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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】印刷処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20231201BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
G06F3/12 354
B41J5/30 B
G06F3/12 305
G06F3/12 304
G06F3/12 378
G06F3/12 357
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019187967
(22)【出願日】2019-10-11
(65)【公開番号】P2021064124
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 恭
(72)【発明者】
【氏名】長堀 宗永
(72)【発明者】
【氏名】若林 秀樹
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-117320(JP,A)
【文献】特開2004-246735(JP,A)
【文献】特開2004-078454(JP,A)
【文献】特開2018-088036(JP,A)
【文献】特開2014-146190(JP,A)
【文献】特開2018-132938(JP,A)
【文献】特開2002-046313(JP,A)
【文献】特開2012-003659(JP,A)
【文献】国際公開第2005/008552(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗で販売する商品に関する商品情報を印刷する印刷処理システムであって、
前記商品情報及び店舗に関する店舗情報を記憶する記憶装置を備え、
前記商品情報を媒体に印刷する印刷手段と、
前記店舗情報に基づいて前記印刷手段による前記商品情報の印刷を制御する印刷制御手段を有し、
前記商品情報は、商品の属性情報を含んでおり、
前記店舗情報は、店舗における取扱商品の情報を含む属性情報を含んでおり、
前記印刷制御手段は、前記商品の属性情報と前記店舗の属性情報とに基づいて、前記商品が前記店舗における取扱商品で無い場合には、前記印刷手段による商品情報の印刷を許可せず、前記商品が前記店舗における取扱商品である場合には、前記店舗の属性情報に基づいて前記印刷手段によって商品情報を印刷する媒体の印刷枚数を決定する
印刷処理システム。
【請求項2】
前記印刷制御手段は、前記店舗の属性情報に基づいて前記印刷手段によって商品情報を印刷する媒体の種類、及び媒体の印刷枚数を決定する請求項1に記載の印刷処理システム。
【請求項3】
店舗で販売する商品に関する商品情報を印刷する印刷処理装置であって、
前記商品情報を媒体に印刷する印刷手段と、
店舗に関する店舗情報に基づいて商品に関する商品情報の印刷を制御する印刷制御手段を備え、
前記商品情報は、商品の属性情報を含んでおり、
前記店舗情報は、店舗における取扱商品の情報を含む属性情報を含んでおり、
前記印刷制御手段は、前記商品の属性情報と前記店舗の属性情報とに基づいて、前記商品が前記店舗における取扱商品で無い場合には、前記印刷手段による商品情報の印刷を許可せず、前記商品が前記店舗における取扱商品である場合には、前記店舗の属性情報に基づいて商品情報を印刷する媒体の印刷枚数を決定する
印刷処理装置。
【請求項4】
店舗で販売する商品に関する商品情報を印刷する印刷処理装置のコンピュータに、
前記商品情報を媒体に印刷する手順と、
店舗に関する店舗情報に基づいて商品に関する商品情報の印刷を制御する手順を実行させ、
前記商品情報は、商品の属性情報を含んでおり、
前記店舗情報は、店舗における取扱商品の情報を含む属性情報を含んでおり、
前記印刷を制御する手順は、前記商品の属性情報と前記店舗の属性情報とに基づいて、前記商品が前記店舗における取扱商品で無い場合には、前記印刷する手順における商品情報の印刷を許可せず、前記商品が前記店舗における取扱商品である場合には、前記店舗の属性情報に基づいて商品情報を印刷する媒体の印刷枚数を決定する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗に配置するPOP広告等を印刷するための印刷処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、販売促進のために店舗に配置するPOP広告等を印刷することのできるPOP印刷処理システムが知られている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-143888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
POPは、店舗において作成、印刷して掲示されるが、複数店舗を展開するチェーン店においては、各店舗で同一の商品に対して同一の時期に同一のPOPを掲示することがあり、そのようなPOPを各店舗それぞれの店舗で作成、印刷するとPOP作成に手間がかかることとなる。
【0005】
上記特許文献1に示すPOP発行処理システムは、上記複数店舗に対するPOP作成等については、特に考慮されてはいなかった。
【0006】
本発明は、POP作成の効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、店舗で販売する商品に関する商品情報を印刷する印刷処理システムであって、前記商品情報及び店舗に関する店舗情報を記憶する記憶装置を備え、前記商品情報を媒体に印刷する印刷手段と、前記店舗情報に基づいて前記印刷手段による前記商品情報の印刷を制御する印刷制御手段を有し、前記商品情報は、商品の属性情報を含んでおり、前記店舗情報は、店舗における取扱商品の情報を含む属性情報を含んでおり、前記印刷制御手段は、前記商品の属性情報と前記店舗の属性情報とに基づいて、前記商品が前記店舗における取扱商品で無い場合には、前記印刷手段による商品情報の印刷を許可せず、前記商品が前記店舗における取扱商品である場合には、前記店舗情報に基づいて前記印刷手段によって商品情報を印刷する媒体の印刷枚数を決定する印刷処理システムである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態の印刷処理システムの構成の一例を示す構成図である。
図2】本発明の実施形態の印刷処理システムにおけるデータの図の一例であり、(a)は商品マスタテーブルの図であり、(b)は店舗マスタテーブルの図である。
図3】本発明の実施形態の印刷処理システムにおける商品一覧画面の一例である。
図4】本発明の実施形態の印刷処理システムにおける価格POP印刷画面の一例である。
図5】本発明の実施形態の印刷処理システムにおける告知POP印刷画面の一例である。
図6】本発明の実施形態の印刷処理システムにおける配信画面の一例である。
図7】本発明の実施形態の印刷処理システムにおける取得画面の一例である。
図8】本発明の実施形態の印刷処理システムにおけるデータの図の一例である。
図9】本発明の実施形態の印刷処理システムにおける動作のフロー図の一例である。
図10】本発明の実施形態の印刷処理システムにおける機能ブロック図の一例である。
図11】本発明の実施形態の印刷処理システムにおけるハードブロック図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
-印刷処理システムの基本構成-
本発明の一実施形態の印刷処理システムの構成の一例について、説明する。
本実施形態の印刷処理システムは、図1に示すように、本部に設置される本部PC100と、クラウドによって構成されるデータセンターのPOPサーバ200と、店舗に配置される店舗PC300等の装置を備え、各装置がネットワークを介して接続されている。
【0010】
本部PC100は、POPのフォーマット(POPデザイン)を作成、編集することができ、商品情報、店舗情報及び企画情報を作成、編集する。
本部PC100は、作成、編集したPOPデザイン、商品情報、店舗情報、企画情報を記憶するとともに、POPサーバ200に配信する。
また、本部PC100は、プリンタに接続され、POPデザイン及び商品情報、店舗情報等に基づいてPOPを印刷する。
【0011】
POPサーバ200は、本部PC100から配信されたPOPデザインを記憶する。また、データセンターは、商品情報を蓄積した商品マスタ、店舗情報を蓄積した店舗マスタ等を記憶する記憶部を有し、本部PC100から配信された商品情報、店舗情報を商品マスタ、店舗マスタに記憶する。
POPサーバ200は、本部PC100もしくは店舗PC300からの指示に応じて、POPについての情報及び商品情報、店舗情報を出力する。
【0012】
店舗PC300は、POPサーバ200が出力するPOPデザイン及び商品情報、店舗情報に基づいてPOPデータを作成し、POPを印刷する。
店舗PC300は、POPについてのPOPデザイン、商品情報、店舗情報を修正することができ、修正したPOPデザイン、商品情報、店舗情報に基づいてPOPを印刷することができる。なお、店舗PC300は、修正した各情報に基づいてデータセンターの情報を修正できるようにしてもよい。
【0013】
なお、上記印刷処理システムは一例であって、本発明の印刷処理システムは、どのような形態で構成されていてもよい。
例えば、本部PC100がPOPサーバ200の機能を有しており、本部PC100と店舗PC300によって印刷処理システムが構成されてもよい。
【0014】
-データ構成-
本実施形態の印刷処理システムで用いるデータについて、説明する。
本実施形態の印刷処理システムにおいて、商品情報、店舗情報、POPデザイン、POPデータ等のデータが用いられる。
【0015】
商品情報は、店舗で販売される各商品の情報である。商品情報を蓄積した商品マスタ10の一例を図2(a)に示す。
商品ID10aは、商品マスタ10における商品のID番号である。JANコード10bは、日本における共通の商品コードであり商品固有のコードである。分類10cは、商品が属する分野であり、例えば「食品」、「衣料品」、「医薬品」等を示す。商品名10dは、商品の名称である。産地・メーカー名10eは、商品が生産された産地名や商品を作ったメーカーの名称である。数量10fは、販売する商品の単位数や単位量である。価格10gは、商品の単位数当りもしくは単位量当たりの売値である。カード10hは、商品のPOPを印刷する際に使用するPOPデザインの名称である。枚数10iは、商品のPOPを印刷する枚数である。
なお、商品マスタの上記項目は一例であって、これに限定されない。
【0016】
店舗情報は、店舗の情報である。各店舗の情報を蓄積した店舗マスタ20の一例を図2(b)に示す。
店舗ID20aは、店舗マスタにおける店舗のID番号である。店舗名20bは、店舗の本店、支店の名称である。グループ20cは、店舗の属するグループである。住所20dは、店舗の住所である。店舗規模20eは、店舗の店舗面積及び従業員数などから決定される店舗の規模である。医薬品取扱20fは、店舗における医薬品の取り扱いの有無である。衣料品取扱20gは、店舗における衣料品の取り扱いの有無である。酒類取扱20hは、店舗における酒類の取り扱いの有無である。立地20iは、店舗の立地環境であり、例えば、国道沿いの「大通り沿」や「駅近」、「住宅地内」、「郊外」等があげられる。
なお、店舗マスタの上記項目は一例であって、これに限定されず、例えば店舗の床の色や照明、インテリアの種類といった店舗の内装を属性として記憶してもよい。
【0017】
POPデザインは、図形領域や文字領域のPOPにおける位置等が定義されており、文字領域に流し込まれる商品情報の項目等が設定されている。また、必要に応じて、1枚の用紙に対してPOPを割り付ける情報を含んでいる。
【0018】
POPデータは、POPデザインの文字領域に対応する情報を流し込むことで作られるデータであり、POPデータをもとにして用紙に印刷するためのPDFデータが生成される。
【0019】
-価格POP印刷-
本実施形態の印刷処理システムにおける価格POPの印刷方法の一例について、説明する。価格POPとは、商品の価格を表示して販売促進を図るためのPOPである。
【0020】
本部PC100もしくは店舗PC300(以下、「店舗PC300」とする。)は、ユーザの操作に応じて、価格POPを印刷する指示を行うための価格POP発行画面600を表示部に表示する。
【0021】
店舗PC300は、例えば図3に示す商品一覧画面500において、ユーザが、価格POPを発行したい商品を選択した後に価格POPの印刷を指示することで、商品情報のカード10hに指定されているPOPデザインに該商品情報が割り付けられた価格POP発行画面600を表示する。
【0022】
なお、商品情報のカード10hにPOPデザインが指定されていない場合には、POPデザインが指定されていない価格POP発行画面600を表示して、後からPOPデザインを選択してもよい。
【0023】
また、図示しないPOPデザイン一覧画面から価格POPを発行したいPOPデザインを選択し、商品情報(JANコード)を入力することで、店舗PC300は、POPデザインに該商品情報が割り付けられた価格POP発行画面600を表示してもよい。
すなわち、店舗PC300の表示部に価格POP発行画面600の表示させるための店員の操作は限定されない。
【0024】
なお、商品一覧画面500において、ユーザが複数の商品を選択したのちに価格POPの印刷を指示した場合には、価格POP発行画面600に矢印キーなどを表示して、選択された商品を切替自在に表示してもよい。
【0025】
価格POP発行画面600の一例を、図4に示す。
店舗PC300は、価格POP発行画面600に、カードデザイン表示領域610とデータ編集領域620を配置する。
店舗PC300は、カードデザイン表示領域610にPOPデザインに商品情報を割り付けたPOPのイメージを表示する。ユーザは、カードデザイン表示領域610を確認することで、印刷される価格POPを確認することができる。
【0026】
店舗PC300は、データ編集領域620に「検索・問合せ」エリア620aと、「印刷指示・カード選択」エリア620bと、「商品データ編集」エリア620cと、「商品データ印刷」キー620dを表示する。
【0027】
店舗PC300は、「検索・問合せ」エリア620aに入力された情報に基づいてPOPを印刷する商品を検索する。
店舗PC300は、「印刷指示・カード選択」エリア620bに入力された情報に基づいて商品情報を印刷するPOPデザインを選択するとともに、印刷枚数を設定する。
【0028】
店舗PC300は、「商品データ編集」エリア620cに価格POPが印刷される商品情報を表示する。店舗PC300は、ユーザにより「商品データ編集」エリア620cに表示された情報が修正されることで、価格POPを修正するようにしてもよい。
店舗PC300は、ユーザにより「商品データ印刷」キー620dが操作されることで、カードデザイン表示領域610に表示されている価格POPを印刷する。
以上、価格POPの印刷について説明した。
【0029】
-告知POP印刷-
本実施形態の印刷処理システムにおける告知POPの印刷方法の一例について、説明する。告知POPとは、店舗で行われる企画等を表示して販売促進を図るためのPOPである。
【0030】
店舗PC300は、ユーザの操作に応じて、告知POPを印刷する指示を行うための告知POP発行画面700を表示部に表示する。
【0031】
店舗PC300は、例えば表示部に表示されるメニュー画面の告知POP印刷のキーが操作されることで情報が流し込まれていない告知POP発行画面700を表示し、該告知POP発行画面700で印刷したい告知POPデザインが選択されることにより、図5に示す告知POPを印刷する指示を行うための告知POP発行画面700を表示部に表示する。
なお、店舗PC300に告知POP発行画面700を表示させるための店員の操作は限定されない。
【0032】
店舗PC300は、告知POP発行画面700に、告知カードデザイン表示領域710とデータ編集領域720を配置する。
店舗PC300は、告知カードデザイン表示領域710にPOPデザインに情報を割り付けたPOPを表示する。ユーザは、告知カードデザイン表示領域710を確認することで、印刷される告知POPを確認することができる。
【0033】
店舗PC300は、データ編集領域720に「印刷指示・カード選択」エリア720aと、「告知POP印刷」キー720bを表示する。
【0034】
店舗PC300は、「印刷指示・カード選択」エリア720aに入力された情報に基づいてPOPデザインを選択するとともに、印刷枚数を設定する。
店舗PC300は、「商品データ印刷」キー720bが操作されることで、告知カードデザイン表示領域710に表示される告知POPを印刷する。
以上、告知POPの印刷について説明した。
【0035】
-POPデザイン等の配信、印刷の指示-
本実施形態の印刷処理システムにおいて、本部PC100は、POPデザイン、商品情報等を各店舗PC300に配信し、各店舗PC300は、配信されたデータに基づいて価格POPもしくは告知POPを印刷する。
【0036】
本部PC100から各店舗PC300へのデータの配信は、本部PC100から各店舗の店舗PC300に対して直接なされてもよいが、本部PC100がPOPサーバ200に配信したデータを各店舗PC300がPOPサーバ200から取得することによって行ってもよい。
以下、本部PC100と店舗PC300のデータの配信、取得について、説明する。
【0037】
ユーザが、本部PC100の表示部に表示された商品一覧画面500において「配信」キー510aを操作することで、本部PC100は、表示部に配信画面800を表示する。
本部PC100の表示部に表示された配信画面800の一例を、図6に示す。
【0038】
配信画面800は、「キャビネット名称」欄810aと、「区分」欄810bと、「本部コメント」欄810cと、「コメント」欄810dと、「開始時期」欄810eと、「終了時期」欄810fと、「配信除外店舗」欄810gと、「配信店舗」欄810hと、「配信キャビネット」欄810iを有している。
また、配信画面800は、「店舗配信」キー820を有している。
【0039】
「キャビネット名称」欄810aは、配信するデータの名称を指定する欄であり、例えば、POPを印刷するために配信するデータが特売品についてのデータであれば、「特売」等のキャビネット名称を指定すればよい。
「区分」欄810bは、配信するデータの区分を指定する欄である。
【0040】
「本部コメント」欄810cは、本部のコメントを指定する欄であり、「コメント」欄810dは、コメントを指定する欄である。
「開始時期」欄810eは、配信が開始される開始時期を指定する欄であり、「終了時期」欄810fは、配信が終了する終了時期を指定する欄である。
【0041】
「配信除外店舗」欄810gは、データを配信しない店舗を指定する欄であり、「配信店舗」欄810hは、データを配信する店舗を指定する欄である。
図6に示す配信画面800の例は、「配信除外店舗」欄810gに「久が原店」及び「本部」が指定されているので、「久が原店」及び「本部」にはPOPを印刷するためのデータを配信せずに、その他の店舗に配信することが設定されている。
【0042】
そして、配信画面800の少なくとも「キャビネット名称」欄810aに名称を指定し、「店舗配信」キー820を操作することで、店舗PC100は、商品一覧画面500に表示された商品についてPOPを作成するためのデータを「配信除外店舗」欄810g及び「配信店舗」欄810hにおいて指定された店舗に配信する。
【0043】
一方、ユーザが、店舗PC300の表示部に表示された商品一覧画面500において「取得」キー510bを操作することで、店舗PC300は、表示部に取得画面900を表示する。
店舗PC300の表示部に表示された取得画面900の一例を、図7に示す。
【0044】
取得画面900は、「表示対象フォルダ指定」欄910aと、「キャビネット名称絞り込み」欄910bと、「キャビネット表示」欄910cを有している。
また、取得画面900は、「取込」キー920aと、「追加」キー920bを有している。
【0045】
「表示対象フォルダ指定」欄910aは、「本部内共通」と「配信」とを選択することができ、本部内の共通ファイルに存在するキャビネット(データ)を取得する場合には、「本部内共通」を選択し、本部PC100が配信したキャビネットを取得する場合には、「配信」を選択する。
【0046】
「キャビネット名称絞り込み」欄910bは、期間、区分、キャビネット名称を指定することで、取得するキャビネットを検索、絞り込みすることができる。
【0047】
店舗PC300は、「表示対象フォルダ指定」欄910a及び「キャビネット名称絞り込み」欄910bに入力された情報に基づいて、POPデザイン及び商品情報のキャビネット(データ)を絞り込み、取得する。
そして、店舗PC300は、ユーザの操作に応じてもしくは本部PC100からの指示に応じて、取得したキャビネットのデータに基づいて、POPを作成し、印刷する。
【0048】
以上のように、本実施形態の印刷処理システムにおいて、本部で作成したPOPデザインを各店舗に配信し、POPデザイン及び商品情報を取得した各店舗がPOPを印刷することができる。
また、本部PC100は、各店舗にPOPデザイン及び商品情報を配信して、各店舗にPOPの印刷を指示することができる。
【0049】
しかし、同じチェーン店の店舗であっても、店舗所在地の気候や地域性などの要因により、店舗に陳列する商品の種類や陳列数は相違することがある。また、各店舗の規模もまちまちであるし、場合によっては店舗のコンセプト(対象客層)が異なることもある。さらに、店舗に応じて、POPの雰囲気も相違することがある。
【0050】
そのため、店舗ごとに、配信されたPOPデザイン及び商品情報から該店舗が必要なデータを選択し、印刷するPOPの枚数を設定して印刷する必要があるなどの手間がかかることから、さらに効率化を図る余地があった。
【0051】
そこで、本実施形態の印刷処理システムは、各店舗に関する種々の店舗情報に基づいて、効率的にPOPの印刷を行うことを可能にしている。
すなわち、本実施形態の印刷処理システムは、商品情報及び店舗情報に基づいてPOPの印刷を管理することができる。
【0052】
例えば、印刷処理システムは、商品情報の分類項目が医薬品である商品のPOPの印刷が指示された場合には、POPの印刷対象とされた店舗の属性情報の医薬品取扱項目を参照し、該項目が「有」であれば、分類項目が医薬品で(医薬品の属性を有する)商品のPOPの印刷を許可するように設定し(印刷対象とし)、当該店舗の属性情報の医薬品取扱項目が「無」であれば、医薬品の属性を有する商品のPOPの印刷を許可しないように設定して、当該店舗に対する医薬品のPOP印刷の指示を決定する。
【0053】
また、印刷処理システムは、POPの印刷が指示された場合には、POPの印刷対象とされた店舗の店舗情報の店舗規模が「大」の店舗については、印刷枚数を多く設定してPOP印刷の指示を行い、店舗情報の店舗規模が「小」の店舗については、印刷枚数を少なく設定してPOP印刷の指示を行う。
【0054】
また、印刷処理システムは、当該店舗の店舗情報の店舗規模が「大」の店舗については、印刷用紙を大きく設定してPOP印刷の指示を行い、店舗情報の店舗規模が「小」の店舗については、印刷用紙を小さく設定してPOP印刷の指示をしてもよい。
【0055】
具体的には、印刷処理システムは、図8(a)に示すように店舗規模に応じたPOP発行枚数を設定した用紙設定ファイル30を記憶しておき、店舗規模に応じて、POPを印刷する用紙の大きさとPOPを印刷する枚数との関係を設定してPOP印刷の指示をしてもよい。
【0056】
また、印刷処理システムは、店舗においてPOPが表示される表示(陳列)場所に応じて、自動的に印刷用紙の大きさ等を変更してもよい。
具体的には、POPが表示される表示場所がエンド(通路沿いに設置されている棚や台)である場合には、印刷用紙を大きく(例えば、A3)設定するなどしてもよい。
【0057】
例えば、印刷処理システムは、図8(b)に示すように表示(陳列)場所に応じたPOPの印刷用紙の大きさを設定した用紙設定ファイル40を記憶しておくとともに、店舗情報に店舗におけるPOPの表示(陳列)場所を記憶しておく。
そして、POPの印刷対象とされた店舗の店舗情報に記憶された表示(陳列)場所に応じて用紙設定ファイル40を参照し、POPを印刷する用紙の大きさを設定してもよい。
【0058】
また、印刷処理システムは、当該店舗の立地に関する属性が「大通り沿」、「駅近」、「住宅地内」のいずれに属するかでPOP印刷を管理してもよい。例えば、「駅近」の店舗においては、印刷用紙を大きく、印刷枚数を多く設定してもよく、さらにはPOPを印刷する用紙の色を変更するようにしてもよい。
さらに、店舗の属性として店舗の床の色や照明、インテリアの種類等が設定されている場合には、該属性によってPOP印刷を管理してもよい。
【0059】
また、印刷処理システムは、店舗情報に応じて、使用できるPOPデザイン(印刷フォーマット)を制限してもよい。
具体的には、印刷処理システムは、図8(c)に示すPOPデザインと該POPデザインの印刷に適した店舗グループ10cを設定したPOPデザインファイル50を記憶しておき、店舗グループ10cに応じて、POPを印刷するPOPデザインを制限してもよい。
例えば、POPフォーマットが「1」のPOPは、すべての店舗グループにおいて、印刷することができ、POPフォーマットが「3」のPOPは、店舗グループが「1」及び「2」の店舗に対してのみ印刷対象とするようにPOPの印刷を管理してもよい。
【0060】
印刷処理システムは、当該店舗の住所等の店舗情報に応じてPOPを印刷する商品やPOPデザインを自動的に設定してもよい。
その他、印刷処理システムは、POPの印刷を管理するための条件は、店舗の屋号や客層等の様々な店舗情報に基づいて変更してもよい。
【0061】
-フローチャート-
次に、本発明の一実施形態の印刷処理システムの動作の一例を、図9に示すフローチャートを参考にして、説明する。
【0062】
本実施形態の印刷処理システムは、POPの印刷の指示が行われたか否かを判断する(S101)。
印刷処理システムは、POPの印刷の指示が行われた場合は、POP印刷の対象となっている商品の商品情報を取得する(S102)。
【0063】
次に、印刷処理システムは、POPが印刷される店舗情報を取得する(S103)。
ステップS102において商品情報を取得し、ステップS103において店舗情報を所得した印刷処理システムは、商品情報と店舗情報に基づいてPOP印刷の対象となっている商品の属性に店舗の属性が対応しているか否かを判断する(S104)。
【0064】
ステップS104で店舗の属性が商品の属性に対応していると判断した場合には、印刷処理システムは、店舗規模に応じてPOPを印刷する用紙の大きさ及び印刷枚数を設定する(S105)。
【0065】
POPを印刷する用紙の大きさ及び印刷枚数を設定印刷処理システムは、印刷の指示が行われたPOP作成に関する情報を配信して(S106)、処理を完了する。
【0066】
一方、ステップS104において、商品情報と店舗情報に基づいてPOP印刷の対象となっている商品の属性に店舗の属性が対応していないと判断した場合には、POP作成に関する情報を配信することなく、処理を完了する。
【0067】
なお、上記フローチャートは、POPを表示する店舗が1店舗である場合を示しているが、複数店舗の場合には、すべての店舗についてPOP作成に関する情報を配信するまでステップS103からステップS106を繰り返せばよい。
以上、一実施形態の印刷処理システムの動作の一例を説明した。
【0068】
-印刷処理システムの機能ブロック図-
本実施形態の印刷処理システムの機能ブロック図の一例を図10に示す。
本部PC100は、制御部110、記憶部120を有しており、印刷部(プリンタ)130と接続している。
制御部110は、表示部に商品一覧画面500等を表示する表示手段111と、POPを作成するPOP作成手段112と、作成したPOPを記憶するPOP記憶手段113と、作成したPOPをPOPサーバに配信するPOP配信手段114と、POPの印刷を指示する印刷手段115と、POP印刷を制御するPOP印刷制御手段116を有している。
【0069】
前記表示手段111は、商品一覧画面500、価格POP発行画面600、告知POP発行画面700、配信画面800等を表示部に表示するとともに、表示部を介して入力された情報を取得する。
POP作成手段112は、POPデザインを作成、修正する。
【0070】
前記POP記憶手段113は、作成、修正したPOPデザインを記憶装置に記憶する。
前記POP配信手段114は、作成、修正したPOPデザインをPOPサーバ200に配信する。
【0071】
前記印刷手段115は、本部PC100に接続されたプリンタもしくは店舗PC300に対して、POPの印刷を指示する。
前記POP印刷制御手段116は、POPの印刷に際して、商品情報と店舗情報に基づいてPOPの印刷を制御する。
【0072】
POPサーバ200は、制御部210及び記憶部220を有している。
POPサーバ200の制御部210は、POP入力手段212と、POP記憶手段213と、POP出力手段214を有している。
POPサーバ200の記憶部220は、商品マスタ10、店舗マスタ20等を記憶する
【0073】
前記POP入力手段212は、本部PC100から配信されたデータを入力する。
前記POP記憶手段213は、入力したデータを記憶する。
前記POP出力手段214は、店舗PC300からの取得要請に応じて、データを店舗PC300に出力する
【0074】
店舗PC300は、制御部310、記憶部320及び印刷部330を有している。
店舗PC300の制御部310は、POP取得手段312と、記憶手段313と、POP印刷手段314と、POP印刷制御手段315を有している。
【0075】
前記POP取得手段312は、POPサーバ200に対して情報の取得を指示し、
POPデータを取得する
前記記憶手段313は、POPサーバ200から取得したPOPデータを記憶する
【0076】
前記POP印刷手段314は、POPデータに基づいてPOPデータを作成し、POPデータに基づいてPOPを印刷する。
【0077】
前記POP印刷手段314は、接続されたプリンタに対して、POPの印刷を指示する。
前記POP印刷制御手段315は、POPの印刷に際して、商品情報と店舗情報に基づいてPOPの印刷を制御する。
以上、印刷処理システムの機能について説明した。
【0078】
-印刷処理システムのハードブロック図―
次に、本実施形態の印刷処理システムの本部PC100(及び店舗PC300)のブロック図の一例を、図11に示す。
本実施形態の本部PC100(及び店舗PC300)は、制御部110として、CPU1001と、ROM1002と、RAM1003と、メモリ1004と、ネットワークI/F1005と、入力部I/F1006と、表示部I/F1007と、印刷部I/F1008などを有している。
【0079】
CPU1001は、コンピューターを構成し、ソフトウエアプログラムの命令を実行する。
ROM1002は、CPU1001で動作するためのプログラム等を予め記憶している。なお、プログラム等は、CD-ROMなどの可搬型記憶媒体に記憶させ、CD-ROMドライブなどの外部装置により読み取るように構成してもよい。
【0080】
RAM1003は、プログラムの記憶及びソフトウエアが動作するために必要なワーク記憶エリアとして使用される。
メモリ1004は、ハードディスク装置等から構成され商品マスタ等の情報を記憶している。
【0081】
ネットワークI/F1005は、ネットワーク上に接続された手段とデータのやり取りを行うための回路である。
入力部I/F1006は、キーボード等の入力部との入出力を行うための回路である。
表示部I/F1007は、タッチパネル等の表示部との入出力を行うための回路である。
印刷部I/F1008は、プリンタ等の印刷部との入出力を行うための回路である。
【0082】
-実施形態の印刷処理システム-
以上のように、本発明は、店舗に配置するPOP広告等を印刷するための印刷処理システムに関する。
従来、販売促進のために店舗に配置するPOP広告等を印刷することのできるPOP印刷処理システムが知られている。(特開2012-143888号公報)
【0083】
しかし、POPは、店舗において作成、印刷して掲示されるが、複数店舗を展開するチェーン店においては、各店舗で同一の商品に対して同一のPOPを掲示することがあり、そのようなPOPを各店舗それぞれの店舗で作成、印刷するとPOP作成に手間がかかることとなるが、上記特許文献に示すPOP発行処理システムは、上記複数店舗に対するPOP作成等については、特に考慮されてはいなかった。
【0084】
本発明は、POP作成の効率を向上させることを目的とするものである。
そして、本発明の一実施形態は、店舗で販売する商品に関する商品情報を印刷する印刷処理システムであって、前記商品情報及び店舗に関する店舗情報を記憶する記憶装置を備え、前記商品情報を媒体に印刷する印刷手段と、前記店舗情報に基づいて前記印刷手段による前記商品情報の印刷を制御する印刷制御手段を有する印刷処理システムである。
また、本発明の一実施形態は、商品情報は、商品の属性情報を含んでおり、店舗情報は、店舗の属性情報を含んでおり、印刷制御手段は、商品の属性情報と店舗の属性情報とに基づいて商品の商品情報を印刷対象とするか否かを制御する印刷処理システムである。
また、本発明の一実施形態は、印刷制御手段は、店舗の店舗情報に基づいて印刷手段によって商品情報を印刷する媒体を決定する印刷処理システムである。
また、本発明の一実施形態は、印刷制御手段は、店舗の店舗情報に基づいて印刷手段によって商品情報を印刷する媒体の数量を決定印刷処理システムである。
また、本発明の一実施形態は、印刷制御手段は、店舗の店舗情報に基づいて印刷手段によって商品情報を印刷する印刷フォーマットを決定する印刷処理システムである。
【0085】
-実施形態の印刷処理システムによる作用効果-
以上のように、本実施形態の印刷処理システムは、商品マスタに蓄積された商品情報及び店舗マスタに蓄積された店舗情報に基づいて、各店舗において必要となるPOPの種類及び数量を予測し、予測に基づいてPOPの発行を制御するので、店舗におけるPOPの印刷の手間が省けるとともに、店舗において陳列するべきPOPが不足することを防ぎ、また、過剰なPOPが発行されるなどの無駄をなくすことができる。
【0086】
また、本実施形態の印刷処理システムによれば、POPサーバ200をクラウドによって構成することで、既設のシステムに本実施形態の印刷処理システムを後付けで設けることができる。
【0087】
-変形例-
上記実施形態の印刷処理システムは、本部PC100が作成したPOP情報をPOPサーバ200に配信し、POPサーバ200に配信されたPOP情報を店舗PC300が取得して、店舗PC300において、POPの発行の枚数制御等を行っているが、本部PC100は、POPサーバ200を介することなく、直接各店舗PC300にPOP情報を配信するようにしてもよい。
【0088】
また、本部PC100において、POP情報の商品情報と店舗情報に基づいて店舗ごとに配信するPOP情報を制御してもよく、配信するPOP情報を変更してもよい。
すなわち、ユーザによりPOPの印刷の指示が行われた場合に、印刷処理システムがPOPを印刷する商品情報及び各店舗の店舗情報に基づいて自動的にPOPデザイン及び印刷枚数を設定して、各店舗に設定した情報を自動的に配信してもよい。
【0089】
さらに、本部PC100は、POP情報の商品情報と店舗情報に基づいて店舗ごとに配信するPOP情報を決定し、各店舗に配置されたプリンタに対して、直接印刷指示を行ってもよい。
【0090】
また、本部PC100は、POP情報の商品情報と店舗情報に基づいて店舗ごとに配信するPOP情報を決定し、本部のプリンタに対して、各店舗に配布するPOPを印刷してもよい。その際には、印刷されるPOPの左上隅などに配布する店舗の識別番号や店舗名等の情報を合わせて印刷してもよい。なお、店舗名等の情報を印刷するPOPは、当該店舗に配布されるPOPのすべてに印刷してもよいが、先頭の1枚に印刷するだけでもよい。
印刷したPOPを店員が各店舗に配送すればよい。
【0091】
以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0092】
100 :店舗PC
110 :制御部
111 :表示手段
112 :POP作成手段
113 :POP記憶手段
114 :POP配信手段
115 :印刷手段
116 :POP印刷制御手段
200 :POPサーバ
210 :制御部
212 :POP入力手段
213 :POP記憶手段
214 :POP出力手段
300 :店舗PC
310 :制御部
312 :POP取得手段
314 :POP印刷手段
315 :POP印刷制御手段

図1
図2
図3
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図11