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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】部品装着装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20231201BHJP
【FI】
H05K13/02 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019013574
(22)【出願日】2019-01-29
(65)【公開番号】P2020123627
(43)【公開日】2020-08-13
【審査請求日】2021-09-02
【審判番号】
【審判請求日】2022-04-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002745
【氏名又は名称】弁理士法人河崎特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 広紀
【合議体】
【審判長】小川 恭司
【審判官】久島 弘太郎
【審判官】内田 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-71030(JP,A)
【文献】特開2012-190836(JP,A)
【文献】特開2005-123656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持する基板支持部を有する本体ベースと、
装着ヘッドでキャリアテープに収納された部品を取出して前記基板支持部に支持された前記基板に装着する部品装着部と、
部品取出し口を具備するとともに前記キャリアテープを送出して前記部品を前記部品取出し口に位置させるテープフィーダと、
前記テープフィーダがセットされた状態で前記本体ベースに装着されることにより、前記装着ヘッドがアクセス可能な位置に前記テープフィーダの前記部品取出し口を位置させるフィーダーカートと、を備えた部品装着装置であって、
前記フィーダーカートは、
床面を走行可能な車輪と、前記キャリアテープを収納した収納体を格納する収納体ストッカと、を有する台車部と、
前記台車部の上方に配置され、複数の前記テープフィーダを並べた状態で装着可能なテーブルと、を有し、
前記本体ベースは、前記テーブルを前記本体ベースに対して位置決めする第一位置決め部と、前記台車部を前記本体ベースに対して位置決めする第二位置決め部と、を有し、
前記本体ベースは、少なくとも第一水平方向に開いた凹状のフィーダーカート装着部を有し、
記第一位置決め部は、前記フィーダーカート装着部に配置され、
前記第二位置決め部は、前記第一位置決め部よりも下方、かつ前記第一位置決め部よりも前記フィーダーカート装着部の入口部側に配置されている、部品装着装置。
【請求項2】
前記収納体ストッカは、前記第一水平方向と交差する第二水平方向において複数の仕切り部材で仕切られた格納空間を有し、
前記第二位置決め部は、少なくとも前記第二水平方向において前記台車部を位置決めする、請求項1に記載の部品装着装置。
【請求項3】
前記台車部が、被位置決め部材を有し、
前記第二位置決め部は、前記被位置決め部材を位置決めする本体側位置決め部材を具備し、
前記本体側位置決め部材は、前記フィーダーカートが前記第一水平方向から前記フィーダーカート装着部へ侵入することで、前記被位置決め部材と係合状態となり、
前記係合状態では、前記被位置決め部材の前記第一水平方向への移動は許容されるが、前記第一水平方向と交差する第二水平方向への移動は制限される、請求項1または2に記載の部品装着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フィーダーカートを備えた部品装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テープフィーダなどの部品供給装置を備えたフィーダーカートを着脱自在に結合する部品装着装置が知られている(特許文献1参照)。このような部品装着装置では、フィーダーカートにリール等の収納体を収納する収納体ストッカを設け、部品供給装置に収納体から引き出したキャリアテープをセットして部品を供給するようになっている。キャリアテープがなくなって収納体が空になると、空になった収納体を収納体ストッカから除去して新しい収納体に交換する部品補給作業が作業者によって行われる。これにより部品装着装置は運転を継続することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-71030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年は、自動化・省人化の取り組みとして、ロボット等の自動化装置で部品補給作業を行うことが検討されている。ロボットによる部品補給作業を実現するためには、ロボットが特定の収納体ストッカの格納空間から使用済み収納体を取り出し、当該格納空間に新規な収納体を供給できることが必要である。しかしながら、従来の部品装着装置はロボットによる部品補給作業を想定しておらず、ロボットが交換対象の収納体や特定の収納空間にアクセスするのは困難であった。特に、部品装着装置とフィーダーカートの連結に起因する収納体ストッカの位置のばらつきや不安定さは、床面を自走するタイプのロボットによる部品補給作業を妨げる大きな課題となっていた。
【0005】
上記に鑑み、本開示は、格納ユニットを有するフィーダーカートのぐらつきを抑制して、自動化装置による部品補給作業に対応した部品装着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面は、基板を支持する基板支持部を有する本体ベースと、装着ヘッドでキャリアテープに収納された部品を取出して前記基板支持部に支持された基板に装着する部品装着部と、部品取出し口を具備するとともに前記キャリアテープを送出して前記部品を前記部品取出し口に位置させるテープフィーダと、前記テープフィーダがセットされた状態で前記本体ベースに装着されることにより、前記装着ヘッドがアクセス可能な位置に前記テープフィーダの前記部品取出し口を位置させるフィーダーカートと、を備えた部品装着装置であって、前記フィーダーカートは、床面を走行可能な車輪と、前記キャリアテープを収納した収納体を格納する収納体ストッカと、を有する台車部と、前記台車部の上方に配置され、複数の前記テープフィーダを並べた状態で装着可能なテーブルと、を有し、前記本体ベースは、前記テーブルを前記本体ベースに対して位置決めする第一位置決め部と、前記台車部を前記本体ベースに対して位置決めする第二位置決め部と、を有する、部品装着装置に関する。
【発明の効果】
【0007】
部品装着装置において、格納ユニットを有するフィーダーカートのぐらつきを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る部品装着装置をZ方向から見た平面図である。
図2】同部品装着装置をX方向から見た側面図である。
図3】部品を収納するキャリアテープの一例を示す斜視図である。
図4A】キャリアテープを収納する収納体であるリールの斜視図である。
図4B】キャリアテープを収納する収納体である箱型ケースの斜視図である。
図5】本体ベースのフィーダーカート装着部と当該装着部に装着される前のフィーダーカートをZ方向から見た平面図である。
図6】本体ベースのフィーダーカート装着部と当該装着部に装着される前のフィーダーカートをX方向から見た側面図である。
図7】フィーダーカート装着部にフィーダーカートを装着する仕組みの説明図である。
図8】部品装着装置にアクセスする収納体交換用の自動交換装置(ロボット)をX方向から見た側面図である。
図9】別の実施形態に係る本体ベースのフィーダーカート装着部と当該装着部に装着される前のフィーダーカートをZ方向から見た平面図である。
図10】別の実施形態に係る本体ベースのフィーダーカート装着部と当該装着部に装着されたフィーダーカートをZ方向から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(たとえば「上下」、「左右」、「前後」、および「X,Y,Z」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本発明を限定するものでない。
【0010】
本開示に係る部品装着装置は、基板を支持する基板支持部を有する本体ベースと、装着ヘッドでキャリアテープに収納された部品を取出して基板支持部に支持された基板に装着する部品装着部と、部品取出し口を具備するとともにキャリアテープを送出して部品を部品取出し口に位置させるテープフィーダと、テープフィーダがセットされた状態で本体ベースに装着されることにより、装着ヘッドがアクセス可能な位置にテープフィーダの部品取出し口を位置させるフィーダーカートと、を備えた部品装着装置に関する。
【0011】
ここで、フィーダーカートは、床面を走行可能な車輪と、キャリアテープを収納した収納体を格納する収納体ストッカと、を有する台車部と、台車部の上方に配置され、複数のテープフィーダを並べた状態で装着可能なテーブルとを有する。また、本体ベースは、テーブルを本体ベースに対して位置決めする第一位置決め部と、台車部を本体ベースに対して位置決めする第二位置決め部とを有する。
【0012】
本体ベースが第一位置決め部と第二位置決め部とを有することで、テーブルだけではなく、収納体ストッカを有する台車部もしっかりと位置決めされるため、収納体ストッカへ収納体を出し入れするときに収納体ストッカのぐらつきが抑制される。また、フィーダーカートの本体ベースへの着脱を繰り返し行う場合でも、収納体ストッカの位置が第二位置決め部によって規制されるため、ロボットによって収納体ストッカに格納されている収納体を自動的に交換する場合でも、ロボットと交換対象である収納体との位置合わせが容易になり、効果的な自動交換が可能になる。
【0013】
本体ベースは、少なくとも第一水平方向(以下、Y方向とも称する。)に開いた凹状のフィーダーカート装着部を有してもよい。この場合、少なくとも第一位置決め部をフィーダーカート装着部に配置すればよい。一方、第二位置決め部は、第一位置決め部よりも下方、かつフィーダーカート装着部の入口部側に配置してもよい。このように、第二位置決め部を収納体ストッカに近い位置に配置することで、収納体ストッカのぐらつきが効果的に抑制される。
【0014】
収納体ストッカは、第一水平方向(Y方向)と交差する第二水平方向(以下、X方向とも称する。)において複数の仕切り部材で仕切られた格納空間を有してもよい。この場合、収納体ストッカには、複数の格納空間がX方向に並んで配置される。格納空間に収納体を格納する際には、主として、第二水平方向における位置ずれが問題になる。よって、第二位置決め部は、少なくとも第二水平方向において台車部を位置決めできればよい。第二位置決め部は、上下方向(Z方向)の位置決め機能を有する必要がないため、第二位置決め部の構造は簡単でよい。
【0015】
ここで、第一水平方向および第二水平方向は、床面と実質的に平行であればよい。この場合、第一水平方向と床面とが成す角度は、例えば0度~5度程度である。また、第一水平方向と第二水平方向とは、実質的に直角であればよい。この場合、第一水平方向と第二水平方向とが成す角度は、例えば85度~95度程度である。
【0016】
台車部は、被位置決め部材を有してもよい。この場合、第二位置決め部は、被位置決め部材を位置決めするための本体側位置決め部材を具備すればよい。本体側位置決め部材は、例えば、フィーダーカートが第一水平方向(Y方向)からフィーダーカート装着部へ侵入することで、被位置決め部材と係合状態となればよい。そして、係合状態において、被位置決め部材の第二水平方向(X方向)への移動が制限されればよい。被位置決め部材の第一水平方向(Y方向)への移動は許容されてもよい。このような構成であれば、第二位置決め部による位置決めのためにアクチュエータ等の駆動源を必要としないため、位置決め機構の構造を更に簡素化できる。
【0017】
以下、図面を参照して本開示に係る部品装着装置の実施形態を説明する。各図面において、各構成部品の形状または特徴を明確にするため、これらの寸法を相対的なものとして図示し、必ずしも同一の縮尺比で表したものではない。各図面において、同様の構成部品は同様の符号を用いて参照する。
【0018】
[1.部品装着装置の全体構成]
図1は、本開示の一実施形態に係る部品装着装置1をZ方向から見た平面図である。図2は、部品装着装置1をX方向から見た側面図である。図3は、部品Cを収納するキャリアテープ50の一例を示す斜視図である。図4Aは、収納体であるリール60Aの斜視図であり、図4Bは、収納体である箱型ケース60Bの斜視図である。部品装着装置1は、本体ベース10と、部品装着部20と、テープフィーダ30と、フィーダーカート40とを具備する。
【0019】
本体ベース10は、基板Sを支持する基板支持部(基板クランパ等)111および基板搬送コンベア112を具備する基台110と、フィーダーカート40が基台110に近接したときにフィーダーカート40をX方向における両側から挟むように設けられた壁部120とを有する。すなわち、基台110と壁部120とが、フィーダーカート40の前面および両側面を囲む凹状のフィーダーカート装着部101を形成している。ただし、図2では、壁部120は省略されている。基板搬送コンベア112は、基板SをX方向に搬送する。基板支持部111は、基板Sを基板搬送コンベア112の所定の実装作業位置に保持する。
【0020】
部品装着部20は、本体ベース10の基台110と壁部120とに跨るように装着されたヘッド移動機構210を具備する。ヘッド移動機構210は、一対のY軸テーブル211Yと、Y軸テーブル211Y上に水平に配置されたX軸テーブル212Xとを備える。Y軸テーブル211YおよびX軸テーブル212Xは、いずれもリニアモータ若しくは送りねじとモータを使用したリニア駆動機構を有する。なお、図2には、Y軸テーブル211Yの一部を切り欠いて示す。
【0021】
X軸テーブル212Xには、ヘッドカメラ220と装着ヘッド230とが、X方向へ移動自在に装着されている。装着ヘッド230は、キャリアテープ50に収納された部品Cを取出して、基板支持部111に支持された基板Sに装着する。具体的には、X軸テーブル212Xは、内蔵されたリニア駆動機構を駆動することによりヘッドカメラ220および装着ヘッド230をX方向へ移動させ、指定された位置に停止させる。Y軸テーブル211Yは、内蔵されたリニア駆動機構を駆動することにより、X軸テーブル212XをY方向へ移動させ、指定された位置に停止させる。このため、ヘッドカメラ220および装着ヘッド230は、Y軸テーブル211YとX軸テーブル212Xとによって水平方向へ移動し、指定された位置で停止する。装着ヘッド230は、負圧によって部品を保持する部品保持ノズル231を有する。装着ヘッド230には、部品保持ノズル231を昇降させるノズル昇降機構と、部品保持ノズル231を垂直軸回りに回転させるノズル回転機構と、部品を保持するための負圧を部品保持ノズル231に作用させるバルブ機構とを内蔵している。
【0022】
ヘッドカメラ220は、例えば、基板の位置決めのための認識マークを撮像する。撮像された認識マークの画像は処理装置(図示省略)で検出され、基板の位置が認識される。部品認識カメラ240は、テープフィーダ30と基板搬送コンベア112との間に配置される。部品認識カメラ240は、部品保持ノズル231で保持された部品Cの画像を撮像する。部品Cの画像は専用の処理装置(図示省略)へ送られ、部品保持ノズル231に保持された部品Cの位置や姿勢が認識される。基板の位置の認識結果、部品の認識結果等に基づいて、Y軸テーブル211Y、X軸テーブル212Xおよびノズル回転機構が制御される。これにより、部品Cを基板Sの所定の位置に正確に位置決めすることができる。
【0023】
テープフィーダ30は、部品取出し口31を具備する。テープフィーダ30は、複数の部品Cを担持したキャリアテープ50を収納体60から引き出して部品Cを部品取出し口31に搬送する。装着ヘッド230の部品保持ノズル231は、テープフィーダ30の部品取り出し口31に位置する部品Cを真空吸着し、基板Sの所定位置で部品Cを開放して部品Cを基板Sに搭載し得る。
【0024】
キャリアテープ50は、凹状の部品収容部511を有するテープ本体51と、部品Cを収容した部品収容部511を覆うように貼り付けられたトップテープ52とを有する。テープフィーダ30は、収納体60からキャリアテープ50を引き出すとともに、トップテープ52を剥離もしくは切り開いて部品Cを露出させて部品取り出し口31に位置させる。
【0025】
収納体60の一例として、リール60Aは、例えば、一対の円盤状部材61を中央部で連結した構造を有する。一対の円盤状部材61間にはキャリアテープ50と概ね同等幅を有するテープ収納用隙間62が形成される。キャリアテープ50は、リール60Aの中央の芯部63に捲き付けられることによりテープ収納用隙間62に収納されている。一方、収納体60の他の例である箱型ケース60Bは、例えば樹脂製の箱64により形成されている。箱64は中空部を有すればよく、中空部に渦巻き状に捲回されたキャリアテープ50が収容されている。
【0026】
フィーダーカート40は、台車部41と、台車部41の上方に配置されたテーブル42とを具備する。台車部41は、床面を走行可能な車輪411と、収納体60を格納する収納体ストッカ412とを有する。収納体ストッカ412は、テーブル42の下方に配置された上部ストッカ412Aと、上部ストッカ412Aの更に下方に配置された下部ストッカ412Bとを具備する。収納体ストッカ412は、第一水平方向(Y方向)と交差する第二水平方向(X方向)において複数の仕切り部材43で仕切られた複数の格納空間44を有し、複数の収納体60がそれぞれ対応する格納空間44に格納されている。仕切り部材43は、例えば弾性を有する板状部材で構成されている。
【0027】
テーブル42には、複数のテープフィーダ30を装着可能である。テーブル42の上面にはテープフィーダ30を装着するための装着スロット(図示省略)がX方向に複数並べて形成されている。従って、複数のテープフィーダ30は、テーブル42の上面にX方向に並べた状態で装着される。フィーダーカート40は、テープフィーダ30がセットされた状態で本体ベース10に装着されている。フィーダーカート40が本体ベース10に装着されることで、テープフィーダ30の部品取出し口31は、装着ヘッド230がアクセス可能な位置に配置される。
【0028】
テーブル42は、台車部41に対して上下(Z方向)に変位可能な状態で装着されている。テーブル42は、自身が本体ベース10に装着されたときに、本体ベース10に対して位置決めされる。このような位置決めは、第一位置決め部130により達成される。テーブル42が本体ベース10に対して位置決めされることで、テープフィーダ30が本体ベース10に対して位置決めされ、テープフィーダ30による部品Cの部品取り出し口31への供給が可能になる。一方、台車部41は、第二位置決め部150により本体ベース10に対して位置決めされる。
【0029】
本体ベース10とフィーダーカート40には、それぞれフィーダーカート40が本体ベース10に装着されたときに互いに第一水平方向(Y方向)に係合し、接続される第一コネクタ113および第二コネクタ45が設けられている。第一コネクタ113と第二コネクタ45とが接続されると、フィーダーカート40のテーブル42に装着されているテープフィーダ30の動力源として本体ベース10側の動力源を利用できるようになる。
【0030】
[2.位置決め機構]
以下、図5図7を参照しながら位置決め構成と動作について説明する。図5は、本体ベース10のフィーダーカート装着部101と当該装着部に装着される前のフィーダーカート40をZ方向から見た平面図である。図6は、本体ベース10のフィーダーカート装着部101と当該装着部に装着される前のフィーダーカート40をX方向から見た側面図である。図7は、フィーダーカート装着部101にフィーダーカート40を装着する仕組みの説明図である。
【0031】
テーブル42を本体ベース10に対して位置決めする第一位置決め部130は、フィーダーカート装着部101に配置されている。第一位置決め部130は、フィーダーカート着脱部140との協働によりテーブル42を本体ベース10に対して位置決めする。
【0032】
フィーダーカート着脱部140は、フィーダーカート40のフィーダーカート装着部101への侵入に伴ってテーブル42を押し上げる押し上げ機構141と、リターンスプリング142とを具備する。図5、6に示すように、押し上げ機構141およびリターンスプリング142は、本体ベース10の左右の壁部120に設けられている。一方、フィーダーカート40側には、テーブル42の左右の側方に、押し上げ機構141の力を受ける押し上げローラ143が設けられている。リターンスプリング142は、フィーダーカート40がフィーダーカート装着部101に装着された状態で押し上げローラ143を侵入方向とは逆方向に押し返す機構である。フィーダーカート40をフィーダーカート装着部101から取り外すときには、押し上げ機構141を後退させると、リターンスプリング142がフィーダーカート40を押し返すため、フィーダーカート40を容易に本体ベース10から離脱させることができる。
【0033】
第一位置決め部130は、図5、6に示すように、本体ベース10の左右の壁部120にそれぞれ設けられた前方カム部材131と、後方カム部材132と、テーブル42のY方向における位置を位置決めするストッパ133とを有する。各カム部材は、上り勾配面と、上り勾配面に繋がる水平な位置決め面とを有する。一方、フィーダーカート40側には、テーブル42の左右の側方に第一水平方向軸(X軸)回りに回転自在に設けられた左右の前方カムフォロア144と後方カムフォロア145とを有する。フィーダーカート40が基台110に近づき、各カムフォロアが各カム部材の上り勾配面に当接すると、その後、各カムフォロアは、押し上げ機構141の駆動力によって押し上げられて上り勾配面を転動し、位置決め面に導かれる。
【0034】
ここでは、押し上げ機構141は、エアーシリンダを具備するアクチュエータ141Aと押し上げ部材141Bとを具備する。アクチュエータ141Aが押し上げ部材141Bを押し上げる途中で、押し上げ部材141Bが押し上げローラ143と当接する。押し上げ部材141Bを更に押し上げると、各カムフォロアが上り勾配面から位置決め面まで転動し、前方カムフォロア144がストッパ133と当接するまでテーブル42が前進する。
【0035】
第一位置決め部130は、さらに、テーブル42を正規の位置に導く第一水平位置規制ガイド134を具備する。第一水平位置規制ガイド134は、本体ベース10の左右の壁部120に水平に設けられた板状部材であり、フィーダーカート装着部101の入口側の幅が狭くなるテーパー面と、テーパー面に続くY方向と平行な位置決め面とを有する。フィーダーカート40が基台110に近づく際、最初にテーブル42の側面がテーパー面によって位置決め面までガイドされ、各カム部材と各カムフォロアとが当接する位置へとテーブル42が導かれる。その後、上記押し上げ機構141の駆動力によって更なる位置決めが行われる。
【0036】
次に、台車部41を本体ベース10に対して位置決めする第二位置決め部150は、第一位置決め部130よりも下方、かつフィーダーカート装着部101の入口部側に配置されている。ここでは、台車部41は、被位置決め部材として、車輪411を支持する台車ベース413から上方に突き出た柱状の水平位置規制ピン160を有する。一方、第二位置決め部150は、水平位置規制ピン160を位置決めする本体側位置決め部材として、第二水平位置規制ガイド151を具備する。第二水平位置規制ガイド151は、水平かつY方向に延びるレール状の溝部151Gを有する。フィーダーカート40が第一水平位置規制ガイド134に導かれて第一水平方向(Y方向)からフィーダーカート装着部101へ侵入するときに、水平位置規制ピン160が第二水平位置規制ガイド151のレール状の溝部151Gに侵入し、水平位置規制ピン160と第二水平位置規制ガイド151とが係合状態になる。係合状態では、水平位置規制ピン160の第二水平方向(X方向)への移動が制限され、台車部41が第二水平方向(X方向)において位置決めされる。水平位置規制ピン160の第一水平方向(Y方向)への移動は許容されてもよい。
【0037】
上記説明したように、本体ベース10は、フィーダーカート着脱部140と協働してテーブル42を本体ベース10に対して位置決めする第一位置決め部130と、台車部41を本体ベース10に対して位置決めする第二位置決め部150とを有する。したがって、フィーダーカート40を第一水平方向(Y方向)に開いた凹状のフィーダーカート装着部101に侵入させる(挿入する)際、フィーダーカート40(すなわち収納体ストッカ412)を本体ベース10に対して正確に位置決めして、収納体ストッカのぐらつきを効果的に抑制することができる。特に、第二位置決め部150を第一位置決め部130よりも下方、かつフィーダーカート装着部の入口部側に配置することにより、例えば図6図7に示す本体ベース10のそれぞれの壁部120の対角位置において、フィーダーカート40(テーブル42を含む)を本体ベース10に対して極めて正確に位置決めして、収納体ストッカのぐらつきを実質的に排除することができる。
【0038】
図8は、部品装着装置1にアクセスする収納体交換用の交換装置(交換ロボット)2をX方向から見た側面図である。交換装置2は、詳細には図示説明しないが、フィーダーカート40が具備する収納体ストッカ412に格納されている収納体60を交換するように構成されている。上述のとおり、本実施形態に係る部品装着装置1は、本体ベース10が第一位置決め部130と第二位置決め部150とを具備することにより、テーブル42だけでなく、収納体ストッカ412を有する台車部41を確実に位置決めすることができる。よって本実施形態によれば、手作業によらず自動化された交換装置2を用いて、収納体ストッカ412に収納体60を繰り返し出し入れする場合であっても、収納体ストッカ412のぐらつきを抑制し、信頼性よく収納体60を交換することができる。すなわち本実施形態に係る部品装着装置1は、収納体ストッカ412に収納されるリール等の収納体60を自動的に交換する交換装置2との相性(親和性)が高く、部品装着装置1および交換装置2を含む自動化された実装基板製造システムの実現に顕著な効果を奏する。
【0039】
(変形例)
図9図10を参照して、上記実施形態の変形例について説明する。変形例に係る部品装着装置1は、第二位置決め部150の態様が異なる点を除き、上記実施形態と同様の構成を有するので重複する内容については詳細な説明を省略する。図9は、変形例に係る第二位置決め部150Aを具備する本体ベース10のフィーダーカート装着部101Aと当該装着部に装着される前のフィーダーカート40AとをZ方向から見た平面図である。図10は、図9に示す本体ベース10のフィーダーカート装着部101Aと当該装着部に装着されたフィーダーカート40AとをZ方向から見た平面図である。
【0040】
ここでは、台車部41は、被位置決め部材として、台車ベース413Aの左右の側面に設けられたY方向に水平に突出する柱状の水平位置規制ピン160Aを有する。一方、第二位置決め部150は、水平位置規制ピン160Aを位置決めする本体側位置決め部材として、規制ピン収容部材151Aを具備する。規制ピン収容部材151Aは、フィーダーカート装着部101Aの入口部側に開口を有し、基台110側にY方向に水平に延びる孔151hを有する。フィーダーカート40Aが第一水平方向(Y方向)からフィーダーカート装着部101Aへ侵入するときに、水平位置規制ピン160Aは、孔151hに収容され、水平位置規制ピン160Aと規制ピン収容部材151Aとが係合状態になる。係合状態では、水平位置規制ピン160Aの第二水平方向(X方向)への移動が制限され、台車部41が第二水平方向(X方向)において位置決めされる。水平位置規制ピン160Aの第一水平方向(Y方向)への移動は許容されてもよい。
【0041】
変形例によれば、上記実施形態と同様、本体ベース10は、これに対してテーブル42を位置決めする第一位置決め部130と、台車部41を位置決めする第二位置決め部150とを有するため、フィーダーカート40をフィーダーカート装着部101に侵入させる際、収納体ストッカ412を本体ベース10に対して正確に位置決めして、収納体ストッカのぐらつきを効果的に抑制することができる。とりわけ、第二位置決め部150を第一位置決め部130よりも下方、かつフィーダーカート装着部の入口部側に配置することにより、本体ベース10のそれぞれの壁部120の対角位置において、フィーダーカート40(テーブル42を含む)を本体ベース10に対して極めて正確に位置決めして、収納体ストッカのぐらつきを実質的に排除することができる。
【0042】
また変形例によれば、本体ベース10に対して収納体ストッカ412を有する台車部41を確実に位置決めすることができるので、手作業によらず自動化された交換装置2を用いて、収納体ストッカ412に収納体60を繰り返し出し入れするとき、収納体ストッカ412のぐらつきを抑制し、信頼性よく収納体60を交換することができる。すなわち変形例に係る部品装着装置1は、上記実施形態と同様、収納体ストッカ412に収納されるリール等の収納体60を自動的に交換する交換装置2との相性(親和性)が高く、部品装着装置1および交換装置2を含む実装基板製造システムの自動化を進める上で有用である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本開示に係る部品装着装置は、収納体ストッカを有するフィーダーカートのぐらつきが抑制されるため、実装基板製造システムの自動化を進める際に利用価値が高い。
【符号の説明】
【0044】
1:部品装着装置
2:交換装置(ロボット)
10:本体ベース
101,101A:フィーダーカート装着部
110:基台
111:基板支持部
120:壁部
130:第一位置決め部
140:フィーダーカート着脱部
150,150A:第二位置決め部
151,151A:第二水平位置規制ガイド(本体側位置決め部材)
160,160A:水平位置規制ピン(被位置決め部材)
20:部品装着部
210:ヘッド移動機構
30:テープフィーダ
40,40A:フィーダーカート
41:台車部
411:車輪
412:収納体ストッカ
413,413A:台車ベース
42:テーブル
43:仕切り部材
44:格納空間
60:収納体

図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10