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特許7394435アイジョイント金具付きホースの気体式検査方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】アイジョイント金具付きホースの気体式検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/26 20060101AFI20231201BHJP
【FI】
G01M3/26 M
G01M3/26 N
G01M3/26 T
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019100988
(22)【出願日】2019-05-30
(65)【公開番号】P2020193926
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-04-13
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000233619
【氏名又は名称】株式会社ニチリン
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】金川 修三
(72)【発明者】
【氏名】志水 雄一
【審査官】岡村 典子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-037535(JP,U)
【文献】特開平04-208833(JP,A)
【文献】特開2000-065670(JP,A)
【文献】特開平08-219960(JP,A)
【文献】特開2012-161921(JP,A)
【文献】特開2005-150133(JP,A)
【文献】特開昭53-085485(JP,A)
【文献】特開平10-132695(JP,A)
【文献】特開昭63-238443(JP,A)
【文献】特開2005-221348(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0166666(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/00-3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両面にシート面が設けられた円環部を有するアイジョイント金具が、端側に取り付けられたホースの気体式検査方法であって、
軸心に沿って上昇及び下降ができる構成である加圧シリンダを下降させることによって、前記加圧シリンダの下側先端に取り付けられた上側樹脂部材を前記円環部における上側の前記シート面全面に密着させるとともに、前記円環部における下側の前記シート面全面を下側樹脂部材に押し当てて密着させ、前記上側樹脂部材および前記下側樹脂部材によって前記円環部を挟み込み前記アイジョイント金具を固定する樹脂部材取付工程と、
前記アイジョイント金具が取り付けられた側から前記ホースに気体を供給する気体供給工程と、
圧力センサによって前記ホース内の気体の圧力降下量を測定し、前記ホース、前記アイジョイント金具及び前記シート面の不具合を同時に検出する圧力測定工程と、を備え、
前記圧力測定工程において、前記圧力降下量が、前記気体供給工程で前記ホースに供給した気体の圧力の1%に達する場合、前記シート面に貫通傷が存在すると判定することを特徴とする気体式検査方法。
【請求項2】
前記気体供給工程において供給する気体より低圧の気体を、前記アイジョイント金具が取り付けられた側から前記ホースに供給する第二気体供給工程と、
流量センサによって前記ホース内を流れる気体の流量を測定する流量測定工程と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の気体式検査方法。
【請求項3】
前記上側樹脂部材および前記下側樹脂部材は、ポリブチレンテレフタレートからなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の気体式検査方法。
【請求項4】
前記圧力測定工程において、前記圧力降下量が、前記気体供給工程で前記ホースに供給した気体の圧力の1%に達する場合、前記シート面に深さ21μm以上の前記貫通傷が存在すると判定することを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1項に記載の気体式検査方法。
【請求項5】
前記気体供給工程において、前記ホースに供給する気体の圧力は、15.3MPa以上であることを特徴とする、請求項1乃至4の何れか1項に記載の気体式検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイジョイント金具付きホースからの、気体漏れ等の不具合を検査する気体式検査装置及び気体式検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のブレーキは、ペダル踏力が液圧へと変換され、液圧を伝達するブレーキオイルが、ブレーキホース内を通ってブレーキキャリパーに送られることで作用する。従来、自動車に使用されるブレーキホースは、先端にアイジョイント金具が取り付けられており、アイジョイント金具を介してブレーキキャリパーに接続される。
【0003】
ブレーキホースに傷等の不具合がある場合、そこからブレーキオイルが漏れ出すおそれがあるため、ブレーキホースは高い密閉性を要する。そして、このようなホースにおいては、予め密閉性を検査することが必要である。
【0004】
ホースの密閉性を検査する方法として、例えば、水圧による水漏れ検査が挙げられる。しかし、アイジョイント金具やT字型金具など、特殊な形状をした口金具が取り付けられたホースは、検査後の水抜け性が悪く、ホース内に残った水分は金具の錆付きの原因となる。そのため、検査後に乾燥工程を設ける必要がある。
【0005】
そこで、上記水抜け性の問題を解決するための方法として、空気圧による気体漏れ検査が挙げられる。特許文献1には、ホースとは異なるが、タイヤ内の空気圧を測定し、測定した圧力が測定開始前の圧力を基準とした所定の範囲内にあるか否かで、空気圧漏れを認識する空気圧漏れ検出装置及び空気圧漏れ検出方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2001-289730
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、アイジョイント金具の円環部両面に設けられたシート面は、ワッシャ等を介してキャリパーに接続される部分だが、シート面に傷等の不具合がある場合、そこからブレーキオイルが漏れ出すおそれがある。アイジョイント金具付きホースのうち、外部に露出した部分であるシート面は、その製造過程や輸送過程等において傷が生じやすく、そのため、シート面の傷もホースの傷と同様に、予め検知する必要がある。しかし、従来、シート面の傷検査は目視で行われていたため作業効率が悪く、さらに見落としの危険性もあった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、ホース、アイジョイント金具及びアイジョイント金具のシート面からの気体漏れ等の不具合を同時に検出することが可能な、アイジョイント金具付きホースの気体式検査装置及び気体式検査方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る気体式検査装置は、両面にシート面が設けられた円環部を有するアイジョイント金具が、端側に取り付けられたホースの気体式検査装置であって、前記アイジョイント金具が取り付けられた側から前記ホースに気体を供給する気体供給手段と、前記シート面全面に密着し、前記円環部を挟み込む樹脂部材と、前記ホース内の気体の圧力及び圧力降下量を測定する圧力センサと、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記構成では、アイジョイント金具のシート面全面に樹脂部材を密着させ、円環部が樹脂部材によって挟み込まれた状態で、アイジョイント金具が取り付けられた側からホースに気体を供給する。このとき、シート面に傷等の不具合があれば、樹脂部材とシート面との間に隙間が生じ、そこから気体が漏れ出て圧力が低下する。よって、上記構成において、アイジョイント金具付きホース内の気体の圧力降下量を測定することで、ホース、アイジョイント金具及びアイジョイント金具のシート面からの気体漏れ等の不具合を同時に検出することができる。
【0011】
また、本発明は、上記気体式検査装置において、前記気体供給手段で供給する気体より低圧の気体を、前記アイジョイント金具が取り付けられた側から前記ホースに供給する第二気体供給手段と、前記ホースを流れる気体の流量を測定する流量センサと、を備えることが好ましい。
【0012】
製造過程等において、ホース内部に異物等が混入することがある。ホース内部の異物等は、アイジョイント金具付きホースのブレーキオイルの伝達性能を著しく低下させるおそれがあり、上述したホース、アイジョイント金具及びシート面からの気体漏れ等の不具合の検査と併せて、ホースの詰まり検査を行うことが求められる。
【0013】
しかし、ホース、アイジョイント金具及びシート面からの気体漏れ等の不具合を検出するために、ホースに供給する気体(以下、第一気体という)を用いて、ホースの詰まり検査を行う場合、第一気体の圧力によって、ホース内の異物が強引に押し出される場合がある。このような場合、詰まりの原因の特定が困難となり、詰まりの再発防止の観点から不適当である。
【0014】
そこで、上記構成によれば、第一気体より低圧の気体(以下、第二気体という)を、アイジョイント金具が取り付けられた側からホースに供給し、流量センサによってホース内を通過する第二気体の流量を測定することで、ホース内の異物を押し出すことなく、ホースの詰まり検査を行うことができる。
【0015】
また、本発明は、上記気体式検査装置において、前記樹脂部材は、ポリブチレンテレフタレートからなることが好ましい。
【0016】
シート面全面に密着させる樹脂部材の材質は、硬すぎても軟らかすぎてもシート面を十分に密閉できず、シート面に傷がない場合でも気体が漏れ出てしまうおそれがある。そこで、樹脂部材に適度な硬さのポリブチレンテフタレートを用いることで、シート面を十分に密閉できるため、シート面に傷がない場合は気体漏れが生じず、アイジョイント金具のシート面の傷の検出をより確実に行うことができる。
【0017】
また、本発明に係る気体式検査方法は、両面にシート面が設けられた円環部を有するアイジョイント金具が、端側に取り付けられたホースの気体式検査方法であって、樹脂部材を前記シート面全面に密着させ、前記円環部を挟み込む樹脂部材取付工程と、前記アイジョイント金具が取り付けられた側から前記ホースに気体を供給する気体供給工程と、圧力センサによって前記ホース内の気体の圧力降下量を測定し、前記ホース、前記アイジョイント金具及び前記シート面の不具合を同時に検出する圧力測定工程と、を備えることを特徴とする。
【0018】
上記構成によれば、樹脂部材取付工程において、アイジョイント金具のシート面全面に樹脂部材を密着させ、円環部を樹脂部材で挟み込む。続く気体供給工程において、アイジョイント金具が取り付けられた側からホースに気体を供給すると、シート面に傷等の不具合があれば、樹脂部材とシート面との間に隙間が生じ、そこから気体が漏れ出て圧力が低下する。そして、圧力測定工程において、アイジョイント金具付きホース内の気体の圧力降下量を測定することにより、ホース、アイジョイント金具及びアイジョイント金具のシート面からの気体漏れ等の不具合を同時に検出することができる。
【0019】
また、本発明は、上記気体式検査方法において、前記気体供給工程において供給する気体より低圧の気体を、前記アイジョイント金具が取り付けられた側から前記ホースに供給する第二気体供給工程と、流量センサによって前記ホースを流れる気体の流量を測定する流量測定工程と、を備えることが好ましい。
【0020】
製造過程等において、ホース内部に異物等が混入することがある。ホース内部の異物等は、アイジョイント金具付きホースのブレーキオイルの伝達性能を著しく低下させるおそれがあり、上述したホース、アイジョイント金具及びシート面からの気体漏れ等の不具合の検査と併せて、ホースの詰まり検査を行うことが求められる。
【0021】
しかし、ホース、アイジョイント金具及びシート面からの気体漏れ等の不具合を検出するために、ホースに供給する第一気体を用いて、ホースの詰まり検査を行う場合、第一気体の圧力によって、ホース内の異物が強引に押し出される場合がある。このような場合、詰まりの原因の特定が困難となり、詰まりの再発防止の観点から不適当である。
【0022】
そこで、上記構成によれば、第二気体供給工程において、第一気体より低圧の第二気体を、アイジョイント金具が取り付けられた側からホースに供給し、流量測定工程において、ホース内を通過する第二気体の流量を測定することで、ホース内の異物を押し出すことなく、ホースの詰まり検査を行うことができる。
【0023】
また、本発明は、上記気体式検査方法において、前記樹脂部材は、ポリブチレンテレフタレートからなることが好ましい。
【0024】
シート面全面に密着させる樹脂部材の材質は、硬すぎても軟らかすぎてもシート面を十分に密閉できず、シート面に傷がない場合でも気体が漏れ出てしまうおそれがある。そこで、樹脂部材に適度な硬さのポリブチレンテフタレートを用いることで、シート面を十分に密閉できるため、シート面に傷がない場合は気体漏れが生じず、アイジョイント金具のシート面の傷の検出をより確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ホース、アイジョイント金具及びアイジョイント金具のシート面からの気体漏れ等の不具合を同時に検出することが可能な、アイジョイント金具付きホースの気体式検査装置及び気体式検査方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施形態に係る気体式検査装置の概略図である。
図2】(a)アイジョイント金具部分の斜視図、及び、(b)図2(a)のA-A断面図である。
図3】気体式検査装置の取付部にアイジョイント金具付きホースを取り付けた状態であって、樹脂部材取付工程前の様子を示す図である。
図4】気体式検査装置の取付部にアイジョイント金具付きホースを取り付けた状態であって、樹脂部材取付工程後の様子を示す図である。
図5図3において、ピンに挿入された状態の円環部を拡大した斜視図である。
図6】樹脂取付工程における、気体式検査装置内の気体の存在する領域を示す図である。
図7】第一気体供給工程における、気体式検査装置内の圧縮気体の存在する領域を示す図である。
図8】気体式検査装置内の圧力測定領域に封入された圧縮気体を示す図である。
図9】第二気体供給工程及び流量測定工程における、気体式検査装置内の気体の存在する領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0028】
本実施形態において、気体式検査装置1は、アイジョイント金具付きホース10を検査する装置である。図1に示すように、気体式検査装置1は、第一気体102を送り込む第一圧縮気体源2と、第二気体103を送り込む第二圧縮気体源3と、アイジョイント金具付きホース10を取り付ける取付部4と、アイジョイント金具付きホース10内の気体の圧力を測定する圧力センサ5と、アイジョイント金具付きホース10内を流れる気体の流量を測定する流量センサ6と、から構成される。第一圧縮気体源2及び圧力センサ5は、それぞれ配管7を介して取付部4に接続される。また、第二圧縮気体源3は、配管7を介して流量センサ6に接続され、さらに流量センサ6は、配管7を介して取付部4に接続される。
【0029】
また、第一圧縮気体源2と取付部4との間には、2つの仕切弁21及び22が直列に配置されている。仕切弁21と22との間で配管7が枝分かれしており、枝分かれした配管7の先には仕切弁23が配置され、さらにその先は大気へと通じている。
また、第二圧縮気体源3と流量センサ6との間には仕切弁24が、流量センサ6と取付部4との間には逆止弁25が、それぞれ配置されている。
【0030】
(アイジョイント金具付きホース10)
アイジョイント金具付きホース10は、図2(a)に示すように、ホース11と、ホース11の端側に取り付けられたアイジョイント金具12と、からなる。さらに、アイジョイント金具12は、ホース接続部13と、首部14と、円環部15と、を有する。ホース接続部13は、アイジョイント金具12の一端側に設けられ、ホース11と接続する部分である。首部14は、ホース接続部13と円環部15とをつなぐ部分である。また、ホース11、ホース接続部13及び首部14は軸心が一致する。円環部15は、アイジョイント金具12の他端部に設けられた円環状の部分であり、両面に略平坦状のシート面16を有する。また、円環部15の軸心とホース11の軸心とは直交する。
【0031】
さらに、図2(b)に示すように、ホース接続部13の内部と、首部14の内部と、円環部15両面の略中央部の側壁面とを貫通孔17が貫通している。なお、貫通孔17は、ホース11内の管とつながっている。
【0032】
なお、アイジョイント金具12は、ホース11の一端側にのみ取り付けられてもよく、両端に取り付けられてもよい。アイジョイント金具12がホース11の一端側にのみ取り付けられている場合、他端側に取り付けられるものは、例えば、オス金具やメス金具などが挙げられるが、その他の金具でもよい。
【0033】
(圧縮気体源2及び3)
第一圧縮気体源2は、第一気体102(例えば、15.3MPa)を供給する圧縮気体源である。また、第二圧縮気体源3は、第一気体102より低圧の第二気体103(例えば、0.2~0.3MPa)を供給する圧縮気体源である。第一圧縮気体源2及び第二圧縮気体源3から供給される第一気体102及び第二気体103は、配管7を通ってアイジョイント金具付きホース10に送られる。
なお、第一気体102及び第二気体103は、一般に空気であるが、他の気体でもよい。
【0034】
(取付部4)
取付部4は、図3及び図4に示すように、ピン30と、樹脂部材31及び32と、加圧シリンダ33と、保護板34と、を有する。以下、図3図5において、取付部4の、加圧シリンダ33及び樹脂部材32が配置される側を上側、ピン30及び樹脂部材31が配置される側を下側と定義する。
【0035】
ピン30は、円柱形状であり、その外径は、アイジョイント金具12の円環部15の内径より小さい。ピン30は、図5に示すように、シート面16に対して垂直方向下側から円環部15に挿入される。また、ピン30は、その内部に配管7から送られた気体をホースに供給するための気体供給孔35を有する。
【0036】
気体供給孔35は、図4及び図5に示すように、配管7と連結しており、ピン30の下側から上側に向かってピン30内部の所定の位置まで伸長している。ここで、所定の位置とは、ピン30が円環部15へ挿入している際において、ピン30の軸心に対して垂直な方向から見たときに、ピン30と円環部15とが重なる部分のうち、ピン30内部の任意の点である。そして、上記所定の位置において、伸長方向と垂直な方向、すなわち、ピン30の径方向外側に屈曲し、ピン30の側面まで挿通している。
【0037】
なお、気体供給孔35の屈曲位置は、円環部15の上下両面の中間点と略同一平面上であることが好ましく、ピン30の径方向外側に向かって4方向に分枝して屈曲していることが好ましい。これらの構成により、アイジョイント金具付きホース10に対して、気体を効率よく供給することができる。
さらに、前記4方向の分枝の角度は、互いに等間隔であることが好ましい。これにより、シート面16に対して均等に気体を供給できるので、シート面16の傷等の不具合を、より確実に検出することができる。
【0038】
樹脂部材31及び32は、円環状の部材である。図3に示すように、樹脂部材31は、ピン30に取り付けられており、樹脂部材32は、後述する加圧シリンダ33の先端に取り付けられている。また、アイジョイント金具付きホース10を固定し気体を供給する際において、図4に示すように、樹脂部材31及び32は、上側及び下側のシート面16全面にそれぞれ密着し、円環部15を挟み込む。
【0039】
樹脂部材31及び32の材質は特に制限されないが、シート面16全面に密着させた際に、シート面16を傷つけることなく、かつ、十分に密閉性を確保できる材質であることが好ましい。したがって、樹脂部材31及び32の材質として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられるが、価格の点から、ポリブチレンテレフタレートが最も好ましい。
【0040】
また、樹脂部材31と32とは、異なる材質であってもよいが、両側のシート面16の傷等の不具合検査の精度を均一化させるため、同一の材質であることが好ましい。
【0041】
加圧シリンダ33は、図3に示すように、ピン30と同一の軸心上、かつ、取付部4の上側に配置される。前述したように、加圧シリンダ33の先端には樹脂部材32が取り付けられており、軸心に沿って上昇及び下降ができる構成となっている。
【0042】
保護板34は、樹脂部材32のシート面16との接触面を保護する部材である。保護板34は、図3に示すように、加圧シリンダ33及び樹脂部材32と、ピン30及び樹脂部材31との間に設けられ、収容可能な構成をとる。保護板34は、図4に示すように、ピン30及び加圧シリンダ33の軸心方向に対して垂直となる軸上を移動することで収容される。保護板34は、例えば、アイジョイント金具付きホース10を取付部4に取り付ける際に、樹脂部材32のシート面16との接触面が、アイジョイント金具12と接触することによって損傷するのを防ぐ。
なお、保護板34は、配設されていなくてもよい。
【0043】
(圧力センサ5)
圧力センサ5は、圧力センサ5を含む密閉空間内の気体の圧力を測定するセンサである。本実施形態では、アイジョイント金具付きホース10の、取付部4に接続されていない端側が封止されている状態において、圧力センサ5、仕切弁22、アイジョイント金具付きホース10及び逆止弁25に囲まれた領域内に封入された第一気体102の圧力を測定する(図1を参照)。
【0044】
(流量センサ6)
流量センサ6は、流量センサ6を通過する気体の流量を測定するセンサである。本実施形態では、アイジョイント金具付きホース10の、取付部4に接続されていない端側が大気開放されている状態において、仕切弁24側から逆止弁25側に向かって流量センサ6を通過する第二気体103の流量を測定する(図1を参照)。
【0045】
(仕切弁)
仕切弁21、22及び24は開閉可能な弁である。第一気体102は、仕切弁21が開いた状態において第一圧縮気体源2から供給され、仕切弁21が閉じた状態において供給されない。また、第二気体103は、仕切弁24が開いた状態において第二圧縮気体源3から供給され、仕切弁24が閉じた状態において供給されない。仕切弁22が閉じた状態では、第一圧縮気体源2から送られる第一気体102の、取付部4への供給が停止する。また、仕切弁23は、大気へと通じており、弁が開いた状態では大気開放となる。
【0046】
(逆止弁)
逆止弁25は、気体の流れを常に一方向に保ち、逆流を防ぐ機能を有する。本実施形態において、逆止弁25は、流量センサ6と取付部4との間に配置され、第二圧縮気体源3から供給される第二気体103は、流量センサ6から取付部4の方向にのみ流れる。
【0047】
続いて、前述した気体式検査装置1を用いた、アイジョイント金具付きホース10の検査方法について、図6図9に基づいて説明する。なお、図6図9において、配管7のうちの太線部分が、各工程における第一気体102及び/又は第二気体103の存在する領域である。
【0048】
(樹脂部材取付工程)
まず、図6に示すように、仕切弁21及び24を閉じ、仕切弁22を開けた状態として、アイジョイント金具付きホース10のアイジョイント金具12が取り付けられた側を、取付部4に取り付ける樹脂部材取付工程を行う。このとき、第一気体102及び第二気体103は、気体式検査装置1内に供給されていない。そして、図3に示すように、アイジョイント金具12の円環部15のシート面16を、ピン30に対して垂直となるように、上側からピン30に挿入する。このとき、円環部15下側のシート面16は樹脂部材31に接している。続いて、図4に示すように、保護板34を収納し、加圧シリンダ33を下降させることで、樹脂部材32と円環部15上側のシート面16全面とが密着する。さらに、加圧シリンダ33によって円環部15が樹脂部材31に押し当てられるため、樹脂部材31と円環部15下側のシート面16全面とが十分に密着する。以上により、円環部15の上下両面は、樹脂部材31及び32によって挟み込まれ、樹脂部材取付工程は完了する。
【0049】
(第一気体供給工程)
まず、図7に示すように、アイジョイント金具付きホース10の、取付部4に取り付けられていない側を、ウレタン樹脂等からなる部材で封止する。次に、仕切弁23を閉鎖し、仕切弁21及び22を開放した状態で、第一圧縮気体源2から第一気体102を供給する。アイジョイント金具付きホース10内の圧力が、第一気体102の供給圧力に達したとき、すなわち、アイジョイント金具付きホース10内部が第一気体102で満たされたとき、仕切弁22を閉鎖する。このとき、配管7の、圧力センサ5、仕切弁22及び逆止弁25に囲まれた領域と、片側が封止されたアイジョイント金具付きホース10内と、を合わせた領域(以下、圧力測定領域という)に第一気体102が封入されている(図8を参照)。
なお、ホース11、アイジョイント金具12及びシート面16のいずれかに傷等の不具合がある場合、本工程において、アイジョイント金具付きホース10内の圧力が、第一気体102の供給圧力に達しないことがある。この場合、該アイジョイント金具付きホース10は、続く圧力測定工程を行うことなく、不良品と判定する。
【0050】
仕切弁22を閉鎖した後は、仕切弁21を閉鎖し、第一圧縮気体源2からの第一気体102の供給を停止する。そして、仕切弁23を開放し、配管7の仕切弁21、仕切弁22及び23に囲まれた領域に残った第一気体102を大気開放する。
【0051】
(圧力測定工程)
圧力センサ5によって、第一気体102の封入が完了した直後の圧力測定領域の圧力を基準として、圧力測定領域の圧力降下量を測定する。そして、圧力測定領域の圧力降下量が規定値以上である場合、アイジョイント金具付きホース10は、ホース11、アイジョイント金具12及びシート面16のいずれかに傷等の不具合があると判断する。
アイジョイント金具付きホース10のホース11、アイジョイント金具12及びシート面16のいずれかに傷等の不具合がある場合、封入された第一気体102は圧力測定領域から漏れ出し、圧力が降下する。従って、圧力測定領域の圧力降下量を測定することで、アイジョイント金具付きホース10の、ホース11、アイジョイント金具12及びシート面16からの気体漏れ等の不具合を同時に検出することができる。
【0052】
ここで、規定値とは、第一圧縮気体源2によって供給される第一ガス102の圧力、検査対象であるアイジョイント金具付きホース10の種類、圧力センサ5の測定性能等に応じて、任意の値が設定される。
【0053】
本工程において、検出された圧力降下が規定値未満であった場合、ホース11、アイジョイント金具12及びシート面16に傷等の不具合はないと判断し、続く第二気体供給工程及び流量測定工程を行う。圧力測定工程後、第二気体供給工程に進む前に、仕切弁22を開放し、圧力測定領域内の第一気体102を、既に開放されている仕切弁23を通して大気開放する(図8を参照)。
【0054】
(第二気体供給工程)
まず、アイジョイント金具付きホース10の、取付部4に取り付けられていない側の封止を取り除き大気開放する。続いて、仕切弁22を閉鎖した後、仕切弁24を開放し、第二圧縮気体源3から第二気体103を供給する。これにより、図9に示すように、第二気体103は、配管7内を流量センサ6、逆止弁25、取付部4、アイジョイント金具付きホース10の順に流れ、大気へと放出される。
なお、逆止弁25を配置していることにより、第一気体102は、取付部4から流量センサ6の方向へ流れることはない。
【0055】
(流量測定工程)
流量センサ6を流れる第二気体103の流量値を測定する。第二気体103は、上述した順に流れるため、流量センサ6を流れる気体の流量は、アイジョイント金具付きホース10内を流れる気体の流量と同一である。アイジョイント金具付きホース10の内部に異物等が存在している場合、それらによってアイジョイント金具付きホース10内を通る気体の流れは妨げられ、流量センサ6を流れる第二気体103の流量は低下する。そのため、流量センサ6を流れる第二気体103の流量を測定することで、アイジョイント金具付きホース10の内部の異物等による詰まりの有無を検出することができる。
このように、第一気体102よりも低圧の第二気体103を用いることで、アイジョイント金具付きホース10の内部の異物を強引に押し出すことなく、詰まり検査を行うことができる。
【0056】
なお、仕切弁21、22及び24の開閉の切り替えは、手動によって行われてもよいが、電磁弁などによって自動で行われることが好ましい。
【0057】
上記実施形態の構成によれば、本実施形態に係る気体式検査装置1は、両面にシート面16が設けられた円環部15を有するアイジョイント金具12が、端側に取り付けられたアイジョイント金具付きホース10の気体式検査装置1であって、アイジョイント金具12が取り付けられた側からアイジョイント金具付きホース10に第一気体102を供給する第一圧縮気体源2と、シート面16全面に密着し、円環部15を挟み込む樹脂部材31及び32と、アイジョイント金具付きホース10内の第一気体102の圧力及び圧力降下量を測定する圧力センサ5と、を備えることを特徴とする。
【0058】
上記構成では、アイジョイント金具12のシート面16全面に樹脂部材31及び32を密着させ、円環部15が樹脂部材31及び32によって挟み込まれた状態で、アイジョイント金具12が取り付けられた側からアイジョイント金具付きホース10に第一気体102を供給する。このとき、シート面16に傷等の不具合があれば、樹脂部材31及び32とシート面16との間に隙間が生じ、そこから第一気体102が漏れ出て圧力が低下する。よって、上記構成において、アイジョイント金具付きホース10内の第一気体102の圧力降下量を測定することで、ホース11、アイジョイント金具12及びアイジョイント金具12のシート面16からの気体漏れ等の不具合を同時に検出することができる。
【0059】
また、本実施形態に係る気体式検査装置1は、第一気体102より低圧の第二気体103を、アイジョイント金具12が取り付けられた側からアイジョイント金具付きホース10に供給する第二圧縮気体源3と、アイジョイント金具付きホース10内を流れる第二気体103の流量を測定する流量センサ6と、を備えることを特徴とする。
【0060】
製造過程等において、ホース11内部に異物等が混入することがある。ホース11内部の異物等は、アイジョイント金具付きホース10のブレーキオイルの伝達性能を著しく低下させるおそれがあり、上述したホース11、アイジョイント金具12及びシート面16からの気体漏れ等の不具合の検査と併せて、ホース11の詰まり検査を行うことが求められる。
【0061】
しかし、ホース11、アイジョイント金具12及びシート面16からの気体漏れ等の不具合を検出するために、アイジョイント金具付きホース10に供給する第一気体102を用いて、アイジョイント金具付きホース10の詰まり検査を行う場合、第一気体102の圧力によって、アイジョイント金具付きホース10内の異物が強引に押し出される場合がある。このような場合、詰まりの原因の特定が困難となり、詰まりの再発防止の観点から不適当である。
【0062】
そこで、上記構成によれば、第一気体102より低圧の第二気体103を、アイジョイント金具12が取り付けられた側からアイジョイント金具付きホース10に供給し、流量センサ6によってアイジョイント金具付きホース10内を通過する第二気体103の流量を測定することで、アイジョイント金具付きホース10内の異物を押し出すことなくアイジョイント金具付きホース10の詰まり検査を行うことができる。
【0063】
また、本実施形態に係る気体式検査装置1は、樹脂部材31及び32が、ポリブチレンテレフタレートからなることが好ましい。
【0064】
シート面16全面に密着させる樹脂部材31及び32の材質は、硬すぎても軟らかすぎてもシート面16を十分に密閉できず、シート面16に傷がない場合でも気体が漏れ出てしまうおそれがある。そこで、樹脂部材31及び32に適度な硬さのポリブチレンテフタレートを用いることで、シート面16を十分に密閉できるため、シート面16に傷がない場合は気体漏れが生じず、アイジョイント金具12のシート面16の傷の検出をより確実に行うことができる。
【0065】
また、本実施形態に係る気体式検査方法は、両面にシート面16が設けられた円環部15を有するアイジョイント金具12が、端側に取り付けられたアイジョイント金具付きホース10の気体式検査方法であって、樹脂部材31及び32をシート面16全面に密着させ、円環部15を挟み込む樹脂部材取付工程と、アイジョイント金具12が取り付けられた側からアイジョイント金具付きホース10に第一気体102を供給する第一気体供給工程と、圧力センサ5によってアイジョイント金具付きホース10内の第一気体102の圧力降下量を測定し、ホース11、アイジョイント金具12及びシート面16の不具合を同時に検出する圧力測定工程と、を備えることを特徴とする。
【0066】
上記構成によれば、樹脂部材取付工程において、アイジョイント金具12のシート面16全面に樹脂部材31及び32を密着させ、円環部15を樹脂部材31及び32で挟み込む。続く第一気体供給工程において、アイジョイント金具12が取り付けられた側からアイジョイント金具付きホース10に第一気体102を供給すると、シート面16に傷等の不具合があれば、樹脂部材31及び32とシート面16との間に隙間が生じ、そこから第一気体102が漏れ出て圧力が低下する。そして、圧力測定工程において、アイジョイント金具付きホース10内の第一気体102の圧力降下量を測定することにより、ホース11、アイジョイント金具12及びアイジョイント金具12のシート面16からの気体漏れ等の不具合を同時に検出することができる。
【0067】
また、本実施形態に係る気体式検査方法は、第一気体102より低圧の第二気体103を、アイジョイント金具12が取り付けられた側からアイジョイント金具付きホース10に供給する第二気体供給工程と、流量センサ6によってアイジョイント金具付きホース10内を流れる第二気体103の流量を測定する流量測定工程と、を備えることを特徴としている。
【0068】
製造過程等において、ホース11内部に異物等が混入することがある。ホース11内部の異物等は、アイジョイント金具付きホース10のブレーキオイルの伝達性能を著しく低下させるおそれがあり、上述したホース11、アイジョイント金具12及びシート面16からの気体漏れ等の不具合の検査と併せて、ホース11の詰まり検査を行うことが求められる。
【0069】
しかし、ホース11、アイジョイント金具12及びシート面16からの気体漏れ等の不具合を検出するために、アイジョイント金具付きホース10に供給する第一気体102を用いて、アイジョイント金具付きホース10の詰まり検査を行う場合、第一気体102の圧力によって、アイジョイント金具付きホース10内の異物が強引に押し出される場合がある。このような場合、詰まりの原因の特定が困難となり、詰まりの再発防止の観点から不適当である。
【0070】
そこで、上記構成によれば、第二気体供給工程において、第一気体102より低圧の第二気体103を、アイジョイント金具12が取り付けられた側からアイジョイント金具付きホース10に供給し、流量測定工程において、アイジョイント金具付きホース10内を通過する第二気体103の流量を測定することで、アイジョイント金具付きホース10内の異物を押し出すことなく、アイジョイント金具付きホース10の詰まり検査を行うことができる。
【0071】
また、本実施形態に係る気体式検査方法は、樹脂部材31及び32が、ポリブチレンテレフタレートからなることが好ましい。
【0072】
シート面16全面に密着させる樹脂部材31及び32の材質は、硬すぎても軟らかすぎてもシート面16を十分に密閉できず、シート面16に傷がない場合でも気体が漏れ出てしまうおそれがある。そこで、樹脂部材31及び32に適度な硬さのポリブチレンテフタレートを用いることで、シート面16を十分に密閉できるため、シート面16に傷がない場合は気体漏れが生じず、アイジョイント金具12のシート面16の傷の検出をより確実に行うことができる。
【0073】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は、これらの例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。
【0074】
例えば、上記実施形態では、樹脂部材取付工程において、アイジョイント金具付きホース10の、取付部4に取り付けられていない側を、ウレタン樹脂で封止する場合について説明したが、ホース11の両端にアイジョイント金具12が取り付けられている場合、2つのアイジョイント金具12の円環部15を、異なる2つの気体式検査装置1の取付部4にそれぞれ取り付けてもよい。この場合、気体式検査装置1から、両端にアイジョイント金具12が取り付けられたアイジョイント金具付きホース10へと、第一気体102が供給される。そして、圧力測定工程において、アイジョイント金具付きホース10内の圧力降下量を測定することで、両端のアイジョイント金具12のシート面16の傷等の不具合を、一度の検査で同時に検出することができる。
【0075】
また、第一圧縮気体源2と第二圧縮気体源3とは一体であってもよい。この場合、圧縮気体源は、供給する気体の圧力を変化させることが可能であり、一つの圧縮気体源から第一気体102と第二気体103とがそれぞれ供給される。また、この場合、仕切弁21と仕切弁22との間に、流量センサ6及び逆止弁25が配置される。そして、第一気体供給工程及び第二気体供給工程のいずれにおいても、仕切弁21及び22を開放し、かつ、仕切弁23を閉鎖した状態で、第一気体102又は第二気体103の供給を行う。
【0076】
また、本実施形態において、アイジョイント金具付きホース10の、取付部4に取り付けられていない側を封止する樹脂はウレタン樹脂を用いているが、それ以外の材質のものを用いてもよい。
【0077】
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。
実施例として、図1に示すような気体式検査装置1において、第一気体102の供給圧力が15.3MPaとなるように第一圧縮気体源2を設定し、シート面16の傷検出試験を行った。傷検出試験では、シート面16の内側面から外側面にかけて深さの異なる傷をつけた複数の試料(アイジョイント金具付きホース10)に対して、上記気体式検査装置1によって圧力降下量を測定した。そして、圧力降下量が規定値以上であるとき、シート面16の傷は検出可能とし、規定値未満であるとき、検出不可能とした。また、規定値は、第一気体102の供給圧力の約1%に相当する0.15MPaとした。各試料のシート面16の写真、傷の深さ、圧力降下量の測定値について、下記表1に示す。
なお、実施例に用いた各試料については、ホース11に傷がないことを前提とする。
【0078】
【表1】
【0079】
表1に示す通り、深さが21μm以上の傷がシート面16にある場合、圧力降下量が規定値以上を示し、当該傷は検出可能であることがわかった。実際にブレーキオイルの漏れが発生しているシート面16の傷の深さは30μm以上であり、本発明におけるシート面16の傷の検出精度は、これらを検出するのに十分であると言える。
【符号の説明】
【0080】
1 気体式検査装置
2 第一圧縮気体源
3 第二圧縮気体源
4 取付部
5 圧力センサ
6 流量センサ
7 配管
10 アイジョイント金具付きホース
11 ホース
12 アイジョイント金具
15 円環部
16 シート面
21、22、23、24 仕切弁
25 逆止弁
30 ピン
31、32 樹脂部材
33 加圧シリンダ
34 保護板
35 気体供給孔
102 第一気体
103 第二気体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9