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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20231201BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
A63F7/02 320
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022157441
(22)【出願日】2022-09-30
(62)【分割の表示】P 2019190967の分割
【原出願日】2019-10-18
(65)【公開番号】P2022173477
(43)【公開日】2022-11-18
【審査請求日】2022-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】岩本 勲
【審査官】小濱 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-140624(JP,A)
【文献】特開2019-170713(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光手段と、
前記発光手段の輝度値を変更する操作が可能な操作手段と、
前記発光手段を制御する発光制御手段と、
演出表示手段と、
前記演出表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、
前記演出表示手段は、電源投入がされると特定動作を行い、
前記演出表示手段特定動作を行う期間のうち第1特定期間では、前記輝度値の変更が可能となる調整可能期間が設定されないことによって、前記操作手段の操作に基づいて前記発光手段の輝度値を変更不能であり、前記第1特定期間は、前記演出表示手段が第1特定動作を行い得る期間であり、
前記演出表示手段特定動作を行う期間のうち第2特定期間では、当該第2特定期間の全体にわたって前記調整可能期間が設定され得ることによって、前記第2特定期間に移行した時点において前記操作手段の操作に基づいて前記発光手段の輝度値を変更可能であり、前記第2特定期間は、前記演出表示手段が第2特定動作を行い得る期間であり、前記第2特定期間は、前記第1特定期間に続けて開始される期間であり、前記第2特定動作は、前記第1特定動作の次に実行され、
前記発光手段には、前記操作手段の操作に基づいて前記輝度値を変更し得る第1発光手段に加えて前記輝度値を変更し得ない第2発光手段を含み、
前記輝度値を変更し得ない前記第2発光手段は、前記第1特定期間及び前記第2特定期間では所定の輝度で発光し、
手段と、
前記音声手段の音量値を変更する操作が可能な操作手段と、
前記音声手段を制御する音声制御手段と、を備え
前記第1発光手段の発光態様が前記第2特定期間の終了前に所定態様となり、前記第2特定期間の終了後に所定態様から変化可能であり、
前記演出表示手段の表示態様は、前記第1特定期間では前記第1特定動作として第1特定態様となり、前記第2特定期間では前記第2特定動作として第2特定態様となることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
発光手段と、
前記発光手段の輝度値を変更する操作が可能な操作手段と、
前記発光手段を制御する発光制御手段と、
可動体と、
前記可動体を制御する可動体制御手段と、を備え、
前記可動体は、電源投入がされると規定動作を行い、
前記可動体が規定動作を行う期間のうち第1動作期間では、前記輝度値の変更が可能となる調整可能期間が設定されないことによって、前記操作手段の操作に基づいて前記発光手段の輝度値を変更不能であり、前記第1動作期間は、前記可動体が第1規定動作を行い得る期間であり、
前記可動体が規定動作を行う期間のうち第2動作期間では、当該第2動作期間の全体にわたって前記調整可能期間が設定され得ることによって、前記第2動作期間に移行した時点において前記操作手段の操作に基づいて前記発光手段の輝度値を変更可能であり、前記第2動作期間は、前記可動体が第2規定動作を行い得る期間であり、前記第2動作期間は、前記第1動作期間に続けて開始される期間であり、前記第2規定動作は、前記第1規定動作の次に実行され、
前記発光手段には、前記操作手段の操作に基づいて前記輝度値を変更し得る発光手段に加えて前記輝度値を変更し得ない発光手段を含み、
前記輝度値を変更し得ない発光手段は、前記第1動作期間及び前記第2動作期間では所定の輝度で発光し、
手段と、
前記音声手段の音量値を変更する操作が可能な操作手段と、
前記音声手段を制御する音声制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機及びスロットマシンなどの遊技機には、LEDなどの発光手段を備えるとともに、当該発光手段の輝度値を、遊技者や管理者の操作によって変更可能に構成されたものがある(例えば、特許文献1)。発光手段では、輝度値が変更されると、変更後の輝度値に応じた輝度にて発光演出が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-202395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、遊技機には、可動体を備え、当該可動体の動作による演出を行うものもある。このような遊技機では、電源投入がされると、可動体が規定動作を行うため、当該可動体の動作が正常であるか否かを目視で確認できる。しかしながら、可動体が規定動作を行っているときに、発光手段の輝度値を調整可能であると、輝度調整へ意識が向いてしまう結果、可動体に対する注意力を低下させてしまう虞がある。
【0005】
本発明の目的は、可動体に対する注意力の低下を抑制できる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する遊技機は、発光手段と、前記発光手段の輝度値を変更する操作が可能な操作手段と、前記発光手段を制御する発光制御手段と、演出表示手段と、前記演出表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、前記演出表示手段は、電源投入がされると特定動作を行い、前記演出表示手段特定動作を行う期間のうち第1特定期間では、前記輝度値の変更が可能となる調整可能期間が設定されないことによって、前記操作手段の操作に基づいて前記発光手段の輝度値を変更不能であり、前記第1特定期間は、前記演出表示手段が第1特定動作を行い得る期間であり、前記演出表示手段特定動作を行う期間のうち第2特定期間では、当該第2特定期間の全体にわたって前記調整可能期間が設定され得ることによって、前記第2特定期間に移行した時点において前記操作手段の操作に基づいて前記発光手段の輝度値を変更可能であり、前記第2特定期間は、前記演出表示手段が第2特定動作を行い得る期間であり、前記第2特定期間は、前記第1特定期間に続けて開始される期間であり、前記第2特定動作は、前記第1特定動作の次に実行され、前記発光手段には、前記操作手段の操作に基づいて前記輝度値を変更し得る第1発光手段に加えて前記輝度値を変更し得ない第2発光手段を含み、前記輝度値を変更し得ない前記第2発光手段は、前記第1特定期間及び前記第2特定期間では所定の輝度で発光し、手段と、前記音声手段の音量値を変更する操作が可能な操作手段と、前記音声手段を制御する音声制御手段と、を備え、前記第1発光手段の発光態様が前記第2特定期間の終了前に所定態様となり、前記第2特定期間の終了後に所定態様から変化可能であり、前記演出表示手段の表示態様は、前記第1特定期間では前記第1特定動作として第1特定態様となり、前記第2特定期間では前記第2特定動作として第2特定態様となることを要旨とする。
上記課題を解決する遊技機は、発光手段と、前記発光手段の輝度値を変更する操作が可能な操作手段と、前記発光手段を制御する発光制御手段と、可動体と、前記可動体を制御する可動体制御手段と、を備え、前記可動体は、電源投入がされると規定動作を行い、前記可動体が規定動作を行う期間のうち第1動作期間では、前記輝度値の変更が可能となる調整可能期間が設定されないことによって、前記操作手段の操作に基づいて前記発光手段の輝度値を変更不能であり、前記第1動作期間は、前記可動体が第1規定動作を行い得る期間であり、前記可動体が規定動作を行う期間のうち第2動作期間では、当該第2動作期間の全体にわたって前記調整可能期間が設定され得ることによって、前記第2動作期間に移行した時点において前記操作手段の操作に基づいて前記発光手段の輝度値を変更可能であり、前記第2動作期間は、前記可動体が第2規定動作を行い得る期間であり、前記第2動作期間は、前記第1動作期間に続けて開始される期間であり、前記第2規定動作は、前記第1規定動作の次に実行され、前記発光手段には、前記操作手段の操作に基づいて前記輝度値を変更し得る発光手段に加えて前記輝度値を変更し得ない発光手段を含み、前記輝度値を変更し得ない発光手段は、前記第1動作期間及び前記第2動作期間では所定の輝度で発光し、音声手段と、前記音声手段の音量値を変更する操作が可能な操作手段と、前記音声手段を制御する音声制御手段と、を備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、可動体に対する注意力の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】パチンコ遊技機を模式的に示す正面図。
図2】遊技盤を模式的に示す正面図。
図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
図4】カスタマイズ機能を説明するための模式図。
図5】(a)~(c)は、カスタマイズ機能を説明するための模式図。
図6】(a)~(c)は、カスタマイズ機能を説明するための模式図。
図7】輝度調整の具体的な一例を説明するための模式図。
図8】輝度調整の具体的な一例を説明するための模式図。
図9】輝度調整の具体的な一例を説明するための模式図。
図10】第2実施形態における輝度調整の具体的な一例を説明するための模式図。
図11】第2実施形態における輝度調整の具体的な一例を説明するための模式図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、パチンコ遊技機の第1実施形態について説明する。以下の説明において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
【0010】
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、パチンコ遊技機10を遊技店などの島設備に固定するための設置枠11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、を含んで構成される。搭載枠11bは、設置枠11aに対して開閉可能となるように、設置枠11aの開口部の一側縁部に対して軸支されている。パチンコ遊技機10は、搭載枠11bが開放されないように施錠する施錠装置11cを備える。施錠装置11cは、該施錠装置11cに適合する鍵を差し込んで所定方向へ回動させることにより解錠され、搭載枠11bの開放を許容するように構成されている。
【0011】
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備える。遊技盤YBは、搭載枠11bに搭載されている。遊技盤YBの前面側には、遊技媒体の一例である遊技球が流下する遊技領域YBaが形成されている。遊技盤YBには、正面視における略中央に、開口窓YBbが形成されている。開口窓YBbには、各種の意匠が施されたセンター枠Wが組み付けられている。
【0012】
パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDを備える。発射ハンドルHDは、遊技球を遊技領域YBaへ打ち出すときに操作される手段の一例である。発射ハンドルHDは、一例として、搭載枠11bの前面側に設けられる。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDの回動操作量を調整することによって、遊技球の発射強度を調整できるように構成される。パチンコ遊技機10は、遊技球を貯留するための球皿12を備える。球皿12には、パチンコ遊技機10の機内部から遊技球が払い出される払出口12aが開口している。
【0013】
パチンコ遊技機10は、所定の操作が可能な手段の一例として、演出ボタンD1及び十字キーD2を備える。一例として、演出ボタンD1及び十字キーD2は、押下操作を可能に構成されたボタン式の手段である。演出ボタンD1及び十字キーD2は、ボタン式であることに限らず、タッチセンサ式であってもよく、所定の表示装置をタッチパネル式の手段として機能させる構成であってもよい。演出ボタンD1及び十字キーD2は、操作可能な複数の部分を含んで構成されていてもよい。本実施形態の一例において、演出ボタンD1は、操作可能な単一の部分を含んで構成される。十字キーD2は、左キーD2l、右キーD2r、上キーD2u、及び下キーD2dのように、操作可能な複数の部分を含んで構成される。
【0014】
パチンコ遊技機10は、所定の発光を行う発光手段の一例である装飾ランプLAを備える。装飾ランプLAは、発光体(不図示)と、発光体を覆う透光性のカバーと、を含んで構成される。装飾ランプLAは、内蔵された発光体を点灯、点滅、及び消灯させることによって各種の演出や報知を実行可能である。なお、以下の説明では、発光体の点灯及び点滅をまとめて「発光」と示す場合がある。また、以下の説明では、発光体を発光させて行う演出を「発光演出」と示す場合がある。
【0015】
装飾ランプLAには、搭載枠11bに設けられた複数の枠ランプLA1がある。本実施形態の一例において、枠ランプLA1は、正面視で遊技領域YBaを挟むように、搭載枠11bの左側部及び右側部にそれぞれ設けられるとともに、正面視で遊技領域YBaの上方に位置するように、搭載枠11bの上部に設けられる。また、装飾ランプLAには、遊技盤YBに設けられた複数の盤ランプLA2がある。本実施形態の一例において、盤ランプLA2は、センター枠Wに設けられる。
【0016】
パチンコ遊技機10は、所定の音声を出力する手段の一例であるスピーカSPを備える。スピーカSPは、人や動物の声、効果音、及び楽曲などの音声を出力することによって各種の演出や報知を実行可能である。以下の説明では、音声を出力して行う演出を「音声演出」と示す場合がある。例えば、スピーカSPは、枠体11に設けられる。
【0017】
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、特別ゲームを表示可能な表示部として、第1特別図柄表示部13a及び第2特別図柄表示部13bを備える。特別ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に特別図柄が確定停止表示される。特別図柄は、内部抽選(後述する特別抽選)の結果を報知するための図柄である。第1特別図柄表示部13aは、第1特別ゲームを表示する。第2特別図柄表示部13bは、第2特別ゲームを表示する。本明細書において、「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味する。本明細書において、「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味する。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。パチンコ遊技機10において、第2特別ゲームは、第1特別ゲームに対して優先的に実行される。第1特別ゲーム及び第2特別ゲームは、同時に並行して実行されない。特別図柄には、大当り表示結果の一例である大当り図柄と、はずれ表示結果の一例であるはずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、特別抽選にて大当りに当選すると、特別ゲームにて大当り図柄が導出され、該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。
【0018】
パチンコ遊技機10は、特別ゲームの保留数を特定可能な情報を表示する表示部として、第1特別保留表示部13c及び第2特別保留表示部13dを備える。第1特別保留表示部13cは、第1特別ゲームの保留数(以下、第1特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2特別保留表示部13dは、第2特別ゲームの保留数(以下、第2特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。例えば、第1特別保留数及び第2特別保留数の上限値は、4である。パチンコ遊技機10は、普通図柄表示部13eを備える。普通図柄表示部13eは、普通ゲームを表示する。普通ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に普通図柄が確定停止表示される。普通図柄は、内部抽選(後述する普通抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り表示結果の一例である普通当り図柄と、普通はずれ表示結果の一例である普通はずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、普通抽選にて普通当りに当選すると、普通ゲームにて普通当り図柄が導出され、該普通当りの普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。パチンコ遊技機10は、普通保留表示部13fを備える。普通保留表示部13fは、普通ゲームの保留数(以下、普通保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。
【0019】
パチンコ遊技機10は、所定の画像を表示する手段としての演出表示装置EHを備える。演出表示装置EHは、画像を表示可能な画像表示部GHを有する。画像表示部GHは、一例として、液晶パネル、及び有機ELパネルなどである。演出表示装置EHは、正面から見たときに、画像表示部GHが遊技盤YBの開口窓YBb(センター枠W)を介して視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。演出表示装置EHは、所定のキャラクタや文字を模した画像を表示することにより各種の演出や報知を実行可能である。以下の説明では、画像を表示して行う演出を「表示演出」と示す場合がある。また、本明細書では、文字、キャラクタ、数字、アイコン、及び背景などの情報について、単に「表示する」と示す場合、それぞれを模した画像を表示することを意図する。演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPは、それぞれ演出装置であって、演出装置群ESを構成する。
【0020】
演出表示装置EHでは、表示演出の1つとして、演出ゲームが表示される。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が導出される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。一例として、本実施形態の演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
【0021】
演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで導出される特別図柄に応じた図柄組合せが導出される。特別ゲームにおいて大当り図柄が導出されるとき、演出ゲームでは大当りの図柄組合せが導出される。大当りの図柄組合せは、「777」などのように全列の演出図柄が同一の演出図柄となる図柄組合せである。特別ゲームにおいてはずれ図柄が導出されるとき、演出ゲームでははずれの図柄組合せが導出される。はずれの図柄組合せは、一例として、「778」や「787」などのように、少なくとも一部列の演出図柄が他列の演出図柄とは異なる図柄組合せである。本明細書において、「一旦停止表示」とは、ゆれ変動表示などのように、演出図柄が確定停止表示される前の仮停止状態である。以下の説明では、特別ゲームと、該特別ゲームに対応して実行される演出ゲームと、をまとめて「変動ゲーム」と示す場合がある。
【0022】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する第1特別始動入賞口15を備える。第1特別始動入賞口15は、遊技球を入球させることができるように、常に開口している。パチンコ遊技機10は、第1特別始動入賞口15へ入球した遊技球を検知する第1特別始動センサSE1を備える(図3参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第1特別始動センサSE1によって検知されると、第1特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
【0023】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する第2特別始動入賞口16を備える。パチンコ遊技機10は、第2特別始動入賞口16へ入球した遊技球を検知する第2特別始動センサSE2を備える(図3参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第2特別始動センサSE2によって検知されると、第2特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。パチンコ遊技機10は、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入球可能な開状態と、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入球不能な閉状態と、に動作可能な普通可変部材17を備える。閉状態は、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、普通可変部材17を動作させる手段の一例として、普通ソレノイドSL1を備える(図3参照)。普通可変部材17は、普通当り遊技において、開状態に動作される。
【0024】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する大入賞口18を備える。パチンコ遊技機10は、遊技球が大入賞口18へ入球可能な開状態と、遊技球が大入賞口18へ入球不能な閉状態と、に動作可能な特別可変部材19を備える。閉状態は、遊技球が大入賞口18へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、特別可変部材19を動作させる手段の一例として、特別ソレノイドSL2を備える(図3参照)。特別可変部材19は、大当り遊技において、開状態に動作される。パチンコ遊技機10は、大入賞口18へ入球した遊技球を検知する特別入賞センサSE3を備える(図3参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が特別入賞センサSE3によって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
【0025】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaを流下する遊技球が通過(入球)可能なゲート25を備える。パチンコ遊技機10は、ゲート25を通過する遊技球を検知する普通始動センサSE4を備える(図3参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が普通始動センサSE4によって検知されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る一方、賞球の払出条件が成立しない。
【0026】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する入賞口として、普通入賞口26を備える。パチンコ遊技機10は、普通入賞口26へ入球した遊技球を検知する普通入賞センサ(不図示)を備える。本実施形態では、遊技球が普通入賞センサによって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。なお、パチンコ遊技機10は、第1特別始動入賞口15、第2特別始動入賞口16、大入賞口18、及び普通入賞口26とは異なる入賞口を備えてもよい。遊技球が入賞口に入球することは、所謂「入賞」である。パチンコ遊技機10は、アウト口27を備える。例えば、アウト口27は、遊技領域YBaの下端部において、遊技領域YBaに開口する。遊技領域YBaへ発射された遊技球のうち、第1特別始動入賞口15、第2特別始動入賞口16、大入賞口18、及び普通入賞口26の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口27から機外へと排出される。
【0027】
パチンコ遊技機10は、所定の動作を行う可動体として、第1可動体EK1及び第2可動体EK2を備える。本実施形態の一例において、可動体EK1,EK2は、遊技盤YBに設けられている。第1可動体EK1は、原位置P0aと、演出位置P1aと、の間で変位可能に支持されている。原位置P0aは、第1可動体EK1が開口窓YBbの上縁部に沿って配置される位置である。演出位置P1aは、第1可動体EK1が原位置P0aから下方へ変位し、正面視における開口窓YBbの中央寄りに配置される位置である。第2可動体EK2は、原位置P0bと、演出位置P1bと、の間で変位可能に支持されている。原位置P0bは、第2可動体EK2が開口窓YBbの下縁部に沿って配置される位置である。演出位置P1bは、第2可動体EK2が原位置P0bから上方へ変位し、正面視における開口窓YBbの中央寄りに配置される位置である。
【0028】
パチンコ遊技機10は、第1可動体EK1を動作させる手段の一例としてステッピングモータを備える。パチンコ遊技機10は、第2可動体EK2を動作させる手段の一例としてステッピングモータを備える。可動体EK1,EK2は、演出としての動作である演出動作と、電源投入時の確認動作である初期動作と、を可能に構成されている。本実施形態の一例において、第1可動体EK1の演出動作及び初期動作は、原位置P0a→演出位置P1a→原位置P0aのように変位する動作である。また、第2可動体EK2の演出動作及び初期動作は、原位置P0b→演出位置P1b→原位置P0bのように変位する動作である。以下の説明では、第1可動体EK1の演出動作による演出を「第1可動演出」と示し、第2可動体EK2の演出動作による演出を「第2可動演出」と示す。第1可動体EK1及び第2可動体EK2は、演出装置群ESに含まれる。また、可動体EK1,EK2の初期動作は、規定動作の一例である。詳しくは後述するが、可動体EK1,EK2は、電源投入されると初期動作を行う。
【0029】
パチンコ遊技機10は、該パチンコ遊技機10の状態を検知する手段として各種のセンサを備える。本実施形態の一例において、パチンコ遊技機10は、設置枠11aに対して搭載枠11bが開放されていることを検知可能な枠開放センサ31(図3参照)を備える。パチンコ遊技機10は、所定の強さを超える磁気を検知可能な磁気センサ32を備える。パチンコ遊技機10は、所定の強さを超える電波を検知可能な電波センサ33を備える。パチンコ遊技機10は、球皿12において規定量を超えて貯留された遊技球を検知可能な満杯センサ34を備える。また、パチンコ遊技機10は、第1可動体EK1が原位置P0aに位置しているときに、該第1可動体EK1を検知する第1原位置センサ(不図示)を備える。パチンコ遊技機10は、第2可動体EK2が原位置P0bに位置しているときに、該第2可動体EK2を検知する第2原位置センサ(不図示)を備える。
【0030】
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率を高確率に変動させる確率変動機能と、第2特別始動入賞口16への遊技球の入球を補助する入球補助機能と、特別ゲームの変動時間を短縮する時間短縮機能と、を搭載している。パチンコ遊技機10における遊技状態は、これらの機能の作動状態(作動及び非作動)を組み合わせて構成される。
【0031】
確率変動機能(以下、確変機能と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なる状態として、複数の確率状態を備える。複数の確率状態には、低確率状態と、該低確率状態に比して、大当り確率が高い高確率状態と、がある。確変機能が作動すると、確率状態が低確率状態から高確率状態へと移行し、大当りに当選する可能性が高まる。このため、高確率状態は、遊技者にとって有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
【0032】
入球補助機能について説明する。
入球補助機能は、普通電動役物への入賞をサポートする機能であり、所謂「電サポ機能」である。パチンコ遊技機10は、第2特別始動入賞口16への遊技球の入球率が異なる状態として、複数の入球率状態を備える。複数の入球率状態には、低入球率状態と、該低入球率状態に比して、入球率が高い高入球率状態と、がある。入球補助機能が作動すると、入球率状態が低入球率状態から高入球率状態へと移行し、第2特別ゲームの始動条件を成立させ易くなる。このため、高入球率状態は、遊技者にとって有利な状態となる。
【0033】
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの補助制御のうち任意に選択できる1つの制御を実行することによって、又は複数の制御を組み合わせて実行することによって実現できる。第1補助制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする制御である。第2補助制御は、普通抽選における普通当り確率を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる制御である。第2補助制御は、低入球率状態では、普通抽選そのものを行わないが、高入球率状態では、所定の当選確率にて普通抽選を行う制御であってもよい。第3補助制御は、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御である。なお、第3補助制御としては、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の開放回数を、低入球率状態のときよりも多くする制御、及び、普通当り遊技における普通可変部材17の1回の開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。
【0034】
次に、変動時間短縮機能(以下、時短機能と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、特別ゲームの変動時間(平均変動時間)が異なる状態として、複数の変動時間状態を備える。複数の変動時間状態には、長変動時間状態と、長変動時間状態に比して、少なくとも第2特別ゲームの平均変動時間が短い短変動時間状態と、がある。時短機能が作動すると、変動時間状態が長変動時間状態から短変動時間状態へと移行し、単位時間当りで実質的に実行可能な特別ゲームの回数が増加する。即ち、特別ゲームの保留の消化効率が向上する。なお、本実施形態において、時短機能は、入球補助機能に付随して作動する。つまり、時短機能は、入球補助機能とともに作動し、入球補助機能とともに非作動となる。
【0035】
本実施形態において、遊技状態には、通常状態、第1有利状態、及び第2有利状態の3つがある。通常状態は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動しない遊技状態である。第1有利状態は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動する遊技状態である。第2有利状態は、確変機能が作動しない一方、入球補助機能及び時短機能が作動する遊技状態である。パチンコ遊技機10は、3つの遊技状態を備えることに限らず、その一部又は全部を、確変機能、入球補助機能、及び時短機能のうち作動させる機能を変更した異なる遊技状態としてもよい。また、遊技状態は、1つ又は2つであってもよく、4つ以上であってもよい。
【0036】
次に、大当りについて説明する。
パチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備える。大当り図柄の種類は、大当りの種類でもある。大当り図柄は、1又は複数の種類に分類される。本実施形態の一例では、特定図柄及び通常図柄の2種類に分類される。パチンコ遊技機10では、大当り図柄の種類(大当りの種類)に応じて大当り遊技が付与される。
【0037】
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を特定可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口18を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球するか、又は、予め定めた上限時間が経過すると終了される。ラウンド遊技において、大入賞口18は、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を特定可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
【0038】
パチンコ遊技機10では、大当り図柄の種類(大当りの種類)に応じて、大当り遊技の終了後の遊技状態が制御される。一例として、特定図柄には、大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまでの間にわたって第1有利状態に制御することが定められている。通常図柄には、大当り遊技の終了後、予め定めた作動回数の特別ゲームが終了する迄、又は、次回の大当り遊技が付与される迄の間にわたって、第2有利状態に制御することが定められている。これに限らず、大入賞口18へ入賞した遊技球が特定領域(所謂、Vゾーン)を通過したことを条件として、大当り遊技の終了後の遊技状態を第1有利状態に制御し、特定領域を通過しなかったことを条件として、大当り遊技の終了後の遊技状態を第2有利状態に制御する構成であってもよい。
【0039】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成を説明する。
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、主制御基板40を備える。主制御基板40は、所定の処理を行い、該処理の結果に応じて、制御情報の一例である制御コマンドなどの制御信号を出力する。パチンコ遊技機10は、副制御基板50を備える。主制御基板40と、副制御基板50とは、主制御基板40から副制御基板50へ一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。副制御基板50は、主制御基板40から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。
【0040】
主制御基板40について詳しく説明する。
主制御基板40は、マイクロプロセッサ41を備える。マイクロプロセッサ41は、処理部(以下、主制御CPU42と示す)と、記憶部(メモリ)と、を備える。主制御CPU42は、主制御用のプログラムを実行することにより、各種の処理を実行する。マイクロプロセッサ41の記憶部には、情報の読出しが可能であって、且つ情報の書込みが不能なROM領域(以下、主制御ROM43と示す)と、情報の読出し及び書込みが可能なRWM領域(以下、主制御RWM44と示す)とが含まれる。
【0041】
主制御ROM43は、各種の判定や抽選に用いる判定値やテーブルなどを記憶している。主制御ROM43は、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの演出内容(変動内容)の少なくとも一部を特定可能な情報である。変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。大当り変動パターンは、演出ゲームにて最終的に大当りの図柄組合せを導出する変動パターンである。はずれ変動パターンは、演出ゲームにて最終的にはずれの図柄組合せを導出する変動パターンである。
【0042】
主制御RWM44は、主制御CPU42による処理の結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、主制御RWM44が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。マイクロプロセッサ41は、ハードウェア乱数を生成する乱数回路45を備える。マイクロプロセッサ41は、主制御CPU42による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能であってもよい。なお、主制御CPU42、主制御ROM43、主制御RWM44、及び乱数回路45は、マイクロプロセッサ41としてワンチップに構成されていることに限らず、それぞれ別体に構成されていてもよい。
【0043】
主制御CPU42は、第1特別始動センサSE1、第2特別始動センサSE2、特別入賞センサSE3、及び普通始動センサSE4の各センサと接続されている。主制御CPU42は、各センサが遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能に構成されている。主制御CPU42は、第1特別図柄表示部13a、第2特別図柄表示部13b、第1特別保留表示部13c、第2特別保留表示部13d、普通図柄表示部13e、及び普通保留表示部13fの各表示部と接続されている。主制御CPU42は、各表示部の表示内容を制御可能に構成されている。主制御CPU42は、普通ソレノイドSL1及び特別ソレノイドSL2と接続されている。主制御CPU42は、普通ソレノイドSL1及び特別ソレノイドSL2の動作を制御することによって、それぞれ普通可変部材17及び特別可変部材19の動作を制御可能に構成されている。
【0044】
主制御CPU42は、枠開放センサ31と接続されている。主制御CPU42は、枠開放センサ31が搭載枠11bの開放を検出しているときに出力する開放検知信号を入力可能に構成されている。主制御CPU42は、磁気センサ32と接続されている。主制御CPU42は、磁気センサ32が所定の強さを超える磁気を検知しているときに出力する磁気検知信号を入力可能に構成されている。主制御CPU42は、電波センサ33と接続されている。主制御CPU42は、電波センサ33が所定の強さを超える電波を検知しているときに出力する電波検知信号を入力可能に構成されている。主制御CPU42は、満杯センサ34と接続されている。主制御CPU42は、満杯センサ34が遊技球を検知しているときに出力する満杯検知信号を入力可能に構成されている。
【0045】
主制御基板40は、バックアップ電源(不図示)を備える。一例として、バックアップ電源は、電気二重層コンデンサなどである。パチンコ遊技機10は、該パチンコ遊技機10に対する電力の供給が停止されても、バックアップ電源から電力を供給することによって、主制御RWM44の記憶内容を保持可能に構成されている。以下の説明では、電力の供給が停止されることを「電源断」と示し、電力の供給が開始されることを「電源投入」と示す。
【0046】
主制御CPU42は、RWMクリアスイッチ回路(不図示)を介してRWMクリアスイッチ46と接続されている。主制御CPU42は、RWMクリアスイッチ46が操作(押下)されたときに出力するRWMクリア信号を入力可能に構成されている。RWMクリアスイッチ46は、主制御RWM44の記憶内容を電源投入時にクリア(消去)するために操作されるスイッチである。即ち、本実施形態において、RWMクリアスイッチ46は、主制御RWM44の記憶内容を初期化する操作が可能な手段の一例である。本実施形態において、RWMクリアスイッチ46は、遊技機の背面側に配設されている。このため、RWMクリアスイッチ46は、施錠装置11cを解錠して搭載枠11bを開放しなければアクセスできない。したがって、原則として、RWMクリアスイッチ46は、施錠装置11cの鍵を保有する管理者のみが操作可能といえる。
【0047】
次に、副制御基板50について詳しく説明する。
副制御基板50は、副制御CPU51と、副制御ROM52と、副制御RWM53と、を備える。副制御CPU51は、副制御用のプログラムを実行することにより、演出に関する各種の処理を行う。副制御ROM52は、副制御プログラムや、所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM52は、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、音声演出に用いる音声演出データ、及び可動演出に用いる可動体演出データなどを記憶している。
【0048】
副制御RWM53は、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副制御RWM53が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、副制御基板50は、副制御CPU51による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、副制御基板50は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0049】
副制御CPU51は、演出表示装置EHと接続されている。副制御CPU51は、演出表示装置EHの表示内容を制御可能に構成されている。副制御CPU51は、装飾ランプLA(枠ランプLA1及び盤ランプLA2)と接続されている。副制御CPU51は、装飾ランプLAを構成する各ランプLA1,LA2の発光態様を各別に制御可能に構成されている。本実施形態において、副制御CPU51は、装飾ランプLAを制御する発光制御手段の一例となる。副制御CPU51は、スピーカSPと接続されている。副制御CPU51は、スピーカSPの出力態様を制御可能に構成されている。副制御CPU51は、演出ボタンD1及び十字キーD2と接続されている。副制御CPU51は、演出ボタンD1が操作されたときに出力する操作信号(オン信号)、及び十字キーD2(キーD2l,D2r,D2u,D2d)が操作されたときに出力する操作信号(オン信号)を各別に入力可能に構成されている。
【0050】
副制御CPU51は、第1原位置センサと接続されている。副制御CPU51は、第1原位置センサが第1可動体EK1を検知したときに出力する検知信号を入力可能に構成されている。副制御CPU51は、第2原位置センサと接続されている。副制御CPU51は、第2原位置センサが第2可動体EK2を検知したときに出力する検知信号を入力可能に構成されている。副制御CPU51は、第1可動体EK1のステッピングモータと接続されている。副制御CPU51は、ステッピングモータ(不図示)の動作を制御することにより、第1可動体EK1を変位させることができる。副制御CPU51は、第2可動体EK2のステッピングモータと接続されている。副制御CPU51は、ステッピングモータ(不図示)の動作を制御することにより、第2可動体EK2を変位させることができる。本実施形態において、副制御CPU51は、可動体を制御する可動体制御手段の一例となる。
【0051】
次に、主制御CPU42が行う各種の処理について説明する。
最初に、電源断処理について説明する。
主制御CPU42は、電源電圧が規定電圧よりも低下したことを検知すると、電源断処理を実行する。電源断処理において、主制御CPU42は、主制御RWM44のチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値を主制御RWM44に記憶させる。また、主制御CPU42は、電源断処理が正常に実行されたことを特定可能な情報(以下、バックアップフラグと示す)を主制御RWM44に記憶させる。その後、主制御CPU42は、完全に電源断がされるまで待機する。前述のように、電源断のときに主制御RWM44に記憶されている各種の情報は、前述したバックアップ電源から供給される電力によって電源断後にも保持される。
【0052】
次に、電源投入処理について説明する。
主制御CPU42は、電源投入時の起動処理によって起動すると、最初に電源投入処理を実行する。電源投入処理において、主制御CPU42は、主制御CPU42が起動したことを特定可能な制御コマンド(以下、起動コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。続けて、主制御CPU42は、RWMクリアスイッチ46からRWMクリア信号を入力しているか否かを判定する。RWMクリア信号を入力している場合、主制御CPU42は、RWMクリア処理を実行する。RWMクリア処理において、主制御CPU42は、主制御RWM44の記憶内容の全部を初期化する。これに限らず、主制御CPU42は、主制御RWM44の記憶内容の一部を初期化する構成であってもよい。また、主制御CPU42は、RWMクリア処理の実行を特定可能な制御コマンド(以下、RWMクリアコマンドと示す)を副制御基板50に出力する。
【0053】
RWMクリア信号を入力していない場合、主制御CPU42は、バックアップが正常であるか否かの判定(以下、バックアップ判定と示す)を行う。例えば、主制御CPU42は、主制御RWM44にバックアップフラグが記憶されているか否かを判定する。また、主制御CPU42は、主制御RWM44のチェックサム値を算出するとともに、該算出したチェックサム値が電源断処理において算出したチェックサム値と一致するか否かを判定する。主制御CPU42は、バックアップ判定において、バックアップフラグが記憶されていない場合、又はチェックサム値が一致しない場合、バックアップが正常ではないと判定する。バックアップが正常ではない場合、主制御CPU42は、上述したRWMクリア処理を実行する。一方、主制御CPU42は、バックアップ判定において、バックアップフラグが記憶されており、且つチェックサム値が一致する場合、バックアップが正常であると判定する。バックアップが正常である場合、主制御CPU42は、RWMクリア処理を実行しない。
【0054】
そして、主制御CPU42は、RWMクリア処理を実行した場合、初期化した各種の情報に基づいて復帰するとともに、復帰した状態に応じた制御コマンドを副制御基板50に出力する。一方、主制御CPU42は、RWMクリア処理を実行しなかった場合、バックアップされている各種の情報に基づいて復帰するとともに、復帰した状態に応じた制御コマンドを副制御基板50に出力する。その後、主制御CPU42は、タイマ割込み処理を「許可」に設定し、電源投入処理を終了する。そして、パチンコ遊技機10では、主制御CPU42が所定の制御周期(例えば4ms)毎にタイマ割込み処理を実行することによって、通常制御が行われる。
【0055】
以下、通常制御について説明する。
最初に、タイマ割込み処理として実行される特別図柄入力処理について説明する。
特別図柄入力処理において、主制御CPU42は、第1特別始動センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1特別始動入賞口15へ入賞したか否かを判定する。遊技球が第1特別始動入賞口15へ入賞した場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU42は、第1特別保留数を1加算して更新する。続けて、主制御CPU42は、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。このように、第1特別ゲームの保留条件は、第1特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1特別始動センサSE1によって検知されると成立する。
【0056】
次に、主制御CPU42は、マイクロプロセッサ41内で生成している乱数を取得し、該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM44に記憶させる。例えば、乱数は、特別抽選(大当り抽選)に用いる特別当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。主制御CPU42は、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM44に記憶させておくことで、該第1特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
【0057】
第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM44に記憶させた場合、第1特別始動入賞口15へ遊技球が入賞していない場合、及び、第1特別保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU42は、第2特別始動センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入賞したか否かを判定する。遊技球が第2特別始動入賞口16へ入賞した場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第2特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU42は、第2特別保留数を1加算して更新する。主制御CPU42は、更新後の第2特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第2特別保留表示部13dを制御する。このように、第2特別ゲームの保留条件は、第2特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2特別始動センサSE2によって検知されると成立する。
【0058】
次に、主制御CPU42は、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM44に記憶させる。主制御CPU42は、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第2特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM44に記憶させておくことで、該第2特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM44に記憶させた場合、第2特別始動入賞口16へ遊技球が入賞していない場合、及び、第2特別保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU42は、特別図柄入力処理を終了する。
【0059】
次に、タイマ割込み処理として実行される特別図柄開始処理について説明する。
特別図柄開始処理において、主制御CPU42は、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU42は、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する一方、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、主制御CPU42は、第2特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2特別保留数が零である場合、主制御CPU42は、第1特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第1特別保留数が零である場合、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
【0060】
第1特別保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU42は、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、主制御CPU42は、第1特別保留数を1減算して更新する。主制御CPU42は、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。次に、主制御CPU42は、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RWM44から取得する。続けて、主制御CPU42は、取得した乱数情報から特定される特別当り乱数を用いて、大当りに当選とするか否かの大当り抽選を行う。主制御CPU42は、現在の確率状態(確変機能の作動の有無)に応じた大当り確率にて大当り抽選を行う。
【0061】
大当りに当選した場合、主制御CPU42は、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて導出させる大当り図柄を決定する。主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、大当り変動パターンを決定する。その後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
【0062】
大当りに当選しなかった場合、主制御CPU42は、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、主制御CPU42は、第1特別ゲームにて導出させるはずれ図柄を決定する。はずれ変動処理において、主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、はずれ変動パターンを決定する。その後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
【0063】
第2特別保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU42は、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1特別保留数」を「第2特別保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、主制御CPU42は、第2特別保留数の減算、大当り抽選、及び、大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
【0064】
主制御CPU42は、大当り変動処理及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを副制御基板50へ出力する。変動開始コマンドは、各変動処理において決定した変動パターンと、特別ゲーム(演出ゲーム)の開始と、を特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を特定可能な制御コマンドである。なお、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
【0065】
特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU42は、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU42は、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示部13aを制御する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第1特別図柄表示部13aを制御する。また、主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別ゲーム(演出ゲーム)の終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。
【0066】
一方、主制御CPU42は、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示部13bを制御する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第2特別図柄表示部13bを制御する。また、主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを副制御基板50に出力する。
【0067】
次に、大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。主制御CPU42は、特別ゲームにおいて大当り図柄を導出させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。主制御CPU42は、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。主制御CPU42は、特定した種類の大当り遊技を付与する。
【0068】
最初に、主制御CPU42は、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を副制御基板50に出力する。主制御CPU42は、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、主制御CPU42は、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて特別ソレノイドSL2を制御し、大入賞口18を開状態とする。主制御CPU42は、特別入賞センサSE3による遊技球の検知数が上述の上限個数に達するか、又は、上述の上限時間が経過すると、大入賞口18を閉状態とするように特別ソレノイドSL2を制御し、ラウンド遊技を終了させる。主制御CPU42は、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。主制御CPU42は、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を副制御基板50に出力する。主制御CPU42は、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング開始コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。主制御CPU42は、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。主制御CPU42は、エンディング時間の経過を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング終了コマンド)を副制御基板50に出力する構成であってもよい。
【0069】
次に、確率状態を移行させる確率移行処理について説明する。
主制御CPU42は、特定図柄に基づく大当り遊技を終了すると、主制御RWM44に高確フラグをセットする。即ち、主制御CPU42は、高確率状態に制御する。一方、主制御CPU42は、通常図柄に基づく大当り遊技を終了すると、主制御RWM44に高確フラグをセットしない。即ち、主制御CPU42は、低確率状態に制御する。主制御CPU42は、大当り遊技を開始させる場合であって、高確フラグがセットされているとき、該高確フラグを消去する。即ち、主制御CPU42は、大当り遊技中、低確率状態に制御する。
【0070】
次に、入球率状態及び変動時間状態を移行させる処理について説明する。
主制御CPU42は、大当り遊技が終了すると、主制御RWM44に作動フラグをセットする。即ち、主制御CPU42は、高入球率状態に制御する。主制御CPU42は、通常図柄に基づく大当り遊技の終了後、特別ゲームを開始させる毎に、主制御RWM44に記憶されている実行カウンタの値を更新することによって、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。主制御CPU42は、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達した特別ゲームが終了すると、主制御RWM44に記憶されている作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU42は、通常図柄に基づく大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると低入球率状態に制御する。主制御CPU42は、大当り遊技を開始させる場合であって、作動フラグがセットされているとき、該作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU42は、大当り遊技中、低入球率状態に制御する。なお、主制御CPU42は、高入球率状態に制御するときに短変動時間状態に制御し、低入球率状態に制御するときに長変動時間状態に制御する。
【0071】
次に、エラー処理について説明する。
主制御CPU42は、枠開放センサ31から開放検知信号を入力すると、搭載枠11bが開放されていることをエラー状態(以下、開放検知エラー状態と示す)として検知する。主制御CPU42は、開放検知エラー状態が発生したことを特定可能な制御コマンド(以下、第1開放コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。主制御CPU42は、枠開放センサ31から開放検知信号を入力しなくなると、開放検知エラー状態が解消されたことを特定可能な制御コマンド(以下、第2開放コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。主制御CPU42は、磁気センサ32から磁気検知信号を入力すると、所定の強さを超える磁気が検知されたことをエラー状態(以下、磁気検知エラー状態と示す)として検知する。主制御CPU42は、磁気検知エラー状態が発生したことを特定可能な制御コマンド(以下、第1磁気コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。主制御CPU42は、磁気センサ32から磁気検知信号を入力しなくなると、磁気検知エラー状態が解消されたことを特定可能な制御コマンド(以下、第2磁気コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。
【0072】
主制御CPU42は、電波センサ33から電波検知信号を入力すると、所定の強さを超える電波が検知されたことをエラー状態(以下、電波検知エラー状態と示す)として検知する。主制御CPU42は、電波検知エラー状態が発生したことを特定可能な制御コマンド(以下、第1電波コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。主制御CPU42は、電波センサ33から磁気検知信号を入力しなくなると、電波検知エラー状態が解消されたことを特定可能な制御コマンド(以下、第2電波コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。主制御CPU42は、満杯センサ34から満杯検知信号を入力すると、球皿12に規定量を超える遊技球が貯留されていることをエラー状態(以下、満杯検知エラー状態と示す)として検知する。主制御CPU42は、満杯検知エラー状態が発生したことを特定可能な制御コマンド(以下、第1満杯コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。主制御CPU42は、満杯センサ34から磁気検知信号を入力しなくなると、満杯検知エラー状態が解消されたことを特定可能な制御コマンド(以下、第2満杯コマンドと示す)を副制御基板50に出力する。
【0073】
ここで、磁気検知エラー状態は、遊技盤YBに対して磁石を接近させ、遊技領域YBaを流下する遊技球の挙動を操作する不正行為が行われている可能性が高い状態である。また、電波検知エラー状態は、パチンコ遊技機10に対して電波を照射し、主制御基板40等に誤作動を起こさせる不正行為が行われている可能性が高い状態である。一方、開放検知エラー状態は、搭載枠11bが開放されているとしても、管理者によるメンテナンスが行われている可能性もある状態であり、不正行為が行われている可能性がそれほど高くない状態である。また、満杯検知エラー状態は、単に球皿12が満杯であるに過ぎず、不正行為が行われている可能性が低い状態である。
【0074】
本実施形態において、磁気検知エラー状態、電波検知エラー状態、及び開放検知エラー状態は、第1エラー状態に分類され、満杯検知エラー状態は、第1エラー状態よりも優先度が低い第2エラー状態に分類される。本実施形態において、主制御CPU42は、エラー状態を検知する検知手段の一例である。なお、本実施形態において、電源投入がされた状態(以下、起動中状態と示す)は、各種のセンサ31~34の検知結果に基づかないものの、不正に再起動された可能性があるため、エラー状態の1つとされている。
【0075】
副制御CPU51が実行する各種の処理について説明する。
最初に、エラー報知処理について説明する。
副制御CPU51は、エラー状態が発生したことを特定可能な制御コマンドを入力すると、該制御コマンドから特定可能なエラー状態の報知を行うように、可動体EK1,EK2を除いた演出装置群ESを制御する。本実施形態において、装飾ランプLA、スピーカSP、及び演出表示装置EHは、主制御CPU42(検知手段)により検知されたエラー状態を報知する報知手段の一例となる。副制御CPU51は、エラー状態が解消したことを特定可能な制御コマンドを入力すると、該制御コマンドから特定可能なエラー状態の報知を終了するように、可動体EK1,EK2を除いた演出装置群ESを制御する。
【0076】
例えば、副制御CPU51は、第1磁気コマンドを入力すると、磁気検知エラー状態の報知を開始するように、可動体EK1,EK2を除いた演出装置群ESを制御する。具体的に、副制御CPU51は、第1磁気コマンドを入力すると、輝度LV3に応じた輝度範囲のうち最も高い輝度であって、且つ、磁気検知エラー状態用の発光パターン(以下、エラー発光パターン)にて発光するように、装飾ランプLAを制御する。副制御CPU51は、音量LV3に応じた音量範囲のうち最も大きい音量にて、磁気検知エラー状態用の音声(以下、エラー音声と示す)を出力するように、スピーカSPを制御する。副制御CPU51は、「磁気検知エラー状態が発生しました!」などの文字列のように、磁気検知エラー状態が発生していることを特定可能な画像(以下、エラー画像と示す)を表示するように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU51は、第2磁気コマンドを入力すると、磁気検知エラー状態の報知を終了するように、可動体EK1,EK2を除いた演出装置群ESを制御する。同様にして、副制御CPU51は、電波検知エラー状態が発生したとき、第1電波コマンド及び第2電波コマンドに基づいて、電波検知エラー状態の報知を行うように、可動体EK1,EK2を除いた演出装置群ESを制御する。副制御CPU51は、開放検知エラー状態が発生したとき、第1開放コマンド及び第2開放コマンドに基づいて、開放検知エラー状態の報知を行うように、可動体EK1,EK2を除いた演出装置群ESを制御する。なお、副制御CPU51は、可動体EK1,EK2を含んだ演出装置群ESにて、各種のエラー報知を行う構成であってもよい。また、起動中状態の報知は、後述する別の処理にて制御される。
【0077】
副制御CPU51は、第1満杯コマンドを入力しても、発光パターンを変更せず、実行中である発光演出を継続するように、装飾ランプLAを制御する。即ち、副制御CPU51は、装飾ランプLAを用いて満杯検知エラー状態の報知を行わせない。副制御CPU51は、第1満杯コマンドを入力しても、音声を変更せず、実行中である音声演出を継続するように、スピーカSPを制御する。即ち、副制御CPU51は、スピーカSPを用いて満杯検知エラー状態の報知を行わせない。副制御CPU51は、「満杯検知エラー状態が発生しました!」などの文字列のように、満杯検知エラー状態が発生していることを特定可能なエラー画像を表示するように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU51は、第2満杯コマンドを入力すると、満杯検知エラー状態の報知を終了するように、演出表示装置EHを制御する。本実施形態において、エラー発光パターン、エラー音声、及びエラー画像は、エラー状態ごとに異なる。
【0078】
次に、演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中、該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。副制御CPU51は、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを入力すると、特別ゲームに対応する演出ゲームを実行するように演出表示装置EHを制御する。具体的に、副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力すると、該制御コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。また、副制御CPU51は、特別図柄コマンドを入力すると、該コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにて導出させる図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組合せを決定する。
【0079】
そして、副制御CPU51は、変動開始コマンドの入力を契機として、各図柄列の演出図柄の変動表示を開始するように、演出表示装置EHを制御する。即ち、副制御CPU51は、演出ゲームを開始させる。具体的に、副制御CPU51は、演出表示装置EHの画像表示部GHにおいて、3列の演出図柄を変動表示させるように制御する。続いて、副制御CPU51は、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、各演出図柄を一旦停止表示させることにより図柄組合せを一旦停止表示させるとともに、変動終了コマンドの入力を契機に、各演出図柄を確定停止表示させることにより図柄組合せを確定停止表示させる。なお、副制御CPU51は、変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に図柄組合せを確定停止表示させてもよい。この場合、変動終了コマンドは省略してもよい。
【0080】
副制御CPU51は、第1可動演出の実行条件(以下、第1可動条件と示す)が成立すると、変動ゲームの実行中、第1可動体EK1が演出動作を行うように、第1可動体EK1のステッピングモータを制御する。副制御CPU51は、第2可動演出の実行条件(以下、第2可動条件と示す)が成立すると、変動ゲームの実行中、第2可動体EK2が演出動作を行うように、第2可動体EK2のステッピングモータを制御する。本実施形態の一例において、第1可動条件及び第2可動条件は、副制御CPU51が行う抽選(以下、可動演出抽選と示す)に当選することで成立する。副制御CPU51は、第1可動条件が成立するとき、第2可動条件が成立する場合に比して、各可動条件が成立する場合に占める大当りのときの割合が高くなるように上記可動演出抽選を行う。つまり、本実施形態において、第1可動演出は、第2可動演出に比して大当り期待度が高い演出となる。
【0081】
次に、待機状態処理について説明する。
待機状態処理は、待機状態において、デモンストレーション演出(以下、デモ演出と示す)を実行させたり、節電状態へ移行させたりするための処理である。ここで、本実施形態における「待機状態」は、変動ゲームの実行中ではなく、保留中の変動ゲームの開始待ち中ではなく、且つ、大当り遊技中でもない状態である。「保留中の変動ゲームの開始待ち」の状態は、直近の変動ゲーム又は大当り遊技が終了してから、次の変動ゲームの開始条件が成立して保留中の変動ゲームが開始される迄の期間中である状態である。「節電状態」は、パチンコ遊技機10の消費電力を節約する状態である。本実施形態の一例では、節電状態になると、装飾ランプLAが消灯されるとともに、演出表示装置EHには、節電状態中であることを示す節電情報が表示される。また、一例として、デモ演出は、演出表示装置EHにおいて、確定停止表示されている演出図柄に所定の動作をさせたり、パチンコ遊技機10のタイトルやモチーフとなったキャラクタを表示したりすることによって実行される。以下の説明では、デモ演出を実行する期間を「デモ期間」と示し、節電状態である期間を「節電期間」と示す場合がある。
【0082】
副制御CPU51は、変動終了コマンド又はエンディング終了コマンドを最後に入力してから所定期間が経過すると、待機状態となったことを特定する。これに限らず、待機状態であるか否かを主制御CPU42が特定する構成であってもよい。この場合、主制御CPU42は、何れの特別ゲームも実行されておらず、大当り遊技でもなく、且つ何れの特別保留数も零である状態となってから、所定期間(例えば1分)が経過すると待機状態となったことを特定する。そして、主制御CPU42は、待機状態となったことを特定可能な制御コマンドを副制御基板50へ出力するとよい。
【0083】
副制御CPU51は、待機状態となったことを特定すると、デモ演出を実行させるように、演出装置群ESのうち少なくとも演出表示装置EHを制御する。また、副制御CPU51は、待機状態となってから所定期間(例えば5分)が経過すると、デモ演出を終了し、節電状態となるように演出装置群ESを制御する。副制御CPU51は、節電状態において、十字キーD2が操作されたことを示す操作信号を入力したことを契機として、節電状態を終了してデモ演出を開始(再開)させるように、演出装置群ESのうち少なくとも演出表示装置EHを制御する。
【0084】
そして、副制御CPU51は、待機状態中に変動開始コマンドを入力すると、演出ゲームを実行するように、演出装置群ESのうち少なくとも演出表示装置EHを制御する。変動開始コマンドを入力したとき、デモ演出の実行中であった場合、副制御CPU51は、デモ演出を終了して演出ゲームを実行するように、演出装置群ESのうち少なくとも演出表示装置EHを制御する。また、変動開始コマンドを入力したときに節電状態であった場合、副制御CPU51は、節電状態を終了して演出ゲームを実行するように、演出装置群ESのうち少なくとも演出表示装置EHを制御する。
【0085】
次に、大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。副制御CPU51は、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行するように演出装置群ESを制御する。副制御CPU51は、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行するように演出装置群ESを制御する。副制御CPU51は、エンディング開始コマンドを入力すると、エンディング演出を実行するように演出装置群ESを制御する。副制御CPU51は、エンディング終了コマンドを入力すると、エンディング演出を終了するように演出装置群ESを制御する。本実施形態において、演出ゲーム、該演出ゲームに関連した各種の演出(可動演出を含む)、デモ演出、及び大当り演出は、通常演出の一例である。
【0086】
次に、パチンコ遊技機10に搭載されたカスタマイズ機能について説明する。
図4に示すように、本実施形態におけるカスタマイズ機能には、スピーカSPが音声演出を実行するときの音量を調整する音量調整機能と、装飾ランプLAが発光演出を実行するときの輝度を調整する輝度調整機能と、がある。
【0087】
音量調整機能の概略について説明する。
パチンコ遊技機10は、十字キーD2(キーD2u,D2d)を用いた操作によって、スピーカSPの音量値としての音量レベルを1から3までの全3段階にわたって調整可能に構成されている。以下、「レベル」を「LV」と示す場合がある。音量LVは、音声演出における音量範囲を規定する情報である。本実施形態において、上キーD2uの操作、及び下キーD2dの操作は、スピーカSPの音量値を調整する操作の一例である。以下の説明では、十字キーD2を用いて音量LVを調整する操作を「音量調整操作」と示す。本実施形態の一例において、音量LVの初期値は、音量LV1に定められている。
【0088】
輝度調整機能の概略について説明する。
パチンコ遊技機10は、十字キーD2(キーD2l,D2r)を用いた操作によって、装飾ランプLAの輝度値としての輝度LVを1から3までの全3段階にわたって調整可能に構成されている。輝度LVは、発光演出における輝度範囲を規定する情報である。本実施形態において、左キーD2lの操作、及び右キーD2rの操作は、装飾ランプLAの輝度値を調整する操作の一例である。十字キーD2は、輝度LVを変更する操作が可能な操作手段の一例となる。以下の説明では、十字キーD2を用いて輝度LVを調整する操作を「輝度調整操作」又は「輝度変更操作」と示す。本実施形態の一例において、輝度LVの初期値は、輝度LV1に定められている。
【0089】
カスタマイズ機能に関連した画像の表示態様の一例について説明する。
図4に示すように、音量調整を可能であるとき、演出表示装置EHでは、現在の音量LVを特定可能な画像の一例として、音量メーターMSが表示される。輝度調整を可能であるとき、演出表示装置EHでは、現在の輝度LVを特定可能な画像の一例として、輝度メーターMLが表示される。輝度メーターMLは、装飾ランプLAの輝度LVを特定可能な輝度情報の一例である。
【0090】
音量メーターMSについて詳しく説明する。
図5(a)~(c)に示すように、音量メーターMSは、最大で3つの音量マスmsを含んで構成され得る。音量メーターMSの表示態様には、音量LV1を特定可能な表示態様から、音量LV3を特定可能な表示態様まで、全部で3段階の表示態様がある。音量メーターMSでは、1つの音量マスmsが表示された状態から、音量LV1に設定されていることを特定可能である。同様に、音量メーターMSでは、2つの音量マスmsが表示された状態から音量LV2に、3つの音量マスmsが表示された状態から音量LV3に設定されていることを特定可能である。
【0091】
輝度メーターMLについて詳しく説明する。
図6(a)~(c)に示すように、輝度メーターMLは、最大で3つの輝度マスmlを含んで構成され得る。輝度メーターMLの表示態様には、輝度LV1を特定可能な表示態様から、輝度LV3を特定可能な表示態様まで、全部で3段階の表示態様がある。輝度メーターMLでは、1つの輝度マスmlが表示された状態から、輝度LV1に設定されていることを特定可能である。同様に、輝度メーターMLでは、2つの輝度マスmlが表示された状態から輝度LV2に、3つの輝度マスmlが表示された状態から輝度LV3に設定されていることを特定可能である。
【0092】
次に、カスタマイズ機能に係る制御内容について説明する。
副制御CPU51は、カスタマイズ機能が有効であり、音量LV及び輝度LVを調整可能とする期間(以下、調整可能期間と示す)を設定する制御を可能に構成されている。副制御CPU51は、予め定めた設定条件が成立すると調整可能期間を開始させ、予め定めた終了条件が成立すると、調整可能期間を終了させる。調整可能期間に関する設定条件及び終了条件については、後述する。
【0093】
調整可能期間中、副制御CPU51は、十字キーD2を構成するキーの何れかから操作信号を入力すると、音量メーターMS及び輝度メーターMLを表示するように、演出表示装置EHを制御する。このとき、副制御CPU51は、現在の音量LVを特定可能な表示態様にて音量メーターMSを表示させる。副制御CPU51は、副制御RWM53に記憶されている音量LVフラグの値を参照することにより、現在の音量LVを特定可能である。副制御CPU51は、音量LVフラグの値を更新することにより、音量LVを変更する。また、副制御CPU51は、現在の輝度LVを特定可能な表示態様にて輝度メーターMLを表示させる。副制御CPU51は、副制御RWM53に記憶されている輝度LVフラグの値を参照することにより、現在の輝度LVを特定可能である。副制御CPU51は、輝度LVフラグの値を更新することにより、輝度LVを変更する。
【0094】
副制御CPU51は、上キーD2uから操作信号を入力した場合、現在の音量LVが上限に達していないときには、音量LVを1つ上の音量LVに変更する一方、上限に達しているときには、音量LVを変更しない。副制御CPU51は、下キーD2dから操作信号を入力した場合、現在の音量LVが下限に達していないときには、音量LVを1つ下の音量LVに変更する一方、下限に達しているときには、音量LVを変更しない。副制御CPU51は、音量LVを変更するときには、変更後の音量LVを特定可能な表示態様にて音量メーターMSを表示し、音量LVを変更しないときには、現在の表示態様のまま音量メーターMSを表示するように、演出表示装置EHを制御する。
【0095】
副制御CPU51は、右キーD2rから操作信号を入力した場合、現在の輝度LVが上限に達していないときには、輝度LVを1つ上の輝度LVに変更する一方、上限に達しているときには、輝度LVを変更しない。副制御CPU51は、左キーD2lから操作信号を入力した場合、現在の輝度LVが下限に達していないときには、輝度LVを1つ下の輝度LVに変更する一方、下限に達しているときには、輝度LVを変更しない。副制御CPU51は、輝度LVを変更するときには、変更後の輝度LVを特定可能な表示態様にて輝度メーターMLを表示し、輝度LVを変更しないときには、現在の表示態様のまま輝度メーターMLを表示するように、演出表示装置EHを制御する。
【0096】
そして、音量メーターMS及び輝度メーターMLを表示中、副制御CPU51は、十字キーD2を構成するキーの何れかから最後に操作信号を入力してから所定期間が経過すると、音量メーターMS及び輝度メーターMLを非表示とするように、演出表示装置EHを制御する。
【0097】
次に、調整可能期間の設定条件及び終了条件の成立タイミングと、輝度LV及び音量LVの調整結果の反映タイミングと、について、副制御CPU51の制御内容とともに詳細に説明する。本実施形態の一例において、調整可能期間の設定条件は、副制御CPU51が電源投入時に行う電源投入処理において成立し得る。
【0098】
電源投入処理について詳しく説明する。本実施形態の一例において、電源投入処理には、可動体が正常に動作可能であるか否かを確認するための初期確認処理と、各種の報知を行わせるための起動報知処理と、が含まれる。
【0099】
最初に、初期確認処理について説明する。初期確認処理には、第1可動体EK1を対象とした第1初期確認処理と、第2可動体EK2を対象とした第2初期確認処理と、がある。副制御CPU51は、電源投入時の起動処理によって起動すると、主制御基板40から起動コマンドを入力するまで待機する。
【0100】
副制御CPU51は、起動処理後の待機中、主制御基板40から起動コマンドを入力すると、第1初期確認処理を実行する。第1初期確認処理において、副制御CPU51は、第1可動体EK1が初期動作を行うように、第1可動体EK1のステッピングモータ(不図示)を制御する。副制御CPU51は、第1原位置センサからの検知信号の遷移を監視する。副制御CPU51は、第1可動体EK1に初期動作を開始させてから、第1動作期間が経過した時点において、第1原位置センサからの検知信号がONのままであるとき、及び、ON→OFFに遷移したもののONに再遷移しないときに、第1可動体EK1及びステッピングモータのうち少なくとも一方に異常が発生したと判定する。第1動作期間は、第1可動体EK1の初期動作が正常に終了するのに要する時間よりも長い時間に設定されている。この場合、副制御CPU51は、ステッピングモータを停止させるとともに、可動体に異常があるエラー状態(以下、可動体エラー状態と示す)を特定可能な情報(以下、可動体異常フラグと示す)を副制御RWM53に記憶させる。なお、副制御CPU51は、可動体異常フラグが記憶されているとき、可動条件が成立しても可動演出を実行させない。また、副制御RWM53に記憶に記憶される可動体異常フラグは、バックアップされず、電源断とともに消去される。その後、副制御CPU51は、第1初期確認処理を終了するとともに、第2初期確認処理を実行しない。一方、副制御CPU51は、第1動作期間が経過する時点までに、第1原位置センサからの検知信号がON→OFF→ONのように変化したとき、第1可動体EK1及びステッピングモータが正常であると判定する。その後、第1動作期間が終了すると、副制御CPU51は、第1初期確認処理を終了するとともに、続けて第2初期確認処理を実行する。
【0101】
第2初期確認処理において、副制御CPU51は、第2可動体EK2が初期動作を行うように、第2可動体EK2のステッピングモータ(不図示)を制御する。副制御CPU51は、第2原位置センサからの検知信号の遷移を監視する。副制御CPU51は、第2可動体EK2に初期動作を開始させてから、第2動作期間が経過した時点において、第2原位置センサからの検知信号がONのままであるとき、及び、ON→OFFに遷移したもののONに再遷移しないときに、第2可動体EK2及びステッピングモータのうち少なくとも一方に異常が発生したと判定する。第2動作期間は、第2可動体EK2の初期動作が正常に終了するのに要する時間よりも長い時間に設定されている。この場合、副制御CPU51は、ステッピングモータを停止させるとともに、可動体異常フラグを副制御RWM53に記憶させる。その後、副制御CPU51は、第2初期確認処理を終了する。一方、副制御CPU51は、第2動作期間が経過する時点までに、第2原位置センサからの検知信号がON→OFF→ONのように変化したとき、第2可動体EK2及びステッピングモータが正常であると判定する。その後、副制御CPU51は、第2初期確認処理を終了する。このように、第2動作期間は、第1動作期間の後の期間である。
【0102】
副制御CPU51は、第2初期確認処理を実行しないときの第1初期確認処理、又は、第2初期確認処理を終了すると、主制御基板40から変動ゲームの実行に関する制御コマンド、又は、大当り演出の実行に関する制御コマンドを入力するまで待機する。そして、詳しくは上述したように、副制御CPU51は、変動開始コマンド等、変動ゲームの実行に関する制御コマンドを入力すると、該制御コマンドに基づいて演出ゲームを実行させる。副制御CPU51は、オープニングコマンドやラウンドコマンド等、大当り演出の実行に関する制御コマンドを入力すると、該制御コマンドに基づいて大当り演出を実行させる。副制御CPU51は、演出ゲームや大当り演出の実行に関する制御コマンドを入力せず、待機開始から所定期間の経過によって待機状態となったことを特定すると、デモ演出を実行させる。このように、副制御CPU51は、第1動作期間及び第2動作期間の終了後、通常演出を実行させるように、演出装置群ESを制御する。換言すれば、第1動作期間中及び第2動作期間中、通常演出は、その実行が制限されているともいえる。
【0103】
次に、起動報知処理について説明する。
副制御CPU51は、電源投入時の起動処理によって起動すると、RWMクリアコマンドを入力していないときには、RWMクリア処理を伴わない通常の起動中状態であることを特定可能な報知(以下、第1起動中報知と示す)を行うように、装飾ランプLA、スピーカSP、及び演出表示装置EHを制御する。一方、副制御CPU51は、RWMクリアコマンドを入力しているときには、RWMクリア処理を伴う起動中状態であることを特定可能な報知(以下、第2起動中報知と示す)を行うように、装飾ランプLA、スピーカSP、及び演出表示装置EHを制御する。
【0104】
具体的に、副制御CPU51は、輝度LV3に応じた輝度範囲のうち最も高い輝度であって、且つ、特定発光パターンにて発光するように、装飾ランプLAを制御する。副制御CPU51は、音量LV3に応じた音量範囲のうち最も大きい音量にて、特定の楽曲などの特定音声を出力するように、スピーカSPを制御する。副制御CPU51は、「起動中です!」などの文字列のように、パチンコ遊技機10が起動中であることを特定可能な特定情報を表示するように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU51は、第1動作期間と第2動作期間とを合算した合計動作期間が経過する迄の間、起動中報知を実行させる制御を行う。特定発光パターン、特定音声、及び特定情報のうち少なくとも1つは、第1起動中報知と第2起動中報知とで異なる。
【0105】
副制御CPU51は、起動処理によって起動しても、調整可能条件の設定条件が成立するまで調整可能期間を開始させない。そして、副制御CPU51は、第2初期確認処理を実行することなく第1初期確認処理を終了する場合、起動コマンドを入力してから、合計動作期間が経過すると、設定条件が成立したことを特定し、調整可能期間を開始させる。つまり、副制御CPU51は、第2可動体EK2に初期動作を行わせないとき、第1動作期間が経過しても、第2動作期間が経過するまでは調整可能期間を設定しない。この場合、副制御CPU51は、第1動作期間中及び第2動作期間中、輝度メーターMLを表示しないように、演出表示装置EHを制御する。つまり、第1動作期間及び第2動作期間では、装飾ランプLAの輝度LVを特定可能な輝度メーターMLが表示されない。音量メーターMSについても同様である。
【0106】
一方、副制御CPU51は、第1初期確認処理に続けて第2初期確認処理を開始するときには、第2初期確認処理を開始するときに設定条件が成立したことを特定し、調整可能期間を開始させる。つまり、副制御CPU51は、第1可動体EK1の初期動作に続けて第2可動体EK2の初期動作を行わせるとき、第1動作期間が経過すると、第2動作期間の開始時から調整可能期間を設定する。この場合、副制御CPU51は、第1動作期間中、輝度メーターMLを表示しないように、演出表示装置EHを制御する。一方、副制御CPU51は、第2動作期間中、輝度メーターMLを表示するように、演出表示装置EHを制御できる。つまり、第1動作期間では、装飾ランプLAの輝度LVを特定可能な輝度メーターMLが表示されない。第2動作期間では、装飾ランプLAの輝度LVを特定可能な輝度メーターMLが表示されうる。音量メーターMSについても同様である。
【0107】
本実施形態の一例において、副制御CPU51は、第2動作期間中、輝度LVが調整されても、その時点では装飾ランプLAの輝度を調整後の輝度LVに応じた輝度に変更しない。副制御CPU51は、第2動作期間中、音量LVが調整されても、その時点ではスピーカSPの音量を調整後の音量LVに応じた音量に変更しない。副制御CPU51は、電源投入がされてから、第1動作期間及び第2動作期間が経過する迄の間、起動中報知を実行するように演出装置群ESを制御し、通常演出を実行させない。なお、特定発光パターン、特定音声、及び特定情報は、第1動作期間と第2動作期間とで同じである。また、第1可動体EK1及び第2可動体EK2では、起動中報知が行われない。
【0108】
前述のように、第1起動中報知及び第2起動中報知は、何れも輝度LV3に対応した輝度範囲のうち最も高い輝度にて装飾ランプLAが発光することにより行われる。つまり、第1動作期間及び第2動作期間では、装飾ランプLAが最大輝度にて発光する。第1動作期間及び第2動作期間では、スピーカSPが最大音量にて音声を出力する。そして、副制御CPU51は、合計動作期間が経過すると、起動中報知を終了させる。具体的に、副制御CPU51は、装飾ランプLAの輝度を現在の輝度LVに応じた輝度に変更し、通常演出を構成する発光演出を実行させる。副制御CPU51は、スピーカSPの音量を現在の音量LVに応じた音量に変更し、通常演出を構成する音声演出を実行させる。つまり、合計動作期間の経過後の輝度は、第2動作期間において輝度LVが調整されておれば、該調整後の輝度LVに応じた輝度となる。合計動作期間の経過後の音量は、第2動作期間において音量LVが調整されておれば、該調整後の音量LVに応じた音量となる。その他、副制御CPU51は、通常演出を構成する表示演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。また、副制御CPU51は、通常演出を構成する可動演出を実行するように、第1可動体EK1や第2可動体EK2を制御する。
【0109】
このように、本実施形態の一例では、電源投入がされたとき、第1動作期間(第1可動体EK1の初期動作中)では調整可能期間が設定されず、装飾ランプLAの輝度LVを変更不能である。電源投入がされたとき、第2動作期間(第2可動体EK2の初期動作中)では、調整可能期間が設定され、装飾ランプLAの輝度LVを調整可能となりうる。そして、第2動作期間において輝度LVが変更されても、所定のタイミングの一例として、第2動作期間の終了タイミングが到来するまでは、装飾ランプLAの輝度が変更後の輝度LVに応じた輝度に変更されない。つまり、第2動作期間において輝度LVが調整された場合、該調整結果の反映は、第2動作期間が経過するまで遅延される。なお、第2動作期間における音量LVの調整についても同様である。第1動作期間では、可動体のうち第1可動体EK1が初期動作を行い、第2動作期間では、第2可動体EK2が初期動作を行うようになっている。また、第1動作期間及び第2動作期間は、可動体EK1,EK2が規定動作を行う期間の一例である。
【0110】
副制御CPU51は、合計動作期間の経過後、終了条件が成立するまで調整可能期間を継続して設定する。本実施形態の一例において、終了条件は、電源断がされることである。つまり、本実施形態では、変動ゲームの実行中、調整可能期間が設定される。本実施形態では、大当り遊技(大当り演出)中、調整可能期間が設定される。本実施形態では、待機状態中(デモンストレーション演出の実行中)、調整可能期間が設定される。そして、副制御CPU51は、合計動作期間(第2動作期間)の経過後における調整可能期間では、輝度LVが変更されると、その時点で変更後の輝度LVに対応した輝度にて発光するように、装飾ランプLAを制御する。つまり、副制御CPU51は、輝度LVの調整結果を即座に反映させる。副制御CPU51は、合計動作期間の経過後における調整可能期間では、音量LVが変更されると、その時点で変更後の音量LVに対応した音量にて音声出力するように、スピーカSPを制御する。つまり、副制御CPU51は、音量LVの調整結果を即座に反映させる。そして、上述のように、調整可能期間中、演出表示装置EHでは、輝度メーターMLを表示可能である。調整可能期間中、演出表示装置EHでは、音量メーターMSを表示可能である。
【0111】
本実施形態において、起動中状態は、特定エラー状態の一例となり、起動中状態のうち第1動作期間であるときは、第1エラー状態の一例となり、起動中状態のうち第2動作期間であるときは、第3エラー状態の一例となる。第1動作期間は、第1期間の一例であり、第2動作期間は、第2期間の一例である。起動中報知のうち、第1動作期間中の部分は、第3エラー状態の報知であり、第2動作期間中の部分は、第1エラー状態の報知となる。本実施形態において、起動中状態のうち第2動作期間中の部分は、第1エラー状態の1つとなり、第1動作期間中の部分は、第3エラー状態となる。上述の通り、第1動作期間における第1可動体EK1の動作は、原点復帰動作を含む初期動作であり、第2動作期間における第2可動体EK2の動作は、原点復帰動作を含む初期動作である。そして、第1動作期間では、輝度LV(輝度値)の変更が不能である。
【0112】
本実施形態の作用について説明する。
図7には、電源投入処理の終了後である時点T00において、調整可能期間が設定されており、且つ、何れのエラー状態も発生しないものとする。時点T00において、輝度LV1に設定されているため、装飾ランプLAでは、輝度LV1に対応した輝度範囲にて通常演出としての発光演出が実行される。そして、時点T01において、十字キーD2が操作され、十字キーD2の操作に基づいて輝度LV2に調整されたとする。この場合、時点T01において、装飾ランプLAの輝度は、輝度LV2に応じた輝度に変更される。さらに、時点T02において、十字キーD2が操作され、十字キーD2の操作に基づいて輝度LV3に調整されたとする。この場合、時点T02において、装飾ランプLAの輝度は、輝度LV3に応じた輝度に変更される。このように、何れのエラー状態も発生していない場合には、輝度LVが調整され得るとともに、輝度LVの調整結果が即座に反映されるようになっている。そして、輝度メーターMLの表示は、規制されていない。
【0113】
図8には、第1初期確認処理において第1可動体EK1についての可動体エラー状態が検知されない状況が示されている。時点T10において電源投入がされると、可動体EK1,EK2を除いた演出装置群ESでは、RWMクリアに有無に応じた起動時報知が開始される。時点T11において、第1動作期間が開始されると、第1可動体EK1の初期動作が開始される。第1可動体EK1の初期動作は、異常がなければ、時点T11から時点T15までの第1動作期間が終了する前の時点T14にて終了する。時点T10においてパチンコ遊技機10が起動してから、第1動作期間が終了する時点T15までの期間は、調整可能期間が設定され得ない。このため、例えば、時点T12及び時点T13において十字キーD2が操作されても、輝度LV1のまま変化せず、輝度LVを調整できない。同様に、第1動作期間中、十字キーD2が操作されても、音量LV1のまま変化せず、音量LVを調整できない。
【0114】
続けて、時点T15において、第2動作期間が開始されると、第2可動体EK2の初期動作が開始される。第2可動体EK2の初期動作は、異常がなければ、時点T15から時点T18までの第2動作期間が終了する前の時点T17にて終了する。第2動作期間中、調整可能期間が設定されるため、例えば時点T16において十字キーD2が操作されると、十字キーD2の操作に基づいて輝度LV2に調整され得る。しかし、この時点T16では、装飾ランプLAの輝度が調整後の輝度LVに応じた輝度に変更されない。そして、第2動作期間が終了する時点T18において、装飾ランプLAの輝度が輝度LV2に対応した輝度に変更される。同様に、第2動作期間中、十字キーD2の操作によって、音量LVを調整することができる。しかし、第2動作期間中、スピーカSPの音量が調整後の音量LVに応じた音量には変更されず、第2動作期間が経過してから変更される。
【0115】
その後、合計動作期間の経過後である時点T19にて十字キーD2が操作されると、輝度LVが調整され得るとともに、装飾ランプLAの輝度が調整後の輝度LVに応じた輝度に変更される。つまり、本実施形態では、第1可動体EK1が初期動作を行っていないとき、及び、第2可動体EK2が初期動作を行っていないときには、輝度LVの調整結果が即座に反映される。同様に、合計動作期間の経過後、十字キーD2が操作されると、音量LVが調整され得るとともに、スピーカSPの音量が調整後の音量LVに応じた音量に変更される。つまり、第1可動体EK1が初期動作を行っていないとき、及び、第2可動体EK2が初期動作を行っていないときには、音量LVの調整結果が即座に反映される。
【0116】
また、時点T11から時点T18までの各動作期間において、装飾ランプLA(発光手段)では、起動中報知が実行され、通常演出を構成する発光演出の実行が制限される。つまり、通常演出を構成する発光演出は、予め定めた制限条件の成立によって実行の少なくとも一部が制限(規制)され、予め定めた解除条件の成立によって制限が解除される。本実施形態において、制限条件は、電源投入されることにより成立し、解除条件は、動作期間が経過することにより成立する。そして、本実施形態の一例において、第2動作期間中の調整結果が反映される所定のタイミングは、通常演出の制限が解除されるタイミングといえる。
【0117】
図9には、第1初期確認処理において第1可動体EK1についての可動体エラー状態が検知された状況が示されている。なお、その他の状況については、図8に示す状況と同じである。以下、図8に示す状況とは異なる部分を中心に説明する。
【0118】
第1初期確認処理において第1可動体EK1についての可動体エラー状態が検知されたときには、時点T15からの第2動作期間中、第2可動体EK2の初期動作が行われない。つまり、本実施形態では、第1動作期間における第1可動体EK1の初期動作が正常に終了しない場合には、第2動作期間における第2可動体EK2の初期動作が行われない。この場合には、時点T15から時点T18までの第2動作期間中、調整可能期間が設定されないため、例えば時点T16において十字キーD2が操作されても、十字キーD2の操作に基づいて輝度LVが調整できない。その後、時点T18において合計動作期間が経過すると、設定条件が成立し、調整可能期間が開始される。このため、合計動作期間の経過後である時点T19にて十字キーD2が操作されると、輝度LVが調整され得るとともに、装飾ランプLAの輝度が調整後の輝度LVに応じた輝度に変更され得る。
【0119】
本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態によれば、装飾ランプLAでは、通常演出を実行可能である。そして、第1エラー状態(起動中状態のうち第2動作期間中の部分)の報知が行われているときの輝度LVの変更結果は、通常演出の制限が解除されるタイミングにて反映される。このため、通常演出は、変更後の輝度LVに応じた輝度にて実行されるから、遊技者や管理者が望む輝度にて、通常演出を適切に実行できる。
【0120】
(2)本実施形態によれば、第1エラー状態(起動中状態のうち第2動作期間中の部分)に関連して、第2可動体EK2が動作しているときには、輝度LVの変更結果の反映が遅延されるものの、輝度変更が可能である。一方、第3エラー状態(起動中状態のうち第1動作期間中の部分)に関連して、第1可動体EK1が動作しているときには、輝度変更そのものができない。したがって、第1可動体EK1、及び第2可動体EK2の動作に対する注目度を好適に高めつつ、利便性も確保することができる。
【0121】
(3)本実施形態によれば、同じ特定エラー状態(一例として起動中状態)であっても、その期間に応じて、輝度変更が可能であるか否かを異ならせることができる。したがって、期間に応じて、エラー状態の報知に対する注目度を高めたり、利便性を部分的に優先させたりできる。
【0122】
(4)本実施形態によれば、第2可動体EK2の初期動作(原点復帰動作を含む)が行われているときには、輝度LVを変更可能としつつも輝度変更の反映を遅延させ、第2可動体EK2の動作に問題がないかに注意させることができる。一方、第1可動体EK1の初期動作(原点復帰動作を含む)が行われているときには、輝度LVの変更そのものを不能とし、第1可動体EK1の動作に問題がないかにより注意させることができる。
【0123】
(5)本実施形態によれば、遊技者にとって相対的に重要な第1可動体EK1の動作中、輝度LVの変更ができない。したがって、パチンコ遊技機10において重要な第1可動体EK1の動作について、問題がないかを注意させることができる。なお、本実施形態の一例では、大当り期待度が高いという観点において、第1可動体EK1の重要度が高い。
【0124】
(6)本実施形態によれば、第1動作期間については、発光手段(一例として装飾ランプLA)の輝度値(輝度LV)を変更不能である。このため、目視による可動体EK1,EK2の動作確認に対し、管理者を集中させることができる。一方、第2動作期間については、輝度値を変更可能である。このため、可動体EK1,EK2の規定動作(一例として初期動作)の完了を待たずして輝度値の調整が可能であり、速やかに管理者等に輝度値を調整させることができる。
【0125】
(7)本実施形態によれば、電源投入されてからの第1動作期間では、輝度値(輝度LV)を変更不能であるが、第1動作期間の後の第2動作期間では、輝度値を変更可能となる。したがって、時間経過とともに輝度値の変更が可能となるため、管理者等にとって、輝度値を変更可能となるタイミングを理解し易くできる。
【0126】
(8)本実施形態によれば、動作期間に対応して輝度情報(一例として輝度メーターML)を表示することから、輝度値(輝度LV)を変更可能であるか否かと連動させ、管理者等にとって、輝度値を変更可能となるタイミングを理解し易くできる。
【0127】
(9)本実施形態によれば、第2動作期間については、輝度値(輝度LV)を変更可能であるものの、変更結果の反映が所定のタイミングまで遅延される。したがって、遊技者や管理者に、可動体の規定動作(一例として初期動作)に対して注意を向けさせることができる。
【0128】
(10)本実施形態によれば、各動作期間では、発光手段(一例として装飾ランプLA)が最大輝度にて発光する。このため、可動体の動作に注視し易く、また、故障により意図せず消灯している部分を発見し易くできる。
【0129】
(11)本実施形態によれば、可動体の規定動作(一例として初期動作)が正常に終了しない場合には、第2動作期間における次の規定動作が行われないことから、可動体の動作に問題がある場合に、該問題を発見し易くできる。
【0130】
(12)本実施形態によれば、第1可動体EK1→第2可動体EK2の順に規定動作(一例として初期動作)を行い、特に第1可動体EK1の規定動作が行われている期間において、輝度値を変更不能である。したがって、第1可動体EK1の動作が正常であるか否かについて、より注目させることができる。
【0131】
(13)本実施形態によれば、第1動作期間については、発光手段(一例として装飾ランプLA)の輝度値(輝度LV)を変更不能である。このため、目視による可動体の動作確認に対し、管理者を集中させることができる。一方、第2動作期間については、輝度値を変更可能であるが、輝度値の変更結果が第2動作期間の終了後に反映される。このため、可動体の規定動作の完了を待たずして輝度値の調整を可能としつつも、輝度値の変更結果の反映を遅延させることで、目視による可動体の動作確認に対し、管理者を集中させることができる。
【0132】
(14)本実施形態によれば、第1可動体EK1の規定動作(一例として初期動作)中については、発光手段(一例として装飾ランプLA)の輝度値(輝度LV)を変更不能である。このため、目視による第1可動体EK1の動作確認に対し、管理者を集中させることができる。一方、第2可動体EK2の規定動作中については、輝度値を変更可能である。このため、第2可動体EK2の規定動作の完了を待たずして輝度値の調整が可能であり、速やかに管理者等に輝度値を調整させることができる。
【0133】
(第2実施形態)
第2実施形態のパチンコ遊技機10について説明する。
以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成、及び同一制御内容については、同じ符号を付すなどし、その重複する説明を省略、又は簡略化する。
【0134】
副制御CPU51は、第1実施形態と同様に、第1磁気コマンドの入力に基づいて磁気検知エラー状態の報知を開始し、第2磁気コマンドの入力に基づいて、磁気検知エラー状態の報知を終了するように、演出装置群ESを制御する。副制御CPU51は、第1電波コマンドの入力に基づいて電波検知エラー状態の報知を開始し、第2電波コマンドの入力に基づいて、電波検知エラー状態の報知を終了するように、演出装置群ESを制御する。副制御CPU51は、第1開放コマンドの入力に基づいて開放検知エラー状態の報知を開始し、第2開放コマンドの入力に基づいて、開放検知エラー状態の報知を終了するように、演出装置群ESを制御する。副制御CPU51は、第1満杯コマンドの入力に基づいて満杯検知エラー状態の報知を開始し、第2満杯コマンドの入力に基づいて、満杯検知エラー状態の報知を終了するように、演出表示装置EHを制御する。なお、副制御CPU51は、各エラー状態の報知を可動体EK1,EK2に実行させない。副制御CPU51は、満杯検知エラー状態の報知をスピーカSP、及び装飾ランプLAに実行させない。
【0135】
そして、副制御CPU51は、電源投入処理の終了によって開始させた調整可能期間中、第1エラー状態(磁気検知エラー状態、電波検知エラー状態、及び開放検知エラー状態)の報知、及び、第2エラー状態(満杯検知エラー状態)の何れを開始させても、調整可能期間を終了しない。つまり、調整可能期間の設定中、各エラー状態が発生しても、調整可能期間の終了条件が成立しない。したがって、本実施形態では、これら第1エラー状態や第2エラー状態の報知が行われているとき、十字キーD2の操作に基づいて輝度LVの調整が可能である。
【0136】
副制御CPU51は、第1エラー状態の報知が行われているとき、輝度LVが変更されても、発生中の第1エラー状態の解消を特定可能な制御コマンドを入力するまでは、装飾ランプLAの輝度を変更後の輝度LVに応じた輝度に変更しない。副制御CPU51は、発生中の第1エラー状態の解消を特定可能な制御コマンドを入力すると、装飾ランプLAの輝度を変更後の輝度LVに応じた輝度に変更する。本実施形態において、報知中である第1エラー状態が解消されるタイミングは、所定のタイミングの一例となる。本実施形態において、第1エラー状態に関して、輝度LVの調整結果を反映させることとなる「所定のタイミング」とは、同じエラー状態について該エラー状態が解消されるタイミングであることに限らず、異なるエラー状態について、それぞれのエラー状態が解消されるタイミングを含む意図である。
【0137】
一方、副制御CPU51は、第2エラー状態の報知が行われているとき、輝度LVが変更されると、その時点で装飾ランプLAの輝度を変更後の輝度LVに応じた輝度に変更する。副制御CPU51は、発生中の第2エラー状態の解消を特定可能な制御コマンドを入力してからも、装飾ランプLAの輝度を変更後の輝度LVに応じた輝度に維持する。ここで、副制御CPU51は、第1エラー状態と第2エラー状態とが同時に発生している期間については、第1エラー状態の報知を優先して実行するように演出装置群ESを制御する。副制御CPU51は、第1エラー状態と第2エラー状態とが同時に発生しているとき、輝度LVの調整、及び該調整結果の反映に関する制御を、第1エラー状態が単独で発生しているときと同様にして行う。したがって、例えば、第1エラー状態が解消し、且つ第2エラー状態が継続しているときであっても、第1エラー状態中における輝度LVの調整結果は、第1エラー状態が解消された時点で反映される。このように、第1エラー状態と第2エラー状態とは相互に優先度が異なり、特に本実施形態の一例において、第1エラー状態は、第2エラー状態に比して優先度が高いエラー状態となる。
【0138】
本実施形態の作用について説明する。
図10には、電源投入処理の終了後である時点T20において、調整可能期間が設定されており、その後の時点T22において第1エラー状態が発生した状況が示されている。時点T20において、輝度LV1に設定されているため、装飾ランプLAでは、輝度LV1に対応した輝度範囲にて通常演出としての発光演出が実行される。そして、時点T21において、十字キーD2が操作され、十字キーD2の操作に基づいて輝度LV2に調整されたとする。この場合、時点T21において、装飾ランプLAの輝度は、輝度LV2に応じた輝度に変更される。
【0139】
時点T22において、第1エラー状態が発生すると、該第1エラー状態が解消される時点T24までの間にわたって、エラー状態の報知が装飾ランプLAを含む演出装置群ESにて実行される。これにより、時点T22から時点T24までの間、通常演出としての発光演出の実行が制限される。本実施形態では、第1エラー状態の発生によっては終了条件が成立せず、第1エラー状態の発生中にも調整可能期間が継続する。
【0140】
第1エラー状態の発生中、調整可能期間が設定されるため、例えば時点T23において十字キーD2が操作されると、十字キーD2の操作に基づいて輝度LV3に調整され得る。しかしながら、この時点T24では、装飾ランプLAの輝度が調整後の輝度LVに応じた輝度に変更されない。そして、発生中である第1エラー状態が解消される時点T24において、装飾ランプLAの輝度が輝度LV3に対応した輝度に変更される。このように、第1エラー状態も発生している場合には、輝度LVが調整され得るものの、輝度LVの調整結果の反映が遅延される。
【0141】
図11には、時点T22において第2エラー状態が発生した状況が示されている。その他の状況については、図10に示す状況と同じである。以下、図10に示す状況とは異なる部分を中心に説明する。時点T22において、第2エラー状態が発生すると、該第2エラー状態が解消される時点T24までの間にわたって、エラー状態の報知が装飾ランプLAを含まない演出装置群ESにて実行される。これにより、時点T22から時点T24までの間、通常演出としての発光演出の実行が制限されない。つまり、実行中の通常演出が継続して実行される。本実施形態では、第2エラー状態の発生によっては終了条件が成立せず、第2エラー状態の発生中にも調整可能期間が継続する。
【0142】
第2エラー状態の発生中、調整可能期間が設定されるため、例えば時点T23において十字キーD2が操作されると、十字キーD2の操作に基づいて輝度LV3に調整され得る。この場合、時点T23において、装飾ランプLAの輝度は、輝度LV3に応じた輝度に変更される。このように、第2エラー状態が発生している場合には、輝度LVが調整され得るとともに、輝度LVの調整結果が即座に反映されるようになっている。本実施形態では、第2エラー状態の報知が行われているとき、輝度LVの変更が可能であり、輝度LVが変更されると、第2エラー状態が解消される前に、装飾ランプLAの輝度が変更後の輝度LVに応じた輝度に変更される。
【0143】
本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態によれば、第1エラー状態に関しては、輝度値の変更結果の反映を所定のタイミングまで遅延させることによって、遊技者や管理者に、エラー状態の報知に対して注意を向けさせ得る。一方、第1エラー状態とは優先度が異なる第2エラー状態に関しては、輝度値の変更結果を速やかに反映させ、利便性を高めることができる。
【0144】
(2)本実施形態によれば、第1エラー状態の報知中と、第2エラー状態の報知中とでは、装飾ランプLAの発光態様が異なる。このため、遊技者がエラー状態の種類を理解し易いことに加えて、輝度LVの変更が即座に反映されるか否かを直感的に理解させることができる。一方、輝度メーターMLは、表示されることから、輝度LVを調整可能であることを理解し易くすることも可能である。
【0145】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0146】
・調整可能期間の終了条件は、変動ゲームの実行中における特定演出(一例としてリーチ演出)の開始に定めてもよく、この場合、設定条件(再設定条件)は、該変動ゲームの終了に定めるとよい。調整可能期間の終了条件は、大当り遊技の実行中における所定タイミングの到来に定めてもよく、この場合、設定条件(再設定条件)は、大当り遊技の終了、又は、第2有利状態の終了に定めてもよい。調整可能期間の終了条件は、変動ゲームの開始に定めてもよく、この場合、設定条件(再設定条件)は、待機状態への移行に定めるとよい。
【0147】
・第1起動中報知及び第2起動中報知は、装飾ランプLAによる報知を含まない構成であってもよい。この場合、第1動作期間及び第2動作期間において、装飾ランプLAは、消灯する構成であってもよく、枠ランプLA1が点灯する一方、盤ランプLA2が消灯する構成であってもよい。
【0148】
・エラー発光パターンは、第1エラー状態に分類される各エラー状態において、共通化されていてもよく、相互に異なっていてもよい。エラー発光パターンは、第1エラー状態と、第2エラー状態とで共通化されていてもよく、相互に異なっていてもよい。つまり、第1エラー状態の報知、及び第2エラー状態の報知は、同じ発光により行われてもよく、異なる発光により行われてもよい。
【0149】
・第1エラー状態における輝度LVの変更結果を装飾ランプLAの輝度に反映させる所定のタイミングは、第1エラー状態が解消されたタイミングに限らず、第1エラー状態が解消されるタイミングよりも前のタイミングであってもよく、後のタイミングであってもよい。例えば、第1実施形態において、副制御CPU51は、第2動作期間の経過前(第1エラー状態の解消前)であって、且つ、第2可動体EK2の初期動作が終了するタイミングにて、変更後の輝度LVに応じた輝度となるように装飾ランプLAを制御してもよい。副制御CPU51は、第2動作期間の経過後、変動開始コマンド、オープニングコマンド、ラウンドコマンド、及びエンディングコマンドの何れかを最初に入力したときに、変更後の輝度LVに応じた輝度となるように装飾ランプLAを制御してもよい。第2実施形態において、副制御CPU51は、第1エラー状態が解消されてから所定期間の経過後、変更後の輝度LVに応じた輝度となるように装飾ランプLAを制御してもよい。
【0150】
・第1エラー状態、第2エラー状態、及び第3エラー状態に分類されるエラー状態の種類及び数は、変更してもよい。各エラー状態には、各実施形態に例示したエラー状態に加えて、又は代えて、入賞口への入賞に異常がある入賞異常検知エラー状態、可動体EK1,EK2に異常がある可動体エラー状態、及び、主制御CPU42の動作にエラーが発生したCPUエラー状態などを含んでもよい。
【0151】
・第2エラー状態は、第1エラー状態に比して優先度が高い構成であってもよい。つまり、第2エラー状態は、第1エラー状態と優先度が異なっておればよい。なお、第1エラー状態と第2エラー状態とは、優先度が同じであり、先に発生したエラー状態の報知を優先させる構成であってもよい。
【0152】
・副制御CPU51は、起動中状態のうち第1動作期間中の部分を第1エラー状態とし、起動中状態のうち第2動作期間中の部分を第2エラー状態として、上述の輝度LVの調整及び反映に関する制御を行う構成であってもよい。副制御CPU51は、第2初期確認処理→第2初期確認処理の順に実行してもよく、初期確認処理間に所定の待機時間を設けてもよい。
【0153】
・可動体EK1,EK2は、電源投入がされたときに規定動作(一例として初期動作)を実行するように構成されていたが、これに限らず、可動体に関するエラー状態が発生するなど、所定条件が成立したときに、第1動作期間及び第2動作期間を設定し、初期動作を行う構成であってもよい。本変更例においても、副制御CPU51は、上記実施形態のように、第1動作期間中及び第2動作期間中、輝度LVを調整する制御や、輝度を変更する制御を実行するとよい。
【0154】
・可動体EK1,EK2は、その一方または両方がLEDなどの発光体を内蔵することによって、装飾ランプLA(盤ランプLA2)の一部として兼用されていてもよい。この場合、副制御CPU51は、装飾ランプとしての可動体EK1,EK2について、本実施形態のように輝度LVを調整する制御や、輝度を変更する制御を実行するとよい。演出ボタンD1及び十字キーD2についても同様に変更できる。
【0155】
・装飾ランプLAの全てについて、輝度(輝度LV)を調整可能に構成することに限らず、一部のランプについてのみ、輝度(輝度LV)を調整可能に構成してもよい。この場合、副制御CPU51は、輝度LVの調整対象とならないランプについては、輝度LVの調整結果に関係なく、所定の輝度にて発光するように制御する。輝度LVの調整対象とならないランプは、遊技盤YBに設けられていてもよく、可動体EK1,EK2に設けられていてもよく、搭載枠11bに設けられていてもよい。
【0156】
・第1可動体EK1の規定動作は、初期動作であることに限らず、原位置P0aへ復帰させる動作のみから構成されていてもよい。第2可動体EK2の規定動作は、初期動作であることに限らず、原位置P0bへ復帰させる動作のみから構成されていてもよい。
【0157】
・第2可動演出は、第1可動演出に比して、大当り期待度が高くてもよく、大当り期待度が同じであってもよい。第1可動演出は、大当り確定の演出であってもよいし、特定図柄の大当り確定の演出であってもよい。
【0158】
・第1可動体EK1は、高入球率状態(短変動時間状態)や確変状態などの有利状態であるときに、演出位置P1aに位置し、有利状態であることを報知する構成であってもよい。第1可動体EK1は、大当り遊技中、演出位置P1aに位置し、大当り遊技中であることを報知する構成であってもよい。第2可動体EK2についても同様に変更できる。
【0159】
・可動体EK1,EK2の動作は、副制御CPU51によって制御されたが、これに限らず、主制御CPU42によって制御される構成であってもよい。
・可動体EK1,EK2は、遊技盤YBに設けられたが、これに限らず、一方又は両方が搭載枠11bに設けられていてもよい。また、パチンコ遊技機10は、1つの可動体を備えた構成であってもよく、3つ以上の可動体を備えた構成であってもよい。一例として、第1可動体EK1を搭載枠11bの上部に設ける一方、複数の第2可動体EK2を上記実施形態のように遊技盤YBに設ける構成であってもよい。この場合、第2動作期間中、複数の第2可動体EK2については、これら複数の第2可動体EK2の中で予め定めた順序で規定動作(一例として初期動作)を行わせるとよい。第1可動体EK1及び第2可動体EK2は、遊技球が入球可能な部位を備えたものであってもよい。
【0160】
・可動体EK1,EK2は、電源投入がされたとき、RWMクリア処理が実行されたか否かに関係なく規定動作としての初期動作を行うように構成されていたが、これに限らず、RWMクリア処理が実行されたときにのみ、規定動作を行う構成であってもよい。副制御CPU51は、RWMクリアコマンドの有無によって、RWMクリア処理の有無を特定できる。
【0161】
・大当り遊技の終了後は、必ず高入球率状態(短変動時間状態)を付与したが、これに限らず、大当り図柄の種類に応じて、高入球率状態を付与しないときがあってもよい。
・特別ゲームは、演出表示装置EHにて表示してもよい。この場合、演出ゲームを表示しないようにしてもよい。第1特別ゲームと第2特別ゲームとは、保留順に実行してもよく、同時に並行して実行してもよい。また、第2特別ゲームを省略してもよい。
【0162】
・パチンコ遊技機10の機械的な構成は適宜変更してもよい。例えば、演出表示装置EHを複数の表示手段から構成してもよく、そのうちの一部の表示手段を変位可能に構成してもよい。例えば、操作手段は単数又は複数(3つ以上)であってもよく、複数の操作部が複合したものであってもよい。
【0163】
・主制御基板40の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御基板40は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成してもよい。副制御基板50の機能は、複数の基板に分割して実現されていてもよい。例えば、パチンコ遊技機10は、演出表示装置EHを専門に制御する表示基板、装飾ランプを専門に制御するランプ基板、及びスピーカSPを専門に制御する音声基板を備えていてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに備えていてもよい。また、副制御CPU51は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0164】
・本実施形態において、遊技機は、パチンコ遊技機であったが、これに限らず、スロットマシンとして構成されていてもよい。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
【0165】
(1)前記第1動作期間、及び前記第2動作期間では、前記発光手段が最大輝度にて発光する、又は、消灯する。
(2)前記第1動作期間における前記可動体の規定動作が正常に終了しない場合には、前記第2動作期間における前記可動体の規定動作が行われない。
【0166】
(3)前記可動体には、第1可動体と、第2可動体と、が含まれ、前記第1動作期間では、前記可動体のうち前記第1可動体が規定動作を可能であり、前記第2動作期間では、前記可動体のうち前記第2可動体が規定動作を可能である。
【0167】
(4)発光手段と、前記発光手段の輝度値を変更する操作が可能な操作手段と、前記発光手段を制御する発光制御手段と、可動体と、前記可動体を制御する可動制御手段と、を備え、前記可動体は、電源投入がされると規定動作を行い、前記可動体が規定動作を行う期間のうち第1動作期間では、前記輝度値の変更が可能となる調整可能期間が設定されないことによって、前記操作手段の操作に基づいて前記発光手段の輝度値を変更不能であり、前記第1動作期間は、前記可動体のうち第1可動体が規定動作を行いうる期間であり、前記可動体が規定動作を行う期間のうち第2動作期間では、当該第2動作期間の全体にわたって前記調整可能期間が設定され得ることによって、前記第2動作期間に移行した時点において前記操作手段の操作に基づいて前記発光手段の輝度値を変更可能であり、前記第2動作期間は、前記可動体のうち第2可動体が規定動作を行いうる期間であり、前記第2可動体の規定動作は、前記第1可動体の規定動作の後に続けて実行され、前記発光手段には、前記操作手段の操作に基づいて前記輝度値を変更し得る発光手段に加えて前記輝度値を変更し得ない発光手段を含み、前記輝度値を変更し得ない発光手段は、前記第1動作期間及び前記第2動作期間では所定の輝度で発光することを特徴とする遊技機。
【符号の説明】
【0168】
D2(D2u,D2d,D2l,D2r)…十字キー、EH…演出表示装置、EK1…第1可動体、EK2…第2可動体、LA…装飾ランプ、LA1…枠ランプ、LA2…盤ランプ、SP…スピーカ、10…パチンコ遊技機、40…主制御基板、41…マイクロプロセッサ、42…主制御CPU、50…副制御基板、51…副制御CPU。
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