(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21K 9/237 20160101AFI20231201BHJP
F21K 9/235 20160101ALI20231201BHJP
F21K 9/69 20160101ALI20231201BHJP
F21V 3/02 20060101ALI20231201BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20231201BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231201BHJP
【FI】
F21K9/237
F21K9/235
F21K9/69
F21V3/02 200
F21V17/00 400
F21Y115:10 500
(21)【出願番号】P 2019006663
(22)【出願日】2019-01-18
【審査請求日】2021-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】松本 雅人
(72)【発明者】
【氏名】仕田 智
(72)【発明者】
【氏名】中村 康一
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-118201(JP,A)
【文献】特開2013-012305(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2011-0009480(KR,U)
【文献】特開2016-170912(JP,A)
【文献】特開2012-155908(JP,A)
【文献】特開2013-225466(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/237
F21K 9/235
F21K 9/69
F21V 3/02
F21V 17/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源を覆うグローブと、
前記グローブの開口端部を囲む側壁部を有する外郭部材とを備え、
前記側壁部の外面は、第1の側面と、前記第1の側面よりも前記グローブ側に位置し、且つ、当該側壁部の前記グローブ側の端縁に近づくに従って前記第1の側面よりも前記外郭部材の内方に向けて傾斜する第2の側面とを有し、
前記グローブの外面の一部は、前記側壁部の内面よりも外側に位置しており、
前記側壁部は、当該側壁部の前記グローブ側の端縁に近づくに従って厚さが小さくなる薄肉部を有し、
前記第2の側面は、前記薄肉部の外面であり、
前記第1の側面と前記第2の側面の傾斜方向とのなす角は、5°以上40°以下である、
照明装置。
【請求項2】
前記第1の側面と前記第2の側面の傾斜方向とのなす角は、8°以上30°以下である、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記第1の側面は、前記グローブの最外径以上に位置する、
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第2の側面は、平面である、
請求項1~
3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第2の側面は、階段状の段差面である、
請求項1~
3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記側壁部は、当該側壁部の前記グローブ側の端部が前記外郭部材の内方に屈曲する屈曲部を有し、
前記第2の側面は、前記屈曲部に形成されている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
さらに、
前記光源から出射する光の配光を制御する光学部材と、
前記光学部材を固定するためのねじとを備え、
前記光学部材の端部には、前記ねじが挿通される挿通孔が設けられている、
請求項1~
6のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記光学部材は、前記ねじによって前記外郭部材に固定されている、
請求項
7に記載の照明装置。
【請求項9】
さらに、
前記光源を発光させるための電力を受電する口金と、
前記口金で受電した電力をもとに前記光源を発光させるための電力を生成する電源ユニットとを備え、
前記電源ユニットは、前記外郭部材に収納されている、
請求項1~
8のいずれか1項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の発光素子によって構成された光源を有する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LED等の半導体発光素子は、小型、高効率及び長寿命であることから、様々な製品の光源として利用されている。例えば、LEDを光源とするLED照明が実用化されている。
【0003】
LED照明としては、従来から知られる電球形蛍光灯や白熱電球に代替する電球形LEDランプ(LED電球)、又は、直管形蛍光灯に代替する直管LEDランプ等の口金付きのランプが知られている。その他にも、LED照明として、シーリングライト、ダウンライト又はスポットライト等の照明器具も知られている。
【0004】
例えば、従来のLED電球は、LEDによって構成されたLED光源と、LED光源を覆うグローブと、電源回路が収納された外郭筐体と、口金とを備える(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
LED電球等のLED照明では、グローブ等の透光カバーから外部に出射する光の一部が外郭筐体によって遮られて配光角が狭くなるという課題がある。
【0007】
また、LEDはランバーシアン配光であるので、LED光源から出射する光の放射角が比較的に狭いという特質を有するため、LED光源の光出射側にレンズ等の光学部材を配置してLED光源から出射する光の配光角を大きくする場合がある。この場合、光学部材にねじ穴を設けて光学部材をねじ止め固定すると、光学部材のねじが取り付けられた部分で局所的に配光角が小さくなる。つまり、レンズ等の光学部材を用いることで、全体としての配光角を大きくすることができるものの、ねじによってLED照明の周方向で局所的に配光角が小さくなってしまう。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、全周にわたって広い配光角を有する照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る照明装置の一態様は、光源と、前記光源を覆うグローブと、前記グローブの開口端部を囲む側壁部を有する外郭部材とを備え、前記側壁部の外面は、第1の側面と、前記第1の側面よりも前記グローブ側に位置し、且つ、当該側壁部の前記グローブ側の端縁に近づくに従って前記第1の側面よりも前記外郭部材の内方に向けて傾斜する第2の側面とを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、全周にわたって広い配光角を有する照明装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態に係る照明装置の外観斜視図である。
【
図2】実施の形態に係る照明装置の分解斜視図である。
【
図5】実施の形態に係る照明装置において、グローブを外した状態を示す斜視図である。
【
図6】実施の形態に係る照明装置において、グローブを外した状態を示す上面図である。
【
図7】
図4の破線で囲まれる領域VIIの拡大断面図である。
【
図9】実施の形態に係る照明装置及び比較例の照明装置における、ねじ無し方向における配光曲線図である。
【
図10】実施の形態に係る照明装置及び比較例の照明装置における、ねじ有り方向における配光曲線図である。
【
図11】変形例1に係る照明装置の部分拡大断面図である。
【
図12】変形例2に係る照明装置の部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、工程及び工程の順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0013】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。各図において、実質的に同一の機能を有する構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0014】
(実施の形態)
[照明装置1の構成]
まず、実施の形態に係る照明装置1の構成について、
図1~
図6を用いて説明する。
図1は、実施の形態に係る照明装置1の外観斜視図である。
図2は、同照明装置1の分解斜視図である。
図3及び
図4は、同照明装置1の中心を通る断面図である。
図5は、同照明装置1において、グローブ90を外した状態を示す斜視図であり、
図6は、同照明装置1において、グローブ90を外した状態を示す上面図である。なお、
図3は、
図5のIII-III線における断面図であり、
図4は、
図5のIV-IV線における断面図である。また、
図4では、断面のみを図示しており、また、電源ユニット70及び絶縁ケース120は省略している。
【0015】
本実施の形態における照明装置1は、LEDを用いたLED照明である。具体的には、照明装置1は、電球形蛍光灯又は白熱電球の代替品となるLED電球(電球形LEDランプ)である。
【0016】
図1~
図6に示すように、照明装置1は、LEDモジュール10と、レンズ20と、ねじ30と、ホルダ40と、スプリングワッシャ50と、平座金60と、電源ユニット70と、筐体80と、グローブ90と、口金100と、絶縁リング110と、絶縁ケース120とを備える。
【0017】
図1に示すように、照明装置1は、筐体80とグローブ90と口金100と絶縁リング110とによって外囲器が構成されている。つまり、筐体80、グローブ90、口金100及び絶縁リング110は、いずれも照明装置1の外郭を構成する外郭部材である。なお、照明装置1では、例えば60W形相当の明るさとなるようにLEDモジュール10が構成されている。
【0018】
以下、照明装置1の詳細な構成について、
図1~
図6を用いて説明する。
【0019】
LEDモジュール10は、所定の色の光を放出する発光モジュールの一例であり、例えば照明光として白色光を放出する。
図3に示すように、LEDモジュール10は、グローブ90の内方に配置されており、電源ユニット70から供給される電力によって発光する。LEDモジュール10から出射した光は、レンズ20に入射してレンズ20によって配光制御される。
【0020】
図3~
図6に示すように、LEDモジュール10は、筐体80に保持されている。具体的には、LEDモジュール10は、筐体80の第1開口部80aを覆うように筐体80の支持部81に支持されている。また、レンズ20は、LEDモジュール10に固定されることで筐体80に保持されている。
【0021】
本実施の形態において、LEDモジュール10及びレンズ20は、ねじ30及びホルダ40によって筐体80に保持されている。ねじ30は、レンズ20を固定するための固定部材の一例である。ねじ30は、ねじ頭31及びねじ軸32を有する。本実施の形態において、ねじ30は、ホルダ40を筐体80に固定している。ホルダ40がねじ30によって筐体80に固定されることで、レンズ20がLEDモジュール10に固定される。つまり、レンズ20は、ねじ30によって直接固定されているのではなく、ねじ30によって間接的に固定されている。
【0022】
図3及び
図4に示すように、LEDモジュール10は、グローブ90の内方に配置されている。つまり、LEDモジュール10は、グローブ90に覆われている。
【0023】
図2~
図4に示すように、LEDモジュール10は、基板11と、基板11に配置された光源12とを有する。したがって、基板11及び光源12は、グローブ90に覆われている。
【0024】
基板11は、光源12を実装するための実装基板である。図示しないが、基板11の実装面には、金属配線が形成されている。基板11は、例えば平面視において全体として略円形の板状の基板であるが、基板11の形状は、これに限るものではなく、矩形状等の多角形であってもよい。
【0025】
基板11としては、例えば、アルミニウム又は銅等の金属材料からなる基材に絶縁被膜を施すことで得られるメタルベース基板、アルミナ等のセラミック材料の焼結体であるセラミックス基板、又は、樹脂材料からなる樹脂基板等が用いられる。光源12で発生する熱の放熱の観点では、これらの中で熱伝導率が最も高いメタルベース基板を用いるよい。なお、基板11は、リジッド基板であるが、フレキシブル基板であってもよい。また、基板11は、例えば平面視において全体として略円形の板状の基板であるが、基板11の形状は、これに限るものではなく、矩形状等の多角形であってもよい。
【0026】
図3及び
図4に示すように、基板11は、筐体80の支持部81に支持されている。本実施の形態において、基板11の筐体80側には、絶縁シート15及び放熱板14が配置されており、基板11は、絶縁シート15及び放熱板14とともに、筐体80の支持部81に配置されている。絶縁シート15は、基板11と放熱板14とに挟持されている。
【0027】
絶縁シート15は、例えば高い熱伝導性を有する絶縁性の熱伝導シートである。絶縁シート15は、例えば、絶縁性樹脂材料によって構成されたゴム弾性を有する熱伝導シートである。また、放熱板14は、例えば、アルミニウム板等の金属材料からなる金属板である。基板11と金属製の筐体80との間に、絶縁シート15及び放熱板14を配置することによって、基板11の放熱性を向上させることができるとともに、筐体80と基板11との絶縁性を確保することができる。
【0028】
基板11は、ねじ30及びホルダ40によって筐体80に固定されている。具体的には、ねじ30によってホルダ40を筐体80にねじ止めすることで、基板11は、絶縁シート15及び放熱板14とともに、筐体80に向かって押圧が付与された状態で筐体80に固定される。
【0029】
ホルダ40は、基板11を筐体80に保持する保持部材の一例である。
図3に示すように、ホルダ40は、基板11を筐体80に向けて押さえ付ける押さえ部41を有する。ホルダ40は、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の絶縁性樹脂材料によって構成されている。
【0030】
図3に示すように、筐体80の支持部81には、ねじ30のねじ軸32がねじ込まれるねじ穴81aが設けられており、ホルダ40には、ねじ30のねじ軸32が貫通する貫通孔40aが設けられている。そして、貫通孔40aを介してねじ30をねじ穴81aにねじ込むことで、ホルダ40が筐体80に固定される。これにより、ホルダ40の押さえ部41は、基板11を押さえ付ける。つまり、基板11は、押さえ部41による押圧によって筐体80に向けて押さえ付けられた状態で保持される。
【0031】
なお、ホルダ40の貫通孔40aにねじ30を貫通させる際、ホルダ40とねじ30のねじ頭31との間には、スプリングワッシャ50及び平座金60が配置される。つまり、ねじ30のねじ軸32は、スプリングワッシャ50、平座金60及び貫通孔40aに挿通して、筐体80のねじ穴81aにねじ込まれる。
【0032】
また、
図3及び
図4に示すように、基板11の中央部には、給電部としてコネクタ端子13が設けられている。コネクタ端子13の一部は、基板11、絶縁シート15及び放熱板14の各々に設けられた貫通孔を貫通しており、電源ユニット70に連結されている。コネクタ端子13は、基板11に形成された金属配線を介して光源12と電気的に接続されている。光源12は、コネクタ端子13を介して電源ユニット70から供給される直流電力によって発光する。
【0033】
光源12は、環状の配列となるように基板11に複数個実装されている。なお、本実施の形態では、18個の光源12が実装されているが、光源12の実装数は、これに限るものではなく、1つであってもよい。
【0034】
光源12は、光を発する発光素子の一例である。本実施の形態において、光源12は、白色光を出射する白色光源である。具体的には、各光源12は、LEDがパッケージ化された表面実装(SMD:Surface Mount Device)型のLED素子であり、容器(パッケージ)と、容器内に実装されたLEDチップと、LEDチップを封止する封止部材とを有する。
【0035】
LEDチップは、所定の直流電力により発光する半導体発光素子の一例であって、単色の可視光を発するベアチップである。LEDチップは、例えば、通電されると青色光を発する青色LEDチップである。
【0036】
封止部材は、シリコーン樹脂等の透光性の絶縁性樹脂材料である。本実施の形態における封止部材は、LEDチップからの光の波長を変換する波長変換材として蛍光体を含む。つまり、封止部材は、透光性樹脂に蛍光体が含有された蛍光体含有樹脂であり、LEDチップからの光を所定の波長に波長変換(色変換)する。封止部材は、容器の凹部に充填されている。
【0037】
封止部材としては、例えばLEDチップが青色LEDチップである場合、白色光を得るために、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系の黄色蛍光体粒子をシリコーン樹脂に分散させた蛍光体含有樹脂を用いることができる。これにより、黄色蛍光体粒子は青色LEDチップの青色光によって励起されて黄色光を放出するので、封止部材からは、黄色蛍光体粒子からの黄色光と青色LEDチップからの青色光との合成光として白色光が放出される。なお、封止部材には、シリカ等の光拡散材及びフィラー等が分散されていても構わない。
【0038】
光源12から出射した光は、LEDモジュール10(光源12)が発する光としてレンズ20に入射し、レンズ20によって配光制御される。レンズ20は、LEDモジュール10から出射する光の配光を制御する光学部材の一例である。レンズ20は、透光性樹脂材料によって構成されており、光源12から出射する光を透過する。レンズ20は、例えば、PMMA(アクリル)又はポリカーボネート(PC)等の透光性樹脂材料によって構成されている。
【0039】
図2に示すように、レンズ20は、光源12から出射する光の配光を制御する配光制御部21(レンズ部)と、レンズ20を基板11に取り付けるための取付部22とを有する。本実施の形態において、取付部22は、対向する位置の2箇所に設けられている。レンズ20は、樹脂による一体成型品であり、配光制御部21と取付部22とは一体に構成されている。
【0040】
配光制御部21は、光源12から出射する光を所望の配光とするための形状となっている。配光制御部21は、例えば、光源12から出射する光を屈折(集束や発散等)及び反射等する。本実施の形態において、配光制御部21は、光源12から出射する光の配光角を大きくするレンズ作用を有する。これにより、照明装置1の配光角を大きくすることができる。
【0041】
また、配光制御部21は、環状に配列された光源12と対向するように略リング状に形成されている。本実施の形態では、環状に配列された光源12の2箇所において光源12が内側にずれて配置されているので、配光制御部21の2箇所も内側にずれて形成されている。この配光制御部21のずれた2箇所に取付部22が形成されている。2つの取付部22は、対向する位置に設けられている。
【0042】
このように構成されるレンズ20は、ねじ30によって固定される。ねじ30は、LEDモジュール10を固定するための固定部材であるとともに、レンズ20を固定するための固定部材でもある。具体的には、レンズ20は、ねじ30によって筐体80に固定される。このため、レンズ20には、ねじ30が挿通される挿通孔23が設けられている。本実施の形態において、挿通孔23は、対向する2つの取付部22の各々に設けられている。したがって、挿通孔23も、互いに対向するようにして2つ設けられている。また、挿通孔23は、レンズ20の端部に設けられている。具体的には、2つの挿通孔23は、レンズ20の外周端部に180°間隔で設けられている。
【0043】
図3及び
図4に示すように、筐体80は、LEDモジュール10を支持する基台の一例である。本実施の形態において、筐体80は、LEDモジュール10の基板11とともに絶縁シート15及び放熱板14を支持している。
【0044】
筐体80は、略筒状の筒体であり、グローブ90側に設けられた第1開口部80aと、口金100側に設けられた第2開口部80bとを有する。第1開口部80aは、グローブ90、LEDモジュール10及びレンズ20で覆われる。第2開口部80bは、口金100で覆われる。
【0045】
筐体80は、LEDモジュール10を支持する支持部81と、第1開口部80aを構成する側壁部82とを有する。
【0046】
支持部81は、LEDモジュール10の基板11を支持する。支持部81には、基板11が載置される。本実施の形態において、支持部81は、環状の平面である。支持部81には、ねじ30がねじ込まれるねじ穴81aが設けられている。本実施の形態では、2つのねじ30が用いられるので、支持部81には2つのねじ穴81aが設けられている。
【0047】
側壁部82は、グローブ90の開口端部91を囲むように構成されている。つまり、側壁部82は、筐体80のグローブ90側の開口端部を構成しており、筐体80を上面視したときに円環状になっている。側壁部82は、支持部81の外側端部から立設しており、グローブ90に向けて突出するように設けられている。
【0048】
ここで、側壁部82の具体的な構造について、
図1~
図4を参照しつつ。
図7を用いて詳細に説明する。
図7は、実施の形態に係る照明装置1の部分拡大断面図であり、
図4の破線で囲まれる領域VIIの拡大断面図を示している。
【0049】
図7に示すように、側壁部82の外面は、筐体80の外周面を構成しており、グローブ90側の第1の側面82aと、口金100側の第2の側面82bとを有する。第2の側面82bは、第1の側面82aよりもグローブ90側に位置している。本実施の形態において、第1の側面82aと第2の側面82bとは連続する一続きの面を構成している。
【0050】
第1の側面82aは、筐体80の筒軸と平行な平面である。本実施の形態において、第1の側面82aを構成する平面は、照明装置1の光軸と平行である。また、第1の側面82aは、グローブ90の最外径以上に位置している。
図7に示すように、本実施の形態において、第1の側面82aの位置は、グローブ90の最外径の位置と一致している。
【0051】
第2の側面82bは、側壁部82のグローブ90側の端縁に近づくに従って第1の側面82aよりも筐体80の内方に向けて傾斜している。
【0052】
図7に示すように、第2の側面82bの傾斜方向と水平面(本実施の形態では、照明装置1の光軸方向と直交する方向)とのなす角を傾斜角αとすると、傾斜角αは、45°を超える角度であるとよい。傾斜角αは、例えば、46°~89°であり、好ましくは50°以上、より好ましくは、60°以上である。
【0053】
なお、本実施の形態では、第1の側面82aが水平面に直交している。つまり、第1の側面82aが照明装置1の光軸方向と平行になっている。この場合、第1の側面82aと第2の側面82bの傾斜方向とのなす角を傾斜角βとすると、傾斜角βは、45°未満であるとよい。傾斜角βは、例えば、1°~44°であり、好ましくは5°~40°、より好ましくは、8°~30°である。
【0054】
また、本実施の形態において、第2の側面82bは、平面である。つまり、第2の側面82bは、第1の側面82aに対して傾斜する傾斜面(テーパ面)であり、側壁部82のグローブ90側の端縁に近づくにつれて内側に傾斜している。したがって、傾斜角αは、第2の側面82bと水平面とのなす角であり、傾斜角βは、第1の側面82aと第2の側面82bとのなす角である。なお、第2の側面82bは、傾斜角αが46°を超える角度又は傾斜角βが45°未満の角度であるので、傾斜角が45°であるC面(面取り面)とは異なる。
【0055】
また、側壁部82は、当該側壁部82のグローブ90側の端縁に近づくに従って厚さが小さくなる薄肉部83を有する。つまり、側壁部82の薄肉部83は、グローブ90側の端縁から外面がテーパ状に削り取られたような形状であり、第2の側面82bは、薄肉部83の外面である。薄肉部83は、厚みが一定の側壁部を有する筐体80を作製した後に切削加工によって側壁部を削ることによって形成してもよいし、ダイキャスト又は鋳造等の金型を用いた製法で筐体80を作製するときに形成してもよい。
【0056】
薄肉部83は、側壁部82の全周にわたって形成されている。したがって、傾斜面となる第2の側面82bは、側壁部82の全周にわたって形成されている。
【0057】
一例として、側壁部82の厚さtは、0.5mm~5mmであり、本実施の形態では、1mmである。このとき、第1の側面82aに沿った方向における第2の側面82bの長さaは、例えば1.0mmであり、側壁部82のグローブ90側の端面の厚み方向における削り取られた部分の長さbは、例えば0.5mmである。この場合、傾斜角αは、α=tan-1(1.0/0.5)≒63.4°となる。また、傾斜角αは、β=tan-1(b/a)=tan-1(0.5/1.0)≒26.6°となる。
【0058】
なお、筐体80は、LEDモジュール10を支持する支持部材として機能するだけではなく、支持部81においてLEDモジュール10と熱的に結合されており、LEDモジュール10で発生する熱を放熱する放熱部材(ヒートシンク)としても機能する。したがって、筐体80は、LEDモジュール10(光源12)で発生する熱を効率良く放熱させるために、アルミニウム合金等の金属材料又は高熱伝導樹脂材料等の熱伝導率の高い材料によって構成されているとよい。例えば、筐体80は、基板11よりも熱伝導率の高い材料で構成されているとよい。本実施の形態において、筐体80は、金属製である。具体的には、筐体80は、アルミダイキャスト製である。筐体80は、照明装置1の外郭を構成する外郭部材であるので、筐体80の外面は、露出している。このため、筐体80を金属製にすることで、優れた放熱性を有する照明装置1を実現できる。
【0059】
図3に示すように、筐体80の内部には、電源ユニット70が配置されている。したがって、筐体80は、電源ユニット70で発生する熱も放熱する。本実施の形態において、筐体80は、絶縁ケース120(回路ケース)を介して電源ユニット70を囲んでいる。
【0060】
電源ユニット70は、LEDモジュール10(光源12)を発光させるための電源回路を構成している。つまり、電源ユニット70は、LEDモジュール10を発光させるための電力を生成する。本実施の形態において、電源ユニット70は、口金100で受電した電力をもとにLEDモジュール10(光源12)を発光させるための電力を生成する。具体的には、電源ユニット70は、口金100から供給される交流電力を直流電力に変換している。電源ユニット70で生成された直流電力は、コネクタ端子13を介して光源12に供給される。
【0061】
電源ユニット70は、回路基板71と、回路基板71に実装された複数の回路素子72とを有する。回路基板71は、銅箔等の金属配線が形成されたプリント回路基板(PCB)である。回路基板71は、例えば、筐体80の筒軸と略平行する姿勢(縦置き)で配置されている。複数の回路素子72は、例えば、電解コンデンサやセラミックコンデンサ等の容量素子、チョークコイルやチョークトランス等のコイル素子(インダクタ)、FET等のトランジスタ素子、抵抗器等の抵抗素子、又は、ダイオード等である。なお、LEDモジュール10の発光状態を制御するために、電源ユニット70には、調光回路や調色回路などの光制御回路、又は、無線通信回路などが組み合わされていてもよい。
【0062】
このように構成される電源ユニット70は、絶縁樹脂材料によって構成された絶縁ケース120に収納されることで絶縁性が確保されている。絶縁ケース120は、例えば、PBT等の絶縁性樹脂材料等によって構成されている。絶縁ケース120の口金100側の開口部の外面には、口金100を装着するための螺合部が形成されている。絶縁ケース120の開口部には口金100がねじ込まれている。
【0063】
口金100は、LEDモジュール10(光源12)を発光させるための電力をランプ外部から受電する受電部である。口金100は、絶縁ケース120の螺合部にねじ込まれることで絶縁ケース120に外嵌される。
【0064】
口金100が照明器具のソケットに装着されることで、口金100には、外部電力が供給される。口金100には、例えば商用電源から交流電力が供給される。本実施の形態における口金100は二接点によって交流電力を受電し、口金100で受電した電力は、一対のリード線等を介して電源ユニット70に供給される。
【0065】
口金100は、例えば、金属製の有底筒形状であって、外周面が螺合部となっているシェル部と、シェル部に絶縁部を介して装着されたアイレット部とを有する。口金100の種類は、特に限定されるものではないが、本実施の形態では、ねじ込み式のエジソンタイプ(E型)の口金を用いている。具体的には、口金100として、E26形、E17形又はE16形等が挙げられる。なお、口金100は、エジソンタイプではなく、スワンタイプ(差し込み式)であってもよい。
【0066】
このように、筐体80の一方の端部は、口金100によって覆われる。本実施の形態において、筐体80が金属製であるので、筐体80と口金100との間には絶縁リング110が挿入されている。口金100が絶縁ケース120にねじ込まれることで、筐体80と口金100とに絶縁リング110が挟持される。絶縁リング110は、例えばPBT等の絶縁樹脂材料によって構成されている。
【0067】
図2~
図4に示すように、筐体80の第1開口部80aは、グローブ90によって覆われる。グローブ90は、開口部90aを有する中空部材である。グローブ90は、LEDモジュール10及びレンズ20を覆っている。具体的には、グローブ90は、レンズ20を収納している。つまり、グローブ90の内部にレンズ20が存在しており、レンズ20の全体がグローブ90に覆われている。
【0068】
グローブ90は、透光性を有する透光カバーである。したがって、グローブ90の内面に入射した光は、グローブ90を透過してグローブ90の外部へと取り出される。本実施の形態では、グローブ90はレンズ20を覆っているので、LEDモジュール10から出射してレンズ20で配光制御された光がグローブ90を透過する。
【0069】
グローブ90の材料としては、可視光に対して透明なシリカガラス等のガラス材料、又は、アクリル(PMMA)やポリカーボネート(PC)等の樹脂材等からなる透光性材料を用いることができる。
【0070】
また、グローブ90には、光を拡散(散乱)させるための拡散処理が施されていてもよい。例えば、グローブ90の内面又は外面に光拡散膜(光拡散層)を形成することでグローブ90に光拡散機能を持たせることができる。具体的には、シリカや炭酸カルシウム等の光拡散材を含有する樹脂や白色顔料等をグローブ90の内面又は外面の全面に塗布することによって乳白色の光拡散膜を形成することができる。このように、グローブ90に光拡散機能を持たせることにより、レンズ20からグローブ90に入射する光を拡散させることができるので配光角を広くすることができる。なお、グローブ90に光拡散機能を持たせずに、内部のLEDモジュール10及びレンズ20が視認できるようにグローブ90が透明であってもよい。
【0071】
グローブ90は、略円形の開口面を構成する開口部90aを有している。グローブ90の開口部90a側の開口端部91は、筐体80に固定される。例えば、グローブ90の開口端部91と筐体80の第1開口部80aを構成する側壁部82とは、シリコーン樹脂等の接着剤によって固着される。
【0072】
[作用効果等]
次に、本実施の形態における照明装置1の作用効果について、
図7を参照しつつ、
図8の比較例の照明装置1Xと比較して説明する。
図8は、比較例の照明装置1Xの部分拡大断面図である。
【0073】
図8に示すように、比較例の照明装置1Xは、本実施の形態における照明装置1に対して、筐体80Xの側壁部82Xの形状が異なる。具体的には、本実施の形態における照明装置1では、側壁部82に、側壁部82のグローブ90側の端縁に近づくに従って第1の側面82aよりも筐体80の内方に向けて傾斜する第2の側面82bが形成されていたが、比較例の照明装置1Xでは、側壁部82Xに、そのような第2の側面82bが形成されていない。
【0074】
具体的には、本実施の形態における照明装置1では、側壁部82に、傾斜角αが45°を超える(傾斜角βが45°未満である)第2の側面82bが形成されていたが、比較例の照明装置1Xでは、側壁部82Xに、傾斜角αが45°を超える(傾斜角βが45°未満である)第2の側面82bが形成されていない。なお、側壁部82Xのグローブ90側の端部には面取りが施されており、側壁部82Xのグローブ90側の端部にC面が形成されている。
【0075】
このように構成される比較例の照明装置1Xでは、グローブ90から外部に出射する光の一部が筐体80Xの側壁部82Xによって遮られるので、配光角が狭くなる。
【0076】
さらに、比較例の照明装置1Xでは、本実施の形態における照明装置1と同様に、レンズ20の端部に挿通された一対のねじ30(不図示)によってレンズ20を固定している。このため、レンズ20のねじ30が取り付けられた部分で局所的に配光角が小さくなる。
【0077】
これに対して、本実施の形態における照明装置1では、
図7に示すように、筐体80の側壁部82に、側壁部82のグローブ90側の端縁に近づくに従って第1の側面82aよりも筐体80の内方に向けて傾斜する第2の側面82bが形成されている。
【0078】
この構成により、本実施の形態における照明装置1では、グローブ90から外部に出射する光の一部が筐体80の側壁部82によって遮られることを抑制することができる。これにより、比較例の照明装置1Xのように配光角が狭くなることを軽減できる。つまり、本実施の形態における照明装置1は、比較例の照明装置1Xに対して、配光角を大きくすることができる。
【0079】
特に、本実施の形態における照明装置1のように、レンズ20の端部に挿通された一対のねじ30(不図示)によってレンズ20を固定している場合には、傾斜面である第2の側面82bを側壁部82に形成することで、傾斜面である第2の側面82bを側壁部82に形成しない場合と比べて、配光角を大幅に大きくすることができる。
【0080】
ここで、本実施の形態における照明装置1の配光角向上の効果に関する実験を行ったので、その実験結果について、
図9及び
図10を用いて説明する。
【0081】
本実験において、本実施の形態における照明装置1の側壁部82の第2の側面82bの傾斜角α、βは、上記と同様であり、α=約63.4°とし、β=約26.6°とした。また、比較例の照明装置1Xは、
図8に示される構造と同じであり、側壁部82Xに薄肉部83が形成されていない点以外は、本実施の形態における照明装置1と同じ構造である。
【0082】
そして、本実施の形態における照明装置1と比較例の照明装置1Xとについて、配光特性を測定したところ、
図9及び
図10に示す結果が得られた。
【0083】
図9は、実施の形態に係る照明装置1及び比較例の照明装置1Xにおける、ねじ無し方向における配光曲線図である。つまり、
図9は、一対のねじ30を通る直線で照明装置を切断したときの配光曲線を示している。具体的には、
図9は、
図6のIII-III線で切断したときの照明装置1及び1Xの配光曲線を示している。
【0084】
また、
図10は、実施の形態に係る照明装置1及び比較例の照明装置1Xにおける、ねじ有り方向における配光曲線図である。つまり、
図10は、一対のねじ30を通らない直線で照明装置を切断したときの配光曲線を示している。具体的には、
図10は、
図6のIV-IV線で切断したときの照明装置1及び1Xの配光曲線を示している。
【0085】
図9及び
図10における配光曲線図は、照明装置1及び1Xの上下方向を含む360°の各方向に対する光度の大きさを相対的に表しており、照明装置1及び1Xの光軸に沿った上側の方向を0°、照明装置1及び1Xの光軸に沿った下側の方向を180°(-180°)として、時計回り及び反時計回りにそれぞれ10°間隔に目盛を刻んでいる。配光曲線図の径方向に付した目盛(-110%~0%~110%)は光度を表しており、光度は各配光曲線における最大値を100%とする相対的な大きさで表されている。
【0086】
また、
図9及び
図10において、破線で示す曲線は、比較例の照明装置1Xの配光曲線を示しており、実線で示す曲線は、本実施の形態における照明装置1の配光曲線を示している。
【0087】
なお、配光特性は、配光角に基づいて評価した。配光角は、1/2ビーム角で表している。具体的には、配光角は、配光曲線において、照明装置1及び1Xにおける最大光度の半分以上の光度が出射される角度範囲の大きさをいう。例えば、
図9及び
図10に示す配光曲線の場合、配光角は、光度が50%以上となる角度範囲の大きさである。
【0088】
この結果、
図9に示すように、ねじ無し方向においては、比較例の照明装置1Xの配光角は263°であったのに対して、本実施の形態における照明装置1の配光角は268°であった。
【0089】
また、
図10に示すように、ねじ有り方向においては、比較例の照明装置1Xの配光角は242°であったのに対して、本実施の形態における照明装置1の配光角は259°であった。
【0090】
このように、本実施の形態における照明装置1によれば、比較例の照明装置1Xに対して、配光角を大きくできることが分かった。特に、本実施の形態における照明装置1は、ねじ30が設けられた部分について、配光角を大幅に大きくできることが分かった。
【0091】
以上説明したように、本実施の形態における照明装置1によれば、筐体80の側壁部82に、第1の側面82aよりも筐体80の内方に向けて傾斜する第2の側面82bが形成されている。これにより、全周にわたって広い配光角を有する照明装置1を実現することができる。
【0092】
(変形例)
以上、本発明に係る照明装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0093】
例えば、上記実施の形態において、筐体80の側壁部82の第2の側面82bは、平面であったが、これに限らない。具体的には、
図11に示される照明装置1Aのように、筐体80Aの側壁部82Aの第2の側面82bは、階段状の段差面であってもよい。本変形例においても、第2の側面82bの傾斜方向と水平面とのなす角α(傾斜角α)は、45°を超える角度であるとよい。つまり、第1の側面82aと第2の側面82bの傾斜方向とのなす角β(傾斜角β)は、45°未満であるとよい。
【0094】
また、上記実施の形態では、筐体80の側壁部82に、当該側壁部82のグローブ90側の端縁に近づくに従って厚さが小さくなる薄肉部83を設けることで、薄肉部83の外面を第2の側面82bとしたが、これに限らない。具体的には、
図12に示される照明装置1Bのように、筐体80Bの側壁部82Bに屈曲部84を設けることで、屈曲部84の側面を第2の側面82bにしてもよい。側壁部82Bが有する屈曲部84は、当該側壁部82Bのグローブ90側の端部が筐体80Bの内方に屈曲するように構成されており、第2の側面82bは、屈曲部84に形成されている。
【0095】
また、上記実施の形態において、LEDモジュール10は、光源12としてSMD型LED素子を用いたSMDタイプの発光モジュールであったが、これに限らない。例えば、LEDモジュール10として、封止部材によって封止された1つ又は複数のLEDチップ(ベアチップ)が基板11上に直接実装(1次実装)されたCOB(Chip On Board)型の発光モジュールを用いてもよい。この場合、LEDチップを封止する封止部材には、黄色蛍光体等の波長変換材が含有されていてもよい。なお、複数のLEDチップを用いる場合、封止部材は、複数のLEDチップを一括又は個別に封止することができる。
【0096】
また、上記実施の形態において、光源12は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって白色光を放出するB-Yタイプの白色LED素子としたが、これに限らない。例えば、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する蛍光体含有樹脂を用いて、これと青色LEDチップと組み合わせることによりに白色光を放出するように構成してもよい。また、演色性を高める目的で、黄色蛍光体に加えて、さらに赤色蛍光体や緑色蛍光体を混ぜても構わない。また、青色以外の色を発するLEDチップを用いてもよく、例えば、青色LEDチップが放出する青色光よりも波長が短い紫外光を放出する紫外LEDチップを用いて、主に紫外光により励起されて青色光、赤色光及び緑色光を放出する青色蛍光体、緑色蛍光体及び赤色蛍光体によって白色光を放出するように構成してもよい。
【0097】
また、上記実施の形態において、LEDモジュール10は、調光制御可能及び/又は調色制御可能に構成されていてもよい。例えば、LEDモジュール10が、赤色光を発する赤色LED光源、緑色光を発する緑色LED光源及び青色光を発する青色LED光源を備えることで、RGB制御を行うことができる。これにより、調色制御可能なLEDモジュールを実現できる。
【0098】
また、上記実施の形態において、光源12はLEDチップを用いて構成されていたが、これに限らない。例えば、光源12は、半導体レーザ等の半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等、その他の固体発光素子を用いて構成されていてもよい。
【0099】
また、本発明は、照明用光源であるLED電球として実現できるだけではなく、LED電球と当該LED電球が取り付けられる照明器具とを備える照明器具装置として実現することもできる。照明器具装置の器具本体には、例えば、LED電球の口金が装着されるソケットが設けられている。また、照明器具装置は、LED電球を覆う透光性のランプカバーを備えていてもよい。
【0100】
また、本発明は、LED電球ではなく、シーリングライト、スポットライト、ダウンライト、ベースライト又は直管形ランプ等のその他の照明装置にも適用することができる。
【0101】
その他、上記の実施の形態及び変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上記の各実施の形態及び変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0102】
1、1A、1B 照明装置
12 光源
20 レンズ(光学部材)
23 挿通孔
30 ねじ
70 電源ユニット
80、80A、80B 筐体(外郭部材)
82、82A、82B 側壁部
82a 第1の側面
82b 第2の側面
83 薄肉部
84 屈曲部
90 グローブ
91 開口端部
100 口金