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特許7394321路側機、車載器、通信システム、および通信方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】路側機、車載器、通信システム、および通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20231201BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
H04M11/00 302
G08G1/09 F
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020042246
(22)【出願日】2020-03-11
(65)【公開番号】P2021145225
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2022-08-12
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江上 晃弘
(72)【発明者】
【氏名】本塚 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】坂本 剛憲
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-271097(JP,A)
【文献】特開2010-176316(JP,A)
【文献】特開2019-101658(JP,A)
【文献】特開2015-230499(JP,A)
【文献】特開2017-224995(JP,A)
【文献】特開2013-027007(JP,A)
【文献】特開2003-046432(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 11/00
G08G 1/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載器から送信されるデータを受信し、サーバーに転送する通信部と、
前記サーバーとの通信を切断していない、前記データの前記サーバーへの転送中において、前記車載器から前記データのアップロード再開要求を前記通信部が受信した場合、前記サーバーへの前記アップロード再開要求の転送を保留する制御部と、
を有する路側機。
【請求項2】
前記制御部は、前記通信部を介して、前記サーバーから、前記データのデータ転送完了応答を受信した後、前記サーバーに前記アップロード再開要求を転送する、
請求項1に記載の路側機。
【請求項3】
前記制御部は、前記通信部を介して、前記サーバーから、前記データのアップロード済みのデータ量を示す情報を含む再アップロード情報を受信し、前記車載器に転送する、
請求項1に記載の路側機。
【請求項4】
前記制御部は、前記サーバーとの通信が切断し、タイムアウトした場合、前記通信部を介して前記サーバーに前記アップロード再開要求を転送する、
請求項1に記載の路側機。
【請求項5】
前記制御部は、前記アップロード再開要求の転送を保留した後、前記アップロード再開要求の転送を開始した場合であって、前記アップロード再開要求が前記サーバーに受信されない場合、前記通信部を介して前記車載器にエラー通知を送信する、
請求項1に記載の路側機。
【請求項6】
前記制御部は、前記アップロード再開要求の転送を保留した場合、前記車載器が送信する前記アップロード再開要求の送信間隔を制御する情報を、前記通信部を介して前記車載器に送信する、
請求項1に記載の路側機。
【請求項7】
データを受信し、サーバーに転送する転送部と、前記サーバーとの通信を切断していない、前記データの前記サーバーへの転送中において、車載器から前記データのアップロード再開要求を受信した場合、前記サーバーへの前記アップロード再開要求の転送を保留する制御部と、を有する路側機と通信する通信部と、
前記路側機との間の通信が切断した後、前記アップロード再開要求の送信間隔を、前記路側機との間の通信が切断する前より長く設定する制御部と、
を有する車載器。
【請求項8】
車載器と、路側機と、を有する通信システムにおいて、
前記車載器は、
データを送信する車載器通信部と、
前記データのアップロード再開要求を送信する車載器制御部と、
を有し、
前記路側機は、
前記データを受信し、サーバーに転送する路側機通信部と、
前記サーバーとの通信を切断していない、前記データの前記サーバーへの転送中において、前記データの前記アップロード再開要求を受信した場合、前記サーバーへの前記アップロード再開要求の転送を保留する路側機制御部と、
を有する、
通信システム。
【請求項9】
車載器から送信されるデータを受信し、
前記データをサーバーに転送し、
前記サーバーとの通信を切断していない、前記データの前記サーバーへの転送中において、前記車載器から前記データのアップロード再開要求を受信した場合、前記サーバーへの前記アップロード再開要求の転送を保留する、
通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、路側機、車載器、通信システム、および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両に搭載される車載器、道路に設置される路側機、およびサーバーといった装置間で情報の送受信を行う高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport Systems)の実用化が進められている。
【0003】
なお、特許文献1には、携帯電話機からWebサーバーへのアップロード途中に回線が切断された場合に、携帯電話から一度送信したデータの再送信を不要にする方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-271097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車載器と路側機との間の通信が切断した後、通信が回復し、車載器がデータの再アップロードを行う場合、通信が切断する前に車載器が路側機に送信したデータ量と、路側機がサーバーに転送したデータ量とが異なる場合がある。そのため、車載器のデータが、適切にサーバーにアップロードされないおそれがある。
【0006】
本開示の非限定的な実施例は、車載器のデータを適切にアップロードできる路側機の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施例に係る路側機は、車載器から送信されるデータを受信し、サーバーに転送する通信部と、前記データの前記サーバーへの転送中において、前記車載器から前記データのアップロード再開要求を前記通信部が受信した場合、前記サーバーへの前記アップロード再開要求の転送を保留する制御部と、を有する。
【0008】
本開示の一実施例に係る車載器は、データを受信し、サーバーに転送する転送部と、前記データの前記サーバーへの転送中において、車載器から前記データのアップロード再開要求を受信した場合、前記サーバーへの前記アップロード再開要求の転送を保留する制御部と、を有する路側機と通信する通信部と、前記路側機との間の通信が切断した後、前記アップロード再開要求の送信間隔を、前記路側機との間の通信が切断する前より長く設定する制御部と、を有する。
【0009】
本開示の一実施例に係る通信システムは、車載器と、路側機と、を有する通信システムにおいて、前記車載器は、データを送信する車載器通信部と、前記データのアップロード再開要求を送信する車載器制御部と、を有し、前記路側機は、前記データを受信し、サーバーに転送する路側機通信部と、前記データの前記サーバーへの転送中において、前記データの前記アップロード再開要求を受信した場合、前記サーバーへの前記アップロード再開要求の転送を保留する路側機制御部と、を有する。
【0010】
本開示の一実施例に係る通信方法は、車載器から送信されるデータを受信し、前記データをサーバーに転送し、前記データの前記サーバーへの転送中において、前記車載器から前記データのアップロード再開要求を受信した場合、前記サーバーへの前記アップロード再開要求の転送を保留する。
【0011】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータープログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータープログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本開示の一実施例によれば、車載器のデータを適切にアップロードできる。
【0013】
本開示の一実施例における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の実施の形態に係る通信システムの構成例を示した図
図2】車載器のブロック構成の一例を示した図
図3】路側機のブロック構成の一例を示した図
図4】サーバーのブロック構成の一例を示した図
図5】通信システムの動作例を示したシーケンス図
図6】路側機の動作例を示したフローチャート
図7A図1の通信システムの動作例を示したシーケンス図
図7B図1の通信システムの動作例を示したシーケンス図
図8A図1の通信システムの動作例を示したシーケンス図
図8B図1の通信システムの動作例を示したシーケンス図
図9A図1の通信システムの動作例を示したシーケンス図
図9B図1の通信システムの動作例を示したシーケンス図
図10A図1の通信システムの動作例を示したシーケンス図
図10B図1の通信システムの動作例を示したシーケンス図
図11図1の通信システムの動作例を示したシーケンス図
図12図1の通信システムの動作例を示したシーケンス図
図13A図1の通信システムの動作例を示したシーケンス図
図13B図1の通信システムの動作例を示したシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0016】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0017】
図1は、本開示の実施の形態に係る通信システムの構成例を示した図である。図1に示すように、通信システムは、車載器1と、路側機2と、サーバー3と、を有する。
【0018】
車載器1は、例えば、自動車および自動2輪車といった車両に搭載される。車載器1は、路側機2と無線通信する。
【0019】
車載器1は、各種センサを備える。車載器1は、各種センサを用いて収集したデータを路側機2に送信する。例えば、車載器1は、カメラの画像データ、GPS(Global Positioning System)を用いて取得した位置データ、およびレーダーのデータを、路側機2に送信する。
【0020】
路側機2は、例えば、信号機、街路灯、又は電柱といった構造物に設置される。路側機2は、例えば、車両が通過する道路上および交差点に通信エリアを形成する。路側機2は、通信エリア内の車載器1と無線通信し、車載器1から送信されたデータを、サーバー3に転送する。また、路側機2は、サーバー3から受信したデータを、路側機2に転送する。転送は、送信と称されてもよい。
【0021】
路側機2は、ネットワーク4を介して、サーバー3に接続される。ネットワーク4は、例えば、インターネットであってもよい。ネットワーク4には、無線ネットワークが含まれてもよい。
【0022】
サーバー3は、路側機2と通信する。また、サーバー3は、路側機2を介して車載器1と通信する。サーバー3は、車載器1からアップロードされる様々なデータを収集し、記憶装置に記憶する。サーバー3は、記憶装置に記憶した様々なデータを処理し、処理結果を車載器1に送信する。アップロードは、送信と称されてもよい。
【0023】
なお、車載器1、路側機2、およびサーバー3の数は、図1の例に限定されない。
【0024】
また、例えば、1つの交差点に複数の路側機2が設置されてもよい。また、1台の路側機2は、複数の交差点に対し、通信エリアを形成してもよい。
【0025】
図2は、車載器1のブロック構成の一例を示した図である。図2に示すように、車載器1は、通信装置11と、CPU(Central Processing Unit)12と、記憶装置13と、センサデバイス14と、を有する。
【0026】
通信装置11は、路側機2と無線通信する。通信装置11は、例えば、WiGig(Wireless Gigabit)に基づいて、路側機2と無線通信する。また、通信装置11は、DSRC(Dedicated Short Range Communication)やC-V2X(Cellular-V2X)、無線LAN(Local Area Network)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、4G(4th Generation)、または5G(5th Generation)に基づいて、路側機2と無線通信してもよい。通信装置11は、通信部と称されてもよい。
【0027】
CPU12は、車載器1全体を制御する。CPU12は、制御部と称されてもよい。CPU12は、センサデバイス14から出力されるデータを、通信装置11を介して、路側機2に送信する。
【0028】
記憶装置13には、CPU12が動作するためのプログラムが記憶される。また、記憶装置13には、CPU12が計算処理を行うためのデータ、または、CPU12が各部を制御するためのデータ等が記憶される。記憶装置13は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、およびHDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置によって構成されてもよい。
【0029】
センサデバイス14は、例えば、カメラ、レーダー、LiDAR(Light Detection and Ranging)、ソナー、および超音波センサといったセンサデバイスである。センサデバイス14には、ECU(Electronic Control Unit)が含まれてもよい。
【0030】
なお、車載器1は、センサデバイス14を備えなくてもよい。センサデバイス14は、車両に備えられてもよい。
【0031】
図3は、路側機2のブロック構成の一例を示した図である。図3に示すように、路側機2は、通信装置21a,21bと、CPU22と、記憶装置23と、を有する。
【0032】
通信装置21aは、車載器1と無線通信する。通信装置11は、例えば、DSRCに基づいて、車載器1と無線通信する。通信装置21aは、通信部と称されてもよい。
【0033】
通信装置21bは、有線によって、サーバー3と通信する。通信装置21bは、無線によって、サーバー3と通信してもよい。なお、通信装置21bは、通信部と称されてもよい。
【0034】
CPU22は、路側機2全体を制御する。CPU22は、制御部と称されてもよい。CPU22は、通信装置21aが受信した車載器1のデータを、通信装置21bを介して、サーバー3に送信する。CPU22は、通信装置21bが受信したサーバー3のデータを、通信装置21aを介して、車載器1に送信する。
【0035】
記憶装置23には、CPU22が動作するためのプログラムが記憶される。また、記憶装置23には、CPU22が計算処理を行うためのデータ、または、CPU22が各部を制御するためのデータ等が記憶される。記憶装置23は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、およびHDDといった記憶装置によって構成されてもよい。なお、記憶装置23は、通信装置21aが受信した車載器1のデータ、通信装置21bが受信したサーバー3のデータを蓄積してもよい。
【0036】
図4は、サーバー3のブロック構成の一例を示した図である。図4に示すように、サーバー3は、通信装置31と、CPU32と、記憶装置33と、を有する。
【0037】
通信装置31は、有線によって、路側機2と通信する。なお、通信装置31は、例えば、無線LAN、WiMAX、4G、または5Gを用いた無線ネットワークを介して、路側機2と通信してもよい。また、通信装置31は、通信部と称されてもよい。
【0038】
CPU32は、サーバー3全体を制御する。CPU32は、制御部と称されてもよい。CPU32は、通信装置31が受信した路側機2(車載器1)のデータを、記憶装置33に記憶する。CPU32は、記憶装置33に記憶したデータを用いて処理した処理結果を、通信装置31を介して、路側機2に送信する。
【0039】
記憶装置33には、CPU32が動作するためのプログラムが記憶される。また、記憶装置33には、CPU32が計算処理を行うためのデータ、または、CPU32が各部を制御するためのデータ等が記憶される。また、記憶装置33には、車載器1から送信されたデータが記憶される。車載器1のデータを記憶する記憶装置33は、データベースと称されてもよい。記憶装置33は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、およびHDDといった記憶装置によって構成されてもよい。
【0040】
図5は、通信システムの動作例を示したシーケンス図である。車載器は、路側機に対し、アップロード要求を送信する(S1)。
【0041】
路側機は、S1のアップロード要求を、サーバーに転送する(S2)。
【0042】
サーバーは、S2のアップロード要求の受信に応じて、路側機にアップロード承認を送信する(S3)。アップロード承認には、サーバーが付与した識別情報が含まれてもよい。識別情報とは、車載器からアップロードされるデータを識別する情報である。
【0043】
路側機は、S3にて送信されたアップロード承認を受信する。路側機は、受信したアップロード承認に含まれる識別情報を登録(記憶装置に記憶)し、識別情報を含むアップロード承認を車載器に転送する(S4)。
【0044】
なお、路側機は、識別情報ごとに、車載器から受信したデータ量を管理する。すなわち、路側機は、車載器から受信したデータを通信セッションごとに区別し、通信セッションごとにデータ量を管理する。なお、通信セッションとは、通信の開始から終了までを管理する1つの単位である。例えば、本実施の形態では、路側機が車載器に対して識別情報を付与したアップロード承認を送付してから(図5のS4、図7AのS44)、路側機が車載器に対して同一の識別情報で管理されるデータのアップロードが完了することを示すアップロード完了応答(図7BのS58)までの単位である。
【0045】
車載器は、S4のアップロード承認の受信に応じて、データを路側機に転送(アップロード)する(S5)。
【0046】
路側機は、路側機がアップロードしたデータを受信し、サーバーに転送(転送を開始)する(S6)。
【0047】
車載器は、データ転送を完了する(S7)。
【0048】
なお、車載器がデータ転送を完了した時点では、路側機とサーバーとの間のデータ転送は、完了していない。例えば、図5に示すように、路側機とサーバーとの通信速度が、車載器と路側機との間の通信速度より遅い場合、車載器のアップロードは完了し、路側機のアップロード(転送)が完了しない場合が生じる。
【0049】
ここで、車載器がS7のデータ転送完了に対する応答(データ転送完了応答)を受信しないまま、車載器が路側機との間の無線通信が切断する。車載器は、無線通信の切断中に、データ転送処理をタイムアウトする。車載器は、データ転送処理をタイムアウトした場合、アップロード再開要求を路側機に送信するが、無線通信が切断中のため、アップロード再開要求を送信しない。
【0050】
車載器は、車載器と路側機との間の無線通信が回復した後、アップロード再開要求を路側機に送信する(S8)。アップロード再開要求には、S4にて送信された識別情報が含まれる。
【0051】
路側機は、S8にて送信されたアップロード再開要求を受信する。路側機は、受信したアップロード再開要求に含まれる識別情報に対応する車載器からデータ転送されたデータにおける、受信済みのデータ量を記憶装置23から取得する。
【0052】
例えば、車載器は、S7のデータ転送完了において、Nバイトのデータを路側機に送信したとする。この場合、路側機は、受信済みデータ量の情報として、Nバイトの情報を取得する。
【0053】
路側機は、S8のアップロード再開要求の受信に応じて、再アップロード情報を車載器に送信する(S9)。再アップロード情報には、受信済みのデータ量が含まれる。例えば、上記例の場合、再アップロード情報には、Nバイトの情報が含まれる。
【0054】
S6のデータ転送開始後、路側機とサーバーとの間のネットワークに障害が発生する(S10)。路側機は、ネットワークに障害が発生した時点において、車載器のデータ転送を完了していないとする。例えば、路側機は、ネットワークに障害が発生した時点において、車載器から受信したデータを、Mバイト(M<N)サーバーに転送したとする。
【0055】
図5のシーケンスでは、路側機は、S8のアップロード再開要求を受信した場合、Nバイトの受信済みデータ量の情報を含む再アップロード情報を車載器に送信する(S9)。車載器は、S9の再アップロード情報を受信した後、N+1バイト目のデータからアップロードを再開してもよい(図示無し)。
【0056】
一方、路側機は、サーバーに、Mバイトのデータを転送しているが、サーバーに転送されないデータも存在する。例えば、図5のシーケンスでは、“N-M”バイトの、サーバーに転送されないデータが存在する。例えば、路側機とサーバーとの通信速度が、車載器と路側機との間の通信速度より遅い場合、サーバーに転送されないデータが発生し得る。
【0057】
図1に示した通信システムは、車載器1のデータを適切にサーバー3に再アップロードするために以下の動作を行う。
【0058】
図6は、路側機2の動作例を示したフローチャートである。車載器1を搭載した車両が、路側機2の通信エリアに進入することで、動作が開始される。なお、車載器1は、サーバー3にアップロードするデータを有する。
【0059】
路側機2は、車載器1と無線通信の接続を行い、車載器1からアップロード要求を受信する(S21)。
【0060】
なお、路側機2は、車載器1から受信したアップロード要求を、サーバー3に転送する。サーバー3は、路側機2のアプロード要求を受信した場合、識別情報を路側機2に送信する。識別情報には、車載器1からサーバー3にアップロードされるデータのデータサイズが含まれる。路側機2は、サーバー3から送信された識別情報を登録し(記憶装置23に記憶し)、車載器1に送信する。
【0061】
路側機2は、車載器1から受信した通信リクエストが、データのアップロードであるか、または、アップロード再開要求であるかを判定する(S22)。
【0062】
路側機2は、S22にて、車載器1から受信した通信リクエストが、データのアップロードと判定した場合(S22の「データ」)、車載器1からのアップロードデータの受信が終了したか否かを判定する(S23)。
【0063】
なお、車載器1からのデータ受信の終了には、車載器1からの全てのデータの受信が完了した場合が含まれてもよい。また、車載器1からのデータ受信の終了には、例えば、無線通信の切断によって、車載器1からのデータ受信が中断した場合が含まれてもよい。
【0064】
路側機2は、S23にて、車載器1からのデータ受信が終了していないと判定した場合(S23の「No」)、S23の処理を繰り返す。
【0065】
路側機2は、S23にて、車載器1からのデータ受信が終了したと判定した場合(S23の「Yes」)、車載器1からアップロード再開要求を受信したか否かを判定する(S24)。
【0066】
路側機2は、S24にて、車載器1からアップロード再開要求を受信したと判定した場合(S24の「Yes」)、アップロード再開要求のサーバー3への転送を保留する(S25)。
【0067】
路側機2は、S24にて、車載器1からアップロード再開要求を受信していないと判定した場合(S24の「No」)、または、S25にて、アップロード再開要求のサーバー3への転送を保留した場合、サーバー3へのアップロードデータの転送が終了したか否かを判定する(S26)。
【0068】
なお、サーバー3へのデータ転送の終了には、路側機2による全てのデータの転送が完了した場合が含まれてもよい。また、サーバー3へのデータ転送の終了には、例えば、ネットワーク4の通信切断によって、路側機2によるデータ転送が中断した場合が含まれてもよい。
【0069】
路側機2は、S26にて、サーバー3へのデータ転送が終了していないと判定した場合(S26の「No」)、処理をS24に移行する。
【0070】
路側機2は、S26にて、サーバー3へのデータ転送が終了したと判定した場合(S26の「Yes」)、サーバー3へのデータ転送を終了する(S27)。
【0071】
なお、サーバー3は、車載器1のデータ受信(アップロード)を完了した場合、路側機2を介して、レスポンスを車載器1に送信してもよい。レスポンスは、例えば、HTTP(HyperText Transfer Protocol)のステータスコードの200番に準拠してもよい。
【0072】
路側機2は、アップロード再開要求の転送を保留しているか否かを判定する(S28)。
【0073】
路側機2は、S28にて、アップロード再開要求の転送を保留していると判定した場合(S28の「Yes」)、アップロード再開要求をサーバー3に転送し、サーバー3から、アップロード再開要求に対するレスポンスを受信する(S29)。また、路側機2は、S22にて、車載器1から受信した通信リクエストが、アップロード再開要求と判定した場合(S22の「アップロード再開要求」)、アップロード再開要求をサーバー3に転送し、サーバー3から、アップロード再開要求に対するレスポンスを受信する(S29)。
【0074】
なお、サーバー3のレスポンスは、例えば、HTTPのステータスコードの200番または100番に準拠してもよい。
【0075】
また、路側機2は、例えば、ネットワーク4の切断によって、サーバー3からレスポンスを受信しない場合、車載器1にHTTPのステータスコードの500番台に準拠するエラー通知を送信してもよい。
【0076】
路側機2は、S28にて、アップロード再開要求の転送を保留していないと判定した場合(S28の「No」)、識別情報に対応するデータが全てサーバー3に転送されたか否かを判定する(S30)。また、路側機2は、S29にて、サーバー3から、アップロード再開要求に対するレスポンスを受信した場合(S29)、識別情報に対応するデータが全てサーバー3に転送されたか否かを判定する(S30)。
【0077】
路側機2は、S30にて、識別情報に対応するデータが全てサーバー3に転送されていないと判定した場合(S30の「No」)、処理をS22に移行する。
【0078】
路側機2は、S30にて、識別情報に対応するデータが全てサーバー3に転送されたと判定した場合(S30の「Yes」)、当該フローチャートの処理を終了する。
【0079】
図7Aおよび図7Bは、図1の通信システムの動作例を示したシーケンス図である。図7Aに示すシーケンスは、図7Bのシーケンスに続く。図7Aおよび図7Bに示す点線枠の符号は、図6に示した符号の動作に対応する。例えば、図7Aおよび図7Bに示す点線枠S21は、図6に示したS21の動作に対応する。
【0080】
図7Aおよび図7Bに示すシーケンスは、車載器1から路側機2へのデータD1の第1ブロックのアップロードが完了した後、データD1の第2ブロックのアップロード時に、車載器1と路側機2との間の無線通信路に、無線通信の切断が発生した場合の動作例を示している(図7Bのハッチング部分を参照)。また、図7Aおよび図7Bに示すシーケンスは、路側機2が車載器1からアップロード再開要求を受信したとき、路側機2がサーバー3へデータ転送している場合の動作例を示している(図7BのS53を参照)。
【0081】
車載器1を搭載した車両は、路側機2の通信エリアに進入することで動作が開始される。なお、車載器1は、サーバー3にアップロードするデータを有する。
【0082】
車載器1は、路側機2と無線通信の接続を行い、路側機2に対し、データD1の第1ブロックのアップロード要求を送信する(S41)。
【0083】
路側機2は、S41のアップロード要求を、サーバー3に転送する(S42)。
【0084】
サーバー3は、S42のアップロード要求の受信に応じて、路側機2に対し、アップロード承認を送信する(S43)。
【0085】
路側機2は、S43のアップロード承認を、車載器1に転送する(S44)。
【0086】
なお、アップロード承認には、サーバー3が付与した識別情報が含まれる。識別情報とは、車載器1からアップロードされるデータを識別する情報である。識別情報には、アップロードされるデータの全体におけるデータサイズ(以下、ULデータサイズと称することがある)の情報が含まれる。
【0087】
また、車載器1は、サーバー3にアップロードするデータ(データD1)を複数のブロックに分割してサーバー3にアップロードしてもよいし、一括してサーバー3にアップロードしてもよい。車載器1が、データD1を複数のブロックに分割してサーバー3にアップロードする場合、分割されたブロックのデータは、共通の識別情報を有してもよいし、分割ブロックごとの識別情報(分割ブロックのデータサイズ)を含んでもよい。図7Aおよび図7Bのシーケンスでは、データD1を複数のブロックに分割してアップロードする例を示す。
【0088】
車載器1は、S44にて送信されたアップロード承認の受信に応じて、データの第1ブロックを路側機2に転送(アップロード)する(S45)。車載器1は、例えば、HTTP通信を用いて、データの第1ブロックをアップロードする。
【0089】
なお、S45からS48までは、車載器1と路側機2との間の無線通信路に、通信の切断が発生しなかった場合の第1ブロックのアップロード例が示してある。また、S45からS48までは、路側機2とサーバー3との間の通信回線に、通信の切断が発生しなかった場合の第1ブロックのアップロード例が示してある。
【0090】
路側機2は、S45にて転送されたデータの第1ブロックを、サーバー3に転送する(S46)。
【0091】
車載器1は、路側機2へのデータ転送を完了する(S47)。
【0092】
サーバー3は、受信したデータの第1ブロックのデータサイズが、HTTPヘッダに記載されたデータサイズ(第1ブロックのデータサイズ)と一致した場合、データ転送完了応答を路側機2に送信する(S48)。データ転送完了応答は、例えば、HTTPのステータスコードの200番に準拠してもよい。
【0093】
路側機2は、S48のデータ転送完了応答を、車載器1に転送する(S49)。
【0094】
なお、通信回線の通信速度は、無線通信路の通信速度より遅い。このため、通信回線におけるデータ転送を完了するまでの時間は、無線通信路におけるデータ転送を完了するまでの時間より長い(S45からS47までの時間と、S46からS48までの時間とを参照)。
【0095】
車載器1は、次のブロックとして、データの第2ブロックを転送(アップロード)する(S50)。車載器1は、例えば、HTTP通信を用いてデータの第2ブロックを転送する。
【0096】
路側機2は、S50にてアップロードされたデータの第2ブロックを、サーバー3に転送する(S51)。
【0097】
車載器1は、路側機2へのデータ転送を完了する(S52)。
【0098】
ここで、無線通信路における無線通信が切断する。例えば、車載器1が路側機2の通信エリア外に移動した場合、無線通信の切断が発生する。または、外乱の影響によって、無線通信の切断が発生する。
【0099】
車載器1は、無線通信が切断された後、再び、路側機2と無線通信の接続を行った場合、路側機2に対し、アップロード再開要求を送信する(S53)。アップロード再開要求には、サーバー3が付与した識別情報が含まれる。
【0100】
路側機2は、S53のアップロード再開要求を受信した場合、アップロード再開要求に含まれる識別情報に基づいて、対応するデータのサーバー3への転送状況を判定する。ここでは、識別情報に対応するデータは、第2ブロックの転送の途中であり、路側機2は、データ転送中と判定する。
【0101】
路側機2は、S53のアップロード再開要求を受信した場合であって、サーバー3へのデータ転送が途中の場合、S53のアップロード再開要求のサーバー3への転送を保留する。例えば、図7Bの点線枠S25に示す点線の両矢印に示すように、路側機2は、アップロード再開要求のサーバー3への転送を、所定の期間、保留する。
【0102】
なお、路側機2は、アップロード再開要求のサーバー3への転送保留中に、車載器1から再度アップロード再開要求を受信した場合、車載器1に対し、HTTPのステータスコードの102番に準拠するメッセージを送信してもよい。
【0103】
または、車載器1は、アップロード再開要求を送信するタイムアウト時間が或る時間より長く設定されてもよい。例えば、車載器1は、タイムアウト時間を標準設定される時間より長く設定されてもよい。
【0104】
サーバー3は、路側機2による第2ブロックのデータ転送が完了した場合、路側機2に対し、データ転送完了応答を送信する(S54)。例えば、サーバー3は、路側機2から受信したデータの第2ブロックのデータサイズが、データ転送のHTTPヘッダに記載されたデータサイズと一致した場合、路側機2に対し、データ転送完了応答を送信する。データ転送完了応答は、例えば、HTTPのステータスコードの200番に準拠してもよい。
【0105】
路側機2は、S55のデータ転送完了応答を、車載器1に転送する(S55)。
【0106】
路側機2は、車載器1から受信したデータ(第1ブロック、第2ブロック)を全て転送した後に(転送完了後に)、保留していたアップロード再開要求をサーバー3に転送する(S56)。アップロード再開要求には、サーバー3が付与したデータD1の識別情報が含まれる。
【0107】
サーバー3は、S56のアップロード再開要求を受信した場合、識別情報に対応するデータD1の、受信合計データサイズを取得する。受信合計データサイズは、サーバー3が識別情報ごとに管理する、路側機2から受信したデータの受信合計サイズである。
【0108】
サーバー3は、取得したデータD1の受信合計データサイズと、データD1のULデータサイズとを比較する。サーバー3は、データD1の受信合計データサイズがデータD1のULデータサイズに一致した場合、データD1のアップロード完了応答を路側機2に送信する(S57)。アップロード完了応答は、例えば、HTTPのステータスコードの200番に準拠してもよい。
【0109】
路側機2は、S57のアップロード完了応答を、車載器1に転送する(S58)。
【0110】
以上の処理によって、車載器1からサーバー3へのアップロード(データD1のアップロード)が完了する。
【0111】
続いて、車載器1は、サーバー3にアップロードするデータ(次のデータD2)を有する。
【0112】
車載器1は、路側機2に対し、データD2のアップロード要求を送信する(S59)。
【0113】
路側機2は、S59のデータD2のアップロード要求を、サーバー3に転送する(S60)。
【0114】
サーバー3は、S60のデータD2のアップロード要求の受信に応じて、路側機2に対し、データD2のアップロード承認を送信する(S61)。
【0115】
路側機2は、S61のデータD2のアップロード承認を、車載器1に転送する(S62)。
【0116】
車載器1は、S62にて送信されたデータD2のアップロード承認の受信に応じて、データD2を路側機2に転送する(S63)。
【0117】
なお、車載器1は、サーバー3にアップロードするデータ(データD2)を複数のブロックに分割してサーバー3にアップロードしてもよいし、一括してサーバー3にアップロードしてもよい。
【0118】
路側機2は、S63にて転送されたデータD2を、サーバー3に転送する(S64)。
【0119】
以上説明したように、路側機2の通信装置21aは、車載器1か送信されるデータを受信し、通信装置21bは、データをサーバー3に転送する。路側機2のCPU22は、データのサーバー3への転送中において、車載器1からデータのアップロード再開要求を受信した場合、サーバー3へのアップロード再開要求の転送を保留する。これにより、車載器1は、データを適切にアップロードできる。
【0120】
図8Aおよび図8Bは、図1の通信システムの動作例を示したシーケンス図である。図8Aに示すシーケンスは、図8Bのシーケンスに続く。図8Aおよび図8Bに示す点線枠の符号は、図6に示した符号の動作に対応する。例えば、図8Aおよび図8Bに示す点線枠S21は、図6に示したS21の動作に対応する。
【0121】
図8Aおよび図8Bに示すシーケンスは、車載器1から路側機2へのデータアップロードが完了する前(データ転送中)に、車載器1と路側機2との間の無線通信の切断が発生した場合の動作例を示している(図8Bのハッチング部分を参照)。また、図8Aおよび図8Bに示すシーケンスは、路側機2が車載器1からアップロード再開要求を受信したとき、路側機2がサーバー3へデータ転送している場合の動作例を示している(図8BのS53を参照)。
【0122】
図8Aに示すS41~S49の処理は、図7Aに示したS41~S49の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0123】
図8Bに示すように、車載器1は、次のブロックとして、データD1の第2ブロックを転送する(S71)。車載器1は、例えば、HTTP通信を用いてデータを転送する。
【0124】
路側機2は、S71にて転送されたデータD1の第2ブロックを、サーバー3に転送する(S72)。
【0125】
ここで、車載器1が第2ブロックのアップロードを完了する前(データ転送中)に、車載器1と路側機2との間の無線通信路の無線通信が切断する。例えば、車載器1が路側機2の通信エリア外に移動した場合、無線通信の切断が発生する。または、外乱の影響によって、無線通信の切断が発生する。無線通信の切断によって、データD1の第2ブロックのアップロードが中断する。
【0126】
車載器1は、無線通信が切断された後、再び、路側機2と無線通信の接続を行った場合、路側機2に対し、第2ブロックのアップロード再開要求を送信する(S73)。アップロード再開要求には、サーバー3が付与した識別情報が含まれる。
【0127】
路側機2は、S73のアップロード再開要求を受信した場合、識別情報に基づいて、対応するデータD1の第2ブロックのサーバー3への転送状況を判定する。ここでは、識別情報に対応するデータD1の第2ブロックは、転送途中であり、路側機2は、データ転送中と判定する。
【0128】
路側機2は、車載器1がデータD1の第2ブロックのアップロードを中断し、車載器1からアップロード再開要求を受信した場合において、データD1の第2ブロックのサーバー3へのデータ転送が途中の場合、S73のアップロード再開要求のサーバー3への転送を保留する。例えば、図8Bの点線枠S25に示す点線の両矢印に示すように、アップロード再開要求のサーバー3への転送を保留する。
【0129】
路側機2は、車載器1から受信したデータD1の第2ブロック(無線通信が切断する前に車載器1から受信したデータ)を全てサーバー3に転送した後に、サーバー3に対し、アップロード再開要求を送信する(S74)。アップロード再開要求には、サーバー3が付与したデータD1の第2ブロックに関する識別情報が含まれる。
【0130】
なお、路側機2は、アップロード再開要求のサーバー3への転送保留中に、車載器1から再度アップロード再開要求を受信した場合、車載器1に対し、HTTPのステータスコードの102番に準拠するメッセージを送信してもよい。
【0131】
または、車載器1は、アップロード再開要求を送信するタイムアウト時間が或る時間より長く設定されてもよい。例えば、車載器1は、タイムアウト時間を標準設定される時間より長く設定されてもよい。
【0132】
サーバー3は、S74のアップロード再開要求を受信した場合、識別情報に対応するデータD1の第2ブロックの受信合計データサイズを取得する。
【0133】
サーバー3は、取得したデータD1の第2ブロックの受信合計データサイズと、データD1の第2ブロックのULデータサイズとを比較する。車載器1は、データD1の第2ブロックのアップロードを途中で中断しているため、サーバー3は、データD1の第2ブロックの受信合計データサイズがデータD1の第2ブロックのULデータサイズ未満であると判定し、再アップロード情報を路側機2に送信する(S75)。再アップロード情報には、データD1の第2ブロックの受信合計データサイズの情報が含まれる。図8BのS75に示す「送信済バイト数:N」は、再アップロード情報に含まれるデータD1の第2ブロックの受信合計データサイズを示す。再アップロード情報は、例えば、HTTPのステータスコードの100番に準拠してもよい。
【0134】
路側機2は、S75の再アップロード情報を、車載器1に転送する(S76)。
【0135】
車載器1は、S76の再アップロード情報の受信に応じて、データ転送を再開する(S77)。車載器1は、再アップロード情報に含まれる受信合計データサイズの情報に基づいて、N+1バイト目のデータから、データD1の第2ブロックのデータ転送を再開する。
【0136】
路側機2は、S77にて転送されたデータを、サーバー3に転送する(S78)。
【0137】
サーバー3は、路側機2のアップロードが完了した場合、路側機2に対し、データ転送完了応答を送信する(S79)。
【0138】
路側機2は、S79のデータ転送完了応答を、車載器1に転送する(S80)。なお、図8Bでは、アップロード完了応答S57、S58は省略してもよい。
【0139】
以上説明したように、路側機2のCPU22は、サーバー3から、アップロード済みのデータ量を示す情報を含む再アップロード情報を受信し、車載器1に転送する。これにより、車載器1は、サーバー3にアップロードされなかったデータから、アップロードを再開でき、適切にデータをアップロードできる。
【0140】
図9Aおよび図9Bは、図1の通信システムの動作例を示したシーケンス図である。図9Aに示すシーケンスは、図9Bのシーケンスに続く。図9Aおよび図9Bに示す点線枠の符号は、図6に示した符号の動作に対応する。例えば、図9Aおよび図9Bに示す点線枠S21は、図6に示したS21の動作に対応する。
【0141】
図9Aおよび図9Bに示すシーケンスは、車載器1から路側機2へのデータ転送が完了した後、車載器1と路側機2との間の無線通信の切断が発生した場合の動作例を示している(図9Bの上側のハッチング部分を参照)。さらに、図9Aおよび図9Bに示すシーケンスは、路側機2が車載器1からアップロード再開要求を受信した後、路側機2がサーバー3へデータ転送している途中に、路側機2とサーバー3との間の通信回線が切断した場合の動作例を示している(図9Bの下側のハッチング部分S26を参照)。
【0142】
図9Aに示すS41~S49の処理は、図7Aに示したS41~S49の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0143】
図9Bに示すように、車載器1は、次のブロックとして、データD1の第2ブロックを転送(アップロード)する(S101)。車載器1は、例えば、HTTP通信を用いてデータを転送する。
【0144】
路側機2は、S101にてアップロードされたデータD1の第2ブロックを、サーバー3に転送する(S102)。
【0145】
車載器1は、路側機2へのデータ転送を完了する(S103)。
【0146】
ここで、車載器1と路側機2との間の無線通信路における無線通信が切断する。例えば、車載器1が路側機2の通信エリア外に移動した場合、無線通信の切断が発生する。または、外乱の影響によって、車載器1と路側機2との間の無線通信の切断が発生する。
【0147】
車載器1は、無線通信が切断された後、再び、路側機2と無線通信の接続を行った場合、路側機2に対し、アップロード再開要求を送信する(S104)。アップロード再開要求には、サーバー3が付与した識別情報が含まれる。
【0148】
路側機2は、S104のアップロード再開要求を受信した場合、識別情報に基づいて、対応するデータのサーバー3への転送状況を判定する。ここでは、識別情報に対応するデータは、転送途中であり、路側機2は、データ転送中と判定する。
【0149】
路側機2は、車載器1のS103のデータ転送完了後において、サーバー3へのデータ転送が途中の場合、S103のアップロード再開要求のサーバー3への転送を保留する。例えば、図9Bの点線枠S25に示す点線の両矢印に示すように、路側機2は、アップロード再開要求のサーバー3への転送を保留する。
【0150】
ここで、路側機2が、アップロード再開要求のサーバー3への転送を保留している間であって、かつ、路側機2が、車載器1のデータのアップロードを完了する前に、路側機2とサーバー3との間の通信回線が切断する(S26)。
【0151】
路側機2は、サーバー3との間の通信回線が切断している間に、アップロード再開要求の転送保留処理をタイムアウトし、アップロード再開要求の転送保留処理を停止する。路側機2は、転送保留処理の停止により、アップロード再開要求をサーバー3に転送する(図9Bの下側のハッチング部分S26を参照)。路側機2は、アップロード再開要求の送信が失敗した場合、一定間隔で繰り返しアップロード再開要求を転送してもよい。
【0152】
路側機2は、通信回線が回復した場合、アップロード再開要求をサーバー3に転送する(S105)。アップロード再開要求には、サーバー3が付与した識別情報が含まれる。
【0153】
サーバー3は、S105のアップロード再開要求を受信した場合、識別情報に対応するデータD1の、受信合計データサイズを取得する。
【0154】
サーバー3は、取得したデータD1の受信合計データサイズと、ULデータサイズとを比較する。通信回線の切断によって、路側機2からのデータD1のアップロードが途中で中断しているため、サーバー3は、データD1の受信合計データサイズがULデータサイズ未満であると判定し、再アップロード情報を路側機2に送信する(S106)。再アップロード情報には、データD1の受信合計データサイズの情報が含まれる。図9BのS106に示す「送信済バイト数:N」は、再アップロード情報に含まれるデータD1の受信合計データサイズを示す。再アップロード情報は、例えば、HTTPのステータスコードの100番に準拠してもよい。
【0155】
路側機2は、S106の再アップロード情報を、車載器1に転送する(S107)。
【0156】
車載器1は、S107の再アップロード情報の受信に応じて、データ転送を再開する(S108)。車載器1は、再アップロード情報に含まれる受信合計データサイズの情報に基づいて、N+1バイトのデータから、データ転送を再開する。
【0157】
路側機2は、S108にて転送されたデータを、サーバー3に転送する(S109)。
【0158】
サーバー3は、路側機2のアップロードが完了した場合、路側機2に対し、データ転送完了応答を送信する(S110)。
【0159】
路側機2は、S110のデータ転送完了応答を、車載器1に転送する(S111)。なお、図9Bでは、アップロード完了応答S57、S58は省略してもよい。
【0160】
以上説明したように、路側機2のCPU22は、サーバー3との通信が切断し、車載器1のアップロード再開要求の転送保留処理をタイムアウトした場合、車載器1のアップロード再開要求をサーバー3に転送する。これにより、サーバー3は、再アップロード情報を車載器1に送信でき、車載器1は、データを適切にアップロードできる。
【0161】
図10Aおよび図10Bは、図1の通信システムの動作例を示したシーケンス図である。図10Aに示すシーケンスは、図10Bのシーケンスに続く。図10Aおよび図10Bに示す点線枠の符号は、図6に示した符号の動作に対応する。例えば、図10Aおよび図10Bに示す点線枠のS21は、図6に示したS21の動作に対応する。
【0162】
図10Aおよび図10Bに示すシーケンスは、図9Aおよび図9Bに示したシーケンスに対し、路側機2とサーバー3との間の通信回線に切断が発生した後、路側機2がアップロード再開要求を所定回数送信しても、通信回線が回復しなかった場合の動作例を示している(図10Bの下側のハッチング部分を参照)。
【0163】
図10Aに示すS41~S49の処理は、図7Aに示したS41~S49の処理と同様であり、その説明を省略する。図10Bに示すS101~S104の処理は、図9Bに示したS101~S104の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0164】
ここで、路側機2が、アップロード再開要求のサーバー3への転送を保留している間であって、かつ、路側機2が、車載器1のデータのアップロードを完了する前に、路側機2とサーバー3との間の通信回線が切断する。
【0165】
路側機2は、サーバー3との間の通信回線が切断している間に、アップロード再開要求の転送保留処理をタイムアウトし、アップロード再開要求の転送保留処理を停止する。路側機2は、転送保留処理の停止により、アップロード再開要求をサーバー3に転送する(図10Bの下側のハッチング部分を参照)。路側機2は、アップロード再開要求の送信が失敗した場合、一定間隔で繰り返しアップロード再開要求を送信する。
【0166】
路側機2は、アップロード再開要求を所定回数(図10Bの例では3回)、サーバー3に転送しても、サーバー3からレスポンスを受信しなかった場合、車載器1に対し、エラー通知を送信する(S121)。エラー通知は、例えば、HTTPのステータスコードの500番台に準拠してもよい。
【0167】
車載器1は、S121のエラー通知の受信に応じて、路側機2に対し、アップロード再開要求を送信する(S122)。アップロード再開要求には、サーバー3が付与したデータD1の識別情報が含まれる。
【0168】
路側機2は、S122のアップロード再開要求の受信に応じて、サーバー3に対し、データD1のアップロード再開要求を転送する。
【0169】
ここで、路側機2とサーバー3との間の通信回線の切断は継続している。路側機2のアップロード再開要求の転送は失敗し、路側機2は、一定間隔で繰り返しアップロード再開要求を転送する。
【0170】
路側機2は、アップロード再開要求を所定回数(図10Bの例では3回)、サーバー3に転送しても、サーバー3からレスポンスを受信しなかった場合、車載器1に対し、エラー通知を送信する(S123)。
【0171】
車載器1は、S123のエラー通知の受信に応じて、路側機2に対し、アップロード再開要求を送信する(S124)。
【0172】
ここで、路側機2とサーバー3との間の通信回線が回復する。路側機2は、S124のアップロード再開要求を、サーバー3に転送する(S125)。路側機2のアップロード再開要求の転送は、成功する。
【0173】
サーバー3は、S125のアップロード再開要求を受信した場合、識別情報に対応するデータの、受信合計データサイズを取得する。
【0174】
サーバー3は、取得したデータD1の受信合計データサイズと、ULデータサイズとを比較する。通信回線の切断によって、路側機2からのデータD1のアップロードが途中で中断しているため、サーバー3は、データD1の受信合計データサイズがULデータサイズ未満であると判定し、再アップロード情報を路側機2に送信する(S126)。再アップロード情報には、データD1の受信合計データサイズの情報が含まれる。図10BのS126に示す「送信済バイト数:N」は、再アップロード情報に含まれるデータD1の受信合計データサイズを示す。再アップロード情報は、例えば、HTTPのステータスコードの100番に準拠してもよい。
【0175】
路側機2は、S126の再アップロード情報を、車載器1に転送する(S127)。
【0176】
なお、車載器1は、S127の再アップロード情報の受信に応じて、データ転送を再開する。車載器1は、再アップロード情報に含まれる受信合計データサイズの情報に基づいて、N+1バイトのデータから、データ転送を再開する。なお、図10Bでは、アップロード完了応答S57、S58は省略してもよい。
【0177】
以上説明したように、路側機2のCPU22は、アップロード再開要求の転送を保留した後、アップロード再開要求の転送を開始した場合であって、アップロード再開要求がサーバー3に受信されない場合、車載器1にエラー通知を送信する。これにより、車載器1は、アップロード再開要求を再び路側機2に送信でき、データを適切にアップロードできる。
【0178】
図11は、図1の通信システムの動作例を示したシーケンス図である。図11に示す点線枠の符号は、図6に示した符号の動作に対応する。例えば、図11に示す点線枠のS21は、図6に示したS21の動作に対応する。
【0179】
図11に示すシーケンスは、車載器1から路側機2へのデータD1の第2ブロックのデータアップロードが完了した後、車載器1と路側機2との間の無線通信路に、無線通信の切断が発生した場合の動作例を示している(図11のハッチング部分を参照)。また、図11に示すシーケンスは、路側機2がサーバー3からデータD1の第2ブロックのデータ転送完了応答を受信したときに、車載器1と路側機2との間の無線通信路に、無線通信の切断が発生した場合の動作例を示している(図11のハッチング部分を参照)。
【0180】
図11に示すS41~S49の処理は、図7Aに示したS41~S49の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0181】
図11に示すように、車載器1は、次のブロックとして、データD1の第2ブロックを転送する(S141)。車載器1は、例えば、HTTP通信を用いてデータを転送する。
【0182】
路側機2は、S141にて転送されたデータD1の第2ブロックを、サーバー3に転送する(S142)。
【0183】
車載器1は、路側機2へのデータ転送を完了する(S143)。
【0184】
ここで、車載器1と路側機2との間の無線通信路における無線通信が切断する。例えば、車載器1が路側機2の通信エリア外に移動した場合、無線通信の切断が発生する。または、外乱の影響によって、車載器1と路側機2との間の無線通信の切断が発生する。なお、路側機2は、車載器1から受信したデータD1の第2ブロックのサーバー3への転送を継続する。
【0185】
サーバー3は、路側機2のデータ転送が完了した場合、路側機2に対し、データ転送完了応答を送信する(S144)。例えば、サーバー3は、路側機2から受信したデータD1のデータサイズが、データ転送のHTTPヘッダに記載されたデータサイズと一致した場合、路側機2に対し、データ転送完了応答を送信する。データ転送完了応答は、例えば、HTTPのステータスコードの200番に準拠してもよい。
【0186】
ここで、車載器1と路側機2との間の無線通信が切断しているので、路側機2は、S144のデータ転送完了応答を、車載器1に転送するが、無線通信の切断によって転送が失敗する。
【0187】
車載器1は、車載器1と路側機2との間の無線通信が回復した場合であって、サーバー3からデータ転送完了応答を受信していない場合、路側機2に対し、アップロード再開要求を送信する(S145)。
【0188】
路側機2は、S145のアップロード再開要求を、サーバー3に転送する(S146)。路側機2は、データD1の第2ブロックのデータ転送を完了しているので、アップロード再開要求を保留することなくサーバー3に転送する。
【0189】
サーバー3は、S146のアップロード再開要求を受信した場合、識別情報に対応するデータD1の、受信合計データサイズを取得する。
【0190】
サーバー3は、取得したデータD1の受信合計データサイズと、ULデータサイズとを比較する。サーバー3は、データD1の受信合計データサイズがULデータサイズに一致した場合、アップロード完了応答を路側機2に送信する(S147)。アップロード完了応答は、例えば、HTTPのステータスコードの200番に準拠してもよい。
【0191】
路側機2は、S147のアップロード完了応答の受信に応じて、車載器1に対し、アップロード完了応答を送信する(S148)。
【0192】
以上説明したように、車載器1のCPU11は、データ転送を完了した後、路側機2との無線通信が切断し、サーバー3からデータ転送完了応答を受信しなかった場合、路側機2との無線通信が回復した後、アップロード再開要求をサーバー3に送信する。これにより、車載器1は、データD1を適切にアップロードできる。
【0193】
図12は、図1の通信システムの動作例を示したシーケンス図である。図12に示す点線枠の符号は、図6に示した符号の動作に対応する。例えば、図12に示す点線枠のS21は、図6に示したS21の動作に対応する。
【0194】
図12に示すシーケンスは、車載器1から路側機2へのデータ転送が完了する前(データ転送中)に、車載器1と路側機2との間の無線通信路に、無線通信の切断が発生した場合の動作例を示している(図12のハッチング部分を参照)。また、図12に示すシーケンスは、車載器1から路側機2へのデータ転送が完了する前に、車載器1と路側機2との間の無線通信路に、無線通信の切断が発生したため、車載器1からサーバー3へのデータ転送が中断した場合の動作例を示している(図12のハッチング部分を参照)。
【0195】
図12に示すS41~S49の処理は、図7Aに示したS41~S49の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0196】
図12に示すように、車載器1は、次のブロックのデータを転送する(S151)。車載器1は、例えば、HTTP通信を用いてデータを転送する。
【0197】
路側機2は、S151にて転送されたデータを、サーバー3に転送する(S152)。
【0198】
ここで、次のブロックのデータ転送を完了する前(データ転送中)に、車載器1と路側機2との間の無線通信路の無線通信が切断する。例えば、車載器1が路側機2の通信エリア外に移動した場合、車載器1と路側機2との間の無線通信の切断が発生する。または、外乱の影響によって、車載器1と路側機2との間の無線通信の切断が発生する。
【0199】
無線通信の切断によって、車載器1における、データD1の第2ブロックのアップロード(データ転送)が中断する。路側機2は、車載器1と路側機2との間の無線通信が回復するまでの間に、車載器1から受信したデータを、サーバー3に転送する。
【0200】
車載器1は、無線通信が切断された後、再び、路側機2と無線通信の接続を行った場合、路側機2に対し、アップロード再開要求を送信する(S153)。アップロード再開要求には、サーバー3が付与した識別情報が含まれる。
【0201】
路側機2は、S153のアップロード再開要求を、サーバー3に転送する(S154)。アップロード再開要求には、サーバー3が付与したデータD1の識別情報が含まれる。
【0202】
なお、路側機2は、車載器1からアップロード再開要求を受信したとき、車載器1から受信したデータ(無線通信路の無線通信が切断する前に受信したデータD1の第2ブロック)をすべてサーバー3に転送していた場合、アップロード再開要求のサーバー3への転送を保留しない。
【0203】
サーバー3は、S154のアップロード再開要求を受信した場合、識別情報に対応するデータD1の、受信合計データサイズを取得する。
【0204】
サーバー3は、取得したデータD1の受信合計データサイズと、ULデータサイズとを比較する。車載器1は、無線通信路の無線通信の切断によって、データD1の第2ブロックのアップロードを途中で中断しているため、サーバー3は、データD1の受信合計データサイズがULデータサイズ未満であると判定し、再アップロード情報を路側機2に送信する(S155)。再アップロード情報には、データD1の受信合計データサイズの情報が含まれる。図12のS155に示す「送信済バイト数:N」は、再アップロード情報に含まれるデータD1の受信合計データサイズを示す。再アップロード情報は、例えば、HTTPのステータスコードの100番に準拠してもよい。
【0205】
路側機2は、S155の再アップロード情報を、車載器1に転送する(S156)。
【0206】
車載器1は、S156の再アップロード情報の受信に応じて、データ転送を再開する(S157)。車載器1は、再アップロード情報に含まれる受信合計データサイズの情報に基づいて、N+1バイトのデータから、データ転送を再開する。
【0207】
路側機2は、S157にて転送されたデータを、サーバー3に転送する(S158)。
【0208】
サーバー3は、路側機2のアップロードが完了した場合、路側機2に対し、データ転送完了応答を送信する(S159)。
【0209】
路側機2は、S159のデータ転送完了応答を、車載器1に転送する(S160)。なお、図12では、アップロード完了応答S57、S58は省略してもよい。
【0210】
以上説明したように、車載器1のCPU11は、データ転送を完了する前に、路側機2との無線通信が切断し、サーバー3から再アップロード情報を受信しなかった場合、路側機2との無線通信が回復した後、アップロード再開要求をサーバー3に送信する。サーバー3のCPU31は、車載器1からのアップロード再開要求に応じて、再アップロード情報を車載器1に送信する。これにより、車載器1は、データを適切にアップロードできる。
【0211】
図13Aおよび図13Bは、図1の通信システムの動作例を示したシーケンス図である。図13Aに示すシーケンスは、図13Bのシーケンスに続く。図13Aおよび図13Bに示す点線枠の符号は、図6に示した符号の動作に対応する。例えば、図13Aおよび図13Bに示す点線枠S21は、図6に示したS21の動作に対応する。
【0212】
図13Aおよび図13Bに示すシーケンスは、車載器1から路側機2へのデータ転送が完了した後、車載器1と路側機2との間の無線通信の切断が発生した場合の動作例を示している(図13Bの左側のハッチング部分を参照)。また、図13Aおよび図13Bに示すシーケンスは、路側機2からサーバー3へのデータ転送が完了する前に、路側機2とサーバー3との間の通信回線に、通信の切断が発生した場合の動作例を示している(図13の右側のハッチング部分S26を参照)。また、図13Aおよび図13Bのシーケンスは、車載器1と路側機2との間の無線通信、および、路側機2とサーバー3との間の通信が回復した後に、車載器1がアップロード再開要求を送信する場合の動作例が示してある。
【0213】
図13Aに示すS41~S49の処理は、図7Aに示したS41~S49の処理と同様であり、その説明を省略する。
【0214】
図13Bに示すように、車載器1は、次のブロックとしてデータD1の第2ブロックを転送する(S171)。車載器1は、例えば、HTTP通信を用いてデータを転送する。
【0215】
路側機2は、S171にて転送されたデータD1の第2ブロックを、サーバー3に転送する(S172)。
【0216】
車載器1は、路側機2へのデータ転送を完了する(S173)。
【0217】
ここで、車載器1と路側機2との間の無線通信路における無線通信が切断する。例えば、車載器1が路側機2の通信エリア外に移動した場合、無線通信の切断が発生する。または、外乱の影響によって、車載器1と路側機2との間の無線通信の切断が発生する。
【0218】
また、路側機2が、車載器1のデータをサーバー3に転送している途中に、路側機2とサーバー3との間の通信回線の切断が発生している。路側機2は、車載器1のデータの転送を完了する前にタイムアウトする。すなわち、路側機2は、車載器1のデータ転送を途中で中断する。
【0219】
車載器1は、無線通信が切断された後、再び、路側機2と無線通信の接続を行った場合、路側機2に対し、アップロード再開要求を送信する(S174)。アップロード再開要求には、サーバー3が付与したデータD1の識別情報が含まれる。
【0220】
路側機2は、S174のアップロード再開要求の受信に応じて、サーバー3に対し、アップロード再開要求を送信する(S175)。アップロード再開要求には、サーバー3が付与したデータD1の識別情報が含まれる。
【0221】
なお、路側機2は、S175のアップロード再開要求を受信したとき、車載器1のデータのサーバー3への転送処理を終了(タイムアウト)しているため、アップロード再開要求のサーバー3への転送を保留しなくてよい。
【0222】
サーバー3は、S175のアップロード再開要求を受信した場合、識別情報に対応するデータD1の、受信合計データサイズを取得する。
【0223】
サーバー3は、取得したデータD1受信合計データサイズと、ULデータサイズとを比較する。路側機2は、路側機2とサーバー3との間の通信切断によって、データD1のアップロードを途中で中断しているため、サーバー3は、データD1受信合計データサイズがULデータサイズ未満であると判定し、再アップロード情報を路側機2に送信する(S176)。再アップロード情報には、データD1受信合計データサイズの情報が含まれる。図13BのS176に示す「送信済バイト数:N」は、再アップロード情報に含まれる受信合計データサイズを示す。再アップロード情報は、例えば、HTTPのステータスコードの100番に準拠してもよい。
【0224】
路側機2は、S176の再アップロード情報を、車載器1に転送する(S177)。
【0225】
車載器1は、S177の再アップロード情報の受信に応じて、データ転送を再開する(S178)。車載器1は、再アップロード情報に含まれるデータD1受信合計データサイズの情報に基づいて、N+1バイトのデータから、データ転送を再開する。
【0226】
路側機2は、S178にて転送されたデータD1の第2ブロックを、サーバー3に転送する(S179)。
【0227】
サーバー3は、路側機2のアップロードが完了した場合、路側機2に対し、データ転送完了応答を送信する(S180)。
【0228】
路側機2は、S180のデータ転送完了応答を、車載器1に転送する(S181)。なお、図13Bでは、アップロード完了応答S57、S58は省略してもよい。
【0229】
以上説明したように、車載器1のCPU11は、データ転送を完了した後、路側機2との無線通信が切断し、サーバー3からデータ転送完了応答を受信しなかった場合、路側機2との無線通信が回復した後、アップロード再開要求をサーバー3に送信する。サーバー3のCPU33は、車載器1のアップロードが完了していない場合、受信合計データサイズの情報を含む再アップロード情報を車載器1に送信する。これにより、車載器1は、データを適切にアップロードできる。
【0230】
(変形例1)
路側機2のCPU22は、アップロード再開要求の転送を保留した場合、車載器1が送信するアップロード再開要求の送信間隔を制御する情報を車載器1に送信してもよい。例えば、CPU22は、アップロード再開要求の転送保留後における車載器1のアップロード再開要求の送信間隔を、転送保留前の送信間隔より長くしてもよい。これにより、路側機2がアップロード再開要求の転送を保留している間に、車載器1が頻繁にアップロード再開要求を路側機2に送信することを抑制できる。
【0231】
(変形例2)
車載器1のCPU21は、路側機2との間の通信が切断した後、アップロード再開要求の送信間隔を路側機2との間の通信が切断する前より長く設定してもよい。これにより、路側機2がアップロード再開要求の転送を保留している間に、車載器1が頻繁にアップロード再開要求を路側機2に送信することを抑制できる。なお、CPU21は、路側機2との間の通信が回復した場合、アップロード再開要求の送信間隔を元に戻してもよい。
【0232】
上述の実施の形態においては、各構成要素に用いる「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
【0233】
以上、図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかである。そのような変更例または修正例についても、本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態における各構成要素は任意に組み合わされてよい。
【0234】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0235】
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
【0236】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0237】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置は無線送受信機(トランシーバー)と処理/制御回路を含んでもよい。無線送受信機は受信部と送信部、またはそれらを機能として、含んでもよい。無線送受信機(送信部、受信部)は、RF(Radio Frequency)モジュールと1または複数のアンテナを含んでもよい。RFモジュールは、増幅器、RF変調器/復調器、またはそれらに類するものを含んでもよい。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0238】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0239】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0240】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサ等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサが含まれる。
【0241】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【0242】
(本開示のまとめ)
本開示に係る路側機は、車載器から送信されるデータを受信し、サーバーに転送する通信部と、前記データの前記サーバーへの転送中において、前記車載器から前記データのアップロード再開要求を前記通信部が受信した場合、前記サーバーへの前記アップロード再開要求の転送を保留する制御部と、を有する。
【0243】
本開示に係る路側機において、前記制御部は、前記通信部を介して、前記サーバーから、前記データのデータ転送完了応答を受信した後、前記サーバーに前記アップロード再開要求を転送する。
【0244】
本開示に係る路側機において、前記制御部は、前記通信部を介して、前記サーバーから、前記データのアップロード済みのデータ量を示す情報を含む再アップロード情報を受信し、前記車載器に転送する。
【0245】
本開示に係る路側機において、前記制御部は、前記サーバーとの通信が切断し、タイムアウトした場合、前記通信部を介して前記サーバーに前記アップロード再開要求を転送する。
【0246】
本開示に係る路側機において、前記制御部は、前記アップロード再開要求の転送を保留した後、前記アップロード再開要求の転送を開始した場合であって、前記アップロード再開要求が前記サーバーに受信されない場合、前記通信部を介して前記車載器にエラー通知を送信する。
【0247】
本開示に係る路側機において、前記制御部は、前記アップロード再開要求の転送を保留した場合、前記車載器が送信する前記アップロード再開要求の送信間隔を制御する情報を、前記通信部を介して前記車載器に送信する。
【0248】
本開示に係る車載器は、データを受信し、サーバーに転送する転送部と、前記データの前記サーバーへの転送中において、車載器から前記データのアップロード再開要求を受信した場合、前記サーバーへの前記アップロード再開要求の転送を保留する制御部と、を有する路側機と通信する通信部と、前記路側機との間の通信が切断した後、前記アップロード再開要求の送信間隔を、前記路側機との間の通信が切断する前より長く設定する制御部と、を有する。
【0249】
本開示に係る通信システムは、車載器と、路側機と、を有し、前記車載器は、データを送信する車載器通信部と、前記データのアップロード再開要求を送信する車載器制御部と、を有し、前記路側機は、前記データを受信し、サーバーに転送する路側機通信部と、前記データの前記サーバーへの転送中において、前記データの前記アップロード再開要求を受信した場合、前記サーバーへの前記アップロード再開要求の転送を保留する路側機制御部と、を有する。
【0250】
本開示に係る通信方法は、車載器から送信されるデータを受信し、前記データをサーバーに転送し、前記データの前記サーバーへの転送中において、前記車載器から前記データのアップロード再開要求を受信した場合、前記サーバーへの前記アップロード再開要求の転送を保留する。
【産業上の利用可能性】
【0251】
本開示は、車載器のデータをサーバーにアップロードする通信システムに有用である。
【符号の説明】
【0252】
1 車載器
2 路側機
3 サーバー
4 ネットワーク
11,21a,21b,31 通信装置
12,22,32 CPU
13,23,33 記憶装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13A
図13B