IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノンアネルバ株式会社の特許一覧

特許7394271X線発生装置、X線撮像装置、および、X線発生装置の調整方法
<>
  • 特許-X線発生装置、X線撮像装置、および、X線発生装置の調整方法 図1
  • 特許-X線発生装置、X線撮像装置、および、X線発生装置の調整方法 図2
  • 特許-X線発生装置、X線撮像装置、および、X線発生装置の調整方法 図3
  • 特許-X線発生装置、X線撮像装置、および、X線発生装置の調整方法 図4
  • 特許-X線発生装置、X線撮像装置、および、X線発生装置の調整方法 図5
  • 特許-X線発生装置、X線撮像装置、および、X線発生装置の調整方法 図6
  • 特許-X線発生装置、X線撮像装置、および、X線発生装置の調整方法 図7
  • 特許-X線発生装置、X線撮像装置、および、X線発生装置の調整方法 図8
  • 特許-X線発生装置、X線撮像装置、および、X線発生装置の調整方法 図9
  • 特許-X線発生装置、X線撮像装置、および、X線発生装置の調整方法 図10
  • 特許-X線発生装置、X線撮像装置、および、X線発生装置の調整方法 図11
  • 特許-X線発生装置、X線撮像装置、および、X線発生装置の調整方法 図12
  • 特許-X線発生装置、X線撮像装置、および、X線発生装置の調整方法 図13
  • 特許-X線発生装置、X線撮像装置、および、X線発生装置の調整方法 図14
  • 特許-X線発生装置、X線撮像装置、および、X線発生装置の調整方法 図15
  • 特許-X線発生装置、X線撮像装置、および、X線発生装置の調整方法 図16
  • 特許-X線発生装置、X線撮像装置、および、X線発生装置の調整方法 図17
  • 特許-X線発生装置、X線撮像装置、および、X線発生装置の調整方法 図18
  • 特許-X線発生装置、X線撮像装置、および、X線発生装置の調整方法 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-29
(45)【発行日】2023-12-07
(54)【発明の名称】X線発生装置、X線撮像装置、および、X線発生装置の調整方法
(51)【国際特許分類】
   H01J 35/30 20060101AFI20231130BHJP
【FI】
H01J35/30
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023557819
(86)(22)【出願日】2022-09-15
(86)【国際出願番号】 JP2022034555
【審査請求日】2023-09-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000227294
【氏名又は名称】キヤノンアネルバ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 洋一
【審査官】右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0208287(US,A1)
【文献】特開2004-265602(JP,A)
【文献】特開2002-195961(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 35/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子銃および前記電子銃から放射される電子線を受けてX線を発生させるターゲットを含むX線発生管と、
前記電子線を偏向させる偏向器と、
前記電子銃のカソードと前記ターゲットとの間に加速電圧を与える駆動回路と、
前記加速電圧の変化による前記ターゲットへの前記電子線の入射位置の変化を低減するように、前記加速電圧又は前記加速電圧の変化量に応じて前記偏向器による前記電子線の偏向を調整するための調整部と、
を備え、
前記偏向器は、永久磁石を含み、
前記調整部は、前記加速電圧又は前記加速電圧の変化量に応じて前記永久磁石の位置を調整するための調整機構を含み、
前記調整機構による前記永久磁石の位置の調整は、前記電子銃の中心軸に平行な方向における前記永久磁石の位置の調整を含む、
ことを特徴とするX線発生装置。
【請求項2】
前記永久磁石は、前記X線発生管を介して互いに対向するように配置された第1磁石および第2磁石を含み、
前記調整機構による前記永久磁石の位置の調整によって、前記電子線が前記偏向器によって偏向される量が変更される、
ことを特徴とする請求項1に記載のX線発生装置。
【請求項3】
前記第1磁石および前記第2磁石は、前記第1磁石の第1磁極と前記第2磁石の第2磁極とが前記X線発生管を介して互いに対向するように配置され、前記第1磁極と前記第2磁極とは、互いに反対の磁極であり、
前記調整機構による前記永久磁石の位置の調整によって、前記電子線が前記偏向器によって偏向される量が変更される、
ことを特徴とする請求項2に記載のX線発生装置。
【請求項4】
前記調整機構は、前記偏向器を駆動するアクチュエータを含む、
ことを特徴とする請求項に記載のX線発生装置。
【請求項5】
前記調整機構は、前記偏向器をガイドするガイドを含む、
ことを特徴とする請求項に記載のX線発生装置。
【請求項6】
前記調整機構は、前記偏向器を固定する固定機構を含む、
ことを特徴とする請求項に記載のX線発生装置。
【請求項7】
前記調整機構は、前記加速電圧の変化による前記ターゲットへの前記電子線の入射位置の変化が低減されるように、前記加速電圧又は前記加速電圧の変化量に応じて前記永久磁石の回転角を調整する機構を含む、
ことを特徴とする請求項に記載のX線発生装置。
【請求項8】
前記調整機構による前記永久磁石の回転角の調整は、前記電子銃の中心軸に直交する軸の周りでの前記永久磁石の回転角の調整を含む、
ことを特徴とする請求項7に記載のX線発生装置。
【請求項9】
前記偏向器は、電磁石を更に含む、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のX線発生装置。
【請求項10】
前記入射位置は、前記ターゲットにおける前記電子線の径の3倍以下の径の領域内である、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のX線発生装置。
【請求項11】
請求項1乃至のいずれか1項に記載のX線発生装置と、
前記X線発生装置から放射されたX線を検出するX線検出器と、
を備えることを特徴とするX線撮像装置。
【請求項12】
電子銃および前記電子銃から放射される電子線を受けてX線を発生させるターゲットを含むX線発生管と、前記電子線を偏向させる偏向器と、前記電子銃のカソードと前記ターゲットとの間に加速電圧を与える駆動回路と、を備えるX線発生装置の調整方法であって、
前記加速電圧の変化による前記ターゲットへの前記電子線の入射位置の変化を低減するように、前記加速電圧又は前記加速電圧の変化量に応じて前記偏向器による前記電子線の偏向を調整する工程を含み、
前記偏向器は、永久磁石を含み、
前記工程では、前記加速電圧又は前記加速電圧の変化量に応じて前記永久磁石の位置の調整を行い、
前記調整は、前記電子銃の中心軸に平行な方向における前記永久磁石の位置の調整を含む、
ことを特徴とするX線発生装置の調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線発生装置、X線撮像装置、および、X線発生装置の調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
透過型のX線管では、電子線をターゲットに照射することでターゲットからX線が放射される。カソードにおいて発生した電子線は、加速電圧によって加速されてターゲットに照射される。この加速電圧を変化させると、ターゲットに衝突する電子線が持つエネルギーが変化する。特許文献1には、X線透過窓と、X線透過窓の真空側に設けられたX線ターゲットを形成する金属薄膜と、電子ビームを発生する電子銃と、電子ビームを偏向させる偏向電極とを有する透過型X線管装置が記載されている。この金属薄膜は、徐々に変化する厚さを有する。このX線管装置では、金属薄膜の厚さと電子が進入する深さとが一致する場所に電子ビームが照射される。これは、電子銃から発生する電子ビームの加速電圧に対応させて、偏向電極に印加される偏向電圧を変化させることによって実現される。
【0003】
X線発生装置が組み込まれたX線撮像装置において、X線発生装置が発生するX線のエネルギーあるいはエネルギー分布を変化させるために加速電圧が変更されうる。しかし、加速電圧が変更されたときに、それに応じてターゲットに対する電子ビームの入射位置が変化すると、それに応じてX線の発生位置、つまりX線撮像装置における焦点位置が変化する。したがって、加速電圧を変更する度に、X線発生装置から放射されるX線を検出するためのX線検出器を位置合わせする必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-126650号公報
【発明の概要】
【0005】
本発明は、加速電圧の変更によるX線の発生位置の変化を低減するために有利な技術を提供しうる。
【0006】
本発明の第1の側面は、X発生装置に係り、前記X線発生装置は、電子銃および前記電子銃から放射される電子線を受けてX線を発生させるターゲットを含むX線発生管と、前記電子線を偏向させる偏向器と、前記電子銃のカソードと前記ターゲットとの間に加速電圧を与える駆動回路と、前記加速電圧の変化による前記ターゲットへの前記電子線の入射位置の変化を低減するように、前記加速電圧又は前記加速電圧の変化量に応じて前記偏向器による前記電子線の偏向を調整するための調整部と、を備える。
【0007】
本発明の第2の側面は、X線撮像装置に係り、前記X線撮像装置は、前記第1の側面に係るX線発生装置と、前記X線発生装置から放射されたX線を検出するX線検出器と、を備える。
【0008】
本発明の第3の側面は、X線発生装置の調整方法に係り、前記X線発生装置は、電子銃および前記電子銃から放射される電子線を受けてX線を発生させるターゲットを含むX線発生管と、前記電子線を偏向させる偏向器と、前記電子銃のカソードと前記ターゲットとの間に加速電圧を与える駆動回路と、を備え、前記調整方法は、前記加速電圧の変化による前記ターゲットへの前記電子線の入射位置の変化を低減するように、前記加速電圧又は前記加速電圧の変化量に応じて前記偏向器による前記電子線の偏向を調整する工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態のX線発生管の中心付近の断面構成を模式的に示す図。
図2】電子銃から放射された電子線がターゲットに衝突する様子を模式的に示す図。
図3】X線発生装置の第1構成例を説明するための図。
図4】X線発生装置の第1乃至第4構成例を説明するための図。
図5】X線発生装置の第1構成例を説明するための図。
図6】X線発生装置の第1乃至第4構成例を説明するための図。
図7】X線発生装置の第1構成例を説明するための図。
図8】X線発生装置の第1乃至第4構成例を説明するための図。
図9】X線発生装置の第2構成例を説明するための図。
図10】X線発生装置の第2構成例を説明するための図。
図11】X線発生装置の第2構成例を説明するための図。
図12】X線発生装置の第3構成例を説明するための図。
図13】X線発生装置の第3構成例を説明するための図。
図14】X線発生装置の第3構成例を説明するための図。
図15】X線発生装置の第4構成例を説明するための図。
図16】X線発生装置の第4構成例を説明するための図。
図17】X線発生装置の第5構成例を説明するための図。
図18】一実施形態のX線発生装置の構成を示す図。
図19】一実施形態のX線撮像装置の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
図1には、一実施形態のX線発生管XGの中心付近の断面構成が模式的に示されている。X線発生装置1は、透過型X線発生装置として構成されうる。X線発生装置1は、X線発生管XGを備えている。X線発生管XGは、電子銃EGと、電子銃EGから放射される電子線EBあるいは電子を受けてX線を発生させるターゲット22とを含みうる。一例において、X線発生管XGは、2つの開口端を有する絶縁管10と、絶縁管10の2つの開口端の一方を閉塞するアノード20と、絶縁管10の2つの開口端の他方を閉塞する閉塞部材30とを備えうる。アノード20は、ターゲット22と、ターゲット22を保持するターゲット保持板21と、ターゲット保持板21を支持しつつターゲット保持板21を介してターゲット22に電位を与える電極23とを含みうる。アノード20は、例えば、接地電位に維持されうる。閉塞部材30は、電子銃EGを保持するように構成されうる。絶縁管10、アノード20および閉塞部材30は、密閉空間を規定する容器を構成しうる。該密閉空間は、真空、あるいは高い真空度に維持される。
【0012】
電子銃EGは、カソードCTと、カソードCTとアノード20との間に配置された引出電極EEと、引出電極EEとアノード20との間に配置された収束電極CEとを含みうる。カソードCTは、電子を放出する。カソードCTとアノード20との間には、加速電圧が供給される。アノード20のターゲット22に時間当たりに入射する電子の量、即ち電流は、管電流と呼ばれ、引出電極EEに供給される引出電位に依存しうる。収束電極CEは、カソードCTから放出された電子あるいは電子線を収束させる。収束電極CEは、複数の電極を含んでもよい。
【0013】
X線発生装置1は、カソードCTにカソード電位を供給するカソード電位供給部41を備えうる。カソード電位供給部41は、接地電位に維持されうるアノード20とカソードCTとの間に加速電圧を供給する駆動回路として理解されてもよい。X線発生装置1は、引出電極EEに引出電位を供給する引出電位供給部42を備えうる。引出電位供給部42は、カソードCTと引出電極EEとの間に引出電圧を供給する構成要素として理解されてもよい。X線発生装置1は、収束電極CEに収束電位を供給する収束電位供給部43を備えうる。収束電位供給部43は、カソードCTと収束電極CEとの間に収束電圧を供給する構成要素として理解されてもよい。
【0014】
X線発生装置1は、電子銃EGから放射される電子線EBを偏向させる偏向器50を更に備えうる。偏向器50は、X線発生管XGの外側に配置されうる。偏向器50は、例えば、偏向器50を横切る仮想平面VP3がターゲット22の電子線入射面(電子銃EGに対面する面)を含む仮想平面VP1と電子銃EGの先端面(ターゲット22側の面)を含む仮想平面VP2との間に位置するように配置されうる。仮想平面VP1、VP2、VP3は、電子銃EGの中心軸AXに垂直に交差する平面として定義されうる。偏向器50は、電子銃EGから放射された電子線EBに対して磁界を作用させることによって電子線EBを偏向させる。偏向器50が電子線EBを偏向させる量は、加速電圧に依存しうる。
【0015】
偏向器50は、永久磁石で構成されてもよいし、電磁石で構成されてもよいし、永久磁石および電磁石で構成されてもよい。一例において、偏向器50は、第1磁石および第2磁石を含みうる。第1磁石の第1磁極(例えば、S極)と第2磁石の第2磁極(例えば、N極)とは、絶縁管10あるいはX線発生管XGを介して互いに対向するように配置されうる。偏向器50は、磁極が絶縁管10あるいはX線発生管XGの径方向を向くように配置された1つの磁石で構成されてもよい。
【0016】
電極23は、ターゲット22に電気的に接続されていて、ターゲット22に電位を与える。ターゲット22は、電子銃EGからの電子がターゲット22に衝突することによってX線を発生する。ターゲット22が発生したX線は、ターゲット保持板21を透過してX線発生管XGの外部に放射される。アノード20は、例えば、接地電位に維持されうるが、他の電位に維持されてもよい。ターゲット22は、金属材料で構成される。ターゲット22は、融点が高い材料、例えば、タングステン、タンタルまたはモリブデン等で構成されることが望ましく、これらの材料は、X線の発生効率を向上させるために有利である。ターゲット保持板21は、例えば、X線を透過し易い材料、例えば、ベリリウム、ダイヤモンド等で構成されうる。
【0017】
X線発生装置1は、加速電圧の変化によるターゲット22への電子線EBの入射位置の変化を低減するように、該加速電圧又は該加速電圧の変化量に応じて偏向器50による電子線EBの偏向を調整するための調整部60を備えうる。ここで、加速電圧は、前述のように、カソード電位供給部41によってアノード20とカソードCTとの間に供給される電圧である。調整部60が存在しない場合、加速電圧が変化すると、電子銃EGから放射される電子線EBが偏向器50によって偏向される量が変化し、これによりターゲット22への電子線EBの入射位置が変化しうる。加速電圧の変化によってターゲット22への電子線EBの入射位置が変化すると、X線発生装置1およびX線検出器が組み込まれたX線撮像装置において、X線の発生位置、即ち焦点位置が変化する。この焦点位置の変化は、X線撮像装置の再調整(例えば、X線発生装置に対するX線検出器の位置合わせ)を要求しうる。そこで、本実施形態のX線発生装置1は、加速電圧の変化によるターゲット22への電子線の入射位置の変化を低減するための調整部60を備える。ターゲット22への電子線の入射位置は、電子銃EGの中心軸AXに直交する平面(仮想平面VP1)における位置である。
【0018】
偏向器50が磁石(永久磁石および/または電磁石)を含む場合、調整部60は、磁石の位置を調整するための調整機構を含みうる。該調整機構は、磁石の位置を調整するための機械的な調整機構であり、例えば、偏向器50を駆動するアクチュエータを含みうる。該調整機構は、偏向器50をガイドするガイドを含んでもよい。該調整機構は、偏向器50を固定する固定機構(例えば、ネジ、バネ)を含んでもよい。調整部60は、加速電圧の変化によるターゲット22への電子線EBの入射位置の変化が低減されるように、加速電圧又は加速電圧の変化量に応じて磁石の位置を制御しうる。調整部60による磁石の位置の制御は、電子銃EGの中心軸AXに平行な方向における磁石の位置の制御を含みうる。あるいは、調整部60による磁石の位置の制御は、電子銃EGの中心軸を含む直線と磁石との距離の制御を含みうる。あるいは、調整部60による磁石の位置の制御は、電子銃EGの中心軸AXに平行な方向における磁石の位置の制御、および、電子銃EGの中心軸を含む直線と磁石との距離の制御を含みうる。あるいは、調整部60は、加速電圧の変化によるターゲット22への電子線EBの入射位置の変化が低減されるように、加速電圧又は加速電圧の変化量に応じて磁石の回転角を制御してもよい。調整部60による磁石の回転角の調整は、電子銃EGの中心軸AXに直交する軸の周りでの磁石の回転角の調整を含みうる。偏向器50が電磁石を含む場合、調整部60は、加速電圧又は加速電圧の変化量に応じて電磁石が発生する磁界(例えば、磁界の強度)を調整するように構成されてもよい。
【0019】
図2には、電子銃EGから放射された電子線EBがターゲット22に衝突する様子が模式的に示されている。図2では、電子銃EGとターゲット22とが近接して示されているが、電子銃EGとターゲット22とは、より離隔して配置されうる。電子銃EGから放出された電子線EBは、偏向器50が発生する磁界によって偏向された後にターゲット22に入射あるいは衝突する。電子線EBが偏向される量、換言すると、ターゲット22に対する電子線EBの入射位置は、偏向器50が発生し電子線EBに作用する磁界、および、加速電圧に依存しうる。
【0020】
偏向器50が発生し電子線EBに作用する磁界(強度および方向)が一定の状態で、加速電圧が変化すると、ターゲット22に対する電子線EBの入射位置は、その加速電圧の変化に応じて変化する。逆に、加速電圧が一定の状態で、偏向器50が発生し電子線EBに作用する磁界(強度および方向の少なくとも一方)が変化すると、ターゲット22に対する電子線EBの入射位置は、その磁界の変化に応じて変化する。調整部60は、加速電圧の変化によるターゲット22への電子線の入射位置の変化を低減するように、該加速電圧又は該加速電圧の変化量に応じて偏向器50が電子線EBに作用させる磁界を調整し、これにより偏向器50による電子線EBの偏向を調整しうる。
【0021】
図3図4図5図6図7図8には、X線発生装置1の第1構成例が示されている。図3図4には、加速電圧Vaが第1電圧V1であり、調整部60による電子線EBの調整が第1状態であるときのX線発生装置1が模式的に示されている。偏向器50は、例えば、中心軸AXを挟んで対向配置された一対の磁石で構成されうる。各磁石は、永久磁石でもよいし、電磁石でもよいし、永久磁石および電磁石の複合体でもよい。調整部60は、偏向器50としての磁石の位置を調整するための調整機構を含みうる。該調整機構は、偏向器50を駆動するアクチュエータ(例えば、モータ)63を含みうる。調整部60は、該調整機構として、偏向器50を保持するアダプタ(ホルダ)61を含んでもよく、その場合、アクチュエータ63は、アダプタ61を駆動することによって偏向器50を駆動するように構成されうる。該調整機構は、偏向器50またはアダプタ61をガイドするガイド62を含んでもよい。調整部60は、加速電圧又は加速電圧の変化量に応じて偏向器50としての磁石の位置が調整されるように動作し、あるいは制御されうる。第1構成例では、調整部60による磁石の位置の制御は、電子銃EGの中心軸AXに平行な方向における磁石の位置の調整を含む。
【0022】
図3図4に示された状態では、電子銃EGから放射された電子線EBは、ターゲット22の第1位置P1に入射する。図5図6には、加速電圧Vaが第2電圧V2であり、調整部60による電子線EBの調整が第1状態であるときのX線発生装置1が模式的に示されている。ここで、第2電圧V2の絶対値は、第1電圧V1の絶対値より大きい。なお、加速電圧は、アノード20の電位からカソードCTの電位を減じた値、即ち、正の値として定義されてよいし、カソードCTの電位からアノード20の電位を減じた値、即ち、負の値として定義されてよい。図5図6に示された状態では、電子銃EGから放射された電子線EBは、ターゲット22の第2位置P2に入射する。第2位置P2は、第1位置P1よりも、電子銃EGの中心軸AXを含む直線に近い。即ち、第2位置P2と中心軸AXを含む直線との距離は、第1位置P1と中心軸AXを含む直線との距離より小さい。
【0023】
図7図8には、加速電圧Vaが第2電圧V2であり、調整部60による電子線EBの調整が第2状態であるときのX線発生装置1が模式的に示されている。調整部60による電子線EBの調整が第2状態であることは、好ましくは、ターゲット22への電子線EBの入射位置が第1位置P1であるように調整部60によって電子線EBが調整された状態である。調整部60が第2状態であることは、加速電圧Vaが第1電圧V1から第2電圧V2に変化したことによるターゲット22への電子線EBの入射位置の変化(即ち、第1位置P1から第2位置P2への変化)を低減するように、加速電圧Va(=V2)又は加速電圧の変化量(=V1-V2)に応じて偏向器50による電子線EBの偏向が調整部60によって調整された状態である。
【0024】
上記のような調整部60による電子線EBの偏向の調整は、加速電圧Vaの変化に関係なく、ターゲット22への電子線EBの入射位置を目標領域内に維持することとして理解されうる。目標領域は、例えば、ターゲット22における電子ビームEBの径の3倍以下の径を有することが好ましい。目標領域をこのように設定して調整部60による調整を行うことによって、加速電圧に応じてX線発生装置に対してX線検出器を位置合わせする動作が不要になる。
【0025】
第1構成例では、加速電圧Vaの絶対値が増加する方向に加速電圧Vaが変更される場合には、調整部60は、中心軸AXを含む直線に平行な方向において、ターゲット22から偏向器50が遠ざかる方向に偏向器50の位置を調整する。他の観点では、第1構成例では、加速電圧Vaの絶対値が減少する方向に加速電圧Vaが変更される場合には、調整部60は、中心軸AXを含む直線に平行な方向において、ターゲット22に偏向器50が近づく方向に偏向器50の位置を調整する。
【0026】
加速電圧Va又は加速電圧の変化量に応じた偏向器50の位置の調整は、例えば、加速電圧Vaの大きさと又は加速電圧の変化量、電子線EBをターゲット22の目標領域に入射させるための偏向器50の適正な位置と、の関係を予め実験または計算によって求めておき、その関係に基づいてなされうる。あるいは、加速電圧Va又は加速電圧の変化量に応じた偏向器50の位置の調整は、X線検出器等を用いてターゲット22に対する電子線EBの入射位置をモニターしながら、ターゲット22の目標領域内に電子線EBが入射するように調整部60によって偏向器50の位置を調整することによってなされうる。
【0027】
図9図10図11図4図6図8には、X線発生装置1の第2構成例が示されている。図9図4には、加速電圧Vaが第1電圧V1であり、調整部60による電子線EBの調整が第1状態であるときのX線発生装置1が模式的に示されている。偏向器50は、例えば、中心軸AXを挟んで対向配置された一対の磁石で構成されうる。各磁石は、永久磁石でもよいし、電磁石でもよいし、永久磁石および電磁石の複合体でもよい。調整部60は、偏向器50としての磁石の位置を調整するための調整機構を含みうる。該調整機構は、偏向器50を駆動するアクチュエータ(例えば、モータ)66を含みうる。該調整機構は、偏向器50を保持するアダプタ(ホルダ)64を含んでもよく、その場合、アクチュエータ66は、アダプタ64を駆動することによって偏向器50を駆動するように構成されうる。該調整機構は、偏向器50またはアダプタ64をガイドするガイド65を含んでもよい。調整部60は、加速電圧又は加速電圧の変化量に応じて偏向器50としての磁石の位置が調整されるように動作し、あるいは制御されうる。第2構成例では、調整部60による磁石の位置の制御は、電子銃EGの中心軸AXを含む直線と該磁石との距離に平行な方向における磁石の位置の調整を含む。第2構成例は、第1構成例に組み合わされてもよい。つまり、調整部60による磁石の位置の制御は、電子銃EGの中心軸AXに平行な方向における該磁石の位置の調整、および、電子銃EGの中心軸AXを含む直線と該磁石との距離の調整を含んでもよい。
【0028】
図9図4に示された状態では、電子銃EGから放射された電子線EBは、ターゲット22の第1位置P1に入射する。図10図6には、加速電圧Vaが第2電圧V2であり、調整部60による電子線EBの調整が第1状態であるときのX線発生装置1が模式的に示されている。ここで、第2電圧V2の絶対値は、第1電圧V1の絶対値より大きい。図10図6に示された状態では、電子銃EGから放射された電子線EBは、ターゲット22の第2位置P2に入射する。第2位置P2は、第1位置P1よりも、電子銃EGの中心軸AXを含む直線に近い。即ち、第2位置P2と中心軸AXを含む直線との距離は、第1位置P1と中心軸AXを含む直線との距離より小さい。
【0029】
図11図8には、加速電圧Vaが第2電圧V2であり、調整部60による電子線EBの調整が第2状態であるときのX線発生装置1が模式的に示されている。調整部60による電子線EBの調整が第2状態であることは、好ましくは、ターゲット22への電子線EBの入射位置が第1位置P1であるように調整部60によって電子線EBが調整された状態である。調整部60が第2状態であることは、加速電圧Vaが第1電圧V1から第2電圧V2に変化したことによるターゲット22への電子線EBの入射位置の変化(即ち、第1位置P1から第2位置P2への変化)を低減するように、加速電圧Va(=V2)又は加速電圧の変化量(=V1-V2)に応じて偏向器50による電子線EBの偏向が調整部60によって調整された状態である。
【0030】
上記のような調整部60による電子線EBの偏向の調整は、加速電圧Vaの変化に関係なく、ターゲット22への電子線EBの入射位置を目標領域内に維持することとして理解されうる。目標領域は、例えば、ターゲット22における電子ビームEBの径の3倍以下の径を有することが好ましい。
【0031】
第2構成例では、加速電圧Vaの絶対値が増加する方向に加速電圧Vaが変更される場合には、調整部60は、中心軸AXを含む直線に偏向器50が近づくように偏向器50の位置を調整する。他の観点では、第2構成例では、加速電圧Vaの絶対値が減少する方向に加速電圧Vaが変更される場合には、調整部60は、中心軸AXを含む直線から偏向器50が遠ざかるように偏向器50の位置を調整する。
【0032】
加速電圧Va又は加速電圧の変化量に応じた偏向器50の位置の調整は、例えば、加速電圧Vaの大きさ又は加速電圧の変化量と、電子線EBをターゲット22の目標領域に入射させるための偏向器50の適正な位置と、の関係を予め実験または計算によって求めておき、その関係に基づいてなされうる。あるいは、加速電圧Va又は加速電圧の変化量に応じた偏向器50の位置の調整は、X線検出器等を用いてターゲット22に対する電子線EBの入射位置をモニターしながら、ターゲット22の目標領域内に電子線EBが入射するように調整部60によって偏向器50の位置を調整することによってなされうる。
【0033】
図12図13図14図4図6図8には、X線発生装置1の第3構成例が示されている。図12図4には、加速電圧Vaが第1電圧V1であり、調整部60による電子線EBの調整が第1状態であるときのX線発生装置1が模式的に示されている。偏向器50は、例えば、中心軸AXを挟んで対向配置された一対の磁石で構成されうる。各磁石は、永久磁石でもよいし、電磁石でもよいし、永久磁石および電磁石の複合体でもよい。調整部60は、偏向器50としての磁石の位置を調整するための調整機構を含みうる。該調整機構は、偏向器50を駆動するアクチュエータ(例えば、モータ)69を含みうる。該調整機構は、偏向器50を保持するアダプタ(ホルダ)67を含んでもよく、その場合、アクチュエータ69は、アダプタ67を駆動することによって偏向器50を駆動するように構成されうる。該調整機構は、偏向器50またはアダプタ67をガイドするガイド68を含んでもよい。調整部60は、加速電圧又は加速電圧の変化量に応じて偏向器50としての磁石の回転角が調整されるように動作し、あるいは制御されうる。調整部60による磁石の回転角の制御は、電子銃EGの中心軸AXに直交する軸の周りでの該磁石の回転角の調整を含みうる。第3構成例は、第1及び第2構成例の少なくとも1つと組み合わせて用いられてもよい。
【0034】
図12図4に示された状態では、電子銃EGから放射された電子線EBは、ターゲット22の第1位置P1に入射する。図13図6には、加速電圧Vaが第2電圧V2であり、調整部60による電子線EBの調整が第1状態であるときのX線発生装置1が模式的に示されている。ここで、第2電圧V2の絶対値は、第1電圧V1の絶対値より大きい。図13図6に示された状態では、電子銃EGから放射された電子線EBは、ターゲット22の第2位置P2に入射する。第2位置P2は、第1位置P1よりも、電子銃EGの中心軸AXを含む直線に近い。即ち、第2位置P2と中心軸AXを含む直線との距離は、第1位置P1と中心軸AXを含む直線との距離より小さい。
【0035】
図14図8には、加速電圧Vaが第2電圧V2であり、調整部60による電子線EBの調整が第2状態であるときのX線発生装置1が模式的に示されている。調整部60による電子線EBの調整が第2状態であることは、好ましくは、ターゲット22への電子線EBの入射位置が第1位置P1であるように調整部60によって電子線EBが調整された状態である。調整部60が第2状態であることは、加速電圧Vaが第1電圧V1から第2電圧V2に変化したことによるターゲット22への電子線EBの入射位置の変化(即ち、第1位置P1から第2位置P2への変化)を低減するように、加速電圧Va(=V2)又は加速電圧の変化量(=V1-V2)に応じて偏向器50による電子線EBの偏向が調整部60によって調整された状態である。
【0036】
上記のような調整部60による電子線EBの偏向の調整は、加速電圧Vaの変化に関係なく、ターゲット22への電子線EBの入射位置を目標領域内に維持することとして理解されうる。目標領域は、例えば、ターゲット22における電子ビームEBの径の3倍以下の径を有することが好ましい。
【0037】
第3構成例では、加速電圧Vaの絶対値が増加する方向に加速電圧Vaが変更される場合には、調整部60は、電子線EBに作用する垂直成分の磁界が強くなるように偏向器50の回転角を調整する。他の観点では、第3構成例では、加速電圧Vaの絶対値が減少する方向に加速電圧Vaが変更される場合には、調整部60は、電子線EBに作用する垂直成分の磁界が弱くなるように偏向器50の回転角を調整する。
【0038】
加速電圧Va又は加速電圧の変化量に応じた偏向器50の回転角の調整は、例えば、加速電圧Vaの大きさ又は加速電圧の変化量と、電子線EBをターゲット22の目標領域に入射させるための偏向器50の適正な回転角と、の関係を予め実験または計算によって求めておき、その関係に基づいてなされうる。あるいは、加速電圧Va又は加速電圧の変化量に応じた偏向器50の回転角の調整は、X線検出器等を用いてターゲット22に対する電子線EBの入射位置をモニターしながら、ターゲット22の目標領域内に電子線EBが入射するように調整部60によって偏向器50の回転角を調整することによってなされうる。
【0039】
図15図16図17図4図6図8には、X線発生装置1の第4構成例が示されている。図15図4には、加速電圧Vaが第1電圧V1であり、調整部60による電子線EBの調整が第1状態であるときのX線発生装置1が模式的に示されている。偏向器50は、例えば、中心軸AXを挟んで対向配置された一対の磁石で構成されうる。各磁石は、少なくとも電磁石を含む。調整部60は、偏向器50を構成する電磁石に供給する電流を制御するように構成されうる。調整部60は、加速電圧又は加速電圧の変化量に応じて、偏向器50を構成する電磁石が発生する磁界を調整するように構成されうる。調整部60は、加速電圧に応じて偏向器50を構成する電磁石に供給する電流を制御しうる。第4構成例は、第1乃至第3構成例の少なくとも1つと組み合わせて用いられてもよい。
【0040】
図15図4に示された状態では、電子銃EGから放射された電子線EBは、ターゲット22の第1位置P1に入射する。図16図6には、加速電圧Vaが第2電圧V2であり、調整部60による電子線EBの調整が第1状態であるときのX線発生装置1が模式的に示されている。ここで、第2電圧V2の絶対値は、第1電圧V1の絶対値より大きい。図16図6に示された状態では、電子銃EGから放射された電子線EBは、ターゲット22の第2位置P2に入射する。第2位置P2は、第1位置P1よりも、電子銃EGの中心軸AXを含む直線に近い。即ち、第2位置P2と中心軸AXを含む直線との距離は、第1位置P1と中心軸AXを含む直線との距離より小さい。
【0041】
図17図8には、加速電圧Vaが第2電圧V2であり、調整部60による電子線EBの調整が第2状態であるときのX線発生装置1が模式的に示されている。調整部60による電子線EBの調整が第2状態であることは、好ましくは、ターゲット22への電子線EBの入射位置が第1位置P1であるように調整部60によって電子線EBが調整された状態である。調整部60が第2状態であることは、加速電圧Vaが第1電圧V1から第2電圧V2に変化したことによるターゲット22への電子線EBの入射位置の変化(即ち、第1位置P1から第2位置P2への変化)を低減するように、加速電圧Va(=V2)又は加速電圧の変化量(=V1-V2)に応じて偏向器50による電子線EBの偏向が調整部60によって調整された状態である。
【0042】
上記のような調整部60による電子線EBの偏向の調整は、加速電圧Vaの変化に関係なく、ターゲット22への電子線EBの入射位置を目標領域内に維持することとして理解されうる。目標領域は、例えば、ターゲット22における電子ビームEBの径の3倍以下の径を有することが好ましい。
【0043】
第4構成例では、加速電圧Vaの絶対値が増加する方向に加速電圧Vaが変更される場合には、調整部60は、偏向器50を構成する電磁石に供給する電流の大きさを大きくする。他の観点では、第4構成例では、加速電圧Vaの絶対値が減少する方向に加速電圧Vaが変更される場合には、調整部60は、偏向器50を構成する電磁石に供給する電流の大きさを小さくする。
【0044】
加速電圧Va又は加速電圧の変化量に応じた偏向器50の位置の調整は、例えば、加速電圧Vaの大きさ又は加速電圧の変化量と、電子線EBをターゲット22の目標領域に入射させるために偏向器50に供給される電流の大きさと、の関係を予め実験または計算によって求めておき、その関係に基づいてなされうる。あるいは、加速電圧Va又は加速電圧の変化量に応じた偏向器50の位置の調整は、X線検出器等を用いてターゲット22に対する電子線EBの入射位置をモニターしながら、ターゲット22の目標領域内に電子線EBが入射するように調整部60から偏向器50に供給される電流を調整することによってなされうる。
【0045】
図18には、一実施形態のX線発生装置1の構成が示されている。X線発生装置1は、上記のX線発生管XGの他、昇圧回路110および駆動回路120を備えうる。昇圧回路110は、外部から供給される電圧を昇圧した昇圧電圧を発生し、該昇圧電圧を駆動回路120に供給しうる。駆動回路120は、昇圧回路110から供給される昇圧電圧に基づいてX線発生管XGを駆動しうる。駆動回路120は、前述のカソード電位供給部41、引出電位供給部42、収束電位供給部43を含みうる。
【0046】
図19には、一実施形態のX線撮像装置200の構成が示されている。X線撮像装置200は、X線発生装置1と、X線発生装置1から放射され物体230を透過したX線XRを検出するX線検出装置240を備えうる。X線検出装置240は、制御装置210および表示装置220を更に備えてもよい。X線検出装置240は、X線検出器242および信号処理部244を含みうる。制御装置210は、X線発生装置1およびX線検出装置240を制御しうる。X線検出器242は、X線発生装置1から放射され物体230を透過したX線XRを検出あるいは撮像しうる。信号処理部244は、X線検出器242から出力される信号を処理して、処理された信号を制御装置210に供給しうる。制御装置210は、信号処理部244から供給される信号に基づいて、表示装置220に画像を表示させる。制御装置210は、加速電圧の変化によるターゲット22への電子線EBの入射位置の変化を低減するように、加速電圧又は加速電圧の変化量に応じて調整部60を制御しうる。
【符号の説明】
【0047】
1:X線発生装置、XG:X線発生管、EG:電子銃、CT:カソード電極、EE:引出電極、CE:収束電極、EB:電子線、20:アノード、21:ターゲット保持板、22:ターゲット、23:電極、50:偏向器、60:調整部、AX:中心軸
【要約】
X線発生装置は、電子銃および前記電子銃から放射される電子線を受けてX線を発生させるターゲットを含むX線発生管と、前記電子線を偏向させる偏向器と、前記電子銃のカソードと前記ターゲットとの間に加速電圧を与える駆動回路と、前記加速電圧の変化による前記ターゲットへの前記電子線の入射位置の変化を低減するように、前記加速電圧又は前記加速電圧の変化量に応じて前記偏向器による前記電子線の偏向を調整するための調整部と、を備える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19