(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】部品実装装置および立体形状判断装置ならびに立体形状判断方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/08 20060101AFI20231201BHJP
H05K 13/04 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
H05K13/08 Q
H05K13/04 A
(21)【出願番号】P 2019131529
(22)【出願日】2019-07-17
【審査請求日】2022-05-09
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】韓 猛
(72)【発明者】
【氏名】秦 純一
(72)【発明者】
【氏名】松田 鷹則
(72)【発明者】
【氏名】森 秀雄
(72)【発明者】
【氏名】松尾 誠一
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-078399(JP,A)
【文献】国際公開第2018/138921(WO,A1)
【文献】特開2014-225500(JP,A)
【文献】特開平07-208955(JP,A)
【文献】特開2000-136904(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を撮像する撮像手段と、
部品を保持し、保持した部品を前記撮像手段の前で移動させる部品保持移動機構と、
前記撮像手段によって撮像された撮像画像に基づいて、前記部品の立体形状が所定の条件を満たす良品か不良品かを判断する良否判断手段と、
良品と判断された前記部品を基板に装着する装着手段と、を備え、
前記良否判断手段が前記部品を不良品と判断すると、前記撮像手段は当該部品を少なくとも1回再撮像し、前記良否判断手段は再撮像画像に基づいて、当該部品が良品か不良品かを再判断し、
前記良否判断手段が前記再判断を規定回数繰り返すまでに当該部品を良品と判断すると、前記装着手段は当該部品を前記基板に装着
し、
前記撮像手段が前記部品を再撮像する際は、前記部品保持移動機構が前記部品を移動させる方向または移動速度の少なくともいずれかが変更される、部品実装装置。
【請求項2】
前記撮像手段は、並設された2台の撮像部を有し、
前記良否判断手段は、前記2台の撮像部によって撮像された撮像画像の視差に基づいて、前記部品が良品か不良品かを判断する、請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
前記撮像手段は、撮像する部品を照明する照明部を有し、
前記撮像手段が前記部品を再撮像する際は、前記照明部の照明条件が変更される、請求項1または2に記載の部品実装装置。
【請求項4】
前記撮像手段は、移動している前記部品を前記部品の大きさに応じて複数回撮像し、
前記良否判断手段は、撮像された複数の撮像画像に基づいて、前記部品が良品か不良品かを判断する、請求項
1から3のいずれかに記載の部品実装装置。
【請求項5】
部品を保持し、保持した部品を前記撮像手段の前に移動させる部品保持移動機構をさらに備え、
前記撮像手段が前記部品を再撮像する際は、前記部品保持移動機構が前記部品を保持する姿勢が変更される、請求項1から
4のいずれかに記載の部品実装装置。
【請求項6】
前記所定の条件は、前記部品の反り量が閾値以下であることである、請求項1から
5のいずれかに記載の部品実装装置。
【請求項7】
前記部品はシールドケースである、請求項1から
6のいずれかに記載の部品実装装置。
【請求項8】
ワークを撮像する撮像手段と、
ワークを保持し、保持したワークを前記撮像手段の前で移動させるワーク保持移動機構と、
前記撮像手段によって撮像された撮像画像に基づいて、前記ワークの立体形状が所定の条件を満たす良品か不良品かを判断する良否判断手段と、を備え、
前記良否判断手段が前記ワークを不良品と判断すると、前記撮像手段は当該ワークを少なくとも1回再撮像し、前記良否判断手段は再撮像画像に基づいて、当該ワークが良品か不良品かを再判断し、
前記良否判断手段が当該ワークを不良品と判断しても前記再判断を規定回数繰り返していなければ、前記撮像手段は当該ワークを再び撮像し、前記良否判断手段は再び撮像された画像に基づいて当該ワークが良品か不良品かを再び判断
し、
前記撮像手段が前記ワークを再撮像する際は、前記ワーク保持移動機構が前記ワークを移動させる方向または移動速度の少なくともいずれかが変更される、立体形状判断装置。
【請求項9】
前記撮像手段は、並設された2台の撮像部を有し、
前記良否判断手段は、前記2台の撮像部によって撮像された撮像画像の視差に基づいて、前記ワークが良品か不良品かを判断する、請求項
8に記載の立体形状判断装置。
【請求項10】
前記撮像手段は、撮像するワークを照明する照明部を有し、
前記撮像手段が前記ワークを再撮像する際は、前記照明部の照明条件が変更される、請求項
8または
9に記載の立体形状判断装置。
【請求項11】
前記撮像手段は、移動している前記ワークを前記ワークの大きさに応じて複数回撮像し、
前記良否判断手段は、撮像された複数の撮像画像に基づいて、前記ワークが良品か不良品かを判断する、請求項
8から10のいずれかに記載の立体形状判断装置。
【請求項12】
ワークを保持し、保持したワークを前記撮像手段の前に移動させるワーク保持移動機構をさらに備え、
前記撮像手段が前記ワークを再撮像する際は、前記ワーク保持移動機構が前記ワークを保持する姿勢が変更される、請求項
8から
11のいずれかに記載の立体形状判断装置。
【請求項13】
前記所定の条件は、前記ワークの反り量が閾値以下であることである、請求項
8から
12のいずれかに記載の立体形状判断装置。
【請求項14】
ワークの立体形状の良否を判断する立体形状判断方法であって、
撮像手段でワークを撮像し、
前記撮像手段によって撮像された撮像画像に基づいて、前記ワークの立体形状が所定の条件を満たす良品か不良品かを判断し、
前記ワークを不良品と判断すると、
前記撮像手段で当該ワークを少なくとも1回再撮像し、
前記撮像手段の再撮像画像に基づいて、当該ワークが良品か不良品かを再判断し、
当該ワークを不良品と判断しても前記再判断を規定回数繰り返していなければ、前記撮像手段で当該ワークを再び撮像し、再び撮像された画像に基づいて当該ワークが良品か不良品かを再び判断
し、
前記撮像手段が前記ワークを再撮像する際は、前記ワークを移動させる方向または移動速度の少なくともいずれかが変更される、立体形状判断方法。
【請求項15】
前記撮像手段は、並設された2台の撮像部を有し、
前記2台の撮像部によって撮像された撮像画像の視差に基づいて、前記ワークが良品か不良品かを判断する、請求項
14に記載の立体形状判断方法。
【請求項16】
前記撮像手段は、撮像するワークを照明する照明部を有し、
前記撮像手段が前記ワークを再撮像する際は、前記照明部の照明条件が変更される、請求項
14または
15に記載の立体形状判断方法。
【請求項17】
前記撮像手段の前で前記ワークを移動させながら前記撮像手段で前記ワークを前記ワークの大きさに応じて複数回撮像し、
前記撮像手段によって撮像された複数の撮像画像に基づいて、前記ワークが良品か不良品かを判断する、請求項
14から16のいずれかに記載の立体形状判断方法。
【請求項18】
前記撮像手段が前記ワークを再撮像する際は、前記ワークの姿勢が変更される、請求項
14から
17のいずれかに記載の立体形状判断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品の立体形状の良否を判断して基板に装着する部品実装装置および部品の立体形状の良否を判断する立体形状判断装置ならびに立体形状判断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
部品実装装置は、フィーダが供給する部品を実装ヘッドのノズルで吸着して取り出し、吸着した部品を基板に移載して実装基板を製造する。特許文献1に記載の部品実装装置(電子部品実装機)は、実装ヘッドが備える複数のノズルでフィーダからそれぞれ部品を取り出した後、部品認識用カメラでノズルが吸着する部品を撮像し、部品の吸着姿勢や部品自体が不良と判定した部品は廃棄位置に廃棄し、良好と判定した部品のみを基板に実装している。これによって、不良基板の発生を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1を含む従来技術では、カメラによる撮像結果で部品の形状の良否を判断する場合は、ノズルによる部品の保持姿勢のばらつきなどに起因して本来良品である部品を不良品と誤判定して廃棄してしまうことがあり、部品の形状の良否を適切に判断できることが望まれていた。
【0005】
そこで本発明は、部品の立体形状を適切に判断することができる部品実装装置および立体形状判断装置ならびに立体形状判断方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の部品実装装置は、部品を撮像する撮像手段と、部品を保持し、保持した部品を前記撮像手段の前で移動させる部品保持移動機構と、前記撮像手段によって撮像された撮像画像に基づいて、前記部品の立体形状が所定の条件を満たす良品か不良品かを判断する良否判断手段と、良品と判断された前記部品を基板に装着する装着手段と、を備え、前記良否判断手段が前記部品を不良品と判断すると、前記撮像手段は当該部品を少なくとも1回再撮像し、前記良否判断手段は再撮像画像に基づいて、当該部品が良品か不良品かを再判断し、前記良否判断手段が前記再判断を規定回数繰り返すまでに当該部品を良品と判断すると、前記装着手段は当該部品を前記基板に装着し、前記撮像手段が前記部品を再撮像する際は、前記部品保持移動機構が前記部品を移動させる方向または移動速度の少なくともいずれかが変更される。
【0007】
本発明の立体形状計測装置は、ワークを撮像する撮像手段と、ワークを保持し、保持したワークを前記撮像手段の前で移動させるワーク保持移動機構と、前記撮像手段によって撮像された撮像画像に基づいて、前記ワークの立体形状が所定の条件を満たす良品か不良品かを判断する良否判断手段と、を備え、前記良否判断手段が前記ワークを不良品と判断すると、前記撮像手段は当該ワークを少なくとも1回再撮像し、前記良否判断手段は再撮像画像に基づいて、当該ワークが良品か不良品かを再判断し、前記良否判断手段が当該ワークを不良品と判断しても前記再判断を規定回数繰り返していなければ、前記撮像手段は当該ワークを再び撮像し、前記良否判断手段は再び撮像された画像に基づいて当該ワークが良品か不良品かを再び判断し、前記撮像手段が前記ワークを再撮像する際は、前記ワーク保持移動機構が前記ワークを移動させる方向または移動速度の少なくともいずれかが変更される。
【0008】
本発明の立体形状計測方法は、ワークの立体形状の良否を判断する立体形状判断方法であって、撮像手段でワークを撮像し、前記撮像手段によって撮像された撮像画像に基づいて、前記ワークの立体形状が所定の条件を満たす良品か不良品かを判断し、前記ワークを不良品と判断すると、前記撮像手段で当該ワークを少なくとも1回再撮像し、前記撮像手段の再撮像画像に基づいて、当該ワークが良品か不良品かを再判断し、当該ワークを不良品と判断しても前記再判断を規定回数繰り返していなければ、前記撮像手段で当該ワークを再び撮像し、再び撮像された画像に基づいて当該ワークが良品か不良品かを再び判断し、前記撮像手段が前記ワークを再撮像する際は、前記ワークを移動させる方向または移動速度の少なくともいずれかが変更される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、部品の立体形状を適切に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施の形態の部品実装装置の構成を示す平面図
【
図2】本発明の一実施の形態の部品実装装置の構成説明図
【
図3】本発明の一実施の形態の部品実装装置によって製造される実装基板に(a)シールドケースを装着する前の斜視図(b)シールドケースを装着した後の斜視図
【
図4】本発明の一実施の形態の部品実装装置によって基板に実装される(a)(b)シールドケースに設定された仮想交点の例の説明図(c)シールドケースの反り量の説明図
【
図5】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態の部品実装装置によって基板に実装されるシールドケースに設定された仮想交点の例の説明図
【
図6】本発明の一実施の形態の部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図
【
図7】本発明の一実施の形態の部品実装装置が備える(a)第1カメラの撮像画像の例を示す図(b)第2カメラの撮像画像の例を示す図
【
図8】本発明の一実施の形態の立体形状判断方法のフロー図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、部品実装装置、立体形状判断装置、部品(ワーク)の仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1、及び後述する一部では、水平面内で互いに直交する2軸方向として、基板搬送方向のX方向(
図1における左右方向)、基板搬送方向に直交するY方向(
図1における上下方向)が示される。
図2、及び後述する一部では、水平面と直交する高さ方向としてZ方向(
図2における上下方向)が示される。Z方向は、部品実装装置が水平面上に設置された場合の上下方向である。
【0012】
まず
図1、2を参照して、部品実装装置1の構成を説明する。
図1において、基台1aの中央には、基板搬送機構2がX方向に設置されている。基板搬送機構2は、上流側から搬入された基板3をX方向へ搬送し、以下に説明する実装ヘッドによる実装作業位置に位置決めして保持する。また、基板搬送機構2は、部品実装作業が完了した基板3を下流側に搬出する。
【0013】
基板搬送機構2の両側方には、それぞれ部品供給部4が設置されている。両方の部品供給部4には、複数のテープフィーダ5がX方向に並列に装着されている。テープフィーダ5は、部品Dを格納するポケットが形成されたキャリアテープを部品供給部4の外側から基板搬送機構2に向かう方向(テープ送り方向)にピッチ送りすることにより、実装ヘッドが部品をピックアップする部品取出し位置に部品を供給する。また、一方の部品供給部4には、部品Dを整列して保持するトレイ6を部品取出し位置に供給するトレイフィーダ7が装着されている。
【0014】
図1において、基台1aの上面におけるX方向の両端部には、リニア駆動機構を備えたY軸テーブル8が配置されている。Y軸テーブル8には、同様にリニア機構を備えたビーム9がY方向に移動自在に結合されている。ビーム9には、実装ヘッド10がX方向に移動自在に装着されている。
【0015】
図2において、実装ヘッド10は、昇降回転駆動機構を有する実装ユニット10aを備えている。実装ユニット10aの下端部には部品Dを真空吸着して保持する保持ノズル10bが装着されている。実装ユニット10aは、昇降回転駆動機構を駆動することにより、保持ノズル10bを昇降させる。また、実装ユニット10aは、昇降回転駆動機構を駆
動することにより、保持ノズル10bをZ軸回りにθ回転させる(矢印a)。保持ノズル10bには、保持する部品Dの大きさや形状などに応じてノズル径や形状などが異なる複数の種類が用意されており、基板3に実装する部品Dに適合する保持ノズル10bが実装ヘッド10に装着される。
【0016】
図1において、Y軸テーブル8およびビーム9は、実装ヘッド10を水平方向(X方向、Y方向)に移動させる移動機構を構成する。移動機構および実装ヘッド10は、部品供給部4に装着されているテープフィーダ5およびトレイフィーダ7の部品取出し位置に供給される部品Dを保持ノズル10bによってピックアップし、基板搬送機構2に保持された基板3の実装位置に移載する部品保持移動機構12である。部品実装作業において部品保持移動機構12は、部品供給部4の上方に移動し、保持ノズル10bで所定の部品Dをピックアップし、基板3の上方に移動し、保持ノズル10bが保持する部品Dを実装位置に装着する一連のターンを繰り返す。
【0017】
図1において、ビーム9には、ビーム9の下面側に位置して実装ヘッド10とともに一体的に移動するヘッドカメラ13が装着されている。実装ヘッド10が移動することにより、ヘッドカメラ13は基板搬送機構2の実装作業位置に位置決めされた基板3の上方に移動して、基板3に設けられた基板マーク(図示せず)を撮像する。部品供給部4と基板搬送機構2との間には、部品認識ユニット14および部品廃棄部15が設置されている。
【0018】
部品認識ユニット14は、部品供給部4から部品Dを取り出した実装ヘッド10が部品認識ユニット14の上方に位置した際に、保持ノズル10bに保持された部品Dを下方から撮像する。実装ヘッド10による部品Dの基板3への部品実装作業では、ヘッドカメラ13による基板3の認識結果と部品認識ユニット14による部品Dの認識結果とを加味して実装位置の補正が行われる。部品廃棄部15には、実装ヘッド10が部品供給部4からピックアップした部品Dのうち、部品Dの反り量などが所定の条件を満たさない部品Dが廃棄される。
【0019】
図1において、部品実装装置1の前面で作業者が作業する位置には、作業者が操作するタッチパネル16が設置されている。タッチパネル16は、その表示部に各種情報を表示し、また表示部に表示される操作ボタンなどを使って作業者がデータ入力や部品実装装置1の操作を行う。
【0020】
次に
図2を参照して、部品認識ユニット14の詳細について説明する。部品認識ユニット14は、X方向に並設された第1カメラ17aと第2カメラ17bを備えている。第1カメラ17aと第2カメラ17bの撮像軸はそれぞれ斜め上方を向いており、部品保持移動機構12が保持した部品Dが部品認識ユニット14の上方にある際に、同時に部品Dを撮像する。第1カメラ17aと第2カメラ17b(2台の撮像部)は、撮像した対象物の視差より部品認識ユニット14の上面14aからの高さHを計測するステレオカメラを構成する。
【0021】
図2の例では、第1カメラ17aと第2カメラ17bは、保持ノズル10bが保持する部品Dの下面までの高さHを計測している。すなわち、部品認識ユニット14は、並設された第1カメラ17aと第2カメラ17b(2台の撮像部)を有し、部品D(ワーク)を撮像する撮像手段である。部品保持移動機構12(ワーク保持移動機構)は、部品D(ワーク)を保持し、保持した部品Dを撮像手段(第1カメラ17a、第2カメラ17b)の前で並設された2台の撮像部が並ぶ方向(X方向)に移動させる(矢印b)。部品認識ユニット14(撮像手段)は、移動している部品Dを複数回撮像し、撮像した複数の撮像画像を部品実装装置1が備える制御装置30(
図6)に送信する。なお、
図2の例では2台の撮像部は部品Dを移動させる方向(X方向)に並設されているが、2台の撮像部は部品
Dを移動させる方向に交差する方向(Y方向)に並設してもよい。
【0022】
図2において、部品認識ユニット14は、第1カメラ17aと第2カメラ17bの上方に第1照明部18を備えている。第1照明部18はLEDなどの光源を備えており、第1カメラ17aと第2カメラ17bが部品Dを撮像中に、斜め下方から部品Dを照明する。また、部品認識ユニット14は、第1カメラ17aと第2カメラ17bの間の下方に第2照明部19を備えている。第2照明部19はLEDなどの光源を備えており、第1カメラ17aと第2カメラ17bが部品Dを撮像中に、下方から部品Dを照明する。
【0023】
このように、部品認識ユニット14(撮像手段)は、撮像する部品Dを照明する照明部(第1照明部18、第2照明部19)を有している。第1照明部18および第2照明部19のいずれを点灯させるか、もしくは同時に点灯させるか、どれくらいの照度で点灯させるかなどの照明条件は、制御装置30によって制御される。
【0024】
次に
図3を参照して、部品実装装置1によって製造される実装基板の例を説明する。基板3は、絶縁体基材の表面または内部に導体の配線(図示省略)が形成されたプリント基板であり、基板3の表面には配線に接続された電極(図示省略)が形成されている。電極には印刷装置などによりクリームはんだが堆積されており、抵抗や容量などのチップ部品D1や集積回路部品D2の端子がクリームはんだを介して電極に接続されるように基板3に搭載されている。集積回路部品D2の上には、部品実装装置1によってシールドケース20が装着される。シールドケース20は、薄い金属で形成された壁面20aで集積回路部品D2を囲う構造をしており、集積回路部品D2から発生する電磁ノイズが周辺に伝搬しないようにシールドする機能を有している。
【0025】
図3(a)はシールドケース20を装着する前の、
図3(b)はシールドケース20を装着した後の基板3を示している。部品実装装置1において、シールドケース20は基板3に装着される面を下に向けた状態でテープフィーダ5またはトレイフィーダ7から供給され、保持ノズル10bで保持されて基板3に装着される。シールドケース20の一部は、基板3上に形成された位置固定用のダミーの電極にクリームはんだを介して接続される。所定のチップ部品D1、集積回路部品D2、シールドケース20などが装着された基板3は、リフロー装置によってクリームはんだを融解させた後に硬化して、基板3の電極とチップ部品D1および集積回路部品D2の端子、シールドケース20がはんだ接合された実装基板となる。
【0026】
次に
図4(a)、
図4(b)を参照して、シールドケース21の一例について詳細に説明する。シールドケース21は、基板3上に実装された集積回路部品D2に装着されると、集積回路部品D2の4つの側面に位置してシールドする4つの壁面22~25を備えている。シールドケース21は、4つの壁面22~25の底面22a~25aが基板3の上面に接するように基板3に装着される。4つの底面22a~25aは、長方形の4つの辺上に位置するが長方形の4つの頂点の位置までは延伸しておらず、頂点付近が除去された形状をしている。
【0027】
すなわち、底面22aの外側の縁辺22bと底面23aの外側の縁辺23bが交わる仮想交点P1には、壁面22も壁面23も存在しない。同様に、底面23aの外側の縁辺23bと底面24aの外側の縁辺24bが交わる仮想交点P2、底面24aの外側の縁辺24bと底面25aの外側の縁辺25bが交わる仮想交点P3、底面25aの外側の縁辺25bと底面22aの外側の縁辺22bが交わる仮想交点P4には、壁面22~25が存在しない。このように、シールドケース22(部品)が有する複数の縁辺22b~25bのうちの2つが交わる位置を仮想交点P1~P4と定義する。これらの仮想交点P1~P4は、基板3に装着された際に基板3に当接する位置にある。
【0028】
基板3に装着されるシールドケース21は、装着不良を防止するため基板3の上面に接する4つの底面22a~25aの歪みであるシールドケース21の反りが所定より小さい必要がある。
図4(b)はシールドケース21に反りがない理想の状態を示しており、
図4(c)はシールドケース21に反りがあって基板3に装着できない状態を示している。基板3に装着する前のシールドケース21の反りは、保持ノズル10bが保持したシールドケース21の各底面22a~25aの相対的な高さ位置から算出することが可能である。しかし、
図4(c)に示すシールドケース21の底面23aのように、反りがある場合には底面23aの高さの定義が困難となる。そこで、長方形の頂点に該当する4つの仮想交点P1~P4の高さから反り量が算出される。
【0029】
図4(b)において、シールドケース21を保持する保持ノズル10bの下面10cの高さ位置はシールドケース21の上面21aの高さ位置である。シールドケース21を保持した保持ノズル10bの下面10cからの仮想交点P1~P4の高さ位置は、シールドケース21の形状情報から算出することができる。反りがない理想的なシールドケース21の4つの仮想交点P1~P4の保持ノズル10bの下面10cからの相対的な高さ位置(以下、「相対高さ位置G」と称する。)は、相対高さ位置Gである。
【0030】
図4(c)に示す反りがあるシールドケース21の仮想交点P1は相対高さ位置G1にあり、理想的な相対高さ位置Gからの差分が反り量ΔG1(相対高さ位置G-相対高さ位置G1)である。シールドケース21は、4つの仮想交点P1~P4の高さHから各仮想交点P1~P4の反り量ΔG1~ΔG4を算出し、いずれかの反り量ΔG1~ΔG4が所定の閾値を超えると反りが大きな不良品と判断される。または、4つの仮想交点P1~P4の高さHの最大値と最小値の差が所定の閾値を超えると不良品と判断するようにしてもよい。
【0031】
または、4つの仮想交点P1~P4の水平方向の位置(XY座標)と高さH(Z座標)から4つの仮想交点P1~P4を含む曲面を算出し、曲面の曲率(理想的な平面からのずれ量)が所定の閾値を超えると不良品と判断してもよい。4つの仮想交点P1~P4を含む曲面を算出することで、保持ノズル10bがシールドケース21を保持した際の傾きの影響を排除することができる。また、4つの仮想交点P1~P4のうちの3つの位置(XYZ座標)、または2つの位置と保持ノズル10bの下面10cからの相対高さ位置Gから良品、不良品を判断してもよい。
【0032】
次に
図5を参照して、シールドケース26~28に設定された仮想交点P5~P7の他の例について説明する。
図5(a)において、シールドケース26の壁面26aは、シールドケース21の壁面22~25と異なりコーナで分断されておらず、曲面26bで接続されている。シールドケース26では、曲面26bを挟む壁面26aの底面の2つの縁辺26cと縁辺26dが交わる位置を仮想交点P5と定義する。
図5(b)において、シールドケース27はコーナ付近には比較的大面積の底面27aを有しており、コーナには切り欠き27bが形成されている。シールドケース27では、切り欠き27bを挟む底面27aの2つの縁辺27cと縁辺27dが交わる位置を仮想交点P6と定義する。
【0033】
図5(c)において、シールドケース28は、内側に凹んだ内側コーナ28aを有している。シールドケース28では、内側コーナ28aを挟む底面28bの2つの縁辺28cと縁辺28dが交わる位置を仮想交点P7と定義する。仮想交点P7は、他の仮想交点P1~P6と異なり、底面28bの中に位置している。
【0034】
次に
図6を参照して、部品実装装置1の制御系の構成について説明する。部品実装装置1が備える制御装置30には、基板搬送機構2、部品供給部4、部品保持移動機構12、
ヘッドカメラ13、部品認識ユニット14、タッチパネル16が接続されている。制御装置30は、仮想交点設定部31、仮想交点高さ算出部32、反り量算出部33、計測制御部34、実装制御部35、良否判断部36、記憶部40を備えている。記憶部40は記憶装置であり、実装データ41、部品データ42、仮想交点位置データ43、撮像画像データ44、仮想交点高さデータ45などを記憶する。
【0035】
実装データ41には、シールドケース21(ワーク)を含む部品Dを基板3に装着する際に参照される部品Dの部品名(種類)、実装位置(XY座標)などが記憶されている。部品データ42には、部品名毎に部品Dの特性、サイズ、形状情報などが記憶されている。仮想交点設定部31(仮想交点設定手段)は、部品データ42に含まれるシールドケース21の形状情報に基づいて、シールドケース21(部品、ワーク)が有する複数の縁辺22b~25bのうちの2つが交わる位置を仮想交点P1~P4として設定する(
図4参照)。設定された仮想交点P1~P4の位置は、仮想交点位置データ43として記憶部40に記憶される。
【0036】
図6において、計測制御部34は、部品保持移動機構12、部品認識ユニット14を制御して、部品保持移動機構12の保持ノズル10bが保持するシールドケース21(部品、ワーク)の立体形状計測を実行する。計測制御部34は、シールドケース21(ワーク)の立体形状を計測する際は、部品保持移動機構12(ワーク保持移動機構)に所定の角度(水平方向の回転角度)でシールドケース21を保持させ、保持したシールドケース21を部品認識ユニット14の第1カメラ17aと第2カメラ17b(2台の撮像部)の前で所定の方向と移動速度で移動させる(
図2の矢印b)。
【0037】
計測制御部34は、第1カメラ17aと第2カメラ17bによって、移動しているシールドケース21を複数回撮像させる。また、計測制御部34は、撮像中に第1照明部18と第2照明部19を制御して、所定の照明条件でシールドケース21を照明させる。第1カメラ17aと第2カメラ17bが撮像した複数の撮像画像は、撮像画像データ44として記憶部40に記憶される。
【0038】
図6において、仮想交点高さ算出部32は、第1カメラ17aと第2カメラ17b(2台の撮像部)によって撮像された複数の撮像画像に基づいて、仮想交点P1~P4の水平方向の位置(XY座標)と仮想交点P1~P4の高さH(Z座標)を算出する。算出された仮想交点P1~P4の位置と高さHは、仮想交点高さデータ45として記憶部40に記憶される。
【0039】
ここで
図7を参照して、仮想交点高さ算出部32による仮想交点P1、仮想交点P4の水平方向の位置と高さHの算出の具体例について説明する。
図7(a)は第1カメラ17aが撮像した撮像画像50を、
図7(b)は第2カメラ17bが撮像した撮像画像51を示している。
図7(a)と
図7(b)は、保持ノズル10bが保持したシールドケース21の一部を第1カメラ17aと第2カメラ17bによって同時に撮像した撮像画像であり、シールドケース21の底面22aの全体と、底面23aおよび底面25aの一部が撮像されている。
【0040】
図7(a)において、仮想交点高さ算出部32は、シールドケース21の底面22a、底面23a、底面25aの画像を画像認識し、底面22aの縁辺22b、底面23aの縁辺23b、底面25aの縁辺25bを抽出する。次いで仮想交点高さ算出部32は、縁辺22bと縁辺23bを延長して交わる位置を仮想交点P1と決定する。また、仮想交点高さ算出部32は、縁辺22bと縁辺25bを延長して交わる位置を仮想交点P4と決定する。次いで仮想交点高さ算出部32は、決定した仮想交点P1と仮想交点P4の保持ノズル10bの中心からの位置を算出して仮想交点P1と仮想交点P4水平方向の位置(XY
座標)を決定する。
【0041】
次いで仮想交点高さ算出部32は、第1カメラ17aが撮像した底面22a、底面23a、底面25a(
図7(a))と第2カメラ17bが撮像した底面22a、底面23a、底面25a(
図7(b))の視差より、底面22a、底面23a、底面25aの高さHをそれぞれ算出する。この例では、第1カメラ17aと第2カメラ17bが並ぶ方向(X方向)に直交する方向(Y方向)の成分が多い底面22aの視差に基づいて、底面22aの高さHが算出されている。ここでは、底面22aのうち仮想交点P1に近い位置の高さH1が12.3mm、仮想交点P4に近い位置の高さH4が12.5mmであったとする。
【0042】
次いで仮想交点高さ算出部32は、仮想交点P1の高さHを高さH1と同じ12.3mmと決定し、仮想交点P4の高さHを高さH4と同じ12.5mmと決定する。または仮想交点高さ算出部32は、シールドケース21の形状情報に基づいて、仮想交点P1と仮想交点P4の高さHを高さH1と高さH4から直線近似して、仮想交点P1の高さHを12.2mm、仮想交点P4の高さHを12.6mmと算出する。
【0043】
このように、仮想交点高さ算出部32は、仮想交点P1を構成する2つの縁辺22b、23bの水平方向の位置と、縁辺22bの高さから仮想交点P1の高さを算出する。また、仮想交点高さ算出部32は、仮想交点P4を構成する2つの縁辺22b、25bの水平方向の位置と、縁辺22bの高さから仮想交点P4の高さを算出する。すなわち、仮想交点高さ算出部32は、撮像画像50,51から認識した仮想交点P1(仮想交点P4)を構成する2つの縁辺22b、23b(22b、25b)の位置と、2つの縁辺22b、23b(22b、25b)の少なくともいずれかの高さから仮想交点P1の高さHを算出する。
【0044】
このように、並設された2台の撮像部(第1カメラ17a、第2カメラ17b)と、2台の撮像部によって撮像された撮像画像50,51に基づいて、仮想交点の高さを算出する仮想交点高さ算出部32は、仮想交点の高さを計測する高さ計測手段46を構成する。
【0045】
図6において、反り量算出部33(反り量算出手段)は、仮想交点高さデータ45に含まれる計測された仮想交点P1~P4の高さHに基づいて部品の反り量ΔG1~ΔG4を算出する。すなわち、反り量算出部33は、計測された仮想交点P1~P4の高さHに基づいてワーク(シールドケース21)の立体形状を算出する形状算出部である。
【0046】
良否判断部36は、算出された部品の反り量ΔG1~ΔG4に基づいて、部品(シールドケース21、ワーク)が良品か不良品かを判断する。例えば、良否判断部36は、反り量ΔG1~ΔG4が所定の閾値(所定値)以下の部品を良品と判断する。このように、良否判断部36は、撮像手段(部品認識ユニット14)の2台の撮像部(第1カメラ17a、第2カメラ17b)によって撮像された撮像画像50、51に基づいて、部品の立体形状が所定の条件を満たす良品か不良品かを判断する良否判断手段である。この場合の所定の条件は、部品の反り量ΔG1~ΔG4が閾値以下であることである。なお、良否判断部36は、撮像画像50、51から認識される反り量ΔG1~ΔG4の以外の条件に基づいて、部品の良否を判断するようにしてもよい。
【0047】
実装制御部35は、部品供給部4、部品保持移動機構12を制御して、部品供給部4から取り出した部品(シールドケース21)を基板3の実装位置に装着させる。その際、実装制御部35は、良否判断部36によって良品と判断されたシールドケース21を基板3に装着する。すなわち、部品保持移動機構12と実装制御部35は、良品と判断された部品(シールドケース21)を基板に装着する装着手段である。
【0048】
計測制御部34は、良否判断部36がシールドケース21を不良品と判断すると、部品保持移動機構12と部品認識ユニット14(撮像手段)を制御して、そのシールドケース21を再撮像させる。良否判断部36は、再撮像された撮像画像(再撮像画像)に基づいて、シールドケース21が良品か不良品かを再判断する。すなわち、良否判断手段(良否判断部36)が部品(シールドケース21、ワーク)を不良品と判断すると、撮像手段は当該部品を少なくとも1回再撮像し、良否判断手段は再撮像画像に基づいて、当該部品が良品か不良品かを再判断する。
【0049】
再撮像の際に計測制御部34は、部品保持移動機構12と部品認識ユニット14の撮像条件を変更させる。例えば、第1照明部18および第2照明部19の照度やいずれの照明を使用するかなどの照明部の照明条件が変更される。または、部品保持移動機構12がシールドケース21を移動させる方向(右または左)や移動速度などの移動条件が変更される。または、部品保持移動機構12がシールドケース21を保持する姿勢(水平方向の回転角度)が変更される。例えば、シールドケース21を水平面内で5°回転させて再撮像する。
【0050】
上記のように、ワーク(シールドケース21)を撮像する撮像手段(部品認識ユニット14)と、撮像手段によって撮像された撮像画像50、51に基づいて、ワークの立体形状が所定の条件を満たす良品か不良品かを判断する良否判断手段(良否判断部36)は、立体形状判断装置を構成する。立体形状判断装置において、良否判断手段がワークを不良品と判断すると、撮像手段は当該ワークを少なくとも1回再撮像し、良否判断手段は再撮像画像に基づいて、当該ワークが良品か不良品かを再判断する。
【0051】
シールドケース21など薄い素材で形成されたワークは計測可能な箇所が狭く、立体形状の計測が困難で良否を誤判定することがある。また、コーナが複雑な形状のワークも、立体形状の計測が困難である。しかしながら、本実施の形態の立体形状判断装置(部品実装装置1)は、計測箇所を撮像手段で撮像し、良否判定が不明瞭な場合は撮像条件を変更して再撮像することで、部品の立体形状の誤判定を防止している。これによって、ワークの立体形状を適切に判断することができる。
【0052】
次に
図8のフローに沿って、
図4、
図7に示すシールドケース21を例に、ワーク(シールドケース21)の立体形状の良否を判断する立体形状判断方法について説明する。まず、仮想交点設定部31は、ワークが有する複数の縁辺22b~25bのうちの2つが交わる位置を仮想交点P1~P4として設定する(ST1)(
図4(a)参照)。次いで保持ノズル10bは、部品供給部4からシールドケース21を取り出して保持する(ST2)。計測制御部34は、シールドケース21を保持した保持ノズル10bを部品認識ユニット14の上方に移動させる。
【0053】
次いで部品認識ユニット14(撮像手段)の第1カメラ17aと第2カメラ17b(並設された2台の撮像部)によって、保持ノズル10bに所定の姿勢で保持されたシールドケース21(ワーク)を撮像する(ST3)。その際、所定の照明条件で部品認識ユニット14の照明部(第1照明部、第2照明部)によってシールドケース21を照明しながら、ワークの大きさに応じて第1カメラ17aと第2カメラ17bの前でワークを所定の移動条件(所定の方向、所定の移動速度)で移動させながら複数回に分けて撮像する。
【0054】
図8において、次いで仮想交点高さ算出部32は、第1カメラ17aと第2カメラ17bによって撮像された複数の撮像画像50,51に基づいて、仮想交点P1~P4の高さHを算出する(ST4)(
図7参照)。次いで反り量算出部33は、算出された仮想交点P1~P4の高さHに基づいてシールドケース21(ワーク)の形状(反り量ΔG1~ΔG4)を算出する(ST5)。次いで良否判断部36は、算出された反り量ΔG1~ΔG
4に基づいて、ワークが良品か不良品かを判断する(ST6)。すなわち、撮像手段(部品認識ユニット14)によって撮像された撮像画像に基づいて(ST3)、ワークの立体形状が所定の条件を満たす良品か不良品かを判断する(ST6)。
【0055】
シールドケース21(ワーク)を良品と判断した場合(ST6においてYes)、装着手段(部品保持移動機構12、実装制御部35)は、そのシールドケース21を基板3に装着させる(ST7)。シールドケース21を不良品と判断した場合(ST6においてNo)、規定回数となるまで(ST8においてNo)、計測制御部34は、照明部の照明条件、ワークの移動条件、ワークの保持姿勢(水平方向の回転角度)の少なくともいずれかを変更し(ST9)、(ST3)に戻って撮像手段にワークを再撮像させ(ST3)、良品か不良品かを判断させる(ST4~ST6)。
【0056】
規定回数となると(ST8においてYes)、保持ノズル10bは保持しているシールドケース21を部品廃棄部15に廃棄して(ST10)、(ST2)に戻って次のシールドケース21を部品供給部4から取り出し、良品か不良品かが判断される(ST3~ST6)。このように、計測制御部34は、ワーク(シールドケース21)を不良品と判断すると(ST6においてNo)、撮像手段(部品認識ユニット14)で当該ワークを少なくとも1回再撮像し(ST3)、撮像手段の再撮像画像に基づいて、当該ワークが良品か不良品かを再判断する(ST6)。これによって、ワーク(シールドケース21、部品)の立体形状を適切に判断することができる。
【0057】
上記説明したように、本実施の形態の部品実装装置1は、部品(シールドケース21、ワーク)を撮像する撮像手段(部品認識ユニット14)と、撮像手段によって撮像された撮像画像50、51に基づいて、部品の立体形状が所定の条件を満たす良品か不良品かを判断する良否判断手段(良否判断部36)と、良品と判断された部品を基板3に装着する装着手段(部品保持移動機構12、実装制御部35)と、を備えた。部品実装装置1は、良否判断手段が部品を不良品と判断すると、撮像手段は当該部品を少なくとも1回再撮像し、良否判断手段は再撮像画像に基づいて、当該部品が良品か不良品かを再判断する。これによって、部品(シールドケース21、ワーク)の立体形状を適切に判断することができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の部品実装装置および立体形状判断装置ならびに立体形状判断方法は、部品の立体形状を適切に判断することができるという効果を有し、部品を基板に実装する分野において有用である。
【符号の説明】
【0059】
1 部品実装装置
3 基板
12 部品保持移動機構(装着手段、ワーク保持移動機構)
14 部品認識ユニット(撮像手段)
17a 第1カメラ(撮像部)
17b 第2カメラ(撮像部)
18 第1照明部(照明部)
19 第2照明部(照明部)
20、21、26~28 シールドケース(部品、ワーク)
50、51 撮像画像
D 部品
ΔG1、ΔG2 反り量