デバイス100の横方向)への位置決めの両方のための、工作機械1000の前での搬送デバイス100のそのような位置決めのために使用することができる。
【0236】
本発明による搬送デバイス100を位置決めするための上記で言及した構成オプションが、プリズム1010と円筒状の対の片方103との組み合わせに限定されないことがここで指摘されるべきである。むしろ、例えば、(プリズム1010に対する代替として)V形状ノッチを有する部分が同様に使用される可能性がある。
【0237】
図16aは、円錐レセプタクル1051による工作機械1000上での本発明による搬送デバイス100の位置決めを概略的に示す。
【0238】
ここで、搬送デバイス100は、ハンドリングデバイス(ここでは、例えば、パレットチェンジャー200)が工作機械1000の円錐レセプタクル1051上に設置され、したがって、工作機械1000の前でのハンドリングデバイスの、達成されるべき非常に精密な位置決めを可能にする高さ調整(ここでは示さず、図17図19を参照されたい)を含む。
【0239】
さらに、円錐レセプタクル1051は、ハンドリングデバイスが荷重に耐えることを可能にし、それは、使用中に搬送デバイス100の耐荷重能力をおそらくは超える大きい質量をハンドリングデバイスが保持しなければならないときに、例えば、特に大きい又は重いワーク1を有するパレット300、及び、ワーク1を有するパレット300を取り除くときに起こる荷重の場合に、特に有利である。
【0240】
搬送デバイス100は、好ましくは、工作機械1000又は格納ステーション500/セットアップステーションの前の規定された位置を有する。位置決めを、機械式に、信号送信によって、又は組み合わせで保証することができる。
【0241】
この位置決めは、好ましくは、水平に配置された移動(複数の場合もある)(図15を参照されたい)又は垂直移動(複数の場合もある)によるn回の機械式割り出し部(mechanical index)によって実施することができる。代替的に、回転移動(複数の場合もある)を、このために使用することもでき、移動は、互いに結合される、又は、次々に実行される。
【0242】
例示的な実施形態において、位置決めは、垂直移動によって確実にされる(詳細には図17図19を参照されたい)。
【0243】
割り出し部は、工作機械1000、格納場所500、又はセットアップステーションに
リンクすることができる。割り出し部は、好ましくは、搬送デバイス100が位置決めされている間に、振動、衝撃等の任意の外乱が工作機械1000又はステーションに影響を及ぼすのを防止するためにホールフロアに接続される。
【0244】
割り出し部は、好ましくは、円錐(円錐レセプタクル1051)であるように構成される。これは、全ての必要な平面内の位置決めを確実にする。円錐レセプタクル1051は、好ましくは、工作機械1000の前の実際の入口エリアに存在せず、したがって、オペレーターを、手作業で作業するときに人間工学的に妨げないように位置決めされる。
【0245】
好ましくは、円錐レセプタクル1051は、例えば、パレット変更中に、取り除かれるパレット300によって生じる垂直荷重を吸収するためにも使用される。結果として、搬送デバイス100は、最大搬送容量のために構成することができ、また、交換プロセスによって急に生じる任意の更なる荷重を吸収する必要はない。
【0246】
さらに、円錐レセプタクル1051(図16b及び図16cも参照されたい)は、工作機械1000、ステーション、及び搬送デバイス100の間の接続を確立するために使用することができる。この接続は、それが非接触式として設計することができない場合に、信号伝達又はエネルギー交換のために使用することができる。
【0247】
さらに、上記で言及した接続は、円錐リフトによってドッキングされる別のレセプタクルを通して実装することもできる。
【0248】
さらに、円錐レセプタクル1051は、位置決めを更に安定させるために又はその正確度を高めるためにロック及びロック解除することができる。
【0249】
搬送デバイス100の垂直移動は、搬送デバイス100上に存在する媒体を使用することによって駆動及び制御することができる。収納デバイス40のそれぞれは、好ましくは、自律的にかつ互いに独立に垂直移動を実施することができる(この点に関して、図19を参照されたい)。代替的に、垂直移動は、ホイールに対してFTSのフレーム/キャリッジを持ち上げることによって実施することができる(図17及び図18を参照されたい)。
【0250】
持ち上げ移動は、適切なシーケンスを見出すために全ての必要な位置まで自由に移動することができる。例示的な実施形態において、以下の3つの主要な位置が設けられる。
左上:搬送デバイス100が移動することができる位置。
左中央:ハンドリングデバイスが円錐上に設置される位置。
左底部:ハンドリングデバイス/材料キャリア/ボックスを床上に据え付けること。
【0251】
さらに、持ち上げ移動は、搬送デバイス100を充電ステーション(ここでは示さず)上にドッキングさせ、そこで充電プロセスを可能にするために使用することもできる。
【0252】
さらに、ハンドリングデバイスは、搬送デバイス100によって一時的に工作機械1000まで直接移送することができる。ここで、ハンドリングデバイスは、工作機械1000からの接続を確立するために円錐レセプタクル1051(図16b及び図16cも参照されたい)内に統合されたインターフェースを介して供給され、搬送デバイス100は、他のタスク及び他のハンドリングデバイスに取り組むことができる。この場合、搬送デバイス100は、種々の工作機械1000のための一時的なハンドリングデバイスのためのフィーダーとして役立つ。
【0253】
図16bは、円錐レセプタクル1051による位置決め並びにエネルギー及び/又は信
号接続の確立に伴う、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0254】
ここで、工作機械の円錐レセプタクル1051が示され、円錐レセプタクル1051は、搬送デバイス100を位置決めすることに加えて、搬送デバイス100がその持ち上げシリンダーによって円錐レセプタクル1051の上に下げられると(図17及び図18を参照されたい)、接続を介して、搬送デバイス100を制御又はモニタリングするためのエネルギー及び/又は信号を、搬送デバイス100に、また逆に、搬送デバイス100から工作機械1000に伝達することができる、当該接続を確立することができる。
【0255】
円錐レセプタクル1051によって、例えば、本明細書に示すように、パレット300又は任意の他のハンドリングデバイスは、工作機械1000上に精密に位置決めされる可能性があり、これは特に有利であり、搬送デバイス100又は収納されたパレット300は、搬送デバイス100の内部エネルギーストア(ここでは示さず)に負担をかけることなく制御される可能性がある。なぜならば、エネルギーが、工作機械1000によって提供され、述べた接続を介して搬送デバイス100に給送されるからである。
【0256】
さらに、搬送デバイス100は、或るタイプの充電ステーションを含むことができ、その充電ステーションにおいて、搬送デバイス100は、そのエネルギー源(エネルギーストア30、ここでは示さず)を再充電する又は新しくすることができる。これは、例えば、円錐レセプタクル1051上でドッキングさせることによって行うことができる。
【0257】
図16cは、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示し、パレット300を有するパレットホルダー350は、搬送デバイス100によってパレットホルダーレセプタクル1040にドッキングする。パレットホルダーレセプタクル1040は、例えば、工作機械1000上に設けることができる。
【0258】
特に、この実施形態は、パレットホルダー350(又は搬送デバイス100によって搬送される/され得る別のデバイス)が、水平平面上の搬送デバイス100の移動によってパレットホルダーレセプタクル1040にドッキングする点で図16aに示すパレットホルダーと異なる。
【0259】
ドッキングは、例えば、パレットホルダーレセプタクル1040上の又はパレットホルダー350上の円錐レセプタクル1051(ここでは、例えば、締め付け円錐)、及び、パレットホルダー350上の又はパレットホルダーレセプタクル1040上の、相応して設計された円錐凹所355によって行うことができる。また、パレットホルダーレセプタクル1040に対するパレットホルダー350の整列/芯出し等の、既に述べた利点は、ここで円錐レセプタクル1051/円錐凹所355に起因する。
【0260】
パレットホルダー350(又は搬送デバイス100によって搬送される/され得る別のデバイス)がドッキングされた後、搬送デバイス100は、例えば、被搬送デバイス(ここではパレットホルダー350)から再び切り離され、別の搬送タスクのために使用することができる。
【0261】
さらに、パレットホルダー350は、例えば搬送デバイス100それ自身又はハンドリングデバイスの場合に同様にそうであるが、パレットホルダーレセプタクル1040とパレットホルダー350との間で、機械式エネルギー、及び/又は、電気、油圧、及び/又は空気圧エネルギーを伝達するためのインターフェース357を有することができる。したがって、パレットホルダーレセプタクル1040は、パレットホルダー350のインターフェース357に対する対の片方(インターフェース358)を有することができる。
【0262】
さらに、例えば、冷却潤滑剤等の作動手段も、パレットホルダーレセプタクル1040からパレットホルダー350まで給送される可能性がある。このため、例えば、電気及び/又は流体を伝導させる対応する締結手段及び接続(締結手段及び接続43と同等である)を設けることができる。
【0263】
さらに、インターフェース357は、有利には、工作機械1000(又は別のデバイス)のパレットホルダーレセプタクル1040とパレットホルダー350との間での信号の非接触伝達のためのデバイスを含むことができる。非接触信号伝達のためのこのデバイスは、例えば、送信機/受信機コイルとして、又は、信号の非接触伝達のためのI/Oリンクを有する誘導性カプラーとして構成することができる。
【0264】
ここで、デバイスは、インターフェース357上の又は同様にインターフェース357の外側の任意の場所に設けることができ、非接触信号伝達のためのデバイスは、インターフェース357内の中央に設けられる。
【0265】
しかしながら、工作機械1000上でパレットホルダーレセプタクル1040として指定されるレセプタクルが、種々の他のデバイス、ハンドリングデバイス等、又は同様に、搬送デバイス100それ自身を、ドッキングによって収納することもできることがここで指摘されるべきである。したがって、パレットホルダーレセプタクル1040は、パレットホルダー350を収納することに限定されない。
【0266】
特に好ましい方法で、収納デバイス40(図2を参照されたい)とドッキングするために述べたレセプタクル(円錐レセプタクル1051、円錐凹所355、及びインターフェース357/358を有する)が均一になる又は標準化されるように構成されるため、相応して均一に構成される収納要素を有する任意のコンポーネント又はハンドリングデバイスを取り付けることができ、また、本質的に同じ迅速解除カップリングが、この場合、エネルギー又は信号伝達のために使用することができることが更に指摘されるべきである。
【0267】
図16dは、パレットホルダー350を有する、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0268】
ここで、搬送デバイス100はパレットホルダー350を含み、パレットホルダー350は、工作機械1000によって(又は、セットアップステーション、マガジンステーション等によって)収納することができず、搬送デバイス100上に常に留まる。
【0269】
このパレットホルダー350は、パレット300を、(持ち上げた状態の)搬送デバイス100によってレセプタクル1040を覆って位置決めし、その後、パレット300がレセプタクル1040から収納されるまで、搬送デバイス100を下げることによって、工作機械1000のレセプタクル1040上にパレット300を設置するように構成される。
【0270】
レセプタクル1040上でパレット300を位置決めするときに既に、パレット300上に位置する整列要素301によるレセプタクル1040に対するパレット300の整列(事前芯出し)が実施される。パレット300がレセプタクル1040を覆って位置決めされると、これらの整列要素301は、芯出しデバイス1045に押し付けられるため、パレット300は、芯出しデバイス1045に完全に当接する。パレット300が、ここで、搬送デバイス100によって更に下げられる場合、芯出しデバイス1045は、整列要素301内にそれ自身をねじ込むため(整列要素301が、例えば、V形状凹所を有す
るため)、レセプタクル1040に対するパレット300の側方オフセットも補償される。結果として、パレット300は、レセプタクル1040に対して、また特に、円錐(ここでは、パレット円錐1044)に対して事前芯出しされる。
【0271】
例えば、パレット300それ自身は、圧力ピース(ここでは示さず)によってパレットホルダー350(例えば、フォークの形状で構成することができる)上に載ることができるため、パレット300は、フォーク上で整列要素301の方向に付勢される。この付勢は、有利には、例えば、パレットホルダー350のフォーク上でパレット300を留める/固定するために使用することができる。
【0272】
パレット300又は整列要素301がレセプタクル1040の芯出しデバイス1045に(搬送デバイス100の位置決め移動によって)押し付けられる場合、圧力ピースは、更に圧縮され、フォークに対するパレット300の固定が中止される。そのため、パレット300をレセプタクル1040上に据え付けることができる。
【0273】
図16eは、パレットホルダー350を有する、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0274】
レセプタクル1040に対してパレット300を位置決め/事前芯出しするシーケンスは、図16dで述べたシーケンスと実質的に同じである。しかしながら、レセプタクル1040上で整列/事前芯出しされるのは、パレット300自身ではなく、パレット300を保持するパレットホルダー350である。
【0275】
ここで、同様に、パレットホルダー350は、工作機械1000上に(又は、別のデバイス上に)据え付けることができず、搬送デバイス100の収納デバイス40上にあるままである。
【0276】
レセプタクル1040に対してパレット300を位置決め/事前芯出しするために、パレットホルダー350は、ここで、整列要素351を有し、整列要素351は、レセプタクル1040に対する搬送デバイス100の位置決め移動中に芯出しデバイス1042に押し付けられ、また同様に、例えば、芯出しデバイス1042をその中にねじ込むことができるV形状凹所を有する。これは、レセプタクル1040に対するパレットホルダー350の事前芯出し/整列をもたらし、それは、レセプタクル1040に対するパレット300の整列のための基礎を形成する。
【0277】
同時に、圧力ピース(ここでは示さないが、図2b及び図2cで述べる圧力ピースと同等である)は、例えば、レセプタクルデバイス40に対してその固定からパレットホルダー350を解除するため、また、パレットホルダー350がレセプタクル1040に対して位置決めされることを可能にするため、パレットホルダー350をレセプタクル1040に押し付けることによって更に圧縮することができる。
【0278】
搬送デバイス100が、ここで、パレット300が事前芯出しされた後に更に下げられる場合、パレット300を、対応する円錐(例えば、パレット円錐1044、図16i及び図16jを参照されたい)上に据え付けることができる。搬送デバイス100は、ここで、自由になり、新しいタスク、例えば、新しいパレットを収納することに転じることができる。
【0279】
図16fは、図16eから既に知られているものと同様の、パレットホルダー350を有する、本発明による搬送デバイス100の別の実施形態を概略的に示す。
【0280】
しかしながら、パレットホルダー350はパレット300と共に、ここで、工作機械1000(又は、別のデバイス)上に据え付けることができる。
【0281】
このため、図16eで既に述べたように、パレットホルダー350は、整列要素351及び芯出しデバイス1042によって、レセプタクル1040に対して整列/事前芯出しされる。ここで、同様に、圧力ピースが更に圧縮され、したがって、一方で、パレットホルダー350がレセプタクル1040に対して位置決めされることを可能にし、同時に、パレットホルダー350が収納デバイス40から持ち上げられることを可能にする場合が有利であるものとすることができる。
【0282】
搬送デバイス100が、ここで、更に下げられる場合、パレット300を、例えば、レセプタクル1040(パレット円錐1044)によって直接収納することができる、又は、パレットホルダー350はパレット300と共に、最初にレセプタクル1040(デバイス円錐1041、図16i及び図16jを参照されたい)から取り除かれ、その後、パレット300がパレット円錐1044によって収納される。
【0283】
図16gは、パレット300のみがレセプタクル1040によって収納されたときの、図16fに示す本発明による搬送デバイス100の状態を示す。搬送デバイス100は、ここで、パレットホルダー350が収納デバイス40上に収納された状態で工作機械1000から離れ、新しいタスクに取り組むことができる。
【0284】
図16hは、パレットホルダー350がパレット300と共にレセプタクル1040によって収納されたときの、図16fに示す本発明による搬送デバイス100の状態を示す。搬送デバイス100は、ここで、工作機械1000から再び離れ、例えば、新しいデバイス(例えば、新しいパレットホルダー350、ハンドリングデバイス、例えば図22図36に示す別のデバイス)を収納することによって、新しいタスクに取り組むことができる。
【0285】
しかしながら、上記の図及び例示的な実施形態において示し述べる本発明による搬送デバイス100の実施形態は、それに制限されず、所望に応じて明示的に互いに組み合わせることができる。
【0286】
図16iは、パレットホルダー350及び/又はパレット300を収納するための工作機械1000のレセプタクル1040の構成を示す。
【0287】
ここで、レセプタクルは、パレット300を収納するための少なくとも1つのパレット円錐1044に加えて、デバイス全体(パレットホルダー350等)が収納されることを可能にする少なくとも1つのデバイス円錐1041も含むため、搬送デバイス100は、デバイスが工作機械1000に据え付けられた後に他のタスクのために再び使用することができる。
【0288】
さらに、レセプタクル1040は、少なくとも1つの芯出しデバイス1042を含み、デバイスが少なくとも1つのデバイス円錐1041上に設置される/据え付けられる、及び/又は、パレット300が少なくとも1つのパレット円錐1044上に設置される/据え付けられる前に、芯出しデバイス1042において、デバイスがレセプタクル1040に対してそれ自身を整列させることができる。
【0289】
ここで、少なくとも1つのパレット円錐1044及び少なくとも1つのデバイス円錐1041は共に、パレット300又はデバイスをロック/固定する、及び/又は、図2dで示されるものと同様の媒体接続を有するドッキングユニットを有することができる。
【0290】
さらに、レセプタクル1040は、工作機械1000から、収納されたデバイスへ信号及び/又はエネルギーを伝達するように構成される1つ以上の別個の媒体インターフェース1043を有することもできる。
【0291】
ここで、媒体インターフェース1043は、信号及び/又はエネルギーを非接触で(例えば、誘導的に又は光学的に)伝達し、差し込み式接続(複数の場合もある)として具現化され、無線電信によって伝達を実施することができる。その任意の組み合わせは、流体(例えば、冷却潤滑剤)等の供給部を含む拡張としてだけ可能である。
【0292】
さらに、レセプタクル1040は、レセプタクル1040に対してパレット300を整列させるための少なくとも1つの芯出しデバイス1045(ここでは示さず、図16dを参照されたい)を更に含むこともできる。
【0293】
図16jは、図16iに示すが、レセプタクル1040の個々のコンポーネントのより良い全体像のために異なる視点からの、工作機械1000のレセプタクル1040の構成を示す。
【0294】
図17aは、押し上げシリンダー50による本発明による搬送デバイス100の高さ調整を有する、本発明による搬送デバイス100の一実施形態を概略的に示す。
【0295】
シャシ10は、ホイールに対して持ち上げシリンダー50によって持ち上げられるため、収納されたハンドリングデバイスも、ホイール20又は工作機械1000(ここでは示さず)に対してその高さを変更する。
【0296】
図17bは、押し上げシリンダー50による本発明による搬送デバイスの高さ調整を有する、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0297】
本明細書で、代替法が示され、その代替法において、持ち上げシリンダー50に加えて、ホイール20に対して搬送デバイスのシャシ10を持ち上げるためにサスペンション60(例えば、レバー機構に基づく)が同様に設けられるため、保持されるハンドリングデバイスもその高さを変更する。
【0298】
図18aは、パレットホルダー350及びパレット300を有する、本発明による搬送デバイス100の一実施形態を概略的に示す。
【0299】
ここで、レセプタクル1040においてパレット300を据え付ける/収納する据え付け/収納プロセス(ここでは示さず)中に、搬送デバイス100がどの移動を実施するかが明確にされる。
【0300】
このため、搬送デバイス100は、単数又は複数のホイール20に対して図17a及び図17bに示す機構(懸垂保持リフト、垂直矢印)によって、持ち上げられて、相応して、パレット300及び/又はパレットホルダー350を、レセプタクル1040の上に位置決めし、その後、搬送デバイス100を下げることによってレセプタクル1040上に据え付ける。
【0301】
位置決め中に、パレットホルダー350/パレット300をレセプタクルに対して整列させるために、パレットホルダー350又はパレット300との間に接触が存在することができるため、搬送デバイス100の収納デバイス40に対するパレットホルダー350の位置決め移動(ほぼ水平の矢印)も実施される。しかしながら、この位置決め移動は、
搬送デバイス100の収納デバイス40に対するパレットホルダー350の固定及び/又は位置決めを支持するためのドライブ47(図2bで述べた)が存在する範囲に依存することができる。
【0302】
図18bは、パレットホルダー350及びパレット300を有する、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0303】
ここで、同様に、搬送デバイス100は、単数又は複数のホイール20に対して図17a及び図17bに示す機構(懸垂保持リフト、垂直矢印)によって、持ち上げられて、相応して、パレット300を、レセプタクル1040の上に位置決めし、その後、搬送デバイス100を下げることによってレセプタクル1040上に据え付ける。
【0304】
位置決め中に、パレット300をレセプタクルに対して整列させるために、パレット300との間に接触が存在することができるため、パレットホルダー350に対するパレット300の位置決め移動(ほぼ水平の矢印)も実施される。この移動は、圧力ピース(図2b及び図2cで述べた圧力ピース45と同様)に抗して作用することができ、圧力ピースは、それにより、更に押され、パレットホルダー350に対するパレット300の固定を緩め、パレット300がレセプタクル1040に対して整列し、パレットがレセプタクル1040によって収納されることを可能にする。
【0305】
図19は、本発明による搬送デバイス100のハンドリングデバイスを収納する収納デバイス40の高さ調整を有する、本発明による搬送デバイス100の一実施形態を概略的に示す。
【0306】
ここで、搬送デバイス100のホイール20に対するシャシ10の位置は変化しないが、収納デバイス40は、その位置をシャシ10又はプラットフォームキャリアに対して変更する。
【0307】
これは、持ち上げシリンダー55が、シャシ10及び他のハンドリングデバイスの重量並びに他の更なる重量を支える必要がないため、ダウンサイズすることができるという利点を有する。
【0308】
図20aは、パレットチェンジャー200及び搬送されるパレット300を保護する、好ましくは、パレット300の全ての側面を保護するフード210を有する、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0309】
フード210は、汚れ、気流(air current)、又は更に、より過酷な機械的影響等のような外的影響から、搬送されるパレット300を保護する。逆に、フード210は同様に、例えば、パレット300から落下する場合があり、また、パレット300上のワーク1の機械加工が完了した後にパレット300に依然として付着する可能性がある任意のチップ又は滴る冷却潤滑剤から周囲物を保護する。
【0310】
このため、フード210は、パレット300が、そこを通してパレットチェンジャー200によってフード200内に導入される、フード210の開口を閉鎖する閉鎖デバイス215を含むこともできる。
【0311】
このため、閉鎖デバイス215は、ローラードア、少なくとも1つの折り畳みドア、少なくとも1つのウィングドア、水平軸の周りに旋回可能なフラップ、又は摺動ドアの形態で構成することができる。しかしながら、上記リストは、網羅的であるとして理解されるべきでなく、更なる構成オプションによって補足することができる。
【0312】
図20bは、パレット300を工作機械1000の作業空間内に搬送する、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0313】
ここで、作業空間は、ハウジング1060によって周囲物から分離され、また、一方の側、ここでは例えば、工作機械1000の端面上に開口を有し、その開口を通して、例えば、機械オペレーターが作業空間内で作業することができ、その開口を通して、パレット300を工作機械1000の作業空間に挿入することができる。この開口を閉鎖するために、例えば、ローラードア、摺動ドア、シングルリーフ又はダブルリーフ回転ドア、又は同等のデバイスを使用することができる。
【0314】
さらに、工作機械1000、特に、ハウジング1060は、ホールフロアから作業空間まで延在するアクセス部を有し、そのアクセス部内に、搬送デバイス100は、例えば、工作機械1000の作業空間にパレット300を挿入するために移動することができる。
【0315】
特に、パレット300上で搬送されるワークの機械加工中に、搬送デバイス100用のアクセス部をチップ及び/又は冷却潤滑剤から保護するために、搬送デバイス100又はパレットホルダー350は、チップ及び/又は冷却潤滑剤を収集する収集カバー360を有することもできる。有利な方法で、収集カバー360は、その後、アクセス部を上側端(アクセス部から作業空間への移行部)で閉鎖することができるため、作業空間内で分散している/分散したチップ及び冷却潤滑剤を、搬送デバイス100又はパレットホルダー350の収集カバー360に捕捉することができる。
【0316】
さらに、搬送デバイス100がアクセス部に入るとアクセス部から外方を向くカバーパネルが、搬送デバイス100又はパレットホルダー350の端に位置して、搬送デバイス100がハウジング1060のアクセス部内に押しやられた後、外部からアクセス部を更に閉鎖することが可能であるものとすることができる。
【0317】
しかしながら、パレット300が搬送デバイス100によって作業空間から取り除かれる場合、チップ及び冷却潤滑剤は、例えば、ハウジング1060の壁の内部から依然として落下/流出し、アクセス部のエリア内に収集される可能性がある。これらのチップ/冷却潤滑剤が搬送デバイス100用のアクセス部を汚染することを防止するために、ハウジング1060のアクセス部から工作機械1000の作業空間への移行部に鋼カバー1065を設けることが有利である場合があり、鋼カバーは、パレット300又はパレットホルダー350を工作機械1000の作業空間内に位置決め/挿入するために搬送デバイス100がアクセス部に入ると、搬送デバイス100によって(又は、パレットホルダー350等のような搬送デバイス100によって保持されるハンドリングデバイスによって)押し戻される(例えば、図20bの下の画像を参照されたい)。
【0318】
ここで、鋼カバーは、有利には、互いの中に摺動することができる幾つかのセグメントを有することができるため、セグメントは、共に押し込まれるとき、比較的コンパクトである。搬送デバイス100がアクセス部から出ると、例えば、ばね機構(ここでは示さず)が、セグメント又は全体として鋼カバー1065を押し出して、アクセス部の上側端を閉鎖することができる(例えば、図20bの上の画像を参照されたい)。
【0319】
さらに、鋼カバー1065は、アクセス部に入る搬送デバイス100に向くその端に、ドッキングのために使用されるレセプタクル(円錐レセプタクル1051/円錐凹所355及びインターフェース357/358を含む、図16cも参照されたい)の形態のカットアウトを有するカバーセクションを有することができる。
【0320】
鋼カバー1065それ自身のように、カバーセクションは、搬送デバイス100が中に移動すると変位し、円錐レセプタクル1051及び相応して工作機械1000のレセプタクルのインターフェース358は、カバーセクション内のカットアウトを通過するため、搬送デバイス100又は搬送デバイス100によって保持されるハンドリングデバイス(例えば、パレットホルダー350、図16cも参照されたい)は、工作機械1000のレセプタクルにドッキングすることができる。
【0321】
図20cは、パレット300を工作機械1000の作業空間内に搬送する、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を示す。
【0322】
丸いドア1070は、開口を閉鎖するために設けられ、その開口を通して、例えば、機械オペレーターが工作機械1000の作業空間内に達することができる、又は、その開口を通して、パレット300が工作機械1000の作業空間に挿入される。
【0323】
丸いドア1070が開放状態にある(図20cの上の画像に示す)場合、丸いドア1070の半円は、例えば、工作機械1000のワークスピンドル1100(ここでは示さず)に向き、したがって、ワークスピンドル1100をハウジング1060の開口から分離する。こうして、例えば、機械オペレーターが、ワークスピンドル1100内に挿入されたツールに意図せずに接触し、場合によっては損傷することを防止することができる。
【0324】
搬送デバイス100によって搬送されるハンドリングデバイス(パレットホルダー350又は別のデバイス等)を工作機械1000にドッキングするために、図16cで既に述べたように、レセプタクル(円錐レセプタクル1051/円錐凹所355及びインターフェース357/358を含む)を使用することができる。
【0325】
しかしながら、工作機械1000と搬送デバイス100又はハンドリングデバイスとの間の他の接続オプション、例えば、ホールフロア上に設けられる円錐レセプタクル1051を設けることもできる(図16a及び図16cも参照されたい)。
【0326】
パレット300を有する搬送デバイス100が、ハウジング1060の開口を通り工作機械1000の作業空間内に移動した場合、丸いドア1070は、回転軸の周りの回転移動(図20cの下の図に示す)によって、特に、丸いドア1070の対称軸(例えば、垂直に配向することができる)の周りの回転移動によって、ハウジング1060の開口を閉鎖する。
【0327】
有利には、収集カバー360は、特にハウジング1060の開口を閉鎖する丸いドア1070の使用に関して、丸いドア1070の形状を考慮して形成されて、撹拌されたチップ及び冷却潤滑剤に関する環境からの工作機械1000の作業空間の改善されたシールを確実にすることができる。
【0328】
このため、丸いドア1070がそこで閉鎖状態で位置決めされるパレットホルダー350の収集カバー360の端に同等の半円を設ける場合が同様に有利であることになる。丸いドア1070と収集カバー360との間の、したがって、工作機械1000の作業空間と環境との間の最適化したシールがこうして得られる可能性がある。
【0329】
工作機械1000上にドッキングするために使用されるレセプタクル(円錐レセプタクル1051及びインターフェース358を含む、図16cも参照されたい)は、更なるカバーなしで機能することができる(例えば、図20bに述べる)。しかしながら、図20bに述べる鋼カバー1065と丸いドア1070との組み合わせは、工作機械1000の作業空間のハウジング1060における更なるシールを提供するために使用することもで
きる。
【0330】
図21aは、搬送デバイス100又はハンドリングデバイスを位置決めするために格子に似た配置構成内に円錐1051を有するホールフロアを概略的に示す。
【0331】
図16を参照して既に説明したように、搬送デバイス100は、搬送デバイス100それ自身又は搬送デバイス100によって収納されたハンドリングデバイスが円錐1051によって位置決めされるように下げることができる。
【0332】
別の可能性は、例えば、ホールフロア上での搬送デバイス100の移動に円錐1051が干渉する場合に、円錐1051が引っ込められるように構成することである。このため、円錐1051は、ホールフロアから持ち上げられる又はそこに沈み込むことができるように、それ自身の持ち上げ(例えば、空気圧、油圧、電気、又は機械)デバイスをもたなければならないことになる。さらに、円錐1051及び搬送デバイス100の組み合わせ式持ち上げ移動は、位置決めを実施するために実施される可能性もある。
【0333】
図21bは、搬送デバイス100の下側に円錐1051を設け、ホールフロアに円錐1051用の対応する凹所を設けるだけである更なるオプションを示す。
【0334】
こうして、持ち上げ移動は、ここで、位置決めを実施するために、搬送デバイス100又は収納デバイス40によって実施することができる。さらに、しかしながら、搬送デバイス100の下側の円錐1051が、ホールフロアの凹所に沈み込んで、搬送デバイス100又はハンドリングデバイスが位置決めされることを可能にすることが可能であるものとすることもできる。
【0335】
これらの場合、ホールフロア上に干渉輪郭がもはや存在しないため、搬送デバイス100は、制限なくホールフロアにわたって走行することができる。さらに、実施形態において、図21bに示すように、更なる持ち上げデバイス(例えば、ホールフロア上の円錐のための)を省略することができる。
【0336】
図22aは、ハンドリングデバイスとして産業用ロボット600を有する、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0337】
ハンドリングデバイスとしてのパレットチェンジャー200に加えて又はその代わりに、ロボット600(産業用ロボット)を、搬送デバイス100の収納デバイス40が収納することもできる。ロボット600は、生産プロセス内の多様なタスクのために使用することができ、また、用途に応じて更に適合することができる。その更なる例は、図23図28及び図35において述べられる。
【0338】
さらに、搬送デバイス100が多数の収納デバイス40を有し、異なるモジュール/ハンドリングデバイスが、各収納デバイス40に収納可能であることが有利である。
【0339】
図22aに示すように、種々の材料パレット700、機械パレット700、又はメッシュボックス700を搬送デバイス100が収納することができる。さらに、種々の補助モジュール750(バリ取り器(deburrers)、ツール用の格納ボックス、交換把持部等)を、搬送デバイス100が収納することができ、ロボット600は、補助モジュール750を使用して、例えば、工作機械1000上で機器作業を実施する、又は、工作機械1000によって製造されるワーク1に対して後処理を行うことができる。
【0340】
搬送デバイス100が、純粋な材料フィーダー又はツールフィーダーとして、例えば、
したがって処理ステーション又はワーク/ツールの他の目的地まで走行することができる、1つ以上の材料パレット700及び/又はツールパレット及び/又はメッシュボックス700を排他的に装填された或るタイプのワーク/ツールカートとして装備することもできることが同様にここで明示的に指摘されるべきである。
【0341】
搬送デバイス100上にパレットチェンジャー200及びロボット600を収納する可能性のせいで、ワーク及びパレットハンドリングは、有利には、所望に応じて組み合わせることができ、生産チェーンの状況は、カスタマイズされた方法で対処することができる。
【0342】
図22bは、収納されたロボット600、ツールハンドリング及びワークハンドリングの両方のために構成される両方のロボット600を有する、本発明による搬送デバイス100の更に2つの特定の例示的な実施形態を概略的に示す。特に、例えば、ツール102を移動させるために、ツールチェンジャーは、ロボット600が収納することができる(例えば、図22bの詳細図を参照されたい)。上記ロボットは、例えば、工作機械1000のワークスピンドル1100内のツール102を交換する可能性もある。
【0343】
図23は、産業用ロボット600及びツール試験のための測定ユニット610を有する、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0344】
ロボット600及びツール試験用の測定ユニット610及びツール用のバッファー空間を有するモジュール700を有する図23に示す搬送デバイス100の構成によって、搬送ユニット100は、工作機械1000(ここでは示さず)から、ツールを取り除く、測定する、試験することができる。
【0345】
試験は、触知可能な又は非接触的な方法で実施することができる。書き込み及び読み取りユニットは、ツールを識別し、相応してツールを割り当てることもできる。
【0346】
得られた情報及び試験の結果を、ここで、無線信号によってホストコンピューターコントロール2000に伝達することができ、また、相応して処理することができる。
【0347】
図24aは、産業用ロボット600、並びに、図24bで同様により詳細に示す工作機械1000(ここではパレット300を有する)上で製造されたコンポーネント1を試験する測定及び試験手段620を有する、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態の詳細図を概略的に示す。
【0348】
コンポーネント1は、触知可能な方法によるとともにスキャニングによってロボット600によって試験することができる。さらに、光ユニットは、光学方法を使用してコンポーネント1を試験することができる。
【0349】
得られるデータ及び情報は、無線電信によって、誘導によって、又は円錐レセプタクル内の適切な接続/ポートによってやはり伝達することができる(ここでは示さず)。
【0350】
図25は、産業用ロボット600、及び、工作機械1000(ここではパレット300を有する)上で製造されたコンポーネント1を後処理するアタッチメント630を有する、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0351】
アタッチメント630は、それによってコンポーネントを自動的に後処理することができるツール(例えば、ブラシ又はバリ取り器)を含むことができる。光学又はセンサーモニタリングは、完成コンポーネント1の対応する品質を確保し、更なる後処理が必要か否
かをチェックする。
【0352】
図26は、産業用ロボット600、及び、ツールを鋭利化しドレッシングするユニット640を有する、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0353】
ロボット600及びツールを鋭利化しドレッシングするユニット640に加えて、搬送デバイス100は、ここで保護エンクロージャ650も含み、保護エンクロージャ650によって、鋭利化又はドレッシングプロセスに起因する撹拌されたチップから環境が保護される。有利には、フラップ(保護エンクロージャ650の左側に示す)を設けることができ、フラップを通して、ロボットは、例えば、工作機械のワークスピンドル(両方ともここでは示さず)に達し、それと相互作用することができる。
【0354】
鋭利化及びドレッシングプロセスは機械加工ステップを含むため、工作機械の場合に一般的であるように、機械加工プロセスを冷却し潤滑にし、したがって、ツール摩耗を低減するために、シャシ10が同様に、内部冷却潤滑剤タンク11を含む場合が有利である。さらに、搬送デバイス100上にツールを格納するためのバッファー空間をモジュール700に同様に提供することが有利であるものとすることができる。
【0355】
図27は、産業用ロボット600、及び、種々のツール102に沿って保持するマガジン101を有する、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0356】
こうして、ツール102は、工作機械のワークスピンドル(ここでは示さず)に又はマガジン101に直接挿入することができる。マガジン101は、ホイール、タワー、プレート、又はチェーンマガジンとして構成することができる。しかしながら、マガジン101の更なる変形を使用することもできる。
【0357】
特に、ツール102を据え付けるためのマガジン101の代わりに又はそれに加えて、ツールパレット(ここでは示さず)を、搬送デバイス100が収納し、相応して種々の用途のために使用することもできる。
【0358】
1つ以上のツールパレットを、搬送デバイス100が収納し、産業用ロボット600の存在に無関係に、その目的地に配送することもできることがここで明示的に指摘されるべきである。
【0359】
特に有利な方法で、ロボット600は、(図28に示すように)工作機械1000のワークスピンドル1100上でのツール変更中の安全性を確保するために、遮蔽プレート(closing plate)601を備えることができる。
【0360】
図28は、例えば、ツール102を交換するための、産業用ロボット600と工作機械1000のワークスピンドル1100との相互作用中における、図27の本発明による搬送デバイス100の実施形態を概略的に示す。
【0361】
ここで、ツール変更中の工作機械1000の安全性を確保するための遮蔽プレート601が提供する利点がもう一度示される。
【0362】
図29aは、工作機械1000のチップカート1400における、本発明によるチップ除去のための搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0363】
チップを収集するモジュール800は搬送デバイス100上に搭載され、モジュール800は、収集されたチップを、規定された場所で降ろすための傾斜機構810も有する。
【0364】
傾斜機構は種々の方法で構成することができる。電気ドライブ及び油圧又は空気圧ドライブを共に設けることができる。さらに、ラック及びピニオンギア、スクリューギア、又は、単に対応する空気圧若しくは油圧持ち上げシリンダーは、モジュール800の傾斜移動を生成するために使用することができる。しかしながら、他のドライブ/ギアを、互いに対する種々の組み合わせで使用することもできる。
【0365】
チップを収集するモジュール800を有する、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態は図29bに示され、搬送デバイス100は同様に、ここで、チップで充填されたチップコンテナー825を持ち上げ、チップコンテナー825をモジュール800に注ぐことができる持ち上げ機構820を備える。ここで、チップコンテナー825は、ここで有利には、チップコンテナー825が適切に充填され、例えば中央主コンピューターコントロール2000に情報が送信されるまで、工作機械1000のチップカート1400上に留まることができ、中央主コンピューターコントロール2000は、その後、上記チップコンテナー825を空にする信号を、モジュール800及び持ち上げ機構820を有する搬送デバイス100に送信する。
【0366】
さらに、搬送デバイス100は、更なるコンテナーカート830に結合し、チップを収集し搬送するためにそれを使用するように構成することもできる。
【0367】
図29cは、搬送デバイス100の更なる実施形態を示し、図29a及び図29bで既に示したチップ800を収集するモジュールは、搬送デバイス100の上側に収納される。有利には、示すモジュール800は、側面上の2つのセットアップ部分によって、多様なチップカート/チップ収集器1400上に設置することができる。チップカート1400が適切に充填された場合、モジュール800を再び収納し、チップを更なる処置及び/又は廃棄場所まで配送するという信号を、搬送デバイス100に送信することができる。
【0368】
例えば、搬送デバイス100によるチップカート1400上へのモジュール800の位置決めのために、再び、ホールフロア内に/その上に存在する円錐レセプタクル1051を使用することができる。さらに、円錐レセプタクル1051は、図16a及び図16cで既に述べた特性を有することもできる。
【0369】
図30は、工作機械1000を調節し、工作機械1000に冷却潤滑剤を再充填する、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0370】
ここで、搬送デバイス100は、使用済み冷却潤滑剤を工作機械から収集又は吸引するモジュール900を含み、モジュール900は、使用済み冷却潤滑剤を調節するためのタンク920及びフィルター930を更に含むことができる。吸引デバイス910は、工作機械1000に直接接続され、使用済み冷却潤滑剤をタンク920内に吸引することができる。さらに、吸引デバイス910は、チップコンテナー825内に蓄積した冷却潤滑剤をチップコンテナー825から吸引し、それを調節場所まで配送するように構成することもできる。
【0371】
図31は、転回させるためにワーク1を配送し、工作機械1000に挿入する、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0372】
ここで、ワーク1は、例えば、棒材とすることができ、棒材は、搬送デバイス100が収納した棒ローダー470によってターニング加工工作機械1000に給送される。
【0373】
棒ローダー470と工作機械1000、特にワークスピンドル1100との適切な相互
作用のために、工作機械1000上の対応する地点に設けられた、既に述べた円錐レセプタクル1051(ここでは示さず)によって搬送デバイス100を位置決めすることがやはり賢明である。
【0374】
これは、自動化製造プロセスがスムーズに進むことができるように、棒材(ワーク1)が工作機械1000内に又はワークスピンドル1100内に正しく挿入されることを確実にする。
【0375】
図31に示すように、工作機械1000は、それぞれの処理ステップのために必要なツールを、回転する棒材に配送することができるツールタレット1500を更に装備することができる。さらに、円錐レセプタクル1051は、既に述べたエネルギー及び/又は信号伝達のための接続を確立するためのオプションをやはり有することができるため、搬送デバイス100のエネルギーストア30(ここでは更に示さず)は、材料を供給するプロセスによってもはや負担がかけられない。
【0376】
図32aは、ガントリーローダー1600を有する工作機械1000のための材料ストア700としての、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0377】
ここで、材料ストア700を、搬送デバイス100の異なる収納デバイス40が収納することができ、材料ストア700は、示す2つの搬送デバイスによって明確にされる。さらに、搬送デバイス100のうちの一方の搬送デバイス100は、未完成部品を工作機械1000又はガントリーローダー1600に提供することもでき、一方、他の搬送デバイス100は、完成部品/ワークを収納する。
【0378】
部品又は材料ハンドリングのこの構成によって、自律的機械ランタイム(autonomous machine runtime)が増加する可能性がある。なぜならば、未完成部品及び/又は完成部品を、ここで、自動的に搬送することができるからである。
【0379】
ガントリーローダー1600は、把持部1610を含み、把持部1610は、例えば、x及びz方向に沿って移動することができ、また、ワークスピンドル1100のワークレセプタクル内に未完成部品が締め付けられるまで、未完成部品をワークスピンドル1100に給送する。ここで、同様に、ツールタレット1500は、現在の処理ステップのために必要とされるツールを未完成部品/ワークまでやはり配送することができる。
【0380】
しかしながら、搬送デバイス100のこの実施形態は、ターニング加工機械に適するだけでなく、知られているフライス機械のために使用することもできる。
【0381】
さらに、搬送デバイス100のこの実施形態は、工作機械1000上で既に使用されているガントリーローダーの大部分が、多大の労力なしで、材料ハンドリングのための搬送デバイス100に適合することができる点で特に有利である。
【0382】
図32bは、工作機械1000内でワークを交換するためのロボット600を有する工作機械1000のための材料ストア700としての、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0383】
図16cで既に述べたように、搬送デバイス100は、ここで、ハンドリングデバイスとともに、又は、この場合、搬送デバイス100によって収納されたモジュール700(ここでは、未完成材料用のストア)とともに、(円錐レセプタクル1051及びインターフェース358によって)工作機械1000上にドッキングすることができる。
【0384】
さらに、搬送デバイス100は、ここで必要である場合、他のタスクのために利用可能であるために、工作機械1000上に材料ストア700を最初に「据え付ける」ことができる。材料ストア700内に貯蔵された未完成材料が使い尽くされたときにのみ、搬送デバイス100は、戻り、モジュール700を再び収納し、相応して、モジュール700を遠方に搬送しなければならないことになる。
【0385】
このため、工作機械1000は、有利には、少なくとも1つのドッキングステーションを有するが、特に有利には、少なくとも2つのドッキングステーションを有する。そのため、搬送デバイス100は、未完成部品を充填された新しい材料ストア700を工作機械1000上にドッキングさせ、その後、空になった材料ストア700を他のドッキングステーションから収納し、相応してそれを遠方に搬送することができる。
【0386】
しかしながら、ここで示す工作機械1000の概念は、ロボット600が工作機械1000の外側に配置されることに限定されず、むしろ、ロボット600は、工作機械1000の作業空間内に設けられ、必要である場合、工作機械1000から出て、新しい未完成部品のためのドッキングされた材料ストア700内に達することもできる。しかしながら、全く異なる機械概念を、材料ストア700(又は別のモジュール700)を有する搬送デバイス100によって提供することもできる。
【0387】
図33aは、ガントリーローダー1600を有する2つの工作機械1000の間のコンベヤベルト400を有する、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。さらに、2つの工作機械1000はそれぞれ、例えば、ワークスピンドル1100及びツールタレット1500を含む。
【0388】
ここで、搬送デバイス100によって収納されたコンベヤベルト400は、コンポーネント又はワーク用のレセプタクルを更に備えることができる(例えば、図33bの詳細図を参照されたい)。さらに、コンベヤベルト400を有する搬送デバイス100が、例えば、未完成部品、又は2つの工作機械1000の間で既に機械加工されたワークを交換するために、「独立型」ユニットとして使用することができることが特に有利である。さらに、コンベヤベルト400がそこを通して未完成部品/機械加工済みワークを装備することができる、セットアップの準備ができた或るエリア(セットアップステーション)を保持することが可能である。
【0389】
さらに、コンベヤベルト400を、例えばより長い距離をブリッジするために、対応する機構(ここでは更に示さず)(例えば、図33cを参照されたい)によって搬送デバイス100において整列する(折り畳む)ことができることが特に有利であるものとすることができる。このため、複数の搬送デバイス100は、その後、例えば、或るタイプのコンベヤブリッジを確立するために、直列に配置されたコンベヤベルト400を備えることもできる。
【0390】
さらに、コンベヤベルト400の実施形態が、示す実施形態に排他的に限定されないことがここで指摘されるべきである。むしろ、或るタイプのコンベヤチェーン等を、コンベヤベルトの代わりに使用することもできる。
【0391】
さらに、コンベヤベルトを収納し搬送した搬送デバイス100に対して、コンベヤベルト400が回転可能に搭載されることが可能であるものとすることもできるため、それぞれの目的のためのコンベヤベルト400のアライメントは、搬送デバイス100の位置決めと別個に行うことができる(図33cを参照されたい)。これは、コンベヤベルト400の使用についての柔軟性の増加が達成されることを可能にした。
【0392】
図34は、工作機械1000の作業空間の補助吸引420のための、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0393】
このため、ワークを機械加工する前、その間、及びその後に発生する汚れ及び不純物を吸引するために、搬送デバイス100が、対応するサクション420を収納することができ、相応してそれ自身を工作機械1000のハウジング1030内のアクセス部に位置決めすることができることが有利である。
【0394】
サクション420は、工作機械1000内にしばしば既に存在する標準的なサクション1020をサポートすることを主に意図される。しかしながら、標準的なサクション1020が、万一欠陥がある又は更に存在しない場合、サクション420がそれに置き換わることができる。吸引され収集された汚れは、コンテナー内に貯蔵し、必要である場合捨てることができる。
【0395】
図35は、ロボット600、及び、ロボット600によって収納されるアプリケーションデバイス770を有する、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0396】
アプリケーションデバイス770を使用して、例えば、コンポーネント/ワークを、ここで、工作機械1000上で付加製造することができる。なぜならば、アプリケーションデバイス770が、例えば、堆積溶接(deposition welding)(又は別の付加製造法)のために構成されるからである。このため、搬送デバイス100は、例えば、塗布される材料(例えば、金属粉末等)を貯蔵する粉末又は媒体タンク775を収納することもできる。粉末又は媒体タンク775とアプリケーションデバイス770との間のフィード又はサクション770は、材料が粉末又は媒体タンク775からアプリケーションデバイス770へ誘導されること、又は、過剰な材料が、製造プロセス中に再び吸引され、粉末又は媒体タンク775に給送されることを確実にする。
【0397】
モバイル付加製造(mobile additive manufacturing)の利点は、対応する工作機械1000が変換される必要なしで、本質的に全ての工作機械1000が、そのような付加製造によって拡張される可能性があることである。さらに、付加製造の場合、工作機械1000上に既に存在する機械キャビン及び/又はサクションは、有利には、製造プロセス及びオペレーターのための保護として使用することができる。
【0398】
しかしながら、工作機械1000が、モバイル付加製造が使用可能であるために必ずしも存在する必要がないことが留意されるべきである。例えば、アプリケーションデバイス770は、任意のベース上で又は任意の環境で所望のコンポーネント/ワークを付加製造することができる。または、搬送デバイス100は、既に存在するワーク/コンポーネントまで移動し、収納されたアプリケーションデバイス770を使用してそれを所定の場所で機械加工することができる。
【0399】
既に上述したように、円錐1051(ここでは示さず)は、例えば、製造品質を確保するために、搬送デバイス100を工作機械1000又はコンポーネント/ワークにおいて最適に位置決めするためにやはり使用される可能性がある。
【0400】
図36は、ツールチェンジャー720を有する、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0401】
ここで、例えば、搬送デバイス100は、ツールがツールチェンジャー720に収納された状態で、工作機械1000、特に、ワークスピンドル1100に近づき、ツールチェ
ンジャー720を回転させることによって、そこでツール交換を実施することができる。
【0402】
さらに、ツールチェンジャー720の代わりに、チェンジャー・格納部組み合わせ体720は、搬送デバイス100によって工作機械1000に搬送することもできる。利点は、このチェンジャー・格納部組み合わせ体720が、フォーク把持部又はフック把持部等の単純なツールチェンジャーに比べてツールを収納するために著しく大きい容量を有することである。
【0403】
ここで、チェンジャー・格納部組み合わせ体720が工作機械1000又はワークスピンドル1100の前に位置決めされる場合、ワークスピンドル1100は、所望のツールをチェンジャー・格納部組み合わせ体720(例えば、対応するドライブを有するチェーンマガジン又はホイールマガジン)から取り除くことができ、チェンジャー・格納部組み合わせ体720は、例えば、ワークスピンドル1100に対して所望のツールを回転させることによってツール交換を加速又は単純化することができる。
【0404】
しかしながら、搬送デバイス100は、ツールストア720を(例えば、チェーンマガジン、ホイールマガジン、又はシェルフマガジン等として)有するだけであるものとすることができ、ツールストア720は工作機械1000に搬送され、ツールストア720から、工作機械1000のワークスピンドル1100が、所望のツールを独立に受け取ることができる。
【0405】
さらに、上記オプションは、互いに組み合わせることもできるため、例えば、ツールストア720を有する搬送デバイス100は、ツールチェンジャー720を有する搬送デバイス100とともに、工作機械1000の前に位置決めされ、互いに協働して工作機械1000においてツール交換を実施する。
【0406】
さらに、上記で言及したオプションはツールに制限されない。なぜならば、例えば、ツールの代わりに、ワーク又はツール及びワークを、同時に、格納する及び/又は交換することができるからである。
【0407】
図37は、フライスヘッド1120を、スタンド要素1300及びパレット300(しかしながら、機械テーブルとして設計することもできる)を有する工作機械1000まで搬送する、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0408】
ここで、搬送デバイス100の柔軟性によって、フライスヘッド1120を、それぞれの工作機械1000まで迅速かつ容易に搬送することができることが特に有利である。フライスヘッド1120を適切に設けるために、以前は、ターミナルステーションが必要とされたが、フライスヘッドは、主コンピューターコントロール2000(ここでは示さず)と関連した搬送デバイス100によって「オーダーされ(ordered)」、その後、搬送デバイス100によって、それぞれの使用場所に到着することができる。したがって、ターミナルステーションは完全に余分である。
【0409】
さらに、搬送デバイス100のこの構成は、フライスヘッド1120、特に、特別なフライスヘッドが、ヘッドインターフェースを有する全ての工作機械1000の間で交換されることを可能にする。さらに、それぞれのフライスヘッドは、複数回、購入される必要がなく、コスト節約についての高い可能性を確保する。
【0410】
例えば、搬送デバイス100は、工作機械1000の下を通過して、フライスヘッド1120をその所望の場所にもたらすことができるが、フライスヘッド1120を工作機械1000に配送する他の方法を選択することもできる。
【0411】
図38は、大きい部品用のワークレセプタクル450を有する、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0412】
ここで、複数の搬送デバイス100は、大きい部品(ここでは、ワーク1としてマーク付けされる)を適切に搬送するために、再び協働することができる。このため、ワークレセプタクル450は、締め付けデバイス(油圧、空気圧、真空、機械クランプ等)を装備することができ、締め付けデバイスによって、大きい部品は搬送デバイス100上に保持され、このために構成される処理機械(ここでは、スタンド要素1300及び研削アタッチメント(grinding attachment)1150を有する工作機械1000)に給送される。
【0413】
さらに、既に述べたように、円錐レセプタクル1051(ここでは示さず)は、工作機械1000の研削アタッチメント1150の下での搬送デバイス100の位置決めに加えて、工作機械1000から搬送デバイス100へのエネルギー及び/又は(制御)信号の伝達のための接続をやはり可能にすることができる。
【0414】
ワークレセプタクル450を使用することによって、搬送デバイス100は、大きい部品の処理をできる限り効率的かつ柔軟性のあるものにするために、ワーク変更デバイスの概念を機械加工テーブルと組み合わせて、或るタイプのモジュール式ツール1000を形成する。
【0415】
図39は、(モジュール式)工作機械1000の種々の機械概念のコンポーネントとしての、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0416】
搬送デバイス100がパレット300を収納し、その後、工作機械1000内のワーク又は機械テーブルキャリアとして直接使用することができる場合がここで特に有利である。
【0417】
本明細書の利点は、位置決め及び固定のために使用される円錐(例えば、既に述べた円錐レセプタクル1051のような円錐レセプタクル)が、ワーク又は機械テーブルキャリアとして搬送デバイス100が直接使用されることを可能にすることである(図44も参照されたい)。そのため、工作機械1000はそれ自身の機械テーブルなしで装備することができる。
【0418】
ワークキャリアとして、搬送デバイス100は、こうして複数の工作機械1000まで順次移動し、再締め付けすることなく、したがって、正確度を失うことなく、それぞれの処理(例えば、フライス、研磨等)を実施することができる。
【0419】
そのため、ワークに関する測定プロセスは、与えられた締め付け状況において直接実施することができる。搬送デバイス100は、ワークとともに測定室(例えば、座標測定機械等)内に走行することができる。これは、ワーククランプを開放することによる張力印加又は反りをなくす。
【0420】
これは、コンソール機械(図40a)及びポータル機械(図39)を有する例として概略的に示すように、全く新しい機械概念を可能にする。
【0421】
図40aは、(モジュール式)工作機械1000としてのコンソール機械上に、収納されたパレット300を有する、本発明による搬送デバイス100の一実施形態を概略的に示す。
【0422】
搬送デバイス100によって収納されたパレット300は、任意選択でフライス・ターニング加工機械概念を作成するために、更なる軸(コンソール機械を参照されたい、ここでは、回転軸R1)を備えることができる。
【0423】
さらに、搬送デバイス100とパレット300との(ここでは、更なる回転軸R1を有する)接続は、フライステーブル、NC回転テーブル、回転傾斜テーブル、フライス回転テーブル等として設計し、したがって、多様なワーク機械加工用途のために使用することができる。
【0424】
示す例において、同様に、コンソールタイプ工作機械1000が使用され、コンソールタイプ工作機械1000は、スタンド要素1300及び横要素1200に加えて、ワークスピンドル1100を含み、ワークスピンドル1100は、スタンド要素に対してx、y、及びz方向に可動である。さらに、搬送デバイス100は、x及びy方向に移動することができ、パレット300は、回転軸R1によってz軸の周りに回転することができる。さらに、コンソール機械は、図40bで述べるように、更なる回転軸R2によって拡張することもできる。
【0425】
図40bは、(モジュール式)工作機械1000の種々の更なる機械概念のコンポーネントとしての、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0426】
図39及び図40aの概念を参照して既に説明したように、コンソール機械は、ワークスピンドル1100上に更なる回転軸R2を備えて、回転軸R2の周りにワークスピンドル1100を180度だけ旋回させることによって、ワークスピンドル1100の位置をパレット300又は搬送デバイス100に対して90度だけ変更することができる。回転軸R2及びパレット300の平面/表面が本質的に互いに対して45度の角度にあるため、これは有利には可能である。さらに、図40cに示すように、水平機械加工中心における搬送デバイス100の適用を考えることもでき、これは、図40aのコンソール機械上で見られるように、更なる回転軸R2(ここでは示さず)によって拡張することもできるため、水平機械加工中心のワークスピンドル1100は、必要である場合、パレット300又は搬送デバイス100に対して90度だけ旋回することもできる。
【0427】
両方の場合に、パレット300(図40b及び図40cにおいて、それぞれ回転軸R1を有する)を有する搬送デバイス100は、「機械テーブル」としてやはり構成され、機械テーブルは、パレット300を装備する搬送デバイス100の更に大きい柔軟性を確保するために、必要である場合、回転軸R1による回転テーブルとして使用可能でもある。結果として、搬送デバイス100は、やはり、1つの処理ステーションから他の処理ステーションに次々に近づき去ることができるため、対応する処理ステップは、それぞれの処理ステーションにおいてワーク1(ここでは示さず)に対して実施することができる。
【0428】
両方のダイヤグラム(図40b及び図40c)において、ワークスピンドル1100は、直線軸を介してx、y、及びz方向にパレット300又は搬送デバイス100に再び配送される。
【0429】
図41は、ワークをハンドリング/処理するための固定産業用ロボット3000と相互作用した状態で複数のパレット300又はワークを保持する、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態(左)、及び、フライスロボット600を有する、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態(右)を概略的に示す。
【0430】
左画像に示す固定産業用ロボット3000を、対応するロボット600をアタッチメントとして装備する搬送デバイス100によって置き換えることもでき、したがって、生産
プロセスの柔軟性が更に増加する。両方(固定産業用ロボット3000又はロボット600を有する搬送デバイス100)の場合に、右の搬送デバイス100のパレット300上のワークはロボットによって処理又はハンドリングされる。
【0431】
右の画像に示すフライスロボット600は、(例えば、工作機械内でワークをフライスするときに更なるフライス作業をサポートするために、又は、フライス作業を完全にそれ自身の上で実施するために)搬送デバイス100を用いたその可動性のおかげで、非常に短い時間内で多数の処理ステーションまで移動し、そこで利用可能になることができる。さらに、モバイルフライスロボット600は、工作機械内にそのサイズをほとんど又は全く収容することができないコンポーネントを機械加工するために使用することもできるため、そのコンポーネントは、処理機械のところにもたらされなければならないのではなく、処理機械がコンポーネントのところに来る。これは、生産プロセスの柔軟性も増加させる。
【0432】
図42は、ポータル構成及び複数の搬送デバイス100を有する(モジュール式)工作機械1000の機械概念の一部としての、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0433】
図39で既に示したように、パレット300を装備した搬送デバイス100は、ポータル構成において工作機械1000の作業エリア又は作業空間内に移動することができ、工作機械1000は、搬送デバイスによって中に移動したパレット300上でワークを直接処理する。ここで、工作機械1000は、ワークスピンドル1100が、その上でy及びz方向に移動することができる、スタンド要素1300及び横要素1200をやはり含む。次に、横要素1200は、ここで、スタンド要素1300に対してx方向に移動することができる。
【0434】
特に、重いワークをハンドリング又は保持するために、複数の搬送デバイス100がともに、ワーク又はパレット300(又は機械テーブル)を工作機械1000内に搬送する場合が有利である。
【0435】
このため、搬送デバイス100は、パレットによって互いに機械的に結合することができる(しかし、図43も参照されたい、場合によっては、信号及び/又はエネルギーを伝達するための接続によって)、又は、主コンピューターコントロール2000(ここでは示さず)によって非常に精密にかつ同期して制御されるため、カップリング又は信号及び/又はエネルギー伝達は必要でない。
【0436】
図43は、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示し、複数の搬送デバイス100はカップリング105によって互いに接続されて、1つのユニットを形成する。
【0437】
図42で既に簡潔に示したように、2つの搬送デバイス100の間にカップリング105を設けて、カップリング105によって、一方で、両方の搬送デバイス100に機械力を分配し、2つの搬送デバイス100の間で信号及びエネルギーをともに交換するオプションを有することが有利であるものとすることができる。
【0438】
カップリング105の代わりに又はカップリング105とともに、例えば図16cに示すように、工作機械1000上にデバイスをドッキングさせるために、2つ(又は3つ以上の)搬送デバイス100又は可動の工作機械構造を互いに接続する/ドッキングさせるために、レセプタクル1040を使用することができることが同様にここで留意されるべきである。信号及び/又はエネルギーは、使用される円錐レセプタクルを通して伝達する
こともでき、ロックを行うことができる。
【0439】
図44は、ポータル構成の工作機械1000の下でのエネルギー及び/又は信号接続の位置決め及び確立中における、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0440】
スタンド要素1300、横要素1200、及びワークスピンドル1100等の工作機械1000の既に述べたコンポーネントに加えて、工作機械の円錐レセプタクル1051も示され、これらは、搬送デバイス100がその持ち上げシリンダー50によって円錐レセプタクルの上に下げられるときの搬送デバイス100の位置決めに加えて、接続を介して、例えば、搬送デバイス100を制御又はモニタリングするためのエネルギー及び/又は信号を、搬送デバイス100に、また逆に、搬送デバイス100から工作機械1000に伝達することができる、当該接続を確立することができる。
【0441】
円錐レセプタクル1051によって、パレット300は、工作機械1000の下で精密に位置決めされる可能性があり、これは特に有利であり、搬送デバイス100又は収納されたパレット300は、搬送デバイス100の内部エネルギーストア(ここでは示さず)に負担をかけることなく制御される可能性がある。なぜならば、エネルギーが、工作機械1000の一部上で提供され、述べた接続を介して搬送デバイス100に給送されるからである。
【0442】
図45は、異なるサブタスクを有する、本発明による複数の搬送デバイス100を備える(モジュール式)工作機械1000を概略的に示す。
【0443】
例は、収納されたパレット300(又は、例えば同様に、更なる回転軸R1を有する機械テーブル)を有する搬送デバイス100、及び、パレット300上に位置するワーク1を示す。その直近には、ワーク1を処理するためのロボット600を有する第2の搬送デバイス100が存在する。このため、ロボット600は、多様なツール、例えば、フライスカッター、研削ツール、又は材料を塗布するデバイスを有することができる。
【0444】
さらに、工作機械1000は、例えば、他のロボット600によって収納されたツールを交換するように構成されるロボット600を有する第3の搬送デバイス100を備える。既に上述したように、この搬送デバイスは、更なるモジュール700(メッシュボックス、材料パレット、更なる材料キャリア、機械パレット、ツール用のバッファー空間のモジュール等)を保持することもでき、更なるモジュール700から、ロボット600は、例えば、ツールを取り外し、そのツールを、ワーク1を処理するための他のロボット600に搬送することができる。
【0445】
さらに、(モジュール式)工作機械1000は、搬送デバイス100が、その中で、ワーク1を処理しツールを交換することができる、オプションのキャビン1035を含むことができる。オプションのキャビン1035が、搬送デバイス100用の入口及び出口並びに同様にキャビン1035から汚れを吸引する吸引部(固定工作機械1000用の吸引部420又は標準的な吸引部1020等)を有する場合が有利であるものとすることもできる。さらに、更なる搬送デバイス100を、例えば、(例えば、吸引部420を通した)汚れの更なる吸引、冷却潤滑剤の提供(工作機械からの使用済み冷却潤滑剤を収集又は吸引するモジュール900)、及び/又はチップ除去(チップを収集するモジュール800)を確実にすることのために、ここで使用することもできる。
【0446】
そのような(モジュール式)工作機械1000の利点は、更なるサブタンクを有する更なる搬送デバイス100によって必要に応じてそれを拡張することができることである。
さらに、しかしながら、例えば、ワーク1に対する残りの作業(バリ取り、切削等)を実施するために、既に存在する固定工作機械1000に対する補助として、(モジュール式)工作機械1000をその直近に構築することも可能である。
【0447】
また、モジュール式工作機械1000の明確な利点は、大きいコンポーネント(例えば、図38で既に示した)が、コンポーネントが再締め付けされる必要なしで、コンポーネントを保持する搬送デバイス100上で直接処理することができることである。そのため、種々の(大きい)コンポーネントは、例えば、フライスツールを有するロボット600を保持する搬送デバイス100の作業空間内に移動することができ、また、相応してそこで更に処理することができる。
【0448】
やはり、ホールフロア上に位置する円錐(例えば、円錐形状レセプタクル1051等、図16a、図16b、図21a、図21b、及び図44用の説明も参照されたい)は、互いに対する搬送デバイス100の精密な位置決めのために使用することができ、これらは、既に上述したように、クランプを有することができるため、搬送デバイス100の正確な位置決めが、達成されるだけでなく、クランプによって留められる。
【0449】
さらに、搬送デバイス100は、(例えば、同様にユニットを形成するために)例えば、搬送デバイス100の間で信号及びエネルギーをともに交換するために、カップリング105によって互いに接続することもできる(図43に関連する説明も参照されたい)。
【0450】
図46は、(モジュール式)工作機械1000の更なる概念として、(例えば、大きい/長い)ワーク1をターニング加工するための心押し台アタッチメント1180を有する、本発明による搬送デバイス100の更なる実施形態を概略的に示す。
【0451】
ここで、x及びz方向へのワークスピンドル1100(ここでは、固定ワークスピンドル1100)に対する心押し台アタッチメント1180のアライメントは、例えば、搬送デバイス100のドライブ20によって実施することができる。y方向への心押し台アタッチメント1180のアライメントは、ここで、例えば、搬送デバイス100の持ち上げシリンダー50(図17及び図18に示す)によって実施することができる。
【0452】
しかしながら、x、y、及びz方向への搬送デバイス100に対する心押し台アタッチメント1180のより微細な調整は、心押し台アタッチメントと搬送デバイス100の収納デバイス40との間の対応するドライブ及びガイドによって更に又は排他的に実装することができる。これは、例えば、搬送デバイス100のドライブ20による位置決め正確度が不十分であるとき、又は、搬送デバイス100の位置決めがホールフロア内の円錐レセプタクル1051によって決定されるときに必要であるものとすることができる。
【0453】
さらに、ターニング加工及び円筒研削中により大きい精度を得るために、非常に長いワーク1用の支持体として揺れ止め(steady rest)1181を使用することができる。機械加工それ自身のために、更なる搬送デバイス100は、ここで、例えば、ワーク1まで移動し、ワーク1を処理するために、収納されたツールキャリア(例えば、ツールスライド、ここでは示さず)を使用することができる。ワーク1にツールを配送するために、ここで、搬送デバイス100のドライブ20を再び使用することができる、及び/又は、(より微細な給送移動のための)更なる搬送機構を、ツールキャリアと搬送デバイス100との間に設けることができる。
【0454】
図47は、生産チェーン内で異なるタスクを有する、本発明による種々の搬送デバイス100を概略的に示す。
【0455】
無人搬送システム(FTS)は、好ましくは、個々のオーダーを制御しモニタリングする主コンピューターコントロール2000に統合された上位主コンピューターソフトウェアを含む。ホストコンピューターソフトウェアは、好ましくは、n+1個の搬送デバイス100を同時に制御しモニタリングすることができる。
【0456】
搬送デバイス100と主コンピューターコントロール2000との間の通信は、好ましくは、例えば、WLAN又は無線電信によって無線で働く。
【0457】
搬送デバイス100は、好ましくは、搬送デバイス100の状態のグラフィック表現として役立つステータス光(ここでは示さず)等の光情報源を含む。ここで、好ましくは、交通信号論理が使用される。緑色=ステータスok、黄色=機能不全、赤色=問題。代替的に、この光は、点滅等の更なる光信号による更なるステータスを示すこともできる。
【0458】
複数の搬送デバイス100は、使用中である場合、好ましくは、ハンドリングデバイス(パレットチェンジャー200、ロボット600、モジュール700(材料パレット、メッシュボックス等)、チップを収集するモジュール800、工作機械1000からの使用済み冷却潤滑剤を収集又は吸引するモジュール900等)を共有することができる。これは、自動化のための更に一層柔軟性のある解決策を確実にする。
【0459】
好ましくは、搬送デバイス100は、もはや必要とされないハンドリングデバイスを既知の場所に設置する。更なる搬送デバイス100は、このハンドリングデバイスまで移動し、それを収納し、それを使用することができる。
【0460】
搬送デバイス100は、好ましくは、他の搬送デバイス100と通信する手段を含む。それにより、使用中の走行経路、共同で使用されるハンドリングデバイス、及びそれらの場所等の外乱源、並びに、任意の他の情報を示し、それに応答することが可能である。主コンピューターコントロール2000は、任意選択で、このタスクを引き受けることができる。
【0461】
搬送デバイス100は、好ましくは、工作機械1000又はステーションに対する通信、エネルギー伝達を可能にするインターフェースを含む。これらのインターフェースは、好ましくは、非接触であるが、代替的に、コネクタ又は近接場通信によって実装することもできる。
【0462】
示すタスクは、ワークの柔軟性がありかつ効率的な全体の生産及び機械加工を確実にするために、モジュール式工作機械1000(図38図46を参照されたい)及び直線格納部(図13を参照されたい)の上記で述べた概念によって拡張することもできる。
【0463】
図48は、パレットチェンジャー200によって工作機械1000上でパレット300及び/又はワークをハンドリングする、本発明による方法を概略的に示す。
【0464】
初めに、搬送デバイス100は、工作機械1000に挿入されるパレット300を好ましくは既に保持するパレットチェンジャー200を収納する。
【0465】
パレットチェンジャー200(ハンドリングデバイス)が収納されると、搬送デバイス100とパレットチェンジャー200との間の接続を、搬送デバイス100の接続要素によって確立することができ、その接続によって、制御信号及び/又はエネルギーが、搬送デバイス100からパレットチェンジャー200に伝達される。
【0466】
しかしながら、このステップは図において省略される。なぜならば、ハンドリングデバ
イス(パレットチェンジャー200等)を収納すること及びエネルギー及び/又は信号伝達のための接続を確立することが、上記実施形態において既に数回述べられているからである。
【0467】
ステップS101に示すように、収納されたパレットチェンジャー200及びパレット300を有する搬送デバイス100は、工作機械1000まで移動し、工作機械1000は、それ自身、その作業空間内にパレット300を既に有する。
【0468】
後続のステップS102にて、パレットチェンジャー200は、工作機械1000の前に位置決めされる。既に述べたように、これは、搬送デバイス100それ自身が走行移動によって位置決めを実施する、又は、搬送デバイス100が、そのシャシ10を円錐レセプタクル1051(ここでは示さず)上に下げることによって工作機械1000に対向して位置決めされる、又は、搬送デバイス100がパレットチェンジャー200を円錐レセプタクル1051上に据え付けるように行うことができる。
【0469】
こうして、エネルギー及び/又は信号(例えば、パレット変更を制御するための)を、搬送デバイス100からパレットチェンジャー200に伝達することができる、又は、パレットチェンジャー200が、パレットチェンジャー200を工作機械1000の円錐レセプタクル1051上に設置することによって工作機械1000と直接接続することができるため、工作機械1000からの信号及び/又はエネルギーを、据え付けられたパレットチェンジャー200に直接伝達する。
【0470】
パレットチェンジャー200が、工作機械1000に前もって挿入されたパレット300を既に収納したことも示される。
【0471】
ステップS103にて、工作機械1000に位置付けられたパレット300は、パレットチェンジャー200によって持ち上げられ、パレットチェンジャーの回転が始動されるため、パレットチェンジャー200によって保持されたパレット300は、ステップS104にも示すように、工作機械1000のパレットレセプタクルに近づく。
【0472】
以下のステップS105にて、パレットチェンジャー200によって前もって保持されたパレット300は、パレットチェンジャー200を回転させることによって工作機械1000のパレットレセプタクル上に位置決めされ、工作機械1000のパレットレセプタクル上に据え付けられる。
【0473】
これに続いて、ステップS106に示すように、円錐レセプタクル1051からパレットチェンジャー200を持ち上げること、及び、パレットチェンジャー200及び工作機械1000から取り外されたパレット300を有する搬送デバイス100を取り除く/遠方に移動させることが行われる。
【0474】
さらに、方法は、パレットチェンジャー200が工作機械1000上に据え付けられた後に、搬送デバイス100が、パレットチェンジャーなしで、移動し続けて、例えば、オーダーに従って、その間に別のハンドリングデバイス(別のパレットチェンジャー200等)を収納し、それを工作機械1000又は格納ステーション500(ここでは示さず)までもたらすように進行することもできる。
【0475】
その後、搬送デバイス100又は別の搬送デバイス100は、パレットが交換された後に、工作機械1000の前に据え付けられたパレットチェンジャー200を再び収納し、相応して進行することができる。
【0476】
しかしながら、上記で言及した方法ステップは、搬送デバイス100によって収納される個々のモジュール及びデバイスのそれぞれの機能特有のステップを含むこともできる。これらは、例えば、ロボット600によるツール及び/又はアプリケーションデバイスによってワークを処理すること、ツールチェンジャー720/チェンジャー・格納部組み合わせ体720/ツールストア720によってツール及び/又はワークを交換すること、冷却潤滑剤を取り出し調節すること、材料チップを収集し廃棄すること、ワーク1のバリ取りをすること及び/又はワーク1の輪郭を測定すること、ワーク1を保持するパレット300を搬送すること、フライスヘッド1120を搬送すること、少なくとも2つの搬送デバイス100を互いに結合すること等を含むことができる(図3図46についての説明も参照されたい)。
【0477】
本発明の例及び例示的な実施形態並びにそれらの利点は、添付図を参照して上記で詳細に述べられた。
【0478】
本発明が、しかしながら、上述した例示的な実施形態及びそれらの設計特徴に限定又は制限されるのでは全くなく、例示的な実施形態の修正、特に、独立請求項の保護範囲内に含まれる修正を、述べる例の特徴の修正によって又は述べる例の特徴のうちの個々の1つの特徴又は複数の特徴を組み合わせることによって更に含むことがやはり強調されるべきである。
【0479】
特に、本発明による搬送デバイス100が実現することができる多様な構成及び機能が、互いに組み合わされて、ワーク1の処理を更に柔軟性がありかつ効率的にするために非常に柔軟性がある機械概念を提供することができることがここで指摘されるべきである。特に、モジュール式工作機械の上記で言及した概念は、上記で更に言及した本発明による搬送デバイス100の種々の更なる機能によって並びにワーク1及び/又はパレット300の提供及び交換によって拡張することができる。
【0480】
しかしながら、既に存在する工作機械1000は、更なる機能によって及び/又はワーク及びパレットハンドリングによって単に拡張することができる。さらに、モジュール式工作機械は、ワーク1の生産/機械加工をより柔軟性があるものにするために固定工作機械と組み合わせることもできる。
【0481】
さらに、本発明によれば、搬送デバイス100は、例えば、モジュール式工作機械のエリアからのタスク及び更なる機能に同時に取り組むことができる。本発明による搬送デバイスは、1つのエリアのみに限定されるのではなく、異なるエリアからの多様なタスクに同時に取り組むことができる。
【0482】
したがって、上記オプションは、制限的であるものとして解釈されず、任意の方法で互いに明示的に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0483】
1 コンポーネント/ワーク
10 シャシ/プラットフォーム
20 ホイール
30 エネルギーストア
35 内部コントローラー
40 収納デバイス
41 収納デバイスの円錐部分
42 収納デバイスのインターフェース
43 締結具及び接続
44 凹所
45 圧力ピース
46 芯出しデバイス
47 凹所を移動させるためのドライブ
48 ボルト
50 持ち上げシリンダー(ホイール又はサスペンションのための)
55 持ち上げシリンダー(デバイスを収納するための)
60 サスペンション
70 コネクタ
71 コネクタの圧力ピース
72 コネクタ固定具
73 機械式停止部
74 接続インターフェース
75 コネクタ本体
100 搬送デバイス
101 マガジン
102 ツール
103 対の片方(プリズムに対する)
105 カップリング(2つの搬送デバイスの間の)
200 パレットチェンジャー
210 フード
215 ロックデバイス
300 パレット
301 パレットのアライメント要素
350 パレットホルダー
351 パレットホルダーのアライメント要素
355 円錐凹所
357 パレットホルダーのインターフェース
358 工作機械のインターフェース
360 収集カバー
400 コンベヤベルト
420 サクション
450 ワークレセプタクル
470 棒ローダー
500 格納ステーション
510 円錐レセプタクル(格納ステーションにおける)
520 ローラー技術を有する格納ステーション
600 ロボット/産業用ロボット
601 ロックプレート
610 測定ユニット
620 測定及び試験手段
630 コンポーネントを後処理するアタッチメント
640 ツールを鋭利化しドレッシングするユニット
650 保護エンクロージャ
700 モジュール(メッシュボックス、材料パレット、他の材料キャリア、機械パレット、ツール用のバッファー空間のモジュール)
720 ツールチェンジャー、チェンジャー・格納部組み合わせ体、ツールストア
750 ロボットアクセサリー(交換把持部、バリ取り器、ツール用の格納ボックス)
770 アプリケーションデバイス
775 粉末/媒体タンク
777 粉末/媒体のフィード/サクション
800 チップを収集するモジュール
810 傾斜機構
820 持ち上げ機構
825 チップコンテナー
830 コンテナーカート
900 工作機械から使用済み冷却潤滑剤を収集又は吸引するモジュール
910 吸引デバイス
920 タンク
930 フィルター(冷却潤滑剤内のチップ用)
1000 工作機械
1010 プリズム
1020 標準的なサクション
1030 エンクロージャ
1035 オプションのキャビン
1040 パレットホルダーレセプタクル
1041 デバイス円錐
1042 デバイスを整列させるための芯出しデバイス
1043 媒体インターフェース
1044 パレット円錐
1045 パレットを整列させるための芯出しデバイス
1051 円錐レセプタクル
1060 エンクロージャ
1065 鋼カバー
1070 丸いドア
1100 ワークスピンドル
1120 フライスヘッド
1150 研削アタッチメント
1180 心押し台アタッチメント
1181 揺れ止め
1200 横要素(工作機械)
1300 スタンド要素(工作機械)
1350 機械ベッド
1400 チップ収集器/チップカート
1500 ツールタレット
1600 ガントリーローダー
1610 把持部(ガントリーローダー)
1700 円形ストア
1800 パレット用の中間ストア
1850 パレット用の給送デバイス
2000 主コンピューターコントロール
3000 固定ロボット
4000 パレット用のセットアップステーション
5000 パレット用の格納ステーション
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10
図11
図12a
図12b
図12c
図13
図14a
図14b
図15
図16a
図16b
図16c
図16d
図16e
図16f
図16g
図16h
図16i
図16j
図17a
図17b
図18a
図18b
図19
図20a
図20b
図20c
図21a
図21b
図22a
図22b
図23
図24a
図24b
図25
図26
図27
図28
図29a
図29b
図29c
図30
図31
図32a
図32b
図33a
図33b
図33c
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40a
図40b
図40c
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48