(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】ゲル化用組成物
(51)【国際特許分類】
A23L 29/269 20160101AFI20231130BHJP
A23L 29/256 20160101ALI20231130BHJP
A23L 5/00 20160101ALI20231130BHJP
【FI】
A23L29/269
A23L29/256
A23L5/00 A
(21)【出願番号】P 2022100463
(22)【出願日】2022-06-22
(62)【分割の表示】P 2020135836の分割
【原出願日】2016-03-17
【審査請求日】2022-06-22
(31)【優先権主張番号】P 2015060309
(32)【優先日】2015-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】500580677
【氏名又は名称】ニュートリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098121
【氏名又は名称】間山 世津子
(74)【代理人】
【識別番号】100107870
【氏名又は名称】野村 健一
(72)【発明者】
【氏名】川口 晋
(72)【発明者】
【氏名】谷山 洋平
(72)【発明者】
【氏名】上森 翔太
【審査官】澤田 浩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-019658(JP,A)
【文献】特開2011-254798(JP,A)
【文献】特開2015-000870(JP,A)
【文献】特開2009-291175(JP,A)
【文献】特開2004-194661(JP,A)
【文献】特開2004-283073(JP,A)
【文献】特開2013-138670(JP,A)
【文献】特開2008-118988(JP,A)
【文献】日本食品科学工学会誌,2013年,vol.60 no.8,pp.418-424
【文献】日本調理科学会誌,2014年,vol.47 no.1,pp.9-16
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
Pubmed,JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱調理してから、冷却した後、食事の前に100℃以上の熱風で再加熱して、形状を保持した状態で、咀嚼及び/又は嚥下機能の低下した者に提供されるゲル状食品を製造するためのゲル化用組成物であって、脱アシル型ジェランガム及びアルギン酸類からなる群より選択される少なくとも1種類の水溶性高分子
及びカルシウム塩を含有する前記ゲル化用組成物。
【請求項2】
再加熱が、食品の中心温度で75℃以上、加熱時間が1分間以上またはこれと同等以上という条件で行われる請求項1記載のゲル化用組成物。
【請求項3】
さらに、分散剤を含有する請求項1
又は2に記載のゲル化用組成物。
【請求項4】
分散剤がデキストリンである請求項
3記載のゲル化用組成物。
【請求項5】
さらに、pH調節剤及び/又はゲル化遅延剤を含有する請求項1~
4のいずれかに記載のゲル化用組成物。
【請求項6】
pH調節剤及び/又はゲル化遅延剤が、クエン酸三ナトリウムである請求項
5記載のゲル化用組成物。
【請求項7】
加熱調理してから、冷却した後、食事の前に100℃以上の熱風で再加熱して、形状を保持した状態で、咀嚼及び/又は嚥下機能の低下した者に提供されるゲル状食品を製造する方法であって、請求項1~
6のいずれかに記載のゲル化用組成物を食品に含有させることを含む前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲル化用組成物に関し、より詳細には、食品を製造した後に再加熱しても形状を保持するゲル状食品を製造するためのゲル化用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
病院や介護施設などの集団給食施設等において提供される食品については、食中毒の予防のための管理マニュアルが厚生労働省より作成されており(大量調理施設衛生管理マニュアル、厚生労働省、食安発1022第10号、平成25年10月22日:非特許文献1)、それに従わなければならない。
【0003】
これらの施設において、咀嚼機能の低下した高齢者や病者(えん下困難者)には、ゲル化用組成物を使用した嚥下調整食(一般に、ゼリー食と呼ばれている。)が提供されることが多いが、これまでのゲル化用組成物を使用した嚥下調整食では、大量調理施設衛生管理マニュアルに従った条件で再加熱すると溶解し保形出来ないという問題があった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】大量調理施設衛生管理マニュアル、厚生労働省、食安発1022第10号、平成25年10月22日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、再加熱しても溶解しないゲル状食品(例えば、嚥下調整食)を製造するためのゲル化用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
脱アシル型ジェランガム、アルギン酸などには熱不可逆性の性質があることは知られている。本発明者らは、この性質を利用し、再加熱しても溶解しない嚥下調整食を製造できるゲル化用組成物を調製することに成功し、本発明を完成させるに至った。本発明のゲル化用組成物により製造したゲル状食品は、大量調理施設衛生管理マニュアルに従った加熱処理によっても形状を保持しうるので、本発明のゲル化用組成物は、病院や養護施設などで、咀嚼機能の低下した高齢者や病者(えん下困難者)に提供するゲル状の嚥下調整食の製造に適している。
【0007】
本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)食品を製造した後に再加熱しても形状を保持するゲル状食品を製造するためのゲル化用組成物であって、熱不可逆性ゲルを形成しうる水溶性高分子を含有する前記ゲル化用組成物。
(2)再加熱が、食品の中心温度で75℃以上、加熱時間が1分間以上またはこれと同等以上という条件で行われる(1)記載のゲル化用組成物。
(3)水溶性高分子として、脱アシル型ジェランガム及びアルギン酸類からなる群より選択される少なくとも1種類の水溶性高分子を含有し、さらに、カルシウム塩を含有する(1)又は(2)記載のゲル化用組成物。
(4)さらに、分散剤を含有する(1)~(3)のいずれかに記載のゲル化用組成物。
(5)分散剤がデキストリンである(4)記載のゲル化用組成物。
(6)さらに、pH調節剤及び/又はゲル化遅延剤を含有する(1)~(5)のいずれかに記載のゲル化用組成物。
(7)pH調節剤及び/又はゲル化遅延剤が、クエン酸三ナトリウムである(6)記載のゲル化用組成物。
(8)食品をゲル化し、かつ食品製造後の再加熱に対する食品の保型性を高める方法であって、(1)~(7)のいずれかに記載のゲル化用組成物を食品に含有させることを含む前記方法。
(9)食品を製造した後に再加熱しても形状を保持するゲル状食品を製造する方法であって、(1)~(7)のいずれかに記載のゲル化用組成物を食品に含有させることを含む前記方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、食品を製造した後に再加熱しても形状を保持するゲル状食品を製造できるようになった。
本明細書は、本願の優先権の基礎である日本国特許出願、特願2015‐60309の明細書および/または図面に記載される内容を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】再加熱前の食品の状態(1:実施例1で調製したゲル化用組成物を用いた食品、2:比較例1で調製したゲル化用組成物を用いた食品)を示す。
【
図2】再加熱後の食品の状態(1:実施例1で調製したゲル化用組成物を用いた食品、2:比較例1で調製したゲル化用組成物を用いた食品)を示す。
【
図3】再加熱前後の食品のかたさ(1:実施例1で調製したゲル化用組成物を用いた食品、2:比較例1で調製したゲル化用組成物を用いた食品)を示す。
【
図4】再加熱前後の食品のかたさ(1:実施例4で調製したゲル化用組成物を用いた食品、2:比較例1で調製したゲル化用組成物を用いた食品)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態についてより詳細に説明する。
【0011】
本発明は、食品を製造した後に再加熱しても形状を保持するゲル状食品を製造するためのゲル化用組成物であって、熱不可逆性ゲルを形成しうる水溶性高分子を含有する前記ゲル化用組成物を提供する。
【0012】
再加熱は、食品の中心温度で75℃以上、加熱時間が1分間以上またはこれと同等以上という条件で行われるとよい。
【0013】
例えば、クックチル、Newクックチル(加熱調理した食品を急速冷却して保管し、喫食時間に合せて再加熱し提供する調理システム)では、スチームコンベクションオーブンまたは再加熱カート(100℃以上の熱風で加熱)で食品を再加熱する。本発明のゲル化用組成物は、クックチルやNewクックチルの再加熱の条件でも形状を保持するゲル状食品を提供しうる。
【0014】
本発明のゲル化用組成物は、水溶性高分子として、脱アシル型ジェランガムを含有し、さらに、カルシウム塩を含有するとよい。脱アシル型ジェランガムとカルシウム塩が反応して形成したゲルは、熱不可逆性の性質を有する。脱アシル型ジェランガムは、水草に存在する微生物Sphingomonas elodea(スフィンゴモナス・エロデア)が菌体外に産出する多糖類で、ネイティブ型ジェランガムから、1-3結合したグルコースに存在するアセチル基とグリセリル基を除去したものである。ゲルの特性としては硬くて脆く、耐熱性および耐酸性を示す。カルシウム塩は、脱アシル型ジェランガムとゲル化反応を起こすものであればよく、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、水酸化カルシウム、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウムなどを例示することができ、このうち、乳酸カルシウムが好ましい。
【0015】
また、本発明のゲル化用組成物は、水溶性高分子としてアルギン酸類を含有し、さらに、カルシウム塩を含有してもよい。アルギン酸類とカルシウム塩が反応して形成したゲルは、熱不可逆性の性質を有する。アルギン酸類は、海藻からの抽出によって製造することができ、市販されているアルギン酸類としては、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸エステルなどがある。カルシウム塩は、アルギン酸類とゲル化反応を起こすものであればよく、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、水酸化カルシウム、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウムなどを例示することができ、このうち、乳酸カルシウムが好ましい。
【0016】
また、本発明のゲル化用組成物は、熱不可逆性ゲルを形成しうる水溶性高分子として、カードラン、ペクチン、CMCなどを含有してもよい。
【0017】
本発明のゲル化用組成物は、さらに、分散剤を含有するとよい。
【0018】
分散剤は、粒子の分解性や溶解性を補助するために添加される。分散剤の添加により、粒子同士が接着し、凝集塊を形成することを抑制して、熱不可逆性ゲルを形成しうる水溶性高分子の水への分散性を向上させ、この分散性の向上により溶解性を高めることができる。分散剤は、水溶性であることが好ましく、水溶性分散剤としては、マルトデキストリン、粉あめ、デキストリン(好ましくは、多孔質デキストリン)、乳糖、澱粉、粉糖、グラニュー糖などを例示することができる。分散剤は、溶解性を高めるために多孔性粒子であることが好ましい。多孔性粒子を形成するためには、フローコーティング法、ドラムドライヤー法などを用いるとよい。ドラムドライヤー法によって造粒された粒子は、表面が金平糖のような角状またはいぼ状の突起が形成され、水に溶解する際の粒子表面の濡れを遅らすことができ、粒子が分散する前の凝集塊の形成をより防止することができる。また、分散剤の粒子サイズは、例えば、直径250μm~1000μmとすることができる。
【0019】
本発明のゲル化用組成物は、さらに、pH調節剤及び/又はゲル化遅延剤を含有してもよい。
【0020】
pH調節剤及び/又はゲル化遅延剤は、ゲル化用組成物を添加した食品のpHを調節し、かつ水溶性高分子のゲル化反応をコントロールすることができる(すなわち、反応遅延剤として作用する)。pH調節剤及び/又はゲル化遅延剤としては、クエン酸三ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウムなどを好適に用いることができる。
【0021】
本発明のゲル化用組成物は、さらに、熱可逆性ゲルを形成しうる水溶性高分子以外の増粘剤を含有してもよい。
【0022】
増粘剤としては、キサンタンガム、グァーガム、ジェランガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、グルコマンナン、カラギーナン、寒天、ペクチン、アルギン酸類、スクシノグリカン、サイリウムシードガムなどを例示することができるが、これらに限定されることはない。
【0023】
本発明の実施の一態様として、ゲル化用組成物には、脱アシル型ジェランガム5~50質量%、カルシウム塩(例えば、乳酸カルシウム)2.5~25質量%、分散剤(例えば、デキストリン)10~90質量%、pH調整剤及び/又は遅延剤(例えば、クエン酸三ナトリウム)1~10質量%が配合される。さらに、増粘剤(例えば、キサンガンガム)0.5~5質量%を配合してもよい。
【0024】
本発明のゲル化用組成物は、各成分を適切な分量で配合した後、適量に分包して、供給してもよい。
【0025】
また、本発明は、上記のゲル化用組成物を食品に含有させることを含む、食品をゲル化し、かつ食品製造後の再加熱に対する食品の保型性を高める方法を提供する。
【0026】
さらにまた、本発明は、上記のゲル化用組成物を食品に含有させることを含む、食品を製造した後に再加熱しても形状を保持するゲル状食品を製造する方法を提供する。
【0027】
本発明のゲル化用組成物は、食品100gに対して0.5~10g添加するとよい。
【0028】
本発明の方法により製造されるゲル状食品は、平均かたさ応力300~20,000N/m2、平均凝集性0.2~0.9、平均付着エネルギー100~1,500J/m3の物性を持つようにゲル化用組成物の添加量を調整するとよい。これらの物性値は、特別用途食品嚥下困難者用食品許可基準に準ずる値である。
【0029】
本発明のゲル化用組成物により、食品を製造した後に再加熱しても形状を保持するゲル状食品を製造することができる。本発明のゲル化用組成物を用いれば、大量調理施設衛生管理マニュアルに従った条件で再加熱処理を行っても形状を保持するゲル状食品を製造することができるので、本発明のゲル化用組成物は、病院や養護施設などで、咀嚼機能の低下した高齢者や病者(えん下困難者)に提供するゲル状の嚥下調整食の製造に適している。
【実施例】
【0030】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕ゲル化用組成物(本発明品)の調製
デキストリン79kg、脱アシル型ジェランガム10kg、キサンタンガム3kgをブレンド後、バインダー溶液(乳酸カルシウム2kg、クエン酸三ナトリウム2kg、ローカストビーンガム2kg、硫酸カルシウム1kg、塩化ナトリウム1kgを溶解した水30kg)を吹き付けながら、造粒を行った。造粒した粒子を篩にかけ、粒子サイズ(直径)250~710μmの粒子を回収した(95~100kg)。
【0031】
〔比較例1〕ゲル化用組成物(比較品)の調製
デキストリン40kg、キサンタンガム30kg、ローカストビーンガム10kg、寒天10kgをブレンド後、バインダー溶液(デキストリン10kgを溶解した水30kg)を吹き付けながら、造粒を行った。造粒した粒子を篩にかけ、粒子サイズ(直径)250~710μmの粒子を回収した(95~100kg)。
【0032】
〔実施例2〕ゲル状食品の調製
(1)本発明品のゲル化用組成物を用いたゲル状食品の調製
(1-1)だし汁1000gまたは水1000gにあらかじめ実施例1で調整したゲル化用組成物40gを分散させた。
(1-2)さばの煮つけ1000gに(1-1)を加え、ミキサーにかけた。
(1-3)撹拌しながら85℃以上に加熱した。
(1-4)冷めないうちに型に流し込み、急速冷却し、冷蔵庫で冷やし固めた。
(1-5)固まったら、適度な大きさに切り分けて盛り付けを行った(
図1-1)。
(1-6)Newクックチル用再加熱カートにて再加熱(ゲル状食品の中心温度75℃以上、1分間以上)を行った。
(1-7)その結果、再加熱後も保型性を保ったゲル状食品を提供することができた(
図2-1)。
【0033】
(2)比較品のゲル化用組成物を用いたゲル状食品の調製
(2-1)さばの煮つけ1000gとだし汁1000gに比較例1で調整したゲル化用組成物を40g加えミキサーにかけた。
(2-2)撹拌しながら85℃以上に加熱した。
(2-3)冷めないうちに型に流し込み、粗熱をとって冷蔵庫で冷やし固めた。
(2-4)固まったら、適度な大きさに切り分けて盛り付けを行った(
図1-2)。
(2-5)Newクックチル用再加熱カートにて再加熱(ゲル状食品の中心温度75℃以上、1分間以上)を行った。
(2-6)その結果、再加熱後も保型性を保つことができなかった(
図2-2)。
【0034】
〔実施例3〕ゲル状食品の物性
実施例2で調製したゲル状食品の再加熱(中心温度75℃、3分間)前後のかたさを比較した。測定は特別用途食品えん下困難者用食品許可基準に準拠した方法で行った。
・測定温度 45℃
・測定器 山電テクスチュロメーター(レオナーRE-3305S)
・プランジャー No.56(φ20mm)
・圧縮速度 10mm/s
・測定歪率 66.67%
・PRISET. No.1 15.00mm
・PRISET. No.2 2TIMES
【0035】
【0036】
実施例2により調整したゲル状食品の再加熱前後における平均かたさ応力をそれぞれ測定した(n=5)。棒グラフ中の1は、本発明品のゲル化用組成物を用いたゲル状食品の平均かたさ応力、棒グラフ中の2は、比較品のゲル化用組成物を用いたゲル状食品の平均かたさ応力の値を示す。
図3より、本発明品のゲル化用組成物を用いたゲル状食品については、再加熱前後にて平均かたさ応力値の変化が少ないことが確認された。
【0037】
〔実施例4〕ゲル化用組成物(本発明品)の調製
デキストリン49kg、アルギン酸ナトリウム30kg、キサンタンガム5kgをブレンド後、バインダー溶液(乳酸カルシウム3kg、クエン酸三ナトリウム4kg、ローカストビーンガム2kg、硫酸カルシウム6kg、塩化ナトリウム1kgを溶解した水30kg)を吹き付けながら、造粒を行った。造粒した粒子を篩にかけ、粒子サイズ(直径)250~710μmの粒子を回収した(95~100kg)。
実施例2と同様の方法にてゲル状食品を調製し、実施例3と同様の方法にてゲル状食品の物性を測定した。
【0038】
【0039】
本実施例で調製したゲル化用組成物を用いたゲル状食品(本発明品)の再加熱前後における平均かたさ応力をそれぞれ測定した(n=5)。棒グラフ中の1は、本発明品のゲル化用組成物を用いたゲル状食品の平均かたさ応力、棒グラフ中の2は、比較品のゲル化用組成物を用いたゲル状食品(比較例1で調製したゲル化用組成物を用いたゲル状食品)の平均かたさ応力の値を示す。
図4より、本発明品のゲル化用組成物を用いたゲル状食品については、再加熱前後にて平均かたさ応力値の変化が少ないことが確認された。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、再加熱しても溶解しないゲル状食品(例えば、嚥下調整食)の製造に利用可能である。