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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】車両軌道のための支持ローラ
(51)【国際特許分類】
   F16C 19/44 20060101AFI20231130BHJP
   F16C 3/02 20060101ALI20231130BHJP
   B62D 55/14 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
F16C19/44
F16C3/02
B62D55/14 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021566202
(86)(22)【出願日】2019-05-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-18
(86)【国際出願番号】 IT2019000032
(87)【国際公開番号】W WO2020225833
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2022-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】521485771
【氏名又は名称】イタルトラクトル イテエメ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カリア、ユースタキオ
(72)【発明者】
【氏名】ベッリーニ、アドリアーノ
(72)【発明者】
【氏名】エカマノフ、アスカール
【審査官】松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】特開昭49-072837(JP,A)
【文献】特開平10-196648(JP,A)
【文献】米国特許第05040855(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 19/00-19/56,33/30-33/66
F16C 3/00-9/06
B62D 41/00-67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両軌道のための支持ローラであって、前記支持ローラは、車両のシャシーと一体化された支持シャフト(3)上で回転することができる少なくとも1つの管状体(2)を有するタイプであり、前記少なくとも1つの管状体(2)は、それぞれのチェーンの内面の一部を受け入れるための少なくとも1つの外表面(4)を備えている、支持ローラにおいて、
前記支持シャフト(3)は、少なくとも3つの連続した円筒セグメント(5、6、7、8、9)を有し、円筒セグメント(5、6、7、8、9)は軸方向に沿って一定の外径を有し、また前記円筒セグメント(5、6、7、8、9)は外径の小さい順に前記軸方向に配置され
前記少なくとも1つの管状体(2)は円筒状の内部空洞を有し、前記円筒状の内部空洞は、最大直径を有する前記支持シャフト(3)の前記セグメント(8、9)の形状及び寸法と相補的な形状及び寸法である少なくとも1つの第1の部分(10)と、中間直径を有する前記支持シャフト(3)の前記セグメント(7、8)に対向し且つ近接する少なくとも1つの中間部分(11)とを備え、前記中間部分(11)は前記第1の部分(10)とは異なる直径を有し、
前記支持シャフト(3)の中間直径を有する前記セグメント(7、8)と、前記管状体(2)の前記少なくとも1つの中間部分(11)との間に、ローラ、バレル、ボールなどのような複数の転動体(13)の収容のための環状空間が形成されることを特徴とする、支持ローラ。
【請求項2】
前記支持シャフト(3)は、回転軸線を横断し且つ前記回転軸線に垂直である中央面に関して対称であり、また対称な外部輪郭領域を有しており、各輪郭領域は、前記少なくとも3つの連続した円筒セグメント(5、6、7、8、9)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のローラ。
【請求項3】
前記対称な輪郭領域は、円筒状の中心部分(3a)によって相互に一体化されていることを特徴とする、請求項2に記載のローラ。
【請求項4】
前記管状体(2)は、それぞれの支持シャフト(3)上に2つ、対称的に配置され、各管状体が、前記少なくとも1つの第1の部分(10)と前記少なくとも1つの中間部分(11)とを備えた前記円筒状の内部空洞を有することを特徴とする、請求項1に記載のローラ。
【請求項5】
前記支持シャフト(3)は、
-第1のセグメント(5)を構成し、車両のシャシーとの係合用であり、且つ第1の直径を有する2つの終端部(5)と、
-前記終端部(5)のうちの1つの終端部(5)のエンド・フロント(14)から最も離れた領域と一体化された少なくとも1つの第2の円筒セグメント(6)であって、前記第1の直径より大きい第2の直径を有する少なくとも1つの第2のセグメント(6)と、
-前記第2のセグメント(6)と一体化された少なくとも1つの第3の円筒セグメント(7)であって、前記第2の直径より大きい第3の直径を有する少なくとも1つの第3のセグメント(7)と、
-前記第3のセグメント(7)と一体化された少なくとも1つの第4の円筒セグメント(8)であって、前記第3の直径より大きい第4の直径を有する少なくとも1つの第4のセグメント(8)と、
-前記第4のセグメント(8)と一体化された少なくとも1つの第5の円筒セグメント(9)であって、前記第4の直径より大きい第5の直径を有する少なくとも1つの第5のセグメント(9)と
を有することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項に記載のローラ。
【請求項6】
各管状体(2)の前記内部空洞は、
-前記支持シャフト(3)の前記第5のセグメント(9)の形状及び寸法と相補的な形状及び寸法である前記第1の部分(10)と、
-前記支持シャフト(3)の前記第4のセグメント(8)の形状及び寸法と相補的な形状及び寸法である第2の部分(12)と、
-前支持シャフト(3)の前記第3のセグメント(7)に対向し且つ近接する前記中間部分(11)と
を有することを特徴とする、請求項5に記載のローラ。
【請求項7】
前記ローラは、少なくとも1つの閉鎖フランジ(15)を有し、前記閉鎖フランジ(15)は、前記管状体(2)と前記支持シャフト(3)との間に形成される前記空間内に前記転動体(13)を係止するために、前記支持シャフト(3)の前記第2のセグメント(6)に固く結合可能であり、またそれにより前記管状体(2)の軸方向並進運動が防止されることを特徴とする、請求項5又は6に記載のローラ。
【請求項8】
前記支持シャフト(3)は、
-第1のセグメント(5)を構成する2つの終端部(5)であって、前記2つの終端部(5)は、任意にはその上にキー止めされたスリーブを介在させて、車両のシャシーと係合するように設計され、且つ第1の直径を有している、2つの終端部(5)と、
-前記終端部(5)のうちの1つの終端部(5)のエンド・フロント(14)から最も離れた領域と一体化された少なくとも1つの第2の円筒セグメント(6)であって、前記第1の直径より大きい第2の直径を有する少なくとも1つの第2のセグメント(6)と、
-前記第2のセグメント(6)と一体化された少なくとも1つの第3の円筒セグメント(7)であって、前記第2の直径より大きい第3の直径を有する少なくとも1つの第3のセグメント(7)と、
-前記第3のセグメント(7)と一体化された少なくとも1つの第4の円筒セグメント(8)であって、前記第3の直径より大きい第4の直径を有する少なくとも1つの第4のセグメント(8)と
を有することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一項に記載されたローラ。
【請求項9】
各管状体(2)の前記内部空洞は、
-前記支持シャフト(3)の前記第4のセグメント(8)の形状及び寸法と相補的である形状及び寸法を有する前記第1の部分であって、前支持シャフト(3)の前記第3のセグメント(7)に対向し且つ近接する前記中間部分(11)を構成する前記第1の部分を有することを特徴とする、請求項8に記載のローラ。
【請求項10】
前記ローラは、少なくとも1つの閉鎖フランジ(18)を有し、前記閉鎖フランジ(18)は、前記管状体(2)を軸方向に係止するために、前記支持シャフト(3)の前記第1のセグメント(5)に固く結合可能であることを特徴とする、請求項8又は9に記載のローラ。
【請求項11】
前記支持シャフト(3)は、
-第1のセグメント(5)を構成し、車両のシャシーとの係合用であり、且つ第1の直径を有する2つの終端部(5)と、
-前記終端部(5)のうちの1つの終端部(5)のエンド・フロント(14)から最も離れた領域と一体化された少なくとも1つの第2の円筒セグメント(6)であって、前記第1の直径より大きい第2の直径を有する少なくとも1つの第2のセグメント(6)と、
-前記第2のセグメント(6)と一体化された少なくとも1つの第3の円筒セグメント(7)であって、前記第2の直径より大きい第3の直径を有する少なくとも1つの第3のセグメント(7)と、
-前記第3のセグメント(7)と一体化された少なくとも1つの第4の円筒セグメント(8)であって、前記第3の直径より大きい第4の直径を有する少なくとも1つの第4の部分(8)と、
-前記第4のセグメント(8)と一体化された少なくとも1つの第5の円筒セグメント(9)であって、前記第3の直径に等しい第5の直径を有する少なくとも1つの第5のセグメント(9)と、
を有することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか一項に記載されローラ。
【請求項12】
各管状体(3)の前記内部空洞は、
-前記支持シャフト(3)の前記第5のセグメント(9)の形状及び寸法と相補的な形状及び寸法である前記第1の部分(10)と、
-前支持シャフト(3)の前記第4のセグメント(8)に対向し且つ近接する前記中間部分(11)と、
-前記支持シャフト(3)の前記第3のセグメント(7)の形状及び寸法と相補的な形状及び寸法である最終部分(20)と
を有し、
前記第3のセグメント(7)及び前記最終部分(20)は、それぞれの切欠き(21、22)を有し、前記切欠き(21、22)は、相互に整列配置された構成において、前記支持シャフト(3)の前記第4のセグメント(8)と前記少なくとも1つの管状体(2)の前記中間部分(11)との間に形成される前記空間内に前記転動体(13)を挿入するための開口を形成することを特徴とする、請求項11に記載のローラ。
【請求項13】
前記ローラは、少なくとも1つのフランジ(23)を有し、前記フランジ(23)は、前記支持シャフト(3)の前記第4のセグメント(8)と前記少なくとも1つの管状体(2)の前記中間部分(11)との間に形成される前記空間にアクセスするための前記開口の閉鎖のために、前記支持シャフト(3)の前記第2のセグメント(6)に固く結合可能であることを特徴とする、請求項11又は12に記載のローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両軌道(vehicle tracks)のための支持ローラに関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンから地面に運動を伝えるための軌道を備える車両は、広範囲にわたる用途を有する。軌道車両(tracked vehicle)の使用は、トラクションに問題のある環境において好ましい。
【0003】
必要であり且つ減速装置と地面との間の運動伝達を支持する車両の全構成要素が、下部構造(車台)構成要素として知られており、チェーン、駆動ホイール、軌道テンショニング・ホイール、下部ローラ及び上部ローラを有する。
【0004】
動作中、チェーンは車両上に組み付けられ、連続構造を形成し、この連続構造は、それ自体上へ閉じており、所定の動作中心距離で配置される2以上のホイール間に巻回されて、可変数のローラによって案内される。エンジンからチェーンに運動を伝えるホイールは、スプロケット又はタンブラとして知られている。この構成要素は、一体に、又は複数のセグメントによって構成可能である。チェーンの巻回を閉じるために、少なくとも1つのアイドル・ホイール又は軌道テンショニング案内ホイールも存在する。チェーンは、その上部において、上部ローラと称される1又は複数のローラによって支持可能である。下部は、その代わりに下部ローラによって支持される。チェーンと車両との相互作用によって生成される垂直荷重は、下部ローラによって車両のシャシーに伝えられる。
【0005】
ローラは、軌道車両内部での動作中、車両の重量と外部環境との相互作用によって生成される軸方向及び半径方向の荷重によって生じる機械的応力を受ける。これらの荷重を吸収し、チェーンの正しい運動を損ない得るずれを回避するために、さまざまな解決法が現在用いられている。
【0006】
これらの解決法の1つは、ローラの構成要素間にベアリングを配置することである。
【0007】
ベアリングを用いる解決法は、機能的な観点から良好な応答を提供するにもかかわらず、他方では、構成要素のため、アセンブリのため、及び、ベアリングのシートを構成する構成要素の機械加工のための高いコストを有する。
【0008】
ベアリングの使用の代替の解決法は、ローラを支持するシャフトとローラ自体との間に摺動ブッシングを配置することである。
【0009】
摩擦係数を低下させ、荷重に耐え、熱を放散させるために、潤滑は、両方の解決法(ベアリング及び摺動ブッシング)に存在し得る。設計及び構造的な実例において最も広く知られた潤滑システムは、油浴タイプである。それゆえ、潤滑油の循環は、シャフトに対するローラの回転運動間の飛散によって発生する。この運動の間、潤滑油は、シャフトとローラ本体との間に支持膜を形成し、したがって2つの構成要素の物理的分離を達成し、摩擦を大幅に減少し、それゆえローラの正しい動作を可能にする。
【0010】
またシールを用いて、ローラと、対応する支持シャフトとの間に密封され且つ外部に向かって閉じた閉じ込めチャンバを作ることによって、ローラ・アセンブリから潤滑油が漏れることが回避される。シールのための構造的な選択は、さまざまである。Duo-Coneとして知られるフロント回転式シールを有するメカニカル・シールが一般的に用いられる。シールは、潤滑油の漏れを回避する役割を達成することに加えて、通常は実質的に軸方向の遊び、振動、衝撃に多少耐えることができ、ローラの内部を摩耗及び腐食性材料の存在から、また極端な温度の環境条件から保護することができる。
【0011】
ローラ本体は、一般に半割ローラとして周られる2つのパーツを結合することによって提供されることがよくある。この結合は、ほとんどの場合、溶接によって実行されるが、これは、材料自体の顕微鏡的及び機械的特徴の変更、並びに溶接点に近接した半割ローラの多少広範囲な形状変形のため、溶接された材料の性能の低下を引き起こしうる作業である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の狙いは、上述した課題を解決し、潤滑を必要としない車両軌道のための支持ローラを提案することである。
【0013】
この狙いの範囲内で、本発明の目的は、低コストの構成要素によって構成される車両軌道のための支持ローラを提案することである。
【0014】
本発明の他の目的は、強度の荷重に耐えるのに適している車両軌道のための支持ローラを提案することである。
【0015】
本発明のさらなる目的は、ほとんど摩耗しない車両軌道のための支持ローラを提案することである。
【0016】
本発明のさらなるの目的は、コストが低く、実際に提供するのに比較的単純で、安全な用途の車両軌道のための支持ローラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この狙い及びこれらの目的、並びに以下でより明らかになるその他事項は、車両軌道のための支持ローラによって達成され、支持ローラは、車両のシャシーと一体化された支持シャフトを中心に回転することができる少なくとも1つの管状体を有し、前記少なくとも1つの管状体は、それぞれのチェーンの内面の一部の一時的な収容のための少なくとも1つの外表面を備えており、前記支持シャフトは、少なくとも3つの連続した円筒セグメントを有し、円筒セグメントは、一定で、1つのセグメントから次へ徐々に増加する外径を有し、前記少なくとも1つの管状体は、円筒状の内部空洞を有し、形状及び寸法が最大直径を有する前記シャフトの前記セグメントの形状及び寸法と相補的である少なくとも1つの第1の部分と、アセンブリ構成で中間直径を有する前記シャフトの前記セグメントに対向し、近接する少なくとも1つの中間部分と、を備え、前記中間部分は、前記第1の部分と異なる直径を有し、ローラ、バレル、ボールなどのような複数の転動体の収容のための環状空間は、前記支持シャフトの中間直径を有する前記セグメントと、前記管状体の少なくとも1つの中間部分と、の間に形成されることを特徴とする。
【0018】
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付の図面において非限定的な実例により示される本発明による車両軌道のための支持ローラの好適であるが排他的ではない実施例の説明からより良く明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明による車両軌道のための支持ローラの第1のバージョンの長手方向面に沿った断面図である。
図2】本発明による車両軌道のための支持ローラの第2のバージョンの長手方向面に沿った断面図である。
図3】本発明による車両軌道のための支持ローラの第3のバージョンの長手方向面に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
上述した図面を特に参照して、参照符号1は、全体的に、車両軌道のための支持ローラを示す。
【0021】
本発明による支持ローラ1は、車両のシャシーと一体化された支持シャフト3を中心に回転することができる少なくとも1つの管状体2を有する。
【0022】
少なくとも1つの管状体2は、それぞれのチェーン(軌道チェーン)の内面の一部の一時的な収容(accommodation)のための少なくとも1つの外表面4を備えている。
【0023】
支持シャフト3は、少なくとも3つの連続した円筒セグメント5、6、7、8、9を有し、円筒セグメント5、6、7、8、9の外径は、一定であり、1つのセグメント5、6、7、8、9から次へ徐々に増加する。
【0024】
少なくとも1つの管状体2は、円筒状の内部空洞を有し、円筒状の内部空洞は、形状及び寸法が最大直径を有するシャフト3のセグメント8又は9の形状及び寸法と相補的である少なくとも1つの第1の部分10と、アセンブリ構成で中間直径を有するシャフト3のセグメント7又は8に対向し、近接する少なくとも1つの中間部分11と、を備えている。
【0025】
中間部分11は、第1の部分8又は9と異なる直径を有する。
【0026】
ローラ、バレル、ボールなどのような複数の転動体13を収容するための環状空間は、支持シャフト3の中間直径の部分7又は8と、前記管状体2の少なくとも1つの中間部分11と、の間に形成される。
【0027】
実行及び応用における安定した確実に興味がある本発明の実施例を特に参照して、有利には、支持シャフト3が回転軸線を横断し、回転軸線に垂直である中央面に対して対称でありうることが規定されている。
【0028】
この場合、シャフト3は、それぞれ対称な外部輪郭領域を有し、輪郭領域は各々、少なくとも3つの連続した円筒セグメント5、6、7、8、9を備えており、円筒セグメント5、6、7、8、9の外径は、一定であり、1つのセグメント5、6、7、8、9から次へ徐々に増加する。
【0029】
これらの実施例の範囲内で、対称な輪郭領域は、円筒状の中心部分3aによって相互に一体化される。
【0030】
また、上述した好適実施例の範囲内で、有利には、管状体2が、それぞれの支持シャフト3上に対称的に配置されて2つありうることが規定されている。
【0031】
この場合、各管状体2は、都合よく、少なくとも1つの第1の部分10と少なくとも1つの中間部分11とを備えているそれぞれの円筒状の内部空洞を有する。
【0032】
(単に図1の非限定的な実例により示される)本発明の実施例では、シャフト3は、有利には、第1のセグメント5を構成し、車両のシャシーとの嵌合を意図し、第1の直径を有する2つの終端部5と、終端部のうちの1つの終端部のエンド・フロント14から最も離れた領域と一体化され、第1の直径より大きい第2の直径を有する少なくとも1つの第2の円筒セグメント6と、第2のセグメント6と一体化され、第2の直径より大きい第3の直径を有する少なくとも1つの第3の円筒セグメント7と、第3のセグメント7と一体化され、第3の直径より大きい第4の直径を有する少なくとも1つの第4の円筒セグメント8と、第4のセグメント8と一体化されて、第4の直径より大きい第5の直径を有する少なくとも1つの第5の円筒セグメント9と、を有する。
【0033】
上述した実施例を特に参照して、各管状体2の内部空洞が有利には、形状及び寸法がシャフト3の第5のセグメント9の形状及び寸法と相補的である第1の部分10と、形状及び寸法がシャフト3の第4のセグメント8の形状及び寸法と相補的である第2の部分12と、アセンブリ構成でシャフトの第3のセグメント7に対向し、近接する中間部分11と、を有することが規定されている。
【0034】
上述した構成の解決法を特に参照して、ローラ1は、有用に、少なくとも1つの閉鎖フランジ15を有し、閉鎖フランジ15は、管状体2と支持シャフト3との間に画定される空間内に転動体13を係止するために、シャフト3の第2のセグメント6に固く(リジッドに)結合可能であり、結果として、管状体2の軸方向並進運動を防止することが規定されている。
【0035】
フランジ15とシャフトの第2のセグメント6との相互嵌合は、ねじタイプとすることができる。セグメント6が雄ねじを有し、フランジ15が相補的である雌ねじを有する場合、フランジ15をセグメント6にねじ留めすることが実際可能である。偶発的にフランジのねじを抜くことは、周知のタイプの方法を用いて防止可能である。
【0036】
添付の図1は、ねじ要素16をフランジ15のホール(同様にねじ付き)内に挿入し、セグメント6に完全にねじ留めするための構成においてフランジ15を係止する可能性を示す。
【0037】
(単に図2の非限定的な実例により示される)代替構成の解決法を特に参照して、シャフト3は、有用に、第1のセグメント5を構成し、車両のシャシーと嵌合(又は係合)するように設計された2つの終端部5を有することができる。設置する車両のシャシーへのこの嵌合のために、任意には、スリーブ17が配置されて、終端部5(第1のセグメント5)上にキー止め(又は他の方法で固定)される。
【0038】
終端部(第1のセグメント5)は、それぞれの第1の直径を有する。
【0039】
記載されている特定の実施例によれば、シャフト3は、いずれが、終端部5(第1のセグメント5)のうちの1つの終端部5のエンド・フロント14から最も離れた領域によって一体化された少なくとも1つの第2の円筒セグメント6をさらに有する。前記第2のセグメント6は、第1の直径(すなわち、第1のセグメント5の直径)より大きい第2の直径を有する。
【0040】
シャフト3は、第2のセグメント6と一体化され、第2の直径(すなわち、第2のセグメント6の直径)より大きい第3の直径を有する少なくとも1つの第3の円筒セグメント7をさらに備えている。
【0041】
最後に、シャフト3は、有効に、第3のセグメント7と一体化され、第3の直径(すなわち、第3のセグメント7の直径)より大きい第4の直径を有する少なくとも1つの第4の円筒セグメント8を有する。
【0042】
本発明によるローラ1のシャフト3のこの特定の実施例によれば、各管状体の内部空洞が、有利には、形状及び寸法がシャフト3の第4のセグメント8の形状及び寸法と相補的である第1の部分を有し、第1の部分は同様に、アセンブリ構成で、シャフト3の第3のセグメント7に対向し、近接する中間部分11を構成することが規定される。
【0043】
このように、管状体2の中間部分11は、シャフト3のセグメント8と相補的である形状及び寸法を有し、シャフト3の第3のセグメント7とともに、転動体13を収容することを意図する空間を形成する。
【0044】
上述した最後の構成の解決法はまた、少なくとも1つの閉鎖フランジ18を有し、閉鎖フランジ18は、前記シャフト3上の管状体2を軸方向に係止するために、シャフト3の第1のセグメント5に固く結合可能であることが指摘される。フランジ18の取り付けは、周知のタイプの複数の異なる方法によって得られうる。単に非限定的な実例によって、図2に示される構成の解決法において、フランジ18は、スリーブ17の配置によって管状体2を保持するための位置に保持されるということが指摘される。
【0045】
管状体は、有利には、形状及び寸法がシャフト3の第2のセグメント6の形状及び寸法と実質的に相補的である追加部分19さらに有することができ、転動体13が、それらを収容する空間内に軸方向に正しく係止されるのを確実にすること意図する(すなわち、管状体2の中間部分11とシャフト3の第3のセグメント7との間に形成される空間からそれぞれ逃げるのを防止する)ことが規定される。
【0046】
(単に図3の非限定的な実例により示される)さらなる代替構成の解決法を特に参照して、シャフト3は、有用に、第1のセグメント5を構成し、車両のシャシーとの嵌合を意図し、第1の直径を有する2つの終端部5と、終端部(第1のセグメント5)のうちの1つの終端部のエンド・フロント14から最も離れた領域によって一体化された少なくとも1つの第2の円筒セグメント6であって、都合よく第1の直径(第1のセグメント5の直径)より大きい第2の直径を有することに留意されたい第2のセグメント6と、第2のセグメント6と一体化され、第2の直径(第2のセグメント6の直径)より大きい第3の直径を都合よく有する少なくとも1つの第3の円筒セグメント7と、第3のセグメント7と一体化され、第3の直径(第3のセグメント7の直径)より小さい第4の直径を有する少なくとも1つの第4の円筒セグメント8と、第4のセグメント8と一体化され、第3の直径(第3のセグメント7の直径)に等しい第5の直径を効率的に有する少なくとも1つの第5の円筒セグメント9と、を有することができる。
【0047】
このさらなる構成の解決法を再び参照して、各管状体2の内部空洞は、形状及び寸法がシャフト3の第5のセグメント9の形状及び寸法と相補的である第1の部分10と、アセンブリ構成でシャフト3の第4のセグメント8に近接し、対向する中間部分11(第4のセグメント8に対して転動体13の収容を意図する空間を形成する)と、形状及び寸法がシャフト3の第3のセグメント7の形状及び寸法と相補的である最終部分20と、を有することが規定されている。
【0048】
特定の実施例では、シャフト3の第3のセグメント7及び管状体2の最終部分20は、それぞれの切欠き21及び22を有し、切欠き21及び22は、相互に整列配置された構成で、シャフト3の第4のセグメント8と少なくとも1つの管状体2の中間部分11との間に形成される空間内に転動体13を挿入するための開口を形成することが規定されている。
【0049】
このさらなる構成の解決法はまた、有利には、少なくとも1つのフランジ23を有し、フランジ23は、シャフト3の第4のセグメント8と少なくとも1つの管状体2の中間部分11との間に形成される空間にアクセスするための開口(それぞれ整列配置された切欠き21及び22によって構成される)の閉鎖のために、シャフト3の第2のセグメント6に固く結合可能である。
【0050】
記載されている構成の解決法の全てにおいて、ローラ1は、それらが配置されるシャフト3に対して自由に回転することができる管状体2を有し、回転は、転動体13の存在によって容易になり、転動体13はまた、横荷重の有効な支持を確実にする。
【0051】
転動体13の存在は、非常に低い摩擦係数を確実にし、このために、車両の運動の間のエネルギー損失は減少され、燃料が節減され、それゆえ、環境への影響も低くなる。
【0052】
低摩擦によって、注油はさらに余分になり、それゆえ、背景技術において提供される回転シールを提供することを意図する高価な構成要素は、もはや必要ではなく、油がないことはまた、周知のタイプのローラの故障の主因である漏れの危険を除去し、このことは、新規システムのより高い信頼性を明らかに示す。油がないため、フランジ15、18及び23の動作及び形状は単純化され、前記フランジは、ローラ1を外側からの研磨及び腐食要素の入力から保護するために実際単純なスクリーンとすることができる。
【0053】
コンタクト要素の摩耗エンドに到達すると、ローラ全体を変える必要はなく、単に回転管状体2を変えればいいので、記載されている革新は、土木車両用のローラ1の維持手順に革命をもたらし、本発明による発明の概念に固有の経済的な利点及びより小さい環境への影響は、明白である。
【0054】
本発明によるローラ1が、上述した背景技術の解決法の熱制限(温度上昇)を有さないので、この革新(本発明によるローラ1)を実装する軌道車両は、その移動速度を増加することができ、特にその移動時間を延長することができる。
【0055】
有利には、本発明は、上述した課題を解決し、注油を必要としない車両軌道のための支持ローラ1を提案する。
【0056】
都合よく、本発明による支持ローラ1は、低コストの構成要素によって構成される。
【0057】
プラスなことに、本発明による支持ローラ1は、強度の荷重に耐えるのに適している。
【0058】
有用に、本発明による支持ローラ1は、ほとんど摩耗しない。
【0059】
有効に、本発明による支持ローラ1は、実際に提供するのに比較的単純で、コストが低く、これらの特徴は、本発明によるローラ1を安定した用途の革新にする。
【0060】
このように考えられる本発明は、多数の修正及び変化が可能であり、その全ては、添付の請求の範囲の範囲内であり、すべての詳細は、他の技術的に等価な要素により置換されてもよい。
【0061】
示される実施例の実例において、特定の実例を参照して与えられる個々の特徴は、実施例の他の実例に存在する他の異なる特徴と実際に交換されてもよい。
【0062】
実際には、用いられる材料は、寸法と同様に、要件及び従来技術に従う任意のものでもよい。
【0063】
任意の請求項に言及される技術的特徴の後に参照符号ある場合、これらの参照符号は、請求項の理解度を増加させるためだけに含まれており、したがって、この種の参照符号は、この種の参照符号によって実例として識別される各要素の解釈を限定する効果はない。
図1
図2
図3