(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】HSD17B13発現のモジュレータ
(51)【国際特許分類】
C12N 15/113 20100101AFI20231130BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20231130BHJP
A61K 31/7115 20060101ALI20231130BHJP
A61K 31/712 20060101ALI20231130BHJP
A61K 31/7125 20060101ALI20231130BHJP
A61K 47/54 20170101ALI20231130BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20231130BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20231130BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
C12N15/113 130Z
A61K31/7088
A61K31/7115
A61K31/712
A61K31/7125
A61K47/54
A61P1/16 ZNA
A61P35/00
A61P43/00 111
(21)【出願番号】P 2021535890
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(86)【国際出願番号】 US2019068051
(87)【国際公開番号】W WO2020132564
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-11-08
(32)【優先日】2019-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593073230
【氏名又は名称】アイオニス・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】IONIS PHARMACEUTICALS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】フレイア,スーザン エム
(72)【発明者】
【氏名】マリー,スーザン エフ
【審査官】井関 めぐみ
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/136758(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/003071(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第103520724(CN,A)
【文献】特表2020-536560(JP,A)
【文献】特表2021-518125(JP,A)
【文献】特表2022-501040(JP,A)
【文献】特表2015-522255(JP,A)
【文献】Journal of Medicinal Chemistry,2016年,Vol.59,p.2718-2733
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/113
A61P 1/16
A61P 35/00
A61K 31/7088
A61K 31/7125
A61P 43/00
A61K 31/7115
A61K 31/712
A61K 47/54
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の化学構造:
【化1】
(配列番号1448)で示されるオリゴマー化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項2】
以下の化学構造:
【化2】
で示されるオリゴマー化合物(配列番号1448)。
【請求項3】
核酸塩基配列を有する16個の結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチド(配列番号1448)を含むオリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドは、
10個の結合デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメントと;
3個の結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメントと;
3個の結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメントと
を含み、
前記ギャップセグメントは、前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントとの間に位置し、前記5’ウイングセグメント及び前記3’ウイングセグメントは、cEt糖を含み;各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアート結合であり、各シトシンは、5-メチルシトシンである、オリゴマー化合物。
【請求項4】
ナトリウム塩又はカリウム塩である、請求項1に記載のオリゴマー化合物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物、及び薬学的に許容され得る希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項6】
前記薬学的に許容され得る希釈剤は水である、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
HSD17B13と関連する疾患を処置するための医薬組成物であって、請求項1~4のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物、及び薬学的に許容され得る希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項8】
前記疾患は、肝疾患、NAFLD、NASH、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、アルコール性肝疾患、非アルコール性肝疾患、アルコール性肝硬変、非アルコール性肝硬変、脂肪性肝炎、肝臓脂肪症、肝細胞癌、アルコール性肝疾患、HCV肝炎、慢性肝炎、遺伝性血色素沈着症、又は原発性硬化性胆管炎である、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
細胞におけるHSD17B13の発現を阻害するための、請求項1~4のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物、及び薬学的に許容され得る希釈剤を含む医薬組成物であって、前記阻害が前記細胞を前記オリゴマー化合物と接触させることによって達成される、医薬組成物。
【請求項10】
前記細胞は、個体の肝臓内のものである、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記個体は、肝疾患、NAFLD、NASH、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、アルコール性肝疾患、非アルコール性肝疾患、アルコール性肝硬変、非アルコール性肝硬変、脂肪性肝炎、肝臓脂肪症、肝細胞癌、アルコール性肝疾患、HCV肝炎、慢性肝炎、遺伝性血色素沈着症、又は原発性硬化性胆管炎を患っている、又は患うリスクがある、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
肝障害、脂肪症、肝線維症、肝炎、肝臓の瘢痕若しくは肝硬変、肝不全、肝腫大、トランスアミナーゼ上昇、又は肝脂肪蓄積を個体において寛解させるための医薬組成物であって、請求項1~4のいずれか一項に記載のオリゴマー化合物、及び薬学的に許容され得る希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項13】
前記個体は、肝疾患、NAFLD、NASH、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、アルコール性肝疾患、非アルコール性肝疾患、アルコール性肝硬変、非アルコール性肝硬変、脂肪性肝炎、肝臓脂肪症、肝細胞癌、アルコール性肝疾患、HCV肝炎、慢性肝炎、遺伝性血色素沈着症、又は原発性硬化性胆管炎を患っている、又は患うリスクがある、請求項12に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表
本出願は、電子形式の配列表と共に出願されている。配列表は、2019年12月13日に作成した640kbのサイズのBIOL0350WOSEQ_ST25.txtという名称のファイルとして提供される。配列表の電子形式の情報は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本実施形態は、ヒドロキシステロイド17-ベータデヒドロゲナーゼ13(LOC345275;17-ベータヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ;HSD17B13;HSD17β13)発現を阻害するのに、そして特定の例において、細胞又は動物においてHSD17B13タンパク質の量を引き下げるのに有用な方法、化合物、及び組成物を提供し、これらは、HSD17B13と関連する疾患を処置し、予防し、又は寛解させるのに有用であり得る。
【背景技術】
【0003】
非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)は、脂肪症から非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)及び肝硬変に至る多様な肝疾患を包含する。NAFLDは、かなりのアルコール消費、脂肪合成薬物(steatogenic medication)、又は遺伝性障害の不在下での、肝臓における5重量%を超える脂肪蓄積として定義される(非特許文献1)。
【0004】
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、炎症及び肝障害の徴候があるNAFLDである。NASHは、組織学的に、大顆粒性脂肪症、肝細胞の風船様腫大、及び小葉性炎症性浸潤によって定義される(非特許文献2)。NASHは、一般集団の2~3%を襲うと推定されている。肥満症又は糖尿病等の他の病理の存在下では、推定罹患率は、それぞれ7%及び62%に増大する(非特許文献3)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】Kotronen et al,Arterioscler Thromb.Vasc.Biol.2008,28:27-38
【文献】Sanyal,Hepatol.Res.2011.41:670-4)
【文献】Hashimoto et al,J.Gastroenterol.2011.46(1):63-69
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書中で提供される特定の実施形態は、細胞又は動物において、HSD17B13 mRNAの量又は活性を引き下げるための、そして特定の実施形態において、HSD17B13タンパク質の量又は活性を引き下げるための化合物及び方法である。特定の実施形態において、動物は、肝疾患を患っている。特定の実施形態において、疾患は、NASHである。特定の実施形態において、疾患は、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)である。特定の実施形態において、疾患は、NAFLDである。特定の実施形態において、疾患は、肝臓脂肪症である。特定の実施形態において、疾患は、肝硬変である。特定の実施形態において、疾患は、肝細胞癌である。特定の実施形態において、疾患は、アルコール性肝疾患である。特定の実施形態において、疾患は、HCV肝炎である。特定の実施形態において、疾患は、慢性肝炎である。特定の実施形態において、疾患は、遺伝性血色素沈着症である。特定の実施形態において、疾患は、原発性硬化性胆管炎である。本明細書中で提供される特定の化合物は、肝障害、脂肪肝、肝線維症、肝炎、肝臓の瘢痕若しくは肝硬変、肝不全、肝腫大、トランスアミナーゼ上昇、又は肝脂肪蓄積を動物において和らげる化合物及び組成物に関する。
【0007】
本明細書中で提供される特定の実施形態は、肝疾患を処置する、予防する、若しくは寛解させる、又は肝疾患の進行を緩徐化するのに有用であり得る、HSD17B13発現を阻害するのに有用な強力且つ忍容可能な化合物及び組成物に関する。本明細書中で提供される特定の実施形態は、公開されている化合物よりも強力であり、又はより治療的価値が高い化合物及び組成物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
前述した一般的な説明及び以下の詳細な説明は双方とも、単なる例示及び説明であり、特許請求されるような実施形態を限定するものではないことを理解するべきである。本明細書において、単数の使用は、別途記述されない限り、複数を含む。本明細書中で使用される「又は」の使用は、別途記述されない限り、「及び/又は」を意味する。さらに、用語「含んでいる」並びに他の形態、例えば「含む」及び「含まれる」の使用は、限定するものではない。
【0009】
本明細書中で使用されるセクションの見出しは、構成目的のものにすぎず、記載される主題を限定するものと解釈されるべきではない。本出願において引用される全ての文献又は文献の一部、例として、限定されるものではないが、特許、特許出願、論説、書籍、論文、並びにGenBank及びNCBIの参照配列記録は、本明細書において考察される文献の一部が、そしてそれらの全体が参照によって本明細書に明示的に組み込まれる。
【0010】
本明細書中に収載される例における各配列番号に記載される配列は、糖部分、ヌクレオシド間結合、又は核酸塩基へのいかなる修飾からも独立していることが理解される。したがって、配列番号によって定義される化合物は、独立して、糖部分、ヌクレオシド間結合、又は核酸塩基への1つ以上の修飾を含み得る。ION番号によって記載される化合物は、核酸塩基配列、化学修飾、及びモチーフの組合せを示す。
【0011】
定義
別途示さない限り、以下の用語は、以下の意味を有する。
【0012】
2’-デオキシフラノシル糖部分又は2’-デオキシフラノシル糖は、2’-位置に2つの水素を有するフラノシル糖部分を意味する。2’-デオキシフラノシル糖部分は、修飾されていなくても修飾されていてもよく、そして2’-位置以外の位置にて置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。オリゴヌクレオチドの文脈におけるβ-D-2’-デオキシリボシル糖部分は、非置換非修飾2’-デオキシフラノシルであり、天然に存在するデオキシリボ核酸(DNA)中に見出される。
【0013】
「2’-デオキシヌクレオシド」は、天然に存在するデオキシリボ核酸(DNA)中に見出される、2’-H(H)フラノシル糖部分を含むヌクレオシドを意味する。特定の実施形態において、2’-デオキシヌクレオシドは、修飾核酸塩基を含み得、又はRNA核酸塩基(ウラシル)を含み得る。
【0014】
「2’-O-メトキシエチル」(2’-MOEとも称される)は、リボシル環の2’-OH基の代わりの2’-O(CH2)2-OCH3)を指す。2’-O-メトキシエチル修飾糖は、修飾糖である。
【0015】
「2’-MOEヌクレオシド」(2’-O-メトキシエチルヌクレオシドとも称される)は、2’-MOE修飾糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0016】
「2’-置換ヌクレオシド」又は「2-修飾ヌクレオシド」は、2’-置換糖部分又は2’-修飾糖部分を含むヌクレオシドを意味する。本明細書中で使用される、糖部分に関する「2’-置換」又は「2-修飾」は、H又はOH以外の少なくとも1つの2’-置換基を含む糖部分を意味する。
【0017】
「3’標的部位」は、特定の化合物の最も3’側のヌクレオチドに相補的な標的核酸のヌクレオチドに言及する。
【0018】
「5’標的部位」は、特定の化合物の最も5’側のヌクレオチドに相補的な標的核酸のヌクレオチドに言及する。
【0019】
「5-メチルシトシン」は、メチル基が5位に付着しているシトシンを意味する。
【0020】
「約」は、値の±10%以内を意味する。例えば「化合物が、HSD17B13の少なくとも約70%阻害に影響を及ぼした」と述べられていれば、HSD17B13レベルが60%~80%の範囲内で阻害されていることが暗示される。
【0021】
「投与」又は「投与すること」は、本明細書中で提供される化合物又は組成物を個体に導入して、その意図される機能を実行する経路に言及する。使用することができる投与経路の一例としては、限定されるものではないが、非経口投与、例えば、皮下、静脈内、又は筋肉内の注射又は注入が挙げられる。
【0022】
「同時に投与される」又は「共投与」は、2つ以上の化合物の、双方の薬理学的効果が患者内で現れる、あらゆる方法での投与を意味する。同時投与は、双方の化合物が、単一の医薬組成物で、同じ剤形で、同じ投与経路によって、又は同時に投与されることを必要としない。双方の化合物の効果は、同時に現れる必要はない。効果は、しばらくの間重なる必要があるのみであり、同一の広がりを有する必要はない。同時投与又は共投与は、並行又は順次の投与を包含する。
【0023】
「寛解」は、関連する疾患、障害、又は症状の少なくとも1つの指標、徴候、又は病徴の改善又は軽減を指す。特定の実施形態において、寛解は、症状又は疾患の1つ以上の指標の進行又は重症度における遅延又は緩徐化を含む。指標の進行又は重症度は、当業者に既知の客観的又は主観的尺度によって決定され得る。
【0024】
「動物」は、ヒト又は非ヒト動物、例として、限定されるものではないが、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、及び非ヒト霊長類、例として、限定されるものではないが、サル及びチンパンジーを指す。
【0025】
「アンチセンス活性」は、アンチセンス化合物の、その標的核酸へのハイブリダイゼーションに起因する、あらゆる検出可能且つ/又は計測可能な活性を意味する。特定の実施形態において、アンチセンス活性は、標的核酸、又はそのような標的核酸によってコードされるタンパク質の量又は発現の、アンチセンス化合物の不在下での標的に対する標的核酸レベル又は標的タンパク質レベルと比較した減少である。
【0026】
「アンチセンス化合物」は、オリゴヌクレオチド、及び場合によっては、1つ以上の追加の特徴部、例えば、コンジュゲート基又は末端基を含む化合物を意味する。アンチセンス化合物の例としては、一本鎖及び二本鎖化合物、例えば、オリゴヌクレオチド、リボザイム、siRNA、shRNA、ssRNA、及び占有を基礎とする(occupancy-based)化合物が挙げられる。
【0027】
「アンチセンス阻害」は、標的核酸に相補的なアンチセンス化合物の存在下での標的核酸レベルの、アンチセンス化合物の不在下での標的核酸レベルと比較した引下げを意味する。
【0028】
「アンチセンス機序」は、標的核酸との化合物のハイブリダイゼーションに関わる全ての機序であり、ハイブリダイゼーションの転帰又は効果は、例えば、転写又はスプライシングに関わる細胞機構が付随的に失速する標的分解又は標的占有のいずれかである。
【0029】
「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、標的核酸又はその領域若しくはセグメントに相補的な核酸塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを意味する。特定の実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的核酸又はその領域若しくはセグメントに特異的にハイブリダイズ可能である。
【0030】
「二環式ヌクレオシド」又は「BNA」は、二環式糖部分を含むヌクレオシドを意味する。「二環式糖」又は「二環式糖部分」は、2つの環を含む修飾糖部分(第2の環が、第1の環中の原子の2つを連結する架橋を介して形成されており、それによって、二環構造を形成している)を意味する。特定の実施形態において、二環式糖部分の第1の環は、フラノシル部分である。特定の実施形態において、二環式糖部分は、フラノシル部分を含まない。
【0031】
「分枝鎖基」は、少なくとも3つの基への共有結合を形成することができる少なくとも3つの位置を有する原子団を意味する。特定の実施形態において、分枝鎖基は、コンジュゲートリンカー及び/又は開裂可能部分を介してテザー化リガンドをオリゴヌクレオチドに連結するための複数の反応性部位を提供する。
【0032】
「細胞標的化部分」は、特定の細胞型に結合することができるコンジュゲート基又はコンジュゲート基の一部を意味する。
【0033】
「cEt」又は「拘束エチル」は、二環式糖の第2の環が、4’-炭素及び2’-炭素を連結する架橋を介して形成されるリボシル二環式糖部分(架橋は、式:4’-CH(CH3)-O-2’を有し、架橋のメチル基は、S立体配置である)を意味する。
【0034】
「cEtヌクレオシド」は、cEt修飾糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0035】
化合物中の「化学修飾」は、化合物中の単位のいずれかの、そのような単位の元の状態に対する、化学反応を介した置換又は変化を説明する。「修飾ヌクレオシド」は、修飾糖部分及び/又は修飾核酸塩基を独立して有するヌクレオシドを意味する。「修飾オリゴヌクレオチド」は、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合、修飾糖、及び/又は修飾核酸塩基を含むオリゴヌクレオチドを意味する。
【0036】
「化学的に異なった領域」は、化合物の、同じ化合物の別の領域と化学的に幾分か異なる領域を指す。例えば、2’-O-メトキシエチルヌクレオチドを有する領域は、2’-O-メトキシエチル修飾のないヌクレオチドを有する領域と、化学的に異なっている。
【0037】
「キメラアンチセンス化合物」は、少なくとも2つの化学的に異なった領域を有する(各位置が複数の下位単位を有する)アンチセンス化合物を意味する。
【0038】
「開裂可能結合」は、分割することができるあらゆる化学結合を意味する。特定の実施形態において、開裂可能結合は:アミド、ポリアミド、エステル、エーテル、ホスホジエステルの一方若しくは双方のエステル、リン酸エステル、カルバマート、ジスルフィド、又はペプチドから選択される。
【0039】
「開裂可能部分」は、生理学的条件下で、例えば、細胞、動物、又はヒトの内部で開裂される結合又は原子団を意味する。
【0040】
オリゴヌクレオチドに関する「相補的な」は、そのようなオリゴヌクレオチド又はその1つ以上の領域の核酸塩基配列が、別のオリゴヌクレオチド若しくは核酸又はその1つ以上の領域の核酸塩基配列に、これら2つの核酸塩基配列を逆方向にアラインした場合にマッチすることを意味する。本明細書中に記載される核酸塩基マッチ又は相補的核酸塩基は、特に明記しない限り、以下の対:アデニン(A)とチミン(T)、アデニン(A)とウラシル(U)、シトシン(C)とグアニン(G)、及び5-メチルシトシン(mC)とグアニン(G)に限定される。相補的オリゴヌクレオチド及び/又は核酸は、各ヌクレオシドにて核酸塩基相補性を有する必要はなく、1つ以上の核酸塩基ミスマッチを含んでもよい。対照的に、オリゴヌクレオチドに関する「完全に相補的」又は「100%相補的」は、オリゴヌクレオチドが、いかなる核酸塩基ミスマッチもなしに、各ヌクレオシドにて核酸塩基マッチを有することを意味する。
【0041】
「コンジュゲート基」は、オリゴヌクレオチドに付着されている原子団を意味する。コンジュゲート基は、コンジュゲート部分、及びコンジュゲート部分をオリゴヌクレオチドに付着させるコンジュゲートリンカーを備える。
【0042】
「コンジュゲートリンカー」は、コンジュゲート部分をオリゴヌクレオチドに連結する少なくとも1つの結合を含む原子団を意味する。
【0043】
「コンジュゲート部分」は、コンジュゲートリンカーを介してオリゴヌクレオチドに付着されている原子団を意味する。
【0044】
オリゴヌクレオチドの文脈における「連続」は、互いに直接隣接するヌクレオシド、核酸塩基、糖部分、又はヌクレオシド間結合に言及する。例えば、「連続核酸塩基」は、配列中で互いに直接隣接する核酸塩基を意味する。
【0045】
「設計すること」又は「~ように設計される」は、選択された核酸分子と特異的にハイブリダイズする化合物を設計するプロセスを指す。
【0046】
「希釈剤」は、薬理活性を欠くが、薬学的に必要な、又は所望される組成物中の成分を意味する。例えば、注射される組成物中の希釈剤は、液体、例えば生理食塩水溶液であり得る。
【0047】
「示差的に修飾されている」は、修飾の不在を含む、互いに異なる化学修飾又は化学置換基を意味する。ゆえに、例えば、MOEヌクレオシドと非修飾DNAヌクレオシドは、DNAヌクレオシドが非修飾であっても、「示差的に修飾されている」。同様に、DNAとRNAは、双方が天然に存在する非修飾ヌクレオシドであっても、「示差的に修飾されている」。異なる核酸塩基を含まなければ同じであるヌクレオシドは、示差的に修飾されていない。例えば、2’-OMe修飾糖及び非修飾アデニン核酸塩基を含むヌクレオシドと、2’-OMe修飾糖及び非修飾チミン核酸塩基を含むヌクレオシドは、示差的に修飾されていない。
【0048】
「用量」は、単回投与で、又は特定の期間内に提供される化合物又は医薬品の特定の量を意味する。特定の実施形態において、用量は、2回以上のボーラス、錠剤、又は注射で投与されてもよい。例えば、皮下投与が所望される特定の実施形態において、所望の用量は、単回注射では容易に対応できない容量を必要としてもよい。そのような実施形態において、2回以上の注射を用いて、所望の用量を達成することができる。特定の実施形態において、用量は、個体における注射部位反応を最小限にするために、2回以上の注射で投与されてもよい。他の実施形態において、化合物又は医薬品は、長期間にわたる注入によって、又は持続的に、投与される。用量は、1時間、1日、1週間、又は1か月当たりの医薬品の量として示され得る。
【0049】
「投与レジメン」は、1つ以上の所望の効果を達成するように設計された用量の組合せである。
【0050】
「二本鎖アンチセンス化合物」は、互いに相補的であり、且つ二重鎖を形成する2つのオリゴマー化合物を含むアンチセンス化合物であって、前記2つのオリゴマー化合物の一方は、オリゴヌクレオチドを含む、アンチセンス化合物を意味する。
【0051】
「有効量」は、化合物を必要とする個体における所望の生理学的転帰を実現するのに十分な化合物の量を意味する。有効量は、処置されることとなる個体の健康及び体調、処置されることとなる個体の分類群、組成物の配合、個体の医学的症状の評価、並びに他の関連因子に応じて、個体間で変動し得る。
【0052】
「有効性」は、所望の効果をもたらす能力を意味する。
【0053】
「発現」は、遺伝子のコード情報が、細胞中に存在し、且つ細胞中で作動する構造体に変換される全ての機能を含む。そのような構造体として、限定されるものではないが、転写及び翻訳の産物が挙げられる。
【0054】
「ギャップマー」は、1つ以上のヌクレオシドを有する外部領域間に位置するRNアーゼH開裂を支持する複数のヌクレオシドを有する内部領域を含むオリゴヌクレオチドを意味し、内部領域を含むヌクレオシドは、外部領域を含むヌクレオシドと化学的に異なっている。内部領域は、「ギャップ」と称することができ、外部領域は、「ウイング」と称することができる。
【0055】
「HSD17B13」は、HSD17B13のあらゆる核酸又はタンパク質を意味する。「HSD17B13核酸」は、HSD17B13をコードするあらゆる核酸を意味する。例えば、特定の実施形態において、HSD17B13核酸は、HSD17B13をコードするDNA配列、HSD17B13をコードするDNA(イントロン及びエクソンを含むゲノムDNAが挙げられる)から転写されたRNA配列、及びHSD17B13をコードするmRNA配列を含む。「HSD17B13 mRNA」は、HSD17B13タンパク質をコードするmRNAを意味する。標的は、大文字又は小文字のいずれかで称され得る。
【0056】
「HSD17B13特異的阻害剤」は、HSD17B13 RNA及び/又はHSD17B13タンパク質の発現又は活性を分子レベルにて特異的に阻害することができるあらゆる薬剤を指す。例えば、HSD17B13特異的阻害剤として、HSD17B13 RNA及び/又はHSD17B13タンパク質の発現を阻害することができる核酸(アンチセンス化合物を含む)、ペプチド、抗体、小分子、及び他の薬剤が挙げられる。
【0057】
「ハイブリダイゼーション」は、オリゴヌクレオチド及び/又は核酸のアニーリングを意味する。特定の機序に限定するものではないが、ハイブリダイゼーションの最も一般的な機序は、相補的な核酸塩基間のワトソン・クリック、フーグスティーン、又は逆フーグスティーン水素結合であり得る水素結合を含む。特定の実施形態において、相補的核酸分子として、限定されるものではないが、アンチセンス化合物及び核酸標的が挙げられる。特定の実施形態において、相補的核酸分子として、限定されるものではないが、オリゴヌクレオチド及び核酸標的が挙げられる。
【0058】
「直接隣接する」は、直接隣接する同じ種類の要素間に、介在する要素が存在しない(例えば、直接隣接する核酸塩基間に、介在する核酸塩基は存在しない)ことを意味する。
【0059】
「個体」は、処置又は治療のために選択されたヒト又は非ヒト動物を意味する。
【0060】
「発現又は活性を阻害すること」は、非処置サンプル又は対照サンプルにおける活性の発現に対する発現又は活性の引下げ又は妨害を指し、必ずしも発現又は活性の全排除を示すものではない。
【0061】
「ヌクレオシド間結合」は、オリゴヌクレオチド中の隣接するヌクレオシド間の共有結合を形成する基又は結合を意味する。「修飾ヌクレオシド間結合」は、天然に存在するホスファートヌクレオシド間結合以外のあらゆるヌクレオシド間結合を意味する。非ホスファート結合は、本明細書中で修飾ヌクレオシド間結合と称される。
【0062】
「延長オリゴヌクレオチド」は、本明細書中で開示されるオリゴヌクレオチド、例えば親オリゴヌクレオチドに対して1つ以上の追加のヌクレオシドを有するものである。
【0063】
「結合ヌクレオシド」は、ヌクレオシド間結合によって一緒に結合された隣接ヌクレオシドを意味する。
【0064】
「リンカー-ヌクレオシド」は、オリゴヌクレオチドをコンジュゲート部分に結合するヌクレオシドを意味する。リンカー-ヌクレオシドは、化合物のコンジュゲートリンカー内に位置する。リンカー-ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチドと連続的である場合でも、化合物のオリゴヌクレオチド部分の一部とみなされない。
【0065】
「ミスマッチ」又は「非相補的」は、第1及び第2のオリゴヌクレオチドをアラインした場合に、第2のオリゴヌクレオチド又は標的核酸の対応する核酸塩基に相補的でない第1のオリゴヌクレオチドの核酸塩基を意味する。例えば、核酸塩基(限定されるものではないが、ユニバーサル核酸塩基が挙げられる)、イノシン、及びヒポキサンチンは、少なくとも1つの核酸塩基とハイブリダイズすることができるが、ハイブリダイズした核酸塩基に対して依然としてミスマッチ又は非相補的である。別の例として、第1及び第2のオリゴヌクレオチドをアラインした場合に、第2のオリゴヌクレオチド又は標的核酸の対応する核酸塩基にハイブリダイズすることができない第1のオリゴヌクレオチドの核酸塩基が、ミスマッチ核酸塩基又は非相補的核酸塩基である。
【0066】
「モジュレートすること」は、細胞、組織、器官、又は生物における特徴を変化させる、又は調整することを指す。例えば、HSD17B13 RNAをモジュレートすることは、細胞、組織、器官、又は生物におけるHSD17B13 RNA及び/又はHSD17B13タンパク質のレベルを増大又は減少させることを意味し得る。「モジュレータ」は、細胞、組織、器官、又は生物の変化をもたらす。例えば、HSD17B13化合物は、細胞、組織、器官、又は生物におけるHSD17B13 RNA及び/又はHSD17B13タンパク質の量を減少させるモジュレータであり得る。
【0067】
「MOE」は、メトキシエチルを意味する。
【0068】
「モノマー」は、オリゴマーの単一単位を指す。モノマーとして、限定されるものではないが、ヌクレオシド及びヌクレオチドが挙げられる。
【0069】
「モチーフ」は、オリゴヌクレオチド中の非修飾の、そして/又は修飾された糖部分、核酸塩基、及び/又はヌクレオシド間結合のパターンを意味する。
【0070】
「天然の」又は「天然に存在する」は、天然に見出されるものを意味する。
【0071】
「非二環式修飾糖」又は「非二環式修飾糖部分」は、糖の2つの原子間に架橋を形成して第2の環を形成しない、置換基等の修飾を含む修飾糖部分を意味する。
【0072】
「核酸」は、モノマーヌクレオチドから構成される分子を指す。核酸として、限定されるものではないが、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、一本鎖核酸、及び二本鎖核酸が挙げられる。
【0073】
「核酸塩基」は、別の核酸の塩基と対合することができる複素環部分を意味する。本明細書中で用いられる「天然に存在する核酸塩基」は、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、ウラシル(U)、及びグアニン(G)である。「修飾核酸塩基」は、化学修飾されている天然に存在する核酸塩基である。「ユニバーサル塩基」又は「ユニバーサル核酸塩基」は、天然に存在する核酸塩基及び修飾核酸塩基以外の核酸塩基であり、あらゆる核酸塩基と対合し得る。
【0074】
「核酸塩基配列」は、いかなる糖又はヌクレオシド間結合からも独立した、核酸又はオリゴヌクレオチドにおける連続核酸塩基の順序を意味する。
【0075】
「ヌクレオシド」は、核酸塩基及び糖部分を含む化合物を意味する。核酸塩基及び糖部分は、それぞれ独立して、非修飾である、又は修飾されている。「修飾ヌクレオシド」は、修飾核酸塩基及び/又は修飾糖部分を含むヌクレオシドを意味する。修飾ヌクレオシドとして、核酸塩基を欠く脱塩基ヌクレオシドが挙げられる。
【0076】
「オリゴマー化合物」は、単一オリゴヌクレオチド、及び場合によっては1つ以上の追加の特徴部、例えばコンジュゲート基又は末端基を含む化合物を意味する。
【0077】
「オリゴヌクレオチド」は、結合ヌクレオシドのポリマーを意味し、結合ヌクレオシドは、互いに独立して、それぞれ修飾されていても非修飾であってもよい。別途示されない限り、オリゴヌクレオチドは、8~80個の結合ヌクレオシドからなる。「修飾オリゴヌクレオチド」は、少なくとも1つの糖、核酸塩基、又はヌクレオシド間結合が修飾されているオリゴヌクレオチドを意味する。「非修飾オリゴヌクレオチド」は、いかなる糖修飾も、核酸塩基修飾も、ヌクレオシド間修飾も含まないオリゴヌクレオチドを意味する。
【0078】
「親オリゴヌクレオチド」は、類似するが、長さ、モチーフ、及び/又は化学構造が異なる配列のより多くのオリゴヌクレオチド用の設計の基礎として配列が用いられるオリゴヌクレオチドを意味する。新たに設計されるオリゴヌクレオチドは、親オリゴヌクレオチドと同じ、又は重複する配列を有し得る。
【0079】
「非経口投与」は、注射又は注入を介した投与を意味する。非経口投与として、皮下投与、静脈内投与、筋内投与、動脈内投与、腹腔内投与、又は頭蓋内投与、例えばくも膜下腔内投与若しくは脳室内投与が挙げられる。
【0080】
「薬学的に許容され得る担体又は希釈剤」は、個体への投与に用いるのに適したあらゆる物質を意味する。例えば、薬学的に許容され得る担体は、PBS又は注射用水等の滅菌水溶液であり得る。
【0081】
「薬学的に許容され得る塩」は、オリゴマー化合物又はオリゴヌクレオチド等の化合物の生理学的に許容され得る塩及び薬学的に許容され得る塩、すなわち親化合物の所望の生物活性を保持し、且つ不所望の毒性学的影響を親化合物の所望の生物活性に与えない塩を意味する。
【0082】
「医薬品」は、個体に投与された際に治療的利益をもたらす化合物を意味する。
【0083】
「医薬組成物」は、個体への投与に適した物質の混合物を意味する。例えば、医薬組成物は、1つ以上の化合物又はその塩、及び滅菌水溶液を含んでもよい。
【0084】
「ホスホロチオアート結合」は、非架橋酸素原子の1つが硫黄原子で置換されている修飾ホスファート結合を意味する。ホスホロチオアートヌクレオシド間結合は、修飾ヌクレオシド間結合である。
【0085】
「リン部分」は、リン原子を含む原子団を意味する。特定の実施形態において、リン部分は、モノ、ジ、若しくはトリホスファート、又はホスホロチオアートを含む。
【0086】
「部分」は、核酸の規定数の連続(すなわち結合)核酸塩基を意味する。特定の実施形態において、部分は、標的核酸の規定数の連続核酸塩基である。特定の実施形態において、部分は、オリゴマー化合物の規定数の連続核酸塩基である。
【0087】
「予防する」は、数分~無制限の期間、疾患、障害、又は症状の開始、発達、又は進行を、遅延させる、又は未然に防ぐことを指す。
【0088】
「プロドラッグ」は、個体に投与された際に、身体又はその細胞内で別の形態に代謝される、身体外の形態の化合物を意味する。特定の実施形態において、代謝された形態は、化合物(例えば薬物)の活性な形態、又はより活性な形態である。典型的には、身体内でのプロドラッグの変換は、細胞若しくは組織内に存在する酵素(例えば、内因性酵素若しくはウイルス酵素)若しくは化学物質の作用によって、且つ/又は生理学的条件によって促進される。
【0089】
「引き下げる」は、より小さい程度、サイズ、量、又は数に減らすことを意味する。
【0090】
「RefSeq番号」は、配列が、特定の標的転写産物(例えば標的遺伝子)についてのものであることを示すために配列に割り当てられる文字及び数字の特有の組合せである。標的遺伝子に関するそのような配列及び情報(まとめて遺伝子記録)を、遺伝子配列データベース内に見出すことができる。遺伝子配列データベースとして、NCBI Reference Sequenceデータベース、GenBank、European Nucleotide Archive、及び日本DNAデータバンク(後者の3つは、国際塩基配列データベース協力体制(International Nucleotide Sequence Database Collaboration)、すなわちINSDCを形成する)が挙げられる。
【0091】
「領域」は、少なくとも1つの識別可能な構造、機能、又は特性を有する標的核酸の部分として定義される。
【0092】
「RNAi化合物」は、少なくとも部分的に、RISC又はAgo2を介するが、RNアーゼHを介さずに作用して、標的核酸、及び/又は標的核酸によってコードされるタンパク質を調節するアンチセンス化合物を意味する。RNAi化合物として、限定されるものではないが、二本鎖siRNA、一本鎖RNA(ssRNA)、及びマイクロRNA、例として、マイクロRNA模倣体が挙げられる。
【0093】
「セグメント」は、核酸内の領域のより小さい、又は下位の部分として定義される。
【0094】
「副作用」は、処置に起因する、所望の効果以外の生理学的疾患及び/又は症状を意味する。特定の実施形態において、副作用として、注射部位反応、肝機能検査異常、腎機能異常、肝毒性、腎毒性、中枢神経系異常、ミオパチー、及び倦怠感が挙げられる。例えば、血清中のアミノトランスフェラーゼレベルの増大は、肝毒性又は肝機能異常を示し得る。例えば、ビリルビンの増大は、肝毒性又は肝機能異常を示し得る。
【0095】
化合物に関する「一本鎖」は、化合物が1つのオリゴヌクレオチドのみを有することを意味する。
【0096】
「自己相補的」は、少なくとも部分的にオリゴヌクレオチドそれ自体にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを意味する。1つのオリゴヌクレオチドからなり、オリゴヌクレオチドが自己相補的である化合物が、一本鎖化合物である。一本鎖化合物が、相補的化合物に結合して、二重鎖を形成することができる。
【0097】
「部位」は、標的核酸内の特有の核酸塩基位置と定義される。
【0098】
「特異的にハイブリダイズ可能」は、所望の効果を誘導するのに十分な、オリゴヌクレオチドと標的核酸間の相補性の程度を有する一方で、非標的核酸に対して最小限の効果しか示さない、又は示さないオリゴヌクレオチドを指す。特定の実施形態において、特異的ハイブリダイゼーションは、生理学的条件下で起こる。
【0099】
標的核酸に関して「特異的に阻害する」は、標的核酸の発現を引き下げる、又は阻害する一方、非標的核酸に対してより小さな効果しか示さない、最小限の効果しか示さない、又は効果を示さない。引下げは、必ずしも標的核酸の発現の全排除を示さない。
【0100】
「標準的細胞アッセイ」は、実施例に記載のアッセイ及びその妥当な変法を意味する。
【0101】
「標準的インビボ実験」は、実施例に記載の手順及びその妥当な変法を意味する。
【0102】
同一の分子式の分子の集団の文脈における「立体不規則的(stereorandom)キラル中心」は、ランダムな立体化学的配置を有するキラル中心を意味する。例えば、立体不規則的キラル中心を含む分子の集団において、立体不規則的キラル中心の(S)立体配置を有する分子の数は、立体不規則的キラル中心の(R)立体配置を有する分子の数と同じであり得るが、必ずしもそうとは限らない。キラル中心の立体化学的配置は、立体化学的配置を制御するように設計されていない合成方法の結果である場合、ランダムであると考えられる。特定の実施形態において、立体不規則的キラル中心は、立体不規則的ホスホロチオアートヌクレオシド間結合である。
【0103】
「糖部分」は、非修飾糖部分又は修飾糖部分を意味する。本明細書中で用いられる非修飾糖部分は、天然に存在するRNA中に見出されるβ-D-リボシル部分、又は天然に存在するDNA中に見出されるβ-D-2’-デオキシリボシル糖部分を意味する。本明細書中で用いられる「修飾糖部分」又は「修飾糖」は、β-D-リボシル及びβ-D-2’-デオキシリボシル以外の糖代用物又はフラノシル糖部分を意味する。修飾フラノシル糖部分は、糖部分の特定の位置にて修飾されていても置換されていてもよく、置換されていても非置換であってもよく、そしてβ-D-リボシル以外の立体配置を有していても有していなくてもよい。修飾フラノシル糖部分として、二環式糖及び非二環式糖が挙げられる。
【0104】
「糖代用物」は、フラノシル環又はテトラヒドロフラニル環を含まず(「フラノシル糖部分」ではない)、且つ核酸塩基を、別の基、例えば、オリゴヌクレオチド内のヌクレオシド間結合、コンジュゲート基、又は末端基に連結することができる修飾糖部分を意味する。糖代用物を含む修飾ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチド内の1つ以上の位置に組み込むことができ、そしてそのようなオリゴヌクレオチドは、相補的なオリゴマー化合物又は核酸にハイブリダイズすることができる。
【0105】
「相乗作用」又は「相乗する」は、同じ用量での各構成成分の単独の効果の相加よりも大きい組合せの効果を指す。
【0106】
「標的遺伝子」は、標的をコードする遺伝子を指す。
【0107】
「標的化すること」は、所望の効果を誘導するような、標的核酸への化合物の特異的ハイブリダイゼーションを意味する。
【0108】
「標的核酸」、「標的RNA」、「標的RNA転写産物」、及び「核酸標的」は全て、本明細書中に記載される化合物が標的とすることができる核酸を意味する。
【0109】
「標的領域」は、1つ以上の化合物が標的とする標的核酸の部分を意味する。
【0110】
「標的セグメント」は、化合物が標的とする標的核酸のヌクレオチドの配列を意味する。「5’標的部位」は、標的セグメントの最も5’側のヌクレオチドを指す。「3’標的部位」は、標的セグメントの最も3’側のヌクレオチドを指す。
【0111】
「末端基」は、オリゴヌクレオチドの末端に共有結合している化学基又は原子団を意味する。
【0112】
「治療的有効量」は、治療的利益を個体にもたらす、化合物、医薬品、又は組成物の量を意味する。
【0113】
「処置する」は、化合物又は医薬組成物を動物に投与して、動物において疾患、障害、又は症状の改変又は改善を達成することを指す。
【0114】
特定の実施形態
特定の実施形態は、HSD17B13発現を阻害するための方法、化合物、及び組成物を提供する。
【0115】
特定の実施形態は、HSD17B13核酸を標的とする化合物を提供する。特定の実施形態において、HSD17B13核酸は、RefSeq又はGENBANK登録番号NM_178135.4(参照によって組み込まれ、配列番号1として本明細書中で開示される)に示される配列、ヌクレオチド87301001~87326000からトランケートされたGENBANK登録番号NC_000004.12(参照によって組み込まれ、配列番号2として本明細書中で開示される)の相補体、配列番号3として記載される配列、又はGENBANK登録番号NM_001136230.2(参照によって組み込まれ、配列番号4として本明細書中で開示される)を有する。特定の実施形態において、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、化合物は、一本鎖である。特定の実施形態において、化合物は、二本鎖である。
【0116】
特定の実施形態は、8~80個の結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含み、且つ8~2896の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する化合物を提供する。特定の実施形態において、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、化合物は、一本鎖である。特定の実施形態において、化合物は、二本鎖である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、10~30個の結合ヌクレオシドからなる。
【0117】
特定の実施形態は、9~80個の結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含み、且つ8~2896の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも9個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する化合物を提供する。特定の実施形態において、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、化合物は、一本鎖である。特定の実施形態において、化合物は、二本鎖である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、10~30個の結合ヌクレオシドからなる。
【0118】
特定の実施形態は、10~80個の結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含み、且つ8~2896の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも10個の連続した核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する化合物を提供する。特定の実施形態において、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、化合物は、一本鎖である。特定の実施形態において、化合物は、二本鎖である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、10~30個の結合ヌクレオシドからなる。
【0119】
特定の実施形態は、11~80個の結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含み、且つ8~2896の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも11個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する化合物を提供する。特定の実施形態において、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、化合物は、一本鎖である。特定の実施形態において、化合物は、二本鎖である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、11~30個の結合ヌクレオシドからなる。
【0120】
特定の実施形態は、12~80個の結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含み、且つ8~2896の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも12個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する化合物を提供する。特定の実施形態において、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、化合物は、一本鎖である。特定の実施形態において、化合物は、二本鎖である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30個の結合ヌクレオシドからなる。
【0121】
特定の実施形態は、16~80個の結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含み、且つ8~2896のいずれか1つの核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する化合物を提供する。特定の実施形態において、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、化合物は、一本鎖である。特定の実施形態において、化合物は、二本鎖である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16~30個の結合ヌクレオシドからなる。
【0122】
特定の実施形態は、8~2896のいずれか1つの核酸塩基配列からなる核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。特定の実施形態において、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、化合物は、一本鎖である。特定の実施形態において、化合物は、二本鎖である。
【0123】
特定の実施形態は、12~30個の結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含み、且つ配列番号2の核酸塩基3095~3369、3371~7564、7565~7672、7673~8777、8778~8909、8910~10401、10402~10508、10509~12040、12041~12178、12179~15641、15642~15758、15759~20692、又は20693~22212内の等しい長さ部分と相補的な少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個の連続核酸塩基部分を有する化合物を提供し、前記修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号2と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%相補的である。特定の実施形態において、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、化合物は、一本鎖である。特定の実施形態において、化合物は、二本鎖である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、10~30個の結合ヌクレオシドからなる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16~30個の結合ヌクレオシドからなる。
【0124】
特定の実施形態において、化合物は、8~80個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号1の核酸塩基配列を有するHSD17B13核酸の核酸塩基1~46、58~142、1~142、74~89、154~197、154~234、200~232、218~234、240~345、254~269、354~746、354~830、519~534、565~580、603~628、693~716、734~750、734~830、749~828、835~862、835~957、966~1044、1017~1043、1054~1106、1055~1070、1075~1169、1074~1132、1136~1169、1175~1218、1180~1217、1250~1292、1251~1279、1296~1146、1296~1448、1308~1448、1461~1481、1461~1519、1461~1647、1461~1646、1483~1535、1538~1646、1544~1561、1597~1645、1654~1685、1654~1817、1702~1817、1705~1741、1748~2211、2174~2219、2240~2272、2244~2272、2349~2370、2350~2371、又は2378~2394内の等しい長さ部分と相補的な少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個の連続核酸塩基部分を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。
【0125】
特定の実施形態において、化合物は、8~80個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号1の核酸塩基配列を有するHSD17B13核酸の核酸塩基1~46、58~142、1~142、74~89、154~197、154~234、200~232、218~234、240~345、254~269、354~746、354~830、519~534、565~580、603~628、693~716、734~750、734~830、749~828、835~862、835~957、966~1044、1017~1043、1054~1106、1055~1070、1075~1169、1074~1132、1136~1169、1175~1218、1180~1217、1250~1292、1251~1279、1296~1146、1296~1448、1308~1448、1461~1481、1461~1519、1461~1647、1461~1646、1483~1535、1538~1646、1544~1561、1597~1645、1654~1685、1654~1817、1702~1817、1705~1741、1748~2211、2174~2219、2240~2272、2244~2272、2349~2370、2350~2371、又は2378~2394内の等しい長さ部分と相補的な少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個の連続核酸塩基部分を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。
【0126】
特定の実施形態において、化合物は、配列番号2の核酸塩基配列を有するHSD17B13核酸の核酸塩基3095~3454、3095~3140、3152~3236、3168~3183、3248~3328、3312~3328、3334~3390、3348~3390、3401~3420、3429~3451、3429~3454、3474~3719、3474~3644、3478~3494、3505~3531、3544~3559、3568~3634、3671~3736、3676~3717、3721~3799、3741~3771、3750~3770、3782~3799、3834~3849、3834~4154、3877~3897、3902~3917、3933~3967、3933~3979、3988~4005、3988~4017、4068~4091、4103~4118、4123~4155、4133~4155、4220~4240、4220~4264、4249~4264、4222~4240、4296~4311、4360~4378、4389~4427、4389~4431、4405~4449、4476~4496、4517~4588、4517~4552、4537~4552、4572~4588、4640~4678、4640~4879、4641~4667、4862~4879、4991~5006、4991~5305、5029~5098、5046~5098、5104~5120、5121~5141、5125~5141、5156~5256、5158~5217、5223~5242、5267~5319、5268~5319、5395~5950、5646~5695、5655~5858、5712~5752、5712~5777、5758~5777、5782~5797、5782~5862、5804~5862、5870~5910、5871~6005、5870~5910、5870~5911、5916~6007、5935~5950、5974~6007、6029~6048、6029~6055、6035~6164、6084~6099、6084~6104、6134~6164、6170~6248、6170~6275、6170~6277、6191~6218、6221~6243、6246~6275、6284~6350、6284~6352、6298~6372、6357~6372、6388~6406、6422~6493、6422~6497、6426~6621、6567~6758、6567~6582、6597~6653、6626~6653、6710~6779、6784~6811、6785~6800、6795~6811、6913~6930、6914~6929、6914~6930、6915~6930、7101~7138、7101~7441、7125~7145、7426~7441、7473~7494、7473~7498、7481~7498、7526~7543、7550~7565、7550~7634、7563~7699、7643~7676、7680~7698、7680~7699、7708~7723、7751~7819、7768~7796、7828~7866、7834~7969、7938~7968、7938~7969、7973~7994、8017~8032、8039~8186、8039~8065、8040~8065、8121~8156、8125~8151、8164~8185、8164~8186、8205~8297、8205~8220、8236~8252、8236~8271、8256~8294、8279~8297、8487~8502、8487~8627、8529~8579、8587~8628、8636~8732、8643~8910、8744~8762、8786~8910、8939~9027、8939~8996、9000~9027、9057~9096、9080~9230、9110~9173、9188~9240、9256~9275、9312~9365、9372~9401、9373~9394、9410~9446、9410~9491、9476~9555、9497~9555、9588~9678、9588~9681、9712~9737、9712~9742、9751~9811、9751~10040、9887~9902、9908~10017、10025~10040、10058~10079、10112~10160、10124~10160、10138~10160、10180~10227、10180~10233、10258~10279、10292~10310、10293~10310、10335~10375、10335~10538、10380~10538、10554~10569、10584~10599、10728~10745、10831~10870、10930~10946、10931~10946、10970~10993、10971~11015、1100~11015、11030~11045、11073~11094、11074~11094、11115~11132、11117~11132、11155~11171、11210~11228、11210~11276、11235~11276、11290~11323、11308~11323、11384~11407、11385~11443、11428~11443、11468~11529、11542~11605、11621~11636、11621~11638、11621~11668、11652~11668、11742~11808、11742~11811、11853~11881、11853~11909、11892~11912、11924~11940、11925~12226、11953~12027、12038~12226、12238~12270、12337~12531、12337~12368、12410~12448、12465~12531、12598~12642、12598~12742、12647~12742、12758~12832、12761~12832、12862~12904、13548~13627、13551~13654、13638~13674、13688~13798、13704~13798、13813~13932、13949~14064、13951~13969、13975~14064、14077~14107、14089~14107、14126~14147、14165~14221、14166~14221、14243~14298、14243~14299、14315~14336、14316~14336、14362~14414、14432~14454、14461~14514、14465~14514、14541~14815、14541~14636、14724~14746、1400~14815、14905~14951、14916~14951、15019~15039、15022~15039、15170~15185、15200~15232、15211~15268、15244~15268、15279~15295、15279~15399、15312~15343、15350~15399、15405~15460、15492~15526、15570~15586、15633~15808、15641~15657、15643~15711、15716~15765、15771~15802、16116~16144、16116~16149、16189~16206、16189~16342、16218~16240、16254~16310、16327~16352、16377~16397、16377~16400、16407~16439、16407~16440、16461~16476、16533~16548、16755~16770、16895~16920、16905~16920、16956~16984、16956~17092、17014~17034、17135~17159、17041~17062、17077~17092、17135~17159、17227~17254、17672~17795、17675~17872、17802~17817、17857~17872、17909~17945、17909~17971、17953~17971、17954~17971、17984~18061、17985~18048、18075~18117、18087~18115、18138~18160、18176~18193、18505~18555、18506~18536、18585~18600、18658~18712、18662~18762、18720~18763、18798~18864、18871~18888、18901~18940、18925~18940、18958~18983、18958~19013、19388~19460、19467~19513、19474~19505、19531~19626、19533~19626、19649~19717、19649~19726、19731~19801、19731~19842、19815~19875、19860~19951、19887~19951、19970~19985、19970~20054、19999~20024、20037~20061、20087~20102、20109~20153、20087~20207、20172~20212、20356~20438、20248~20437、20248~20264、20470~20508、20481~20507、20571~20623、20571~20644、20685~20700、20706~21032、20706~20772、20781~20859、20869~20984、20990~21033、21065~21102、21065~21263、21092~21632、21276~21500、21517~21632、21989~22034、22059~22087、又は22164~22209内を標的化する。
【0127】
特定の実施形態において、化合物は、配列番号2の核酸塩基配列を有するHSD17B13核酸の核酸塩基3095~3454、3095~3140、3152~3236、3168~3183、3248~3328、3312~3328、3334~3390、3348~3390、3401~3420、3429~3451、3429~3454、3474~3719、3474~3644、3478~3494、3505~3531、3544~3559、3568~3634、3671~3736、3676~3717、3721~3799、3741~3771、3750~3770、3782~3799、3834~3849、3834~4154、3877~3897、3902~3917、3933~3967、3933~3979、3988~4005、3988~4017、4068~4091、4103~4118、4123~4155、4133~4155、4220~4240、4220~4264、4249~4264、4222~4240、4296~4311、4360~4378、4389~4427、4389~4431、4405~4449、4476~4496、4517~4588、4517~4552、4537~4552、4572~4588、4640~4678、4640~4879、4641~4667、4862~4879、4991~5006、4991~5305、5029~5098、5046~5098、5104~5120、5121~5141、5125~5141、5156~5256、5158~5217、5223~5242、5267~5319、5268~5319、5395~5950、5646~5695、5655~5858、5712~5752、5712~5777、5758~5777、5782~5797、5782~5862、5804~5862、5870~5910、5871~6005、5870~5910、5870~5911、5916~6007、5935~5950、5974~6007、6029~6048、6029~6055、6035~6164、6084~6099、6084~6104、6134~6164、6170~6248、6170~6275、6170~6277、6191~6218、6221~6243、6246~6275、6284~6350、6284~6352、6298~6372、6357~6372、6388~6406、6422~6493、6422~6497、6426~6621、6567~6758、6567~6582、6597~6653、6626~6653、6710~6779、6784~6811、6785~6800、6795~6811、6913~6930、6914~6929、6914~6930、6915~6930、7101~7138、7101~7441、7125~7145、7426~7441、7473~7494、7473~7498、7481~7498、7526~7543、7550~7565、7550~7634、7563~7699、7643~7676、7680~7698、7680~7699、7708~7723、7751~7819、7768~7796、7828~7866、7834~7969、7938~7968、7938~7969、7973~7994、8017~8032、8039~8186、8039~8065、8040~8065、8121~8156、8125~8151、8164~8185、8164~8186、8205~8297、8205~8220、8236~8252、8236~8271、8256~8294、8279~8297、8487~8502、8487~8627、8529~8579、8587~8628、8636~8732、8643~8910、8744~8762、8786~8910、8939~9027、8939~8996、9000~9027、9057~9096、9080~9230、9110~9173、9188~9240、9256~9275、9312~9365、9372~9401、9373~9394、9410~9446、9410~9491、9476~9555、9497~9555、9588~9678、9588~9681、9712~9737、9712~9742、9751~9811、9751~10040、9887~9902、9908~10017、10025~10040、10058~10079、10112~10160、10124~10160、10138~10160、10180~10227、10180~10233、10258~10279、10292~10310、10293~10310、10335~10375、10335~10538、10380~10538、10554~10569、10584~10599、10728~10745、10831~10870、10930~10946、10931~10946、10970~10993、10971~11015、1100~11015、11030~11045、11073~11094、11074~11094、11115~11132、11117~11132、11155~11171、11210~11228、11210~11276、11235~11276、11290~11323、11308~11323、11384~11407、11385~11443、11428~11443、11468~11529、11542~11605、11621~11636、11621~11638、11621~11668、11652~11668、11742~11808、11742~11811、11853~11881、11853~11909、11892~11912、11924~11940、11925~12226、11953~12027、12038~12226、12238~12270、12337~12531、12337~12368、12410~12448、12465~12531、12598~12642、12598~12742、12647~12742、12758~12832、12761~12832、12862~12904、13548~13627、13551~13654、13638~13674、13688~13798、13704~13798、13813~13932、13949~14064、13951~13969、13975~14064、14077~14107、14089~14107、14126~14147、14165~14221、14166~14221、14243~14298、14243~14299、14315~14336、14316~14336、14362~14414、14432~14454、14461~14514、14465~14514、14541~14815、14541~14636、14724~14746、1400~14815、14905~14951、14916~14951、15019~15039、15022~15039、15170~15185、15200~15232、15211~15268、15244~15268、15279~15295、15279~15399、15312~15343、15350~15399、15405~15460、15492~15526、15570~15586、15633~15808、15641~15657、15643~15711、15716~15765、15771~15802、16116~16144、16116~16149、16189~16206、16189~16342、16218~16240、16254~16310、16327~16352、16377~16397、16377~16400、16407~16439、16407~16440、16461~16476、16533~16548、16755~16770、16895~16920、16905~16920、16956~16984、16956~17092、17014~17034、17135~17159、17041~17062、17077~17092、17135~17159、17227~17254、17672~17795、17675~17872、17802~17817、17857~17872、17909~17945、17909~17971、17953~17971、17954~17971、17984~18061、17985~18048、18075~18117、18087~18115、18138~18160、18176~18193、18505~18555、18506~18536、18585~18600、18658~18712、18662~18762、18720~18763、18798~18864、18871~18888、18901~18940、18925~18940、18958~18983、18958~19013、19388~19460、19467~19513、19474~19505、19531~19626、19533~19626、19649~19717、19649~19726、19731~19801、19731~19842、19815~19875、19860~19951、19887~19951、19970~19985、19970~20054、19999~20024、20037~20061、20087~20102、20109~20153、20087~20207、20172~20212、20356~20438、20248~20437、20248~20264、20470~20508、20481~20507、20571~20623、20571~20644、20685~20700、20706~21032、20706~20772、20781~20859、20869~20984、20990~21033、21065~21102、21065~21263、21092~21632、21276~21500、21517~21632、21989~22034、22059~22087、又は22164~22209内の等しい長さ部分と相補的な少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個の連続核酸塩基部分を有する。特定の実施形態において、当該化合物は、アンチセンス化合物、オリゴマー化合物、又はオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、10~30個の結合ヌクレオシドからなる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16~30個の結合ヌクレオシドからなる。
【0128】
特定の実施形態において、化合物は、配列番号1の核酸塩基配列を有するHSD17B13核酸の核酸塩基1323~1338、1600~1615、1627~1642、又は1782~1797と相補的な核酸塩基配列を有する。
【0129】
特定の実施形態において、化合物は、配列番号1の核酸塩基配列を有するHSD17B13核酸の核酸塩基1323~1338、1600~1615、1627~1642、又は1782~1797の等しい長さ部分の範囲内と相補的な少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個の連続核酸塩基の一部を含む核酸塩基配列を有する。特定の実施形態において、当該化合物は、アンチセンス化合物、オリゴマー化合物、又はオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、10~30個の結合ヌクレオシドからなる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16~30個の結合ヌクレオシドからなる。
【0130】
特定の実施形態において、化合物は、配列番号2の核酸塩基配列を有するHSD17B13核酸の核酸塩基3439~3454、3552~3567、3754~3769、3963~3978、4406~4421、4123~4138、4139~4154、4991~5006、5045~5060、5662~5677、6476~6491、6478~6493、17992~18007、21138~21153、21415~21430、21442~21457、又は21597~21612と相補的な核酸塩基配列を有する。
【0131】
特定の実施形態において、化合物は、配列番号2の核酸塩基配列を有するHSD17B13核酸の核酸塩基3439~3454、3552~3567、3754~3769、3963~3978、4406~4421、4123~4138、4139~4154、4991~5006、5045~5060、5662~5677、6476~6491、6478~6493、17992~18007、21138~21153、21415~21430、21442~21457、又は21597~21612の等しい長さ部分の範囲内と相補的な少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個の連続核酸塩基の一部を含む核酸塩基配列を有する。特定の実施形態において、当該化合物は、アンチセンス化合物、オリゴマー化合物、又はオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、10~30個の結合ヌクレオシドからなる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16~30個の結合ヌクレオシドからなる。
【0132】
特定の実施形態において、前述の修飾オリゴヌクレオチドのいずれかが、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合、少なくとも1つの修飾糖、及び/又は少なくとも1つの修飾核酸塩基を有する。
【0133】
特定の実施形態において、前述の修飾オリゴヌクレオチドのいずれかの少なくとも1つのヌクレオシドが、修飾糖を含む。特定の実施形態において、修飾糖は、2’-O-メトキシエチル基を含む。特定の実施形態において、修飾糖は、4’-CH(CH3)-O-2’基、4’-CH2-O-2’基、又は4’-(CH2)2-O-2’基等の二環式糖である。
【0134】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシド間結合は、修飾ヌクレオシド間結合、例えばホスホロチオアートヌクレオシド間結合を含む。
【0135】
特定の実施形態において、前述の修飾オリゴヌクレオチドのいずれかの少なくとも1つの核酸塩基が、修飾核酸塩基、例えば5-メチルシトシンを含む。
【0136】
特定の実施形態において、前述の修飾オリゴヌクレオチドのいずれかが:
結合デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を有し、
ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは、修飾糖を含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号8~2896のいずれか1つに列挙される配列を含む核酸塩基配列を有する。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号8~2896のいずれか1つに列挙される核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する、16~30個の結合ヌクレオシド長である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号8~2896のいずれか1つに列挙される配列からなる核酸塩基配列を有する、16個の結合ヌクレオシド長である。
【0137】
特定の実施形態において、化合物は、16~80個の結合核酸塩基からなり、且つ8~2896のいずれか1つに列挙される核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含み、又はそれからなり、修飾オリゴヌクレオチドは:
結合2’-デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を有し、
ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは、修飾糖を含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16~30個の結合ヌクレオシドからなる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16個の結合ヌクレオシドからなる。
【0138】
特定の実施形態において、化合物は、配列番号:286、817、983、1215、747、43、355、1602、201、734、1249、208、513、1449、1448、及び1595のいずれか1つに列挙される配列を含む核酸塩基配列を有する12~30個の修飾オリゴヌクレオチド結合核酸塩基長を含み、又はそれからなり、修飾オリゴヌクレオチドは:
10個の結合2’-デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
3個の結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を有し、
ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは、cEt糖を含み、各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアート結合であり、各シトシンは、5-メチルシトシンである。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16~30個の結合ヌクレオシドからなる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16個の結合ヌクレオシドからなる。
【0139】
特定の実施形態において、化合物は、配列番号:819のいずれか1つに列挙される配列を含む核酸塩基配列を有する12~30個の修飾オリゴヌクレオチド結合核酸塩基長を含み、又はそれからなり、修飾オリゴヌクレオチドは:
9個の結合2’-デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
4個の結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を有し、
ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し、5’ウイングセグメントの各ヌクレオシドは、cEt糖を含み;3’ウイングセグメントのヌクレオシドの糖残基は、5’-cEt-cEt-cEt-MOE-3’であり;各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアート結合であり、各シトシンは、5-メチルシトシンである。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16~30個の結合ヌクレオシドからなる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16個の結合ヌクレオシドからなる。
【0140】
特定の実施形態において、化合物は、配列番号:1595のいずれか1つに列挙される配列を含む核酸塩基配列を有する12~30個の修飾オリゴヌクレオチド結合核酸塩基長を含み、又はそれからなり、修飾オリゴヌクレオチドは:
10個の結合ヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
4個の結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を有し、
ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し、ギャップセグメントは、5’~1つのデオキシ(5’-one deoxy)、1つの2’-O-メチルヌクレオシド、及び8つのデオキシヌクレオシド~3’(eight deoxynucleosides-3’)からなり、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは、cEt糖を含み;各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアート結合であり、各シトシンは、5-メチルシトシンである。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16~30個の結合ヌクレオシドからなる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16個の結合ヌクレオシドからなる。
【0141】
前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物又はオリゴヌクレオチドは、HSD17B13をコードする核酸に少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%相補的であり得る。
【0142】
前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物は、一本鎖であり得る。特定の実施形態において、化合物は、デオキシリボヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、二本鎖である。特定の実施形態において、化合物は、二本鎖であり、且つリボヌクレオチドを含む。前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物であり得る。
【0143】
前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物は、8~80、10~30、12~50、13~30、13~50、14~30、14~50、15~30、15~50、16~30、16~50、17~30、17~50、18~22、18~24、18~30、18~50、19~22、19~30、19~50、又は20~30個の結合ヌクレオシドからなり得る。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチドを含む、又はそれからなる。
【0144】
特定の実施形態において、化合物は、本明細書中に記載される修飾オリゴヌクレオチド、及びコンジュゲート基を含む。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、修飾オリゴヌクレオチドの5’末端にて修飾オリゴヌクレオチドに結合されている。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、修飾オリゴヌクレオチドの3’末端にて修飾オリゴヌクレオチドに結合されている。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、少なくとも1つのN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、少なくとも2つのN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、又は少なくとも3つのN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)を含む。
【0145】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物又は組成物は、修飾オリゴヌクレオチドの薬学的に許容され得る塩を含む。特定の実施形態において、塩は、ナトリウム塩である。特定の実施形態において、塩は、カリウム塩である。
【0146】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化1】
(配列番号286)、又はその塩に従う。特定の実施形態において、化合物は、ナトリウム塩である。特定の実施形態において、化合物は、カリウム塩である。
【0147】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化2】
(配列番号286)に従う。
【0148】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化3】
(配列番号817)、又はその塩に従う。特定の実施形態において、化合物は、ナトリウム塩である。特定の実施形態において、化合物は、カリウム塩である。
【0149】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化4】
(配列番号817)に従う。
【0150】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化5】
(配列番号983)、又はその塩に従う。特定の実施形態において、化合物は、ナトリウム塩である。特定の実施形態において、化合物は、カリウム塩である。
【0151】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化6】
(配列番号983)に従う。
【0152】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化7】
(配列番号1215)、又はその塩に従う。特定の実施形態において、化合物は、ナトリウム塩である。特定の実施形態において、化合物は、カリウム塩である。
【0153】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化8】
(配列番号1215)に従う。
【0154】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化9】
(配列番号747)、又はその塩に従う。特定の実施形態において、化合物は、ナトリウム塩である。特定の実施形態において、化合物は、カリウム塩である。
【0155】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化10】
(配列番号747)に従う。
【0156】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化11】
(配列番号43)、又はその塩に従う。特定の実施形態において、化合物は、ナトリウム塩である。特定の実施形態において、化合物は、カリウム塩である。
【0157】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化12】
(配列番号43)に従う。
【0158】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化13】
(配列番号355)、又はその塩に従う。特定の実施形態において、化合物は、ナトリウム塩である。特定の実施形態において、化合物は、カリウム塩である。
【0159】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化14】
(配列番号355)に従う。
【0160】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化15】
(配列番号1602)、又はその塩に従う。特定の実施形態において、化合物は、ナトリウム塩である。特定の実施形態において、化合物は、カリウム塩である。
【0161】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化16】
(配列番号1602)に従う。
【0162】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化17】
(配列番号201)、又はその塩に従う。特定の実施形態において、化合物は、ナトリウム塩である。特定の実施形態において、化合物は、カリウム塩である。
【0163】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化18】
(配列番号201)に従う。
【0164】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化19】
(配列番号734)、又はその塩に従う。特定の実施形態において、化合物は、ナトリウム塩である。特定の実施形態において、化合物は、カリウム塩である。
【0165】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化20】
(配列番号734)に従う。
【0166】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化21】
(配列番号1249)、又はその塩に従う。特定の実施形態において、化合物は、ナトリウム塩である。特定の実施形態において、化合物は、カリウム塩である。
【0167】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化22】
(配列番号1249)に従う。
【0168】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化23】
(配列番号513)、又はその塩に従う。特定の実施形態において、化合物は、ナトリウム塩である。特定の実施形態において、化合物は、カリウム塩である。
【0169】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化24】
(配列番号513)に従う。
【0170】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化25】
(配列番号1449)、又はその塩に従う。特定の実施形態において、化合物は、ナトリウム塩である。特定の実施形態において、化合物は、カリウム塩である。
【0171】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化26】
(配列番号1449)に従う。
【0172】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化27】
(配列番号1448)、又はその塩に従う。特定の実施形態において、化合物は、ナトリウム塩である。特定の実施形態において、化合物は、カリウム塩である。
【0173】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化28】
(配列番号1448)に従う。
【0174】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化29】
(配列番号1595)、又はその塩に従う。特定の実施形態において、化合物は、ナトリウム塩である。特定の実施形態において、化合物は、カリウム塩である。
【0175】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化30】
(配列番号1595)に従う。
【0176】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化31】
(配列番号819)、又はその塩に従う。特定の実施形態において、化合物は、ナトリウム塩である。特定の実施形態において、化合物は、カリウム塩である。
【0177】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化32】
(配列番号819)に従う。
【0178】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化33】
(配列番号1595)、又はその塩に従う。特定の実施形態において、化合物は、ナトリウム塩である。特定の実施形態において、化合物は、カリウム塩である。
【0179】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化34】
(配列番号1595)に従う。
【0180】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化35】
(配列番号208)、又はその塩に従う。特定の実施形態において、化合物は、ナトリウム塩である。特定の実施形態において、化合物は、カリウム塩である。
【0181】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、以下の化学構造:
【化36】
(配列番号208)に従う。
【0182】
特定の条件下で、本明細書中で開示される特定の化合物は、酸としての機能を果たす。そのような化合物は、プロトン化された(遊離酸)形態で、又はイオン化されて、且つ陽イオン(塩)形態と関連して描かれ、又は記載され得るが、そのような化合物の水溶液は、そのような形態間で平衡して存在する。例えば、水溶液中のオリゴヌクレオチドのホスファート結合は、遊離酸と、アニオンと、塩形態との間で平衡して存在する。別途示されない限り、本明細書中に記載される化合物は、そのような形態全てを含むことが意図される。さらに、特定のオリゴヌクレオチドは、それぞれが平衡にあるそのようないくつかの結合を有する。ゆえに、溶液中のオリゴヌクレオチドは、複数の位置の全てにおいて、形態のアンサンブル中に平衡状態で存在する。用語「オリゴヌクレオチド」は、そのような形態を全て含むことが意図される。描かれる構造は、止むを得ず、単一の形態を表す。それでも、別途示されない限り、そのような図面は、同様に、対応する形態を含むことが意図される。本明細書中では、用語「又はその塩」が後に続く化合物の遊離酸を示す構造は明示的に、完全に、又は部分的にプロトン化され得る/脱プロトン化され得る/陽イオンと関連し得る全ての形態を含む。特定の例において、1つ以上の特定の陽イオンが識別される。
【0183】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチド又はオリゴマー化合物は、水溶液中でナトリウムと共に存在する。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチド又はオリゴマー化合物は、水溶液中でカリウムと共に存在する。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチド又はオリゴマー化合物は、PBS中に存在する。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチド又はオリゴマー化合物は、水中に存在する。特定のそのような実施形態において、溶液のpHは、所望のpHを達成するために、NaOH及び/又はHClで調整される。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物又は組成物は、インビトロIC50が、2μM未満、1.5μM未満、1μM未満、0.9μM未満、0.8μM未満、0.7μM未満、0.6μM未満、0.5μM未満、0.4μM未満、0.3μM未満、0.2μM未満、0.1μM未満、0.05μM未満、0.04μM未満、0.03μM未満、0.02μM未満、又は0.01μM未満の少なくとも1つであることによって、活性である。
【0184】
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物又は組成物は、アラニントランスアミナーゼ(ALT)値若しくはアスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)値の増大が、対照動物に対して4倍以下、3倍以下、若しくは2倍以下の少なくとも1つである、又は肝臓、脾臓、若しくは腎臓の重量の増大が、対照動物と比較して30%以下、20%以下、15%以下、12%以下、10%以下、5%以下、若しくは2%以下の少なくとも1つであることによって実証されるように、忍容性が高い。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物又は組成物は、対照動物に対して、ALT又はASTの増大がないことによって示されるように、忍容性が高い。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物又は組成物は、対照動物に対して、肝臓、脾臓、又は腎臓の重量の増大がないことによって示されるように、忍容性が高い。
【0185】
特定の実施形態は、前述した実施形態のいずれかの化合物、又はその薬学的に許容され得るあらゆる塩、及び薬学的に許容され得る担体又は希釈剤の少なくとも1つを含む組成物を提供する。特定の実施形態において、組成物は、粘度が約40センチポアズ(cP)未満、約30センチポアズ(cP)未満、約20センチポアズ(cP)未満、約15センチポアズ(cP)未満、又は約10センチポアズ(cP)未満である。特定の実施形態において、粘度が前述したいずれかである組成物は、本明細書中で提供される化合物を、約100mg/mL、約125mg/mL、約150mg/mL、約175mg/mL、約200mg/mL、約225mg/mL、約250mg/mL、約275mg/mL、又は約300mg/mLの濃度にて含む。特定の実施形態において、粘度及び/又は化合物濃度が前述したいずれかである組成物は、温度が、室温、又は約20℃、約21℃、約22℃、約23℃、約24℃、約25℃、約26℃、約27℃、約28℃、約29℃、若しくは約30℃である。
【0186】
番号を付けた非限定的な実施形態として、以下が挙げられる。
【0187】
実施形態1:特定の実施形態が、8~80個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号8~2896の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、又は少なくとも12個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。特定の実施形態が、12~30個の結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号8~2896の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、又は少なくとも12個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。
【0188】
実施形態2:特定の実施形態が、8~80個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号8~2896のいずれか1つの核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。特定の実施形態が、12~30個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号8~2896のいずれか1つの核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0189】
実施形態3:特定の実施形態が、配列番号8~2896のいずれか1つからなる核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0190】
実施形態4:特定の実施形態が、8~80個の結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含み、又は12~30個の結合ヌクレオシドからなる化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号2の核酸塩基3095~3454、3095~3140、3152~3236、3168~3183、3248~3328、3312~3328、3334~3390、3348~3390、3401~3420、3429~3451、3429~3454、3474~3719、3474~3644、3478~3494、3505~3531、3544~3559、3568~3634、3671~3736、3676~3717、3721~3799、3741~3771、3750~3770、3782~3799、3834~3849、3834~4154、3877~3897、3902~3917、3933~3967、3933~3979、3988~4005、3988~4017、4068~4091、4103~4118、4123~4155、4133~4155、4220~4240、4220~4264、4249~4264、4222~4240、4296~4311、4360~4378、4389~4427、4389~4431、4405~4449、4476~4496、4517~4588、4517~4552、4537~4552、4572~4588、4640~4678、4640~4879、4641~4667、4862~4879、4991~5006、4991~5305、5029~5098、5046~5098、5104~5120、5121~5141、5125~5141、5156~5256、5158~5217、5223~5242、5267~5319、5268~5319、5395~5950、5646~5695、5655~5858、5712~5752、5712~5777、5758~5777、5782~5797、5782~5862、5804~5862、5870~5910、5871~6005、5870~5910、5870~5911、5916~6007、5935~5950、5974~6007、6029~6048、6029~6055、6035~6164、6084~6099、6084~6104、6134~6164、6170~6248、6170~6275、6170~6277、6191~6218、6221~6243、6246~6275、6284~6350、6284~6352、6298~6372、6357~6372、6388~6406、6422~6493、6422~6497、6426~6621、6567~6758、6567~6582、6597~6653、6626~6653、6710~6779、6784~6811、6785~6800、6795~6811、6913~6930、6914~6929、6914~6930、6915~6930、7101~7138、7101~7441、7125~7145、7426~7441、7473~7494、7473~7498、7481~7498、7526~7543、7550~7565、7550~7634、7563~7699、7643~7676、7680~7698、7680~7699、7708~7723、7751~7819、7768~7796、7828~7866、7834~7969、7938~7968、7938~7969、7973~7994、8017~8032、8039~8186、8039~8065、8040~8065、8121~8156、8125~8151、8164~8185、8164~8186、8205~8297、8205~8220、8236~8252、8236~8271、8256~8294、8279~8297、8487~8502、8487~8627、8529~8579、8587~8628、8636~8732、8643~8910、8744~8762、8786~8910、8939~9027、8939~8996、9000~9027、9057~9096、9080~9230、9110~9173、9188~9240、9256~9275、9312~9365、9372~9401、9373~9394、9410~9446、9410~9491、9476~9555、9497~9555、9588~9678、9588~9681、9712~9737、9712~9742、9751~9811、9751~10040、9887~9902、9908~10017、10025~10040、10058~10079、10112~10160、10124~10160、10138~10160、10180~10227、10180~10233、10258~10279、10292~10310、10293~10310、10335~10375、10335~10538、10380~10538、10554~10569、10584~10599、10728~10745、10831~10870、10930~10946、10931~10946、10970~10993、10971~11015、1100~11015、11030~11045、11073~11094、11074~11094、11115~11132、11117~11132、11155~11171、11210~11228、11210~11276、11235~11276、11290~11323、11308~11323、11384~11407、11385~11443、11428~11443、11468~11529、11542~11605、11621~11636、11621~11638、11621~11668、11652~11668、11742~11808、11742~11811、11853~11881、11853~11909、11892~11912、11924~11940、11925~12226、11953~12027、12038~12226、12238~12270、12337~12531、12337~12368、12410~12448、12465~12531、12598~12642、12598~12742、12647~12742、12758~12832、12761~12832、12862~12904、13548~13627、13551~13654、13638~13674、13688~13798、13704~13798、13813~13932、13949~14064、13951~13969、13975~14064、14077~14107、14089~14107、14126~14147、14165~14221、14166~14221、14243~14298、14243~14299、14315~14336、14316~14336、14362~14414、14432~14454、14461~14514、14465~14514、14541~14815、14541~14636、14724~14746、1400~14815、14905~14951、14916~14951、15019~15039、15022~15039、15170~15185、15200~15232、15211~15268、15244~15268、15279~15295、15279~15399、15312~15343、15350~15399、15405~15460、15492~15526、15570~15586、15633~15808、15641~15657、15643~15711、15716~15765、15771~15802、16116~16144、16116~16149、16189~16206、16189~16342、16218~16240、16254~16310、16327~16352、16377~16397、16377~16400、16407~16439、16407~16440、16461~16476、16533~16548、16755~16770、16895~16920、16905~16920、16956~16984、16956~17092、17014~17034、17135~17159、17041~17062、17077~17092、17135~17159、17227~17254、17672~17795、17675~17872、17802~17817、17857~17872、17909~17945、17909~17971、17953~17971、17954~17971、17984~18061、17985~18048、18075~18117、18087~18115、18138~18160、18176~18193、18505~18555、18506~18536、18585~18600、18658~18712、18662~18762、18720~18763、18798~18864、18871~18888、18901~18940、18925~18940、18958~18983、18958~19013、19388~19460、19467~19513、19474~19505、19531~19626、19533~19626、19649~19717、19649~19726、19731~19801、19731~19842、19815~19875、19860~19951、19887~19951、19970~19985、19970~20054、19999~20024、20037~20061、20087~20102、20109~20153、20087~20207、20172~20212、20356~20438、20248~20437、20248~20264、20470~20508、20481~20507、20571~20623、20571~20644、20685~20700、20706~21032、20706~20772、20781~20859、20869~20984、20990~21033、21065~21102、21065~21263、21092~21632、21276~21500、21517~21632、21989~22034、22059~22087、又は22164~22209の等しい長さ部分と相補的な少なくとも8個の連続核酸塩基の一部を含む核酸塩基配列を有し、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号2と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%相補的である。
【0191】
実施形態5:特定の実施形態が、8~80個の結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号2の核酸塩基3095~3454、3095~3140、3152~3236、3168~3183、3248~3328、3312~3328、3334~3390、3348~3390、3401~3420、3429~3451、3429~3454、3474~3719、3474~3644、3478~3494、3505~3531、3544~3559、3568~3634、3671~3736、3676~3717、3721~3799、3741~3771、3750~3770、3782~3799、3834~3849、3834~4154、3877~3897、3902~3917、3933~3967、3933~3979、3988~4005、3988~4017、4068~4091、4103~4118、4123~4155、4133~4155、4220~4240、4220~4264、4249~4264、4222~4240、4296~4311、4360~4378、4389~4427、4389~4431、4405~4449、4476~4496、4517~4588、4517~4552、4537~4552、4572~4588、4640~4678、4640~4879、4641~4667、4862~4879、4991~5006、4991~5305、5029~5098、5046~5098、5104~5120、5121~5141、5125~5141、5156~5256、5158~5217、5223~5242、5267~5319、5268~5319、5395~5950、5646~5695、5655~5858、5712~5752、5712~5777、5758~5777、5782~5797、5782~5862、5804~5862、5870~5910、5871~6005、5870~5910、5870~5911、5916~6007、5935~5950、5974~6007、6029~6048、6029~6055、6035~6164、6084~6099、6084~6104、6134~6164、6170~6248、6170~6275、6170~6277、6191~6218、6221~6243、6246~6275、6284~6350、6284~6352、6298~6372、6357~6372、6388~6406、6422~6493、6422~6497、6426~6621、6567~6758、6567~6582、6597~6653、6626~6653、6710~6779、6784~6811、6785~6800、6795~6811、6913~6930、6914~6929、6914~6930、6915~6930、7101~7138、7101~7441、7125~7145、7426~7441、7473~7494、7473~7498、7481~7498、7526~7543、7550~7565、7550~7634、7563~7699、7643~7676、7680~7698、7680~7699、7708~7723、7751~7819、7768~7796、7828~7866、7834~7969、7938~7968、7938~7969、7973~7994、8017~8032、8039~8186、8039~8065、8040~8065、8121~8156、8125~8151、8164~8185、8164~8186、8205~8297、8205~8220、8236~8252、8236~8271、8256~8294、8279~8297、8487~8502、8487~8627、8529~8579、8587~8628、8636~8732、8643~8910、8744~8762、8786~8910、8939~9027、8939~8996、9000~9027、9057~9096、9080~9230、9110~9173、9188~9240、9256~9275、9312~9365、9372~9401、9373~9394、9410~9446、9410~9491、9476~9555、9497~9555、9588~9678、9588~9681、9712~9737、9712~9742、9751~9811、9751~10040、9887~9902、9908~10017、10025~10040、10058~10079、10112~10160、10124~10160、10138~10160、10180~10227、10180~10233、10258~10279、10292~10310、10293~10310、10335~10375、10335~10538、10380~10538、10554~10569、10584~10599、10728~10745、10831~10870、10930~10946、10931~10946、10970~10993、10971~11015、1100~11015、11030~11045、11073~11094、11074~11094、11115~11132、11117~11132、11155~11171、11210~11228、11210~11276、11235~11276、11290~11323、11308~11323、11384~11407、11385~11443、11428~11443、11468~11529、11542~11605、11621~11636、11621~11638、11621~11668、11652~11668、11742~11808、11742~11811、11853~11881、11853~11909、11892~11912、11924~11940、11925~12226、11953~12027、12038~12226、12238~12270、12337~12531、12337~12368、12410~12448、12465~12531、12598~12642、12598~12742、12647~12742、12758~12832、12761~12832、12862~12904、13548~13627、13551~13654、13638~13674、13688~13798、13704~13798、13813~13932、13949~14064、13951~13969、13975~14064、14077~14107、14089~14107、14126~14147、14165~14221、14166~14221、14243~14298、14243~14299、14315~14336、14316~14336、14362~14414、14432~14454、14461~14514、14465~14514、14541~14815、14541~14636、14724~14746、1400~14815、14905~14951、14916~14951、15019~15039、15022~15039、15170~15185、15200~15232、15211~15268、15244~15268、15279~15295、15279~15399、15312~15343、15350~15399、15405~15460、15492~15526、15570~15586、15633~15808、15641~15657、15643~15711、15716~15765、15771~15802、16116~16144、16116~16149、16189~16206、16189~16342、16218~16240、16254~16310、16327~16352、16377~16397、16377~16400、16407~16439、16407~16440、16461~16476、16533~16548、16755~16770、16895~16920、16905~16920、16956~16984、16956~17092、17014~17034、17135~17159、17041~17062、17077~17092、17135~17159、17227~17254、17672~17795、17675~17872、17802~17817、17857~17872、17909~17945、17909~17971、17953~17971、17954~17971、17984~18061、17985~18048、18075~18117、18087~18115、18138~18160、18176~18193、18505~18555、18506~18536、18585~18600、18658~18712、18662~18762、18720~18763、18798~18864、18871~18888、18901~18940、18925~18940、18958~18983、18958~19013、19388~19460、19467~19513、19474~19505、19531~19626、19533~19626、19649~19717、19649~19726、19731~19801、19731~19842、19815~19875、19860~19951、19887~19951、19970~19985、19970~20054、19999~20024、20037~20061、20087~20102、20109~20153、20087~20207、20172~20212、20356~20438、20248~20437、20248~20264、20470~20508、20481~20507、20571~20623、20571~20644、20685~20700、20706~21032、20706~20772、20781~20859、20869~20984、20990~21033、21065~21102、21065~21263、21092~21632、21276~21500、21517~21632、21989~22034、22059~22087、又は22164~22209の範囲内と相補的な核酸塩基配列を有し、前記修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号2と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%相補的である。
【0192】
実施形態6:特定の実施形態が、8~80個の結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1の核酸塩基1~46、58~142、1~142、74~89、154~197、154~234、200~232、218~234、240~345、254~269、354~746、354~830、519~534、565~580、603~628、693~716、734~750、734~830、749~828、835~862、835~957、966~1044、1017~1043、1054~1106、1055~1070、1075~1169、1074~1132、1136~1169、1175~1218、1180~1217、1250~1292、1251~1279、1296~1146、1296~1448、1308~1448、1461~1481、1461~1519、1461~1647、1461~1646、1483~1535、1538~1646、1544~1561、1597~1645、1654~1685、1654~1817、1702~1817、1705~1741、1748~2211、2174~2219、2240~2272、2244~2272、2349~2370、2350~2371、又は2378~2394の等しい長さ部分と100%相補的な少なくとも8個の連続核酸塩基の一部を含む核酸塩基配列を有し、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号1と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%相補的である。
【0193】
実施形態7:特定の実施形態が、8~80個の結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1の核酸塩基1~46、58~142、1~142、74~89、154~197、154~234、200~232、218~234、240~345、254~269、354~746、354~830、519~534、565~580、603~628、693~716、734~750、734~830、749~828、835~862、835~957、966~1044、1017~1043、1054~1106、1055~1070、1075~1169、1074~1132、1136~1169、1175~1218、1180~1217、1250~1292、1251~1279、1296~1146、1296~1448、1308~1448、1461~1481、1461~1519、1461~1647、1461~1646、1483~1535、1538~1646、1544~1561、1597~1645、1654~1685、1654~1817、1702~1817、1705~1741、1748~2211、2174~2219、2240~2272、2244~2272、2349~2370、2350~2371、又は2378~2394の範囲内と相補的な核酸塩基配列を有し、前記修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%相補的である。
【0194】
実施形態8:特定の実施形態が、12~30個の結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号2の核酸塩基3439~3454、3552~3567、3754~3769、3963~3978、4406~4421、4123~4138、4139~4154、4991~5006、5045~5060、5662~5677、6476~6491、6478~6493、17992~18007、21138~21153、21415~21430、21442~21457、又は21597~21612の等しい長さ部分と100%相補的な少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16個の連続核酸塩基の一部を含む核酸塩基配列を有し、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号2と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%相補的である。
【0195】
実施形態9:特定の実施形態が、12~30個の結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号286、817、983、1215、747、43、355、1602、201、734、1249、208、513、1449、1448、1595、及び819のいずれか1つを含む核酸塩基配列を有する。
【0196】
実施形態10:特定の実施形態が、配列番号286、817、983、1215、747、43、355、1602、201、734、1249、208、513、1449、1448、1595、及び819のいずれか1つからなる核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。
【0197】
実施形態11:特定の実施形態が、実施形態1~6の化合物を提供し、
オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの全長にわたって、配列番号2と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%相補的である。
【0198】
実施形態12:特定の実施形態が、先の実施形態のいずれか1つの化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合、修飾糖部分を含む少なくとも1つの修飾ヌクレオシド、及び修飾核酸塩基を含む少なくとも1つの修飾ヌクレオシドから選択される少なくとも1つの修飾を含む。
【0199】
実施形態13:特定の実施形態が、実施形態12の化合物を提供し、修飾ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合である。
【0200】
実施形態14:特定の実施形態が、実施形態12又は13の化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシドが、2’-置換ヌクレオシド又は二環式ヌクレオシドである。
【0201】
実施形態15:特定の実施形態が、実施形態14の化合物を提供し、二環式ヌクレオシドの二環式糖部分は:4’-(CH2)-O-2’(LNA);4’-(CH2)2-O-2’(ENA);及び4’-CH(CH3)-O-2’(cEt)からなる群から選択される。
【0202】
実施形態16:特定の実施形態が、実施形態12~15のいずれか1つの化合物を提供し、修飾ヌクレオシドは、2’-O-メトキシエチルヌクレオシドである。
【0203】
実施形態17:特定の実施形態が、実施形態12~16のいずれか1つの化合物を提供し、修飾核酸塩基は、5-メチルシトシンである。
【0204】
実施形態18:特定の実施形態が、実施形態1~17のいずれか1つの化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドは:
結合2’-デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を有し、
ギャップセグメントは、5’ウイングセグメント及び3’ウイングセグメントに直接隣接して、且つそれらの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは、修飾糖を含む、
【0205】
実施形態19:特定の実施形態が、請求項1~18のいずれか一項の化合物を提供し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドの修飾糖部分は、2’-O-Me、2’-MOE、及びcEt糖部分から選択される。
【0206】
実施形態20:特定の実施形態が、請求項1~19のいずれか1つの化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドは:
10個の結合デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
3個の結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を含み、
ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは、cEtヌクレオシドを含み;各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアート結合であり、各シトシンは、5-メチルシトシンである。
【0207】
実施形態21:特定の実施形態が、請求項1~20のいずれか一項の化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドは:
10個の結合デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
3個の結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を含み、
ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは、cEtヌクレオシドを含み、少なくとも1つのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアート結合であり、各シトシンは、5-メチルシトシンである。
【0208】
実施形態22:特定の実施形態が、先の実施形態のいずれかの化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドは:
9個の結合2’-デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
4個の結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を含み、
ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し、5’ウイングセグメントの各ヌクレオシドは、cEtヌクレオシドを含み;3’ウイングセグメントのヌクレオシドの糖部分は、5’-cEt-cEt-cEt-MOE-3’であり;各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアート結合であり、各シトシンは、5-メチルシトシンである。
【0209】
実施形態23:特定の実施形態が、先の実施形態のいずれかの化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドは:
9個の結合2’-デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
4個の結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を含み、
ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し、5’ウイングセグメントの各ヌクレオシドは、cEtヌクレオシドを含み;3’ウイングセグメントのヌクレオシドの各糖部分は、cEt及び2’-MOE糖部分から選択され;各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアート結合であり、各シトシンは、5-メチルシトシンである。
【0210】
実施形態24:特定の実施形態は、先の実施形態のいずれか1つの化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドは:
10個の結合ヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
4個の結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を含み、
ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し、ギャップセグメントは、5’~1つのデオキシ、1つの2’-O-メチルヌクレオシド、及び8つのデオキシヌクレオシド~3’からなり、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは、cEtヌクレオシドを含み;各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアート結合であり、各シトシンは、5-メチルシトシンである。
【0211】
実施形態25:実施形態24:特定の実施形態が、先の実施形態のいずれか1つの化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドは:
10個の結合ヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
4個の結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を含み、
ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し、ギャップセグメントのヌクレオシドは、デオキシヌクレオシド、cEtヌクレオシド、及び2’-MOEヌクレオシドから選択され、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは、cEtヌクレオシドを含み;各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアート結合であり、各シトシンは、5-メチルシトシンである。
【0212】
実施形態26:特定の実施形態は、実施形態1~25のいずれか1つの化合物を提供し、化合物は、一本鎖である。
【0213】
実施形態27:特定の実施形態が、実施形態1~25のいずれか1つの化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドは、第2のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズして、二本鎖アンチセンス化合物を形成する。
【0214】
実施形態28:特定の実施形態が、実施形態1~27のいずれか1つの化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオチドの少なくとも1つが、リボヌクレオチドである。
【0215】
実施形態29:特定の実施形態が、実施形態1~27のいずれか1つの化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオチドの少なくとも1つが、デオキシリボヌクレオチドである。
【0216】
実施形態30:特定の実施形態が、実施形態1~23のいずれか1つの化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドは、10~30個の結合ヌクレオシドからなる。
【0217】
実施形態31:特定の実施形態が、実施形態1~30のいずれか1つの化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドは、10~30個の結合ヌクレオシドからなる。
【0218】
実施形態32:特定の実施形態が、実施形態1~30のいずれか1つの化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドは、16~30個の結合ヌクレオシドからなる。
【0219】
実施形態33:特定の実施形態は、16個の結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号286、817、983、1215、747、43、355、1602、201、734、1249、208、513、1449、1448、1595、及び819のいずれか1つから選択される核酸塩基配列を有し、修飾オリゴヌクレオチドは:
結合デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を含み、
ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは、修飾糖を含む。
【0220】
実施形態34:特定の実施形態が、16個の結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号286、817、983、1215、747、43、355、1602、201、734、1249、208、513、1449、1448、及び1595のいずれか1つから選択される核酸塩基配列を有し、修飾オリゴヌクレオチドは、
10個の結合デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
3個の結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を含み、
ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し、5’ウイングセグメント及び3’ウイングセグメントは、cEt糖を含み、各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアート結合であり、各シトシンは、5-メチルシトシンである。
【0221】
実施形態35:特定の実施形態が、16個の結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供し、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号819からなる核酸塩基配列を有し、修飾オリゴヌクレオチドは:
9個の結合2’-デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
4個の結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を含み、
ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し、5’ウイングセグメントの各ヌクレオシドは、cEt糖を含み;3’ウイングセグメントのヌクレオシドの糖残基は、5’-cEt-cEt-cEt-MOE-3’であり;各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアート結合であり、各シトシンは、5-メチルシトシンである。
【0222】
実施形態36:特定の実施形態が、16個の結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを提供し、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1595からなる核酸塩基配列を有し、修飾オリゴヌクレオチドは:
10個の結合ヌクレオシドからなるギャップセグメント;
3個の結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
4個の結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を含み、
ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し、ギャップセグメントは、5’~1つのデオキシ、1つの2’-O-メチルヌクレオシド、及び8つのデオキシヌクレオシド~3’からなり、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは、cEt糖を含み;各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアート結合であり、各シトシンは、5-メチルシトシンである。
【0223】
実施形態37:特定の実施形態が、コンジュゲート基を含む、先のいずれかの実施形態の化合物を提供する。
【0224】
実施形態38:特定の実施形態が、実施形態37の化合物を提供し、コンジュゲート基は、1~3個のGalNAcリガンドを含むGalNAcクラスターを含む。
【0225】
実施形態39:特定の実施形態が、実施形態37又は実施形態38の化合物を提供し、コンジュゲート基は、単結合からなるコンジュゲートリンカーを含む。
【0226】
実施形態40:特定の実施形態が、実施形態37~39のいずれか1つの化合物を提供し、コンジュゲート基は、開裂可能リンカーを含む。
【0227】
実施形態41:特定の実施形態が、実施形態37~40のいずれか1つの化合物を提供し、コンジュゲート基は、1~3個のリンカー-ヌクレオシドを含むコンジュゲートリンカーを含む。
【0228】
実施形態42:特定の実施形態が、実施形態37~41のいずれか1つの化合物を提供し、コンジュゲート基は、修飾オリゴヌクレオチドの5’-末端にて修飾オリゴヌクレオチドに付着されている。
【0229】
実施形態42:特定の実施形態が、実施形態37~41のいずれか1つの化合物を提供し、コンジュゲート基は、修飾オリゴヌクレオチドの3’-末端にて修飾オリゴヌクレオチドに付着されている。
【0230】
実施形態43:特定の実施形態が、以下の化学構造を有する化合物又はその塩を提供する:
【化37】
【0231】
実施形態44:特定の実施形態が、以下の化学構造を有する化合物又はその塩を提供する:
【化38】
【0232】
実施形態45:特定の実施形態が、以下の化学構造を有する化合物又はその塩を提供する:
【化39】
【0233】
実施形態46:特定の実施形態が、以下の化学構造を有する化合物又はその塩を提供する:
【化40】
【0234】
実施形態47:特定の実施形態が、以下の化学構造を有する化合物又はその塩を提供する:
【化41】
【0235】
実施形態48:特定の実施形態が、以下の化学構造を有する化合物又はその塩を提供する:
【化42】
【0236】
実施形態49:特定の実施形態が、以下の化学構造を有する化合物又はその塩を提供する:
【化43】
【0237】
実施形態50:特定の実施形態が、以下の化学構造を有する化合物又はその塩を提供する:
【化44】
【0238】
実施形態51:特定の実施形態が、以下の化学構造を有する化合物又はその塩を提供する:
【化45】
【0239】
実施形態52:特定の実施形態が、以下の化学構造を有する化合物又はその塩を提供する:
【化46】
【0240】
実施形態53:特定の実施形態が、以下の化学構造を有する化合物又はその塩を提供する:
【化47】
【0241】
実施形態54:特定の実施形態が、以下の化学構造を有する化合物又はその塩を提供する:
【化48】
【0242】
実施形態55:特定の実施形態が、以下の化学構造を有する化合物又はその塩を提供する:
【化49】
【0243】
実施形態56:特定の実施形態が、以下の化学構造を有する化合物又はその塩を提供する:
【化50】
【0244】
実施形態57:特定の実施形態が、以下の化学構造を有する化合物又はその塩を提供する:
【化51】
【0245】
実施形態58:特定の実施形態が、以下の化学構造を有する化合物又はその塩を提供する:
【化52】
【0246】
実施形態59:特定の実施形態が、以下の化学構造を有する化合物又はその塩を提供する:
【化53】
【0247】
実施形態60:特定の実施形態が、以下の化学構造を有する化合物又はその塩を提供する:
【化54】
【0248】
実施形態61:特定の実施形態が、実施形態43~60のいずれか1つの化合物を提供し、化合物は、ナトリウム塩である。
【0249】
実施形態62:特定の実施形態が、実施形態43~60のいずれか1つの化合物を提供し、化合物は、カリウム塩である。
【0250】
実施形態63:特定の実施形態が、実施形態1~62のいずれか1つの化合物のキラル富化集団を提供し、集団は、特定の立体化学的配置を有する少なくとも1つの特定のホスホロチオアートヌクレオシド間結合を含む修飾オリゴヌクレオチドを有する化合物が富化されている。
【0251】
実施形態64:特定の実施形態が、実施形態63のキラル富化集団を提供し、集団は、(Sp)立体配置を有する少なくとも1つの特定のホスホロチオアートヌクレオシド間結合を含む修飾オリゴヌクレオチドを有する化合物が富化されている。
【0252】
実施形態65:特定の実施形態が、実施形態63又は実施形態64のキラル富化集団を提供し、集団は、(Rp)立体配置を有する少なくとも1つの特定のホスホロチオアートヌクレオシド間結合を含む修飾オリゴヌクレオチドを有する化合物が富化されている。
【0253】
実施形態66:特定の実施形態が、請求項63のキラル富化集団を提供し、集団は、各ホスホロチオアートヌクレオシド間結合に、特定の、独立して選択された立体化学的配置を有する修飾オリゴヌクレオチドを有する化合物が富化されている。
【0254】
実施形態67:特定の実施形態が、実施形態66のキラル富化集団を提供し、集団は、各ホスホロチオアートヌクレオシド間結合に(Sp)立体配置を有する修飾オリゴヌクレオチドを有するオリゴマー化合物が富化されている。
【0255】
実施形態68:特定の実施形態が、実施形態66のキラル富化集団を提供し、集団は、各ホスホロチオアートヌクレオシド間結合に(Rp)立体配置を有する修飾オリゴヌクレオチドを有するオリゴマー化合物が富化されている。
【0256】
実施形態69:特定の実施形態が、実施形態63又は66のキラル富化集団を提供し、集団は、少なくとも3つの連続ホスホロチオアートヌクレオシド間結合を、5’~3’方向にSp-Sp-Rp立体配置で有する修飾オリゴヌクレオチドを有するオリゴマー化合物が富化されている。
【0257】
実施形態70:特定の実施形態が、実施形態69のいずれかの修飾オリゴヌクレオチドを有する化合物の集団を提供し、修飾オリゴヌクレオチドのホスホロチオアートヌクレオシド間結合は全て、立体不規則的である。
【0258】
実施形態71:特定の実施形態が、実施形態1~70のいずれか1つの化合物、及び薬学的に許容され得る担体を含む組成物を提供する。
【0259】
実施形態72:特定の実施形態が、治療に用いられる、先のいずれかの実施形態の化合物を含む組成物を提供する。
【0260】
実施形態73:特定の実施形態が、個体においてHSD17B13と関連する疾患を処置し、予防し、又は寛解させる方法であって、個体に、HSD17B13と相補的な化合物を投与することによって疾患を処置し、予防し、又は寛解させることを含む方法を提供する。
【0261】
実施形態74:特定の実施形態が、実施形態1~70の化合物又は実施形態71若しくは実施形態72の組成物を個体に投与する方法を提供する。
【0262】
実施形態75:特定の実施形態が、実施形態73又は74の方法を提供し、個体は、肝疾患、NAFLD、NASH、肝臓脂肪症、肝細胞癌、アルコール肝疾患、HCV肝炎、慢性肝炎、遺伝性血色素沈着症、又は原発性硬化性胆管炎を患っている。
【0263】
実施形態76:特定の実施形態が、実施形態73又は実施形態74の方法を提供し、化合物は、アンチセンス化合物である。
【0264】
実施形態77:特定の実施形態が、実施形態73~76のいずれかの方法を提供し、化合物を投与することが、肝障害、脂肪症、肝線維症、肝炎、肝臓の瘢痕若しくは肝硬変、肝不全、肝腫大、トランスアミナーゼ上昇、又は肝脂肪蓄積を個体において寛解させる。
【0265】
実施形態78:特定の実施形態が、細胞におけるHSD17B13の発現を阻害する方法であって、細胞を、HSD17B13と相補的な修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物と接触させることによって、細胞におけるHSD17B13の発現を阻害することを含む方法を提供する。
【0266】
実施形態79:特定の実施形態が、実施形態78の方法を提供し、細胞は、個体の肝臓内のものである。
【0267】
実施形態80:特定の実施形態が、実施形態79の方法を提供し、個体は、肝疾患、NAFLD、NASH、肝臓脂肪症、肝細胞癌、アルコール肝疾患、HCV肝炎、慢性肝炎、遺伝性血色素沈着症、又は原発性硬化性胆管炎を患っている、又は患うリスクがある。
【0268】
実施形態81:特定の実施形態が、肝障害、脂肪症、肝線維症、肝炎、肝臓の瘢痕若しくは肝硬変、肝不全、肝腫大、トランスアミナーゼ上昇、又は肝脂肪蓄積を個体において寛解させ、和らげ、又は阻害する方法であって、HSD17B13と相補的な修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を個体に投与することによって、肝障害、脂肪症、肝線維症、肝炎、肝臓の瘢痕若しくは肝硬変、肝不全、肝腫大、トランスアミナーゼ上昇、又は肝脂肪蓄積を個体において和らげ、又は阻害することを含む方法を提供する。
【0269】
実施形態82:特定の実施形態が、実施形態81の方法を提供し、個体は、肝疾患、NAFLD、NASH、肝臓脂肪症、肝細胞癌、アルコール肝疾患、HCV肝炎、慢性肝炎、遺伝性血色素沈着症、又は原発性硬化性胆管炎を患っている、又は患うリスクがある。
【0270】
実施形態83:特定の実施形態が、実施形態78~82のいずれか1つの方法を提供し、化合物は、アンチセンス化合物である。
【0271】
実施形態84:特定の実施形態が、実施形態78~83のいずれか1つの方法を提供し、化合物は、実施形態1~70のいずれか1つの化合物、又は実施形態71若しくは実施形態72の組成物である。
【0272】
実施形態85:特定の実施形態が、実施形態83又は実施形態84の方法を提供し、化合物又は組成物は、非経口的に投与される。
【0273】
実施形態86:特定の実施形態が、HSD17B13と関連する疾患を処置する、予防する、又は寛解させるための、HSD17B13と相補的な修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物の使用を提供する。
【0274】
実施形態87:特定の実施形態が、実施形態86の使用を提供し、疾患は、肝疾患、NAFLD、NASH、肝臓脂肪症、肝細胞癌、アルコール肝疾患、HCV肝炎、慢性肝炎、遺伝性血色素沈着症、又は原発性硬化性胆管炎である。
【0275】
実施形態88:特定の実施形態が、実施形態86又は87の使用を提供し、化合物は、アンチセンス化合物である。
【0276】
実施形態89:特定の実施形態が、実施形態86~88のいずれか1つの使用を提供し、化合物は、実施形態1~70のいずれか1つの化合物、又は実施形態71若しくは実施形態72の組成物である。
【0277】
実施形態90:特定の実施形態が、HSD17B13と関連する疾患を処置し、予防し、又は寛解させるための医薬の製造における、HSD17B13と相補的な修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物の使用を提供する。
【0278】
実施形態91:特定の実施形態が、実施形態90の使用を提供し、疾患は、肝疾患、NAFLD、NASH、肝臓脂肪症、肝細胞癌、アルコール肝疾患、HCV肝炎、慢性肝炎、遺伝性血色素沈着症、又は原発性硬化性胆管炎である。
【0279】
実施形態92:特定の実施形態が、実施形態90又は91の使用を提供し、化合物は、アンチセンス化合物である。
【0280】
実施形態93:特定の実施形態が、実施形態90~92のいずれか1つの使用を提供し、化合物は、実施形態1~70のいずれか1つの化合物、又は実施形態71若しくは実施形態72の組成物である。
【0281】
特定の適応症
本明細書中で提供される特定の実施形態は、HSD17B13発現を阻害する方法に関し、これは、HSD17B13と関連する疾患を、個体において、HSD17B13を標的とする化合物の投与によって処置し、予防し、又は寛解させるのに有用であり得る。特定の実施形態において、化合物は、HSD17B13特異的阻害剤であり得る。特定の実施形態において、化合物は、HSD17B13を標的とするアンチセンス化合物、オリゴマー化合物、又はオリゴヌクレオチドであり得る。
【0282】
本明細書中で提供される方法により処置可能な、予防可能な、且つ/又は改善可能な、HSD17B13と関連する疾患の例として、肝疾患、NAFLD、NASH、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、アルコール性肝疾患、非アルコール性肝疾患、アルコール性肝硬変、非アルコール性肝硬変、脂肪性肝炎、肝臓脂肪症、肝細胞癌、アルコール性肝疾患、HCV肝炎、慢性肝炎、遺伝性血色素沈着症、又は原発性硬化性胆管炎が挙げられる。本明細書中で提供される特定の化合物は、肝障害、脂肪症、肝線維症、肝炎、肝臓の瘢痕若しくは肝硬変、肝不全、肝腫大、トランスアミナーゼ上昇、又は肝脂肪蓄積を動物において和らげる化合物及び組成物に関する。
【0283】
特定の実施形態において、HSD17B13に関連する疾患を個体において処置し、予防し、又は寛解させる方法は、個体に、HSD17B13特異的阻害剤を含む化合物を投与することによって疾患を処置し、予防し、又は寛解させることを含む。特定の実施形態において、個体は、HSD17B13に関連する疾患を患っている、又は患うリスクがあると識別される。特定の実施形態において、疾患は、肝疾患である。特定の実施形態において、化合物は、HSD17B13を標的とするアンチセンス化合物を含む。特定の実施形態において、化合物は、HSD17B13を標的とするオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、8~80個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号8~2896の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、16~80個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号8~2896のいずれか1つの核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号8~2896のいずれか1つの核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物は、一本鎖又は二本鎖であり得る。前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物であり得る。特定の実施形態において、化合物は、個体に非経口的に投与される。特定の実施形態において、化合物を投与することは、肝障害、脂肪肝、肝線維症、肝硬変、トランスアミナーゼ上昇、又は肝脂肪蓄積を動物において改善し、保存し、又は予防する。
【0284】
特定の実施形態において、肝障害、脂肪症、肝線維症、肝硬変、トランスアミナーゼ上昇、又は肝脂肪蓄積を動物において処置し、予防し、又は寛解させる方法は、個体に、HSD17B13特異的阻害剤を含む化合物を投与することによって、肝障害、脂肪症、肝線維症、肝硬変、トランスアミナーゼ上昇、又は肝脂肪蓄積を処置し、予防し、又は寛解させることを含む。特定の実施形態において、化合物は、HSD17B13を標的とするアンチセンス化合物を含む。特定の実施形態において、化合物は、HSD17B13を標的とするオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、8~80個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号8~2896の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。特定の実施形態において、化合物は、16~80個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号8~2896のいずれか1つの核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号8~2896のいずれか1つの核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物は、一本鎖又は二本鎖であり得る。前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物であり得る。特定の実施形態において、化合物は、個体に非経口的に投与される。特定の実施形態において、化合物を投与することは、肝障害、脂肪肝、肝線維症、肝硬変、トランスアミナーゼ上昇、又は肝脂肪蓄積を改善し、保存し、又は予防する。特定の実施形態において、個体は、HSD17B13と関連する疾患を患っている、又は患うリスクがあると識別される。
【0285】
特定の実施形態において、HSD17B13の発現を、HSD17B13と関連する疾患を患っている、又は患うリスクがある個体において阻害する方法は、個体に、HSD17B13特異的阻害剤を含む化合物を投与することによって、HSD17B13の発現を個体において阻害することを含む。特定の実施形態において、化合物を投与することは、HSD17B13の発現を肝臓において阻害する。特定の実施形態において、疾患は、肝疾患である。特定の実施形態において、個体は、肝疾患、NAFLD、NASH、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、アルコール性肝疾患、非アルコール性肝疾患、アルコール性肝硬変、非アルコール性肝硬変、脂肪性肝炎、肝臓脂肪症、肝細胞癌、アルコール性肝疾患、HCV肝炎、慢性肝炎、遺伝性血色素沈着症、又は原発性硬化性胆管炎を患っている、又は患うリスクがある。特定の実施形態において、個体は、肝障害、脂肪症、肝線維症、肝硬変、トランスアミナーゼ上昇、又は肝脂肪蓄積を患っている、又は患うリスクがある。特定の実施形態において、化合物は、HSD17B13を標的とするアンチセンス化合物を含む。特定の実施形態において、化合物は、HSD17B13を標的とするオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、8~80個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号8~2896の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。特定の実施形態において、化合物は、16~80個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号8~2896のいずれか1つの核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号8~2896のいずれか1つの核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物は、一本鎖又は二本鎖であり得る。前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物であり得る。特定の実施形態において、化合物は、個体に非経口的に投与される。特定の実施形態において、化合物を投与することは、肝障害、脂肪肝、肝線維症、肝硬変、トランスアミナーゼ上昇、又は肝脂肪蓄積を改善し、保存し、又は予防する。
【0286】
特定の実施形態において、HSD17B13の発現を細胞において阻害する方法は、細胞を、HSD17B13特異的阻害剤を含む化合物と接触させることによって、HSD17B13の発現を細胞において阻害することを含む。特定の実施形態において、細胞は、肝細胞である。特定の実施形態において、細胞は、肝臓内のものである。特定の実施形態において、細胞は、肝障害、脂肪肝、肝線維症、肝硬変、トランスアミナーゼ上昇、又は肝脂肪蓄積を患っている、又は患うリスクがある個体の肝臓内のものである。特定の実施形態において、化合物は、HSD17B13を標的とするアンチセンス化合物を含む。特定の実施形態において、化合物は、HSD17B13を標的とするオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、8~80個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号8~2896の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。特定の実施形態において、化合物は、16~80個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号8~2896のいずれか1つの核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号8~2896のいずれか1つの核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物は、一本鎖又は二本鎖であり得る。前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物であり得る。
【0287】
特定の実施形態において、HSD17B13と関連する疾患を患っている、又は患うリスクがある個体において、肝障害、脂肪症、肝線維症、肝硬変、トランスアミナーゼ上昇、又は肝脂肪蓄積を和らげ、又は阻害する方法は、個体に、HSD17B13特異的阻害剤を含む化合物を投与することによって、肝障害、脂肪症、肝線維症、肝硬変、トランスアミナーゼ上昇、又は肝脂肪蓄積を個体において和らげ、又は阻害することを含む。特定の実施形態において、個体は、肝疾患、NAFLD、NASH、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、アルコール性肝疾患、非アルコール性肝疾患、アルコール性肝硬変、非アルコール性肝硬変、脂肪性肝炎、肝臓脂肪症、肝細胞癌、アルコール性肝疾患、HCV肝炎、慢性肝炎、遺伝性血色素沈着症、又は原発性硬化性胆管炎を患っている、又は患うリスクがある。特定の実施形態において、化合物は、HSD17B13を標的とするアンチセンス化合物を含む。特定の実施形態において、化合物は、HSD17B13を標的とするオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、8~80個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号8~2896の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。特定の実施形態において、化合物は、16~80個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号8~2896のいずれか1つの核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号8~2896のいずれか1つの核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物は、一本鎖又は二本鎖であり得る。前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物であり得る。特定の実施形態において、化合物は、個体に非経口的に投与される。特定の実施形態において、個体は、HSD17B13と関連する疾患を患っている、又は患うリスクがあると識別される。
【0288】
特定の実施形態は、HSD17B13と関連する疾患の処置に用いられる、HSD17B13特異的阻害剤を含む化合物に向けられる。特定の実施形態において、疾患は、肝疾患、NAFLD、NASH、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、アルコール性肝疾患、非アルコール性肝疾患、アルコール性肝硬変、非アルコール性肝硬変、脂肪性肝炎、肝臓脂肪症、肝細胞癌、アルコール性肝疾患、HCV肝炎、慢性肝炎、遺伝性血色素沈着症、又は原発性硬化性胆管炎である。特定の実施形態において、化合物は、HSD17B13を標的とするアンチセンス化合物を含む。特定の実施形態において、化合物は、HSD17B13を標的とするオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、8~80個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号8~2896の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。特定の実施形態において、化合物は、16~80個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号8~2896のいずれか1つの核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号8~2896のいずれか1つの核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物は、一本鎖又は二本鎖であり得る。前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物であり得る。特定の実施形態において、化合物は、個体に非経口的に投与される。
【0289】
特定の実施形態は、肝疾患、NAFLD、NASH、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、アルコール性肝疾患、非アルコール性肝疾患、アルコール性肝硬変、非アルコール性肝硬変、脂肪性肝炎、肝臓脂肪症、肝細胞癌、アルコール性肝疾患、HCV肝炎、慢性肝炎、遺伝性血色素沈着症、又は原発性硬化性胆管炎を患っている、又は患うリスクがある個体において、肝障害、脂肪症、肝線維症、肝硬変、トランスアミナーゼ上昇、又は肝脂肪蓄積を和らげ、又は阻害するのに用いられる、HSD17B13特異的阻害剤を含む化合物に向けられる。特定の実施形態において、化合物は、HSD17B13を標的とするアンチセンス化合物を含む。特定の実施形態において、化合物は、HSD17B13を標的とするオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、8~80個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号8~2896の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。特定の実施形態において、化合物は、16~80個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号8~2896のいずれか1つの核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号8~2896のいずれか1つの核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物は、一本鎖又は二本鎖であり得る。前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物であり得る。
【0290】
特定の実施形態は、HSD17B13と関連する疾患を処置するための医薬の製造又は調製のための、HSD17B13特異的阻害剤を含む化合物の使用に向けられる。特定の実施形態は、HSD17B13と関連する疾患の処置用の医薬の調製のための、HSD17B13特異的阻害剤を含む化合物の使用に向けられる。特定の実施形態において、疾患は、肝疾患である。特定の実施形態において、疾患は、肝疾患、NAFLD、NASH、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、アルコール性肝疾患、非アルコール性肝疾患、アルコール性肝硬変、非アルコール性肝硬変、脂肪性肝炎、肝臓脂肪症、肝細胞癌、アルコール性肝疾患、HCV肝炎、慢性肝炎、遺伝性血色素沈着症、又は原発性硬化性胆管炎である。特定の実施形態において、化合物は、HSD17B13を標的とするアンチセンス化合物を含む。特定の実施形態において、化合物は、HSD17B13を標的とするオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、8~80個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号8~2896の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。特定の実施形態において、化合物は、16~80個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号8~2896のいずれか1つの核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号8~2896のいずれか1つの核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物は、一本鎖又は二本鎖であり得る。前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物であり得る。
【0291】
特定の実施形態は、HSD17B13と関連する疾患を患っている、又は患うリスクがある個体において、肝障害、脂肪症、肝線維症、肝硬変、トランスアミナーゼ上昇、又は肝脂肪蓄積を和らげ、又は阻害するための医薬の製造又は調製のための、HSD17B13特異的阻害剤を含む化合物の使用に向けられる。特定の実施形態において、疾患は、肝疾患、NAFLD、NASH、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、アルコール性肝疾患、非アルコール性肝疾患、アルコール性肝硬変、非アルコール性肝硬変、脂肪性肝炎、肝臓脂肪症、肝細胞癌、アルコール性肝疾患、HCV肝炎、慢性肝炎、遺伝性血色素沈着症、又は原発性硬化性胆管炎である。特定の実施形態は、HSD17B13と関連する疾患の処置用の医薬の調製のための、HSD17B13特異的阻害剤を含む化合物の使用に向けられる。特定の実施形態において、疾患は、肝疾患、NAFLD、NASH、アルコール性肝疾患、非アルコール性肝疾患、アルコール性肝硬変、非アルコール性肝硬変、脂肪性肝炎、肝臓脂肪症、肝細胞癌、アルコール性肝疾患、HCV肝炎、慢性肝炎、遺伝性血色素沈着症、又は原発性硬化性胆管炎である。特定の実施形態において、化合物は、HSD17B13を標的とするアンチセンス化合物を含む。特定の実施形態において、化合物は、HSD17B13を標的とするオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、8~80個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号8~2896の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。特定の実施形態において、化合物は、16~80個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号8~2896のいずれか1つの核酸塩基配列を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号8~2896のいずれか1つの核酸塩基配列からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物は、一本鎖又は二本鎖であり得る。前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物であり得る。
【0292】
前述の方法又は使用のいずれかにおいて、化合物は、HSD17B13を標的とし得る。特定の実施形態において、化合物は、修飾オリゴヌクレオチド、例えば、8~80個の結合ヌクレオシド、10~30個の結合ヌクレオシド、12~30個の結合ヌクレオシド、又は20個の結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む、又はそれからなる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1~4に列挙される核酸塩基配列のいずれかに少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%相補的である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、少なくとも1個の修飾ヌクレオシド間結合、少なくとも1個の修飾糖、及び/又は少なくとも1個の修飾核酸塩基を含む。特定の実施形態において、修飾ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合であり、修飾糖は、二環式糖又は2’-O-メトキシエチル修飾糖であり、修飾核酸塩基は、5-メチルシトシンである。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、結合デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメントを含み、ギャップセグメントは、5’ウイングセグメント及び3’ウイングセグメントに直接隣接して、且つそれらの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは、修飾糖を含む。
【0293】
前述の実施形態のいずれかにおいて、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30、15~30、15~25、15~24、16~24、17~24、18~24、19~24、20~24、19~22、20~22、16~20、又は16若しくは20個の結合ヌクレオシドからなる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1~4に列挙される核酸塩基配列のいずれかに少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%相補的である。
【0294】
前述の方法又は使用のいずれかにおいて、化合物は、16~30個の結合ヌクレオシドからなり、且つ配列番号8~2896のいずれか1つを含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含み、又はそれからなり、修飾オリゴヌクレオチドは:
結合2’-デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
結合ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
結合ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント
を有し、
ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは、修飾糖を含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16~30個の結合ヌクレオシド長である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16個の結合ヌクレオシド長である。
【0295】
前述の方法又は使用のいずれかにおいて、化合物は、非経口的に投与され得る。例えば、特定の実施形態において、化合物は、注射又は注入を介して投与され得る。非経口投与として、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、腹腔内投与、又は頭蓋内投与、例えばくも膜下腔内投与又は脳室内投与が挙げられる。
【0296】
特定の化合物
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、アンチセンス化合物であり得る。特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、オリゴマー化合物を含む、又はそれからなる。特定の実施形態において、オリゴマー化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、標的核酸の核酸塩基配列に相補的な核酸塩基配列を有する。
【0297】
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含む、又はそれからなる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、標的核酸の核酸塩基配列に相補的な核酸塩基配列を有する。
【0298】
特定の実施形態において、化合物又はアンチセンス化合物は、一本鎖である。そのような一本鎖化合物又はアンチセンス化合物は、オリゴマー化合物を含む、又はそれからなる。特定の実施形態において、そのようなオリゴマー化合物は、オリゴヌクレオチド、及び場合によってはコンジュゲート基を含む、又はそれからなる。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、修飾されている。特定の実施形態において、一本鎖アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物のオリゴヌクレオチドは、自己相補的な核酸塩基配列を含む。
【0299】
特定の実施形態において、化合物は、二本鎖である。そのような二本鎖化合物は、標的核酸に相補的な領域を有する第1の修飾オリゴヌクレオチド、及び第1の修飾オリゴヌクレオチドに相補的な領域を有する第2の修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、RNAオリゴヌクレオチドである。そのような実施形態において、修飾オリゴヌクレオチド中のチミン核酸塩基は、ウラシル核酸塩基によって置換されている。特定の実施形態において、化合物は、コンジュゲート基を含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの一方がコンジュゲートされている。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの双方がコンジュゲートされている。特定の実施形態において、第1の修飾オリゴヌクレオチドがコンジュゲートされている。特定の実施形態において、第2の修飾オリゴヌクレオチドがコンジュゲートされている。特定の実施形態において、第1の修飾オリゴヌクレオチドは、16~30個の結合ヌクレオシド長であり、第2の修飾オリゴヌクレオチドは、16~30個の結合ヌクレオシド長である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの一方が、配列番号8~2035のいずれかの少なくとも8個の連続核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する。
【0300】
特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、二本鎖である。そのような二本鎖アンチセンス化合物は、標的核酸に相補的な領域を有する第1のオリゴマー化合物、及び第1のオリゴマー化合物に相補的な領域を有する第2のオリゴマー化合物を含む。そのような二本鎖アンチセンス化合物の第1のオリゴマー化合物は典型的に、修飾オリゴヌクレオチド、及び場合によってはコンジュゲート基を含む、又はそれからなる。そのような二本鎖アンチセンス化合物の第2のオリゴマー化合物のオリゴヌクレオチドは、修飾されていても非修飾であってもよい。二本鎖アンチセンス化合物のオリゴマー化合物のいずれか又は双方が、コンジュゲート基を含み得る。二本鎖アンチセンス化合物のオリゴマー化合物は、非相補的重複ヌクレオシドを含み得る。
【0301】
一本鎖化合物及び二本鎖化合物の例として、限定されるものではないが、オリゴヌクレオチド、siRNA、マイクロRNA標的化オリゴヌクレオチド、及び一本鎖RNAi化合物、例えば小分子ヘアピンRNA(shRNA)、一本鎖siRNA(ssRNA)、及びマイクロRNA模倣体が挙げられる。
【0302】
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、5’から3’の方向に記述した場合に、標的とする標的核酸の標的セグメントの逆相補配列を含む核酸塩基配列を有する。
【0303】
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、12~30個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、12~22個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、14~30個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、14~20個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、15~30個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、15~20個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、16~30個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、16~20個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、17~30個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、17~20個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、18~30個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、18~20個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、20~30個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。換言すれば、そのようなオリゴヌクレオチドは、それぞれ、12~30個の結合サブユニット、14~30個の結合サブユニット、14~20個のサブユニット、15~30個のサブユニット、15~20個のサブユニット、16~30個のサブユニット、16~20個のサブユニット、17~30個のサブユニット、17~20個のサブユニット、18~30個のサブユニット、18~20個のサブユニット、又は20~30個のサブユニット長である。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、14個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、16個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書中に記載されるa化合物は、17個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、18個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、19個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、20個の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。他の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、8~80、12~50、13~30、13~50、14~30、14~50、15~30、15~50、16~30、16~50、17~30、17~50、18~22、18~24、18~30、18~50、19~22、19~30、19~50、又は20~30個の結合サブユニットのオリゴヌクレオチドを含む。特定のそのような実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、若しくは30、又は上記の値のいずれか2つによって定義される範囲の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。一部の実施形態において、結合サブユニットは、ヌクレオチド、ヌクレオシド、又は核酸塩基である。
【0304】
特定の実施形態において、化合物はさらに、オリゴヌクレオチドに付着されている追加の特徴部又は要素、例えばコンジュゲート基を含み得る。特定の実施形態において、そのような化合物は、アンチセンス化合物である。特定の実施形態において、そのような化合物は、オリゴマー化合物である。コンジュゲート基がヌクレオシド(すなわち、コンジュゲート基をオリゴヌクレオチドに結合させるヌクレオシド)を含む実施形態において、コンジュゲート基のヌクレオシドは、オリゴヌクレオチドの長さにカウントされない。
【0305】
特定の実施形態において、化合物は、短縮又はトランケートされていてよい。例えば、単一サブユニットは、5’末端から欠失していてもよいし(5’トランケーション)、代わりに3’末端から欠失していてもよい(3’トランケーション)。HSD17B13核酸を標的とする短縮又はトランケート化合物は、化合物の5’末端から2つのサブユニットが欠失していてもよいし、代わりに3’末端から2つのサブユニットが欠失していてもよい。これ以外にも、欠失ヌクレオシドは、化合物の全体にわたって分散していてもよい。
【0306】
単一の付加サブユニットが延長化合物中に存在する場合、付加サブユニットは、化合物の5’末端又は3’末端に局在し得る。2つ以上の追加のサブユニットが存在する場合、追加されたサブユニットは、互いに隣接していてもよく、例えば、化合物中で2つのサブユニットが化合物の5’末端に加えられてもよいし(5’付加)、代わりに3’末端に加えられてもよい(3’付加)。これ以外にも、追加されたサブユニットは、化合物の全体にわたって分散していてもよい。
【0307】
活性を消失させることなく化合物、例えばオリゴヌクレオチドの長さを延長若しくは短縮し、且つ/又はミスマッチ塩基を導入することが可能である(Woolf et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1992,89:7305-7309;Gautschi et al.J.Natl.Cancer Inst.March 2001,93:463-471;Maher and Dolnick Nuc.Acid.Res.1998,16:3341-3358)。しかしながら、オリゴヌクレオチド配列、化学、及びモチーフ中の一見小さな変化が、臨床開発に必要とされる多くの特性の1つ以上の大きな差異をもたらし得る(Seth et al.J.Med.Chem.2009,52,10;Egli et al.J.Am.Chem.Soc.2011,133,16642)。
【0308】
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、干渉RNA化合物(RNAi)であり、二本鎖RNA化合物(短鎖干渉RNA又はsiRNAとも称される)及び一本鎖RNAi化合物(又はssRNA)が挙げられる。そのような化合物は、少なくとも部分的にRISC経路を介して機能して、標的核酸を分解且つ/又は分離(sequester)する(ゆえに、マイクロRNA/マイクロRNA模倣化合物が挙げられる)。本明細書中で用いられる用語siRNAは、配列特異的RNAiを媒介することができる核酸分子、例えば、短鎖干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、短鎖ヘアピンRNA(shRNA)、短鎖干渉オリゴヌクレオチド、短鎖干渉核酸、短鎖干渉修飾オリゴヌクレオチド、化学修飾siRNA、転写後遺伝子サイレンシングRNA(ptgsRNA)等を説明するのに用いられる他の用語に等しいことを意味する。また、本明細書中で用いられる用語「RNAi」は、配列特異的RNA干渉、例えば転写後遺伝子サイレンシング、翻訳阻害、又はエピジェネティクスを説明するのに用いられる他の用語に等しいことを意味する。
【0309】
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、本明細書中に記載されるHSD17B13を標的とするオリゴヌクレオチド配列のいずれかを含み得る。特定の実施形態において、化合物は、二本鎖であり得る。特定の実施形態において、化合物は、配列番号8~2035のいずれか1つの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個の連続核酸塩基部分を含む第1の鎖、及び第2の鎖を含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号8~2035のいずれか1つの核酸塩基配列を含む第1の鎖、及び第2の鎖を含む。特定の実施形態において、化合物は、第1の鎖が、配列番号8~2035のいずれか1つにおいて、チミン(T)の代わりにウラシル(U)を有するリボヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、(i)配列番号8~2035のいずれかが標的とするHSD17B13上の部位に相補的な核酸塩基配列を含む第1の鎖、及び(ii)第2の鎖を含む。特定の実施形態において、化合物は、糖の2’位がハロゲンを含有する(例えばフッ素基;2’-F)、又はアルコキシ基を含有する(例えばメトキシ基;2’-OMe)1つ以上の修飾ヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、少なくとも1つの2’-F糖修飾及び少なくとも1つの2’-OMe糖修飾を含む。特定の実施形態において、少なくとも1つの2’-F糖修飾及び少なくとも1つの2’-OMe糖修飾は、dsRNA化合物の鎖に沿って少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の連続核酸塩基について、交互のパターンで配置されている。特定の実施形態において、化合物は、天然に存在するホスホジエステル結合以外の1つ以上の結合を、隣接するヌクレオチド間に含む。そのような結合の例として、ホスホルアミド結合、ホスホロチオアート結合、及びホスホロジチオアート結合が挙げられる。化合物は、米国特許第6,673,661号明細書に教示されている、化学的に修飾された核酸分子であってもよい。他の実施形態において、化合物は、例えば、2000年4月19日出願の国際公開第00/63364号パンフレットによって開示されている1つ又は2つのキャップ鎖を含有する。
【0310】
特定の実施形態において、化合物の第1の鎖は、siRNAガイド鎖であり、そして化合物の第2の鎖は、siRNAパッセンジャ鎖である。特定の実施形態において、化合物の第2の鎖は、第1の鎖に相補的である。特定の実施形態において、化合物の各鎖は、16、17、18、19、20、21、22、又は23個の結合ヌクレオシド長である。特定の実施形態において、化合物の第1の鎖又は第2の鎖は、コンジュゲート基を含んでもよい。
【0311】
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、本明細書中に記載されるHSD17B13を標的とするオリゴヌクレオチド配列のいずれかを含み得る。特定の実施形態において、化合物は、一本鎖である。特定の実施形態において、そのような化合物は、一本鎖RNAi(ssRNAi)化合物である。特定の実施形態において、化合物は、配列番号8~2035のいずれか1つの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、又は16個の連続核酸塩基部分を含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号8~2035のいずれか1つの核酸塩基配列を含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号8~2035のいずれか1つにおいて、ウラシル(U)がチミン(T)の代わりであるリボヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、配列番号8~2035のいずれかが標的とするHSD17B13上の部位に相補的な核酸塩基配列を含む。特定の実施形態において、化合物は、糖中の2’位がハロゲン(例えばフッ素基;2’-F)を含有する、又はアルコキシ基(例えばメトキシ基;2’-OMe)を含有する1つ以上の修飾ヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、少なくとも1つの2’-F糖修飾及び少なくとも1つの2’-OMe糖修飾を含む。特定の実施形態において、少なくとも1つの2’-F糖修飾及び少なくとも1つの2’-OMe糖修飾は、化合物の鎖に沿って少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の連続核酸塩基について、交互のパターンで配置されている。特定の実施形態において、化合物は、天然に存在するホスホジエステル結合以外の1つ以上の結合を、隣接するヌクレオチド間に含む。そのような結合の例として、ホスホルアミド結合、ホスホロチオアート結合、及びホスホロジチオアート結合が挙げられる。化合物は、米国特許第6,673,661号明細書に教示されている、化学的に修飾された核酸分子であってもよい。他の実施形態において、化合物は、例えば、2000年4月19日出願の国際公開第00/63364号パンフレットによって開示されているキャップ鎖を含有する。特定の実施形態において、化合物は、16、17、18、19、20、21、22、又は23個の結合ヌクレオシドからなる。特定の実施形態において、化合物は、コンジュゲート基を含み得る。
【0312】
特定の機序
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含む、又はそれからなる。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、アンチセンス化合物である。特定の実施形態において、化合物は、オリゴマー化合物を含む。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、標的核酸にハイブリダイズして、少なくとも1つのアンチセンス活性をもたらすことができる。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、1つ以上の標的核酸に選択的に影響する。そのような化合物は、1つ以上の標的核酸にハイブリダイズして、1つ以上の所望のアンチセンス活性をもたらし、1つ以上の非標的核酸にハイブリダイズもしないし、1つ以上の非標的核酸にハイブリダイズして、顕著に不所望なアンチセンス活性をもたらしもしない核酸塩基配列を含む。
【0313】
特定のアンチセンス活性において、本明細書中に記載される化合物の、標的核酸へのハイブリダイゼーションは、標的核酸を開裂させるタンパク質のリクルートメントをもたらす。例えば、本明細書中に記載される特定の化合物は、標的核酸のRNアーゼH媒介開裂をもたらす。RNアーゼHは、RNA:DNA二重鎖のRNA鎖を開裂させる細胞エンドヌクレアーゼである。そのようなRNA:DNA二重鎖中のDNAは、非修飾DNAである必要はない。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、RNアーゼH活性を誘発するのに十分に「DNA様」である。さらに、特定の実施形態において、ギャップマーのギャップ内で、1つ以上の非DNA様ヌクレオシドが忍容される。
【0314】
特定のアンチセンス活性において、本明細書中に記載される化合物又は化合物の一部が、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)中にロードされて、最終的に標的核酸の開裂をもたらす。例えば、本明細書中に記載される特定の化合物は、Argonauteによる標的核酸の開裂をもたらす。RISC中にロードされる化合物は、RNAi化合物である。RNAi化合物は、二本鎖(siRNA)であっても一本鎖(ssRNA)であってもよい。
【0315】
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物の、標的核酸へのハイブリダイゼーションは、標的核酸を開裂するタンパク質のリクルートメントをもたらさない。特定のそのような実施形態において、標的核酸への化合物のハイブリダイゼーションは、標的核酸のスプライシングの改変をもたらす。特定の実施形態において、標的核酸への化合物のハイブリダイゼーションは、標的核酸とタンパク質又は他の核酸との結合相互作用の阻害をもたらす。特定のそのような実施形態において、標的核酸への化合物のハイブリダイゼーションは、標的核酸の翻訳の改変をもたらす。
【0316】
アンチセンス活性を、直接的又は間接的に観察することができる。特定の実施形態において、アンチセンス活性の観察又は検出は、標的核酸、若しくはそのような標的核酸によってコードされるタンパク質の量の変化、核酸若しくはタンパク質のスプライスバリアントの比の変化、及び/又は細胞若しくは動物における表現型変化の観察又は検出を含む。
【0317】
標的核酸、標的領域、及びヌクレオチド配列
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、標的核酸に相補的な領域を含むオリゴヌクレオチドを含む、又はそれからなる。特定の実施形態において、標的核酸は、内因性RNA分子である。特定の実施形態において、標的核酸は、タンパク質をコードする。特定のそのような実施形態において、標的核酸は、イントロン、エクソン、及び非翻訳領域を含むmRNA及びプレmRNAから選択される。特定の実施形態において、標的RNAは、mRNAである。特定の実施形態において、標的核酸は、プレmRNAである。特定のそのような実施形態において、標的領域は、完全にイントロン内に存在する。特定の実施形態において、標的領域は、イントロン/エクソンジャンクションに跨る。特定の実施形態において、標的領域は、イントロン内に少なくとも50%存在する。
【0318】
HSD17B13をコードするヌクレオチド配列として、以下に限定されないが:RefSeq又はGENBANK登録番号NM_178135.4(参照によって組み込まれ、配列番号1として本明細書中で開示される)、ヌクレオチド87301001~87326000からトランケートされたGENBANK登録番号NC_000004.12の相補体(参照によって組み込まれ、配列番号2として本明細書中で開示される)、配列番号3として記載される配列、又はGENBANK登録番号NM_001136230.2(参照によって組み込まれ、配列番号4として本明細書中で開示される)が挙げられる。
【0319】
ハイブリダイゼーション
一部の実施形態において、ハイブリダイゼーションが、本明細書中で開示される化合物と、HSD17B13核酸との間で生じる。ハイブリダイゼーションの最も一般的な機序は、核酸分子の相補的核酸塩基間の水素結合(例えば、ワトソン・クリック、フーグスティーン、又は逆フーグスティーン型水素結合)を含む。
【0320】
ハイブリダイゼーションが、様々な条件下で生じ得る。ハイブリダイゼーション条件は、配列依存的であり、そしてハイブリダイズされることとなる核酸分子の性質及び組成によって決定される。
【0321】
配列が標的核酸に特異的にハイブリダイズ可能かを判定する方法が、当分野において周知である。特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物は、HSD17B13核酸と特異的にハイブリダイズ可能である。
【0322】
相補性
オリゴヌクレオチドは、当該オリゴヌクレオチド又はその1つ以上の領域の核酸塩基配列が、別のオリゴヌクレオチド若しくは核酸又はその1つ以上の領域の核酸塩基配列に、これらの2つの核酸塩基配列が相対する方向にアラインされた場合にマッチする場合、別の核酸に相補的であると言われる。本明細書中に記載される核酸塩基マッチ又は相補的核酸塩基は、特に明記しない限り、以下の対:アデニン(A)とチミン(T)、アデニン(A)とウラシル(U)、シトシン(C)とグアニン(G)、及び5-メチルシトシン(mC)とグアニン(G)に限定される。相補的オリゴヌクレオチド及び/又は核酸は、各ヌクレオシドにて核酸塩基相補性を有する必要はなく、1つ以上の核酸塩基ミスマッチを含んでもよい。オリゴヌクレオチドは、当該オリゴヌクレオチドが、各ヌクレオシドにて、核酸塩基マッチを、いかなる核酸塩基ミスマッチもなく有する場合、完全に相補的又は100%相補的である。
【0323】
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含む、又はそれからなる。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、アンチセンス化合物である。特定の実施形態において、化合物は、オリゴマー化合物を含む。化合物とHSD17B13核酸との間の非相補的核酸塩基は、化合物が標的核酸に特異的にハイブリダイズすることができるままである場合に限り、忍容され得る。さらに、化合物は、介在セグメント又は隣接セグメントが、ハイブリダイゼーション事象に関与しない(例えば、ループ構造、ミスマッチ、又はヘアピン構造)ように、HSD17B13核酸の1つ以上のセグメントにわたってハイブリダイズし得る。
【0324】
特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物又はその特定の部分は、HSD17B13核酸、標的領域、標的セグメント、又はそれらの特定の部分に少なくとも70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%相補的であり、又は最大70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%相補的である。特定の実施形態において、本明細書中で提供される化合物又はその特定の部分は、HSD17B13核酸、標的領域、標的セグメント、又はそれらの特定の部分に70%~75%、75%~80%、80%~85%、85%~90%、90%~95%、95%~100%、又はこれらの範囲間のあらゆる数値で相補的である。標的核酸との化合物の相補性パーセントは、ルーチンの方法を用いて求めることができる。
【0325】
例えば、化合物の20個の核酸塩基のうちの18個が標的領域に相補的であることで、特異的にハイブリダイズすることとなる化合物は、90パーセントの相補性を表すこととなる。この例では、残りの非相補的核酸塩基は、クラスター化されていても、相補的核酸塩基が散在していてもよく、互いに、又は相補的核酸塩基に連続する必要はない。したがって、標的核酸と完全に相補的な2つの領域に隣接する4つの非相補的核酸塩基を有する18個の核酸塩基長の化合物は、標的核酸と全体的に77.8%の相補性を有することとなる。標的核酸の領域との化合物の相補性パーセントを、当分野において既知であるBLASTプログラム(basic local alignment search tool)及びPowerBLASTプログラム(Altschul et al.,J.Mol. Biol.,1990,215,403 410;Zhang and Madden,Genome Res.,1997,7,649 656)をルーチン的に用いて求めることができる。相同性パーセント、配列同一性、又は相補性は、例えば、Smith及びWatermanのアルゴリズム(Adv. Appl. Math.,1981,2,482 489)を使用するGapプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,University Research Park,Madison Wis.)のデフォルト設定を用いて求めることができる。
【0326】
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物又はその特定の部分は、標的核酸又はその特定の部分に完全に相補的(すなわち100%相補的)である。例えば、化合物は、HSD17B13核酸、又はその標的領域、標的セグメント、若しくは標的配列に完全に相補的であり得る。本明細書中で用いられる「完全に相補的」は、化合物の各核酸塩基が、標的核酸の対応する核酸塩基に相補的であることを意味する。例えば、20個の核酸塩基の化合物は、当該化合物に完全に相補的である標的核酸の対応する20個の核酸塩基の部分が存在する限り、400個の核酸塩基長である標的配列に完全に相補的である。また、「完全に相補的」を、第1の核酸及び/又は第2の核酸の特定の部分に関して使用することもできる。例えば、30個の核酸塩基の化合物の20個の核酸塩基の部分は、400個の核酸塩基長の標的配列に「完全に相補的」であり得る。30個の核酸塩基の化合物の20個の核酸塩基の部分は、標的配列が、各核酸塩基が化合物の20個の核酸塩基の部分に相補的である対応する20個の核酸塩基の部分を有するならば、標的配列に完全に相補的である。同時に、30個の核酸塩基の化合物全体は、標的配列に完全に相補的であってもなくてもよく、これは、化合物の残りの10個の核酸塩基もまた標的配列に相補的であるかによって決まる。
【0327】
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、標的核酸に対する1つ以上のミスマッチ核酸塩基を含む。特定のそのような実施形態において、標的に対するアンチセンス活性は、そのようなミスマッチによって引き下げられるが、非標的に対する活性の方がより引き下げられる。ゆえに、特定のそのような実施形態において、化合物の選択性が向上する。特定の実施形態において、ミスマッチは、ギャップマーモチーフを有するオリゴヌクレオチド内に特に位置する。特定のそのような実施形態において、ミスマッチは、ギャップ領域の5’末端から1、2、3、4、5、6、7、又は8位に存在する。特定のそのような実施形態において、ミスマッチは、ギャップ領域の3’末端から9、8、7、6、5、4、3、2、1位に存在する。特定のそのような実施形態において、ミスマッチは、ウイング領域の5’末端から1、2、3、又は4位に存在する。特定のそのような実施形態において、ミスマッチは、ウイング領域の3’末端から4、3、2、又は1位に存在する。特定の実施形態において、ミスマッチは、ギャップマーモチーフを有さないオリゴヌクレオチド内に特に位置する。特定のそのような実施形態において、ミスマッチは、オリゴヌクレオチドの5’末端から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12位に存在する。特定のそのような実施形態において、ミスマッチは、オリゴヌクレオチドの3’末端から2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12位に存在する。
【0328】
非相補的核酸塩基の局在は、化合物の5’末端に存在しても3’末端に存在してもよい。これ以外にも、1個以上の非相補的核酸塩基が、化合物の内部位置に存在してもよい。2個以上の非相補的核酸塩基が存在する場合、それらは、連続的(すなわち、結合している)であっても非連続的であってもよい。一実施形態において、非相補的核酸塩基は、ギャップマーオリゴヌクレオチドのウイングセグメント内に局在する。
【0329】
特定の実施形態において、11、12、13、14、15、16、17、18、19、若しくは20個の核酸塩基長であり、又は最大11、12、13、14、15、16、17、18、19、若しくは20個の核酸塩基長である、本明細書中に記載される化合物は、標的核酸、例えば、HSD17B13核酸、又はその特定の部分に対して4個以下、3個以下、2個以下、又は1個以下の非相補的核酸塩基を含む。
【0330】
特定の実施形態において、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、若しくは30個の核酸塩基長であり、又は最大11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、若しくは30個の核酸塩基長である、本明細書中に記載される化合物は、標的核酸、例えば、HSD17B13核酸、又はその特定の部分に対して6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、又は1個以下の非相補的核酸塩基を含む。
【0331】
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物として、標的核酸の一部と相補的である化合物も挙げられる。本明細書中で用いられる「部分」は、標的核酸の領域又はセグメント内の規定数の連続(すなわち、結合している)核酸塩基に言及する。「部分」は、化合物の規定数の連続核酸塩基にも言及し得る。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも8個の核酸塩基の部分に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも9個の核酸塩基の部分に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも10個の核酸塩基の部分に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも11個の核酸塩基の部分に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも12個の核酸塩基の部分に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも13個の核酸塩基の部分に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも14個の核酸塩基の部分に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも15個の核酸塩基の部分に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、標的セグメントの少なくとも16個の核酸塩基の部分に相補的である。また、標的セグメントの少なくとも9、10、17、18、19、20個、若しくはそれを超える核酸塩基の部分、又はこれらの値のいずれか2つによって定義される範囲に相補的な化合物も企図される。
【0332】
同一性
本明細書中で提供される化合物は、特定のヌクレオチド配列、配列番号、若しくは指定されるION番号によって表される化合物、又はそれらの一部に対する同一性パーセントが定義され得る。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、修飾オリゴヌクレオチドである。本明細書中で用いられる化合物は、同じ核酸塩基対形成能力を有するならば、本明細書中で開示される配列と同一である。例えば、開示されるDNA配列においてチミジンの代わりにウラシルを含有するRNAは、ウラシル及びチミジンが双方ともアデニンと対形成するため、DNA配列と同一であるとみなされることとなる。本明細書中に記載される化合物の短縮バージョン及び延長バージョン、並びに本明細書中で提供される化合物に対して非同一の塩基を有する化合物も企図される。非同一塩基は、互いに隣接していてもよいし、化合物の全体にわたって分散されていてもよい。化合物の同一性パーセントは、比較されることとなる配列に対する塩基対形成が同一である塩基の数に従って算出される。
【0333】
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物又はその一部は、本明細書中で開示される化合物若しくは配列番号、又はそれらの一部の1つ以上と70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%同一であり、又は少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%同一である。特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、特定のヌクレオチド配列、配列番号、若しくは具体的なION番号によって表される化合物、又はその部分に対して約70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%、又はそのような値間のあらゆるパーセンテージだけ同一であり、当該化合物は、1つ以上のミスマッチ核酸塩基を有するオリゴヌクレオチドを含む。特定のそのような実施形態において、ミスマッチは、オリゴヌクレオチドの5’末端から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12位に存在する。特定のそのような実施形態において、ミスマッチは、オリゴヌクレオチドの3’末端から2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12位に存在する。
【0334】
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、アンチセンス化合物を含む、又はそれからなる。特定の実施形態において、アンチセンス化合物の一部が、標的核酸の等しい長さの部分と比較される。特定の実施形態において、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25個の核酸塩基の部分が、標的核酸の等しい長さの部分と比較される。
【0335】
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、オリゴヌクレオチドを含む、又はそれからなる。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドの一部が、標的核酸の等しい長さの部分と比較される。特定の実施形態において、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25個の核酸塩基の部分が、標的核酸の等しい長さの部分と比較される。
【0336】
特定の修飾化合物
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、結合ヌクレオシドからなるオリゴヌクレオチドを含む、又はそれからなる。オリゴヌクレオチドは、非修飾オリゴヌクレオチド(RNA又はDNA)であっても、修飾オリゴヌクレオチドであってもよい。修飾オリゴヌクレオチドは、非修飾RNA又はDNAに対して少なくとも1つの修飾を含む(すなわち、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド(修飾糖部分及び/又は修飾核酸塩基を含む)及び/又は少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合を含む)。
【0337】
A.修飾ヌクレオシド
修飾ヌクレオシドは、修飾糖部分若しくは修飾核酸塩基、又は修飾糖部分及び修飾核酸塩基の双方を含む。
【0338】
1.修飾糖部分
特定の実施形態において、糖部分は、非二環式修飾糖部分である。特定の実施形態において、修飾糖部分は、二環式糖部分又は三環式糖部分である。特定の実施形態において、修飾糖部分は、糖代用物である。そのような糖代用物は、修飾糖部分の他のタイプの置換に相当する1つ以上の置換を含んでもよい。
【0339】
特定の実施形態において、修飾糖部分は、1つ以上の非環式置換基(限定されるものではないが、2’、4’、及び/又は5’位の置換基が挙げられる)を含む非二環式修飾フラノシル糖部分である。特定の実施形態において、フラノシル糖部分は、リボシル糖部分である。特定の実施形態において、非二環式修飾糖部分の1つ以上の非環式置換基は、分枝鎖である。非二環式修飾糖部分に適した2’-置換基の例として、以下に限定されないが:2’-F、2’-OCH3(「OMe」又は「O-メチル」)、及び2’-O(CH2)2OCH3(「MOE」)が挙げられる。特定の実施形態において、2’-置換基は、以下から選択される:ハロ、アリル、アミノ、アジド、SH、CN、OCN、CF3、OCF3、O-C1~C10アルコキシ、O-C1~C10置換アルコキシ、O-C1~C10アルキル、O-C1~C10置換アルキル、S-アルキル、N(Rm)-アルキル、O-アルケニル、S-アルケニル、N(Rm)-アルケニル、O-アルキニル、S-アルキニル、N(Rm)-アルキニル、O-アルキレニル-O-アルキル、アルキニル、アルカリル、アラルキル、O-アルカリル、O-アラルキル、O(CH2)2SCH3、O(CH2)2ON(Rm)(Rn)、又はOCH2C(=O)-N(Rm)(Rn)(Rm及びRnは、それぞれ独立して、H、アミノ保護基、又は置換された、若しくは非置換のC1~C10アルキル、並びにCookらの米国特許第6,531,584号明細書;Cookらの米国特許第5,859,221号明細書;及びCookらの米国特許第6,005,087号明細書に記載されている2’-置換基である)。これらの2’-置換基の特定の実施形態はさらに、以下から独立して選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい:ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ(NO2)、チオール、チオアルコキシ、チオアルキル、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル、及びアルキニル。直鎖非二環式修飾糖部分に適した4’-置換基の例として、以下に限定されるものではないが、アルコキシ(例えばメトキシ)、アルキル、及びManoharanらの国際公開第2015/106128号パンフレットに記載されるものが挙げられる。非二環式修飾糖部分に適した5’-置換基の例として、以下に限定されないが:5’-メチル(R又はS)、5’-ビニル、及び5’-メトキシが挙げられる。特定の実施形態において、非二環式修飾糖は、複数の非架橋糖置換基、例えば、2’-F-5’-メチル糖部分、並びにMigawaらの国際公開第2008/101157号パンフレット及びRajeevらの米国特許出願公開第2013/0203836号明細書に記載される修飾糖部分及び修飾ヌクレオシドを含む。
【0340】
特定の実施形態において、2’-置換ヌクレオシド又は2’-非二環式修飾ヌクレオシドは、以下から選択される直鎖状の2’-置換基を含む糖部分を含む:F、NH2、N3、OCF3、OCH3、O(CH2)3NH2、CH2CH=CH2、OCH2CH=CH2、OCH2CH2OCH3、O(CH2)2SCH3、O(CH2)2ON(Rm)(Rn)、O(CH2)2O(CH2)2N(CH3)2、及びN置換アセトアミド(OCH2C(=O)-N(Rm)(Rn))(Rm及びRnは、それぞれ独立して、H、アミノ保護基、又は置換されている、若しくは非置換のC1~C10アルキルである)。
【0341】
特定の実施形態において、2’-置換ヌクレオシド又は2’-非二環式修飾ヌクレオシドは、以下から選択される直鎖状の2’-置換基を含む糖部分を含む:F、OCF3、OCH3、OCH2CH2OCH3、O(CH2)2SCH3、O(CH2)2ON(CH3)2、O(CH2)2O(CH2)2N(CH3)2、及びOCH2C(=O)-N(H)CH3(「NMA」)。
【0342】
特定の実施形態において、2’-置換ヌクレオシド又は2’-非二環式修飾ヌクレオシドは、以下から選択される直鎖状の2’-置換基を含む糖部分を含む:F、OCH3、及びOCH2CH2OCH3。
【0343】
修飾糖部分、例えば、非二環式修飾糖部分を含むヌクレオシドは、ヌクレオシドの糖部分上の置換の位置によって称される。例えば、2’-置換糖部分又は2-修飾糖部分を含むヌクレオシドは、2’-置換ヌクレオシド又は2-修飾ヌクレオシドと称される。
【0344】
特定の修飾糖部分は、第2の環を形成して二環式糖部分をもたらす架橋糖置換基を含む。特定のそのような実施形態において、二環式糖部分は、4’フラノース環原子と2’フラノース環原子間の架橋を含む。特定のそのような実施形態において、フラノース環は、リボース環である。そのような4’-2’架橋糖置換基の例として、以下に限定されないが:4’-CH2-2’、4’-(CH2)2-2’、4’-(CH2)3-2’、4’-CH2-O-2’(「LNA」)、4’-CH2-S-2’、4’-(CH2)2-O-2’(「ENA」)、4’-CH(CH3)-O-2’(S立体配置である場合、「拘束エチル」又は「cEt」と称される)、4’-CH2-O-CH2-2’、4’-CH2-N(R)-2’、4’-CH(CH2OCH3)-O-2’(「拘束MOE」又は「cMOE」)、及びそれらの類似体(例えば、Sethらの米国特許第7,399,845号明細書、Bhatらの米国特許第7,569,686号明細書、Swayzeらの米国特許第7,741,457号明細書、及びSwayzeらの米国特許第8,022,193号明細書参照)、4’-C(CH3)(CH3)-O-2’及びその類似体(例えば、Sethらの米国特許第8,278,283号明細書参照)、4’-CH2-N(OCH3)-2’及びその類似体(例えば、Prakashらの米国特許第8,278,425号明細書参照)、4’-CH2-O-N(CH3)-2’(例えば、Allersonらの米国特許第7,696,345号明細書及びAllersonらの米国特許第8,124,745号明細書参照)、4’-CH2-C(H)(CH3)-2’(例えば、ZhouらのJ.Org.Chem.,2009,74,118-134参照)、4’-CH2-C(=CH2)-2’、及びその類似体(例えば、Sethらの米国特許第8,278,426号明細書参照)、4’C(RaRb)-N(R)-O-2’、4’-C(RaRb)-O-N(R)-2’、4’-CH2-O-N(R)-2’、及び4’-CH2-N(R)-O-2’(R、Ra、及びRbは、それぞれ独立して、H、保護基、又はC1~C12アルキルである(例えば、Imanishiらの米国特許第7,427,672号明細書参照))。
【0345】
特定の実施形態において、そのような4’-2’架橋は、独立して、以下から独立して選択される1~4個の結合基を含む:-[C(Ra)(Rb)]n-、-[C(Ra)(Rb)]n-O-、C(Ra)=C(Rb)-、C(Ra)=N-、C(=NRa)-、-C(=O)-、-C(=S)-、-O-、-Si(Ra)2-、-S(=O)x-、及びN(Ra)-;
式中:
xは、0、1、又は2であり;
nは、1、2、3、又は4であり;
Ra及びRbは、それぞれ独立して、H、保護基、ヒドロキシル、C1~C12アルキル、置換C1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、置換C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、置換C2~C12アルキニル、C5~C20アリール、置換C5~C20アリール、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C5~C7脂環式基、置換C5~C7脂環式基、ハロゲン、OJ1、NJ1J2、SJ1、N3、COOJ1、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)2-J1)、又はスルホキシル(S(=O)-J1)であり;J1及びJ2は、それぞれ独立して、H、C1~C12アルキル、置換C1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、置換C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、置換C2~C12アルキニル、C5~C20アリール、置換C5~C20アリール、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、複素環基、置換複素環基、C1~C12アミノアルキル、置換C1~C12アミノアルキル、又は保護基である)。
【0346】
追加の二環式糖部分が、当分野において既知であり、例えば、以下を参照されたい:Freier et al.,Nucleic Acids Research,1997,25(22),4429-4443、Albaek et al.,J.Org.Chem.,2006,71,7731-7740、Singh et al.,Chem. Commun.,1998,4,455-456;Koshkin et al.,Tetrahedron,1998,54,3607-3630;Wahlestedt et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,2000,97,5633-5638;Kumar et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2219-2222;Singh et al.,J.Org.Chem.,1998,63,10035-10039;Srivastava et al.,J.Am.Chem.Soc.,2007,129,8362-8379;Elayadi et al.,Curr.Opinion Invens.Drugs,2001,2,558-561;Braasch et al.,Chem.Biol.,2001,8,1-7; Orum et al.,Curr.Opinion Mol.Ther.,2001,3,239-243;Wengelらの米国特許第7,053,207号明細書、Imanishiらの米国特許第6,268,490号明細書、Imanishiらの米国特許第6,770,748号明細書、ImanishiらのU.S.RE44,779;Wengelらの米国特許第6,794,499号明細書、Wengelらの米国特許第6,670,461号明細書;Wengelらの米国特許第7,034,133号明細書、Wengelらの米国特許第8,080,644号明細書;Wengelらの米国特許第8,034,909号明細書;Wengelらの米国特許第8,153,365号明細書;Wengelらの米国特許第7,572,582号明細書;及びRamasamyらの米国特許第6,525,191号明細書、Torstenらの国際公開第2004/106356号パンフレット、Wengelらの国際公開第1999/014226号パンフレット;Sethらの国際公開第2007/134181号パンフレット;Sethらの米国特許第7,547,684号明細書;Sethらの米国特許第7,666,854号明細書;Sethらの米国特許第8,088,746号明細書;Sethらの米国特許第7,750,131号明細書;Sethらの米国特許第8,030,467号明細書;Sethらの米国特許第8,268,980号明細書;Sethらの米国特許第8,546,556号明細書;Sethらの米国特許第8,530,640号明細書;Migawaらの米国特許第9,012,421号明細書;Sethらの米国特許第8,501,805号明細書;Allersonらの米国特許出願公開第2008/0039618号明細書;並びにMigawaらの米国特許出願公開第2015/0191727号明細書。
【0347】
特定の実施形態において、二環式糖部分及びそのような二環式糖部分を組み込んでいるヌクレオシドがさらに、異性体立体配置によって定義される。例えば、LNAヌクレオシド(本明細書中に記載)は、α-L立体配置又はβ-D立体配置であり得る。
【化55】
α-L-メチレンオキシ(4’-CH2-O-2’)又はα-L-LNA二環式ヌクレオシドが、アンチセンス活性を示したオリゴヌクレオチド中に組み込まれてきた(Frieden et al.,Nucleic Acids Research,2003,21,6365-6372)。本明細書において、二環式ヌクレオシドの一般的な記載には、双方の異性体立体配置が含まれる。具体的な二環式ヌクレオシド(例えば、LNA又はcEt)の位置が、本明細書中の例示的な実施形態において特定される場合、当該位置は、別途明記しない限り、β-D立体配置にある。
【0348】
特定の実施形態において、修飾糖部分は、1つ以上の非架橋糖置換基及び1つ以上の架橋糖置換基(例えば、5’-置換及び4’-2’架橋糖)を含む。
【0349】
特定の実施形態において、修飾糖部分は、糖代用物である。特定のそのような実施形態において、糖部分の酸素原子は、例えば、硫黄原子、炭原子、又は窒素原子で置換されている。特定のそのような実施形態において、そのような修飾糖部分はまた、本明細書中に記載される架橋及び/又は非架橋置換基を含む。例えば、特定の糖代用物は、4’硫黄原子、並びに2’位(例えば、Bhatらの米国特許第7,875,733号明細書及びBhatらの米国特許第7,939,677号明細書参照)及び/又は5’位での置換を含む。
【0350】
特定の実施形態において、糖代用物は、5原子以外の環を含む。例えば、特定の実施形態において、糖代用物は、6員テトラヒドロピラン(「THP」)を含む。そのようなテトラヒドロピランは、さらに修飾又は置換されていてもよい。そのような修飾テトラヒドロピランを含むヌクレオシドとして、以下に限定されないが、ヘキシトール核酸(「HNA」)、アニトール(anitol)核酸(「ANA」)、マニトール(manitol)核酸(「MNA」)(例えば、Leumann,CJ.Bioorg.& Med.Chem.2002,10,841-854参照)、フルオロHNA:
【化56】
(「F-HNA」、例えば、Swayzeらの米国特許第8,088,904号明細書;Swayzeらの米国特許第8,440,803号明細書;及びSwayzeらの米国特許第9,005,906号明細書参照、F-HNAは、F-THP又は3’-フルオロテトラヒドロピランと称することもできる)、及び式:
【化57】
を有する追加の修飾THP化合物を含むヌクレオシド(式中、前記修飾THPヌクレオシドのそれぞれについて、独立して、
Bxは、核酸塩基部分であり;
T3及びT4は、それぞれ独立して、修飾THPヌクレオシドを、オリゴヌクレオチドの残部に結合させるヌクレオシド間結合基であり、或いはT3及びT4の一方が、修飾THPヌクレオシドを、オリゴヌクレオチドの残部に結合させるヌクレオシド間結合基であり、且つT3及びT4の他方が、H、ヒドロキシル保護基、結合コンジュゲート基、又は5’若しくは3’-末端基であり;q1、q2、q3、q4、q5、q6、及びq7は、それぞれ独立して、H、C1~C6アルキル、置換C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、置換C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、又は置換C2~C6アルキニルであり;そしてR1及びR2は、それぞれ独立して、以下から選択される:水素、ハロゲン、置換又は非置換アルコキシ、NJ1J2、SJ1、N3、OC(=X)J1、OC(=X)NJ1J2、NJ3C(=X)NJ1J2、及びCN(式中、Xは、O、S、又はNJ1であり、J1、J2、及びJ3は、それぞれ独立して、H又はC1~C6アルキルである)。
【0351】
特定の実施形態において、修飾THPヌクレオシドが提供され、q1、q2、q3、q4、q5、q6、及びq7は、それぞれHである。特定の実施形態において、q1、q2、q3、q4、q5、q6、及びq7の少なくとも1つが、H以外である。特定の実施形態において、q1、q2、q3、q4、q5、q6、及びq7の少なくとも1つが、メチルである。特定の実施形態において、修飾THPヌクレオシドが提供され、R1及びR2の一方がFである。特定の実施形態において、R1はFであり、且つR2はHであり、特定の実施形態において、R1はメトキシであり、且つR2はHであり、そして特定の実施形態において、R1はメトキシエトキシであり、且つR2はHである。
【0352】
特定の実施形態において、糖代用物は、6つ以上の原子及び2つ以上のヘテロ原子を有する環を含む。例えば、モルフォリノ糖部分を含むヌクレオシド、及びその、オリゴヌクレオチドでの使用が報告されている(例えば、Braasch et al.,Biochemistry,2002,41,4503-4510、並びにSummertonらの米国特許第5,698,685号明細書;Summertonらの米国特許第5,166,315号明細書;Summertonらの米国特許第5,185,444号明細書;及びSummertonらの米国特許第5,034,506号明細書参照)。本明細書中で用いられる用語「モルフォリノ」は、以下の構造:
【化58】
を有する糖代用物を意味する。
【0353】
特定の実施形態において、モルフォリノは、例えば、種々の置換基を先のモルフォリノ構造に付加する、又は先のモルフォリノ構造から変更することによって修飾されていてもよい。そのような糖代用物は、本明細書中で、「修飾モルフォリノ」と称される。
【0354】
特定の実施形態において、糖代用物は、非環式部分を含む。そのような非環式糖代用物を含むヌクレオシド及びオリゴヌクレオチドの例として、以下に限定されないが:ペプチド核酸(「PNA」)、非環式ブチル核酸(例えば、Kumar et al.,Org.Biomol.Chem.,2013,11,5853-5865参照)、並びにManoharanらの米国特許出願公開第2013/130378号明細書に記載されるヌクレオシド及びオリゴヌクレオチドが挙げられる。
【0355】
修飾ヌクレオシドに使用され得る、多くの他の二環式及び三環式の糖及び糖代用物環系が、当分野において既知である。
【0356】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、2’-OMe修飾ヌクレオシドを、cEtギャップマーのギャップ中に含む。特定の実施形態において、2’-OMe修飾ヌクレオシドは、ギャップの位置2又は位置3に存在する。特定の実施形態において、2’-OMe修飾ヌクレオシドは、ギャップの位置2に存在する。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、糖モチーフkkkdmddddddddkkkを有し、式中、各kは、cEtヌクレオシドを表し、各dは、2’-β-D-デオキシリボシルヌクレオシドを表し、そして各mは、2’-OMe糖部分を含むヌクレオシド(「2’-OMeヌクレオシド」)を表す。
【0357】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、式A-B-Cを有し、式中、Aは、5’-領域であり、Bは、中央の領域であり、そしてCは、3’-領域である。特定の実施形態において、A及びCはそれぞれ、1~5個の結合ヌクレオシドからなり、そしてBは、7~11個の結合ヌクレオシドからなる。特定の実施形態において、A及びCは、3つの結合cEtヌクレオシドからなる。特定の実施形態において、中央の領域の第2のヌクレオシドは、2’-OMe修飾糖部分を含み、そして残りの中央の各領域ヌクレオシドは、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む。
【0358】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、1つ以上の位置にて中性の(neutral)ホスホナート結合を含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、1つ以上の位置にてメトキシプロピルホスホナート結合を含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの糖モチーフは、ギャップマーであり、そしてヌクレオシド間結合のモチーフは、少なくとも1つのメトキシプロピルホスホナート結合をギャップ中に含む。特定の実施形態において、メトキシプロピルホスホナート結合は、ギャップ中の2番目のヌクレオシドと3番目のヌクレオシドとの間に存在する。特定の実施形態において、メトキシプロピルホスホナート結合は、ギャップ中の3番目のヌクレオシドと4番目のヌクレオシドとの間に存在する。
【0359】
2.修飾核酸塩基
核酸塩基(又は塩基)の修飾又は置換は、天然に存在する核酸塩基又は合成非修飾核酸塩基と構造的に識別可能であるが、天然に存在する核酸塩基又は合成非修飾核酸塩基と機能的に交換可能である。天然核酸塩基及び修飾核酸塩基は双方とも、水素結合に関与することができる。そのような核酸塩基修飾は、ヌクレアーゼ安定性、結合親和性、又は他の何らかの有益な生物学的特性をアンチセンス化合物に付与し得る。
【0360】
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、非修飾核酸塩基を含む1つ以上のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基を含む1つ以上のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、脱塩基ヌクレオシドと称される、核酸塩基を含まない1つ以上のヌクレオシドを含む。
【0361】
特定の実施形態において、修飾核酸塩基は:5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン、アルキル又はアルキニル置換ピリミジン、アルキル置換プリン、並びにN-2、N-6、及びO-6置換プリンから選択される。特定の実施形態において、修飾核酸塩基は:2-アミノプロピルアデニン、5-ヒドロキシメチルシトシン、5-メチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、6-N-メチルグアニン、6-N-メチルアデニン、2-プロピルアデニン、2-チオウラシル、2-チオチミン及び2-チオシトシン、5-プロピニル(C≡C-CH3)ウラシル、5-プロピニルシトシン、6-アゾウラシル、6-アゾシトシン、6-アゾチミン、5-リボシルウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル、8-アザ及び他の8-置換プリン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチル、5-ハロウラシル、及び5-ハロシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、2-F-アデニン、2-アミノアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン、3-デアザアデニン、6-N-ベンゾイルアデニン、2-N-イソブチリルグアニン、4-N-ベンゾイルシトシン、4-N-ベンゾイルウラシル、5-メチル4-N-ベンゾイルシトシン、5-メチル4-N-ベンゾイルウラシル、ユニバーサル塩基、疎水性塩基、プロミスキャス塩基、サイズ拡張塩基、並びにフッ化塩基から選択される。更なる修飾核酸塩基として、三環式ピリミジン、例えば、1,3-ジアザフェノキサジン-2-オン、1,3-ジアザフェノチアジン-2-オン、及び9-(2-アミノエトキシ)-1,3-ジアザフェノキサジン-2-オン(G-クランプ)が挙げられる。また、修飾核酸塩基として、プリン塩基又はピリミジン塩基が他の複素環で置換されているもの、例えば、7-デアザ-アデニン、7-デアザグアノシン、2-アミノピリジン、及び2-ピリドンを挙げることもできる。更なる核酸塩基として、Meriganらの米国特許第3,687,808号明細書に開示されているもの、The Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering,Kroschwitz,J.I.,Ed.,John Wiley&Sons,1990,858-859;Englisch et al.,Angewandte Chemie,International Edition,1991,30,613;Sanghvi,Y.S.,Chapter 15,Antisense Research and Applications,Crooke,S.T.and Lebleu,B.,Eds.,CRC Press,1993,273-288に開示されているもの;並びにChapters 6及び15,Antisense Drug Technology,Crooke S.T.,Ed.,CRC Press,2008,163~166及び442~443に開示されているものが挙げられる。
【0362】
上記の特定の修飾核酸塩基、及び他の修飾核酸塩基の調製を教示する刊行物として、限定されるものではないが、Manoharanらの米国特許出願公開第2003/0158403号明細書、Manoharanらの米国特許出願公開第2003/0175906号明細書;Dinhらの米国特許第4,845,205号明細書;Spielvogelらの米国特許第5,130,302号明細書;Rogersらの米国特許第5,134,066号明細書;Bischofbergerらの米国特許第5,175,273号明細書;Urdeaらの米国特許第5,367,066号明細書;Bennerらの米国特許第5,432,272号明細書;Matteucciらの米国特許第5,434,257号明細書;Gmeinerらの米国特許第5,457,187号明細書;Cookらの米国特許第5,459,255号明細書;Froehlerらの米国特許第5,484,908号明細書;Matteucciらの米国特許第5,502,177号明細書;Hawkinsらの米国特許第5,525,711号明細書;Haralambidisらの米国特許第5,552,540号明細書;Cookらの米国特許第5,587,469号明細書;Froehlerらの米国特許第5,594,121号明細書;Switzerらの米国特許第5,596,091号明細書;Cookらの米国特許第5,614,617号明細書;Froehlerらの米国特許第5,645,985号明細書;Cookらの米国特許第5,681,941号明細書;Cookらの米国特許第5,811,534号明細書;Cookらの米国特許第5,750,692号明細書;Cookらの米国特許第5,948,903号明細書;Cookらの米国特許第5,587,470号明細書;Cookらの米国特許第5,457,191号明細書;Matteucciらの米国特許第5,763,588号明細書;Froehlerらの米国特許第5,830,653号明細書;Cookらの米国特許第5,808,027号明細書;Cookらの米国特許第6,166,199号明細書;及びMatteucciらの米国特許第6,005,096号明細書が挙げられる。
【0363】
特定の実施形態において、HSD17B13核酸を標的とする化合物は、1つ以上の修飾核酸塩基を含む。特定の実施形態において、修飾核酸塩基は、5-メチルシトシンである。特定の実施形態において、各シトシンは、5-メチルシトシンである。
【0364】
修飾ヌクレオチド間結合
RNA及びDNAの天然に存在するヌクレオシド間結合は、3’-5’ホスホジエステル結合である。特定の実施形態において、1つ以上の修飾された、すなわち天然に存在しないヌクレオシド間結合を有する、本明細書中に記載される化合物は、多くの場合、天然に存在するヌクレオシド間結合を有する化合物よりも選択される。これは、所望の特性、例えば、細胞取込みの増強、標的核酸に対する親和性の増強、及びヌクレアーゼの存在下での安定性の増大のためである。
【0365】
キラル中心を有する代表的なヌクレオシド間結合として、限定されるものではないが、アルキルホスホナート及びホスホロチオアートが挙げられる。キラル中心を有するヌクレオシド間結合を含む修飾オリゴヌクレオチドは、立体不規則ヌクレオシド間結合を含む修飾オリゴヌクレオチドの集団として、又は特定の立体化学的配置のホスホロチオアート結合を含む修飾オリゴヌクレオチドの集団として調製することができる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの集団は、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合を含み、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合は全て、立体不規則的である。そのような修飾オリゴヌクレオチドは、各ホスホロチオアート結合の立体化学的配置のランダム選択をもたらす合成方法を使用して生成することができる。それにも拘わらず、当業者によって十分理解されるように、個々のオリゴヌクレオチド分子の個々のホスホロチオアートは、規定の立体配置を有する。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの集団は、独立して選択される特定の立体化学的配置の、1つ以上の特定のホスホロチオアートヌクレオシド間結合を含む修飾オリゴヌクレオチドが富化されている。特定の実施形態において、特定のホスホロチオアート結合の特定の立体配置は、集団中の分子の少なくとも65%に存在する。特定の実施形態において、特定のホスホロチオアート結合の特定の立体配置は、集団中の分子の少なくとも70%に存在する。特定の実施形態において、特定のホスホロチオアート結合の特定の立体配置は、集団中の分子の少なくとも80%に存在する。特定の実施形態において、特定のホスホロチオアート結合の特定の立体配置は、集団中の分子の少なくとも90%に存在する。特定の実施形態において、特定のホスホロチオアート結合の特定の立体配置は、集団中の分子の少なくとも99%に存在する。修飾オリゴヌクレオチドのそのようなキラル富化集団は、当分野において既知の合成方法、例えば、Oka et al.,JACS 125,8307(2003)、Wan et al.Nuc.Acid.Res.42,13456(2014)、及び国際公開第2017/015555号パンフレットに記載される方法を用いて生成することができる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの集団は、(Sp)立体配置において少なくとも1つの示されるホスホロチオアートを有する修飾オリゴヌクレオチドが富化されている。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの集団は、(Rp)立体配置において少なくとも1つのホスホロチオアートを有する修飾オリゴヌクレオチドが富化されている。特定の実施形態において、(Rp)及び/又は(Sp)ホスホロチオアートを含む修飾オリゴヌクレオチドは、それぞれ以下の式の1つ以上を含み、式中、「B」は、核酸塩基を示す。
【化59】
別途示されない限り、本明細書中に記載される修飾オリゴヌクレオチドのキラルヌクレオシド間結合は、立体不規則的であってもよいし、特定の立体化学的配置であってもよい。
【0366】
特定の実施形態において、HSD17B13核酸を標的とする化合物は、1つ以上の修飾ヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態において、修飾ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアート結合である。特定の実施形態において、アンチセンス化合物の各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合である。
【0367】
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、オリゴヌクレオチドを含む。修飾ヌクレオシド間結合を有するオリゴヌクレオチドは、リン原子を保持するヌクレオシド間結合、及びリン原子を有していないヌクレオシド間結合を含む。代表的なリン含有ヌクレオシド間結合として、限定されるものではないが、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホナート、ホスホラミダート、及びホスホロチオアートが挙げられる。リン含有結合及び非リン含有結合の調製方法は、周知である。
【0368】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドは、あらゆるヌクレオシド間結合を使用して互いに結合され得る。ヌクレオシド間結合基の2つの主なクラスは、リン原子の存在又は不在によって規定される。代表的なリン含有ヌクレオシド間結合として、限定されるものではないが、ホスホジエステル結合(「P=O」)を含有するホスファート(非修飾結合又は天然に存在する結合とも称される)、ホスホトリエステル、メチルホスホナート、ホスホラミダート、及びホスホロチオアート(「P=S」)、及びホスホロジチオアート(「HS-P=S」)が挙げられる。代表的な非リン含有ヌクレオシド間結合基として、限定されるものではないが、メチレンメチルイミノ(-CH2-N(CH3)-O-CH2)、チオジエステル、チオノカルバマート(-O-C(=O)(NH)-S-);シロキサン(-O-SiH2-O-);及びN,N’-ジメチルヒドラジン(-CH2-N(CH3)-N(CH3)-)が挙げられる。天然に存在するホスファート結合と比較して、修飾ヌクレオシド間結合は、オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性を変更するのに、典型的には増大させるのに用いることができる。特定の実施形態において、キラル原子を有するヌクレオシド間結合は、ラセミ混合物として、又は別個のエナンチオマーとして調製することができる。代表的なキラルヌクレオシド間結合として、限定されるものではないが、アルキルホスホナート及びホスホロチオアートが挙げられる。リン含有ヌクレオシド間結合及び非リン含有ヌクレオシド間結合の調製方法は、当業者に周知である。
【0369】
中性ヌクレオシド間結合として、限定されるものではないが、ホスホトリエステル、メチルホスホナート、MMI(3’-CH2-N(CH3)-O-5’)、アミド-3(3’-CH2-C(=O)-N(H)-5’)、アミド-4(3’-CH2-N(H)-C(=O)-5’)、ホルムアセタール(3’-O-CH2-O-5’)、メトキシプロピル、及びチオホルムアセタール(3’-S-CH2-O-5’)が挙げられる。更なるニュートラルヌクレオシド間結合として、シロキサン(ジアルキルシロキサン)、カルボン酸エステル、カルボキサミド、スルフィド、スルホネン酸エステル、及びアミドを含む非イオン結合が挙げられる(例えば:Carbohydrate Modifications in Antisense Research;Y.S.Sanghvi and P.D.Cook,Eds.,ACS Symposium Series 580;Chapters 3及び4,40~65参照)。更なる中性ヌクレオシド間結合として、混合N、O、S、及びCH2構成成分部分を含む非イオン結合が挙げられる。
【0370】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド又はその領域に沿って配置された修飾ヌクレオシド間結合を、定義されたパターン又は修飾ヌクレオシド間結合モチーフで含む。特定の実施形態において、ヌクレオシド間結合は、ギャップモチーフで配置される。そのような実施形態において、2つのウイング領域のそれぞれにおけるヌクレオシド間結合は、ギャップ領域内のヌクレオシド間結合と異なる。特定の実施形態において、ウイング内のヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル結合であり、そしてギャップ内のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアート結合である。ヌクレオシドモチーフは独立して選択されるため、ギャップヌクレオシド間結合モチーフを有するそのようなオリゴヌクレオチドは、ギャップヌクレオシドモチーフを有していても有していなくてもよく、ギャップヌクレオシドモチーフを有するならば、ウイング長及びギャップ長は、同じであっても同じでなくてもよい。
【0371】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、交互のヌクレオシド間結合モチーフを有する領域を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、均一に修飾されたヌクレオシド間結合の領域を含む。特定のそのような実施形態において、オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合によって均一に結合している領域を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオアートによって均一に結合している。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル及びホスホロチオアートから選択される。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル及びホスホロチオアートから選択され、そして少なくとも1つのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアートである。
【0372】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも6つのホスホロチオアートヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも8つのホスホロチオアートヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも10個のホスホロチオアートヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも6つの連続ホスホロチオアートヌクレオシド間結合の少なくとも1つのブロックを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも8つの連続ホスホロチオアートヌクレオシド間結合の少なくとも1つのブロックを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも10個の連続ホスホロチオアートヌクレオシド間結合の少なくとも1つのブロックを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも12個の連続ホスホロチオアートヌクレオシド間結合の少なくとも1つのブロックを含む。特定のそのような実施形態において、少なくとも1つのそのようなブロックは、オリゴヌクレオチドの3’末端に局在する。特定のそのような実施形態において、少なくとも1つのそのようなブロックは、オリゴヌクレオチドの3’末端の3ヌクレオシド以内に局在する。
【0373】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、1つ以上のメチルホスホナート結合を含む。特定の実施形態において、ギャップマーヌクレオシドモチーフを有するオリゴヌクレオチドは、1つ又は2つのメチルホスホナート結合を除いて全てホスホロチオアート結合を含む結合モチーフを含む。特定の実施形態において、1つのメチルホスホナート結合は、ギャップマーヌクレオシドモチーフを有するオリゴヌクレオチドの中央のギャップ内に存在する。
【0374】
特定の実施形態において、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合及びホスホジエステルヌクレオシド間結合の数は、ヌクレアーゼ耐性を維持するように配置することが所望される。特定の実施形態において、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合の数及び位置、並びにホスホジエステルヌクレオシド間結合の数及び位置は、ヌクレアーゼ耐性を維持するように配置することが所望される。特定の実施形態において、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合の数を減らしてもよいし、ホスホジエステルヌクレオシド間結合の数を増やしてもよい。特定の実施形態において、ヌクレアーゼ耐性を依然として維持したまま、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合の数を減らすことができ、且つホスホジエステルヌクレオシド間結合の数を増やすことができる。特定の実施形態において、ヌクレアーゼ耐性を保持したまま、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合の数を減らすことが所望される。特定の実施形態において、ヌクレアーゼ耐性を保持したまま、ホスホジエステルヌクレオシド間結合の数を増やすことが所望される。
【0375】
3.特定のモチーフ
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、オリゴヌクレオチドを含む。オリゴヌクレオチドは、モチーフ、例えば、非修飾の、そして/又は修飾された糖部分、核酸塩基、及び/又はヌクレオシド間結合のパターンを有し得る。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾糖を含む1つ以上の修飾ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基を含む1つ以上の修飾ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、1つ以上の修飾ヌクレオシド間結合を含む。そのような実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの修飾された、非修飾の、そして示差的に修飾されている糖部分、核酸塩基、及び/又はヌクレオシド間結合は、パターン又はモチーフを規定する。特定の実施形態において、糖部分、核酸塩基、及びヌクレオシド間結合のパターンは、それぞれ互いに独立している。ゆえに、修飾オリゴヌクレオチドは、その糖モチーフ、核酸塩基モチーフ、及び/又はヌクレオシド間結合モチーフによって説明することができる(本明細書中で用いられる核酸塩基モチーフは、核酸塩基の配列とは独立した核酸塩基の修飾を説明する)。
【0376】
a.特定の糖モチーフ
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド又はその領域に沿って配置された1つ以上のタイプの修飾糖及び/又は非修飾糖部分を、規定されたパターン又は糖モチーフで含む。特定の例において、そのような糖モチーフとして、限定されるものではないが、本明細書中で考察される糖修飾のいずれかが挙げられる。
【0377】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、2つの外部領域又は「ウイング」、及び中央若しくは内部の領域又は「ギャップ」を含むギャップマーモチーフを有する領域を含む、又はそれからなる。ギャップマーモチーフの3つの領域(5’-ウイング、ギャップ、及び3’-ウイング)は、各ウイングのヌクレオシドの糖部分の少なくとも一部が、ギャップのヌクレオシドの糖部分の少なくとも一部と異なるヌクレオシドの連続配列を形成する。具体的には、ギャップに最も近い各ウイングのヌクレオシド(5’-ウイングの最も3’側のヌクレオシド、及び3’-ウイングの最も5’側のヌクレオシド)の少なくとも糖部分は、隣接するギャップヌクレオシドの糖部分と異なるので、ウイングとギャップとの間の境界(すなわち、ウイング/ギャップジャンクション)を定義する。特定の実施形態において、ギャップ内の糖部分は、互いに同じである。特定の実施形態において、ギャップは、1つ以上のヌクレオシドを含むが、当該ヌクレオシドは、ギャップの1つ以上の他のヌクレオシドの糖部分と異なる糖部分を有する。特定の実施形態において、2つのウイングの糖モチーフは、互いに同じである(対称ギャップマー)。特定の実施形態において、5’-ウイングの糖モチーフは、3’-ウイングの糖モチーフと異なる(非対称ギャップマー)。
【0378】
特定の実施形態において、ギャップマーのウイングは、1~5個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのウイングは、2~5個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのウイングは、3~5個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのヌクレオシドは、全て修飾ヌクレオシドである。
【0379】
特定の実施形態において、ギャップマーのギャップは、7~12個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのギャップは、7~10個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのギャップは、8~10個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのギャップは、10個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのギャップの各ヌクレオシドは、非修飾2’-デオキシヌクレオシドである。
【0380】
特定の実施形態において、ギャップマーは、デオキシギャップマーである。そのような実施形態において、各ウイング/ギャップジャンクションのギャップ側のヌクレオシドは、非修飾2’-デオキシヌクレオシドであり、そして各ウイング/ギャップジャンクションのウイング側のヌクレオシドは、修飾ヌクレオシドである。特定のそのような実施形態において、ギャップの各ヌクレオシドは、非修飾2’-デオキシヌクレオシドである。特定のそのような実施形態において、各ウイングの各ヌクレオシドは、修飾ヌクレオシドである。
【0381】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、完全に修飾された糖モチーフを有し、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、完全に修飾された糖モチーフを有する領域を含み、又はそれからなり、当該領域の各ヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、完全に修飾された糖モチーフを有する領域を含み、又はそれからなり、完全に修飾された領域内の各ヌクレオシドは、同じ修飾糖部分を含み、本明細書中で、均一に修飾された糖モチーフと称される。特定の実施形態において、完全に修飾されたオリゴヌクレオチドは、均一に修飾されたオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、均一に修飾された各ヌクレオシドは、同じ2’-修飾を含む。
【0382】
b.特定の核酸塩基モチーフ
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド又はその領域に沿って配置された修飾核酸塩基及び/又は非修飾核酸塩基を、規定されたパターン又はモチーフで含む。特定の実施形態において、各核酸塩基は、修飾されている。特定の実施形態において、核酸塩基はいずれも修飾されていない。特定の実施形態において、各プリン又は各ピリミジンが修飾されている。特定の実施形態において、各アデニンが修飾されている。特定の実施形態において、各グアニンが修飾されている。特定の実施形態において、各チミンが修飾されている。特定の実施形態において、各ウラシルが修飾されている。特定の実施形態において、各シトシンが修飾されている。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチド中のシトシン核酸塩基の一部又は全てが、5-メチルシトシンである。
【0383】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基のブロックを含む。特定のそのような実施形態において、ブロックは、オリゴヌクレオチドの3’末端に存在する。特定の実施形態において、ブロックは、オリゴヌクレオチドの3’末端の3ヌクレオシド以内に存在する。特定の実施形態において、ブロックは、オリゴヌクレオチドの5’末端に存在する。特定の実施形態において、ブロックは、オリゴヌクレオチドの5’末端の3ヌクレオシド以内に存在する。
【0384】
特定の実施形態において、ギャップマーモチーフを有するオリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基を含むヌクレオシドを含む。特定のそのような実施形態において、修飾核酸塩基を含む1個のヌクレオシドは、ギャップマーモチーフを有するオリゴヌクレオチドの中央ギャップ内に存在する。特定のそのような実施形態において、前記ヌクレオシドの糖部分は、2’-デオキシリボシル部分である。特定の実施形態において、修飾核酸塩基は:2-チオピリミジン及び5-プロピンピリミジンから選択される。
【0385】
c.特定のヌクレオシド間結合モチーフ
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド又はその領域に沿って配置された修飾ヌクレオシド間結合及び/又は非修飾ヌクレオシド間結合を、規定されたパターン又はモチーフで含む。特定の実施形態において、本質的には、各ヌクレオシド間結合基は、ホスファートヌクレオシド間結合(P=O)である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合基は、ホスホロチオアート(P=S)である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合基は、ホスホロチオアート及びホスファートヌクレオシド間結合から独立して選択される。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの糖モチーフは、ギャップマーであり、そしてギャップ内のヌクレオシド間結合は、全て修飾されている。特定のそのような実施形態において、ウイング内のヌクレオシド間結合の一部又は全てが、非修飾ホスファート結合である。特定の実施形態において、末端ヌクレオシド間結合が修飾されている。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの糖モチーフはギャップマーであり、そしてヌクレオシド間結合モチーフは、少なくとも1つのホスホジエステルヌクレオシド間結合を少なくとも1つのウイング内に含み、少なくとも1つのホスホジエステル結合は、末端ヌクレオシド間結合でなく、そして残りのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合である。特定のそのような実施形態において、ホスホロチオアート結合は全て、立体不規則的である。特定の実施形態において、ウイング内のホスホロチオアート結合は全て、(Sp)ホスホロチオアートであり、そしてギャップは、少なくとも1つのSp、Sp、Rpモチーフを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの集団は、そのようなヌクレオシド間結合モチーフを含む修飾オリゴヌクレオチドが富化されている。
【0386】
4.特定の修飾オリゴヌクレオチド
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、先の修飾(糖、核酸塩基、ヌクレオシド間結合)は、修飾オリゴヌクレオチド中に組み込まれる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、その修飾、モチーフ、及び全長によって特徴付けられる。特定の実施形態において、そのようなパラメータは、互いに独立している。ゆえに、別途示されない限り、ギャップマー糖モチーフを有するオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、修飾されていても非修飾であってもよく、そして糖修飾のギャップマー修飾パターンに従っても従わなくてもよい。例えば、糖ギャップマーのウイング領域内のヌクレオシド間結合は、互いに同じであっても異なっていてもよく、そして糖モチーフのギャップ領域のヌクレオシド間結合と同じであっても異なっていてもよい。同様に、そのようなギャップマーオリゴヌクレオチドは、糖修飾のギャップマーパターンから独立した1つ以上の修飾核酸塩基を含み得る。さらに、特定の例において、オリゴヌクレオチドが、全長又は範囲によって、且つ2つ以上の領域(例えば、特定の糖修飾を有するヌクレオシドの領域)の長さ又は長さ範囲によって、記載される。そのような状況において、特定された範囲から全長が外れるオリゴヌクレオチドをもたらす範囲毎に数を選択することが可能であり得る。そのような状況において、双方の要素が満たされなければならない。例えば、特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドが、15~20個の結合ヌクレオシドからなり、且つ3つの領域A、B、Cからなる糖モチーフを有し、領域Aは、特定の糖モチーフを有する2~6個の結合ヌクレオシドからなり、領域Bは、特定の糖モチーフを有する6~10個の結合ヌクレオシドからなり、そして領域Cは、特定の糖モチーフを有する2~6個の結合ヌクレオシドからなる。そのような実施形態は、A及びCがそれぞれ6個の結合ヌクレオシドからなり、且つBが10個の結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを(たとえヌクレオシドのそれらの数が、A、B、及びCについての要件内に許容されているとしても)含まない。なぜなら、そのようなオリゴヌクレオチドの全長は22であり、これは修飾オリゴヌクレオチドの全長の上限(20)を超過するためである。本明細書において、オリゴヌクレオチドの記載が1つ以上のパラメータに関して無記載であれば、そのようなパラメータは、限定されない。ゆえに、ギャップマー糖モチーフを有するとしか記載されておらず、更なる記載がない修飾オリゴヌクレオチドは、あらゆる長さ、ヌクレオシド間結合モチーフ、及び核酸塩基モチーフを有し得る。別途示されない限り、修飾は全て、核酸塩基配列と独立している。
【0387】
特定のコンジュゲート化合物
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、オリゴヌクレオチド(修飾又は非修飾)、並びに場合によっては1つ以上のコンジュゲート基及び/又は末端基を含む、又はそれらからなる。コンジュゲート基は、1つ以上のコンジュゲート部分、及びコンジュゲート部分をオリゴヌクレオチドに結合するコンジュゲートリンカーからなる。コンジュゲート基は、オリゴヌクレオチドのいずれか若しくは双方の末端、及び/又は任意の内部位置に付着されていてよい。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドの2’位に付着されている。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドのいずれか又は双方の末端に付着されているコンジュゲート基は、末端基である。特定のそのような実施形態において、コンジュゲート基又は末端基は、オリゴヌクレオチドの3’末端及び/又は5’末端に付着されている。特定のそのような実施形態において、コンジュゲート基(又は末端基)は、オリゴヌクレオチドの3’末端に付着されている。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、オリゴヌクレオチドの3’末端付近に付着されている。特定の実施形態において、コンジュゲート基(又は末端基)は、オリゴヌクレオチドの5’末端に付着されている。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、オリゴヌクレオチドの5’末端付近に付着されている。
【0388】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、修飾されている。特定の実施形態において、化合物のオリゴヌクレオチドは、標的核酸に相補的な核酸塩基配列を有する。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、メッセンジャーRNA(mRNA)に相補的である。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、プレmRNAに相補的である。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、センス転写産物に相補的である。
【0389】
末端基の例として、コンジュゲート基、キャッピング基、リン酸部分、保護基、修飾ヌクレオシド又は非修飾ヌクレオシド、及び独立して修飾されている、又は修飾されていない2つ以上のヌクレオシドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0390】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、1つ以上のコンジュゲート基に共有結合されている。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、薬力学、薬物動態、安定性、結合、吸収、組織分布、細胞分布、細胞取込み、電荷、及びクリアランスが挙げられるが、これらに限定されない、付着したオリゴヌクレオチドの1つ以上の特性を改変する。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、付着したオリゴヌクレオチドに対して新たな特性、例えばオリゴヌクレオチドの検出を可能にするフルオロフォア又はレポーター基を付与する。特定のコンジュゲート基及びコンジュゲート部分が以前に記載されており、例えば:コレステロール部分(Letsinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1989,86,6553-6556)、コール酸(Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1994,4,1053-1060)、チオエーテル、例えば、ヘキシル-S-トリチルチオール(Manoharan et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.,1992,660,306-309;Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1993,3,2765-2770)、チオコレステロール(Oberhauser et al.,Nucl.Acids Res.,1992,20,533-538)、脂肪族鎖、例えば、ドデカンジオール若しくはウンデシル残基(Saison-Behmoaras et al.,EMBO J.,1991,10,1111-1118;Kabanov et al.,FEBS Lett.,1990,259,327-330;Svinarchuk et al.,Biochimie,1993,75,49-54)、リン脂質、例えば、ジ-ヘキサデシル-rac-グリセロール又はトリエチル-アンモニウム1,2-ジ-O-ヘキサデシル-rac-グリセロ-3-H-ホスホナート(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36,3651-3654;Shea et al.,Nucl.Acids Res.,1990,18,3777-3783)、ポリアミン若しくはポリエチレングリコール鎖(Manoharan et al.,Nucleosides & Nucleotides,1995,14,969-973)、アダマンタン酢酸パルミチル部分(Mishra et al.,Biochim.Biophys.Acta,1995,1264,229-237)、オクタデシルアミン若しくはヘキシルアミノ-カルボニル-オキシコレステロール部分(Crooke et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1996,i,923-937)、トコフェロール基(Nishina et al.,Molecular Therapy Nucleic Acids,2015,4,e220;及びNishina et al.,Molecular Therapy,2008,16,734-740)、又はGalNAcクラスター(例えば、国際公開第2014/179620号パンフレット)がある。
【0391】
I.コンジュゲート部分
コンジュゲート部分として、以下に限定されないが、挿入剤、リポーター分子、ポリアミン、ポリアミド、ペプチド、炭水化物(例えばGalNAc)、ビタミン部分、ポリエチレングリコール、チオエーテル、ポリエーテル、コレステロール、チオコレステロール、コール酸部分、フォラート、脂質、リン脂質、ビオチン、フェナジン、フェナントリジン、アントラキノン、アダマンタン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、フルオロフォア、及び色素が挙げられる。
【0392】
特定の実施形態において、コンジュゲート部分は、活性原薬、例えば、アスピリン、ワルファリン、フェニルブタゾン、イブプロフェン、スプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、(S)-(+)-プラノプロフェン、カルプロフェン、ダンシルサルコシン、2,3,5-トリヨード安息香酸、フィンゴリモド、フルフェナム酸、フォリン酸、ベンゾチアジアジド、クロロチアジド、ジアゼピン、インドメタシン、バルビツラート、セファロスポリン、サルファ薬、抗糖尿病薬、抗菌薬、又は抗生物質を含む。
【0393】
2.コンジュゲートリンカー
コンジュゲート部分は、コンジュゲートリンカーを介してオリゴヌクレオチドに付着される。特定の化合物において、コンジュゲートリンカーは、単一化学結合である(すなわち、コンジュゲート部分は、単結合によりオリゴヌクレオチドに直接付着されている)。特定の化合物において、コンジュゲート部分は、コンジュゲートリンカーを形成するサブユニットである1つ以上のコンジュゲートリンカー部分を含むより複雑なコンジュゲートリンカーを介して、オリゴヌクレオチドに付着されている。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、鎖構造、例えばヒドロカルビル鎖、又は繰返し単位、例えばエチレングリコール、ヌクレオシド、若しくはアミノ酸単位のオリゴマーを含む。
【0394】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、アルキル、アミノ、オキソ、アミド、ジスルフィド、ポリエチレングリコール、エーテル、チオエーテル、及びヒドロキシルアミノから選択される1つ以上の基を含む。特定のそのような実施形態において、コンジュゲートリンカーは、アルキル基、アミノ基、オキソ基、アミド基、及びエーテル基から選択される基を含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、アルキル基及びアミド基から選択される基を含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、アルキル基及びエーテル基から選択される基を含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、少なくとも1つのリン部分を含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、少なくとも1つのリン酸基を含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、少なくとも1つの中性結合基を含む。
【0395】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカー(先に記載されるコンジュゲートリンカーが挙げられる)は、二官能性結合部分であり、例えば、親化合物、例えば、本明細書中で提供されるオリゴヌクレオチドへのコンジュゲート基の付着に有用であることが当分野において既知のものである。一般に、二官能性結合部分は、少なくとも2つの官能基を含む。官能基の一方が、親化合物上の特定の部位に結合するように選択され、そして他方が、コンジュゲート基に結合するように選択される。二官能性結合部分に用いられる官能基の例として、限定されるものではないが、求核基と反応する求電子剤、及び求電子基と反応する求核剤が挙げられる。特定の実施形態において、二官能性結合部分は、アミノ、ヒドロキシル、カルボン酸、チオール、アルキル、アルケニル、及びアルキニルから選択される1つ以上の基を含む。
【0396】
コンジュゲートリンカーの例として、限定されるものではないが、ピロリジン、8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(ADO)、スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシラート(SMCC)、及び6-アミノヘキサン酸(AHEX又はAHA)が挙げられる。他のコンジュゲートリンカーとして、限定されるものではないが、置換若しくは非置換C1~C10アルキル、置換若しくは非置換C2~C10アルケニル、又は置換若しくは非置換C2~C10アルキニルが挙げられ、好ましい置換基の非限定的列記として、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ、チオール、チオアルコキシ、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル、及びアルキニルが挙げられる。
【0397】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、1~10個のリンカー-ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、そのようなリンカー-ヌクレオシドは、修飾ヌクレオシドである。特定の実施形態において、そのようなリンカー-ヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。特定の実施形態において、リンカー-ヌクレオシドは、修飾されていない。特定の実施形態において、リンカー-ヌクレオシドは、プリン、置換プリン、ピリミジン、又は置換ピリミジンから選択される、場合によっては保護されている複素環塩基を含む。特定の実施形態において、開裂可能部分は、ウラシル、チミン、シトシン、4-N-ベンゾイルシトシン、5-メチルシトシン、4-N-ベンゾイル-5-メチルシトシン、アデニン、6-N-ベンゾイルアデニン、グアニン、及び2-N-イソブチリルグアニンから選択されるヌクレオシドである。典型的には、リンカー-ヌクレオシドは、標的組織に到達した後に化合物から開裂されることが所望される。したがって、リンカー-ヌクレオシドは典型的に、互いに、且つ化合物の残部に、開裂可能結合を介して結合されている。特定の実施形態において、そのような開裂可能結合は、ホスホジエステル結合である。
【0398】
本明細書において、リンカー-ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチドの一部であるとみなされない。したがって、化合物が、特定の数若しくは範囲、及び/又は基準核酸に対する特定の相補性パーセントの結合ヌクレオシドからなるオリゴヌクレオチドを含み、且つ化合物が、リンカー-ヌクレオシドを含むコンジュゲートリンカーを含むコンジュゲート基も含む実施形態において、それらのリンカー-ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチドの長さにカウントされず、且つ基準核酸とのオリゴヌクレオチドの相補性パーセントの判定に用いられない。例えば、化合物は、(1)8~30個のヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチド、及び(2)修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドと連続的な1~10個のリンカー-ヌクレオシドを含むコンジュゲート基を含んでもよい。そのような化合物中の連続結合ヌクレオシドの総数は、30超である。これ以外にも、化合物は、8~30個のヌクレオシドからなり、且つコンジュゲート基のない修飾オリゴヌクレオチドを含んでもよい。そのような化合物中の連続結合ヌクレオシドの総数は、30以下である。別途示されない限り、コンジュゲートリンカーは、10個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、5個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、3個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、2個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、1個以下のリンカー-ヌクレオシドを含む。
【0399】
特定の実施形態において、コンジュゲート基が、オリゴヌクレオチドから開裂されることが所望される。例えば、特定の状況において、特定のコンジュゲート部分を含む化合物は、特定の細胞型によって、より良好に取り込まれるが、化合物が取り込まれると、コンジュゲート基が開裂されて、非コンジュゲート又は親オリゴヌクレオチドが放出されることが所望される。ゆえに、特定のコンジュゲートリンカーは、1つ以上の開裂可能部分を含んでもよい。特定の実施形態において、開裂可能部分は、開裂可能結合である。特定の実施形態において、開裂可能部分は、少なくとも1つの開裂可能結合を含む原子団である。特定の実施形態において、開裂可能部分は、1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つ以上の開裂可能結合を有する原子団を含む。特定の実施形態において、開裂可能部分は、細胞内、又はリソソーム等の細胞内コンパートメント内で選択的に開裂される。特定の実施形態において、開裂可能部分は、ヌクレアーゼ等の内因性酵素によって選択的に開裂される。
【0400】
特定の実施形態において、開裂可能結合は:アミド、エステル、エーテル、ホスホジエステルの一方若しくは双方のエステル、リン酸エステル、カルバマート、又はジスルフィドから選択される。特定の実施形態において、開裂可能結合は、ホスホジエステルの一方又は双方のエステルである。特定の実施形態において、開裂可能部分は、ホスファート又はホスホジエステルを含む。特定の実施形態において、開裂可能部分は、オリゴヌクレオチドとコンジュゲート部分又はコンジュゲート基との間のホスファート結合である。
【0401】
特定の実施形態において、開裂可能部分は、1つ以上のリンカー-ヌクレオシドを含む、又はそれからなる。特定のそのような実施形態において、1つ以上のリンカー-ヌクレオシドは、互いに、且つ/又は化合物の残部に、開裂可能結合を介して結合されている。特定の実施形態において、そのような開裂可能結合は、非修飾ホスホジエステル結合である。特定の実施形態において、開裂可能部分は、ホスファートヌクレオシド間結合によってオリゴヌクレオチドの3’末端ヌクレオシド又は5’末端ヌクレオシドのいずれかに付着されており、且つホスファート結合又はホスホロチオアート結合によってコンジュゲートリンカー又はコンジュゲート部分の残部に共有結合されている2’-デオキシヌクレオシドである。特定のそのような実施形態において、開裂可能部分は、2’-デオキシアデノシンである。
【0402】
3.特定の細胞標的化コンジュゲート部分
特定の実施形態において、コンジュゲート基は、細胞標的化コンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、一般式:
【化60】
を有する
(式中、nは、1~約3であり、nが1である場合、mは0であり、nが2以上である場合、mは1であり、jは、1又は0であり、kは、1又は0である)。
【0403】
特定の実施形態において、nは1であり、jは1であり、kは0である。特定の実施形態において、nは1であり、jは0であり、kは1である。特定の実施形態において、nは1であり、jは1であり、kは1である。特定の実施形態において、nは2であり、jは1であり、kは0である。特定の実施形態において、nは2であり、jは0であり、kは1である。特定の実施形態において、nは2であり、jは1であり、kは1である。特定の実施形態において、nは3であり、jは1であり、kは0である。特定の実施形態において、nは3であり、jは0であり、kは1である。特定の実施形態において、nは3であり、jは1であり、kは1である。
【0404】
特定の実施形態において、コンジュゲート基は、少なくとも1つのテザー化リガンドを有する細胞標的化部分を含む。特定の実施形態において、細胞標的化部分は、分枝鎖基に共有結合した2つのテザー化リガンドを含む。特定の実施形態において、細胞標的化部分は、分枝鎖基に共有結合した3つのテザー化リガンドを含む。
【0405】
特定の実施形態において、細胞標的化部分は、アルキル基、アミノ基、オキソ基、アミド基、ジスルフィド基、ポリエチレングリコール基、エーテル基、チオエーテル基、及びヒドロキシルアミノ基から選択される1つ以上の基を含む分枝鎖基を含む。特定の実施形態において、分枝鎖基は、アルキル基、アミノ基、オキソ基、アミド基、ジスルフィド基、ポリエチレングリコール基、エーテル基、チオエーテル基、及びヒドロキシルアミノ基から選択される基を含む分枝鎖脂肪族基を含む。特定のそのような実施形態において、分枝鎖脂肪族基は、アルキル基、アミノ基、オキソ基、アミド基、及びエーテル基から選択される基を含む。特定のそのような実施形態において、分枝鎖脂肪族基は、アルキル基、アミノ基、及びエーテル基から選択される基を含む。特定のそのような実施形態において、分枝鎖脂肪族基は、アルキル基及びエーテル基から選択される基を含む。特定の実施形態において、分枝鎖基は、単環式又は多環式の環系を含む。
【0406】
特定の実施形態において、細胞標的化部分の各テザーは、アルキル、置換アルキル、エーテル、チオエーテル、ジスルフィド、アミノ、オキソ、アミド、ホスホジエステル、及びポリエチレングリコールから選択される1つ以上の基を、あらゆる組合せで含む。特定の実施形態において、各テザーは、アルキル、エーテル、チオエーテル、ジスルフィド、アミノ、オキソ、アミド、及びポリエチレングリコールから選択される1つ以上の基を、あらゆる組合せで含む直鎖脂肪族基である。特定の実施形態において、各テザーは、アルキル、ホスホジエステル、エーテル、アミノ、オキソ、及びアミドから選択される1つ以上の基を、あらゆる組合せで含む直鎖脂肪族基である。特定の実施形態において、それぞれのテザーは、アルキル、エーテル、アミノ、オキソ、及びアミドから選択される1つ以上の基を、あらゆる組合せで含む直鎖脂肪族基である。特定の実施形態において、各テザーは、アルキル、アミノ、及びオキソから選択される1つ以上の基を、あらゆる組合せで含む直鎖脂肪族基である。特定の実施形態において、各テザーは、アルキル及びオキソから選択される1つ以上の基を、あらゆる組合せで含む直鎖脂肪族基である。特定の実施形態において、各テザーは、アルキル及びホスホジエステルから選択される1つ以上の基を、あらゆる組合せで含む直鎖脂肪族基である。特定の実施形態において、各テザーは、少なくとも1つのリン結合基又は中性結合基を含む。特定の実施形態において、各テザーは、約6~約20個の原子長の鎖を含む。特定の実施形態において、各テザーは、約10~約18個の原子長の鎖を含む。特定の実施形態において、各テザーは、約10個の原子鎖長を含む。
【0407】
特定の実施形態において、細胞標的化部分の各リガンドは、標的細胞上の少なくとも1つのタイプの受容体に対する親和性を有する。特定の実施形態において、各リガンドは、哺乳動物肝細胞の表面上の少なくとも1つのタイプの受容体に対する親和性を有する。特定の実施形態において、各リガンドは、肝臓のアシアロ糖タンパク質受容体(ASGP-R)に対する親和性を有する。特定の実施形態において、各リガンドは、炭水化物である。特定の実施形態において、各リガンドは、ガラクトース、N-アセチルガラクトースアミン(GalNAc)、マンノース、グルコース、グルコースアミン、及びフコースから独立して選択される。特定の実施形態において、各リガンドは、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)である。特定の実施形態において、細胞標的化部分は、3個のGalNAcリガンドを含む。特定の実施形態において、細胞標的化部分は、2個のGalNAcリガンドを含む。特定の実施形態において、細胞標的化部分は、1個のGalNAcリガンドを含む。
【0408】
特定の実施形態において、細胞標的化部分の各リガンドは、炭水化物、炭水化物誘導体、修飾炭水化物、多糖、修飾多糖、又は多糖誘導体である。特定のそのような実施形態において、コンジュゲート基は、炭水化物クラスターを含む(例えば、Maier et al.,「Synthesis of Antisense Oligonucleotides Conjugated to a Multivalent Carbohydrate Cluster for Cellular Targeting」,Bioconjugate Chemistry,2003,14,18-29、又はRensen et al.,「Design and Synthesis of Novel N-Acetylgalactosamine-Terminated Glycolipids for Targeting of Lipoproteins to the Hepatic Asiaglycoprotein Receptor」,J.Med. Chem. 2004,47,5798-5808参照)。特定のそのような実施形態において、各リガンドは、アミノ糖又はチオ糖である。例えば、アミノ糖は、シアル酸、α-D-ガラクトサミン、β-ムラミン酸、2-デオキシ-2-メチルアミノ-L-グルコピラノース、4,6-ジデオキシ-4-ホルムアミド-2,3-ジ-O-メチル-D-マンノピラノース、2-デオキシ-2-スルホアミノ-D-グルコピラノース、N-スルホ-D-グルコサミン、及びN-グリコリル-α-ノイラミン酸等、当分野において既知の任意の数の化合物から選択され得る。例えば、チオ糖は、5-チオ-β-D-グルコピラノース、メチル2,3,4-トリ-O-アセチル-1-チオ-6-O-トリチル-α-D-グルコピラノシド、4-チオ-β-D-ガラクトピラノース、及びエチル3,4,6,7-テトラ-O-アセチル-2-デオキシ-1,5-ジチオ-α-D-グルコ-ヘプトピラノシドから選択され得る。
【0409】
特定の実施形態において、コンジュゲート基は、式:
【化61】
を有する細胞標的化部分を含む。
【0410】
特定の実施形態において、コンジュゲート基は、式:
【化62】
を有する細胞標的化部分を含む。
【0411】
特定の実施形態において、コンジュゲート基は、式:
【化63】
を有する細胞標的化部分を含む。
【0412】
特定の実施形態において、コンジュゲート基は、式:
【化64】
を有する細胞標的化部分を含む。
【0413】
特定の実施形態において、コンジュゲート基は、式:
【化65】
を有する細胞標的化部分を含む。
【0414】
特定の実施形態において、化合物は、本明細書中に「LICA-1」として記載されるコンジュゲート基を含む。LICA-1は、式:
【化66】
を有する。
【0415】
特定の実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、LICA-1を含み、そしてコンジュゲートリンカー内の開裂可能部分は、式:
【化67】
を有する
(式中、オリゴは、オリゴヌクレオチドである)。
【0416】
上述の注目される特定のコンジュゲート基、並びにコンジュゲート基、テザー、コンジュゲートリンカー、分枝鎖基、リガンド、開裂可能部分、及び他の修飾を含む化合物の調製を教示する代表的な米国特許、米国特許出願公報、国際特許出願公報、及び他の刊行物として、以下に限定されないが、米国特許第5,994,517号明細書、米国特許第6,300,319号明細書、米国特許第6,660,720号明細書、米国特許第6,906,182号明細書、米国特許第7,262,177号明細書、米国特許第7,491,805号明細書、米国特許第8,106,022号明細書、米国特許第7,723,509号明細書、米国特許出願公開第2006/0148740号明細書、米国特許出願公開第2011/0123520号明細書、国際公開第2013/033230号パンフレット、及び国際公開第2012/037254号パンフレット、Biessen et al.,J.Med.Chem.1995,38,1846-1852、Lee et al.,Bioorganic & Medicinal Chemistry 2011,19,2494-2500、Rensen et al.,J.Biol.Chem.2001,276,37577-37584、Rensen et al.,J.Med.Chem.2004,47,5798-5808、Sliedregt et al.,J.Med.Chem.1999,42,609-618、並びにValentijn et al.,Tetrahedron,1997,53,759-770が挙げられる。
【0417】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、ギャップマー又は完全修飾糖モチーフと、少なくとも1、2、又は3個のGalNAcリガンドを含むコンジュゲート基とを含む。特定の実施形態において、化合物は、以下の参考文献のいずれかにおいて見出されるコンジュゲート基を含む:Lee,Carbohydr Res,1978,67,509-514;Connolly et al.,J Biol Chem,1982,257,939-945;Pavia et al.,Int J Pep Protein Res,1983,22,539-548;Lee et al.,Biochem,1984,23,4255-4261;Lee et al.,Glycoconjugate J,1987,4,317-328;Toyokuni et al.,Tetrahedron Lett,1990,31,2673-2676;Biessen et al.,J Med Chem,1995,38,1538-1546;Valentijn et al.,Tetrahedron,1997,53,759-770;Kim et al.,Tetrahedron Lett,1997,38,3487-3490;Lee et al.,Bioconjug Chem,1997,8,762-765;Kato et al.,Glycobiol,2001,11,821-829;Rensen et al.,J Biol Chem,2001,276,37577-37584;Lee et al.,Methods Enzymol,2003,362,38-43;Westerlind et al.,Glycoconj J,2004,21,227-241;Lee et al.,Bioorg Med Chem Lett,2006,16(19),5132-5135;Maierhofer et al.,Bioorg Med Chem,2007,15,7661-7676;Khorev et al.,Bioorg Med Chem,2008,16,5216-5231;Lee et al.,Bioorg Med Chem,2011,19,2494-2500;Kornilova et al.,Analyt Biochem,2012,425,43-46;Pujol et al.,Angew Chemie Int Ed Engl,2012,51,7445-7448;Biessen et al.,J Med Chem,1995,38,1846-1852;Sliedregt et al.,J Med Chem,1999,42,609-618;Rensen et al.,J Med Chem,2004,47,5798-5808;Rensen et al.,Arterioscler Thromb Vasc Biol,2006,26,169-175;van Rossenberg et al.,Gene Ther,2004,11,457-464;Sato et al.,J Am Chem Soc,2004,126,14013-14022;Lee et al.,J Org Chem,2012,77,7564-7571;Biessen et al.,FASEB J,2000,14,1784-1792;Rajur et al.,Bioconjug Chem,1997,8,935-940;Duff et al.,Methods Enzymol,2000,313,297-321;Maier et al.,Bioconjug Chem,2003,14,18-29;Jayaprakash et al.,Org Lett,2010,12,5410-5413;Manoharan,Antisense Nucleic Acid Drug Dev,2002,12,103-128;Merwin et al.,Bioconjug Chem,1994,5,612-620;Tomiya et al.,Bioorg Med Chem,2013,21,5275-5281;国際公開第1998/013381号パンフレット;国際公開第2011/038356号パンフレット;国際公開第1997/046098号パンフレット;国際公開第2008/098788号パンフレット;国際公開第2004/101619号パンフレット;国際公開第2012/037254号パンフレット;国際公開第2011/120053号パンフレット;国際公開第2011/100131号パンフレット;国際公開第2011/163121号パンフレット;国際公開第2012/177947号パンフレット;国際公開第2013/033230号パンフレット;国際公開第2013/075035号パンフレット;国際公開第2012/083185号パンフレット;国際公開第2012/083046号パンフレット;国際公開第2009/082607号パンフレット;国際公開第2009/134487号パンフレット;国際公開第2010/144740号パンフレット;国際公開第2010/148013号パンフレット;国際公開第1997/020563号パンフレット;国際公開第2010/088537号パンフレット;国際公開第2002/043771号パンフレット;国際公開第2010/129709号パンフレット;国際公開第2012/068187号パンフレット;国際公開第2009/126933号パンフレット;国際公開第2004/024757号パンフレット;国際公開第2010/054406号パンフレット;国際公開第2012/089352号パンフレット;国際公開第2012/089602号パンフレット;国際公開第2013/166121号パンフレット;国際公開第2013/165816号パンフレット;米国特許第4,751,219号明細書;米国特許第8,552,163号明細書;米国特許第6,908,903号明細書;米国特許第7,262,177号明細書;米国特許第5,994,517号明細書;米国特許第6,300,319号明細書;米国特許第8,106,022号明細書;米国特許第7,491,805号明細書;米国特許第7,491,805号明細書;米国特許第7,582,744号明細書;米国特許第8,137,695号明細書;米国特許第6,383,812号明細書;米国特許第6,525,031号明細書;米国特許第6,660,720号明細書;米国特許第7,723,509号明細書;米国特許第8,541,548号明細書;米国特許第8,344,125号明細書;米国特許第8,313,772号明細書;米国特許第8,349,308号明細書;米国特許第8,450,467号明細書;米国特許第8,501,930号明細書;米国特許第8,158,601号明細書;米国特許第7,262,177号明細書;米国特許第6,906,182号明細書;米国特許第6,620,916号明細書;米国特許第8,435,491号明細書;米国特許第8,404,862号明細書;米国特許第7,851,615号明細書;米国特許出願公開第2011/0097264号明細書;米国特許出願公開第2011/0097265号明細書;米国特許出願公開第2013/0004427号明細書;米国特許出願公開第2005/0164235号明細書;米国特許出願公開第2006/0148740号明細書;米国特許出願公開第2008/0281044号明細書;米国特許出願公開第2010/0240730号明細書;米国特許出願公開第2003/0119724号明細書;米国特許出願公開第2006/0183886号明細書;米国特許出願公開第2008/0206869号明細書;米国特許出願公開第2011/0269814号明細書;米国特許出願公開第2009/0286973号明細書;米国特許出願公開第2011/0207799号明細書;米国特許出願公開第2012/0136042号明細書;米国特許出願公開第2012/0165393号明細書;米国特許出願公開第2008/0281041号明細書;米国特許出願公開第2009/0203135号明細書;米国特許出願公開第2012/0035115号明細書;米国特許出願公開第2012/0095075号明細書;米国特許出願公開第2012/0101148号明細書;米国特許出願公開第2012/0128760号明細書;米国特許出願公開第2012/0157509号明細書;米国特許出願公開第2012/0230938号明細書;米国特許出願公開第2013/0109817号明細書;米国特許出願公開第2013/0121954号明細書;米国特許出願公開第2013/0178512号明細書;米国特許出願公開第2013/0236968号明細書;米国特許出願公開第2011/0123520号明細書;米国特許出願公開第2003/0077829号明細書;米国特許出願公開第2008/0108801号明細書;及び米国特許出願公開第2009/0203132号明細書。
【0418】
特定の実施形態において、化合物は、一本鎖である。特定の実施形態において、化合物は、二本鎖である。
【0419】
医薬組成物を製剤化する組成及び方法
本明細書中に記載される化合物は、医薬組成物又は製剤の調製のための薬学的に許容され得る活性物質又は不活性物質と混合することができる。医薬組成物の製剤化のための組成及び方法は、投与経路、疾患の程度、又は投与されることとなる用量が挙げられるが、これらに限定されないいくつかの基準によって決まる。
【0420】
特定の実施形態は、1つ以上の化合物又はその塩を含む医薬組成物を提供する。特定の実施形態において、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含む、又はそれからなる。特定のそのような実施形態において、医薬組成物は、薬学的に許容され得る適切な希釈剤又は担体を含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、滅菌生理食塩水溶液及び1つ以上の化合物を含む。特定の実施形態において、そのような医薬組成物は、滅菌生理食塩水溶液、及び1つ以上の化合物からなる。特定の実施形態において、滅菌生理食塩水は、医薬等級生理食塩水である。特定の実施形態において、医薬組成物は、1つ以上の化合物及び滅菌水を含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、1つの化合物及び滅菌水からなる。特定の実施形態において、滅菌水は、医薬等級水である。特定の実施形態において、医薬組成物は、1つ以上の化合物及びリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、1つ以上の化合物及び滅菌PBSからなる。特定の実施形態において、滅菌PBSは、医薬等級PBSである。医薬組成物の製剤化のための組成物及び方法は、投与経路、疾患の程度、又は投与されることとなる用量が挙げられるが、これらに限定されないいくつかの基準によって決まる。
【0421】
HSD17B13核酸を標的とする本明細書中に記載される化合物は、化合物を、薬学的に許容され得る適切な希釈剤又は担体と組み合わせることによって、医薬組成物に利用することができる。特定の実施形態において、薬学的に許容され得る希釈剤は、注射に適した滅菌水等の水である。したがって、一実施形態において、本明細書中に記載される方法に使用されるのは、HSD17B13核酸を標的とする化合物、及び薬学的に許容され得る希釈剤を含む医薬組成物である。特定の実施形態において、薬学的に許容され得る希釈剤は、水である。特定の実施形態において、化合物は、本明細書中で提供される修飾オリゴヌクレオチドを含む、又はそれからなる。
【0422】
本明細書中で提供される化合物を含む医薬組成物は、ヒトが挙げられる動物に投与されると、生物学的に活性な代謝産物又はその残基を(直接的又は間接的に)提供することができる、薬学的に許容され得るあらゆる塩、エステル、若しくはそのようなエステルの塩、又は他のあらゆるオリゴヌクレオチドを包含する。特定の実施形態において、化合物は、アンチセンス化合物又はオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含む、又はそれからなる。したがって、例えば、本開示は、化合物の薬学的に許容され得る塩、プロドラッグ、そのようなプロドラッグの薬学的に許容され得る塩、及び他の生物学的等価物にも向けられる。薬学的に許容され得る適切な塩には、ナトリウム塩及びカリウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0423】
プロドラッグは、化合物の一端又は両端での追加のヌクレオシドの組込みを含み得、当該追加のヌクレオシドは、体内の内因性ヌクレアーゼによって切断されて、活性化合物を形成する。
【0424】
特定の実施形態において、化合物又は組成物はさらに、薬学的に許容され得る担体又は希釈剤を含む。
【実施例】
【0425】
以下の実施例は、HSD17B13を標的とする化合物を識別するスクリーニングプロセスを説明する。
【0426】
非限定的な開示及び参照による組込み
本出願に不随する配列表は、必要に応じて、「RNA」又は「DNA」のいずれかとして各配列を特定するが、実際には、これらの配列は、化学修飾のあらゆる組合せにより修飾されていてもよい。当業者であれば、修飾オリゴヌクレオチドを記述する「RNA」又は「DNA」のような指定が、場合によっては、恣意的であることを容易に認識するであろう。例えば、2’-OH糖部分及びチミン塩基を含むヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドを、修飾糖(DNAの天然2’-Hについて、2’-OH)を有するDNA、又は修飾塩基(RNAの天然ウラシルについて、チミン(メチル化ウラシル))を有するRNAと記載することができる。
【0427】
したがって、限定されるものではないが、配列表に含まれるものが挙げられる、本明細書中で提供される核酸配列は、天然の、又は修飾されたRNA及び/又はDNAのあらゆる組合せを含有する、限定されるものではないが、修飾核酸塩基を有するような核酸が挙げられる核酸を包含することが意図される。更なる例として、限定されるものではないが、核酸塩基配列「ATCGATCG」を有するオリゴヌクレオチドは、修飾されているか非修飾であるかを問わず、そのような核酸塩基配列を有するあらゆるオリゴヌクレオチドを包含し、限定されるものではないが、RNA塩基を含むような化合物、例えば、配列「AUCGAUCG」を有するもの、いくつかのDNA塩基及びいくつかのRNA塩基、例えば「AUCGATCG」を有するもの、並びに他の修飾核酸塩基、例えば「ATmCGAUCG」(mCは、5位にメチル基を含むシトシン塩基を示す)を有する化合物が挙げられる。
【0428】
本明細書中に記載される特定の化合物(例えば修飾オリゴヌクレオチド)は、1つ以上の非対称中心を有するので、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び他の立体異性配置を生じさせ、これらは、絶対立体化学に関して、(R)若しくは(S)として、糖アノマー等についてα若しくはβとして、又はアミノ酸等について(D)若しくは(L)として、等々、定義され得る。特定の立体異性配置を有すると描かれ、又は記載される、本明細書中で提供される化合物は、示される化合物しか含まない。立体化学が規定されていない、描かれる、又は記載される、本明細書中で提供される化合物は、その立体不規則的な、且つ光学的に純粋な形態が挙げられる、考えられる異性体を全て含む。同様に、別途示さない限り、本明細書中で提供される化合物の全ての互変異性形態が含まれる。別途示さない限り、本明細書中に記載されるオリゴマー化合物及び修飾オリゴヌクレオチドは、対応する塩形態を含むことが意図される。
【0429】
本明細書中に記載される化合物は、1つ以上の原子が、示される元素の非放射性同位体又は放射性同位体で置換されているバリエーションを含む。例えば、水素原子を含む本明細書中の化合物は、1H水素原子毎に、考えられる全ての重水素置換を包含する。本明細書中の化合物によって包含される同位体置換として、以下に限定されないが:1Hの代わりに2H又は3H、12Cの代わりに13C又は14C、14Nの代わりに15N、16Oの代わりに17O又は18O、及び32Sの代わりに33S、34S、35S、又は36Sが挙げられる。
【0430】
本明細書中に記載される特定の化合物、組成物、及び方法を、特定の実施形態に従う特性と共に記載してきたが、以下の実施例は、本明細書中に記載される化合物を説明する役割のみを果たし、これを限定することを意図するものではない。本出願において引用される参考文献はそれぞれ、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0431】
実施例1:HepaRG細胞におけるcEtギャップマーによるヒトHSD17B13のアンチセンス阻害
HSD17B13核酸と相補的な修飾オリゴヌクレオチドを合成して、HSD17B13 RNAレベルに及ぼす効果について、インビトロで試験した。修飾オリゴヌクレオチドを、同じ培養条件を用いる一連の実験において試験した。別個の各実験の結果を、以下の表に示す。
【0432】
修飾オリゴヌクレオチドは全て、3-10-3 cEtギャップマーであった(すなわち、10個の2’-デオキシヌクレオシドの中央のギャップセグメントに、3個のcEt修飾ヌクレオシドを含むウイングセグメントが両側面に位置した)。各修飾オリゴヌクレオチドの全体に及ぶヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアート(P=S)結合であった。各修飾オリゴヌクレオチドの全体に及ぶシトシン核酸塩基は全て、5-メチルシトシンであった。
【0433】
「開始部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが相補的である標的配列の最も5’側のヌクレオシドを示す。「停止部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが相補的である標的配列の最も3’側のヌクレオシドを示す。以下の表に示すように、修飾オリゴヌクレオチドは、ヒトHSD17B13 mRNA(本明細書中で配列番号1に指定)(GENBANK登録番号NM_178135.4)に、若しくはヒトHSD17B13ゲノム配列(本明細書中で配列番号2に指定)(ヌクレオチド87301001~87326000からトランケートした、GENBANK登録番号NC_000004.12の相補体)に、又は双方に相補的である。「N/A」は、修飾オリゴヌクレオチドが、特定の標的配列と、100%の相補性で相補的でないことを示す。
【0434】
1ウェル当たり20,000個の細胞の密度にて培養したHepaRG細胞に、エレクトロポレーションを使用して、1,000nMの修飾オリゴヌクレオチドを形質移入した。約24時間の処理期間後、RNAを細胞から単離して、HSD17B13 RNAレベルを、定量的リアルタイムRTPCRによって測定した。ヒトプライマープローブセットRTS43553(フォワード配列AGACTACAGAAGTTTCTTCCTGAAC、配列番号5として本明細書中で指定;リバース配列CATCTCTGGCTGGAGCTTATTT、配列番号6として本明細書中で指定;プローブ配列TTTGAAGCAGTGGTTGGCCACAAA、配列番号7として本明細書中で指定)を使用して、RNAレベルを測定した。HSD17B13 RNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定した総RNA含量に対して標準化した。結果を、未処理対照細胞に対するHSD17B13の阻害パーセントとして示す。本明細書中で使用される「0」の値は、修飾オリゴヌクレオチドによる処理が、HSD17B13 mRNAレベルを阻害しなかったことを示す。星印(*)は、修飾オリゴヌクレオチドが、標的転写産物と、プライマープローブセットのアンプリコン領域内で相補的であることを示すので、関連データは、信頼性が高くない。そのような場合には、代わりのプライマープローブセットをさらに用いて実行して、そのような修飾オリゴヌクレオチドの効力及び有効性を正確に評価しなければならない。
【0435】
【0436】
【0437】
【0438】
【0439】
【0440】
【0441】
【0442】
【0443】
【0444】
【0445】
【0446】
【0447】
【0448】
【0449】
【0450】
【0451】
【0452】
【0453】
【0454】
【0455】
【0456】
【0457】
【0458】
【0459】
【0460】
【0461】
【0462】
【0463】
【0464】
【0465】
【0466】
【0467】
【0468】
【0469】
【0470】
【0471】
【0472】
【0473】
【0474】
【0475】
【0476】
【0477】
【0478】
【0479】
【0480】
【0481】
【0482】
【0483】
【0484】
【0485】
【0486】
【0487】
【0488】
【0489】
【0490】
【0491】
【0492】
【0493】
【0494】
【0495】
【0496】
【0497】
【0498】
【0499】
【0500】
【0501】
【0502】
実施例2:HepaRG細胞におけるcEtギャップマーによるヒトHSD17B13の用量依存的阻害
HSD17B13 RNAの顕著なインビトロ阻害を示す、先の研究において記載した特定の修飾オリゴヌクレオチドを選択して、HepaRG細胞において種々の用量にて試験した。
【0503】
修飾オリゴヌクレオチドを、同じ培養条件を用いる一連の実験において試験した。実験毎の結果を、以下に示す別個の表に示す。1ウェル当たり30,000個の細胞の密度にて培養したHepaRG細胞に、エレクトロポレーションを使用して、以下の表において明記した様々な濃度に希釈した修飾オリゴヌクレオチドを形質移入した。約24時間の処理期間後、HSD17B13 RNAレベルを、ヒトHSD17B13プライマー-プローブセットRTS43553を使用して、先に記載したように測定した。HSD17B13 RNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定した総RNAに対して標準化した。結果を、非処理対照細胞に対するHSD17B13の阻害パーセントとして、以下の表に示す。
【0504】
各修飾オリゴヌクレオチドの最大半数阻害濃度(IC50)を、excelで、データの対数/線形プロット上の線形回帰を用いて算出した。以下の表中にも示す。
【0505】
【0506】
【0507】
実施例3:HepaRG細胞におけるcEtギャップマーによるヒトHSD17B13のアンチセンス阻害
HSD17B13核酸と相補的な追加の修飾オリゴヌクレオチドを合成して、HSD17B13 RNAレベルに及ぼす効果について、インビトロで試験した。修飾オリゴヌクレオチドを、同じ培養条件を用いる一連の実験において試験した。実験毎の結果を、以下に示す別個の表に示す。
【0508】
1ウェル当たり30,000個の細胞の密度にて培養したHepaRG細胞に、エレクトロポレーションを使用して、1,000nMの修飾オリゴヌクレオチドを形質移入した。約24時間の処理期間後、RNAを細胞から単離して、HSD17B13 RNAレベルを、定量的リアルタイムRTPCRによって測定した。ヒトプライマープローブセットRTS43553を使用して、RNAレベルを測定した。HSD17B13 RNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定した総RNA含量に従って調整した。結果を、未処理対照細胞に対するHSD17B13の阻害パーセントとして示す。本明細書中で使用される「0」の値は、修飾オリゴヌクレオチドによる処理が、HSD17B13 mRNAレベルを阻害しなかったことを示す。星印(*)は、修飾オリゴヌクレオチドが、標的転写産物と、プライマープローブセットのアンプリコン領域内で相補的であることを示すので、関連データは、信頼性が高くない。そのような場合には、代わりのプライマープローブセットをさらに用いて実行して、そのような修飾オリゴヌクレオチドの効力及び有効性を正確に評価しなければならない。
【0509】
以下の表中に記載する修飾オリゴヌクレオチドは、3-10-3 cEtギャップマーであった。各修飾オリゴヌクレオチドの全体に及ぶヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアート(P=S)結合であった。各修飾オリゴヌクレオチドの全体に及ぶシトシン残基は全て、5-メチルシトシンであった。
【0510】
「開始部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが相補的である標的配列の最も5’側のヌクレオシドを示す。「停止部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが相補的である標的配列の最も3’側のヌクレオシドを示す。以下の表に示すように、修飾オリゴヌクレオチドは、ヒトHSD17B13 mRNA(本明細書中で配列番号1に指定)(GENBANK登録番号NM_178135.4)に、若しくはヒトHSD17B13ゲノム配列(本明細書中で配列番号2に指定)(ヌクレオチド87301001~87326000からトランケートした、GENBANK登録番号NC_000004.12の相補体)に、又は双方に相補的である。「N/A」は、修飾オリゴヌクレオチドが、特定の標的配列と、100%の相補性で相補的でないことを示す。
【0511】
【0512】
【0513】
【0514】
【0515】
【0516】
【0517】
【0518】
【0519】
【0520】
【0521】
【0522】
【0523】
【0524】
【0525】
【0526】
【0527】
【0528】
【0529】
【0530】
【0531】
他の化学修飾を有するHSD17B13核酸と相補的な修飾オリゴヌクレオチドを、先に述べたように、合成して、HSD17B13 RNAレベルに及ぼす効果について、インビトロで試験した。以下の表中の化学表記の欄は、各修飾オリゴヌクレオチドの化学を明記しており;下付きの「d」は、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を表し、下付きの「e」は、2’-MOE糖部分を表し、下付きの「y」は、2’-O-メチル糖部分を表し、下付きの「k」は、cEt修飾糖部分を表し、下付きの「s」は、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合を表し、そしてシトシン残基の前の上付きの「m」は、5-メチルシトシンを表す。
【0532】
【0533】
【0534】
【0535】
【0536】
【0537】
【0538】
【0539】
【0540】
【0541】
【0542】
【0543】
【0544】
【0545】
【0546】
【0547】
【0548】
【0549】
【0550】
【0551】
【0552】
【0553】
【0554】
【0555】
【0556】
【0557】
【0558】
【0559】
【0560】
【0561】
【0562】
【0563】
【0564】
【0565】
【0566】
【0567】
【0568】
【0569】
【0570】
【0571】
【0572】
【0573】
【0574】
【0575】
【0576】
【0577】
【0578】
【0579】
【0580】
【0581】
【0582】
【0583】
実施例4:ヒトHSD17B13修飾オリゴヌクレオチドの設計、及びそれによる、HepRG細胞におけるアンチセンス阻害
HSD17B13核酸と相補的な修飾オリゴヌクレオチドを合成して、HSD17B13 RNAレベルに及ぼす効果について、インビトロで試験した。各修飾オリゴヌクレオチドの化学を明記しており;下付きの「d」は、2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を表し、下付きの「e」は、2’-MOE糖部分を表し、下付きの「y」は、2’-O-メチル糖部分を表し、下付きの「k」は、cEt修飾糖部分を表し、下付きの「s」は、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合を表し、そしてシトシン残基の前の上付きの「m」は、5-メチルシトシンを表す。「開始部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが相補的である標的配列の最も5’側のヌクレオシドを示す。「停止部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが相補的である標的配列の最も3’側のヌクレオシドを示す。以下の表に示すように、修飾オリゴヌクレオチドは、ヒトHSD17B13 mRNA(本明細書中で配列番号1に指定)(GENBANK登録番号NM_178135.4)に、若しくはヒトHSD17B13ゲノム配列(本明細書中で配列番号2に指定)(ヌクレオチド87301001~87326000からトランケートした、GENBANK登録番号NC_000004.12の相補体)に、又は双方に相補的である。「N/A」は、修飾オリゴヌクレオチドが、特定の標的配列と、100%の相補性で相補的でないことを示す。
【0584】
修飾オリゴヌクレオチドを、同じ培養条件を用いる一連の実験において試験した。実験毎の結果を、以下に示す別個の表に示す。1ウェル当たり30,000個の細胞の密度にて培養したHepaRG細胞に、エレクトロポレーションを使用して、1,000nMの修飾オリゴヌクレオチドを形質移入した。約24時間の処理期間後、RNAを細胞から単離して、HSD17B13 RNAレベルを、定量的リアルタイムRTPCRによって測定した。ヒトプライマープローブセットRTS43553を使用して、RNAレベルを測定した。HSD17B13 RNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定した総RNA含量に従って調整した。結果を、未処理対照細胞に対するHSD17B13の阻害パーセントとして示す。本明細書中で使用される「0」の値は、修飾オリゴヌクレオチドによる処理が、HSD17B13 mRNAレベルを阻害しなかったことを示す。
【0585】
【0586】
【0587】
【0588】
【0589】
【0590】
【0591】
【0592】
【0593】
【0594】
【0595】
【0596】
【0597】
【0598】
【0599】
【0600】
【0601】
実施例5:HepaRG細胞における修飾オリゴヌクレオチドによるヒトHSD17B13の用量依存的阻害
HSD17B13 RNAの顕著なインビトロ阻害を示す、先の研究において記載した特定の修飾オリゴヌクレオチドを選択して、HepaRG細胞において種々の用量にて試験した。
【0602】
修飾オリゴヌクレオチドを、同じ培養条件を用いる一連の実験において試験した。実験毎の結果を、以下に示す別個の表に示す。1ウェル当たり30,000~35,000個の細胞の密度にて培養したHepaRG細胞に、エレクトロポレーションを使用して、以下の表において明記した様々な濃度に希釈した修飾オリゴヌクレオチドを形質移入した。約24時間の処理期間後、HSD17B13 RNAレベルを、ヒトHSD17B13プライマー-プローブセットRTS43553を使用して、先に記載したように測定した。HSD17B13 RNAレベルを、ヒトGAPDHによって測定した総RNA含量に対して標準化した。結果を、非処理対照細胞に対するHSD17B13の阻害パーセントとして、以下の表に示す。「N.D.」(データなし)と示すデータは、化合物による処理についてのデータを入手できないことを意味する。
【0603】
各修飾オリゴヌクレオチドの最大半数阻害濃度(IC50)を、excelで、データの対数/線形プロット上の線形回帰を用いて算出した。以下の表中にも示す。
【0604】
【0605】
【0606】
【0607】
【0608】
【0609】
【0610】
【0611】
【0612】
【0613】
【0614】
【0615】
【0616】
【0617】
【0618】
【0619】
【0620】
【0621】
【0622】
【0623】
【0624】
【0625】
【0626】
【0627】
【0628】
実施例6:ヒトHSD17B13修飾オリゴヌクレオチドの設計
先で記載した特定の修飾オリゴヌクレオチドをさらに、5’-末端でのコンジュゲートによって、LICA-1部分により修飾した。結果として生じた化合物及びその非コンジュゲート対応物を、以下の表中に記載する。化合物は、先に記載した「親化合物」と、配列及びオリゴヌクレオチド化学が同一である。
【0629】
【0630】
実施例7:トランスジェニックマウス肝細胞におけるヒトHSD17B13の用量依存的イクスビボ阻害
先で記載したコンジュゲート修飾オリゴヌクレオチドを、トランスジェニックマウスから抽出したプライマリマウス肝細胞において、種々の用量でのHSD17B13 RNAの阻害について試験した。
【0631】
トランスジェニックマウスモデルを、ヒトHSD17B13遺伝子(NCBI Clone DB ID:ABC8-43206400A10)を含有するフォスミドを用いて、社内で開発した。クローンを、Not1制限部位(2つの異なる部位)にて消化して、ヒトHSD17B13遺伝子の19,118bp(12,175bpの上流領域、及び7,553bpの下流領域を含む)を含有するフラグメントを生成した。当該遺伝子フラグメントを、C57/BL/6NTac株マウス由来の受精卵中に、前核注射(pronuclear injection)によって導入して、huHSD 17469及び17470樹立株を生成した。樹立株17469に由来するトランスジェニックマウスを、本明細書中に記載する実験に用いた。ヒトHSD17B13 RNA発現が、このモデルの肝臓中で見出される。マウスを犠牲にし、そして肝細胞を収集して、コンジュゲート修飾オリゴヌクレオチドを試験する実験に用いた。
【0632】
コンジュゲート修飾オリゴヌクレオチドを、同じ培養条件を用いる一連の実験において試験した。実験毎の結果を、以下に示す別個の表に示す。先で記載したプライマリマウスのトランスジェニック肝細胞を、1ウェル当たり20,000個の細胞の密度にてプレーティングして、自由取込みによって、以下の表において明記した様々な濃度に希釈したコンジュゲート修飾オリゴヌクレオチドで処理した。一晩のインキュベーションの後に、HSD17B13 RNAレベルを、本明細書中で先に記載するように、ヒトHSD17B13プライマー-プローブセットRTS43553を用いて測定した。HSD17B13 RNAレベルを、総GAPDH含量に対して標準化した。結果を、非処理対照細胞に対するHSD17B13の阻害パーセントとして、以下の表に示す。各修飾オリゴヌクレオチドの最大半数阻害濃度(IC50)を、excelで、データの対数/線形プロット上の線形回帰を用いて算出した。以下の表中にも示す。
【0633】
【0634】
【0635】
【0636】
実施例8:CD-1マウスにおける、HSD17B13と相補的な修飾オリゴヌクレオチドの忍容性
CD-1マウスは、安全性及び有効性の試験に頻繁に利用される多目的マウスモデルである。本研究において、CD-1マウスを、先で記載した研究から選択したコンジュゲート修飾オリゴヌクレオチドで処置して、種々の血漿化学マーカーのレベルの変化について評価した。
【0637】
処置
6~8週齢の雄CD-1マウスの群に、(合計7回の処置について)6週の間に週1回、25mg/kgのコンジュゲート修飾オリゴヌクレオチドを皮下注射した。雄CD-1マウスの1群に、PBSを注射した。マウスを、最終投与の48時間後に安楽死させた。
【0638】
研究1
血漿化学マーカー
肝機能に及ぼすコンジュゲート修飾オリゴヌクレオチドの効果を評価するために、血中尿素窒素(BUN)、アルブミン、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、及びクレアチニン(CREA)の血漿レベルを、自動臨床化学分析装置(Hitachi Olympus AU400c、Melville、NY)を用いて測定した。結果を、以下の表に示す。
【0639】
【0640】
体重及び器官重量
CD-1マウスの体重を、1日目及び44日目に測定した。群毎の平均体重を以下の表に示す。肝臓、腎臓、及び脾臓の重量を、研究の終了時に測定した。以下の表に示す。
【0641】
【0642】
血液学アッセイ
6週目にマウス群から得た血液を、ヘマトクリット(HCT)の測定及び血小板(PLT)の計数のためにIDEXX BioResearchに送った。結果を、以下の表に示す。
【0643】
【0644】
研究2
血漿化学マーカー
肝機能に及ぼす修飾オリゴヌクレオチドの効果を評価するために、血中尿素窒素(BUN)、アルブミン、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、及びクレアチニン(CREA)の血漿レベルを、自動臨床化学分析装置(Hitachi Olympus AU400c、Melville、NY)を用いて測定した。結果を、以下の表に示す。
【0645】
【0646】
体重及び器官重量
CD-1マウスの体重を、1日目及び42日目に測定した。群毎の平均体重を以下の表に示す。肝臓、腎臓、及び脾臓の重量を、研究の終了時に測定した。以下の表に示す。
【0647】
【0648】
血液学アッセイ
6週目にマウス群から得た血液を、ヘマトクリット(HCT)の測定、血小板(PLT)の計数、好中球(NEU)の計数、網状赤血球(RET)の計数、及びリンパ球(LYM)の計数のために、IDEXX BioResearchに送った。結果を、以下の表に示す。
【0649】
【0650】
研究3
血漿化学マーカー
肝機能に及ぼす修飾オリゴヌクレオチドの効果を評価するために、血中尿素窒素(BUN)、アルブミン、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、総ビリルビン(TBIL)、及びクレアチニン(CREA)の血漿レベルを、自動臨床化学分析装置(Hitachi Olympus AU400c、Melville、NY)を用いて測定した。結果を、以下の表に示す。
【0651】
【0652】
体重及び器官重量
CD-1マウスの体重を、1日目及び39日目に測定した。群毎の平均体重を以下の表に示す。肝臓、腎臓、及び脾臓の重量を、研究の終了時に測定した。以下の表に示す。
【0653】
【0654】
血液学アッセイ
6週目にマウス群から得た血液を、ヘマトクリット(HCT)の測定、血小板(PLT)の計数、好中球(NEU)の計数、網状赤血球(RET)の計数、及びリンパ球(LYM)の計数のために、IDEXX BioResearchに送った。結果を、以下の表に示す。
【0655】
【0656】
実施例9:Sprague-Dawleyラットにおける、ヒトHSD17B13を標的化する修飾オリゴヌクレオチドの忍容性
Sprague-Dawleyラットは、安全性及び有効性の評価に使用される多目的モデルである。本研究において、ラットを、先の実施例に記載した研究由来のIonisコンジュゲート修飾オリゴヌクレオチドで処置して、種々の血漿化学マーカーのレベルの変化について評価した。
【0657】
処置
雄Sprague-Dawleyラットを12時間の明暗サイクルで維持して、Purinaの通常のラット飼料を不断給餌した。それぞれ4頭のSprague-Dawleyラットの群に、6週の間に25mg/kgのコンジュゲート修飾オリゴヌクレオチドを毎週(合計7用量)皮下注射した。最後の投与の72時間後にラットを安楽死させて、更なる分析のために器官、尿、及び血漿を収集した。
【0658】
研究1
血漿化学マーカー
肝機能に及ぼすコンジュゲート修飾オリゴヌクレオチドの効果を評価するために、トランスアミナーゼの血漿レベルを、自動臨床化学分析装置(Hitachi Olympus AU400c、Melville、NY)を用いて測定した。ALT(アラニントランスアミナーゼ)及びAST(アスパラギン酸トランスアミナーゼ)の血漿レベルを測定した。結果を以下の表に、IU/Lで表現して示す。また、クレアチニン(CREA)、アルブミン、及び血中尿素窒素(BUN)の血漿レベルを、同臨床化学分析装置を用いて測定した。また、結果を、以下の表に示す。
【0659】
【0660】
血液学アッセイ
6週目にマウス群から得た血液を、ヘマトクリット(HCT)の測定及び血小板(PLT)の計数のためにIDEXX BioResearchに送った。結果を、以下の表に示す。
【0661】
【0662】
腎機能
腎機能に及ぼすコンジュゲート修飾オリゴヌクレオチドの効果を評価するために、総タンパク質及びクレアチニンの尿中レベルを、自動臨床化学分析装置(Hitachi Olympus AU400c、Melville、NY)を使用して測定した。総タンパク質の、クレアチニンに対する比率(P/C比)を、以下の表に示す。
【0663】
【0664】
体重及び器官重量
Sprague-Dawleyラットの体重を、1日目及び40日目に測定した。群毎の平均体重を以下の表に示す。肝臓、心臓、脾臓、及び腎臓の重量を、研究の終了時に測定した。以下の表に示す。
【0665】
【0666】
研究2
血漿化学マーカー
肝機能に及ぼすコンジュゲート修飾オリゴヌクレオチドの効果を評価するために、トランスアミナーゼの血漿レベルを、自動臨床化学分析装置(Hitachi Olympus AU400c、Melville、NY)を用いて測定した。ALT(アラニントランスアミナーゼ)及びAST(アスパラギン酸トランスアミナーゼ)の血漿レベルを測定した。結果を以下の表に、IU/Lで表現して示す。また、クレアチニン(CREA)、アルブミン、及び血中尿素窒素(BUN)の血漿レベルを、同臨床化学分析装置を用いて測定した。また、結果を、以下の表に示す。
【0667】
【0668】
血液学アッセイ
6週目にマウス群から得た血液を、ヘマトクリット(HCT)の測定、並びに血小板(PLT)の計数、好中球(NEU)の計数、網状赤血球(RET)の計数、及びリンパ球(LYM)の計数のために、IDEXX BioResearchに送った。結果を、以下の表に示す。
【0669】
【0670】
腎機能
腎機能に及ぼすIonisオリゴヌクレオチドの効果を評価するために、総タンパク質及びクレアチニンの尿中レベルを、自動臨床化学分析装置(Hitachi Olympus AU400c、Melville、NY)を使用して測定した。総タンパク質の、クレアチニンに対する比率(P/C比)を、以下の表に示す。
【0671】
【0672】
体重及び器官重量
Sprague-Dawleyラットの体重を、1日目及び44日目に測定した。群毎の平均体重を以下の表に示す。肝臓、心臓、脾臓、及び腎臓の重量を、研究の終了時に測定した。以下の表に示す。
【0673】
【0674】
研究3
血漿化学マーカー
肝機能に及ぼすコンジュゲート修飾オリゴヌクレオチドの効果を評価するために、トランスアミナーゼの血漿レベルを、自動臨床化学分析装置(Hitachi Olympus AU400c、Melville、NY)を用いて測定した。ALT(アラニントランスアミナーゼ)及びAST(アスパラギン酸トランスアミナーゼ)の血漿レベルを測定した。結果を以下の表に、IU/Lで表現して示す。また、クレアチニン(CREA)、アルブミン、総ビリルビン(TBIL)、及び血中尿素窒素(BUN)の血漿レベルを、同臨床化学分析装置を用いて測定した。また、結果を、以下の表に示す。
【0675】
【0676】
血液学アッセイ
6週目にマウス群から得た血液を、ヘマトクリット(HCT)の測定、並びに血小板(PLT)の計数、好中球(NEU)の計数、網状赤血球(RET)の計数、及びリンパ球(LYM)の計数のために、IDEXX BioResearchに送った。結果を、以下の表に示す。
【0677】
【0678】
腎機能
腎機能に及ぼすIonisオリゴヌクレオチドの効果を評価するために、総タンパク質及びクレアチニンの尿中レベルを、自動臨床化学分析装置(Hitachi Olympus AU400c、Melville、NY)を使用して測定した。総タンパク質の、クレアチニンに対する比率(P/C比)を、以下の表に示す。
【0679】
【0680】
体重及び器官重量
Sprague-Dawleyラットの体重を、1日目及び42日目に測定した。群毎の平均体重を以下の表に示す。肝臓、心臓、脾臓、及び腎臓の重量を、研究の終了時に測定した。以下の表に示す。
【0681】
【0682】
実施例10:ヒトHSD17B13を標的化する修飾オリゴヌクレオチドの粘度の測定
先に記載した研究から選んだコンジュゲート修飾オリゴヌクレオチドの粘性を測定した。
【0683】
コンジュゲート修飾オリゴヌクレオチド(32~38mgの範囲内)を、別個のガラスバイアル中に入れた;おおよそ100μLの水を、各バイアルに加えて、コンジュゲート修飾オリゴヌクレオチドを溶液中に、バイアルを55℃に加熱することによって溶解させた。予め加熱したサンプルの75μL部を、マイクロ粘度計(PAC Cambridge Viscosity Viscometer)にピペットで移した。マイクロ粘度計の温度を25℃に設定して、サンプルの粘度を測定した。続いて、各サンプルの75μL部を、元のサンプルの残部と組み合わせてから、260nMでのUVリーディング(Cary UV instrument)のために希釈した。データを、以下の表に示す。このアッセイにおいて粘性が40cP未満の化合物が、概して、治療に用いるのに適している。
【0684】
【配列表】