(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】コンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
B63B 25/00 20060101AFI20231201BHJP
【FI】
B63B25/00 101A
(21)【出願番号】P 2021531507
(86)(22)【出願日】2019-07-26
(86)【国際出願番号】 CN2019097825
(87)【国際公開番号】W WO2020107914
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-07-13
(31)【優先権主張番号】201811460681.4
(32)【優先日】2018-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521236977
【氏名又は名称】上海成業智能科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲ウー▼ 承基
(72)【発明者】
【氏名】方 紅星
(72)【発明者】
【氏名】呂 凱
(72)【発明者】
【氏名】程 鏗
(72)【発明者】
【氏名】王 勇
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-175149(JP,A)
【文献】登録実用新案第3086801(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第104227726(CN,A)
【文献】中国実用新案第204264989(CN,U)
【文献】国際公開第2017/072829(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイド筒(3)と、前記ガイド筒(3)内部に取り付けられた二方向伸縮部材(1)と、二方向伸縮部材連結棒(2)と、ガイド柱(4)と、自在継手(5)と、磁気制御グリッパー(6)と、少なくとも1つの磁気制御ヘッド(7)とを含むコンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置であって、
前記二方向伸縮部材(1)が前記ガイド筒(3)の上端に設けられ、前記二方向伸縮部材(1)の下部に前記二方向伸縮部材連結棒(2)が連結され、前記二方向伸縮部材連結棒(2)に前記ガイド柱(4)が連結され、前記ガイド柱(4)の下部に前記自在継手(5)が固着され、前記自在継手(5)の下部に前記磁気制御グリッパー(6)が連結され、
前記磁気制御グリッパー(6)の下部に、前記磁気制御グリッパー(6)が選定されたロックピンへ押し付けられるときに選定されたロックピンを吸着するように構成された前記磁気制御ヘッド(7)が少なくとも1つ付装され、前記磁気制御グリッパー(6)の上縁にガイド坂(61)が設けられて
おり、前記ガイド坂は前記磁気制御グリッパーとガイド筒の内壁との間隔を広げるために用いて、これにより、下へ押し付けてロックピンを取り出す場合、前記磁気制御グリッパーは自在継手の牽引下で、前記ロックピンの外形に追従して角度を変更することが可能になり、且つ取り出された前記ロックピンが解放された後、前記磁気制御グリッパーがスムーズに前記ガイド筒内に引っ込められることが可能になる、コンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置。
【請求項2】
前記ガイド筒(3)が磁気シールド材料により製造される、請求項1に記載のコンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置。
【請求項3】
前記二方向伸縮部材(1)が、電力により駆動されるか、或いは空気圧により駆動される、請求項1に記載のコンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置。
【請求項4】
前記磁気制御グリッパー(6)の下部に付装された各々の前記磁気制御ヘッド(7)が、永久磁石吸引の磁気制御ヘッドである、請求項1に記載のコンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置。
【請求項5】
前記磁気制御グリッパー(6)の下部に付装された各々の前記磁気制御ヘッド(7)が、電磁吸引構造の磁気制御ヘッドである、請求項1に記載のコンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のコンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置に用いられる制御方法であって、
コンテナロックピンバスケットを第1所定位置まで搬送すると、前記インテリジェント仕分け装置が選定されたロックピンの上方に移動して第2所定位置まで降下するステップと、
前記磁気制御グリッパー(6)が選定されたロックピンに密着するまで、前記二方向伸縮部材(1)が前記磁気制御グリッパー(6)を押し下げるステップと、
前記インテリジェント仕分け装置が選定されたロックピンを取り出して、取り出したロックピンを第3所定位置まで搬送するステップと、
前記インテリジェント仕分け装置がロックピンを取り出して第3所定位置まで移動した後に、所定高さまで降下するステップと、
前記二方向伸縮部材(1)が前記磁気制御グリッパー(6)を前記ガイド筒(3)内に引き戻し、前記磁気制御ヘッド(7)をロックピンから離脱させて、ロックピンを第4所定位置に落下させるステップと、を含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2018年12月01日に中国特許庁へ提出された出願番号201811460681.4の中国特許出願の優先権を主張し、上記出願の全ての内容が引用により本開示に援用される。
【0002】
本発明は、自動制御の技術分野に属し、磁気制御デバイスおよび材料インテリジェント仕分け制御方法に関し、たとえば、コンテナロックピンに用いられるインテリジェント磁気制御ロックピン仕分け装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0003】
世界経済が徐々に回復していくのに伴い、海上運輸量は着実に上昇し、港のコンテナ積み卸し量も絶えず増加している。しかし、物価、労働力などのコストの増加が速いため、港の限界利益は低下傾向にある。そのため、港は、ハイテクノロジーを利用して利益を求める必要がある。モノのインターネットの急速な発展に伴い、港の積み卸し自動化作業は、さらに発展し、特に全自動作業の「無人化埠頭」を実現し、埠頭のコスト低下・利益向上のために非常に良い技術手段を提供している。特に、スループットの大きい港は、「無人化埠頭」への改造に積極的である。現在、中国では、多くの港が埠頭の「無人化」を実現しながら、顕著なコスト低下・利益向上効果を得ている。
【0004】
しかしながら、「無人化埠頭」には、コンテナロックピン(旋回ロック、固定ロック、ロック、ロックピン(Lockpin)などとも呼ばれる)の着脱作業がある。当該着脱作業は、目立たないが、埠頭でのコンテナの積み卸し時に不可欠な作業手順であるため、埠頭の自動化が真の意味での「無人化」を実現することができない。
【0005】
コンテナを船に積む時は、コンテナの傾き倒れ、スリップを防止するために、コンテナを揃えて、上下のコンテナ間にロックピンを用いて本体の4つの角部で連結しなければならない。その作業手順は、以下の通りである。コンテナトラックがコンテナを埠頭の船の付近に搬送した時に、コンテナ底部の4つの角部に4つのロックピンを取り付けてから、埠頭の吊り橋でコンテナを吊り上げて船へ積む必要がある。このように、各々のコンテナを下層のコンテナに重畳すると、ロックピンが自動的に連結して下層のコンテナをロックする。コンテナを船から卸してコンテナヤードに搬送する時は、コンテナ底部の4つのロックピンを取り除いて、コンテナトラックまたはストラドルキャリヤーで埠頭コンテナヤードへ搬送する必要がある。
【0006】
現在、このような作業手順は、いずれも手動作業であり、従来の埠頭であっても無人化埠頭や自動化埠頭であっても、いずれも手動でコンテナロックピンを着脱する。吊り橋ごとに、1交替ずつ作業員が2人で、一日三交替制であるので、8人が必要となる(補欠作業員を含む)。
【0007】
港の積み卸し技術分野では、コンテナロックピンの着脱は、埠頭自動化技術における解決されにくいボトルネック問題であることが知られている。現在、船用コンテナロックピンの使用状況は非常に複雑であり、ロックピンの具体的な構造は、国際的に統一的な基準がない。中国の関連規準によると、コンテナロックピンは、大まかに分離型、一体型、半自動型および全自動型に分けられている。一部の固定型連結ロックが存在することを考慮すると、取り外しの必要があるコンテナロックピンは、少なくとも6つのタイプで100種以上がある。各海上運輸会社間の競争関係に加えて、海上運輸会社によってコンテナロックピンの構造形態が異なっていることが多い。異なる船舶の生産時期はそれぞれ異なり、異なる海上運輸会社が同じ航路を共同で運営するなどの理由により、同じ航路でも船舶によってコンテナロックピンの形態が異なる可能性がある。ひいては、同じ船舶であっても、コンテナロックピンが消耗した後に、補充されるロックピンは、元のロックピンと同じであるとは限らないため、同じ船舶において形態が異なるコンテナロックピンが装着されている。また、ロックピンの補強ニーズが異なるため、同じコンテナの異なるピン穴のロックピンの形態も同じとは限らない。例えば、甲板上のダブル20フィートコンテナでは、その外部の2つの角部における回転ロックと内部の2つの角部における連結ロックとは、形態が完全に異なる。これから分かるように、完全対応可能な自動化ロックピン着脱装置を開発することは極めて困難で、全世界でロックピン自動化着脱を完全に実現することを可能とする装置およびシステムはない。
【0008】
勿論、業界内のエンジニアは、八方手を尽くしてロックピンの自動化や無人化作業の実現を試みている。例えば、積み替えプラットフォームによりマニピュレータでロックピンを着脱する設計がされているが、これほど多くの種類のロックピンの自動仕分けおよび識別、対応の問題を解決することができず、依然として人工で補助作業を行う必要がある。
【0009】
そのため、実際に適用可能なコンテナロックピン自動仕分け・取り出し・整理装置を開発して「無人化埠頭」に無人作業を真の意味で実現させることは、埠頭の積み卸しエンジニアが夢にまで願う目標である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、コンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置およびその制御方法を提供する。磁気制御ロックピングリッパーを用いることにより、コンテナロックピンのタイプをインテリジェント識別する上で、システムのコマンドに従い、ロックピンバスケット内の合致したロックピンを選択してロックピンバスケットから取り出した後、所定位置まで搬送することで、ロックピンのインテリジェント自動仕分け・整理を実現しながら、上述した従来技術に存在したコンテナロックピンの自動仕分け、識別および対応の問題を解決することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、ガイド筒、前記ガイド筒の内部に取り付けられた二方向伸縮部材と、二方向伸縮部材連結棒と、ガイド柱と、自在継手と、磁気制御グリッパーと、少なくとも1つの磁気制御ヘッドとを含むコンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置であって、
前記二方向伸縮部材が前記ガイド筒の上端に設けられ、前記二方向伸縮部材の下部に前記二方向伸縮部材連結棒が連結され、前記二方向伸縮部材連結棒に前記ガイド柱が連結され、前記ガイド柱の下部に前記自在継手が固着され、前記自在継手の下部に前記磁気制御グリッパーが連結され、
前記磁気制御グリッパーの下部に、前記磁気制御グリッパーが選定されたロックピンへ押し付けられるときに選定されたロックピンを吸着するように構成された前記磁気制御ヘッドが少なくとも1つ付装されている、コンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置を提供する。
【0012】
本発明は、コンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置に用いられる制御方法であって、
コンテナロックピンバスケットを第1所定位置まで搬送すると、前記インテリジェント仕分け装置が選定されたロックピンの上方に移動して第2所定位置まで降下するステップと、
前記磁気制御グリッパーが選定されたロックピンに密着するまで、前記二方向伸縮部材が前記磁気制御グリッパーを押し下げるステップと、
前記インテリジェント仕分け装置が選定されたロックピンを取り出して、取り出したロックピンを第3所定位置まで搬送するステップと、
前記インテリジェント仕分け装置がロックピンを取り出して第3所定位置まで移動した後に所定高さまで降下するステップと、
前記二方向伸縮部材が前記磁気制御グリッパーを前記ガイド筒内に引き戻し、前記磁気制御ヘッドをロックピンから離脱させて、ロックピンを第4所定位置に落下させるステップと、を含む制御方法をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係るコンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置の構造模式図である。
【
図2】本発明に係るコンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置の制御フローチャートである。
【符号の説明】
【0014】
1、二方向伸縮部材
2、二方向伸縮部材連結棒
3、ガイド筒
4、ガイド柱
5、自在継手
6、磁気制御グリッパー
7、磁気制御ヘッド
61、ガイド坂
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に示すように、本発明は、磁気制御グリッパー6が設けられたコンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置を提供する。磁気制御グリッパー6の下部に3つの磁気制御ヘッド7が付装されている。磁気制御ヘッド7の数が実際のニーズに応じて増減可能である。磁気制御グリッパー6の上部に自在継手5が取り付けられている。自在継手5がガイド柱4の下部に固定されている。
【0016】
ガイド筒3は、本発明に係るロックピン磁気制御インテリジェント仕分け装置の本体である。ガイド筒3の上端に二方向伸縮部材1が固着されている。二方向伸縮部材1の下部に二方向伸縮部材連結棒2が連結されている。二方向伸縮部材連結棒2が二方向伸縮部材1の作動部材であり、二方向伸縮部材連結棒2にガイド柱4が連結されている。ガイド柱4に自在継手5が連結され、磁気制御グリッパー6が自在継手5を介してガイド柱4に連結されている。
【0017】
本実施例において、前記二方向伸縮部材1は、上下方向に沿って伸縮可能となるように構成されている。前記二方向伸縮部材1は、油圧伸縮ロッド、空気圧伸縮ロッド、電動伸縮ロッドなどであってもよい。
【0018】
一実施例において、二方向伸縮部材連結棒2の下部にガイド柱4が連結されている。
【0019】
磁気制御グリッパー6が選定されたロックピンへ押し付けられると、磁気制御グリッパー6に連結された自在継手5が磁気制御グリッパーを合致するロックピンの外形に適応させ、磁気制御ヘッド7が選定されたロックピンをしっかりと吸着しながら、ロックピンをロックピンバスケットから取り出す。
【0020】
磁気制御グリッパー6とガイド筒3の内壁との間隔を広げるために、磁気制御グリッパー6の上縁にガイド坂61が設けられており、自在継手5の牽引下でロックピンの外形に追従して角度を柔軟に変更することができる。そのため、磁気制御ヘッド7がロックピンに密着してしっかりと把持するとともに、取り出されたロックピンを解放する時にスムーズにガイド筒内に引っ込められることを確保する。
【0021】
本実施例において、前記ガイド坂61は、前記磁気制御グリッパー6の上縁に沿って環形に設けられてもよい。ガイド筒3の形状に応じ、前記ガイド坂61は、円形または方形に設けられてもよい。前記ガイド坂61は、上から下へ前記二方向伸縮部材連結棒2から離れる方向に向かって傾斜するように設けられている。
【0022】
ガイド筒3は、磁気シールド材料により製造されてもよい。前記コンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置の外に磁気シールド材料により製造されたガイド筒が設けられているので、制限されずにあらゆる型番のロックピンの取り出しに適応することができる。
【0023】
二方向伸縮部材1の駆動形態は、電力駆動、空気圧駆動または他の動力駆動であってもよい。
【0024】
磁気制御グリッパー6の下部に付装された磁気制御ヘッド7は、永久磁石吸引材料により製造されるものであってもよいし、電磁吸引構造であってもよい。
【0025】
本発明に係るコンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置の作動手順は、以下の通りである。
【0026】
ロックピン磁気制御インテリジェント仕分け装置は、ロックピン取り出しコマンドを得ると、ロックピンバスケット内の選定された取り出し待ちのロックピンの上方まで移動して降下する。そして、二方向伸縮部材1が二方向伸縮部材連結棒2を押し出し、ガイド柱4が下へ移動し、磁気制御グリッパー6がガイド筒3から張り出し、磁気制御グリッパー6が選定されたロックピンへ押し付けられ、磁気制御グリッパー6に連結された自在継手5が磁気制御グリッパーを各種類のロックピンの外形に適応させ、磁気制御ヘッド7が選定されたロックピンをしっかりと吸着しながら、ロックピンバスケットから取り出す。
【0027】
ロックピン磁気制御インテリジェント仕分け装置は、システムプログラムに従い、取り出されたロックピンを所定位置まで搬送し降下すると、二方向伸縮部材1が収縮し、二方向伸縮部材連結棒2が二方向伸縮部材に戻り、ガイド柱4が上へ移動し、磁気制御グリッパー6がガイド筒3に引っ込む。取り出されたロックピンの体積がガイド筒3よりも大きいので、磁気制御グリッパー6がガイド筒3内に引っ込んだ際に、磁気制御ヘッド7がロックピンから引き離されることで、ロックピンを所定位置に置くことができる。
【0028】
磁気制御グリッパー6の上縁にガイド坂61が設けられているので、下へ押し付けてロックピンを取り出す場合、ガイド坂61が磁気制御グリッパー6とガイド筒3の内壁との間隔を広げ、自在継手5の牽引下で、ロックピンの外形に追従して角度を柔軟に変更することができる。そのため、磁気制御ヘッド7がロックピンに密着して各種の型番のロックピンをしっかりと把持することを確保することができる。磁気制御グリッパー6を引き戻す際に、磁気制御グリッパー6をスムーズにガイド筒3内にガイドし、ガイド筒の筒壁により阻止されることない。
【0029】
図2に示すように、本発明は、コンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置の制御方法をさらに提供する。その制御手順は、以下の通りである。コンテナロックピンバスケットを所定位置まで搬送すると、インテリジェント仕分け装置がロックピン取り出しコマンドを受信し、ロックピンバスケット内の合致したロックピンを選択し、当該ロックピンの上方に移動して所定位置まで降下する。その後、二方向伸縮部材が起動され、取り出そうとするロックピンに密着するまで、磁気制御グリッパーを押し下げる。このとき、インテリジェント仕分け装置が引き上げプログラムを開始し、選定されたロックピンを引き上げて、ロックピンバスケットから離れるように命令し、取り出されたロックピンを所定位置まで搬送する。
【0030】
インテリジェント仕分け装置がロックピンを取り出して所定位置まで移動した後、所定高さに降下し、プログラムに従って二方向伸縮部材の逆方向収縮を開始する。磁気制御グリッパーをガイド筒内に引き戻した際に、二方向伸縮部材が収縮し続け、磁気制御ヘッドをロックピンから離脱させ、ロックピンを所定位置まで落下させることで、インテリジェント仕分け装置がロックピンの取り出し・搬送を完成して、元の位置に戻る。
【0031】
本発明に係るコンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置の制御方法の基本手順・原理は、以下の通りである。
【0032】
本発明に係るコンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置は、二方向伸縮部材、ガイド柱、自在継手、磁気制御グリッパーおよび磁気制御ヘッドから、コンテナロックピンを磁気吸着可能となるように構成された装置であり、外に磁気シールド材料により製造されたガイド筒が設けられているので、制限されずにあらゆる型番のロックピンの取り出しに適応することができる。ロックピンの型番の識別から始まり、コマンドを受信した後、バスケット内の所定ロックピンを探し出す。二方向伸縮部材により磁気制御ヘッドを押して当該ロックピンを吸着するとともに、ロックピンバスケットから取り出して、所定位置まで搬送する。その後、二方向伸縮部材を起動させ、磁気制御ヘッドを収縮させてロックピンから離脱させ、所定ロックピン(同じ型番)を所定位置まで搬送して、全過程を自動的に完成することができる。
【0033】
以下、
図2を結び付けて本発明に係る各主要手順の関係について説明する。
【0034】
(1)コンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置は、所定ロックピン探し出しコマンドを受信すると、所定ロックピンが所在する位置まで自動的に移動し、コンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置の当該自動ロックピン取り出しプログラムを開始する。
【0035】
(2)ロックピンの取り出し:コンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置が取り出しプログラムを開始して、二方向伸縮部材が下へ二方向伸縮部材連結棒を押し出して、磁気制御グリッパーがガイド筒から張り出し、所定ロックピンに位置合わせ、全ての磁気制御ヘッドがしっかりとロックピンを吸着するまで、ロックピンを押し下げ続けた後、二方向伸縮部材が押し下げを停止し、コンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置全体が上昇して、ロックピンがロックピンバスケットから離れる。
【0036】
(3)ロックピンの搬送:ロックピンが上昇してロックピンバスケットから離れ、搬送プログラムを開始する。ロックピンが所定の経路または固定搬送施設に沿って、ロックピンを置く所定位置へ移動して、所定位置まで搬送される。
【0037】
(4)ロックピンの置き:ロックピンが所定位置まで搬送されると、ロックピン離脱プログラムを開始する。二方向伸縮部材が上に向かって二方向伸縮部材連結棒を引き戻して、磁気制御グリッパーがガイド筒に引っ込む。ロックピンがガイド筒に阻止されると、磁気制御グリッパーを収縮させ続け、磁気制御ヘッドがロックピンから引き離されてロックピンを所定位置に置く。その後、二方向伸縮部材が引っ込み動作を停止する。
【0038】
(5)コンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置が元の位置に戻る。
【0039】
実際の適用において、本発明に係るコンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置の制御方法の主要手順は以下の通りである。
【0040】
1、本装置がロックピン取り出しコマンドを受信すると、プログラムの位置コマンドに従い、所定ロックピンの位置の上方に移動して降下し、ロックピン取り出しプログラムを開始する。
【0041】
2、ロックピン取り出しプログラムを開始すると、内蔵された設定に従い、二方向伸縮部材が押し下げ機能を開始し、磁気制御グリッパーがロックピンにしっかりと押し付けられ続けて、磁気制御ヘッドが所定ロックピンに密着して吸着し、ロックピンを引き上げた後、次のステップに進む。
【0042】
3、ロックピンが取り出されてロックピンバスケットから離れると、システムが搬送プログラムを開始する。コンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置が取り出されたロックピンを所定の位置まで搬送して降下した後、プログラムが次のステップに進む。
【0043】
4、ロックピンが所定位置まで搬送されると、システムがロックピン離脱プログラムを開始する。二方向伸縮部材が収縮機能を開始し、ガイド筒がロックピンを阻止し、磁気制御ヘッドがロックピンから離脱するまで、磁気制御グリッパーがガイド筒に引っ込み続け、ロックピンの自動取り出し、搬送および所定位置への置きを完成する。装置が開始位置に戻り、再度循環してロックピンの自動取り出しおよび搬送を実施するために備える。
【0044】
一実施例において、前記コンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置の制御方法は、以下のステップを含む。
【0045】
コンテナロックピンバスケットが第1所定位置まで搬送されると、前記インテリジェント仕分け装置を選定されたロックピンの上方に移動させて第2所定位置まで降下させる。磁気制御グリッパーが選定されたロックピンに密着するまで、二方向伸縮部材が磁気制御グリッパーを押し下げる。インテリジェント仕分け装置が選定されたロックピンを取り出して、取り出したロックピンを第3所定位置まで搬送する。
【0046】
前記インテリジェント仕分け装置がロックピンを取り出して第3所定位置まで移動した後、所定高さまで降下する。二方向伸縮部材が磁気制御グリッパーをガイド筒内に引き戻し、磁気制御ヘッドをロックピンから離脱させて、ロックピンを第4所定位置に落下させる。本発明に係るコンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置および制御方法を用いることにより、型番が異なるロックピンを自動的に仕分けすることができるとともに、型番の違いによりロックピンを取り出す治具を交換する必要がなく、人工を完全に代替して各種類のロックピンの取り出しに適応、対応することを実現した。1つのロックピンバスケット内のロックピンが同じタイプでなくても、自在に取り出せ、自動的に所定位置まで搬送することができ、コンテナロックピンの自動仕分けのボトルネックを突破した。
【0047】
本発明に係るコンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置は、磁気制御ロックピングリッパーを用いるものである。磁気制御ロックピングリッパーが取り出しコマンドを取得すると、コンテナロックピンバスケット内の取り出そうとするロックピンに位置合わせて、二方向伸縮部材が磁気制御グリッパーを押し下げ、ロックピンがしっかりと吸着されるまで圧力を維持した後、当該ロックピンを引き上げて所定ロックピンを置く位置に移動する。その後、二方向伸縮部材が再度と起動され、上へ磁気制御グリッパーを引き上げて、装置に磁気吸着されたロックピンがガイド筒により阻止されて脱落することで、取り出しおよび所定位置への搬送過程を自動的に完成する。
【0048】
本発明に係るコンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置は、磁気制御グリッパーを用いることにより、人工を代替して各種類のロックピンの取り出しに適応、対応することができ、複数種のロックピンは複数種の治具を用いて適応する必要があるものの、頻繁に治具を交換することができないという問題を解決することができる。1つのロックピンバスケット内のロックピンが同じタイプではなくても、本装置は、自在に取り出すことができる。
【0049】
本発明は、独特なAIアルゴリズムを組み込み、AI技術の強大な機能を十分に利用し、ロックピンバスケット内のロックピンを走査することにより、異なるタイプのロックピンを識別し、作業に必要となるロックピンの型番を合致させ、仕分けコマンドを磁気制御仕分け装置に送信し、磁気制御仕分け装置によりロックピンバスケット内から該当するロックピンを取り出して、所定位置まで搬送する。
【0050】
本発明に係るコンテナロックピン用磁気制御インテリジェント仕分け装置およびその制御方法によれば、コンテナロックピンのタイプに対するインテリジェント識別を実現することができるだけでなく、システムに設定されたコマンドに従い、合致したロックピンを自動的に選択し、ロックピンバスケットから取り出して所定位置まで搬送することで、ロックピンのインテリジェント自動仕分け・整理を実現することができる。