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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】調理システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20231201BHJP
   F24C 3/12 20060101ALI20231201BHJP
   F24C 15/00 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
H04M11/00 302
F24C3/12 E
F24C15/00 M
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020010910
(22)【出願日】2020-01-27
(65)【公開番号】P2021118451
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100166017
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 和政
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井本 琢磨
(72)【発明者】
【氏名】山田 晋也
(72)【発明者】
【氏名】原野 史帆
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-031491(JP,A)
【文献】特開2019-145063(JP,A)
【文献】特開2017-106679(JP,A)
【文献】特開2011-253312(JP,A)
【文献】特開2006-139694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C3/00-3/14
9/00-15/14
H03J9/00-9/06
H04B7/24-7/26
H04L12/28
51/00-51/58
67/00-67/75
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
H04Q9/00-9/16
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスコンロと、情報を入力する第1入力部と第1表示部とを有するとともに前記ガスコンロと通信可能に構成される第1端末と、情報を入力する第2入力部と第2表示部とを有する第2端末と、を備えるガスコンロシステムに用いられる調理システムであって、
前記第1端末と前記第2端末とを対応付けるための対応情報を記憶する記憶部と、
所定の調理内容に対応する調理関連情報を、前記第1端末又は前記対応情報によって前記第1端末に対応付けられた前記第2端末に対して配信する配信部と、
前記対応情報によって対応付けられた前記第1端末及び前記第2端末のうちのいずれか一の端末において前記調理関連情報が編集された場合に、前記一の端末の編集に応じた編集を、前記第1端末及び前記第2端末のうちの前記一の端末とは異なる他の端末に対して実行又は指示する反映部と、
を有する調理システム。
【請求項2】
前記第1端末及び前記第2端末と通信可能な管理装置を備え、
前記記憶部と前記配信部と前記反映部とが前記管理装置に設けられている
請求項1に記載の調理システム。
【請求項3】
前記調理関連情報は、料理の種類と前記料理の種類に対応する対応食材リストとを有するリスト情報を含み、
前記反映部は、前記一の端末において前記対応食材リストの中から1以上の食材を選択する選択編集がなされた場合に、前記対応情報によって前記一の端末に対応付けられた前記他の端末に対し、前記対応食材リストの中から前記選択編集に対応する食材を選択する編集を実行又は指示する
請求項1又は請求項2に記載の調理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、情報通信端末と通信可能に構成された加熱調理器が開示されている。この加熱調理器は、情報通信端末との間で無線通信するための通信手段とを備えており、情報通信端末との間で通信が行われている場合は、加熱手段が使用される可能性が低いか否かにかかわらず、器具の電源を自動でオフにしないことを特徴とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-165548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の調理システムにおいて行い得るサポートの一つとして、調理に関する情報(例えば、レシピデータや食材リストなど)を情報端末に配信することで、情報端末を所持するユーザが有益な情報を利用できるようにすることが考えられる。但し、ユーザが扱う情報端末は1つとは限らないため、複数の情報端末が用いられる場合であっても有益な情報を支障なく利用できることが望ましい。
【0005】
本開示では、上述した課題の少なくとも1つを解決するために、調理に関する情報を複数の端末で連携して共有することを可能とする調理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一つである調理システムは、ガスコンロと、情報を入力する第1入力部と第1表示部とを有するとともに前記ガスコンロと通信可能に構成される第1端末と、情報を入力する第2入力部と第2表示部とを有する第2端末と、を備えるガスコンロシステムに用いられる調理システムであって、前記第1端末と前記第2端末とを対応付けるための対応情報を記憶する記憶部と、所定の調理内容に対応する調理関連情報を、前記第1端末又は前記対応情報によって前記第1端末に対応付けられた前記第2端末に対して配信する配信部と、前記対応情報によって対応付けられた前記第1端末及び前記第2端末のうちのいずれか一の端末において前記調理関連情報が編集された場合に、前記一の端末の編集に応じた編集を、前記第1端末及び前記第2端末のうちの前記一の端末とは異なる他の端末に対して実行又は指示する反映部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一つである調理システムは、調理に関する情報を複数の端末で連携して共有することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態の調理システムが用いられるガスコンロシステム等を概略的に例示する説明図である。
図2図2は、図1のガスコンロシステムにおけるガスコンロを概略的に例示する斜視図である。
図3図3は、図2のガスコンロにおける各ガスバーナへのガス供給路等を概念的に示す説明図である。
図4図4は、図2のガスコンロの電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
図5図5は、第1実施形態の調理システムが用いられるガスコンロシステム等の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
図6図6は、第1実施形態の調理システム及び関連する装置等の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
図7図7は、第1実施形態の調理システムにおいてサーバに記憶される料理基本情報及びユーザ関連情報を概念的に説明する説明図である。
図8図8は、料理基本情報の具体例を概念的に説明する説明図である。
図9図9は、調理関連情報の具体例を概念的に説明する説明図である。
図10図10は、登録料理情報の詳細を概念的に説明する説明図である。
図11図11は、登録料理情報の具体例を概念的に説明する説明図である。
図12図12は、サーバで実行される制御の流れを例示するフローチャートである。
図13図13は、中継端末又は情報端末で行われる制御の流れを例示するフローチャートである。
図14図14は、登録料理情報の更新の流れを説明する説明図である。
図15図15は、登録料理情報の更新の流れを説明する説明図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、本開示の実施形態が列記されて例示される。なお、以下で示す〔1〕~〔4〕の特徴は、矛盾しない態様でどのように組み合わされてもよい。
【0010】
〔1〕ガスコンロと、情報を入力する第1入力部と第1表示部とを有するとともに前記ガスコンロと通信可能に構成される第1端末と、情報を入力する第2入力部と第2表示部とを有する第2端末と、を備えるガスコンロシステムに用いられる調理システムであって、
前記第1端末と前記第2端末とを対応付けるための対応情報を記憶する記憶部と、
所定の調理内容に対応する調理関連情報を、前記第1端末又は前記対応情報によって前記第1端末に対応付けられた前記第2端末に対して配信する配信部と、
前記対応情報によって対応付けられた前記第1端末及び前記第2端末のうちのいずれか一の端末において前記調理関連情報が編集された場合に、前記一の端末の編集に応じた編集を、前記第1端末及び前記第2端末のうちの前記一の端末とは異なる他の端末に対して実行又は指示する反映部と、
を有する調理システム。
〔1〕の調理システムは、対応情報を用い、第1端末及び第2端末を対応付けて管理することができる。そして、対応付けられた第1端末及び第2端末のうちの一の端末において調理関連情報が編集された場合に、この一の端末の編集に応じた編集を、他の端末に対して実行又は指示することができる。よって、調理に関する情報を複数の端末で連携して共有することが可能となる。
【0011】
〔2〕前記第1端末及び前記第2端末と通信可能な管理装置を備え、前記記憶部と前記配信部と前記反映部とが前記管理装置に設けられている〔1〕に記載の調理システム。
〔2〕の調理システムは、調理に関する情報を複数の端末で連携して共有することを可能とするための制御を、管理装置によって遠隔的に行うことができる。
【0012】
〔3〕前記調理関連情報は、料理の種類と前記料理の種類に対応する対応食材リストとを有するリスト情報を含み、前記反映部は、前記一の端末において前記対応食材リストの中から1以上の食材を選択する選択編集がなされた場合に、前記対応情報によって前記一の端末に対応付けられた前記他の端末に対し、前記対応食材リストの中から前記選択編集に対応する食材を選択する編集を実行又は指示する〔1〕又は〔2〕に記載の調理システム。
〔3〕の調理システムは、対応食材リストにおける食材の選択内容を複数の端末で共有することができ、いずれかの端末で選択内容が編集された場合には、編集後の選択内容を複数の端末で供給することができる。このような構成であれば、例えば、一の端末を所持する者が在宅中であり、他の端末を所持する者がスーパーマーケットなどにいる場合に、一の端末を所持する者が家の冷蔵庫にある食材を把握して一の端末で選択内容を編集すれば、その選択内容が他の端末に反映可能となる。よって、他の端末を所持する者は、スーパーマーケットにいても家の冷蔵庫の内容を反映した選択結果を確認することができ、その選択結果を踏まえた購入(例えば、家の冷蔵庫の内容と重複しない食材の購入等)が可能となる。
【0013】
〔4〕前記第1端末は、前記調理関連情報に基づくアシスト情報を前記ガスコンロに送信し、前記ガスコンロは、前記第1端末から送信された前記アシスト情報に応じた動作を行うコンロ側制御部を有する〔1〕から〔3〕のいずれか一項に記載の調理システム。
〔4〕の調理システムは、「調理に関する情報」を複数の端末で連携して共有可能とするだけでなく、「調理に関する情報」に基づく動作をガスコンロに行わせることもできる。
【0014】
<第1実施形態>
以下の説明は、第1実施形態に関する。
図1で示されるガスコンロシステム104は、主に、ガスコンロ1と、中継端末70と、情報端末80と、によって構成されている。中継端末70は、第1端末の一例に相当する。情報端末80は、第2端末の一例に相当する。ガスコンロシステム104は、ガスコンロ1と中継端末70と情報端末80とを備えたシステムとして構成され、ガスコンロ1が中継端末70を介して情報端末80との間で無線通信を行い得るシステムである。調理システム100は、ガスコンロシステム104に用いられるシステムであり、少なくともサーバ90を備える。
【0015】
ここで、ガスコンロ1について説明する。
図2のように、ガスコンロ1は、調理鍋等の調理器具を加熱可能なビルトインコンロとして構成されている。ガスコンロ1は、コンロ本体1Aの上面を構成する天板2(トッププレート)から露出するように、右コンロ部4A、左コンロ部4B、がそれぞれ設けられ、その左右のコンロ部4A,4Bの間で後方寄りに後コンロ部4Cが設けられている。天板2の下方においてコンロ本体1Aの内部中央付近にはグリル3が設けられている。グリル3は、被調理物を収納してグリルバーナ(ガスバーナ54:図3)で加熱調理するグリル庫を備え、このグリル庫は、グリル扉3Bによって開閉可能とされている。右コンロ部4A、左コンロ部4B、後コンロ部4C、グリル3には、図3で示されるガスバーナ51,52,53,54がそれぞれ設けられている。
【0016】
図3のように、複数のガスバーナ51,52,53,54には、複数の分岐供給路61,62,63,64がそれぞれ接続されている。分岐供給路61,62,63,64は、共通供給路60から分岐する構成をなす。共通供給路60は、ガスバーナ51,52,53,54への共通のガス経路であり、複数の分岐供給路61,62,63,64は、共通供給路60から分岐するとともに各ガスバーナ51,52,53,54に向けてガスを導くように配設された供給路である。共通供給路60には、共通供給路60を開閉する元電磁弁N1が設けられる。共通供給路60から分岐してガスバーナ51に続く分岐供給路61には、分岐供給路61を開閉可能な電磁弁(安全弁)51Gと、分岐供給路61を開閉可能な閉止弁51Fと、ガスバーナ51へのガス供給量を調整可能な火力調整弁51Eとが設けられている。共通供給路60から分岐してガスバーナ52に続く分岐供給路62には、分岐供給路62を開閉可能な電磁弁(安全弁)52Gと、分岐供給路62を開閉可能な閉止弁52Fと、ガスバーナ52へのガス供給量を調整可能な火力調整弁52Eとが設けられている。共通供給路60から分岐してガスバーナ53に続く分岐供給路63には、分岐供給路63を開閉可能な電磁弁(安全弁)53Gと、分岐供給路63を開閉可能な閉止弁53Fと、ガスバーナ53へのガス供給量を調整可能な火力調整弁53Eとが設けられている。
【0017】
安全弁51G、閉止弁51F、火力調整弁51Eは、図4に示されるステッピングモータM1によって駆動されるようになっており、ステッピングモータM1の回転角度が第1角度範囲になったときに安全弁51Gが開放し、モータM1の回転角度が第2角度範囲になったときに閉止弁51Fが開放し、ステッピングモータM1の回転角度が第1角度範囲及び第2角度範囲よりも大きい第3角度範囲のときに回転角度に応じて火力調整弁51Eの開度が設定されるようになっている。具体的には、制御装置10からの指示に応じたモータ駆動回路48Aの動作によってステッピングモータM1の回転角度が制御されることで火力調整弁51Eの開度が制御され、ガスバーナ51での火力が火力調整弁51Eの開度に応じて定まる。同様に、制御装置10からの指示に応じたモータ駆動回路48Bの動作によってステッピングモータM2の回転角度が制御されることで火力調整弁52Eの開度が制御され、ガスバーナ52での火力が火力調整弁52Eの開度に応じて定まる。同様に、制御装置10からの指示に応じたモータ駆動回路48Cの動作によってステッピングモータM3の回転角度が制御されることで火力調整弁53Eの開度が制御され、ガスバーナ53での火力が火力調整弁53Eの開度に応じて定まる。グリル3のガスバーナ54(グリルバーナ)は、グリル3内において上側に配置される上バーナ54Aと、グリル3内において上バーナ54Aよりも下側に配置される下バーナ54Bとを備える。共通供給路60から分岐してガスバーナ54にガスを導く分岐供給路64には、更に、分岐供給路64から分岐して上バーナ54Aにガスを導く第1供給路65Aと、分岐供給路64から分岐して下バーナ54Bにガスを導く第2供給路65Bとが接続されている。分岐供給路64には、分岐供給路64を開閉可能な電磁弁(安全弁)54Gと閉止弁54Fとが設けられ、第1供給路65Aには複数の電磁弁54H,54Jが設けられ、第2供給路65Bには電磁弁54Kが設けられている。電磁弁54H,54J,54Kの開閉は、制御装置10によって制御される。なお、第1供給路65Aに設けられた電磁弁54Jを迂回するように電磁弁54Jの経路と並列の経路であるバイパス路66Aが設けられている。また、第2供給路65Bに設けられた電磁弁54Kを迂回するように電磁弁54Kの経路と並列の経路であるバイパス路66Bが設けられている。
【0018】
図2に示されるように、右コンロ部4A、左コンロ部4B、後コンロ部4C、グリル3にそれぞれ対応するように4つの回転操作部6A,6B,6C,6Dが設けられている。回転操作部6Aは、右コンロ部4Aの点火、消火、火力調整を行うものである。回転操作部6Bは、左コンロ部4Bの点火、消火、火力調整を行うものである。回転操作部6Cは、後コンロ部4Cの点火、消火、火力調整を行うものである。第4の回転操作部6Dは、グリル3の点火、消火、火力調整を行うものである。4つの回転操作部6A,6B,6C,6Dはいずれも、押圧操作可能に構成され、且つ回転操作可能に構成されている。回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれも、使用者が押す毎に退避位置と突出位置とに切り替わるようになっている。図4の電気的構成で示すように、回転操作部6A,6B,6C,6Dにそれぞれ対応するようにスイッチ30A,30B,30C,30Dがそれぞれ設けられ、スイッチ30A,30B,30C,30Dにそれぞれ対応するように点火信号入力回路40A,40B,40C,40Dがそれぞれ設けられている。スイッチ30A,30B,30C,30Dは、いずれも点火スイッチとして機能し、回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれにおいても、各回転操作部が突出位置から退避位置(消火位置)へと操作されることに応じて、各回転操作部に対応するスイッチがオフ状態となり、このスイッチに対応する点火信号入力回路から制御装置10にオフ信号が与えられる。また、回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれにおいても、各回転操作部が退避位置から突出位置(点火位置)へと操作されることに応じて、各回転操作部に対応するスイッチがオン状態となり、このスイッチに対応する点火信号入力回路から制御装置10にオン信号が与えられる。
【0019】
更に、回転操作部6A,6B,6C,6Dにそれぞれ対応するように変位検出部32A,32B,32C,32Dがそれぞれ設けられ、変位検出部32A,32B,32C,32Dにそれぞれ対応するように火力信号入力回路42A,42B,42C,42Dがそれぞれ設けられている。回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれにおいても、各回転操作部の変位(回転位置)を各回転操作部に対応する変位検出部が検出し、この変位検出部に対応する火力信号入力回路から変位検出部が検出した変位(回転位置)に応じた信号が制御装置10に与えられる。
【0020】
図3図4に示されるように、各ガスバーナ51,52,53のそれぞれの近くにはサーミスタ51C,52C,53Cがそれぞれ設けられている。そして、サーミスタ51C,52C,53Cのそれぞれに対応して温度信号入力回路44A,44B,44Cがそれぞれ設けられている。更に、各ガスバーナ51,52,53,54A,54Bのそれぞれに隣接して熱電対51Z,52Z,53Z,54Zがそれぞれ設けられている。また、各ガスバーナ51,52,53,54のそれぞれに隣接してイグナイタ26A,26B,26C,26Dがそれぞれ設けられ、イグナイタ26A,26B,26C,26Dのそれぞれに対応してイグナイタ回路46A,46B,46C,46Dがそれぞれ設けられている。
【0021】
制御装置10は、例えばマイクロコンピュータとして構成されており、図4のように、CPU10A、ROM10B、RAM10Cなどを備え、更に、図示しないタイマ、I/Oインタフェース、不揮発性メモリなどを備える。制御装置10は、上述した各電磁弁(図4では図示を省略)、イグナイタ26A,26B,26C,26D、複数のモータM1,M2,M3,M4などを制御し得る。操作部12は、操作ボタンやタッチパネルなどの公知の入力インタフェースによって構成され、ユーザの操作に応じた情報を制御装置10に入力し得るものである。また、上述した電気部品を含め、様々な電気部品に電力を供給するように電源回路48が設けられている。電源回路48は電池ボックスに収容された電池49(例えば2つの乾電池)からの電力供給を受け、所定の電源電圧を生成する機能を有しており、電源回路48で生成された電源電圧は、図示しない経路を介して様々な電気部品に供給される。
【0022】
更に、ガスコンロ1には、後述する中継端末70と無線通信を行うための通信回路である通信部11が設けられている。通信部11は、公知のbluetooth(登録商標)の無線通信規格に従った通信方式(第2無線通信方式)によって中継端末70と無線通信を行い得る装置である。具体的には、制御装置10と通信部11とが協働して中継端末70との間で情報の送受信を行う。また、通信部11は、中継端末70を介してサーバ90や情報端末80との間で無線通信を行い得る装置である。具体的には、制御装置10と通信部11とが協働し、中継端末70及び広域通信網102を介してサーバ90又は情報端末80との間で情報の送受信を行う。
【0023】
ガスコンロ1には、第2無線通信方式での通信を許可する端末の識別情報を登録する登録部13を有する。登録部13は、例えば不揮発性メモリなどによって構成されており、ガスコンロ1が電源オフ状態となった場合(即ち、コンロ本体1Aが電源オフ状態になった場合)でも自身に記憶されている情報が保持され、識別情報の登録が維持されるようになっている。例えば、中継端末70が通信を許可する端末である場合、登録部13には、中継端末70の識別情報(ID)が登録され、この中継端末70の識別情報(ID)は、コンロ本体1Aが電源オフ状態となって制御装置10に対する電力供給が中断しても、登録部13に登録(記憶)され続ける。なお、コンロ本体1Aの電源オフ状態は、回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれかに対して点火操作が行われても点火がなされない状態であり、例えば、制御装置10への電力供給が停止した状態である。
【0024】
次の説明は、中継端末70に関する。中継端末70は、後述する第1無線通信方式による無線通信によって広域通信網102に直接又は他装置を介して間接的にアクセス可能である。広域通信網102は、例えばインターネット通信網などである。例えば、中継端末70は、広域通信網102を構成する基地局との無線通信によって広域通信網102に直接アクセスしたり、無線ルータやその他のアクセスポイントを介して広域通信網102に間接的にアクセスしてもよい。なお、図1図5では、その一例として、中継端末70がWiFi(登録商標)通信によって無線ルータ106と通信可能とされており、中継端末70が無線ルータ106を介して広域通信網102やサーバ90などにアクセスし得る例を示している。
【0025】
図5のように、中継端末70は、制御装置71と、表示部72と、操作部73と、第1通信部74と、第2通信部75と、を備える。中継端末70は、スマートフォンやタブレット端末などの携帯型情報処理端末として構成されており、図示しない二次電池を電源として動作し得るようになっている。なお、図1図5では、タブレット端末として構成された中継端末70を例示しているが、情報処理機能を有する携帯型の端末であればタブレット端末以外の構成であってもよい。また、図5では、ガスコンロ1については一部部品のみを例示し、他の部品の図示を省略している。
【0026】
制御装置71は、後述する第1通信部74及び第2通信部75を制御する機能を有する。制御装置71は、例えばマイクロコンピュータなどの公知の情報処理装置として構成され、CPUなどの公知の演算装置及び他の周辺回路などを備えてなり、様々な制御や演算を行い得る。表示部72は、第1表示部の一例に相当し、情報を表示する機能を有する。表示部72は、例えば公知のタッチパネル式表示装置の一部をなす表示部であり、液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイなどの公知の画像表示装置として構成されている。操作部73は、第1入力部の一例に相当し、ユーザからの操作に応じた情報を入力するように動作する。操作部73は、例えば、表示部72の前方を覆うように配置される公知のタッチパネルとして構成され、表示部72の画像を外部から視認可能な透明性の構成で表示部72を覆う構成をなす。なお、ここで示す例はあくまで一例であり、表示部72は、ユーザが視認し得る状態で画像を表示し得る構成であればよい。操作部73は、ユーザの操作によって情報を入力し得る構成であればよく、タッチパネル以外の入力インタフェース(ボタン等)を備えていてもよい。
【0027】
第1通信部74は、bluetooth(登録商標)以外の無線通信規格に従った第1無線通信方式(例えば、WiFi(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)、第4世代移動通信システム、第5世代移動通信システムなどの公知の無線通信規格に従った通信方式)で無線通信を行い得る通信装置である。第1通信部74は、第1無線通信方式による無線通信によって広域通信網102に直接又は他装置を介して間接的にアクセスし得る機能を有し、広域通信網102を介してサーバ90と無線通信を行い得る。また、第1通信部74は、広域通信網102を介して情報端末80の通信部84と無線通信を行い得る。具体的には、制御装置71と第1通信部74が協働し、サーバ90や情報端末80との間で情報の送受信を行い得る。
【0028】
第2通信部75は、公知のbluetooth(登録商標)の無線通信規格に従った通信方式(第2無線通信方式)で無線通信を行い得る通信装置である。第2通信部(入力部)75は、ガスコンロ1の通信部11と第2無線通信方式で無線通信を行い得る。具体的には、制御装置71と第2通信部75とが協働し、ガスコンロ1との間で情報の送受信を行い得る。
【0029】
ガスコンロ1の制御装置10及び中継端末70の制御装置71は、ガスコンロ1が中継端末70との間で第2無線通信方式による無線通信を行うように通信部11及び第2通信部75を制御する第1制御を行う。第1制御は、第1の通信開始条件の成立に応じて開始され、具体的には、登録部13に登録された識別情報が中継端末70からコンロ本体1Aに与えられたことを条件としてコンロ本体1Aと中継端末70との間でのペアリングが確立された上で行われる。より詳しくは、ガスコンロ1及び中継端末70がいずれも電源オン状態であり且つガスコンロ1と中継端末70とがbluetooth通信を行い得る距離にあるときに、ガスコンロ1と中継端末70との間でbluetooth規格に従った公知のペアリング方式(例えば、中継端末70からガスコンロ1に送られた識別情報(ID)をガスコンロ1で認証するペアリング方式)でペアリングがなされ、ペアリング状態が維持されているときに上述の第1制御が行われる。例えば、中継端末70の識別情報(ID)が中継端末70からコンロ本体1Aに送られた場合に、コンロ本体1Aの制御装置10はその識別情報(ID)が登録部13に登録(記憶)されているか否かを判定し、登録されている場合には中継端末70との通信を許可してペアリング状態とし、中継端末70と第2無線通信方式で無線通信を行う。
【0030】
ガスコンロ1の制御装置10及び中継端末70の制御装置71は、ガスコンロ1が中継端末70との間で第2無線通信方式による無線通信を行いつつ、中継端末70を介して情報端末80との間で無線通信を行うように通信部11、第1通信部74、及び第2通信部75を制御する第2制御を行う。この第2制御の際には、ガスコンロ1の制御装置10及び中継端末70の制御装置71は、例えばガスコンロ1の情報を情報端末80に無線送信し、情報端末80の情報をガスコンロ1に無線送信するように協働して第2制御を行う。第2制御は、上述の第1制御を前提とする制御であり、例えば、第2の通信開始条件の成立に応じて開始される。具体的には、コンロ本体1Aと中継端末70との間で第2無線通信方式による通信が確立されているとき(より具体的には、コンロ本体1Aと中継端末70とがbluetooth通信方式でペアリングされているとき)に所定条件が成立した場合(例えば、ガスコンロ1の操作部12又は操作部73に所定操作がなされたり、情報端末80に所定操作がなされたり、その他の通信開始条件が成立したとき)に開始されてもよく、その他の条件に応じて開始されてもよい。
【0031】
次の説明は、情報端末80に関する。図5のように、情報端末80は、制御装置81と、表示部82と、操作部83と、通信部84と、を備える。情報端末80は、スマートフォンやタブレット端末などの携帯型情報処理端末として構成されており、図示しない二次電池を電源として動作し得るようになっている。図1図5では、スマートフォンとして構成された情報端末80を例示しているが、情報処理機能を有する携帯型の端末であればスマートフォン以外の構成であってもよい。なお、図1図5では、情報端末80が1つのみ例示されているが、同様の構成をなす情報端末80が複数設けられていてもよい。
【0032】
制御装置81は、例えばマイクロコンピュータなどの公知の情報処理装置として構成され、CPUなどの公知の演算装置及び他の周辺回路などを備えてなり、様々な制御や演算を行い得る。表示部82は、第2表示部の一例に相当する。表示部82は、例えば公知のタッチパネル式表示装置の一部をなす表示部であり、液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイなどの公知の画像表示装置として構成されている。操作部83は、第2入力部の一例に相当し、ユーザの操作に応じた情報を入力するように機能する。操作部83は、例えば、表示部82の前方を覆うように配置される公知のタッチパネルとして構成され、表示部82の画像を外部から視認可能な透明性の構成で表示部82を覆う構成をなす。なお、ここで示す例はあくまで一例であり、表示部82は、ユーザが視認し得る状態で画像を表示し得る構成であればよい。操作部83は、ユーザの操作によって情報を入力し得る構成であればよく、タッチパネル以外の入力インタフェース(ボタン等)を備えていてもよい。
【0033】
通信部84は、1以上の通信方式で外部装置と無線通信を行い得る装置であり、例えば、上述の第1無線通信方式(例えば、WiFi(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)、第4世代移動通信システム、第5世代移動通信システムなどの公知の無線通信規格に従った通信方式)で無線通信を行い得る通信装置となっている。通信部84は、例えば第1無線通信方式による無線通信によって広域通信網102に直接又は他装置を介して間接的にアクセスし得る機能を有し、広域通信網102を介してサーバ90と無線通信を行い得る。また、通信部84は、広域通信網102を介して中継端末70の第1通信部74と無線通信を行い得る。具体的には、制御装置81と通信部84とが協働し、サーバ90や中継端末70との間で情報の送受信を行い得る。また、コンロ本体1Aと中継端末70とがペアリングされているときには、制御装置81と通信部84とが協働し、コンロ本体1Aとの間で情報の送受信を行い得る。
【0034】
次の説明は、サーバ90に関する。図6で示されるように、サーバ90は、中継端末70(第1端末)及び情報端末80(第2端末)と通信可能な管理装置の一例に相当する。サーバ90は、1以上のコンピュータを備えた情報処理装置又は情報処理システムとして構成されている。図6の例では、サーバ90は、制御装置91と、表示部92と、操作部93と、通信部94と、記憶部95とを備える。サーバ90は、上述した広域通信網102を介して中継端末70や情報端末80と通信し得る。制御装置91及び通信部94は、配信部の一例に相当する。また、制御装置91は、反映部の一例に相当する。
【0035】
次の説明は、調理システム100等によって行われる制御に関する。
サーバ90の記憶部95には、図7のように複数の料理の料理基本情報と複数のユーザのユーザ関連情報とが登録されている。図8のように、料理基本情報は、料理ごとに、料理名、レシピ情報、食材リスト情報、選択情報が対応付けて記憶されている。つまり、記憶部95に記憶されたデータ構造は、いずれかの料理名が特定された場合、その料理名に対応付けられたレシピ情報、食材リスト情報、選択情報を読み出すことができるようになっている。料理ごとの料理基本情報(料理名、レシピ情報、食材リスト情報、選択情報)は、予めなされる登録作業によってサーバに登録されてもよく、外部からサーバに対して情報が与えられることによってサーバに登録されてもよい。
【0036】
料理ごとの料理基本情報のうち、レシピ情報は、対応付けられた料理の作り方を説明する情報であり、料理の作り方を説明する文章や画像などの情報を含む。例えば、料理A(例えば、カレーライス)に対応付けられたレシピ情報は、料理Aの作り方を説明する情報であり、料理Aの作り方を説明する文章や画像などの情報を含む。
【0037】
料理ごとの料理基本情報のうち、食材リスト情報は、対応付けられた料理の食材のリストを説明する情報であり、対応付けられた料理に必要な各食材の情報(具体的には、各食材の名称と各食材の必要量とを特定し得る情報)を含む。例えば、料理A(例えば、カレーライス)に対応付けられたレシピ情報は、料理Aの食材のリストを説明する情報であり、料理Aに必要な各食材の情報(具体的には、各食材の名称と各食材の必要量とを特定し得る情報)を含む。また、レシピ情報は、対応付けられた料理の調理をアシストするアシスト情報を含む。アシスト情報は、対応付けられた料理に最適なモード、火力の調整プログラム、食材投入などのガイドを行うガイドプログラムなどを特定する情報を含む。例えば、ユーザが中継端末70にて特定の料理を指定する操作及び当該料理のアシスト情報の送信を指示する操作を行った場合に、当該料理のアシスト情報が中継端末70から、又はサーバ90から中継端末70を介してガスコンロ1に送信されるようになっている。アシスト情報がガスコンロ1に送信された場合、ガスコンロ1はアシスト情報に基づく動作(例えば、アシスト情報で指定されたモードの選定や、アシスト情報で指定されたプログラムの実行など)を行い得るようになっている。このように、中継端末70(第1端末)は、調理関連情報に基づくアシスト情報をガスコンロ1に送信するように動作する。そして、制御装置10は、コンロ側制御部の一例として機能し、中継端末70(第1端末)から送信されたアシスト情報に応じた動作を行う。
【0038】
料理ごとの料理基本情報のうち、選択情報は、対応付けられた料理の食材リストで特定される各食材がユーザによって選択されているか否かを特定し得る情報である。例えば、料理A(例えば、カレーライス)に対応付けられた選択情報は、料理Aの食材リストで特定される各食材(例えば、食材A1、A2、A3、・・・の各々)が選択されているか否かを特定し得る情報である。なお、図8等の例では、選択済みを示す情報を「○」で表し、未選択を示す情報を「×」で表している。なお、料理基本情報では、選択情報をデフォルトの状態(全て未選択の状態)としている。
【0039】
図7で示されるように、ユーザ関連情報は、ユーザ毎の登録内容を特定する情報である。図7のように、ユーザ関連情報は、ユーザ毎に、ID情報、パスワード情報、調理関連情報が対応付けられている。図7の例では、ID1で特定されるユーザの情報として、ID1、PW1、調理関連情報1が対応付けられており、ID1が特定されれば、PW1、調理関連情報1を特定できるようになっている。図7の情報を記憶する記憶部95は、中継端末70(第1端末)と情報端末80(第2端末)とを対応付けるための対応情報を記憶する機能を有する。
【0040】
図9で示されるように、ユーザ毎に対応付けられた調理関連情報は、1以上の登録料理情報を含んでいる。図9の例では、ID1に対応付けられた調理関連情報1として、登録料理情報11、登録料理情報12、登録料理情報13が含まれており、ID2に対応付けられた調理関連情報2として、登録料理情報21、登録料理情報22、登録料理情報23が含まれている。
【0041】
図10で示されるように、登録料理情報は、いずれかの料理の料理基本情報、又はその料理基本情報を更新した情報(具体的には、選択情報を更新した情報)となっている。例えば、図10に示される登録料理情報11は、ID1に対応付けられたユーザに対応付けられて登録された料理情報であり、料理名11で特定される料理に関する情報である。具体的には、登録料理情報11は、料理名11に対応付けて、料理名11で特定される料理のレシピ等を含むレシピ情報11、料理名11で特定される料理に必要な食材(食材111、112、113、114・・・)、各食材(食材111、112、113、114・・・)が選択済みであるか否かを特定する選択情報などを含んでいる。図11には、登録料理情報の具体例が示されている。図11の例は、料理名11で特定される料理がカレーライスの場合の例である。図11の例では、登録料理情報11は、料理名11(カレーライス5皿分)に対応付けて、料理名11で特定される料理のレシピ等を含むレシピ情報11、料理名11で特定される料理に必要な食材(にんじん小1個、じゃがいも中2個、玉ねぎ中2個、肉200g・・・)、各食材(にんじん小1個、じゃがいも中2個、玉ねぎ中2個、肉200g・・・)が選択済みであるか否かを特定する選択情報などを含んでいる。
【0042】
次の説明は、サーバ90での制御に関する。
図12の制御は、中継端末70又は情報端末80を介していずれかのIDを用いたログインがなされているときにログインが行われた端末との間で送受信を行う制御である。サーバ90は、いずれかの端末からログインがなされたときに当該端末との間で図12で示す制御を開始する。サーバ90は、図12の制御の開始後、ステップS10において、ログインがなされた端末から料理の登録要求があったか否かを判定し、料理の登録要求があったと判定した場合には、ステップS11にてログインがなされたIDに対応付けられた調理関連情報の一つとして、要求があった料理の料理基本情報を登録する。料理の登録要求は、ログインがなされた端末(中継端末70又は情報端末80のいずれかに)によって行われる動作であり、具体的には、ログインがなされたIDと対応付けていずれかの料理に関する料理基本情報の登録を要求する動作である。例えば、ログインがなされた端末において所定操作が行われることにより当該端末から料理Zを指定して料理を登録する要求があった場合に、ステップS11では、ログインがなされたIDに対応する調理関連情報の一つとして料理Zの料理基本情報を登録する。
【0043】
制御装置91は、ステップS11の後、ステップS12において登録料理情報の要求があったか否かを判定する。具体的には、制御装置91は、ステップS12において、ログインがなされた端末からログインがなされたIDに対応付けられた調理関連情報に含まれるいずれかの登録料理情報が要求されたか否かを判定し、要求がないと判定した場合にはステップS14に進み、要求があったと判定した場合にはステップS13にて要求に対応する情報を送信する処理を行う。制御装置91は、ステップS13では、ログインがなされたIDに対応付けられた調理関連情報のうち、ステップS12で要求があったと判定された登録料理情報を、要求があった端末(即ち、ログインがなされている端末)に送信する。このような送信がなされることで、ログインを行った端末では、要求した登録料理情報を表示できるようになる。この例では、サーバ90の制御装置91及び通信部94が配信部の一例に相当し、所定の調理内容に対応する調理関連情報を、中継端末70(第1端末)又は対応情報によって中継端末70に対応付けられた情報端末80(第2端末)に対して配信するように動作する。
【0044】
制御装置91は、ステップS13の後、ステップS14において更新要求があったか否かを判定する。更新要求は、ログインがなされている端末からいずれかの登録料理情報の更新を要求する動作であり、具体的には、ログインがなされている端末からサーバ90に対していずれかの料理に関する新たな登録料理情報(更新された登録料理情報)を送信する動作及びサーバ90に対して当該料理の登録料理情報を新たな登録料理情報の内容に更新することを指示する動作である。制御装置91は、ステップS14において上記更新要求があったと判定した場合、ステップS15にて更新処理を行い、ログインがなされているIDに対応付けられた料理関連情報において、ログインがなされている端末から送信されてきた新たな登録料理情報に対応する料理の登録料理情報を、その新たな登録料理情報(更新された登録料理情報)の内容に更新する。制御装置91は、ステップS14において更新要求がないと判定した場合、ステップS16に進む。
【0045】
制御装置91は、ステップS14でNoの場合、又はステップS15の後、ステップS16においてログインがなされているIDに関してログアウトがなされたか否かを判定し、ログアウトがなされていないときにはステップS10に戻り、ログアウトがなされた場合には、当該IDに関する図12の制御を終了する。
【0046】
次の説明は、中継端末70又は情報端末80での制御に関する。なお、中継端末70及び情報端末80は、いずれも、図13の制御を実行し得る。以下の説明は、情報端末80が図13の制御を実行する場合を代表例とした説明であるが、中継端末70でも同様の制御を実行し得る。
【0047】
情報端末80の制御装置81は、所定の開始条件の成立に応じて図13で示す制御を開始する。制御装置81は、図13の制御の開始後、ステップS21において要求操作があったか否かを判定する。要求操作は、サーバ90に対して調理関連情報を要求する操作であり、具体的には、IDとパスワードとを対応付けた情報をサーバ90に送信することでログイン状態とし、ログイン状態でサーバ90に対して上記IDに対応付けられた調理関連情報(具体的には、上記IDに対応付けられたいずれかの登録料理情報)を要求するコマンドを送信する操作である。制御装置81は、ステップS21において上記要求操作があったと判定した場合、ステップS22において上記コマンドを送信する。制御装置81は、ステップS22の処理を行う場合、具体的には、上記要求操作によって入力された上記IDと上記コマンドとを対応付けてサーバ90に送信する。
【0048】
制御装置81は、ステップS22の後、ステップS23の判定を行い、ステップS22の処理後の一定時間内にサーバ90から上記コマンドに応じた調理関連情報が送信されたか否かを判定し、一定時間内にサーバ90から上記コマンドに対応する調理関連情報が送信されなかった場合には、ステップS28でエラー表示を行い、ステップS21以降の処理を再び行う。制御装置81は、ステップS22の処理後、一定時間内にサーバ90から上記コマンドに対応する調理関連情報が送信された場合には、ステップS24でその調理関連情報を受信し、ステップS25では、その調理関連情報に関する表示を行う。制御装置81は、ステップS25の後、ステップS26の判定を行い、ステップS25で表示された調理関連情報に関する更新操作があったか否かを判定し、更新操作が無い場合には、図13の処理を終了し、更新操作があった場合には、その更新操作に応じた更新をステップS27で行う。
【0049】
図14では、いずれかのIDに対応付けられた調理関連情報の一つとして、カレーライスに関する登録料理情報が登録された場合の端末での表示について示している。図14において「初期状態」は、当該IDに対応付けられたカレーライスに関する登録料理情報が初期状態(更新がされていない料理基本情報の状態であり、いずれの食材も選択されていない状態)であるときにステップS25において当該IDに対応付けられたカレーライスに関する登録料理情報を表示する場合を示している。この場合、情報端末A(例えば、いずれかの情報端末80)において当該IDでログインして当該IDに対応付けられたカレーライスに関する登録料理情報を表示する場合(上段の例)でも、情報端末B(いずれかの情報端末80又は中継端末70)において当該IDでログインして当該IDに対応付けられたカレーライスに関する登録料理情報を表示する場合(下段の例)でも、いずれの食材も選択されていない状態で食材のリストが表示される。
【0050】
図14における「初期状態」では、いずれの食材も選択されていない状態で食材のリストが表示されているが、図14における「第1編集時」は、情報端末Aにおいて、ステップS25で「初期状態」の表示が行われた後、ステップS27においてにんじんを選択済とするように編集が行われた場合を示している。そして、図14図15における「第1編集の反映後」は、ステップS27においてにんじんを選択済とする内容で登録料理情報が更新された後、ステップS25でその更新後の登録料理情報を表示する場合を示している。この場合、情報端末Aで更新後(第1編集の反映後)の登録料理情報を表示する場合でも、情報端末Bで更新後(第1編集の反映後)の登録料理情報を表示する場合でも、食材の選択内容は同一となる。
【0051】
図15における「第2編集時」は、上述の「第1編集」が行われた後、情報端末Bにおいて、ステップS27でにんじん及びたまねぎを選択済とするように編集が行われた場合を示している。そして、図15における「第2編集の反映後」は、ステップS27においてにんじん及びたまねぎを選択済とする内容で登録料理情報が更新された後、ステップS25でその更新後の登録料理情報を表示する場合を示している。この場合、情報端末Aで更新後(第2編集の反映後)の登録料理情報を表示する場合でも、情報端末Bで更新後(第2編集の反映後)の登録料理情報を表示する場合でも、食材の選択内容は同一となる。
【0052】
制御装置9は、反映部の一例に相当し、対応情報によって対応付けられた第1端末及び第2端末のうちのいずれか一の端末において調理関連情報が編集された場合に、一の端末の編集に応じた編集を、第1端末及び第2端末のうちの一の端末とは異なる他の端末に対して実行又は指示するように動作する。このようにサーバ90(管理装置)には、対応情報を記憶する記憶部と配信部と反映部とが設けられている。また、図9図10のように、調理関連情報は、料理の種類と料理の種類に対応する対応食材リストとを有するリスト情報を含んでおり、上述したように、反映部は、一の端末において対応食材リストの中から1以上の食材を選択する選択編集がなされた場合に、対応情報によって一の端末に対応付けられた他の端末に対し、対応食材リストの中から選択編集に対応する食材を選択する編集を実行又は指示するように動作する。
【0053】
<他の実施形態>
本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。更に、上述した実施形態を、次のように変更してもよい。
【0054】
第1実施形態の説明では、コンロ本体1Aと中継端末70とがbluetooth(登録商標)通信方式で近距離無線通信を行う例を示した。しかしながら、中継端末70が広域通信網にアクセスするために用いる無線通信方式よりも電力消費が抑えられる近距離無線通信方式であれば、bluetooth(登録商標)通信方式以外の近距離無線通信方式を第2無線通信方式として採用し、コンロ本体1Aと中継端末70とがこの第2無線通信方式で無線通信を行ってもよい。或いは、コンロ本体1Aと中継端末70とが上述の第1無線通信方式で無線通信を行ってもよい。
【0055】
第1実施形態の説明では、中継端末70の第1通信部74が、WiFi(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)、第4世代移動通信システム、第5世代移動通信システムなどの公知の無線通信規格に従った通信方式で直接又は外部装置を介して広域通信網にアクセスし、広域通信網を介して情報端末80と無線通信を行う例を示した。しかしながら、第1通信部74は、公知のbluetooth(登録商標)の無線通信規格に従った通信方式で情報端末80と無線通信を行う機能が更に付加されていてもよい。
【0056】
第1実施形態では、コンロ本体1Aによってガスコンロ1が構成されたが、コンロ本体1Aがガスコンロ1の一部をなしていてもよい。即ち、コンロ本体1Aに他の付属品が加えられた形でガスコンロ1が構成されていてもよい。
【0057】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0058】
1…ガスコンロ
70…中継端末(第1端末)
71…制御装置
72…表示部(第1表示部)
73…操作部(第1入力部)
80…情報端末(第2端末)
81…制御装置
82…表示部(第2表示部)
83…操作部(第2入力部)
90…サーバ(管理装置)
91…制御装置(配信部、反映部)
94…通信部(配信部)
95…記憶部
100…調理システム
104…ガスコンロシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15