(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】棒状部材供給装置及び検体塗抹装置
(51)【国際特許分類】
B65G 65/44 20060101AFI20231201BHJP
B65G 47/14 20060101ALI20231201BHJP
B65G 47/82 20060101ALI20231201BHJP
B65G 47/08 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
B65G65/44 A
B65G47/14 A
B65G47/82 C
B65G47/08 C
(21)【出願番号】P 2020069762
(22)【出願日】2020-04-08
【審査請求日】2023-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】591058127
【氏名又は名称】メディカテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】月岡 浩康
(72)【発明者】
【氏名】町田 哲男
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-106333(JP,A)
【文献】実開平06-014152(JP,U)
【文献】特開平09-307285(JP,A)
【文献】特開2005-178939(JP,A)
【文献】登録実用新案第3222269(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0166685(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 65/44
B65G 47/14
B65G 47/08
B65G 47/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の棒状部材を収容すると共に、収容した棒状部材を一本ずつ取り出す棒状部材供給装置であって、
中空の柱体形状をなし、複数の前記棒状部材を上下方向に向けて収納する収納容器と、
前記収納容器の下端部に設けられ、該収納容器を支持する支持部と、
前記収納容器の上端部に設けられ、中央に上部貫通孔が形成され、且つ前記収納容器の開放、閉鎖を切り替える蓋体と、
前記支持部に設けられ逆錐体形状をなし、中央に開口部が形成された逆錐体形状部と、
上下方向に向けて配置され、前記開口部を貫通して上下方向にスライド移動可能なシャフトと、
前記シャフトを上下方向に移動させる昇降機構と、
前記昇降機構による前記シャフトの上下方向の移動を制御する制御部と、
を有し、
前記蓋体の上部には、前記上部貫通孔に連通し、下端が円形状で、上端が矩形状とされた連通孔が形成された連通部材が設けられており、
前記シャフトの上端部には、内部が中空とされた座繰り部が形成され、
前記制御部は、前記昇降機構により前記シャフトを下降させて前記棒状部材の下端を前記座繰り部に挿入し、その後、前記シャフトを上昇させることにより、前記棒状部材を前記上部貫通孔から外部へ放出させること
を特徴とする棒状部材供給装置。
【請求項2】
前記逆錐体形状部は、前記支持部に対して、上下方向に揺動可能に設けられていること
を特徴とする請求項1に記載の棒状部材供給装置。
【請求項3】
複数の棒状部材を収容すると共に、収容した棒状部材を一本ずつ取り出す棒状部材供給装置であって、
中空の柱体形状をなし、複数の前記棒状部材を上下方向に向けて収納する収納容器と、
前記収納容器の下端部に設けられ、該収納容器を支持する支持部と、
前記収納容器の上端部に設けられ、中央に上部貫通孔が形成され、且つ前記収納容器の開放、閉鎖を切り替える蓋体と、
前記支持部に設けられ
逆錐体形状をなし、中央に開口部が形成され
、前記支持部に対して上下方向に揺動可能に設けられた逆錐体形状部と、
上下方向に向けて配置され、前記開口部を貫通して上下方向にスライド移動可能なシャフトと、
前記シャフトを上下方向に移動させる昇降機構と、
前記昇降機構による前記シャフトの上下方向の移動を制御する制御部と、
を有し、
前記シャフトの上端部には、内部が中空とされた座繰り部が形成され、
更に、前記昇降機構は、
モータと、
前記シャフトと平行に配置され、前記逆錐体形状部に固定された少なくとも1本のガイド棒と、
前記シャフトに連結され、前記ガイド棒にガイドされて上下方向に移動可能な摺動部材と、
前記モータの出力軸に連結され、前記モータの回転方向に応じて前記摺動部材を上方向及び下方向のいずれかに移動させるタイミングベルトと、を有し、
前記制御部は、前記
モータの駆動を制御することにより前記シャフトを下降させて前記棒状部材の下端を前記座繰り部に挿入し、その後、前記シャフトを上昇させることにより、前記棒状部材を前記上部貫通孔から外部へ放出させること
を特徴とする棒状部材供給装置。
【請求項4】
前記上部貫通孔の上側に設けられ、前記棒状部材を検出する上部センサ、を更に備え、
前記制御部は、前記摺動部材を所定の上限位置へ上昇させたときに、前記上部センサにて前記棒状部材が検出されないときには、前記棒状部材が無いことを報知する報知信号を出力すること
を特徴とする請求項
3に記載の棒状部材供給装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記摺動部材を所定の基準位置から前記上限位置に向けて上昇させる際に、前記基準位置と前記上限位置の間に設定した所定の中間位置にて前記摺動部材を停止させ、この中間位置において、前記上部センサにて前記棒状部材が検出されたときには、エラー信号を出力すること
を特徴とする請求項
4に記載の棒状部材供給装置。
【請求項6】
前記収納容器の側面には開口窓が形成され、
前記収納容器には、前記蓋体を開閉するための蝶番が設けられ、且つ、該蝶番には、蝶番と連動して回動するL字金具が設けられており、
前記L字金具は、前記蓋体が開放されているときには、前記開口窓の外側に位置し、前記蓋体が閉鎖されているときには、前記蝶番の回転と連動して、前記L字金具の一部が前記開口窓から前記収納容器の内側に進入して、前記収納容器内における前記棒状部材の収納スペースを規制すること
を特徴とする請求項1~
5のいずれか1項に記載の棒状部材供給装置。
【請求項7】
シャーレ供給スタッカより供給されるシャーレに検体を点着し、棒状部材供給装置より放出されるエーゼを、ロボットアームで把持して前記シャーレに点着された検体が均一化するように塗り広げ、その後、シャーレをシャーレ収納スタッカに収納する検体塗抹装置において、
前記棒状部材供給装置は、
中空の柱体形状をなし、複数の前記エーゼを上下方向に向けて収納する収納容器と、
前記収納容器の下端部に設けられ、該収納容器を支持する支持部と、
前記収納容器の上端部に設けられ、中央に上部貫通孔が形成され、且つ前記収納容器の開放、閉鎖を切り替える蓋体と、
前記支持部に設けられ逆錐体形状をなし、中央に開口部が形成された逆錐体形状部と、
上下方向に向けて配置され、前記開口部を貫通して上下方向にスライド移動可能なシャフトと、
前記シャフトを上下方向に移動させる昇降機構と、
前記昇降機構による前記シャフトの上下方向の移動を制御する制御部と、
を有し、
前記シャフトの上端部には、内部が中空とされた座繰り部が形成され、
前記制御部は、前記昇降機構により前記シャフトを下降させて前記エーゼの下端を前記座繰り部に挿入し、その後、前記シャフトを上昇させることにより、前記エーゼを前記上部貫通孔から外部へ放出させること
を特徴とする検体塗抹装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒状部材供給装置及び検体塗抹装置に係り、特に、エーゼなどの棒状部材を一本ずつ確実に取り出す技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、尿検体や便検体などの検体をシャーレ(培地)に点着し、更に点着した検体が均一となるように塗り広げるために、従来よりエーゼ(白金耳ともいう)が用いられている。エーゼを用いて検体を塗り広げる操作は、ロボットアームにより自動で行われる。また、エーゼは一回使用する毎に廃棄するので、一つの検体に対して一本のエーゼが使用される。
【0003】
特許文献1には、円筒形状のドラム内に複数のエーゼを収納し、ドラムを回転させることにより、開口部にエーゼを導き出し、該エーゼを取り出すようにしたドラムフィーダについての発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1では、複数のエーゼどうしが干渉して引っかかり、開口部からエーゼを取り出せないことがあり、円滑なエーゼの供給ができないという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、棒状部材を確実に一本ずつ取り出して供給することが可能な棒状部材供給装置、及び検体塗抹装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る棒状部材供給装置は、複数の棒状部材を収容すると共に、収容した棒状部材を一本ずつ取り出す棒状部材供給装置であって、中空の柱体形状をなし、複数の前記棒状部材を上下方向に向けて収納する収納容器と、前記収納容器の下端部に設けられ、該収納容器を支持する支持部と、前記収納容器の上端部に設けられ、中央に上部貫通孔が形成され、且つ前記収納容器の開放、閉鎖を切り替える蓋体と、前記支持部に設けられ逆錐体形状をなし、中央に開口部が形成された逆錐体形状部と、上下方向に向けて配置され、前記開口部を貫通して上下方向にスライド移動可能なシャフトと、前記シャフトを上下方向に移動させる昇降機構と、前記昇降機構による前記シャフトの上下方向の移動を制御する制御部と、を有し、前記蓋体の上部には、前記上部貫通孔に連通し、下端が円形状で、上端が矩形状とされた連通孔が形成された連通部材が設けられており、前記シャフトの上端部には、内部が中空とされた座繰り部が形成され、前記制御部は、前記昇降機構により前記シャフトを下降させて前記棒状部材の下端を前記座繰り部に挿入し、その後、前記シャフトを上昇させることにより、前記棒状部材を前記上部貫通孔から外部へ放出させることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る検体塗抹装置は、シャーレ供給スタッカより供給されるシャーレに検体を点着し、棒状部材供給装置より放出されるエーゼを、ロボットアームで把持して前記シャーレに点着された検体が均一化するように塗り広げ、その後、シャーレをシャーレ収納スタッカに収納する検体塗抹装置において、前記棒状部材供給装置は、中空の柱体形状をなし、複数の前記エーゼを上下方向に向けて収納する収納容器と、前記収納容器の下端部に設けられ、該収納容器を支持する支持部と、前記収納容器の上端部に設けられ、中央に上部貫通孔が形成され、且つ前記収納容器の開放、閉鎖を切り替える蓋体と、前記支持部に設けられ逆錐体形状をなし、中央に開口部が形成された逆錐体形状部と、上下方向に向けて配置され、前記開口部を貫通して上下方向にスライド移動可能なシャフトと、前記シャフトを上下方向に移動させる昇降機構と、前記昇降機構による前記シャフトの上下方向の移動を制御する制御部と、を有し、前記シャフトの上端部には、内部が中空とされた座繰り部が形成され、前記制御部は、前記昇降機構により前記シャフトを下降させて前記エーゼの下端を前記座繰り部に挿入し、その後、前記シャフトを上昇させることにより、前記エーゼを前記上部貫通孔から外部へ放出させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、棒状部材を確実に一本ずつ取り出して供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る棒状部材供給装置が採用される検体塗抹装置の構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る棒状部材供給装置の斜視図であり、蓋体が閉鎖されている状態を示す。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る棒状部材供給装置の斜視図であり、蓋体が開放されている状態を示す。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る棒状部材供給装置の斜視図であり、蓋体の上部からエーゼが放出されている状態を示す。
【
図5A】
図5Aは、本発明の実施形態に係る棒状部材供給装置の側面方向の断面図であり、蓋体が閉鎖されている状態を示す。
【
図6A】
図6Aは、本発明の実施形態に係る棒状部材供給装置の側面方向の断面図であり、蓋体が開放されている状態を示す。
【
図7A】
図7Aは、本発明の実施形態に係る棒状部材供給装置の動作を示す説明図であり、摺動部材が基準位置L2にある状態を示す。
【
図7B】
図7Bは、本発明の実施形態に係る棒状部材供給装置の動作を示す説明図であり、摺動部材が中間位置L3にある状態を示す。
【
図7C】
図7Cは、本発明の実施形態に係る棒状部材供給装置の動作を示す説明図であり、摺動部材が上限位置L4にある状態を示す。
【
図7D】
図7Dは、本発明の実施形態に係る棒状部材供給装置の動作を示す説明図であり、摺動部材が中間位置L3にある状態で、エーゼが上下反対とされている場合を示す。
【
図7E】
図7Eは、本発明の実施形態に係る棒状部材供給装置の動作を示す説明図であり、摺動部材が下限位置L1にある状態を示す。
【
図8】
図8は、シャフト先端の座繰り部にエーゼの下端部が挿入される様子を示す説明図である。
【
図9】
図9は、錐体面17と連通孔37の詳細な構成を示す説明図である。
【
図11A】
図11Aは、本実施形態に係る棒状部材供給装置の動作を示すフローチャートの、第1の分図である。
【
図11B】
図11Bは、本実施形態に係る棒状部材供給装置の動作を示すフローチャートの、第2の分図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[本実施形態の構成の説明]
図1は、本発明の一実施形態に係る検体塗抹装置100の構成を示す外観図である。検体塗抹装置100は、シャーレに尿検体や便検体などの検体を点着し、更に点着した検体がシャーレ内で均一化して分布するようにエーゼで塗り広げて、後段の処理行程へ送り出す装置である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る検体塗抹装置100は、3つの棒状部材供給装置101と、シャーレ供給スタッカ102と、シャーレ収納スタッカ103と、ロボットアーム104と、検体収納容器105を備えている。更に、装置全体を総括的に制御する制御部30を備えている。制御部30は、上述した各棒状部材供給装置101、シャーレ供給スタッカ102、シャーレ収納スタッカ103、及びロボットアーム104を含む各構成要素の作動を制御する。
【0013】
制御部30は、例えば、中央演算ユニット(CPU)や、RAM、ROM、ハードディスク等の記憶手段からなる一体型のコンピュータとして構成することができる。
【0014】
棒状部材供給装置101は、後述するように複数のエーゼを収容しており、必要に応じて収容しているエーゼを一本ずつ取り出す。
図10に示すように、エーゼ41(棒状部材)は、細長い棒状を成しており、下端部41aは断面が円形状とされ、中間部41bは扁平形状をなし、上端部41cはリングを有する扁平形状とされている。つまり、
図10に示す上端部41cがエーゼ41の先端である。また、上端部41cの扁平形状の幅は、下端部41aの半径よりも大きくされている。
【0015】
シャーレ供給スタッカ102は、洗浄済みのシャーレを複数収容しており、収容されているシャーレ106を1つずつ取り出してコンベヤに供給する。
【0016】
検体収納容器105は、尿検体、便検体などの検体を複数収容している。検体収納容器105に収容されている検体は、シャーレ106に点着される。
【0017】
ロボットアーム104は、3つの棒状部材供給装置101のうちのいずれかより供給されるエーゼ41を把持し、該エーゼ41の先端のリング形状部でシャーレ106に点着されている検体が均一となるように塗り広げる。使用後のエーゼ41をエーゼ排出口(図示省略)より排出する。
【0018】
シャーレ収納スタッカ103は、検体が点着され且つ塗り広げられ、且つ蓋がかぶせられた複数のシャーレ106を収容する。
【0019】
<棒状部材供給装置101の説明>
次に、
図2~
図4、
図5A、
図5B、
図6A、
図6Bを参照して、本実施形態に係る棒状部材供給装置101の詳細な構成について説明する。
図2は棒状部材供給装置101の蓋体12が閉鎖しているときの構成を示す斜視図、
図5Aは側面方向の断面図、
図5Bは正面方向(
図5AのA-A’矢視)の断面図である。また、
図3は棒状部材供給装置101の蓋体12が開放しているときの構成を示す斜視図、
図6Aは側面方向の断面図、
図6Bは正面方向(
図6AのB-B’矢視)の断面図である。なお、
図5A、
図5B、
図6A、
図6Bでは、摺動部材25(詳細は後述)が下限位置、即ち、後述する
図7Eの「L1」の位置とされている状態を示している。
また、
図5A、
図6Aでは、エーゼ41が収納されている様子を示し、
図5B、
図6Bでは、エーゼ41を省略している。
【0020】
本実施形態に係る棒状部材供給装置101は、複数のエーゼ41(棒状部材)を収納し、必要に応じてエーゼ41を一本ずつ取り出して外部へ放出する。
【0021】
図5A、
図5Bに示すように、本実施形態に係る棒状部材供給装置101は、収納部110と、該収納部110の下端部を支持する支持部111と、該支持部111の下方に設けられる昇降機構112から構成されている。
【0022】
<収納部110の構成>
収納部110は、収納容器11と、蓋体12と、L字金具51を有している。収納容器11は、中心軸が鉛直方向(上下方向)を向く円筒形状(中空の柱体形状)をなし、内部に複数のエーゼ41(
図10参照)を収納する。なお、収納容器11は、円筒形状に限定されるものではなく、中空の柱体形状、例えば、四角柱の筒体としてもよい。
【0023】
蓋体12は、収納容器11の上部に設けられ、蝶番52により収納容器11に連結されている。蓋体12は蝶番52の動作により
図2、
図5A、
図5Bに示す閉鎖状態、及び、
図3、
図6A、
図6Bに示す開放状態に切り替えることができる。
【0024】
蓋体12の内部の天端は、円錐形状(錐体形状)に形成された錐体面17とされており、該錐体面17の中央には、上方に貫通する上部貫通孔35が形成されている。蓋体12の上部には、固定具36(連通部材)が設けられている。該固定具36には、上部貫通孔35に連通する連通孔37が形成されている。
【0025】
図9は、錐体面17と上部貫通孔35、及び連通孔37の詳細な構成を示す説明図である。
図9に示すように、連通孔37は下端部37aが円形状をなし、上端部37bが矩形状を成している。前述したように、エーゼ41の上端部41cは扁平形状を成しているので、エーゼ41が上方に持ち上げられて、上部貫通孔35及び連通孔37を通過すると、エーゼ41は矩形状をなす上端部37bにより向きが規制される。このため、エーゼ41は、常に同一方向を向いて外部へ放出されることになる。
【0026】
図5B、
図6Bに戻って、収納容器11の上側の適所には、蓋体12の開放、閉鎖を検出するための開閉センサ18が設けられている。蓋体12が閉鎖しているときには、該開閉センサ18の検出片(図示省略)が作動して、蓋体12が閉鎖したことを示す閉鎖信号を制御部30に出力する。
【0027】
蓋体12の上方に設けられた固定具36には、エーゼ有無センサ33(上部センサ)が設けられている。エーゼ有無センサ33は、連通孔37を通して外部に放出されるエーゼ41の有無を検出する。エーゼ41が検出された場合には、制御部30にエーゼ検出信号を出力する。
【0028】
図2、
図3、
図5A、
図6Aに示すように、蝶番52には、平板状の金属を断面L字状に折り曲げたL字金具51が接続されている。L字金具51は、蝶番52と連動して回動する。
図2、
図5Aに示すように蓋体12が閉鎖しているときには、L字金具51は収納容器11の外側に位置している。即ち、L字金具51は収納容器11内におけるエーゼ41の収納スペースに干渉していない。
【0029】
また、
図3、
図6Aに示すように蓋体12が開放しているときには、L字金具51の先端部は、収納容器11の側面に矩形状に開口された開口窓53から収納容器11内に進入して、収納容器11内におけるエーゼ41の収納スペースに干渉する。L字金具51の先端部が収納容器11内のスペースに干渉することにより、操作者が蓋体12を開放して収納容器11内に複数のエーゼ41を収納する際のエーゼ41の収納数を制限する。換言すれば、所定数を超える本数のエーゼ41が収納容器11内に入れられることを阻止する。
【0030】
<支持部111の構成>
支持部111は、棒状部材供給装置100全体を、
図1に示した検体塗抹装置100の所望部位に固定するための部材である。支持部111は、円環状支持体13と、揺動部材26(逆錐体形状部)を備えている。
【0031】
円環状支持体13は、中央が開口された円環形状をなし、前述した収納容器11を支持する。
【0032】
揺動部材26は、円環状支持体13の中央開口部に設けられ、逆円錐形状(逆錐体形状)に切り欠かれている。揺動部材26は、後述するガイド棒15a、15b(
図5B、
図6B参照)に連結している。揺動部材26は、円環状支持体13の中央開口部にて、上下方向に揺動可能に配置されている。詳細には
図5Bに示すように、揺動部材26は、間隙pの範囲で上下方向に揺動する。
【0033】
<昇降機構112の構成>
昇降機構112は、2本の支柱16(
図5B、
図6B参照)と、底面部19と、駆動ユニット21と、スプリング31と、ストッパ34を備えている。
【0034】
支柱16は、断面が円形状をなす棒状の金属で形成されており、上端は円環状支持体13に連結され、下端は底面部19に連結されている。底面部19には、後述する駆動プーリ23aと対をなす従動プーリ23bが設置されている。支柱16の上端近傍には、駆動ユニット21が設置されている。
【0035】
図5A、
図6Aに示すように、駆動ユニット21は、支柱16に固定される固定用金具27と、該固定用金具27に固定されたステッピングモータ22と、該ステッピングモータ22の出力軸に連結されたプーリ28と、該プーリ28と連動して回転する駆動プーリ23aを備えている。
【0036】
駆動プーリ23a及び従動プーリ23bを連結するようにタイミングベルト24が巻回されている。タイミングベルト24には摺動部材25が接続されている。
【0037】
ステッピングモータ22は、制御部30より出力される制御信号により正転、逆転が制御される。また、所定の回転数で停止させることが可能である。従って、ステッピングモータ22の駆動を制御することによりタイミングベルト24を駆動させ、摺動部材25を上昇、下降させることができる。また、摺動部材25を所望の位置で停止させることができる。即ち、タイミングベルト24は、ステッピングモータ22の出力軸に、駆動プーリ23aを介して連結され、ステッピングモータ22の回転方向に応じて摺動部材25を上方向、及び下方向のいずれかに移動させる。
【0038】
摺動部材25には、上下方向に延在するシャフト14が連結されている。シャフト14は金属製であり、断面円形状の棒状をなしている。シャフト14の上端は、揺動部材26の中心に形成された開口部26a内に挿通されている。従って、シャフト14は、摺動部材25と連動して上下方向にスライド移動可能である。
【0039】
図8は、シャフト14の上端部の詳細な構成を示す説明図である。
図8に示すように、シャフト14の上端部は、内側が所定の深さまでくり抜かれた座繰り部14aとされている。該座繰り部14aの内径は、
図10に示したエーゼ41の下端部41aの直径よりも若干大きく形成されている。従って、エーゼ41の下端部41aは、座繰り部14a内に無理なく収容される。
【0040】
また、座繰り部14aの内径は、エーゼ41の上端部41cの幅よりも小さく形成されている。従って、仮に収納容器11内にエーゼ41が上下反対に収納されている場合には、エーゼ41の上端部41cは座繰り部14aの内部に収容されない。
【0041】
図5B、
図6Bに戻って、シャフト14に対して平行に、2本のガイド棒15a、15bが設けられている。各ガイド棒15a、15bの上端は、前述した揺動部材26に連結されている。各ガイド棒15a、15bの下端には、円環状をなすストッパ34が連結されている。該ストッパ34と底面部19との間にはスプリング31が設けられている。
ガイド棒15a、15bは、摺動部材25内に挿通している。従って、摺動部材25は、ガイド棒15a、15bにガイドされて上下方向にスライド移動する。
【0042】
摺動部材25は、ステッピングモータ22の作動により、後述する
図7A、
図7B、
図7C、
図7Eに示すように、基準位置L2、中間位置L3、上限位置L4、及び下限位置L1の、4つの位置に移動する。
図7Aに示す基準位置L2は、摺動部材25が下降したときの位置である。基準位置L2では、摺動部材25の下端とストッパ34が丁度接触する。従って、スプリング31によりストッパ34が上方に持ち上げられている。このため、2本のガイド棒15a、15b、及び揺動部材26は上方に位置している。
【0043】
図7Cに示す上限位置L4は摺動部材25が上限に達した位置である。上限位置では、シャフト14が上限に達することにより、該シャフト14の座繰り部14a内に導入されたエーゼ41が、連通孔37(
図5A参照)を通って上方に放出される。
【0044】
図7Eに示す下限位置L1は、基準位置L2よりも若干低い位置である。下限位置L1では、摺動部材25が基準位置L2よりも下方に移動することにより、スプリング31の付勢力に抗してストッパ34を下方に押し付ける。ストッパ34が下方に移動することにより、ガイド棒15a、15bに連結された揺動部材26が下方に移動する。即ち、
図5Bに示すように揺動部材26は、間隙pの距離だけ下方に移動する。
【0045】
図7Bに示す中間位置L3は、基準位置L2と上限位置L4の間に設定されている位置である。中間位置L3では、シャフト14により上昇したエーゼ41の先端が、エーゼ有無センサ33の検出位置よりもやや下方で停止する位置である。即ち、摺動部材25が中間位置L3で停止したときには、エーゼ有無センサ33はエーゼ41を検出しない。
【0046】
図5A、
図6Aに戻って、底面部19には、摺動部材25の有無を検出する下部センサ32が設けられている。下部センサ32は、ステッピングモータ22の回転に連動して上下方向に移動する摺動部材25を検出する。即ち、摺動部材25が基準位置L2に存在する場合には、これを検出して制御部30に下限位置検出信号を出力する。
【0047】
[本実施形態の作用の説明]
次に、上述のように構成された本実施形態に係る棒状部材供給装置101の動作を、
図11A、
図11Bに示すフローチャート、及び
図7A~
図7Eに示す動作図を参照して説明する。
図7A~
図7Eは、収納容器11内からエーゼ41を一本ずつ取り出す際の動作を示す説明図であり、
図7Aは摺動部材25が基準位置L2に存在している状態、
図7Bは摺動部材25が中間位置L3まで上昇した状態、
図7Cは摺動部材25が上限位置L4まで上昇した状態を示す。また、
図7Dはエーゼ41が上下逆向きとされたときに摺動部材25が中間位置L3まで上昇した状態を示し、
図7Eは摺動部材25が下限位置L1まで下降した状態を示す。
【0048】
図1に示した検体塗抹装置100を作動させる前の準備として、操作者は
図11Aに示すステップS11において、蓋体12を開けて収納容器11の上部を開放する。即ち、
図3、
図6A、
図6Bに示すように、蝶番52により蓋体12を約90°回転させて収納容器11の上部を開放する。
【0049】
ステップS12において、収納容器11内に複数のエーゼ41を収納する。この際、
図10に示したエーゼ41の下端部41aが下方となるようにして収納する。
【0050】
また、
図3、
図6Aに示したように、蓋体12が開放されることにより、L字金具51が開口窓53から収納容器11内に進入し、該収納容器11内のエーゼ41の収納スペースに干渉する。従って、収納容器11内に上限を超える本数のエーゼ41を収納することができない。
【0051】
換言すれば、収納容器11内に上限以上のエーゼ41が収納されることを回避することができる。このため、収納容器11内に多数のエーゼ41が収納されることによるエーゼ41の詰まりを防止することができる。
【0052】
ステップS13において、操作者は、蓋体12を閉めて収納容器11の上部を閉鎖する。即ち、蓋体12を開放時とは反対の方向に回転させて収納容器11の上部を閉鎖する。この際、開閉センサ18がオンとなるので、該開閉センサ18より閉鎖信号が制御部30に送信される。
【0053】
ステップS14において、制御部30は、開閉センサ18より出力される閉鎖信号が受信されたか否かを判定する。閉鎖信号が受信されていない場合には(ステップS14でNO)、ステップS13に処理を戻す。
【0054】
一方、閉鎖信号が受信された場合には(ステップS14でYES)、ステップS15において、制御部30はステッピングモータ22を作動させて、摺動部材25を基準位置L2に移動させる。
【0055】
ステップS16において、制御部30は、下部センサ32より摺動部材25が基準位置L2に達したことを示す下限位置検出信号が受信されたか否かを判定する。摺動部材25が基準位置L2に達すると、
図7Aに示すように、シャフト14の上端部が丁度揺動部材26の開口部26aの入り口付近に位置する。このため、収納容器11内に収納されている複数のエーゼ41のうちの一本のエーゼ41が逆円錐形状を成す揺動部材26の中央部に導入され、更には
図8に示したように該エーゼ41の下端部41aが、シャフト14の座繰り部14a内に入り込む。
【0056】
ステップS17において、摺動部材25の昇降回数を示すパラメータとして用いる変数nを、n=1に設定する。
【0057】
ステップS18において、制御部30は、ステッピングモータ22を駆動させて摺動部材25を中間位置L3まで上昇させる。その結果、
図7Bに示すようにエーゼ41の上端部は、エーゼ有無センサ33よりも若干下方となる位置に達することになる。
【0058】
図11Bに示すステップS19において、制御部30は、エーゼ有無センサ33より出力されるエーゼ検出信号が受信されたか否かを判定する。エーゼ検出信号が受信された場合には(ステップS19でYES)、ステップS20に処理を進め、そうでなければ(ステップS19でNO)、ステップS21に処理を進める。
【0059】
ステップS20において、制御部30は、エラー信号を出力する。即ち、
図7Bに示すように、摺動部材25が中間位置L3で停止した場合には、エーゼ41の先端部は蓋体12の上部から放出されない。従って、エーゼ41が正常に上昇している場合には、エーゼ有無センサ33は、エーゼ41を検出しない。
【0060】
一方、
図7Dに示すように、収納容器11内にエーゼ41が上下逆方向に収納されている場合には、シャフト14の先端部でエーゼ41を上方に移動させることになる。即ち、エーゼ41がシャフト14の座繰り部14a内に収納されずにエーゼ41が上昇する。摺動部材25が中間位置L3で停止したときには、既にエーゼ41の一部は蓋体12の上方へ放出されることになる。このため、エーゼ有無センサ33はエーゼ41を検出する。このような場合にはエラー信号を出力することにより、エーゼ41に異常が発生していることを報知する。例えば、図示省略のディスプレイなどに異常の発生を表示したり、ブザーを鳴動させることにより、操作者に対して異常の発生を報知する。
【0061】
ステップS21において、制御部30は、摺動部材25を再度上昇させて
図7Cに示すように上限位置L4まで移動させる。その結果、エーゼ41は蓋体12の外部に放出される。また、前述したようにエーゼ41は一定の方向を向いて放出される。
【0062】
ステップS22において、制御部30は、エーゼ有無センサ33よりエーゼ検出信号が出力されているか否かを判定する。出力されている場合には(ステップS22でYES)、ステップS23に処理を進め、そうでなければ(ステップS22でNO)、ステップS26に処理を進める。
【0063】
ステップS23において、制御部30は、現在の状態で待機する。即ち、エーゼ有無センサ33よりエーゼ検出信号が出力されているということは、蓋体12の連通孔37よりエーゼ41が所定の向きを向いて正常に放出されたものと判断できる。このため、この状態を維持して待機する。
図1に示したロボットアーム104により、エーゼ41を把持することができる。その後、ステップS24において、制御部30は、エーゼ検出信号が出力されているか否かを再度判定する。検出されている場合には(ステップS24でYES)、ステップS23に処理を戻す。即ち、放出されたエーゼ41はロボットアーム104により把持されていないので、待機状態を継続する。
【0064】
エーゼ検出信号が検出されない場合には(ステップS24でNO)、ステップS25において制御部30は、摺動部材25を基準位置L2まで下降させる。その後、
図11Aに示したステップS16からの処理を繰り返す。
【0065】
一方、ステップS22の処理で、エーゼ有無センサ33よりエーゼ検出信号が出力されていないと判定された場合には、ステップS26において、制御部30は、
図7Eに示すように、摺動部材25を下限位置L1まで下降させる。前述したように、下限位置L1は、基準位置L2よりも間隙pだけ低い位置である。摺動部材25が基準位置L2よりも下方に移動すると、該摺動部材25はストッパ34を下方に押圧し、スプリング31の付勢力に抗して下限位置L1まで下降する。摺動部材25が下限位置L1まで下降することにより、2本のガイド棒15a、15bは下降する。このため、揺動部材26は、間隙pだけ下方に移動する。このため、収納容器11内のエーゼ41が揺さぶられ、揺動部材26内に落ちやすくなる。
【0066】
ステップS27において、制御部30は、変数nがn=3であるか否かを判定し、n=3でなければ、ステップS28において制御部30はn=n+1として、
図11Aに示したステップS18に処理を戻す。その後、ステップS22の処理において、エーゼ検出信号がオンとなれば、ステップS23以降の処理を実施する。
【0067】
また、ステップS22の処理で再度エーゼ検出信号がオンとならない場合には、再度ステップS26以降の処理が行われる。そして、ステップS27の処理で「n=3」となった場合には、ステップS29において、エーゼ無しと判定し、収納容器11内のエーゼ41が空になったことをディスプレイ表示や音声にて操作者に知らせる。即ち、エーゼ41(棒状部材)が無いことを報知する報知信号を出力する。その後、エーゼ41の供給処理を終了する。
【0068】
即ち、ステップS22の処理でエーゼ検出信号がオンとならない場合(ステップS22でNOとなる場合)の理由として、2つの理由が考えられる。一つ目は、収納容器11内にて複数のエーゼ41が互いに干渉しあって、エーゼ41がうまくシャフト14の座繰り部14a内に導入されない場合である。二つ目は、収納容器11内のエーゼ41が空となった場合である。
【0069】
本実施形態では、このような場合には、摺動部材25を通常の上昇開始位置である基準位置L2よりも若干低い位置である下限位置L1まで下降させ、揺動部材26を上下に間隙pだけ往復させることで、揺動部材26の近傍に存在するエーゼ41に揺さぶりをかけて、エーゼ41が揺動部材26の中央に落ちやすくする。そして、この動作を3回繰り返して(即ち、n=3となるまで)実行し、エーゼ41が検出されない場合に、収納容器11内のエーゼ41が空になったものと判断する。こうして、収納容器11内に収納されている複数のエーゼ41を一本ずつ取り出して、外部に放出することができるのである。
【0070】
[本実施形態の効果の説明]
このようにして、本実施形態に係る棒状部材供給装置101では以下に示す効果を達成することが可能である。
【0071】
(1)
収納容器11の下方に、逆円錐形状を成す揺動部材26が設けられており、該揺動部材26の中央開口部から下方に向けて落ちたエーゼ41を、シャフト14の上端に形成された座繰り部14a内に挿入し、シャフト14を上昇させることにより、1本のエーゼを蓋体12の上部に形成された連通孔37より放出するので、エーゼ41を一本ずつ取り出して確実外部へ放出することが可能となる。このため、検体塗抹装置100で使用する場合に、エーゼ41の供給が停止して装置の作動が滞るという問題の発生を回避することができる。
【0072】
(2)
揺動部材26は、間隙p(
図5B参照)の範囲で上下に揺動可能とされているので、収納容器11内において複数のエーゼ41が互いに絡み合ってエーゼ41の下端部が座繰り部14a内に円滑に導入されない場合であっても、揺動部材26が上下に揺動することにより、確実に揺動部材26の中央の開口部26aに落とし込んで、座繰り部14a内に導入することが可能となる。
【0073】
(3)
タイミングベルト24に摺動部材25を連結し、且つステッピングモータ22によりタイミングベルト24を作動させて、摺動部材25を上下方向に移動させるので、摺動部材25を予め設定した位置、具体的には、下限位置L1、基準位置L2、中間位置L3、及び上限位置L4にて高精度に停止させることができ、収納容器11内から確実にエーゼ41を外部に放出することが可能となる。
【0074】
(4)
蓋体の上方には、
図9に示したように、下端部37aが円形状をなし、上端部37bが矩形状をなす連通孔37が形成されている。従って、シャフト14により上方に持ち上げられたエーゼ41は連通孔37を通過することにより、該エーゼ41の向きが規制され、一定の方向を向いて外部へ放出されることになる。従って、
図1に示したロボットアーム104を用いてエーゼ41を把持する際の精度を向上させることが可能となる。
【0075】
(5)
図7Dに示したように、摺動部材25が中間位置L3にて停止した際に、蓋体12の上方に設けられたエーゼ有無センサにてエーゼ41が検出された場合には、エーゼ41が上下逆方向に入れられているものと判断できるので、操作者が誤って収納容器11内にエーゼの向きを反対に入れた場合でも、確実にこれを検出して操作者に知らせることができる。
【0076】
(6)
摺動部材25が上限位置L4まで上昇したときに、エーゼ有無センサ33にてエーゼ41が検出されない場合には、収納容器11内のエーゼが空になっているものと判断するので、エーゼ41が空になったことを迅速に操作者に知らせることができる。このため、操作者はいち早くエーゼ41の補給を行うことが可能となる。
【0077】
(7)
揺動部材26を上下方向に揺動させるので、収納容器11内で複数のエーゼ41が互いに絡み合って、エーゼ41が下方に落ちない場合でも、揺動部材26が揺動することにより、一本のエーゼ41を確実に下方に落とすことができる。従って、シャフト14を上下方向に移動させた際にエーゼ41が外部に放出されない、という問題を回避することができる。
【0078】
(8)
蓋体12を開放、閉鎖するための蝶番52に、L字金具51を連結しており、蓋体12が開放されたときには、L字金具51は開口窓53から収納容器11内に進入して該収納容器11内にスペースに干渉するので、操作者が必要以上のエーゼ41を収納容器11内に入れることを阻止することができる。このため、収納容器11内のエーゼ41が過多となることによりエーゼ41が下方に落ちない、という問題の発生を回避することが可能となる。
【0079】
以上、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【符号の説明】
【0080】
11 収納容器
12 蓋体
13 円環状支持体
14 シャフト
14a 座繰り部
15a、15b ガイド棒
16 支柱
17 錐体面
18 開閉センサ
19 底面部
21 駆動ユニット
22 ステッピングモータ
23a 駆動プーリ
23b 従動プーリ
24 タイミングベルト
25 摺動部材
26 揺動部材(逆錐体形状部)
26a 開口部
27 固定用金具
28 プーリ
30 制御部
31 スプリング
32 下部センサ
33 エーゼ有無センサ(上部センサ)
34 ストッパ
35 上部貫通孔
36 固定具(連通部材)
37 連通孔
41 エーゼ
51 L字金具
52 蝶番
53 開口窓
100 検体塗抹装置
101 エーゼ供給装置(棒状部材供給装置)
102 シャーレ供給スタッカ
103 シャーレ収納スタッカ
104 ロボットアーム
105 検体収納容器
106 シャーレ
110 収納部
111 支持部
112 昇降機構
p 間隙