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特許7394343芯材位置決め治具及びこれを備えた芯材接合装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】芯材位置決め治具及びこれを備えた芯材接合装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/70 20060101AFI20231201BHJP
   E06B 3/72 20060101ALI20231201BHJP
   B27M 1/08 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
E06B3/70 H
E06B3/72
B27M1/08 F
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020077553
(22)【出願日】2020-04-24
(65)【公開番号】P2021173050
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】北村 英宣
【審査官】櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平4-60086(JP,A)
【文献】特開2009-41324(JP,A)
【文献】特開2016-70014(JP,A)
【文献】特開2000-199379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 3/70
E06B 3/72
B27M 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル幅方向両側の縦桟及びこれら縦桟間に架け渡される複数の横桟を含むパネル芯材を構成する複数の芯材構成部材同士を接合する際に用いられる芯材位置決め治具であって、
複数の前記芯材構成部材が配置されるベースプレートと、該ベースプレートに設けられ、複数の前記芯材構成部材同士をパネル幅方向及びパネル長手方向に位置決めする位置決め部と、を備え、該位置決め部は、前記パネル芯材の幅寸法及び長さ寸法のうちのいずれか一方に応じてパネル幅方向及びパネル長手方向のうちの第1方向にスライド自在とされた可動位置決め部を備えていることを特徴とする芯材位置決め治具。
【請求項2】
請求項1において、
前記位置決め部は、前記第1方向に長尺な第1桟材の幅方向一側部が当接される側部位置決め部と、該第1桟材の長手方向第1端部が当接される第1端部位置決め部と、前記可動位置決め部に設けられ前記第1桟材の長手方向第2端部が当接される第2端部位置決め部と、前記第1桟材の幅方向他側部に他の芯材構成部材を押し当てる押当部を押当方向に進退自在に有した押当機構と、を備えていることを特徴とする芯材位置決め治具。
【請求項3】
請求項2において、
前記押当機構は、前記押当部が先端に設けられたロッドを進退自在に有したエアーシリンダとされ、前記ベースプレートには、前記エアーシリンダに圧縮エアーを供給するエアー供給路と、当該芯材位置決め治具外に設けられた圧縮エアー供給部と、を連通させるようにこれらが接続される圧縮エアー接続部が設けられていることを特徴とする芯材位置決め治具。
【請求項4】
請求項3において、
前記圧縮エアー接続部は、前記圧縮エアー供給部に対して接離自在に接続される構成とされており、
前記押当機構は、前記圧縮エアー供給部と前記圧縮エアー接続部との接続が解除された状態で、前記ロッドを前進位置に維持可能な構成とされていることを特徴とする芯材位置決め治具。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の芯材位置決め治具と、この芯材位置決め治具に配置された前記芯材構成部材同士を固着具によって接合する接合部と、を備えていることを特徴とする芯材接合装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記接合部には、前記芯材位置決め治具に配置された前記芯材構成部材に上方側から固着具を止着する上方側接合部と下方側から固着具を止着する下方側接合部とが設けられていることを特徴とする芯材接合装置。
【請求項7】
請求項5または6において、
前記接合部には、前記第1方向に隣り合う前記芯材構成部材同士を接合する第1方向接合部と、前記第1方向に直交する第2方向に隣り合う前記芯材構成部材同士を接合する第2方向接合部と、が設けられていることを特徴とする芯材接合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル芯材を構成する部材を位置決めする芯材位置決め治具及びこれを備えた芯材接合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パネル幅方向両側の縦桟及びこれらに架け渡される横桟を含むパネル芯材のパネル厚さ方向両側に面材を設けたいわゆるフラッシュパネル状のパネルが知られている。
例えば、下記特許文献1には、2本の縦枠材と2本の横枠材とを枠組みすることによって構成された枠状部材の表裏両面に板状の表面材を接合した戸パネルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-84780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のようなパネルは、用途や設置箇所等に応じて幅寸法や長さ寸法が種々の寸法とされる。そのため、パネルの寸法違いに応じて複数種のパネル芯材を作製する必要があり、更なる改善が望まれる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、パネル芯材を効率的に接合し得る芯材位置決め治具及びこれを備えた芯材接合装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る芯材位置決め治具は、パネル幅方向両側の縦桟及びこれら縦桟間に架け渡される複数の横桟を含むパネル芯材を構成する複数の芯材構成部材同士を接合する際に用いられる芯材位置決め治具であって、複数の前記芯材構成部材が配置されるベースプレートと、該ベースプレートに設けられ、複数の前記芯材構成部材同士をパネル幅方向及びパネル長手方向に位置決めする位置決め部と、を備え、該位置決め部は、前記パネル芯材の幅寸法及び長さ寸法のうちのいずれか一方に応じてパネル幅方向及びパネル長手方向のうちの第1方向にスライド自在とされた可動位置決め部を備えていることを特徴とする。
【0007】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る芯材接合装置は、本発明に係る芯材位置決め治具と、この芯材位置決め治具に配置された前記芯材構成部材同士を固着具によって接合する接合部と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る芯材位置決め治具及びこれを備えた芯材接合装置は、上述のような構成としたことで、パネル芯材を効率的に接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る芯材位置決め治具の一例を備えた芯材接合装置の一例が組み込まれた戸パネルの製造装置の一例を模式的に示す一部を省略した一部破断概略平面図である。
図2】(a)は、図1におけるX-X線矢視に対応させた一部破断概略側面図、(b)は、図1におけるY-Y線矢視に対応させた概略正面図である。
図3】同戸パネルの製造装置の一例を模式的に示す一部を省略した一部破断概略平面図である。
図4】(a)~(c)は、同芯材位置決め治具の一例をそれぞれ模式的に示す一部を省略した概略平面図である。
図5】(a)、(b)は、同芯材位置決め治具の他例をそれぞれ模式的に示す一部を省略した概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、以下の実施形態では、本実施形態に係る芯材位置決め治具を備えた芯材接合装置が組み込まれた戸パネルの製造装置及びこれを用いて製造された戸パネルを設置した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
図1図5は、本実施形態に係る芯材位置決め治具の一例を備えた芯材接合装置の一例が組み込まれる戸パネルの製造装置の一例を模式的に示す図である。
【0011】
本実施形態に係る芯材位置決め治具は、図3に示すように、パネル幅方向両側の縦桟12,12及びこれら縦桟12,12間に架け渡される複数の横桟14を含むパネル芯材11を構成する複数の芯材構成部材同士を接合する際に用いられる。本実施形態では、図1に示すように、芯材位置決め治具を、横桟14を含む横桟パーツ13を接合する際に用いられる横桟パーツ治具20としている。また、図3に示すように、この横桟パーツ治具20を用いて接合された横桟パーツ13を含むパネル芯材11を、戸パネル10のパネル芯材11とした例を示している。また、この横桟パーツ治具20を含む戸パネルの製造装置(パネル製造装置)1によって戸パネル10を製造する一例を示している。なお、横桟パーツ治具20の具体的構成については、後述する。
【0012】
戸パネル10は、パネル芯材11の戸厚方向両側に面材16が設けられる構成とされている。つまり、パネル製造装置1は、いわゆるフラッシュパネル状の戸パネル10を製造する構成とされている。この戸パネル10は、戸高方向(パネル長手方向)となる上下方向に長尺な略矩形平板状とされている。図例では、この戸パネル10を、下荷重型の引戸パネルとした例を示している。つまり、この戸パネル10の下端部のパネル幅(戸幅)方向両端部には、床レール等の走行対象を走行する戸車を有した戸車ユニット18,18が設けられている。また、図例では、この戸パネル10の上端部の戸幅方向両端部に、閉鎖位置及び全開位置に移動する戸パネル10を減速させ、跳ね返りや衝撃を緩和する緩衝ユニット17,17を設けた例を示している。また、戸パネル10の戸先側端部に、引手19を設けた例を示している。
【0013】
パネル芯材11は、上下方向に長尺な縦桟12,12の上端部間に架け渡され横桟14を構成する上端横桟14Aと、これら縦桟12,12の下端部間に架け渡され横桟14を構成する下端横桟14Bと、備えている。これら縦桟12,12、上端横桟14A及び下端横桟14Bによって四周枠を構成している。また、パネル芯材11は、これら縦桟12,12の上下方向途中部間に架け渡され横桟14を構成する中間横桟14Cを備えている。
また、パネル芯材11は、上端横桟14Aに接合され、緩衝ユニット17,17の取付下地を構成する桟材15としての上端桟材15Aを備えている。図例では、この上端桟材15Aは、上端横桟14Aの下方側に間隔を空けて配され縦桟12,12間に架け渡された横桟材と、この横桟材の戸幅方向両端側部位と上端横桟14Aの戸幅方向両端側部位とに亘って架け渡された比較的に短尺な縦桟材と、を備えている。また、この上端桟材15Aの戸幅方向両側の各縦桟材を、戸幅方向に接合された二本の縦桟材によって構成した例を示している。
【0014】
また、パネル芯材11は、下端横桟14Bに接合され、戸車ユニット18,18の取付下地を構成する桟材15としての下端桟材15Bを備えている。図例では、この下端桟材15Bは、下端横桟14Bの戸幅方向両端部のそれぞれに積層されるように設けられた二本の比較的に短尺な横桟材を備えている。
また、パネル芯材11は、中間横桟14Cに接合され、引手19の取付下地を構成する桟材15としての中間桟材15Cを備えている。図例では、戸幅方向両側のいずれにでも引手19の取付が可能なように、中間桟材15Cを設けた例を示している。この中間桟材15Cは、中間横桟14Cの戸幅方向両端側部位のそれぞれから下方側に延びる比較的に短尺な縦桟材と、これら縦桟材の下端部から戸幅方向外側に延び、各縦桟12,12に接合された比較的に短尺な横桟材と、を備えている。また、図例では、中間横桟14Cを、上下に接合された複数本の横桟材によって構成した例を示している。
【0015】
このパネル芯材11を構成する縦桟12、横桟14及び桟材15の戸厚方向に沿う寸法は、戸厚方向の各面が互いに略同一平面状となるように互いに略同寸法とされている。
また、このパネル芯材11を構成する縦桟12、横桟14及び桟材15は、適宜の木質系材料から形成されたものであってもよい。木質系材料としては、合板やLVL(単板積層材)等の木質積層板や、PB(パーティクルボード)等の木質ボード、MDF(中密度繊維板)やハードボード等の木質繊維板などが挙げられる。また、木質系材料としては、合成樹脂系材料に、木粉や無機フィラー、相溶化剤、着色剤などを所定の含有割合で含有させた木粉・プラスチック複合材(WPC)であってもよい。また、例えば、比較的に強度が必要な四周枠を構成する縦桟12,12、上端横桟14A及び下端横桟14Bを、単板積層材等の木質積層板から形成されたものとしてもよい。また、中間横桟14Cや桟材15を、パーティクルボード等の木質ボードから形成されたものとしてもよい。
【0016】
なお、戸パネル10の戸高寸法等によっては、複数本の中間横桟14Cを上下に間隔を空けて設けた構成としてもよい。
また、パネル芯材11の中間横桟14Cによって上下に区画された空間に、ペーパーコアや発泡成形体等のコア材を設けた構成としてもよい。
また、両側の縦桟12,12の戸幅方向外側に向く外側面に、面材16の端部が差し込まれる差込溝を全長に亘って設けた構成としてもよい。
また、面材16としては、MDF(中密度繊維板)等の木質系ボードやガラス繊維等の強化繊維シートを含んだ繊維強化樹脂層等の表面基材の表面側に、適宜の化粧シート等の化粧層が設けられたものであってもよい。
【0017】
なお、パネル製造装置1を用いて製造される戸パネル10としては、上記したような構成とされたものに限られない。例えば、上記のような緩衝ユニット17,17を設けていない構成としてもよく、また、バー状の引手19に限られず、堀込状の引手を設けた構成としてもよい。これらの場合は、パネル芯材11の桟材15を適宜、必要に応じて変形するようにしてもよい。また、戸パネル10としては、下荷重型の引戸パネルを構成するものに限られず、上吊式の引戸パネルや蝶番等の回転連結部材によって吊元側端部が支持される開き戸パネルを構成するものであってもよい。上吊式の引戸パネルとしては、パネル芯材11の上端部に、上レールに吊下支持される適宜のランナーが取り付けられる取付下地を設け、下端部にガイドピンが挿入されるガイド溝を区画するガイド部材が取り付けられる取付下地を設けた構成等としてもよい。また、開き戸パネルとしては、パネル芯材11の中間横桟14Cに、ラッチ錠装置が取り付けられる取付下地を設けた構成等としてもよい。パネル製造装置1を用いて製造される戸パネル10及びパネル芯材11としては、その他、種々の構成とされたものであってもよい。
【0018】
パネル製造装置1は、図1及び図2に示すように、複数の横桟14のそれぞれに、戸パネル10の種類及び各横桟14が設けられる位置に応じて予め定められた桟材15を接合して複数の横桟パーツ13を作製する横桟パーツ作製部2を備えている。また、パネル製造装置1は、図3に示すように、これら横桟パーツ13と両側の縦桟12,12とを接合してパネル芯材11を作製するパネル芯材作製部8を備えている。このパネル製造装置1を用いた本実施形態に係る戸パネルの製造方法(パネル製造方法)は、複数の横桟パーツ13を作製する工程と、これら横桟パーツ13と両側の縦桟12,12とを接合してパネル芯材11を作製する工程と、を備えている。このような構成とすれば、例えば、両側の縦桟12,12、横桟14及び各種桟材15を同時的に接合する構成と比べて、戸高寸法の異なる戸パネル10の製造に柔軟に対応可能となる。また、後述する治具(横桟パーツ治具20)の構造の簡略化や、位置決め作業の簡便化を図ることができる。これにより、戸パネル10を効率的に製造することができる。
【0019】
また、同パネル製造方法は、横桟パーツ13を作製する工程に、横桟パーツ13を構成する横桟14及び桟材15を位置決めする横桟パーツ治具20に横桟14及び桟材15を配置する配置工程を含んでいる。また、同パネル製造方法の横桟パーツ13を作製する工程には、横桟パーツ治具20に配置された横桟14及び桟材15を固着具によって接合する接合工程が含まれている。このパネル製造方法を実行するパネル製造装置1の横桟パーツ作製部2には、図1に示すように、横桟パーツ13を構成する横桟14及び桟材15を位置決めする横桟パーツ治具20に横桟14及び桟材15を配置する配置部3が含まれている。また、横桟パーツ作製部2には、横桟パーツ治具20に配置された横桟14及び桟材15を固着具によって接合する接合部4が含まれている。このような構成とすれば、横桟パーツ治具20によって横桟14と桟材15とを位置決めした状態で固着具を止着して横桟14に桟材15を接合することができる。これにより、作業者が手で横桟14と桟材15とを位置決めしながら接合する必要のあるようなものと比べて、より効率的に戸パネル10を製造することができる。
【0020】
また、同パネル製造方法は、横桟パーツ13を作製する工程に、接合工程において接合された横桟パーツ13を横桟パーツ治具20から取り出す取出工程と、横桟パーツ13が取り出された横桟パーツ治具20を配置工程に返送する返送工程と、を含んでいる。このパネル製造方法を実行するパネル製造装置1の横桟パーツ作製部2には、接合部4において接合された横桟パーツ13を横桟パーツ治具20から取り出す取出部5が含まれている。また、横桟パーツ作製部2には、横桟パーツ13が取り出された横桟パーツ治具20を配置部3に返送する返送部6が含まれている。このような構成とすれば、接合部4(接合工程)、取出部5(取出工程)及び返送部6(返送工程)を経て返送された横桟パーツ治具20に、配置部3(配置工程)において横桟14及び桟材15を配置することができる。これにより、横桟パーツ治具20の必要個数を少なくすることができ、より効率的に戸パネル10を製造することができる。
【0021】
また、同パネル製造方法は、上記配置工程を複数箇所において順次行う構成とされ、返送工程から接合工程に向けて横桟パーツ治具20を配置工程が行われる箇所毎に異なる経路で搬送する構成とされている。このパネル製造方法を実行するパネル製造装置1の横桟パーツ作製部2は、複数の配置部3,3を備えている。また、この横桟パーツ作製部2は、返送部6から接合部4に向けて横桟パーツ治具20を配置部3,3毎に異なる経路で搬送可能な搬送部を構成する第1昇降搬送部31A及び第2昇降搬送部31Bを備えている。このような構成とすれば、返送部6(返送工程)を経た横桟パーツ治具20を異なる経路で配置工程が行われるそれぞれの配置部3,3に搬送し、それぞれの箇所において順次、横桟14及び桟材15を横桟パーツ治具20に配置することができる。また、横桟14及び桟材15が配置された横桟パーツ治具20を、接合部4(接合工程)に向けて順次、搬送することができる。これにより、配置工程を一箇所において行うようなものと比べて、より効率的に戸パネル10を製造することができる。以下、各部の具体的構成については後述し、横桟パーツ治具20の一例について説明する。
【0022】
横桟パーツ治具20は、図4及び図5に示すように、複数の芯材構成部材が配置されるベースプレート21と、このベースプレート21に設けられ、複数の芯材構成部材同士を戸幅方向及び戸高方向に位置決めする位置決め部24を備えている。このような構成とすれば、複数の芯材構成部材同士を戸幅方向及び戸高方向に位置決めした状態で接合することができる。また、位置決め部24は、パネル芯材11の幅寸法及び長さ寸法のうちのいずれか一方に応じて戸幅方向及び戸高方向のうちの第1方向にスライド自在とされた可動位置決め部25を備えている。このような構成とすれば、可動位置決め部25をスライドさせることで幅寸法及び長さ寸法のうちのいずれか一方の寸法が異なるパネル芯材11を、共通の芯材位置決め治具(横桟パーツ治具20)を用いて芯材構成部材を位置決めして接合して作製することができる。
【0023】
本実施形態では、第1方向を、戸幅方向としている。つまり、位置決め部24の可動位置決め部25は、パネル芯材11の幅寸法に応じて戸幅方向にスライド自在とされている。また、この横桟パーツ治具20を、パネル芯材11を構成する複数の芯材構成部材としての横桟14と桟材15とを接合して横桟パーツ13を作製する際に用いられる構成としている。また、横桟パーツ作製部2は、この横桟パーツ治具20と後記する接合部4とによって芯材接合装置を構成する。
【0024】
位置決め部24は、第1方向(戸幅方向)に長尺な第1桟材としての横桟14の幅方向一側部が当接される側部位置決め部24aと、横桟14の長手方向(戸幅方向)第1端部が当接される第1端部位置決め部24bと、を備えている。また、位置決め部24は、可動位置決め部25に設けられ横桟14の長手方向第2端部が当接される第2端部位置決め部25bを備えている。また、位置決め部24は、横桟14の幅方向他側部に他の芯材構成部材としての桟材15を押し当てる押当部28を押当方向に進退自在に有した押当機構を備えている。このような構成とすれば、横桟14の長手方向への移動を、第1端部位置決め部24bと、戸幅方向にスライド自在とされた可動位置決め部25の第2端部位置決め部25bと、によって抑制することができる。また、横桟14及びこれに接合される桟材15の横桟14幅方向(戸高方向)への移動を、側部位置決め部24aと押当機構の押当部28とによって抑制することができる。また、この押当機構の押当部28を後退位置にすることで桟材15を容易に配置し、また、横桟パーツ13を容易に取り出すことができる。本実施形態では、押当機構は、押当部28が先端に設けられたロッド27を進退自在に有したエアーシリンダ26とされている。このような構成とすれば、電動によって押当部28を進退させるようなものと比べて押当部28を迅速に進退させることができ、また、装置構成の簡略化を図ることができる。
【0025】
この位置決め部24が設けられたベースプレート21は、戸幅方向に長尺な略矩形平板状とされている。
側部位置決め部24aは、ベースプレート21の幅方向一側端部に沿ってベースプレート21の長手方向(戸幅方向)に延びるように設けられている。この側部位置決め部24aは、ベースプレート21の厚さ方向一方面としての上面から厚さ方向一方側としての上方側に向けて突出するように設けられている。この側部位置決め部24aは、ベースプレート21に対してねじ等の固着具や接着剤、溶接等によって固定されたものでもよく、ベースプレート21に対して一体的に設けられたものであってもよい。この側部位置決め部24aのベースプレート21上面からの突出寸法や長さ寸法は、横桟14の幅方向一方側への移動を抑制可能なように適宜の寸法としてもよい。この側部位置決め部24aのベースプレート21上面からの突出寸法は、横桟14(パネル芯材11)の戸厚方向に沿う寸法以下とされていてもよい。また、この側部位置決め部24aの長さ寸法は、最大戸幅に応じて形成されたベースプレート21の長さ寸法の1/2以上の寸法であってもよく、図例では、2/3程度の寸法とした例を示している。最大戸幅は、一般的に用いられる戸パネル10として想定される最大パネルの戸幅であってもよく、1500mm程度であってもよく、1200mm程度であってもよい。なお、側部位置決め部24aを一連状に設けた態様に代えて、ベースプレート21の長手方向に間隔を空けて複数箇所に設けた態様等としてもよい。
【0026】
第1端部位置決め部24bは、ベースプレート21の長手方向(戸幅方向)第1端部側においてベースプレート21の幅方向(戸高方向)に延びるように設けられている。この第1端部位置決め部24bは、上記同様、ベースプレート21の上面から上方側に向けて突出するように設けられている。図例では、この第1端部位置決め部24bを、側部位置決め部24aの長手方向第1端部に連なるように設けた例を示している。この第1端部位置決め部24bのベースプレート21上面からの突出寸法は、側部位置決め部24aと同寸法としてもよい。また、この第1端部位置決め部24bの長さ寸法は、横桟パーツ13を構成する横桟14及び桟材15の戸幅方向第1端部側の位置決めが可能なように適宜の寸法としてもよい。図例では、この第1端部位置決め部24bの長さ寸法を、ベースプレート21の幅寸法の2/3程度の寸法とした例を示している。
【0027】
また、ベースプレート21には、横桟パーツ13の種類に応じて戸幅方向第1端部側の桟材15が当接される桟材位置決め部24cが設けられる。図4では、横桟パーツ13としての中間横桟パーツ13Cを作製する際に用いられる中間横桟パーツ治具20Cを示しており、上記した引手19の取付下地を構成する中間桟材15Cが当接される桟材位置決め部24cを設けた例を示している。この桟材位置決め部24cは、戸幅方向第1端部側の中間桟材15Cの縦桟材の幅方向一側部が当接し、かつ中間桟材15Cの横桟材の幅方向一側部が当接するように、第1端部位置決め部24bから戸幅方向に間隔を空けて設けられている。また、この桟材位置決め部24cは、上記と概ね同様、戸高方向に延びるように、かつベースプレート21の上面から上方側に向けて突出するように設けられている。中間桟材15Cの横桟材の長手方向第1端部は、上記した第1端部位置決め部24bに当接される。
また、ベースプレート21には、戸幅方向第1端部側の桟材15と横桟14とを接合する固着具を、ベースプレート21の裏面側(下方側)から止着可能とする挿通孔21cが設けられている。図4では、戸幅方向第1端部側の中間桟材15Cの縦桟材と中間横桟14Cとを接合する固着具の挿通孔21cと、中間桟材15Cの縦桟材と横桟材とを接合する固着具の挿通孔21cと、を設けた例を示している。
【0028】
また、ベースプレート21には、エアーシリンダ26に圧縮エアーを供給するエアー供給路23と、当該横桟パーツ治具20外に設けられた圧縮エアー供給部33と、を連通させるようにこれらが接続される圧縮エアー接続部22が設けられている。このような構成とすれば、横桟パーツ治具20外に設けられた圧縮エアー供給部33からの圧縮エアーを、圧縮エアー接続部22及びエアー供給路23を介してエアーシリンダ26のシリンダ本体に供給することができる。
圧縮エアー接続部22は、圧縮エアー供給部33に対して接離自在に接続される構成とされている。このような構成とすれば、圧縮エアー供給部33に対して複数の横桟パーツ治具20を交替的に接続することが可能となり、圧縮エアー供給部33を共用することができる。図例では、圧縮エアー接続部22を、ベースプレート21の長手方向第2端部に設けた例を示している。この圧縮エアー接続部22は、ベースプレート21の上面から上方側に向けて突出するように設けられている。
【0029】
また、この圧縮エアー接続部22には、ベースプレート21の長手方向外側に向けて開口し、圧縮エアー供給部33に接続される供給元側接続口と、同方向中央側に向けて開口し、エアー供給路23が接続される供給先側接続口と、が設けられている。図例では、圧縮エアー接続部22に、2つの供給元側接続口と2つの供給先側接続口とを設けた例を示している。これら2つの供給元側接続口及び供給先側接続口は、一方がエアーシリンダ26のロッド27を前進(伸長)させる側に圧縮エアーを供給し、他方がロッド27を後退させる側に圧縮エアーを供給するものであってもよい。また、ベースプレート21の長手方向第1端部が長手方向第2端部に向けて適宜の押機構34(図1参照)によって押されて圧縮エアー接続部22が圧縮エアー供給部33に対して接続されるものであってもよい。
【0030】
エアーシリンダ26は、本実施形態では、圧縮エアー供給部33と圧縮エアー接続部22との接続が解除された状態で、ロッド27を前進位置に維持可能な構成とされている。このような構成とすれば、例えば、圧縮エアー接続部22を圧縮エアー供給部33に接続して横桟14に桟材15を押し当てた状態とした後に圧縮エアー供給部33との接続を解除させ、横桟パーツ治具20を移動させて横桟14と桟材15とを接合するようなことが可能となる。これにより、圧縮エアー供給部33側の配管経路を複雑化させることなく横桟パーツ治具20を搬送し、横桟パーツ13を配置する工程と横桟パーツ13を接合する工程とを別工程において行うことも可能となり、パネル芯材11をより効率的に接合することができる。ロッド27を前進位置に維持可能な構成としては、ロッド27を前進させる側に圧縮エアーを供給する経路の適所に適宜の逆止弁を設けたり、ばね等の付勢部材によって前進側に変位される構成とし、この付勢部材によって前進位置に維持可能な構成としてもよい。
【0031】
本実施形態では、ベースプレート21に、複数のエアーシリンダ26を設けた構成としている。図4及び図5では、後記する可動位置決め部25に設けられた一つのエアーシリンダ26に接続されたエアー供給路23のみを二点鎖線にて図示しているが、他のエアーシリンダ26にもエアー供給路23が適宜、分岐等されて接続されている。
また、横桟14の長手方向途中部位を、側部位置決め部24aに向けて押すエアーシリンダ26を設けている。このような構成とすれば、このエアーシリンダ26と側部位置決め部24aとによって横桟14の幅方向の位置決めを効果的に行うことができる。
また、戸幅方向第1端部側の桟材15を、横桟14に向けて押すエアーシリンダ26を設けている。図4では、戸幅方向第1端部側の中間桟材15Cの縦桟材を、中間桟材15Cの横桟材を介して中間横桟14Cに向けて押すエアーシリンダ26を設けた例を示している。この中間桟材15Cの横桟材は、このエアーシリンダ26と縦桟材及び(または)桟材位置決め部24cとによって幅方向の位置決めがなされる。また、図4では、戸幅方向第1端部側の中間桟材15Cの縦桟材を、桟材位置決め部24cに向けて押すエアーシリンダ26を設けた例を示している。中間桟材15Cの縦桟材は、このエアーシリンダ26と桟材位置決め部24cとによって幅方向の位置決めがなされる。なお、このエアーシリンダ26を、中間桟材15Cの横桟材を第1端部位置決め部24bに向けて押圧可能な位置に設けた構成としてもよい。
【0032】
可動位置決め部25は、ベースプレート21の長手方向(戸幅方向)第2端部側において戸幅方向にスライド自在とされている。図例では、ベースプレート21の長手方向略中央部位を含んで可動位置決め部25をスライド自在に設けた例を示している。この可動位置決め部25の可動範囲は、最小戸幅から最大戸幅の横桟14の位置決めが可能なように適宜の可動範囲としてもよい。最小戸幅は、一般的に用いられる親子ドアや折戸の戸板を含む戸パネル10として想定される最小パネルの戸幅であってもよく、300mm程度であってもよく、450mm程度であってもよい。
この可動位置決め部25は、戸高方向一方側側部が側部位置決め部24aに近接した位置となるように設けられ、この一方側側部の戸幅方向第1端部が第2端部位置決め部25bを構成する。
【0033】
また、可動位置決め部25には、横桟パーツ13の種類に応じて戸幅方向第2端部側の桟材15が当接される桟材位置決め部25cが設けられている。図4では、戸幅方向第2端部側の中間桟材15Cが当接される桟材位置決め部25cを設けた例を示している。この桟材位置決め部25cは、戸幅方向第2端部側の中間桟材15Cの縦桟材の幅方向一側部が当接し、中間桟材15Cの横桟材の長手方向第1端部が当接するように設けられている。なお、可動位置決め部25に、中間桟材15Cの横桟材の長手方向第2端部が当接される位置決め部を設けた構成としてもよい。
また、この桟材位置決め部25cは、上記と概ね同様、戸高方向に延びるように、かつ可動位置決め部25の上面から上方側に向けて突出するように設けられている。この桟材位置決め部25cが設けられた部位を含み、可動位置決め部25の横桟14及び桟材15が載置される載置部の上面は、ベースプレート21の上面と同一平面状となるように設けられている。ベースプレート21には、可動位置決め部25の載置部を戸幅方向にスライド自在に受け入れる受入開口21aが設けられている。
【0034】
また、可動位置決め部25の載置部には、戸幅方向第2端部側の桟材15と横桟14とを接合する固着具を、可動位置決め部25(ベースプレート21)の裏面側(下方側)から止着可能とする挿通孔25dが設けられている。図4では、上記同様、戸幅方向第2端部側の中間桟材15Cの縦桟材と中間横桟14Cとを接合する固着具の挿通孔25dと、中間桟材15Cの縦桟材と横桟材とを接合する固着具の挿通孔25dと、を設けた例を示している。
また、可動位置決め部25には、戸幅方向第2端部側の桟材15を、横桟14に向けて押し当てるエアーシリンダ26が設けられている。図4では、上記と概ね同様、戸幅方向第2端部側の中間桟材15Cの縦桟材を、中間桟材15Cの横桟材を介して中間横桟14Cに向けて押すエアーシリンダ26を設けた例を示している。この中間桟材15Cの横桟材は、このエアーシリンダ26と縦桟材とによって幅方向の位置決めがなされる。また、図4では、上記と概ね同様、戸幅方向第2端部側の中間桟材15Cの縦桟材を、桟材位置決め部25cに向けて押すエアーシリンダ26を設けた例を示している。この中間桟材15Cの縦桟材は、このエアーシリンダ26と桟材位置決め部25cとによって幅方向の位置決めがなされる。
【0035】
横桟パーツ治具20には、ベースプレート21に対して可動位置決め部25を固定する固定具25aが設けられている。このような固定具25aとしては、ベースプレート21に可動位置決め部25のスライド方向に沿って延びるように設けられた係合溝21bに軸方向一端部がスライド自在に係合し、軸方向他端部に締付操作部が設けられたものであってもよい。図4では、ベースプレート21の受入開口21aの戸高方向両側に沿って延びるように2本の係合溝21b,21bを設け、可動位置決め部25に、これら係合溝21b,21bのそれぞれに係合する2つの固定具25a,25aを設けた例を示している。なお、ベースプレート21に対して可動位置決め部25を固定する固定具25aとしては、図例のような態様とされたものに限られず、その他、種々の変形が可能である。
【0036】
また、本実施形態では、ベースプレート21の長手方向両端部のそれぞれに、把持部29,29を設けた構成としている。このような構成とすれば、戸パネル10の種類等に応じて横桟パーツ治具20を交換する際に把持部29,29を把持して交換することができ、作業性を向上させることができる。
また、図4(a)、(b)では、比較的に戸幅寸法が小とされた戸パネル10の中間横桟パーツ13Cに合わせた位置に可動位置決め部25を配置した例を示している。図4(c)では、比較的に戸幅寸法が大とされた戸パネル10の中間横桟パーツ13Cに合わせた位置に可動位置決め部25を配置した例を示している。また、図4(a)では、各エアーシリンダ26のロッド27を後退位置とし、中間横桟パーツ13Cを構成する中間横桟14C及び中間桟材15Cを配置していない状態を例示している。また、図4(b)、(c)では、中間横桟パーツ13Cを構成する中間横桟14C及び中間桟材15Cを配置し、各エアーシリンダ26のロッド27を前進位置とした状態を例示している。
【0037】
図5(a)は、横桟パーツ13としての上端横桟パーツ13Aを作製する際に用いられる上端横桟パーツ治具20Aを示し、図5(b)は、横桟パーツ13としての下端横桟パーツ13Bを作製する際に用いられる下端横桟パーツ治具20Bを示している。なお、以下では、これら上端横桟パーツ治具20A及び下端横桟パーツ治具20Bについて、上記した例との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
【0038】
上端横桟パーツ治具20Aのベースプレート21には、図5(a)に示すように、戸幅方向第1端部側の上端桟材15Aの縦桟材を、上端桟材15Aの横桟材を介して上端横桟14Aに向けて押すエアーシリンダ26が設けられている。上端桟材15Aの横桟材の長手方向第1端部は、上記と概ね同様、第1端部位置決め部24bに当接される。
また、このベースプレート21には、戸幅方向第1端部側の上端桟材15Aの縦桟材の幅方向一側部が当接される上記と概ね同様な桟材位置決め部24cが設けられている。また、このベースプレート21には、戸幅方向第1端部側の上端桟材15Aの縦桟材を、桟材位置決め部24cに向けて押すエアーシリンダ26が設けられている。また、ベースプレート21には、戸幅方向第1端部側の上端桟材15Aの戸幅方向に隣接される縦桟材同士を接合する固着具の挿通孔21cと、この縦桟材の戸高方向両側を上端横桟14A及び横桟材に接合する固着具の挿通孔21c,21cと、が設けられている。また、図例では、このベースプレート21の係合溝21b,21bを、受入開口21aの戸高方向で側部位置決め部24aが設けられた側とは異なる側において並列状に設けた例を示している。
【0039】
上端横桟パーツ治具20Aの可動位置決め部25には、上記同様、戸幅方向第2端部側の上端桟材15Aの縦桟材を、上端桟材15Aの横桟材を介して上端横桟14Aに向けて押すエアーシリンダ26が設けられている。また、この可動位置決め部25には、戸幅方向第2端部側の上端桟材15Aの縦桟材の幅方向一側部が当接される上記と概ね同様な桟材位置決め部25cが設けられている。また、この可動位置決め部25には、戸幅方向第2端部側の上端桟材15Aの縦桟材を、桟材位置決め部25cに向けて押すエアーシリンダ26が設けられている。また、可動位置決め部25には、戸幅方向第2端部側の上端桟材15Aの戸幅方向に隣接される縦桟材同士を接合する固着具の挿通孔25dと、この縦桟材の戸高方向両側を上端横桟14A及び横桟材に接合する固着具の挿通孔25d,25dと、が設けられている。なお、可動位置決め部25に、上端桟材15Aの横桟材の長手方向第2端部が当接される位置決め部を設けた構成としてもよい。
【0040】
下端横桟パーツ治具20Bのベースプレート21には、図5(b)に示すように、戸幅方向第1端部側の下端桟材15Bの横桟材を、下端横桟14Bに向けて押すエアーシリンダ26が設けられている。下端桟材15Bの横桟材の長手方向第1端部は、上記と概ね同様、第1端部位置決め部24bに当接される。また、このベースプレート21には、この下端桟材15Bの横桟材を、第1端部位置決め部24bに向けて押すエアーシリンダ26が設けられている。また、このベースプレート21には、上記のような桟材位置決め部24cが設けられていない。また、ベースプレート21には、戸幅方向第1端部側の下端桟材15Bの戸高方向に隣接される横桟材同士及び横桟材と下端横桟14Bとを接合する固着具の挿通孔21cが設けられている。また、図例では、このベースプレート21の係合溝21b,21bを、上端横桟パーツ治具20Aと概ね同様、受入開口21aの戸高方向で側部位置決め部24aが設けられた側とは異なる側において並列状に設けた例を示している。
【0041】
下端横桟パーツ治具20Bの可動位置決め部25には、上記同様、戸幅方向第2端部側の下端桟材15Bの横桟材を、下端横桟14Bに向けて押すエアーシリンダ26が設けられている。また、この可動位置決め部25には、戸幅方向第2端部側の下端桟材15Bの横桟材の長手方向第1端部が当接される上記と概ね同様な桟材位置決め部25cが設けられている。また、この可動位置決め部25には、戸幅方向第2端部側の下端桟材15Bの横桟材を、桟材位置決め部25cに向けて押すエアーシリンダ26が設けられている。また、可動位置決め部25には、戸幅方向第2端部側の下端桟材15Bの戸高方向に隣接される横桟材同士及び横桟材と下端横桟14Bとを接合する固着具の挿通孔25dが設けられている。
なお、横桟パーツ治具20としては、上記したような態様に限られず、戸パネル10の種類や横桟14が設けられる位置(戸高方向における位置)、取付下地を構成する桟材15等に応じて適宜の構成とされたものであってもよい。また、ベースプレート21や可動位置決め部25に対して各位置決め部やエアーシリンダ26の取付位置の変更が可能とされたものであってもよい。
【0042】
本実施形態では、図1に示すように、この横桟パーツ治具20に横桟14及び桟材15を配置する配置工程を、作業者が実行する構成としている。また、複数の配置部3,3としての第1配置部3Aと第2配置部3Bとを、横桟パーツ治具20の長手方向(治具長手方向)に隣接させて設けた構成としている。このような構成とすれば、作業者は、第1配置部3Aと第2配置部3Bとを横方向に交互に移動して、横桟パーツ13を構成する横桟14及び桟材15を各配置部3A,3Bに保持された横桟パーツ治具20に配置することができる。
なお、配置部3A,3Bにおいて横桟パーツ治具20に横桟14及び桟材15を配置する配置工程を、作業者に代えて、適宜のロボットアーム等の桟配置装置によって実行可能な構成としてもよい。この場合は、パネル製造装置1が桟配置装置を備えたものであってもよい。
【0043】
また、パネル製造装置1に、これら第1配置部3A及び第2配置部3Bに配置される横桟パーツ13を構成する横桟14及び桟材15を搬送する桟搬送部30を設けた構成としている。この桟搬送部30としては、ベルトコンベア等であってもよく、第1配置部3A及び第2配置部3Bに交互に配置される横桟パーツ13を構成する横桟14及び桟材15を、配置順に搬送するものであってもよい。図例では、第2配置部3Bに位置した中間横桟パーツ治具20Cに配置される中間横桟パーツ13Cを構成する中間横桟14C及び中間桟材15Cが桟搬送部30の下流側を搬送されているような例を示している。また、図例では、桟搬送部30を、治具長手方向に隣接される第1配置部3Aと第2配置部3Bとの中央部の上流側に間隔を空けて位置するように設けた例を示している。
【0044】
第1配置部3Aと第2配置部3Bとは、後記する返送部6から接合部4に搬送される横桟パーツ治具20の搬送方向に隣接するように設けられ、図例では、第1配置部3Aを、第2配置部3Bよりも下流側に位置するように設けた例を示している。つまり、第1配置部3Aの下流側に隣接して後記する接合部4が設けられている。
これら第1配置部3A及び第2配置部3Bには、返送部6から接合部4に向けて横桟パーツ治具20を異なる経路で搬送可能とする第1昇降搬送部31A及び第2昇降搬送部31Bがそれぞれに設けられている。これら第1昇降搬送部31A及び第2昇降搬送部31Bは、互いに同様の構成とされており、横桟パーツ治具20を上下方向に昇降可能とされ、かつ上端部に横桟パーツ治具20を長手方向に搬送する上端搬送部32,32をそれぞれに設けた構成とされている。
これら第1昇降搬送部31A及び第2昇降搬送部31Bの各上端搬送部32,32は、図2(b)に示すように、治具長手方向に沿う寸法が横桟パーツ治具20の長さ寸法よりも小とされている。
【0045】
第1配置部3Aの第1昇降搬送部31Aの治具長手方向両側には、第1配置部3Aから接合部4に向けて横桟パーツ治具20を搬送する往路搬送部35,35が設けられている。
第2配置部3Bの第2昇降搬送部31Bの治具長手方向両側には、取出部5を経た横桟パーツ治具20を第2配置部3Bに向けて返送する返送部6を構成する復路搬送部36,36が設けられている。往路搬送部35,35と復路搬送部36,36とは、治具長手方向に隣接して平行状に設けられ、互いに逆方向に横桟パーツ治具20を搬送するように設けられている。また、これら往路搬送部35,35及び復路搬送部36,36は、横桟パーツ治具20が載置されて搬送する搬送面が互いに同高さに位置するように設けられている。これら往路搬送部35,35及び復路搬送部36,36に、横桟パーツ治具20の長手方向両端部が載置され、横桟パーツ治具20が治具幅方向に搬送される。なお、これら往路搬送部35,35及び復路搬送部36,36は、ベルトコンベア等であってもよい。
【0046】
また、これら第1昇降搬送部31A及び第2昇降搬送部31Bは、それぞれの上端搬送部32,32を、下降位置と上昇位置とこれらの間の途中位置とに停止可能な構成とされている。上端搬送部32は、下降位置では、図2(b)に示すように、往路搬送部35,35(復路搬送部36,36)に載置された横桟パーツ治具20よりも下方側に位置される。この下降位置では、横桟パーツ治具20を往路搬送部35,35(復路搬送部36,36)によって搬送可能となる。上端搬送部32が途中位置では、横桟パーツ治具20が往路搬送部35,35(復路搬送部36,36)から浮いた状態となり、横桟パーツ治具20を治具長手方向に搬送可能となる。つまり、各上端搬送部32,32が途中位置では、第2昇降搬送部31Bの上端搬送部32から第1昇降搬送部31Aの上端搬送部32に横桟パーツ治具20を搬送可能となる。第2昇降搬送部31Bの上端搬送部32は、第1配置部3Aに横桟パーツ治具20を返送する返送部としても機能する。上端搬送部32が上昇位置では、横桟パーツ治具20が往路搬送部35,35(復路搬送部36,36)から大きく離れた位置となる。
【0047】
第1配置部3A及び第2配置部3Bには、上昇位置とされた上端搬送部32に載置された横桟パーツ治具20を、上端搬送部32が下降した後も上昇位置において保持可能な保持部が設けられている。この保持部は、横桟パーツ治具20の長手方向第2端部の圧縮エアー接続部22に接続される圧縮エアー供給部33が設けられた部位と、横桟パーツ治具20の長手方向第1端部を第2端部に向けて押す押機構34が設けられた部位と、によって構成されていてもよい。なお、本実施形態のように作業者が横桟パーツ13を横桟パーツ治具20に配置する場合には、上昇位置において横桟パーツ治具20が配置し易い高さ位置となるように上端搬送部32の上昇位置を適宜の高さ位置としてもよい。また、横桟パーツ治具20を上昇位置において保持する保持部としては、上記のような構成とされたものに限られず、その他、種々の構成とされたものであってもよい。
【0048】
上端搬送部32を上昇位置とし、押機構34を作動させれば、横桟パーツ治具20が上昇位置において保持され、圧縮エアー接続部22が圧縮エアー供給部33に接続される。
横桟パーツ治具20の上記した各エアーシリンダ26のロッド27は、詳細には後述するが、後記する接合部4の下流側で、取出部5において横桟パーツ13が取り出される前に後退位置とされている。第1配置部3A及び第2配置部3Bにおいて上昇位置で保持された横桟パーツ治具20に横桟パーツ13が配置されれば、圧縮エアー供給部33を経て各エアーシリンダ26のロッド27を前進させる側に圧縮エアーが供給され、横桟パーツ13が位置決めされる。なお、各エアーシリンダ26のロッド27を前進させる側への圧縮エアーの供給は、横桟パーツ13の配置完了を検知する適宜の検知部による検知に基づいてなされるものでもよく、適宜の配置完了操作部の操作に基づいてなされるものであってもよい。また、エアーシリンダ26等の押当機構の駆動部を作動させて横桟パーツ治具20に配置された横桟パーツ13の位置決めがなされる態様に代えて、手動操作によって押当機構の押当部28が後退され、ばね等の付勢部材によって前進されるものであってもよい。更には、横桟パーツ治具20に配置された横桟パーツ13を位置決めする態様としては、その他、種々の構成とされたものであってもよい。
【0049】
上記構成とされた第1配置部3A及び第2配置部3Bにおいては、図1及び図2(b)に示すように、第1配置部3Aにおいて横桟パーツ13が配置されれば、第1昇降搬送部31Aの上端搬送部32を下降位置とし、横桟パーツ治具20を接合部4に向けて搬送する。この際、第2配置部3Bにおいては、横桟パーツ治具20が上昇位置において保持され、次の横桟パーツ13を配置可能なスタンバイ状態とされる。また、横桟パーツ治具20を上昇位置において保持させれば、第2昇降搬送部31Bの上端搬送部32を下降位置とし、復路搬送部36,36によって返送される横桟パーツ治具20を第2昇降搬送部31Bに移送可能とする。第1配置部3Aの横桟パーツ治具20が搬送されれば、第1昇降搬送部31Aの上端搬送部32及び第2昇降搬送部31Bの上端搬送部32を途中位置とし、第2昇降搬送部31Bから第1昇降搬送部31Aに向けて横桟パーツ治具20を搬送する。そして、第1昇降搬送部31Aの上端搬送部32を上昇位置とし、横桟パーツ治具20を上昇位置において保持させ、次の横桟パーツ13を配置可能なスタンバイ状態とする。また、第2配置部3B側で横桟パーツ13が配置されれば、上昇位置とされた第2昇降搬送部31Bの上端搬送部32を途中位置とし、第1昇降搬送部31Aの上端搬送部32も途中位置とし、横桟パーツ治具20を第1昇降搬送部31Aに移送する。また、第1昇降搬送部31Aの上端搬送部32を下降位置とし、横桟パーツ治具20を接合部4に向けて搬送する。
【0050】
つまり、取出部5を経て返送される横桟パーツ治具20は、第1配置部3A及び第2配置部3Bの上昇位置に交互に移送されて横桟パーツ13を配置可能な配置可能位置とされる。また、配置可能位置とされた横桟パーツ治具20の下方側を他の横桟パーツ治具20が次工程に向けて移送される構成としている。このような構成とすれば、同一平面状に分岐部や合流部を設けて各配置部3,3に向けて横桟パーツ治具20を交互に切り替えて移送するようなものと比べて、省スペース化を図ることができる。なお、返送部6から接合部4に向けて横桟パーツ治具20を配置部3,3毎に異なる経路で搬送可能とする構成としては、上記のような構成に限られず、その他、種々の構成とされたものであってもよい。
【0051】
接合部4は、横桟パーツ治具20の搬送方向で、上記した配置部3,3の下流側に位置するように設けられている。本実施形態では、図2(a)に示すように、接合部4に、横桟パーツ治具20に配置された芯材構成部材を構成する横桟14及び桟材15に上方側から固着具を止着する上方側接合部40,44と下方側から固着具を止着する下方側接合部41,45とを設けた構成としている。このような構成とすれば、例えば、上方側から固着具を止着した後に、表裏を反転させて固着具を再度、止着する必要があるようなものと比べて、パネル芯材11(横桟パーツ13)をより効率的に接合することができる。
また、本実施形態では、接合部4は、第1方向としての戸幅方向に隣り合う横桟14及び桟材15同士を接合する第1方向接合部としての横接合部4Bを備えている。また、接合部4は、第2方向としての戸高方向に隣り合う横桟14及び桟材15同士を接合する第2方向接合部としての縦接合部4Aを備えている。このような構成とすれば、戸幅方向に隣り合う横桟14及び桟材15同士を接合した後に、工具または横桟14及び桟材15を回転させて戸高方向に隣り合う横桟14及び桟材15同士を接合する必要があるようなものと比べて、装置構成の簡略化を図ることができる。
【0052】
本実施形態では、縦接合部4Aを、横接合部4Bよりも上流側に位置するように設けた構成としている。また、これら縦接合部4A及び横接合部4Bのそれぞれに、上方側接合部40,44と下方側接合部41,45とを設けた構成としている。縦接合部4A及び横接合部4Bの上方側接合部40,44は、往路搬送部35,35を搬送される横桟パーツ治具20の上方側において治具長手方向に架け渡されるように設けられた往復移動機構38,42によってそれぞれ戸幅方向に移動可能に支持されている。縦接合部4A及び横接合部4Bの下方側接合部41,45は、往路搬送部35,35を搬送される横桟パーツ治具20の下方側において治具長手方向に架け渡されるように設けられた往復移動機構39,43によってそれぞれ戸幅方向に移動可能に支持されている。
【0053】
これら上方側接合部40,44及び下方側接合部41,45は、互いに概ね同様の構成とされ、ステープル(いわゆるU針)を打ち出すエアータッカーであってもよい。縦接合部4Aの上方側縦接合部40及び下方側縦接合部41は、ステープルの両側の針(足)が戸高方向(治具幅方向)に離間した位置に打ち込まれるように配置されている。横接合部4Bの上方側横接合部44及び下方側縦接合部45は、ステープルの両側の針が戸幅方向(治具長手方向)に離間した位置に打ち込まれるように配置されている。
各接合部4A,4Bにおいては、往路搬送部35,35及び往復移動機構38,39,42,43によって上方側接合部40,44及び下方側接合部41,45が横桟パーツ治具20に対して相対的に移動され、横桟パーツ13の止着すべき箇所に固着具が止着される。
【0054】
なお、横桟パーツ13の種類によっては、例えば、上記した下端横桟パーツ13B及び中間横桟パーツ13Cについては、横接合部4Bにおいては固着具が止着されることなく次工程に向けて搬送されることとなる。また、縦接合部4Aと横接合部4Bとを別途に設けた態様に代えて、一つの接合部に縦方向及び横方向のそれぞれに打ち込み可能な上方側接合部40,44及び下方側接合部41,45を設けた構成等としてもよい。また、横桟パーツ13に固着具を止着する接合部4としては、上記したような構成とされたものに限られず、その他、種々の構成とされたものであってもよい。また、このような接合部4を用いた態様に代えて、接合工程において作業者がエアータッカー等の適宜の工具を用いて横桟パーツ13を接合するようにしてもよい。
【0055】
取出部5は、往路搬送部35,35の下流側端部に位置するように設けられている。この取出部5には、上記した第1昇降搬送部31Aと概ね同様な第3昇降搬送部31Cが設けられている。この第3昇降搬送部31Cは、治具長手方向両側の往路搬送部35,35の下流側端部の間に位置するように設けられている。
また、この取出部5において横桟パーツ治具20の各エアーシリンダ26のロッド27を後退させるように圧縮エアーが供給されるものでもよい。例えば、取出部5に、上昇位置とされた第3昇降搬送部31Cの上端搬送部32に載置された横桟パーツ治具20の圧縮エアー接続部22に接続される圧縮エアー供給部33を設け、また、上記同様な押機構34を設けた構成としてもよい。また、取出部5においては、横桟パーツ治具20を上昇位置において保持させる必要がないので、押機構34を設けていない構成としてもよい。また、上昇位置とされる第3昇降搬送部31Cの上端搬送部32の高さは、上記した第1昇降搬送部31Aの上端搬送部32の上昇位置とは異なる高さであってもよい。
【0056】
また、取出部5には、第3昇降搬送部31Cの上端搬送部32に載置された横桟パーツ治具20から横桟パーツ13を取り出すパーツ取出装置37が設けられている。図例では、パーツ取出装置37を、横桟パーツ13を把持するロボットアームを備えた構成としている。また、このパーツ取出装置37の下流側に、図3に示すように、横桟パーツ13を次工程に向けて搬送するパーツ搬送部7を設けた構成としている。このパーツ搬送部7は、ベルトコンベア等であってもよい。また、パーツ取出装置37は、一枚の戸パネル10用の上端横桟パーツ13A、中間横桟パーツ13C及び下端横桟パーツ13Bをパーツ搬送部7上に並べて配置する構成とされている。なお、このような取出部5を用いた態様に代えて、取出工程において作業者が横桟パーツ13を取り出す構成としてもよい。
【0057】
この取出部5において横桟パーツ13が取り出されて空となった横桟パーツ治具20は、図1に示すように、第3昇降搬送部31Cの上端搬送部32によって返送部6に向けて治具長手方向に搬送される。返送部6には、第3昇降搬送部31Cと同様な第4昇降搬送部31Dが設けられている。この第4昇降搬送部31Dは、治具長手方向両側の復路搬送部36,36の上流側端部の間に位置するように設けられている。この第4昇降搬送部31D及び第3昇降搬送部31Cの上端搬送部32を上昇位置とすれば、横桟パーツ治具20を取出部5から返送部6に向けて移送可能となる。また、横桟パーツ治具20が第4昇降搬送部31Dに移送され、第4昇降搬送部31Dの上端搬送部32を下降位置とすれば、横桟パーツ治具20を復路搬送部36,36によって配置部3に向けて移送可能となる。このように本実施形態では、横桟パーツ治具20を回流させるようにして横桟パーツ13の配置、位置決め、接合、取出しがなされ、横桟パーツ治具20の返送が可能とされている。なお、横桟パーツ治具20の往路や復路の搬送のうちの少なくとも一部が作業者によってなされるものでもよい。
【0058】
パーツ搬送部7を経た横桟パーツ13は、パネル芯材作製部8において両側の縦桟12,12と接合され、パネル芯材11が作製される。このパネル芯材作製部8には、横桟パーツ13と両側の縦桟12,12とを位置決めする位置決め部や、固着具を打ち込む適宜の接合部が設けられていてもよい。また、横桟パーツ13と両側の縦桟12,12とを接合してパネル芯材11を作製する工程は、作業者によってなされるものでもよい。
パネル芯材作製部8を経たパネル芯材11には、面材貼着部9において面材16が貼着され、戸パネル10が作製される。なお、面材貼着部9の下流側において上記した緩衝ユニット17や戸車ユニット18、引手19等の各種部品が取り付けられるものであってもよい。
また、上記したパネル製造装置1には、図示を省略しているが、パネル製造装置1の各部を制御する制御部を有した適宜の制御盤や、横桟パーツ治具20の位置を検出する位置検出部等が設けられており、上記のような工程が実行される。
【0059】
なお、本実施形態では、返送部6から接合部4に向けて横桟パーツ治具20を配置部3,3毎に異なる経路で搬送可能とし、各配置部3,3において交互に横桟パーツ13の配置を可能とした構成とした例を示しているが、このような態様に限られない。
また、本実施形態では、横桟パーツ治具20を返送する返送工程を実行する返送部6を設けた例を示しているが、このような返送部6を設けていない構成としてもよい。
また、本実施形態では、パネル芯材11を、戸パネル10のパネル芯材11とした例を示しているが、可動間仕切パネルや移動不能な間仕切パネルのパネル芯材11であってもよい。この場合は、パネル芯材11を構成する芯材構成部材を適宜、必要に応じて変形し、また、芯材構成部材に応じて横桟パーツ治具20を適宜、変形するようにしてもよい。
また、本実施形態では、芯材位置決め治具を、横桟14を含む横桟パーツ13を接合する際に用いられる横桟パーツ治具20とした例を示しているが、このような態様に限られない。芯材位置決め治具を、芯材構成部材としての四周枠を構成する縦桟12,12及び横桟14を接合する際に用いられるものとしてもよい。この場合は、第1方向を、パネル長手方向とし、これに直交するパネル幅方向を第2方向としてもよい。また、芯材位置決め治具を、四周枠を構成する縦桟12,12及び横桟14に加えて桟材15、つまり、パネル芯材11全体を接合する際に用いられるものとしてもよい。本実施形態に係る芯材位置決め治具及びこれを備えた芯材接合装置の各部材及び各部の構成は、上記したような構成に限られず、その他、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0060】
2 横桟パーツ作製部(芯材接合装置)
4 接合部
4A 縦接合部(第2方向接合部)
4B 横接合部(第1方向接合部)
11 パネル芯材
12 縦桟(芯材構成部材)
14 横桟(芯材構成部材、第1桟材)
14A 上端横桟(横桟、第1桟材)
14B 下端横桟(横桟、第1桟材)
14C 中間横桟(横桟、第1桟材)
15 桟材(芯材構成部材)
15A 上端桟材(芯材構成部材)
15B 下端桟材(芯材構成部材)
15C 中間桟材(芯材構成部材)
20 横桟パーツ治具(芯材位置決め治具)
20A 上端横桟パーツ治具(芯材位置決め治具)
20B 下端横桟パーツ治具(芯材位置決め治具)
20C 中間横桟パーツ治具(芯材位置決め治具)
21 ベースプレート
22 圧縮エアー接続部
23 エアー供給路
24 位置決め部
24a 側部位置決め部
24b 第1端部位置決め部
25 可動位置決め部
25b 第2端部位置決め部
26 エアーシリンダ(押当機構)
27 ロッド
28 押当部
33 圧縮エアー供給部
40 上方側縦接合部(上方側接合部)
41 下方側縦接合部(下方側接合部)
44 上方側横接合部(上方側接合部)
45 下方側横接合部(下方側接合部)
図1
図2
図3
図4
図5