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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/34 20060101AFI20231201BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20231201BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20231201BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
G09G3/34 J
G02F1/133 535
G09G3/20 612U
G09G3/20 641P
G09G3/20 641T
G09G3/20 642E
G09G3/36
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021566829
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(86)【国際出願番号】 JP2020037101
(87)【国際公開番号】W WO2021131209
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-05-25
(31)【優先権主張番号】62/953,287
(32)【優先日】2019-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】前川 雄祐
(72)【発明者】
【氏名】上原 一裕
(72)【発明者】
【氏名】米田 昭
【審査官】村上 遼太
(56)【参考文献】
【文献】特許第5085793(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0025074(US,A1)
【文献】特開2015-142276(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108806616(CN,A)
【文献】国際公開第2011/111268(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0025592(US,A1)
【文献】特開2007-034251(JP,A)
【文献】特開2013-167719(JP,A)
【文献】特開2018-038020(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0295705(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0053222(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0074553(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/133
G09G3/00-3/08
3/12
3/16-3/26
3/30
3/34-3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示装置を制御する制御装置であって、
第1映像信号を取得する取得部と、
前記第1映像信号の第1輝度特性を用いて、前記液晶表示装置のバックライトの輝度の基準となる第1バックライト値を決定する決定部と、
前記液晶表示装置が表示可能なピーク輝度、及び、前記第1バックライト値に基づいて、前記第1映像信号に対するトーンマップ処理を行い、トーンマップ処理後の第2映像信号を出力するトーンマップ処理部と、
前記第1バックライト値及び前記第2映像信号に基づいて、前記液晶表示装置のローカルディミング制御のための制御信号を生成し、前記制御信号を前記液晶表示装置へ出力する生成部と、を備え、
前記トーンマップ処理部は、前記ピーク輝度及び前記第1バックライト値から、前記第1映像信号で示される第1映像に含まれる一の第1フレームを前記液晶表示装置で表示するときの輝度値のピークである出画ピーク輝度を算出し、入力信号の入力ピーク輝度を前記出画ピーク輝度とするトーンカーブを用いて前記トーンマップ処理を行う
制御装置。
【請求項2】
前記第1輝度特性は、前記一の第1フレームを構成する複数の第1画素が有する複数の第1輝度値の最大値、及び、前記複数の第1輝度値の平均値を含み、
前記第1映像は、前記一の第1フレームを含む複数の第1フレームを含み、
前記決定部は、前記複数の第1フレームのそれぞれについて、各第1フレームを構成する複数の第1輝度値に基づく前記最大値及び前記平均値の加重平均を、前記第1バックライト値として決定する
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記加重平均における前記最大値への重みは、処理対象の第1フレームにおける複数の第1輝度値の平均値が大きいほど大きい値に設定される
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記最大値は、輝度値が大きい順に前記第1画素をカウントした場合、カウント値が所定の閾値である第1画素が有する第1輝度値を基準とした所定の範囲内の輝度値を有する複数の第1画素の複数の第1輝度値の平均である
請求項2または3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記平均値は、輝度値を複数の階級に分類したときの各階級に属する輝度値を有する画素の数を示すヒストグラムにおけるヒストグラム平均である
請求項2から4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記生成部は、
前記第2映像信号で示される第2映像に含まれる第2フレームであって、前記第1フレームに対応する第2フレームを構成する複数の領域のそれぞれについて、
(i)当該領域の第2輝度特性を用いて、当該領域における第2バックライト値を決定し、
(ii)当該領域における前記第2バックライト値に基づいて、当該領域に対応する前記第2映像信号に対する信号補正のゲインを決定し、決定した当該領域における前記ゲインを用いて当該領域における前記第2映像信号を補正し、
前記第1バックライト値と各領域において決定した前記第2バックライト値とに基づいて算出される各領域における第3バックライト値、及び、前記第2映像信号が各領域において補正されることで得られた第3映像信号を前記制御信号として生成する
請求項2からのいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
液晶表示装置を制御する制御方法であって、
第1映像信号を取得し、
前記第1映像信号の第1輝度特性を用いて、前記液晶表示装置のバックライトの輝度の基準となる第1バックライト値を決定し、
前記液晶表示装置が表示可能なピーク輝度、及び、前記第1バックライト値に基づいて、前記第1映像信号に対するトーンマップ処理を行い、トーンマップ処理後の第2映像信号を出力し、
前記第1バックライト値および前記第2映像信号に基づいて、前記液晶表示装置のローカルディミング制御のための制御信号を生成し、
前記制御信号を前記液晶表示装置へ出力し、
前記トーンマップ処理は、前記ピーク輝度及び前記第1バックライト値から、前記第1映像信号で示される第1映像に含まれる一の第1フレームを前記液晶表示装置で表示するときの輝度値のピークである出画ピーク輝度を算出し、入力信号の入力ピーク輝度を前記出画ピーク輝度とするトーンカーブを用いた処理である
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ローカルディミング可能なバックライトを備える映像表示装置が開示されている。この映像表示装置では、複数のエリアに分割されたバックライトを、各エリアに属する発光素子の輝度を映像信号の輝度分布に応じて動的に制御することで、表示する映像の暗部の黒浮きを低減し、かつ、映像のコントラスト比を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6185636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような映像表示装置は、表示する映像の暗部の黒浮きを十分に低減することができず、また、この映像のコントラスト比を十分に向上させることができないという課題がある。
【0005】
本開示は、液晶表示装置に表示される映像の暗部の黒浮きを十分に低減することができ、かつ、当該映像のコントラスト比を十分に向上させることができる制御装置などを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示における制御装置は、液晶表示装置を制御する制御装置であって、第1映像信号を取得する取得部と、前記第1映像信号の第1輝度特性を用いて、前記液晶表示装置のバックライトの輝度の基準となる第1バックライト値を決定する決定部と、前記液晶表示装置が表示可能なピーク輝度、及び、前記第1バックライト値に基づいて、前記第1映像信号に対するトーンマップ処理を行い、トーンマップ処理後の第2映像信号を出力するトーンマップ処理部と、前記第1バックライト値及び前記第2映像信号に基づいて、前記液晶表示装置のローカルディミング制御のための制御信号を生成し、前記制御信号を前記液晶表示装置へ出力する生成部と、を備える。
【0007】
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示における制御装置は、液晶表示装置に表示される映像の暗部の黒浮きを十分に低減することができ、かつ、当該映像のコントラスト比を十分に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施の形態に係る液晶表示装置の外観の一例を示す斜視図である。
図2図2は、本実施の形態に係る液晶表示装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、本実施の形態に係る制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、一の第1フレームに含まれる複数の第1画素を輝度値の階級毎に分類した輝度ヒストグラムの一例を示す図である。
図5図5は、第1フレームの輝度の平均値と重みα1との関係を示すグラフである。
図6図6は、入力信号の輝度と、出力信号の輝度との関係を示すトーンカーブである。
図7図7は、信号補正のゲインと、バックライト値との関係を示すグラフである。
図8図8は、液晶デバイスのバックライトがローカルディミング制御において独立して輝度制御される複数の領域毎に、第2輝度特性を算出する例を示す図である。
図9図9は、液晶表示装置の動作のフローチャートである。
図10図10は、制御信号の生成処理(S5)のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の基礎となった知見)
特許文献1のような映像表示装置は、ローカルディミングによるバックライト制御を行う場合、制御対象のエリアの映像信号の輝度の最大値に合わせた輝度となるように、当該エリアのバックライトの輝度を調整する。つまり、制御対象のエリアの映像信号の輝度が低い場合には、バックライトの輝度を低下させることで、暗部の黒浮きを低減している。このとき、バックライトの輝度を低減させる分だけ、映像信号の信号補正ゲインを上げることで、映像信号の輝度が元の輝度と一致するように制御している。
【0011】
しかしながら、バックライトの輝度を低減させるほど、信号補正ゲインを大きくする必要があり、大きな信号補正ゲインを実現するためには、信号補正を行う回路の回路規模を増大させる必要がある。言い換えると、回路規模を増大させない場合、信号補正ゲインには上限があるため、この上限のために十分にバックライトの輝度を低下させることが難しい。この結果、表示する映像の暗部の黒浮きを十分に低減することができず、また、この映像のコントラスト比を十分に向上させることができないという課題がある。
【0012】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0013】
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0014】
上述したような課題を解決するために、本開示の一態様に係る制御装置は、液晶表示装置を制御する制御装置であって、第1映像信号を取得する取得部と、前記第1映像信号の第1輝度特性を用いて、前記液晶表示装置のバックライトの輝度の基準となる第1バックライト値を決定する決定部と、前記液晶表示装置が表示可能なピーク輝度、及び、前記第1バックライト値に基づいて、前記第1映像信号に対するトーンマップ処理を行い、トーンマップ処理後の第2映像信号を出力するトーンマップ処理部と、前記第1バックライト値及び前記第2映像信号に基づいて、前記液晶表示装置のローカルディミング制御のための制御信号を生成し、前記制御信号を前記液晶表示装置へ出力する生成部と、を備える。
【0015】
これによれば、第1映像信号の第1輝度特性を用いて決定した第1バックライト値と、第1映像信号に対するトーンマップ処理後の第2映像信号とに基づいて液晶表示装置のローカルディミング制御のための制御信号を生成する。このため、第1輝度特性を用いて液晶表示装置に表示される映像のピーク輝度に応じて調整された第2映像信号に応じたローカルディミング制御を液晶表示装置に対して行うことができる。よって、第2映像信号は、第1映像信号が有する輝度以下の輝度を有することとなる。このため、液晶表示装置に表示される映像の暗部の黒浮きを十分に低減することができ、かつ、当該映像のコントラスト比を十分に向上させることができる。
【0016】
また、前記第1輝度特性は、前記第1映像信号で示される第1映像に含まれる一の第1フレームを構成する複数の第1画素が有する複数の第1輝度値の最大値、及び、前記複数の第1輝度値の平均値を含み、前記第1映像は、前記一の第1フレームを含む複数の第1フレームを含み、前記決定部は、前記複数の第1フレームのそれぞれについて、各第1フレームを構成する複数の第1輝度値に基づく前記最大値及び前記平均値の加重平均を、前記第1バックライト値として決定してもよい。
【0017】
このため、一の第1フレームとその次の第1フレームとの間で複数の第1輝度値から算出される最大値が大きく異なるような場合であっても、液晶表示装置に表示される映像の輝度の変化が急峻となることを低減することができる。
【0018】
また、前記加重平均における前記最大値への重みは、処理対象の第1フレームにおける複数の第1輝度値の平均値が大きいほど大きい値に設定されてもよい。
【0019】
このため、一の第1フレームとその次の第1フレームとの間で複数の第1輝度値から算出される最大値が大きく異なるような場合であっても、液晶表示装置に表示される映像の輝度の変化が急峻となることを低減することができる。
【0020】
また、前記最大値は、輝度値が大きい順に前記第1画素をカウントした場合、カウント値が所定の閾値である第1画素が有する第1輝度値を基準とした所定の範囲内の輝度値を有する複数の第1画素の複数の第1輝度値の平均であってもよい。
【0021】
また、前記平均値は、輝度値を複数の階級に分類したときの各階級に属する輝度値を有する画素の数を示すヒストグラムにおけるヒストグラム平均であってもよい。
【0022】
また、前記トーンマップ処理部は、前記ピーク輝度及び前記第1バックライト値から前記液晶表示装置で前記一の第1フレームを表示するときの出画ピーク輝度を算出し、前記出画ピーク輝度を最大輝度とするトーンカーブを用いて前記トーンマップ処理を行ってもよい。
【0023】
このため、第1輝度特性を用いて液晶表示装置に表示される映像のピーク輝度に応じて調整された第2映像信号を生成することができる。
【0024】
また、前記生成部は、前記第2映像信号で示される第2映像に含まれる第2フレームであって、前記第1フレームに対応する第2フレームを構成する複数の領域のそれぞれについて、(i)当該領域の第2輝度特性を用いて、当該領域における第2バックライト値を決定し、(ii)当該領域における前記第2バックライト値に基づいて、当該領域に対応する前記第2映像信号に対する信号補正のゲインを決定し、決定した当該領域における前記ゲインを用いて当該領域における前記第2映像信号を補正し、前記第1バックライト値と各領域において決定した前記第2バックライト値とに基づいて算出される各領域における第3バックライト値、及び、前記第2映像信号が各領域において補正されることで得られた第3映像信号を前記制御信号として生成してもよい。
【0025】
このため、第2映像信号に応じたローカルディミング制御を適切に行うことができる。
【0026】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0027】
(実施の形態)
以下、図1図10を用いて、実施の形態を説明する。
【0028】
[1.構成]
図1は、本実施の形態に係る液晶表示装置の外観の一例を示す斜視図である。
【0029】
図1に示されるように、液晶表示装置100は、表示パネルを含む表示デバイスを筐体内に格納した、一般的なフラットパネルディスプレイの外観を有している。
【0030】
図2は、本実施の形態に係る液晶表示装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0031】
図2に示されるように、液晶表示装置100は、チューナ101と、デコーダ102と、制御回路103と、メモリ104と、液晶デバイス105とを備える。制御回路103およびメモリ104は、制御装置110を構成している。このように、液晶表示装置100は、制御装置110を内蔵する装置である。
【0032】
チューナ101は、図示しないアンテナにより受信した放送波を構成するアナログ信号をデジタル信号である符号化データへ変換し、変換することで得られた符号化データをデコーダ102に出力する。
【0033】
デコーダ102は、チューナ101から取得した符号化データを復号し、復号することで得られた第1映像信号を制御回路103に出力する。デコーダ102は、符号化データが多重化されている場合には、符号化データを逆多重化して得られた映像用の符号化データおよび音声用の符号化データを、それぞれ、映像信号(第1映像信号)および音声信号に復号してもよい。デコーダ102は、第1映像信号とともに第1映像信号の付加データであるメタデータをチューナ101から取得し、復号してもよい。復号されたメタデータは後述する制御回路103がメモリ104に一旦書き込む。メタデータは予め配信側装置200により第1映像信号に付加されて送信される。
【0034】
制御回路103は、デコーダ102により出力された第1映像信号に対して、所定の映像処理を行う。制御回路103は、映像信号が示す映像が動画像である場合には、動画像に含まれる複数のフレームのそれぞれに対して所定の映像処理を行う。制御回路103は、映像が静止画像である場合には、静止画像に対して所定の映像処理を行う。制御回路103は、映像処理を行うことで得られた制御信号を、液晶デバイス105に出力する。これにより、液晶デバイス105は、映像処理後の映像を表示させることができる。なお、制御回路103により得られた制御信号は、第3バックライト値及び第3映像信号を含む。第3バックライト値及び第3映像信号の詳細は、後述する。
【0035】
なお、デコーダ102と制御回路103とは、同一の回路で実現されていてもよい。また、制御回路103は、所定のプログラムを実行するCPUなどの汎用のプロセッサにより実現されていてもよいし、専用回路により実現されていてもよい。つまり、液晶表示装置100の機能は、ソフトウェアにより実現されていてもよいし、ハードウェアにより実現されていてもよい。
【0036】
メモリ104は、所定のプログラムおよび所定のプログラムを実行するために利用する各種データを記憶していてもよい。メモリ104は、例えば、不揮発性メモリである。
【0037】
液晶デバイス105は、制御回路103により出力された制御信号に基づいて、映像を表示する。液晶デバイス105は、液晶パネル105aと、バックライト105bとを有する。バックライト105bは、液晶パネル105aの複数の領域にそれぞれ対応して設けられる複数の光源(図示せず)を有する。各光源は、液晶パネル105aの各領域における輝度を独立して調整することができる。
【0038】
次に、制御装置110の機能構成について説明する。
【0039】
図3は、本実施の形態に係る制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0040】
図3に示すように、制御装置110は、機能構成として、取得部111と、映像信号処理部112と、生成部113とを備える。制御装置110は、例えば、制御回路103及びメモリ104により実現される。具体的には、制御装置110は、制御回路103によりメモリ104に格納される所定のプログラムが実行されることにより実現されてもよい。
【0041】
取得部111は、第1映像信号を取得する。なお、第1映像信号は、制御装置110により信号処理される前の映像信号である。第1映像信号は、例えば、HDR(High Dynamic Range)映像信号であってもよい。また、第1映像信号は、SDR(Standard Dynamic Range)映像信号であってもよい。取得部111は、例えば、所定のテレビジョン放送規格での放送波が受信されることで得られた第1映像信号を取得してもよい。また、取得部111は、所定の通信プロトコルでのインターネットのようなネットワークを介して得られた第1映像信号を取得してもよいし、所定のパッケージメディアから得られた第1映像信号を取得してもよい。本実施の形態では、所定のテレビジョン放送規格での放送波からチューナ101及びデコーダ102を用いて取得された第1映像信号を取得する場合を例に説明する。取得部111は、例えば、制御回路103及びメモリ104により実現される。具体的には、取得部111は、制御回路103によりメモリ104に格納される所定のプログラムが実行されることにより実現されてもよい。
【0042】
次に、映像信号処理部112について説明する。
【0043】
映像信号処理部112は、取得部111により取得された第1映像信号を液晶デバイス105の表示能力に応じた第2映像信号に調整する処理を行う。第2映像信号は、映像信号処理部112により第1映像信号に対する処理が行われた後の映像信号である。また、映像信号処理部112は、液晶表示装置100のバックライト105bの基準となる第1バックライト値を決定する。映像信号処理部112は、第2映像信号及び第1バックライト値を生成部113へ出力する。映像信号処理部112は、抽出部121と、決定部122と、トーンマップ処理部123とを有する。なお、映像信号処理部112は、制御回路103及びメモリ104により実現される。具体的には、映像信号処理部112は、制御回路103によりメモリ104に格納される所定のプログラムが実行されることにより実現されてもよい。
【0044】
抽出部121は、第1映像信号を用いて、第1映像信号の第1輝度特性を抽出する。抽出部121は、具体的には、第1映像に含まれる複数の第1フレームのそれぞれについて第1輝度特性を抽出する。抽出部121は、各フレームを構成する複数の第1画素がそれぞれ有する複数の第1輝度値を解析することで、複数の第1輝度値に基づいて、第1輝度特性を抽出する。第1輝度特性は、例えば、複数の第1輝度値の最大値(以下、第1最大値という)、及び、複数の第1輝度値の平均値(以下、第1平均値という)を含む。
【0045】
ここで、抽出部121による第1輝度特性の算出方法について、図4を用いて具体的に説明する。図4は、一の第1フレームに含まれる複数の第1画素を輝度値の階級毎に分類した輝度ヒストグラムの一例を示す図である。
【0046】
抽出部121は、一の第1フレームを構成する複数の画素のそれぞれが有する第1輝度値に基づいて、各階級における輝度範囲に該当する輝度値を有する画素をカウントすることで図4に示すようなヒストグラムを生成する。第1輝度値は、例えば、第1映像信号がYUV信号で示されている場合において輝度Yであり、第1映像信号がRGB信号で示されている場合において映像信号に含まれる画素の画素値におけるR成分、G成分、およびB成分のうちの最大値を示すMaxRGBである。
【0047】
抽出部121は、輝度値が大きい順に第1画素をカウントした場合、カウント値が所定の閾値である第1画素が有する第1輝度値を基準とした所定の範囲に含まれる輝度値を有する複数の第1画素の複数の第1輝度値の平均を、第1輝度特性に含まれる、複数の第1輝度値の第1最大値として算出する。具体的には、抽出部121は、ヒストグラムにおいて、輝度が大きい階級から順にカウント値を合算し、合算したカウント値が所定の閾値を超えたか否かを判定する。例えば、抽出部121は、最も輝度が大きい階級のカウント値が所定の閾値を超えたか否かを判定し、超えていなければ次に輝度が大きい階級のカウント値を最初の判定に用いたカウント値に合算し、合算したカウント値が所定の閾値を超えたか否かを判定する。この処理を、合算したカウント値が所定の閾値を超えるまで繰り返し、所定の閾値を超えたときに合算した階級(Bin[i])を特定する。そして、抽出部121は、特定したBin[i]と、その両隣のBin[i+1]およびBin[i-1]との平均を、第1輝度特性に含まれる、複数の第1輝度値の第1最大値として算出する。
【0048】
また、抽出部121は、ヒストグラムにおけるヒストグラム平均を、第1輝度特性に含まれる複数の第1輝度値の第1平均値として算出する。ヒストグラム平均は、下記の式1で算出することができる。
【0049】
【数1】
【0050】
つまり、ヒストグラム平均は、各階級の代表値に各階級におけるカウント値を乗算することで第1の値を算出し、算出した複数の階級における複数の第1の値の総和をカウント値の総数で除算することで得られる値である。階級の代表値は、階級値であり、階級の輝度範囲の最小値と最大値との和を2で除した数である。
【0051】
なお、抽出部121は、制御回路103及びメモリ104により実現される。具体的には、抽出部121は、制御回路103によりメモリ104に格納される所定のプログラムが実行されることにより実現されてもよい。
【0052】
決定部122は、抽出部121により抽出された第1映像信号の第1輝度特性を用いて第1バックライト値を決定する。決定部122は、決定した第1バックライト値をトーンマップ処理部123及び生成部113へ出力する。第1バックライト値は、液晶表示装置100の液晶デバイス105のバックライト105bの輝度の基準となる値である。第1バックライト値は、液晶デバイス105に表示する映像のピーク輝度である出画ピーク輝度を実現するために液晶デバイス105のバックライト105bの輝度の最大値を制御するためのデューティ値である。言い換えると、第1バックライト値は、液晶デバイス105の表示ピーク輝度に対する出画ピーク輝度の割合である。第1バックライト値は、例えば、0~100%の百分率で示される。第1バックライト値は、第1映像の一の第1フレームの全体に対して定められる一つの値である。
【0053】
具体的には、決定部122は、複数の第1フレームのそれぞれについて、各第1フレームを構成する複数の第1画素の複数の第1輝度値に基づいて抽出された第1最大値及び第1平均値を用いて、当該第1最大値及び第1平均値の加重平均を第1バックライト値として決定する。決定部122は、例えば、下記の式2を用いて第1バックライト値を決定する。
【0054】
第1バックライト値=α1×第1最大値+(1-α1)×第1平均値 (式2)
【0055】
式2においてα1は、加重平均における第1最大値に対する重みであり、(1-α1)は、加重平均における第1平均値に対する重みである。α1は、0以上1以下の数値で示される。
【0056】
なお、加重平均とは、変量をx1、x2、x3、・・・、xnとし、これらに対する重みをそれぞれw1、w2、w3、・・・、wnとしたとき、式3で表される。
【0057】
【数2】
【0058】
このように、決定部122は、各第1フレームを表示するときのバックライト105bの輝度の第1最大値を、第1最大値及び第1平均値の加重平均とすることで、一の第1フレームとその次の第1フレームとの間で複数の第1輝度値から算出される第1最大値が大きく異なるような場合であっても、液晶表示装置100に表示される映像の輝度の変化が急峻となることを低減することができる。
【0059】
ここで、α1は、第1フレームの輝度値に応じた値に決定されてもよい。図5は、第1フレームの輝度の平均値と重みα1との関係を示すグラフである。例えば、決定部122は、図5に示すように、加重平均における第1最大値への重みα1を、処理対象の第1フレームにおける複数の第1輝度値の平均値が大きいほど大きい値に決定してもよい。
【0060】
なお、決定部122は、制御回路103及びメモリ104により実現される。具体的には、決定部122は、制御回路103によりメモリ104に格納される所定のプログラムが実行されることにより実現されてもよい。
【0061】
トーンマップ処理部123は、液晶表示装置100の液晶デバイス105が表示可能なピーク輝度、及び、第1バックライト値に基づいて、第1映像信号に対するトーンマップ処理を行い、トーンマップ処理後の第2映像信号を出力する。具体的には、トーンマップ処理部123は、ピーク輝度及び第1バックライト値から液晶表示装置100で第1フレームを表示するときの出画ピーク輝度を算出し、出画ピーク輝度を最大輝度とするトーンカーブを生成する。トーンマップ処理部123は、生成したトーンカーブを用いて、第1映像信号に対するトーンマップ処理を行い、トーンマップ処理後の第2映像信号を生成部113へ出力する。
【0062】
ここで、液晶デバイス105が表示可能なピーク輝度は、例えば、予めメモリ104に記憶されている。なお、液晶デバイス105が表示可能なピーク輝度は、制御装置110の外部に設けられ、かつ、液晶表示装置100の内部に設けられる他のメモリ(図示せず)に記憶されていてもよい。トーンマップ処理部123は、メモリ104または他のメモリからピーク輝度を取得する。
【0063】
トーンマップ処理部123におけるトーンマップ処理において用いられるトーンカーブは、図6に示すような、入力信号のピーク輝度が入力されたときに、出画ピーク輝度を最大値として算出するためのトーンカーブである。つまり、トーンカーブは、入力信号の輝度を、液晶デバイス105が表示可能な最大輝度に応じた出力信号に変換するために用いられる。また、このトーンカーブは、第1バックライト値により低下した出画輝度分を補正する信号補正のゲインを考慮して生成される。バックライト値と信号補正のゲインとの関係は、輝度を元の映像信号の輝度で維持するために式4で表すことができる。
【0064】
バックライト値/100×信号補正のゲイン=1.0 (式4)
【0065】
よって、信号補正のゲインは、バックライト値の逆数で表すことができる。映像信号はガンマ特性を有するため、信号補正のゲインは、式5および図7で表すことができる。
【0066】
【数3】
【0067】
式5において、Gainは、信号補正のゲインを示し、Backlight Dutyは、バックライト値、つまり、第1バックライト値を示す。また、γは、映像信号のガンマ特性値を示す。ガンマは、例えば、2.2、2.0、1.8などの値である。
【0068】
なお、上述したように、第1バックライト値は、第1映像の一の第1フレームの全体に対して定められる一つの値であるため、信号補正のゲインは、第1映像の一の第1フレームの全体に対して定められる値である。
【0069】
なお、図6は、入力信号の輝度と、出力信号の輝度との関係を示すトーンカーブである。また、図7は、信号補正のゲインと、バックライト値との関係を示すグラフである。
【0070】
なお、トーンマップ処理部123は、制御回路103及びメモリ104により実現される。具体的には、トーンマップ処理部123は、制御回路103によりメモリ104に格納される所定のプログラムが実行されることにより実現されてもよい。
【0071】
次に、生成部113について説明する。
【0072】
生成部113は、映像信号処理部112により生成された、第1バックライト値及び第2映像信号に基づいて、液晶表示装置100のローカルディミング制御のための制御信号を生成する。生成部113は、生成した制御信号を液晶表示装置100の液晶デバイス105に出力する。生成部113は、第2映像信号で示される第2映像に含まれる第2フレームを構成する複数の領域のそれぞれについて、制御信号を生成する。なお、生成部113は、制御回路103及びメモリ104により実現される。具体的には、生成部113は、制御回路103によりメモリ104に格納される所定のプログラムが実行されることにより実現されてもよい。
【0073】
ここで、第2フレームと複数の領域との関係について図8を用いて説明する。図8は、液晶デバイスのバックライトがローカルディミング制御において独立して輝度制御される複数の領域毎に、第2輝度特性を算出する例を示す図である。
【0074】
第2映像に含まれる第2フレームF2は、図8の(a)に示すように、複数の領域R11~R14に区分される。複数の領域R11~R14は、液晶デバイス105のバックライト105bがローカルディミング制御において独立して輝度制御される複数の領域に対応する。生成部113は、複数の領域R11~R14に対応する複数の制御信号を生成する。なお、1つの第2フレームF2は、4つの領域R11~R14に区分されるとしたが、2以上の領域に区分されるのであれば4つの領域R11~R14に区分されることに限定されない。第2フレームF2は、複数の領域R11~R14とは異なる複数のブロックを含んでいてもよい。バックライト105bにおいて独立して輝度制御される最小の領域は、2以上のブロックに対応していてもよいし、1つのブロックに対応していてもよい。また、ここで処理対象となる第2フレームは、第1バックライト値を算出する基になった第1フレームに対応する第2映像信号におけるフレームである。生成部113は、抽出部131と、決定部132と、ゲイン調整部133と、制御信号生成部134とを有する。以下では、抽出部131と、決定部132と、ゲイン調整部133とは、第2フレームF2を構成する複数の領域R11~R14のそれぞれに対して、同じ処理が行われるため、1つの領域R11への処理を代表して説明する場合がある。
【0075】
抽出部131は、領域R11における第2輝度特性を抽出する。抽出部131は、領域R11に含まれる複数の第2画素がそれぞれ有する複数の第2輝度値に基づいて、領域R11における第2輝度特性を抽出する。領域R11に含まれる複数の第2画素は、第2映像信号の第2フレームを構成する複数の第2画素のうちの一部の画素であり、領域R11に含まれる画素である。第2輝度特性は、例えば、領域R11における、複数の第2輝度値の最大値(以下、第2最大値という)、及び、複数の第2輝度値の平均値(以下、第2平均値という)を含む。領域R11は、複数のブロックB1~B6(本実施の形態では6つのブロック)に対応しており、複数のブロックB1~B6の輝度を制御するための領域である。領域R11は、複数のブロックB1~B6を含む。同様に、他の領域R12~R14のそれぞれは、図示しない複数のブロック(本実施の形態では6つのブロック)に対応しており、対応しているブロックの輝度を制御するための領域である。他の領域R12~R14のそれぞれは、図示しない複数のブロックを含む。
【0076】
図8の(b)は、複数のブロックB1~B6における複数の第2画素がそれぞれ有する複数の第2輝度値の最大値の一例である。この場合、各ブロックB1~B6の最大値のうちの最大値を領域R11の第2最大値として決定してもよい。同様に、複数のブロックB1~B6における複数の第2画素がそれぞれ有する複数の第2輝度値の平均値が算出されている場合、各ブロックB1~B6の平均値の平均を、領域R11の第2平均値として決定してもよい。
【0077】
決定部132は、抽出部131により抽出された各領域の第2輝度特性を用いて各領域における第2バックライト値を決定する。第2バックライト値は、各領域に対応するバックライト105bの輝度の基準となる値である。第2バックライト値は、表示する映像の各領域のピーク輝度である領域ピーク輝度を実現するために液晶デバイス105のバックライト105bの複数の光源毎の輝度を制御するためのデューティ値である。言い換えると、第2バックライト値は、出画ピーク輝度に対する各領域の領域ピーク輝度の割合である。第2バックライト値は、0~100%の値で示される。第2バックライト値は、第2映像の一の第2フレームの複数の領域のそれぞれに対して定められる複数の値である。
【0078】
具体的には、決定部132は、複数の領域R11~R14のそれぞれについて、各領域R11~R14を構成する複数の第2画素の複数の第2輝度値に基づいて抽出された第2最大値及び第2平均値を用いて、当該第2最大値及び第2平均値の加重平均を当該領域における第2バックライト値として決定する。決定部132は、例えば、下記の式6を用いて第2バックライト値を決定する。
【0079】
第2バックライト値=α2×第2最大値+(1-α2)×第2平均値 (式6)
【0080】
式6においてα2は、加重平均における第2最大値に対する重みであり、(1-α2)は、加重平均における第2平均値に対する重みである。α2は、0以上1以下の数値で示される。
【0081】
このように、決定部132は、各第2フレームを表示するときのバックライト105bの輝度の最大値を、第2最大値及び第2平均値の加重平均とすることで、一の第2フレームとその次の第2フレームとの間で複数の第2輝度値から算出される第2最大値が大きく異なるような場合であっても、液晶表示装置100に表示される映像の輝度の変化が急峻となることを低減することができる。ここで、α2は、α1と同様に、第2フレームの輝度値に応じた値に決定されてもよい。
【0082】
なお、決定部132は、制御回路103及びメモリ104により実現される。具体的には、決定部132は、制御回路103によりメモリ104に格納される所定のプログラムが実行されることにより実現されてもよい。
【0083】
ゲイン調整部133は、各領域R11~R14における第2バックライト値に基づいて、当該領域R11~R14に対応する第2映像信号に対する信号補正のゲインを決定する。ゲイン調整部133は、決定した各領域R11~R14における信号補正のゲインを用いて、各領域R11~R14に対応する第2映像信号を補正し、各領域R11~R14に対応する第2映像信号を補正することにより得られた第3映像信号を生成する。各領域R11~R14に対応する第2映像信号とは、第2映像信号が示す第2フレームを複数の領域R11~R14に分割したときに、各領域R11~R14の映像を示す映像信号である。ゲイン調整部133は、第3映像信号を制御信号生成部134に出力する。第2バックライト値と信号補正のゲインとの関係は、上述したように、輝度を元の映像信号の輝度で維持するために式4で表すことができる。
【0084】
よって、信号補正のゲインは、バックライト値の逆数で表すことができる。映像信号はガンマ特性を有するため、信号補正のゲインは、式5および図7と同様に表すことができる。
【0085】
なお、ゲイン調整部133は、制御回路103及びメモリ104により実現される。具体的には、ゲイン調整部133は、制御回路103によりメモリ104に格納される所定のプログラムが実行されることにより実現されてもよい。
【0086】
制御信号生成部134は、第1バックライト値と各領域R11~R14において決定した第2バックライト値とに基づいて、各領域R11~R14における第3バックライト値を算出する。また、制御信号生成部134は、算出した各領域R11~R14における第3バックライト値、及び、ゲイン調整部133により生成された第3映像信号をローカルディミング制御のための制御信号として生成し、生成した制御信号を液晶デバイス105へ出力する。つまり、制御信号生成部134は、各領域R11~R14におけるバックライト105bの複数の光源を制御するための第3バックライト値と、各領域R11~R14における液晶パネル105aを制御するための第3映像信号とを含む制御信号を生成する。そして、制御信号生成部134は、複数の領域R11~R14にそれぞれが対応する制御信号を、液晶デバイス105に出力する。制御信号に含まれる第3バックライト値及び第3映像信号は、映像の1つのフレームに対応している。つまり、制御信号は、フレーム毎に生成される。
【0087】
なお、制御信号生成部134は、制御回路103及びメモリ104により実現される。具体的には、制御信号生成部134は、制御回路103によりメモリ104に格納される所定のプログラムが実行されることにより実現されてもよい。
【0088】
[2.動作]
次に、液晶表示装置100の動作について説明する。図9は、液晶表示装置の動作のフローチャートである。なお、このフローチャートのステップS1~S5は、制御装置110の動作のフローチャートでもある。
【0089】
まず、液晶表示装置100の制御装置110は、第1映像信号を取得する(S1)。ステップS1の詳細は、制御装置110の取得部111の処理として説明したため、省略する。
【0090】
次に、制御装置110は、第1映像信号から第1映像信号の第1輝度特性を抽出する(S2)。ステップS2の詳細は、制御装置110の映像信号処理部112の抽出部121の処理として説明したため、省略する。
【0091】
次に、制御装置110は、抽出した第1輝度特性を用いて、液晶表示装置100のバックライト105bの輝度の基準となる第1バックライト値を決定する(S3)。ステップS3の詳細は、制御装置110の映像信号処理部112の決定部122の処理として説明したため、省略する。
【0092】
次に、制御装置110は、液晶表示装置100の液晶デバイス105が表示可能なピーク輝度、及び、第1バックライト値に基づいて、ステップS1で取得した第1映像信号に対するトーンマップ処理を行い、トーンマップ処理後の第2映像信号を出力する(S4)。ステップS4の詳細は、制御装置110の映像信号処理部112のトーンマップ処理部123の処理として説明したため、省略する。
【0093】
次に、制御装置110は、第1バックライト値及び第2映像信号に基づいて、液晶表示装置100のローカルディミング制御のための制御信号を生成し、生成した制御信号を液晶表示装置100の液晶デバイス105へ出力する(S5)。ステップS5の詳細は、図10を用いて後述する。
【0094】
次に、液晶表示装置100の液晶デバイス105は、出力された制御信号に基づいて、映像を表示する(S6)。具体的には、液晶デバイス105は、制御信号に含まれる各領域R11~R14における第3バックライト値を用いて、各領域R11~R14におけるバックライト105bの複数の光源を制御する。バックライト105bの制御と同時に、液晶デバイス105は、制御信号に含まれる第3映像信号を用いて液晶パネル105aを制御する。このように、液晶デバイス105は、各領域R11~R14における第3バックライト値を用いてバックライト105bを制御し、かつ、第3映像信号を用いて液晶パネル105aを制御することで、制御信号に基づく映像を表示する。
【0095】
図10は、制御信号の生成処理(S5)のフローチャートである。
【0096】
ステップS5は、制御装置110の生成部113において行われる。
【0097】
生成部113は、第2映像信号の第2映像に含まれる第2フレームを構成する複数の領域のそれぞれについて、ループを開始する。ループでは、ステップS11~ステップS13が行われる。
【0098】
生成部113は、処理対象の領域から処理対象の領域の第2輝度特性を抽出する(S11)。ステップS11の詳細は、生成部113の抽出部131の処理として説明したため、省略する。
【0099】
生成部113は、第1バックライト値と、処理対象の領域において決定した第2バックライト値とに基づいて、処理対象の領域における第3バックライト値を決定する(S12)。
【0100】
生成部113は、処理対象の領域における第2バックライト値に基づいて、処理対象の領域における信号補正のゲインを決定し、決定したゲインに応じて処理対象における第2映像信号を補正して第3映像信号を生成する(S13)。
【0101】
ステップS12及びS13の詳細は、生成部113の決定部132、ゲイン調整部133及び制御信号生成部134の処理として説明したため、省略する。
【0102】
生成部113は、複数の領域の全てについてループを実行すると、ループを終了する。
【0103】
[3.効果など]
本実施の形態に係る制御装置110によれば、第1映像信号の第1輝度特性を用いて決定した第1バックライト値と、第1映像信号に対するトーンマップ処理後の第2映像信号とに基づいて液晶表示装置100の液晶デバイス105のローカルディミング制御のための制御信号を生成する。このため、第1輝度特性を用いて液晶デバイス105に表示される映像のピーク輝度に応じて調整された第2映像信号に応じたローカルディミング制御を液晶デバイス105に対して行うことができる。このように、第2映像信号は、出画ピーク輝度に合わせてピーク輝度が低減されているため、第1映像信号が有する輝度以下の輝度を有することとなる。このため、液晶デバイス105に表示される映像の暗部の黒浮きを十分に低減することができ、かつ、当該映像のコントラスト比を十分に向上させることができる。
【0104】
また、本実施の形態に係る制御装置110において、トーンマップ処理部123は、ピーク輝度及び第1バックライト値から液晶デバイス105で一の第1フレームを表示するときの出画ピーク輝度を算出し、出画ピーク輝度を最大輝度とするトーンカーブを用いてトーンマップ処理を行う。このため、第1輝度特性を用いて液晶デバイス105に表示される映像のピーク輝度に応じて調整された第2映像信号を生成することができる。
【0105】
また、本実施の形態に係る制御装置110において、生成部113は、第1バックライト値及び第2映像信号に基づいて、液晶デバイス105のローカルディミング制御のための制御信号を生成する。このため、第2映像信号に応じたローカルディミング制御を適切に行うことができ、液晶デバイス105に表示される映像の暗部の黒浮きを十分に低減することができ、かつ、当該映像のコントラスト比を十分に向上させることができる。
【0106】
[4.変形例]
上記実施の形態では、制御装置110は、液晶表示装置100に内蔵されるとしたが、これに限らずに、液晶表示装置100とは別体の装置であってもよい。例えば、制御装置110は、液晶表示装置100に接続されるレコーダ、セットトップボックスなどの外部装置であってもよい。この場合、制御装置110と、液晶表示装置100とは、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)ケーブルなどで有線接続されてもよいし、無線接続されてもよい。制御装置110と、液晶表示装置100とは、互いに通信可能に接続されていればよい。
【0107】
上記実施の形態では、制御装置110の映像信号処理部112は、第1映像信号を解析することで第1輝度特性を抽出する抽出部121を有するとしたが、第1映像信号にメタデータとして第1輝度特性が含まれている場合には、抽出部121を有していなくてもよい。つまり、制御装置110の映像信号処理部112は、第1映像信号のメタデータから第1輝度特性を取得してもよい。第1輝度特性は、ダイナミックメタデータであってもよい。
【0108】
上記実施の形態では、映像信号処理部112及び生成部113は、制御回路103により構成されるとしたが、映像信号処理部112の機能を有する制御回路と、生成部113の機能を有する制御回路とは、一体であってもよいし、別体であってもよい。
【0109】
上記実施の形態では、液晶表示装置100は、チューナ101を備える構成であり、制御装置110は、チューナ101を用いて受信した放送波に基づく第1映像信号を取得する例について説明したが、これに限らない。制御装置110は、光ディスクなどの記録媒体(所定のパッケージメディア)に記録されている映像データを読み出すことで得られた第1映像信号を取得してもよい。この場合、制御装置110は、光ディスクを読み出す光ピックアップを備える電気機器を備えていてもよい。また、制御装置110は、インターネットなどのネットワークを介して外部サーバから第1映像信号を取得してもよい。この場合、制御装置110は、外部サーバとの間で通信を行うための通信IFを備えていてもよい。
【0110】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
【0111】
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0112】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本開示は、液晶表示装置に表示される映像の暗部の黒浮きを十分に低減することができ、かつ、当該映像のコントラスト比を十分に向上させることができる制御装置及び制御方法などとして有用である。
【符号の説明】
【0114】
100 液晶表示装置
101 チューナ
102 デコーダ
103 制御回路
104 メモリ
105 液晶デバイス
105a 液晶パネル
105b バックライト
110 制御装置
111 取得部
112 映像信号処理部
113 生成部
121、131 抽出部
122、132 決定部
123 トーンマップ処理部
133 ゲイン調整部
134 制御信号生成部
B1~B6 ブロック
F2 第2フレーム
R11~R14 領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10