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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】人乗型ロボット
(51)【国際特許分類】
   A63G 19/20 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
A63G19/20
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023124794
(22)【出願日】2023-07-31
【審査請求日】2023-08-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523290805
【氏名又は名称】神沼 彰徳
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】100225347
【弁理士】
【氏名又は名称】鬼澤 正徳
(72)【発明者】
【氏名】神沼 彰徳
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-160600(JP,A)
【文献】特開2010-173523(JP,A)
【文献】特開2007-229872(JP,A)
【文献】特開2005-052897(JP,A)
【文献】特許第5411270(JP,B2)
【文献】[動作テスト]最高速度での走行/モードチェンジ|搭乗型ロボット アーカックス,Youtube[Online][Video],2023年07月26日,インターネット<URL:https://www.youtube.com/watch?v=KUH3K-_CHBA>,[検索日 2023年8月31日]
【文献】[動作テスト]ハッチを開いて搭乗 ~ コックピットで操縦|搭乗型ロボット アーカックス,Youtube[Online][Video],2023年05月01日,インターネット<URL:https://www.youtube.com/watch?v=Y5zoxhsFlMA>,[検索日 2023年8月31日]
【文献】#アーカックスはロボットモードからビークルモードに移行時にシートを傾けパイロットの姿勢を保ちます。,X(旧Twitter)[Online],2023年03月28日,インターネット<URL:https://twitter.com/Tsubame_HI/status/1640443367925616642>,[検索日 2023年8月31日]
【文献】人型ロボット「クラタス」登場!,Science Portal[Online],2012年12月05日,インターネット<URL:https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20121205_01/index.html>,[検索日 2023年8月31日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 1/00-33/00
B25J 1/00-21/02
B62D 41/00-67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が出入りできるコックピットを有する上半身と、前記上半身の下に設けられて前記上半身を支持する下半身と、を有する人乗型ロボットであって、
前記コックピットに設けられて利用者が座る座席と、
前記下半身に設けられて利用者が前記コックピットへ出入りする場合に足を載せる足載せ台と、
前記下半身の前後方向に間隔をおいて設けられ、かつ、使用場所に接地される前輪及び後輪と、
前記下半身に設けられて前記前輪の向きを切り替える切替機構と、
前記下半身に設けられて前記上半身を前記下半身に対して水平面内で旋回可能に支持する支持軸と、
を有し、
前記足載せ台及び前記前輪及び前記切替機構は、前記前後方向で前記支持軸より前方の第1領域内に配置され、
前記座席及び前記後輪は、前記前後方向で前記支持軸より後方の第2領域内に配置され
前記支持軸は、鉛直方向の中心線を有するパイプシャフトであり、
前記下半身には、
前記前輪及び前記後輪へブレーキ力を付加するブレーキ装置と、
前記後輪を駆動する電動モータと、
が設けられ、
前記上半身には、
前記電動モータに電力を供給する電源と、
前記利用者により踏まれるブレーキペダルと、
が設けられ、
前記電源と前記電動モータとを接続して前記電源の電力を前記電動モータに供給する電源ケーブルの長手方向の一部、及び前記ブレーキペダルと前記ブレーキ装置とを接続して前記ブレーキ装置を作動させるブレーキワイヤーの長手方向の一部が、前記パイプシャフト内に配置されている、人乗型ロボット。
【請求項2】
請求項1記載の人乗型ロボットであって、
記コックピット内に設けられて利用者により操作されるハンドルと、
前記パイプシャフト内に長手方向の一部が配置され、かつ、前記ハンドルの回転力を前記切替機構へ伝達するハンドルシャフトと、
を有する、人乗型ロボット。
【請求項3】
請求項1記載の人乗型ロボットであって、
前記後輪は、左後輪及び右後輪を備え
記下半身に設けられて前記電動モータの動力を前記左後輪及び前記右後輪へ分配し、かつ、前記左後輪の回転速度と前記右後輪の回転速度とに差が生じることを許容するデファレンシャルと、
を有し、
前記電動モータは、前記第1領域内に配置され、
前記デファレンシャルは、前記第2領域内に配置されている、人乗型ロボット。
【請求項4】
請求項1記載の人乗型ロボットであって、
前記上半身は、
前記コックピットを形成する胴体と、
前記胴体に取り付けられて前記コックピットの開口部を開閉するコックピット蓋と、
前記胴体に取り付けられた腕と、
前記腕に取り付けられた模型銃と、
を備えている、人乗型ロボット。
【請求項5】
請求項1記載の人乗型ロボットであって、
前記コックピット内に設けられて利用者により操作される旋回レバーと、
前記旋回レバーの操作力を前記上半身に伝達することにより、前記上半身を前記下半身に対して旋回させる旋回装置と、
を備えている、人乗型ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人が搭乗した状態で移動が可能な人乗型ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
人が搭乗した状態で移動が可能な人乗型ロボットの一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されている“乗用可能な遊具用大型二足歩行ロボット”は、上体と、上体の側方に取り付けられた腕部リンクと、上体の下に取り付けられた脚部リンクと、上体の上部に取り付けられ、かつ、内部に搭乗空間が形成され、安全ケーブル連結部が設けられた頭部と、を備えている。上体の内部には、制御ユニット、脚部リンクおよび腕部リンクを駆動する駆動源、およびエネルギー源が収納されている。
【0003】
また、頭部の内部に搭乗車両が進入固定されるように頭部に開閉可能な出入扉が形成されている。頭部の内部に前方嵌合溝および後方嵌合溝が設けられている。さらに、搭乗車両の前方には、前方嵌合溝に嵌着される前方嵌合突起が形成されている。さらに、搭乗車両の後方には、後方嵌合溝に後方嵌合ねじを介して固定される後方嵌合溝連結部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5411270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明者は、特許文献1に記載されている人乗型ロボットは、姿勢が不安定である、という課題を認識した。
【0006】
本開示の目的は、姿勢を安定させることの可能な人乗型ロボットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、利用者が出入りできるコックピットを有する上半身と、前記上半身の下に設けられて前記上半身を支持する下半身と、を有する人乗型ロボットであって、前記コックピットに設けられて利用者が座る座席と、前記下半身に設けられて利用者が前記コックピットへ出入りする場合に足を載せる足載せ台と、前記下半身に前後方向に間隔をおいて設けられ、かつ、使用場所に接地される前輪及び後輪と、前記下半身に設けられて前記前輪の向きを切り替える切替機構と、前記下半身に設けられて前記上半身を前記下半身に対して水平面内で旋回可能に支持する支持軸と、を有し、前記足載せ台及び前記前輪及び前記切替機構は、前記前後方向で前記支持軸より前方の第1領域内に配置され、前記座席及び前記後輪は、前記前後方向で前記支持軸より後方の第2領域内に配置されている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、人乗型ロボットの姿勢を安定させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(A)は、人乗型ロボットの正面図、(B)は、人乗型ロボットの背面図である。
図2】(A)は、人乗型ロボットの左側面図、(B)は、人乗型ロボットの右側面図である。
図3】(A)、(B)、(C)、(D)は、利用者が人乗型ロボットのコックピットへ出入りする動作を示模式図である。
図4】コックピット内に設けられている要素を示す右側面図である。
図5】コックピット内に設けられている要素を示す背面図である。操舵機構を示す背面図である。
図6】人乗型ロボットの平面図である。
図7】(A)は、コックピット内に設けられている要素を示す平面図、(B)は、コックピット内に設けられている要素を示す正面図である。
図8】人乗型ロボットの制御系統を示すブロック図である。
図9】(A)は、支持板の平面図、(B)は、支持板の底面図である。
図10】左下肢の構成を示す側面図である。
図11】左下肢の足の構成、及び右下肢の足の構成を示す平面図である。
図12】各機構のレイアウトを示す模式的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(概要)
以下、人乗型ロボットに含まれるいくつかの実施形態を図面に基づいて説明する。人乗型ロボットの実施形態を説明するための図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0011】
図1(A)、図1(B)、図2(A)、図2(B)、図3(A)、図3(B)、図3(C)、図3(D)、図6には、人乗型ロボット10の一例が示されている。人乗型ロボット10は、利用者11が乗った状態で移動すること、言い換えると、歩行すること、停止することができる。利用者11は、搭乗者、使用者、操縦者と定義することもできる。また、人乗型ロボット10を利用する利用者は、自分及び他人の何れでもよい。そして、自分が搭乗する人乗型ロボット10と、他人が搭乗する人乗型ロボット10とが、対戦することが可能である。人乗型ロボット10は、上半身12及び下半身13を有し、上半身12は、下半身13の上に載せられている。下半身13は使用場所14に置かれる。上半身12は、下半身13に対して、図6に示す水平面内で所定角度、例えば、90度の範囲内で回転、具体的には、旋回が可能である。
【0012】
(上半身)
上半身12は、胴体15と、胴体15に設けられた右腕16及び左腕17と、胴体15に対して開閉可能に取り付けられたコックピット蓋18と、を有する。また、右腕16に着脱できる模型銃19が設けられている。
【0013】
<胴体>
胴体15は、腹部板20、腹部前板21、前板22、右脇腹板23、左脇腹板24、背板25、及び床板26を有する。床板26は、略水平に設けられ、床板26の外縁に、腹部板20及び腹部前板21が、それぞれ接続されている。また、腹部板20及び腹部前板21とが接続されている。そして、前板22、右脇腹板23、左脇腹板24、及び背板25が、それぞれ腹部板20の上端に接続されている。腹部板20、前板22、右脇腹板23、左脇腹板24、背板25、及び床板26により取り囲まれた空間が、コックピット27である。
【0014】
コックピット27内の構造が、図4図5図7(A)、図7(B)に示されている。床板26上に座席28が設けられ、利用者11は、座席28に座ることができる。また、コックピット27内には、旋回レバー29、ハンドル30、コントロールパネル31、アクセルペダル32、ブレーキペダル33、パーキングレバー34が設けられている。
【0015】
<座席>
座席28は、コックピット27内に略水平に設けられており、利用者11が座る。座席28は、金属製、例えば、アルミニウム板製である。座席28の下部には、利用者11が装着するシートベルトが取り付けられている。なお、シートベルトは、便宜上、図示していない。
【0016】
<背板>
背板25は、座席28に座った利用者11の後方に位置する要素であり、背板25は、胴体15の一部を構成する。背板25は、金属製、例えば、アルミニウム製であり、背板25の内面には、図7(B)のように、利用者11が寄り掛かるためのウレタンクッション材143が取り付けられている。また、ウレタンクッション材143の内部には、振動モータ148が設けられている。振動モータ148は、電力が供給されて回転することにより、ウレタンクッション材143を振動させる電動モータである。他人が搭乗している人乗型ロボット10の模型銃19から発射された赤外線を、自分が搭乗している人乗型ロボット10で受けた、つまり、被弾した場合、自分が座っている座席28のウレタンクッション材143が、振動モータ148により振動される。これにより、利用者11は、自分が搭乗している人乗型ロボット10が被弾したことを体感できる。ウレタンクッション材143の両側に覗き窓149が設けられている。覗き窓149は、コックピット27から人乗型ロボット10の外部を目視する開口部としての役割りと、コックピット27と人乗型ロボット10の外部とをつなぐ通気口としての役割りと、を兼ねる。
【0017】
<コックピット蓋>
図7(B)のように、コックピット蓋18は、背板25に蝶番147を介して取り付けられており、コックピット27の開口部を開閉するために設けられている。コックピット蓋18には、ラッチ152が設けられている。ラッチ152は、利用者がコックピット蓋18を手動で操作する場合に掴む取っ手である。コックピット蓋18と背板25とを接続する2本のダンパー150が設けられている。ダンパー150は、一例としてガススプリング機構であり、2本のダンパー150は、コックピット蓋18が、背板25に対し所定値を超える速度で作動されることを防止する。
【0018】
また、図2(A)、図2(B)のように、コックピット蓋18に首151を介して頭部35が設けられている。首151及び頭部35は、例えば、FRP(Fiber Reinforced Plastics :繊維強化プラスチック)製である。首151は、覗き窓36を有する。覗き窓36は、コックピット27から人乗型ロボット10の外部を目視する開口部としての役割りと、コックピット27と、人乗型ロボット10の外部とを接続する通気口としての役割りを兼ねる。頭部35は、コックピット蓋18の上部を覆うように湾曲されている。首151及び頭部35は、コックピット27のうち、座席28に座った利用者11の頭部が位置する空間を確保するために設けられている。
【0019】
<左脇腹板及び右脇腹板>
右脇腹板23及び左脇腹板24は、腹部板20、背板25、前板22にそれぞれ接続されている。右脇腹板23及び左脇腹板24には、それぞれ換気口38が設けられている。
【0020】
<前板及び腹部前板>
前板22及び腹部前板21は、それぞれ金属製、例えば、アルミニウム板製である。前板22は、右脇腹板23と左脇腹板24との間に設けられている。前板22は、覗き窓39を有する。覗き窓39は、コックピット27と、コックピット27から人乗型ロボット10の外部を目視する開口部としての役割りと、人乗型ロボット10の外部とをつなぐ通気口としての役割りとを兼ねる。腹部前板21は、腹部板20及び前板22に接続されている。腹部前板21は、前板22から前方へ突出して設けられている。腹部前板21の外面に、金属製のグリップ40が設けられている。利用者11は、グリップ40を手で握ってコックピット27へ出入りすることができる。
【0021】
<旋回レバー>
図5に示す旋回レバー29は、座席28に座った利用者11から見て座席28の左側に設けられている、旋回レバー29は、上半身12を下半身13に対して回転及び停止させるために操作される。旋回レバー29の下端は、作動シャフト41に連結されている。作動シャフト41は、略水平方向に沿って配置されており、旋回レバー29は、作動シャフト41を中心として所定角度の範囲内で前後方向に作動可能である。作動シャフト41を支持する構造は、後述する。利用者11が旋回レバー29を手動で操作すると、その操作力が旋回装置42に伝達されて、上半身12が下半身13に対し、図6に示すような水平面内で旋回される。旋回装置42の構成は後述する。
【0022】
旋回レバー29の上端には、ロック解除ボタン43が設けられている。ロック解除ボタン43は、旋回レバー29のロックを解除するために操作される。旋回レバー29がロックされていると、旋回レバー29は中立位置(ニュートラルの位置)に固定されており、旋回レバー29を作動させることができない。
【0023】
旋回レバー29が中立位置で停止されていると、上半身12は、前方を向いた初期位置で停止する。ロック解除ボタン43に操作力を付加すると、旋回レバー29を中立位置から前方及び後方へ作動させることができる。旋回レバー29を中立位置から前方へ作動させると、上半身12は、下半身13に対し、図6に示す水平な平面内で、中心線A1を中心として右回転、つまり、時計回りで旋回される。旋回レバー29を中立位置から後方へ作動させると、上半身12が下半身13に対し、図6で左回転、つまり、反時計回りで旋回される。旋回レバー29を停止させた位置で、ロック解除ボタン43への操作力を解除すると、その位置で上半身12が停止される。上半身12は、下半身13に対し初期位置を基準として、45度の右回転及び45度の左回転が可能である。
【0024】
<ハンドル>
ハンドル30は、人乗型ロボット10の移動方向を切り替えるために、利用者11が手で操作する装置である。図5のように、ハンドル30は、ハンドルシャフト44の上端に固定されており、ハンドルシャフト44の長手方向の一部は、パイプシャフト45の内部に配置されている。また、床板26に2本の支柱46が固定されており、支柱46の上端にホルダ47が取り付けられている。ハンドルシャフト44は、ホルダ47及びパイプシャフト45により支持された状態で、回転が可能である。ハンドルシャフト44の下端にベベルギヤ48が固定されている。ハンドル30には、ハンドルレバー49が取り付けられている。利用者11は、図7(A)に示すハンドルレバー49を手で握り、ハンドル30を右回転、つまり、時計回りで回転させること、ハンドル30を左回転、つまり、反時計回りで回転させること、ハンドル30を停止させること、ができる。
【0025】
ハンドルレバー49には、移動方向切替スイッチ50、ビーム砲発射スイッチ(ビーム砲発射トリガ)51、設けられている。移動方向切替スイッチ50は、人乗型ロボット10の移動方向として、前進または後退を選択するために操作される。利用者11がアクセルペダル32を踏み、かつ、移動方向切替スイッチ50を前方へ押すと、人乗型ロボット10が前進する。アクセルペダル32を踏み、かつ、移動方向切替スイッチ50を後方へ押すと、人乗型ロボット10が後退する。ハンドル30が中立位置で停止されていると、人乗型ロボット10は直進できる。ハンドル30が中立位置から左回転されていると、人乗型ロボット10は左旋回できる。ハンドル30が中立位置から右回転されていると、人乗型ロボット10は右旋回できる。利用者11が、ビーム砲発射スイッチ51を操作すると、模型銃19に設けられた赤外線LEDが点滅され、かつ、ビーム砲の発射音がスピーカから出力される。なお、赤外線LED及びスピーカは、後述する。
【0026】
<アクセルペダル>
アクセルペダル32は、コックピット27における座席28の前方であり、かつ、床板26の上に配置されている。利用者11がアクセルペダル32を足で踏むと、人乗型ロボット10を移動させることができる。
【0027】
<ブレーキペダル>
ブレーキペダル33は、コックピット27における座席28の前方であり、かつ、床板26の上に配置されている。ブレーキペダル33は、座席28に座った利用者から見て、アクセルペダル32の左側に配置されている。ブレーキペダル33は作動可能であり、ブレーキペダル33へ加えられた踏力が解除されると、ブレーキペダル33を元の位置へ戻すスプリングが設けられている。図5に示すように、2本のブレーキワイヤー52の第1端部が、ブレーキペダル33へ接続されており、ブレーキワイヤー52の第2端部がブレーキ装置へ接続されている。ブレーキワイヤー52の一部は、パイプシャフト45の内部へ通されている。なお、ブレーキ装置は、後述する。
【0028】
<パーキングレバー>
図7(A)のように、コックピット27内における座席28の右側には、パーキングレバー34が設けられている。パーキングレバー34は、利用者11が手で動作して所定の範囲内で作動可能であり、所定の位置で停止させることができる。パーキングレバー34には、パーキングワイヤー53の第1端部が接続されており、パーキングワイヤー53の第2端部は、パーキングブレーキ装置へ接続されている。パーキングワイヤー53の長手方向の一部は、パイプシャフト45の内部へ配置されている。なお、パーキングブレーキ装置は、後述する。
【0029】
<コントロールパネル>
図5のように、コックピット27内で座席28より前方にコントロールパネル31が設けられている。コントロールパネル31には、4個のトグルスイッチ54、スピードメータ55、電圧計56、ライフカウンタ57、ディスプレイ58、表示部59、等が設けられている。表示部59には、時計、温度計、湿度計が表示される。ライフカウンタ57は、自分が搭乗している人乗型ロボット10と、他の利用者が搭乗している人乗型ロボットとの間で対戦ゲームを行う場合に使用される。ライフカウンタ57は、自分が搭乗している人乗型ロボット10が被弾した回数に対応する残留ライフを表示する。残留ライフは、算用数字、例えば、“99”から“00”の範囲で表示される。残留ライフは、自分が搭乗している人乗型ロボット10が1回被弾する毎に、数字が“01”ずつ減少する。また、コックピット27内には、コントロールパネル31以外の箇所にトグルスイッチが3個設けられている。
【0030】
コントロールパネル31の裏側の空間には、モーターコントローラ、被弾時のアクション及びカウントを制御するPIC(制御用IC:Peripheral Interface Controller )回路、各種の音声モジュール、警告音起動回路、ブレーキ音時間調整回路、赤外線LEDを点滅させる電子回路、図8に示す電子回路用バッテリ60、ディスプレイ用バッテリ61、カメラ用バッテリ62、移動モータ用バッテリ63、振動モータ用バッテリ64、等が設けられている。警告音起動回路は、ライフカウンタ57に表示される残留ライフが、所定数以下である場合にスピーカから出力される警告音を制御する回路である。ブレーキ音時間調整回路は、ブレーキペダル33が踏まれた場合に、スピーカから出力する効果音を発生してから終了させるまでの時間を調整する回路である。ディスプレイ用バッテリ61は、ディスプレイ58に電力を供給する電源である。カメラ用バッテリ62は、カメラに電力を供給する電源である。移動モータ用バッテリ63は、移動モータに電力を供給する電源である。移動モータ用バッテリ63は、直流バッテリであり、例えば、電圧12V・電流20Aである。振動モータ用バッテリ64は、振動モータ148に電力を供給する電源である。
【0031】
コントロールパネル31に配置された左から1番目のトグルスイッチ54は、ディスプレイ58のディスプレイ用バッテリ61の起動・停止、移動モータ用バッテリ63の起動・停止、ブレーキペダル33が踏まれた場合の効果音、及びアクセルペダル32が踏まれた場合の効果音、を発生・停止を切り替えるためのスイッチである。なお、移動モータ用バッテリ63が起動されると、スピードメータ55及び電圧計56が起動される。
【0032】
左から2番目のトグルスイッチ54は、PIC回路の電源の起動・停止、被弾した場合の爆発音・「負け宣告」時の効果音を出す電源の起動・停止、かつ、2番目のトグルスイッチ54がオンされた場合に光るライトの電源の起動・停止、を切り替えるためのスイッチである。「負け宣告」は、ライフカウンタ57の表示が、「00」になり、さらにもう1回被弾すると受け、負け宣告を受けたことの効果音である爆発音が発生する。なお、負け宣告を受けた後、コントロールパネル31に設けられた赤色のリセットボタン65を操作すると、ライフカウンタ57の数値が最大値へ戻り再び、人乗型ロボット10の移動が可能になる。なお、負け宣告を受けた後、所定時間、例えば、5分間に亘り何の操作も行われなかった場合も、ライフカウンタ57が自動的にリセットされ、表示が「00」になる。
【0033】
左から3番目のトグルスイッチ54は、リセットボタン65が押された時の効果の電源の起動・停止、PIC回路へのリセット信号を送るための電源の起動・停止、警告音を出す時の電源の起動・停止、3番目のトグルスイッチ54がオンされた際に光るライトの電源の起動・停止、ブレーキペダル33が踏まれた場合の効果音の発生タイミングを調整する電源の起動・停止、を切り替えるスイッチである。
【0034】
左から4番目にあるトグルスイッチ54は、模型銃19のビーム砲の発射効果音の電源の起動・停止、赤外線LEDの照射時の電源の起動・停止、及びこれらを同時に行うための電子制御回路の電源の起動・停止、警告音を止めるための電子制御の電源の起動・停止、を切り替えるための制御用スイッチである。
【0035】
4個のトグルスイッチ54がオンされると、人乗型ロボット10の制御装置が起動される。ディスプレイ58は、小型カメラで撮影される人乗型ロボット10の前方の映像を表示する。表示部59の電圧計は、電子回路用バッテリ60、ディスプレイ用バッテリ61、カメラ用バッテリ62、移動モータ用バッテリ63、振動モータ用バッテリ64の電圧を、それぞれ表示する。表示部59の湿度計は、コックピット27内の湿度を表示する。表示部59の時計は、人乗型ロボット10が置かれている国の現在時刻を表示する。
【0036】
<左腕>
左腕17には、図8に示すように、赤外線受光センサ66、スピーカ67、トグルスイッチ確認ランプ68が設けられている。赤外線受光センサ66は、他人が搭乗している人乗型ロボット10の模型銃19の赤外線LEDから発射される赤外線(ビーム砲)を受光する。スピーカ67は、自分の人乗型ロボット10の模型銃19から赤外線が発射されたことを示す効果音、他の人乗型ロボット10から発射された赤外線を、自分の人乗型ロボット10が受光した、つまり、被弾したことを示す爆発音、自分の人乗型ロボット10が被弾してライフカウンタ57が所定数まで低下したことを示す警告音、自分の人乗型ロボット10が爆破されて負け宣告を受けたことを効果音、等を発生する。トグルスイッチ確認ランプ68は、トグルスイッチ54がオンされると点灯され、トグルスイッチ54がオフされると消灯される。
【0037】
<右腕>
右腕16には、模型銃19を取り付け及び取り外しすることができる。右腕16には、スピーカ69が設けられている。スピーカ69は、ブレーキペダル33が踏まれた場合の効果音、アクセルペダル32が踏まれた場合の効果音、つまり、人乗型ロボット10の走行音、等を発生する。
【0038】
<模型銃>
模型銃(ビーム砲)19は、右腕16に取り付け及び取り外しできる。模型銃19には、図8に示すように、赤外線LED(light-emitting diode:発光ダイオード)70、スピーカ71、小型カメラ72が取り付けられている。利用者11が、ビーム砲発射スイッチ51を操作すると、赤外線LED70から、赤外線が発射される。スピーカ71は、赤外線を発射する効果音、リセットボタン65が押された場合の効果音、人乗型ロボット10の走行音、ブレーキ音を発生する。小型カメラ72は、人乗型ロボット10の前方の映像を撮影する。
【0039】
座席28と左脇腹板24との間には、電気配線を収納するスペースがある。電気配線は、赤外線受光センサ66、スピーカ67、トグルスイッチ確認ランプ68、等に接続される。座席28と左脇腹板24との間には、赤外線受光センサ66及び音声モジュールを制御する電子制御回路及び電池ボックスも収納されている。この電池ボックスからは、3個のトグルスイッチが操作されると、トグルスイッチ確認ランプ68及びライトへ電力を供給する。座席28と右脇腹板23との間には、電気配線を収納するスペースがある。電気配線は、模型銃19に設けられている赤外線LED70及びスピーカ69等に接続される。基本的に電気系統配線は、モールによって隠されている。
【0040】
<床板>
床板26を支持する構造が、図5図9(A)、図9(B)に示されている。下半身13は、支持板73及びパイプシャフト45を有する。支持板73は、上板75及び下板76を重ねて構成されている。上板75及び下板76は、共に金属製、例えば、アルミニウム板製である。鉛直方向で、上板75は下板76の上に配置されている。支持板73は、略水平に設けられており、パイプシャフト45は、支持板73を鉛直方向に貫通するように設けられている。パイプシャフト45は、支持板73に固定され、パイプシャフト45の中心線A1は、図12のように、鉛直方向に沿って配置されている。
【0041】
上板75の上面に、複数の戸車77が設けられている。複数の戸車77は、パイプシャフト45を中心とする円周方向に間隔をおいて、それぞれ設けられている。また、複数の戸車77は、パイプシャフト45を中心とする半径方向で、異なる位置にそれぞれ配置されている。戸車77は、上板75に固定された保持器と、保持器により回転可能に支持された転動体と、を有し、転動体が床板26の下面に接触される。
【0042】
図5のように、床板26を厚さ方向に貫通する取り付け孔78が設けられ、取り付け孔78にパイプシャフト45の長手方向の一部が配置されている。パイプシャフト45の上端は、床板26の上方に配置され、パイプシャフト45の下端は支持板73の下方に配置されている。床板26は、複数の戸車77を介して支持板73により略水平に支持されている。床板26は、略水平に支持された状態で、パイプシャフト45を中心として回転可能である。
【0043】
<旋回装置>
図5のように、旋回装置42は、床板26の上方に設けられている。旋回装置42は、作動シャフト41と、作動シャフト41に設けられたベベルギヤ79と、床板26に固定されたスリーブ80と、スリーブ80に設けられたベベルギヤ81と、を有する。作動シャフト41は、床板26に設けられたベアリング82によって略水平に支持され、かつ、回転可能である。スリーブ80は、取り付け孔78を中心として設けられており、パイプシャフト45の長手方向の一部は、取り付け孔78及びスリーブ80内に配置されている。そして、ベベルギヤ79とベベルギヤ81とが噛み合わされて、マイタギヤを構成している。
【0044】
旋回レバー29を操作すると、旋回レバー29の操作力で作動シャフト41が回転され、作動シャフト41の回転力が、ベベルギヤ79,81を介して床板26に伝達される。このため、床板26は、パイプシャフト45を中心として回転される。したがって、上半身12を下半身13に対し旋回させることができる。
【0045】
(下半身)
下半身13は、図1(A)、図1(B)のように、上半身12を支持しており、下半身13は、支持板73の他に、左下肢83及び右下肢84を有する。
【0046】
<支持板>
支持板73は、左下肢83及び右下肢84の上に載せられ、かつ、左下肢83及び右下肢84へ固定されている。支持板73は、コックピット27に搭乗する利用者11を含む上半身12の荷重を、左下肢83及び右下肢84へ伝達する、具体的には、分散させる役割を果たす。また、支持板73は、上半身12をパイプシャフト45を中心として回転可能に支持する役割を果たす。
【0047】
さらに、図9のように、支持板73の下板76に接続板85を介して踏み台86が設けられている。接続板85は、金属製、例えばアルミニウム板製であり、接続板85は、支持板73から前方へ突出されるように、下板76へ固定されている。踏み台86は、金属製、例えばアルミニウム板製であり、踏み台86は、接続板85へ固定されている。踏み台86は、利用者11がコックピット27へ出入りする場合に足を掛ける要素である。
【0048】
<右下肢及び左下肢>
図1(A)、図1(B)、図2(A)、図2(B)に示すように、左下肢83及び右下肢84は、左右対称であり、基本的な構造は略同じであるため、便宜上、左下肢83について説明する。左下肢83は、大腿87、下腿88及び足(左足)89を有する。大腿87の上端が、支持板73に接続されている。下腿88は、大腿87の下に接続され、かつ、足89の上に接続されている。人乗型ロボット10を側面視すると、大腿87及び下腿88は、鉛直線に対して傾斜されている。大腿87と下腿88とが膝145を介して接続されており、左下肢83が側面視で屈曲された形状になっている。下腿88から前方へ突出された足掛け台142が設けられている。大腿87及び下腿88は、何れも金属製、例えば、アルミニウム製のフレームを有し、フレームに外板を取り付けて構成されている。外板は、例えば、FRP製である。
【0049】
足89には、図10及び図11に示すように、前輪(左前輪)90、後輪(左後輪)91、駆動装置92が設けられている。足89は、底板93と、底板93に取り付けたカバー94と、を有する。底板93及びカバー94は、共にFRP製であり、底板93を厚さ方向に貫通する開口部95が設けられている。カバー94と底板93とにより囲まれた空間に、前輪90の一部、駆動装置92が設けられている。また、後輪91が足89に設けられている。前輪90は、前輪シャフト96に取り付けられている。前輪シャフト96は、金属製、例えばアルミニウム製の保持器97により回転可能に支持されている。図11に示された右下肢84を参照して保持器97の形状及び構造を説明する。足89を平面視すると、保持器97の外周面形状は、鉛直方向の中心線を中心とする円形である。また、図10のように、保持器97には、複数の戸車98及び複数のボールベアリング99が取り付けられている。
【0050】
複数のボールベアリング99のボールは、底板93によってそれぞれ支持されている。底板93にスチールアングル100が固定されており、スチールアングル100に複数、具体的には4個のボールベアリング101が設けられている。4個のボールベアリング101は、保持器97の中心線を中心とする同一円周上に間隔をおいて配置されている。4個のボールベアリング101のボールは、保持器97の外周面にそれぞれ接触されている。底板93に、支柱102及び衝撃吸収材を介してサスペンション押さえ103が設けられている。支柱102は、金属製であり、衝撃吸収材は、合成ゴム製である。サスペンション押さえ103は、金属製、例えば、鋼製の板であり、複数の戸車98の転動体が、サスペンション押さえ103にそれぞれ接触されている。
【0051】
上記の構成により、保持器97は、底板93に対して鉛直方向への移動が規制され、かつ、水平な平面内で鉛直方向の中心線を中心として回転することができる。保持器97により保持された前輪90の一部は、開口部95から底板93の下方へ露出され、かつ、前輪90は使用場所14へ接地される。
【0052】
<操舵力伝達装置>
図4に示す操舵力伝達装置104は、ハンドル30の回転力を保持器97の回転力に変換する機構である。操舵力伝達装置104は、支持板73の下方空間から、足89の内部に亘って配置されている。操舵力伝達装置104は、図11に示す大径スプロケット105、2個の小径スプロケット106,107、チェーン108、図5及び図9(B)に示す中間シャフト109、図4図5及び図10に示す伝達シャフト110、等を含む。大径スプロケット105のピッチ円直径は、2個の小径スプロケット106,107のそれぞれのピッチ円直径より大きい。大径スプロケット105は、保持器97の外周面に取り付けられており、保持器97及び大径スプロケット105は、中心線を中心として一体で回転できる。1個の小径スプロケット107は、底板93により支持された支持シャフト111を中心として回転可能である。保持器97、大径スプロケット105、ボールベアリング101、戸車98により、切替機構146が構成されている。
【0053】
伝達シャフト110は、支持板73と底板93とにより回転可能に支持されている。伝達シャフト110は、鉛直方向の中心線を中心として、正回転及び逆回転が可能である。伝達シャフト110には、ベベルギヤ112が設けられ、伝達シャフト110のうちベベルギヤ112より下方に小径スプロケット106が設けられている。
【0054】
さらに、中間シャフト109が略水平に設けられており、中間シャフト109はベアリング113により回転可能に支持されている。ベアリング113は、支持板73の下面に取り付けられている。中間シャフト109の両端には、それぞれベベルギヤ114,115が設けられている。ベベルギヤ115は、ハンドルシャフト44のベベルギヤ48に噛み合わされ、ベベルギヤ114は、伝達シャフト110のベベルギヤ112に噛み合わされている。このため、ハンドルシャフト44が回転されると、ハンドルシャフト4の回転力が、中間シャフト109を介して伝達シャフト110へ伝達される。
【0055】
図11のように、チェーン108は環状であり、チェーン108は大径スプロケット105及び2個の小径スプロケット106,107に巻き掛けられている。このため、利用者がハンドル30を操作して伝達シャフト110が回転されると、伝達シャフト110の回転力がチェーン108を介して保持器97に伝達される。したがって、前輪90、つまり、左前輪90A及び右前輪90Bが、中心線を中心とする所定角度の範囲内でそれぞれ向きが切り替えられる。
【0056】
<装飾片>
図2(A)、図2(B)のように、大腿87の周囲を囲む装飾片116が設けられている。装飾片116は、例えば、FRP製の板で構成されている。中間シャフト109の一部、中間シャフト109に設けられたベベルギヤ114,115、パイプシャフト45の下端部、ハンドルシャフト44の下端に設けられたベベルギヤ48、等の要素は、支持板73の下方に位置し、かつ、左下肢83と右下肢84との間に位置する。装飾片116の一部は、支持板73の下方に位置し、かつ、左下肢83と右下肢84との間に位置する要素が、人乗型ロボット10の周囲から見えないようにする、目隠しとしての役割を兼ねている。
【0057】
<ブレーキ装置>
図11のように、後輪91(左後輪91A)は、アクスルシャフト117に取り付けられており、アクスルシャフト117は、底板93に設けられたベアリング118により回転可能に支持されている。アクスルシャフト117には、ブレーキ円板119が取り付けられている。また、足89(左足89A)にはブレーキ装置120が設けられている。ブレーキワイヤー52の第2端部がブレーキ装置120へ接続されている。ブレーキワイヤー52の長手方向の一部は、左下肢83の大腿87、下腿88及び足89の内部に亘ってレイアウトされている。ブレーキ装置120はブレーキパッド121を有し、ブレーキペダル33に踏力が付加されると、ブレーキパッド121がブレーキ円板119に押し付けられ、後輪91(左後輪91A)へブレーキ力が付加される。ブレーキペダル33への踏力が解除されると、ブレーキパッド121がブレーキ円板119から離れ、後輪91(左後輪91A)へのブレーキ力が解除される。
【0058】
さらに、足89(右足89B)のアクスルシャフト117には、ブレーキ円板119,124が取り付けられている。足89(右足89B)にはブレーキ装置120が設けられている。ブレーキワイヤー52の第2端部がブレーキ装置120へ接続されている。ブレーキワイヤー52の長手方向の一部は、右下肢84の大腿87、下腿88及び足89の内部に亘ってレイアウトされている。ブレーキ装置120はブレーキパッド121を有し、ブレーキペダル33が踏み込まれると、ブレーキパッド121がブレーキ円板119に押し付けられ、後輪91(右後輪91B)へブレーキ力が付加される。ブレーキパッド121がブレーキ円板119から離れていると、後輪91(右後輪91B)へのブレーキ力が解除される。
【0059】
さらに、図2(A)のように、右下肢84は、足89(右足89B)を有する。後輪91(右後輪91B)右足89Bのアクスルシャフト117に取り付けられており、アクスルシャフト117は、右足89Bの底板93に設けられたベアリング118により回転可能に支持されている。また、右足89Bにはパーキングブレーキ装置122が設けられている。パーキングブレーキ装置122はブレーキパッド123を有する。
【0060】
利用者11がパーキングレバー34を手動で操作すると、パーキングブレーキ装置122が作動して、ブレーキパッド123がブレーキ円板124に押し付けられ、パーキングブレーキ装置122から右後輪91Bへブレーキ力が付加される。パーキングレバー34が作動位置で停止されていると、利用者がパーキングレバー34から手を離した状態でも、パーキングブレーキ装置122から右後輪91Bへブレーキ力が付加された状態が保持される。パーキングレバー34へのロックを解除して、パーキングレバー34が元の位置へ戻されると、パーキングブレーキ装置122のブレーキパッド123がブレーキ円板124から離れ、右後輪91Bへのブレーキ力が解除される。
【0061】
さらに、2本のアクスルシャフト117は、水平な中心線を中心として同心状に配置されている。2本のアクスルシャフト117を接続するデファレンシャル125が設けられている。デファレンシャル125は、スプロケット126を有する。スプロケット126へ動力が入力されると、デファレンシャル125は、動力を2本のアクスルシャフト117へそれぞれ分配する役割りを果たす。また、デファレンシャル125は、人乗型ロボット10が旋回しながら移動する場合において、2本のアクスルシャフト117が、それぞれ異なる回転速度で回転することを許容する割りを果たす。
【0062】
<駆動装置>
図11のように、足89(左足)の底板93にモータマウント127が設けられ、移動モータ128がモータマウント127に設けられている。移動モータ128は、後輪91を回転させる駆動力源である。モータマウント127は、底板93の前後方向に移動できる構成であり、モータマウント127を底板93に固定する固定要素が設けられている。固定要素は、ボルト、ナットを含む。移動モータ128の出力は、例えば、1,360Wである。図10のように、移動モータ128に接続された電源ケーブル129が設けられ、電源ケーブル129は、図8に示す移動モータ用バッテリ63へ接続されている。電源ケーブル129の長手方向の一部は、図5に示すパイプシャフト45の内部、及び左下肢83の内部にレイアウトされている。
【0063】
移動モータ128は、移動モータ用バッテリ63から電力が供給されて駆動される電動モータである。移動モータ128の回転軸130にはスプロケット131が取り付けられている。移動方向切替スイッチ50が操作され、かつ、アクセルペダル32が踏み込まれると、移動モータ128の回転軸130は、正回転または逆回転される。回転軸130の回転方向は、移動方向切替スイッチ50の操作に応じて切り替えられる。アクセルペダル32が踏み込まれていないと、移動モータ128の回転軸130は停止されている。
【0064】
底板93にブラケット132が固定されており、ベアリング133がブラケット132に取り付けられている。ベアリング133は、中間シャフト134を回転可能に支持している。中間シャフト134には、入力スプロケット135及び出力スプロケット136が取り付けられている。入力スプロケット135のピッチ円直径は、出力スプロケット136のピッチ円直径より大きく、かつ、スプロケット131のピッチ円直径より大きい。デファレンシャル125のスプロケット126のピッチ円直径は、出力スプロケット136のピッチ円直径より大きい。
【0065】
そして、スプロケット131及び入力スプロケット135にチェーン137が巻き掛けられ、図10のように、出力スプロケット136及びスプロケット126にチェーン138が巻き掛けられている。移動モータ128、スプロケット131、チェーン137、入力スプロケット135、出力スプロケット136、中間シャフト134、チェーン138、デファレンシャル125により、駆動装置92が構成されている。駆動装置92は、後輪91を駆動する駆動ユニットである。
【0066】
そして、移動モータ128の回転速度は、アクセルペダル32の踏み込み量に応じて制御される。例えば、移動モータ128は、アクセルペダル32の踏み込み量が増加することに伴い回転速度が上昇される。移動モータ128の動力は、チェーン137、中間シャフト134、チェーン138、デファレンシャル125を介して、2本のアクスルシャフト117へそれぞれ伝達され、左後輪91A及び右後輪91Bが駆動される。移動モータ128が回転されると、入力スプロケット135の回転速度は、スプロケット131の回転速度より低速度である。スプロケット126の回転速度は、出力スプロケット136の回転速度より低速度である。
【0067】
スプロケット131、チェーン137、入力スプロケット135は、第1減速機構を構成しており、スプロケット131から入力スプロケット135に伝達されるトルクが増幅される。出力スプロケット136、チェーン138、スプロケット126は、第2減速機構を構成しており、出力スプロケット136からスプロケット126に伝達されるトルクが増幅される。このように、移動モータ128から出力されたトルクが、デファレンシャル125に伝達される過程で2段階に増幅される。モータマウント127を底板93の前後方向に移動させ、かつ、固定できる。したがって、チェーン137の張力を任意に調整でき、人乗型ロボット10の走行性が向上する。
【0068】
<制御回路>
また、図8のように、アクセルペダル32の踏み込み量を検出して信号を出力するアクセルペダルスイッチ139が設けられている。ブレーキペダル33の踏み込みの有無を検出して信号を検出するブレーキペダルスイッチ140が設けられている。そして、人乗型ロボット10を制御する制御装置141が設けられている。制御装置141は、例えば、コックピット27に設けられている。制御装置141は、コントロールパネル31、アクセルペダルスイッチ139、ブレーキペダルスイッチ140、トグルスイッチ54、移動方向切替スイッチ50、ビーム砲発射スイッチ51、振動モータ148、スピーカ67,69,71、赤外線受光センサ66、トグルスイッチ確認ランプ68、小型カメラ72、赤外線LED70、電子回路用バッテリ60、ディスプレイ用バッテリ61、カメラ用バッテリ62、移動モータ用バッテリ63、振動モータ用バッテリ64、移動モータ128等へそれぞれ接続されている。
【0069】
制御装置141は、入力ポート、出力ポート、演算回路、記憶回路、タイマー等を有するコンピュータであり、制御装置141は、アクセルペダルスイッチ139、ブレーキペダルスイッチ140、移動方向切替スイッチ50、ビーム砲発射スイッチ51、赤外線受光センサ66、トグルスイッチ54、リセットボタン65、小型カメラ72、電圧計56、表示部59から入力される信号を処理する。また、制御装置141は、コントロールパネル31、トグルスイッチ確認ランプ68、スピーカ67,69,71、赤外線LED70、電子回路用バッテリ60、ディスプレイ用バッテリ61、カメラ用バッテリ62、移動モータ用バッテリ63、振動モータ用バッテリ64、移動モータ128、等を、それぞれ制御、調整、及び管理する。
【0070】
制御装置141は、入力される信号、記憶回路に記憶されている情報、データ、プログラムに基づいて、各種の判断、処理、制御、等を行う。また、制御装置141は、判断結果、処理結果に基づいて、各種の情報、データを、記憶回路へ記憶する。制御装置141は、前述したモーターコントローラ、PIC回路、各種の音声モジュール、警告音起動回路、ブレーキ音時間調整回路、赤外線LEDを点滅させる電子回路、電子制御回路、等の機能を有する。
【0071】
(レイアウト)
図12のように、人乗型ロボット10を側面視すると、中心線A1よりも前方に前輪90、移動モータ128、膝145、踏み台86、足掛け台142が配置されている。中心線A1よりも後方に、座席28、入力スプロケット135、出力スプロケット136、後輪91、デファレンシャル125、が配置されている。
【0072】
(利用例)
人乗型ロボット10が使用場所14に停止されている状態において、図3(A)のように、利用者11は、使用場所14に立った状態から、足掛け台142へ片足を掛け、かつ、片手でグリップ40を握る。次に、踏み台86へ別の足を掛け、図3(B)のように、コックピット蓋18を手で開き、次いで、利用者11は、足掛け台142へ載せていた足を、図3(C)のように、コックピット27の中へ進入させる。その後、図3(D)のように、利用者11は全身をコックピット27へ進入させて座席28へ座り、かつ、コックピット蓋18を閉める。
【0073】
さらに、利用者11は、コントロールパネル31に設けられている4個のトグルスイッチ54をオンさせ、かつ、左脇腹板24の内側に設けられている3個のトグルスイッチ54をオンさせる。トグルスイッチ54がオンされることにより、制御装置141が起動され、人乗型ロボット10の利用が可能な状態になる。また、利用者11は、パーキングレバー34を操作し、パーキングブレーキ装置122から後輪91へ付加されているブレーキ力を解除する。
【0074】
そして、移動方向切替スイッチ50を前方へ押し、かつ、アクセルペダル32を踏込むと、移動モータ128が第1方向へ回転され、人乗型ロボット10が前進する。これに対し、移動方向切替スイッチ50を後方へ押し、かつ、アクセルペダル32を踏込むと、移動モータ128が第2方向に回転され、人乗型ロボット10が後退する。人乗型ロボット10が移動する場合、スピーカ69から効果音が出力される。なお、移動方向切替スイッチ50が操作されず、かつ、アクセルペダル32が踏まれた場合、移動モータ128は停止されており、人乗型ロボット10は停止している。
【0075】
人乗型ロボット10が移動中、利用者11がアクセルペダル32から足を離すと、移動モータ128が停止される。また、利用者11がブレーキペダル33を踏むと、ブレーキ装置120から後輪91へブレーキ力が付加され、かつ、スピーカ69からブレーキの効果音が出力される。
【0076】
人乗型ロボット10の移動中、利用者が図7(A)のハンドル30を時計回りに所定角度回転させると、図11に示す前輪90が時計回りに所定角度回転され、人乗型ロボット10が右旋回する。また、人乗型ロボット10の移動中、利用者が図7(A)のハンドル30を反時計回りに所定角度回転させると、図11に示す前輪90が反時計回りに所定角度回転され、人乗型ロボット10が右旋回する。
【0077】
さらに、複数の人乗型ロボット10同士で対戦ゲームを行う例を説明する。利用者が図7(A)に示すビーム砲発射スイッチ51へ操作力を付加すると、模型銃19に設けられている赤外線LED70が点滅され、かつ、スピーカ67から効果音が出力される。自分が搭乗している人乗型ロボット10の赤外線受光センサ66が、他人が搭乗している人乗型ロボット10の赤外線LED70から発射された赤外線を受光すると、振動モータ148が駆動されて、ウレタンクッション材143が振動され、かつ、被弾したことを示す爆発音(効果音)が、スピーカ67から出力される。
【0078】
ライフカウンタ57は、自分が搭乗している人乗型ロボット10の被弾回数に応じた残留ライフが数字で表示される。ライフカウンタ57は、自分が搭乗している人乗型ロボット10が1回被弾する毎に、数字が1ずつ減少する。自分が搭乗している人乗型ロボット10のライフカウンタ57が所定数、例えば、“09”以下になると、スピーカ67から警告音が常時出力される。さらに、ライフカウンタ57が“00”になった後、更に1回被弾すると、スピーカ67は警告音を停止し、かつ、爆発音を出力する。また、ライフカウンタ57の表示が消され、スピーカ67から負け宣告が出力される。さらに、模型銃19を使用できなくなり、かつ、人乗型ロボット10が移動できなくなる。
【0079】
そして、ライフカウンタ57が“00”になった後、利用者11がリセットボタン65を操作すると、制御装置141は、人乗型ロボット10を初期状態に復帰させる。つまり、人乗型ロボット10の移動が可能になり、かつ、ライフカウンタ57の表示が“99”へ戻る。なお、ライフカウンタ57が“00”になった時点から所定時間、例えば、5分間に亘って何も操作が行われない場合も、制御装置141は、人乗型ロボット10を初期状態に復帰させる。
【0080】
なお、人乗型ロボット10が停止している状態で、利用者11がパーキングレバー34を操作すると、パーキングブレーキ装置122から後輪91へブレーキ力が加えられ、人乗型ロボット10は、停止された状態に保持される。そして、利用者11は、トグルスイッチ54を全てオフし、人乗型ロボット10の機能を停止させる。
【0081】
利用者11が人乗型ロボット10から降りる動作の一例は、次の通りである。図3(D)のように、コックピット27内に座って居る利用者11は、コックピット蓋18を開く。次に、利用者11は、コックピット27内で立ち上がり、かつ、利用者11は、前後の向きを逆にする。そして、利用者11は、片足をコックピット27の外へ出し、その足を図3(C)のように、踏み台86へ掛ける。次いで、片手でグリップ37を握り、別の足をコックピット27から出し、かつ、その足を足掛け台142に掛ける。その後、踏み台86に掛けている足を踏み台86から外して使用場所14へ接地させ、足掛け台142から足を離し、その足を使用場所14へ接地させ、かつ、グリップ37から手を離すと、利用者11が人乗型ロボット10から降りる動作が完了する。
【0082】
(実施形態の効果)
図12のように、人乗型ロボット10を側面視すると、人乗型ロボット10は、中心線A1より前方の第1領域B1内に、前輪90、踏み台86、足掛け台142、切替機構146が配置されている。第1領域B1は、人乗型ロボット10の前後方向、具体的には、下半身13の前後方向C1において、中心線A1より前方の領域であり、かつ、足掛け台142の先端までの範囲を含む。第2領域B2は、下半身13の前後方向C1において、中心線A1より後方の領域であり、かつ、足89の後端までの範囲を含む。
【0083】
人乗型ロボット10は、中心線A1より後方の第2領域B2内に、座席28、後輪91が配置されている。つまり、人乗型ロボット10を構成する各種の部品、各種の要素が、中心線A1より前方、中心線A1より後方に分散して配置されている。したがって、利用者11が、踏み台86及び足掛け台142へ足を掛けてコックピット27へ出入りする過程、利用者11がコックピット27へ座った状態、の何れにおいても、人乗型ロボット10の姿勢が安定する。したがって、人乗型ロボット10は、前後方向C1においてバランスを崩すこと、または、前後方向C1において転倒すること、を防止できる。さらに、モータマウント127を底板93の前後方向に移動させ、かつ、固定できる。したがって、チェーン137の張力を任意に調整でき、人乗型ロボット10の走行性が向上する。
【0084】
人乗型ロボット10は、移動モータ128のトルクを後輪91へ伝達する経路に、第1減速機構及び第2減速機構が設けられており、2段階にギヤ比(減速比)を変えて後輪91で駆動力を発生させている。したがって、人乗型ロボット10は、移動する場合の駆動力を確保でき、かつ、人乗型ロボット10が円滑に動くようになった。デファレンシャル125が設けられているため、人乗型ロボット10が旋回しながら移動する場合に、左後輪91Aの回転速度と、右後輪91Bの回転速度とに差が生じることが許容される。したがって、人乗型ロボット10は、方向変換を円滑に行える。
【0085】
上半身12は、複数の戸車77を介して下半身13により支持され、かつ、1本のパイプシャフト45を中心として旋回可能である。したがって、上半身12は、下半身13に対して円滑に旋回できる。また、1本のパイプシャフト45は、上半身12を下半身13に対して旋回可能に支持する役割と、上半身12を下半身13に対して水平方向に位置決めする役割と、を兼ねている。したがって、人乗型ロボット10は、部品点数の増加を抑制でき、かつ、構造の複雑化を抑制できる。
【0086】
さらに、ブレーキワイヤー52の一部は、パイプシャフト45の内部へ通されている。パーキングワイヤー53の一部は、パイプシャフト45の内部へ配置されている。電源ケーブル129の一部は、パイプシャフト45の内部にレイアウトされている。したがって、上半身12が下半身13に対して、図6に示すパイプシャフト45を中心として旋回する動作は、ブレーキワイヤー52、パーキングワイヤー53、電源ケーブル129により阻害されることを抑制できる。
【0087】
(補足説明)
人乗型ロボット10は、人乗型ロボットの一例である。上半身12は、上半身の一例である。下半身13は、下半身の一例である。コックピット27は、コックピットの一例である。胴体15は、胴体の一例である。座席28は、座席の一例である。踏み台86及び足掛け台142は、足載せ台の一例である。前輪90、左前輪90A、右前輪90Bは、前輪の一例である。後輪91、左後輪91A、右後輪91Bは、後輪の一例である。切替機構146は、切替機構の一例である。パイプシャフト45は、支持軸及びパイプシャフトの一例である。中心線A1は、中心線の一例である。ハンドル30は、ハンドルの一例である。ブレーキ装置120は、ブレーキ装置の一例である。電源ケーブル129は、電源ケーブルの一例である。ブレーキワイヤー52は、ブレーキワイヤーの一例である。移動モータ128は、電動モータの一例である。デファレンシャル125は、デファレンシャルの一例である。コックピット蓋18は、コックピット蓋の一例である。右腕16及び左腕17は、腕の一例である。模型銃19は、模型銃の一例である。旋回装置42は、旋回装置の一例である。第1領域B1は、第1領域の一例であり、第2領域B2は、第2領域の一例である。
【0088】
本実施形態は、図面を用いて開示されたものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、模型銃19及びスピーカ69が、左腕17に設けられ、赤外線受光センサ66、スピーカ67、トグルスイッチ確認ランプ68が、右腕16に設けられていてもよい。また、人乗型ロボットを構成する各部品の材質、各要素の材質は、強度を確保できれば、金属、合成樹脂等を任意に選択可能である。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本開示は、人が搭乗した状態で移動が可能な人乗型ロボットとして利用可能である。
【符号の説明】
【0090】
10…人乗型ロボット、12…上半身、13…下半身、15…胴体、16…右腕、17…左腕、18…コックピット蓋、19…模型銃、27…コックピット、28…座席、30…ハンドル、42…旋回装置、45…パイプシャフト、52…ブレーキワイヤー、86…踏み台、90…前輪、90A…左前輪、90B…右前輪、91…後輪、91A…左後輪、91B…右後輪、120…ブレーキ装置、125…デファレンシャル、128…移動モータ、129…電源ケーブル、142…足掛け台、146…切替機構、A1…中心線、B1…第1領域、B2…第2領域
【要約】
【課題】姿勢を安定させることの可能な人乗型ロボットを提供する。
【解決手段】コックピット27を有する上半身12と、上半身12を支持する下半身13と、を有する人乗型ロボット10であって、コックピット27に設けられた座席28と、下半身13に設けられた踏み台86及び足掛け台142と、下半身13に設けられた前輪90及び後輪91と、下半身13に設けられて前輪90の向きを切り替える切替機構と、下半身13に設けられたパイプシャフト45と、を有し、踏み台86及び足掛け台142及び切替機構は、パイプシャフト45より前方の第1領域B1内に配置され、座席28及び後輪91は、パイプシャフト45より後方の第2領域B2内に配置されている、人乗型ロボット10を構成した。
【選択図】図12
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12