(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】カロリー管理システム、カロリー管理方法
(51)【国際特許分類】
G16H 20/60 20180101AFI20231201BHJP
E03D 9/00 20060101ALI20231201BHJP
A47K 13/24 20060101ALN20231201BHJP
【FI】
G16H20/60
E03D9/00 Z
A47K13/24
(21)【出願番号】P 2019074420
(22)【出願日】2019-04-09
【審査請求日】2022-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】濱塚 太一
(72)【発明者】
【氏名】松村 吉浩
(72)【発明者】
【氏名】相原 貴拓
(72)【発明者】
【氏名】内田 嵩
(72)【発明者】
【氏名】入江 健一
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-031973(JP,A)
【文献】特開2011-150585(JP,A)
【文献】特開2013-029877(JP,A)
【文献】特開2001-338070(JP,A)
【文献】特開2018-094242(JP,A)
【文献】特開2006-252150(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
E03D 9/00
A47K 13/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カロリー管理システムであって、
使用者の体重を取得する取得部と、
目標体重と前記カロリー管理システムの使用前の体重と差分である設定値の入力を受け付け、取得された前記体重に基づいて、摂取されるカロリー情報を含む複数の食事メニューの中から、前記カロリー情報が示すカロリーが前記体重によって定まる所定の閾値であって、
受け付けた前記設定値によって示される前記カロリー管理システムの使用に際した前記使用者による前記カロリー管理システムの使用前後における前記使用者の体重変化の目標に対して、当該目標に応じて前記カロリー管理システムにより設定された所定の閾値に応じたカロリーである少なくとも1つの食事メニューを出力し、出力した前記少なくとも1つの食事メニューのうちの、前記使用者による特定の食事メニューの選択を受け付け、前記特定の食事メニューの発注を示す発注指示または前記特定の食事メニューの調理手順のうち、少なくともいずれかをさらに出力する入出力部と、を備え
、
前記入出力部は、
前記目標が、前記使用者の体重を減らすことを示す場合、取得した前記体重が前記目標体重よりも大きい期間は、前記使用者の必要摂取カロリーよりも低いカロリーを前記所定の閾値として設定し、
前記目標が、前記使用者の体重を維持することを示す場合、取得した前記体重が前記目標体重と一致する期間は、前記使用者の必要摂取カロリーと同等のカロリーを前記所定の閾値として設定し、
前記目標が、前記使用者の体重を増やすことを示す場合、取得した前記体重が前記目標体重よりも小さい期間は、前記使用者の必要摂取カロリーよりも高いカロリーを前記所定の閾値として設定する
カロリー管理システム。
【請求項2】
前記取得部は、
前記使用者が排泄に用いる便器に取り付けられたセンサであり、
前記使用者が前記便器を使用した際に前記使用者の体重を取得する
請求項1に記載のカロリー管理システム。
【請求項3】
前記取得部は、所定の時間帯において前記使用者の体重を取得する
請求項1または2に記載のカロリー管理システム。
【請求項4】
前記取得部は、前記所定の時間帯のうち、前記使用者が排泄を完了したタイミングにおいて前記使用者の体重を取得する
請求項3に記載のカロリー管理システム。
【請求項5】
前記取得部により取得された、前記入出力部が前記使用者による前記特定の食事メニューの選択を受け付けた前後の体重を用いて、当該前後の体重に基づく体重の推移と、前記特定の食事メニューにおける前記カロリー情報が示すカロリーとの相関を示す相関データを出力する分析部をさらに備え、
前記所定の閾値は、前記相関データに基づいて、前記使用者が、前記カロリー情報が示すカロリーに対して、前記体重の推移が増加傾向である太りやすい体質であることが示された場合、所定の閾値がさらに減算されることで更新され、
前記相関データに基づいて、前記使用者が、前記カロリー情報が示すカロリーに対して、前記体重の推移が減少傾向である太りにくい体質であることが示された場合、所定の閾値がさらに加算されることで更新される
請求項1~4のいずれか一項に記載のカロリー管理システム。
【請求項6】
前記入出力部は、過去に選択された前記特定の食事メニューを調理するための食材、調味料または料理ジャンルの少なくともひとつから推定される前記使用者の嗜好にさらに基づいて前記少なくとも1つの食事メニューを出力する
請求項1~5のいずれか一項に記載のカロリー管理システム。
【請求項7】
さらに、通信を介して、前記使用者を撮像する撮像装置から、撮像された画像データを取得する第1通信部と、
取得された画像データに基づいて前記使用者を特定し、画像データ内における特定された前記使用者が喫食しているか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記使用者が喫食していると判定された場合に、喫食していると判定された前記使用者が撮像された画像データの撮像時刻である時刻データを記憶する記憶部と、を備え、
前記入出力部は、前記時刻データに基づいて推定される前記使用者の喫食に適したタイミングにおいて前記少なくとも1つの食事メニューを出力し、
前記使用者の喫食に適したタイミングは、前記時刻データによる前記使用者が普段喫食しているタイミングと同等の時刻、または、注文メニューが宅配されるまでの時間を宅配時間としたとき、前記使用者が普段喫食しているタイミングと同等の時刻から、前記宅配時間分早い時刻として推定される
請求項1~6のいずれか一項に記載のカロリー管理システム。
【請求項8】
さらに、通信を介して、前記使用者の活動量を測定する活動量計から、測定された前記活動量を取得する第2通信部を備え、
前記入出力部は、取得された前記活動量から推定される前記使用者が消費したカロリーにさらに基づいて前記少なくとも1つの食事メニューを出力する
請求項1~7のいずれか一項に記載のカロリー管理システム。
【請求項9】
前記入出力部により出力される前記少なくとも1つの食事メニューは、
食事を前記使用者の自宅に配送する外食業者、食事宅配業者、および食材宅配業者の少なくともいずれかにより提供される食事メニューである
請求項1~8のいずれか一項に記載のカロリー管理システム。
【請求項10】
さらに、前記複数の食事メニューが記憶されたメニューデータベースと
前記メニューデータベースを更新する更新部と、を備える
請求項1~9のいずれか一項に記載のカロリー管理システム。
【請求項11】
カロリー管理システムによって実行されるカロリー管理方法であって、
取得部が使用者の体重を取得する取得ステップと、
入出力部が
、目標体重と前記カロリー管理システムの使用前の体重と差分である設定値の入力を受け付け、取得された前記体重に基づいて、摂取されるカロリー情報を含む複数の食事メニューの中から、前記カロリー情報が示すカロリーが前記体重によって定まる所定の閾値であって、
受け付けた前記設定値によって示される前記カロリー管理システムの使用に際した前記使用者による前記カロリー管理システムの使用前後における前記使用者の体重変化の目標に対して、当該目標に応じて前記カロリー管理システムにより設定された所定の閾値に応じたカロリーである少なくとも1つの食事メニューを出力し、出力した前記少なくとも1つの食事メニューのうちの、前記使用者による特定の食事メニューの選択を受け付け、前記特定の食事メニューの発注を示す発注指示または前記特定の食事メニューの調理手順のうち、少なくともいずれかをさらに出力する入出力ステップと、を含
み、
前記入出力ステップでは、
前記目標が、前記使用者の体重を減らすことを示す場合、取得した前記体重が前記目標体重よりも大きい期間は、前記使用者の必要摂取カロリーよりも低いカロリーを前記所定の閾値として設定し、
前記目標が、前記使用者の体重を維持することを示す場合、取得した前記体重が前記目標体重と一致する期間は、前記使用者の必要摂取カロリーと同等のカロリーを前記所定の閾値として設定し、
前記目標が、前記使用者の体重を増やすことを示す場合、取得した前記体重が前記目標体重よりも小さい期間は、前記使用者の必要摂取カロリーよりも高いカロリーを前記所定の閾値として設定する
カロリー管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カロリー管理システム、およびカロリー管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、住宅等の建物は、建築現場で建てられる。例えば、木造住宅の場合、建築現場において、コンクリート基礎の上に梁や柱等の建築材を用いて軸組み等を行い、その後、水廻り設備や電気設備等の住宅設備(設備機器)が設置される。
【0003】
住宅設備は、建築現場で設置されると、品質にばらつきが生じたりコストが高くなったりする。そこで、従来、浴室(ユニットバス)やトイレ等からなる設備ユニットを工場にて予め生産し、この設備ユニットを建築現場に運搬して、その他の玄関や居室等を在来工法によって現場施工する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、疾病の予防、および、健康維持に関心を持つ人が増えており、住宅などの建物においてもユーザの健康維持に対する対策が求められている。特に、ユーザが喫食する食事(食生活)は、健康維持において重要な位置づけであり、改善による健康維持への効果が大きい。
【0006】
本開示は、ユーザの食生活を簡易に改善できるカロリー管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係るカロリー管理システムは、使用者の体重を取得する取得部と、取得された前記体重に基づいて、摂取されるカロリー情報を含む複数の食事メニューの中から、前記カロリー情報が示すカロリーが前記体重によって定まる所定の閾値に応じたカロリーである少なくとも1つの食事メニューを出力し、出力した前記少なくとも1つの食事メニューのうちの、前記使用者による特定の食事メニューの選択を受け付け、前記特定の食事メニューの発注を示す発注指示または前記特定の食事メニューの調理手順のうち、少なくともいずれかをさらに出力する入出力部と、を備える。
【0008】
また、本開示の一態様に係るカロリー管理方法は、使用者の体重を取得する取得ステップと、取得された前記体重に基づいて、摂取されるカロリー情報を含む複数の食事メニューの中から、前記カロリー情報が示すカロリーが前記体重によって定まる所定の閾値に応じたカロリーである少なくとも1つの食事メニューを出力し、出力した前記少なくとも1つの食事メニューのうちの、前記使用者による特定の食事メニューの選択を受け付け、前記特定の食事メニューの発注を示す発注指示または前記特定の食事メニューの調理手順のうち、少なくともいずれかをさらに出力する入出力ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様に係るカロリー管理システムは、ユーザの食生活を簡易に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係るカロリー管理システムの使用例について説明する図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係るカロリー管理システムおよび周辺の装置を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係るカロリー管理システムの動作を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施の形態1に係る記憶部に記憶された体重のデータを例示する図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1に係るメニューデータベースに記憶された食事メニューの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施の形態1に係る情報通信端末に表示される画像の一例を示す図であるである。
【
図7】
図7は、実施の形態2に係るカロリー管理システムの動作を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施の形態2に係る情報通信端末に表示される画像の一例を示す図であるである。
【
図9A】
図9Aは、実施の形態の変形例1に係るカロリー管理システムを示す機能ブロック図である。
【
図9B】
図9Bは、実施の形態の変形例2に係るカロリー管理システムを示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0013】
(実施の形態1)
[構成]
以下、実施の形態1に係るカロリー管理システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係るカロリー管理システムの使用例について説明する図である。
【0014】
本実施の形態に係るカロリー管理システム100は、例えば、ユーザ10(つまり、カロリー管理システム100の使用者)の住宅に設置された装置と、この装置にネットワークを介して接続された装置とによって実現される。なお、ここでのネットワークとは、インターネット等の広域通信網およびイントラネット等の局所的通信網を包括するものである。
【0015】
図1に示すように、カロリー管理システム100は、例えば、クラウドサーバとして実現され、ユーザ10の所有する各種装置とネットワークを介して通信することにより、ユーザ10が摂取するカロリーを管理する装置である。例えば、カロリー管理システム100は、ユーザ10の自宅に設置された便器31に取り付けられたセンサを用いて計量されたユーザ10の体重を、ネットワークを介して取得する。したがって、ユーザ10は、便器31を使用するのみで体重が取得される。
【0016】
カロリー管理システム100は、さらに、取得されたユーザ10の体重に基づいて、摂取されるカロリー情報を含む少なくとも1つの食事メニューを出力する。出力された食事メニューは、ユーザ10が所有する情報通信端末51の表示画面に画像として表示される。ユーザ10は、情報通信端末51を操作することにより、画像に示された食事メニューから所望の食事メニューを選択することにより、当該食事メニューを発注することができる。
【0017】
以下では、本実施の形態におけるカロリー管理システム100の各構成要素についてさらに詳細に説明する、
図2は、実施の形態1に係るカロリー管理システムおよび周辺の装置を示す機能ブロック図である。
【0018】
図2に示すように、本実施の形態におけるカロリー管理システム100は、記憶部20、取得部32、分析部33、入出力部35、更新部37、第1通信部41、第2通信部39、および判定部43を備える。
【0019】
記憶部20は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリにより実現される。記憶部20は、実施の形態におけるカロリー管理システム100の各種機能を制御するためのプログラムを記憶する。
【0020】
また、記憶部20は、複数の食事メニューが記憶されたメニューデータベース21を含んでいる。したがって、後述する入出力部35は、記憶部20に接続してメニューデータベース21を参照することにより、メニューデータベース21に記憶された食事メニューを取得する。
【0021】
取得部32は、カロリー管理システム100のユーザ10の体重をセンサから取得する通信モジュールである。取得部32は、一例として便器31に取り付けられたセンサからユーザ10の体重を取得する。なお、取得部32が体重を取得する方法はこれに限定されず、例えば、洗面台の前の床に設置されたセンサから体重を取得してもよい。便器の前の床に設置されたセンサから体重を取得してもよい。また、取得部32は、階段等の踏み板に設置されたセンサから体重を取得してもよい。また、便座に設置されたセンサから体重を取得してもよい。また、取得部32は、単なる体重計であってもよい。また、取得部32は、記憶部20に記憶された過去のユーザ10の体重を取得してもよい。
【0022】
より好ましくは、取得部32は、ユーザ10が生活の中で通常行う動作に組み込まれてユーザ10の最新の体重を取得できるとよい。したがって、椅子、または便器のように、ユーザ10によって日常的に使用され、かつ、使用時に一定時間ユーザ10が静止した状態を維持する動作に組み込まれて実現される。
【0023】
分析部33は、ユーザ10の体重に基づく分析テータを出力する処理装置である。分析部33は、取得部32により取得されたユーザ10の体重を記憶部20に記憶させる。分析部33は、記憶部20に記憶されたユーザ10の体重を、例えば2回分以上計量して体重の推移を算出する。このような体重の推移は、例えば、後述する入出力部35が、ユーザ10による食事メニューの選択を受け付けた時点の前後の少なくとも2つの時点から抽出された体重に基づいているとよい。また、1週間前の食事提供を受ける以前における体重と最新の体重とに基づいて長期的な傾向を示してもよい。同様に、1か月前、3か月前、6か月前、1年前など、より長期的な傾向を示してもよい。同様に、2日前、3日前など1週間未満の短期的な傾向を示してもよい。
【0024】
これによれば、ユーザ10が選択した食事メニューの内容の食事を喫食したと仮定し、当該食事メニューに含まれるカロリー情報が示すカロリーが、ユーザ10によって摂取されたと推定することができる。分析部33は、ユーザ10が摂取したカロリーの推定値(摂取カロリー)と、当該摂取カロリーの摂取前後の体重に基づく体重の推移とを用いて、これらの相関を示す相関データを算出することができる。
【0025】
上記の相関データを用いることによって、入出力部35は、カロリー管理システム100のユーザ10ごとに、摂取カロリーに対する体重の増えやすさ(つまり太りやすさ)および、体重の増えにくさ(つまり太りにくさ)を考慮して食事メニューを出力することができる。
【0026】
入出力部35は、ユーザ10に対して、カロリー管理システム100の動作結果を出力し、ユーザ10からのカロリー管理システム100への入力を受け付ける処理装置である。入出力部35は、取得部32において取得したユーザ10の体重に基づき、ユーザ10に体重によって定まる所定の閾値に応じたカロリーを有する食事メニューを出力する。
【0027】
ここで、所定の閾値とは、ユーザ10の体重に加えて、ユーザ10がカロリー管理システム100を使用する目的に応じて変化する。より具体的には、所定の閾値は、ユーザ10がカロリー管理システム100を使用する際に、使用前後においてユーザ10自身の体重を維持したいか、減らしたいか、または増やしたいか等の目的に応じて設定される。
【0028】
例えば、ユーザ10が肥満型の体重であり、カロリー管理システム100を使用することで、ユーザ10自身の体重を減らしたいと考えた場合、ユーザ10は、目標体重と現在の体重との差分である負の値を設定値として入力する。カロリー管理システム100によって、ユーザ10の基礎代謝に応じた必要摂取カロリーよりも低いカロリーが所定の閾値として設定される。
【0029】
このとき、ユーザ10はさらに、体重をどの程度減らしたいか、またはどの程度の期間をかけて体重を減らしたいか等の付加的な情報を入力できてもよい。これによって補正された、必要摂取カロリーに対する所定の閾値が設定されてもよい。また、所定の閾値は、一日当たりの3回の食事それぞれについて個別に設定されてもよい。例えば、朝食および昼食は、ユーザ10が食後に活動することが予想されるが、夕食は、食後にユーザ10が就寝することが予想される。このような各食事の後の生活パターンを考慮し、例えば、朝食:昼食:夕食に対して4:3:2等の比率に基づいて所定の閾値を設定してもよい。
【0030】
また、例えば、ユーザ10が標準的な体重であり、カロリー管理システム100を使用することで、ユーザ10自身の体重を維持したいと考えた場合、ユーザ10は、目標体重と現在の体重との差分である0を設定値として入力する。カロリー管理システム100によって、ユーザ10の基礎代謝に応じた必要摂取カロリーと同等のカロリーが所定の閾値として設定される。
【0031】
また、例えば、ユーザ10がやせ型の体重であり、カロリー管理システム100を使用することで、ユーザ10自身の体重を増やしたいと考えた場合、ユーザ10は、目標体重と現在の体重との差分である正の値を設定値として入力する。カロリー管理システム100によって、ユーザ10の基礎代謝に応じた必要摂取カロリーよりも高いカロリーが所定の閾値として設定される。なお、ユーザ10はさらに、体重をどの程度増やしたいか、またはどの程度の期間をかけて体重を増やしたいか等の付加的な情報を入力できてもよい。
【0032】
入出力部35による食事メニューの出力は、前述したように記憶部20のメニューデータベース21から取得される。メニューデータベース21には、摂取されるカロリー情報を含む食事メニューが複数記憶されている。したがって、入出力部35は、カロリー情報が示すカロリーをクエリとして、メニューデータベース21から、ユーザ10の体重よって定まる所定の閾値に応じたカロリーであるカロリー情報を含む食事メニューを取得する。
【0033】
メニューデータベース21に該当する食事メニューが複数記憶されていた場合、入出力部35は、これらすべてを取得してもよく、優先度を設定して、当該優先度に基づく上位のいくつかの食事メニューを取得してもよい。なお、該当する食事メニューが存在しない場合、入出力部35は、メニューデータベース21に記憶された複数の食事メニューの中から、所定の閾値に最も近いものが取得してもよい。つまり、入出力部35は、少なくとも1つの食事メニューをメニューデータベース21から取得すればよい。
【0034】
入出力部35は、取得した食事メニューをリスト化した画像を生成し、情報通信端末51の画面上に当該画像を表示させるための表示指令を出力する。情報通信端末51へと表示指令が送信されることで、入出力部35は、少なくとも1つの食事メニューの出力を行う。
【0035】
例えば、ユーザ10は、情報通信端末51の画面上に画像が表示されることで、画像に示された複数の食事メニューを確認することができる。
【0036】
ここで、情報通信端末51は、ユーザ10が所有するスマートフォンまたはタブレット端末等の携帯端末である。なお、情報通信端末51は、これらに限定されず、受信した電子データを表示できればどのような端末であってもよい。
【0037】
更新部37は、メニューデータベース21を更新するための装置である。更新部37はメニューデータベース21に記憶された、摂取されるカロリーの情報を含む食事メニューを示す情報を更新する処理を行う処理装置である。更新部37は、あらかじめ定められた一定周期毎、または、食事メニューを示す情報の提供元からの更新通知が受信されるごと等のタイミングにおいて、メニューデータベース21に記憶された食事メニューを示す情報の追加、および削除を行う。
【0038】
更新部37は、食事メニューを示す情報をメニューサーバ61に接続することにより取得する。メニューサーバ61は、例えば、食事メニューに示された食事をユーザ10の自宅に配送する外食業者、食事宅配業者、および食材宅配業者の少なくともいずれかにより提供される食事について、当該食事の食事メニューを示す情報を記憶するデータベースである。
【0039】
第2通信部39は、ユーザ10の活動量を測定する活動量計71から、測定された活動量を、通信を介して取得する通信インタフェースである。第2通信部39によって取得されたユーザ10の活動量から、入出力部35は、ユーザ10が消費したカロリー推定する。入出力部35は、推定されたユーザ10が消費したカロリーに基づいて、所定の閾値を更新する。
【0040】
活動量計71は、例えば、腕時計型のウェアラブル装置であり、ユーザ10の活動量として、心拍数およびGPS(Global Positioning System)ログ等のユーザ10の活動を記録する。
【0041】
第1通信部41は、ユーザ10を撮像する撮像装置81から、撮像された画像データを、通信を介して、取得する通信インタフェースである。第1通信部41は、ユーザ10が撮像された画像データを取得し、後述する判定部43へと送信する。
【0042】
撮像装置81は、例えば、情報通信端末51またはユーザ10の所有するPC等に備えられたカメラモジュール、もしくはユーザ10の自宅に設置された監視カメラ等の任意のカメラによって構成される。なお、撮像装置81は、複数のカメラによって構成されてもよい。特に、撮像装置81は、ユーザ10が食事を行う(喫食する)箇所を撮像できる必要がある。したがって、撮像装置81は、ユーザ10自身によって取り付けられることが好ましい。
【0043】
判定部43は、画像データに基づいてユーザ10を特定し、画像データ内における特定されたユーザ10が喫食しているか否かを判定する処理装置である。判定部43は、つまり、撮像装置81に写る人を画像認識により識別してユーザ10を特定し、特定されたユーザ10の行動を推定する処理を行う。より具体的には、判定部43は、ユーザ10が喫食しているかを画像認識により判定する。判定部43による判定は、例えば、ユーザ10の前に食事と推定される物体があるか否かにより行われる。判定部43によりユーザ10が喫食していると判定された場合、当該判定が行われた画像データの撮像時間(時刻データ)が記憶部20に記憶される。
【0044】
この時刻データを複数回記憶させることにより、ユーザ10が食事をとる時間の傾向が推定される。したがって、入出力部35は、複数の時刻データに基づき、推定されるユーザ10の喫食に適したタイミングにおいて食事メニューを出力することができる。複数の時刻データにおいて、例えば、平均時刻を算出することにより、喫食に適したタイミングを推定してもよい。また、喫食に適したタイミングの推定においては、統計的に明らかな外れ値を除外する等の処理を行ってもよい。
【0045】
[動作]
次に、本実施の形態におけるカロリー管理システム100の動作について、
図3および
図4を用いて説明する。
図3~
図6を用いて説明する。
図3は、実施の形態1に係るカロリー管理システムの動作を示すフローチャートである。
【0046】
図3に示すように、本実施の形態におけるカロリー管理システム100は、はじめに取得部32を用いてユーザ10の体重を取得する(S11)。ステップS11は、つまり取得ステップの一例である。
【0047】
図4は、実施の形態1に係る記憶部に記憶された体重のデータを例示する図である。
【0048】
図4に示すように、ユーザ10の体重の取得は、一日の中で複数回実施される。例えば、
図4中の表3行目において、2019年1月1日に取得された体重のデータが示され、時刻8時21分においてこの日最初の体重が取得されている。同様に2回目の体重が時刻17時56分、3回目の体重が時刻19時21分にそれぞれ取得されている。ここで、2019年1月1日に取得された体重は、75.0kg、75.4kg、75.2kgである。つまり、取得される体重は、一日の中で変動することがわかる。したがって、カロリー管理システム100を用いることで日ごとの体重の変化を数値化するためには、体重を取得するタイミングを日ごとに所定の時間帯にそろえて取得することが好ましい。
【0049】
例えば、体重の取得タイミングを時刻8時00分~時刻8時59分の間と設定すれば、
図4の例においては、2019年1月1日から2019年1月4日の間で、75.0kg、74.8kg、74.8kg、75.5kgと変動していることがわかる。また、例えば、体重の取得タイミングを時刻12時00分~時刻12時59分の間と設定すれば、
図4の例においては、2019年1月1日から2019年1月4日の間で、該当なし、74.5kg、74.3kg、76.0kgと変動していることがわかる。
【0050】
ここでさらに、上記のような一日の中における体重の変動は、食事および排泄等生活サイクルと連動している。したがって、より正確な日ごとの体重の変化を数値化するためには、食事の前または後、もしくは排泄の前または後に体重が取得されるとよい。本実施の形態においては、便器31に取り付けられたセンサを用いてユーザ10の体重を取得するため、例えば、取得部32は、ユーザ10が排泄を完了したタイミングにおいてユーザ10の体重を取得する。一例として、便器31に取り付けられたセンサは、荷重の変化により、便器31の便座にユーザ10が着座したことを検知し、当該検知後の荷重を連続的に取得する。取得部32は、センサが荷重の変化により、ユーザ10が便座から離れたことを検知した際に、センサが連続的に取得していた荷重のうち、ユーザ10が便座から離れる直前に取得された荷重をカロリー管理システム100に用いるユーザ10の体重として取得する。
【0051】
ユーザ10の体重のデータは、カロリー管理システム100に備えられた分析部33において分析され、分析データとして出力される(S12)。分析部33は、記憶部20を参照することにより、前回ユーザ10が食事メニューを選択した時点よりも以前かつ最新のユーザ10の過去体重データを取得する。また、分析部33は、併せてユーザ10が前回選択した食事メニューに含まれるカロリー情報が示すカロリーを取得する。分析部33は、取得した前回体重データと、取得部によって取得された体重データとに基づき体重の推移を算出する。体重の推移は、例えば、過去体重データに対する体重データの差分によって体重の変化量として算出される。
【0052】
分析部33は、算出した体重の推移と食事メニューに含まれるカロリー情報が示すカロリーとの相関データを算出する。相関データは、例えば、カロリー情報が示すカロリーに対する、食事メニューの提案前後における体重の変化量を線形回帰して算出される。
【0053】
入出力部35は、あらかじめユーザ10によって設定された目標体重に対して、標準的な条件に基づいて所定の閾値を設定する。入出力部35は、例えば、年齢と身体活動レベルとに応じて設定された基礎代謝のテーブル(不図示)を参照し、体重の増減がない場合における目標摂取カロリーを取得する。
【0054】
さらに、入出力部35は、ユーザ10によって設定された目標体重と現在の体重との差分に基づき、体重の増減がない場合における目標摂取カロリーから減算するカロリー値を算出する。入出力部35は、体重の増減がない場合における目標摂取カロリーから減算するカロリー値を減じた1日の摂取目安カロリー値を朝食、昼食、および夕食に振り分けて、食事ごとの摂取目安カロリー値を設定する。以上の入出力部35による処理は、あらかじめ実施されている。
【0055】
入出力部35は、あらかじめ設定された摂取目安カロリー値を参照することで(S13)、所定の閾値を取得する。入出力部35は、さらに、取得した所定の閾値を更新する。より具体的には、分析部33によって算出された相関データを用いて、ユーザ10が太りやすい体質であった場合、所定の閾値をさらに減算して更新する。また、ユーザ10が太りにくい体質であった場合、所定の閾値をさらに加算して更新する。
【0056】
また、入出力部35は、ユーザ10が消費したカロリーに基づいて所定の閾値をさらに更新する。例えば、第2通信部39を介して、ユーザ10が装着した活動量計71からユーザ10の活動量を取得する。入出力部35は、ユーザ10の活動量に基づいて、ユーザ10が消費したカロリーを推定し、所定の閾値にさらに消費したカロリーと同等の値を加算して更新する。なお、活動量計71がユーザ10の消費したカロリーを推定できる装置である場合、入出力部35は、第2通信部39を介して、活動量計71から推定されたユーザ10が消費したカロリーを直接取得してもよい。
【0057】
入出力部35は、以上のようにして更新された所定の閾値が示すカロリーに基づき、食事メニューをユーザ10が所有する情報通信端末51へと出力する(S14)。入出力部35は、メニューデータベース21を参照して、所定の閾値が示すカロリーに基づく食事メニューのリストを生成して出力する。
【0058】
図5は、実施の形態1に係るメニューデータベースに記憶された食事メニューの一例を示す図である。
図5には、メニューデータベース21に記憶された複数の食事メニューのうちの一部を示している。また、食事メニューが示す食事の内容を「メニュー」列に、カロリー情報が示すカロリーを「カロリー」列に示した。
【0059】
メニューデータベース21は、食事メニューごとにユーザ10が最後に注文した日付を含んで示してもよい。図中では、最後に注文した日付が「最終注文日」列に示されている。また、メニューデータベース21は、食事メニューごとにユーザ10が通算で注文した回数を含んで示してもよい。図中では、通算で注文した回数が「累積注文回数」列に示されている。また、メニューデータベース21は、食事メニューごとに当該食事メニューが示す食事に使用される主な食材を含んで示してもよい。図中では、主な食材が「主食材1」列および「主食材2」列に示されている。
【0060】
図5に示すように、メニューデータベース21は、摂取されるカロリー情報を含む複数の食事メニューを記憶している。入出力部35は、メニューデータベース21を参照することで、メニューデータベース21に記憶された複数の食事メニューの中から、カロリー情報が示すカロリーがユーザ10の体重等によって定まる所定の閾値に応じたカロリーである食事メニューを出力する。出力された食事メニューは、ユーザ10が所有する情報通信端末51に表示される。
【0061】
ここで、入出力部35による食事メニューの出力においては、
図5に示した「最終注文日」列、「累積注文回数」列、ならびに「主食材1」列および「主食材2」列の情報が使用されてもよい。より具体的には、入出力部35は、「最終注文日」列に示された、食事メニューごとのユーザ10が最後に注文した日付に基づき、ユーザ10が最近注文していない食事メニューを優先的に選択して出力してもよい。
【0062】
これによれば、ユーザ10の喫食する食事が偏ることを抑制し、ユーザ10に対してバランスの良い食事を提案することができる。よって、カロリー管理システム100は、ユーザ10のカロリーを管理するのみでなく、栄養バランスの取れた食事を提案することができる。
【0063】
また、入出力部35は、「累積注文回数」列ならびに「主食材1」列および「主食材2」列に示された、食事メニューごとにユーザ10が通算で注文した回数および食事に使用される主な食材の情報に基づき、ユーザ10の嗜好に基づいて食事メニューを出力してもよい。一例として、図中では、「焼肉定食」の通算で注文した回数が「8」であり他に比べて多く、ユーザ10の嗜好に沿う可能性が高いと推定される。さらに、「焼肉定食」に使用される主な食材「牛肉」および/または「キャベツ」は、ユーザ10の嗜好に沿う可能性が高いと推定される。したがって入出力部35は、「牛肉」および/または「キャベツ」が主な食材として使用される食事メニューを優先的に選択して出力してもよい。同様に、「焼肉」といった料理ジャンルで食事メニューを優先的に選択して出力してもよい。さらに、「醤油」、「砂糖」、「コチュジャン」といった調味料を優先的に選択して出力してもよい。
【0064】
これによれば、よりユーザ10の嗜好に沿った食事メニューが提案される。ユーザ10は、食事により摂取されるカロリーを管理しながらも、自身の嗜好に沿った食事メニューを選択することができる。よって、ユーザ10のカロリー管理システム100の使用における満足度をより高めることができる。
【0065】
以上のようにして入出力部35によって出力された食事メニューは、情報通信端末51の画面において画像として表示される。
【0066】
図6は、実施の形態1に係る情報通信端末に表示される画像の一例を示す図であるである。
【0067】
図6に示すように、情報通信端末51には、カロリーが所定の閾値に応じた食事メニューの一覧の画像が表示される。例えば、表示される画像には、食事メニューが示す食事内容の写真51aと、食事名51bと、摂取カロリー51cとが含まれる。さらに、食事メニューごとに、ユーザによる特定の食事メニューの選択を受け付けるための注文ボタン51dが併せて示される。
【0068】
なお、入出力部35による食事メニューの出力は、ユーザ10が喫食するのに適したタイミングにおいて行われてもよい。ユーザ10が喫食するのに適したタイミングとは、例えば、ユーザ10が普段喫食しているタイミングと同等の時刻、または、注文メニューが宅配されるまでの時間を考慮して、ユーザ10が普段喫食しているタイミングよりも30分~1時間程度早い時刻である。
【0069】
カロリー管理システム100は、ネットワークを介して撮像装置81から画像を取得する第1通信部41を備える。撮像装置81は、前述したように、ユーザ10の普段の喫食を撮像できる位置に設置されたカメラである。判定部43は、第1通信部41を介して取得した画像を画像認識することにより、あらかじめユーザ10が喫食し得ると推定される時刻を算出しておく。
【0070】
入出力部35は、判定部43により推定されるユーザ10が喫食し得るタイミングにおいて食事メニューの出力を行う。したがって、例えば、図中のステップS13までを、ユーザ10の体重が取得されたタイミングで行い、ユーザ10が喫食し得るタイミングで食事メニューの出力を行ってもよい。また、例えば、ユーザ10の体重の取得は都度行い、図中のステップS12以降の処理をユーザ10が喫食し得るタイミングで実施してもよい。
【0071】
カロリー管理システム100の入出力部35は、ユーザ10が所望する食事メニューの注文ボタン51dの選択操作を、情報通信端末51を介して受け付ける(S15)。入出力部35は、受け付けた特定の食事メニューについて、当該食事メニューを提供する外食業者、および食事宅配業者に対する発注を示す発注指示を出力する(S16)。つまり、ステップS14~ステップS16は、入出力ステップの一例である。
【0072】
出力された発注指示は、ネットワークを介して、食事メニューを提供する外食業者、および食事宅配業者が提供する注文システム等によって処理される。注文にしたがって、ユーザ10に対して食事メニューを提供する外食業者、および食事宅配業者により、特定の食事メニューが提供される。なお、発注を示す発注指示とは、外食業者の運営する店舗に対しての予約が含まれる。つまり、外食業者に対して食事メニューを外食業者の運営する店舗において喫食するための予約を行うことも発注指示に含まれる。
【0073】
(実施の形態2)
以下では、さらに、実施の形態2に係るカロリー管理システム100について説明する。なお、以下の説明では、前述した実施の形態1と比較して異なる箇所について説明し、実施の形態1と実質的に同一の箇所については、省略または簡略化して説明する。
【0074】
図7は、実施の形態2に係るカロリー管理システムの動作を示すフローチャートである。
【0075】
本実施の形態においては、前述した実施の形態1と比較して、ユーザ10が所望する食事メニューの選択操作が異なる。したがって、
図7に示すフローチャートでは、ステップS11~ステップS13までの処理は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0076】
本実施の形態においては、ステップS13で所定の閾値を参照して更新した後、入出力部35は、更新された所定の閾値が示すカロリーに基づき、食事メニューをユーザ10が所有する情報通信端末51へと出力する(S24)。
【0077】
図8は、実施の形態2に係る情報通信端末に表示される画像の一例を示す図であるである。
【0078】
図8に示すように、本実施の形態において、入出力部35の出力に基づき情報通信端末51に表示される画像は、食事メニューごとに、ユーザによる特定の食事メニューの選択を受け付けるためのレシピ表示ボタン51eがさらに併せて示される。より具体的には、画像には、食事メニューが示す食事内容の写真51aと、食事名51bと、摂取カロリー51cと、注文ボタン51dと、レシピ表示ボタン51eとが含まれる。
【0079】
本実施の形態において、ユーザ10は、食事メニューを選択すると同時に、当該食事メニューを発注するか、自身で調理するかを選択することができる。ユーザ10が食事メニューの発注を選択した場合、実施の形態1と同様の処理により、注文にしたがって、ユーザ10に対して食事メニューを提供する外食業者、食事宅配業者、および食材宅配業者により、特定の食事メニューが提供される。
【0080】
本実施の形態においては、カロリー管理システム100の入出力部35は、ユーザ10が所望する食事メニューを自身で調理するためのレシピ表示ボタン51eの選択操作を、情報通信端末51を介して受け付ける(S25)。入出力部35は、受け付けた特定の食事メニューについて、当該食事メニューを調理するための調理手順を出力する(S26)。
【0081】
食事メニューの調理手順の出力は、情報通信端末51をネットワーク上のレシピ提供サイト等へ接続させるためのアドレス情報を出力することによって行われてもよい。また、食事メニューの調理手順の出力は、カロリー管理システム100が備えるレシピデータベース(不図示)を参照することにより、該当する食事メニューの調理手順を情報通信端末51に表示させる画像として出力されることで行われてもよい。
【0082】
また、入出力部35は、さらに、当該食事メニューを調理するための食材を提供する食材宅配業者に対する食材の発注を併せて行ってもよい。
【0083】
(実施の形態の変形例)
以下では、さらに、実施の形態1および実施の形態2の変形例について、
図9Aを用いて説明する。なお、以降で説明する変形例では、実施の形態1および実施の形態2において説明した第2通信部39、第1通信部41、および判定部43を図示していない。実施の形態および実施の形態2において、第2通信部39、第1通信部41、および判定部43は必須の構成要素ではない。したがって、第2通信部39、第1通信部41、および判定部43は備えられなくてもよい。以降で説明する変形例においては、第2通信部39、第1通信部41、および判定部43を備えない構成について説明するが、変形例においても、第2通信部39、第1通信部41、および判定部43を備えてもよい。
【0084】
図9Aは、実施の形態の変形例1に係るカロリー管理システムを示す機能ブロック図である。実施の形態の変形例1では、カロリー管理システム100aが便器31aおよび情報通信端末52に内蔵されて実現される例について説明する。
【0085】
図9Aに示すように、本変形例におけるカロリー管理システム100aは、便器31aと、情報通信端末52とを備える。便器31aは、取得部32と、分析部33と、記憶部20bとを備える。また、情報通信端末52は、記憶部20bと、更新部37と、入出力部35とを備える。また記憶部20aは、メニューデータベース21を含む。
【0086】
本変形例においては、ユーザ10の体重の取得を便器31aにおいて行う。より詳しくは、便器31aに設置されたセンサを用いて計量されたユーザ10の体重を取得部32が取得する。取得された体重は、便器31aの分析部33において分析される。なお、分析部33は、ユーザ10の体重を分析する際に過去体重データを用いるが、過去体重データは、便器31aの記憶部20bに記憶される。分析部33は、必要に応じて記憶部20bに接続することでユーザ10の過去体重データを取得する。
【0087】
取得されたユーザ10の体重、および分析部33により分析された分析データは、ネットワークを介して接続された情報通信端末52へと送信される。
情報通信端末52では、受信したユーザ10の体重および分析データを基に、更新部37を用いて更新されたメニューデータベース21を参照することで、所定の閾値に応じた食事メニューが抽出される。ここで、メニューデータベース21は、記憶部20aに記憶されている。つまり、記憶部は、カロリー管理システム100a内に複数あってもよい。抽出された食事メニューは、入出力部35を介して情報通信端末52の画面(不図示)に表示される。ユーザ10が、画面に表示された食事メニューから所望の食事メニューを選択することで、入出力部35による当該食事メニューの発注、または調理手順の表示が行われる。
【0088】
図9Bは、実施の形態の変形例2に係るカロリー管理システムを示す機能ブロック図である。実施の形態の変形例2では、カロリー管理システム100bが便器31bに内蔵されて実現される例について説明する。
【0089】
図9Bに示すように、本変形例におけるカロリー管理システム100aは、便器31bを備える。便器31bは、取得部32と分析部33と、提示部53と、記憶部20cと、更新部37と、入出力部35とを備える。また記憶部20cは、メニューデータベース21を含む。
【0090】
本変形例においては、ユーザ10の体重の取得を便器31bにおいて行う。より詳しくは、便器31bに設置されたセンサを用いて計量されたユーザ10の体重を取得部32が取得する。取得された体重は、便器31bの分析部33において分析される。なお、分析部33は、ユーザ10の体重を分析する際に、記憶部20cに接続することでユーザ10の過去体重データを取得する。
【0091】
入出力部35は、取得されたユーザ10の体重、および分析部33により分析された分析データを基に、更新部37を用いて更新されたメニューデータベース21を参照することで、所定の閾値に応じた食事メニューを抽出する。抽出された食事メニューは、入出力部35を介して出力され、提示部53において表示される。
【0092】
提示部53は、例えば、便器31bの洗浄装置、温調装置、音発生装置、および脱臭装置等の各種付属装置を制御するための操作に用いられるユーザインタフェースである。提示部53は、タッチ式の液晶パネルを備え、入出力部35が出力した食事メニューを表示できる。
【0093】
なお、入出力部35を介して出力された食事メニューは、実施の形態と同様に情報通信端末51において表示されてもよい。ユーザ10が、画面に表示された食事メニューから所望の食事メニューを選択することで、入出力部35による当該食事メニューの発注、または調理手順の表示が行われる。
【0094】
以上説明したように、本開示におけるカロリー管理システム100は、ユーザ10の体重を取得する取得部32と、取得された体重に基づいて、摂取されるカロリー情報を含む複数の食事メニューの中から、カロリー情報が示すカロリーが体重によって定まる所定の閾値に応じたカロリーである少なくとも1つの食事メニューを出力し、出力した少なくとも1つの食事メニューのうちの、ユーザ10による特定の食事メニューの選択を受け付け、特定の食事メニューの発注を示す発注指示または特定の食事メニューの調理手順のうち、少なくともいずれかをさらに出力する入出力部35と、を備える。
【0095】
このようなカロリー管理システム100は、ユーザ10の体重を取得し、取得した体重に基づいてカロリーの観点からユーザ10に推奨される食事メニューが出力される。さらに、ユーザ10による食事メニューの選択によって当該食事メニューが示す食事の発注または調理手順の表示を行うことができる。ユーザ10自身がカロリー計算等の煩雑な処理を行うことなく、食事メニューが出力される。さらに、出力された食事メニューの中からユーザ10が選択した食事メニューを入手する、または入手を補助するための動作が実施される。ユーザ10は、出力された食事メニューの中から所望の食事メニューを選択する操作を行うのみで、カロリーの観点で自身に適した食事を容易に入手でき、入手した食事を喫食するのみで、食生活が改善される。よって、ユーザ10は、カロリー管理システム100を使用すれば、簡易に食生活を改善することができる。
【0096】
また、例えば、取得部32は、ユーザ10が排泄に用いる便器31に取り付けられたセンサであり、ユーザ10が便器31を使用した際にユーザ10の体重を取得してもよい。
【0097】
これによれば、ユーザ10が便器31を使用した際に、ユーザ10に意識させることなくユーザ10の体重を取得することができる。よって、ユーザ10は、より簡易に食生活を改善することができる。
【0098】
また、例えば、取得部32は、所定の時間帯においてユーザ10の体重を取得してもよい。さらに、取得部32は、所定の時間帯のうち、ユーザ10が排泄を完了したタイミングにおいてユーザ10の体重を取得してもよい。
【0099】
これによれば、ユーザ10の体重の一日ごとの変化をより正確に取得することができる。より正確な体重に基づいて食事メニューが出力される。よって、ユーザ10の食生活がより正確に改善される。
【0100】
また、例えば、取得部32により取得された、入出力部35がユーザ10による特定の食事メニューの選択を受け付けた前後の体重を用いて、前後の体重に基づく体重の推移と、特定の食事メニューにおけるカロリー情報が示すカロリーとの相関を示す相関データを出力する分析部33をさらに備え、所定の閾値は、相関データに基づいて更新されてもよい。
【0101】
これによれば、ユーザ10の、太りやすい、または太りにくい等の体質に応じて、所定の値が更新される。これにより、カロリー値が補正された食事メニューが出力される。よって、ユーザ10の食生活がより正確に改善される。
【0102】
また、例えば、入出力部35は、過去に選択された特定の食事メニューを調理するための食材、調味料または料理ジャンルの少なくともひとつから推定されるユーザ10の嗜好にさらに基づいて少なくとも1つの食事メニューを出力してもよい。
【0103】
これによれば、よりユーザ10により選択されやすいと推定される食事メニューを、出力される食事メニューの中に含めることができる。よって、ユーザ10は、嗜好に応じた食事メニューを選択することができ、カロリー管理システム100を用いた食事メニューの出力に対するユーザ10の満足度を高めることができる。
【0104】
また、例えば、さらに、通信を介して、ユーザ10を撮像する撮像装置81から、撮像された画像データを取得する第1通信部41と、取得された画像データに基づいてユーザ10を特定し、画像データ内における特定されたユーザ10が喫食しているか否かを判定する判定部43と、判定部43によりユーザ10が喫食していると判定された場合に、喫食していると判定されたユーザ10が撮像された画像データの撮像時刻である時刻データを記憶する記憶部20と、を備え、入出力部35は、時刻データに基づいて推定されるユーザ10の喫食に適したタイミングにおいて少なくとも1つの食事メニューを出力してもよい。
【0105】
これによれば、カロリー管理システム100は、ユーザ10が喫食する時間の傾向を画像データに基づいて判定することができる。ユーザ10が喫食する時間の傾向に基づく食事メニューの出力が行われ、ユーザ10は、タイミングよく食事の入手を行うことができる。よって、カロリー管理システム100を用いた食事メニューの出力に対するユーザ10の満足度を高めることができる。
【0106】
また、例えば、通信を介して、ユーザ10の活動量を測定する活動量計71から、測定された活動量を取得する第2通信部39を備え、入出力部35は、取得された活動量から推定されるユーザ10が消費したカロリーにさらに基づいて少なくとも1つの食事メニューを出力してもよい。
【0107】
これによれば、ユーザ10が消費したカロリーにしたがって、食事メニューを出力できる。よって、消費したカロリー値が補正された食事メニューが出力されるため、ユーザ10の食生活がより正確に改善される。
【0108】
また、例えば、入出力部35により出力される少なくとも1つの食事メニューは、食事をユーザ10の自宅に配送する外食業者、食事宅配業者、および食材宅配業者の少なくともいずれかにより提供される食事メニューであってもよい。
【0109】
これによれば、ユーザ10が選択した食事メニューが直接提供される業者等へと出力される。業者等による既存のサービスと接続することでカロリー管理システム100による食事の入手、または食事を入手するための補助を容易に構築することができる。
【0110】
また、例えば、複数の食事メニューが記憶されたメニューデータベース21とメニューデータベース21を更新する更新部37と、を備えてもよい。
【0111】
これによれば、更新されることで最新の食事メニューの情報が反映されたメニューデータベース21を参照して食事メニューを出力することができる。
【0112】
また、本開示におけるカロリー管理方法は、ユーザ10の体重を取得する取得ステップと、取得された体重に基づいて、摂取されるカロリー情報を含む複数の食事メニューの中から、カロリー情報が示すカロリーが体重によって定まる所定の閾値に応じたカロリーである少なくとも1つの食事メニューを出力し、出力した少なくとも1つの食事メニューのうちの、ユーザ10による特定の食事メニューの選択を受け付け、特定の食事メニューの発注を示す発注指示または特定の食事メニューの調理手順のうち、少なくともいずれかをさらに出力する入出力ステップと、を含む。
【0113】
このようなカロリー管理方法は、ユーザ10の体重を取得し、取得した体重に基づいてカロリーの観点からユーザ10に推奨される食事メニューが出力される。さらに、ユーザ10による食事メニューの選択によって当該食事メニューが示す食事の発注または調理手順の表示を行うことができる。ユーザ10自身がカロリー計算等の煩雑な処理を行うことなく、食事メニューが出力される。さらに、出力された食事メニューの中からユーザ10が選択した食事メニューを入手する、または入手を補助するための動作が実施される。ユーザ10は、出力された食事メニューの中から所望の食事メニューを選択する操作を行うのみで、カロリーの観点で自身に適した食事を容易に入手でき、入手した食事を喫食するのみで、食生活が改善される。よって、ユーザ10は、カロリー管理システム100を使用すれば、簡易に食生活を改善することができる。
【0114】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0115】
例えば、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0116】
また、上記実施の形態において、入出力部などの各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0117】
また、入出力部などの各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0118】
また、本開示の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0119】
例えば、本開示は、ユーザの体重を取得して体重に基づくカロリー管理がなされた食事メニューを出力する構成であったが、さらに体脂肪率、骨密度、および筋組成等のその他の測定に基づいてもよい。また、ユーザがカロリー管理システムを使用できない外部環境にある場合、外部環境において摂取したカロリーまたは食事メニューを手動で入力できてもよい。また、本開示におけるカロリー管理システムは、カロリー管理システムを構成する便器、シャワールームおよび洗面台等を含めた水廻りユニットとして実現されてもよい。また、便器または水廻りユニットと、当該便器または水廻りユニットが設けられた建物本体と、を備える建物として実現されてもよい。
【0120】
また、本開示は、コンピュータによって行われる情報の提示方法として実現されてもよいし、情報の提示方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、本開示は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0121】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【符号の説明】
【0122】
20、20a、20b、20c 記憶部
21 メニューデータベース
31、31a、31b 便器
32 取得部
33 分析部
35 入出力部
37 更新部
39 第2通信部
41 第1通信部
43 判定部
71 活動量計
81 撮像装置
100、100a、100b カロリー管理システム