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特許7394357プログラム、情報処理装置の制御方法、及び情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置の制御方法、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/45 20140101AFI20231201BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20231201BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20231201BHJP
   A63F 13/822 20140101ALI20231201BHJP
【FI】
A63F13/45
A63F13/58
A63F13/55
A63F13/822
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022137252
(22)【出願日】2022-08-30
(62)【分割の表示】P 2020196075の分割
【原出願日】2015-09-16
(65)【公開番号】P2022164788
(43)【公開日】2022-10-27
【審査請求日】2022-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 優太
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-002896(JP,A)
【文献】特開2011-125563(JP,A)
【文献】特開2010-268854(JP,A)
【文献】特開2002-166053(JP,A)
【文献】いまアツいギルドバトルRPG「ドラゴンジェネシス」”聖戦”のいろは,ファミ通App[online],2014年07月22日,インターネット<URL:https://app.famitsu.com/20140722_409362/>,[2023年6月8日検索]
【文献】大連携!! オーディンバトル,大特集!!gloopsマガジン ,株式会社エンターブレイン,2012年05月31日,p.30~36
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコマンドのうちの特定コマンドが選択されると、対戦ゲームに用いられるゲーム媒体を第2状態とし、
前記ゲーム媒体が前記第2状態である場合に、所定時間経過すると前記ゲーム媒体を第3状態とし、
前記ゲーム媒体が前記第3状態である場合には、前記特定コマンドが実行可能であり、前記特定コマンドが実行されると、前記第3状態である前記ゲーム媒体により基本動作より対戦ゲームに与える影響が大きい動作が実行され、
前記ゲーム媒体は、対戦相手側ゲーム媒体から攻撃を受けうる前衛と、前記対戦相手側ゲーム媒体から攻撃を受けない後衛のいずれか一方に配置され、前記特定コマンドは、前衛でのみ選択可能な第1特定コマンドと、後衛でのみ選択可能な第2特定コマンドとを含
前記第3状態である前記ゲーム媒体は、さらに、前記基本動作及び前記基本動作より対戦ゲームに与える影響が大きい前記動作とは異なる固有のスキルに係る動作を実行できる、ゲーム制御方法。
【請求項2】
前記ゲーム媒体は、前衛と後衛のポジションを対戦中に変更可能である、請求項1に記載のゲーム制御方法。
【請求項3】
前記第1特定コマンド又は前記第2特定コマンドが実行された場合、前記基本動作より対戦ゲームに与える影響が大きい前記動作は、1回の対戦中にそれぞれ所定の上限回数まで実行可能である、請求項1又は2に記載のゲーム制御方法。
【請求項4】
前記固有のスキルに係る動作は、前記ゲーム媒体を第1状態とする動作を含み、
前記第1状態である前記ゲーム媒体は、前記対戦相手側ゲーム媒体の動作の対象を、他の前記ゲーム媒体から、前記第1状態である該ゲーム媒体へ変更する、請求項1から3のいずれか1項に記載のゲーム制御方法。
【請求項5】
前記ゲーム媒体は、前衛及び後衛のいずれに配置されているときも、前記第1状態とされる対象となりえ、前衛に配置された場合と比べて、後衛に配置された場合の方が、前記対戦相手側ゲーム媒体の動作によって受けるダメージ量が大きく又は小さくなるように設定される、請求項に記載のゲーム制御方法。
【請求項6】
前記第3状態である前記ゲーム媒体が、前記基本動作より対戦ゲームに与える影響が大きい前記動作を実行すると、前記第3状態が解除される、請求項1からのいずれかに記載のゲーム制御方法。
【請求項7】
前記基本動作は、攻撃、回復及び防御の少なくとも1つを含む、請求項1からのいずれかに記載のゲーム制御方法。
【請求項8】
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
複数のコマンドのうちの特定コマンドが選択されると、対戦ゲームに用いられるゲーム媒体を第2状態とし、
前記第2状態である場合に、所定時間経過すると前記ゲーム媒体を第3状態とし、
前記ゲーム媒体が前記第3状態である場合には、前記特定コマンドを実行可能とし、前記特定コマンドを実行すると、前記第3状態である前記ゲーム媒体が、基本動作より対戦ゲームに与える影響が大きい動作を実行し、
前記ゲーム媒体は、対戦相手側ゲーム媒体から攻撃を受けうる前衛と、前記対戦相手側ゲーム媒体から攻撃を受けない後衛のいずれか一方に配置され、前記特定コマンドは、前衛でのみ選択可能な第1特定コマンドと、後衛でのみ選択可能な第2特定コマンドとを含
前記第3状態である前記ゲーム媒体は、さらに、前記基本動作及び前記基本動作より対戦ゲームに与える影響が大きい前記動作とは異なる固有のスキルに係る動作を実行できる、情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置に、
複数のコマンドのうちの特定コマンドが選択されると、対戦ゲームに用いられるゲーム媒体を第2状態とするステップと、
前記ゲーム媒体が前記第2状態である場合に、所定時間経過すると前記ゲーム媒体を第3状態とするステップと、
を実行させ、
前記ゲーム媒体が前記第3状態である場合には、前記特定コマンドが実行可能であり、前記特定コマンドが実行されると、前記第3状態である前記ゲーム媒体により基本動作より対戦ゲームに与える影響が大きい動作が実行され、
前記ゲーム媒体は、対戦相手側ゲーム媒体から攻撃を受けうる前衛と、前記対戦相手側ゲーム媒体から攻撃を受けない後衛のいずれか一方に配置され、前記特定コマンドは、前衛でのみ選択可能な第1特定コマンドと、後衛でのみ選択可能な第2特定コマンドとを含
前記第3状態である前記ゲーム媒体は、さらに、前記基本動作及び前記基本動作より対戦ゲームに与える影響が大きい前記動作とは異なる固有のスキルに係る動作を実行できる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置の制御方法、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のキャラクタ同士が対戦する対戦ゲームが知られている。例えば特許文献1には、それぞれ複数のキャラクタが属するグループ同士でグループ対戦(GvG対戦)を行うゲームが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-123284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の対戦ゲームにおいて、キャラクタが実行可能な動作として、例えば敵キャラクタに対する攻撃や、味方キャラクタに対する回復等が一般的である。しかしながら、これらの動作は、個々のキャラクタが実行することで完結するため、例えば味方キャラクタ同士が協力して対戦を進行させる戦略性の拡大について改善の余地があった、
かかる事情に鑑みてなされた目的は、対戦の戦略性を拡大させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明に係るプログラムは、情報処理装置に、複数のコマンドのうちの特定コマンドが選択されると、対戦ゲームに用いられるゲーム媒体を第2状態とするステップと、前記ゲーム媒体が前記第2状態である場合に、所定時間経過すると前記ゲーム媒体を第3状態とするステップと、を実行させ、前記ゲーム媒体が前記第3状態である場合には、前記特定コマンドが実行可能であり、前記特定コマンドが実行されると、前記第3状態である前記ゲーム媒体により基本動作より対戦ゲームに与える影響が大きい動作が実行され、前記ゲーム媒体は、対戦相手側ゲーム媒体から攻撃を受けうる前衛と、前記対戦相手側ゲーム媒体から攻撃を受けない後衛のいずれか一方に配置され、前記特定コマンドは、前衛でのみ選択可能な第1特定コマンドと、後衛でのみ選択可能な第2特定コマンドとを含む、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
ゲームの戦略性が拡大する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態に係るゲームシステムのブロック図である。
図2】ユーザに関する情報の例を示す図である。
図3】ゲーム媒体に関する情報の例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係るゲーム画面の例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係るゲーム画面の例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係るゲーム画面の例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係るゲーム画面の例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係るゲーム画面の例を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係るゲーム画面の例を示す図である。
図10図1のサーバ装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0009】
はじめに、図1を参照して、本発明の一実施形態に係るゲームシステム10について説明する。ゲームシステム10は、サーバ装置11と、複数の端末装置12と、を備える。図1では簡便のため、端末装置12は1つのみ図示している。サーバ装置11と端末装置12とは、例えばインターネット等のネットワーク13を介して通信可能に接続される。
【0010】
サーバ装置11は、個々のユーザが所有する端末装置12に対してゲームを提供する。サーバ装置11及び端末装置12は、それぞれゲームの処理の少なくとも一部を実行する。
【0011】
ここで、本実施形態に係るゲームの概要について説明する。本実施形態に係るゲームは、ゲーム媒体を用いて対戦を行うゲームである。ゲーム媒体は、ゲームに使用される電子データであり、例えば、カード、アイテム、キャラクタ、及びアバタ等、任意の媒体を含む。また、ゲーム媒体は、ゲーム内において、ユーザによって取得、保有、使用、管理、交換、合成、強化、売却、廃棄、及び/又は贈与等され得る電子データであるが、ゲーム媒体の利用態様は本明細書で明示されるものに限られない。
【0012】
以下、特に明示した場合を除き、「ユーザが所有するゲーム媒体」とは、ユーザのユーザIDに対応付けられたゲーム媒体を示す。また、「ゲーム媒体をユーザに付与する」とは、ゲーム媒体をユーザIDに対応付けることを示す。また、「ユーザが所有するゲーム媒体を破棄する」とは、ユーザIDとゲーム媒体との対応付けを解消することを示す。
【0013】
本実施形態に係るゲームにおいて、それぞれ複数のユーザが所属するグループ同士による対戦(GvG対戦)が行われる。各ユーザは、自身が操作するゲーム媒体(例えば、キャラクタ)に所定の動作(例えば、攻撃、回復、及び防御等)を実行させるコマンドを選択する。コマンドが選択されると、ゲーム媒体に当該コマンドに対応する動作をさせる。例えば、ゲーム媒体が対戦相手のグループに属するゲーム媒体(以下、「対戦相手のゲーム媒体」ともいう。)を対象とする攻撃を実行すると、対戦相手の当該ゲーム媒体にダメージが与えられる。そして、対戦相手の当該ゲーム媒体のHP(体力値ともいう)が、与えられたダメージ量だけ減少する。
【0014】
ここで、各グループの複数のゲーム媒体は、1以上の前衛と、任意の数の後衛と、に分かれて対戦を行う。ゲーム媒体は、前衛と後衛とで対戦に関する条件が異なる。具体的には、ゲーム媒体は、対戦相手の前衛のゲーム媒体を対象に定めて所定の動作(例えば、攻撃)を実行可能である一方、対戦相手の後衛のゲーム媒体を対象に定めることができない。換言すると、後衛のキャラクタは、対戦相手のゲーム媒体から、例えば攻撃を受けることがない。また、ゲーム媒体に対して所定のコマンド(「交代」コマンド)が選択されると、当該ゲーム媒体の前衛と後衛とが切り替わる。
【0015】
そして、対戦において所定の勝利条件が満たされると、ユーザが所属するグループの勝利と判定される。所定条件は、例えば、対戦相手の前衛のゲーム媒体全てのHPをゼロまで減少させるとの条件、又は、所定の制限時間において、対戦相手のゲーム媒体から与えられたダメージの合計値よりも、対戦相手のゲーム媒体に与えたダメージの合計値が多いとの条件であるが、これらの条件に限られない。
【0016】
また本実施形態に係るゲームにおいて、コマンドには、基本コマンド、スキルコマンド、及び必殺技コマンドの3種類のコマンドが含まれる。
【0017】
基本コマンドは、例えば攻撃、回復、及び防御等、各ゲーム媒体が共通して実行可能な動作(基本動作)に対応するコマンドである。例えば「攻撃」コマンドが選択されると、ゲーム媒体は、対戦相手のゲーム媒体を対象とした攻撃を行う。
【0018】
スキルコマンドは、例えばゲーム媒体に固有の動作(スキル)、又は、ゲーム媒体に対応付けられた他のゲーム媒体(例えば、武器等の装備アイテム又は1以上のカードを含むデッキ等)に固有の動作(スキル)に対応するコマンドである。本実施形態において、スキルコマンドには、例えば「かばう」コマンドが含まれる。
【0019】
「かばう」コマンドが選択されると、ゲーム媒体は第1状態に定められる。第1状態のゲーム媒体Aは、同一のグループに所属する他のゲーム媒体B(以下、「仲間のゲーム媒体」ともいう。)をかばう動作を行う。具体的には、例えば対戦相手のゲーム媒体が、仲間のゲーム媒体Bを対象に定めて攻撃を行う場合、攻撃の対象が第1状態のゲーム媒体Aに変更される。したがって、対戦相手のゲーム媒体が実行する攻撃によって、仲間のゲーム媒体のかわりに、第1状態のゲーム媒体にダメージが与えられる。第1状態のゲーム媒体が仲間のゲーム媒体をかばった回数(即ち、攻撃対象が変更された回数)が所定の上限値に達すると、当該ゲーム媒体の第1状態が解消される。
【0020】
必殺技コマンドは、ゲーム媒体に固有の動作(必殺技)、又は、ゲーム媒体に対応付けられる他のゲーム媒体に固有の動作(必殺技)に対応するコマンドである。必殺技コマンドには、前衛でのみ選択可能な前衛必殺技コマンドと、後衛でのみ選択可能な後衛必殺技コマンドと、が含まれる。前衛必殺技コマンド及び後衛必殺技コマンドは、それぞれ前衛必殺技及び後衛必殺技に対応する。前衛必殺技及び後衛必殺技は、1回の対戦中にそれぞれ所定の上限回数(本実施形態では、1回)まで実行可能である。また必殺技は、基本動作及びスキルと比較して、例えば対戦の状況に及ぶ影響(効果)が大きい。例えば、基本動作である攻撃によって与えられるダメージ量よりも、必殺技によって与えられるダメージ量のほうが大きい。
【0021】
また、必殺技コマンドは、選択されてから対応する動作(必殺技)が実行されるまでの過程が、基本コマンド及びスキルコマンドと相違する。例えば、「必殺技」コマンドが選択されると、まずゲーム媒体が第2状態に定められる。ゲーム媒体が第2状態に定められると、当該ゲーム媒体に対するコマンドの選択が禁止される。したがって、第2状態のゲーム媒体は、例えば攻撃又は防御等の種々の動作を実行できず、無防備となる。
【0022】
続いて、ゲーム媒体の第2状態が所定時間継続すると、ゲーム媒体が第2状態から第3状態に切り替わる。第3状態のゲーム媒体は、基本コマンド及びスキルコマンドに加えて、「必殺技」コマンドに対応する必殺技を実行可能である。本実施形態において、第3状態のゲーム媒体に対し再度「必殺技」コマンドが選択された場合、当該ゲーム媒体は必殺技を実行する。
【0023】
第2状態又は第3状態のゲーム媒体は、所定の解除条件、例えば所定量のダメージを受けるとの条件が満たされると、当該ゲーム媒体の第2状態又は第3状態が解消される。第2状態又は第3状態が解消されると、1回の対戦中に必殺技を実行可能な回数が減少する。したがって、本実施形態に係るゲームにおいて、仲間のゲーム媒体が第2状態又は第3状態となった場合、ユーザは「かばう」コマンドを選択することによって、当該第2状態又は第3状態が解除されることを抑制し、当該仲間のゲーム媒体による必殺技の実行を補助するとの戦略が形成される。
【0024】
次に、ゲームシステム10の各構成要素について説明する。サーバ装置11は、サーバ通信部14と、サーバ記憶部15と、サーバ制御部16と、を備える。
【0025】
サーバ通信部14は、外部装置と無線又は有線によって通信し、情報の送受信を行うインターフェースである。本実施形態において、サーバ通信部14は、ネットワーク13を介して、端末装置12との間で情報の送受信を行う。
【0026】
サーバ記憶部15は、例えば記憶装置であって、多様な情報を記憶可能である。本実施形態において、サーバ記憶部15は、ゲームの提供及び制御に必要な種々の情報及びプログラムを記憶する。例えばサーバ記憶部15は、ユーザ毎に、ユーザに関する情報を記憶する。
【0027】
ユーザに関する情報は、例えば図2に示すように、ユーザIDに対応付けて、グループIDと、ゲーム媒体に関する情報と、を含むが、ユーザに固有の任意の情報を更に含んでもよい。
【0028】
ユーザIDは、ユーザを一意に識別可能な情報であって、例えばユーザ毎に定められた任意の文字列又はユーザが任意に設定したユーザ名等である。
【0029】
グループIDは、ユーザが所属するグループを一意に識別可能な情報であって、例えばグループ毎に定められた任意の文字列又はグループに所属するユーザが任意に設定したグループ名等である。本実施形態において、1つのグループには、複数のユーザが所属する。即ち、1つのグループIDに対して複数のユーザIDが対応付けられる。
【0030】
ゲーム媒体に関する情報は、例えば図3に示すように、ゲーム媒体IDに対応付けて、ゲームパラメータと、コマンドに関する情報と、を含むが、ゲーム媒体に固有の任意の情報を更に含んでもよい。図3では簡便のため、ゲーム媒体IDを1つのみ図示している。
【0031】
ゲーム媒体IDは、対戦に使用可能なゲーム媒体(例えば、キャラクタ)を一意に識別可能な情報であって、例えばゲーム媒体毎に定められた任意の文字列又はゲーム媒体の名称等である。図3では簡便のため、ゲーム媒体IDを1つのみ図示している。
【0032】
ゲームパラメータは、対戦の進行に必要な、ゲーム媒体に関する種々のパラメータを含む。本実施形態において、ゲームパラメータは、属性と、ジョブと、ポジションと、BPと、レベルと、HPと、攻撃力と、防御力と、を含む。
【0033】
属性は、ゲーム媒体間の優劣関係を示す情報である。本実施形態において、属性は、「火」、「木」、及び「水」の3つの属性のうち少なくとも1つの属性を示す。例えば火属性のゲーム媒体は、木属性のゲーム媒体に対して与えるダメージが通常よりも大きくなり、水属性のゲーム媒体に対して与えるダメージが通常よりも小さくなる。属性の種類は、火、木、及び水に限られず、任意の種類の属性が存在してもよい。
【0034】
ジョブは、ゲーム媒体の種類(例えば、キャラクタの職業)を示す情報である。本実施形態において、複数の系統(例えば「力」系統、「技」系統、及び「知」系統)それぞれについて複数のジョブが存在する。例えば、力系統のジョブには、剣士及び重剣士等が含まれる。また技系統のジョブには、銃撃士及び盗賊等が含まれる。また知系統のジョブには、航海士及び戦術士等が含まれる。ジョブに応じて、ゲーム媒体の他のゲームパラメータ(例えば、HP、攻撃力、及び防御力等)及び実行可能な必殺技が異なる。ジョブは、例えば対戦の開始前に端末装置12からの要求に応じて変更可能である。
【0035】
ポジションは、前衛及び後衛の何れか一方を示す情報である。上述したように、ポジションに応じて、ゲーム媒体の対戦に関する条件が異なる。ポジションは、例えば対戦中に端末装置12からの要求に応じて変更可能である。
【0036】
BP(バトルポイント)は、ゲーム媒体に対するコマンドの選択が可能か否かの判定に用いられるパラメータである。後述するように、コマンドが選択される際、コマンドに設定された消費BPの値が、BPの値以下である場合、BPが消費BPの値だけ減少することによって、当該コマンドの選択が受け付けられる。一方、コマンドに設定された消費BPの値が、BPの値よりも大きい場合、当該コマンドの選択は禁止される。本実施形態において、対戦の開始時に、各ゲーム媒体に所定値(例えば、100ポイント)のBPが対応付けられる。BPは、例えば所定のゲーム媒体(例えば、アイテム)を使用(消費)することによって、対戦中に増加可能である。
【0037】
レベルは、ゲーム媒体の成長度を示すパラメータである。例えば、レベルが増加すると、他のゲームパラメータ(例えば、HP、攻撃力、及び防御力)が増加する。
【0038】
HPは、対戦相手であるゲーム媒体から受けるダメージによって減少するパラメータである。HPがゼロまで減少すると、ゲーム媒体は行動不能となり、当該ゲーム媒体に対するコマンドの選択ができなくなる。
【0039】
攻撃力は、対戦相手であるゲーム媒体に与えるダメージ量の決定に寄与するパラメータである。攻撃力が大きいほど、例えば攻撃等によって与えるダメージ量が大きくなる。
【0040】
防御力は、対戦相手であるゲーム媒体から受けるダメージ量の決定に寄与するパラメータである。防御力が大きいほど、例えば攻撃等によって受けるダメージ量が小さくなる。
【0041】
ゲームパラメータは、上述したものに限られず、ゲーム媒体に固有の任意の情報が含まれてもよい。
【0042】
コマンドに関する情報は、対戦中にゲーム媒体に対して選択可能なコマンドに関する種々の情報を含む。コマンドに関する情報は、種々のコマンドに対応付けて、消費BPと、コマンドレベルと、を含む。本実施形態において、コマンドには、基本コマンドと、スキルコマンドと、前衛必殺技コマンドと、後衛必殺技コマンドと、が含まれる。
【0043】
基本コマンドは、基本動作に対応するコマンドである。基本動作には、例えば「攻撃」、「防御」、「回復」、「支援」、及び「交代」が含まれる。「攻撃」は、対戦相手のゲーム媒体を対象としてダメージを与える動作である。「防御」は、対戦相手のゲーム媒体から受けるダメージを軽減する動作である。「支援」は、仲間のゲーム媒体のゲームパラメータ(例えば、攻撃力又は防御力等)を変化(上昇)させる動作である。「交代」は、前衛と後衛とを切り替える動作である。
【0044】
スキルコマンドは、上述したように、例えばゲーム媒体に固有の動作(スキル)に対応するコマンドである。スキルには、例えば「かばう」が含まれる。「かばう」は、上述したように、例えば対戦相手のゲーム媒体の攻撃を代わりに受けることで仲間のゲーム媒体をかばう動作である。
【0045】
前衛必殺技コマンドは、前衛でのみ実行可能な動作(前衛必殺技)に対応する必殺技コマンドである。また後衛必殺技コマンドは、後衛でのみ実行可能な動作(後衛必殺技)に対応する必殺技コマンドである。上述したように、前衛必殺技及び後衛必殺技は、1回の対戦でそれぞれ上限回数(例えば、1回)まで実行可能である。
【0046】
消費BPは、対応するコマンドの選択に必要なバトルポイント(BP)の量を示す情報である。例えば、「攻撃」コマンドの選択には、20ポイントのBPが必要となる。また本実施形態において、上述した「必殺技」コマンドについては、消費BPはゼロに定められる。換言すると、「必殺技」コマンドは、BPを消費することなく選択可能である。
【0047】
コマンドレベルは、コマンドに対応する動作の性能を示す情報であって、コマンドレベルが大きいほど動作の効果が高くなる。例えば、「攻撃」コマンドのコマンドレベルが大きいほど、攻撃によって与えるダメージ量が大きくなる。また後述するように、「かばう」コマンドのコマンドレベルが大きいほど、仲間のゲーム媒体をかばう回数の上限回数が大きくなる。
【0048】
図1に示すサーバ制御部16は、例えば専用のマイクロプロセッサ又は特定のプログラムを読み込むことにより特定の機能を実現するCPUである。サーバ制御部16は、サーバ装置11全体の動作を制御する。例えばサーバ制御部16は、サーバ通信部14を介して情報の送受信を行う。また例えば、サーバ制御部16は、端末装置12におけるゲームの進行に応じて、ゲームの進行に必要な種々の情報を端末装置12へ送信する。ゲームの進行に必要な情報には、例えばユーザに関する情報が含まれ得る。
【0049】
また例えば、サーバ制御部16は、グループ同士によるGvG対戦のサーバ側の処理(サーバ側対戦処理)を実行する。
【0050】
具体的には、サーバ制御部16は、対戦を行なう2つのグループを決定する。
【0051】
続いてサーバ制御部16は、対戦の実行に必要な情報、例えば、対戦を行う複数のユーザに対応するゲーム媒体に関する情報を、当該複数のユーザの端末装置12へ送信して記憶させる。
【0052】
続いてサーバ制御部16は、対戦を開始する。
【0053】
対戦中、サーバ制御部16は、例えば端末装置12から、ゲーム媒体に対するコマンドを選択するユーザ入力を受信すると、ユーザ入力に応じたコマンドを選択する。
【0054】
続いてサーバ制御部16は、選択されたコマンドに対応する動作を、ゲーム媒体に実行させる。ゲーム媒体による動作の実行結果として、サーバ制御部16は、例えばゲーム媒体のゲームパラメータ(例えば、HP)を変化させ、当該ゲーム媒体に関する情報を更新する。
【0055】
続いてサーバ制御部16は、ゲーム媒体に関する情報の更新に係る情報(例えば、変化後のゲームパラメータ)を当該複数のユーザの端末装置12へ送信する。このようにして、サーバ装置11において行われたゲーム媒体に関する情報の更新が、端末装置12においても適用され、サーバ装置11と端末装置12との双方で最新の情報が保持される。またサーバ制御部16は、ゲーム媒体が実行した動作を示す演出(例えば、ゲーム媒体が対戦相手のゲーム媒体に対する攻撃を行う様子を表示する演出等)を端末装置12に実行させる。
【0056】
またサーバ制御部16は、対戦を行なう2つのグループの何れか一方が所定の勝利条件を満たすか否かを判定する。そしてサーバ制御部16は、勝利条件を満たしたグループを対戦の勝者に定めて、対戦を終了する。
【0057】
サーバ側対戦処理の細部については後述する。
【0058】
次に、端末装置12について説明する。端末装置12は、端末通信部17と、端末記憶部18と、表示部19と、端末制御部20とを備える。
【0059】
端末通信部17は、外部装置と無線又は有線によって通信し、情報の送受信を行うインターフェースである。本実施形態において、端末通信部17は、ネットワーク13を介して、サーバ装置11と情報の送受信を行う。
【0060】
端末記憶部18は、例えば記憶装置であって、多様な情報を記憶可能である。本実施形態において、端末記憶部18は、サーバ装置11から提供されるゲームの処理に必要な種々の情報及びプログラムを記憶する。例えば端末記憶部18は、本実施形態に係るゲームのアプリケーションを予め記憶する。また端末記憶部18は、例えばユーザに関する情報等、サーバ装置11から受信した種々の情報を記憶する。
【0061】
表示部19は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等の表示デバイスである。また表示部19は、例えばタッチパネルで構成され、画面に対するユーザ操作を検出し、検出されたユーザ操作に応じたユーザ入力を受け付ける入力インターフェースとして機能する。本実施形態において、表示部19は、サーバ装置11から提供されるゲームに係る種々のゲーム画面を表示する。
【0062】
端末制御部20は、例えば専用のマイクロプロセッサ又は特定のプログラムを読み込むことにより特定の機能を実現するCPUである。端末制御部20は、端末装置12全体の動作を制御する。例えば端末制御部20は、ユーザ入力に応じてゲームのアプリケーションを実行する。
【0063】
また例えば、端末制御部20は、グループ同士によるGvG対戦の端末側の処理(端末側対戦処理)を実行する。
【0064】
具体的には、端末制御部20は、サーバ側対戦処理を実行するサーバ装置11から、対戦の実行に必要な情報、例えば対戦を行う複数のユーザに対応するゲーム媒体に関する情報を受信すると、当該情報を端末記憶部18に記憶させる。
【0065】
続いて端末制御部20は、後述するゲーム画面を表示部19に表示させる。
【0066】
続いて端末制御部20は、ゲーム画面を表示させた表示部19が受け付けたユーザ入力、例えばゲーム媒体に対するコマンドを選択するユーザ入力を、サーバ装置11へ送信する。
【0067】
続いて端末制御部20は、ゲーム媒体に関する情報の更新に係る情報をサーバ装置11から受信すると、当該情報に基づいて端末記憶部18に記憶した除法を更新する。また端末制御部20は、ゲーム媒体が実行した動作を示す演出を行う。
【0068】
端末側対戦処理の細部については後述する。
【0069】
次に、図4乃至図9に示すゲーム画面21を参照して、サーバ装置11が実行するサーバ側対戦処理の細部、及び端末装置12が実行する端末側対戦処理の細部について説明する。ゲーム画面21は、対戦中に端末装置12の表示部19に表示される画面である。以下、端末装置12は、対戦を行うユーザAの端末装置12であるものとして説明する。また、ユーザAが所属するグループをグループAといい、グループAの対戦相手であるグループをグループBという。
【0070】
図4に示すように、ゲーム画面21は、フィールド表示領域22と、対戦情報表示領域23と、コマンド表示領域24と、を含む。
【0071】
フィールド表示領域22は、対戦を行う複数のゲーム媒体が表示される領域である。フィールド表示領域22は、例えば第1前衛領域25と、第1後衛領域26と、第2前衛領域27と、第2後衛領域28と、を含む。本実施形態において、フィールド表示領域22は、例えばゲーム画面21に対するスワイプ操作に応じて左右にスクロールする。
【0072】
第1前衛領域25及び第1後衛領域26には、グループAの複数のゲーム媒体29(以下、「第1ゲーム媒体」ともいう。)のうち、それぞれ前衛の第1ゲーム媒体29及び後衛の第1ゲーム媒体29が表示される。ここでは、ユーザAの第1ゲーム媒体29aと、仲間の第1ゲーム媒体29b、29cと、が前衛である。また、仲間の第1ゲーム媒体29dが後衛である。
【0073】
同様に、第2前衛領域27及び第2後衛領域28には、グループBの複数のゲーム媒体30(以下、「第2ゲーム媒体」ともいう。)のうち、それぞれ前衛の第2ゲーム媒体30及び後衛の第2ゲーム媒体30が表示される。ここでは、対戦相手の第2ゲーム媒体30a、30b、30cが前衛である。また、対戦相手の第2ゲーム媒体30dが後衛である。このように、図4は、合計8人のユーザが対戦に参加している様子を示す。
【0074】
ここで、第2状態又は第3状態のゲーム媒体は、ゲーム画面21上で他の状態のゲーム媒体と区別可能に表示される。例えば、図4において第1ゲーム媒体29bが第2状態又は第3状態であるものとする。かかる場合、端末制御部20は、例えば第1ゲーム媒体29bの近傍にマーカ31を表示させる。したがって、対戦を行う各ユーザは、マーカ31の有無に応じて、第1ゲーム媒体29及び第2ゲーム媒体30それぞれの、第2状態又は第3状態と、他の状態と、を識別可能である。
【0075】
対戦情報表示領域23には、ユーザAの第1ゲーム媒体29aに関する情報が表示される。例えば、対戦情報表示領域23には、図4に示すように、第1ゲーム媒体のHP32と、BP33と、「必殺技」コマンド選択後の第2状態の継続時間34と、が数値及び/又はインジケータで表示される。
【0076】
コマンド表示領域24には、コマンドボタン35が表示される。コマンドボタン35は、第1ゲーム媒体29aに対するコマンドを選択するユーザ入力を受け付けるインターフェースである。各コマンドボタン35は、第1ゲーム媒体29aに対応付けられたコマンドに対応する。図4において、コマンド表示領域24には、7つのコマンドボタン35a乃至35gが表示される。以下、基本コマンド、スキルコマンド、及び必殺技コマンドが選択された場合の処理についてそれぞれ説明する。
【0077】
(基本コマンド)
はじめに、基本コマンドについて説明する。例えば、基本動作である「攻撃」に対応するコマンドボタン35aに対するタップ操作が検出されると、端末制御部20は、第1ゲーム媒体29aのBPが「攻撃」コマンドに対応する消費BP以上である場合、第2前衛領域27内の第2ゲーム媒体30a、30b、30cのうち少なくとも1つを「攻撃」の対象として選択するユーザ入力を待ち受ける。
【0078】
対象の選択は、例えば第2前衛領域27内に表示された第2ゲーム媒体30a、30b、30cのうち少なくとも1つに対するタップ操作によって行われるが、対象の選択を行うユーザ操作はこれに限られない。例えば、端末制御部20が、コマンドボタン35aに対するタップ操作の検出に応じてゲーム画面21上に第2ゲーム媒体30のリストを表示させ、当該リスト上に表示された第2ゲーム媒体30a、30b、30cのうち少なくとも1つに対するタップ操作によって、対象の選択が行われてもよい。ここでは、対象として、例えば第2ゲーム媒体30aが選択されたものとする。
【0079】
そして端末制御部20は、「攻撃」の対象を選択するユーザ入力を受け付けると、「攻撃」コマンド及び「攻撃」の対象を選択するユーザ入力をサーバ装置11へ送信する。
【0080】
次にサーバ制御部16は、端末装置12から受信したユーザ入力に基づいて、「攻撃」コマンド及び「攻撃」の対象の選択を受け付ける。
【0081】
続いてサーバ制御部16は、第1ゲーム媒体29aのBP(例えば、100ポイント)を、「攻撃」コマンドに対応する消費BP分(例えば、20ポイント)だけ減少させる。
【0082】
続いてサーバ制御部16は、第1ゲーム媒体29aに「攻撃」を実行させ、対象の第2ゲーム媒体30aに与えるダメージ量を算出し、第2ゲーム媒体30aのHPを減少させる。
【0083】
続いてサーバ制御部16は、「攻撃」の実行結果を示す情報(例えば、第2ゲーム媒体30aの減少後のHP)を、対戦に参加する全てのユーザの端末装置12へ送信する。
【0084】
そして端末制御部20は、サーバ装置11から受信した当該情報に基づいて、例えば第1ゲーム媒体29aが第2ゲーム媒体30aに対して攻撃を行う演出、及び第2ゲーム媒体30aのHPが減少する演出を行う。
【0085】
「攻撃」以外の他の基本動作については、動作の実行結果として変化するゲームパラメータが異なるが、例えば「攻撃」と同様の処理が実行されるため、説明は省略する。
【0086】
(スキルコマンド)
次に、スキルコマンドについて説明する。例えば、スキルである「かばう」に対応するコマンドボタン35eに対するタップ操作が検出されると、端末制御部20は、第1ゲーム媒体29aのBPが「かばう」コマンドに対応する消費BP以上である場合、第1前衛領域25内の仲間の第1ゲーム媒体30b、30cのうち少なくとも1つを「かばう」対象として選択するユーザ入力を待ち受ける。対象の選択は、上述した「攻撃」の場合と同様に、例えば第1前衛領域25内に表示された第1ゲーム媒体29b、29cのうち少なくとも1つに対するタップ操作によって行われる。
【0087】
好適には、端末制御部20は、「かばう」対象を選択するユーザ入力を待ち受ける間、第2状態又は第3状態である第1ゲーム媒体29bを、他の状態の第1ゲーム媒体29cとは異なる表示態様で表示させる。例えば、端末制御部20は、第1ゲーム媒体29bの色を変えて表示させ、或いは明滅させる等、所定の強調表示を行う。このようにして、上述したように無防備である第2状態、又は解除条件の達成によって解消され得る第3状態の第1ゲーム媒体29bを「かばう」対象として選択することを促す。或いは、端末制御部20aは、第2状態又は第3状態である第1ゲーム媒体29bを優先的に、対象として自動的に選択してもよい。ここでは、第2状態又は第3状態である第1ゲーム媒体29bが選択されたものとする。
【0088】
続いて端末制御部20は、「かばう」対象を選択するユーザ入力を受け付けると、「かばう」コマンド及び「かばう」対象を選択するユーザ入力をサーバ装置11へ送信する。
【0089】
次にサーバ制御部16は、端末装置12から受信したユーザ入力に基づいて、「かばう」コマンド及び「かばう」対象の選択を受け付ける。
【0090】
続いてサーバ制御部16は、第1ゲーム媒体29aのBP(例えば、100ポイント)を、「かばう」コマンドに対応する消費BP分(例えば、50ポイント)だけ減少させる。
【0091】
続いてサーバ制御部16は、第1ゲーム媒体29aを第1状態に定める。
【0092】
続いてサーバ制御部16は、第1ゲーム媒体29aに関する情報に基づき、「かばう」コマンドのコマンドレベルに応じて、「かばう」動作を実行する上限回数(第1閾値)を決定する。例えば、サーバ制御部16は、コマンドレベルが大きいほど、「かばう」動作を実行する上限回数を大きくする。
【0093】
続いてサーバ制御部16は、第1ゲーム媒体29aが第1ゲーム媒体29bを対象として第1状態に定められたことを示す情報を、対戦に参加する全てのユーザの端末装置12へ送信する。
【0094】
次に端末制御部20は、サーバ装置11から受信された当該情報に基づいて、例えば図5に示すように、第1状態の第1ゲーム媒体29aと、「かばう」対象である第1ゲーム媒体29bと、の対応関係を示す画像36をゲーム画面21上に表示させる。画像36は、例えば第1状態である第1ゲーム媒体29aから、対象に定められた第1ゲーム媒体29bへ向かって延びる矢印を示す画像であるが、これに限られない。
【0095】
続いてサーバ制御部16は、例えば第2ゲーム媒体30が第1ゲーム媒体29bを対象に含む「攻撃」を実行する際に、第1ゲーム媒体29aに「かばう」動作を実行させる。具体的には、サーバ制御部16は、第2ゲーム媒体30による「攻撃」の対象を、第1ゲーム媒体29bから第1状態である第1ゲーム媒体29aへ自動的に変更する。即ち、例えば第2ゲーム媒体30を操作するユーザの操作指示が第1ゲーム媒体29bを対象としている場合であっても、「攻撃」の対象が第1ゲーム媒体29aになる。したがって、第2ゲーム媒体30が実行する攻撃によって、第1ゲーム媒体29bの代わりに、第1ゲーム媒体29aがダメージを受けてHPが減少する。
【0096】
続いてサーバ制御部16は、第1ゲーム媒体29aが「かばう」動作を実行した回数、即ち第2ゲーム媒体30による動作の対象を第1ゲーム媒体29aへ変更した回数が、上限回数に達した場合、第1ゲーム媒体29aの第1状態を解消する。
【0097】
続いてサーバ制御部16は、「かばう」動作の実行結果を示す情報(例えば、第1ゲーム媒体29aの減少後のHP)を、対戦に参加する全てのユーザの端末装置12へ送信する。
【0098】
そして端末制御部20は、受信された当該情報に基づいて、例えば第1ゲーム媒体29aが第2ゲーム媒体30による攻撃から第1ゲーム媒体29bをかばう演出、及び第1ゲーム媒体29aのHPが減少する演出を行う。また、第1ゲーム媒体29aの第1状態が解消した場合、端末制御部20は、第1状態の第1ゲーム媒体29aと、「かばう」対象である第1ゲーム媒体29bと、の対応関係を示す画像36を非表示にする。
【0099】
また本実施形態において、1つの第1ゲーム媒体29を対象とし第1状態である複数の第1ゲーム媒体29が同時に存在してもよい。例えば、図6に示す例では、第1ゲーム媒体29a、29c、29dが、それぞれ第1ゲーム媒体29bを対象とする第1状態である。第1ゲーム媒体29a、29c、29dそれぞれから第1ゲーム媒体29bへ向かって延びる矢印を示す3つの画像36が、ゲーム画面21上に表示されている。
【0100】
かかる場合、サーバ制御部16は、例えば第2ゲーム媒体30が第1ゲーム媒体29bを対象に含む「攻撃」を実行する際に、所定の優先順位に従って、第1ゲーム媒体29a、29c、29dのうち、最も優先度が高い1つの第1ゲーム媒体29に「かばう」動作を実行させる。具体的には、サーバ制御部16は、最も優先度が高い1つの第1ゲーム媒体29を選択し、第2ゲーム媒体30の「攻撃」の対象を、選択された当該第1ゲーム媒体29へ変更する。
【0101】
例えば、サーバ制御部16は、ゲームシステム10へのユーザ登録の時期が早いユーザの第1ゲーム媒体29を優先的に選択する。
【0102】
或いは、サーバ制御部16は、第1ゲーム媒体29a、29c、29dに関する情報に基づいて、例えばHP若しくは防御力が大きい第1ゲーム媒体29、「攻撃」を実行する第2ゲーム媒体30の属性(例えば、火属性)に対して優勢な属性(例えば、水属性)の第1ゲーム媒体29、後衛の第1ゲーム媒体29、又は特定のジョブの第1ゲーム媒体29を優先的に選択する。
【0103】
ここでサーバ制御部16は、「かばう」動作を実行した第1ゲーム媒体29が前衛か後衛かに応じて、第2ゲーム媒体30の「攻撃」の実行結果を変化させてもよい。例えば、第1ゲーム媒体が、「かばう」動作を、前衛であるときに実行した場合と比べて、後衛であるときに実行した場合の方が、第2ゲーム媒体30の「攻撃」によって受けるダメージ量が大きく又は小さくなる。
【0104】
上述したように、後衛の第1ゲーム媒体29は、例えば第2ゲーム媒体30の「攻撃」の対象にならない点で有利である。したがって、第1ゲーム媒体29が後衛である場合に「かばう」動作の実行により受けるダメージ量を大きくする構成によって、後衛から「かばう」コマンドを実行するデメリットが形成され、ゲームバランスの調整が容易となる。一方、「かばう」動作の実行により受けるダメージ量を小さくする構成によって、後衛から「かばう」コマンドを実行するメリットが形成され、「かばう」コマンドを用いる戦略の有効性が更に向上する。
【0105】
(必殺技コマンド)
次に、必殺技コマンドについて説明する。例えば、必殺技である「前衛必殺技」に対応するコマンドボタン35gに対するタップ操作が検出されると、「前衛必殺技」コマンドを選択するユーザ入力をサーバ装置11へ送信する。ここで、第1ゲーム媒体29aが、例えば前衛から後衛に切り替わった場合、コマンドボタン35gに対応する動作が「前衛必殺技」から「後衛必殺技」に切り替わる。「後衛必殺技」については、「前衛必殺技」と同様であるため、説明は省略する。
【0106】
次にサーバ制御部16は、端末装置12から受信したユーザ入力に基づいて、「前衛必殺技」コマンドの選択を受け付ける。
【0107】
続いてサーバ制御部16は、第1ゲーム媒体29aを第2状態に定めて、対戦に参加する全てのユーザの端末装置12へ通知する。
【0108】
次に端末制御部20は、サーバ装置11から、第1ゲーム媒体29aが第2状態に定められた通知を受信すると、例えば図7に示すように、コマンド表示領域24内の全てのコマンドボタン35を暗く表示させ、コマンドボタン35に対するタップ操作の検出を停止する。このようにして、第2状態の第1ゲーム媒体29aに対するコマンドの選択が禁止される。また、コマンドボタン35gとして表示される画像を、例えば「前衛必殺技」と表記された画像から「詠唱中」と表記された画像に変化させる。このようにして、マーカ31と同様に、第1ゲーム媒体29aが第2状態であることを示す。
【0109】
続いて端末制御部20は、第2状態の第1ゲーム媒体29aの近傍にマーカ31を表示させる。
【0110】
またサーバ制御部16は、第1ゲーム媒体29aを第2状態に定めたとき、第2状態の継続時間の測定を開始する。続いてサーバ制御部16は、測定された第2状態の継続時間を、例えば周期的に、対戦に参加する全てのユーザの端末装置12へ通知する。
【0111】
次に端末制御部20は、サーバ装置11から第2状態の継続時間の通知を受信すると、対戦情報表示領域23における第1ゲーム媒体29aの第2状態の継続時間34の表示を変化させる。具体的には、第2状態の継続時間の増加に伴って、継続時間34のインジケータの長さが長くなる。
【0112】
またサーバ制御部16は、第2状態の第1ゲーム媒体29aについて所定の解除条件が満たされるか否かを判定する。本実施形態において解除条件は、第2状態の第1ゲーム媒体29aのHPが所定値(第2閾値)以上変化(例えば、減少)するとの第1条件、及び、第2状態の第1ゲーム媒体29aのHPがゼロまで減少するとの第2条件の少なくとも一方であるが、これらに限られない。第2閾値は、例えば第1ゲーム媒体29aの最大HP(例えば、100ポイント)に所定の割合(例えば、10%)を乗じた値(例えば、10ポイント)である。
【0113】
例えば、解除条件が満たされると判定された場合、サーバ制御部16は、第1ゲーム媒体29aの第2状態を解消して、対戦に参加する全てのユーザの端末装置12へ通知する。
【0114】
次に端末制御部20は、サーバ装置11から、第1ゲーム媒体29aの第2状態が解消された通知を受信すると、例えば図8に示すように、第1ゲーム媒体29aの近傍に表示されたマーカ31(図7参照)を非表示にする。また、端末制御部20は、コマンド表示領域24内のコマンドボタン35a乃至35fを明るく表示させ、コマンドボタン35に対するタップ操作の検出の停止を解除する。一方、「前衛必殺技」に対応するコマンドボタン35gについては、タップ操作の検出を停止させたままである。このように、解除条件の達成によって第2状態が解消されると、当該対戦中において、第1ゲーム媒体29aに対する「前衛必殺技」コマンドの再度の選択が禁止される。
【0115】
一方、解除条件が満たされると判定されることなく、第2状態が所定時間継続すると、サーバ制御部16は、第1ゲーム媒体29aを第2状態から第3状態に切り替えて、対戦に参加する全てのユーザの端末装置12へ通知する。
【0116】
次に端末制御部20は、サーバ装置11から第1ゲーム媒体29aが第2状態から第3状態に切り替わった通知を受信すると、例えば図9に示すように、コマンド表示領域24内の全てのコマンドボタン35を明るく表示させ、コマンドボタン35に対するタップ操作の検出の停止を解除する。また端末制御部20は、コマンドボタン35gとして表示される画像を、例えば「詠唱中」と表記された画像から「前衛必殺技」と表記された画像に戻す。
【0117】
またサーバ制御部16は、第3状態の第1ゲーム媒体29aについて所定の解除条件が満たされるか否かを判定する。解除条件は、例えば上述した第2状態の第1ゲーム媒体29aについての解除条件と同一である。例えば、解除条件が満たされると判定された場合、サーバ制御部16は、第1ゲーム媒体29aの第3状態を解消して、対戦に参加する全てのユーザの端末装置12へ通知する。
【0118】
次に端末制御部20は、サーバ装置11から、第1ゲーム媒体29aの第3状態が解消された通知を受信すると、例えば図8に示すように、第1ゲーム媒体29aの近傍に表示されたマーカ31(図9参照)を非表示にする。また端末制御部20は、「前衛必殺技」に対応するコマンドボタン35gを暗く表示させ、コマンドボタン35gに対するタップ操作の検出を停止する。このように、解除条件の達成によって第3状態が解消されると、第2状態が解消された場合と同様に、当該対戦中において、第1ゲーム媒体29aに対する「前衛必殺技」コマンドの再度の選択が禁止される。
【0119】
一方、端末制御部20は、解除条件が満たされると判定されることなく、第1ゲーム媒体29aが第3状態であるときに、「前衛必殺技」に対応するコマンドボタン35gに対するタップ操作を検出すると、「前衛必殺技」コマンドを選択するユーザ入力をサーバ装置11へ送信する。
【0120】
次にサーバ制御部16は、端末装置12から受信したユーザ入力に基づいて、「前衛必殺技」コマンドの選択を受け付ける。
【0121】
続いてサーバ制御部16は、第1ゲーム媒体29aに「前衛必殺技」を実行させる。「前衛必殺技」の実行によって、例えば全ての第2ゲーム媒体30に与えるダメージ量を算出し、全ての第2ゲーム媒体30のHPをそれぞれ減少させる。「必殺技」の内容及び効果は、第2ゲーム媒体30のHPを減少させるものに限られず、例えば全ての第1ゲーム媒体29の攻撃力を増加させる等、多様な内容及び効果が採用可能である。
【0122】
続いてサーバ制御部16は、第1ゲーム媒体29aの第3状態を解消する。
【0123】
続いてサーバ制御部16は、「前衛必殺技」の実行結果を示す情報(例えば、全ての第2ゲーム媒体30の減少後のHP)を、対戦に参加する全てのユーザの端末装置12へ送信する。またサーバ制御部16は、第1ゲーム媒体29aの第3状態が解消されたことを、対戦に参加する全てのユーザの端末装置12へ通知する。
【0124】
次に端末制御部20は、サーバ装置11から受信した当該情報に基づいて、例えば第1ゲーム媒体29aが全ての第2ゲーム媒体30に対して必殺技を行う演出、及び全ての第2ゲーム媒体30のHPがそれぞれ減少する演出を行う。
【0125】
続いて端末制御部20は、サーバ装置11から、第1ゲーム媒体の第3状態が解消された通知を受信すると、例えば図8に示すように、第1ゲーム媒体29aの近傍に表示されたマーカ31(図9参照)を非表示にする。また端末制御部20は、「前衛必殺技」に対応するコマンドボタン35gを暗く表示させ、コマンドボタン35gに対するタップ操作の検出を停止する。このように、「前衛必殺技」の実行によって第3状態が解消されると、第2状態が解消された場合と同様に、当該対戦中において、第1ゲーム媒体29aに対する「前衛必殺技」コマンドの再度の選択が禁止される。
【0126】
次に、図10のフローチャートを参照して、サーバ側対戦処理を実行するサーバ装置11の動作について説明する。以下の説明において、対戦を行う2つのグループ及び対戦に用いられる複数のゲーム媒体(例えば、第1ゲーム媒体29a乃至29d及び第2ゲーム媒体30a乃至30d)が決定されていることを前提とする。
【0127】
ステップS100:はじめにサーバ制御部16は、対戦に用いられる複数のゲーム媒体に関する情報をサーバ記憶部15に記憶する。上述したように、ゲーム媒体に関する情報には、当該ゲーム媒体に対応付けられた1以上のコマンドに関する情報が含まれる。
【0128】
ステップS101:続いてサーバ制御部16は、対戦を開始する。
【0129】
ステップS102:続いてサーバ制御部16は、例えば第1ゲーム媒体29aに対するコマンドを選択するユーザ入力を端末装置12から受信すると、ユーザ入力に応じたコマンドを選択する。
【0130】
ステップS103:続いてサーバ制御部16は、ステップS102で選択されたコマンドが「かばう」コマンドであるか否かを判定する。「かばう」コマンドであると判定された場合(ステップS103-Yes)、ステップS104に進む。一方、「かばう」コマンドではないと判定された場合(ステップS103-No)、ステップS108に進む。
【0131】
ステップS104:ステップS103において「かばう」コマンドであると判定された場合(ステップS103-Yes)、サーバ制御部16は、第1ゲーム媒体29aを第1状態に定める。またサーバ制御部16は、他の第1ゲーム媒体(例えば、第1ゲーム媒体29b)を「かばう」対象に定める。
【0132】
ステップS105:続いてサーバ制御部16は、対戦相手の第2ゲーム媒体(例えば、第2ゲーム媒体30a)が実行する動作の対象に、ステップS104で「かばう」対象に定められた第1ゲーム媒体29bが含まれる場合、第2ゲーム媒体30aが実行する動作の対象を、第1ゲーム媒体29bから第1ゲーム媒体29aへ自動的に変更する。
【0133】
ステップS106:続いてサーバ制御部16は、第2ゲーム媒体30が実行する動作の対象を第1ゲーム媒体29aへ変更した回数が、第1閾値に達したか否かを判定する。第1閾値に達したと判定された場合(ステップS106-Yes)、ステップS107に進む。一方、第1閾値に達していないと判定された場合(ステップS106-No)、ステップS102に戻る。
【0134】
ステップS107:ステップS106において第1閾値に達したと判定された場合(ステップS106-Yes)、サーバ制御部16は、第1ゲーム媒体29aの第1状態を解消する。その後、ステップS102に戻る。
【0135】
ステップS108:ステップS103において「かばう」コマンドではないと判定された場合(ステップS103-No)、サーバ制御部16は、ステップS102で選択されたコマンドが「必殺技」コマンドであるか否かを判定する。「必殺技」コマンドであると判定された場合(ステップS108-Yes)、ステップS109に進む。一方、「必殺技」コマンドではないと判定された場合(ステップS108-No)、ステップS113に進む。
【0136】
ステップS109:ステップS108において「必殺技」コマンドであると判定された場合(ステップS108-Yes)、サーバ制御部16は、第1ゲーム媒体29aを第2状態に定める。
【0137】
ステップS110:続いてサーバ制御部16は、第1ゲーム媒体29aの第2状態が所定時間継続するまで待機する。
【0138】
ステップS111:続いてサーバ制御部16は、第1ゲーム媒体29aの第2状態が所定時間継続すると、第1ゲーム媒体29aを第2状態から第3状態に切り替える。
【0139】
ステップS112:続いてサーバ制御部16は、例えば第3状態である第1ゲーム媒体29aに対する「必殺技」コマンドを選択するユーザ入力を端末装置12から受信すると、第1ゲーム媒体に「必殺技」を実行させる。その後、ステップS102に戻る。
【0140】
ステップS113:ステップS108において「必殺技」コマンドではないと判定された場合(ステップS108-No)、サーバ制御部16は、選択されたコマンドに対応する動作(例えば、基本コマンドに対応する基本動作)を第1ゲーム媒体に実行させる。その後、ステップS102に戻る。
【0141】
上述の説明においては簡便のため、第1ゲーム媒体29と第2ゲーム媒体30とを必要に応じて区別して説明したが、第1ゲーム媒体29と第2ゲーム媒体30との関係は相対的な関係である。したがって、上述の説明における第1ゲーム媒体29について実行される処理と同様の処理が、第2ゲーム媒体30についても実行され得る。また、上述の説明における第2ゲーム媒体30について実行される処理と同様の処理が、第1ゲーム媒体29についても実行され得る。
【0142】
以上述べたように、本実施形態に係るゲームシステム10のサーバ装置11は、例えば第1ゲーム媒体29aに対して「かばう」コマンドが選択された場合、第1ゲーム媒体29aを第1状態に定める。そしてサーバ装置11は、対戦相手の第2ゲーム媒体30が実行する動作の対象を、仲間の第1ゲーム媒体29bから、第1状態の第1ゲーム媒体29aへ自動的に変更する。かかる構成によって、第1ゲーム媒体29aは、対戦相手の第2ゲーム媒体30が実行する攻撃から仲間の第1ゲーム媒体29bをかばう動作を実行するので、第1ゲーム媒体同士が協力して対戦を進行させる戦略が形成され、対戦の戦略性が拡大する。
【0143】
また、サーバ装置11は、例えば第1ゲーム媒体29aに対して「必殺技」コマンドが選択された場合、第1ゲーム媒体29aを第2状態に定める。またサーバ装置11は、第1ゲーム媒体29aの第2状態が所定時間継続すると、第1ゲーム媒体29aを第2状態から第3状態に切り替える。そしてサーバ装置11は、第1ゲーム媒体29aが第3状態である場合に、必殺技を第1ゲーム媒体29aに実行させる。かかる構成によって、例えば第2状態の継続を妨害するために第2ゲーム媒体30が実行する攻撃から、第2状態の第1ゲーム媒体29をかばう戦略が形成され、対戦の戦略性が更に拡大する。
【0144】
また、第1ゲーム媒体29aが仲間の第1ゲーム媒体29bをかばう動作を実行する回数に上限回数が定められる。かかる構成によって、例えば一度「かばう」コマンドを選択すると無制限に対象をかばい続ける構成と比較して、対戦のゲームバランスの調整が容易となる。
【0145】
また、かばう動作を実行する回数の上限回数は、「かばう」コマンドに関する情報、例えばコマンドレベルに応じて決定される。かかる構成によって、ユーザに対し、例えば上限回数を増加させて「かばう」コマンドの有用性を向上させる動機付けが与えられるので、ゲームに対するユーザの興味を向上可能である。
【0146】
また、第1状態の複数の第1ゲーム媒体29が存在する場合、例えば攻撃を行う第2ゲーム媒体30に対して優勢な属性が対応付けられた第1ゲーム媒体29が、優先的にかばう動作を実行する。かかる構成によって、例えば互いに異なる属性が対応付けられた複数の第1ゲーム媒体29によって、共通の第1ゲーム媒体29をかばうメリットが形成され、対戦の戦略性が更に拡大する。
【0147】
また、「かばう」コマンドが選択された場合、第2状態又は第3状態の第1ゲーム媒体29を優先して自動的にかばう動作の対象に定められる。かかる構成によって、例えばかばう動作の対象をユーザが選択する構成と比較して、ユーザ操作の数を低減しつつ、第2状態又は第3状態の解除条件が達成されることを抑制できるため、ユーザビリティが向上する。
【0148】
或いは、「かばう」コマンドが選択された場合、第2状態又は第3状態の第1ゲーム媒体29が、他の状態の第1ゲーム媒体とは異なる表示態様で選択可能に表示される。かかる構成によって、第2状態又は第3状態の第1ゲーム媒体29のユーザによる識別が容易となり、かばう動作の対象を選択するユーザを補助するので、ユーザビリティが向上する。
【0149】
また、第1状態の第1ゲーム媒体29aと、かばう対象に定められた第1ゲーム媒体29bとの対応関係を示す画像36が、ゲーム画面21上に表示される。かかる構成によって、ユーザは、かばう側のゲーム媒体とかばわれる側のゲーム媒体との対応関係を一見して把握可能となり、例えば攻撃動作の対象を選択するユーザを補助するので、ユーザビリティが向上する。
【0150】
また、かばう動作を実行した第1ゲーム媒体29が前衛か後衛かに応じて、第2ゲーム媒体30が実行する動作の実行結果が異なる。例えば、かばう動作を実行した第1ゲーム媒体29が後衛である場合には、当該第1ゲーム媒体29が前衛である場合と比較して、第2ゲーム媒体30が実行する攻撃によって受けるダメージ量が大きく又は小さくなる。かかる構成によって、後衛のゲーム媒体がかばう動作を実行する場合のデメリット又はメリットが形成されるので、例えば前衛又は後衛の何れのゲーム媒体にかばう動作を実行させるかとの戦略が形成され、対戦の戦略性が更に向上する。
【0151】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0152】
例えば、上述した実施形態において、第1ゲーム媒体29aが第3状態に定められた後、「必殺技」コマンドを選択するユーザ入力に応じて、第1ゲーム媒体29aが必殺技を実行する構成について説明したが、例えば第1ゲーム媒体29が第3状態に定められると自動的に第1ゲーム媒体29aが必殺技を実行する構成であってもよい。
【0153】
また、上述した実施形態において、例えば第2ゲーム媒体30が実行する攻撃の対象が第1状態の第1ゲーム媒体29aへ変更された回数が上限回数に達すると、第1ゲーム媒体29aの第1状態が解消される構成について説明したが、例えば、第1ゲーム媒体29aの第1状態が所定時間継続すると、第1ゲーム媒体29aの第1状態が解消される構成であってもよい。
【0154】
また、上述した実施形態において、ゲーム媒体が第2状態に定められると、当該ゲーム媒体のゲームパラメータを変化させてもよい。例えば、サーバ制御部16は、ゲーム媒体を第2状態に定めると、当該ゲーム媒体の防御力を増加又は減少させる。このようにして、コマンドの選択が禁止される第2状態のゲーム媒体に対して、デメリットが軽減又は増大するので、ゲームバランスの調整が容易となる。
【0155】
また、上述した実施形態において、1人のユーザが1つのゲーム媒体を操作して対戦を行うマルチプレイのゲームについて説明したが、ユーザが操作するゲーム媒体以外のゲーム媒体をサーバ装置11(又は端末装置12)が自動的に操作するシングルプレイのゲームであってよい。
【0156】
また、上述した実施形態において、サーバ装置11が行う処理の一部又は全部を、端末装置12にインストールさせたネイティブアプリによって実行する、ネイティブゲームとすることもできる。
【0157】
また、上述した実施形態において、ゲーム画面21の一部(例えば、フィールド表示領域22)を、サーバ装置11が生成したデータに基づいて端末装置12に表示させるウェブ表示とし、ゲーム画面21の一部(例えば、対戦情報表示領域23及びコマンド表示領域24)を、端末装置12にインストールされているネイティブアプリによって表示させるネイティブ表示としてもよい。このように、上述した実施形態に係るゲームは、サーバ装置11及び端末装置12のそれぞれが処理の一部を担うハイブリッドゲームとすることもできる。
【0158】
また、上述した実施形態に係るサーバ装置11又は端末装置12として機能させるために、コンピュータ又は携帯電話等の情報処理装置を好適に用いることができる。このような情報処理装置は、実施形態に係るサーバ装置11又は端末装置12の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、情報処理装置の記憶部に格納し、情報処理装置のCPUによって当該プログラムを読み出して実行させることにより実現可能である。
【0159】
以下に、本願の原出願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0160】
[1]
端末装置にゲームを提供する情報処理装置に、
複数の第1ゲーム媒体それぞれに対応付けて、該第1ゲーム媒体に動作させるための1以上のコマンドに関する情報を記憶部に記憶するステップと、
複数の第1ゲーム媒体と、1以上の第2ゲーム媒体と、の対戦を開始するステップと、
前記第1ゲーム媒体に対応付けられた前記1以上のコマンドのうち、端末装置から受信したユーザ入力に応じて少なくとも1つのコマンドを選択する第1選択ステップと、 前記第1選択ステップで第1コマンドが選択された場合、
前記第1ゲーム媒体を第1状態とするステップと、
前記第2ゲーム媒体の動作の対象を、第1状態の前記第1ゲーム媒体へ変更する変更ステップと、
前記第1選択ステップで第2コマンドが選択された場合、
前記第1ゲーム媒体を第2状態とするステップと、
前記第1ゲーム媒体の第2状態が所定時間継続すると、前記第1ゲーム媒体を第2状態から第3状態に切り替えるステップと、
前記第1ゲーム媒体が第3状態である場合、前記第1ゲーム媒体に前記第2コマンドに対応する動作をさせるステップと、
を実行させる、プログラム。
【0161】
[2]
【0162】
[1]に記載のプログラムであって、
前記情報処理装置に、
前記第1ゲーム媒体の第1状態が所定時間継続すると、又は前記変更ステップで対象を該第1ゲーム媒体へ変更した回数が第1閾値に達すると、該第1ゲーム媒体の第1状態を解消するステップ
を更に実行させる、プログラム。
【0163】
[3]
【0164】
[2]に記載のプログラムであって、
前記第1閾値は、前記第1コマンドに関する情報に基づいて決定される、プログラム。
【0165】
[4]
【0166】
[1]乃至[3]の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記第1ゲーム媒体及び前記第2ゲーム媒体のそれぞれには、他のゲーム媒体との優劣関係を示す属性が対応付けられており、
前記変更ステップにおいて、第1状態の複数の第1ゲーム媒体が存在する場合、前記第2ゲーム媒体が実行する動作の対象を、第1状態の該複数の第1ゲーム媒体のうち、該第2ゲーム媒体に対して優勢な属性が対応付けられた第1ゲーム媒体へ優先的に変更する、プログラム。
【0167】
[5]
【0168】
[1]乃至[4]に記載のプログラムであって、
前記情報処理装置に、
前記第1選択ステップで第1コマンドが選択された場合、前記第1ゲーム媒体を除く前記複数の第1ゲーム媒体のうち少なくとも1つの第1ゲーム媒体を自動的に選択する第2選択ステップ
を更に実行させ、
前記第2選択ステップにおいて、第2状態又は第3状態の第1ゲーム媒体を優先的に選択し、
前記変更ステップにおいて、前記第2ゲーム媒体が実行する動作の対象が、前記第2選択ステップで選択された第1ゲーム媒体を含むときに、該対象を第1状態の前記第1ゲーム媒体へ変更する、
プログラム。
【0169】
[6]
【0170】
[1]乃至[4]に記載のプログラムであって、
前記情報処理装置に、
前記第1選択ステップで第1コマンドが選択された場合、前記第1ゲーム媒体を除く前記複数の第1ゲーム媒体それぞれを選択可能に画面上に表示させる表示ステップと、
前記画面上に選択可能に表示させた前記複数の第1ゲーム媒体のうち少なくとも1つの第1ゲーム媒体を、ユーザ入力に応じて選択する第2選択ステップと、
を更に実行させ、
前記表示ステップにおいて、第2状態又は第3状態の第1ゲーム媒体を、他の状態の第1ゲーム媒体とは異なる表示態様で表示し
前記変更ステップにおいて、前記第2ゲーム媒体の動作の対象が、前記第2選択ステップで選択された第1ゲーム媒体を含むときに、該対象を第1状態の前記第1ゲーム媒体へ変更する、プログラム。
【0171】
[7]
【0172】
[5]又は[6]に記載のプログラムであって、
前記情報処理装置に、
第1状態の前記第1ゲーム媒体と、前記第2選択ステップで選択された第1ゲーム媒体と、の対応関係を示す画像を画面上に表示させるステップと、
を更に実行させる、プログラム。
【0173】
[8]
【0174】
[1]乃至[7]の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記複数の第1ゲーム媒体それぞれには、前記第2ゲーム媒体の少なくとも1つの動作の対象となる得る前衛と、該動作の対象とならない後衛と、の何れかを示す情報が対応付けられており、
前記変更ステップにおける変更後の対象である前記第1ゲーム媒体が前衛か後衛かに応じて、前記第2ゲーム媒体が実行する動作の実行結果が異なる、プログラム。
【0175】
[9]
【0176】
[1]乃至[8]の何れか一項に記載のプログラムであって、
第2状態の第1ゲーム媒体に対応付けられたコマンドの選択が禁止される、プログラム。
【0177】
[10]
【0178】
[1]乃至[9]の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記情報処理装置に、
前記第2ゲーム媒体の動作によって、第2状態又は第3状態の第1ゲーム媒体の第1ゲームパラメータが第2閾値以上変化すると、該第1ゲーム媒体の第2状態又は第3状態を解消するステップ
を更に実行させる、プログラム。
【0179】
[11]
【0180】
[1]乃至[10]の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記複数の第1ゲーム媒体のうち少なくとも2つの第1ゲーム媒体が、それぞれ第1ユーザ及び第2ユーザに対応付けられており、
前記第1選択ステップで、前記第1ユーザの端末装置から受信したユーザ入力に応じて第1コマンドが選択され、且つ前記第2ユーザの端末装置から受信したユーザ入力に応じて第2コマンドが選択された場合、前記第1ユーザに対応付けられた第1ゲーム媒体を第1状態とし、前記第2ユーザに対応付けられた第1ゲーム媒体を第2状態とする、プログラム。
【0181】
[12]
ゲームを実行する情報処理装置に、
複数の第1ゲーム媒体それぞれに対応付けて、該第1ゲーム媒体に動作させるための1以上のコマンドに関する情報を記憶部に記憶するステップと、
複数の第1ゲーム媒体と、1以上の第2ゲーム媒体と、の対戦を開始するステップと、
前記第1ゲーム媒体に対応付けられた前記1以上のコマンドのうち、ユーザ入力に応じて少なくとも1つのコマンドを選択する第1選択ステップと、
前記第1選択ステップで第1コマンドが選択された場合、
前記第1ゲーム媒体を第1状態とするステップと、
前記第2ゲーム媒体の動作の対象を、第1状態の前記第1ゲーム媒体へ変更する変更ステップと、
前記第1選択ステップで第2コマンドが選択された場合、
前記第1ゲーム媒体を第2状態とするステップと、
前記第1ゲーム媒体の第2状態が所定時間継続すると、前記第1ゲーム媒体を第2状態から第3状態に切り替えるステップと、
前記第1ゲーム媒体が第3状態である場合、前記第1ゲーム媒体に前記第2コマンドに対応する動作をさせるステップと、
を実行させる、プログラム。
【0182】
[13]
端末装置にゲームを提供する情報処理装置の制御方法であって、
複数の第1ゲーム媒体それぞれに対応付けて、該第1ゲーム媒体に動作させるための1以上のコマンドに関する情報を記憶部に記憶するステップと、
複数の第1ゲーム媒体と、1以上の第2ゲーム媒体と、の対戦を開始するステップと、
前記第1ゲーム媒体に対応付けられた前記1以上のコマンドのうち、端末装置から受信したユーザ入力に応じて少なくとも1つのコマンドを選択する第1選択ステップと、
前記第1選択ステップで第1コマンドが選択された場合、
前記第1ゲーム媒体を第1状態とするステップと、
前記第2ゲーム媒体の動作の対象を、第1状態の前記第1ゲーム媒体へ変更する変更ステップと、
前記第1選択ステップで第2コマンドが選択された場合、
前記第1ゲーム媒体を第2状態とするステップと、
前記第1ゲーム媒体の第2状態が所定時間継続すると、前記第1ゲーム媒体を第2状態から第3状態に切り替えるステップと、
前記第1ゲーム媒体が第3状態である場合、前記第1ゲーム媒体に前記第2コマンドに対応する動作をさせるステップと、
を含む、制御方法。
【0183】
[14]
端末装置にゲームを提供する情報処理装置であって、
端末装置との間で情報の送受信を行う通信部と、
複数の第1ゲーム媒体それぞれに対応付けて、該第1ゲーム媒体に動作させるための1以上のコマンドに関する情報を記憶する記憶部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
複数の第1ゲーム媒体と、1以上の第2ゲーム媒体と、の対戦を開始し、
前記第1ゲーム媒体に対応付けられた前記1以上のコマンドのうち、端末装置から受信したユーザ入力に応じて少なくとも1つのコマンドを選択し、
第1コマンドが選択された場合、
前記第1ゲーム媒体を第1状態とし、
前記第2ゲーム媒体の動作の対象を、第1状態の前記第1ゲーム媒体へ変更し、
第2コマンドが選択された場合、
前記第1ゲーム媒体を第2状態とし、
前記第1ゲーム媒体の第2状態が所定時間継続すると、前記第1ゲーム媒体を第2状態から第3状態に切り替え、
前記第1ゲーム媒体が第3状態である場合、前記第1ゲーム媒体に前記第2コマンドに対応する動作をさせる、
情報処理装置。
【符号の説明】
【0184】
10 ゲームシステム
11 サーバ装置
12 端末装置
13 ネットワーク
14 サーバ通信部
15 サーバ記憶部
16 サーバ制御部
17 端末通信部
18 端末記憶部
19 表示部
20 端末制御部
21 ゲーム画面
22 フィールド表示領域
23 対戦情報表示領域
24 コマンド表示領域
25 第1前衛領域
26 第1後衛領域
27 第2前衛領域
28 第2後衛領域
29、29a、29b、29c、29d 第1ゲーム媒体
30、30a、30b、30c、30d 第2ゲーム媒体
31 マーカ
32 HP
33 BP
34 継続時間
35、35a、35b、35c、35d、35e、35f、35g コマンドボタン
36 画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10