IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社治郎吉商店の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】携帯情報端末保持装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/04 20060101AFI20231201BHJP
【FI】
H04M1/04 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023117985
(22)【出願日】2023-07-20
【審査請求日】2023-07-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507254115
【氏名又は名称】株式会社治郎吉商店
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】白石 亘
(72)【発明者】
【氏名】池田 匡邦
【審査官】大橋 達也
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第203224821(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0088752(US,A1)
【文献】特開2002-125027(JP,A)
【文献】特開2015-226317(JP,A)
【文献】登録実用新案第3235754(JP,U)
【文献】登録実用新案第3211228(JP,U)
【文献】特開2021-041129(JP,A)
【文献】中国実用新案第219143344(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00
G06F 1/16
H05K 5/00
G09G 3/00-5/00
A45C 1/00-15/00
A45F 5/00
A63F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯情報端末を保持する携帯情報端末保持装置であって、
背板と、
前記背板の側端部に折り畳み自在に取り付けられるとともに、前記携帯情報端末を左右から挟み込み可能となるように互いに間隔を空けて配置され、下端面が接地面として機能する一対の側板と、
前記背板の上端部に折り畳み自在に取り付けられて、前記一対の側板の上端部同士を連結する天板と、
を備えており、
前記一対の側板の下端部は、前記背板の下端部よりも下方に突出し、
前記一対の側板の各々における下端面と前端面とが成す下端部前方の角部は、側面視において鋭角に形成されて、かつ前記前端面は後方に傾斜しており、
前記一対の側板の各々における前記携帯情報端末を挟み込む側の内側面には、前記携帯情報端末の側端部が入れられる溝部が設けられ、
前記溝部は、前記一対の側板の各々における上端部から下端部まで伸び、かつ、前記一対の側板の各々における前端面と平行に配置され、
前記溝部の下端部は、その高さ位置が前記一対の側板の下端面よりも上方に位置していることを特徴とする携帯情報端末保持装置。
【請求項2】
前記一対の側板の各々における前端面と後端面は平行に配置されて、前記一対の側板は後方に傾斜しており、
前記背板の後面の下端部に折り畳み自在に取り付けられ、下端面が、前記一対の側板の下端面と共に接地面として機能する支持板を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末保持装置。
【請求項3】
前記天板は、当該天板の下面に設けられて、前記一対の側板の各々における上端部がそれぞれ固定される被固定部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯情報端末保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォンやタブレット端末のような携帯情報端末を保持する携帯情報端末保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、スマートフォンやタブレット端末のような携帯情報端末は、例えば、病院での受付端末として利用されたり、イベント会場での受付端末として利用されたり、屋外スポーツでの審判用端末として利用されたりしている(例えば特許文献1参照)。
また、携帯情報端末は、その表示画面に照明光や日光が当たると、反射光によって表示画面に表示されている情報が見づらくなる。それに加えて、携帯情報端末は精密機械であるため、例えば夏場の直射日光下で高温に曝されると、熱暴走により動作が不安定になる場合もある。そこで、携帯情報端末への光の入射を防ぐサンシェード等の開発も行われている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第7278669号公報
【文献】実用新案登録第3241860号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のサンシェードは、サンシェードそのもので携帯情報端末を保持することができない。そのため、携帯情報端末を保持するホルダーを別途用意しなければならず、コストが余計にかかるという問題がある。コストの削減を図るため、仮にホルダーを用いないようにすると、例えば台の上に置いたサンシェードの内側に携帯情報端末を横に置いて使うことになり、表示画面が見にくく使い勝手も悪い。もしくは、台の上に置いたサンシェードの内側にスタンドを置いて、そのスタンドに携帯情報端末を立てかけて使用することも考えられるが、そうなると、結局スタンドを別途用意しなければならず、コストの削減を図ることができない。
さらに、屋外のイベント会場やスポーツ会場において、サンシェードの内側に携帯情報端末を横に置いて使う、もしくは、サンシェードの内側に置かれたスタンドに携帯情報端末を立てかけて使うとなると、サンシェードが強い風を受けて移動してしまうことも十分に考えられる。そして、サンシェードが移動してしまうと、その内側に置かれている携帯情報端末も移動してしまうことになるため、携帯情報端末の設置安定性を向上できるような技術の開発も求められている。
また、従来のサンシェードは、別途用意されたホルダーで携帯情報端末を保持する場合も、ホルダーに対して先にサンシェードを装着してから携帯情報端末をセットする手順を取らなければならず、ある程度の時間がかかることになる。そして、携帯情報端末を、屋外のイベント会場やスポーツ会場にて受付端末や審判用端末として使用する場合に、携帯情報端末のセットに手間取ってしまうと、イベントや大会自体の進行に影響が出る場合も十分に考えられる。そのため、いち早く携帯情報端末をセットできるような技術の開発が求められている。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、製造コストを削減できるとともに、携帯情報端末をセットする際の手間や所要時間を軽減でき、さらに、携帯情報端末の使用時における設置安定性を向上でき、その上で、保持している携帯情報端末の使い勝手を向上できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、携帯情報端末を保持する携帯情報端末保持装置であって、
背板と、
前記背板の側端部に折り畳み自在に取り付けられるとともに、前記携帯情報端末を左右から挟み込み可能となるように互いに間隔を空けて配置され、下端面が接地面として機能する一対の側板と、
前記背板の上端部に折り畳み自在に取り付けられて、前記一対の側板の上端部同士を連結する天板と、
を備えており、
前記一対の側板の下端部は、前記背板の下端部よりも下方に突出し、
前記一対の側板の各々における下端面と前端面とが成す下端部前方の角部は、側面視において鋭角に形成されて、かつ前記前端面は後方に傾斜しており、
前記一対の側板の各々における前記携帯情報端末を挟み込む側の内側面には、前記携帯情報端末の側端部が入れられる溝部が設けられ、
前記溝部は、前記一対の側板の各々における上端部から下端部まで伸び、かつ、前記一対の側板の各々における前端面と平行に配置され、
前記溝部の下端部は、その高さ位置が前記一対の側板の下端面よりも上方に位置していることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の携帯情報端末保持装置であって、
前記一対の側板の各々における前端面と後端面は平行に配置されて、前記一対の側板は後方に傾斜しており、
前記背板の後面の下端部に折り畳み自在に取り付けられ、下端面が、前記一対の側板の下端面と共に接地面として機能する支持板を更に備えていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の携帯情報端末保持装置であって、
前記天板は、当該天板の下面に設けられて、前記一対の側板の各々における上端部がそれぞれ固定される被固定部を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、製造コストを削減できるとともに、携帯情報端末をセットする際の手間や所要時間を軽減でき、さらに、携帯情報端末の使用時における設置安定性を向上でき、その上で、保持している携帯情報端末の使い勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】携帯情報端末保持装置を示す右上からの前方斜視図である。
図2】携帯情報端末保持装置を示す左上からの後方斜視図である。
図3】携帯情報端末保持装置を示す側面図である。
図4】携帯情報端末保持装置を示す正面図である。
図5】携帯情報端末保持装置を折り畳んだ状態を示す正面図である。
図6】携帯情報端末保持装置を折り畳んだ状態を示す背面図である。
図7】溝部の変形例を示す側面図である。
図8】溝部の変形例を示す側面図である。
図9】溝部の変形例を示す平断面図である。
図10】携帯情報端末保持装置の変形例を示す右からの前方斜視図である。
図11図10の携帯情報端末保持装置を折り畳んだ状態を示す正面図である。
図12】携帯情報端末保持装置の変形例を示す側面図である。
図13】一対の側板における折り畳みの形態の変形例を示す平面図である。
図14】一対の側板における折り畳みの形態の変形例を示す平面図である。
図15】天板における折り畳みの形態の変形例を示す側面図である。
図16図15の天板及び背板を示す背面図である。
図17図15の背板の上端部を示す側面図である。
図18図15の天板と背板とを連結する連結部を示す側面図である。
図19】天板における折り畳みの形態の変形例を示す側面図である。
図20】一対の側板における折り畳みの形態の変形例を示す平面図である。
図21】支持板の変形例を示す背面図である。
図22】支持板の変形例を示す平断面図である。
図23】支持板の変形例を示す上方からの後方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0012】
<1.携帯情報端末について>
図1において符号Tbは、携帯情報端末を示す。本実施形態の携帯情報端末Tbは、いわゆるタブレット端末である。すなわち、携帯情報端末Tbは、持ち運び可能なコンピューターシステムである。
このような携帯情報端末Tbは、コンピューター、入力デバイス、表示デバイス、撮像装置、メモリデバイス、通信モジュール等が、矩形(長方形)の薄い筐体に収容されて構成されている。
また、タッチパネルである入力デバイスが表示デバイスに重ねられて、これら入力デバイスと表示デバイスが筐体の表側の透明な面に臨んで配置され、撮像装置が筐体の裏側の透明な面に臨んで配置されている。なお、表側の透明な面は、筐体における表側部分の大部分を占めており、裏側の透明な面は、筐体における裏側部分の一部である。
さらに、携帯情報端末Tbは、充電やインターネット等への有線接続に用いられるケーブルCの端子が接続される接続口を備える。接続口は、携帯情報端末Tbの端縁部に設けられている。そのため、ケーブルCの端子は、接続口に差し込まれたときに、携帯情報端末Tbの端縁部から突出した状態に配置されることとなる。
【0013】
ユーザーは、タブレット端末Tbの表側に対面して表示画面(表示デバイス)に表示される情報を確認するとともに、入力デバイスを通じて必要な操作を行うことができる。タブレット端末Tbを傾けすぎると、表示画面に表示されている情報が見づらくなることがあるため、ユーザーの顔とタブレット端末Tbの表面は、なるべく正対していることが望ましい。
なお、本実施形態の携帯情報端末Tbは、タブレット端末Tbが採用されているが、これに限られるものではなく、スマートフォン、ペンタブレット、電子書籍端末、電子辞書端末、ゲーム機端末、携帯音楽プレーヤー、重機やロボット等のコントローラーなどが採用されてもよい。
【0014】
タブレット端末である携帯情報端末Tbは、例えば、サーフィン大会やマラソン大会等のような定まった屋舎のない場所で行われる屋外スポーツや、同じく定まった屋舎のない場所で行われる屋外イベントなどで好適に使用される。
サーフィン大会を例に挙げると、会場は海であり、砂浜などの陸地側から選手の採点が行われる。サーフィン大会の場合は、選手の採点を行う複数の審判の他、試技の優先順位をジャッジする審判が複数人必要となる。そして、それぞれの審判は、携帯情報端末Tbを使用して各ジャッジを行う場合が多い。
通常はテント等が設営されて、審判はその中でジャッジを行うが、炎天下で行われることも多く、テント内に射し込む光によって携帯情報端末Tbの表示画面に表示されている情報が見えにくくなる場合がある。また、採点情報は、サーフィン大会においては秘匿性の高い情報であり、なるべく他の人に見られないようにすることが求められる。
そこで、携帯情報端末Tbは、携帯情報端末保持装置1によって、表示画面に光が当たりにくく、かつ、秘匿性の高い情報を隠しやすい状態で保持されて使用される。また、携帯情報端末保持装置1は、テーブル等の台の上に置かれ、審判は、椅子に座った状態で携帯情報端末Tbを使用する。
【0015】
<2.携帯情報端末保持装置の概要について>
携帯情報端末保持装置1は、図1図6に示すように、折り畳み式の箱状体であり、背板2と、一対の側板3,4と、天板5と、支持板6と、を備えている。
本実施形態の各板2~6は、桐や杉、ヒノキ等といった軽量の木製板材によって構成されているが、その材質は木材に限られるものではなく、アクリル板等の樹脂製板材やアルミ等の金属板によって構成されてもよいし、部位ごとに材質の異なる板材で構成されてもよい。また、本実施形態の各板2~6は、厚みが等しく設定されているが、部位ごとに厚みが異なっていてもよい。さらに、本実施形態の各板2~6は、中身の詰まった中実の木製板材によって構成されているが、内部中空状に形成された木製板材(中空パネル)によって構成されてもよい。
また、携帯情報端末保持装置1は、底板は備えておらず、携帯情報端末Tbを保持している使用状態において前面は開放されている。
【0016】
さらに、携帯情報端末保持装置1は、各板2~6が分離していて、使用時において組み立てる必要のある組み立て式ではなく、背板2から各板3~6が分離せず、かつ背板2を中心に折り畳むことができる構成となっている。このような構成を実現するために、背板2と、背板2以外の各板3~6は、回動連結手段であるヒンジH(蝶番、丁番ともいう)を介して連結されている。
なお、ヒンジHは金属製であり、背板2に固定される第一片と、背板2以外の各板3~6に固定される第二片と、第一片と第二片とを回動自在に連結する軸と、を有している。第一片と第二片は、各板2~6に対してビス留めされている。
【0017】
<3.背板について>
背板2は、矩形(長方形)の板材であり、本実施形態においては左右方向よりも上下方向に長く形成されている。すなわち、背板2は縦長であり、携帯情報端末Tbも縦長の向きで使用されるものとする。
また、背板2の前面における上下寸法及び左右寸法は、携帯情報端末Tbにおける上下寸法及び左右寸法よりも長く設定されている。
【0018】
なお、背板2は、携帯情報端末Tbの背側に位置するものであるため、表示画面に表示されている情報を目隠しする必要がない。そこで、背板2には、例えば排熱用の貫通孔が多数形成されていてもよいし、排気ファンが取り付けられてもよい。あるいは、ラティスやルーバー等のような格子が背板2として用いられてもよい。
【0019】
<4.一対の側板について>
一対の側板3,4は、左側に位置する第一側板3と、右側に位置する第二側板4と、を備えている。これら第一側板3と第二側板4は、左右対称に形成されている。そして、第一側板3と第二側板4は、互いに左右方向に間隔を空けて配置されていて、これら左右の第一側板3と第二側板4との間に、携帯情報端末Tbを挟み込むことができるようになっている。
【0020】
一対の側板3,4は、背板2に対して折り畳み自在な状態で取り付けられている。すなわち、第一側板3と第二側板4は、ヒンジHによって左右方向に回動自在な状態で、背板2の側端部に連結されている。
より詳細に説明すると、第一側板3は、その後端部が、ヒンジHによって背板2の左側端部に折り畳み自在に取り付けられている。また、第二側板4は、その後端部が、ヒンジHによって背板2の右側端部に折り畳み自在に取り付けられている。
背板2の左側端部は、第一側板3の左側面よりも左側方に突出しており、ヒンジHは、これら背板2の左側端部と第一側板3の左側面とが成す入隅部に配置されて、背板2の左側端部と第一側板3の後端部とを回動自在に連結している。
背板2の右側端部は、第二側板4の右側面よりも右側方に突出している。ただし、ヒンジHは、背板2の右側端部と第二側板4の左側面とが成す入隅部に配置されて、背板2の右側端部と第二側板4の後端部とを回動自在に連結している。
【0021】
一対の側板3,4における下端面は、接地面として機能する。つまり、台の上に携帯情報端末保持装置1が載せられる場合には、一対の側板3,4における下端面が、台の上面に接触する。要するに、一対の側板3,4は、携帯情報端末保持装置1における脚部として機能することになる。なお、一対の側板3,4の下端面には、例えばゴム等の滑り止めを取り付けてもよい。
そして、一対の側板3,4の下端部は、背板2の下端部よりも下方に突出した状態となっている。換言すれば、背板2の下端面の高さ位置は、一対の側板3,4の下端面よりも上方であり、背板2と台の上面との間には隙間が形成されることとなる。
【0022】
一対の側板3,4は、下端面と前端面とが成す下端部前方の角部が、側面視において鋭角に形成されて、かつ前端面は後方に傾斜している。さらに、下端面と後端面とが成す下端部後方の角部が、側面視において鈍角に形成されている。そして、一対の側板3,4における前端面と後端面は平行に配置されている。また、一対の側板3,4の上端部における前方及び後方の角部は、側面視において直角とされている。
このように形成された一対の側板3,4を脚部とする携帯情報端末保持装置1は、後方に傾いた状態となっている。
なお、本実施形態の一対の側板3,4は、垂直方向に対して15度分傾いた状態となっている。すなわち、第一側板3及び第二側板4における前端面及び後端面は角度が75度となっている。換言すれば、第一側板3及び第二側板4は、その下端部を15度の角度で斜めにカットすることで形成されている。
一対の側板3,4の下端部をカットする角度については、携帯情報端末保持装置1が台の上面に置かれ、ユーザーが椅子に座って携帯情報端末Tbの操作を行うことを考慮し、10度~20度に設定されているものとする。
【0023】
一対の側板3,4は、その上端部に突条部3a,4aを備えている。突条部3a,4aは「実(サネ)」とも呼ばれるものであり、第一側板3及び第二側板4の上端部を切り欠くことで形成されている。
また、一対の側板3,4の上端部は、突条部3a,4aを備えることで段状に形成されており、突条部3a,4aに隣接する上端面は、天板5の下面に接する。このような突条部3a,4aに隣接する上端面は「胴付き」とも呼ばれる。
【0024】
第一側板3の右側面と、第二側板4の左側面には、携帯情報端末Tbの側端部が入れられる溝部3b,4bがそれぞれ設けられている。
溝部3b,4bは、本実施形態においては加工溝である。すなわち、第一側板3の右側面と第二側板4の左側面を、それぞれルーター等の加工用電動工具によって溝掘り加工することによって形成されたものである。そして、溝部3b,4bは、第一側板3及び第二側板4を左右方向に貫通しないように形成されており、溝底面(溝部3b,4bの溝深さ方向の奥側面)がある状態になっている。したがって、携帯情報端末Tbが、第一側板3と第二側板4との間に挟み込まれた状態となったときに、携帯情報端末Tbの側端部は、溝部3b,4bの溝底面に接する。
【0025】
このような溝部3b,4bは、一対の側板3,4の各々における上端部から下端部まで伸び、かつ、一対の側板3,4の各々における前端面と平行に配置されている。
溝部3b,4bの上端部は、一対の側板3,4の各々における上端面(胴付き)に開放されている。そのため、携帯情報端末Tbを、一対の側板3,4の上方から溝部3b,4bに差し入れて、溝部3b,4bに沿ってスライド移動させることができる。
さらに、溝部3b,4bの下端部は、その高さ位置が一対の側板3,4の下端面よりも上方であって、かつ、下方に対して閉塞された状態となっている。すなわち、携帯情報端末Tbが、第一側板3と第二側板4との間に挟み込まれた状態となったときに、携帯情報端末Tbの左右の側端部における下端部が溝部3b,4bの下端部に当たり、これによって、携帯情報端末Tbが溝部3b,4bの下端部よりも下方に下がらないように保持できることとなる。つまり、携帯情報端末Tbを、台の上面から間隔を空けた状態で保持することができる。そのため、携帯情報端末Tbにおける上記の接続口が下向きに配置されている場合であっても、この接続口にケーブルCの端子を差し込んで接続することができる。なお、ケーブルCは、図2に示すように、背板2の下端部と台の上面との間の隙間に通せるようになっている。
【0026】
また、一対の側板3,4は、携帯情報端末Tbの側方に位置するものであるため、表示画面に表示されている情報を目隠しする必要がある。そこで、溝部3b,4bは、単に、一対の側板3,4の各々における前端面と平行に配置されているだけでなく、一対の側板3,4の各々における前端面と後端面との間の中間部に位置するように形成されている。これにより、携帯情報端末Tbを、一対の側板3,4の各々における前端面よりも、ある程度深い位置に配置することができるので、一対の側板3,4によって、携帯情報端末Tbの表示画面に表示されている情報を目隠ししやすくなる。
【0027】
<5.天板について>
天板5は、一対の側板3,4の上端部同士を連結する板材である。
本実施形態の天板5は矩形(長方形)の板材であり、前後方向よりも左右方向に長く形成されている。天板5の前後方向の長さは、一対の側板3,4における上端部の前後方向の長さと略等しく設定されている。また、天板5の左右方向の長さは、背板2の左右方向の長さと略等しく設定されている。
【0028】
そして、天板5は、背板2に対して折り畳み自在な状態で取り付けられている。すなわち、天板5は、その後端部が、ヒンジHによって上下方向(前後方向)に回動自在な状態で、背板2の上端部に連結されている。
なお、背板2の上端部は、天板5の上面よりも上方に突出しており、ヒンジHは、これら背板2の上端部と天板5の上面とが成す入隅部に配置されて、背板2の上端部と天板5の後端部とを回動自在に連結している。
【0029】
このような天板5は、当該天板5の下面に設けられて、一対の側板3,4の各々における上端部がそれぞれ固定される被固定部5a,5bを有している。
より詳細に説明すると、本実施形態の天板5は、一対の側板3,4の上端部に備えられた突条部3a,4aが嵌め込まれる一対の嵌合溝5a,5bを有している。
一対の嵌合溝5a,5bは、天板5の下面における左側端部に位置する第一嵌合溝5aと、右側端部に位置する第二嵌合溝5bとからなる。これら一対の嵌合溝5a,5bは、天板5の下面の前後方向に伸びて形成されている。
そして、天板5によって一対の側板3,4の上端部同士を連結するときに、第一嵌合溝5aには、第一側板3の上端部に設けられた突条部3aが嵌め込まれ、第一側板3の上端面(胴付き)は天板5の下面に接する。また、第二嵌合溝5bには、第二側板4の上端部に設けられた突条部4aが嵌め込まれ、第二側板4の上端面(胴付き)は天板5の下面に接する。
【0030】
一対の嵌合溝5a,5bにおける溝幅の寸法は、一対の側板3,4の上端部に備えられた突条部3a,4aの幅寸法と略等しく設定されている。これにより、一対の側板3,4の上端部に備えられた左右の突条部3a,4aが、天板5の下面に設けられた一対の嵌合溝5a,5bに嵌め込まれたときに、突条部3a,4aが嵌合溝5a,5bにぴったりと嵌まり込んだ状態となる。
また、一対の側板3,4及び天板5は木材によって構成されている。そのため、突条部3a,4aを嵌合溝5a,5bから抜き出そうとするとき、嵌合溝5a,5bに嵌め込もうとするときに摩擦が生じる。これにより、天板5によって、一対の側板3,4の上端部同士をしっかりと連結できるようになっている。
【0031】
<6.支持板について>
支持板6は、後方に傾斜する携帯情報端末保持装置1が後方に倒れないようにするための支えであり、図3に示すように、台形状に形成されていて、その下端面が、一対の側板3,4の下端面と共に接地面として機能する。また、支持板6は、背板2の高さ方向中央部を越えない程度の高さに設定されている。このような支持板6の前端面は、背板2の後面に接するため、背板2と等しい角度で傾斜している。
【0032】
そして、支持板6は、背板2の後面の下端部に折り畳み自在に取り付けられている。すなわち、支持板6は、その前端部が、ヒンジHによって左右方向に回動自在な状態で、背板2の後面の下端部に連結されている。より詳細に説明すると、ヒンジHは、背板2の後面の下端部と支持板6の左側面とが成す入隅部に配置されて、背板2の後面の下端部と支持板6の前端部とを回動自在に連結している。
【0033】
なお、本実施形態の支持板6は、図4に示すように、おおよそ背板2の左右方向中央部に配置されているが、厳密には背板2の左右方向中央部よりも、やや右側に寄せて配置されている(左側でもよい)。
携帯情報端末保持装置1に保持された携帯情報端末Tbを、ユーザーが右手又は左手を使って入力デバイスの操作を行う場合、入力デバイスに対して斜め方向から力が加わることが多い。そのため、このように支持板6を、やや側方にずらして配置すると、その斜め方向からの力に抵抗しやすくなるので、携帯情報端末Tbの使用時における携帯情報端末保持装置1の設置安定性を向上させることができる。
支持板6の下端面には、例えばゴム等の滑り止めを取り付けてもよい。
【0034】
<7.折り畳んだ状態について>
携帯情報端末保持装置1は持ち運び可能であり、出先の場所ですぐに携帯情報端末Tbを保持できることが求められている。そのため、携帯情報端末保持装置1を構成する各パーツ(各板2~6)は、図5図6に示すように、たとえ部分的にでも一切分離せずに、背板2を中心に折り畳みできることが必須となっている。
【0035】
まず、第一側板3は、当該第一側板3の左側面と背板2の左側端部とが成す入隅部にヒンジHが配置されて、ヒンジHによって背板2の左側端部と第一側板3の後端部とが回動自在に連結されている。そのため、第一側板3は、折り畳み状態においては左側に回転して折り畳まれる。
また、第二側板4は、当該第二側板4の左側面と背板2の右側端部とが成す入隅部にヒンジHが配置されて、ヒンジHによって背板2の右側端部と第二側板4の後端部とが回動自在に連結されている。そのため、第二側板4は、折り畳み状態においては左側に回転して折り畳まれる。
つまり、本実施形態の携帯情報端末保持装置1は、一対の側板3,4は、同一の方向に折り畳まれることになる。
【0036】
続いて、天板5は、当該天板5の上面と背板2の上端部とが成す入隅部にヒンジHが配置されて、ヒンジHによって背板2の上端部と天板5の後端部とが回動自在に連結されている。そのため、天板5は、折り畳み状態においては上側に回転して折り畳まれる。
【0037】
続いて、支持板6は、当該支持板6の左側面と背板2の後面の下端部とが成す入隅部にヒンジHが配置されて、ヒンジHによって背板2の後面の下端部と支持板6の前端部とが回動自在に連結されている。そのため、支持板6は、折り畳み状態においては左側に回転して折り畳まれる。
【0038】
携帯情報端末保持装置1は、以上のように各板3~6が折り畳まれることで、使用時よりも前後方向に薄くなるようにすることができる。これにより、持ち運びがしやすくなるので、持ち運んだ先(場所)ですぐに携帯情報端末Tbをセットして保持することができる。
具体的に説明すると、一対の側板3,4を、折り畳み状態から右側に回転させて背板2に対して直交させ、支持板6も右側に回転させて背板2に対して直交させる。その後、一対の側板3,4における溝部3b,4bに携帯情報端末Tbを差し入れる。そして、天板5を一対の側板3,4の上に被せるように回転させて、天板5の一対の嵌合溝5a,5bに、一対の側板3,4の各々における突条部3a,4aを嵌め込んだ状態とする。このような工程を経ることで携帯情報端末Tbを保持することができる。
【0039】
なお、携帯情報端末Tbを保持する手順は、これに限られるものではない。例えば一方の側板3(4)を台の上面に寝かせた状態とし、当該側板3の溝部3bに携帯情報端末Tbの側端部を差し入れてから、他方の側板4を上から被せるようにして、当該側板4の溝部4bと携帯情報端末Tbの側端部を合致させ、その後、天板5を回転させて、天板5の一対の嵌合溝5a,5bに、一対の側板3,4の各々における突条部3a,4aを嵌め込んだ状態とする。このような工程を経ても、携帯情報端末Tbを保持することができる。
【0040】
<8.有利な効果>
本実施形態によれば、以下のような優れた効果を奏する。
すなわち、一対の側板3,4の上端部同士を天板5によって連結しているので、一対の側板3,4が動きにくい状態となり、これら一対の側板3,4によって携帯情報端末Tbを左右から挟み込んで保持することができる。これにより、携帯情報端末Tbを保持するホルダー等の他の器具を用意する必要がなくなるため、携帯情報端末保持装置1の製造に係るコストの削減を図ることができる。
また、ホルダーやスタンド等の他の器具を使用することなく、携帯情報端末保持装置1によって携帯情報端末Tbを保持できるので、携帯情報端末Tb自体の重みが携帯情報端末保持装置1に加わることになる。これにより、携帯情報端末保持装置1が、屋外で風を受けても移動しにくくなるので、携帯情報端末Tbの使用時における携帯情報端末保持装置1の設置安定性を向上させることができる。
その上、一対の側板3,4の各々における上端部から下端部まで伸びる溝部3b,4bの下端部は、その高さ位置が一対の側板3,4の下端面よりも上方に位置しているので、携帯情報端末Tbを一対の側板3,4によって左右から挟み込んだときに、携帯情報端末Tbの左右の側端部における下端部が溝部3b,4bの下端部に当たる。これによって、携帯情報端末Tbが溝部3b,4bの下端部よりも下方に下がらないように保持できることとなる。そのため、携帯情報端末Tbが台の上面よりも高い位置に保持されるので、例えば充電や通信のためのケーブルCを接続しながら携帯情報端末Tbを使用することができ、使い勝手がよい。
さらに、携帯情報端末Tbは、一対の側板3,4及び天板5によって囲まれた箇所に保持されることとなるので、一対の側板3,4及び天板5によって、携帯情報端末保持装置1の内側への光の入射を防ぎやすくなる。これにより、反射光によって携帯情報端末Tbの表示画面が見づらくなることを防ぎやすくなるとともに、直射日光による熱暴走等の熱に起因する不具合も生じにくくなる。
また、一対の側板3,4の各々における携帯情報端末Tbを挟み込む側の内側面には、携帯情報端末Tbの側端部が入れられる溝部3b,4bが設けられていて、これら溝部3b,4bは、一対の側板3,4の各々における後方に傾斜する前端面と平行に配置されているので、携帯情報端末Tbを後方に傾斜した状態で保持できる。そのため、例えば携帯情報端末Tbを横にして表示画面を見る場合に比して、格段に表示画面が見やすくなって使い勝手もよい。特に、サーフィン大会において試技を見ながら携帯情報端末Tbの操作を行わないといけないようなシチュエーションでは、携帯情報端末Tbが台の上面に寝かせた状態で置かれて使用される場合に比して、格段に使い勝手がよい。
しかも、一対の側板3,4が背板2の側端部に折り畳み自在に取り付けられ、天板5が背板2の上端部に折り畳み自在に取り付けられているので、一対の側板3,4及び天板5は、背板2から分離せずに、背板2を中心にして折り畳むことができ、かつ、背板2を中心にして展開できる構成となっている。これにより、携帯情報端末Tbを携帯情報端末保持装置1によって保持する場合に、いち早く携帯情報端末Tbをセットすることができるとともに、片付けもいち早く行うことができる。したがって、携帯情報端末Tbをセットする際の手間や所要時間を軽減することができる。
【0041】
また、一対の側板3,4の各々における前端面と後端面は平行に配置されて、一対の側板3,4は後方に傾斜しているので、携帯情報端末保持装置1が台の上面に置かれ、ユーザーが椅子に座って携帯情報端末Tbの操作を行うことを考慮すると、携帯情報端末Tbの表示画面をユーザーに対面させやすく、使い勝手の向上に貢献できる。
さらに、携帯情報端末保持装置1は、下端面が、一対の側板3,4の下端面と共に接地面として機能する支持板6を更に備えているので、後方に傾斜している携帯情報端末保持装置1が後方に倒れないようにすることができる。そのため、携帯情報端末Tbの使用時における携帯情報端末保持装置1の設置安定性を向上させることができる。
しかも、このような支持板6は、背板2の後面の下端部に折り畳み自在に取り付けられているので、背板2から分離せずに、背板2を中心にして折り畳むことができ、かつ、背板2を中心にして展開できる構成となっている。これにより、携帯情報端末Tbを携帯情報端末保持装置1によって保持する場合に、いち早く携帯情報端末Tbをセットすることができるとともに、片付けもいち早く行うことができる。したがって、携帯情報端末Tbをセットする際の手間や所要時間を軽減することができる。
【0042】
また、天板5は、当該天板5の下面に設けられて、一対の側板3,4の各々における上端部がそれぞれ固定される被固定部として、一対の嵌合溝5a,5bを有しているので、一対の側板3,4の各々における上端部(突条部3a,4a)を一対の嵌合溝5a,5bにそれぞれ嵌め込むことで、天板5によって、一対の側板3,4の上端部同士をしっかりと連結することができる。これにより、例えば一対の側板3,4が不意に折り畳まれてしまうような事態が発生することを防ぐことができるので、携帯情報端末Tbの使用時における携帯情報端末保持装置1の設置安定性を向上させることができる。また、一対の側板3,4による携帯情報端末Tbの保持性能も高くなる。
【0043】
<9.変形例>
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、変形例について説明する。以下に挙げる変形例は可能な限り組み合わせてもよい。また、以下の各変形例において、上述の実施形態と共通する要素については、共通の符号を付すか、認識しやすい符号を付して説明を省略又は簡略する。
【0044】
〔変形例1〕
上記の実施形態において、溝部3bは、側板3に一本ずつ形成されているが、本変形例においては、図7に示すように、溝部3bと、この溝部3bに平行して配置された補助溝部3cが、側板3に形成されている。
すなわち、側板3には、平行する複数の溝部3b,3cが形成されている。
補助溝部3cは、溝部3bと同様の加工溝であり、溝部3bよりも前方に配置されているが、溝部3bよりも後方に配置されてもよい。
なお、図7においては一方の側板3のみ例示しているが、他方の側板4においても同様に補助溝部が形成されているものとする。また、補助溝部3cの本数は一本に限られず、二本以上でもよい。
【0045】
このように補助溝部3cが形成されることで、携帯情報端末保持装置1によって保持される携帯情報端末Tbの前後の位置を変更することができる。ユーザーが携帯情報端末Tbを自身に近づけて使いたい場合は、携帯情報端末Tbを補助溝部3cに差し入れ、自身から離して使いたい場合は、携帯情報端末Tbを溝部3bに差し入れるようにする。
【0046】
〔変形例2〕
上記の実施形態において、溝部3bは、側板3の前端面と平行に配置されているが、本変形例においては、図8に示すように、溝部3bとは角度の異なる補助溝部3dが、側板3に形成されている。
すなわち、側板3には、側板3の前端面と平行する溝部3bと、この溝部3bと交差する補助溝部3dが形成されている。
補助溝部3dは、溝部3bと同様の加工溝であり、下端部は、溝部3bの下端部よりも前方に位置し、上端部は、溝部3bの上端部よりも後方に位置している。つまり、補助溝部3dは後方に傾斜しており、さらに、溝部3bと補助溝部3dは、交差部分において一体化した状態となっている。
ただし、これに限られるものではなく、補助溝部3dは前方に傾斜(側板3の接地時において垂直となるような角度に傾斜)していてもよいし、溝部3bと交差していなくてもよい。
【0047】
このように補助溝部3dが形成されることで、携帯情報端末保持装置1によって保持される携帯情報端末Tbの角度を変更することができる。ユーザーが携帯情報端末Tbを、溝部3bに差し入れるよりも更に傾けて使いたい場合は、携帯情報端末Tbを補助溝部3dに差し入れるようにする。
【0048】
〔変形例3〕
上記の実施形態において、溝部3bは、ルーター等の加工用電動工具によって溝掘り加工することによって形成された加工溝とされているが、本変形例の溝部3eは、一部材として溝型に形成されたものである。つまり、本変形例の溝部3eは、側板3とは別個に形成されて、側板3の内側面に対して取り付けられている。
このような溝型部材である溝部3eは、ビス等によって側板3に固定されている。換言すれば、溝部3eは側板3から取り外し可能となっている。そのため、溝部3eは交換が可能となっている。溝部3eが交換可能であると、例えば、携帯情報端末Tbを買い替えて、携帯情報端末Tbの側端部の厚みが変更されたような場合に、それに合うようなサイズの溝部3eに交換することができる。
【0049】
〔変形例4〕
図10図11に示す携帯情報端末保持装置11は、背板12と、一対の側板13,14と、天板15と、支持板16と、を備えており、上記の実施形態における携帯情報端末保持装置1と同様の機能を有する。ただし、本変形例の携帯情報端末保持装置11は、携帯情報端末Tbを横長の向きで使用する場合に用いられる。
【0050】
背板12は、矩形(長方形)の板材であり、本変形例においては上下方向よりも左右方向に長く形成されている。
また、携帯情報端末Tbは横長の向きで携帯情報端末保持装置11に保持されることから、ケーブルCの端子が接続される接続口は、左側か右側に位置することとなる。そのため、携帯情報端末保持装置11を展開させて台の上面に置いたときに、背板12の下端部と台の上面との間には、ケーブルCを通す隙間が形成されなくてもよい。本変形例においては、背板12の下端部(下端部における後方の角部)は、台の上面に近接するか、台の上面に接する。
【0051】
一対の側板13,14は、左側に位置する第一側板13と、右側に位置する第二側板14と、を備えており、これら左右の第一側板13と第二側板14との間に、携帯情報端末Tbを挟み込むことができる。
一対の側板13,14はそれぞれ、突条部13a,14aと、溝部13b,14bと、を有している。
そして、一対の側板13,14のうち、少なくとも一方の側板には、ケーブルCを通すための貫通孔が形成されている。本変形例においては右側の第二側板14にのみ貫通孔14cが形成されているが、左側の第一側板13にも貫通孔が形成されてよい。
【0052】
天板15は、矩形(長方形)の板材であり、前後方向の長さは、一対の側板13,14における上端部の前後方向の長さと略等しく設定され、左右方向の長さは、背板12の左右方向の長さと略等しく設定されている。また、下面には、一対の側板13,14の上端部に備えられた突条部13a,14aが嵌め込まれる一対の嵌合溝15a,15bが形成されている。
【0053】
支持板16は、後方に傾斜する携帯情報端末保持装置11が後方に倒れないようにするための支えであり、略台形状に形成されていて、その下端面が、一対の側板3,4の下端面と共に接地面として機能する。
【0054】
このような携帯情報端末保持装置11は、背板12が横長であり、この背板12に対して一対の側板13,14と天板15と支持板16とが折り畳み自在に取り付けられているので、横長の向きで使用される携帯情報端末Tbを保持するのに好適である。そして、側板14に形成された貫通孔14cによって、ケーブルCの端子を携帯情報端末Tbの接続詞に差し込んだまま、携帯情報端末Tbを保持することも可能となっている。
【0055】
〔変形例5〕
図12に示す携帯情報端末保持装置21は、背板22と、一対の側板24と、天板25と、を備えているが、支持板を備えていない。本変形例の携帯情報端末保持装置21は、支持板(支持板6)の機能を除き、上記の実施形態における携帯情報端末保持装置1と同様の機能を有する。
【0056】
本変形例の一対の側板24は、左側に位置する第一側板(図示省略)と、右側に位置する第二側板24と、を備えており、これら左右の第一側板と第二側板24との間に、携帯情報端末Tbを挟み込むことができる。
一対の側板24はそれぞれ、突条部24aと、溝部24bと、を有している。
【0057】
さらに、一対の側板24は、下端面と前端面とが成す下端部前方の角部が、側面視において鋭角に形成されて、かつ前端面は後方に傾斜している。さらに下端面と後端面とが成す下端部後方の角部が、側面視において直角に形成されて、かつ後端面は垂直上方に伸びている。
また、一対の側板24は、上端面と前端面とが成す上端部前方の角部が、側面視において直角に形成されている。一方、上端面と後端面とが成す上端部後方の角部は、側面視において鈍角に形成されている。すなわち、上端面は、前方から後方に向かって下がるように傾斜している。ただし、これに限られるものではなく、上端面は、下端面と同様に水平であってもよい。その場合、一対の側板24は、側面視において台形状に形成される。
そして、一対の側板24が、このように形成されていると、一対の側板24の前端面は後方に傾斜しているものの、一対の側板24の後端面は垂直であるため、携帯情報端末保持装置21自体は、支持板を備えていなくても後方に倒れ込むことがない。
【0058】
天板25の下面には、一対の側板24の上端部に備えられた突条部24aが嵌め込まれる一対の嵌合溝25b(左側の嵌合溝は図示省略)が形成されている。
【0059】
また、天板25は、背板22の上端部に折り畳み自在に取り付けられている。より詳細に説明すると、背板22の上端面と天板25の後端面とが、ヒンジHによって回動自在に連結されている。そのため、天板25を折り畳み状態とした場合は、背板22と天板25とが、側面視において一直線上に配置される状態となる。
天板25が、背板22の上端部に対して、このように取り付けられることで、一対の側板24を折り畳み状態としたときに、これら一対の側板24の上端部と天板25とが重なり合う状態となる。
つまり、一対の側板24が、上端面と前端面とが成す上端部前方の角部が、側面視において直角に形成されていると、折り畳んだときに、当該上端部前方の角部は、背板22の上端面よりも上方に突出することになる。このとき、仮に天板25が、背板22の上端部の前面に取り付けられていると、折り畳み時に、一対の側板24の上端部と天板25とがぶつかってしまう。ところが、背板22の上端面と天板25の後端面とが、ヒンジHによって回動自在に連結されていれば、一対の側板24の上端部と天板25とが重なり合う状態となって、携帯情報端末保持装置21全体が折り畳みやすくなる。
【0060】
〔変形例6〕
図13に示す携帯情報端末保持装置31は、背板32と、一対の側板33,34と、天板(図示省略)と、支持板(図示省略)と、を備えており、上記の実施形態における携帯情報端末保持装置1と同様の機能を有する。
【0061】
本変形例の一対の側板33,34は、左側に位置する第一側板33と、右側に位置する第二側板34と、を備えており、これら左右の第一側板33と第二側板34との間に、携帯情報端末Tbを挟み込むことができる。
一対の側板33,34はそれぞれ、突条部33a,34aと、溝部33b,34bと、を有している。
【0062】
第一側板33は、その後端部が、ヒンジHによって背板32の左側端部に折り畳み自在に取り付けられている。また、第二側板34は、その後端部が、ヒンジHによって背板32の右側端部に折り畳み自在に取り付けられている。
より詳細に説明すると、第一側板33の後端面と背板32の左側端部の前面とが、ヒンジHによって回動自在に連結されている。また、第二側板34の後端面と背板32の右側端部の前面とが、ヒンジHによって回動自在に連結されている。
また、第一側板33の幅寸法(展開時の前後方向、かつ、折り畳み時の左右方向)と、第二側板34の幅寸法(展開時の前後方向、かつ、折り畳み時の左右方向)は、折り畳み時において互いに接触しない程度に設定されている。換言すれば、折り畳み時における第一側板33と第二側板34との間には、僅かな隙間が形成されており、ヒンジHによって第一側板33及び第二側板34を軸回転させたときに、互いに接触しないようになっている。つまり、本変形例の一対の側板33,34は、観音開き式に回転移動する。
【0063】
本変形例によれば、一対の側板33,34の双方を背板32の前面に重ね合わせることができるので、折り畳み状態としたときに、携帯情報端末保持装置31の厚みを薄くするとともに、一対の側板33,34を背板32の両側端部よりも外側に突出させないようにして、コンパクトに折り畳むことができる。
【0064】
〔変形例7〕
図14に示す携帯情報端末保持装置41は、背板42と、一対の側板43,44と、天板(図示省略)と、支持板(図示省略)と、を備えており、上記の実施形態における携帯情報端末保持装置1と同様の機能を有する。
【0065】
本変形例の一対の側板43,44は、左側に位置する第一側板43と、右側に位置する第二側板44と、を備えており、これら左右の第一側板43と第二側板44との間に、携帯情報端末Tbを挟み込むことができる。
一対の側板43,44はそれぞれ、突条部43a,44aと、溝部43b,44bと、を有している。
【0066】
背板42は、当該背板42の左側端部に設けられた突出部42aを有している。突出部42aは、上下方向に長く形成されていて、その上下寸法は、第一側板43の上下寸法と等しく設定されている。また、厚みも第一側板43と等しく設定されている。
そして、第一側板43は、このような背板42の左側端部に固定された突出部42aに折り畳み自在に取り付けられている。より詳細に説明すると、第一側板43の後端面の右側面と突出部42aの右側面とが、ヒンジHによって回動自在に連結されている。これによって第一側板43は、折り畳み時において、背板42の前面から突出部42aの長さ分の間隔を空けた状態で折り畳むことができる。
一方、第二側板44は、その後端部が、ヒンジHによって背板32の右側端部に折り畳み自在に取り付けられている。したがって、第二側板44は、折り畳み時において、背板42の前面に重ね合わせることができる。
なお、突出部42aの突出寸法は、第二側板44の厚み寸法よりも若干長く設定されている。
【0067】
一対の側板43,44が、このように構成されていると、携帯情報端末保持装置41の折り畳み時において、第二側板44の前側に、第一側板43を重ね合わせて折り畳むことができる。これにより、携帯情報端末保持装置41を折り畳み状態としたときに、一対の側板43,44を背板42の両側端部よりも外側に突出させないようにして、コンパクトに折り畳むことができる。
【0068】
〔変形例8〕
図15に示す携帯情報端末保持装置51は、背板52と、一対の側板54と、天板55と、支持板56と、を備えており、上記の実施形態における携帯情報端末保持装置1と同様の機能を有する。
【0069】
本変形例の一対の側板54は、左側に位置する第一側板(図示省略)と、右側に位置する第二側板54と、を備えており、これら左右の第一側板と第二側板54との間に、携帯情報端末Tbを挟み込むことができる。
一対の側板54はそれぞれ、突条部54aと、溝部54bと、を有している。
【0070】
天板55の下面には、一対の側板54の上端部に備えられた突条部54aが嵌め込まれる一対の嵌合溝55b(左側の嵌合溝は図示省略)が形成されている。
天板55の左右寸法は、背板52の左右寸法と等しく設定されている。また、天板55の前後寸法(上下寸法)は、背板52の上下寸法よりも短く設定されている。
また、天板55は、背板52の上端部に折り畳み自在に取り付けられている。より詳細に説明すると、背板52の上端部と天板55の後端部とが、回動連結手段である連結部57によって回動自在に連結されている。
【0071】
連結部57は、図15図18に示すように、上端部(前端部)と下端部(後端部)の双方に、自身の長さ方向(左右方向)に沿って形成された貫通孔を有しており、この貫通孔には、回転軸57aが挿通される。
上下それぞれの貫通孔に挿通された回転軸57aは、連結部57よりも長尺に形成されており、連結部57の長さ方向両端部から左右に突出している。
なお、この連結部57における上下寸法(前後寸法)は、同一の厚さに形成された背板52と天板55とを重ね合わせた分の厚さ寸法と略等しく設定されている。
【0072】
背板52の上端部は、凹字型に形成されている。すなわち、背板52の上端部には切欠部520が形成され、切欠部520の両側は上方に突出する突出部521となっている。両側の突出部521には、上記の回転軸57aが挿通される貫通孔が形成されている。
連結部57の下端部は、両側の突出部521間に配置されるようにして切欠部520に差し込まれる。そして、回転軸57aが、一方の突出部521の貫通孔から、連結部57の下端部の貫通孔に通され、さらに、他方の突出部521の貫通孔まで通された上で抜け止めされる。
【0073】
天板55の後端部(下端部)も、背板52の上端部と同様に凹字型に形成されて、切欠部550と両側の突出部551とを有している。両側の突出部551には、上記の回転軸57aが挿通される貫通孔が形成されている。
連結部57の上端部は、両側の突出部551間に配置されるようにして切欠部550に差し込まれる。そして、回転軸57aが、一方の突出部551の貫通孔から、連結部57の上端部の貫通孔に通され、さらに、他方の突出部551の貫通孔まで通された上で抜け止めされる。
【0074】
背板52と天板55とが、以上のように、二軸式の連結部57によって回動自在に連結されていると、天板55を、一対の側板54の上端部同士を連結している位置から、背板52の後面にぴったりと接触するまでの範囲で回動させることができる。これにより、携帯情報端末保持装置51を折り畳み状態としたときに、天板55を、背板52の周縁部よりも外側に突出させないようにして、コンパクトに折り畳むことができる。
【0075】
支持板56は、ヒンジHによって背板52の後面の下端部と回動自在に連結され、折り畳み状態においては背板52の後面に重ね合わせられるようにして折り畳まれる。
支持板56の上端面は、背板52の後面に重ね合わせられた状態に折り畳まれた天板55の下端部と接触しないように傾斜した状態となっている。
【0076】
なお、仮に、このような連結部57による背板52と天板55との回動連結構造及び支持板56を、上記の変形例6(図13)における観音開き式の携帯情報端末保持装置31と組み合わせると、全体で3層分の厚みに抑えることができるとともに、背板52以外の各板が縦横に突出することもないので、極めてコンパクトに折り畳むことができる。
また、仮に、このような連結部57による背板52と天板55との回動連結構造及び支持板56を、上記の変形例7(図14)における携帯情報端末保持装置41と組み合わせると、全体で4層分の厚みに抑えることができるとともに、背板52以外の各板が縦横に突出することもない。その上、展開時における一対の側板43,44の前後方向への長さを長くすることもできる。
【0077】
〔変形例9〕
図19に示す携帯情報端末保持装置61は、背板62と、一対の側板64と、天板65と、支持板66と、を備えており、上記の実施形態における携帯情報端末保持装置1と同様の機能を有する。
【0078】
本変形例の一対の側板64は、左側に位置する第一側板(図示省略)と、右側に位置する第二側板64と、を備えており、これら左右の第一側板と第二側板64との間に、携帯情報端末Tbを挟み込むことができる。
一対の側板64はそれぞれ、突条部64aと、溝部64bと、を有している。
【0079】
天板65の下面には、一対の側板64の上端部に備えられた突条部64aが嵌め込まれる一対の嵌合溝65b(左側の嵌合溝は図示省略)が形成されている。
天板65の左右寸法は、背板62の左右寸法と等しく設定されている。また、天板65の前後寸法(上下寸法)は、背板62の上下寸法よりも短く設定されている。
また、天板65は、背板62の上端部に折り畳み自在に取り付けられている。より詳細に説明すると、背板62の上端部と天板65の後端部とが、回動連結手段である連結部67によって回動自在に連結されている。
【0080】
連結部67は、左右方向に長尺な帯状体であり、下辺が背板62の後面の上端部に固定され、上辺が天板65の上面の後端部に固定されている。
帯状体としては、例えば皮革、布、ガムテープ、シリコーンゴム等のように可撓性を有する素材のものが採用される。
連結部67は、背板62及び天板65に対しては、ビス等の固定具によって固定されてもよいし、接着剤によって固定されてもよい。
連結部67のうち、背板62の後面の上端部に固定された下辺と、天板65の上面の後端部に固定された上辺との間に位置する中央部分は、背板62にも天板65にも固定されていないものとする。
【0081】
背板62と天板65とが、以上のように、帯状体である連結部67によって回動自在に連結されていると、天板65を、一対の側板64の上端部同士を連結している位置から、背板62の後面にぴったりと接触するまでの範囲で回動させることができる。これにより、携帯情報端末保持装置61を折り畳み状態としたときに、天板65を、背板62の周縁部よりも外側に突出させないようにして、コンパクトに折り畳むことができる。
【0082】
支持板66は、ヒンジHによって背板62の後面の下端部と回動自在に連結され、折り畳み状態においては背板62の後面に重ね合わせられるようにして折り畳まれる。
支持板56の上端面は、背板62の後面に重ね合わせられた状態に折り畳まれた天板65の下端部と接触しないように傾斜した状態となっている。
【0083】
なお、仮に、このような連結部67による背板62と天板65との回動連結構造及び支持板66を、上記の変形例6(図13)における観音開き式の携帯情報端末保持装置31と組み合わせると、全体で3層分の厚みに抑えることができる。
また、仮に、このような連結部67による背板62と天板65との回動連結構造及び支持板66を、上記の変形例7(図14)における携帯情報端末保持装置41と組み合わせると、全体で4層分の厚みに抑えることができる。
【0084】
〔変形例10〕
図20に示す携帯情報端末保持装置71は、背板72と、一対の側板73,74と、天板(図示省略)と、支持板(図示省略)と、を備えており、上記の実施形態における携帯情報端末保持装置1と同様の機能を有する。
【0085】
本変形例の一対の側板73,74は、左側に位置する第一側板73と、右側に位置する第二側板74と、を備えており、これら左右の第一側板73と第二側板74との間に、携帯情報端末Tbを挟み込むことができる。
【0086】
第一側板73は、突条部を有しておらず、上端面は平坦に形成されている。そして、突条部を有していない代わりに、上面マグネット73aを有している。また、この第一側板73は、溝部73bを有している。なお、本変形例においては、上面マグネット73aは複数用いられている。
【0087】
天板のうち左側端部の下面には、図示はしないが、第一側板73の上端面に設けられた上面マグネット73aが吸着する金属板が設けられている。なお、金属板は、本変形例においては1枚の矩形状の金属板が採用されているが、複数の金属板が採用されてもよい。
金属板は、第一側板73の上端部が固定される被固定部として機能するものであり、第一側板73の厚さ寸法よりも広い幅寸法(左右方向の寸法)に設定されている。これにより、第一側板73を、金属板の幅方向(左右方向)に沿って位置調整を行うことが可能となる。
天板のうち右側端部の下面には、第二側板74の上端部に備えられた突条部74aが嵌め込まれる嵌合溝が形成されている。
【0088】
また、第一側板73は、その後端部が、背板72の左側端部に折り畳み自在に取り付けられている。より詳細に説明すると、背板72の左側端部の前面と第一側板73の後端部の右側面とが、回動連結手段である連結部77によって回動自在に連結されている。
連結部77は、上下方向に長尺な帯状体であり、前辺が第一側板73の後端部の右側面に固定され、後辺が背板72の左側端部の前面に固定されている。
連結部77のうち、第一側板73の後端部の右側面に固定された前辺と、背板72の左側端部の前面に固定された後辺との間に位置する中央部分は、背板62にも第一側板73にも固定されていないものとする。
【0089】
さらに、第一側板73は、当該第一側板73の後端面に設けられた後面マグネット73cを更に有している。一方、背板72の左側端部の前面には、後面マグネット73cが吸着する金属板72aが設けられている。
金属板72aは、第一側板73の厚さ寸法よりも広い幅寸法(左右方向の寸法)に設定されている。これにより、第一側板73を、金属板72aの幅方向(左右方向)に沿って位置調整を行うことが可能となる。
【0090】
第二側板74は、突条部74aと、溝部74bと、を有している。第二側板74は、背板72の右側端部の前面に対し、ヒンジHによって回動自在に連結されている。
また、天板のうち右側端部の下面には、図示はしないが、第二側板74の突条部74aが嵌め込まれる嵌合溝が形成されている。
したがって、第二側板74は、上記の実施形態における携帯情報端末保持装置1の第二側板4と同様に、天板の嵌合溝に固定される。
ただし、これに限られるものではなく、第二側板74も、第一側板73と同様の形態で背板72に取り付けられてもよい。つまり、上面マグネット及び後面マグネットを備えるとともに、帯状体の連結部77によって背板72に回動自在に連結されてもよい。
【0091】
本変形例によれば、第一側板73と第二側板74のうち少なくとも一方の側板(第一側板73)が左右方向に位置調整可能となっているので、幅寸法の異なる携帯情報端末Tbを保持することが可能となる。
また、背板72と第一側板73が、以上のように、可撓性のある帯状体の連結部77によって回動自在に連結されていると、背板72の前面に重ね合わせられるようにして折り畳まれた第二側板74の前面に、第一側板73を更に重ね合わせて折り畳むことができる。これにより、携帯情報端末保持装置71を折り畳み状態としたときに、一対の側板73,74を背板72の両側端部よりも外側に突出させないようにして、コンパクトに折り畳むことができる。
【0092】
なお、本変形例においては、マグネットと金属板の組み合わせによって、第一側板73を天板及び背板72に対して固定したが、これに限られるものではなく、例えば面ファスナーを採用してもよい。すなわち、面ファスナーのフック面とループ面を剥がすことができるので、一方の面を第一側板73に固定し、他方の面を天板と背板72に固定する。これによって、マグネットと金属板の組み合わせの場合と同様に、第一側板73の位置調整が可能となる。
【0093】
〔変形例11〕
図21の変形例においては、背板2の後面の下端部に、複数の支持板600,601が折り畳み自在に取り付けられている。
複数の支持板600,601は、左側に位置する第一支持板600と、右側に位置する第二支持板601と、を備えている。また、第一支持板600及び第二支持板601は、その前端部が、ヒンジHによって左右方向に回動自在な状態で、背板200の後面の下端部に連結されている。
より詳細に説明すると、ヒンジHが、背板200の後面の下端部と第一支持板600の左側面とが成す入隅部に配置されて、背板200の後面の下端部と第一支持板600の前端部とを回動自在に連結している。また、ヒンジHが、背板200の後面の下端部と第二支持板601の右側面とが成す入隅部に配置されて、背板200の後面の下端部と第二支持板601の前端部とを回動自在に連結している。
本変形例によれば、複数の支持板600,601が背板200に取り付けられているので、携帯情報端末保持装置の設置安定性を格段に向上できる。
【0094】
〔変形例12〕
図22の変形例においては、背板201の後面の下端部に形成された凹部201aに、支持板602が折り畳み自在に取り付けられている。
より詳細に説明すると、ヒンジHが、凹部201aの奥側面と支持板602の右側面とが成す入隅部に配置されて、凹部201aの奥側面と支持板602の前端部とを回動自在に連結している。また、凹部201aの深さは、支持板602の厚みと略等しく設定されている。これにより、折り畳み状態においては、支持板602を、凹部201a内に埋め込んだ状態とすることができるので、支持板602が嵩張らない分、携帯情報端末保持装置をコンパクトに折り畳むことができる。
【0095】
〔変形例13〕
図23の変形例においては、背板202の下端面に、複数の支持板603,604が折り畳み自在に取り付けられている。
複数の支持板603,604は、左側に位置する第一支持板603と、右側に位置する第二支持板604と、を備えている。また、第一支持板603及び第二支持板604は、その前端部(側端部)が、回転軸603a,604aによって左右方向に回動自在な状態で、背板202の下端部に連結されている。
より詳細に説明すると、回転軸603aが、第一支持板603の前端部(左側端部)と背板202の下端部における左側端部とに跨って設けられている。また、回転軸604aが、第二支持板604の前端部(右側端部)と背板202の下端部における右側端部とに跨って設けられている。これにより、第一支持板603は、回転軸603aを中心に水平回転し、第二支持板604は、回転軸604aを中心に水平回転することができる。したがって、折り畳み状態においては、支持板603,604を、背板202に揃えて1枚の板のようにすることができるので、支持板603,604が嵩張らない分、携帯情報端末保持装置をコンパクトに折り畳むことができる。
【0096】
〔変形例14〕
上記の実施形態においては、一対の側板3,4は、その上端部に突条部3a,4aを備えていて、これら突条部3a,4aが、天板5における一対の嵌合溝5a,5bにそれぞれ嵌め込まれる構成となっているが、これに限られるものではない。
例えば、一対の側板3,4の上端部に突条部3a,4aが無く、一対の側板3,4の上端部がそのまま天板5における一対の嵌合溝5a,5bに嵌め込まれてもよい。
また、突条部3a,4aに代えて、例えば円錐状のピンや円柱状のダボが、一対の側板3,4の上端面に設けられてもよい。この場合、天板5の下面には、これらピンやダボが差し込まれる嵌合穴が形成される。したがって、天板5によって一対の側板3,4の上端部同士を連結する場合には、天板5の下面に形成された嵌合穴に、一対の側板3,4の上端面に設けられたピンやダボが合致するようにする。
【符号の説明】
【0097】
Tb 携帯情報端末
C ケーブル
H ヒンジ
1 携帯情報端末保持装置
2 背板
3 第一側板
3a 突条部
3b 溝部
4 第二側板
4a 突条部
4b 溝部
5 天板
5a 第一嵌合溝
5b 第二嵌合溝
6 支持板
【要約】
【課題】製造コストを削減し、携帯情報端末をセットする際の手間や所要時間を軽減し、携帯情報端末の使用時における設置安定性を向上させ、保持している携帯情報端末の使い勝手を向上させる。
【解決手段】携帯情報端末保持装置1が背板2と側板3,4と天板5を備え、側板3,4及び天板5は、背板2に対して折り畳み自在に取り付けられ、側板3,4の下端部は、背板2の下端部よりも下方に突出し、側板3,4の各々における前端面は後方に傾斜しており、側板3,4の各々における携帯情報端末Tbを挟み込む側の内側面には、携帯情報端末Tbの側端部が入れられる溝部3b,4bが設けられ、溝部3b,4bは、側板3,4の各々における上端部から下端部まで伸び、かつ、側板3,4の各々における前端面と平行に配置され、溝部3b,4bの下端部は、その高さ位置が側板3,4の下端面よりも上方に位置している。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23