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特許7394191情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20231130BHJP
   G06V 10/44 20220101ALI20231130BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20231130BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20231130BHJP
【FI】
G06T7/00 300F
G06V10/44
G06Q10/20
G06Q50/10
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2022150131
(22)【出願日】2022-09-21
(62)【分割の表示】P 2022019067の分割
【原出願日】2022-02-09
(65)【公開番号】P2023116379
(43)【公開日】2023-08-22
【審査請求日】2023-07-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】田見 憲一朗
(72)【発明者】
【氏名】飯田 奈穂実
(72)【発明者】
【氏名】舛本 潤平
【審査官】宮島 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-214282(JP,A)
【文献】特開2019-117437(JP,A)
【文献】特開2014-215907(JP,A)
【文献】特開2001-265889(JP,A)
【文献】特開2021-125222(JP,A)
【文献】特開2020-16956(JP,A)
【文献】特開2017-10231(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00 - 7/90
G06V 10/00 - 20/90
G06V 30/418
G06V 40/16
G06V 40/20
G06T 1/00 - 1/40
G06Q 10/00 - 10/30
G06Q 30/00 - 30/08
G06Q 50/00 - 50/20
G06Q 50/26 - 99/00
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計を分類するために割り当てられた物品群情報が表れた第1の面を撮影した第1の画像から第1の文字列を抽出し、抽出された前記第1の文字列を、物品群情報が予め登録された第1のデータベースと照合し、抽出された前記第1の文字列の中に、前記第1のデータベースに登録された前記物品群情報が含まれていれば、前記第1のデータベースに登録された前記物品群情報取得する物品群情報取得部と、
前記時計の時刻が表示される第2の面を撮影した第2の画像から前記時計の特徴量を生成する物品特徴量生成部と、
生成された前記時計の特徴量を、取得された前記物品群情報に紐付けられた前記時計の特徴量および前記時計の種類を識別する物品識別情報が予め登録された第2のデータベースと照合し、生成された前記時計の前記特徴量が前記第2のデータベースに登録された特徴量と一致するとき、前記第2のデータベースに登録された特徴量に紐付けて前記第2のデータベースに登録されている前記物品識別情報を取得する物品識別情報取得部と、を含む、情報処理システム。
【請求項2】
さらに、
前記第1の画像から第2の文字列を抽出し、抽出された前記第2の文字列を、前記時計の製造時に個体を識別するために付与される製造識別情報が予め登録された第3のデータベースと照合し、抽出された前記第2の文字列の中に、前記第3のデータベースに登録された前記製造識別情報が含まれていれば、前記第3のデータベースに登録された前記製造識別情報を取得する製造識別情報取得部と
取得された前記製造識別情報を、前記時計の製造識別情報に紐付けられ真贋判定の判定回数が登録された第のデータベースと照合し、前記製造識別情報が前記第のデータベースに登録され、かつ、前記判定回数が所定のしきい値以下であるとき、前記時計を真正品と判定する物品真贋判定部と、を含む、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
さらに、生成された前記時計の前記特徴量と前記第2のデータベースに登録された前記特徴量との一致度がしきい値を超えるとき、前記時計を真正品と判定する物品真贋判定部を含む、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
時計の時刻が表示される第2の面を撮影した第2の画像から前記時計の特徴量を生成し、生成された前記時計の前記特徴量が入力されると前記時計の種類を識別する物品識別情報の候補情報を出力するように学習された候補情報学習モデルを用いて、前記候補情報を生成する候補情報生成部と、
前記候補情報が提供されたユーザによる前記候補情報の中の1つを選択する第1のユーザ入力情報に基づき、前記物品識別情報を取得する物品識別情報取得部と、
前記ユーザによる第2のユーザ入力情報に基づき、前記時計の製造時に識別するために付与される製造識別情報を取得し、前記製造識別情報を、前記時計の製造識別情報に紐付けられ真贋判定の判定回数が登録された第3のデータベースと照合し、前記製造識別情報が前記第3のデータベースに登録され、かつ、前記判定回数が所定のしきい値以下であるとき、前記時計を真正品と判定する物品真贋判定部を含む、情報処理システム。
【請求項5】
時計の時刻が表示される第2の面を撮影した第2の画像から前記時計の特徴量を生成し、生成された前記時計の前記特徴量が入力されると前記時計の種類を識別する物品識別情報の候補情報を出力するように学習された候補情報学習モデルを用いて、前記候補情報を生成する候補情報生成部と、
前記候補情報が提供されたユーザによる前記候補情報の中の1つを選択する第1のユーザ入力情報に基づき、前記物品識別情報を取得する物品識別情報取得部と、
前記時計の製造時に個体を識別するために付与される製造識別情報が表れた第1の面を撮影した第2の画像から文字列を抽出し、抽出された前記文字列を、製造識別情報が予め登録された第1のデータベースと照合し、抽出された前記文字列の中に、前記第1のデータベースに登録された前記製造識別情報が含まれていれば、前記第1のデータベースに登録された前記製造識別情報取得する製造識別情報取得部と
取得された前記製造識別情報を、前記時計の製造識別情報に紐付けられ真贋判定の判定回数が登録された第のデータベースと照合し、前記製造識別情報が前記第のデータベースに登録され、かつ、前記判定回数が所定のしきい値以下であるとき、前記時計を真正品と判定する物品真贋判定部と、を含む、情報処理システム。
【請求項6】
前記第2の画像は、前記第2の面を撮影する際に示された領域に含まれる前記時計の部品の少なくとも1つを含み、
生成された前記時計の前記特徴量は、前記部品の少なくとも1つの特徴量である、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
さらに、前記物品識別情報に紐付けられ前記時計の保守期限情報または部品在庫情報が予め登録された物品情報データベースから、前記保守期限情報または前記部品在庫情報を取得する物品情報取得部を含む、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
さらに、前記物品識別情報に紐付けられ前記時計と同種類の製品情報が予め登録された物品情報データベースから、前記製品情報を取得する物品情報取得部を含む、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
時計を分類するために割り当てられた物品群情報が表れた第1の面を撮影した第1の画像から文字列を抽出し、抽出された前記文字列を、物品群情報が予め登録された第1のデータベースと照合し、抽出された文字列の中に、前記第1のデータベースに登録された前記物品群情報が含まれていれば、前記第1のデータベースに登録された前記物品群情報取得し、
前記時計の時刻が表示される第2の面を撮影した第2の画像から前記時計の特徴量を生成し、
生成された前記時計の特徴量を、取得された前記物品群情報に紐付けられた前記時計の特徴量および前記時計の種類を識別する物品識別情報が予め登録された第2のデータベースと照合し、生成された前記時計の前記特徴量が前記第2のデータベースに登録された特徴量と一致するとき、前記第2のデータベースに登録された特徴量に紐付けて前記第2のデータベースに登録されている前記物品識別情報を取得する、情報処理方法。
【請求項10】
さらに、
前記第1の画像から第2の文字列を抽出し、抽出された前記第2の文字列を、前記時計の製造時に個体を識別するために付与される製造識別情報が予め登録された第3のデータベースと照合し、抽出された前記第2の文字列の中に、前記第3のデータベースに登録された前記製造識別情報が含まれていれば、前記第3のデータベースに登録された前記製造識別情報を取得し、
取得された前記製造識別情報を、前記時計の製造識別情報に紐付けられ真贋判定の判定回数が登録された第のデータベースと照合し、前記製造識別情報が前記第のデータベースに登録され、かつ、前記判定回数が所定のしきい値以下であるとき、前記時計を真正品と判定する、請求項9に記載の情報処理方法。
【請求項11】
さらに、生成された前記時計の前記特徴量と前記第2のデータベースに登録された前記特徴量との一致度がしきい値を超えるとき、前記時計を真正品と判定する、請求項9に記載の情報処理方法。
【請求項12】
時計の時刻が表示される第2の面を撮影した第2の画像から前記時計の特徴量を生成し、生成された前記時計の前記特徴量が入力されると前記時計の種類を識別する物品識別情報の候補情報を出力するように学習された候補情報学習モデルを用いて、前記候補情報を生成し、
前記候補情報が提供されたユーザによる前記候補情報の中の1つを選択する第1のユーザ入力情報に基づき、前記物品識別情報を取得し、
前記ユーザによる第2のユーザ入力情報に基づき、前記時計の製造時に識別するために付与される製造識別情報を取得し、前記製造識別情報を、前記時計の製造識別情報に紐付けられ真贋判定の判定回数が登録された第3のデータベースと照合し、前記製造識別情報が前記第3のデータベースに登録され、かつ、前記判定回数が所定のしきい値以下であるとき、前記時計を真正品と判定する、情報処理方法。
【請求項13】
時計の時刻が表示される第2の面を撮影した第2の画像から前記時計の特徴量を生成し、生成された前記時計の前記特徴量が入力されると前記時計の種類を識別する物品識別情報の候補情報を出力するように学習された候補情報学習モデルを用いて、前記候補情報を生成し、
前記候補情報が提供されたユーザによる前記候補情報の中の1つを選択する第1のユーザ入力情報に基づき、前記物品識別情報を取得し、
前記時計の製造時に個体を識別するために付与される製造識別情報が表れた第1の面を撮影した第2の画像から文字列を抽出し、抽出された前記文字列を、製造識別情報が予め登録された第1のデータベースと照合し、抽出された前記文字列の中に、前記第1のデータベースに登録された前記製造識別情報が含まれていれば、前記第1のデータベースに登録された前記製造識別情報取得し、
取得された前記製造識別情報を、前記時計の製造識別情報に紐付けられ真贋判定の判定回数が登録された第のデータベースと照合し、前記製造識別情報が前記第のデータベースに登録され、かつ、前記判定回数が所定のしきい値以下であるとき、前記時計を真正品と判定する、情報処理方法。
【請求項14】
前記第2の画像は、前記第2の面を撮影する際に示された領域に含まれる前記時計の部品の少なくとも1つを含み、
生成された前記時計の前記特徴量は、前記部品の少なくとも1つの特徴量である、請求項9乃至請求項13のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項15】
さらに、前記物品識別情報に紐付けられ前記時計の保守期限情報または部品在庫情報が予め登録された物品情報データベースから、前記保守期限情報または前記部品在庫情報を取得する、請求項9乃至請求項14のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項16】
さらに、前記物品識別情報に紐付けられ前記時計と同種類の製品情報が予め登録された物品情報データベースから、前記製品情報を取得する、請求項9乃至請求項14のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項17】
情報端末のコンピュータで実行されるプログラムであって、
時計を分類するために割り当てられた物品群情報が表れた第1の面を撮影した第1の画像から文字列を抽出し、抽出された前記文字列を、物品群情報が予め登録された第1のデータベースと照合し、抽出された文字列の中に、前記第1のデータベースに登録された前記物品群情報が含まれていれば、前記第1のデータベースに登録された前記物品群情報取得し、
前記時計の時刻が表示される第2の面を撮影した第2の画像から前記時計の特徴量を生成し、
生成された前記時計の特徴量を、取得された前記物品群情報に紐付けられた前記時計の特徴量および前記時計の種類を識別する物品識別情報が予め登録された第2のデータベースと照合し、生成された前記時計の前記特徴量が前記第2のデータベースに登録された特徴量と一致するとき、前記第2のデータベースに登録された特徴量に紐付けて前記第2のデータベースに登録されている前記物品識別情報を取得することを実行する、プログラム。
【請求項18】
さらに、
前記第1の画像から第2の文字列を抽出し、抽出された前記第2の文字列を、前記時計の製造時に個体を識別するために付与される製造識別情報が予め登録された第3のデータベースと照合し、抽出された前記第2の文字列の中に、前記第3のデータベースに登録された前記製造識別情報が含まれていれば、前記第3のデータベースに登録された前記製造識別情報を取得し、
取得された前記製造識別情報を、前記時計の製造識別情報に紐付けられ真贋判定の判定回数が登録された第のデータベースと照合し、前記製造識別情報が前記第のデータベースに登録され、かつ、前記判定回数が所定のしきい値以下であるとき、前記時計を真正品と判定することを実行する、請求項17に記載のプログラム。
【請求項19】
さらに、生成された前記時計の前記特徴量と前記第2のデータベースに登録された前記特徴量との一致度がしきい値を超えるとき、前記時計を真正品と判定することを実行する、請求項17に記載のプログラム。
【請求項20】
情報端末のコンピュータで実行されるプログラムであって、
時計の時刻が表示される第2の面を撮影した第2の画像から前記時計の特徴量を生成し、生成された前記時計の前記特徴量が入力されると前記時計の種類を識別する物品識別情報の候補情報を出力するように学習された候補情報学習モデルを用いて、前記候補情報を生成し、
前記候補情報が提供されたユーザによる前記候補情報の中の1つを選択する第1のユーザ入力情報に基づき、前記物品識別情報を取得し、
前記ユーザによる第2のユーザ入力情報に基づき、前記時計の製造時に識別するために付与される製造識別情報を取得し、前記製造識別情報を、前記時計の製造識別情報に紐付けられ真贋判定の判定回数が登録された第3のデータベースと照合し、前記製造識別情報が前記第3のデータベースに登録され、かつ、前記判定回数が所定のしきい値以下であるとき、前記時計を真正品と判定することを実行する、プログラム。
【請求項21】
情報端末のコンピュータで実行されるプログラムであって、
時計の時刻が表示される第2の面を撮影した第2の画像から前記時計の特徴量を生成し、生成された前記時計の前記特徴量が入力されると前記時計の種類を識別する物品識別情報の候補情報を出力するように学習された候補情報学習モデルを用いて、前記候補情報を生成し、
前記候補情報が提供されたユーザによる前記候補情報の中の1つを選択する第1のユーザ入力情報に基づき、前記物品識別情報を取得し、
前記時計の製造時に個体を識別するために付与される製造識別情報が表れた第1の面を撮影した第2の画像から文字列を抽出し、抽出された前記文字列を、製造識別情報が予め登録された第1のデータベースと照合し、抽出された前記文字列の中に、前記第1のデータベースに登録された前記製造識別情報が含まれていれば、前記第1のデータベースに登録された前記製造識別情報取得し、
取得された前記製造識別情報を、前記時計の製造識別情報に紐付けられ真贋判定の判定回数が登録された第のデータベースと照合し、前記製造識別情報が前記第のデータベースに登録され、かつ、前記判定回数が所定のしきい値以下であるとき、前記時計を真正品と判定する、プログラム。
【請求項22】
前記第2の画像は、前記第2の面を撮影する際に示された領域に含まれる前記時計の部品の少なくとも1つを含み、
生成された前記時計の前記特徴量は、前記部品の少なくとも1つの特徴量である、請求項17乃至請求項21のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項23】
さらに、前記物品識別情報に紐付けられ前記時計の保守期限情報または部品在庫情報が予め登録された物品情報データベースから、前記保守期限情報または前記部品在庫情報を取得することを実行する、請求項17乃至請求項22のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項24】
さらに、前記物品識別情報に紐付けられ前記時計と同種類の製品情報が予め登録された物品情報データベースから、前記製品情報を取得することを実行する、請求項17乃至請求項22のいずれか一項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、物品を識別する物品識別情報を特定する情報処理システムに関する。また、本発明の一実施形態は、物品を識別する物品識別情報を特定する情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製品には、製品の正式な名称として品番(または型番)が付与されている。例えば、同じ外観形状を有する2つの時計であっても、2つの時計の文字盤の色が異なる場合、それぞれの時計に異なる品番が付与される。一般的に、品番としては、製品の種類を表すシリーズ名(または製品名)と、同じシリーズ中における部品の違いを表す文字とが結合された文字列が使用されている。品番は、主に、メーカーが製品を管理するために使用する識別情報であるため、製品を保有するユーザは、製品のシリーズ名は知っていても、製品の品番までは知らない場合が多い。なお、品番は、個体に依らず、複数の同一の製品に付与される識別情報であることから、製品を撮影した画像の中の品番を基準部位に用いる真贋判定方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-161149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザが購入した物品が故障し、物品の部品の交換が必要となる場合、部品を特定するために品番が必要とされることがある。しかしながら、物品が小さいと、品番の一部であるシリーズ名のみが物品に付されている場合がある。また、物品の意匠的な観点により、シリーズ名のみが物品に付されている場合もある。このような場合、ユーザが視覚的に品番を認識することができないのはもちろんのこと、物品を撮影した画像からも品番を取得することができない。
【0005】
本発明の一実施形態は、上記問題に鑑み、物品を識別する物品識別情報を特定する情報処理システムを提供することを目的の一つとする。また、本発明の一実施形態は、物品を識別する物品識別情報を特定する情報処理方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、物品の第1の面を撮影した第1の画像から物品が属する物品群に関する物品群情報を取得する物品群情報取得部と、物品の第2の面を撮影した第2の画像から物品の特徴量を生成する物品特徴量生成部と、物品群情報および特徴量に基づき、物品を識別する物品識別情報を取得する物品識別情報取得部と、を含む。
【0007】
物品群情報取得部は、第1の画像に含まれる文字列を抽出し、抽出された文字列に紐付けられた物品群情報を取得してもよい。
【0008】
物品特徴量生成部は、物品群情報に紐付けられた部品情報に基づき、第2の画像に含まれる物品の部品の特徴量を生成してもよい。
【0009】
情報処理システムは、さらに、第1の画像から物品の製造時に付された製造識別情報を取得し、製造識別情報に基づき、物品の真贋を判定する物品真贋判定部を含んでもよい。
【0010】
また、本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、物品の第1の面を撮影した第1の画像から物品の製造時に付された製造識別情報を取得する製造識別情報取得部と、製造識別情報に基づき、物品を識別する物品識別情報を取得する物品識別情報取得部と、を含む。
【0011】
製造識別情報取得部は、第1の画像に含まれる文字列を抽出し、製造識別情報を取得してもよい。
【0012】
情報処理システムは、さらに、物品の第2の面を撮影した第2の画像から物品の特徴量を生成する物品特徴量生成部を含み、物品識別情報取得部は、製造識別情報および特徴量に基づき、物品識別情報を取得してもよい。
【0013】
情報処理システムは、さらに、製造識別情報に基づき、物品の真贋を判定する物品真贋判定部を含んでもよい。
【0014】
また、本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、物品の第2の面を撮影した第2の画像に基づき、物品の特徴量を生成し、生成された特徴量に基づき、物品を識別する物品識別情報の候補情報を生成する候補情報生成部と、候補情報が提供されたユーザによる第1のユーザ入力情報に基づき、物品識別情報を取得する物品識別情報取得部と、を含む。
【0015】
候補情報生成部は、第2の画像が入力されると候補情報を出力するように学習された候補情報学習モデルにより候補情報を生成してもよい。
【0016】
情報処理システムは、さらに、ユーザによる第2のユーザ入力情報に基づき、物品の製造時に付された製造識別情報を取得し、製造識別情報に基づき、物品の真贋を判定する物品真贋判定部を含んでもよい。また、情報処理システムは、さらに、物品の第1の面を撮影した第1の画像から物品の製造時に付された製造識別情報を取得し、製造識別情報に基づき、物品の真贋を判定する物品真贋判定部を含んでもよい。
【0017】
物品真贋判定部は、製造識別情報の判定回数に基づき、物品の真贋を判定してもよい。
【0018】
情報処理システムは、さらに、物品識別情報に基づき、物品に関する物品情報を取得する物品情報取得部を含んでもよい。
【0019】
本発明の一実施形態に係る情報処理方法は、物品の第1の面を撮影した第1の画像から物品が属する物品群に関する物品群情報を取得し、物品の第2の面を撮影した第2の画像から物品の特徴量を生成し、物品群情報および特徴量に基づき、物品を識別する物品識別情報を取得する。
【0020】
物品群情報は、第1の画像に含まれる文字列が抽出されることによって取得されてもよい。
【0021】
特徴量は、物品群情報に紐付けられた部品情報に基づき、第2の画像に含まれる物品の部品の特徴量であってもよい。
【0022】
情報処理方法は、さらに、第1の画像から物品の製造時に付された製造識別情報を取得し、製造識別情報に基づき、物品の真贋を判定してもよい。
【0023】
また、本発明の一実施形態に係る情報処理方法は、物品の第1の面を撮影した第1の画像から物品の製造時に付された製造識別情報を取得し、製造識別情報に基づき、物品を識別する物品識別情報を取得する。
【0024】
製造識別情報は、第1の画像に含まれる文字列が抽出されることによって取得されてもよい。
【0025】
情報処理方法は、さらに、物品の第2の面を撮影した第2の画像から物品の特徴量を生成し、物品識別情報は、製造識別情報および特徴量に基づいて取得されてもよい。
【0026】
情報処理方法は、さらに、製造識別情報に基づき、物品の真贋を判定してもよい。
【0027】
また、本発明の一実施形態に係る情報処理方法は、物品の第2の面を撮影した第2の画像に基づき、物品の特徴量を生成し、生成された特徴量に基づき、物品を識別する物品識別情報の候補情報を生成し、候補情報が提供されたユーザによる第1のユーザ入力情報に基づき、物品識別情報を取得する。
【0028】
候補情報は、第2の画像が入力されると候補情報を出力するように学習された候補情報学習モデルにより生成されてもよい。
【0029】
情報処理方法は、さらに、ユーザによる第2のユーザ入力情報に基づき、物品の製造時に付された製造識別情報を取得し、製造識別情報に基づき、物品の真贋を判定してもよい。また、情報処理方法は、さらに、物品の第1の面を撮影した第1の画像から物品の製造時に付された製造識別情報を取得し、製造識別情報に基づき、物品の真贋を判定してもよい。
【0030】
物品の真贋は、製造識別情報の判定回数に基づいて判定されてもよい。
【0031】
情報処理方法は、さらに、物品識別情報に基づき、物品に関する物品情報を取得してもい。
【0032】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、情報端末のコンピュータで実行されるプログラムであって、物品の第1の面を撮影した第1の画像から物品が属する物品群に関する物品群情報を取得し、物品の第2の面を撮影した第2の画像から物品の特徴量を生成し、物品群情報および特徴量に基づき、物品を識別する物品識別情報を取得する。
【0033】
プログラムは、さらに、第1の画像から物品の製造時に付された製造識別情報を取得し、製造識別情報に基づき、物品の真贋を判定してもよい。
【0034】
また、本発明の一実施形態に係るプログラムは、情報端末のコンピュータで実行されるプログラムであって、物品の第1の面を撮影した第1の画像から物品の製造時に付された製造識別情報を取得し、製造識別情報に基づき、物品を識別する物品識別情報を取得する。
【0035】
プログラムは、さらに、物品の第2の面を撮影した第2の画像から物品の特徴量を生成し、物品識別情報は、製造識別情報および特徴量に基づいて取得されてもよい。
【0036】
プログラムは、さらに、製造識別情報に基づき、物品の真贋を判定してもよい。
【0037】
また、本発明の一実施形態に係るプログラムは、情報端末のコンピュータで実行されるプログラムであって、物品の第2の面を撮影した第2の画像に基づき、物品の特徴量を生成し、生成された特徴量に基づき、物品を識別する物品識別情報の候補情報を生成し、候補情報が提供されたユーザによる第1のユーザ入力情報に基づき、物品識別情報を取得する。
【0038】
プログラムは、さらに、ユーザによる第2のユーザ入力情報に基づき、物品の製造時に付された製造識別情報を取得し、製造識別情報に基づき、物品の真贋を判定してもよい。また、情報処理方法は、さらに、物品の第1の面を撮影した第1の画像から物品の製造時に付された製造識別情報を取得し、製造識別情報に基づき、物品の真贋を判定してもよい。
【0039】
物品は、時計であってもよい。
【発明の効果】
【0040】
本発明の一実施形態に係る情報処理システムでは、物品が撮影された画像から物品を識別する物品識別情報を特定することができる。そのため、情報処理システムは、特定された物品識別情報に基づき、物品に関連する情報をユーザに提供し、または物品の真贋判定を行うことができる。したがって、ユーザは、情報処理システムを利用して、ユーザが保有する物品の保守期限または修理部品の在庫の有無などを容易に確認することができる。また、近年では物品がECサイトで販売されることも多く、メーカーが直接ユーザ情報を取得することが難しくなっているが、情報処理システムを利用すれば、ユーザ情報を取得することができる。さらに、メーカーは、情報処理システムによってユーザが要望する情報を提供することができるため、ユーザの物品に対する満足度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る情報処理システムで撮影された時計の画像の模式図である。
図3】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る情報処理システムで撮影された時計の画像の模式図である。
図4】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る情報処理システムで実行される情報処理のフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る情報処理システムで実行される物品識別情報特定処理のフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る情報処理システムで実行される物品識別情報特定処理において、ユーザによる撮影の状況を説明する模式図である。
図7】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る情報処理システムで実行される物品識別情報特定処理において、情報端末の表示部の画面に表示される画像を説明する模式図である。
図8】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る情報処理システムで実行される物品識別情報特定処理において、情報端末の表示部の画面に表示される画像を説明する模式図である。
図9】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る情報処理システムで実行される物品識別情報特定処理において、ユーザによる撮影の状況を説明する模式図である。
図10】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る情報処理システムで実行される物品識別情報特定処理において用いられる物品識別情報データベースを説明する模式図である。
図11】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る情報処理システムで実行される物品情報提供処理のフローチャートである。
図12】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る情報処理システムで実行される物品真贋判定処理のフローチャートである。
図13】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る情報処理システムで撮影された時計の画像の模式図である。
図14】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る情報処理システムで実行される物品識別情報特定処理のフローチャートである。
図15】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図16】本発明の一実施形態(第2実施形態)に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図17】本発明の一実施形態(第2実施形態)に係る情報処理システムで実行される物品識別情報特定処理のフローチャートである。
図18】本発明の一実施形態(第2実施形態)に係る情報処理システムで実行される物品識別情報特定処理のフローチャートである。
図19】本発明の一実施形態(第2実施形態)に係る情報処理システムで実行される物品識別情報特定処理のフローチャートである。
図20】本発明の一実施形態(第3実施形態)に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図21】本発明の一実施形態(第3実施形態)に係る情報処理システムで実行される物品識別情報特定処理のフローチャートである。
図22】本発明の一実施形態(第3実施形態)に係る情報処理システムで実行される真贋判定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下に、本発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0043】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0044】
本明細書および図面において、同一または類似する複数の構成を総じて表記する際には、同一の符号または同一の符号に大文字のアルファベットを添えて表記する場合がある。一つの構成のうちの複数の部分をそれぞれ区別して表記する際には、同一の符号を用い、さらにハイフンと自然数を用いる場合がある。
【0045】
本明細書において、各構成に付記される「第1」、「第2」、または「第3」などの文字は、各構成を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限り、それ以上の意味を有さない。
【0046】
<第1実施形態>
図1図12を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10について説明する。
【0047】
[1.情報処理システム10の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10の構成を示すブロック図である。
【0048】
図1に示すように、情報処理システム10は、情報端末100および情報処理装置200を含む。情報端末100は、ネットワークNWを介して情報処理装置200と通信可能に接続される。ネットワークは、有線であっても、無線であってもよい。例えば、ネットワークNWは、LAN(Local Area Network)またはインターネットなどであるが、これらに限られない。
【0049】
情報端末100は、物品を撮影し、物品を撮影した画像を送信し、または情報処理装置200で実行された情報処理の情報を受信することができる端末である。情報端末100は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、またはパーソナルコンピュータであるが、これらに限られない。
【0050】
情報端末100は、撮像部110、表示部120、および通信部130を含む。
【0051】
撮像部110は、物品を撮影することができる撮像装置であり、撮影された物品の画像を生成することができる。撮像部110として、例えば、カメラ、ビデオ、またはスキャナなどを用いることができる。
【0052】
表示部120は、画面を含み、画面に画像または情報などを表示することができる表示インターフェースである。表示部120として、例えば、液晶表示装置またはOLED表示装置などを用いることができる。
【0053】
通信部130は、データまたは情報を有線または無線によって送信し、または受信することができる通信インターフェースである。通信部130として、例えば、LANモジュールまたはWi-Fi(登録商標)モジュールなどを用いることができる。
【0054】
情報処理装置200は、情報端末100から画像を受信し、物品識別情報特定処理、物品情報提供処理、または物品真贋判定処理などの情報処理を実行することができるコンピュータである。情報処理装置200は、1台のコンピュータであってもよく、複数のコンピュータであってもよい。情報処理装置200は、サーバであってもよい。なお、物品識別情報特定処理、物品情報提供処理、および物品真贋判定処理の詳細については、後述する。
【0055】
情報処理装置は、制御部210、通信部220、および記憶部230を含む。
【0056】
制御部210は、データまたは情報を用いて演算処理を実行することができる。制御部210は、例えば、中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)、マイクロプロセッサ(Micro Processing Unit:MPU)、画像処理装置(Graphics Processing Unit:GPU)、またはランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)などを含む。具体的には、制御部210は、プログラムを実行することによって、物品群情報取得部211、物品特徴量生成部212、物品識別情報取得部213、物品情報取得部214、および物品真贋判定部215を機能させることができる。
【0057】
物品群情報取得部211は、画像の中の文字列に基づき、物品群情報を取得することができる。
【0058】
物品特徴量生成部212は、画像の中の物品の特徴量を生成することができる。
【0059】
物品識別情報取得部213は、取得された物品群情報および生成された特徴量に基づき、物品識別情報を取得することができる。
【0060】
物品情報取得部214は、物品識別情報に紐付けられた物品情報を取得することができる。
【0061】
物品真贋判定部215は、画像の中の製造識別情報を取得し、製造識別情報に基づき、物品の真贋判定を実行し、真贋判定情報を生成することができる。
【0062】
ここで、物品識別情報、物品群情報、物品情報、および製造識別情報について説明する。
【0063】
物品識別情報は、物品の種類を区別するために物品に付与される情報であり、例えば、品番または型番などである。また、物品群情報は、物品を分類する物品群を表す情報であり、例えば、シリーズ名または製品名などである。物品識別情報は、物品群情報を含んでいてもよい。例えば、物品識別情報は、物品群情報「ABC-10」と、物品群における物品の部品の特徴を表す文字「DE-1」とが結合された「ABC-10-DE-1」とすることができる。
【0064】
物品情報は、物品に関連するあらゆる情報である。例えば、物品情報は、物品の部品もしくは付属品に関する情報、取扱説明書、FAQ、ユーザ登録情報、修理もしくはサポートに関する情報、または物品に関連した広告(例えば、新製品に関する情報など)であるが、これらに限られない。
【0065】
製造識別情報は、物品の製造時に付与される情報であり、例えば、シリアル番号または乱数である。すなわち、製造識別情報は、個体の物品に付される情報である。
【0066】
通信部220は、通信部130と同様の通信インターフェースである。
【0067】
記憶部230は、データまたは情報を格納することができるストレージである。具体的には、記憶部230は、物品群情報データベース231、物品識別情報データベース232、物品情報データベース233、および判定情報データベース234を含む。記憶部230として、例えば、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)、ソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)、リードオンリーメモリ(Read Only Memory:ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、またはフラッシュメモリなどを用いることができる。
【0068】
物品群情報データベース231は、所定の文字列が物品群に紐付けられたデータベースである。そのため、物品群情報データベース231を用いることで、所定の文字列に基づいて、物品群を特定することができる。なお、物品群に紐付けられる所定の文字列は、1つであってもよく、複数であってもよい。
【0069】
物品識別情報データベース232は、物品の特徴量が物品識別情報に紐付けられたデータベースである。そのため、物品識別情報データベース232を用いることで、物品の特徴量に基づいて、物品識別情報を特定することができる。
【0070】
物品情報データベース233は、物品識別情報が物品情報に紐付けられたデータベースである。そのため、物品情報データベース233を用いることで、物品識別情報に基づいて、物品情報を取得することができる。
【0071】
判定情報データベース234は、物品の製造識別情報が登録されたデータベースである。そのため、判定情報データベース234を用いることで、製造識別情報が登録されているか否かによる物品の真贋判定を行うことができる。また、判定情報データベース234には、製造識別情報に紐付けられた真贋判定の条件に関する項目(例えば、真贋判定の判定回数など)が含まれていてもよい。この場合も、判定情報データベース234を用いることで、項目に含まれる条件に基づき、製造識別情報が付された物品の真贋判定を行うことができる。
【0072】
なお、情報処理システム10は、クラウドコンピューティング方式またはASP(Application Service Provider)方式によっても、物品識別情報特定処理、物品情報提供処理、および物品真贋判定処理を実行することができる。
【0073】
以上、情報処理システム10の構成について説明したが、情報処理システム10では、ユーザの情報端末100で撮影された画像に基づいて、情報処理装置200が、物品識別情報特定処理、物品情報提供処理、および物品真贋判定処理などの情報処理を実行することができる。ユーザが物品識別情報を知らない場合であっても、物品識別情報特定処理によって物品識別情報を特定することができる。そのため、情報処理システム10は、特定された物品識別情報に基づいて、物品情報をユーザに提供し、または物品の真贋判定を行うことができる。そこで、以下では、情報処理システム10で実行される情報処理について詳細に説明する。
【0074】
[2.情報処理システム10で実行される情報処理]
[2-1.時計500の構成]
情報処理システム10で実行される情報処理を説明する前に、情報処理システム10で使用される物品の一例として、時計500について説明する。すなわち、情報処理システム10では、物品識別情報特定処理を実行することによって、時計500の識別情報(物品識別情報)を特定することができる。また、情報処理システム10では、物品情報提供処理を実行することによって、時計500に関連する情報(物品情報)をユーザに提供することができる。また、情報処理システム10では、物品真贋判定処理を実行することによって、時計500の真贋判定を行うことができる。
【0075】
図2および図3の各々は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10で撮影された時計500の画像の模式図である。具体的には、図2は、時計500の第1の面501を撮影した第1の画像510の模式図であり、図3は、時計500の第2の面502を撮影した第2の画像520の模式図である。第2の面502は、第1の面501と反対の面である。
【0076】
図2に示すように、時計500の第1の面501には、物品群情報511として品番「ABC-10」、ならびに製造識別情報512としてシリアル番号「024A242H」および乱数「XYZ12345」の文字列が記載されている。また、時計500の第1の面501には、メーカー名「KLMN OP」、商品名「AAABBBCCC」、「SOLAR」、「JAPAN MOV’T」、「CASED IN CHINA」、「STEEL BACK」、および「WATER RESIST 5BAR」の文字列が記載されている。
【0077】
また、図3に示すように、時計500の第2の面502には、時針521、分針522、秒針523、文字盤524、インデックス525、カレンダー526、ベゼル527、およびリューズ528などの部品が設けられている。
【0078】
情報処理システム10では、時計500に記載された文字列および時計500に設けられた部品に基づいて、情報処理を実行することができる。なお、以下では、本実施形態の理解を容易とするため時計500を使用した情報処理について説明するが、情報処理システム10で使用される物品は時計500に限られない。物品は、第1の面に物品群情報が記載され、第2の面に部品が設けられているものであればよい。
【0079】
[2-2.情報処理のフロー]
図4は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10で実行される情報処理のフローチャートである。情報処理システム10で実行される情報処理は、情報端末100上でプログラムが実行されることによって開始され、図4に示すように、ステップS100~ステップS500を含む。
【0080】
ステップS100では、物品識別情報特定処理が実行される。物品識別情報特定処理(ステップS100)の詳細は後述するが、物品識別情報特定処理によって、時計500の物品識別情報を特定することができる。通信部220は、特定された物品識別情報を情報端末100に送信してもよい。この場合、情報端末100において、通信部130によって受信された物品識別情報を表示部120の画面に表示し、情報端末100のユーザに物品識別情報を報知することができる。
【0081】
ステップS200では、特定された物品識別情報に基づいて、時計500の物品情報をユーザに提供するか否かを判定する。例えば、ユーザは情報端末100を操作し、時計500の物品情報の提供を受けるか否かを選択することができる。この場合、情報端末100から、物品情報の提供の有無に関するユーザ要求が送信され、情報処理装置200では、そのユーザ要求に基づいて、時計500の物品情報を提供するか否かが判定される。物品情報を提供する場合(ステップS200:YES)、ステップS300が実行される。物品情報を提供しない場合(ステップS200:NO)、ステップS400が実行される。
【0082】
ステップS300では、物品情報提供処理が実行される。物品情報提供処理(ステップS300)の詳細は後述するが、物品情報提供処理によって、時計500の物品情報をユーザに提供することができる。
【0083】
ステップS400では、時計500の真贋判定を行うか否かを判定する。例えば、ユーザは情報端末100を操作し、時計500の真贋判定を行うか否かを選択することができる。この場合、情報端末100から、真贋判定の有無に関するユーザ要求が送信され、情報処理装置200では、そのユーザ要求に基づいて、時計500の真贋判定を行うか否かが判定される。真贋判定を行う場合(ステップS400:YES)、ステップS500が実行される。真贋判定を行わない場合(ステップS400:NO)、情報処理は終了する。
【0084】
ステップS500では、物品真贋判定処理が実行される。物品真贋判定処理(ステップS500)の詳細は後述するが、物品真贋判定処理によって、時計500の真贋判定を行うことができる。
【0085】
なお、情報処理システム10で実行される情報処理のフローは、これに限られない。例えば、物品情報提供処理(ステップS300)が実行された後、ステップS400が実行されることなく情報処理が終了してもよい。
【0086】
続いて、物品識別情報特定処理(ステップS100)、物品情報提供処理(ステップS300)、および物品真贋判定処理(ステップS500)について詳細に説明する。
【0087】
[2-2-1.物品識別情報特定処理(ステップS100)]
図5は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10で実行される物品識別情報特定処理のフローチャートである。図5に示すように、物品識別情報特定処理(ステップS100)は、ステップS110~ステップS150を含む。
【0088】
ステップS110では、情報処理装置200の通信部220が、情報端末100の撮像部110で撮影された第1の画像510および第2の画像520を受信する。これにより、情報処理装置200において、第1の画像510および第2の画像520の画像処理(第1の画像510および第2の画像520の解像度、大きさ、および向きの補正を含む。大きさおよび向きの補正においては、部品、2つの針の重畳位置、文字盤の中心位置、時刻、ロゴ、または文字などを検出し、これらを基準に補正をしてもよい。)を実行することができる。なお、第1の画像510および第2の画像520を同時に受信しなくてもよい。第1の画像510を受信した後に、第2の画像520を受信してもよい。また、他のステップが実行された後に、第2の画像520を受信してもよい。換言すると、ユーザは、適宜、時計500の第1の面501または第2の面502を撮影することができる。
【0089】
ここで、図6を参照して、ユーザによる時計500の撮影について説明する。
【0090】
図6は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10で実行される物品識別特定処理において、ユーザによる撮影の状況を説明する模式図である。図6に示すように、時計500を撮影する情報端末100の撮像部110の画面には、時計500の外形に沿ったマスク領域が示された画像530が表示されている。画像530のマスク領域では、撮影されている画像が表示されない。そのため、ユーザは、マスク領域と重ならないように、情報端末100と時計500との位置および角度を調節しながら時計500を撮影することができる。また、画像530が表示されることにより、ユーザは、画像530のマスク領域の縁部に沿って時計500を撮影しようと試みるため、第1の画像510の中の時計500の大きさが一定となるように調節される。上述の構成は、第1の画像510だけでなく、第2の画像520にも適用することができる。
【0091】
なお、情報端末100を用いた時計500の撮影方法は、図6に示す方法に限られない。図7図9を参照して、時計500の別の撮影方法について説明する。
【0092】
図7および図8は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10で実行される物品識別特定処理において、情報端末100の表示部120の画面に表示される画像を説明する模式図である。図7の表示部120の画面には、時計のイラストが示された画像540が表示されている。また、図8の表示部120の画面には、画像540よりもさらに単純化された、時計の外形が示された画像550が表示されている。ユーザは、画像540または画像550に合わせるようにしながら、時計500を撮影することができる。そのため、第1の画像510または第2の画像520の大きさが一定となるように調整される。
【0093】
図9は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10で実行される物品識別特定処理において、ユーザによる撮影の状況を説明する模式図である。図9の表示部120の画面には、撮影する領域が示された画像560が表示されている。ユーザは、画像560を参照しながら、時計500を撮影することができる。画像560で示される領域には、時計500の特徴的な部品を含むことができるため、特徴的な部品に焦点を当てた第2の画像520を生成することができる。また、異なる領域が示された複数の画像560を予め登録しておき、そのうちの選択された1つの画像560が表示部120の画面に表示されてもよい。この場合、物品識別特定処理が実行されるごとに、撮影する領域が異なることになる。なお、画像560の選択は、ランダムであってもよい。上述の構成は、第2の画像520だけでなく、第1の画像510にも適用することができる。このように、第1の画像510または第2の画像520は、時計500の部品の一部が含まれるものであってもよい。特徴的な部品を含む領域の解像度が向上するため、後述するステップで抽出される時計500の特徴量が明確となり、特徴量に基づく物品識別情報の特定精度が向上する。
【0094】
第1の画像510および第2の画像520の各々には、複数の画像が含まれていてもよい。複数の第2の画像520が生成される場合、図9の撮影方法を用いて、第2の面502の異なる複数の領域が撮影されてもよい。また、複数の第2の画像520が生成される場合、図6図9の複数の撮影方法を用いて撮影されたものであってもよい。例えば、図6の撮影方法および図9の撮影方法が用いられる場合、文字盤524の全体を含む第2の画像520と、リューズ528に焦点を当てた第2の画像520とが生成される。上述の構成は、第2の画像520だけでなく、第1の画像510にも適用することができる。
【0095】
なお、複数の第1の画像510または複数の第2の画像520が生成される場合、複数の第1の画像510または複数の第2の画像520には、時計500の物品識別情報の特定に関与しない、いわゆるダミー画像が含まれていてもよい。
【0096】
一例として、時計500の第1の面501および第2の面502を撮影する方法について説明したが、第1の面501および第2の面502以外の面を撮影することもできる。第1の画像510または第2の画像520には、第1の面501および第2の面502以外の面が撮影された画像が含まれていてもよい。
【0097】
複数の第2の画像520に対して、後述するステップが実行されてもよく、複数の第2の画像520から選択された1つの画像に対して、後述するステップが実行されてもよい。
【0098】
再び、図5に戻り、物品識別情報特定処理について説明する。
【0099】
ステップS120では、物品群情報取得部211が、第1の画像510の中の文字列を抽出し、第1の画像510の中に物品群情報が含まれているか否かを判定する。例えば、物品群情報取得部211は、第1の画像510から、文字列として、「ABC-10」、「024A242H」、「XYZ12345」、「KLMN」、「OP」、「AAABBBCCC」、「SOLAR」、「JAPAN」、「MOV’T」、「CASED」、「IN」、「CHINA」、「STEEL」、「BACK」、「WATER」、「RESIST」、および「5BAR」を抽出する(図2参照)。物品群情報取得部211は、抽出された文字列を、物品群情報データベース231と照合し、物品群情報データベース231に登録されている「ABC-10」を物品群情報として取得する。したがって、第1の画像510の中に物品群情報が含まれている場合(ステップS120:YES)、時計500の物品群情報が取得され、ステップS130が実行される。第1の画像510の中に物品群情報が含まれていない場合(ステップS120:NO)、ステップS150が実行される。
【0100】
ステップS130では、物品特徴量生成部212が、第2の画像520から時計500の特徴量を生成する。例えば、物品特徴量生成部212は、第2の画像520の中の文字盤524もしくはベゼル527の色、またはインデックス525の形状(例えば、ローマ数字またはアラビア数字など)を時計500の特徴量として生成することができる(図3参照)。なお、時計500の特徴量はこれらに限られない。ステップS120において物品群情報が取得されているため、物品群情報を用いて特徴量が生成されてもよい。例えば、物品群情報データベース231に、物品群情報と部品情報(部品情報は、文字盤524、ベゼル527、インデックス525などの部品の種類および位置などに関する情報を含む。)とが紐付けられて登録されている場合、物品特徴量生成部212は、物品群情報に紐付けられた部品情報に基づいて、時計500の特徴量を生成することもできる。具体的には、物品特徴量生成部212は、部品情報に含まれる部品の特徴量を抽出して、時計500の特徴量を生成することができる。
【0101】
ステップS140では、物品識別情報取得部213が、取得された物品群情報および生成された特徴量に基づき、物品識別情報を取得できるか否かを判定する。ここで、図10を参照して、時計500の物品識別情報の取得について説明する。
【0102】
図10は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10で実行される物品識別情報特定処理において用いられる物品識別情報データベース232を説明する模式図である。図10に示す物品識別情報データベース232は、物品群情報ごとに生成されており、ステップS130で生成される時計500の特徴量(文字盤524の色、ベゼル527の色、およびインデックス525の形状など)が、物品識別情報(ABC-10-DE-1、ABC-10-DE-2、およびABC-10-3など)と紐付けられている。そのため、物品識別情報取得部213は、物品識別情報データベース232を用いて、時計500の特徴量に基づき、物品識別情報を特定し、取得することができる。例えば、物品識別情報取得部213は、文字盤524の色、ベゼル527の色、およびインデックス525が、それぞれ、「白」、「黒」、および「ローマ数字」である特徴量に基づき、物品識別情報が「ABC-10-DE-2」であることを特定することができる。
【0103】
時計500の物品識別情報が特定され、取得される場合(ステップS140:YES)、物品識別情報特定処理は終了する。時計500の物品識別情報が特定されず、取得されない場合(ステップS140:NO)、ステップS150が実行される。なお、取得された時計500の物品識別情報を、情報端末100に送信してもよい。
【0104】
ステップS150では、物品識別情報取得部213が、時計500の物品識別情報を取得することができないことを表す不取得情報を生成する。不取得情報が生成されると、物品識別情報特定処理は終了する。なお、通信部220は、生成された不取得情報を情報端末100に送信してもよい。この場合、情報端末100において、通信部130によって受信された不取得情報を表示部120の画面に表示し、情報端末100のユーザに、時計500の物品識別情報が特定できなかったことを報知することができる。これにより、ユーザは、再度、時計500を撮影することができる。
【0105】
以上、物品識別情報特定処理(ステップS100)のフローについて説明したが、物品識別情報特定処理のフローは、これに限られない。例えば、時計500の物品識別情報または不取得情報が情報端末100に送信されるとき、特徴量の一致度が情報端末100に送信されてもよい。
【0106】
情報処理システム10は、物品の物品識別情報を特定し、特定された物品識別情報をユーザに提供することもできる。そのため、ユーザは、物品の取扱説明書を確認するなどの煩雑な作業を行うことなく、情報処理システム10を利用して、物品の品番を確認することができる。また、情報端末100から情報処理装置200に通信接続されることにより、情報処理装置200において、ユーザ情報を収集することができる。例えば、情報処理装置200において、ユーザ情報として、ユーザが購入した製品情報を収集することができる。そのため、メーカーは、ユーザ情報を基にして、製品の市場動向などを分析することができる。
【0107】
[2-2-2.物品情報提供処理(ステップS300)]
図11は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10で実行される物品情報提供処理のフローチャートである。図11に示すように、物品情報提供処理(ステップS300)は、ステップS310およびステップS320を含む。
【0108】
ステップS310では、物品情報取得部214が、物品情報データベース233から物品識別情報に紐付けられた物品情報を取得する。なお、ユーザは情報端末100を操作し、必要な物品情報のみが提供されるように要求することもできる。この場合、物品情報取得部214は、情報端末100から送信されるユーザ要求に基づいて、ユーザ要求に対応する物品情報を取得することができる。
【0109】
ステップS320では、情報処理装置200の通信部220が、取得された物品情報を情報端末100に送信する。また、情報端末100において、通信部130によって受信された物品情報は、表示部120の画面に表示される。これにより、情報端末100のユーザに、物品情報が提供される。
【0110】
ステップS320が実行されると、物品情報提供処理(ステップS300)は終了する。
【0111】
以上、物品情報提供処理(ステップS300)のフローについて説明したが、物品情報提供処理のフローは、これに限られない。
【0112】
情報処理システム10によって提供される物品情報に保守期限または修理部品が含まれている場合、ユーザは、情報処理システム10を利用して、ユーザが保有する物品の保守期限または修理部品の在庫などを容易に確認することができる。また、情報処理システム10によって提供される物品情報には、例えば、ユーザが購入した物品と同種類の製品情報が含まれていてもよく、ユーザは、新製品などの製品情報を入手することができる。また、メーカーも、情報処理システム10によってユーザが要望する情報を提供することができるため、ユーザの物品に対する満足度を向上させることができる。
【0113】
[2-2-3.物品真贋判定処理(ステップS500)]
図12は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10で実行される物品真贋判定処理のフローチャートである。図12に示すように、物品真贋判定処理(ステップS500)は、ステップS510~ステップS550を含む。
【0114】
ステップS510では、物品真贋判定部215が、第1の画像510の中の文字列を抽出し、抽出された文字列の中から製造識別情報が取得されるか否かを判定する。ステップS510では、ステップS120において抽出された文字列に基づいて、判定が行われてもよい。具体的には、物品真贋判定部215は、ステップS120において抽出された文字列から予め登録された所定の文字列(除外文字列)を除外する。除外文字列は、例えば、「JAPAN」、「CHINA」、または「WATER」など、物品に共通して付される文字列である。また、物品真贋判定部215は、ステップS120において取得された物品群情報である文字列「ABC-10」を除外してもよい。このような処理により、物品真贋判定部215は、製造識別情報として、文字列「024A242H」または「XYZ12345」を取得することができる。取得される製造識別情報は、1つであってもよく、複数であってもよい。
【0115】
なお、物品真贋判定部215は、予め登録された所定の文字情報(特定文字情報)が含まれている文字列を、製造識別情報として取得してもよい。例えば、物品真贋判定部215は、特定文字情報「XYZ」を含む文字列「XYZ12345」を、製造識別情報として取得することができる。
【0116】
製造識別情報が取得される場合(ステップS510:YES)、ステップS520が実行される。製造識別情報が取得されない場合(ステップS510:NO)、ステップS540が実行される。
【0117】
ステップS520では、物品真贋判定部215が、取得された製造識別情報が判定情報データベース234に登録されているか否かを判定する。ステップS510で取得された製造識別情報が判定情報データベース234に登録されている場合、その識別情報が付された時計500は真正品である可能性が高い。この場合、後述するステップS530において、さらなる真贋判定が実行される。一方、ステップS510で取得された製造識別情報が判定情報データベース234に登録されていない場合、その製造識別情報が付された時計500は偽造品であると判定される。製造識別情報が登録されている場合(ステップS520:YES)、ステップS530が実行される。製造識別情報が登録されていない場合(ステップS520:NO)、ステップS540が実行される。
【0118】
ステップS530では、物品真贋判定部215は、判定情報データベース234から、ステップS510において取得された製造識別情報の判定回数を取得する。すなわち、物品真贋判定部215は、判定回数に基づき、時計500の真贋判定を実行する。具体的には、物品真贋判定部215は、判定回数としきい値とを比較する。判定回数がしきい値以下である場合、時計500が真正品であると判定される。判定回数がしきい値を超える場合、時計500が偽造品であると判定される。
【0119】
ステップS540では、物品真贋判定部215は、ステップS520またはステップS530で実行された真贋判定に基づき、判定結果情報を生成する。具体的には、物品真贋判定部215は、ステップS520またはステップS530において時計500が偽造品であると判定したとき、時計500が偽造品であることを表す判定結果情報を生成する。また、物品真贋判定部215は、ステップS530において時計500が真正品であると判定したとき、時計500が真正品であることを表す判定結果情報を生成する。なお、判定結果情報は、通信部220を介して、情報端末100に送信される。
【0120】
ステップS550では、物品真贋判定部215は、時計500の真贋判定を行うことができないことを表す判定不可情報を生成する。ステップS510において製造識別情報が取得されなかった場合、製造識別情報に基づく真贋判定を行うことはできないため、判定不可情報が生成される。なお、判定不可情報は、通信部220を介して、情報端末100に送信される。
【0121】
ステップS540またはステップS550により、情報端末100は、通信部130を介して、判定結果情報または判定不可情報を受信する。この場合、情報端末100において、受信された判定結果情報または判定不可情報を表示部120の画面に表示することができる。これにより、情報端末100のユーザに、時計500の真贋判定の結果または真贋判定できないことを報知することができる。なお、表示部120の画面に表示される判定結果情報は、真贋判定の結果に限られない。例えば、製造識別情報が登録されていない場合(ステップS520:NO)には、表示部120の画面に「登録されていない製品です。」と表示し、情報端末100のユーザに、時計500の製造識別情報が登録されていないことを報知することができる。また、ステップS530において判定回数がしきい値を超える場合には、表示部120の画面に「しきい値オーバー 登録されている製品ですが規定された判定回数を超えています。」と表示し、情報端末100のユーザに、時計500の判定回数が多いことに対する注意喚起を促すことができる。
【0122】
ステップS540またはステップS550が実行されると、物品真贋判定処理(ステップS500)は終了する。
【0123】
以上、物品真贋判定処理(ステップS500)のフローについて説明したが、物品真贋判定処理のフローは、これに限られない。例えば、真贋判定の条件は、判定回数に限られない。真贋判定の条件は、時計500の特徴量の一致度に基づくものであってもよい。この場合、特徴量の一致度がしきい値を超える場合、時計500が真正品であることを表す判定結果情報が生成される。また、判定情報データベース234に、製造識別情報と紐付けられたユーザ情報が登録されている場合、情報端末100から送信されるユーザ入力情報と判定情報データベース234のユーザ情報との照合を、真贋判定の条件とすることができる。また、真贋判定の条件が、製造識別情報が登録されているか否かである場合、既にステップS520で実行されているため、ステップS530が実行されなくてもよい。このように、物品真贋判定処理では、時計500から取得されるさまざまな情報を真贋判定の条件として設定することができる。
【0124】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム10は、物品の物品識別情報を特定することができる。その結果、情報処理システム10は、特定された物品識別情報に基づいて、物品情報をユーザに提供し、または物品の真贋判定を行うことができる。
【0125】
本実施形態に係る情報処理システム10は、上述した構成に限定されることなく、様々な変形が可能である。以下では、本実施形態に係る情報処理システム10のいくつかの変形例について説明するが、上述した構成と同様の構成については、説明を省略する場合がある。
【0126】
<変形例1>
上述した時計500は、いわゆるアナログ時計であるが、情報処理システム10は、デジタル時計に対して適用することも可能である。
【0127】
図13は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10で撮影された時計600の画像610の模式図である。具体的には、図13は、時計600の第2の面602を撮影した第2の画像620の模式図である。時計600は、いわゆるデジタル時計である。図13に示すように、時計600の第2の面602には、文字盤621およびベゼル622などの部品が設けられている。また、文字盤621の第1の領域623および第2の領域624には、それぞれ、メーカー名「KLMN OP」および製品名「DDDEEEFFF」の文字列が表示されている。
【0128】
上述したステップS130において、物品特徴量生成部212は、第2の画像620から時計600の特徴量を生成することができる。例えば、物品特徴量生成部212は、第2の画像620の中の文字盤621もしくはベゼル622の色、または第1の領域623もしくは第2の領域の文字列の色を時計600の特徴量として生成することができる。
【0129】
したがって、情報処理システム10では、アナログ時計だけでなく、デジタル時計であっても、生成された特徴量に基づき、物品識別情報を特定することができる。
【0130】
<変形例2>
図14を参照して、本実施形態に係る情報処理システム10で実行される別の物品識別情報特定処理について説明する。
【0131】
図14は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10で実行される物品識別情報特定処理のフローチャートである。図14に示すように、物品識別情報特定処理(ステップS100A)は、ステップS111A~ステップS150Aを含む。図14に示すステップS100Aのフローチャートは、図5に示すステップS100のフローチャートと同様のステップを含むが、ステップS100Aでは、ステップS110の代わりにステップS111AおよびステップS124Aが実行される。また、ステップS124Aが実行される前に、ステップS123Aが実行される。そのため、以下では、ステップS111A、ステップS123A、およびステップS124Aについて説明する。
【0132】
ステップS111Aでは、情報処理装置200の通信部220が、情報端末100の撮像部110で撮影された第1の画像510を受信する。これにより、情報処理装置200において、第1の画像510の画像処理を実行することができる。
【0133】
ステップS123Aでは、物品群情報取得部211が、時計500の第2の面502を撮影する撮影要求を生成する。撮影要求は、情報端末100に送信される。そのため、ユーザは、撮影要求に応じて、時計500の第2の面502を撮影することができる。これにより、第2の画像520が生成される。
【0134】
撮影要求は、時計500の第2の面502を撮影する際にユーザを誘導する情報を含むことができる。例えば、撮影要求には、撮影する部分を説明する情報が含まれていてもよい。具体的には、時計500のベルトに特徴がある場合、撮影要求には、ベルトを含めて撮影する説明が含まれていてもよい。また、ステップS120Aにおいて物品群情報が取得されているため、撮影要求には、時計500が属する物品群の特徴的な部品を含むように撮影する説明が含まれていてもよい。さらに、撮影要求には、時計500の外形または時計500の部品のイラストなどの画像が含まれ、情報端末100にそのような画像を表示するようにしてもよい。
【0135】
ステップS124Aでは、情報処理装置200の通信部220が、情報端末100の撮像部110で撮影された第2の画像520を受信する。これにより、情報処理装置200において、第2の画像520の画像処理を実行することができる。
【0136】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム10で実行される物品識別情報特定処理(ステップS100A)では、第1の画像510と第2の画像520とが別々のステップにおいて取得される。第1の画像510から時計500の物品群情報が取得されない場合(ステップS120A:NO)、第2の画像520が受信されず、第2の画像520の画像処理が実行されることもない。そのため、情報処理装置200の計算負荷を軽減することができる。また、ステップS123Aにおいて撮影要求が生成され、情報端末100に送信される。ユーザは撮影要求の誘導に従って時計500の第2の面502を撮影することができるため、ユーザの利便性が向上する。また、時計500の特徴的な部品が含まれる第2の画像520を受信することができるため、特徴的な部品に対して特徴量を生成し、時計500の物品識別情報を特定することができる。そのため、ステップS130AまたはステップS140Aにおける情報処理装置200の計算負荷を軽減するとともに、物品識別情報特定処理における物品識別情報の特定精度を向上させることができる。
【0137】
<変形例3>
図15を参照して、本実施形態の一変形例である情報処理システム10Aについて説明する。
【0138】
図15は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10Aの構成を示すブロック図である。
【0139】
図15に示すように、情報処理システム10Aは、情報端末100Aを含む。情報端末100Aは、撮像部110、表示部120、通信部130、制御部140A、および記憶
部150Aを含む。制御部140Aは、物品群情報取得部141A、物品特徴量生成部142A、物品識別情報取得部143A、物品情報取得部144A、および物品真贋判定部145Aを含む。記憶部150Aは、物品群情報データベース151A、物品識別情報データベース152A、物品情報データベース153A、および判定情報データベース154Aを含む。物品群情報取得部141A、物品特徴量生成部142A、物品識別情報取得部143A、物品情報取得部144A、物品真贋判定部145A、物品群情報データベース151A、物品識別情報データベース152A、物品情報データベース153A、および判定情報データベース154Aは、それぞれ、物品群情報取得部211、物品特徴量生成部212、物品識別情報取得部213、物品情報取得部214、物品真贋判定部215、物品群情報データベース231、物品識別情報データベース232、物品情報データベース233、および判定情報データベース234と同様である。すなわち、情報処理システム10Aでは、情報処理装置200を介することなく、情報端末100Aにおいて、物品識別情報特定処理、物品情報提供処理、または物品真贋判定処理などの情報処理を実行することができる。
【0140】
情報処理システム10Aでは、情報端末100にインストールされたプログラムが実行されてもよく、記録媒体(例えば、CD-ROMまたはDVD(登録商標)-ROMなど)に格納されたプログラムが読み出されて実行されてもよい。
【0141】
以上説明したように、本実施形態の一変形例に係る情報処理システム10Aでは、情報端末100Aのみであっても、物品の物品識別情報を特定することができる。その結果、情報処理システム10Aでも、特定された物品識別情報に基づいて、物品情報をユーザに提供し、または物品の真贋判定を行うことができる。
【0142】
なお、情報処理システム10Aは、物品識別情報特定処理、物品情報提供処理、または物品真贋判定処理などの全ての情報処理を情報端末100Aで実行することができるが、情報処理の一部を情報処理装置200で実行してもよい。
【0143】
<第2実施形態>
図16および図17を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理システム20について説明する。なお、以下では、情報処理システム20の構成が第1実施形態の情報処理システム10の構成と同様であるとき、情報処理システム20の構成の説明を省略する場合がある。
【0144】
[1.情報処理システム20の構成]
図16は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム20の構成を示すブロック図である。
【0145】
図16に示すように、情報処理システム20は、情報端末100および情報処理装置300を含む。情報処理装置300は、制御部310、通信部320、および記憶部330を含む。制御部310は、製造識別情報取得部311、物品特徴量生成部312、物品識別情報取得部313、物品情報取得部314、および物品真贋判定部315を含む。記憶部330は、製造識別情報データベース331、物品識別情報データベース332、物品情報データベース333、および判定情報データベース334を含む。物品特徴量生成部312、物品識別情報取得部313、物品情報取得部314、物品識別情報データベース332、物品情報データベース333、および判定情報データベース334は、それぞれ、物品特徴量生成部212、物品識別情報取得部213、物品情報取得部214、物品識別情報データベース232、物品情報データベース233、および判定情報データベース234と同様である。
【0146】
製造識別情報取得部311は、画像の中の文字列に基づき、製造識別情報を取得することができる。
【0147】
物品真贋判定部315は、取得された製造識別情報に基づき、物品の真贋判定を実行し、真贋判定情報を生成することができる。
【0148】
製造識別情報データベース331は、製造識別情報が登録されたデータベースである。製造識別情報は、物品識別情報と紐付けられていてもよい。また、製造識別情報データベース331は、判定情報データベース334と統合されたデータベースであってもよい。
【0149】
[2.物品識別情報特定処理(ステップS100B)]
図17は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム20で実行される物品識別情報特定処理のフローチャートである。図17に示すように、物品識別情報特定処理(ステップS100B)は、ステップS110B~ステップS150Bを含む。図17に示すステップS100Bのフローチャートは、図5に示すステップS100のフローチャートと同様のステップを含むが、ステップS100Bでは、ステップS120の代わりに、ステップS121BおよびステップS122Bが実行される。そのため、以下では、ステップS121BおよびステップS122Bについて説明する。
【0150】
ステップS121Bでは、製造識別情報取得部311が、第1の画像510の中の文字列を抽出し、第1の画像510の中に製造識別情報が含まれているか否かを判定する。製造識別情報取得部311は、抽出された文字列を製造識別情報データベース331と照合し、製造識別情報データベース331に登録されているシリアル番号「024A0242H」または乱数「XYZ12345」を製造識別情報として取得する。したがって、第1の画像510の中に製造識別情報が含まれている場合(ステップS121B:YES)、時計500の製造識別情報が取得され、ステップS122Bが実行される。第1の画像510の中に製造識別情報が含まれていない場合(ステップS121B:YES)、ステップS150Bが実行される。
【0151】
ステップS122Bでは、物品識別情報取得部313が、取得された製造識別情報に基づき、物品識別情報を取得できるか否かを判定する。具体的には、物品識別情報取得部313は、取得された製造識別情報を製造識別情報データベース331と照合し、製造識別情報に紐付けられた物品識別情報を取得する。したがって、製造識別情報から物品識別情報が取得される場合(ステップS122B:YES)、物品識別特定処理(ステップS100B)は終了する。製造識別情報から物品識別情報が取得されない場合(ステップS122B:NO)、ステップS130Bが実行される。
【0152】
以上、情報処理システム20で実行される物品識別情報特定処理について説明したが、情報処理システム20で実行される物品情報提供処理および物品真贋判定処理は、情報処理システム10で実行される物品情報提供処理(ステップS300)および物品真贋判定処理(ステップS500)とほぼ同様である。情報処理システム20では、ステップS100Aにおいて製造識別情報が取得されているため、物品情報提供処理および物品真贋判定処理において製造識別情報を取得する必要はない。
【0153】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム20は、物品の物品識別情報を特定することができる。その結果、情報処理システム20は、特定された物品識別情報に基づいて、物品情報をユーザに提供し、または物品の真贋判定を行うことができる。
【0154】
<変形例1>
図18を参照して、本実施形態に係る情報処理システム20で実行される別の物品識別情報特定処理について説明する。
【0155】
図18は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム20で実行される物品識別情報特定処理のフローチャートである。図18に示すように、物品識別情報特定処理(ステップS100C)は、ステップS110C~ステップS150Cを含む。図18に示すステップS100Cのフローチャートは、図17に示すステップS100Bのフローチャートと同様のステップを含むが、ステップS100Cでは、製造識別情報から物品識別情報が取得された場合(ステップS122C:YES)、ステップS130CおよびステップS141Cが実行される。ステップS130Cは、ステップS130Bと同じであるため、以下では、ステップS141Cについて説明する。
【0156】
ステップS141Cでは、物品識別情報取得部313が、ステップS122Cで取得された物品識別情報から取得される特徴量(物品識別情報データベースに登録されている特徴量)と、ステップS130Cで生成された特徴量とが一致するか否かを判定する。両者の特徴量が一致する場合(ステップS141C:YES)、物品識別所法特定処理は終了する。両者の特徴量が一致しない場合(ステップS141C:NO)、ステップS150Cが実行される。
【0157】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム20で実行される物品識別情報特定処理(ステップS100C)では、製造識別情報から物品識別情報が取得された場合(ステップS122C:YES)、第2の画像520から時計500の特徴量が生成され、特徴量の一致が判定される。製造識別情報から物品識別情報が取得される場合であっても、物品群の異なる時計に、複製された製造識別情報が付された偽造品である可能性がある。このようような場合であっても、ステップS130CおよびステップS141Cが実行されることにより、偽造品からの製造識別情報の取得を防止することができる。したがって、物品識別特定処理における物品識別情報の特定精度を向上させることができる。
【0158】
<変形例2>
図19を参照して、本実施形態に係る情報処理システム20で実行される別の物品識別情報特定処理について説明する。
【0159】
図19は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム20で実行される物品識別情報特定処理のフローチャートである。図19に示すように、物品識別情報特定処理(ステップS100D)は、ステップS111D~ステップS150Dを含む。図19に示すステップS100Dのフローチャートは、図17に示すステップS100Bのフローチャートと同様のステップを含むが、ステップS100Dでは、ステップS110Bの代わりにステップS111DおよびステップS124Dが実行される。また、ステップS124Dが実行される前にステップS123Dが実行される。
【0160】
なお、ステップS111D、ステップS123D、およびステップS124Dは、それぞれ、図14に示すステップS100AのステップS111A、ステップS123A、およびステップS124Aと同様であるため、ステップS111D、ステップS123D、およびステップS124Dの説明は省略する。
【0161】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム20で実行される物品識別情報特定処理(ステップS100D)では、第1の画像510と第2の画像520とが別々のステップにおいて取得される。製造識別情報から物品識別情報が取得されない場合(ステップS122D:NO)、第2の画像520が受信されず、第2の画像520の画像処理が実行されることもない。そのため、情報処理装置300の計算負荷を軽減することができる。また、ステップS123Dにおいて撮影要求が生成され、情報端末100に送信される。ユーザは撮影要求の誘導に従って時計500の第2の面502を撮影することができるため、ユーザの利便性が向上する。また、時計500の特徴的な部品が含まれる第2の画像520を受信することができるため、特徴的な部品に対して特徴量を生成し、時計500の物品識別情報を特定することができる。そのため、ステップS130DまたはステップS140Dにおける情報処理装置300の計算負荷を軽減するとともに、物品識別情報特定処理における物品識別情報の特定精度を向上させることができる。
【0162】
<第3実施形態>
図20および図21を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理システム30について説明する。なお、以下では、情報処理システム30の構成が第1実施形態の情報処理システム10の構成と同様であるとき、情報処理システム30の構成の説明を省略する場合がある。
【0163】
[1.情報処理システム30の構成]
図20は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム30の構成を示すブロック図である。
【0164】
図20に示すように、情報処理システム30は、情報端末100および情報処理装置400を含む。情報処理装置400は、制御部410、通信部420、および記憶部430を含む。制御部410は、候補情報生成部411、物品識別情報取得部412、物品情報取得部413、および物品真贋判定部414を含む。記憶部430は、候補情報学習モデル431、物品情報データベース432、および判定情報データベース433を含む。物品情報取得部413、物品情報データベース432、および判定情報データベース433は、それぞれ、物品情報取得部214、物品情報データベース233、および判定情報データベース234と同様である。
【0165】
候補情報生成部411は、画像から物品の特徴量を生成し、生成された特徴量を候補情報学習モデル431に適用することによって、1つまたは複数の候補となる物品識別情報(候補情報)を生成することができる。
【0166】
物品識別情報取得部412は、候補情報およびユーザ入力情報に基づき、物品識別情報を取得することができる。
【0167】
物品真贋判定部414は、物品に付された製造識別情報の位置情報を提供することができる。また、物品真贋判定部414は、通信部420を介してユーザ入力情報または画像を受信し、ユーザ入力情報または画像に基づき、製造識別情報が取得されるか否かを判定することができる。
【0168】
候補情報学習モデル431は、物品の特徴量が入力されると、候補となる物品識別情報が出力されるように、ニューラルネットワークまたはディープラーニングなどの機械学習によって学習されたモデルである。
【0169】
[2.物品識別情報特定処理(ステップS100E)]
図21は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム30で実行される物品識別情報特定処理のフローチャートである。図21に示すように、物品識別情報特定処理(ステップS100E)は、ステップS111E~ステップS150Eを含む。図21に示すステップS100Eのフローチャートは、図5に示すフローチャートと同様のステップを含むが、ステップS100Eでは、ステップS110の代わりにステップS111Bが、ステップS120およびステップS130の代わりにステップS125E、ステップS126E、およびステップS127Eが、ステップS140の代わりにステップS141Eが実行される。そのため、以下では、ステップS111E、ステップS125E、ステップS126E、ステップS127E、およびステップS141Eについて説明する。
【0170】
ステップS111Eでは、情報処理装置400の通信部420が、情報端末100の撮像部110で撮影された第2の画像520を受信する。すなわち、情報処理システム30で実行される物品識別情報特定処理(ステップS100E)においては、第1の画像510が撮影されなくてもよい。
【0171】
ステップS125Eでは、候補情報生成部411が、第2の画像520から時計500の特徴量を抽出する。
【0172】
ステップS126Eでは、候補情報生成部411が、抽出された特徴量を候補情報学習モデル431に適用し、1つまたは複数の候補情報を生成する。すなわち、ステップS125EおよびステップS126Eにおいて、第2の画像520から候補情報が生成される。生成された候補情報は、通信部420を介して情報端末100に送信される。
【0173】
情報端末100においては、ユーザ入力が可能な状態で、表示部120の画面に候補情報が表示される。そのため、ユーザは、表示された候補情報の中の1つの物品識別情報を選択し、または時計500が候補情報に含まれていないことを入力することができる。ユーザによって入力されたユーザ入力情報は、通信部130を介して情報処理装置400に送信される。なお、表示部120の画面に表示される候補情報は、候補情報に対応する時計の画像が表示されていることが好ましい。画像が表示されていることにより、ユーザは、表示部120の画面に表示された時計の画像と、実際の時計500とを視覚的に照合することができる。
【0174】
なお、ステップS126で生成された候補情報は、特徴量の一致度とともに、情報端末100に送信されてもよい。この場合、特徴量の一致度も、表示部120の画面に表示することができ、特徴量の一致度は、ユーザが候補情報から物品識別情報を選択する指標となり得る。
【0175】
ステップS127Eでは、情報処理装置400の通信部420が、ユーザ入力情報を受信する。
【0176】
ステップS141Eでは、物品識別情報取得部412が、候補情報およびユーザ入力情報に基づき、物品識別情報を取得できるか否かを判定する。ユーザ入力情報には、候補情報の中から選択された1つの物品識別情報または候補情報の中に時計500の物品識別情報がない情報が含まれている。そのため、物品識別情報取得部412は、ユーザ入力情報に基づき、時計500の物品識別情報を取得することができる。時計500の物品識別情報が取得される場合(ステップS141E:YES)、物品識別情報特定処理は終了する。時計500の物品識別情報が取得されない場合(ステップS141E:NO)、ステップS150Eが実行される。
【0177】
なお、ステップS141Eにおいて、時計500の物品識別情報が取得されない場合、別の候補情報を表示部120の画面に表示させてもよい。また、候補情報に依らず、物品の一覧を表示部120の画面に表示させてもよい。これにより、ユーザは、別の候補情報または物品の一覧に基づいて物品識別情報を選択することができる。
【0178】
以上、情報処理システム30で実行される物品識別情報特定処理について説明したが、情報処理システム30で実行される物品情報提供処理は、情報処理システム10で実行される物品情報提供処理(ステップS300)と同様である。
【0179】
[3.物品真贋判定処理(ステップS500B)]
図22は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム30で実行される真贋判定処理のフローチャートである。図22に示すように、物品識別情報特定処理(ステップS500B)は、ステップS511B~ステップS540Bを含む。ステップS500Bでは、ステップS500のステップS510の代わりにステップS511BおよびステップS512Bが実行される。そのため、以下では、ステップS511BおよびステップS512Bについて説明する。
【0180】
ステップS511Bでは、物品真贋判定部414が、時計500に付された製造識別情報の位置情報を取得する。製造識別情報の位置情報は、物品情報データベース432に含まれ、物品識別情報と紐付けられている。そのため、物品真贋判定部414は、ステップS100Bで取得された物品識別情報に基づき、製造識別情報の位置情報を取得することができる。取得された位置情報は、通信部420を介して情報端末100に送信される。
【0181】
情報端末100においては、表示部120の画面に位置情報がユーザ入力可能に表示される。そのため、ユーザは、位置情報を基に、時計500に付された製造識別情報を認識し、製造識別情報を入力することができる。ユーザによって入力されたユーザ入力情報は、通信部130を介して情報処理装置400に送信される。
【0182】
なお、情報端末100においては、表示部120の画面に位置情報が表示されるとともに、画像の撮影が可能であってもよい。この場合、ユーザ入力情報の代わりに、第1の画像510が、通信部130を介して情報処理装置400に送信される。
【0183】
ステップS512Bでは、物品真贋判定部414が、ユーザ入力情報または第1の画像510に基づき、製造識別情報を取得できるか否かを判定する。ユーザ入力情報には、製造識別情報が含まれているため、物品真贋判定部414は、製造識別情報を取得することができる。また、第1の画像510であっても、ステップS510と同様に、製造識別情報を取得することができる。製造識別情報が取得される場合(ステップS512B:YES)、ステップS520Bが実行される。製造識別情報が取得されない場合(ステップS512B:NO)、ステップS540Bが実行される。
【0184】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム30は、物品の物品識別情報を特定することができる。その結果、情報処理システム30は、特定された物品識別情報に基づいて、物品情報をユーザに提供し、または物品の真贋判定を行うことができる。
【0185】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除、または設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0186】
また、上述した各実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと理解される。
【符号の説明】
【0187】
10、10A、20、30:情報処理システム、
100、100A:情報端末、 110:撮像部、 120:表示部、 130:通信部、 140A:制御部、 141A:物品群情報取得部、 142A:物品特徴量生成部、 143A:物品識別情報取得部、 144A:物品情報取得部、 145A:物品真贋判定部、 150A:記憶部、 151A:物品群情報データベース、 152A:物品識別情報データベース、 153A:物品情報データベース、 154A:判定情報データベース、
200:情報処理装置、 210:制御部、 211:物品群情報取得部、 212:物品特徴量生成部、 213:物品識別情報取得部、 214:物品情報取得部、 215:物品真贋判定部、 220:通信部、 230:記憶部、 231:物品群情報データベース、 232:物品識別情報データベース、 233:物品情報データベース、 234:判定情報データベース、
300:情報処理装置、 310:制御部、 311:製造識別情報取得部、 312:物品特徴量生成部、 313:物品識別情報取得部、 314:物品情報取得部、 315:物品真贋判定部、 320:通信部、 330:記憶部、 331:製造識別情報データベース、 332:物品識別情報データベース、 333:物品情報データベース、 334:判定情報データベース、
400:情報処理装置、 410:制御部、 411:候補情報生成部、 412:物品識別情報取得部、 413:物品情報取得部、 414:物品真贋判定部、 420:通信部、 430:記憶部、 431:候補情報学習モデル、 432:物品情報データベース、 433:判定情報データベース、
500:時計、 501:第1の面、 502:第2の面、 510:第1の画像、 511:物品群情報、 520:第2の画像、 521:時針、 522:分針、 523:秒針、 524:文字盤、 525:インデックス、 526:カレンダー、 527:ベゼル、 528:リューズ、 530、540、550、560:マスク領域、
600:時計、 602:第2の面、 610:画像、 620:第2の画像、 621:文字盤、 622:ベゼル、 623:第1の領域、 624:第2の領域
図1
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図22